JP2003268069A - 難燃性エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体封止材料並びに半導体装置 - Google Patents

難燃性エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体封止材料並びに半導体装置

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JP2003268069A
JP2003268069A JP2002072683A JP2002072683A JP2003268069A JP 2003268069 A JP2003268069 A JP 2003268069A JP 2002072683 A JP2002072683 A JP 2002072683A JP 2002072683 A JP2002072683 A JP 2002072683A JP 2003268069 A JP2003268069 A JP 2003268069A
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epoxy resin
flame
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resin composition
semiconductor
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Hiroshi Hirose
浩 廣瀬
Hirotaka Nonaka
啓孝 野中
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハロゲン系化合物やリン系難燃剤を使用する
ことなしに、高度な難燃性を有すると共に、流動性が向
上し、かつ製品の特性を悪化させることのない難燃性エ
ポキシ樹脂組成物、およびそれを用いた半導体封止材料
を提供する。 【解決手段】 1分子内に少なくとも2個のエポキシ基
を有するエポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、および、
シクロペンタジエニル金属基と有機珪素基を骨格に含む
化合物(C)を必須成分として配合するエポキシ樹脂組
成物。該エポキシ樹脂組成物と、充填剤とを含む半導体
封止材料。更には、該半導体封止材料の硬化物によって
封止された半導体装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難燃性エポキシ樹
脂組成物およびそれを用いた半導体封止材料並びに半導
体装置に関するものである。更に詳しくは、ハロゲン系
化合物やアンチモン化合物、リン系難燃剤を使用するこ
となしに、優れた難燃性を示し、半導体封止材料に好適
な難燃性エポキシ樹脂組成物、およびそれを用いた半導
体封止材料並びに半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は、不飽和ポリエステル樹
脂、フェノール樹脂など他の熱硬化性樹脂に比べて、硬
化の際の収縮が少ないことから、金属や無機物との接着
性が良く、半導体封止材料として用いられているが、近
年、火災に対する安全性を確保するため、難燃性が付与
されている例が多い。これらの樹脂の難燃化には、従
来、臭素化エポキシ樹脂などの、ハロゲン系化合物を用
いるのが一般的であった。
【0003】これらのハロゲン系化合物は高度な難燃性
を有するが、芳香族臭素化合物は、熱分解によって腐食
性の臭素や臭化水素を遊離するだけでなく、酸素存在下
で分解した場合には、毒性の高いポリベンゾフランや、
ポリブロムジベンゾオキサジンを形成する可能性があ
る。また、臭素を含有する老朽廃材やゴミの処理はきわ
めて困難である。
【0004】このような理由から、ハロゲン系化合物に
代わる難燃剤として、リン系難燃剤が広く検討されてき
た。しかし、エポキシ樹脂系組成物にリン酸エステルな
どを加えた場合、ブリードや加水分解性が問題で、電気
的特性や信頼性を著しく劣化させるという欠点を生じ
る。そこで、ハロゲン系化合物に代わる難燃剤として、
特開平2000−204227号公報には、金属原子を
有する化合物を用いた難燃技術が提案されている。しか
しながら、添加量を増やしてもさほど難燃性が向上しな
いこと、また添加量増加に伴い硬化性が低下することか
ら、難燃性の更なる向上が望まれている。
