JP6271852B2 - 電子線応用装置の鏡筒部へ真空ポンプを接続する真空ポンプ用接続装置、及び該接続装置の設置方法 - Google Patents
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Description
(1)真空排気するには、被排気域(鏡筒部内部)と真空ポンプ吸気口との間の排気抵抗を考慮し、排気抵抗の逆数に当たるコンダクタンスを極力大きくとり、ポンプ本来の排気性能を十分発揮させる必要がある。
従来の技術では、鏡筒部の上部の領域を真空排気したい場合には、鏡筒部からポンプの吸気口までベローズを介して接続して、振動を絶縁すると共に、ベローズで真空ポンプを吊り下げる形態(以下では、「形態A」と呼ぶ。)がある。例えば、特開2012−112255号公報、及び特開2008−232029号公報は、いずれもターボ分子ポンプを
、べローズを介して電子線応用装置にぶら下げる形態Aを開示する。
ターボ分子ポンプにおいては、後述する図5に示すように、釣鐘状の羽根車と、磁気軸受及びモータロータを有するシャフトがロータを形成している。ここで、羽根車は一般的に比強度の高いアルミニウム合金から形成される。アルミニウム合金は非磁性材料のため、磁気軸受やモータに生じる強力な磁界による磁力線を遮蔽する効果は無い。一方、ポンプ全体を覆うポンプケーシングは、材料として比較的、強度と延性の高いステンレス合金が使用され、磁気の遮蔽効果も得るために、磁性材料であるマルテンサイト系ステンレス鋼が一般的に使用される。
また、上記のポンプの吸気口が鏡筒部に向けた状態で磁気遮蔽をしようとすると、ポンプの吸気口もしくはその近傍に物体を置くことになるため、ポンプ本来の排気性能を著しく阻害することとなる。
の性能・機能を阻害するようになる。
真空ポンプの吸気口と反対側において、電子線応用装置が設置される基部に連接する構造物に真空ポンプは固定される、又は第1の振動吸収部の第2の端部において、構造物に連結部材は固定される、又は第2の振動吸収部の第2の端部において、前記構造物に連結部材は固定される場合、鏡筒部と真空ポンプの弾性接続とポンプの高剛性固定を両立できる。
図1は、本発明の一実施例を示す電子線応用装置32及び真空ポンプ用接続装置34の正面図である。真空ポンプ16Aは、吸気口28及び排気口を有し、吸気口28から、吸気対象である電子線応用装置32の鏡筒部12A内のガスを吸引し、排気口からガスを排出する。真空ポンプ用接続装置34は、真空ポンプ16Aの吸気口28を鏡筒部12Aに接続する排気接続部24Aを含む。
腹36と、その周りを取り囲むゴム製の円筒状の物50(図2において点線で示すもの)からなるものでもよい。ゴム製の円筒状の物50を追加すると、ダンピング要素を追加することに等しく、また真空時の収縮を制限する等の効果がある。
なお、図1の実施例では、本発明の真空ポンプ用接続装置は電子線応用装置の鏡筒部に接続されているが、本発明の真空ポンプ用接続装置を電子線応用装置のメインチャンバ14に適用してもよい。この場合、排気接続部は、吸気対象であるメインチャンバ14に接続される。これにより、真空ポンプの振動をメインチャンバ14に伝達することが防止できる。
この設置方法によれば、鏡筒部の側部に排気接続部を設置し、排気接続部を介して対向するように2つの弾性ベローズを設けて、両弾性ベローズの反排気接続部側の両フランジを複数本の棒で連結しているので、排気接続部内が大気圧の場合も、真空の場合も両ベローズの伸縮量の和は一定に保たれる。さらに、両弾性ベローズ全体としての水平・垂直方向の弾性(バネ定数)は大きな変化を生じない。よって、大気圧から真空に変化させても、大気圧時の弾性接続条件が維持できる。
以上説明したように、本発明は以下の形態を有する。
[形態1]
電子線応用装置の鏡筒部に真空ポンプの吸気口を接続するための排気接続部を含む、真空ポンプ用接続装置において、
前記排気接続部を介して互いに対向するように前記排気接続部に接続された第1の振動吸収部及び第2の振動吸収部であって、前記第1の振動吸収部は、前記排気接続部に接続された前記第1の振動吸収部の第1の端部の反対側にある前記第1の振動吸収部の第2の端部で、前記真空ポンプの前記吸気口に接続される、前記真空ポンプの振動を吸収する第1の振動吸収部及び第2の振動吸収部と、
