JP2009192053A - 除振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】周辺環境の汚染を防止できる空気ばねを用いた除振装置を提供する。
【解決手段】除振装置10は、除振対象物を支持する空気ばね42a〜42eと、空気ばね42a〜42eを気密的に囲繞し、かつ、除振対象物の荷重の方向へ伸縮可能な無塵カバーと、無塵カバー34の内部空間Aに排気管56を介して連通され、かつ、内部空間Aを減圧する真空ポンプ24とを備えている。したがって、空気ばね42a〜42eから化学物質が放出されたり、空気が漏出したりした場合でも、それらの化学物質や空気を真空ポンプ24によって確実に吸引排出することができ、これらが除振装置10の周辺環境へ放散されるのを防止できる。また、内部空間Aを減圧することによって、空気ばね42a〜42eの外部圧力(Pa)を低くするようにしているので、より大きな荷重(M)を支持することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、クリーンルーム内に設けられた真空チャンバ(クラス1)内での使用を目的とし、半導体露光装置または電子顕微鏡等のような超精密機器に伝わる振動を除去するための除振装置に関し、特に、「空気ばね」を用いたアクティブ又はパッシブ除振装置に関する。
従来からクリーンルーム内で使用されるような半導体露光装置または電子顕微鏡等のような精密機器は、床面等から伝わる外部振動或は精密機器そのものの可動部の稼動による振動(自家発生振動)の影響を受け易いため、精密機器そのものに加わる振動(微小振動も含めて)を効果的に除去することが重視されている。
最近、半導体関係の生産設備では、生産性の極大化を計るため半導体基板の大型化、パターンの細密化に伴う超高精密化及びハンドリングを含めた自動化が急速に進行している。そして半導体関係の生産設備は自動化されたハンドリング装置も主装置と一体化されるに至り大型化していること、超精密化実現のため機器に加わる超微細振動まで効果的に除去すること求められ(アクティブ除振)、従来からこのような精密機器の除振に適した様々な除振装置が開発されている。その一例が特許文献1〜3などに開示されている。特許文献1〜3に開示された除振装置は、いずれも「空気ばね除振装置」によるアクティブ除振方法を使用しており、大型化、超精密化に対応できるようになってきている。(勿論、パッシブ除振方法の適用も可能である。)
しかしながら、現在では、前記更なる超精密化(即ち、サブミクロンクラスに及ぶパターンの超細密化)に伴い、スーパークリーンルームやクリーンルーム内に設けられる専用の真空チャンバ(例えばクラス1)にも対応できることが求められるようになってきている。
特開2002−364702公報 特開2005−069303公報 特開2005−106166公報
従来の除振装置(特許文献1〜3)によれば、上述した効果(大型化、超精密除振)にある程度対応できるものの、「空気ばね除振装置」の空気溜まりとなる「ベローズ」は、伸縮性が要求されるため「ゴム」で構成されている。「ゴム」は種々の添加剤が含まれているため、このような「空気ばね除振装置」を使用すると、必然的に「ベローズ」を構成する「ゴム」から化学物質(添加物)を始め各種有害パーティクルがベローズ外、即ち、スーパークリーンルームや専用の真空チャンバ内に放出される。従って、スーパークリーンルームまたは真空チャンバ等のような高い清浄度(例えばクラス1)が要求されるような環境では、「ベローズ」を構成する「ゴム」から放出される化学物質(添加物)その他が内部環境を汚染してしまうので、このような除振装置では前記スーパークリーンルームなどのような環境下では使用し得ないという問題があった。また、アクティブ又はパッシブ除振に用いられる「空気ばね除振装置」は、外圧よりも圧力の方が高い空気溜まりとなる「ベローズ」を使用しているため、何らかの原因により「ベローズ」が破れ(ピンホールも含む。)、「ベローズ」から内圧空気が漏出した場合には、該内圧空気によってスーパークリーンルームなどの清浄周辺環境が汚染される。
それゆえに本発明の主たる課題は、スーパークリーンルームのような清浄周辺環境の汚染を防止できる「空気ばね除振装置」を用いたアクティブ又はパッシブ除振装置を提供することである。
