JP2004221296A - 基板保持装置及び露光装置、並びにデバイス製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ウエハWは、ホルダ本体70に載置され、吸着機構(38A〜38D,40,46A,V1)により、ホルダ本体に対して吸着される。この吸着の際に、吸着機構は、ホルダ本体にウエハが吸着されない非吸着部分近傍の特定部分領域の吸着を、その他の部分の吸着に先立って行う。これにより、ウエハの反り等が存在しても、ウエハの被吸着領域の全体を同時に吸着する場合と異なり、ウエハの被吸着領域の面積と保持装置本体の吸着領域の面積との差によって生じるウエハの皺が非吸着部分へ集中するという現象の発生を回避することが可能となる。この結果、面積差に応じた基板の余分な面積部分は被吸着領域の全域に分散された状態となる。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板保持装置及び露光装置、並びにデバイス製造方法に係り、更に詳しくは、基板を支持するのに好適な基板保持装置及び該基板保持装置を備える露光装置、並びに該露光装置を用いるデバイス製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子、液晶表示素子等を製造するためのリソグラフィ工程では、マスク又はレチクル(以下「レチクル」と総称する)に形成されたパターンを投影光学系を介してレジスト等が塗布されたウエハ又はガラスプレート等の基板(以下「ウエハ」と総称する)上に転写する投影露光装置、例えばステップ・アンド・リピート方式の縮小投影型露光装置(いわゆるステッパ)や、このステッパに改良を加えたステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ)等の逐次移動型の投影露光装置が比較的多く用いられている。
【0003】
投影露光装置では、2次元面内を移動可能なウエハステージが設けられており、ウエハステージ上に固定されたウエハホルダにより、ウエハが真空吸着或いは静電吸着等により保持されている。ウエハホルダとしては、種々のタイプが存在するが、近年ではピンチャック式のウエハホルダが比較的多く用いられるようになってきた(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
一方、半導体素子の高集積化に伴い投影露光装置にもますますの解像力の向上が要請され、このために、露光波長の短波長化とともに投影光学系の開口数(N.A.)の更なる増大(いわゆる大N.A.化)の実現に向けて各所で鋭意努力がなされている。
【0005】
最新鋭の投影露光装置としては、露光光源としてArFエキシマレーザを用いたスキャニング・ステッパ(スキャナとも呼ばれる)が実用に供されており、かかる投影露光装置の露光波長は193nmである。しかし、将来的に露光波長は更に短波長化することは確実であり、波長157nmのF2レーザが次世代の投影露光装置の光源の有力な候補であると言われている。
【0006】
【特許文献1】
特開平1−129438公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
露光波長の短波長化及び大N.A.化は、投影光学系の焦点深度の狭小化を招く。このため、仮に露光波長の短波長化及び大N.A.化を所望の程度にまで実現した場合、焦点深度が浅く成りすぎて、ウエハ表面の凹凸のためにデフォーカスに起因するパターンの転写精度の劣化を招く可能性が極めて高い。すなわち、F2レーザ或いはそれより短波長の光源を用いて高精度な露光を実現する次世代の露光装置の実現のためには、露光時におけるウエハ表面の凹凸を所望の範囲内に抑制できる新技術の出現が必要不可欠である。
【0008】
しかしながら、現状のウエハホルダでは、バキューム等によりウエハをほぼ全面にて吸着する場合、一部に非吸着部分が存在すると、この影響によってウエハ表面の平坦度が悪化することが確認されている。また、ウエハホルダに、ウエハを搬入するアームとの機械的な干渉を避けるために、その上面に切り欠きが形成されている場合や、ウエハを下側から支持する上下動機構が配置されている場合には、ウエハをそのほぼ全面で吸着しようとしても吸着することができない非吸着部分が存在することとなり、プロセス等に起因して既に生じているウエハの反りなどによる影響が前記非吸着部分に集中することとなる。
【0009】
具体的には、図10(A)に示されるように、反りが生じたウエハWをウエハホルダ25によって全面吸着する場合、ウエハWが吸着される面積S1とウエハWを吸着するウエハホルダ上面の面積S2とを比較すると、ウエハWが反っている分だけ、面積S1の方が面積S2より大きいことがわかる。このため、ウエハWがそのまま吸着されると、面積差(S1−S2)に応じた皺がウエハW表面に現れる。特に、図10(B)に示されるように、ウエハホルダ25に非吸着部分NVAが存在する場合には、その皺crは必然的に非吸着部分NVAに集中こととなり、当該皺の集中した部分が露光されても、デフォーカス等により高精度な露光を行うことができず、最終製品であるデバイスの生産性を低下させることとなる。
【0010】
本発明はかかる事情の下になされたもので、その第1の目的は、基板をその平坦度をほぼ全面に渡ってほぼ同程度に良好に維持した状態で保持することが可能な基板保持装置を提供することにある。
【0011】
また、本発明の第2の目的は、被露光物体の全面に渡る露光精度の向上を図ることが可能な露光装置を提供することにある。
【0012】
さらに、本発明の第3の目的は、最終製品であるデバイスの歩留まりを向上させることができるデバイス製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、基板(W)を吸着保持する基板保持装置であって、基板が載置される保持装置本体(70)と;前記保持装置本体に対して前記基板を吸着するとともに、その吸着の際に前記保持装置本体に前記基板が吸着されない非吸着部分近傍の特定部分領域の吸着を、その他の部分の吸着に先立って行う吸着機構(38A〜38D、40、46A、V1)と;を備える基板保持装置である。
【0014】
これによれば、基板は、保持装置本体に載置され、吸着機構により、保持装置本体に対して吸着される。この吸着の際に、吸着機構は、保持装置本体に基板が吸着されない非吸着部分近傍の特定部分領域の吸着を、その他の部分の吸着に先立って行う。これにより、基板の反り等が存在しても、基板の被吸着領域の全体を同時に吸着する場合と異なり、基板の被吸着領域の面積と保持装置本体の吸着領域の面積との差によって生じる基板の皺が非吸着部分へ集中するという現象の発生を回避することが可能となる。この結果、面積差に応じた基板の余分な面積部分は被吸着領域の全域に分散された状態となる。従って、基板をその平坦度をほぼ全面に渡ってほぼ同程度に良好に維持した状態で保持することが可能となる。
【0015】
この場合において、請求項2に記載の基板保持装置の如く、前記基板をその上端部にて下方から支持可能な支持部材(34a〜34c)を有し、前記保持装置本体と前記支持部材とを相対的に駆動して前記支持部材の上端部を前記保持装置本体の上面の外部に出没させる駆動機構(24)を更に備える場合、前記特定部分領域は、前記支持部材の近傍の領域を含むこととすることができる。
【0016】
