JP2006242278A - ベローズユニットと、それを用いた気体ばねおよび懸架装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 例えば雨水や飛び石等に対して優れた耐久性を発揮できるメタルベローズを用いた気体ばねを提供する。
【解決手段】 懸架装置50は、ショックアブソーバ51と、圧縮コイルばね52と、ベローズユニット10Eなどを備えている。圧縮コイルばね52は、ロッド61をシリンダ60から突き出す方向に付勢している。ベローズユニット10Eは、軸線方向に伸縮可能なメタルベローズ11と、メタルベローズ11の外面に被着された弾性樹脂発泡体からなるカバー層12を含み、ロッド61と圧縮コイルばね52を覆っている。ベローズユニット10Eの下端62が、第1の封止部材53によって、シリンダ60に気密に固定されている。ベローズユニット10Eの上端63が、第2の封止部材54によって、ロッド61に気密に固定されている。ベローズユニット10Eの内側の気室64に、大気圧よりも高圧のガスが封入されている。
【選択図】図6

Description

本発明は、例えばシール部材あるいは防振装置、車両用懸架装置、シートサスペンション等に使用されるベローズユニットと、それを用いた気体ばねおよび懸架装置に関する。
車両用懸架装置や各種機器に使用される振動吸収装置として、メタルベローズと、該メタルベローズの内側に配置された吸振柱体とを有するものが知られている。この種の装置は、例えば燐青銅等の弾性金属材料を成形してなるメタルベローズと、該メタルベローズの軸心に配置されたシリコーン樹脂からなる吸振柱体とを備え、ベローズと吸振柱体とによりその軸線方向において振動を吸収するように構成されている。(例えば下記特許文献1参照)
特公平4−77174号公報
ばね装置や振動吸収装置が使われる環境は、例えば大気中、油中、腐食ガス雰囲気など様々である。例えば車両用懸架装置に使用されるばね装置では、雨水、泥水、凍結防止用の塩、飛び石などに対する耐久性を考慮する必要がある。すなわち、ばね装置や振動吸収装置が使用される環境のもとで所望の疲労強度を発揮できる必要がある。
しかしながら前記特許文献1に記載されたメタルベローズでは、雨水、泥水、凍結防止用の塩、飛び石等によって損傷することが懸念され、例えば車両用懸架装置に使用することは問題であった。
従って本発明の目的は、例えば雨水、飛び石等に対する優れた耐久性を発揮できるベローズユニットと、それを用いた気体ばねおよび懸架装置を提供することにある。
本発明のベローズユニットは、軸線方向に伸縮可能なメタルベローズと、前記メタルベローズの外面および内面の少なくとも一方に被着された弾性樹脂発泡体からなるカバー層とを具備している。前記弾性樹脂発泡体の一例はウレタンフォームである。前記弾性樹脂発泡体は、各気泡が独立している独立気泡の発泡体が好ましい。
本発明の気体ばねは、軸線方向に伸縮可能なメタルベローズと、前記メタルベローズの外面に被着された弾性樹脂発泡体からなるカバー層と、前記メタルベローズの前記軸線方向における両端部をそれぞれ気密に塞ぐ封止部材と、前記メタルベローズの内部に封入された大気圧よりも高圧のガスとを具備している。本発明の気体ばねにおいて、前記メタルベローズの内部に、前記軸線方向に圧縮した状態で配置された圧縮コイルばねを更に具備していてもよい。
本発明の懸架装置は、シリンダおよび該シリンダに挿入されたロッドを有し、該ロッドが前記シリンダの軸線方向に移動可能なショックアブソーバと、前記ショックアブソーバの軸線方向に伸縮可能なメタルベローズおよび該メタルベローズの外面に被着された弾性樹脂発泡体からなるカバー層を含み、前記ロッドの前記シリンダから突出する部位を覆うベローズユニットと、前記ベローズユニットの軸線方向の一端を前記シリンダに気密に固定する第1の封止部材と、前記ベローズユニットの前記軸線方向の他端を前記ロッドに気密に固定する第2の封止部材と、前記ベローズユニットの内側の気室に封入された大気圧よりも高圧のガスとを具備している。