請求項1に記載した発明は、「除振対象物M(例えば半導体基板の露光装置)を支持する空気ばね除振装置10と、空気ばね除振装置10を気密的に囲繞し、かつ、前記除振対象物Mの移動方向への伸縮可能な無塵カバー34と、前記無塵カバー34の内部空間Aを減圧源24に接続する排気管56とで構成されたことを特徴とする除振装置10,64」である。そして、請求項2の発明は「無塵カバーが金属製ベローズで構成されている」ことを特徴とするものであり、請求項3の発明は「無塵カバーの内部空間の圧力が無塵カバーの外部空間の圧力よりも低圧に設定される」ことを特徴とするものである。
本発明では、空気ばね除振装置10,64を囲繞するものが無塵カバー34であるから、それ自体、発塵せず、清浄周辺環境内での使用が可能であり、しかも無塵カバー34によって空気ばね除振装置10,64を気密的に囲繞するとともに、無塵カバー34の内部空間Aと減圧源24とを排気管56にて接続しているので、空気ばね除振装置10の「ベローズ」から化学物質などが放出されたり、「ベローズ」の破損によって「ベローズ」の内圧空気が漏出したりした場合でも、それらの化学物質などを含む内圧空気は無塵カバー34の存在よって洩れることはなく、且つ、直ちに排気管56の存在によって無塵カバー34外に確実に吸引排出することができ、除振装置10の清浄周辺環境への放散が確実に防止できる。
加えて、「無塵カバー34の内部空間Aの圧力が無塵カバー34の外部空間Bの圧力よりも低圧に設定される」場合では、無塵カバー34そのものに破損が生じたとしても、その破損がピンホール程度の軽微なもので、無塵カバー34内の減圧状態が破られない程度のものであれば、減圧源24に接続された排気管56によって無塵カバー34の内部空間Aの汚染空気を確実に吸引排出することができ、パーティクルのような有害塵埃がスーパークリーンルームなどの超清浄内部環境へ放散されるのを確実に防止できる。
また、減圧源24に接続された排気管56で無塵カバー34の内部空間Aを減圧することによって、空気ばね除振装置10の「ベローズ」の外部圧力(Pa;即ち、無塵カバー34の内圧)を低くするようにしているので、無塵カバー34の内圧を減圧しない場合に比べてより大きな荷重(M)を支持することができる。なお、この点については、後に[数1]式を参照しながら詳述する。
請求項1〜3に記載した発明によれば、
(イ)無塵カバー34の使用により、空気ばね除振装置自体の清浄周辺環境内での使用が可能となる。
(ロ)パーティクルのような有害塵埃の放散を確実に防止できるので、トラブル発生時でもスーパークリーンルームのような清浄周辺環境を汚染するようなことがない。
(ハ)無塵カバー34の内圧を減圧しない場合に比べてより大きな荷重(M)を支持することができ、より小型の空気ばね除振装置を使用することができて除振装置の小型軽量化を達成できる。
図1は、本発明が適用された除振装置10を示す断面図であり、図2は、除振装置10の使用状態を示す正面図であり、図3は、除振装置10の使用状態を示す平面図である。なお、図において矢印で示した「XYZ方向」は、以下の説明で用いる「XYZ方向」に対応している。
第1実施例である除振装置10(図1〜3)は、除振対象物、例えば半導体装置の製造プロセスで使用される半導体露光装置或は電子顕微鏡の除振に適用されるものであり、超微小振動を含め、外部振動や除振対象物が有する可動部の稼動によって発生した振動を打ち消すように積極的に動作する「アクティブ形」として構成されている。
前記半導体露光装置は、例えば、未処理半導体基板を収容するローダ、処理済み半導体基板を収容するアンローダ、露光部において半導体基板を載置し、マスターパターンとの位置合わせを行うXYステージと、露光光(紫外線等)を出射する光源と、光源から出射された露光光(紫外線等)を半導体基板へ導く光学系、半導体基板を自動ローディング、自動アンローディングするロボットアーム(自走可能のものもある。)、その他付属設備などによって構成されており、「塵または埃等の微細粒子(パーティクル)が半導体基板上に落下することによる露光不良=断線の原因」を防止するために、例えば、クリーンルームの真空チャンバ内に設置されている。従って、真空チャンバの内部は減圧状態にある。本実施例では真空チャンバの内部空間(即ち、清浄周辺環境)をBで表す。
