JP2003286395A - 難燃性エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体封止材料並びに半導体装置 - Google Patents

難燃性エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体封止材料並びに半導体装置

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JP2003286395A
JP2003286395A JP2002093099A JP2002093099A JP2003286395A JP 2003286395 A JP2003286395 A JP 2003286395A JP 2002093099 A JP2002093099 A JP 2002093099A JP 2002093099 A JP2002093099 A JP 2002093099A JP 2003286395 A JP2003286395 A JP 2003286395A
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compound
flame
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retardant
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JP2002093099A
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Akihiro Hirata
明広 平田
Hiroshi Hirose
浩 廣瀬
Hirotaka Nonaka
啓孝 野中
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハロゲン系化合物やリン系難燃剤を使用する
ことなしに、高度な難燃性を有すると共に、流動性が向
上し、かつ製品の特性を悪化させることのない難燃性エ
ポキシ樹脂組成物、およびそれを用いた半導体封止材料
を提供する。 【解決手段】 1分子内に少なくとも2個のエポキシ基
を有するエポキシ樹脂、硬化剤、および、金属原子とカ
ルボン酸化合物がイオン結合または配位結合で結合した
化合物を必須成分として配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲン系化合物
やリン系難燃剤を使用することなしに、優れた難燃性を
示す難燃性エポキシ樹脂組成物、およびそれを用いた半
導体封止材料並びに半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は、不飽和ポリエステル樹
脂、フェノール樹脂など他の熱硬化性樹脂に比べて、硬
化の際の収縮が少ないことから、金属や無機物との接着
性が良く、半導体封止材料として用いられているが、近
年、火災に対する安全性を確保するため、難燃性が付与
されている例が多い。これらの樹脂の難燃化には、従
来、臭素化エポキシ樹脂などの、ハロゲン系化合物を用
いるのが一般的であった。
【0003】これらのハロゲン系化合物は高度な難燃性
を有するが、芳香族臭素化合物は、熱分解によって腐食
性の臭素や臭化水素を遊離するだけでなく、酸素存在下
で分解した場合には、毒性の高いポリベンゾフランや、
ポリブロムジベンゾオキサジンを形成する可能性があ
る。また、臭素を含有する老朽廃材やゴミの処理はきわ
めて困難である。
【0004】このような理由から、ハロゲン系化合物に
代わる難燃剤として、リン系難燃剤が広く検討されてき
た。しかし、エポキシ樹脂系組成物にリン酸エステルな
どを加えた場合、ブリードや加水分解性が問題で、電気
的特性や信頼性を著しく劣化させるという欠点を生じ
る。そこで、ハロゲン系化合物に代わる難燃剤として、
特開2000−204227号公報には、金属原子を有
する化合物を用いた難燃技術が提案されている。しかし
ながら、添加量を増やしてもさほど難燃性が向上しない
こと、また添加量の増加に伴い硬化性が低下することか
ら、難燃性の更なる向上が望まれている。
【0005】また、特開平11−269349号公報に
は、シクロペンタジエン鉄(フェロセン)を難燃剤とし
て用いたエポキシ樹脂組成物が開示されているが、シク
ロペンタジエン鉄は昇華性が高く、実用上問題が生じや
すい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ハロゲン系
化合物やリン系難燃剤を添加することなく、しかも硬化