本発明の懸架装置の他の形態では、シリンダおよび該シリンダに挿入されたロッドを有し、該ロッドが前記シリンダの軸線方向に移動可能なショックアブソーバと、前記ロッドの前記シリンダから突出する部位を覆う外筒と、前記外筒の内側に配置されたベローズユニットであって、前記ショックアブソーバの軸線方向に伸縮可能なメタルベローズおよび該メタルベローズの内面に被着された弾性樹脂発泡体からなるカバー層を含み、前記メタルベローズの軸線方向の一端が前記シリンダに気密に固定され、前記メタルベローズの軸線方向の他端が前記外筒に気密に固定されたベローズユニットと、前記外筒の内面と前記ベローズユニットの外面とによって囲まれる気体ばね用気室に封入された大気圧よりも高圧のガスとを具備している。
本発明の懸架装置において、前記ショックアブソーバの前記シリンダの内部に、液が収容された液室と、前記シリンダの軸線方向に伸縮可能で密閉された高圧気室を有するリザーバ用ベローズと、前記高圧気室に前記気体ばね用気室よりも高い圧力で封入されたガスとを具備していてもよい。また、前記ロッドを前記シリンダから突き出す方向に付勢する圧縮コイルばねをさらに備えていてもよい。
本発明によれば、メタルベローズの外面および内面の少なくとも一方に被着された弾性樹脂発泡体からなるカバー層によって、雨水、泥水、凍結防止用の塩、飛び石等からメタルベローズを保護することができる。本発明の気体ばねの内部に圧縮コイルばねを配置した場合には、気体ばねと圧縮コイルばねとを協働させることができる。
弾性樹脂発泡体からなるカバー層は、ベローズユニットが軸線方向に伸縮する際に減衰作用を有するため、メタルベローズが伸縮する際の共振振動が抑制される。このため、メタルベローズが有する固有振動数の振動入力があっても、メタルベローズが破損するような共振振動に至ることがなく、耐久性の高いベローズユニットを提供することができる。
以下に本発明の第1の実施形態に係るベローズユニットについて、図1を参照して説明する。
図1に示すベローズユニット10Aは、金属製のメタルベローズ11と、メタルベローズ11の外面に被着された弾性樹脂発泡体からなるカバー層12とを具備している。メタルベローズ11は、軸線X方向に伸縮可能である。
メタルベローズ11は、例えばステンレス鋼の薄板からなる円筒形の金属材料を成形することにより、前記軸線X方向に山部11aと谷部11bを交互に形成したものである。山部11aと谷部11bの断面の一例は、それぞれ図1に示すようなU形をなしているが、U形以外の断面形状であってもよい。山部11aはメタルベローズ11の外面側に突出し、谷部11bはメタルベローズ11の内面側に突出している。
メタルベローズ11の軸線X方向の両端は開放されて、開口部15,16を形成している。これら開口部15,16に、それぞれリング状の金属材料からなる端部材(フランジ金具)17,18が、溶接、接着、あるいはかしめ等の適宜の固定手段によって取付けられている。
カバー層12を構成する弾性樹脂発泡体の一例は、ウレタンフォームである。この明細書で言う弾性樹脂発泡体は、メタルベローズ11が軸線X方向に伸縮する際に、メタルベローズ11の伸縮運動に追従して破損することなく弾性変形することが可能な弾性を有している発泡体を意味する。弾性樹脂発泡体はウレタン以外のエラストマー樹脂を用いてもよい。
カバー層12を構成する弾性樹脂発泡体は、各気泡が独立している独立気泡の発泡体が望ましい。このようなカバー層12を成形するには、図示しない成形用の型の内部(キャビティ)にメタルベローズ11を収容し、ウレタンフォームの材料を供給して発泡させ、型によって所定形状に成形する。弾性樹脂発泡体を発泡成形することによってカバー層12を成形するため、それぞれの山部11a間に弾性樹脂発泡体からなるカバー層12が隙間無く十分に充填される。