XYステージは可動部のひとつで、半導体基板を載置してマスターパターンとの位置合わせを行うためにこれをXY方向へ移動させるものであるが、最近では配線パターンがサブミクロンという超細密状態にあり、装置に伝わる振動(装置の可動部分からの振動も含む。)が当該装置の性能を左右するというような状況に至っている。通常、除振対象物Mである半導体露光装置を支持する除振装置10の数は、除振対象物Mの4隅に設けられているが、勿論、4個に限定されるものではなく、3個であってもよいし、5個以上であってもよい。
除振装置10は、図1に示すように、除振装置本体20と、圧縮空気源22と、減圧源24である例えば真空ポンプ或いは工場減圧配管と、空圧制御装置26とを備えており、除振装置本体20が除振装置10の主要部として支持台18を介して(或は直接)支持床15と除振対象物Mである半導体露光装置との間に配設されている。
除振装置本体20は、図1および図3に示すように、下側固定プレート28と、上側固定プレート30と、空気ばねユニット32と、無塵カバー34とによって構成されている。
下側固定プレート28は、除振装置本体20の下面を構成する円盤状部材であり、上側固定プレート30は、除振装置本体20の上面を構成する円盤状部材であり、下側固定プレート28が固定ボルト等を用いて支持台18の上面に固定されており、かつ、上側固定プレート30が固定ボルト等を用いて除振対象物Mの下面に固定されている。そして、下側固定プレート28には、3つの貫通孔28a,28b,28cが形成されており、これらの貫通孔28a,28b,28cが支持台18の天板36に形成された貫通孔18a,18b,18cに連通されている。なお、下側固定プレート28および上側固定プレート30の形状は、特に限定されるものではなく、本実施例のような円盤状(図3)の他、四角盤状等であってもよい。また、支持台18の内部には後述する除振装置本体20用の配管系、即ち、排気処理源57となる例えば工場時配管や圧縮空気源22となる圧縮ポンプ及び減圧源24となる真空ポンプ或はこれらに相当する工場配管などが収容されている。
1台の空気ばねユニット32は、下側構成部材38と、上側構成部材40と、5個の空気ばね42a,42b,42c,42d,42eとを備えている。
下側構成部材38は、X方向において対向する2つの側板38a,38b(図1、図3(b))と、Y方向において対向する2つの側板38c,38d(図3(b))と、水平面を構成する平面視四角形の底板38e(図1)とによって、上面が開放された箱状に構成されており、底板38e(図1)が下側固定プレート28の上面に固定ボルト等を用いて固定されている。
上側構成部材40は、下側構成部材38の上方からその中央部に挿入された角柱状の棒状部材44を備えており、棒状部材44の側面には、下側構成部材38の側板38a,38b,38c,38dと対向する対向面44a,44b,44c,44dが形成されており、棒状部材44の下面には、下側構成部材38の底板38eと対向する対向面44eが形成されている。また、棒状部材44の上端部には、鍔状の固定部46が形成されており、固定部46が上側固定プレート30の下面に固定ボルト等を用いて固定されている。
そして、下側構成部材38の側板38a,38b,38c,38dと上側構成部材40の対向面44a,44b,44c,44dとの間に空気ばね42a,42b,42c,42dが配設されており、底板38eと対向面44eとの間に空気ばね42eが配設されている。また、各空気ばね42a〜42eに対して給排気管48を介してサーボバルブ50a,50b,50c,50d,50e(サーボバルブ50c,50dは図示せず。)が接続されており、各サーボバルブ50a〜50eに対して給気管52および排気管54が接続されている。
空気ばね42a〜42eは、圧縮空気の弾力性を利用したばね装置であり、ゴム膜によって風船状に形成されている。したがって、空気ばねに空気を供給すると、体積が膨張するとともに内部圧力が高くなり、空気ばねから空気を抜くと、体積が収縮するとともに内部圧力が低くなる。
サーボバルブ50a〜50eは、空圧制御装置26のバルブ制御回路62から出力された制御信号に基づいて空気ばね42a〜42eに対する「給気量」と「排気量」とを制御してそのバランスで空気ばね42a〜42eの内圧を制御するものであり、除振対象物Mに装備された除振装置10…の全てのサーボバルブ50a…が統一的に制御されることによって、換言すれば、空気ばね42a…へ供給・排気される空気量調整による内圧調整によって超微小振動を含め除振対象物Mに入力又は除振対象物M自体が発生したした全ての振動をアクティブに打ち消すように制御が行われる。
