JP2002226679A - 難燃性エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体封止材料並びに半導体装置 - Google Patents

難燃性エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体封止材料並びに半導体装置

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JP2002226679A
JP2002226679A JP2001091434A JP2001091434A JP2002226679A JP 2002226679 A JP2002226679 A JP 2002226679A JP 2001091434 A JP2001091434 A JP 2001091434A JP 2001091434 A JP2001091434 A JP 2001091434A JP 2002226679 A JP2002226679 A JP 2002226679A
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Hiroshi Hirose
浩 廣瀬
Hirotaka Nonaka
啓孝 野中
Akihiro Hirata
明広 平田
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハロゲン系化合物やリン系難燃剤を使用する
ことなしに、高度な難燃性を有すると共に、流動性が向
上し、かつ製品の特性を悪化させることのない難燃性エ
ポキシ樹脂組成物、およびそれを用いた半導体封止材料
を提供する。 【解決手段】 1分子内に少なくとも2個のエポキシ基
を有するエポキシ樹脂、硬化剤、および、金属原子と芳
香族化合物または複素環化合物が、イオン結合または配
位結合で結合した、熱分解温度が250〜800℃の化
合物を、必須成分として配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲン系化合物
やリン系難燃剤を使用することなしに、優れた難燃性を
示す難燃性エポキシ樹脂組成物、およびそれを用いた半
導体封止材料並びに半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は、不飽和ポリエステル樹
脂、フェノール樹脂など他の熱硬化性樹脂に比べて、硬
化の際の収縮が少ないことから、金属や無機物との接着
性が良く、半導体封止材料として用いられているが、近
年、火災に対する安全性を確保するため、難燃性が付与
されている例が多い。これらの樹脂の難燃化には、従
来、臭素化エポキシ樹脂などの、ハロゲン系化合物を用
いるのが一般的であった。
【0003】これらのハロゲン系化合物は高度な難燃性
を有するが、芳香族臭素化合物は、熱分解によって腐食
性の臭素や臭化水素を遊離するだけでなく、酸素存在下
で分解した場合には、毒性の高いポリベンゾフランや、
ポリブロムジベンゾオキサジンを形成する可能性があ
る。また、臭素を含有する老朽廃材やゴミの処理はきわ
めて困難である。
【0004】このような理由から、ハロゲン系化合物に
代わる難燃剤として、リン系難燃剤が広く検討されてき
た。しかし、エポキシ樹脂系組成物にリン酸エステルな
どを加えた場合、ブリードや加水分解性が問題で、電気
的特性や信頼性を著しく劣化させるという欠点を生じ
る。そこで、ハロゲン系化合物に代わる難燃剤として、
特開平2000−204227号公報には、金属原子を
有する化合物を用いた難燃技術が提案されている。しか
しながら、添加量を増やしてもさほど難燃性が向上しな
いこと、また添加量増加に伴い硬化性が低下することか
ら、難燃性の更なる向上が望まれている。
【0005】また特開平11−269349号公報に
は、シクロペンタジエン鉄(フェロセン)を難燃剤とし
て用いたエポキシ樹脂組成物が開示されているが、熱重
量減少測定において、窒素雰囲気下で昇温速度10℃/
minで昇温させた時、10%重量減少時の温度が146
℃と低く、耐半田性が低下する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ハロゲン系
化合物やリン系難燃剤を添加することなく、高度な難燃
性を有し、流動性が向上し、かつ製品の特性を悪化させ
ることのない難燃性エポキシ樹脂組成物、およびそれを
用いた半導体封止材料並びにその硬化物により封止され
た半導体装置を提供することを目的としたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明らは、エポキシ樹
脂の難燃化におけるこのような現状に鑑み、さらに検討
を重ねた結果、エポキシ樹脂組成物に添加する化合物と