このように構成されたベローズユニット10Aは、メタルベローズ11の外面が独立気泡の弾性樹脂発泡体からなるカバー層12によって保護される。このため、メタルベローズ11の外面が雨水等の水分によって腐食したり、寒冷地で結露したりすることを抑制できる。また、腐食性ガス、小石やダスト等の固形異物等にさらされる環境のもとで使用されても、メタルベローズ11が損傷することを抑制できる。しかもカバー層12がウレタンフォームによって構成されているため、比較的安価に製造することが可能である。
ウレタンフォーム等の弾性樹脂発泡体からなるカバー層12は、ベローズユニット10Aが軸線X方向に伸縮する際に減衰作用を有するため、メタルベローズ11が伸縮する際の共振振動が抑制される。このため、メタルベローズ11が有する固有振動数の振動入力があっても、メタルベローズ11が破損するような共振振動に至ることがなく、耐久性の高いベローズユニット10Aを提供することができる。
図2は、本発明の第2の実施形態に係るベローズユニット10Bを示している。このベローズユニット10Bは、メタルベローズ11の内面にカバー層20が形成されている。カバー層20は、第1の実施形態のカバー層12と同様の独立気泡の弾性樹脂発泡体からなる。このように構成されたベローズユニット10Bであれば、メタルベローズ11の内面をカバー層12によって保護することができる。それ以外の構成と作用に関し、このベローズユニット10Bは第1の実施形態のベローズユニット10Aと同様であるため、両者に共通の部分に共通の符号を付して説明を省略する。
図3は、本発明の第3の実施形態に係るベローズユニット10Cを示している。このベローズユニット10Cは、メタルベローズ11の外面にカバー層12が形成され、かつ、メタルベローズ11の内面にカバー層20が形成されている。これらのカバー層12,20は、第1および第2の実施形態のカバー層12,20と同様の弾性樹脂発泡体によって構成されている。
このように構成されたベローズユニット10Cであれば、メタルベローズ11の外面および内面が独立気泡の弾性樹脂発泡体からなるカバー層12によって保護される。それ以外の構成と作用について、このベローズユニット10Cは第1および第2の実施形態のベローズユニット10A,10Bと同様であるため説明を省略する。
図4は、本発明の第4の実施形態に係る気体ばね30Aを示している。この気体ばね30Aは、ベローズユニット10Dと、第1および第2の封止部材31,32を備えている。ベローズユニット10Dは、第1の実施形態(図1)のベローズユニット10Aと同様に、メタルベローズ11と、カバー層12とを含んでいる。封止部材31,32は、メタルベローズ11の軸線X方向における両端部をそれぞれ気密に塞いでいる。メタルベローズ11と封止部材31,32によって囲まれる内側の空間(気室33)には、例えば窒素等の乾燥した不活性ガスが、大気圧よりも高い圧力で封入されている。
この実施形態では、メタルベローズ11の山部11a間に弾性樹脂発泡体からなるカバー層12が存在するため、メタルベローズ11の内面と外面の圧力差による変形に対し、メタルベローズ11をバックアップすることができる。このため、圧力差によってメタルベローズ11が変形することを抑制でき、前記圧力差を大きくとることが可能となる。また、圧力差を大きくしない場合にはメタルベローズ11の耐久性を高めることが可能となる。
このように構成された気体ばね30Aであれば、メタルベローズ11の気室33に封入されたガスの圧力により、メタルベローズ11が軸線X方向に伸びる方向の反発弾性を生じる。また、メタルベローズ11の外面が独立気泡の弾性樹脂発泡体からなるカバー層12によって保護されるため、第1の実施形態で説明したものと同様の効果が発揮される。
図5は、本発明の第5の実施形態に係る気体ばね30Bを示している。この気体ばね30Bは、メタルベローズ11の内部に収容された圧縮コイルばね40を含んでいる。圧縮コイルばね40は、メタルベローズ11の軸線方向に圧縮された状態で、上蓋として機能する封止部材31と下蓋として機能する封止部材32との間に配置されている。圧縮コイルばね40は、円筒形以外に、たる形、つづみ形、円錐形などでもかまわない。この圧縮コイルばね40の反発弾性により、ベローズユニット10Dが伸びる方向に付勢されている。
