JP2014154647A - 測定装置及び露光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ウエハを平坦にステージ上にロードする。
【解決手段】 計測ステージMST上に設けられたラインセンサ142を用いて、ローディングディスク121に保持されたウエハWの裏面に計測光を入れてウエハWの裏面を走査しつつ、反射光を受光することでウエハWの形状を測定する。これにより、ローディングディスク121に保持されたウエハWの形状を正確に測定することが可能となる。また、ローディングユニット120(ローディングディスク121)を用いることにより、ウエハWを平坦にウエハステージWST上にロードすることが可能となる。
【選択図】図9
【解決手段】 計測ステージMST上に設けられたラインセンサ142を用いて、ローディングディスク121に保持されたウエハWの裏面に計測光を入れてウエハWの裏面を走査しつつ、反射光を受光することでウエハWの形状を測定する。これにより、ローディングディスク121に保持されたウエハWの形状を正確に測定することが可能となる。また、ローディングユニット120(ローディングディスク121)を用いることにより、ウエハWを平坦にウエハステージWST上にロードすることが可能となる。
【選択図】図9
Description
本発明は、測定装置及び露光装置に係り、更に詳しくは、板状の物体の形状に関する情報を求める測定装置及びウエハ上にパターンを形成する露光装置に関する。
従来、半導体素子(集積回路等)、液晶表示素子等の電子デバイス(マイクロデバイス)を製造するリソグラフィ工程では、主として、ステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(いわゆるステッパ)、あるいはステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ(スキャナとも呼ばれる))などが用いられている。
これらの露光装置により露光されるウエハは、年々、大型化している。現在、直径300mmのウエハ(300mmウエハ)から直径450mmのウエハ(450mmウエハ)が主流となりつつある。450mmウエハの場合、1枚のウエハから採れるダイ(チップ)の数は現行の300mmウエハの場合の数の2倍以上である。従って、1チップ当たりに費やす製造コストを大幅に削減することができる。
ウエハが大型化するのに対してその厚みは一定であるため、450mmウエハの搬送等において、300mmウエハと比較してより慎重な取扱を要することが予想される。そこで、発明者は、ベルヌーイチャックを用いて上方からウエハの表面に向けてエアを噴出することでウエハを非接触で吸引して保持することにより、ウエハステージ上に載置することを提案した(例えば、特許文献1参照)。しかし、ベルヌーイチャックを用いる場合、ウエハをウエハステージ上に載置する際の位置ずれ等が許容限度を超えることがあり、またベルヌーイチャックから噴出されるエアにより冷却(又は加熱)されることによりウエハが熱変形すると、例えば、アライメント計測(ウエハ上のマークの検出)が困難になるおそれがある。
本発明は、上述の事情の下でなされたものであり、第1の観点からすると、第1面と該第1面と異なる第2面とを有する板状の物体の形状に関する情報を求める測定装置であって、前記第1面と対向する対向部を有し、該対向部と前記第1面との間に気体流を形成して前記物体を吸引する力を発生させる吸引装置と、前記吸引装置によって吸引されている前記物体の前記第2面に計測光を照射する照射装置と、前記第2面で反射された前記計測光を受光する受光装置と、前記計測光を用いて前記第2面を走査する走査装置と、を備え、前記走査装置を用いて前記計測光で前記第2面を走査しつつ、前記受光装置を用いて前記第2面で反射された前記計測光を受光することで前記物体の形状に関する情報を求める測定装置である。
これによれば、保持部材に保持された物体の形状を正確に測定することが可能となる。
本発明は、第2の観点からすると、エネルギビームを照射して物体上にパターンを形成する露光装置であって、物体を保持して移動可能な第1の移動体と、前記第1の移動体に保持された物体にエネルギビームを照射する投影光学システムと、本発明の測定装置と、を備え、前記測定装置を用いて前記物体の形状に関する情報を求めた後に前記第1の移動体が前記物体を保持する露光装置である。
これによれば、本発明の測定装置を用いることにより、物体を平坦に移動体上に積載することが可能となる。
以下、本発明の一実施形態を、図1〜図11を用いて説明する。
図1には、一実施形態に係る露光装置100の概略的な構成が示されている。この露光装置100は、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置、いわゆるスキャナである。後述するように、本実施形態では投影光学系PLが設けられており、以下においては、投影光学系PLの光軸AXと平行な方向をZ軸方向、これに直交する面内でレチクルとウエハとが相対走査される走査方向をY軸方向、Z軸及びY軸に直交する方向をX軸方向とし、X軸、Y軸、及びZ軸回りの回転(傾斜)方向をそれぞれθx、θy、及びθz方向として説明を行う。
露光装置100は、照明系IOP、レチクルRを保持するレチクルステージRST、レチクルRに形成されたパターンの像を感応剤(レジスト)が塗布されたウエハW上に投影する投影ユニットPU、ウエハWを保持してXY平面内を移動するウエハステージWST、ウエハWをウエハステージWST上にロード及びアンロードするローディングユニット120、及びこれらの制御系等を備えている。
