JP4013894B2 - 樹脂組成物および可変抵抗器 - Google Patents

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本発明は、不要なガスを発生することなく高難燃性を有し、さらに電気絶縁性、耐ヒートショック性、注型作業性、沈降安定性のバランスに優れた、樹脂組成物およびこの樹脂組成物を用いた可変抵抗器に関する。
例えばテレビ受像機のフライバックトランスに用いられるフォーカスパックなどの高圧部品は、回路基板などがケースに収納された状態で樹脂が注入充填されることによってその絶縁・封止が行われる。この場合、高圧部品の絶縁・封止に用いられる注型樹脂は、高いレベルでの難燃性、電気絶縁性、耐ヒートショック性、注型作業性が要求される。
この用途で使用される樹脂は、電気絶縁性、注型作業性、コストの面で優れることから、エポキシ樹脂がよく用いられている。一般にエポキシ樹脂は可燃性材料であるが、このようなエポキシ樹脂を採用したものであっても、高圧部品としては難燃性の高いものにする必要がある。エポキシ樹脂に難燃性を付与する場合、従来においては、エポキシ樹脂本来の優れた特性の低下を最小限に抑えるため、少量配合で高い難燃性効果を期待できるハロゲンまたは赤リン系難燃剤を配合することが提案されている。
しかしながら、ハロゲン系難燃剤は燃焼時にハロゲン元素系のガスを発生するおそれが指摘されており、使用を控える傾向にある。また、赤リン系難燃剤も高温下でリン系のガスを発生するおそれが指摘されており、使用を控える傾向にある。このため、ハロゲン及び赤リン系難燃剤を使用しないで、高難燃性を有し、さらに電気絶縁性、耐ヒートショック性、注型作業性のバランスに優れた、高圧部品注型用樹脂組成物が求められている。
従来においては、このようなハロゲン及び赤リン系難燃剤を使用しないで、エポキシ樹脂に高い難燃性を付与するために、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物を樹脂剤中に高充填することが提案されている(特許文献1,2,3参照)。
特開平9−241483号公報(全頁) 特開平5−25369号公報(全頁) 特開平11−116777号公報(全頁)
しかしながら、従来の金属水酸化物を高充填する方法では、樹脂の粘度が上昇するため注型作業性が低下する問題があった。また、保管されているときなどにおいて充填材の沈降により硬い沈降層が形成され、使用する際にその沈降したものを再度分散するよう攪拌処理しなければならず、煩雑な作業を必要とするという問題があった。
そこで、本発明は、ハロゲン及び赤リン系難燃剤を使用しないで、高難燃性を有し、さらに電気絶縁性、耐ヒートショック性、注型作業性、沈降安定性のバランスに優れた、樹脂組成物および可変抵抗器を提供することを解決すべき課題としている。
本発明に係る第1の樹脂組成物は、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂、ダイマー酸変性エポキシ樹脂、表面を脂肪酸処理した金属水酸化物、表面処理していない金属水酸化物、およびテトラゾール骨格を有する有機化合物を必須成分とし、前記表面を脂肪酸処理した金属水酸化物の配合量が40phr〜150phr、テトラゾール骨格を有する有機化合物が20phr〜100phr、前記表面を脂肪酸処理した金属酸化物、前記表面処理していない金属酸化物、およびテトラゾール骨格を有する有機化合物の合計配合量が195phr〜300phrである。
本発明に係る第1の樹脂組成物によれば、エポキシ樹脂本体の優れた注型作業性と電気絶縁性とを維持しながら、高い難燃性が得られる。
本発明に係る第1の樹脂組成物において、前記金属水酸化物は水酸化アルミニウムであることが好ましい。なお、金属水酸化物としては、他に、マグネシウムなどの金属からなるものでもよい。
本発明に係る第1の樹脂組成物において、エポキシ樹脂中の前記ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂の比率が50wt%〜70wt%であり、エポキシ樹脂中の前記ダイマー酸変性エポキシ樹脂の比率は、30wt%〜50wt%であることが好ましい。