このように構成された気体ばね30Bであれば、圧縮コイルばね40と、メタルベローズ11の内部に封入されたガスの圧力が協働することにより、メタルベローズ11が軸線方向に伸びる方向に付勢される。このものは、圧縮コイルばね40が軸線方向の荷重を分担することができるため、圧縮コイルばね40を使用しない場合と比較して、メタルベローズ11の内部の封入ガス圧を比較的小さくすることができる。このため、メタルベローズ11の内側のガス圧と外側の大気圧との差によってメタルベローズ11に発生する応力を低減でき、耐久性の高い気体ばね30Bを得ることができる。それ以外の構成と作用は第4の実施形態(図4)と同様である。
前述の各実施形態の気体ばね30A,30Bは、車両用(例えば自動車用)の懸架装置をはじめとして、シートサスペンション、防振器、その他各種機器における緩衝手段として好適に使用することができる。
図6は本発明の第6の実施形態に係る車両用懸架装置50を示している。この懸架装置50は、ショックアブソーバ51と、懸架ばねとして機能する圧縮コイルばね52と、ベローズユニット10Eと、第1の封止部材53と、第2の封止部材54などを有している。ベローズユニット10Eは、ショックアブソーバ51の軸線方向に延びている。
ショックアブソーバ51は、シリンダ60と、シリンダ60に挿入されたロッド61を有している。ロッド61は、シリンダ60の軸線方向に移動可能である。シリンダ60の内部に、図示しない減衰力発生機構が収容されている。この減衰力発生機構により、シリンダ60に対するロッド61の軸線方向の往復運動が減衰される。
圧縮コイルばね52は、ばね座を兼ねる第1の封止部材53と第2の封止部材54との間に、圧縮した状態で配置されている。この圧縮コイルばね52は、ロッド61がシリンダ60から突き出る方向に付勢している。
ベローズユニット10Eは、ショックアブソーバ51の軸線方向に伸縮可能なメタルベローズ11と、弾性樹脂発泡体からなるカバー層12とを含んでいる。メタルベローズ11とカバー層12は、前述の各実施形態と同様の材料によって構成されている。このベローズユニット10Eは、ショックアブソーバ51のロッド61がシリンダ60から突出する部位61aを覆うための外筒を兼ねている。
ベローズユニット10Eの軸線方向の下端62が、第1の封止部材53によって、ショックアブソーバ51のシリンダ60に気密に固定されている。ベローズユニット10Eの軸線方向の上端63が、第2の封止部材54によって、ロッド61に気密に固定されている。ベローズユニット10Eの内側に形成される気室64に、大気圧よりも高圧の乾燥したガス(例えば窒素等の不活性ガス)が封入されている。気室64に封入されたガスは、気体ばねとして機能する。
このように構成された車両用懸架装置50は、圧縮コイルばね52と、ベローズユニット10Eの内部の気室64に封入されたガスの圧力が協働することにより、ロッド61がシリンダ60から突き出る方向に付勢される。これにより、この懸架装置50は、車両の荷重を支持する反力を生じる。車両の走行中などに、ロッド61がシリンダ60に対して軸線方向に移動すると、シリンダ60の内部の減衰力発生機構によって、減衰力が生じる。
この懸架装置50では、圧縮コイルばね52が軸線方向の荷重を分担するため、圧縮コイルばね52を用いない場合と比較して、気室64に封入するガスの圧力を小さくすることができる。このため、メタルベローズ11の内面と外面の圧力差によって生じる応力を低減でき、耐久性の高い懸架装置50を得ることができる。
このように構成された懸架装置50であれば、気室64に封入されたガスの圧力によるばね性と、圧縮コイルばね52の反発力によるばね性と、ショックアブソーバ51の減衰力により、乗り心地のよい車両を提供することができる。
