JP2008261371A

JP2008261371A - シール構造

Info

Publication number: JP2008261371A
Application number: JP2007102905A
Authority: JP
Inventors: Hiroyuki Matsuoka; 博幸松岡
Original assignee: NTN Corp; NTN Toyo Bearing Co Ltd
Current assignee: NTN Corp
Priority date: 2007-04-10
Filing date: 2007-04-10
Publication date: 2008-10-30

Abstract

【課題】可撓性及び多大な伸縮性を確保すると共に、耐久性を向上させたシール構造を提供する。
【解決手段】外側継手部材１と内側継手部材２との間にトルク伝達部材３を収容し、前記内側継手部材２に連結したシャフト５を継手外へ延在してなる等速自在継手のシール構造であって、前記外側継手部材１に金属製蛇腹部材７の一端を付設すると共に、前記シャフト５の中間部外周に前記金属製蛇腹部材７の他端を付設した。
【選択図】図１

Description

本発明は、自動車や鉄道車両、又は各種産業機械において、連結すべき駆動軸と従動軸との間で等速度で回転可能に連結したその連結部を密封するシール構造に関する。

例えば、自動車等の動力伝達系には、駆動軸と従動軸との二軸間で等速で回転力を伝達する等速自在継手を設けている。等速自在継手には、駆動軸と従動軸との間で相対的に軸方向移動（プランジング）可能に構成した摺動式等速自在継手がある。

摺動式等速自在継手は、図３に示すように、外側継手部材１０１と、内側継手部材１０２と、複数のボール１０３と、保持器１０４を主要な構成要素とする。

外側継手部材１０１の内周面には、その軸線に平行な複数の直線状案内溝１０１ａが周方向等間隔に形成されている。内側継手部材１０２の外周面には、外側継手部材１０１の案内溝１０１ａに対向し、かつ、軸線に平行な複数の直線状案内溝１０２ａが、周方向等間隔に形成されている。

両継手部材１０１，１０２の対向する案内溝１０１ａ，１０２ａにて形成されたトラックには、ボール１０３が１個ずつ転動自在に組み込まれ、各ボール１０３は両継手部材１０１，１０２間に介在させた保持器１０４にて保持されている。また、内側継手部材１０２の内周面に形成したセレーション部１０２ｂには、プロペラシャフトやドライブシャフト等のシャフト１０５の端部が係合されている。

外側継手部材１０１の開口端部と、シャフト１０５との間には、円錐台形状の蛇腹部を有するブーツ１０６が設けられ、このブーツ１０６によって、継手内部に充填したグリース等の潤滑剤の漏洩を防止すると共に、外部からの塵や水等の異物の侵入を防止している（例えば、特許文献１参照）。このブーツ１０６は、柔軟性を有するゴム等の材料から構成されている。

また、別の従来の等速自在継手のシール構造には、図４に示すように、金属製筒状のブーツアダプタ１０７と、断面略Ｕ字形ないしＶ字形のブーツ１０６を備えたものがあり（例えば、特許文献２参照）、ブーツアダプタ１０７にて、高速回転時のブーツ１０６の膨張を抑制する。
特開２００５−１１３９２８号公報特開平９−１５８９５７号公報

しかし、等速自在継手の外側継手部材とシャフト間の相対的傾動や多大な軸方向移動に伴ってブーツの伸縮が繰り返されると、ブーツのゴム材料が機械的に劣化し、シール性の確保が困難となる。

そこで、本発明は斯かる実情に鑑み、可撓性及び多大な伸縮性を確保すると共に、耐久性を向上させたシール構造を提供しようとするものである。

請求項１の発明は、外側継手部材と内側継手部材との間にトルク伝達部材を収容し、前記内側継手部材に連結したシャフトを継手外へ延在してなる等速自在継手のシール構造であって、前記外側継手部材に金属製蛇腹部材の一端を付設すると共に、前記シャフトの中間部外周に前記金属製蛇腹部材の他端を付設したものである。

金属製蛇腹部材は、等速自在継手の角度（作動角）の変位、あるいは軸方向の変位に応じて、変形・伸縮することができる。金属製蛇腹部材により、継手内部に充填した潤滑材の漏洩を防止すると共に、外部からの塵や水等の異物の侵入を防ぐことができる。

請求項２の発明は、内側継手部材を介して互いに軸線方向に接近離間可能に連結された駆動側の外側継手部材と従動側の外側継手部材のシール構造であって、前記駆動側の外側継手部材に、金属製蛇腹部材の一端を付設すると共に、前記従動側の外側継手部材に、前記金属製蛇腹部材の他端を付設したものである。