【0005】また特開平11−269349号公報に
は、シクロペンタジエン鉄(フェロセン)を難燃剤とし
て用いたエポキシ樹脂組成物が開示されているが耐半田
性が低下する。またこれまでシロキサン化合物、シリコ
ーン化合物が難燃剤として用いられてきたが、単独で用
いた場合は難燃効果が小さく、例えば特開平10−19
5280号公報にシロキサン化合物を用いた難燃性樹脂
組成物が開示されているが、劇物であるアンチモン化合
物を併用することで難燃性を発現させるものでありシロ
キサン化合物のみを難燃剤として用いた場合、難燃性は
不十分である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ハロゲン系
化合物並びにアンチモン化合物やリン系難燃剤を添加す
ることなく、高度な難燃性を有し、流動性が向上し、か
つ製品の特性を悪化させることのない難燃性エポキシ樹
脂組成物、およびそれを用いた半導体封止材料並びにそ
の硬化物により封止された半導体装置を提供することを
目的としたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明らは、エポキシ樹
脂の難燃化におけるこのような現状に鑑み、さらに検討
を重ねた結果、エポキシ樹脂組成物に添加する化合物と
して、シクロペンタジエニル金属と有機珪素基を主鎖
に含む化合物(C)を用いることによって、燃焼時に難
燃剤として、より高い難燃性を発現でき、さらに硬化
性、流動性、耐湿信頼性、耐半田性も向上させ得ること
を見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0008】即ち本発明は、 1.1分子内に少なくとも2個のエポキシ基を有するエ
ポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、および一般式(1)
叉は一般式(2)で表される繰り返し単位を有する化合
物(C)を、含有することを特徴とする難燃性エポキシ
樹脂組成物、
【化7】
【化8】 (式(1)及び式(2)中、Mは金属原子を示し、Rは
有機珪素基を示し、nは1以上の整数である。) 2.化合物(C)が、一般式(1)及び(2)中のRと
して、式(3)〜(6)で表される基の中から選ばれる有
機珪素基を有するものである第1項記載の難燃性エポキ
シ樹脂組成物、
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】 3.化合物(C)が、一般式(1)及び(2)中のMと
して、周期律表の2Aおよび3A〜2Bの遷移金属より
選ばれる、少なくとも一つの金属原子を有する化合物で
ある、第1項又は第2項記載の難燃性エポキシ樹脂組成
物、 4.金属原子が鉄ある、第3項記載の難燃性エポキシ樹
脂組成物、 5.第1項ないし第4項のいずれかに記載された難燃性
エポキシ樹脂組成物と、充填剤とを含むことを特徴とす
る半導体封止材料、 6.第5項記載の半導体封止材料の硬化物によって封止
された半導体装置、を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
【0010】本発明において用いるエポキシ樹脂(A)
は、1分子内に少なくとも2個のエポキシ基を有するも
のであれば良く、具体的には、ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェ
ノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポ
キシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフ
タレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、芳
香族アミンおよび複素環式窒素塩基から導かれるN-グ
リシジル化合物、例えば、N,N-ジグリシジルアニリ
ン、トリグリシジルイソシアヌレート、N,N,N',N'-
テトラグリシジル-ビス(パラ-アミノフェニル)-メタ
ン等が例示されるが、特にこれらに限定されるものでは
ない。また、これらは単独でも、何種類かを併用して用
いることもできる。
【0011】但し、本発明がハロゲン系化合物を用いな
い樹脂組成物を目的とする以上、臭素化ビスフェノール
A型エポキシ樹脂や臭素化ノボラック型エポキシ樹脂な
どのハロゲン化エポキシ樹脂は、原則として除外する
が、ハロゲン化エポキシ樹脂を少量、あるいは部分的に
含んでいたとしても、本発明の技術的範囲に含まれるこ
