JP2004220931A - 有機電界発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機電界発光素子において、素子の駆動安定性を充分に確保すると共に、高発光効率で色純度の良好な素子を提供する。
【解決手段】基板上に、陽極、発光層、正孔阻止層および陰極が順次積層されてなる有機電界発光素子。正孔阻止層は、下記一般式(I)で表わされる化合物を含む。
【化37】
Figure 2004220931

(式中、カルバゾリル基およびフェニレン基は任意の置換基を有していても良く、また置換基同士が結合して環を形成していても良い。Zは2価の連結基を示し、nは0〜5の整数を表す。但し、nが2以上の場合、1分子中に含まれる複数のZは同じであっても異なっていても良い。)
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は有機電界発光素子に関するものであり、詳しくは、有機化合物から成る発光層に電界をかけて光を放出する薄膜型デバイスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、薄膜型の電界発光(EL)素子としては、無機材料のIII−V族化合物半導体であるZnS、CaS、SrS等に、発光中心であるMnや希土類元素(Eu、Ce、Tb、Sm等)をドープしたものが一般的であるが、上記の無機材料から作製したEL素子は、
1)交流駆動が必要(50〜1000Hz)、
2)駆動電圧が高い(〜200V)、
3)フルカラー化が困難(特に青色)、
4)周辺駆動回路のコストが高い、
という問題点を有している。
【0003】
しかし、近年、上記問題点の改良のため、有機薄膜を用いたEL素子の開発が行われるようになった。特に、発光効率を高めるため、電極からのキャリアー注入の効率向上を目的として電極の種類の最適化を行い、芳香族ジアミンから成る正孔輸送層と8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体から成る発光層とを設けた有機電界発光素子の開発(Appl.Phys.Lett.,51巻,913頁,1987年)により、従来のアントラセン等の単結晶を用いたEL素子と比較して発光効率の大幅な改善がなされている。また、例えば、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体をホスト材料として、クマリン等のレーザー用蛍光色素をドープすること(J.Appl.Phys.,65巻,3610頁,1989年)で、発光効率の向上や発光波長の変換等も行われており、実用特性に近づいている。
【0004】
上記の様な低分子材料を用いた電界発光素子の他にも、発光層の材料として、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリ[2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン]、ポリ(3−アルキルチオフェン)等の高分子材料を用いた電界発光素子の開発や、ポリビニルカルバゾール等の高分子に低分子の発光材料と電子移動材料を混合した素子の開発も行われている。
【0005】
素子の発光効率を上げる試みとして、蛍光ではなく燐光を用いることも検討されている。燐光を用いる、即ち、三重項励起状態からの発光を利用すれば、従来の蛍光(一重項)を用いた素子と比べて、最大で4倍の効率向上が期待される。この目的のためにクマリン誘導体やベンゾフェノン誘導体を発光層とすることが検討されたが、極めて低い輝度しか得られなかった。その後、三重項状態を利用する試みとして、ユーロピウム錯体を用いることが検討されてきたが、これも高効率の発光には至らなかった。
【0006】
最近、以下に示す白金錯体(T−1)を用いることで、高効率の赤色発光が可能なことが報告された(Nature,395巻,151頁,1998年)。その後、以下に示すイリジウム錯体(T−2)を発光層にドープすることで、さらに緑色発光で効率が大きく改善されている(Appl.Phys.Lett.,75巻,4頁,1999年)。
【0007】
【化6】
Figure 2004220931
【0008】
有機電界発光素子をフラットパネル・ディスプレイの分野に応用する際の大きな課題の一つとして、駆動安定性の向上が挙げられる。特に低分子材料を積層させてなる有機電界発光素子において、燐光発光を利用した素子の寿命が蛍光発光を利用した素子と比較して短く問題となっている。燐光発光素子は高効率で発光する為、デバイスの低消費電力化が期待され、また照明用途としても有望であるが、その長寿命化は実用化において必須となっている。
【0009】
これまでに報告されている有機電界発光素子では、基本的には正孔輸送層と電子輸送層の組み合わせにより発光を得ている。陽極から注入された正孔は正孔輸送層を移動し、陰極から注入されて電子輸送層を移動してくる電子と、両層の界面近傍で再結合をし、正孔輸送層および/または電子輸送層を励起させて発光させるのが原理である。近年は正孔輸送層と電子輸送層の間に発光層を設けることにより、発光効率を向上させている素子が一般的である。
【0010】
さらに、発光層中での励起子生成を促進させ、発光の高効率化・発光色の高純度化を目的に、発光層と電子輸送層の間に正孔阻止層を設けることが提案されている。特に、燐光発光素子の場合には、発光層と陰極の間に用いる正孔阻止層材料の選択が非常に重要となる。例えば、正孔阻止層が無い場合、再結合領域が電子輸送層まで及び、発光効率が蛍光素子に比べて大幅に低下すること(特開2002−8860号公報)や、電子輸送層に用いている材料の発光のために、発光色の色純度が低下するといった問題が発生する。また、正孔阻止層を用いた場合でも、用いられる正孔阻止材料の種類によっては、発光効率や駆動寿命に大きな影響を及ぼすことが知られている(Appl.Phys.Lett.,81巻,162頁,2002年)。この為、燐光発光素子においては、特に有効な正孔阻止層が必要とされている。
【0011】
【特許文献1】
特開2002−8860号公報
【非特許文献1】
Appl.Phys.Lett.,51巻,913頁,1987年
【非特許文献2】