して、金属原子と芳香族化合物または複素環化合物がイ
オン結合または配位結合で結合した化合物、より好まし
くは、熱分解温度が300〜800℃の化合物を用いる
ことによって、硬化性を維持でき、樹脂が分解する温度
まで熱的に安定で、他の物性に悪影響を及ぼすことな
く、燃焼時に難燃剤として効果を発揮し、より高い難燃
性を発現でき、さらに流動性をも向上させ得ることを見
出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0008】即ち本発明は、1分子内に少なくとも2個
のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(A)、硬化剤
(B)、および、金属原子と芳香族化合物または複素環
化合物が、イオン結合または配位結合で結合した化合物
(C)を、必須成分として含有することを特徴とする難
燃性エポキシ樹脂組成物、及びそれを用いた半導体封止
材料である。
【0009】また好ましくは、硬化剤(B)が、1分子
内に少なくとも2個のフェノール性水酸基を有する化合
物または樹脂からなり、あるいは、化合物(C)が、熱
重量減少測定において、窒素雰囲気下で昇温速度10℃
/minで昇温させた時の、10%重量減少時の温度が3
00〜800℃であることを特徴とする。更には、前記
半導体封止材料の硬化物によって封止された半導体装置
である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の難燃性エポキシ樹脂組成
物、及びそれを用いた半導体封止材料は、ハロゲン化エ
ポキシ樹脂などのハロゲン系化合物や、リン系難燃剤を
使用せず、構成成分である金属原子と芳香族化合物また
は複素環化合物がイオン結合または配位結合で結合した
化合物(C)の添加によって、流動性、硬化性、耐湿信
頼性、耐半田性を著しく低下させることなく優れた難燃
性を付与することを骨子とする。
【0011】本発明において用いるエポキシ樹脂(A)
は、1分子内に少なくとも2個のエポキシ基を有するも
のであれば良く、具体的には、ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェ
ノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポ
キシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフ
タレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、芳
香族アミンおよび複素環式窒素塩基から導かれるN-グ
リシジル化合物、例えば、N,N-ジグリシジルアニリ
ン、トリグリシジルイソシアヌレート、N,N,N',N'-
テトラグリシジル-ビス(パラ-アミノフェニル)-メタ
ン等が例示されるが、特にこれらに限定されるものでは
ない。また、これらは単独でも、何種類かを併用して用
いることもできる。
【0012】但し、本発明がハロゲン系化合物を用いな
い樹脂組成物を目的とする以上、臭素化ビスフェノール
A型エポキシ樹脂や臭素化ノボラック型エポキシ樹脂な
どのハロゲン化エポキシ樹脂は、原則として除外する
が、ハロゲン化エポキシ樹脂を少量、あるいは部分的に
含んでいたとしても、本発明の技術的範囲に含まれるこ
とは勿論である。また、エポキシ樹脂の製造工程上、エ
ピクロルヒドリンを起源とする通常のエポキシ樹脂に含
まれる塩素は、やむを得ず残留するものであり、本発明
に関して何ら差し支えはなく、これを除外するものでは
ない。その量は当業者に公知のレベルであり、加水分解
性塩素にて数百ppmのオーダーである。
【0013】本発明に用いる硬化剤(B)は、当業者に
おいて公知のものはすべて用いることができる。具体的
には、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テト
ラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのC
2〜C20の直鎖脂肪族ジアミン、メタフェニレンジアミ
ン、パラフェニレンジアミン、パラキシレンジアミン、
4,4'-ジアミノジフェニルメタン、4,4'-ジアミノジ
フェニルプロパン、4,4'-ジアミノジフェニルエーテ
ル、4,4'-ジアミノジフェニルスルホン、4,4'-ジア
ミノジシクロヘキサン、ビス(4-アミノフェニル)フ
ェニルメタン、1,5-ジアミノナフタレン、メタキシレ
ンジアミン、パラキシレンジアミン、1,1-ビス(4-
アミノフェニル)シクロヘキサン、ジシアノジアミドな
どのアミン類、アニリン変性レゾール樹脂やジメチルエ
ーテルレゾール樹脂などのレゾール型フェノール樹脂、
フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹
脂、ターシャリー-ブチルフェノールノボラック樹脂、
ノニルフェノールノボラック樹脂などのノボラック型フ
ェノール樹脂、ポリパラオキシスチレンなどのポリオキ
シスチレン、フェノールアラルキル樹脂などのフェノー
ル樹脂や、酸無水物などが例示されるが、特にこれらに
限定されるものではない。
【0014】また、半導体封止材料用の硬化剤として
は、耐湿信頼性等の点から、1分子内に少なくとも2個
のフェノール性水酸基を有する化合物または樹脂が好ま
しく、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラッ
ク樹脂、ターシャリー-ブチルフェノールノボラック樹
脂、ノニルフェノールノボラック樹脂などのノボラック
型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、ポリパ
ラオキシスチレンなどのポリオキシスチレン、フェノー
ルアラルキル樹脂が例示される。
【0015】次に、本発明に用いる金属原子と芳香族化
合物または複素環化合物が、イオン結合または配位結合
で結合した化合物(C)は、TG-DTA(セイコーイ
ンスツルメント(株)製)測定において、窒素雰囲気下で
昇温速度10℃/minで昇温させた時、250〜800
℃の10%重量減少温度を有することが好ましく、さら
に好ましくは300〜650℃であり、エポキシ樹脂の
分解温度付近より高い温度で分解することから難燃効果
が大きい。また、10%重量減少時の温度が250℃以
上の化合物(C)を添加した場合、流動性が向上する。
【0016】化合物(C)を構成する金属原子は、周期
律表の2Aおよび3Aから2Bの、一般に遷移金属と呼
ばれる群より選ばれる、少なくとも1つの金属原子を有
する化合物が好ましく、より好ましくは銅、コバルト、
鉄である。
【0017】また、金属原子と芳香族化合物または複素
環化合物が、イオン結合または配位結合で結合した化合
物(C)は、好ましくは、フタロシアニン錯体(式
1)、ナフタロシアニン錯体(式2)、ヒドロキシキノ
リン(オキシン)(式3)、ニトロナフトール錯体(式
4)、サリチルアルデヒドエチレンジイミン錯体(式
5)、フェナントロリン錯体(式6)、ビピリジン錯体
(式7)、およびベンゾイルメタナト錯体(式8)より
選ばれる、少なくとも1つの錯体化合物である。
【0018】尚、式中のR1〜R22は、水素、メチル
基、エチル基、ターシャリーブチル基、アミノ基、およ
びカルボキシル基からなる群から選択され、同一でも異
なっていてもよい。Mは、周期律表の2Aおよび3Aか
ら2Bの、一般に遷移金属と呼ばれる群より選ばれる金
属原子を示す。また、 (式3)〜(式4)、(式6)
〜(式8)の nは1以上の整数を示す。
【0019】
【化18】
【0020】
【化19】
【0021】
【化20】
【0022】
【化21】
【0023】
【化22】
【0024】
【化23】
【0025】
【化24】
【0026】
【化25】
【0027】また、本発明における化合物(C)とし
て、特に好ましいのは、銅フタロシアニン(式9)、コ
バルトフタロシアニン(式10)、鉄フタロシアニン
(式11)、銅ビスキノリノラト(式12)、コバルト
ビスキノリノラト(式13)、鉄キノリノラト(鉄オキ
シン)(式14)、ビス(サリチルアルデヒド)エチレ
ンジイミンコバルト(式15)、ビス(サリチルアルデ
ヒド)エチレンジイミンコバルト(鉄サレン)(式1
6)、及び鉄ベンゾイルメタナト(式17)より選ばれ
る、少なくとも1つの錯体化合物である。
【0028】
【化26】
【0029】
【化27】
【0030】
【化28】
【0031】
【化29】
【0032】
【化30】
【0033】
【化31】
【0034】
【化32】
【0035】
【化33】
【0036】
【化34】
【0037】本発明における化合物(C)の配合量は、
エポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)との合計100重量
部に対して、0.01〜15重量部が好ましいが、実用
的には、0.1〜10重量部の範囲とするのが好まシい。
0.01重量部以下では難燃性の効果が小さく、一方、
15重量部を越えると硬化性が低下する傾向を示す。化
合物(C)は、単独で用いてもよく、複数種を混合して
も用いることが出来る。また、樹脂組成物の製造におい
ては、分散性を向上させるために、あらかじめエポキシ
樹脂(A)や硬化剤(B)に溶融、混合して用いてもよ
い。
【0038】本発明の半導体封止材料は、前記難燃性樹
脂組成物と充填剤とで基本的に構成される。充填剤の具
体例としては、溶融シリカ等のシリカ粉末、アルミナ、
タルク、炭酸カルシウム、クレー、マイカなどが挙げら
