JP4020632B2 - エポキシ樹脂組成物および半導体装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体などの電子部品の封止樹脂材料として使用されるエポキシ樹脂組成物、およびこれを用いた半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半導体などの電子部品を熱硬化性樹脂を用いて封止することが広く行われている。このような封止樹脂材料には、エポキシ樹脂をベースとし、これに硬化剤や硬化促進剤、さらにはシリカ粉末のような無機充填剤や顔料などを配合した組成物が、信頼性や成形性、価格の点から一般に使用されている。
【0003】
ところで、近年、半導体集積回路の分野においては、チップの高集積化とともに、チップサイズの大型化および多極化が進み、一方、パッケージデザインも、従来のピン挿入型のDIP(Dual-In Line Package)から、表面実装型のSOP(Small Outline Package)、QFP(Quad Flat Package)、SOJ(Small Outline J-lead Package)、TSOP(Thin SOP)、LQFP(Large QFP)、TQFP(Thin QFP)などへと変化している。
【0004】
このような実装方式の変更に伴い、実装(半田工程)時に、パッケージの封止樹脂部分にクラックが発生したり、チップと封止樹脂間または基板と封止樹脂間で剥離が生じるという問題が発生している。これは、表面実装型パッケージでは、実装時にパッケージ全体が高温(230〜270℃程度)の半田浴に直接浸漬されるため、封止樹脂材料にはピン挿入型のものに比べより厳しい半田耐熱性が要求されるからである。すなわち、従来のエポキシ樹脂組成物では、半田耐熱性が表面実装型パッケージに適用するにはやや不十分であった。
【0005】
このため、表面実装型パッケージに適用しても実装時に上記のようなクラックや剥離が発生することのない半田耐熱性により優れたエポキシ樹脂組成物の開発が要望されている。
【0006】
一方、この種の封止樹脂材料には、安全性の点から、UL規格により難燃性を付与することが求められている。
【0007】
従来、エポキシ樹脂組成物においては、塩素、臭素などのハロゲン元素を含むハロゲン系難燃剤とアンチモン化合物(通常、三酸化アンチモン)の併用による難燃化が一般的である。
しかしながら、これらのハロゲン系難燃剤とアンチモン化合物は、電子部品の信頼性を低下させるという問題がある。加えて、最近では、これらの環境への影響も指摘され始めている。
【0008】
このため、リン系難燃剤と金属水和物の併用など、ハロゲン系難燃剤およびアンチモン化合物を含有しない難燃化技術の開発が進められているが、従来のハロゲン系難燃剤とアンチモン化合物の併用に比べ、長期の耐湿信頼性が低下するという問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、実装方式のピン挿入型から表面実装型への変更に伴い、半田耐熱性に優れたエポキシ樹脂組成物の要求がある。また、このようなエポキシ樹脂組成物において、環境への配慮などから、ハロゲン系難燃剤およびアンチモン化合物の併用に代わる信頼性の高い難燃化技術の開発も要望されている。
【0010】
本発明はこのような従来の事情に鑑みてなされたもので、表面実装型パッケージに適用してもクラックや剥離などが生ずることのない優れた半田耐熱性を備えたエポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、難燃性に優れ、しかも長期にわたって良好な耐湿性が保持されるうえ、環境上の問題もないエポキシ樹脂組成物、およびそれを用いた半導体装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を持つエポキシ樹脂にアミノ系シランカップリング剤を併用することによって、エポキシ樹脂組成物の半田耐熱性を向上させることができるとともに、難燃剤を使用することなくエポキシ樹脂組成物に優れた難燃性を付与することができることを見出し、本発明を完成したものである。
【0012】
すなわち、本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂硬化剤、(C)無機充填剤および(D)シランカップリング剤を含み、難燃剤を実質的に含有しないエポキシ樹脂組成物であって、(A)成分は、下記一般式
【化3】
(但し、式中、nは0または1以上の整数を表す)
で示されるエポキシ樹脂を含み、(B)成分は、下記一般式
【化4】
(但し、式中、nは0または1以上の整数を表す)
で示されるアラルキル型フェノール樹脂を含み、(C)成分の無機充填剤の含有量は組成物全体の 81 〜 91 重量%であり、かつ、(D)成分は、γ-ウレイドプロピルトリエトキシシランを(D)成分全体の 50 重量%以上含む
ことを特徴としている。
【0013】
上記構成のエポキシ樹脂組成物においては、特定の構造を持つエポキシ樹脂にアミノ系シランカップリング剤を併用したことにより、表面実装方式のパッケージにも十分適用可能な優れた半田耐熱性を備え、かつ、難燃性にも優れたものとなる。