照明系IOPは、光源、及び光源に送光光学系を介して接続された照明光学系を含み、レチクルブラインド(マスキングシステム)で規定されたレチクルR上でX軸方向に細長く伸びるスリット状の照明領域IARを、照明光(露光光)ILによりほぼ均一な照度で照明する。照明系IOPの構成は、例えば米国特許出願公開第2003/0025890号明細書などに開示されている。ここで、照明光ILとして、一例として、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)が用いられる。
レチクルステージRSTは、照明系IOPの下方に配置されている。レチクルステージRST上には、そのパターン面に回路パターンなどが形成されたレチクルRが載置されている。レチクルRは、例えば真空吸着によりレチクルステージRST上に固定されている。
レチクルステージRSTは、例えばリニアモータ等を含むレチクルステージ駆動系11(図1では不図示、図4参照)によって、水平面(XY平面)内で微小駆動可能であるとともに、走査方向(Y軸方向)に所定ストローク範囲で駆動可能となっている。レチクルステージRSTのXY平面内の位置情報(θz方向の回転情報を含む)は、レチクルレーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」という)14によって、移動鏡12(又はレチクルステージRSTの端面に形成された反射面)を介して、例えば0.25nm程度の分解能で常時計測される。レチクル干渉計14の計測結果は、主制御装置20(図1では不図示、図4参照)に供給される。
投影ユニットPUは、レチクルステージRSTの下方に配置されている。投影ユニットPUは、鏡筒40と、鏡筒40内に保持された投影光学系PLとを含む。投影光学系PLとしては、例えば、Z軸方向と平行な光軸AXpに沿って配列される複数の光学素子(レンズエレメント)から成る屈折光学系が用いられている。投影光学系PLは、例えば両側テレセントリックで、所定の投影倍率(例えば1/4倍、1/5倍又は1/8倍など)を有する。このため、照明系IOPからの照明光ILによってレチクルR上の照明領域IARが照明されると、投影光学系PLの第1面(物体面)とパターン面がほぼ一致して配置されるレチクルRを通過した照明光ILにより、投影光学系PL(投影ユニットPU)を介してその照明領域IAR内のレチクルRの回路パターンの縮小像(回路パターンの一部の縮小像)が、投影光学系PLの第2面(像面)側に配置される、表面にレジスト(感応剤)が塗布されたウエハW上の前記照明領域IARに共役な領域(以下、露光領域とも呼ぶ)IAに形成される。そして、レチクルステージRSTとウエハステージWSTとの同期駆動によって、照明領域IAR(照明光IL)に対してレチクルRを走査方向(Y軸方向)に相対移動させるとともに、露光領域IA(照明光IL)に対してウエハWを走査方向(Y軸方向)に相対移動させることで、ウエハW上の1つのショット領域(区画領域)の走査露光が行われ、そのショット領域にレチクルのパターンが転写される。
ウエハステージWSTは、リニアモータ等を含むステージ駆動系24によって、ステージベース22上をX軸方向、Y軸方向に所定ストロークで駆動されるとともに、Z軸方向、θx方向、θy方向、及びθz方向に微小駆動される。なお、ウエハステージWSTに代えて、X軸方向、Y軸方向及びθz方向に移動する第1ステージと、該第1ステージ上でZ軸方向、θx方向及びθy方向に微動する第2ステージと、を備えるステージ装置を用いることもできる。
ウエハステージWST上には、ウエハホルダ(不図示)が設けられている。ウエハホルダ(不図示)により、ウエハWが、真空吸着等により保持される。また、ウエハWの裏面を支持するCTピン140(図2(A)参照)が、ウエハホルダ(不図示)から出し入れ可能にウエハステージWST内に設けられている。
また、ウエハステージWST上には、その表面がウエハWの表面と同じ高さである基準板FPが固定されている。この基準板FPの表面には、アライメント検出系ASのベースライン計測等に用いられる基準マーク、及び後述するレチクルアライメント検出系で検出される一対の基準マークなどが形成されている。
ウエハステージWSTのXY平面内の位置情報(回転情報(ヨーイング量(θz方向の回転量θz)、ピッチング量(θx方向の回転量θx)、ローリング量(θy方向の回転量θy))を含む)は、レーザ干渉計システム(以下、「干渉計システム」と呼ぶ)18によって、移動鏡16(ウエハステージWSTの端面に形成された反射面)を介して、例えば0.25nm程度の分解能で常時計測される。その計測結果は、主制御装置20に供給される(図4参照)。主制御装置20は、干渉計システム18の計測結果に従って、ステージ駆動系24を介してウエハステージWSTのXY平面内の位置(θz方向の回転を含む)を制御する。
また、図1では図示が省略されているが、ウエハWの表面のZ軸方向の位置及び傾斜量は、例えば米国特許第5,448,332号明細書等に開示される斜入射方式の多点焦点位置検出系から成るフォーカスセンサAF(図4参照)によって計測される。このフォーカスセンサAFの計測結果も主制御装置20に供給される(図4参照)。
投影ユニットPUの鏡筒40の側面には、ウエハWに形成されたアライメントマーク及び基準マークを検出するアライメント検出系ASが設けられている。アライメント検出系ASとして、一例としてハロゲンランプ等のブロードバンド(広帯域)光でマークを照明し、このマーク画像を画像処理することによってマーク位置を計測する画像処理方式の結像式アライメントセンサの一種であるFIA(Field Image Alignment)系が用いられている。
露光装置100では、さらに、レチクルステージRSTの上方に、例えば米国特許第5,646,413号明細書等に開示される、露光波長の光を用いたTTR(Through The Reticle)アライメント系から成る一対のレチクルアライメント検出系13(図1では不図示、図4参照)が設けられている。レチクルアライメント検出系13の検出信号は、主制御装置20に供給される(図4参照)。