物特性を劣化させることなく、高度な難燃性を有し、流
動性が向上した難燃性エポキシ樹脂組成物、およびそれ
を用いた半導体封止材料並びにその硬化物により封止さ
れた半導体装置を提供することを目的としたものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、エポキシ
樹脂の難燃化におけるこのような現状に鑑み、鋭意検討
を重ねた結果、エポキシ樹脂組成物に添加する化合物と
して、特定の金属化合物を用いることによって、硬化性
を維持でき、樹脂が分解する温度まで熱的に安定で、他
の物性に悪影響を及ぼすことなく、燃焼時には難燃剤と
して効果を発揮し、より高い難燃性を発現でき、さらに
流動性をも向上させ得ることを見出し、さらに検討を進
めて本発明を完成するに至ったものである。
【0008】即ち本発明は、1分子内に少なくとも2個
のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(A)、硬化剤
(B)、および、金属原子とフェノール化合物がイオン
結合または配位結合で結合した化合物(C)を、必須成
分として含有することを特徴とする難燃性エポキシ樹脂
組成物であり、さらには、それを用いた半導体封止材料
並びに半導体装置である。
【0009】また好ましくは、化合物(C)が、周期律
表の2Aおよび3A〜2Bの遷移金属群より選ばれる、
少なくとも1つの金属原子を有する化合物であり、より
好ましくは、該金属原子が、銅、コバルト、および鉄よ
り選ばれるものであり、また、好ましくは、フェノール
化合物が、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾ
フェノン、およびフェノールアラルキル樹脂より選ばれ
る、少なくとも1つである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において用いるエポキシ樹
脂(A)は、1分子内に少なくとも2個のエポキシ基を
有するものであれば良く、具体的には、ビスフェノール
A型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、
ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラッ
ク型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹
脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ
樹脂、芳香族アミンおよび複素環式窒素塩基から導かれ
るN-グリシジル化合物、例えば、N,N-ジグリシジル
アニリン、トリグリシジルイソシアヌレート、N,N,
N',N'-テトラグリシジル-ビス(パラ-アミノフェニ
ル)-メタン等が例示されるが、特にこれらに限定され
るものではない。また、これらは単独でも、何種類かを
併用して用いることもできる。
【0011】但し、本発明がハロゲン系化合物を用いな
い樹脂組成物を目的とする以上、臭素化ビスフェノール
A型エポキシ樹脂や臭素化ノボラック型エポキシ樹脂な
どのハロゲン化エポキシ樹脂を主体とするものは、原則
として除外するが、ハロゲン化エポキシ樹脂を少量、あ
るいは部分的に含んでいたとしても、本発明の技術的範
囲に含まれることは勿論である。また、エポキシ樹脂の
製造工程上、エピクロルヒドリンを起源とする通常のエ
ポキシ樹脂に含まれる塩素は、やむを得ず残留するもの
であり、本発明に関して何ら差し支えはなく、これを除
外するものではない。その量は当業者に公知のレベルで
あり、加水分解性塩素にて数百ppmのオーダーであ
る。
【0012】本発明に用いる硬化剤(B)は、当業者に
おいて公知のものはすべて用いることができる。具体的
には、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テト
ラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのC
2〜C20の直鎖脂肪族ジアミン、メタフェニレンジアミ
ン、パラフェニレンジアミン、パラキシレンジアミン、
4,4'-ジアミノジフェニルメタン、4,4'-ジアミノジ
フェニルプロパン、4,4'-ジアミノジフェニルエーテ
ル、4,4'-ジアミノジフェニルスルホン、4,4'-ジア
ミノジシクロヘキサン、ビス(4-アミノフェニル)フ
ェニルメタン、1,5-ジアミノナフタレン、メタキシレ
ンジアミン、パラキシレンジアミン、1,1-ビス(4-
アミノフェニル)シクロヘキサン、ジシアノジアミドな
どのアミン類、アニリン変性レゾール樹脂やジメチルエ