給気管52は、圧縮空気源22の圧縮空気を各サーボバルブ50a…へ供給するための通気路であり、シールの使用により、給気管52の入口側端部は、貫通孔28a,18aから除振装置本体20の外部へ気密的に引き出されて圧縮空気源22に接続されており、出口側端部は、複数に分岐されて各サーボバルブ50a…に接続されている。
排気管54は、空気ばね42a…側から各サーボバルブ50a…に与えられた排気を排出するための排気路であり、排気管54の入口側端部は、複数に分岐されて各サーボバルブ50a…に接続されており、出口側端部は、貫通孔28b,18bから除振装置本体20の外部へ気密的に引き出されて例えば工場排気配管のような排気処理源57に接続されている。
無塵カバー34は、空気ばねユニット32(空気ばね42a,42b,42c,42d,42eを含む。)を気密的に囲繞する例えばステンレスのような金属製ベローズからなる円又は角筒状部材であり、無塵カバー34の下端部全周が下側固定プレート28の上面に気密的に接続されており、かつ、上端部全周が上側固定プレート30の下面に気密的に接続されている。したがって、空気ばね42a…の周囲には、下側固定プレート28と上側固定プレート30と無塵カバー34とによって密閉空間(即ち、後述する内部空間A)が構成されている。
ここで、「金属製ベローズ」とは、ステンレス等のような金属からなる「蛇腹状」または「ふいご状」の筒状部材であり、側壁に設けられた山谷が軸方向へ交互に連続している。したがって、無塵カバー34は、大きくは除振対象物Mその物の重量による荷重方向(上下方向)に伸縮すると同時に除振対象物Mに対する入力縦波外乱と入力横波外乱(上下方向及び水平方向)に合わせて殆ど抵抗なく伸縮する。換言すれば、除振対象物Mの上下・水平振動に伴って空気ばねユニット32の高さ・水平位置が変動すると、それに追従して無塵カバー34の高さや水平方向のズレ量が3次元的に殆ど抵抗なく変動する。
なお、本実施例では、無塵カバー34を金属製(例えばステンレス製)ベローズで構成することによって、無塵カバー34自体から化学物質が放出されるのを防止しているが、無塵カバー34の材質は、化学物質を始めとするスーパークリーンルーム環境汚染有害パーティクル(微小塵埃)を放出しないものであればよく、金属に限定されるものではない。また、無塵カバー34の形状は、除振対象物Mから受ける荷重の方向及び水平方向へ伸縮可能なものであればよく、ベローズに限定されるものではない。
圧縮空気源22は、「圧縮空気が充填されたタンク」または「圧縮空気を発生させるコンプレッサ」又は「圧縮工場配管」等であり、この圧縮空気源22が給気管52の入口側端部に接続されている。
減圧源24(例えば真空ポンプ又は減圧工場配管)は、無塵カバー34の内部空間Aを減圧することによって、空気ばね42a,42b,42c,42d,42eの外部圧力(Pa)を低くするものであり、減圧源24と無塵カバー34の内部空間Aとが排気管56を介して連通されている。つまり、排気管56の出口側端部が減圧源24の吸引口に接続されており、かつ、入口側端部が支持床18の貫通孔18cを通して下側固定プレート28の貫通孔28cに気密的に接続されている。
なお、無塵カバー34の内部空間Aは減圧源24によって減圧されており、無塵カバー34の外部空間Bもクリーンルームの真空チャンバ内であることから減圧されているが、これらの圧力関係は優先すべき事項に応じて適宜設定される。つまり、(a)「圧力差による無塵カバー34の変形を防止すること」を優先する場合には、内部空間Aと外部空間Bとの圧力差が0.2気圧以下に設定される。また、(b)「無塵カバー34の座屈を防止してその形状を維持すること」を優先する場合には、内部空間Aの圧力が外部空間Bの圧力よりも0.2気圧程度高くなるように設定される。そして、(c)「内部空間Aに存在する化学物質や空気が周辺環境へ放散されるのを防止すること」を優先する場合には、内部空間Aの圧力が外部空間Bの圧力よりも低くなるように設定される。
いずれの場合でも、内部空間Aと外部空間Bとの圧力差が0.2気圧以下であれば、無塵カバー34に作用する応力が小さくなるため、無塵カバー34を薄肉に形成することが可能となり、無塵カバー34を設けたことによる空気ばね42a〜42eの固有振動数の上昇率を5%以下に抑えて除振性能の著しい低下を防止することができる。換言すれば、ほぼ設計値通りの除振性能を発揮させることが出来る。