ローディングユニット120は、アライメント検出系ASの近傍に配置されている。ローディングユニット120が配置された場所およびその近傍を、ローディングポジションと呼ぶ。
図2(A)及び図2(B)には、それぞれ、ローディングユニット120の断面図及び底面図が示されている。ローディングユニット120は、駆動部122、ローディングディスク121、エア供給部130(図3(A)及び図3(B)参照)等から構成される。
駆動部122は、投影光学系PL(投影ユニットPU)を支持するフレーム(不図示)に防振部材(不図示)を介して固定された駆動装置1220と、一端が駆動装置1220に他端がローディングディスク121の上部に固定された可動軸1221と、を備える。駆動装置1220は、例えばボイスコイルモータ等を含む。駆動部122は、駆動装置1220を用いて、可動軸1221を白抜き矢印の方向(Z軸方向)に駆動することで、ローディングディスク121を上下動する。
ローディングディスク121は、円盤状のディスク本体123、複数のベルヌーイカップ124(1240,1241,1242)、ギャップセンサ(不図示)、温度センサ128、3つの撮像素子129等から構成される。
複数のベルヌーイカップ124のうち、1つのベルヌーイカップ1240がディスク本体123の底面の中心に、その周囲に4つのベルヌーイカップ1241が、さらにそれらの周囲に8つのベルヌーイカップ1242が配置されている(図2(B)参照)。複数のベルヌーイカップ124には、エアを供給するための配管125が接続されている。本実施形態では、ベルヌーイカップ1240,1241には共通の配管1251が、ベルヌーイカップ1242には別の共通の配管1252が接続され、それぞれ独立のエア供給系を構成している。なお、少なくとも独立のエア供給系ごとに、ベルヌーイカップ124のそれぞれから噴出されるエアが受けるコンダクタンスが互いに等しくなるように、ベルヌーイカップ124(1240,1241,1242)及び配管125(1251,1252)が構成されている。なお、ベルヌーイカップの配置はこれに限定されるものではなく、例えば、ベルヌーイカップ1240,1241を設けずに、ベルヌーイカップ1242のみを複数配置してもよい。
複数のベルヌーイカップ124(1240,1241,1242)は、ベルヌーイ効果(流速が大きくなるにつれて流体の圧力が減少する効果)を利用して、エアを噴出してウエハの周囲に気体の流れを発生させることで、ディスク本体123と対向するウエハWとの間に負圧(吸引力)を生ずる。ローディングディスク121は、この負圧を利用して、ウエハWをその上方から非接触で吸引する。なお、複数のベルヌーイカップ124のそれぞれから噴出されるエアの流速(及びウエハWの重さ)により、ディスク本体123とこれが保持するウエハWとの離間距離が定まる。また、吸引の力の度合いは適宜調整可能で、ウエハWを、ベルヌーイカップ124によって吸引して保持(吸引保持)することで、Z軸方向,θx及びθy方向の移動を制限することができる。
ウエハWは、後述するように、ローディングディスク121に吸引されることによりZ軸方向、θx方向、及びθy方向への動きが制限され、ウエハステージWSTから出し入れされるCTピン140により裏面が支持されることによりX軸方向、Y軸方向、及びθz方向への動きが制限されることとなる。
複数のギャップセンサ(不図示)は、ディスク本体123の底面に、複数のベルヌーイカップ124を避けて配置されている。ギャップセンサ(不図示)は、例えば静電容量センサを含み、ローディングディスク121(ディスク本体123)とこれが保持するウエハWとの離間距離を測定する。その結果は、主制御装置20に供給される。主制御装置20は、複数のギャップセンサからの測定結果とギャップセンサの配置とから、ウエハWの形状を求める。
温度センサ128は、例えば白金抵抗、サーミスタ等を含む。温度センサ128は、ディスク本体123の底部に設けられ、複数のベルヌーイカップ124のいずれか(本実施形態ではベルヌーイカップ1242)の近傍に配置されている。そのプローブ部は、ディスク本体123の底面とローディングディスク121により保持されるウエハWの表面との間の間隙(通常、200〜400μmのサイズ)内に突出している。温度センサ128は、ベルヌーイカップ1242から噴出されるエアの温度を、0.01度より良い分解能で測定する。
3つの撮像素子129は、例えばCCD等を含み、ディスク本体123の側面に固定されている(図2(A)では1つの撮像素子129のみが示されている)。3つの撮像素子129のうち1つは、ローディングディスク121(ディスク本体123)がウエハWを保持した際に、ウエハWのノッチ(V字の切り欠き(不図示))を撮像し、残り2つは、ウエハWの周縁を撮像する。3つの撮像素子129の撮像結果は、主制御装置20に供給される。主制御装置20は、それらの撮像結果から、例えば米国特許第6,624,433号明細書などに開示されている手法により、ウエハWのX軸方向及びY軸方向の位置ずれと回転(θz回転)誤差とを求める。
その他、ローディングポジション(ローディングユニット120)と露光装置100にインライン接続されたコータ・デベロッパ(C/D(不図示))との間でウエハを搬送するウエハ搬送アーム118が付設されている。
図3(A)及び図3(B)に、エア供給部130の概略構成が示されている。エア供給部130は、供給装置(不図示)から配管1350を介して接続された流量制御弁131、流量計132、温度制御器133、電磁弁134等を備える。
供給装置(不図示)は、塵埃等が除かれたクリーンエア(単にエアと呼ぶ)を供給し、配管1350内に流す。流量計132は、配管1350内を流れるエアの流量を測定する。流量制御弁131は、流量計132の測定結果に従って、配管1350内のエアの流量を制御する。なお、流量計132と流量制御弁131との配置は逆でもよい。