上記請求項1及び2に記載の各基板保持装置において、請求項3に記載の基板保持装置の如く、前記保持装置本体の上面には、前記基板の外形とほぼ同一の形状を有し、前記基板の外縁部近傍を支持する環状の第1支持部(28)と、該環状の第1支持部により囲まれた領域内に配置され、前記第1支持部の先端部とほぼ同一面上にその先端部が位置する複数の突起状の第2支持部(32)とが設けられ、前記吸着機構は、前記基板が前記保持装置本体に支持された状態で、前記基板と前記保持装置本体とによって形成される前記第1支持部の内側の空間内を真空状態にする真空吸着機構であることとすることができる。
【0017】
この場合において、請求項4に記載の基板保持装置の如く、前記第1支持部は、その少なくとも一部に、前記第1支持部より囲まれる領域を狭める方向に凹状変形した部分(73a〜73c)を有し、前記特定部分領域は、前記凹状変形した部分近傍の領域であることとすることができる。
【0018】
この場合において、請求項5に記載の基板保持装置の如く、前記第1支持部の前記凹状変形した部分は、前記基板を搬送するアームの前記基板を下面にて支持する爪部と前記第1支持部との機械的な干渉を避けるために形成されていることとすることができる。
【0019】
上記請求項3〜5に記載の各基板保持装置において、請求項6に記載の基板保持装置の如く、前記吸着機構は、前記基板と前記保持装置本体によって形成される前記第1支持部の内側の空間内の気体を吸引する複数の吸引口(36)を有し、前記複数の吸引口のうちの前記特定部分領域内に配置される特定吸引口からの吸引を、その他の吸引口からの吸引に先立って行うこととすることができる。
【0020】
この場合において、請求項7に記載の基板保持装置の如く、前記吸着機構は、前記特定吸引口からの吸引動作開始時と、その他の吸引口からの吸引動作開始時との間に時間差を設ける絞り機構を有することとすることができる。
【0021】
また、請求項8に記載の基板保持装置の如く、前記吸着機構は、前記特定吸引口に至るまでの気体の流路の流動抵抗が、その他の吸引口に至るまでの気体の流路の流動抵抗よりも小さく設定されていることとすることができる。
【0022】
ここで、「流動抵抗」とは、気体の流動を妨げる流路中のあらゆる要因、例えば、流路の表面のあらさ、急激な曲がり、縮小、拡大等を含む。
【0023】
上記請求項1及び2に記載の各基板保持装置において、請求項9に記載の基板保持装置の如く、前記吸着機構は、前記基板を静電気力により吸着する静電吸着機構であることとすることができる。
【0024】
請求項10に記載の発明は、基板(W)を支持する保持装置本体(70)と、該保持装置本体の上面に対し、前記基板を吸着保持する吸着機構(38A〜38D,40,46A,V1)とを備える基板保持装置において、前記基板を前記保持装置本体の上面に受け渡す基板搬送機構(138)の、前記基板の下面を複数箇所にて支持する支持部(136)に対応して、前記保持装置本体の周縁部には、前記支持部との機械的な干渉を回避する干渉回避部(73a〜73c)が複数形成されるとともに、前記干渉回避部とは別の、前記基板を吸着しない非吸着領域(741〜74n)が複数形成されていることを特徴とする基板保持装置である。
【0025】
これによれば、保持装置本体の周縁部には、基板を保持装置本体の上面に受け渡す基板搬送機構の、基板の下面を複数箇所にて支持する支持部に対応して、該支持部と機械的な干渉を回避する干渉回避部が形成されており、更に、保持装置本体の周縁部には、干渉回避部とは別の、基板を吸着しない非吸着領域が複数形成されている。従って、干渉回避部は基板を吸着することができない非吸着部分となるが、この非吸着部分に集中することが予想される基板の反りなどに起因する皺が、保持装置本体の周縁部に形成された干渉回避部(すなわち非吸着領域)に分散されるので、非吸着部分又は非吸着領域での局所的な皺の集中発生を効果的に抑制することができる。これにより、基板をその平坦度(フラットネス)をほぼ全面に渡ってほぼ同程度に良好に維持した状態で保持することが可能となる。
【0026】
請求項11に記載の発明は、エネルギビーム(IL)により感光物体(W)を露光して前記感光物体上に所定のパターンを形成する露光装置であって、前記基板として前記感光物体を保持する請求項1〜10のいずれか一項に記載の基板保持装置と;該基板保持装置が搭載された可動体(WST)と;を備える露光装置である。
【0027】
これによれば、請求項1〜10のいずれか一項に記載の基板保持装置により、感光物体は、局所的な平坦度(フラットネス)の悪化が抑制され、平坦度が全体的に同程度に良好に維持された状態で保持されていることから、被露光物体としての感光物体の局所的なフラットネスの悪化に起因する感光物体上での部分的なパターンの形成精度の劣化を抑制することができ、被露光物体の全面に渡る露光精度の向上を図ることが可能となる。
【0028】
この場合において、請求項12に記載の露光装置の如く、前記パターンの原版パターンがマスクに形成されている場合、前記エネルギビームにより照射された前記マスク上のパターンを、前記感光物体上に投影する投影光学系と;前記パターンが投影される前記エネルギビームの照射領域内における少なくとも1点で前記感光物体表面の前記投影光学系の光軸方向に関する位置情報を検出する検出系と;前記検出系の検出結果に基づいて前記照射領域内の前記感光物体表面を前記投影光学系の像面に合致させる面位置調整装置と;を更に備えることとすることができる。かかる場合には、検出系によりパターンが投影される前記エネルギビームの照射領域内における少なくとも1点で感光物体表面の投影光学系の光軸方向に関する位置情報が検出され、その検出系の検出結果に基づいて面位置調整装置により前記照射領域内の感光物体表面が投影光学系の像面に合致させられる。これにより、デフォーカスに起因するパターン像の転写精度劣化が抑制された、高精度な露光が可能となる。
【0029】
請求項13に記載の発明は、リソグラフィ工程を含むデバイス製造方法であって、前記リソグラフィ工程では、請求項11又は12に記載の露光装置を用いて露光を行うことを特徴とするデバイス製造方法である。
【0030】
これによれば、リソグラフィ工程では、請求項11又は12に記載の露光装置を用いて露光が行われるので、良品率(歩留まり)が向上し、高精度なデバイスの生産性を向上することが可能となる。
【0031】
【発明の実施の形態】
《第1の実施形態》
以下、本発明の第1の実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。
【0032】
図1には、第1の実施形態に係る露光装置100の概略構成が示されている。この露光装置100は、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ)である。この露光装置100は、照明系10、マスクとしてのレチクルRを保持するレチクルステージRST、投影光学系PL、基板(及び感光物体)としてのウエハWが搭載されるステージ装置50、及びこれらの制御系等を備えている。
【0033】
前記照明系10は、光源、及び照明光学系を含み、その内部に配置された視野絞り(マスキングブレード又はレチクルブラインドとも呼ばれる)で規定される矩形又は円弧状の照明領域にエネルギビームとしての照明光ILを照射し、回路パターンが形成されたレチクルRを均一な照度で照明する。照明系10と同様の照明系は、例えば特開平6−349701号公報などに開示されている。ここで、照明光ILとしては、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)などの遠紫外光、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、あるいはF2レーザ光(波長157nm)などの真空紫外光などが用いられる。照明光ILとして、超高圧水銀ランプからの紫外域の輝線(g線、i線等)を用いることも可能である。