本発明に係る第1の樹脂組成物において、硬化剤として酸無水物を含むことが好ましい。この場合、他の硬化剤より混合物粘度が低くできるため、注型作業性が良い。また、他の硬化剤より主剤との反応性が低く、混合物が常温でゲル化(硬化反応)しにくいため、長時間注型作業ができる。
本発明に係る第1の樹脂組成物は、好ましくは、硬化物の熱変形温度が35℃〜55℃である。
本発明に係る可変抵抗器は、絶縁ケースと、表面に抵抗体が形成され、前記絶縁ケース内に、その表面がケースの内底部に対向するように収納された回路基板と、前記絶縁ケースの側面に取り囲まれた前記回路基板の裏面側に本発明に係る第1の樹脂組成物が充填されてなる可変抵抗器である。
本発明に係る可変抵抗器によれば、高温状態となるおそれがある可変抵抗器であっても、難燃性が高い樹脂組成物が使用されているから、高温に対する耐久性が高いとともに、電気絶縁性、耐ヒートショック性などの優れた特性を有する。
以上のように、本発明の樹脂組成物は、不要なガス発生の可能性が指摘されているハロゲンおよび赤リン系難燃剤を使用せずに、高い難燃性と、電気絶縁性、耐ヒートショック性、注型作業性、沈降安定性に優れた封止用素材などを提供できる。よって、本発明の樹脂組成物を用いた電子部品、特に高圧用電子部品、可変抵抗器は高い難燃性と、電気絶縁性、耐ヒートショック性などの優れた特性を有する。
本発明の樹脂組成物は、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂、ダイマー酸変性エポキシ樹脂、酸無水物硬化剤、表面を脂肪酸処理した金属水酸化物の一例としての水酸化アルミニウム、および、表面処理していない金属水酸化物の一例としての水酸化アルミニウムを必須成分とする主剤として含有し、必要に応じて充填材、反応希釈剤、可撓性付与剤、難燃剤、カップリング剤、消泡剤、顔料など、一般的な添加剤を配合することができる。また、本発明の樹脂組成物は、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂、ダイマー酸変性エポキシ樹脂、表面を脂肪酸処理した金属水酸化物の一例としての水酸化アルミニウム、及び表面処理していない金属水酸化物の一例として水酸化アルミニウムを必須成分として含有し、必要に応じて充填材、反応性希釈剤、可撓性付与剤、難燃剤、カップリング剤、消泡剤、顔料など、一般的な添加剤を配合することができる。また、本発明の樹脂組成物は、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂、ダイマー酸変性エポキシ樹脂、表面を脂肪酸処理した金属水酸化物の一例としての水酸化アルミニウム、及び表面処理していない金属水酸化物の一例として水酸化アルミニウム、およびテトラゾール骨格を有する有機化合物の一例としてのビステトラゾールピペラジンを必須成分として含有し、必要に応じて充填材、反応性希釈剤、可撓性付与剤、難燃剤、カップリング剤、消泡剤、顔料など、一般的な添加剤を配合することができる。
本発明の樹脂組成物は、例えばフォーカスパックなど、高圧部品の中でも優れた耐ヒートショック性が必要とされる可変抵抗器などの電子部品の絶縁・封止に有用な注型樹脂であり、従来公知の方法により注型、硬化することができる。
図1に、本発明の樹脂組成物を封止剤として用いた可変抵抗器としてのフォーカスパックの一例を示している。このフォーカスパック1は、ケース2内に回路基板3を設けているとともに、出力電圧調整用の操作シャフト4,5が設けられている。回路基板3を封止するために、ケース2の裏面側の開口部から本発明の第1から第3のいずれかに係る注型樹脂組成物を充填してその樹脂による絶縁封止部6が形成されている。
本発明の樹脂組成物は、ハロゲン及び赤リン系難燃剤を使用しないで、高い難燃性を有し、電気絶縁性、耐ヒートショック性、注型作業性、沈降安定性のバランスに優れるという特徴を有するものである。