空圧制御装置26は、除振対象物の上下(Z)方向への変位を検出する変位センサ58と、除振対象物の水平(XY)方向への振動状態を検出する少なくとも2個の加速度センサ60と、サーボバルブ50a〜50eを制御するバルブ制御回路62とによって構成されており、変位センサ58が無塵カバー34の内部空間A内において上側固定プレート30の下面に対向して配設されており、水平(XY) 方向の少なくとも2個の加速度センサ60が空気ばねユニット32の上側構成部材40に取り付けられている。
バルブ制御回路62は、変位センサ58および加速度センサ60から与えられた信号に基づいて振動の「大きさ」および「方向」等を算出し、前述の振動を打ち消し、かつ、除振対象物Mを一定の高さに保持出来るようにするための制御信号をサーボバルブ50a〜50eに出力するものであり、真空チャンバに設けられた制御盤(図示省略)内に収容されている。なお、当然のことであるが、制御盤と前記センサ58、60とを繋ぐコードは、無塵カバー34から引き出される場合、気密を保つように処理されている。
このような機能を持つ本実施例の除振装置10によれば、空気ばね42a〜42eを用いて空気ばねユニット32を構成しているので、「ゴム」製の各空気ばねから化学物質その他が放出されたり、ピンホールのような欠損でも発生するとここから空気が漏出したりするが、空気ばねユニット32を無塵カバー34によって気密的に囲繞するとともに、無塵カバー34の内部空間Aと真空ポンプのような減圧源24とを排気管56にて連通しているので、化学物質などや漏洩空気を減圧源24によって確実に吸引排出することができ、これらが無塵カバー34外の清浄周辺環境Bへ放散されるのを防止できる。なお、ゴム製空気ばねの欠損量が問題となるが、極く小さい場合、ゴム製空気ばねへの空気供給量が漏洩空気量より大きい場合には、修理までの間、除振対象物Mの姿勢制御や除振性能に影響を殆ど及ぼさない。
また、サーボバルブ50a〜50eを無塵カバー34の内部空間Aに収容している場合には、サーボバルブ50a〜50eから漏出した空気が清浄周辺環境Bへ放散されるのを防止できる。
そして、減圧源24で無塵カバー34の内部空間Aを減圧することによって、空気ばね42a…の清浄周辺環境Bの外部圧力(Pa)を低くするようにしているので、減圧しない場合に比べてより大きな荷重(M)を支持することができる。
すなわち、空気ばねの有効受圧面積をS(=空気圧力が作用する面積:図1参照)、空気ばねの内部絶対圧力をPo、空気ばねの外部圧力をPa、ポリトロピクス指数をμ、空気ばねの内容積をVとすると、支持可能な荷重(M)は、以下の[数1]式で表すことができ、空気ばねのばね定数(k)は、以下の[数2]式で表すことができる。
Figure 2009192053
Figure 2009192053
[数1]式より、空気ばねの外部圧力(Pa)が小さいほど支持可能な荷重(M)は大きくなることが分かる。つまり、空気ばね42a〜42eの外部圧力(Pa)を真空ポンプ24によって減圧している本実施例(Pa<1)によれば、減圧していない場合(Pa=1)に比べて(Po−Pa)の値が大きくなることから、支持可能な荷重(M)が大きくなることが分かる。したがって、同じ大きさの荷重(M)を支持することを前提にすると、「有効断面積(S)の小さい空気ばね」または「内部絶対圧力(Po)の低い空気ばね」を使用することができ、除振装置10の小型軽量化を達成できる。
また、「有効断面積(S)の小さい空気ばね」または「内部絶対圧力(Po)の低い空気ばね」を使用した場合には、[数2]式より、ばね定数(k)が小さくなることが分かる。したがって、ばね質量系の固有振動数を低くすることができ、除振性能を高めることができる。
図4に示す他の実施例の除振装置64は、主として上下方向の前記外部振動などに対して受動的に動作する「パッシブ形」として構成されたものであり、除振装置10(図1)の空気ばねユニット32に代えて、空気ばねユニット66を用いたものである。
空気ばねユニット66は、下側構成部材68と、上側構成部材70と、空気ばね72とを備えている。
下側構成部材68は、空気室Cを構成する箱状部材であり、下側構成部材68の天板68aには通気孔74が形成されており、下側構成部材68の底板68bが下側固定プレート28の上面に固定ボルト等を用いて固定されている。上側構成部材70は、下側構成部材68の天板68aと対向する板状部材であり、上側構成部材70が上側固定プレート30の下面に固定ボルト等を用いて固定されている。
