JP2004221251A - 露光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板を真空雰囲気内で露光する露光装置において、露光構造体を真空雰囲気内で高精度に支持可能とする。
【解決手段】基板を真空雰囲気内で露光する露光装置において、金属ベローズ59を用いて形成された除振マウント11,51,91を真空チャンバ3内に設け、前記除振マウントにより前記真空チャンバ内のマスクステージ定盤6、ウエハステージ定盤8、鏡筒定盤10等の露光構造体を支持する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パターンを基板としての半導体ウエハ上に真空雰囲気中で露光する露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路等の半導体デバイスや、マイクロマシン、薄膜磁気ヘッド等の微細なパターンが形成されたデバイスの製造では、原版であるマスクを介して被転写体である基板としての半導体ウエハ上に露光エネルギーとしての露光光(この用語は、可視光、紫外光、EUV光、X線、電子線、荷電粒子線等の総称として以下使用する)を投影系としての投影レンズ(この用語は、屈折レンズ、反射レンズ、反射屈折レンズシステム、荷電粒子レンズ等の総称として以下使用する)を介してまたは介さずに照射することによって、基板上に所望のパターンを形成している。
【0003】
半導体デバイスを製造する際には、所望の回路パターンに対応したマスクをレジストが表面に塗布された半導体ウエハに対して用意する場合、マスクを介して半導体ウエハに露光光を照射し、レジストを選択的に露光して回路パターンを転写した後、エッチング工程や成膜工程を行う。露光工程を含む斯かる工程を繰り返すことにより、半導体ウエハ上に所望の回路が形成される。マスクを使用せずに半導体ウエハ上に回路パターンを直接描画してレジストを露光する場合も、同様な工程により、半導体ウエハ上に所望の回路が形成される。
【0004】
波長5〜15nm(軟X線領域)に発振スペクトルを有するEUV(Extreme Ultra Violet)光を露光光として使用する露光装置(このような装置を以下EUV露光装置と呼称する)は、例えば特許文献1に開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平09−298142号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
EUV露光装置では、EUV光の発生源からマスクまでの照明光路、マスクからウエハまでの露光光路の一方または両方を含む露光光路の周囲環境が真空雰囲気となる。なお、以下の説明では、EUV露光装置を例にとって説明するが、本発明は、EUV露光と同様に露光光路の周囲環境を真空雰囲気とする必要のある電子ビーム露光、イオンビーム露光等の荷電粒子ビーム露光にも適用可能であり、その利用を妨げるものはない。
【0007】
EUV露光装置では、原板としてのマスク〈またはレチクル〉を保持するマスクステージと基板としてのウエハを保持するウエハステージに走査露光のために高い同期精度が要求されると同時に、投影系としての投影レンズや、マスクステージを支持するマスクステージ定盤や、ウエハステージを支持するウエハステージ定盤等の少なくとも一つを含む露光構造体の除振と制振の一方または両方を行いながら斯かる露光構造体を高精度に支持することが要求される。
【0008】
一般的に、上述の露光構造体の少なくとも一つは、除振と制振の一方または両方のために、例えば除振装置を介して基礎構造体としての床や真空環境としての真空雰囲気を形成するための真空チャンバに対して支持されている。除振装置は床からの振動を絶縁して露光構造体を除振する機能を有し、各ステージ定盤におけるステージ移動により発生する振動を抑える制振機能が必要に応じて更に付加される。
【0009】
除振装置としての除振機構を構成するダンパまたはアクチュエータは、気体バネとしての空気バネを利用して構成されることが多く、このため投影レンズ等の露光構造体を真空雰囲気で支持するためには解決しなければならない問題がある。
【0010】