【0017】
このようなエポキシ樹脂組成物においては、実質的に難燃剤を含有しないため、難燃剤の使用に伴う耐湿信頼性の低下や環境に与える影響を低減することができる。
【0018】
また、本発明の半導体装置は、本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物によって、半導体チップが封止されてなることを特徴としている。
【0019】
本発明の半導体装置においては、半田耐熱性に優れたエポキシ樹脂組成物の硬化物によって半導体チップが封止されているので、いかなる実装方式であっても信頼性の高い実装が可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)下記一般式
【化4】
(但し、式中、nは0または1以上の整数を表す)で示されるエポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂、(C)無機充填剤および(D)アミノ系シランカップリング剤を必須成分とするものである。
【0021】
(A)のエポキシ樹脂としては、特に、エポキシ当量が200〜350の範囲のものが好ましく、エポキシ当量が250〜320の範囲のものがより好ましい。また、軟化温度が40〜100℃の範囲のものが好ましく、軟化温度が50〜75℃の範囲のものがより好ましい。さらに、ICI粘度計(コーン&プレート型)により測定される溶融粘度(150℃)が0.1〜3.0ポイズの範囲のものが好ましい。具体的には、日本化薬社製のNC−3000P(商品名;エポキシ当量273、軟化温度57℃、溶融粘度(150℃)0.7ポイズ)などが好ましく使用される。これらのエポキシ樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
【0022】
本発明においては、必要に応じて、他のエポキシ樹脂を併用することができる。併用するエポキシ樹脂としては、ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、縮合環芳香族炭化水素変成エポキシ樹脂などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。他のエポキシ樹脂を併用する場合、エポキシ樹脂総重量の60重量%以下の範囲で配合することが好ましい。より好ましい範囲は、エポキシ樹脂総重量の50重量%以下である。
【0023】
(B)のフェノール樹脂は、硬化剤として配合されるものであり、(A)のエポキシ樹脂のエポキシ基と反応し得るフェノール性水酸基を分子中に2個以上有するものであれば、特に制限されることなく使用され、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、パラキシレン変性フェノール樹脂、フェノール類とベンズアルデヒド、ナフチルアルデヒドなどとの縮合物、トリフェノールメタン化合物、多官能型フェノール樹脂などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
【0024】
本発明においては、なかでも下記一般式[II]で示されるアラルキル型フェノール樹脂が好ましく、特にそのフェノール性水酸基当量が130〜250、好ましくは160〜190の範囲のもの、あるいは、軟化温度が40〜100℃、好ましくは55〜90℃の範囲のものが好ましくい。具体的には、三井化学社製のXL−225−3L(水酸基当量174、軟化温度70℃)、XLC−LL(水酸基当量176、軟化温度79℃)、XLC−3L(水酸基当量172、軟化温度72℃)、XLC−4L(水酸基当量167、軟化温度63℃)、明和化成社製のMEH−7800M(水酸基当量175、軟化温度80℃)、MEH−7800S(水酸基当量175、軟化温度75℃)、MEH−7800SS(水酸基当量175、軟化温度65℃)、住金ケミカル社製のHE100C−10(水酸基当量168、軟化温度68℃)、HE100C−15(水酸基当量170、軟化温度75℃)、HE100C−30(水酸基当量170、軟化温度80℃)(以上、いずれも商品名)などが好ましく使用される。
【0025】
【化6】
この(B)のフェノール樹脂は、未反応成分を少なくするという観点から、水酸基/(A)のエポキシ樹脂(他のエポキシ樹脂を併用する場合はそれらを含む)が有するエポキシ基(当量比)が0.5〜1.5となる量を配合することが好ましく、0.7〜1.1となる量を配合することがより好ましい。
【0026】
(C)の無機充填剤は、硬化物の熱膨張係数、熱伝導率、吸水性、弾性率などの特性を改善、向上させる目的で配合されるものであり、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、チタンホワイト、ベンガラ、炭化珪素、窒化ホウ素などの粉末、これらを球形化したビーズ、単結晶繊維、ガラス繊維などが挙げられる。これらは単独または2種以上混合して使用することができる。本発明においては、これらのなかでも、最大粒径が100μm以下で平均粒径が1〜50μmの粉末状のものが適しており、最大粒径が75μm以下で平均粒径が5〜30μmであるとさらに好ましい。最大粒径が100μmを越えるか、あるいは平均粒径が50μmを超えると、狭部への充填が困難になるだけでなく、分散性が低下して成形品が不均一になる。また、平均粒径が1μm未満では、粘度が上昇し、成形性が不良となる。また、これらの粉末の形状は、できるだけ球状に近いものが、流動性、成形性、金型磨耗性などの観点からより好ましい。なお、低熱膨張性が要求される用途には溶融シリカが、また、高熱伝導性が要求される用途には結晶シリカやアルミナが好適である。