れるが、さらに必要に応じて天然ワックス類、合成ワッ
クス類、直鎖脂肪族酸の金属酸化物、酸アミド類、エス
テル類、パラフィン類などの離型剤、カーボンブラッ
ク、ベンガラなどの着色剤、種々の硬化促進剤、カップ
リング剤など、当業者において公知の添加剤を配合して
使用される。
【0039】本発明における充填剤(D)の配合量は、
60〜95重量部が好ましいが、実用的には、65〜9
0重量部の範囲とするのが好まシい。
【0040】本発明において、エポキシ樹脂(A)と硬
化剤(B)の配合割合は、硬化剤(B)がフェノール系化合
物である場合、エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量に対
する硬化剤(B)の水酸基当量の割合が、0.5〜2.0
の範囲で配合することが好ましい。硬化剤(B)が酸無
水物の場合は、エポキシ当量に対する酸無水物当量の割
合が、0.8〜1.4の範囲で配合することが好ましい。
硬化剤(B)がアミン系化合物の場合は、エポキシ当量
に対するアミン系化合物活性水素当量の割合が、0.5
〜2.0の範囲で配合することが好ましい。
【0041】本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物と充填
剤(D)、その他の成分を、所定の組成比に選択し、ミ
キサーなどにより十分に均一になるように混合した後、
熱ロールによる混練、またはコニーダなどによる混練処
理を行い、冷却、固化させ、適当な大きさに粉砕するこ
とで、半導体封止材料を得ることができる。得られた半
導体封止材料は、トランスファー成形、射出成形するこ
とによって半導体装置として好適に用いられる。
【0042】また、本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物
は、ハロゲン系化合物やリン系難燃剤を含まず、優れた
難燃性を示し、硬化性、流動性、耐湿信頼性を大きく低
下させることがないことから、半導体素子を初め、電子
部品や電機部品の封止材料として使用できる他、被膜材
料、絶縁材料、積層板、金属張り積層板などの用途にも
好適に使用することが出来る。
【0043】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明はこれによって何ら限定されるものではな
い。ここでは先ず、所定の配合により半導体封止用成形
材料を調製し、その特性を評価するため、スパイラルフ
ロー、バーコル硬度、および難燃性を測定し、耐湿信頼
性、耐半田性の試験を行なった。各特性の測定方法およ
び条件は、次の通りとした。
【0044】(1)流動性 スパイラルフローにて評価し、EMMI-1-66に準じた
金型を使用し、トランスファー成形機により、金型温度
175℃、注入圧力6.86MPa(70kgf/cm2)、
硬化時間120秒の条件で測定した。得られた測定値は、
大きい方が流動性が良いことを示す。
【0045】(2)硬化性 トランスファー成形機により、金型温度175℃で12
0秒間成形し、金型の型開き10秒後の成形品のバーコ
ル硬度(#935)で評価した。
【0046】(3)難燃性 試験片(127mm×12.7mm×1.0mm,1.6mm,
3.2mm)をトランスファー成形機を用いて金型温度
175℃、注入圧力6.86MPa(70kgf/cm2)、
硬化時間120秒で成形し、175℃、8時間で後硬化
し、UL−94垂直法に準じて測定し、難燃性を判定し
た。
【0047】(4)耐湿信頼性 調製した成形材料を用いて、金型温度175℃、注入圧
力6.86MPa(70kgf/cm2)、硬化時間120秒の条
件で、アルミ模擬素子を搭載したモニターIC(16p
DIP)を成形し、175℃、8時間で後硬化させた半
導体装置を用いた。これに125℃、相対湿度100
%、2.3気圧の温室条件下で5.5V電圧を印加したま
ま、200時間放置した後、導通試験を行い、1端子で
も導通しないものを不良と判定した。不良の生じたパッ
ケージがa個であるとき、a/20とした。
【0048】(5)耐半田性 トランスファー成形機を用いて、金型温度175℃、注
入圧力7.35MPa(75kgf/cm2)、硬化時間2分
で80pQFP(2mm厚、チップサイズ9.0mm×
9.0mm)を成形し、175℃、8時間で後硬化し、
得られた20個のパッケージを85℃、相対湿度85%で
168時間放置し、その後240℃の半田槽に10秒間
浸漬した。顕微鏡でパッケージに生じた外部クラックを
観察した。又、超音波探傷装置を用いて内部剥離と内部
クラックも観察した。一箇所でもクラックまたは内部剥
離があるICパッケージを不良と判定した。不良の生じ
たパッケージがb個であるとき、b/20と表示した。
【0049】(実施例1)球状溶融シリカ(平均粒径20
μm、最大粒径100μm)85重量部、ビフェニル型エポ