一つの解決方法としては、除振装置を真空チャンバの外側に配置し、これと真空チャンバ内の投影レンズ等の露光構造体を支柱等で連結して支持する方法が考えられる。しかし、この方法では、真空チャンバに支柱を通すための開口を設けることが必須となり、チャンバの内部と外部の雰囲気を遮断するために、上記開口を被うという新たな問題も生じる。また、この方法では、支柱の剛性による振動が極めて大きな問題となる。
【0011】
そこで、本発明の課題は、基板を真空雰囲気内で露光する露光装置において、露光構造体を真空雰囲気内で高精度に支持可能とすることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、基板を真空雰囲気内で露光する露光装置において、金属ベローズを用いて形成された除振機構を真空チャンバ内に設け、前記除振機構により前記真空チャンバ内の露光構造体を支持することを特徴とする。
【0013】
(作用)
本発明によれば、露光装置において、露光構造体と除振機構を連結する支柱を通すための開口をチャンバに設ける必要がなく、支柱の剛性による振動の問題もない。また、除振機構を真空チャンバの外部に配置する場合に比して、露光構造体に対する除振機構の配置に自由度が多くなるので、装置スペース(真空チャンバを含む)を小さく抑えることができ、更には最適な除振、必要な場合には制振も可能にできる。
【0014】
また、本発明によれば、ゴムを使用した場合と異なり、ゴムからのアウトガス及びバネ内の気体としての空気の透過により、真空環境または真空雰囲気の真空度が低下する、もしくは真空度が上がらないという問題も発生しない。
【0015】
なお、金属ベローズは駆動方向と交差する方向としての駆動方向に直角な方向に高い剛性を持つため、金属ベローズに例えば直列に金属ロッド等で駆動方向と交差する方向に低い剛性を持つ連結機構を設ければ、駆動方向及び駆動方向と交差する方向に柔軟なアクチュエータとすることができる。
【0016】
また、金属ベローズ内には、例えば真空対応でない加速度計、変位計、電磁アクチュエータ等のセンサやアクチュエータを配置することもできる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
【0018】
<第1実施形態>
図1は、本実施形態による露光装置の概略構成を示す図である。図1において、1は励起レーザであり、光源の発光点となる光源材料をガス化、液化或いは噴霧ガス化させたポイントに向けてレーザを照射して、光源材料原子をプラズマ励起することにより極紫外光としてのEUV光を発光させる。本実施形態では、励起レーザ1としてYAG固体レーザ等を用いる。
【0019】
2は光源発光部であり、その内部は真空に維持された構造を持つ。ここで、2Aは光源であり、実際の発光ポイントを示す。光源2Aの周囲には光源ミラーが設けられ、光源2Aからの全球面光を発光方向に揃え集光反射し、露光光を生成する。光源ミラーは、光源2Aの位置を中心とした半球面状のミラーとして配置される。不図示のノズルから発光元素としての液化Xe、噴霧状の液化XeあるいはXeガスを光源2Aの位置に配置させる。
【0020】
3は環境チャンバとしての真空チャンバであり、露光装置全体を格納する。4は真空ポンプであり、真空チャンバ内3を排気して真空状態を維持する。5は露光光導入部であり光源発光部2からの露光光を導入成形する。露光光導入部5は、ミラー5A〜5Dにより構成され、露光光を均質化かつ整形する。
【0021】
6はマスクステージであり、マスクステージ6上の可動部には露光パターンの反射原板である原板としての反射型マスク〈またはレチクル〉6Aが搭載されている。7は投影系である投影レンズとしての縮小投影ミラー光学系であり、マスク6Aで反射した露光光により形成される露光パターンをウエハ8A上に縮小投影する。縮小投影ミラー光学系7では、露光光がミラー7A,7B,7C〈マスク6A側〉,7D,7E,7C〈ウエハ8A側〉の順で投影反射され、最終的に規定の縮小倍率比でウエハ8A上に露光パターンの像が縮小投影される。
【0022】
光源発光部2からの露光光を導入成形する露光光導入部5のミラー5A〜5D及び縮小投影ミラー光学系7のミラー7A〜7Eは、Mo−Siの多層膜を蒸着あるいはスパッタにより形成した反射面を有し、それぞれの反射面で光源からの露光光を反射するものである。