J.Appl.Phys.,65巻,3610頁,1989年
【非特許文献3】
Nature,395巻,151頁,1998年
【非特許文献4】
Appl.Phys.Lett.,75巻,4頁,1999年
【非特許文献5】
Appl.Phys.Lett.,81巻,162頁,2002年
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
このように、有機電界発光素子の発光の高効率化・発光色の高純度化、駆動安定性の向上を図るためには、陰極から注入された電子をより一層効率良く発光層に輸送すること、および、発光層を通過する正孔をより一層確実に阻止することが必要であり、そのための素子構造および材料に対して、更なる改良検討が望まれている。
【0013】
本発明は上記実状に鑑みてなされたものであって、高発光効率、高色純度で、駆動安定性に優れた有機電界発光素子を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の有機電界発光素子は、基板上に、陽極、発光層、正孔阻止層および陰極が順次積層されてなる有機電界発光素子であって、発光層の陰極側の界面に接して設けられた正孔阻止層が、下記一般式(I)で表わされる化合物を含むことを特徴とする。
【0015】
【化7】
Figure 2004220931
【0016】
(式中、カルバゾリル基およびフェニレン基は任意の置換基を有していても良く、また置換基同士が結合して環を形成していても良い。Zは2価の連結基を示し、nは0〜5の整数を表す。但し、nが2以上の場合、1分子中に含まれる複数のZは同じであっても異なっていても良い。)
【0017】
即ち、本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、正孔阻止層の材料として、上記特定の化合物を用いることにより、本発明の目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0018】
正孔阻止層を構成する材料は、発光層の発光に寄与する物質のイオン化ポテンシャル(後述するように、発光層がホスト材料とドーパントを含んでいる場合には、ホスト材料のイオン化ポテンシャル)よりも0.1eV以上大きなイオン化ポテンシャルを有することが好ましい。また、安定な薄膜形状を与え、高いガラス転移温度(Tg)を有し、電子を効率良く輸送することができる化合物であることが必要である。さらに電気化学的かつ化学的に安定であり、トラップとなったり発光を消光したりする不純物が製造時や使用時に発生し難い化合物であることが要求される。
【0019】
前記一般式(I)で表されるN−フェニルカルバゾール骨格を有する化合物であれば、このような要求性能をすべて満たし、従って、目的とする発光色を高い色純度で高効率に発光することが可能であり、更に駆動安定性にも優れた有機電界発光素子を実現することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の有機電界発光素子の実施の形態を詳細に説明する。
【0021】
まず、本発明の有機電界発光素子において、正孔阻止層を構成する前記一般式(I)で表される化合物について説明する。
【0022】
前記一般式(I)で表される化合物は、そのカルバゾリル基および/またはフェニレン基上に任意の置換基を有していても良いが、その置換基としては、本発明の基本特性に影響を及ぼさないものであれば、どのような置換基でもかまわない。また、該置換基同士で結合して環を形成していても良い。該置換基の例ととしては、後に一般式(I’)におけるR〜R16の例として記載する基等が挙げられる。
【0023】
なお、一般式(I)における2つのフェニレン基は、o−、m−、p−のいずれであっても良い。
【0024】
前記一般式(I)で表される化合物としては、例えば下記一般式(i)または(ii)で表される化合物が挙げられる。
【0025】
【化8】
Figure 2004220931
(式中、カルバゾリル基およびm−フェニレン基は任意の置換基を有していても良く、また置換基同士で結合して環を形成していても良い。Zおよびnは一般式(I)におけると同義である。)
【0026】
【化9】
Figure 2004220931
(式中、カルバゾリル基およびp−フェニレン基は任意の置換基を有していても良く、また置換基同士で結合して環を形成していても良い。Zおよびnは一般式(I)におけると同義である。)
【0027】
上記(i)および(ii)のうち、化合物の非晶性の点ではm−フェニレン基を含む式(i)で表される化合物が好ましく、またガラス転移温度が高い化合物を得やすい点では、p−フェニレン基を含む式(ii)で表される化合物が好ましい。
【0028】
一般式(I)における2価の連結基Zは、好ましくは2価の芳香族炭化水素基、2価の芳香族複素環基、−CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−SiH−、−O−、−S−、−NH−、および−SO−から選択される基を表す。これらはいずれも置換基を有していても良く、具体的には、2価の芳香族炭化水素基、2価の芳香族複素環基、−CH−、−CH=CH−、−SiH−、および−NH−に含まれる水素原子は、任意の基で置換されていても良い。この置換基については後述する。
【0029】
Zの2価の芳香族炭化水素基としては、例えばフェニレン基、ナフチレン基、アントラセン環またはナフタセン環等由来の2価の基などの、5または6員環の単環または2〜4縮合環基が挙げられる。またZの2価の芳香族複素環基としては、例えばチオフェン環、フラン環、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環等由来の2価の基などの、5または6員環の単環または2〜3縮合環が挙げられる。
【0030】
一般式(I)におけるnが2以上である場合、すなわちZが1分子中に複数個含まれる場合には、各Zが全て同じものであっても異なっていても良い。
【0031】
以下に、一般式(I)における−(Z)−の具体例を示す。
【0032】
【化10】
Figure 2004220931
【0033】