【0034】
前記レチクルステージRST上には、レチクルRが、例えば真空吸着又は静電吸着などにより固定されている。レチクルステージRSTは、例えばリニアモータ及びボイスコイルモータ等を含む不図示のレチクルステージ駆動部によって、照明系10の光軸(後述する投影光学系PLの光軸AXに一致)に垂直なXY平面内で微少駆動可能(Z軸回りの回転(θz回転)を含む)であるとともに、所定の走査方向(ここではY軸方向とする)に指定された走査速度で駆動可能となっている。
【0035】
レチクルステージRSTのXY面内の位置(θz回転を含む)は、その一部に形成され、あるいは設けられた反射面にレーザビームを照射するレチクルレーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」という)16によって、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出される。
【0036】
レチクル干渉計16からのレチクルステージRSTの位置情報は主制御装置20に供給される。主制御装置20は、レチクルステージRSTの位置情報に基づいて不図示のレチクルステージ駆動部を介してレチクルステージRSTを駆動制御する。
【0037】
前記投影光学系PLは、レチクルステージRSTの図1における下方に配置され、その光軸AXの方向がZ軸方向とされている。投影光学系PLとしては、例えば両側テレセントリックで所定の縮小倍率(例えば1/5又は1/4)を有する屈折光学系が使用されている。このため、照明系10からの照明光ILによってレチクルRが照明されると、このレチクルRを通過した照明光ILにより、投影光学系PLを介してその照明領域内のレチクルRの回路パターンの縮小像(部分倒立像)が表面にレジスト(感光剤)が塗布されたウエハW上の前記照明領域に共役な照明光ILの照射領域(露光領域)に形成される。
【0038】
前記ステージ装置50は、可動体としてのウエハステージWST、該ウエハステージWSTを駆動するウエハ駆動部24等を備えている。前記ウエハステージWSTは、投影光学系PLの図1における下方で不図示のベースの上方に配置され、リニアモータ等を含むウエハ駆動部24によって、XY面内(θz回転を含む)で自在に駆動される。また、ウエハステージWSTは、ウエハ駆動部24を構成するアクチュエータによって、Z軸方向、及びXY面に対する傾斜方向(X軸回りの回転方向(θx方向)及びY軸回りの回転方向(θy方向))へ微小駆動される。なお、ウエハ駆動部24はZ軸方向及びXY平面に対する傾斜方向に加えて、ウエハステージWSTをXY面内で微小駆動するアクチュエータを備えていても良い。
【0039】
ウエハステージWSTのXY平面内での位置、及び回転(ヨーイング(Z軸回りの回転であるθz回転)、ピッチング(X軸回りの回転であるθx回転)、ローリング(Y軸回りの回転であるθy回転))は、その一部に形成された、あるいは設けられた反射面を介して、ウエハレーザ干渉計システム18によって、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出されている。このウエハレーザ干渉計システムは、X軸方向、Y軸方向の測長軸をそれぞれ複数有する複数の多軸干渉計を含んで構成することができ、そのうちの1つは45°傾いてウエハステージWSTに設置される反射面を介して、投影光学系PLが載置される架台(不図示)に設置される反射面にレーザビームを照射し、投影光学系PLの光軸方向(Z軸方向)に関する相対位置情報を検出するようにしても良い。
【0040】
ウエハステージWSTの位置情報(又は速度情報)は主制御装置20に供給される。主制御装置20は、ウエハステージWSTの上記位置情報(又は速度情報)に基づき、ウエハ駆動部24を介してウエハステージWSTを制御する。
【0041】
前記ウエハステージWST上に保持装置本体としてのホルダ本体70が設けられ、該ホルダ本体70上にウエハWが吸着保持されている。
【0042】
前記ホルダ本体70は、低熱膨張率の材料、例えばセラミックス(一例としてはショット社のゼロデュア(商品名)、Al2O3又はTiC)等によって構成されている。このホルダ本体70は、図2の平面図に示されるように、その外観が所定肉厚の円形板状の本体部26、該本体部26の上面(図2における紙面手前側の面)の外周部近傍の所定幅の環状領域を除く中央部の所定面積の領域に所定の間隔で設けられた複数の突起状の第2支持部としてのピン部32,32,……、これら複数のピン部32が配置された前記領域を取り囲む状態で外周縁近傍に設けられた第1支持部としての環状の凸部(以下、「リム部」と称する)28等を備えている。
【0043】
前記リム部28は、例えばその外径がウエハWの外径よりも僅かに小さく、例えば1〜2mm程度小さく設定され、その上面は、ウエハWが載置された際に、ウエハWの裏面との間に隙間が生じないよう、水平且つ平坦に加工されている。リム部28の本体部26上面からの高さ寸法は、0.01〜0.3mm程度とされている。
【0044】
前記ピン部32は、それぞれの先端部分がリム部28とほぼ同一面上に位置するようにされた突起状の形状を有している。これらピン部32は、Y軸方向に対して±30°を成す2軸方向に沿って一定間隔L(Lは例えば3mm)で配置されている。すなわち、ピン部32は、近接する3本が、正三角形の頂点にそれぞれ位置する配置となっている。この場合のピン部の配置間隔Lは真空吸着した際のウエハWの変形量が許容範囲に収まるように設定されている。
【0045】
前記本体部26の中央部近傍には、ほぼ正三角形の各頂点の位置に上下方向(紙面直交方向)の3つの貫通孔が形成され、これらの貫通孔に対応して、本体部26上面には、ピン部32及びリム部28とほぼ同一の高さを有する筒状部分82a〜82cが形成されている。これら筒状部分82a〜82c(及び貫通孔)には、円柱形状を有する支持部材としての上下動ピン(センタアップ)34a,34b,34cがそれぞれ挿入され、これら3つのセンタアップ34a〜34cは、ウエハ駆動部24を構成する上下動機構(駆動機構)を介して、上下方向(Z軸方向)に同時に同一量だけ、昇降自在となっている。このように、ウエハ駆動部24は、前述の如く、ウエハステージWSTを駆動するリニアモータその他のアクチュエータの他、センタアップ34a〜34cの上下動機構なども含まれるが、図1では、作図の便宜上から単一のブロックとして示されているものである。従って、以下では、ウエハ駆動部24によって、ウエハステージWSTのみならず、センタアップ34a〜34cも駆動されるものとする。
【0046】
例えば、後述するウエハロード、ウエハアンロード時には、センタアップ34a〜34cがウエハ駆動部(上下動機構)24により駆動されることで、3本のセンタアップ34a〜34cによってウエハWを下方から支持したり、ウエハWを支持した状態で上下動させたりすることができるようになっている。
【0047】
このようにして構成される本体部26では、その製造段階において、ピン部32、筒状部分82a〜82c、及びリム部28を一体成形した後に、最終的にウエハWとの接触面となる、複数のピン部28の上端面、筒状部分82a〜82cの上面、及びリム部28の上面とに、研磨装置、砥粒等を用いて、研磨加工が施されている。この結果、それらの複数のピン部28の上端面、筒状部分82a〜82cの上面、及びリム部28の上面とは、ほぼ同一平面上に位置している。
【0048】