【0023】
8はウエハステージであり基板としてのウエハ8Aを搭載する。ウエハ8Aはマスク6A上の露光パターンの像が反射縮小投影されて露光されるSi基板である。ウエハステージ8はウエハ8Aを所定の露光位置に位置決めするために、X,Y,Zの各軸、X軸回り及びY軸回りのチルト〈ωx,ωy〉、Z軸回りの回転〈θ〉方向の6軸駆動可能に位置決め制御される。
【0024】
9は真空チャンバ3内に配置されているマスクステージ支持体であり、マスクステージ6のマスクステージ定盤を真空チャンバ3内に配置されている除振機構としての除振マウント91を介して支持する。マスクステージ支持体9は真空チャンバ3の床に対して固定されているが、この構成に限るものではなく、真空チャンバ3を含む露光装置全体を設置する設置床から支持するようにしても良い。
【0025】
除振マウント91は後述するように気体としての空気を利用したダンパまたはアクチュエータを含み、マスクステージ6のマスクステージ定盤とマスクステージ支持体9を振動的に絶縁している。
【0026】
85は真空チャンバ3内に配置されている鏡筒定盤支持体〈複数〉であり、図2に詳細に示されるように、縮小投影ミラー光学系7の鏡筒を保持する鏡筒定盤10を真空チャンバ3内に配置されている除振装置としての除振マウント51を介して支持する。鏡筒定盤支持体85は真空チャンバ3の床に対して固定されているが、この構成に限るものではなく、真空チャンバ3を含む露光装置全体を設置する設置床から支持するようにしても良い。
【0027】
除振マウント51は後述するように気体としての空気を利用したダンパまたはアクチュエータを含み、鏡筒定盤10と鏡筒定盤支持体85を振動的に絶縁している。
【0028】
11は真空チャンバ3内に配置されている除振装置としての除振マウントであり、図2に詳細に示されるように、真空チャンバ3の床に対して固定されているウエハステージ支持体〈不図示〉に対してウエハステージ8のウエハステージ定盤を支持する。ウエハステージ支持体は真空チャンバ3の床に対して固定されているが、この構成に限るものではなく、真空チャンバ3を含む露光装置全体を設置する設置床から支持するようにしても良い。
【0029】
除振マウント11は後述するように気体としての空気を利用したダンパまたはアクチュエータを含み、ウエハステージ定盤とウエハステージ定盤支持体を振動的に絶縁している。
【0030】
図1に示すように、除振マウント91,51,11により、マスクステージ6〈及び/またはマスクステージ定盤〉、縮小投影ミラー光学系7(及び/または鏡筒定盤10)、ウエハステージ8〈及び/またはウエハステージ定盤〉のそれぞれは、真空チャンバ3または設置床に対して振動的に絶縁された状態で真空チャンバ3内に位置する。また、マスクステージ6〈及び/またはマスクステージ定盤〉、縮小投影ミラー光学系7(及び/または鏡筒定盤10)、ウエハステージ8〈及び/またはウエハステージ定盤〉のそれぞれは、除振マウント91,51,11により分離独立して支持され、互いに対しても振動的に絶縁されている。
【0031】
マスクステージ6のマスクステージ定盤と縮小投影ミラー光学系7を保持する鏡筒定盤10との間の相対位置は、相対位置検出器としてのレーザ干渉式測長器81を用いて、X,Y,Z,ωx,ωy,θ方向のいくつかもしくは全ての方向に関して計測され、この計測値に基づいて除振マウント91及びまたは除振マウント51内の空気バネを用いたダンパまたはアクチュエータを制御することにより所定の相対位置関係に連続して維持される。また、同様に縮小投影ミラー光学系7を保持する鏡筒定盤10とウエハステージ8のウエハステージ定盤との間の相対位置も、相対位置検出器としてのレーザ干渉式測長器82を用いて、X,Y,Z,ωx,ωy,θ方向のいくつかもしくは全ての方向に関して計測され、この計測値に基づいて除振マウント51及びまたは除振マウント11内の空気バネを用いたダンパまたはアクチュエータを制御することにより所定の相対位置関係に連続して維持される。
【0032】
