JP2007321932A - 気体ばね式除振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】真空チャンバC等の減圧環境下で使用する気体ばね式の除振装置を、コンパクトでありながら、非常に柔らかなばね特性を有するものとする。
【解決手段】真空チャンバC内で機器1を搭載するアイソレータユニット2(除振装置)を、エアマウント4とその周囲を囲むシールドカバー5とを備えるものとする。シールドカバー5等により真空チャンバC内から隔離されたアイソレータユニット2内の空間Sに大気圧を導入し、真空チャンバC内との差圧によりトッププレート6を浮上させて、機器1の荷重を支持する支持機構(気体圧作動機構)を構成する。これによりエアマウント4の支持荷重が非常に小さくなり、ばね定数が非常に小さくなって、高い除振性能が得られる。支持機構は、容積無限大の補助タンクが付加された空気ばねとも見做される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、精密機器等を気体ばねにより支持して、振動の伝達を抑制するようにした気体ばね式の除振装置に関し、特に真空チャンバ等のように減圧された環境下で使用されるものに係る。
従来より、この種の除振装置として、例えば特許文献1、2にそれぞれ開示されるように、通常はゴムにより形成される気体ばねの可撓性壁(ベローズ、ダイヤフラム)を金属製の溶接ベローズにより構成して、真空チャンバ内で使用してもアウトガスの問題を生じないようにしたものが知られている。
前記溶接ベローズは、金属製の環状薄板を複数枚、重ね合わせて外周及び内周を交互に溶接したものであり(図4の符号50を参照)、軸方向についてゴムのダイヤフラムと同等の柔らかなばね特性を有するとともに、大きな屈曲性も併せ持っている。
特開2004−221251号公報 特開2005−3088号公報
ところで、一般に、真空チャンバ内の限られた空間において精密機器を支持する気体ばねには、その機器との空間の取り合いもあってコンパクト化の要求が強く、気体室の容積をあまり大きくすることができない。
一方で、気体ばねにより支持される精密機器や定盤はかなりの重量を有するから、静止状態でも気体ばねに加わる支持荷重は比較的大きくなり、前記のように気体室の容積が比較的小さいことと相俟って、ばね定数が大きくなりやすい。そのため、固有振動数を低下させて、除振性能を高めることは難しかった。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、真空チャンバのような減圧室内で使用される気体ばね式の除振装置において、その気体室の構成に工夫を凝らし、コンパクトでありながら、非常に柔らかなばね特性が得られるようにすることにある。
前記の目的を達成するために、本発明は、減圧室内外の圧力差に着目し、気体ばねの気体室を減圧室外に連通させて、容積無限大の補助タンクとして活用するようにしたものである。すなわち、請求項1の発明では、減圧室内で被支持体を気体ばねにより支持するようにした除振装置を対象とし、その気体ばねの気体室を減圧室外に連通させて、大気圧を受けるように構成した。
前記の構成により、気体ばねの気体室が減圧室外に連通し、大気圧を受けることから、この気体ばねには容積無限大の補助タンクが付加されているとみなすことができ、ばね定数が非常に小さくなるので、気体ばね自体はコンパクトであっても非常に柔らかなばね特性が得られる。
好ましいのは、前記気体ばねとして、金属製ベローズを有するものを用いることであり(請求項2の発明)、こうすれば、減圧室の内圧が非常に低くてもアウトガスの問題は生じない。
また、その場合には、前記気体ばねの気体室内に、被支持体を支持する別のばね要素を配設することもできる(請求項3の発明)。こうすれば、気体ばねのばね定数を零に近づけても、その気体室内に配設した別のばね要素によって元の高さへの復帰が可能になり、被支持体を安定的に支持することができる。しかも、その別のばね要素は、気体ばねによって減圧室内から遮断されているので、それを配設したことによってアウトガスの問題が生じることもない。