金属製蛇腹部材は、駆動側及び従動側の外側継手部材の軸方向の変位に応じて、変形・伸縮することができる。金属製蛇腹部材により、前記両外側継手部材内部に充填した潤滑材の漏洩を防止すると共に、外部からの塵や水等の異物の侵入を防ぐことができる。

請求項３の発明は、雌スプライン部材と、当該雌スプライン部材に摺動自在に挿入した雄スプライン部材とを有するスライドスプライン軸のシール構造であって、前記雌スプライン部材に金属製蛇腹部材の一端を付設すると共に、前記雄スプライン部材に前記金属製蛇腹部材の他端を付設したものである。

金属製蛇腹部材は、スライドスプライン軸の軸方向の変位に応じて、変形・伸縮することができる。金属製蛇腹部材により、スライドスプライン軸内部に充填した潤滑材の漏洩を防止すると共に、外部からの塵や水等の異物の侵入を防ぐことができる。

本発明は、前記等速自在継手、又は駆動側及び従動側の外側継手部材、あるいはスライドスプライン軸のシール構造に金属製の蛇腹部材を用いたので、従来のゴム製のブーツに比べ、耐久性を向上することができる。金属性蛇腹部材は、特に摺動式等速自在継手やスライドスプライン軸の多大な軸方向変位にも対応して伸縮することができ、高速回転条件下での使用にも充分耐え得る。これにより、良好なシール性を長期的に維持することが可能である。

以下、本発明のシール構造を自動車等に使用する摺動式等速自在継手に適用した実施形態について、添付の図面を参照して説明する。この摺動式等速自在継手には、トリポード型、クロスグルーブ型など、様々なタイプがある。また、用途はこれに限定されるものではなく、ツェッパ型、バーフィールド型などの固定式等速自在継手や、各種産業機械に用いられるあらゆる等速自在継手に適用することができる。

図１に示すように、摺動式等速自在継手Ａは、外側継手部材１と、内側継手部材２と、トルク伝達部材としての複数のボール３と、保持器４を主要な構成要素としている。

外側継手部材１の内周面には、その軸線に平行な複数の直線状案内溝１ａが周方向等間隔に形成されている。外側継手部材１の内径側に、内側継手部材２が配設されており、内側継手部材２の外周面には、軸線に平行な複数の直線状案内溝２ａが、周方向等間隔に形成されている。両継手部材１，２に形成した各案内溝１ａ，２ａは、対向して配設されている。

両継手部材１，２の各案内溝１ａ，２ａにて形成されたトラックには、ボール３が１個ずつ転動自在に組み込まれている。両継手部材１，２間に保持器４が介在し、保持器４に周方向等間隔に形成した複数のポケット４ａにボール３を収容する。

摺動式等速自在継手は、角度方向だけでなく、軸方向にも変位可能なため、継手の軸方向変位の最大限をサークリップ６で規制している。すなわち、外側継手部材１の開口端部側の内周面に形成した溝部１ｃに前記サークリップ６を装着して、このサークリップ６とボール３とが干渉するように構成している。

また、内側継手部材２の内周面に形成したセレーション部２ｂには、プロペラシャフトやドライブシャフト等のシャフト５の端部が係合されている。外側継手部材１の開口端と、その開口端から外部へ延在したシャフト５との間には、金属製の蛇腹部材７が配設されている。この蛇腹部材７は、摺動式等速自在継手の角度（作動角）の変位や軸方向の変位に応じて、変形・伸縮することができる。蛇腹部材７は全体として円錐台形筒状に形成され、その大径端部７ａを、外側継手部材１の開口端側の外周に設けてある外鍔状の取付部１ｂに付設し、大径端部７ａと反対側の小径端部７ｂを、シャフト５の中間部外周に設けてある外鍔状の取付部５ａに付設している。大径部７ａ及び小径部７ｂと、各取付部１ｂ，５ａとの付設方法は、ボルト等による締結や溶接など、両者間を密封可能な任意の方法を採用することができる。

図２は本発明のシール構造を、例えば、鉄道車両用軌間可変台車等の長スライド量が求められる用途に適用したクロスグルーブ型継手の実施例である。
図２に示すように、クロスグルーブ型継手Ｂは、駆動側の外側継手部材８と、内側継手部材９と、トルク伝達部材としてのボール１０と、保持器１１を主要な構成要素としている。外側継手部材８の内周面には、その軸線に交差角をもつ複数の案内溝８ａが周方向等間隔に形成されている。内側継手部材９は、外側継手部材８の内周に同一軸線上に配置され、内側継手部材９の外周面の右側に、その軸線に交差角をもつ複数の案内溝９ａが周方向等間隔に形成してある。外側継手部材８の案内溝８ａと内側継手部材９の案内溝９ａは、互いに交差して配置されている。