温度制御器133は、例えば、配管1350内を流れるエアを発熱体に接触させることで加熱するインラインヒータ等を含み、配管1350内を流れるエアの温度を制御する。後述するように、ローディングディスク121に設けられた温度センサ128により複数のベルヌーイカップ124から噴出されるエアの温度が測定され、その結果に従って温度制御器133により配管1350内のエアの温度が、例えば23度に制御される。
電磁弁134は、電気的駆動弁の一種であり、磁力を利用して本体部1340を黒塗り矢印の方向に駆動することで、配管1350をベルヌーイカップ124に通じる配管125又は露光装置100外に通じる配管1351に接続を切り換える。ここで、図3(A)に示されるように、配管1350を配管125に接続することで、エアがベルヌーイカップ124に供給される。また、図3(B)に示されるように、配管1350を配管1351に接続することで、エアは露光装置100外に排気され、ローディングディスク121への供給が停止される。
配管1351には、絞り弁136が設けられている。電磁弁134を用いて配管1350を配管125に接続する場合と配管1351に接続する場合とで、配管1350内のエアの流量が変わらないよう、すなわちエアの温度が変わらないよう、絞り弁136を用いてエアに対する配管1351のコンダクタンスを、配管125のコンダクタンスに一致するよう、調整する。
上述のエア供給部130は、エア供給系ごとに設けられている。すなわち配管125(1251,1252)のそれぞれに、独立のエア供給部130が接続されている。これにより、配管1251を介してベルヌーイカップ1240,1241にエアが供給されるのと独立に、配管1252を介してベルヌーイカップ1242にエアが供給される。後述するように、エア供給系ごとに異なる流速のエアを供給して(ベルヌーイカップ124から噴出して)ウエハWに対して非一様な分布の吸着力(吸引力)を及ぼすことで、ウエハWを平坦に保持することができる。なお、エア供給系の構成は本実施形態の構成に限らず、例えば実際のウエハWの変形に応じて、任意に構成することができる。
ローディングポジション近傍に、計測ステージMSTが配置されている。計測ステージMSTは、リニアモータ等を含む計測ステージ駆動系(不図示)によって、ステージベース22上をX軸方向、Y軸方向に駆動される。計測ステージMST上には、ローディングディスク121に保持されたウエハWの裏面にライン状に光を照射し、その反射光を受光することで、ウエハWの形状を測定するラインセンサ142が設けられている(図9(A)等参照)。また、計測ステージMSTのXY平面内の位置情報は、干渉計システムから成る計測ステージ位置計測系(不図示)によって計測される。その計測結果は、主制御装置20に供給される。
ローディングユニット120(駆動部122、エア供給部130、ウエハ搬送アーム118等)は、主制御装置20によって制御される(図4参照)。
図4には、露光装置100の制御系の主要な構成が示されている。制御系は、装置全体を統括制御するマイクロコンピュータ(あるいはワークステーション)などを含む主制御装置20を中心として構成されている。
ローディングユニット120を用いたウエハのロードについて説明する。
ウエハをロードするに先立って、ベルヌーイカップ124から噴出されるエアの温度を制御する。ここで、エアは、配管125内を流れる際或いはベルヌーイカップ124から噴出される際に、ジュールトムソン効果により、配管1350内との圧力差を保ちながら膨張することで温度が下がる。例えば、0.1MPaの圧力変化に対して、エアの温度は約0.2度変化する。本実施形態では、エアの圧力は0.05MPaの範囲で変化するため、約0.1度の温度変化が予想される。約0.1度温度が変わるエアがウエハWに噴出されることにより、ウエハWが冷却され、熱収縮によるパターンの歪みを生ずるおそれがある。そこで、エアの温度変化を0.01度以下に抑える必要がある。
図5に、ローディングディスク121を用いてウエハWを保持する際のエアの温度制御の手順を示すフローチャートが与えられている。
前提として、ローディングディスク121は上方(+Z方向)に、ウエハステージWSTはローディングポジション以外に待避しているものとする。また、エアはベルヌーイカップ124には供給されずに、配管1350内を空流しされている状態にあるものとする。ローディングディスク121はウエハのローディング動作に伴って間歇的に使用されるのに対してエアの温度は常に一定に保つ必要があるため、ローディングディスク121の未使用時においてもエアを常時配管1350内に流しておくとよい。そこで、流量制御弁131により所定の流量(例えば、変形のないウエハに対する流量1リットル/分)でエアを配管1350内に流し、ベルヌーイカップ124による吸引動作が必要ない時には電磁弁134により配管1350を配管1351に接続してエアを排気させておく。
ステップ204において、主制御装置20は、ローディングディスク121を作動する。すなわち、電磁弁134を用いて、配管1350を配管125に接続してエアを複数のベルヌーイカップ124に供給する。ここで、絞り弁136を用いて配管1351のコンダクタンスを調整していることにより、配管1350を配管125に接続する前後で、配管1350内を流れるエアの流量が変化しないようにしてあるので、温調制御部133は前記接続の前後で制御状態(温調状態)を調整する必要がない。そのため、安定したエアの温調が行われるため、エアの温度の変動を抑えることができる。
次のステップ206において、主制御装置20は、エアの温度を制御する。主制御装置20は、温度センサ128を用いて複数のベルヌーイカップ124から噴出されるエアの温度を測定し、エアの温度が所定の温度(或いはウエハWの温度)に一致するように温度制御器133を用いて配管1350を流れるエアを加熱する。