また、外筒を兼ねるベローズユニット10Eのメタルベローズ11の外面がカバー層12によって覆われるため、車両走行中の石跳ねや、泥などのダスト、あるいは結露などに対して、メタルベローズ11を保護することができる。しかもショックアブソーバ51自体が有している軸線方向へのガイド機構により、ベローズユニット10Eが曲がることを抑制できる。このためベローズユニット10Eの耐久性が向上する。
また、気室64を構成するベローズユニット10Eがショックアブソーバ51のロッド61の突出部位61a等を保護する外筒を兼ねるため、ベローズユニット10Eとは別に外筒を設けるものと比較して、懸架装置50を小形に構成することができ、部品数も少なくてすむ。
図7は、本発明の第7の実施形態に係る車両用懸架装置70を示している。この懸架装置70は、ショックアブソーバ51と、外筒71と、懸架ばねとして機能する圧縮コイルばね72と、ベローズユニット10Fなどを備えている。
ショックアブソーバ51は、シリンダ60と、シリンダ60に挿入されたロッド61とを有している。ロッド61は、シリンダ60の軸線方向に移動可能である。シリンダ60の内部に、図示しない減衰力発生機構が収容されていて、シリンダ60に対するロッド61の往復運動を減衰させることができるようになっている。シリンダ60の端部に、ばね座を兼ねる封止部材73が設けられている。
この懸架装置では、シリンダ60の内部構造は問わない。例えば、アウタチューブとインナチューブとの間にエアリザーバ室を備えた周知のツインチューブ式ショックアブソーバであってもよい。あるいは、単一のチューブの内部がフリーピストンによって気室と液室とに仕切られた周知のモノチューブ式ショックアブソーバであってもよい。
外筒71は、ロッド61がシリンダ60から突出する部位61aを覆うとともに、圧縮コイルばね72とベローズユニット10Fを覆っている。
圧縮コイルばね72の一例は、たる形の圧縮コイルばねであり、ばね座を兼ねる封止部材73と外筒71の端部74との間に、圧縮した状態で配置されている。この圧縮コイルばね72は、ロッド61をシリンダ60から突き出る方向に付勢している。
ベローズユニット10Fは、第6の実施形態のベローズユニット10Eと同様に、ショックアブソーバ51の軸線方向に伸縮可能なメタルベローズ11と、弾性樹脂発泡体からなるカバー層20とを含んでいる。カバー層20は、メタルベローズ11の内面に被着されている。
ベローズユニット10Fは、外筒71の内側に配置されている。すなわちこのベローズユニット10Fは、外筒71の内面とシリンダ60の外面との間に、外筒71およびシリンダ60と同軸に配置されている。このベローズユニット10Fは、ショックアブソーバ51の軸線方向に延び、ショックアブソーバ51の軸線方向に伸縮可能である。
メタルベローズ11の軸線方向の上端75が、シリンダ60の上端部に封止部材73を介して気密に固定されている。メタルベローズ11の軸線方向の下端78は、外筒71の下端部79に気密に固定されている。外筒71の内面とベローズユニット10Fの外面とによって囲まれる気体ばね用気室80に、大気圧よりも高圧の乾燥したガス(例えば窒素等の不活性ガス)が封入されている。気体ばね用気室80に封入されたガスは、気体ばねとして機能する。
このように構成された懸架装置70は、第6の実施形態の懸架装置50と同様に、圧縮コイルばね72と、外筒71の内側の気体ばね用気室80に封入されたガスの圧力とが協働することにより、ロッド61がシリンダ60から突き出る方向に付勢される。これにより、この懸架装置70は、車両の荷重を支持する反力を生じる。車両の走行中などにロッド61がシリンダ60に対して軸線方向に移動すると、シリンダ60の内部の減衰力発生機構により、減衰力が生じる。
この懸架装置70も、圧縮コイルばね72が軸線方向の荷重を分担するため、圧縮コイルばね72を用いない場合と比較して、気体ばね用気室80に封入するガスの圧力を小さくすることができる。このため、メタルベローズ11の内面と外面の圧力差によって生じる応力を低減でき、耐久性の高い懸架装置70を得ることができる。