ーテルレゾール樹脂などのレゾール型フェノール樹脂、
フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹
脂、ターシャリー-ブチルフェノールノボラック樹脂、
ノニルフェノールノボラック樹脂などのノボラック型フ
ェノール樹脂、ポリパラオキシスチレンなどのポリオキ
シスチレン、フェノールアラルキル樹脂などのフェノー
ル樹脂や、酸無水物などが例示されるが、特にこれらに
限定されるものではない。
【0013】また、半導体封止材料用の硬化剤として
は、耐湿信頼性等の点から、1分子内に少なくとも2個
のフェノール性水酸基を有する化合物または樹脂が好ま
しく、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラッ
ク樹脂、ターシャリー-ブチルフェノールノボラック樹
脂、ノニルフェノールノボラック樹脂などのノボラック
型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、ポリパ
ラオキシスチレンなどのポリオキシスチレン、フェノー
ルアラルキル樹脂などが例示される。
【0014】本発明において、金属原子とフェノール化
合物がイオン結合又は配位結合で結合した化合物(C)
としては、金属原子に、周期律表の2Aおよび3Aから
2Bの、一般に遷移金属と呼ばれる群より選ばれる、少
なくとも1つの金属原子を有する化合物が好ましく、よ
り好ましくは、金属原子が、銅、コバルト、又は鉄であ
る。
【0015】また、金属原子とフェノール化合物がイオ
ン結合または配位結合で結合した化合物(C)のフェノ
ール化合物は、フェノール性OH基を含有する化合物で
あればよく、当業者において公知のものはすべて用いる
ことができる。具体的には、ビスフェノールA、ビスフ
ェノールF、ビスフェノールS、2,3,4,4’−テ
トラヒドロキシベンゾフェノンなどフェノール性OH基
含有置換ベンゾフェノン、ジメチルエーテルレゾール樹
脂などのレゾール型フェノール樹脂、フェノールノボラ
ック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ターシャリー-
ブチルフェノールノボラック樹脂、ノニルフェノールノ
ボラック樹脂などのノボラック型フェノール樹脂、ポリ
パラオキシスチレンなどのポリオキシスチレン、フェノ
ールアラルキル樹脂などが挙げられるが、これらに限定
されるものではない。これらは単独で用いてもよく、ま
た2種類以上を組み合わせて使用してもよい。好ましく
は、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノ
ン、およびフェノールアラルキル樹脂より選ばれる、少
なくとも1つの化合物である。
【0016】また、本発明における化合物(C)とし
て、特に好ましいのは、2,3,4,4’−テトラヒド
ロキシベンゾフェノン鉄、およびフェノールアラルキル
樹脂鉄より選ばれる、少なくとも1つの化合物である。
この場合、これら化合物は高分子量化していても良い。
【0017】本発明において、エポキシ樹脂(A)と硬
化剤(B)の配合割合は、硬化剤(B)がフェノール系
化合物である場合、エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量
に対する硬化剤(B)の水酸基当量の割合が、0.5〜
2.0の範囲で配合することが好ましい。硬化剤(B)
が酸無水物の場合は、エポキシ当量に対する酸無水物当
量の割合が、0.8〜1.4の範囲で配合することが好ま
しい。また、硬化剤(B)がアミン系化合物の場合は、
エポキシ当量に対するアミン系化合物活性水素当量の割
合が、0.5〜2.0の範囲で配合することが好ましい。
本発明における化合物(C)の配合量は、エポキシ樹脂
(A)と硬化剤(B)との合計100重量部に対して、
0.01〜15重量部が好ましいが、実用的には、0.1
〜10重量部の範囲とするのが好ましい。0.01重量
部以下では難燃性の効果が小さく、一方、15重量部を
越えると硬化性が低下する傾向を示す。化合物(C)
は、単独で用いてもよく、複数種を混合しても用いるこ
とが出来る。
【0018】本発明の半導体封止材料は、前記難燃性樹
脂組成物と充填剤とで基本的に構成される。充填剤の具
体例としては、溶融シリカ等のシリカ粉末、アルミナ、
タルク、炭酸カルシウム、クレー、マイカなどが挙げら
れる。本発明における充填剤(D)の配合量は、全樹脂
組成物100重量部に対して60〜95重量部が好まし
いが、実用的には、65〜90重量部の範囲とするのが
好ましい。