次のステップ208において、ローディングユニット120(ローディングディスク121)を用いてウエハWを吸引して保持する。
その際、図6(A)に示されるように、ウエハ搬送アーム118により、C/D(不図示)により感応層(レジスト層)が設けられたウエハWがローディングポジションに向けて黒塗り矢印の方向(+Y方向)に搬送される。ウエハWがローディングディスク121の直下まで搬送されると、主制御装置20は、図6(B)に示されるように、ローディングディスク121を白抜き矢印の方向(−Z方向)に駆動し、ローディングディスク121の下面をウエハWの表面に近接する。なお、ローディングディスク121を駆動するに代えて、又はこれとともに、ウエハ搬送アーム118を白抜き矢印と逆の方向(+Z方向)に駆動してもよい。
ローディングディスク121の下面がウエハWの表面まで100μmのオーダーまで近接すると、ローディングディスク121の吸着力(吸引力)がウエハWに及び、ウエハWがローディングディスク121に非接触で吸引され保持される。これにより、ウエハWは、Z軸方向、θx方向、及びθy方向への移動が制限される。主制御装置20は、図6(C)に示されるように、ウエハWを保持したローディングディスク121を白抜き矢印の方向(+Z方向)に微小駆動し、又はこれに代えて(或いはこれとともに)ウエハ搬送アーム118を白抜き矢印と逆の方向(−Z方向)に微小駆動し、ウエハWをリリースしたウエハ搬送アーム118を黒塗り矢印の方向(−Y方向)に待避する。
なお、ステップ206におけるエアの温度制御がウエハWの温度変化よりも十分に速い場合、ステップ206とステップ208の順序にして実行することとしてもよい。
次のステップ210において、主制御装置20は、先述の複数のギャップセンサ(不図示)を用いて、ローディングディスク121に保持されたウエハWの形状を測定する。ここで、ギャップセンサの代わりに計測ステージMST上に設けられたラインセンサ142を用いてもよい。ラインセンサ142を用いたウエハWの形状測定の詳細は、後述する。
次のステップ212において、主制御装置20は、ウエハWの形状に基づいて複数のベルヌーイカップ124(1240,1241,1242)のそれぞれから噴出するエアの流量を決定し、流量制御弁131を用いてエアの流量を調整する。ステップ210における測定の結果、例えば、ウエハWが上向きに凸状に撓んでいることが分かったとする。係る場合、主制御装置20は、流量制御弁131を用いて、ベルヌーイカップ1240,1241に対してベルヌーイカップ1242から噴出されるエアの流量を大きくする。これにより、ウエハWの中央部に対して周縁部に強い吸引力が働く。一方、ステップ210における測定の結果、ウエハWが下向きに凸状に撓んでいることが分かったとする。係る場合、主制御装置20は、流量制御弁131を用いて、ベルヌーイカップ1240,1241に対してベルヌーイカップ1242から噴出されるエアの流量を小さくする。これにより、ウエハWの中央部に対して周縁部に弱い吸引力が働く。これにより、ローディングディスク121により、ウエハWが平坦に保持される。
次に、ローディングディスク121に吸引保持されたウエハWをウエハステージWST上にロードする。
主制御装置20は、3つの撮像素子129を用いて、ローディングディスク121に保持されたウエハWの周縁(ノッチ等)を撮像する。主制御装置20は、これらの撮像結果から、ウエハWのX軸方向及びY軸方向の位置ずれと回転(θz回転)誤差とを求める。
図7(A)に示されるように、主制御装置20は、ウエハステージWSTをローディングポジションに移動する。ここで、主制御装置20は、上で求められた位置ずれ及び回転誤差を相殺する位置及び向きにウエハステージWSTを位置決めする。或いは、上で求められた位置ずれ及び回転誤差を記憶し、アライメント計測においてその結果を補正する等してもよい。
ウエハステージWSTがローディングディスク121の直下に位置決めされると、図7(B)に示されるように、主制御装置20は、ウエハステージWST内からウエハホルダ(不図示)を介して3つのCTピン140を黒塗り矢印の方向(+Z方向)に出し、それらの先端をローディングディスク121に保持されたウエハWの裏面に当接してウエハWを(吸着)支持する。これにより、ウエハWは、さらに、X軸方向、Y軸方向、及びθz方向への動きが制限される。
ウエハWが、ローディングディスク121に保持されることでそのZ軸方向、θx方向、及びθy方向への動きが制限され、3つのCTピン140により裏面が支持されることでそのX軸方向、Y軸方向、及びθz方向への動きが制限されると、図7(C)に示されるように、主制御装置20は、ローディングディスク121を白抜き矢印の方向(−Z方向)に駆動し、これに併せて3つのCTピン140を黒塗り矢印の方向(−Z方向)に動かしてウエハステージWST内に入れる。これにより、図8(A)に示されるように、ウエハWは、その6自由度方向の動きが制限された状態を維持して、ウエハステージWST上にロードされる。
ウエハWがウエハステージWST上にロードされると、主制御装置20は、ウエハホルダ(不図示)を作動してウエハWをウエハステージWST上に吸着保持し、そしてローディングディスク121によるウエハWの保持を解除する。すなわち、電磁弁134により配管1350が配管1351に接続されてエアが排気される。
最後に、図8(B)に示されるように、主制御装置20は、ローディングディスク121を白抜き矢印の方向(+Z方向)に待避することで、ウエハWのウエハステージWST上へのロードが完了する。
次に、計測ステージMST上に設けられたラインセンサ142を用いたウエハWの形状測定について説明する。
前提として、先述のステップ208において、ウエハWは、図9(A)に示されるように、ローディングディスク121に吸引保持されているものとする。主制御装置20は、ローディングディスク121を上方(+Z方向)に待避し、ローディングディスク121の下方(−Z方向)に計測ステージMSTが移動可能な空間を確保する。