また、本体部26の上面には、図2に示されるように、複数の給排気口36が形成されている。具体的には、ピン部32及びリム部28を省略して本体部26を斜視図にて示す図3(A)から分かるように、給排気口36は、本体部26上面の中心部近傍から放射方向(ほぼ120°の中心角の間隔を有する3本の半径の方向)に沿って形成されているとともに、本体部26中央部近傍の所定半径の円周上に所定間隔で形成されている。これらの給排気口36は、ピン部32と機械的に干渉しない位置に形成されている。
【0049】
これらの給排気口36は、図2に示されるように、本体部26内部に形成された直線状の給排気路38A,38B,38C及び環状の給排気路38D等を介して給排気本管40dに連通状態とされている。
【0050】
前記直線状の給排気路38A〜38Cは、図3(B)に示されるように、本体部26の外周側面から本体部26の中心部近傍にかけて形成された給排気管路71に、本体部26の中心部近傍において連通状態となるように形成されている。また、前記環状の給排気路38Dは、前記直線状の給排気路38A〜38Cそれぞれを、本体部26の中心から所定距離隔てた位置で連結する状態で形成されている。これら給排気路38A〜38Dそれぞれには、+Z方向に分岐した状態で分岐路72が複数形成されている。この場合、各分岐路72の上端の開口端が、上述した給排気口36となっている。
【0051】
給排気口36が上記のような配置となっていることから、本実施形態においては、図2に示されるように、センタアップ34a〜34c及び筒状部分82a〜82cの周囲に給排気口36が比較的多く配置されるようになっている。
【0052】
図2に戻り、ホルダ本体70には、ホルダ本体70上に載置され、複数のピン部32、筒状部分82a〜82c、及びリム部28によって下方から支持されたウエハWを、複数のピン部32それぞれの上端面及びリム部28の上面に対して吸着保持する吸着機構としての真空吸着機構を含む給排気機構80が接続されている。
【0053】
前記給排気機構80は、第1真空ポンプ46A、真空室46Ba及び第2真空ポンプ46Bb、並びに給気装置46Cと、これらの第1真空ポンプ46A、真空室46Ba及び第2真空ポンプ46Bb、並びに給気装置46Cを前記給排気管路71に接続する給排気管40とを備えている。
【0054】
前記給排気管40は、給排気本管40dと、給排気本管40dの一端から3つに分枝した第1排気枝管40e、第2排気枝管40f、給気枝管40gとから構成されている。
【0055】
前記第1排気枝管40eの給排気本管40dとは反対側の端部には、電磁弁(電磁バルブ)V1を介して第1真空ポンプ46Aが接続されており、前記第2排気枝管40fの給排気本管40dとは反対側の端部には電磁弁V2を介して真空室46Baの一側が接続されている。この真空室46Baの他側には、第2真空ポンプ46Bbが接続されている。また、前記給気枝管40gの給排気本管40dとは反対側の端部には、電磁弁V3を介して給気装置46Cが接続されている。
【0056】
また、図示は省略されているが、給排気本管40dの一部には、給排気管40内部の気圧を計測するための気圧計が接続されている。この気圧計による計測値は図1の主制御装置20に供給され、主制御装置20は、気圧計による計測値とウエハのロード、アンロードの制御情報とに基づいて、各電磁弁V1〜V3の開閉と、真空ポンプ46A,46Bb及び給気装置46Cの動作とを制御するようになっている。なお、これらの動作については、後に更に詳述する。
【0057】
本実施形態の露光装置100では、図1に示されるように、主制御装置20によってオンオフが制御される光源を有し、投影光学系PLの結像面に向けて多数のピンホール又はスリットの像を形成するための結像光束を、光軸AXに対して斜め方向より照射する照射系60aと、それらの結像光束のウエハW表面での反射光束を受光する受光系60bとから成る検出系としての斜入射方式の多点焦点位置検出系から成る焦点位置検出系が設けられている。なお、本実施形態の焦点位置検出系(60a、60b)と同様の多点焦点位置検出系の詳細な構成は、例えば特開平6−283403号公報等に開示されている。なお、焦点位置検出系の検出点(結像光束の照射点)は、前述した露光領域の内部のみであっても良いし、露光領域の内部及びその走査方向の両側にあっても良い。また、結像光束は、ピンホール像、スリット像に限らず、ある程度面積を持った所定形状(例えば平行四辺形など)の像を形成しても良い。
【0058】
主制御装置20は、走査露光時等に、受光系60bからの焦点ずれ信号(デフォーカス信号)、例えばSカーブ信号に基づいて焦点ずれが零となるように、ウエハ駆動部24を介してウエハステージWST(ホルダ本体70)のZ軸方向への移動、及び2次元方向の傾斜(すなわち、θx,θy方向の回転)を制御することにより、各ショット領域の走査露光中に、照明光ILの照射領域(照明領域と結像関係になる露光領域)内で投影光学系PLの結像面とウエハW(ショット領域)の表面とを極力合致させる(換言すれば、露光領域内でショット領域の表面を投影光学系PLの焦点深度内に設定する)オートフォーカス(自動焦点合わせ)及びオートレベリングを実行する。このように本実施形態では、ウエハ駆動部24及びこれを制御する主制御装置20によって、面位置調整装置が構成されている。
【0059】
次に、本実施形態の露光装置におけるホルダ本体70に対するウエハWのロード時及びアンロード時における動作について説明する。
【0060】
ウエハWのロードに際しては、図2の電磁弁V1〜V3は全て閉じられており、給排気機構80による給気動作及び排気動作はオフされている。
【0061】
不図示のウエハローダにより、ウエハWがホルダ本体70上方に搬送されると、主制御装置20がウエハ駆動部24(上下動機構)を介してセンタアップ34a〜34cを上昇する。ここでセンタアップ34a〜34cの上昇量が筒状部分82a〜82cの上面を超えて所定量に達すると、ウエハローダ上のウエハWがセンタアップ34a〜34cに受け渡され、ウエハローダがホルダ本体70上方から待避する。その後、主制御装置20がセンタアップ34a〜34cを下降することにより、ホルダ本体70上にウエハWが載置される。
【0062】
上記のようにしてホルダ本体70上にウエハWが載置されると、主制御装置20は、図2の高速排気用の真空室46Baに通じる電磁弁V2を開いて、本体部26、リム部28、筒状部分82a〜82c、及びウエハWで囲まれた空間内の気体を高速に吸引(排気)する。この際、本実施形態では、スループットの向上を図るため、真空室46Baを使用することによって吸引圧力を、例えば−800hPa程度と高く(高度の真空状態に)設定している。
【0063】
この吸引動作の際に、給排気管路71が本体部26の中心部まで連通状態とされているので、給排気路38A〜38Dを介して、中心部近傍から外縁部近傍に向かって吸引が行われる。また、センタアップ34a〜34cの周辺に給排気口36が他の部分よりも多く配置されていることから、図4に示されるように、センタアップ近傍の特定部分領域AR1の吸引がその他の領域AR2に先立って行われるようになっている。その後は、ウエハWの全面が高速で吸引されることとなる。
【0064】
このようにして、ウエハWを高速に吸着保持することでウエハロードが終了する。その後、主制御装置20は、図2の電磁弁V2を閉じ、通常時に使用する第1真空ポンプ46Aに通じる電磁弁V1を開く。これ以降は第1真空ポンプ46Aの吸引力によりウエハWが吸着保持されることとなる。
【0065】