本発明に用いられるエポキシ樹脂は、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂、及び、ダイマー酸変性エポキシ樹脂であり、優れた電気絶縁性と耐ヒートショック性とを両立するために用いる。代表例として、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂は、EP−828(ジャパンエポキシレジン株式会社製)、AER260(旭化成エポキシ株式会社製)、EP−4100(旭電化工業株式会社製)など、ダイマー酸変性エポキシ樹脂は、EP−871(ジャパンエポキシ株式会社製)、YD−171(東都化成株式会社製)などが挙げられる。
本発明に用いられる硬化剤としては、酸無水物硬化剤が好ましい。例えばメチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、オクテニル無水コハク酸などが挙げられる。これらは単独、もしくは2種類以上併用して使用できる。
本発明に用いられる水酸化アルミニウムは、表面を脂肪酸処理した水酸化アルミニウム及び、表面処理していない水酸化アルミニウムであり、水酸化アルミニウムとしては、一般に市販されている粉末状のものであれば特に制限はない。
表面を脂肪酸処理した水酸化アルミニウムに使用する脂肪酸は、例えば、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、カプリン酸、カプリル酸、リノール酸、オレイン酸、ヤシ油など、一般的な脂肪酸を使用することができ、従来公知の処理方法により処理することができる。
この表面処理は水酸化アルミニウム粒子の表面にそれら脂肪酸が付着した状態となっていることである。
この表面に付着した脂肪酸が液状の樹脂に対する水酸化アルミニウム粒子の親和性を高めるから、分散媒となる液中への水酸化アルミニウムの各粒子の分散性が高いものとなって、各粉体は沈降しにくくなる。
本発明に用いられる表面を脂肪酸処理した水酸化アルミニウムの配合量は、40phr〜300phrである。phrはエポキシ樹脂100に対する添加量(重量部)とする。
また、表面を脂肪酸処理した水酸化アルミニウムと表面処理していない水酸化アルミニウムとを混合した場合の本発明に用いられる水酸化アルミニウムの配合量は、表面を脂肪酸処理した水酸化アルミニウムの配合量が40phr〜150phrであり、かつ、表面を脂肪酸処理した水酸化アルミニウム及び、表面処理していない水酸化アルミニウムの合計配合量が175phr〜300phrである。phrはエポキシ樹脂100に対する添加量(重量部)とする。
表面を脂肪酸処理した水酸化アルミニウムが40phrより少ない場合、粉末成分が沈降しやすくなり(沈降安定性が低下し)、硬い沈降層を形成する。
さらに、表面を脂肪酸処理した水酸化アルミニウム及び、表面処理していない水酸化アルミニウムの合計配合量が175phrより少ない場合は難燃性が低下し、300phrより多い場合は、粘度上昇により注型作業性が低下する。水酸化アルミニウムの合計配合量を200phr〜290phrの範囲とすることが、難燃性と注型作業性のバランスに特に優れるため、より好ましい。さらに、水酸化アルミニウムの合計配合量を220phr〜270phrの範囲とすることが、難燃性と注型作業性のバランスに特に優れるため、より一層好ましい。
また、本願第3の発明におけるビスフェノールA型液状エポキシ樹脂、ダイマー酸変性エポキシ樹脂、表面を脂肪酸処理した金属水酸化物の一例としての水酸化アルミニウム、及び表面処理していない金属水酸化物の一例として水酸化アルミニウム、およびテトラゾール骨格を有する有機化合物を必須成分として含有する樹脂組成物におけるテトラゾール骨格を有する有機化合物は、例えば、ビステトラゾール・ピペラジン、ビステトラゾール・ジアンモニウム、ビステトラゾール・ジグアニジン、5−フェニルテトラゾール、アゾビステトラゾール・グアニジン、アゾビステトラゾール・ジアミノグアニジンなどを使用することができる。
本願第3の発明は、表面を脂肪酸処理した金属水酸化物の配合量が40phr〜150phr、テトラゾール骨格を有する有機化合物が20phr〜100phr、前記表面を脂肪酸処理した金属酸化物、前記表面処理していない金属酸化物、および、テトラゾール骨格を有する有機化合物の合計配合量が195phr〜300phrである。