主制御装置20は、計測ステージMSTをローディングポジションに移動する。そして、計測ステージMST上に設けられたラインセンサ142を用いて、ローディングディスク121に保持されているウエハWの裏面に計測光を照射し、裏面からの反射光を受光する。ここで、計測光は、図9(B)に示されるように、ウエハWの裏面上のライン状の照射領域142aに照射される。
主制御装置20は、計測ステージ位置計測系(不図示)を用いて計測ステージMSTの位置を計測し、その結果に従って計測ステージMSTを、図9(A)に示されるように、黒塗り矢印の方向(+Y方向)に一定速度で駆動する。これにより、図9(B)に示されるように、照射領域142aはウエハWの裏面上を黒塗り矢印の方向(+Y方向)に移動する。これにより、ウエハWの裏面全面あるいはその一部を走査することができる。主制御装置20は、計測ステージMSTを駆動するとともに照射領域142aからの反射光を受光し、その結果を計測ステージMSTの位置計測結果とともに取り込む。主制御装置20は、これらの結果から、ウエハWの形状(ウエハ裏面の平坦度)を求める。
なお、ラインセンサ142が設けられた計測ステージMSTを駆動してウエハWに対して照射領域142aを移動することで、ウエハWを走査することとしたが、これに限定されるものではない。例えば、ウエハWを吸引保持しているローディングディスク121を移動させることで照射領域142aに対してウエハWを移動させて、ウエハWを走査することとしてもよい。係る場合、ローディングディスク121をY軸方向に駆動可能に駆動部122を構成することとする。また、ラインセンサ142は、ステージベース22上に固定しても良い。また、ローディングディスク121と計測ステージMSTとの両方を駆動することで、ウエハW裏面を走査することとしてもよい。
また、図10に示されるように、計測ステージMSTに設けられたラインセンサ142からウエハWの裏面の径方向に延びるライン状の照射領域に計測光を照射し、ウエハWを保持しているローディングディスク121を矢印方向に回転することで、ウエハW裏面を走査することとしてもよい。係る場合、ローディングディスク121は、回転可能に駆動部122に接続された構成とする。また、ラインセンサ142は、ステージベース22上に固定しても良い。
また、図11に示されるように、ラインセンサ142を構成する照射部1421と受光部1422とをそれぞれ異なる計測ステージMST1,MST2に設けてもよい。係る場合、照射部1421を計測光の出射角を変えられるように構成する。そして、計測ステージMST1をローディングポジションの−Y側に位置決めし、照射部1421を用いて計測光をウエハWの裏面に照射し、出射角を傾けつつ、これに併せて計測ステージMST2を+Y方向に駆動して受光部1422を用いてウエハWの裏面からの反射光を受光することで、ウエハW裏面の全面あるいは一部領域を走査することとしてもよい。
以上のような、計測ステージMSTに設けられたラインセンサ142を用いたウエハWの形状測定(ウエハ裏面の平坦度の測定)は、ウエハステージWST上のウエハWの露光と並行して行うこととしてもよい。それにより、スループットの向上が期待される。
また、2つのウエハステージWSTを備えるツインステージ型の露光装置の場合、ラインセンサ142をウエハステージWST上に設けることとしてもよい。係る場合、一方のウエハステージWST上のウエハWの露光と並行して、他方のウエハステージWST上のラインセンサ142を用いてウエハWの形状測定を行うことで、スループットの向上が期待される。
本実施形態の露光装置100の露光動作を、簡単に説明する。
主制御装置20は、露光に先立って、先述の手順により、C/D(不図示)により感応層(レジスト層)が設けられたウエハWをウエハステージWST(ウエハホルダ(不図示))上にロードする。
主制御装置20は、アライメント検出系ASを用いて、ウエハWの表面に付与された(ウエハW上のサンプルショット領域に付設された)アライメントマークを検出し、アライメント計測(EGA)を実行する。それにより、XY平面内におけるウエハW上のショット領域の位置(さらに走査方向に関する倍率、光軸AX周りの回転、直交度)が定められる。なお、アライメント計測(EGA)の詳細は、例えば、特開平6−349705号公報に記載されている。
主制御装置20は、アライメント計測(EGA)の結果に従って、レチクルRのパターンの投影位置(投影光学系PLの投影中心)とウエハW上の各ショット領域の相対位置関係を算出する。その結果に従って、主制御装置20は、走査露光により、ウエハW上の全ショット領域内に、順次、レチクルRのパターンを露光する。
ウエハW上の各ショット領域に対する走査露光では、主制御装置20は、レチクル干渉計14と干渉計システム18の計測結果を監視して、レチクルステージRSTとウエハステージWSTをそれぞれの走査開始位置(加速開始位置)に移動させる。そして、主制御装置20は、両ステージRST,WSTをY軸方向に、ただし互いに逆向きに、相対駆動する。ここで、両ステージRST,WSTがそれぞれの目標速度に達すると、照明光ILによってレチクルRのパターン領域が照明され始め、走査露光が開始される。
主制御装置20は、走査露光中、Y軸方向についてのレチクルステージRSTの速度VrとウエハステージWSTの速度Vwとを投影光学系PLの投影倍率に対応する速度比に維持するように、レチクルステージRST及びウエハステージWSTを同期駆動する。
レチクルRがY軸方向に移動することにより、そのパターン領域の全域が照明光ILにより照明される。それと同時にウエハWがY軸方向に、ただしレチクルRと逆方向に、移動することにより、レチクルRのパターンがウエハW上に転写される。それにより、ウエハW上のショット領域の1つに対する走査露光が終了する。