【0027】
この(C)の無機充填剤の配合量は、組成物全体の65〜93重量%の範囲が好ましく、70〜92重量%の範囲であるとさらに好ましく、81〜91重量%の範囲であるとよりいっそう好ましい。配合量が65重量%未満では、前記の熱膨張係数などの特性を改善、向上させる効果が小さく、逆に配合量が93重量%を越えると、組成物の流動性が低下し、成形性が不良となって実用が困難になる。
【0028】
(D)のアミノ系シランカップリング剤としては、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-ウレイドプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。これらは単独または2種以上混合して使用することができる。本発明においては、これらのなかでも、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-ウレイドプロピルトリエトキシシランが好適である。
【0029】
本発明においては、必要に応じて、他のシランカップリング剤を併用することができる。併用するシランカップリング剤としては、γ-(メタクリロプロピル)トリメトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、イミダゾールシラン、ビニルトリアセトキシシランなどが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。他のシランカップリング剤を併用する場合、その配合量はシランカップリング剤の総重量の50重量%以下の範囲とすることが好ましい。より好ましい範囲は、シランカップリング剤総重量の25重量%以下である。
【0030】
本発明のエポキシ樹脂組成物には、以上の各成分の他、本発明の効果を阻害しない範囲で、この種の組成物に一般に配合される、硬化促進剤、三酸化アンチモン、リン化合物、ブロム化エポキシ化合物などの難燃剤、カーボンブラック、コバルトブルー等の着色剤、アルキルチタネートなどの表面処理剤、合成ワックス、天然ワックスなどの離型剤、ハロゲントラップ剤、シリコーンオイルやシリコーンゴムなどの低応力化剤などを必要に応じて配合することができる。
【0031】
硬化促進剤としては、1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン-7(DBU)、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の3級アミン類、2-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール等のイミダゾール類、トリブチルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィンなどの有機ホスフィン類、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレートなどのテトラフェニルボロン塩などが挙げられる。これらは単独または2種以上混合して使用することができる。
【0032】
本発明のエポキシ樹脂組成物を封止材料として調製するにあたっては、上記各成分をミキサーなどによって十分に混合(ドライブレンド)した後、熱ロールやニーダなどにより溶融混練し、冷却後粉砕するようにすればよい。
【0033】
本発明の半導体装置は、上記の封止材料を用いて半導体チップを封止することにより製造することができる。半導体チップとしては、集積回路、大規模集積回路、トランジスタ、サイリスタ、ダイオードなどが例示される。また、封止方法としては、低圧トランスファー法が一般的であるが、射出成形、圧縮成形、注型などによる封止も可能である。封止材料で封止後は、加熱して硬化させ、最終的にその硬化物によって封止された半導体装置が得られる。後硬化させる際の加熱温度は、150℃以上とすることが好ましい。さらに、半導体チップを搭載する基板としては、セラミック基板、プラスチック基板、ポリイミドフィルム、リードフレームなどが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0034】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0035】
参考例1
一般式[I]で示されるエポキシ樹脂のNC−3000P(日本化薬社製 商品名)、クレゾールノボラックエポキシ樹脂のEOCN−1020(日本化薬社製 商品名)、ノボラック型フェノール樹脂のTHE−1000(明和化成社製商品名)、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシランのKBM−573(信越化学工業社製 商品名)、トリフェニルホスフィン、カルナバワックス、カーボンブラックおよび溶融球状シリカ粉末(最大粒径75μm 平均粒径14μm)を、表1に示す配合割合で常温で混合し、次いで、70〜100℃で加熱混練した。冷却後、適当な大きさに粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。