前記排気接続部に接続された前記第2の振動吸収部の第1の端部の反対側にある前記第2の振動吸収部の第2の端部で前記第2の振動吸収部に固定される剛性の連結部材であって、該連結部材は、前記第1の振動吸収部の前記第2の端部において、前記第1の振動吸収部に又は前記吸気口に固定される、連結部材とを含むことを特徴とする真空ポンプ用接続装置。
[形態2]
前記鏡筒部の円筒軸を含む平面と、前記真空ポンプのロータの回転軸を含む平面は互いに平行であることを特徴とする形態1に記載の真空ポンプ用接続装置。
[形態3]
前記鏡筒部の円筒軸と前記真空ポンプのロータの回転軸が平行であることを特徴とする形態1に記載の真空ポンプ用接続装置。
[形態4]
前記真空ポンプの前記吸気口が下方を向いており、前記真空ポンプの前記吸気口と反対側が上方を向いていることを特徴とする形態1から3までのいずれかに記載の真空ポンプ用接続装置。
[形態5]
前記排気接続部は磁気遮蔽部材を有することを特徴とする形態1から4までのいずれかに記載の真空ポンプ用接続装置。
[形態6]
前記真空ポンプの前記吸気口と反対側において、前記電子線応用装置が設置される基部に連接する構造物に前記真空ポンプは固定される、又は前記第1の振動吸収部の前記第2の端部において、前記構造物に前記連結部材は固定される、又は前記第2の振動吸収部の前記第2の端部において、前記構造物に前記連結部材は固定されることを特徴とする形態1から5までのいずれかに記載の真空ポンプ用接続装置。
[形態7]
前記第1の振動吸収部の前記第2の端部はフランジであり、前記第2の振動吸収部の前記第2の端部はフランジである、ことを特徴とする形態1から6までのいずれかに記載の真空ポンプ用接続装置。
[形態8]
電子線応用装置の鏡筒部の真空排気を行なう真空ポンプの設置方法において、
前記電子線応用装置の前記鏡筒部に前記真空ポンプの吸気口を、排気接続部を介して接続し、
前記真空ポンプの振動を吸収するために、前記排気接続部を介して互いに対向するように前記排気接続部に第1の振動吸収部及び第2の振動吸収部を接続し、
前記第1の振動吸収部を、前記排気接続部に接続された前記第1の振動吸収部の第1の端部の反対側にある前記第1の振動吸収部の第2の端部で、前記真空ポンプの前記吸気口に接続し、
前記排気接続部に接続された前記第2の振動吸収部の第1の端部の反対側にある前記第2の振動吸収部の第2の端部で前記第2の振動吸収部に剛性の連結部材を固定し、
該連結部材を、前記第1の振動吸収部の前記第2の端部において、前記第1の振動吸収部に又は前記吸気口に固定することを特徴とする真空ポンプの設置方法。
[形態9]
前記鏡筒部の円筒軸を含む平面と、前記真空ポンプのロータの回転軸を含む平面を互いに平行にすることを特徴とする形態8に記載の真空ポンプの設置方法。
[形態10]
前記鏡筒部の円筒軸と前記真空ポンプのロータの回転軸を平行にすることを特徴とする形態8に記載の真空ポンプの設置方法。
[形態11]
前記真空ポンプの前記吸気口を下方に向け、前記真空ポンプの前記吸気口と反対側を上方に向けることを特徴とする形態8から10までのいずれかに記載の真空ポンプの設置方法。
[形態12]
前記排気接続部は磁気遮蔽部材を有することを特徴とする形態8から11までのいずれかに記載の真空ポンプの設置方法。
[形態13]
前記真空ポンプの前記吸気口と反対側において、前記電子線応用装置が設置される基部に連接する構造物に前記真空ポンプを固定する、又は前記第1の振動吸収部の前記第2の端部において、前記構造物に前記連結部材を固定する、又は前記第2の振動吸収部の前記第2の端部において、前記構造物に前記連結部材を固定することを特徴とする形態8から12までのいずれかに記載の真空ポンプの設置方法。
34 真空ポンプ用接続装置
16、16A 真空ポンプ
24、24A 排気接続部
36 第1の振動吸収部
38 第2の振動吸収部
46 連結部材
Claims (9)
- 電子線応用装置の鏡筒部に真空ポンプの吸気口を接続するための排気接続部を含む、真空ポンプ用接続装置において、