とは勿論である。また、エポキシ樹脂の製造工程上、エ
ピクロルヒドリンを起源とする通常のエポキシ樹脂に含
まれる塩素は、やむを得ず残留するものであり、本発明
に関して何ら差し支えはなく、これを除外するものでは
ない。その量は当業者に公知のレベルであり、加水分解
性塩素にて数百ppmのオーダーである。
【0012】本発明に用いる硬化剤(B)は、当業者に
おいて公知のものはすべて用いることができる。具体的
には、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テト
ラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのC
2〜C20の直鎖脂肪族ジアミン、メタフェニレンジアミ
ン、パラフェニレンジアミン、パラキシレンジアミン、
4,4'-ジアミノジフェニルメタン、4,4'-ジアミノジ
フェニルプロパン、4,4'-ジアミノジフェニルエーテ
ル、4,4'-ジアミノジフェニルスルホン、4,4'-ジア
ミノジシクロヘキサン、ビス(4-アミノフェニル)フ
ェニルメタン、1,5-ジアミノナフタレン、メタキシレ
ンジアミン、パラキシレンジアミン、1,1-ビス(4-
アミノフェニル)シクロヘキサン、ジシアノジアミドな
どのアミン類、アニリン変性レゾール樹脂やジメチルエ
ーテルレゾール樹脂などのレゾール型フェノール樹脂、
フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹
脂、ターシャリー-ブチルフェノールノボラック樹脂、
ノニルフェノールノボラック樹脂などのノボラック型フ
ェノール樹脂、ポリパラオキシスチレンなどのポリオキ
シスチレン、フェノールアラルキル樹脂などのフェノー
ル樹脂や酸無水物などが例示されるが、特にこれらに限
定されるものではない。
【0013】また、半導体封止材料用の硬化剤として
は、耐湿信頼性等の点から、1分子内に少なくとも2個
のフェノール性水酸基を有する化合物が好ましく、例え
ば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック
樹脂、ターシャリー-ブチルフェノールノボラック樹
脂、ノニルフェノールノボラック樹脂などのノボラック
型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、ポリパ
ラオキシスチレンなどのポリオキシスチレン、フェノー
ルアラルキル樹脂やビフェノール、ジヒドロキシベンゾ
フェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、価リック
スアレー等の多価フェノール化合物が例示される。
【0014】本発明において、1分子内に少なくとも2
個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(A)と硬化剤
(B)の配合割合は、硬化剤(B)がフェノール系化合
物である場合、エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量1に
対する硬化剤(B)の水酸基当量の割合が、0.5〜2.
0の範囲で配合することが好ましい。硬化剤(B)が酸
無水物の場合は、エポキシ当量に対する酸無水物当量
の割合が、0.8〜1.4の範囲で配合することが好まし
い。硬化剤(B)がアミン系化合物の場合は、エポキシ
当量に対するアミン系化合物活性水素当量の割合が、
0.5〜2.0の範囲で配合することが好ましい。
【0015】次に、本発明に用いる一般式(1)及び
(2)で表される繰り返し単位を有する化合物(C)
は、シクロペンタジエニルが金属に結合した化合物であ
り、シクロペンタジエニル金属基と有機珪素基を主鎖に
有する化合物である。
【0016】化合物(C)において、一般式(1)中の
Rとして、式(3)〜式(6)で表される有機珪素基の
中から選ばれる基を有する化合物であることが好まし
い。
【0017】
【化13】
【0018】
【化14】
【0019】
【化15】
【0020】
【化16】
【0021】また、化合物(C)において、一般式
(1)中のMとして、周期律表の2Aおよび3A〜2B
の遷移金属より選ばれる金属原子を有する化合物である
ことが好ましく、これら金属原子の内、より好ましくは
鉄である。化合物(C)としては、これらの少なくとも
1つの金属原子を有する化合物が好ましい。なお前記周
期律表は物理学辞典(初版 昭和59年9月30日発行 231