除振マウント91,51,11は、マスクステージ6のマスクステージ定盤、縮小投影ミラー光学系7、ウエハステージ8のウエハステージ定盤への真空チャンバ3または装置設置床からの振動を絶縁するが、更にマスクステージ6の移動により発生するマスクステージ定盤の振動、ウエハステージ8の移動により発生するウエハステージ定盤の振動を制振するように、内部の空気バネを用いたダンパまたはアクチュエータを制御するようにしても良い。なお、図1の露光装置は、マスク6Aのパターンの像を縮小投影ミラー光学系7を介してウエハ8A上の領域に投影露光する際、マスクステージ6とウエハステージ8を図の矢印方向に同期を取りながら移動して走査露光するものである。また、この装置はウエハ8A上の各領域をステップ移動と走査露光を繰り返しながら順に露光していくためステップアンドスキャン型と一般に呼ばれている。
【0033】
12はマスクストッカーであり、装置〈真空チャンバ3〉外部から一旦装置内部にマスク6Aを保管するものである。マスクストッカー12では、保管容器に密閉状態で異なるパターン及び異なる露光条件に合わせた複数のマスクが保管される。13はマスクチェンジャーであり、マスクストッカー12から使用すべきマスクを選択して搬送する。
【0034】
14はマスクアライメントユニットであり、X,Y,Z及びZ軸周り〈θ〉に回転可能な回転ハンドを有する。マスクアライメントユニット14は、マスクチェンジャー13からマスク6Aを受け取り、マスクステージ6の端部に設けられたマスクアライメントスコープ15の視野内に180度回転搬送し、縮小投影ミラー光学系7を基準に設けられたアライメントマークに対してマスク6AをX,Y,Z軸回転〈θ〉方向に微動してアライメントする。即ち、XYシフト方向及びZ軸回転〈θ〉方向にマスク6Aを微動調整することにより、縮小投影ミラー光学系7を基準に設けられたアライメントマークに対してマスク6A内のアライメントマークを合わせる。こうして、マスクステージにマスク6Aを固定する際に、投影系基準としての縮小投影ミラー光学系7にマスク6Aがアライメントされる。アライメントを終了したマスク6Aはマスクステージ6上にチャッキングされる。
【0035】
16はウエハストッカーであり、装置〈真空チャンバ3〉外部から一旦装置内部にウエハ8Aを保管する。ウエハストッカー16では、保管容器に複数枚のウエハが保管されている。17はウエハ搬送ロボットであり、ウエハストッカー16から露光処理するべきウエハを選定し、ウエハメカプリアライメント温調機18に運ぶ。ウエハメカプリアライメント温調機18は、ウエハ8Aの回転方向の送り込み粗調整を行うと同時に、ウエハ温度を露光装置内部の温調温度に合わせ込む。19はウエハ送り込みハンドであり、ウエハメカプリアライメント温調機18にてアライメント及び温調されたウエハをウエハステージ8に送り込む。
【0036】
20及び21はゲートバルブであり、装置〈真空チャンバ3〉外部からマスク及びウエハを挿入するゲート開閉機構である。22も同じくゲートバルブで、装置内部でウエハストッカー16及びウエハメカプリアライメント温調機18の空間と露光空間とを隔壁で分離し、ウエハを搬入または搬出〈搬送と総称する〉するときにのみ開閉する。このように、隔壁で分離することにより、装置外部との間でウエハを搬送する際に、大気開放される容積を最小限にし、速やかに真空平行状態に戻すことを可能にしている。
【0037】
図3を用いて除振機構を詳細に説明する。除振機構11,51,91は同一構造のものでも良いので、以下の説明では除振機構51を例にとって説明する。なお、除振機構11,51,91は全て同一構造とする必要はなく、後述する他の実施形態のものを組み合わせて使用しても良いことは言うまでもない。
【0038】
図3において、除振機構51は、底面が開口している箱型の可動体としての可動カバー55と、鏡筒定盤支持体58に取り付け固定されている支持体としての支持ブロック56を含んでいる。可動カバー55は鏡筒定盤10に取り付け固定され、その内側上面の中心または実質的に中心の位置にズレ吸収機構としてのジンバルピストン57のピストンを構成するロッド55aがZ軸方向に伸びて設けられている。ロッド55aの先端は金属球55bを介してジンバルピストン57のシリンダの底面で支持されている。ジンバルピストン57はこの構成によりXY面に平行な方向に関して柔軟な構造とされる。
【0039】