【0036】
参考例2
一般式[I]で示されるエポキシ樹脂のNC−3000P、ノボラック型フェノール樹脂のTHE−1000、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシランのKBM−573、トリフェニルホスフィン、カルナバワックス、カーボンブラックおよび溶融球状シリカ粉末(最大粒径75μm 平均粒径14μm)を、表1に示す配合割合で常温で混合し、次いで、70〜100℃で加熱混練した。冷却後、適当な大きさに粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。
【0037】
参考例3
一般式[I]で示されるエポキシ樹脂のNC−3000P、ノボラック型フェノール樹脂のTHE−1000、γ-ウレイドプロピルトリエトキシシランのAY43−031(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製 商品名)、トリフェニルホスフィン、カルナバワックス、カーボンブラックおよび溶融球状シリカ粉末(最大粒径75μm 平均粒径14μm)を、表1に示す配合割合で常温で混合し、次いで、70〜100℃で加熱混練した。冷却後、適当な大きさに粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。
【0038】
参考例4
一般式[I]で示されるエポキシ樹脂のNC−3000P、ノボラック型フェノール樹脂のTHE−1000、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシランのA−1222(日本ユニカー社製 商品名)、トリフェニルホスフィン、カルナバワックス、カーボンブラックおよび溶融球状シリカ粉末(最大粒径75μm 平均粒径14μm)を、表1に示す配合割合で常温で混合し、次いで、70〜100℃で加熱混練した。冷却後、適当な大きさに粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。
【0039】
参考例5
一般式[I]で示されるエポキシ樹脂のNC−3000P、一般式[II]で示されるアラルキル型フェノール樹脂のMEH−7800M、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシランのKBM−573、トリフェニルホスフィン、カルナバワックス、カーボンブラックおよび溶融球状シリカ粉末(最大粒径75μm平均粒径14μm)を、表1に示す配合割合で常温で混合し、次いで、70〜100℃で加熱混練した。冷却後、適当な大きさに粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。
【0040】
参考例6
一般式[I]で示されるエポキシ樹脂のNC−3000P、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂のEOCN−1020、一般式[II]で示されるアラルキル型フェノール樹脂のMEH−7800M、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシランのKBM−573、トリフェニルホスフィン、カルナバワックス、カーボンブラックおよび溶融球状シリカ粉末(最大粒径75μm 平均粒径14μm)を、表1に示す配合割合で常温で混合し、次いで、70〜100℃で加熱混練した。冷却後、適当な大きさに粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。
【0041】
参考例7
一般式[I]で示されるエポキシ樹脂のNC−3000P、ビフェニル型エポキシ樹脂のYX−4000H(ジャパンエポキシレジン社製 商品名)、一般式[II]で示されるアラルキル型フェノール樹脂のMEH−7800M、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシランのKBM−573、トリフェニルホスフィン、カルナバワックス、カーボンブラックおよび溶融球状シリカ粉末(最大粒径75μm 平均粒径14μm)を、表1に示す配合割合で常温で混合し、次いで、70〜100℃で加熱混練した。冷却後、適当な大きさに粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。
【0042】
参考例8
一般式[I]で示されるエポキシ樹脂のNC−3000P、ノボラック型フェノール樹脂のTHE−1085(明和化成社製 商品名)、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシランのKBM−573、トリフェニルホスフィン、カルナバワックス、カーボンブラックおよび溶融球状シリカ粉末(最大粒径75μm平均粒径14μm)を、表1に示す配合割合で常温で混合し、次いで、70〜100℃で加熱混練した。冷却後、適当な大きさに粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。