5頁)に記載の表の通りである。
【0022】本発明における化合物(C)の配合量とし
ては、エポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)との合計10
0重量部に対して、0.01〜15重量部が好ましい
が、0.1〜10重量部の範囲とするのが、より好まし
い。0.01重量部未満では難燃性の効果が小さくなる
恐れがあり、一方、15重量部を越えると硬化性が低下
する恐れがある。化合物(C)は、単独で用いてもよ
く、複数種を混合しても用いることが出来る。また、樹
脂組成物の製造においては、分散性を向上させるため
に、あらかじめ化合物(C)をエポキシ樹脂(A)や硬
化剤(B)に溶融、混合して用いてもよい。
【0023】本発明の半導体封止材料は、前記難燃性樹
脂組成物と充填剤(D)とで基本的に構成される。充填
剤(D)の具体例としては、溶融シリカ等のシリカ粉
末、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、クレー、マイ
カなどが挙げられる。本発明における充填剤(D)の配
合量としては、半導体封止材料の60〜95重量%が好
ましいが、実用的には、65〜90重量%の範囲とする
のが好ましい。
【0024】本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物及び半
導体封止材料には、上記成分以外に、さらに必要に応じ
て、天然ワックス類、合成ワックス類、直鎖脂肪族酸の
金属酸化物、酸アミド類、エステル類、パラフィン類な
どの離型剤、カーボンブラック、ベンガラなどの着色
剤、種々の硬化促進剤、カップリング剤など、当業者に
おいて公知の添加剤を配合することができる。
【0025】本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物は、エ
ポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、化合物(C)とを、
また、半導体封止材料は、前記難燃性エポキシ樹脂組成
物と充填剤(D)とを、更には必要に応じて、その他の
成分を、所定の組成比に選択し、ミキサーなどにより十
分に均一になるように混合した後、熱ロールによる混
練、またはコニーダなどによる混練処理を行い、冷却、
固化させ、適当な大きさに粉砕することで、それぞれ得
ることができる。得られた半導体封止材料は、トランス
ファー成形、射出成形などの方法で成形することによっ
て半導体装置として好適に用いられる。本発明の半導体
装置は、上記で得られた半導体封止材料を、トランスフ
ァー成形、射出成形などの成形方法により、半導体素子
などの電子部品を封止して硬化させることにより得られ
る。
【0026】また、本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物
は、ハロゲン系化合物やリン系難燃剤を含まず、優れた
難燃性を示し、硬化性、流動性、耐湿信頼性を大きく低
下させることがないことから、半導体素子を初め、電子
部品や電機部品の封止材料として使用できる他、被膜材
料、絶縁材料、積層板、金属張り積層板などの用途にも
好適に使用することが出来る。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明はこれによって何ら限定されるものではな
い。
【0028】[シクロペンタジエニル金属塩と珪素を骨
格に含む化合物(C)の合成例]化合物Cの合成は、PATT
ERSON,W.J. and McMANUS,S.P:J.Polymer.Sci.12.837(19
74)に順じ合成した。以下に合成例をしめすが、必ずし
も文献の方法、反応温度、反応時間に限定されるもので
はない。
【0029】(合成例1)フェロセン(M.w 185.6)
(関東化学製)92.9g、ジフェニルシランジオール
(M.w 216.32)(アゾマックス製)108.16g、を
トルエン300mlに溶解し、温度計、攪拌機を具備し
た1リットルの4つ口フラスコにいれ、還流下で1時間
放置した後、冷却し濾過することで化合物[C−1](式
(7))を140g得た。
【化17】 式中、Mは鉄を示す。
【0030】(合成例2)フェロセン(M.w 185.6)
(関東化学製)92.9g、1,4−ビス(ヒドロキシ
ヂメチルシリルシリル)ベンゼン(M.w 226.42)(アゾ
マックス製)113.21g、をトルエン300mlに