キシ樹脂(油化シェルエポキシ社製YX-4000H
K、エポキシ当量195g/eq)7.6重量部、フェノ
ールアラルキル樹脂(三井化学製XL-225、水酸基
当量175g/eq)6.8重量部、銅フタロシアニン
(関東化学製)0.67重量部(エポキシ樹脂(A)と
硬化剤(B)との合計100重量部に対して5重量
部)、トリフェニルホスフィン0.3重量部、離型剤
(天然カルナバワックス)0.3重量部、着色剤(カー
ボンブラック)0.2重量部、及びエポキシシランカッ
プリング剤(日本ユニカー製A-186)0.3重量部を
配合し、熱ロールを用いて混練して、半導体封止用成形
材料を得た。特性の評価結果は、表1に示した通りであ
る。
【0050】(実施例2〜9)実施例1における銅フタ
ロシアニンに代えて、コバルトフタロシアニン(関東化
学製)、及び鉄フタロシアニン(東京化成製)、銅ビス
キノリノラト(東京化成製)、コバルトビスキノリノラ
ト(Ind.Eng.Chem.,Vol.16,No.6,387(1944)に記
載の方法で合成した)、及びビス(サリチルアルデヒ
ド)エチレンジイミンコバルト(東京化成製)、鉄トリ
スベンゾイルメタナト(東京化成製)を用い、表1に従
って配合した以外は、実施例1と同様にして、半導体封
止用成形材料を調製した。特性の評価結果は、表1にま
とめて示した。
【0051】(比較例1〜7)難燃剤としてリン系化合
物をのレゾルシンジフェニルホスフェート(大八化学製
CDP)、及びトリフェニルホスフィンオキシド(大八
化学製TPP)、有機金属化合物難燃剤としてナフテン酸コハ
゛ルト(関東化学製)、シクロヘ゜ンタシ゛エニル鉄(フェロセン)
(関東化学製)を用いた。比較例1は難燃剤を含まない
配合例を、比較例2〜3はリン系難燃剤を含む配合例を、4
〜5は有機金属難燃剤を含む配合例を示す。各成分を表
1に従って配合した以外は、実施例1と同様にして、成
形材料を調製し、スパイラルフロー、硬化性、難燃性、
信頼性及び耐半田性を評価した。
【0052】
【表1】
【0053】表1に示した結果から分かるように、比較
例1は、難燃剤を添加しない場合の結果で、フローや硬
化性は問題ないものの、難燃性はすべての厚みの試験片
において全焼するものがあり、UL94に該当しない。
比較例2は、難燃剤としてレゾルシンジフェニルホスフ
ェートを用いた例で、フロー,硬化性,難燃性は問題な
いものの、耐湿信頼性、耐半田性が著しく低い。トリフ
エニルホスフィンオキシドを用いた比較例3では、流動
性は良いが、硬化性,難燃性,耐湿信頼性、耐半田性に
劣る結果であった。また、ナフテン酸コバルトを用いた
比較例4では、難燃性は1.0mm、3.2mm厚の試験片におい
てUL94のV-0に到達(V-1)しなかった。シクロ
ペンタジエニル鉄(フェロセン)を用いた比較例5で
は、すべての試験片厚のUL94試験においてV-0を
達成したが、耐半田性が著しく低下する結果であった。
【0054】これに対して、本発明の金属原子と芳香族
化合物または複素環化合物が、イオン結合または配位結
合で結合した化合物(C)を難燃剤とする実施例1〜7
では、いずれも難燃性はUL94 V-0を示し、従来の
ものに比べて、難燃性だけでなく、良好な流動性、硬化
性、耐湿信頼性、耐半田性を示す非常に良い結果であっ
た。
【0055】
【発明の効果】本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物は、
ハロゲン系化合物やリン系難燃剤を添加することなく高
度な難燃性を有し、かつ、製品の特性を悪化させること
がなく、従来から用いられているリン系難燃剤を配合す
る場合に比べて、耐湿信頼性が優れており、特に流動性
が良好なものであり、今後要求されるノンハロゲン、ノ
ンリン材料による、難燃性エポキシ樹脂組成物を実現出
来るもので、半導体封止用の材料として極めて有用なも
のである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 23/31 Fターム(参考) 4J002 CC042 CC052 CC072 CD031 CD041 CD051 CD061 CD131 CD141 CE002 DE148 DE238 DJ018 DJ038 DJ048 DJ058 EN037 EN077 ET007 EV227 EZ006 FD018 FD136 FD142 FD147 4J036 AA01 AD07 AD08 AF05 AF06 AF19 DC02 FA01 FA14 FB07 JA07 4M109 AA01 EA02 EB03 EB07 EC20

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1分子内に少なくとも2個のエポキシ基