より好ましいのは前記別のばね要素も気体ばねにより構成することであり(請求項4の発明)、こうすれば、除振装置に好適な柔らかなばね特性が容易に得られる。特に、ジンバルピストンを有する気体ばねを用いた場合は(請求項5の発明)、上下方向のみならず水平方向にも非常に柔らかいばね特性が得られるので、除振装置として非常に好ましい。
また、そうしてジンバルピストンを用いる場合には、気体ばねの金属製ベローズを互いに上下に離間させて2つ配置し、それらの中間に配置した金属製パイプ部材によって連結することが好ましい(請求項6の発明)。こうすれば、上下2つの金属製ベローズがそれぞれ柔軟に屈曲するとともに、中間のパイプ部材が揺動することで水平方向の変位が許容されるようになり、水平方向にも柔らかなばね特性が得られるというジンバルピストンの特長が十分に活かされる。
見方を変えれば、本発明は、減圧室の内外の圧力差に着目し、これを利用して搭載機器の荷重の一部を支持するようにしたものということもできる。
すなわち、請求項7の発明は、請求項1の発明と同じく、減圧室内で被支持体を気体ばねにより支持するようにした除振装置を対象として、その気体ばねとは別に、気体圧により作動して被支持体を支持する支持機構を設け、この支持機構の作動室を減圧室外に開放して、大気圧を受けるように構成したものである。
前記構成によると、大気圧を受けて減圧室内との差圧により作動する支持機構、例えばシリンダやベローズ等によって、被支持体の荷重の一部を支持することができ、その分、気体ばねによる支持荷重が小さくなるから、その気体ばねのばね定数を小さくして、コンパクトであっても非常に柔らかなばね特性のものとすることができる。
好ましいのは、前記支持機構として金属製ベローズを有する空気ばねを用い、その空気室内に気体ばねを配設することであり、より好ましいのは、気体ばねとしてジンバルピストンを有するものを用いることである。こうすると、前記請求項5の発明に係る除振装置と同じ構成になる。
尚、ジンバルピストンというのは、被支持体の水平方向変位をピストンの揺動に変換して吸収するようにしたものであり、気体ばねの基台ケースの開口付近に可撓性部材によって保持したピストン本体と、上部に被支持体の荷重を受ける支持柱とを備え、そのピストン本体には上下方向の貫通孔を形成するとともに、該貫通孔の下方に対応して有底筒状の下方延出部を設け、この下方延出部の中空部内を上下に延びるように前記支持柱を配置して、その下端部を下方延出部の底部にて枢支させたものである。
そうした構成により、被支持体が水平方向に変位すると、ジンバルピストンの支持柱も水平方向に変位し、これによりピストン本体及びその下方延出部が揺動するようになる。すなわち、ピストン本体の左右両側でこれを保持する可撓性部材が互いに逆の向きに撓むことで、該ピストン本体が容易に揺動し、これにより被支持体の水平方向の変位が吸収されることになる。
以下、本発明の実施形態を図面に基いて説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
−全体構成−
図1は、本発明に係る気体ばね式除振装置の使用態様を示し、真空チャンバC(減圧室)内で例えば半導体関連装置等の精密機器1(被支持体)を、床振動から殆ど絶縁した状態で設置するために複数のアイソレータユニット2,2,…(図には2つ示す)によって支持したものである。
そうして複数のアイソレータユニット2,2,…により支持された機器1は、水平方向及び上下方向の3軸に沿った並進運動の他に、該各軸周りの揺動運動が可能で合計6つの運動自由度を有しており、この機器1を支持する各アイソレータユニット2にはそれぞれ並進及び揺動運動が重畳されて作用することになるが、いずれの運動方向についても変位量は小さいから、各アイソレータユニット2において生じる運動は実質的に上下又は水平の並進運動と見做すことができる。
前記アイソレータユニット2は、空気ばね3(気体ばね)を内包するエアマウント4と、その周囲を囲むシールドカバー5とを備え、それらの上部が各々トッププレート6に締結される一方、下部は各々ボトムプレート7に締結されて、一体化されたものである。ボトムプレート7は真空チャンバCの床に固定されており、このボトムプレート7とシールドカバー5及びトッププレート6とによって取り囲まれた空間Sは、真空チャンバC内から隔離されている。
−エアマウント−