前記排気接続部を介して互いに対向するように前記排気接続部に接続された第1の振動吸収部及び第2の振動吸収部であって、前記第1の振動吸収部は、前記排気接続部に接続された前記第1の振動吸収部の第1の端部の反対側にある前記第1の振動吸収部の第2の端部で、前記真空ポンプの前記吸気口に接続される、前記真空ポンプの振動を吸収する第1の振動吸収部及び第2の振動吸収部と、
前記排気接続部に接続された前記第2の振動吸収部の第1の端部の反対側にある前記第2の振動吸収部の第2の端部で前記第2の振動吸収部に固定される剛性の連結部材であって、該連結部材は、前記第1の振動吸収部の前記第2の端部において、前記第1の振動吸収部に又は前記吸気口に固定される、連結部材とを含み、
前記排気接続部は磁気遮蔽部材を有し、前記磁気遮蔽部材は、前記第1の振動吸収部と前記第2の振動吸収部が対向している所に位置する前記排気接続部の部分に配置されており、
前記鏡筒部の円筒軸を含む平面と、前記真空ポンプのロータの回転軸を含む平面は互いに平行であり、
前記磁気遮蔽部材は、前記鏡筒部と接して、もしくは近接して配置され、
前記磁気遮蔽部材は円筒形状であることを特徴とする真空ポンプ用接続装置。 - 前記鏡筒部の円筒軸と前記真空ポンプのロータの回転軸が平行であることを特徴とする請求項1に記載の真空ポンプ用接続装置。
- 前記真空ポンプの前記吸気口が下方を向いており、前記真空ポンプの前記吸気口と反対側が上方を向いていることを特徴とする請求項1または2に記載の真空ポンプ用接続装置。
- 前記真空ポンプの前記吸気口と反対側において、前記電子線応用装置が設置される基部に連接する構造物に前記真空ポンプは固定される、又は前記第1の振動吸収部の前記第2の端部において、前記構造物に前記連結部材は固定される、又は前記第2の振動吸収部の前記第2の端部において、前記構造物に前記連結部材は固定されることを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の真空ポンプ用接続装置。
- 前記第1の振動吸収部の前記第2の端部はフランジであり、前記第2の振動吸収部の前記第2の端部はフランジである、ことを特徴とする請求項1から4までのいずれかに記載の真空ポンプ用接続装置。
- 電子線応用装置の鏡筒部の真空排気を行なう真空ポンプの設置方法において、
前記電子線応用装置の前記鏡筒部に前記真空ポンプの吸気口を、排気接続部を介して接続し、
前記真空ポンプの振動を吸収するために、前記排気接続部を介して互いに対向するように前記排気接続部に第1の振動吸収部及び第2の振動吸収部を接続し、
前記第1の振動吸収部を、前記排気接続部に接続された前記第1の振動吸収部の第1の端部の反対側にある前記第1の振動吸収部の第2の端部で、前記真空ポンプの前記吸気口に接続し、
前記排気接続部に接続された前記第2の振動吸収部の第1の端部の反対側にある前記第2の振動吸収部の第2の端部で前記第2の振動吸収部に剛性の連結部材を固定し、
該連結部材を、前記第1の振動吸収部の前記第2の端部において、前記第1の振動吸収部に又は前記吸気口に固定し、
前記排気接続部は磁気遮蔽部材を有し、前記磁気遮蔽部材は、前記第1の振動吸収部と前記第2の振動吸収部が対向している所に位置する前記排気接続部の部分に配置され、
前記鏡筒部の円筒軸を含む平面と、前記真空ポンプのロータの回転軸を含む平面は互いに平行であり、
前記磁気遮蔽部材は、前記鏡筒部と接して、もしくは近接して配置され、
前記磁気遮蔽部材は円筒形状であることを特徴とする真空ポンプの設置方法。 - 前記鏡筒部の円筒軸と前記真空ポンプのロータの回転軸を平行にすることを特徴とする請求項6に記載の真空ポンプの設置方法。
- 前記真空ポンプの前記吸気口を下方に向け、前記真空ポンプの前記吸気口と反対側を上方に向けることを特徴とする請求項6または7に記載の真空ポンプの設置方法。
- 前記真空ポンプの前記吸気口と反対側において、前記電子線応用装置が設置される基部に連接する構造物に前記真空ポンプを固定する、又は前記第1の振動吸収部の前記第2の端部において、前記構造物に前記連結部材を固定する、又は前記第2の振動吸収部の前記第2の端部において、前記構造物に前記連結部材を固定することを特徴とする請求項6から8までのいずれかに記載の真空ポンプの設置方法。
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