【0043】
参考例9
一般式[I]で示されるエポキシ樹脂のNC−3000P、ノボラック型フェノール樹脂のTHE−1085、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシランのKBM−573、トリフェニルホスフィン、カルナバワックス、カーボンブラックおよび溶融球状シリカ粉末(最大粒径75μm 平均粒径14μm)を、表1に示す配合割合で常温で混合し、次いで、70〜100℃で加熱混練した。冷却後、適当な大きさに粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。
【0044】
参考例10
一般式[I]で示されるエポキシ樹脂のNC−3000P、ノボラック型フェノール樹脂のTHE−1085、γ-ウレイドプロピルトリエトキシシランのAY43−031、トリフェニルホスフィン、カルナバワックス、カーボンブラックおよび溶融球状シリカ粉末(最大粒径75μm 平均粒径14μm)を、表1に示す配合割合で常温で混合し、次いで、70〜100℃で加熱混練した。冷却後、適当な大きさに粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。
【0045】
参考例11
一般式[I]で示されるエポキシ樹脂のNC−3000P、縮合環芳香族炭化水素変成フェノール樹脂のFPI−5167(鹿島石油社製 商品名)、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシランのKBM−573、トリフェニルホスフィン、カルナバワックス、カーボンブラックおよび溶融球状シリカ粉末(最大粒径75μm 平均粒径14μm)を、表1に示す配合割合で常温で混合し、次いで、70〜100℃で加熱混練した。冷却後、適当な大きさに粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。
【0046】
参考例12
一般式[I]で示されるエポキシ樹脂のNC−3000P、縮合型芳香族炭化水素変成フェノール樹脂のFPI−5167、一般式[II]で示されるアラルキル型フェノール樹脂のMEH−7800S(明和化成社製 商品名)、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシランのKBM−573、トリフェニルホスフィン、カルナバワックス、カーボンブラックおよび溶融球状シリカ粉末(最大粒径75μm 平均粒径14μm)を、表1に示す配合割合で常温で混合し、次いで、70〜100℃で加熱混練した。冷却後、適当な大きさに粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。
【0047】
参考例13
一般式[I]で示されるエポキシ樹脂のNC−3000P、縮合型芳香族炭化水素変成フェノール樹脂のFPI−5167、ノボラック型フェノール樹脂のTHE−1085、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシランのKBM−573、トリフェニルホスフィン、カルナバワックス、カーボンブラックおよび溶融球状シリカ粉末(最大粒径75μm 平均粒径14μm)を、表1に示す配合割合で常温で混合し、次いで、70〜100℃で加熱混練した。冷却後、適当な大きさに粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。
【0048】
参考例14
一般式[I]で示されるエポキシ樹脂のNC−3000P、一般式[II]で示されるアラルキル型フェノール樹脂のMEH−7800SS、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシランのA−1122、トリフェニルホスフィン、カルナバワックス、カーボンブラックおよび溶融球状シリカ粉末(最大粒径75μm 平均粒径14μm)を、表1に示す配合割合で常温で混合し、次いで、70〜100℃で加熱混練した。冷却後、適当な大きさに粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。
【0049】
参考例15
一般式[I]で示されるエポキシ樹脂のNC−3000P、一般式[II]で示されるアラルキル型フェノール樹脂のMEH−7800SS、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシランのKBM−573、トリフェニルホスフィン、カルナバワックス、カーボンブラックおよび溶融球状シリカ粉末(最大粒径75μm 平均粒径14μm)を、表1に示す配合割合で常温で混合し、次いで、70〜100℃で加熱混練した。冷却後、適当な大きさに粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。
【0050】
実施例