ここで、ウエハWをホルダ本体70上で吸着保持してから、ウエハWを取り出すまでの間は、ウエハステージWSTの移動等によりウエハWが横ずれしてアライメント精度等に悪影響を与えない程度の吸引圧力(吸着力)があれば良く、本実施形態では、真空吸着によるウエハWの変形を最小限に抑えるように、通常使用する第1真空ポンプ46Aによる吸引圧力を、例えば−266.5hPa〜−333.2hPa程度と低く(低度の真空状態に)設定している。また、ウエハWをホルダ本体70上に載置する場合とそれ以外の動作を行う場合とで吸引圧力を異ならせることで、ウエハロードに要する時間を短縮できる。
【0066】
一方、ウエハWをアンロードするに際しては、主制御装置20は、まず、図2の電磁弁V1を閉じ、吸着動作をオフする。次いで、主制御装置20は、センタアップ34a〜34cを所定量上昇するとともに、給気弁V3を開き、ウエハWの底面に向けて気体を吹き付ける。これにより、上述の真空状態が直ちに解除される。
【0067】
センタアップ34a〜34cが所定量上昇すると、ピン部32、筒状部分82a〜82c、及びリム部28にて支持されているウエハWがセンタアップ34a〜34cに受け渡されるので、不図示のウエハアンローダがウエハWの下側に入り込むとともに、センタアップ34a〜34cが下降することで、センタアップ34a〜34cからウエハアンローダにウエハWが受け渡される。そして、ウエハアンローダがホルダ本体70上から退避することにより、ウエハアンロードが終了する。
【0068】
このように、ウエハWをホルダ本体70からアンロードする際にウエハの底面に気体を吹き付けることにより、ウエハのアンロード時間が短縮されることになる。
【0069】
なお、照明光ILとして真空紫外光等を使用する場合には、照明光の光路上の気体をヘリウム等の照明光に対して透過性の高い気体で置換するが、このような場合には、ウエハの底面に吹き付ける気体も、照明光に対して透過性の高い気体(例えば同一の気体)とすることが望ましい。また、ウエハの底面に吹き付ける気体の量は、ウエハが浮き上がらないように微小量とすることが望ましい。
【0070】
なお、これまでの説明から明らかなように、ホルダ本体70と給排気機構80とにより基板保持装置が構成されている。また、第1真空ポンプ46A、電磁弁V1、給排気管40、給排気路38A〜38D、吸着機構としての真空吸着機構が構成されている。
【0071】
本実施形態の露光装置100によると、通常のスキャニング・ステッパと同様に、レチクルアライメント、不図示のアライメント系のベースライン計測、並びにEGA(エンハンスト・グローバル・アライメント)等のウエハアライメント等の所定の準備作業の後、ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作が行なわれ、ウエハW上の複数のショット領域にレチクルRの回路パターンが転写される。
【0072】
ここで、ウエハW上の各ショット領域に対する走査露光中には、ウエハW上の照明領域(露光領域)が投影光学系PLの結像面に実質的に一致した状態で露光が行われる必要があるため、前述した焦点位置検出系(60a、60b)の出力に基づくオートフォーカス、オートレベリングが主制御装置20により実行されている。
【0073】
以上説明したように、本実施形態に係る基板保持装置(70、80)によると、ウエハWは、ホルダ本体70に載置され、前述した吸着機構により、ホルダ本体70に対して吸着される。この吸着の際に、吸着機構により、ホルダ本体70にウエハWが吸着されない非吸着部分近傍の特定部分領域(具体的にはセンタアップ34a〜34c近傍の領域に対応するウエハWの裏面の領域)AR1の吸着が、その他の部分AR2の吸着に先立って行われる。このため、ウエハWに反り等が存在しても、ウエハWの被吸着領域の全体を同時に吸着する場合と異なり、ウエハWの被吸着領域の面積とホルダ本体70の吸着領域の面積との差によって生じるウエハWの皺が非吸着部分へ集中するという現象の発生を回避することが可能となる。この結果、面積差に応じたウエハWの余分な面積部分は被吸着領域の全域に分散された状態となる。従って、ウエハWをその平坦度(フラットネス)をほぼ全面に渡ってほぼ同程度に良好に維持した状態で保持することが可能となる。
【0074】
また、本実施形態の露光装置100によると、基板保持装置(70,80)によって、ウエハWは、局所的な平坦度(フラットネス)の悪化が抑制され、平坦度が全体的に同程度に良好に維持された状態で保持されていることから、被露光物体としてのウエハWの局所的なフラットネスの悪化に起因するウエハW上での部分的なパターンの形成精度の劣化を抑制することができ、ウエハWの全面に渡る露光精度の向上を図ることが可能となる。
【0075】
また、本実施形態の露光装置に100によると、各ショット領域の走査露光中に、焦点位置検出系(60a、60b)によりパターンが投影される照明光ILの照射領域(露光領域)内における複数点でウエハW表面の投影光学系PLの光軸方向(Z軸方向)に関する位置情報が検出され、その検出結果に基づいて、ウエハステージWST(及びホルダ本体70)に保持されたウエハWの露光領域内で、投影光学系PLの結像面とウエハW(ショット領域)の表面とを極力合致させるオートフォーカス及びオートレベリングが、主制御装置20によりウエハ駆動部24を介して実行される。これにより、デフォーカスに起因するパターン像の転写精度劣化が抑制された、高精度な露光が可能となる。
【0076】
なお、前記非吸着領域近傍の特定部分領域は、上述のセンタアップ近傍の領域に限られるものではなく、例えば図5に示されるように、ホルダ本体70の外縁部に形成される干渉回避部としての切り欠き73a〜73c近傍の領域AR3、AR3’を特定部分領域とすることとしても良い。
【0077】
前記切り欠き73a〜73cは、図6に示されるように、ウエハステージWSTに対するウエハのロード位置に設けられるプリアライメント機構90を構成する基板搬送機構としてのウエハ搬出入アーム136を構成する支持部としての爪部136a,136b,136cに対応して形成されている。なお、図6においては、作図の便宜上から、ホルダ本体70のリム部、ピン部及び給排気口等の図示が省略されている。
【0078】
すなわち、プリアライメント機構90においては、不図示のロボットアーム(ウエハ搬送アーム)によりウエハWがウエハ搬出入アーム136に受け渡された後、ウエハ搬出入アーム136近傍に配置された3つのCCDカメラ140a〜140cによりウエハWのノッチNを含む外縁が撮像され、該撮像結果に基づいて、主制御装置20は、不図示の駆動機構を介してウエハ搬出入アーム136を回転駆動し、ウエハの回転方向の位置補正を行う。
【0079】
そして、上記補正終了後は、ウエハ搬出入アーム136は、ウエハWを保持した状態で、ウエハ搬出入アーム136の下方に待機しているウエハステージWSTに接近するように、不図示の駆動機構を介して下降駆動される。この下降駆動の途中、ウエハ搬出入アーム136a〜136cはホルダ本体70に形成された切り欠き73a〜73cを介してホルダ本体70の上面側から下面側に移動する。すなわち、この移動の間にホルダ本体70にウエハ搬送アームからウエハWが受け渡される(載置される)こととなる。
【0080】
その後、上記実施形態と同様にウエハが吸着されることになるが、この場合、給排気口の配置等を変更することにより、切り欠き73a〜73c近傍の領域AR3,AR3’の吸着をその他の部分の吸着に先立って開始することとすることで、上記実施形態と同様に、ウエハを吸着しない非吸着部分となっている切り欠き73a〜73cに対応するウエハ部分に、ウエハの反りに起因する皺が集中することがなくなる。