溶解し、温度計、攪拌機を具備した1リットルの4つ口
フラスコにいれ、還流下で1時間放置した後、冷却し濾
過することで化合物[C−2](式(8))を144g得
た。
【化18】 式中、Mは鉄を示す。
【0031】(合成例3)フェロセン(M.w 185.6)
(関東化学製)92.9g、4,4'-ヒ゛ス(ジメチルジシラ
ノール)−ビフェニル(M.w 304.2)(アゾマックス
製)152.1g、を300mlのトルエン溶媒にい
れ、温度計、攪拌機を具備した1リットルの4つ口フラ
スコにいれ、還流下で1時間放置した後、冷却し濾過す
ることで化合物[C−3](式(9))を171g得た。
【化19】 式中、Mは鉄を示す。
【0032】(合成例4)フェロセン(M.w 185.6)
(関東化学製)92.9g、DMS-S12(アゾマックス社製
(M.w 400-700))227.5g、をトルエン500m
lにいれ、温度計、攪拌機を具備した1リットルの4つ
口フラスコにいれ、還流下で1時間放置した後、冷却し
濾過することで化合物[C−4](式(10))を224
g得た。
【化20】 式中、Mは鉄を示す。
【0033】(合成例5)1,1'−ビス(ヒドロキシ)メ
チルフェロセン(M.w 245.6)(関東化学製)を12
2.8g、1,4−ビス(ヒドロキシメチルシリル)ベン
ゼン(M.w226.42)(アゾマックス社製)113.21
g、トルエン20mlを温度計、攪拌機を具備した1リ
ットルの4つ口フラスコにいれ、窒素下0℃で2時間攪
拌する。その後100℃にし真空中で加熱し、化合物
[C−5](式(11))を161g得た。
【化21】 式中、Mは鉄を示す。
【0034】(合成例6)1,1'−ビス(ヒドロキシ)メ
チルフェロセン(M.w 245.6)(関東化学製)を12
2.8g、1,4−ビス(ヒドロキシヂメチルシリルシ
リル)ベンゼン(M.w 226.42)(アゾマックス製)11
3.21g、トルエン20mlを温度計、攪拌機を具備
した1リットルの4つ口フラスコにいれ、窒素下0℃で
2時間攪拌する。その後100℃にし真空中で加熱し、
化合物[C−6](式(12))を165g得た。
【化22】 式中、Mは鉄を示す。
【0035】(合成例7)1,1'−ビス(ヒドロキシ)メ
チルフェロセン(M.w 245.6)(関東化学製)を12
2.8g、4,4'-ヒ゛ス(ジメチルジシラノール)−ビフェ
ニル(M.w 304.2)(アゾマックス製)152.1g、
トルエン20mlを温度計、攪拌機を具備した1リット
ルの4つ口フラスコにいれ、窒素下0℃で2時間攪拌す
る。その後100℃にし真空中で加熱し、化合物[C−
7](式(13))を165g得た。
【化23】 式中、Mは鉄を示す。
【0036】(合成例8)1,1'−ビス(ヒドロキシ)メ
チルフェロセン(M.w 245.6)(関東化学製)122.
8g、DMS-S12(アゾマックス社製 (M.w 400-700))2
27.5g、トルエン50mlを温度計、攪拌機を具備
した1リットルの4つ口フラスコにいれ、窒素下0℃で
2時間攪拌する。その後100℃にし真空中で加熱し、
化合物[C−8](式(14))を245g得た。
【化24】 式中、Mは鉄を示す。
【0037】次いで、所定の配合により半導体封止材料
を調製し、その特性を評価するため、スパイラルフロ
ー、バーコル硬度、および難燃性を測定し、耐湿信頼
性、耐半田性の試験を行なった。各特性の測定方法およ
び条件は、次の通りとした。
【0038】(1)流動性 スパイラルフローにて評価し、EMMI-1-66に準じた
金型を使用し、トランスファー成形機により、金型温度
175℃、注入圧力6.86MPa、硬化時間120秒
の条件で測定した。得られた測定値は、長いほど流動性
良いことを示す。
【0039】(2)硬化性 トランスファー成形機により、金型温度175℃で12
0秒間成形し、金型の型開き10秒後の成形品のバーコ
ル硬度(#935)で評価した。
【0040】(3)難燃性 試験片(127mm×12.7mm×厚み1.0mm,
1.6mm,3.2mm)をトランスファー成形機を用
いて金型温度175℃、注入圧力6.86MPa、硬化
時間120秒で成形し、175℃、8時間で後硬化し、
UL−94垂直法に準じて測定し、難燃性を判定した。
【0041】(4)耐湿信頼性 調製した半導体封止材料を用いて、金型温度175℃、
注入圧力6.86MPa、硬化時間120秒の条件で、
アルミ模擬素子を搭載したモニターIC(16pDI
P)を成形し、175℃、8時間で後硬化させた半導体