一般式[I]で示されるエポキシ樹脂のNC−3000P、一般式[II]で示されるアラルキル型フェノール樹脂のMEH−7800SS、γ-ウレイドプロピルトリエトキシシランのAY43−031、トリフェニルホスフィン、カルナバワックス、カーボンブラックおよび溶融球状シリカ粉末(最大粒径75μm 平均粒径14μm)を、表1に示す配合割合で常温で混合し、次いで、70〜100℃で加熱混練した。冷却後、適当な大きさに粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。
【0051】
参考例16
一般式[I]で示されるエポキシ樹脂のNC−3000P、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂のEOCN−1020、一般式[II]で示されるアラルキル型フェノール樹脂のMEH−7800SS、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシランのKBM−573、トリフェニルホスフィン、カルナバワックス、カーボンブラックおよび溶融球状シリカ粉末(最大粒径75μm 平均粒径14μm)を、表1に示す配合割合で常温で混合し、次いで、70〜100℃で加熱混練した。冷却後、適当な大きさに粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。
【0052】
参考例17
一般式[I]で示されるエポキシ樹脂のNC−3000P、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂のEOCN−1020、一般式[II]で示されるアラルキル型フェノール樹脂のMEH−7800SS、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシランのA−1122、トリフェニルホスフィン、カルナバワックス、カーボンブラックおよび溶融球状シリカ粉末(最大粒径75μm 平均粒径14μm)を、表1に示す配合割合で常温で混合し、次いで、70〜100℃で加熱混練した。冷却後、適当な大きさに粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。
【0053】
参考例18
一般式[I]で示されるエポキシ樹脂のNC−3000P、ノボラック型フェノール樹脂のTHE−1085、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシランのKBM−573、トリフェニルホスフィン、カルナバワックス、カーボンブラックおよび溶融球状シリカ粉末(最大粒径75μm 平均粒径14μm)を、表1に示す配合割合で常温で混合し、次いで、70〜100℃で加熱混練した。冷却後、適当な大きさに粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。
【0054】
比較例1
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂のEOCN−1020、ノボラック型フェノール樹脂のTHE−1000、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランのKBM−403(信越化学工業社製 商品名)、トリフェニルホスフィン、カルナバワックス、カーボンブラック、三酸化アンチモン、ビスフェノールA型臭素化エポキシ樹脂のEPICLON165(大日本インキ化学工業社製 商品名)および溶融球状シリカ粉末(最大粒径75μm 平均粒径18μm)を、表2に示す配合割合で常温で混合し、次いで、70〜100℃で加熱混練した。冷却後、適当な大きさに粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。
【0055】
比較例2
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂のEOCN−1020、ノボラック型フェノール樹脂のTHE−1000、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシランのKBM−573、トリフェニルホスフィン、カルナバワックス、カーボンブラック、三酸化アンチモン、ビスフェノールA型臭素化エポキシ樹脂のEPICLON165および溶融球状シリカ粉末(最大粒径75μm 平均粒径18μm)を、表2に示す配合割合で常温で混合し、次いで、70〜100℃で加熱混練した。冷却後、適当な大きさに粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。
【0056】
比較例3
一般式[I]で示されるエポキシ樹脂のNC−3000P、ノボラック型フェノール樹脂のTHE−1000、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランのKBM−403(信越化学工業社製 商品名)、トリフェニルホスフィン、カルナバワックス、カーボンブラック、三酸化アンチモン、ビスフェノールA型臭素化エポキシ樹脂のEPICLON165および溶融球状シリカ粉末(最大粒径75μm 平均粒径14μm)を、表2に示す配合割合で常温で混合し、次いで、70〜100℃で加熱混練した。冷却後、適当な大きさに粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。