本発明品は、高い難燃性を有し、電気絶縁性、耐ヒートショック性、注型作業性、沈降安定性のバランスが優れるが、さらに好ましい発明の実施の形態としては、本発明に係る樹脂組成物が硬化したときの硬化物の熱変形温度を35℃〜55℃、すなわち35℃以上で55℃以下の範囲に含まれる温度とすることにより、特に、電気絶縁性と、耐ヒートショック性のバランスが優れたものが得られる。
本発明に係る樹脂組成物は、フォーカスパックなどの可変抵抗器に限定されて用いられるものでなく、高電圧印加が図られる部品であれば、その封止材や絶縁材として採用できる。本発明に係る樹脂組成物は、例えば、高圧パック、高圧トランスなどに用いることができる。
本発明において、金属水酸化物としては、水酸化マグネシウムなどを用いても良い。
以下に、本願第1および第2の発明に係る実施例および比較例を表1,表2に基づいて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。表1には、第1および第2本発明の複数の実施例(実施例1〜13とする)の組成および特性測定の試験結果を示し、表2には、比較例(比較例1〜8とする)の組成および特性測定の試験結果を示す。なお、表1,表2において、主剤と硬化剤との各組成物ごとの数値の単位はphr(エポキシ樹脂全体を100とした場合の添加量(重量部))である。
Figure 0004013894
Figure 0004013894
なお、硬化物は、主剤と硬化剤とを混合後、100℃で3時間熱硬化することにより得た。
また、各特性は、以下に示す測定方法により得た。
(1)難燃性;硬化物を127mm×12.7mm、厚み3.2mmの矩形板形状に加工し、UL94Vの試験方法に従い測定した。UL94Vの判定基準に従い、V−0、V−1、V−2、分類不可の4段階で判定した。V−0が最も難燃性が高く、V−1、V−2、分類不可の順に低下する。
(2)電気絶縁性;硬化物を100mm×100mm、厚み2mmの矩形板形状に加工し、JIS規格K6911の試験方法に従い、100℃での体積抵抗率を測定した。判定は次の基準に従い実施した。
◎;1×1012Ω・cm以上
○;1×1011Ω・cm以上で1×1012Ω・cm未満
×;1×1011Ω・cm未満
(3)耐ヒートショック性;主剤と硬化剤とを混合したあと、60mm×70mm、高さ5mmの蓋なし樹脂ケースに35g注型して熱硬化することにより試料を作製した。その試料を、−40℃/2時間と110℃/2時間との冷熱サイクル中に放置し、注型樹脂硬化物または樹脂ケースにクラックが発生するサイクル数を目視観測した。判定は次の基準に従い実施した。
◎;100サイクルでクラック発生せず
○;51〜100でクラック発生
×;0〜50サイクルでクラック発生
(4)注型作業性;主剤と硬化剤とを混合し、ブルックフィールド社製粘度計RVDV−2+(少量サンプルアダプタSSA14/6R使用)にて、25℃における粘度(混合物粘度)を測定した。判定は次の基準に従い実施した。
◎;15Pa・s未満
○;15Pa・s以上で20Pa・s未満
×;20Pa・s以上
(5)沈降安定性;主剤100gを、容量100mlのガラス容器に入れ、密栓し、60℃にて7日間放置後、室温に戻し、ガラス棒により硬い沈降層の有無を確認した。判定は次の基準に従い実施した。
◎;硬い沈降層なし
×;硬い沈降層あり
(6)熱変形温度;硬化物を13mm×13mm×127mmの形状に加工し、ASTM D648の試験方法に従い、荷重66psiで測定した。
実施例1〜12;ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂としてEP−828(ジャパンエポキシレジン株式会社製)、ダイマー酸変性エポキシ樹脂としてYD−171(東都化成株式会社製)、酸無水物硬化剤としてMT−500(新日本理化株式会社製)と、DSA(三洋化成工業株式会社製)を1:1で混合したものを使用した。表面を脂肪酸処理した水酸化アルミニウムはH−34HL(昭和電工株式会社製、同社製H−34をヤシ油処理したもの、平均粒径4μm)、表面処理していない水酸化アルミニウムはH−31(昭和電工株式会社製、平均粒径20μm)を使用した。実施例6では、表面を脂肪酸処理した水酸化アルミニウムの別例として、H−34(昭和電工株式会社製)をステアリン酸処理したものを使用した。