【0081】
なお、ウエハの吸着終了後は、ウエハステージWSTが−Y方向に駆動され、ウエハ搬出入アーム136がウエハステージWST上に形成された一組の溝131a,131bに沿ってウエハステージWST上から退避し、以降、前述と同様の露光動作が行われる。
【0082】
なお、上記実施形態では、ウエハの一部とその他の部分の吸着開始のタイミングを、給排気口36の配置を工夫することによりずらす場合について説明したが、本発明がこれに限定されるものではない。例えば、主に特定部分領域の吸着をするための給排気口と、主にその他の部分を吸着するための給排気口とを別々の給排気路に連通するよう設定し、各給排気路を介した吸引の開始タイミングを弁等の開閉のタイミングを異ならせることで実現することとしても良い。また、吸引開始タイミングをずらすべき給排気路の途中の部分に固定絞りを設けることとしても良い。また、固定絞りに限らず、特定部分領域の吸着に主に用いられる給排気路とその他の部分の吸着に主に用いられる給排気路の流動抵抗(例えば、流路の表面のあらさ、急激な曲がり、縮小、拡大等)に差異を設けることにより、吸引開始タイミングをずらすこととしても良い。要は、ウエハ裏面の特定部分領域とその他の部分領域の吸着開始のタイミングをずらし、特定部分領域の吸引をその他の部分の吸引に先立って行うことができるのであれば、その構成については任意で良い。
【0083】
なお、上記実施形態においては、吸着機構として、真空吸着機構を採用するものとしたが、これに限らず、例えば静電チャックによる吸着機構を採用しても良い。この場合、リム部を設ける必要がなく、また、電極等の配置の工夫により、上記実施形態と同様、ウエハの一部とその他の部分との吸着開始のタイミングをずらすことが可能である。
【0084】
なお、吸着のタイミングをずらす必要のある複数の領域を、例えばピン部よりも僅かに低い壁で仕切ることとしても良い。
【0085】
また、上記実施形態では3本の上下動ピン(センタアップ)を用いるものとしたが、例えば特開2000−100895号公報(対応米国特許第6,184,972号)に開示されている1本の上下動ピンを採用しても良い。更に、上記実施形態では上下動ピン(センタアップ)を駆動してウエハのロード及びアンロードを行うものとしたが、センタアップを駆動する代わりに、例えばホルダ本体部70を駆動してセンタアップとの位置関係を調整してウエハのロード及びアンロードを行っても良い。
【0086】
《第2の実施形態》
次に、本発明の第2の実施形態を、図7に基づいて説明する。ここで前述した第1の実施形態と同一若しくは同等の構成部分には、同一の符号を用いるとともにその説明を簡略し若しくは省略するものとする。
【0087】
図7には、本第2の実施形態の露光装置が備える基板保持装置を構成するホルダ本体70’の平面図が示されている。この図7に示されるように、ホルダ本体70’には、前述のセンタアップが設けられてない代わりに、ホルダ本体70’の周縁部には、ウエハのロード及びアンロードを行うウエハ搬出入アーム136の爪部(図6の爪部136a〜136c参照)が、ホルダ本体の上方から下方に移動する際に機械的な干渉を回避するための切り欠き(以下、「アーム回避用切り欠き」という)73a’〜73c’が形成されている。
【0088】
更に、アーム回避用切り欠き73a’〜73c’の他に、ホルダ本体70’の周縁部においては、リム部28’がアーム回避用切り欠き73a’〜73c’の部分と同様に、内側に凹状変形した部分(741〜74n)を有している。これら凹状変形部分(741〜74n)は、ウエハを吸着しない非吸着部分となっている。
【0089】
また、ホルダ本体70’においては、給排気口36は、本体部26’上面の中心部近傍から放射方向(ほぼ120°の中心角の間隔を有する3本の半径の方向)に沿って形成されている。これら給排気口36は、給排気路38A’〜38C’を介して不図示の給排気管の一端に接続されている。この給排気管の他端は、第1の実施形態と同様に、給排気機構80(図2参照)に接続されている。
【0090】
その他の部分の構成等は、前述した第1の実施形態の露光装置100と同様になっている。
【0091】
本第2の実施形態のホルダ本体70’において、上記のような構成が採用されていることから、ウエハを吸着する際に、ウエハの反り等に起因して発生する皺が、数箇所の切り欠きに対応する部分に集中せず、多数の非吸着部分に分散することとなる。
【0092】
以上説明したように本第2の実施形態に係る基板保持装置によると、ホルダ本体70’の周縁部に、ウエハを搬送するウエハ搬出入アーム136が有する爪部136a〜136cに対応して、該爪部136a〜136cがホルダ本体70’に機械的に干渉しないようにするためのアーム回避用切り欠き(干渉回避部)73a’〜73c’が形成されている。更に、ホルダ本体70の周縁部には、アーム回避用切り欠き73a’〜73c’とは別の、ウエハを吸着しない非吸着領域としての凹状変形部(741〜74n)が形成されている。
【0093】
従って、アーム回避用切り欠き73a’〜73c’はウエハWを吸着することができない非吸着部分となるが、この非吸着部分に集中することが予想されるウエハWの反りなどに起因する皺が、ホルダ本体70’の周縁部に形成されたその他の非吸着領域としての凹状変形部分(741〜74n)に分散されるので、非吸着部分又は非吸着領域での局所的な皺の集中発生を効果的に抑制することができる。これにより、ウエハをその平坦度(フラットネス)をほぼ全面に渡ってほぼ同程度に良好に維持した状態で保持することが可能となる。
【0094】
また、本第2の実施形態に係る露光装置によると、基板保持装置によって、ウエハWは、局所的な平坦度(フラットネス)の悪化が抑制され、平坦度が全体的に同程度に良好に維持された状態で保持されていることから、前述の第1の実施形態と同様に、ウエハWの全面に渡る露光精度の向上を図ることが可能となる。また、本実施形態の露光装置100によると、前述の第1の実施形態と同様に、デフォーカスに起因するパターン像の転写精度劣化が抑制された、高精度な露光が可能となる。
【0095】
なお、上記第2の実施形態では、ホルダ本体のうちのリム部28’のみを凹状に変形させることとしたが、アーム回避用切り欠き73a’〜73c’と同様に、ホルダ本体70’の周縁部に複数の切り欠きを設けることとしても良い。
【0096】
また、切り欠きや凹状変形部分を設ける場合に限らず、ホルダ本体70’周縁部に非吸着部分が形成されるのであれば、種々の構成を採用することができる。
【0097】
さらに、上記第2の実施形態においても、切り欠き73a’〜73c’及び凹状変形部741〜74nの近傍の吸着をその他の部分の吸着に先立って開始するような構成(給排気口の配置等)を採用することとしても良い。
【0098】
なお、上記第2の実施形態においても、ウエハを吸着する機構として真空吸着機構のみならず静電吸着機構(静電チャック)を採用することができる。
【0099】
また、上記各実施形態では、ホルダ本体のリム部はその外径がウエハWの外径よりも僅かに小さいものとしたが、リム部の外径をウエハWの外径と同程度以上としても良い。また、ホルダ本体のリム部の上端面を、多数のピン32によって規定される平面とほぼ同一の高さとしても良いし、あるいは多数のピン32によって規定される平面よりも僅かに低くしても良い。さらに、リム部の上端面に、多数のピン32によって規定される平面と上端面がほぼ一致する複数の突起部(ピン)を設けても良い。このとき、リム部28(又は28’)の上端面に設けられる複数の突起部によって規定される平面を、多数のピン32によって規定される平面より僅かに低くしても良い。