【0057】
比較例4
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂のEOCN−1020、一般式[II]で示されるアラルキル型フェノール樹脂のMEH−7800SS、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシランのKBM−573、トリフェニルホスフィン、カルナバワックス、カーボンブラック、三酸化アンチモン、ビスフェノールA型臭素化エポキシ樹脂のEPICLON165および溶融球状シリカ粉末(最大粒径75μm 平均粒径18μm)を、表2に示す配合割合で常温で混合し、次いで、70〜100℃で加熱混練した。冷却後、適当な大きさに粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。
【0058】
比較例5
一般式[I]で示されるエポキシ樹脂のNC−3000P、ノボラック型フェノール樹脂のTHE−1000、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランのKBM−403(信越化学工業社製 商品名)、トリフェニルホスフィン、カルナバワックス、カーボンブラック、三酸化アンチモン、ビスフェノールA型臭素化エポキシ樹脂のEPICLON165および溶融球状シリカ粉末(最大粒径75μm 平均粒径14μm)を、表2に示す配合割合で常温で混合し、次いで、70〜100℃で加熱混練した。冷却後、適当な大きさに粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。
【0059】
比較例6
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂のEOCN−1020、ノボラック型フェノール樹脂のTHE−1000、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランのKBM−403、トリフェニルホスフィン、カルナバワックス、カーボンブラックおよび溶融球状シリカ粉末(最大粒径75μm 平均粒径18μm)を、表2に示す配合割合で常温で混合し、次いで、70〜100℃で加熱混練した。冷却後、適当な大きさに粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。
【0060】
比較例7
一般式[I]で示されるエポキシ樹脂のNC−3000P、ノボラック型フェノール樹脂のTHE−1000、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランのKBM−403、トリフェニルホスフィン、カルナバワックス、カーボンブラックおよび溶融球状シリカ粉末(最大粒径75μm 平均粒径14μm)を、表2に示す配合割合で常温で混合し、次いで、70〜100℃で加熱混練した。冷却後、適当な大きさに粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。
【0061】
比較例8
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂のEOCN−1020、一般式[II]で示されるアラルキル型フェノール樹脂のMEH−7800SS、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランのKBM−403、トリフェニルホスフィン、カルナバワックス、カーボンブラックおよび溶融球状シリカ粉末(最大粒径75μm平均粒径18μm)を、表2に示す配合割合で常温で混合し、次いで、70〜100℃で加熱混練した。冷却後、適当な大きさに粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。
【0062】
比較例9
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂のEOCN−1020、一般式[II]で示されるアラルキル型フェノール樹脂のMEH−7800SS、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシランのKBM−573、トリフェニルホスフィン、カルナバワックス、カーボンブラックおよび溶融球状シリカ粉末(最大粒径75μm 平均粒径18μm)を、表2に示す配合割合で常温で混合し、次いで、70〜100℃で加熱混練した。冷却後、適当な大きさに粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。
【0063】
比較例10
一般式[I]で示されるエポキシ樹脂のNC−3000P、一般式[II]で示されるアラルキル型フェノール樹脂のMEH−7800SS、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランのKBM−403、トリフェニルホスフィン、カルナバワックス、カーボンブラックおよび溶融球状シリカ粉末(最大粒径75μm 平均粒径18μm)を、表2に示す配合割合で常温で混合し、次いで、70〜100℃で加熱混練した。冷却後、適当な大きさに粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。