ショット領域の1つに対する走査露光が終了すると、主制御装置20は、ウエハステージWSTを、次のショット領域に対する走査開始位置(加速開始位置)へ移動(ステップ移動)させる。そして、主制御装置20は、先と同様に、次のショット領域に対する走査露光を行う。その他のショット領域に対する走査露光も、同様に行われる。このように、ショット領域間のステップ移動と各ショット領域に対する走査露光とを繰り返して、ウエハW上の全てのショット領域にレチクルRのパターンを転写する。
露光が終了すると、主制御装置20は、先述の手順の逆の手順により、ウエハステージWST(ウエハホルダ(不図示))から露光済みのウエハWをアンロードする。そして、先述の手順により、C/D(不図示)により感応層(レジスト層)が設けられた次のウエハWをウエハステージWST(ウエハホルダ(不図示))上にロードする。すなわち、ウエハステージWST上のウエハWを交換する。主制御装置20は、新しいウエハWに対して、同様に露光動作を繰り返す。
以上詳細に説明したように、本実施形態に係る露光装置100によると、計測ステージMST上に設けられたラインセンサ142を用いて、ローディングディスク121に保持されたウエハの裏面に計測光を入れてウエハの裏面を走査しつつ、反射光を受光することでウエハの形状を測定する。これにより、ローディングディスク121に保持されたウエハの形状を正確に測定することが可能となる。また、本実施形態のローディングユニット120(ローディングディスク121)を用いることにより、ウエハWを平坦にウエハステージWST上にロードすることが可能となる。
なお、本実施形態の露光装置100では、ウエハステージWST上にウエハWをロードするローディングポジションとウエハステージWST上からウエハWをアンロードするアンローディングポジションとを同じ位置に配置したが、これに限らず、異なる位置に配置し、それぞれにローディングユニット(アンローディングユニット)120を設けることとしてもよい。これにより、ウエハWの搬出入を他の動作と並行して行うことができること等により、スループットの向上が期待される。
なお、上述の実施形態では、本発明が、液体(水)を介さずにウエハWの露光を行うドライタイプの露光装置に適用された場合について説明したが、これに限らず、例えば国際公開第99/49504号、欧州特許出願公開第1,420,298号明細書、国際公開第2004/055803号、特開2004−289126号公報(対応米国特許第6,952,253号明細書)などに開示されているように、投影光学系とウエハとの間に照明光の光路を含む液浸空間を形成し、投影光学系及び液浸空間の液体を介して照明光でウエハを露光する露光装置にも本発明を適用することができる。また、例えば国際公開第2007/097379号(対応米国特許出願公開第2008/0088843号明細書)に開示される、液浸露光装置などにも、本発明を適用することができる。
また、上記実施形態では、ステップ・アンド・スキャン方式等の走査型露光装置に本発明が適用された場合について説明したが、これに限らず、ステッパなどの静止型露光装置に本発明を適用しても良い。また、ショット領域とショット領域とを合成するステップ・アンド・スティッチ方式の縮小投影露光装置、プロキシミティー方式の露光装置、又はミラープロジェクション・アライナーなどにも本発明は適用することができる。さらに、例えば米国特許第6,590,634号明細書、米国特許第5,969,441号明細書、米国特許第6,208,407号明細書などに開示されているように、複数のウエハステージを備えたマルチステージ型の露光装置にも本発明を適用できる。また、例えば国際公開第2005/074014号などに開示されているように、ウエハステージとは別に、計測部材(例えば、基準マーク、及び/又はセンサなど)を含む計測ステージを備える露光装置にも本発明は適用が可能である。
また、上記実施形態の露光装置における投影光学系は縮小系のみならず等倍及び拡大系のいずれでも良いし、投影光学系PLは屈折系のみならず、反射系及び反射屈折系のいずれでも良いし、その投影像は倒立像及び正立像のいずれでも良い。また、前述の照明領域及び露光領域はその形状が矩形であるものとしたが、これに限らず、例えば円弧、台形、あるいは平行四辺形などでも良い。
なお、上記実施形態の露光装置の光源は、ArFエキシマレーザに限らず、KrFエキシマレーザ(出力波長248nm)、F2レーザ(出力波長157nm)、Ar2レーザ(出力波長126nm)、Kr2レーザ(出力波長146nm)などのパルスレーザ光源、g線(波長436nm)、i線(波長365nm)などの輝線を発する超高圧水銀ランプなどを用いることも可能である。また、YAGレーザの高調波発生装置などを用いることもできる。この他、例えば米国特許第7,023,610号明細書に開示されているように、真空紫外光としてDFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(又はエルビウムとイッテルビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。
また、上記実施形態では、露光装置の照明光ILとしては波長100nm以上の光に限らず、波長100nm未満の光を用いても良いことはいうまでもない。例えば、軟X線領域(例えば5〜15nmの波長域)のEUV(Extreme Ultraviolet)光を用いるEUV露光装置に本発明を適用することができる。その他、電子線又はイオンビームなどの荷電粒子線を用いる露光装置にも、本発明は適用できる。
さらに、例えば米国特許第6,611,316号明細書に開示されているように、2つのレチクルパターンを、投影光学系を介してウエハ上で合成し、1回のスキャン露光によってウエハ上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置にも本発明を適用することができる。