【0100】
また、上記各実施形態では、ホルダ本体を、例えば真空吸着にてウエハステージWSTに固定するものとしたが、ホルダ本体をウエハステージWSTの少なくとも一部と同一部材で構成する、すなわちウエハステージWSTの少なくとも一部を加工して前述したピン32やリム部28(又は28’)などを形成しても良い。また、上記各実施形態では、ウエハのアンロード時に気体の吹き付けを必ずしも行わなくても良い。
【0101】
また、上記各実施形態では、ホルダ本体の中心部近傍から放射方向に沿って配列される複数の給排気口36をほぼ120°間隔で設けるものとしたが、例えば複数の給排気口36を井桁状に配列しても良い。
【0102】
また、上記各実施形態では、本発明の基板保持装置が、ウエハホルダに採用された場合について説明したが、本発明の基板保持装置はこれに限られるものではなく、例えば反射型レチクルではその裏面側をレチクルホルダにて保持するので、このようなレチクルホルダに対して本発明を適用することとしても良い。
【0103】
なお、上記各実施形態では、光源として、KrFエキシマレーザ光源(出力波長248nm)などの紫外光源、F2レーザ、ArFエキシマレーザ等の真空紫外域のパルスレーザ光源、あるいは水銀ランプなどを用いるものとしたが、これに限らず、Ar2レーザ光源(出力波長126nm)などの他の真空紫外光源を用いても良い。また、例えば、真空紫外光として上記各光源から出力されるレーザ光に限らず、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(Er)(又はエルビウムとイッテルビウム(Yb)の両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。さらに、照明光ILとして紫外光などだけでなく、X線(EUV光を含む)又は電子線やイオンビームなどの荷電粒子線などを用いても良い。
【0104】
なお、上記各実施形態では、投影光学系に対する負担をあまり重くすることなく、より大面積のパターンを高精度にウエハ上に転写可能であるという走査露光方式の利点に着目し、ステップ・アンド・スキャン方式等の走査型露光装置に本発明が適用された場合について説明したが、本発明の適用範囲がこれに限定されないことは勿論である。すなわちステップ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装置にも本発明は好適に適用でき、同様に、デフォーカスのない高精度な露光が可能となる。
【0105】
なお、複数のレンズから構成される照明光学系、投影光学系を露光装置本体に組み込み、光学調整をするとともに、多数の機械部品からなるレチクルステージやウエハステージを露光装置本体に取り付けて配線や配管を接続し、更に総合調整(電気調整、動作確認等)をすることにより、上記各実施形態の露光装置を製造することができる。なお、露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0106】
なお、上記各実施形態では、本発明が半導体製造用の露光装置に適用された場合について説明したが、これに限らず、例えば、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを転写する液晶用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子、有機EL、マイクロマシン、DNAチップなどを製造するための露光装置などにも本発明は広く適用できる。
【0107】
また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。ここで、DUV(遠紫外)光やVUV(真空紫外)光などを用いる露光装置では一般的に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては石英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、螢石、フッ化マグネシウム、又は水晶などが用いられる。
【0108】
なお、例えば国際公開WO99/49504号などに開示される、投影光学系PLとウエハとの間に液体が満たされる液浸露光装置に本発明を適用しても良い。
【0109】
さらに、上記実施形態では、本発明の基板保持装置が露光装置に適用された場合について説明したが、基板を保持しその基板の平坦度を全面に渡って同程度に良好に維持して保持する必要があるのであれば、露光装置以外の検査装置、加工装置などの装置であっても、本発明の基板保持装置は、好適に適用できるものである。
【0110】
《デバイス製造方法》
次に上述した露光装置をリソグラフィ工程で使用したデバイスの製造方法の実施形態について説明する。
【0111】
図8には、デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャートが示されている。図8に示されるように、まず、ステップ201(設計ステップ)において、デバイスの機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップ202(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、ステップ203(ウエハ製造ステップ)において、シリコン等の材料を用いてウエハを製造する。
【0112】
次に、ステップ204(ウエハ処理ステップ)において、ステップ201〜ステップ203で用意したマスクとウエハを使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によってウエハ上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップ205(デバイス組立てステップ)において、ステップ204で処理されたウエハを用いてデバイス組立てを行う。このステップ205には、ダイシング工程、ボンディング工程、及びパッケージング工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。
【0113】
最後に、ステップ206(検査ステップ)において、ステップ205で作成されたデバイスの動作確認テスト、耐久テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
【0114】
図9には、半導体デバイスにおける、上記ステップ204の詳細なフロー例が示されている。図9において、ステップ211(酸化ステップ)においてはウエハの表面を酸化させる。ステップ212(CVDステップ)においてはウエハ表面に絶縁膜を形成する。ステップ213(電極形成ステップ)においてはウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ214(イオン打ち込みステップ)においてはウエハにイオンを打ち込む。以上のステップ211〜ステップ214それぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
【0115】
ウエハプロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップ215(レジスト形成ステップ)において、ウエハに感光剤を塗布する。引き続き、ステップ216(露光ステップ)において、上で説明したリソグラフィシステム(露光装置)及び露光方法によってマスクの回路パターンをウエハに転写する。次に、ステップ217(現像ステップ)においては露光されたウエハを現像し、ステップ218(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップ219(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。