支持ブロック56とジンバルピストン57の間には密閉空間を形成するためにZ軸方向に伸縮可能なようにZ軸方向に沿って蛇腹状に形成されているステンレス〈例えばSUS304〉製の金属ベローズ59aが設けられ、支持ブロック56内に形成されている空間56aと協働して、鏡筒定盤10を鏡筒定盤支持体58に対してZ軸方向に支持する気体バネとしての空気バネを構成している。金属ベローズ59aはZ軸方向の剛性に比してZ軸と交差する面として直交するXY面に平行な方向の剛性が高くなり、そのままでは可動カバー55と支持ブロック56間のXY面に平行な方向の相対移動を拘束してしまうが、両者のXY面に平行な方向の相対移動はジンバルピストン57により補償される。
【0040】
また、支持ブロック56のX軸方向に沿った両側と可動カバー55の間にはそれぞれ密閉空間を形成するためにX軸方向に伸縮可能なようにX軸方向に沿って蛇腹状に形成されているステンレス〈例えばSU304〉製の金属ベローズ59b,59cがそれぞれ設けられ、支持ブロック56内に形成されている空間56b,56cと協働して鏡筒定盤10を鏡筒定盤支持体58に対してX軸方向に支持する気体バネとしての空気バネを構成している。なお、支持ブロック56のY軸方向に沿った両側と可動カバー55の間にはそれぞれ密閉空間を形成するためにY軸方向に伸縮可能なようにY軸方向に沿って蛇腹状に形成されているステンレス〈例えばSUS304〉製の金属ベローズが、金属ベローズ59b,59cと同様にそれぞれ設けられているが、その構成は上述したものと同様であるので、ここでは説明を繰り返さない。
【0041】
なお、金属ベローズをステンレス〈例えばSUS304〉製とするのは、防錆〈メッキ不要〉、電解研磨可能などの理由からである。
【0042】
空間56a,56b,56cは、不図示の気体供給源にそれぞれ管路60a,60b,60cを介して接続され、鏡筒定盤10の除振のためにその内部の圧力が制御される。また、必要に応じて制振のためにも制御される。
【0043】
また、金属ベローズ59bと空間56bで形成される空気バネの内部には、支持ブロック56〈鏡筒定盤支持体58〉を基準として可動カバー55〈鏡筒定盤10〉にX軸方向の力を与えるアクチュエータ61aとしてのリニアモータまたはボイスコイルモータと、可動カバー55に取り付け固定された検出ターゲット63aのX軸方向の変位を、支持ブロック56を基準として検出するために支持ブロック56に取り付け固定された位置センサ62aと、可動カバー55に取り付け固定された振動センサ64aとしての加速度計が周囲の真空雰囲気から隔離されて設けられている。位置センサ62aは鏡筒定盤10と鏡筒定盤支持体58間のX軸方向に沿った相対変位を検出し、振動センサ64aは鏡筒定盤10の振動を検出する。
【0044】
金属ベローズ59cと空間56cで形成される空気バネの内部には、支持ブロック56〈鏡筒定盤支持体58〉を基準として可動カバー55〈鏡筒定盤10〉にZ軸方向の力を与えるアクチュエータ61bとしてのリニアモータまたはボイスコイルモータと、可動カバー55に取り付け固定された検出ターゲット63bのZ軸方向の変位を、支持ブロック56を基準として検出するために支持ブロック56に取り付け固定された位置センサ62bと、可動カバー55に取り付け固定された振動センサ64bとしての加速度計が設けられている。位置センサ62bは鏡筒定盤10と鏡筒定盤支持体58間のZ軸方向に沿った相対変位を検出し、振動センサ64aは鏡筒定盤10の振動を検出する。
【0045】
各センサの出力は、不図示の制御装置に送られ処理されて、鏡筒定盤10の変位や振動を抑えるためにアクチュエータ61a,61bや前述した不図示の気体供給源に制御信号として送られる。各センサの出力や各アクチュエータを制御するための制御信号を送るための配線は、支持ブロック56の内部を通って鏡筒定盤支持体58の内部空間に案内されている。なお、Y軸方向に設けられる空気バネの内部にも同様にセンサ及びアクチュエータが設けられている。これらにより、空気バネとアクチュエータを用いたハイブリッドなアクティブダンパが構成され、除振と制振に対して有効に機能する。
【0046】
図9は、鏡筒定盤10をZ軸方向から示すものであり、鏡筒定盤10に対する除振マウントの配置を示すものである。(A)は3個の除振マウント51を鏡筒定盤10に対して設ける例を示し、(B)は4個の除振マウント51を鏡筒定盤10に対して設ける例を示している。