【0019】本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物及び半
導体封止材料には、上記成分以外に、さらに必要に応じ
て天然ワックス類、合成ワックス類、直鎖脂肪族酸の金
属酸化物、酸アミド類、エステル類、パラフィン類など
の離型剤、カーボンブラック、ベンガラなどの着色剤、
種々の硬化促進剤、カップリング剤など、当業者におい
て公知の添加剤を配合ことができる。
【0020】本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物は、前
記成分(A)、成分(B)及び成分(C)と、必要に応
じて、その他成分として、添加剤を配合し、混合して得
られるが、分散性を向上させるために、あらかじめエポ
キシ樹脂(A)や硬化剤(B)を溶融、混合して用いて
もよい。また、本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物と充
填剤(D)、およびその他の成分を、所定の組成比に選
択し、ミキサーなどにより十分に均一になるように混合
した後、熱ロールによる混練、またはコニーダなどによ
る混練処理を行い、冷却、固化させ、適当な大きさに粉
砕することで、半導体封止材料を得ることができる。得
られた半導体封止材料は、トランスファー成形や射出成
形することによって半導体装置として好適に用いられ
る。
【0021】また、本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物
は、ハロゲン系化合物やリン系難燃剤を含まず、優れた
難燃性を示し、硬化性、流動性、耐湿信頼性を大きく低
下させることがないことから、半導体素子を初め、電子
部品や電機部品の封止材料として使用できる他、被膜材
料、絶縁材料、積層板、金属張り積層板などの用途にも
好適に使用することが出来る。
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明はこれによって何ら限定されるものではな
い。
【0023】ここでは先ず、所定の配合により半導体封
止用成形材料を調製し、その特性を評価するため、スパ
イラルフロー、バーコル硬度、および難燃性を測定し、
耐湿信頼性、耐半田性の試験を行なった。各特性の測定
方法および条件は次の通りとし、特性の評価結果はまと
めて表1に示した。
【0024】(1)流動性 スパイラルフローにて評価し、EMMI-1-66に準じた
金型を使用し、トランスファー成形機により、金型温度
175℃、注入圧力6.86MPa、硬化時間120秒
の条件で測定した。得られた測定値は、大きい方が流動
性が良いことを示す。
【0025】(2)硬化性 トランスファー成形機により、金型温度175℃で12
0秒間成形し、金型の型開き10秒後の成形品のバーコ
ル硬度(#935)で評価した。
【0026】(3)難燃性 試験片(127mm×12.7mm×1.0mm,1.6
mm,3.2mm)をトランスファー成形機を用いて、
金型温度175℃、注入圧力6.86MPa、硬化時間
120秒で成形し、175℃、8時間で後硬化し、UL
−94垂直法に準じて測定し、難燃性を判定した。
【0027】(4)耐湿信頼性 調製した成形材料を用いて、金型温度175℃、注入圧
力6.86MPa、硬化時間120秒の条件で、アルミ
模擬素子を搭載したモニターIC(16pDIP)を成
形し、175℃、8時間で後硬化させた半導体装置を用
いた。これに125℃、相対湿度100%、2.3気圧
の温室条件下で5.5V電圧を印加したまま、200時
間放置した後、導通試験を行い、1端子でも導通しない
ものを不良と判定した。不良の生じたパッケージがa個
であるとき、a/20とした。
【0028】(5)耐半田性 トランスファー成形機を用いて、金型温度175℃、注
入圧力7.35MPa、硬化時間2分で、80pQFP
(2mm厚、チップサイズ9.0mm×9.0mm)を成
形し、175℃、8時間で後硬化し、得られた20個の
パッケージを85℃、相対湿度85%で168時間放置
し、その後240℃の半田槽に10秒間浸漬した。顕微
鏡でパッケージに生じた外部クラックを観察した。ま
た、超音波探傷装置を用いて内部剥離と内部クラックも
観察した。一箇所でもクラックまたは内部剥離があるI
Cパッケージを不良と判定した。不良の生じたパッケー
ジがb個であるとき、b/20と表示した。
【0029】(フェノールアラルキル樹脂鉄の合成)セ
パラブルフラスコに蒸留水200mlを入れて、水酸化
ナトリウム4.4gを加えて溶解し、次いでフェノール
アラルキル樹脂(三井化学製XL−225LL)17.