上記ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂、ダイマー酸変性エポキシ樹脂、表面を脂肪酸処理した水酸化アルミニウム、表面処理していない水酸化アルミニウム、及び、シランカップリング剤SH6040(東レダウコーニングシリコーン株式会社製)1.5phr、消泡剤SH5500(東レダウコーニングシリコーン株式会社製)0.01phr、顔料1.0phrを減圧攪拌することにより主剤を、上記酸無水物硬化剤に硬化促進剤HD−ACC−43(大都産業株式会社製)を攪拌溶解させることにより硬化剤を作製した。
実施例1〜13より、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂、ダイマー酸変性エポキシ樹脂、酸無水物硬化剤、表面を脂肪酸処理した水酸化アルミニウム、表面処理していない水酸化アルミニウムを必須成分とし、表面を脂肪酸処理した水酸化アルミニウムの配合量が40phr〜150phr、表面を脂肪酸処理した水酸化アルミニウム及び、表面処理していない水酸化アルミニウムの合計配合量が175phr〜300phrである樹脂組成物において、難燃性、電気絶縁性、耐ヒートショック性、注型作業性、沈降安定性のバランスに優れることがわかる。
また、熱変形温度が低下すると電気絶縁性が低下し、熱変形温度が上昇すると耐ヒートショック性が低下する傾向があるため、熱変形温度は35℃〜55℃の範囲が特に好ましいことがわかる。
比較例1および2;エポキシ樹脂として、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂のみ、またはダイマー酸変性エポキシ樹脂のみを使用した場合、電気絶縁性と耐ヒートショック性のバランスがくずれる。すなわち、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂のみ使用した場合、耐ヒートショック性が低下し、ダイマー酸変性エポキシ樹脂のみを使用した場合、電気絶縁性が低下する。
比較例3;表面を脂肪酸処理した水酸化アルミニウムを配合しない場合、沈降安定性が著しく低下する。
比較例4および5;表面を脂肪酸処理することにかえて水酸化アルミニウムの表面処理を、エポキシシラン処理、アクリルシラン処理に変更した場合、沈降安定性が著しく低下する。
比較例6および7;表面を脂肪酸処理した水酸化アルミニウム及び、表面処理していない水酸化アルミニウムの合計配合量が175phr未満の場合、難燃性が低下し、UL94V−0が得られない。また、300phrを超えると、混合物粘度が上昇し、注型作業性が低下する。
比較例8;表面を脂肪酸処理した水酸化アルミニウムが30phrで、実施例11と同様水酸化アルミニウムの合計量が232phrの場合、沈降安定性が著しく低下する。
以下に、本願第3の発明に係る実施例および比較例を表3,表4に基づいて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。表3には、第3発明の複数の実施例(実施例21〜29とする)の組成および特性測定の試験結果を示し、表4には、比較例(比較例21〜25する)の組成および特性測定の試験結果を示す。なお、表1,表2において、主剤と硬化剤との各組成物ごとの数値の単位はphr(エポキシ樹脂全体を100とした場合の添加量(重量部))である。
Figure 0004013894
Figure 0004013894
この実施例2の欄において示す樹脂の硬化物は、主剤と硬化剤を混合後に真空脱泡し、100℃で3時間熱硬化することにより得た。また、各特性は、以下に示す測定方法により得た。
(1)難燃性(分類);硬化物を127mm×12.7、厚み3.2mmの矩形板形状に加工し、UL94Vの試験方法に従い測定した。UL94Vの判定基準に従い、V−0、V−1、V−2、分類不可の4段階で判定した。V−0が最も難燃性が高く、V−1、V−2、分類不可の順に低下する。