【0047】
<第2実施形態>
図4に示す実施形態は、第1実施形態から各センサ及びアクチュエータをなくしたものであり、ハイブリッドではないアクティブまたはパッシブダンパを構成する。その他は、第1実施形態と同様である。
【0048】
<第3実施形態>
図5(A)に示す実施形態は、アクチュエータ61b、位置センサ62b、検出ターゲット63b、振動センサ64bのそれぞれを、空間56aと金属ベローズ59aで構成される空間内に配置したものである。また、この実施形態では、ジンバルピストン57を可動カバー55と支持ブロック56の間からなくしている点が、第1実施形態と異なっている。この実施形態でも、空気バネとアクチュエータを用いたハイブリッドなアクティブダンパが構成され、除振と制振に対して有効に機能する。
【0049】
<第4実施形態>
図5(B)に示す実施形態は、第3実施形態から各センサ及びアクチュエータをなくしたものであり、ハイブリッドではないアクティブまたはパッシブダンパを構成する。その他は、第3実施形態と同様である。
【0050】
<第5実施形態>
図6(A)に示す実施形態は、第1実施形態に示されるジンバルピストンを各空気バネに関して設け、各センサ及びアクチュエータをなくしたものであり、ハイブリッドではないアクティブまたはパッシブダンパを構成する。この実施形態によれば、可動カバー55と支持ブロック56のZ軸方向の変位を金属ベローズ59b,59cが拘束することがない。その他は、第1実施形態と同様である。
【0051】
<第6実施形態>
図6(B)に示す実施形態は、第5実施形態に示される各ジンバルピストンを細いロッド70a,70b,70cに置き換えたものであり、ハイブリッドではないアクティブまたはパッシブダンパを構成する。その他は、第5実施形態と同様である。
【0052】
<第7実施形態>
図7(A)に示す実施形態は、第4実施形態をZ軸方向のみに空気バネが存在するように変形したものであり、ハイブリッドではないアクティブまたはパッシブダンパを構成する。その他は、第4実施形態と同様である。
【0053】
<第8実施形態>
図7(B)に示す実施形態は、第7実施形態にジンバルピストン57を付加したものであり、ハイブリッドではないアクティブまたはパッシブダンパを構成する。その他は、第4実施形態と同様である。
【0054】
<第9実施形態>
図8(A)に示す実施形態は、空気バネ71a,71b,71cを金属ベローズを用いて構成するのではなく、可動カバー55と支持ブロック56の間を金属ベローズ59dで繋ぎ、その内部を密閉空間とすることにより、真空雰囲気中での使用を可能とするものである。この実施形態では、空気バネ71a,71b,71cはゴム等の弾性部材を用いて構成することができる。この実施形態は、ハイブリッドではないアクティブまたはパッシブダンパを構成する。その他は、第4実施形態と同様である。
【0055】
<第10実施形態>
図8(B)に示す実施形態は、第8実施形態に、アクチュエータ61a,61b、位置センサ62a,位置センサ62b、検出ターゲット63a,検出ターゲット63b、振動センサ64a,振動センサ64bを付加したものであり、この実施形態は、空気バネとアクチュエータを用いたハイブリッドなアクティブダンパが構成され、除振と制振に対して有効に機能する。その他は、第1実施形態と同様である。
【0056】
<第11実施形態>
次に、この露光装置を利用した半導体デバイスの製造プロセスを説明する。図10は半導体デバイスの全体的な製造プロセスのフローを示す図である。ステップ1(回路設計)では半導体デバイスの回路設計を行う。ステップ2(マスク作製)では設計した回路パターンに基づいてマスクを作製する。
【0057】
一方、ステップ3(ウエハ製造)ではシリコン等の材料を用いてウエハを製造する。ステップ4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、上記のマスクとウエハを用いて、上記の露光装置によりリソグラフィ技術を利用してウエハ上に実際の回路を形成する。次のステップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ5によって作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の組み立て工程を含む。ステップ6(検査)ではステップ5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、ステップ7でこれを出荷する。