5gを加えて溶解した。また別に、硫酸鉄(II)8.4
gを蒸留水100mlに加えて撹拌し、硫酸鉄(II)水
溶液を得た。この硫酸鉄(II)水溶液を、先のフェノー
ルアラルキル樹脂(三井化学製XL−225LL)が溶
解した溶液に添加し、撹拌して、沈殿物であるジフェン
酸鉄を得た。
【0030】(2,3,4,4’−テトラヒドロキシベ
ンゾフェノン鉄の合成)セパラブルフラスコに蒸留水2
00mlを入れて、水酸化ナトリウム4.4gを加えて
溶解し、次いで2,3,4,4’−テトラヒドロキシベ
ンゾフェノン(本州化学製HBP−2344)24.6
gを加えて溶解した。また別に、硫酸鉄(II)8.4g
を蒸留水100mlに加えて撹拌し、硫酸鉄(II)水溶
液を得た。この硫酸鉄(II)水溶液を、先の2,3,
4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンが溶解した
溶液に添加し、撹拌して、沈殿物である2,3,4,
4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン鉄を得た。
【0031】(2,3,4,4’−テトラヒドロキシベ
ンゾフェノン銅の合成)セパラブルフラスコに蒸留水2
00mlを入れて、水酸化ナトリウム4.4gを加えて
溶解し、次いで2,3,4,4’−テトラヒドロキシベ
ンゾフェノン(本州化学製HBP−2344)24.6
gを加えて溶解した。また別に、硫酸銅(II)8.8g
を蒸留水100mlに加えて撹拌し、硫酸銅(II)水溶
液を得た。この硫酸銅(II)水溶液を、先の2,3,
4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンが溶解した
溶液に添加し、撹拌して、沈殿物である2,3,4,
4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン銅を得た。
【0032】(2,3,4,4’−テトラヒドロキシベ
ンゾフェノンコバルトの合成)セパラブルフラスコに蒸
留水200mlを入れて、水酸化ナトリウム4.4gを
加えて溶解し、次いで2,3,4,4’−テトラヒドロ
キシベンゾフェノン(本州化学製HBP−2344)2
4.6gを加えて溶解した。また別に、硫酸コバルト(I
I)8.6gを蒸留水100mlに加えて撹拌し、硫酸コ
バルト(II)水溶液を得た。この硫酸コバルト(II)水
溶液を、先の2,3,4,4’−テトラヒドロキシベン
ゾフェノンが溶解した溶液に添加し、撹拌して、沈殿物
である2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェ
ノンコバルトを得た。
【0033】 (実施例1) 球状溶融シリカ(平均粒径20μm、最大粒径100μm) 85.00重量部 ビフェニル型エポキシ樹脂 7.60重量部 (油化シェルエポキシ社製YX-4000HK、エポキシ当量195g/eq) フェノールアラルキル樹脂 6.80重量部 (三井化学製XL-225、水酸基当量175g/eq) フェノールアラルキル樹脂鉄 0.67重量部 (エポキシ樹脂と硬化剤の合計100重量部に対して5重量部) トリフェニルホスフィン 0.30重量部 離型剤(天然カルナバワックス) 0.30重量部 着色剤(カーボンブラック) 0.20重量部 エポキシシランカップリング剤(日本ユニカー製A-186) 0.30重量部 を配合し、熱ロールを用いて混練して、半導体封止用成
形材料を得た。
【0034】(実施例2)実施例1におけるフェノール
アラルキル樹脂酸鉄に代えて、2,3,4,4’−テト
ラヒドロキシベンゾフェノン鉄を使用し、表1に従って
配合した以外は、実施例1と同様にして、半導体封止用
成形材料を調製した。
【0035】(実施例3)実施例1におけるフェノール
アラルキル樹脂酸鉄に代えて、2,3,4,4’−テト
ラヒドロキシベンゾフェノン銅を使用し、表1に従って
配合した以外は、実施例1と同様にして、半導体封止用
成形材料を調製した。
【0036】(実施例4)実施例1におけるフェノール
アラルキル樹脂酸鉄に代えて、2,3,4,4’−テト
ラヒドロキシベンゾフェノンコバルトを使用し、表1に
従って配合した以外は、実施例1と同様にして、半導体
封止用成形材料を調製した。
【0037】(比較例1〜5)リン系難燃剤として、レ
ゾルシンジフェニルホスフェート(大八化学製CD
P)、及びトリフェニルホスフィンオキシド(大八化学
製TPP)、有機金属化合物難燃剤として、ナフテン酸
コバルト(関東化学製)、及びシクロペンタジエニル鉄
(フェロセン,関東化学製)を用いた。比較例1は難燃
剤を含まない配合例、比較例2〜3はリン系難燃剤を含
む配合例、比較例4〜5は有機金属難燃剤を含む配合例