しかもベローズユニット10Fが外筒71によって覆われているため、車両走行中の石跳ねや、路面からの泥水の跳ね上げ、ダストなどに対して、メタルベローズ11をさらに有効に保護することができる。また、懸架装置70の外部の大気側から、水分や腐食性の物質がメタルベローズ11に付着することを、カバー層20によって防止することができる。
また、このメタルベローズ11は、気体ばね用気室80内の封入ガスの圧力をメタルベローズ11の山部11aの外面側から受けるため、メタルベローズ11が座屈しにくくなり、気体ばね用気室80内のガスの圧力に対する耐圧性を向上させることができる。
図8は本発明の第8の実施形態に係る車両用の懸架装置90を示している。この懸架装置90において、第7の実施形態の懸架装置70(図7に示す)と共通の部分には、両者に共通の符号を付して説明を省略する。
この懸架装置90のショックアブソーバ51は、シリンダ60の内部に収容されたリザーバ用ベローズ91を備えている。リザーバ用ベローズ91は金属製(メタルベローズ)であり、その一端92はシリンダ60のボトムベース部材93に気密に固定されている。リザーバ用ベローズ91の他端94は、ベローズキャップ95によって気密に封止されている。このリザーバ用ベローズ91は、シリンダ60の軸線方向に伸縮可能である。
リザーバ用ベローズ91の内側に、高圧気室96として機能する密閉空間が形成されている。高圧気室96に、例えば窒素等の乾燥した不活性ガスが、外筒71の内側の気体ばね用気室80よりも高い圧力で封入されている。
ショックアブソーバ51のシリンダ60に挿入されたロッド61の端部に、減衰バルブやオリフィス等を備えた減衰力発生機構100が設けられている。この減衰力発生機構100によって、シリンダ60の内部が第1液室101と第2液室102とに仕切られている。これらの液室101,102に液が満たされている。ロッド61は、シリンダ60の蓋部材103に対し、シール材を備えたロッド摺動部104において、軸線方向に摺動自在に貫通している。
このように構成された懸架装置90によれば、第7の実施形態の懸架装置70(図7に示す)と同様の効果に加えて、シリンダ60の内部に収容されたリザーバ用ベローズ91によって、以下に述べるような効果を奏することができる。
従来のツインチューブ式ショックアブソーバやモノチューブ式ショックアブソーバにおいて、ショックアブソーバのロッドシール部がチューブ内に封入された気体に接していると、封入された気体がロッドシール部からショックアブソーバの内部に侵入し、ショックアブソーバの減衰特性に悪影響を与えるという問題があった。
これに対し本実施形態の懸架装置90は、ショックアブソーバ51の内部にリザーバ用ベローズ91が収容され、リザーバ用ベローズ91の内側の高圧気室96に、気体ばね用気室80よりも高い圧力のガスが封入されている。このためシリンダ60内の液室101,102に作用する圧力は、気体ばね用気室80の圧力よりも大きくなる。このため気体ばね用気室80に封入されたガスが、ショックアブソーバ51のロッド摺動部104を通って液室101,102に侵入することを防止できる。
しかも液室102と高圧気室96が、メタルベローズからなるリザーバ用ベローズ91によって完全に仕切られているため、高圧気室96内のガスが液室102に溶け込むことを防止できる。また従来のモノチューブ式ショックアブソーバのように、フリーピストンによって液室と気室が仕切られているものと比較して、ショックアブソーバ51が伸縮する際の摩擦抵抗を小さくすることができる。このためフリーピストンを用いる従来装置と比較して、減衰特性の変化が少なく、車両の乗り心地を良くすることができる。
本発明の第1の実施形態に係るベローズユニットの軸線方向に沿う断面図。 本発明の第2の実施形態に係るベローズユニットの軸線方向に沿う断面図。 本発明の第3の実施形態に係るベローズユニットの軸線方向に沿う断面図。 本発明の第4の実施形態に係る気体ばねの軸線方向に沿う断面図。 本発明の第5の実施形態に係る気体ばねの軸線方向に沿う断面図。 本発明の第6の実施形態に係る懸架装置の軸線方向に沿う断面図。 本発明の第7の実施形態に係る懸架装置の軸線方向に沿う断面図。 本発明の第8の実施形態に係る懸架装置の軸線方向に沿う断面図。