装置を用いた。これに125℃、相対湿度100%、
2.3気圧の温室条件下で5.5V電圧を印加したま
ま、200時間放置した後、導通試験を行い、1端子で
も導通しないものを不良と判定した。不良の生じたパッ
ケージがa個であるとき、a/20とした。
【0042】(5)耐半田性 トランスファー成形機を用いて、金型温度175℃、注
入圧力7.35MPa、硬化時間2分で80pQFP
(2mm厚、チップサイズ9.0mm×9.0mm)を
成形し、175℃、8時間で後硬化し、得られた20個
のパッケージを85℃、相対湿度85%で168時間放
置し、その後240℃の半田槽に10秒間浸漬した。顕
微鏡でパッケージに生じた外部クラックを観察した。
又、超音波探傷装置を用いて内部剥離と内部クラックも
観察した。一箇所でもクラックまたは内部剥離があるI
Cパッケージを不良と判定した。不良の生じたパッケー
ジがb個であるとき、b/20と表示した。
【0043】[半導体封止材料の調整] (実施例1)球状溶融シリカ(平均粒径20μm、最大粒
径100μm)85重量部、ビフェニル型エポキシ樹脂(油
化シェルエポキシ社製YX-4000HK、エポキシ当
量195g/eq)7.6重量部、フェノールアラルキル
樹脂(三井化学製XL-225、水酸基当量175g/e
q)6.8重量部、化合物[C−1]0.67重量部(エポ
キシ樹脂(A)と硬化剤(B)との合計100重量部に
対して5重量部)、トリフェニルホスフィン0.3重量
部、離型剤(天然カルナバワックス)0.3重量部、着
色剤(カーボンブラック)0.2重量部、及びエポキシ
シランカップリング剤(日本ユニカー製A-186)0.
3重量部を配合し、熱ロールを用いて混練して、半導体
封止用成形材料を得た。特性の評価結果は、表1に示し
た通りである。
【0044】(実施例2〜8)実施例1における化合物
[C−1]に代えて、化合物[C−2]及び化合物[C−3]
〜[C−8]で合成した化合物を用い、表1に従って配合
した以外は、実施例1と同様にして、半導体封止材料を
調製した。特性の評価結果は、表1にまとめて示した。
【0045】(比較例1〜5)実施例1において銅フタ
ロシアニンに代えて、レゾルシンジフェニルホスフェー
ト(大八化学製CDP)、及びトリフェニルホスフィン
オキシド(大八化学製TPP)、シクロペンタジエニル
鉄(フェロセン)(関東化学製)、また、特開平10−
195280号公報の実施例に用いられたシロキサン化
合物であるオルガノシロキサン(1)(信越化学工業製
KF96)、オルガノシロキサン(2)(信越化学工業製
X-22-161)、オルガノシロキサン(3)(信越化学工業
製 X-22-3939A)、オルガノシロキサン(4)(信越化
学工業製 KR213)、及びオルガノシロキサン(5)(信
越化学工業製 X-52-874)を用い、各成分を表1に従っ
て配合した以外は、実施例1と同様にして、成形材料を
調製し、スパイラルフロー、硬化性、難燃性、信頼性及
び耐半田性を評価した。比較例の配合と特性評価結果を
表2にまとめて示した。なお、比較例1は難燃剤を含ま
ない配合例を、比較例2〜3はリン系難燃剤を含む配合
例を、比較例4はフェロセンを含有する配合例を、比較
例5〜9はオルガノシロキサンを含む配合例を示す。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】表2に示した結果から分かるように、比較
例1は、難燃剤を添加しない場合の結果で、フローや硬
化性は問題ないものの、難燃性はすべての厚みの試験片
において全焼するものがあり、UL94に該当しない。
比較例2は、難燃剤としてレゾルシンジフェニルホスフ
ェートを用いた例で、フロー,硬化性,難燃性は問題な
いものの、耐湿信頼性、耐半田性が著しく低い。トリフ
エニルホスフィンオキシドを用いた比較例3では、流動
性は良いが、硬化性,難燃性,耐湿信頼性、耐半田性に
劣る結果であった。また、シクロペンタジエニル鉄(フ
ェロセン)を用いた比較例4では、UL94試験におい
てV-0を達成したが、耐半田性が著しく低下する結果
であった。またオルガノシロキサンを添加した比較例5
〜8は難燃性が不十分であり、オルガノシロキサンの添
加量を増やした比較例9〜10も難燃性が不十分であり
更には添加量が多くなると耐半田性、耐湿信頼性が低下
する。
【0049】これに対して、本発明の金属原子と芳香族
化合物または複素環化合物が、イオン結合または配位結
合で結合した化合物(C)を難燃剤とする実施例1〜8
では、いずれも難燃性はUL94V-0を示し、従来の