そして、下側構成部材68の天板68aと上側構成部材70との間に空気ばね72が配設されており、空気ばね72の通気口72aが下側構成部材68の通気孔74に接続されている。したがって、下側構成部材68の通気孔74が「オリフィス」となって、空気の粘性抵抗による減衰を得ることができる。また、空気ばね72には、給排気管76を介してレべリングバルブ78が接続されており、レべリングバルブ78に対して給気管80および排気管82が接続されている。
レべリングバルブ78は、前記「給気」または「排気」を切り換えるとともに、空気の流量を制御するものであり、給排気管76、給気管80および排気管82が接続されたバルブ本体78aを有している。そして、バルブ本体78aの内部には、弁体が収容されており、この弁体には、操作棒78bが接続されており、操作棒78bの先端(入力端)が上側固定プレート30の下面に当接されている。
除振対象物の平行が保たれた状態において、レべリングバルブ78は、所定量の空気が空気ばね72に供給されるように流量調整されている。そして、振動が発生した際に除振対象物の降下に伴って上側固定プレート30が下がると、操作棒78bが押し下げられて弁体が「給気方向」へ開かれる。すると、空気ばね72の内部圧力が上昇して除振対象物が持ち上げられ、除振対象物の平行が回復される。一方、除振対象物の上昇に伴って上側固定プレート30が上がると、操作棒78bがバルブ本体78aに内蔵された「ばね」に押し上げられて弁体が「排気方向」へ開かれる。すると、空気ばね72の内部圧力が低下して除振対象物が降下し、除振対象物の平行が回復される。
この除振装置64(図4)においても、無塵カバー34によって空気ばね72を気密的に囲繞しているので、空気ばね72から化学物質が放出されたり、空気が漏出したりした場合でも、それらの化学物質や空気が周辺環境へ放散されるのを防止できる。また、レべリングバルブ78を無塵カバー34の内部空間Aに収容しているので、レべリングバルブ78から漏出した空気が周辺環境へ放散されるのを防止できる。さらに、真空ポンプ24で無塵カバー34の内部空間Aを減圧することによって、空気ばね72の外部圧力(Pa)を低くするようにしているので、除振装置10(図1)と同様に、小型軽量化を達成でき、かつ、除振性能を高めることができる([数1]、[数2]参照)。
なお、本発明では「空気ばね」を用いていることから以下の効果(a)〜(d)も奏する。
(a)固有振動数を低周波(1〜2Hz程度)に設定できるので外部振動に対して十分な除振性能を発揮できる。
(b)圧縮空気を利用した簡単な構造で大きな耐荷重を得ることができる。
(c)レべリングバルブを併用することで精密機器の水平状態を簡単に保持できる。
(d)発熱を伴わないので真空環境または減圧環境で使用した場合でも熱破壊は生じない。
除振装置(アクティブ方式)を示す断面図 除振装置の使用状態を示す正面図 除振装置の使用状態を示す平面図 他の除振装置(パッシブ方式)を示す断面図
符号の説明
10,64… 除振装置
12… 半導体基板
14… XYステージ
16… 搭載盤
18… 支持床
20… 除振装置本体
22… 圧縮空気源
24… 真空ポンプ
26… 制御装置
28… 下側固定プレート
30… 上側固定プレート
32,66… 空気ばねユニット
34… 無塵カバー
38,68… 下側構成部材
38a〜38d… 側板
38e… 底板
40,70… 上側構成部材
42a〜42e,72… 空気ばね
44… 棒状部材
44a〜44e… 対向面
48,76… 給排気管
50a〜50e… サーボバルブ
52,80… 給気管
54,56,82… 排気管
58… 変位センサ
60… 加速度センサ
62… バルブ制御回路

Claims (3)

  1. 除振対象物を支持する空気ばね除振装置と、
    空気ばね除振装置を気密的に囲繞し、かつ、前記除振対象物の移動方向への伸縮可能な無塵カバーと、
    前記無塵カバーの内部空間を減圧源に接続する排気管とで構成されたことを特徴とする除振装置。
  2. 前記無塵カバーは金属製ベローズで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の除振装置。
  3. 前記無塵カバーの内部空間の圧力は無塵カバーの外部空間の圧力よりも低圧に設定されることを特徴とする請求項1または2に記載の除振装置。
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