を示す。各成分を表1に従って配合した以外は、実施例
1と同様にして、成形材料を調製し、スパイラルフロ
ー、硬化性、難燃性、信頼性及び耐半田性を評価した。
【0038】
【表1】
【0039】表1に示した結果から分かるように、比較
例1は、フローや硬化性は問題ないものの、難燃性はす
べての厚みの試験片において全焼するものがあり、UL
94に該当しない。比較例2は、フロー,硬化性,難燃
性は問題ないものの、耐湿信頼性、耐半田性が著しく低
い。比較例3では、流動性は良いが、硬化性,難燃性,
耐湿信頼性、耐半田性に劣る結果であった。また、比較
例4では、難燃性は1.0mm,3.2mm厚の試験片に
おいてUL94のV-0に到達(V-1)しなかった。比
較例5では、すべての試験片厚のUL94試験において
V-0を達成したが、耐半田性が著しく低下する結果で
あった。
【0040】これに対して、本発明の金属原子とフェノ
ール化合物がイオン結合または配位結合で結合した化合
物(C)を難燃剤とする実施例1〜4では、いずれも難
燃性はUL94 V-0を示し、従来のものに比べて、難
燃性だけでなく、良好な流動性、硬化性、耐湿信頼性、
耐半田性を示す非常に良い結果であった。
【0041】
【発明の効果】本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物は、
ハロゲン系化合物やリン系難燃剤を添加することなく高
度な難燃性を有し、かつ、製品の特性を悪化させること
がなく、従来から用いられているリン系難燃剤を配合す
る場合に比べて、耐湿信頼性が優れており、特に流動性
が良好なものであり、今後要求されるノンハロゲン、ノ
ンリン材料による、難燃性エポキシ樹脂組成物を実現出
来るもので、半導体封止用の材料として極めて有用なも
のである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C08L 63/00 65:00) Fターム(参考) 4J002 BC12X CC04X CC05X CD05W CD06W CD11W CD13W CD14W CE00X EJ076 FD136 GQ05 4J036 AD07 AD08 AD21 AF05 AF06 AF08 AH01 AH05 AH07 AH10 FB01 FB06 FB07 JA07 KA06 4M109 AA01 CA21 EA04 EB01 EB03 EB07

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1分子内に少なくとも2個のエポキシ基
    を有するエポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、および、
    金属原子とフェノール化合物がイオン結合または配位結
    合で結合した化合物(C)を、必須成分として含有する
    ことを特徴とする難燃性エポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 硬化剤(B)が、1分子内に少なくとも
    2個のフェノール性水酸基を有する化合物または樹脂か
    らなることを特徴とする、請求項1記載の難燃性エポキ
    シ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 化合物(C)が、周期律表の2Aおよび
    3A〜2Bの遷移金属群より選ばれる、少なくとも1つ
    の金属原子を有する化合物である、請求項1または請求
    項2に記載の難燃性エポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 金属原子が、銅、コバルト、および鉄よ
    り選ばれる、請求項3記載の難燃性エポキシ樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】 化合物(C)が、2,3,4,4’−テ
    トラヒドロキシベンゾフェノン、およびフェノールアラ
    ルキル樹脂より選ばれる、少なくとも1つのフェノール
    化合物を有するものである、請求項1ないし請求項4の
    いずれかに記載の難燃性エポキシ樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれかに記
    載された難燃性エポキシ樹脂組成物と、充填剤とを含む
    ことを特徴とする半導体封止材料。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の半導体封止材料の硬化物
    によって、封止されたことを特徴とする半導体装置。
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