難燃性(燃焼時間);硬化物を127mm×12.7mm、厚み1.6の矩形板形状に加工し、UL94Vの燃焼試験方法と同一の接炎条件で20秒間の接炎を行ったときの、有炎燃焼時間(試料に炎がついている時間)を測定した。判定は次の基準に従い実施した。
◎;5秒未満
×;5秒以上
(2)電気絶縁性;硬化物を100mm×100mm、厚み2mmの板形状に加工し、JIS規格K6911の試験方法に従い、100℃での体積抵抗率を測定した。判定は次の基準に従い実施した。
◎;1×1012Ω・cm以上
○;1×1011Ω・cm以上で1×1012Ω・cm未満
×;1×1011Ω・cm未満
(3)耐ヒートショック性;主剤と硬化剤とを混合したあと、60mm×70mm、高さ5mmの蓋なし樹脂ケースに35g注型して熱硬化することにより試料を作製した。その試料を、−40℃/2時間と110℃/2時間との冷熱サイクル中に放置し、注型樹脂硬化物または樹脂ケースにクラックが発生するサイクル数を目視観測した。判定は次の基準に従い実施した。
◎;100サイクルでクラック発生せず
○;51〜100でクラック発生
×;0〜50サイクルでクラック発生
(4)注型作業性;主剤と硬化剤とを混合し、ブルックフィールド社製粘度計RVDV−2+(少量サンプルアダプタSSA14/6R使用)にて、25℃における粘度(混合物粘度)を測定した。判定は次の基準に従い実施した。
◎;15Pa・s未満
○;15Pa・s以上で20Pa・s未満
×;20Pa・s以上
(5)沈降安定性;主剤100gを、容量100mlのガラス容器に入れ、密栓し、60℃にて7日間放置後、室温に戻し、ガラス棒により硬い沈降層の有無を確認した。判定は次の基準に従い実施した。
◎;硬い沈降層なし
×;硬い沈降層あり
(6)熱変形温度;硬化物を13mm×13mm×127mmの形状に加工し、ASTM D648の試験方法に従い、荷重66psiで測定した。
実施例21〜29;エポキシ樹脂(A)としてビスフェノールA型液状エポキシ樹脂EP−828(ジャパンエポキシレジン製)およびダイマー酸変性エポキシ樹脂YD−171(東都化成製)、水酸化アルミニウム(B)としてH−34HL(昭和電工製)およびH−31(昭和電工製)、テトラゾール骨格を有する有機化合物(C)としてビステトラゾールピペラジン(セルテトラBHT−PIPE、永和化成工業製)、酸無水物(D)としてMT−500(新日本理化製)およびDSA(三洋化成工業株式会社製)、硬化促進剤(E)としてHD−ACC−43(大都産業製)を使用した。
上記(A)、(B)、(C)、及び、シランカップリング剤SH6040(東レダウコーニング製)、消泡剤SH5500(東レダウコーニング製)、顔料を減圧攪拌することにより主剤を、上記(D)、(E)を攪拌溶解させることにより硬化剤を作製した。
実施例21〜27より、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂、ダイマー酸変性エポキシ樹脂、表面を脂肪酸処理した金属水酸化物、表面処理していない金属酸化物、およびテトラゾール骨格を有する有機化合物を必須成分とし、表面を脂肪酸処理した金属水酸化物の配合量が40phr〜150phr、テトラゾール骨格を有する有機化合物が20phr〜100phr、前記表面を脂肪酸処理した金属酸化物、前記表面処理していない金属酸化物、および、テトラゾール骨格を有する有機化合物の合計配合量が195phr〜300phrである樹脂組成物は、燃焼時間が5秒未満であり、難燃性に優れることがわかる。
比較例21;表面を脂肪酸処理した金属水酸化物が40phr未満であるため、沈降安定性が低下する。
比較例22;テトラゾール骨格を有する有機化合物を含まないため、燃焼時間が5秒以上となり、難燃性が低下する。
比較例23;テトラゾール骨格を有する有機化合物が20phr未満であるため、燃焼時間が5秒以上となり、難燃性が低下する。
比較例24;テトラゾール骨格を有する有機化合物が100phrを越えるため、混合物粘度が上昇し、注型作業性が低下する。
比較例25;表面を脂肪酸処理した金属水酸化物、表面処理していない金属酸化物、及びテトラゾール骨格を有する有機化合物の合計配合量が195phr未満であるため、難燃性の分類がV−1となる。