前記エアマウント4は、従来例(特許文献2)のものと同様にダイヤフラム形空気ばね3のピストンにジンバル機構を組み込んで、上下方向に柔らかいという空気ばね本来の特性に加えて、水平方向にも柔らかなばね特性が得られるようにしたものである。より具体的には図2にも示すように、エアマウント4は、ボトムプレート7の上面に締結された矩形箱状のケーシング40(基台ケース)を備え、このケーシング40の天井部に開口する丸穴40aに内挿された状態で、ダイヤフラム41により上下動可能にピストン本体42が保持されている。
すなわち、図3にも示すようにピストン本体42は、中心を断面円形の貫通孔42aが上下方向に延びるドーナツ状とされ、外周の下側約半分には下方に向かって縮径するテーパ面が形成されている。そして、そのピストン本体42の下端面から外周側テーパ面全体を覆うように上方に延び、湾曲して下方に折り返された後に外周側に広がって丸穴40aの周縁までの隙間を閉塞するように、ダイヤフラム41が配設されている。これにより、ケーシング40内には空気室が区画され、ここにピストン本体42の下端面が臨んでその内圧を受けることで、主に上下方向の荷重を支持する空気ばね3が構成されている。
前記ダイヤフラム41は、ゴム弾性膜により概略皿状に形成され、前記のようにピストン本体42の下面に接着される内周部41aと、その外周側に連続して上方に凸となるように湾曲する環状ロール部41bと、さらにその外周側に連続する鍔状に設けられ、丸穴40aを囲むケーシング40の上壁に接着される外周フランジ41cとからなる。外周フランジ41cは、ケーシング40の上壁とそこに締結される環状の締付け部材43とによって挟持されている。
そうしてピストン本体42を保持するダイヤフラム41の環状ロール部41bが全周に亘って上下にうねるように撓むことで、ピストン本体42が上下動するようになる。また、環状ロール部41bがピストン本体42を挟む左右両側で互いに逆向きに撓むことで、ピストン本体42が揺動するようになる。ゴム弾性膜により形成されたダイヤフラム41は非常に薄く、柔らかなものであるから、前記のようなピストン本体42の上下動及び揺動に対する反力(弾性力)は非常に小さい。
前記ピストン本体42の下端面には、略鉛直下方に向かって延びる円筒状のピストンウエル44(下方延出部)が取付けられている。このピストンウエル44の上端部は縮径されて、ピストン本体42の貫通孔42aに下方から螺入されており、この貫通孔42aにピストンウエル44の中空部44aが連通している。一方、ピストンウエル44の下端部には、中空部44aの下端を閉止するようにキャップ45が取り付けられている。
また、前記ピストンウエル44の中空部44a内には、荷重を受ける支持柱としてのサポートロッド46が上下方向に伸びるように配置され、その下端に設けられた球状部46aが前記キャップ45の上面(ピストンウェル44の底部)にて枢支されている。サポートロッド46の下端側には、その軸心を中空部44aの中心線上に維持するための弾性リング部材47が外挿されている。
一方、サポートロッド46の上端部は、ピストン本体42の上面よりも上方に突出し、直径の拡大された拡径部が形成されるとともに、その上面全体が上方に凸の球面状とされており、この面が、トッププレート6の下面に転動自在に当接して荷重を受ける荷重受け面46bとされている。この荷重受け面46bにおける転動により、サポートロッド46はトッププレート6に対し揺動する。尚、トッププレート6の下面には位置決め部材48が固定されており、サポートロッド46上端の拡径部を、そこに外挿された弾性リング部材49を介して外周側から保持するようになっている。
以上のように構成されたエアマウント4は、ピストン本体42、ピストンウエル44、サポートロッド46等が一体となって上下動し、空気ばね3のピストン(ジンバルピストン)として機能するとともに、ピストン本体42及びピストンウエル44とサポートロッド46とがそれぞれ揺動することで、ジンバルピストンは水平方向に非常に柔らかなばねとして機能する。
すなわち、ジンバルピストンは、ケーシング40に対してピストン本体42及びピストンウエル44が一体に揺動するとともに、トッププレート6に対してサポートロッド46が揺動することで、搭載機器1と床面との間の水平方向変位を許容するのであるが、その際、前記ピストン本体42等の揺動に対するダイヤフラム41の反力が前記の如く非常に小さく、また、搭載機器1の荷重によりトッププレート6からサポートロッド46を引き起こすように作用する力も非常に小さいので、水平方向の復元力(ばね力)は非常に小さなものとなるのである。