なお、上記実施形態でパターンを形成すべき物体(エネルギビームが照射される露光対象の物体)はウエハに限られるものでなく、ガラスプレート、セラミック基板、フィルム部材、あるいはマスクブランクスなど他の物体でも良い。
露光装置の用途としては半導体製造用の露光装置に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを転写する液晶用の露光装置や、有機EL、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD等)、マイクロマシン及びDNAチップなどを製造するための露光装置にも広く適用できる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。
半導体素子などの電子デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいたレチクルを製作するステップ、シリコン材料からウエハを製作するステップ、前述した実施形態の露光装置(パターン形成装置)及びその露光方法によりマスク(レチクル)のパターンをウエハに転写するリソグラフィステップ、露光されたウエハを現像する現像ステップ、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去るエッチングステップ、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除くレジスト除去ステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、検査ステップ等を経て製造される。この場合、リソグラフィステップで、上記実施形態の露光装置を用いて前述の露光方法が実行され、ウエハ上にデバイスパターンが形成されるので、高集積度のデバイスを生産性良く製造することができる。
20…主制御装置、100…露光装置、118…ウエハ搬送アーム、120…ローディングユニット、121…ローディングディスク、124(1240,1241,1242)…ベルヌーイカップ、125(1251,1252,1350,1351)…配管、128…温度センサ、129…撮像素子、130…エア供給部、131…流量制御弁、132…流量計、133…温度制御器、134…電磁弁、136…絞り弁、140…CTピン、142…ラインセンサ、PL…投影光学系、PU…投影ユニット、MST(MST1,MST2)…計測ステージ、W…ウエハ、WST…ウエハステージ。
Claims (12)
- 第1面と該第1面と異なる第2面とを有する板状の物体の形状に関する情報を求める測定装置であって、
前記第1面と対向する対向部を有し、該対向部と前記第1面との間に気体流を形成して前記物体を吸引する力を発生させる吸引装置と、
前記吸引装置によって吸引されている前記物体の前記第2面に計測光を照射する照射装置と、
前記第2面で反射された前記計測光を受光する受光装置と、
前記計測光を用いて前記第2面を走査する走査装置と、を備え、
前記走査装置を用いて前記計測光で前記第2面を走査しつつ、前記受光装置を用いて前記第2面で反射された前記計測光を受光することで前記物体の形状に関する情報を求める測定装置。 - 前記走査装置は、前記吸引装置と前記照射装置のうちの少なくとも一方を、前記第1面または前記第2面に沿った方向に移動させる駆動装置を含み、
該駆動装置によって前記吸引装置と前記照射装置とを相対移動させることで、前記計測光を用いて前記物体の裏面を走査する、請求項1に記載の測定装置。 - 前記走査装置は、前記吸引装置と前記照射装置のうちの少なくとも一方を、前記第1面または前記第2面に沿った面内で回転させる駆動装置を含み、
該駆動装置によって前記吸引装置と前記照射装置とを相対移動させることで、前記計測光を用いて前記物体の裏面を走査する、請求項1に記載の測定装置。 - 前記物体の形状に関する情報は、前記第2面の面形状に関する情報である請求項1〜3のいずれか一項に記載の測定装置。
- 前記吸引装置は、前記第1面からエアを噴出して前記物体を非接触で保持するベルヌーイチャックを含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の測定装置。
- 前記測定装置は、前記第2面において該第2面に垂直な方向に関する形状を求める請求項1〜5のいずれか一項に記載の測定装置。
- 前記測定装置の測定結果に基づいて、前記吸引装置が発生する吸引力を調整する請求項1〜6のいずれか一項に記載の測定装置。
- 前記物体の平坦度が維持されるように、前記吸引力を調整する請求項7に記載の測定装置。
- エネルギビームを照射して物体上にパターンを形成する露光装置であって、
物体を保持して移動可能な第1の移動体と、
前記第1の移動体に保持された物体にエネルギビームを照射する投影光学システムと、
請求項1〜8のいずれか一項に記載の測定装置と、を備え、
前記測定装置を用いて前記物体の形状に関する情報を求めた後に前記第1の移動体が前記物体を保持する露光装置。 - 前記第1の移動体とは独立して移動可能な第2の移動体をさらに備え、
前記受光装置は、前記第1の移動体と前記第2の移動体とのいずれかに設けられ、該いずれかの移動体を駆動することで、前記計測光を用いて前記物体の裏面を走査して前記物体の形状を測定する、請求項9に記載の露光装置。 - 前記第1の移動体に保持された物体上にパターンを形成するのと並行して、前記測定装置によって前記吸引装置に吸引された物体の形状に関する情報を求める、請求項9又は10に記載の露光装置。
- 前記吸引装置を用いて物体を前記第1の移動体上に搬送する請求項9又は10に記載の露光装置。
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