【0116】
これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
【0117】
以上説明した本実施形態のデバイス製造方法を用いれば、露光工程(ステップ216)において上記実施形態の露光装置が用いられるので、ウエハの全体にわたって、精度良くレチクルのパターンをウエハ上に転写することができる。この結果、高集積度のデバイスの生産性(歩留まりを含む)を向上させることが可能になる。
【0118】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る基板保持装置によれば、基板表面の局所的な平坦度悪化を抑制し、基板を全体的にフラットな状態で保持することができるという効果がある。
【0119】
また、本発明に係る露光装置によれば、ウエハ全体における露光精度の向上を図ることができるという効果がある。
【0120】
さらに、本発明に係るデバイス製造方法によれば、最終製品であるデバイスの歩留まりを向上させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る露光装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】図1のホルダ本体及び給排気機構を示す平面図である。
【図3】図3(A)は、ホルダ本体における給排気口の配置を説明するための斜視図であり、図3(B)は、ホルダ本体内の給排気管路の構成を説明するための斜視図である。
【図4】第1の実施形態における吸着動作を説明するための図である。
【図5】第1の実施形態に係る変形例を示す図である。
【図6】変形例に係るプリアライメント機構及びウエハステージを示す斜視図である。
【図7】第2の実施形態に係るホルダ本体の平面図である。
【図8】本発明に係るデバイス製造方法の実施形態を説明するためのフローチャートである。
【図9】図8のステップ204の詳細を示すフローチャートである。
【図10】従来技術を説明するための図である。
【符号の説明】
20…主制御装置(面位置調整装置の一部)、24…ウエハ駆動部(上下動機構、面位置調整装置の一部)、28…リム部(第1支持部)、32…ピン部(第2支持部)、34a〜34c…センタアップ(支持部材)、36…給排気口(吸引口)、38A〜38C…給排気路(吸着機構の一部)、40…給排気管(吸着機構の一部)、46A…第1真空ポンプ(吸着機構の一部)、70…ホルダ本体(保持装置本体、基板保持装置の一部)、73a〜73c…切り欠き(凹状変形した部分、干渉回避部)、80…給排気機構(基板保持装置の一部)、88…分岐路(吸着機構の一部)、136…ウエハ搬出入アーム(基板搬送機構)、136a〜136c…爪部(支持部)、IL…照明光(エネルギビーム)、V1…電磁弁(吸着機構の一部)、W…ウエハ(基板、感光物体)、WST…ウエハステージ(可動体)。
Claims (13)
- 基板を吸着保持する基板保持装置であって、
基板が載置される保持装置本体と;
前記保持装置本体に対して前記基板を吸着するとともに、その吸着の際に前記保持装置本体に前記基板が吸着されない非吸着部分近傍の特定部分領域の吸着を、その他の部分の吸着に先立って行う吸着機構と;を備える基板保持装置。 - 前記基板をその上端部にて下方から支持可能な支持部材を有し、前記保持装置本体と前記支持部材とを相対的に駆動して前記支持部材の上端部を前記保持装置本体の上面の外部に出没させる駆動機構を更に備え、
前記特定部分領域は、前記支持部材の近傍の領域を含むことを特徴とする請求項1に記載の基板保持装置。 - 前記保持装置本体の上面には、前記基板の外形とほぼ同一の形状を有し、前記基板の外縁部近傍を支持する環状の第1支持部と、該環状の第1支持部により囲まれた領域内に配置され、前記第1支持部の先端部とほぼ同一面上にその先端部が位置する複数の突起状の第2支持部とが設けられ、
前記吸着機構は、前記基板が前記保持装置本体に支持された状態で、前記基板と前記保持装置本体とによって形成される前記第1支持部の内側の空間内を真空状態にする真空吸着機構であることを特徴とする請求項1又は2に記載の基板保持装置。 - 前記第1支持部は、その少なくとも一部に、前記第1支持部により囲まれる領域を狭める方向に凹状変形した変形部分を有し、
前記特定部分領域は、前記変形部分近傍の領域であることを特徴とする請求項3に記載の基板保持装置。 - 前記変形部分は、
前記基板の下面を複数の支持点にて支持するとともに、前記基板を前記第1支持部及び第2支持部上に受け渡す基板搬送機構の前記支持点に対応して形成されていることを特徴とする請求項4に記載の基板保持装置。 - 前記吸着機構は、前記基板と前記保持装置本体によって形成される前記第1支持部の内側の空間内の気体を吸引する複数の吸引口を有し、前記複数の吸引口のうちの前記特定部分領域内に配置される特定吸引口からの吸引を、その他の吸引口からの吸引に先立って行うことを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の基板保持装置。
- 前記吸着機構は、前記特定吸引口からの吸引動作開始時と、その他の吸引口からの吸引動作開始時との間に時間差を設ける絞り機構を有することを特徴とする請求項6に記載の基板保持装置。
- 前記吸着機構は、前記特定吸引口に至るまでの気体の流路の流動抵抗が、その他の吸引口に至るまでの気体の流路の流動抵抗よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項6に記載の基板保持装置。
- 前記吸着機構は、前記基板を静電気力により吸着する静電吸着機構であることを特徴とする請求項1又は2に記載の基板保持装置。
- 基板を支持する保持装置本体と、該保持装置本体の上面に対し、前記基板を吸着する吸着機構とを備える基板保持装置において、
前記基板を前記保持装置本体の上面に受け渡す基板搬送機構の、前記基板の下面を複数箇所にて支持する支持部に対応して、前記保持装置本体の周縁部には、前記支持部との機械的な干渉を回避する干渉回避部が複数形成されるとともに、前記干渉回避部とは別の、前記基板を吸着しない非吸着領域が複数形成されていることを特徴とする基板保持装置。 - エネルギビームにより感光物体を露光して前記感光物体上に所定のパターンを形成する露光装置であって、
前記基板として前記感光物体を保持する請求項1〜10のいずれか一項に記載の基板保持装置と;
該基板保持装置が搭載された可動体と;を備える露光装置。 - 前記パターンの原版パターンがマスクに形成され、
前記エネルギビームにより照射された前記マスク上のパターンを、前記感光物体上に投影する投影光学系と;
前記パターンが投影される前記エネルギビームの照射領域内における少なくとも1点で前記感光物体表面の前記投影光学系の光軸方向に関する位置情報を検出する検出系と;
前記検出系の検出結果に基づいて前記照射領域内の前記感光物体表面を前記投影光学系の像面に合致させる面位置調整装置と;を更に備えることを特徴とする請求項11に記載の露光装置。 - リソグラフィ工程を含むデバイス製造方法であって、
前記リソグラフィ工程では、請求項11又は12に記載の露光装置を用いて露光を行うことを特徴とするデバイス製造方法。
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