尚、この実施形態では、上述したように、サポートロッド46上端の荷重受け面46bを球面状として、トッププレート6の下面に対し転動自在にしているが、これに限らず、サポートロッド46の上端面を平面として、トッププレート6の下面に接合してもよい。
−大気圧による荷重の支持機構−
上述したように、エアマウント4は、搭載する機器1の静的な荷重を空気ばね3によって支持するものであり、この空気ばね3の内圧を低くするほど、また、その容量を大きくするほど、上下方向のばね定数は小さくなるので、固有振動数を低下させて、広い周波数域に亘って振動伝達率を低下させることが、つまり高い除振性能を得ることができる。
しかし、この実施形態のように真空チャンバCの限られた空間内で使用する場合、搭載機器1との空間の取り合いもあってエアマウント4はできるだけコンパクトに構成しなくてはならず、その空気ばね3の容量を十分に大きくすることは難しい。一方で、搭載される機器1は通常、かなりの重量を有するものであるから、個々のアイソレータユニット2への分担荷重も大きくなり、これを支持する空気ばね3の内圧は比較的高くならざるを得ない。その結果、空気ばね3のばね定数が比較的大きくなって、除振には不利になってしまう。
そこで、この実施形態では、本発明の特徴部分であるが、エアマウント4の周囲を囲むアイソレータユニット2のシールドカバー5を利用して、エアマウント4とは別に搭載機器1の荷重を支持する支持機構を構成し、これによりエアマウント4の支持荷重を減らして、空気ばね3のばね定数を小さくするようにしたものである。
以下、その支持機構について詳細に説明する。まず、この実施形態のシールドカバー5は、前記図2や図4にも示すように、上下一対の溶接ベローズ50,50を金属製の中間パイプ51によって連結したものである。溶接ベローズ50は、例えばステンレス等、金属製の薄板材を打ち抜いた円環状のコア50a,50a,…(図4にのみ符号を付す)を複数枚、重ね合わせて、上下に隣接するものの外周部及び内周部を交互に溶接したものであり、複数のコア50a,50a,…がそれぞれ撓むことによって比較的大きな伸縮性を有する。
そして、上側の溶接ベローズ50の最下部のコア50aが中間パイプ51上端のフランジに溶接される一方、下側の溶接ベローズ50の最上部のコア50aは中間パイプ51下端のフランジに溶接されるとともに、上側の溶接ベローズ50の最上部のコア50aは環状の締結板52に、また、下側の溶接ベローズ50の最下部のコア50aは環状締結板53にそれぞれ溶接されており、それら締結板52,53をそれぞれトッププレート6及びボトムプレート7に締結するようになっている。
前記の如き構成のシールドカバー5は、上下の溶接ベローズ50,50がそれぞれ伸長、収縮するものであるが、溶接ベローズ50は、コア50a,50a,…のそれぞれの撓み量が小さくても、全体としては大きく伸長、収縮するから、その反力はあまり大きくはならない。よって、トッププレート6とボトムプレート7との間にシールドカバー5を設けても、アイソレータユニット2の上下方向のばね定数が大きくなることはない。
また、溶接ベローズ50は、軸線のいずれか一側が伸長し且つ反対側が収縮することで湾曲し、この際もコア50a,50a,…のそれぞれの撓み量が小さくても、全体としては大きく湾曲するから、その反力はあまり大きくはならない。そして、上下の各溶接ベローズ50,50が互いに反対の向きに湾曲するとともに、中間パイプ51が傾斜(揺動)することで、シールドカバー5全体はS字状に屈曲し、トッププレート6及びボトムプレート7の水平方向の相対変位を許容するようになるが、このときの反力も大きくないことから、アイソレータユニット2の水平方向のばね定数が大きくなることはない。
そうしてシールドカバー5に囲まれた空間Sに臨んで開口するように、前記図1、2に示すようにボトムプレート7には、厚み方向の貫通穴7a,7a,…が複数、形成されている。これらの貫通穴7a,7a,…は、それぞれ、エアマウント4の設置される部位以外でボトムプレート7の上面に開口する一方、真空チャンバCの床面に開口する外部との連通孔c1,c1,…に連通している。