比較例26;表面を脂肪酸処理した金属水酸化物、表面処理していない金属酸化物、及びテトラゾール骨格を有する有機化合物の合計配合量が300phrを超えるため、混合物粘度が上昇し、注型作業性が低下する。
以下に、可変抵抗器の一例としてのフォーカスパックについて、図1に基づいて説明する。
図1に示されるフォーカスパック1は、一面開口状の絶縁ケース2を備えている。絶縁ケース2の内周面に形成された段部7に、アルミナなどからなる絶縁性基板3が、その表面をケースの内底部に向けて接着固定されている。基板3の裏面側には本発明の第1から第3のいずれかの樹脂組成物からなるエポキシ系の樹脂6がモールドされ、基板3と外部との間が確実に絶縁されている。ケースの前面部には複数の軸受孔8,9が設けられ、これら軸受孔8,9にそれぞれ回転軸4,5が回転可能に軸受けされている。
基板3の表面には、図示しないが、フォーカス電圧の出力端子電極、スクリーン電圧の出力端子電極、フォーカス電圧調整用の可変抵抗部とスクリーン電圧調整用の可変抵抗部とを有する抵抗体、この抵抗体に導通した入力端子電極およびアース端子電極等が配置されている。各回転軸4,5と一体回転するとともに二つの接触子を備える各摺動子10,11の一方の接触子は出力端子電極と導通する中心電極(図示せず)に接触し、他方の接触子が円弧状の可変抵抗部上を摺動するように配置されている。上記入力端子電極およびアース端子電極はそれぞれ高電圧入力端子およびアース端子(いずれも図示せず)と接続されている。
回転軸4,5は、絶縁性樹脂で一体成形されたものであり、軸受孔8,9にそれぞれ回転自在に挿通された軸部12,13を備えている。軸部12,13には、軸部12,13の先端面にドライバーなどの工具が係合する十字状の係合穴14,15が形成されている。
基板3の裏面側を封止している本発明に係る樹脂組成物からなる樹脂6は、封止用樹脂としての特性に優れ、さらに難燃性が高いため、高温状態となるフォーカスパック1に用いられる樹脂として適している。
本発明に係る高圧部品注型用樹脂を充填した高圧部品の一例としてのフォーカスパックを示す断面図
符号の説明
6 樹脂による絶縁封止部

Claims (6)

  1. ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂、ダイマー酸変性エポキシ樹脂、表面を脂肪酸処理した金属水酸化物、表面処理していない金属水酸化物、および、テトラゾール骨格を有する有機化合物を必須成分とし、前記表面を脂肪酸処理した金属水酸化物の配合量が40phr〜150phr、テトラゾール骨格を有する有機化合物が20phr〜100phr、前記表面を脂肪酸処理した金属酸化物、前記表面処理していない金属酸化物、および、テトラゾール骨格を有する有機化合物の合計配合量が195phr〜300phrである、ことを特徴とする樹脂組成物。
  2. 請求項に記載の樹脂組成物において、
    前記金属水酸化物は水酸化アルミニウムである、ことを特徴とする樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の樹脂組成物において、
    エポキシ樹脂中の前記ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂の比率が50wt%〜70wt%であり、エポキシ樹脂中の前記ダイマー酸変性エポキシ樹脂の比率は、30wt%〜50wt%である、ことを特徴とする樹脂組成物。
  4. 請求項1ないしのいずれかに記載の樹脂組成物において、
    硬化剤として酸無水物を含むことを特徴とする樹脂組成物。
  5. 請求項1ないしのいずれかに記載の樹脂組成物において、
    硬化物の熱変形温度が35℃〜55℃である、ことを特徴とする樹脂組成物。
  6. 絶縁ケースと、表面に抵抗体が形成され、前記絶縁ケース内に、その表面がケースの内底部と対向するように収納された回路基板と、前記絶縁ケースの側面に取り囲まれた前記回路基板の裏面側に請求項1ないしのいずれかに記載の樹脂組成物が充填されてなる可変抵抗器。
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