ものに比べて、難燃性だけでなく、良好な流動性、硬化
性、耐湿信頼性、耐半田性を示す非常に良い結果であっ
た。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、ハロゲン系化合物やア
ンチモン化合物、リン系難燃剤を添加することなく高度
な難燃性を有し、かつ、製品の特性を悪化させることが
なく、従来から用いられているリン系難燃剤を配合する
場合に比べて、耐湿信頼性が優れており、特に流動性が
良好で、今後要求されるハロゲン、アンチモン及びリン
を用いることのない、難燃性エポキシ樹脂組成物及びこ
れを用いた半導体封止材料を実現出来るもので、半導体
封止用の材料として極めて有用なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 CC042 CC062 CD001 CE002 EN036 EN076 EZ007 FD137 FD142 FD146 GQ05 4J036 AA01 DB15 DC02 FA14 FB07 FB08 JA07 4M109 AA01 EA02 EB02 EC01 EC05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1分子内に少なくとも2個のエポキシ基
    を有するエポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、および一
    般式(1)叉は一般式(2)で表される繰り返し単位を
    有する化合物(C)を含有することを特徴とする難燃性
    エポキシ樹脂組成物。 【化1】 【化2】 式(1)及び式(2)中、Mは金属原子、Rは有機珪素
    基を示し、n は1以上の整数である。
  2. 【請求項2】 化合物(C)が、一般式(1)及び
    (2)中のRとして、式(3)〜(6)で表される基の中
    から選ばれる有機珪素基を有するものである、請求項1
    記載の難燃性エポキシ樹脂組成物。 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】
  3. 【請求項3】 化合物(C)が、一般式(1)及び
    (2)中のMとして、周期律表の2Aおよび3A〜2B
    の遷移金属より選ばれる、少なくとも一つの金属原子を
    有する化合物である、請求項1又は2記載の難燃性エポ
    キシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 金属原子が鉄ある、請求項3記載の難燃
    性エポキシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれかに記
    載された難燃性エポキシ樹脂組成物と、充填剤を含むこ
    とを特徴とする半導体封止材料。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の半導体封止材料の硬化物
    によって封止された半導体装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008534725A (ja) * 2005-04-01 2008-08-28 ハンツマン・アドヴァンスト・マテリアルズ・(スイッツランド)・ゲーエムベーハー ベンズオキサジンおよびエポキシ樹脂を含む組成物
WO2012036443A2 (ko) * 2010-09-14 2012-03-22 주식회사 엘지화학 이핵 메탈로센 화합물 및 이를 이용한 폴리올레핀의 제조방법

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JP2008534725A (ja) * 2005-04-01 2008-08-28 ハンツマン・アドヴァンスト・マテリアルズ・(スイッツランド)・ゲーエムベーハー ベンズオキサジンおよびエポキシ樹脂を含む組成物
WO2012036443A2 (ko) * 2010-09-14 2012-03-22 주식회사 엘지화학 이핵 메탈로센 화합물 및 이를 이용한 폴리올레핀의 제조방법
WO2012036443A3 (ko) * 2010-09-14 2012-06-14 주식회사 엘지화학 이핵 메탈로센 화합물 및 이를 이용한 폴리올레핀의 제조방법

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