つまり、前記のように柔らかく伸縮し且つ屈曲するシールドカバー5に囲まれたアイソレータユニット2内の空間Sが大気開放されていて、そこが大気圧状態になるため、トッププレート6には真空チャンバC内との圧力差によって浮上力が作用することになる。言い換えると、前記シールドカバー5、トッププレート6及びボトムプレート7により、大気圧を利用して搭載機器1の荷重を支持する支持機構が構成されている。
そうして大気圧を利用して搭載機器1の荷重の一部を支持することで、その分、エアマウント4の支持荷重は少なくなり、空気ばね3のばね定数は小さくなるが、搭載機器1の質量自体は変わらないので、系の固有振動数は低くなり、このことで、広い周波数域に亘って振動伝達率を低下させることができる。トッププレート6における大気圧の有効受圧面積を大きくして、荷重の殆どを支持機構により受けるようにすれば、エアマウント4への荷重は非常に小さくなり、そのばね定数は殆ど零にすることもできる。
但し、大気圧によるトッププレート6の浮上力が大き過ぎると、機器1が上昇してしまうことになるし、仮に浮上力と荷重とを釣り合わせて、エアマウント4のばね定数を零にした場合は、例えば機器1の作動に伴い個々のアイソレータユニット2,2,…への分担荷重が変化したときに、これによる機器1の姿勢の変化を復元する力が得られなくなるから、機器1の作動による分担荷重の変動分に見合う程度の荷重はエアマウント4に支持させることが好ましい。こうすれば、機器1の作動時にもその姿勢の崩れを防止して、安定的に支持することができる。
前記の如くシールドカバー5、トッププレート6及びボトムプレート7により構成される支持機構は、見方を変えれば、ベローズ型の空気ばねと見做すこともできる。この空気ばねは、空気室である空間Sが真空チャンバC外に開放されていて、いわば容積無限大の補助タンクが連通していることになるから、そのばね定数は非常に小さくなる。
特に、この実施形態のように精密機器1を搭載する場合は元々、アイソレータユニット2へ入力する振動の振幅は非常に小さいと考えられ、これによる空気の移動量も非常に少ないから、アイソレータユニット2の内部空間Sを真空チャンバC外に連通する貫通穴7a,7a,…や連通孔c1,c1,…が或る程度、大きければ、ばね定数は零に近くなるとも考えられる。
したがって、この実施形態のアイソレータユニット2(気体ばね式除振装置)では、エアマウント4を真空チャンバC内から隔離するシールドカバー5を利用して、該シールドカバー5、トッププレート6及びボトムプレート7によって取り囲まれた空間Sに大気圧を導入し、これにより搭載機器1の荷重を支持する支持機構を構成したから、コンパクトなエアマウント4であってもばね定数は非常に小さくすることができ、これにより上下方向の固有振動数が非常に低くなって、極めて高い除振性能が得られる。
また、この実施形態ではエアマウント4の空気ばね3にジンバルピストンを採用しており、このことで上下方向のみならず、水平方向にも非常に柔らかなばね特性が得られる。しかも、エアマウント4を囲むシールドカバー5を上下2つの溶接ベローズ50と中間パイプ51とにより構成して、非常に柔軟に屈曲できるようにしたから、前記ジンバルピストンの特長が十分に活かされて、アイソレータユニット2は、水平方向についても固有振動数が非常に低くなり、極めて高い除振性能が得られる。
さらに、そうしてエアマウント5を囲むシールドカバー5が可撓性壁として金属製の溶接ベローズ50を備え、真空チャンバC内であってもアウトガスの問題が生じないことから、このシールドカバー5、トッププレート6及びボトムプレート7によって真空チャンバC内から隔離されているエアマウント4には、ゴムのダイヤフラム41や配管用ホース等を使用することができる。
図5は、この実施形態に係るアイソレータユニット2の除振性能の一例として、上下方向の振動伝達特性を示す実験結果のグラフ図である。同図によれば、共振ピークの現れる周波数(固有振動数)が非常に低くなっていて、広い周波数域に亘って振動伝達率が低くなり、極めて優れた除振性能を得られることが分かる。