【0058】
上記ステップ4のウエハプロセスは以下のステップを有する。ウエハの表面を酸化させる酸化ステップ、ウエハ表面に絶縁膜を成膜するCVDステップ、ウエハ上に電極を蒸着によって形成する電極形成ステップ、ウエハにイオンを打ち込むイオン打ち込みステップ、ウエハに感光剤を塗布するレジスト処理ステップ、上記の露光装置によって回路パターンをレジスト処理ステップ後のウエハに転写する露光ステップ、露光ステップで露光したウエハを現像する現像ステップ、現像ステップで現像したレジスト像以外の部分を削り取るエッチングステップ、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除くレジスト剥離ステップ。これらのステップを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンを形成する。
【0059】
<実施態様の例>
本発明の実施態様の例を以下に列挙する。
【0060】
[実施態様1] 基板を真空雰囲気内で露光する露光装置において、金属ベローズを用いて形成された除振機構を真空チャンバ内に設け、前記除振機構により前記真空チャンバ内の露光構造体を支持することを特徴とする露光装置。
【0061】
[実施態様2] 前記除振機構は、金属ベローズを用いて形成された気体バネを有することを特徴とする実施態様1に記載の露光装置。
【0062】
[実施態様3] 前記除振機構は、前記気体バネの伸縮方向と交差する面と平行な方向に関してのズレを吸収するズレ吸収機構を有することを特徴とする実施態様2に記載の露光装置。
【0063】
[実施態様4] 前記ズレ吸収機構は、ジンバルピストンを有することを特徴とする実施態様3に記載の露光装置。
【0064】
[実施態様5] 前記金属ベローズを用いて形成された空間内には、変位センサ、振動センサ、アクチュエータの少なくとも一つが周囲の真空雰囲気から隔離されて配置されていることを特徴とする実施態様1〜4のいずれかに記載の露光装置。
【0065】
[実施態様6] 前記露光構造体は、マスクステージ定盤、鏡筒定盤、基板ステージ定盤の少なくとも一つを含むことを特徴とする実施態様1〜5のいずれかに記載の露光装置。
【0066】
[実施態様7] デバイス製造方法であって、基板に感光剤を塗布する工程と、前記基板を実施態様1〜6のいずれかに記載の露光装置により露光する工程と、前記基板を現像する工程を含むことを特徴とするデバイスの製造方法。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、露光構造体を真空雰囲気内で高精度に支持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の露光装置の第1実施形態を示す図。
【図2】第1実施形態の要部を示す図。
【図3】第1実施形態の除振マウントを示す図。
【図4】第2実施形態を示す図。
【図5】(A)は第3実施形態を示し、(B)は第4実施形態を示す図。
【図6】(A)は第5実施形態を示し、(B)は第6実施形態を示す図。
【図7】(A)は第7実施形態を示し、(B)は第8実施形態を示す図。
【図8】(A)は第9実施形態を示し、(B)は第10実施形態を示す図。
【図9】(A),(B)は除振マウントの配置例を示す図。
【図10】半導体デバイスの全体的な製造プロセスのフローを示す図。
【符号の説明】
6 マスクステージ
7 縮小ミラー投影光学系
8 ウエハステージ
10 鏡筒定盤
11,51,91 除振マウント
57 ジンバルピストン
59a,59b,59c 金属ベローズ

Claims (1)

  1. 基板を真空雰囲気内で露光する露光装置において、金属ベローズを用いて形成された除振機構を真空チャンバ内に設け、前記除振機構により前記真空チャンバ内の露光構造体を支持することを特徴とする露光装置。
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