【0064】
比較例11
ビフェニル型エポキシ樹脂のYX−4000H、一般式[II]で示されるアラルキル型フェノール樹脂のMEH−7800SS、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランのKBM−403、トリフェニルホスフィン、カルナバワックス、カーボンブラックおよび溶融球状シリカ粉末(最大粒径75μm 平均粒径18μm)を、表2に示す配合割合で常温で混合し、次いで、70〜100℃で加熱混練した。冷却後、適当な大きさに粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。
【0065】
比較例12
ビフェニル型エポキシ樹脂のYX−4000H、一般式[II]で示されるアラルキル型フェノール樹脂のMEH−7800SS、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシランのKBM−573、トリフェニルホスフィン、カルナバワックス、カーボンブラックおよび溶融球状シリカ粉末(最大粒径75μm 平均粒径18μm)を、表2に示す配合割合で常温で混合し、次いで、70〜100℃で加熱混練した。冷却後、適当な大きさに粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。
【0066】
上記実施例、各参考例および各比較例で得られたエポキシ樹脂組成物の特性を以下に示すようにして測定した。
【0067】
すなわち、吸水率は、エポキシ樹脂組成物を175℃、90秒間の条件でトランスファー成形し、次いで175℃、8時間の後硬化を行って直径50mm、厚さ3mmの円板状の硬化物を得、これを127℃、2.5気圧の飽和水蒸気中に24時間放置して、増加した重量を求めた。
【0068】
バーコール硬度は、エポキシ樹脂組成物を175℃、90秒間の条件で直径50mm、厚さ3mmの円板状にトランスファー成形し、金型を開放直後にバーコール硬度計により測定した。
【0069】
耐湿信頼性は、エポキシ樹脂組成物を用いて、2本のアルミニウム配線を有するシリコンチップを42アロイフレームに接着し、175℃、90秒間のトランスファー成形および175℃で8時間の後硬化を行った後、得られた成形品に127℃、2.5気圧の飽和水蒸気中で耐湿性試験(PCT)を行い、アルミニウム腐蝕による50%断線不良が発生するまでの時間を測定し評価した。
【0070】
耐リフロー性は、エポキシ樹脂組成物を用いて175℃、90秒間のトランスファー成形および175℃で8時間の後硬化によりQFAパッケージ(14mm×14mm×1.0mm、チップサイズ:6.0mm×6.0mm)を作製し、このパッケージに、85℃、60%RH、48、72、96、168時間の吸湿処理をそれぞれ行なった後、240℃のIRリフローを3回行い、冷却後、クラックの発生の有無を超音波探傷装置により観察し、その発生率を調べた。
【0071】
難燃性は、エポキシ樹脂組成物を175℃、90秒間の条件でトランスファー成形し、次いで175℃、8時間の後硬化を行って120mm×12mm×0.8mmおよび120mm×12mm×3.2mmの硬化物を得、UL-94耐炎性試験規格に基づく燃焼試験を行った。
【0072】
これらの結果を表3および表4に示す。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、表面実装型パッケージに適用してもクラックや剥離などが生ずることのない優れた半田耐熱性を備えたエポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置を得ることができる。
【0074】
また、本発明によれば、難燃性に優れ、しかも長期にわたって良好な耐湿性が保持されるうえ、環境上の問題もないエポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置を得ることができる。
Claims (2)
- (A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂硬化剤、(C)無機充填剤および(D)シランカップリング剤を含み、難燃剤を実質的に含有しないエポキシ樹脂組成物であって、
(A)成分は、下記一般式
で示されるエポキシ樹脂を含み、
(B)成分は、下記一般式
で示されるアラルキル型フェノール樹脂を含み、
(C)成分の無機充填剤の含有量は組成物全体の 81 〜 91 重量%であり、かつ、
(D)成分は、γ-ウレイドプロピルトリエトキシシランを(D)成分全体の 50 重量%以上含む
ことを特徴とするエポキシ樹脂組成物。 - 請求項1記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物によって、半導体チップが封止されてなることを特徴とする半導体装置。
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