符号の説明
10A,10B,10C,10D,10E,10F…ベローズユニット
11…メタルベローズ
12…カバー層
20…カバー層
30A,30B…気体ばね
40…圧縮コイルばね
50…懸架装置
51…ショックアブソーバ
60…シリンダ
61…ロッド
70…懸架装置
80…気体ばね用気室
90…懸架装置
91…リザーバ用ベローズ
96…高圧気室

Claims (10)

  1. 軸線方向に伸縮可能なメタルベローズと、
    前記メタルベローズの外面および内面の少なくとも一方に被着された弾性樹脂発泡体からなるカバー層と、
    を具備したことを特徴とするベローズユニット。
  2. 前記弾性樹脂発泡体がウレタンフォームであることを特徴とする請求項1に記載のベローズユニット。
  3. 前記弾性樹脂発泡体は各気泡が独立している独立気泡の発泡体であることを特徴とする請求項1または2に記載のベローズユニット。
  4. 軸線方向に伸縮可能なメタルベローズと、
    前記メタルベローズの外面に被着された弾性樹脂発泡体からなるカバー層と、
    前記メタルベローズの前記軸線方向における両端部をそれぞれ気密に塞ぐ封止部材と、
    前記メタルベローズの内部に封入された大気圧よりも高圧のガスと、
    を具備したことを特徴とする気体ばね。
  5. 前記メタルベローズの内部に、前記軸線方向に圧縮した状態で配置された圧縮コイルばねを更に具備していることを特徴とする請求項4に記載の気体ばね。
  6. シリンダおよび該シリンダに挿入されたロッドを有し、該ロッドが前記シリンダの軸線方向に移動可能なショックアブソーバと、
    前記ショックアブソーバの軸線方向に伸縮可能なメタルベローズおよび該メタルベローズの外面に被着された弾性樹脂発泡体からなるカバー層を含み、前記ロッドの前記シリンダから突出する部位を覆うベローズユニットと、
    前記ベローズユニットの軸線方向の一端を前記シリンダに気密に固定する第1の封止部材と、
    前記ベローズユニットの軸線方向の他端を前記ロッドに気密に固定する第2の封止部材と、
    前記ベローズユニットの内側の気室に封入された大気圧よりも高圧のガスと、
    を具備したことを特徴とする懸架装置。
  7. 前記ロッドを前記シリンダから突き出す方向に付勢する圧縮コイルばねをさらに備えていることを特徴とする請求項6に記載の気体ばね。
  8. シリンダおよび該シリンダに挿入されたロッドを有し、該ロッドが前記シリンダの軸線方向に移動可能なショックアブソーバと、
    前記ロッドの前記シリンダから突出する部位を覆う外筒と、
    前記外筒の内側に配置されたベローズユニットであって、前記ショックアブソーバの軸線方向に伸縮可能なメタルベローズおよび該メタルベローズの内面に被着された弾性樹脂発泡体からなるカバー層を含み、前記メタルベローズの軸線方向の一端が前記シリンダに気密に固定され、前記メタルベローズの軸線方向の他端が前記外筒に気密に固定されたベローズユニットと、
    前記外筒の内面と前記ベローズユニットの外面とによって囲まれる気体ばね用気室に封入された大気圧よりも高圧のガスと、
    を具備したことを特徴とする懸架装置。
  9. 前記ロッドを前記シリンダから突き出す方向に付勢する圧縮コイルばねをさらに備えていることを特徴とする請求項6に記載の気体ばね。
  10. 前記ショックアブソーバの前記シリンダの内部に、液が収容された液室と、前記シリンダの軸線方向に伸縮可能で密閉された高圧気室を有するリザーバ用ベローズと、前記高圧気室に前記気体ばね用気室よりも高い圧力で封入されたガスと、を具備したことを特徴とする請求項6ないし9のいずれか1項に記載の懸架装置。
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