    を有するエポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、および、
    金属原子と芳香族化合物または複素環化合物が、イオン
    結合または配位結合で結合した化合物(C)を、必須成
    分として含有することを特徴とする難燃性エポキシ樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】 硬化剤(B)が、1分子内に少なくとも
    2個のフェノール性水酸基を有する化合物または樹脂か
    らなることを特徴とする、請求項1記載の難燃性エポキ
    シ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 化合物(C)が、熱重量減少測定におい
    て、窒素雰囲気下で昇温速度10℃/minで昇温させた
    時、250〜800℃の10%重量減少時の温度を有す
    ることを特徴とする、請求項1または請求項2記載の難
    燃性エポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 化合物(C)が、 周期律表の2Aおよ
    び3A〜2Bの遷移金属群より選ばれる、少なくとも一
    つの金属原子を有する化合物であることを特徴とする、
    請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の難燃性エポ
    キシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 化合物(C)が、フタロシアニン錯体
    (式1)、ナフタロシアニン錯体(式2)、ヒドロキシ
    キノリン(オキシン)(式3)、ニトロナフトール錯体
    (式4)、サリチルアルデヒドエチレンジイミン錯体
    (式5)、フェナントロリン錯体(式6)、ビピリジン
    錯体(式7)、およびベンゾイルメタナト錯体(式8)
    より選ばれる、少なくとも1つの錯体化合物であること
    を特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれかに記
    載の難燃性エポキシ樹脂組成物。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】 【化7】 【化8】 式中、R1〜R22は、水素、メチル基、エチル基、ター
    シャリーブチル基、アミノ基、およびカルボキシル基か
    らなる群から選択され、同一でも異なっていてもよい。
    Mは、周期律表の2Aおよび3Aから2Bの、一般に遷
    移金属と呼ばれる群より選ばれる金属原子を示し、nは
    1以上の整数を示す。
  6. 【請求項6】 化合物(C)が、銅フタロシアニン(式
    9)、コバルトフタロシアニン(式10)、鉄フタロシ
    アニン(式11)、銅ビスキノリノラト(式12)、コ
    バルトビスキノリノラト(式13)、鉄キノリノラト
    (鉄オキシン)(式14)、ビス(サリチルアルデヒ
    ド)エチレンジイミンコバルト(式15)、(サリチル
    アルデヒド)エチレンジイミンコバルト(鉄サレン)
    (式16)、及び鉄トリスベンゾイルメタナト(式17)
    より選ばれる、少なくとも1つの錯体化合物であること
    を特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれかに記
    載の難燃性エポキシ樹脂組成物。 【化9】 【化10】 【化11】 【化12】 【化13】 【化14】 【化15】 【化16】 【化17】
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6のいずれかに記
    載された難燃性エポキシ樹脂組成物と、充填剤とで基本
    的に構成されることを特徴とする半導体封止材料。
  8. 【請求項8】請求項7記載の半導体封止材料の硬化物に
    よって封止された半導体装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007031557A (ja) * 2005-07-26 2007-02-08 Sekisui Plastics Co Ltd 難燃性ポリスチレン系樹脂押出発泡体及びその製造方法
WO2007058261A1 (ja) * 2005-11-21 2007-05-24 Hitachi Chemical Co., Ltd. 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置

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