尚、図の例では、作動時に搭載機器1の姿勢が崩れないよう、エアマウント4の支持する荷重割合を比較的大きくしており、それをさらに小さくすれば、固有振動数はさらに低周波側に移すことができる。また、図の例では13Hz付近に小さな共振点が現れているが、これは、中間パイプ51をマスとするシールドカバー5の共振によるものと考えられ、この中間パイプ51にゴムシート等の減衰材を付加することによって、解消できる。
−他の実施形態−
本発明の構成は、上述した実施形態のものに限定されず、他の種々の構成も含むものである。すなわち、前記の実施形態では、エアマウント4の空気ばね3としてジンバルピストンを有するものを用いたが、これに限らない。また、空気ばね3の代わりに例えば窒素ガス等を充填した気体ばねを用いてもよいし、気体ばねではなくコイルばね、或いは単なる防振ゴム等のばね要素を用いることもできる。
また、前記の実施形態ではエアマウント4をシールドカバー5等で覆うことにより、アウトガスの問題を生じないようにしているが、真空チャンバC内ではなく、アウトガスがあまり問題にならない程度の減圧環境下で使用する場合は、エアマウント4をシールドカバー5外に配置することもできる。
さらに、前記実施形態のシールドカバー5は、一対の溶接ベローズ50,50と中間パイプ51とを連結して構成しているが、これに限らず、シールドカバー5全体を溶接ベローズ50により構成することもできる。また、前記のようにアウトガスがあまり問題にならない減圧環境下で使用する場合は、シールドカバー5を金属製の溶接ベローズ50ではなく、ゴムのベローズ等によって構成することもできる。
さらにまた、仮に上下方向の除振要求のみが厳しく、水平方向の除振についてはあまり厳しい要求がない場合は、前記シールドカバー5に代えて例えばエアシリンダのような気体圧作動機構を用いることも可能である。
本発明の実施形態に係るアイソレータユニット(除振装置)の使用の態様を示す模式図であり、(a)は上面図、(b)は正面図である。 アイソレータユニットの構造を示す縦断面図である。 ジンバルピストンの構造を概略的に示す分解斜視図である。 シールドカバーの構造を概略的に示す分解斜視図である。 実施形態のアイソレータユニットによる除振性能を示すグラフ図である。
符号の説明
1 搭載機器(被支持体)
2 アイソレータユニット(除振装置)
3 空気ばね(気体ばね)
4 エアマウント
42 ピストン本体(ジンバルピストン)
44 ピストンウエル(ジンバルピストン)
46 サポートロッド(ジンバルピストン)
5 シールドカバー(支持機構:気体圧作動機構、気体ばね)
50 溶接ベローズ(金属製ベローズ)
51 中間パイプ
6 トッププレート(支持機構:気体圧作動機構、気体ばね)
7 ボトムプレート(支持機構:気体圧作動機構、気体ばね)
S アイソレータユニット内の空間(作動室、気体室)
C 真空チャンバ(減圧室)

Claims (7)

  1. 減圧室内で被支持体を気体ばねにより支持するようにした除振装置であって、
    前記気体ばねの気体室が前記減圧室外に連通されて、大気圧を受けるように構成されていることを特徴とする気体ばね式除振装置。
  2. 前記気体ばねが金属製ベローズを有することを特徴とする請求項1に記載の気体ばね式除振装置。
  3. 前記気体ばねの気体室内には、被支持体を支持する別のばね要素が配設されていることを特徴とする請求項2に記載の気体ばね式除振装置。
  4. 前記別のばね要素も気体ばねからなることを特徴とする請求項3に記載の気体ばね式除振装置。
  5. 前記別のばね要素は、ジンバルピストンを有する気体ばねからなることを特徴とする請求項4に記載の気体ばね式除振装置。
  6. 前記金属製ベローズは、互いに上下に離間して2つ配置され、中間に配置された金属製パイプ部材によって連結されていることを特徴とする請求項5に記載の気体ばね式除振装置。
  7. 減圧室内で被支持体を気体ばねにより支持するようにした除振装置であって、
    前記気体ばねとは別に、気体圧により作動して被支持体を支持する気体圧作動機構が設けられ、この気体圧作動機構の作動室が前記減圧室外に開放されて、大気圧を受けるように構成されていることを特徴とする気体ばね式除振装置。
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