交差した案内溝８ａ，９ａにて形成したトラックには、ボール１０が１個ずつ組み込まれ、所定のトルク伝達と軸方向に大きな伸縮が可能なクロスグルーブ型継手を構成する。保持器１１は、外側継手部材８と内側継手部材９との間に介在すると共に、周方向等間隔にボール１０を収容する複数のポケット１１ａを有する。

内側継手部材９の案内溝９ａの両側に、それぞれサークリップ１３，１４が装着してある。このサークリップ１３，１４は、内側継手部材９、ボール１０及び保持器１１を、外側継手部材８に組み込んだ後、ボール１０が分離しないようにするためのストッパーとして機能する。

また、内側継手部材９の外周の左側は、従動側の別の外側継手部材２１内に挿入され、その外側継手部材２１と内側継手部材８の左端部との間にトルク伝達用のボール２０が介在している。ボール２０は保持器２２にて転動自在に保持されている。

右側の外側継手部材８の内側継手部材９側の開口端には、環状の取付部８ｂが固着されている。また、左側の外側継手部材２１の開口端に、環状の取付部９ｂを設けている。各取付部８ｂ，９ｂは、右側の外側継手部材８及び左側の外側継手部材２１に、ボルトによる締結など任意の方法で取付可能である。そして、右側の外側継手部材８の取付部８ｂに、金属製の筒状蛇腹部材１２の一端１２ａが付設され、左側の外側継手部材２１の取付部９ｂに、前記蛇腹部材１２の他端１２ｂが付設されている。蛇腹部材１２は、クロスグルーブ型継手Ｂの軸線方向変位に応じて、伸縮可能となっている。なお、蛇腹部材１２の両端１２ａ，１２ｂと、各取付部８ｂ，９ｂとの付設方法は、ボルト等による締結や溶接など、両者間を密封可能な任意の方法を採用することができる。

また、本発明のシール構造は、上述の実施形態以外に、トルク伝達部材としてボールを用いたボールスプラインタイプ、又はトルク伝達部材として円筒ころを用いたころスプラインタイプ、あるいは外筒に設けた内歯と内筒に設けた外歯とを係合させたスライディングギアタイプなど、様々なスライドスプライン軸に適用することができる。

以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更を加え得ることは勿論である。金属製蛇腹部材の形状や付設方法等は、図１又は図２で示したものに限定されず、適用箇所に応じて適宜変更可能である。

本発明に係るシール構造を、摺動式等速自在継手に適用した実施形態を示す断面図である。本発明に係るシール構造を、クロスグルーブ型継手に適用した実施形態を示す断面図である。従来のシール構造の一実施例を示した断面図である。従来のシール構造の他の実施例を示した断面図である。

符号の説明

１外側継手部材
２内側継手部材
３ボール
４保持器
５シャフト
７蛇腹部材
８外側継手部材（駆動側）
９内側継手部材
１０ボール
１１保持器
１２蛇腹部材
２０ボール
２１外側継手部材（従動側）
２２保持器
Ａ摺動式等速自在継手
Ｂクロスグルーブ型継手

Claims

外側継手部材と内側継手部材との間にトルク伝達部材を収容し、前記内側継手部材に連結したシャフトを継手外へ延在してなる等速自在継手のシール構造であって、前記外側継手部材に金属製蛇腹部材の一端を付設すると共に、前記シャフトの外周に前記金属製蛇腹部材の他端を付設したことを特徴とするシール構造。
内側継手部材を介して互いに軸線方向に接近離間可能に連結された駆動側の外側継手部材と従動側の外側継手部材のシール構造であって、前記駆動側の外側継手部材に、金属製蛇腹部材の一端を付設すると共に、前記従動側の外側継手部材に、前記金属製蛇腹部材の他端を付設したことを特徴とするシール構造。
雌スプライン部材と、当該雌スプライン部材に摺動自在に挿入した雄スプライン部材とを有するスライドスプライン軸のシール構造であって、前記雌スプライン部材に金属製蛇腹部材の一端を付設すると共に、前記雄スプライン部材に前記金属製蛇腹部材の他端を付設したことを特徴とするシール構造。