(上記各構造中Ar〜Ar11は、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基または芳香族複素環基、または下記式(II)で表される構造
【化11】
Figure 2004220931
(式(II)に含まれるn−カルバゾリル基および/またはフェニレン基は、置換基を有していても良い。)を表す。
なお、上記した構造式中には殆ど記載していないが、これらはいずれも、更に後述する各置換基を有していても良い。)
【0034】
Ar〜Ar11の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、ナフタセニル基等の、5または6員環の単環または2〜4縮合環である芳香族炭化水素環基が挙げられ、芳香族複素環基としては、チエニル基、フリル基、ピリジル基、ピリミジル基、キノリル基等の、5または6員環の単環または2〜3縮合環である芳香族複素環基が挙げられる。
【0035】
Ar〜Ar11である芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、並びに式(II)におけるn−カルバゾリル基およびフェニレン基が有しうる置換基については後述する。
【0036】
一般式(I)におけるZは、正孔阻止性の観点から、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピラジン環、ピリダジン環またはトリアゾール環由来の2価の基、スルホン基、あるいはハロアルキレン基を含むか、置換基としてハロアルキル基を有するか、の少なくとも一方を満たすものであることが、さらに好ましい。
【0037】
一般式(I)において、連結基Zである2価の芳香族炭化水素基、2価の芳香族複素環基、−CH−、−CH=CH−、−SiH−、−NH−、および前記Ar〜Ar11である芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、並びに式(II)におけるn−カルバゾリル基およびフェニレン基が有しうる置換基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、ナフタセニル基、インデニル基等の、5または6員環の単環または2〜4縮合環からなる芳香族炭化水素基;チエニル基、フリル基、ピリジル基、ピリミジル基、キノリル基等の、5または6員環の単環または2〜3縮合環からなる芳香族複素環基;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6程度のアルキル基、フッ素原子等のハロゲン原子、トリフルオロメチル基等の炭素数1〜6程度のハロアルキル基等が挙げられる。
【0038】
前記一般式(I)で表される化合物として、特に好ましくは下記一般式(I’)で表されるものが挙げられる。
【0039】
【化12】
Figure 2004220931
【0040】
(式中、R〜R16は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、シアノ基、アミノ基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、アラルキルアミノ基、ハロアルキル基、水酸基、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表わすか、あるいはRとR、RとR、RとR、RとR、RとR10、R11とR12、R13とR 、およびR15とR16が、それぞれ互いに結合して環を形成していても良い。Zは一般式(I)におけると同義である。)
【0041】
〜R16としては、具体的には水素原子;フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ベンジル基等のアラルキル基;ビニル基等の炭素数2〜6のアルケニル基;シアノ基;アミノ基;アセチル基等のアシル基;カルボキシル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアリールオキシ基;ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基等のジアルキルアミノ基;ジベンジルアミノ基、ジフェネチルアミノ基などのジアラルキルアミノ基;トリフルオロメチル基等のハロアルキル基;水酸基;置換基を有していても良いフェニル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素基;置換基を有していても良いチエニル基、ピリジル基等の芳香族複素環基が挙げられる。
【0042】
前記芳香族炭化水素基および芳香族複素環基が有し得る置換基としては、フッ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ビニル基等の炭素数2〜6のアルケニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアリールオキシ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;アセチル基等のアシル基;トリフルオロメチル基等のハロアルキル基;シアノ基などが挙げられる。
【0043】
なお、RとR、RとR、RとR、RとR、RとR10、R11とR12、R13とR14、およびR15とR16は、それぞれ互いに結合し、ベンゼン環、シクロヘキサン環等の5〜7員環を形成しても良い。
【0044】
ないしR16として特に好ましいのは、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、またはシアノ基である。
【0045】
前記一般式(I)で表わされる化合物の好ましい具体例を以下に示すが、これらに限定するものではない。
【0046】
【化13】
Figure 2004220931
【0047】
【化14】
Figure 2004220931
【0048】
【化15】
Figure 2004220931
【0049】
本発明における一般式(I)あるいは(I’)で表わされる化合物は、公知の方法により製造することができる。
【0050】
例えば、2,5−ビス(4−アミノフェニル)―1,3,4−オキサジアゾールをSandmeyer反応によりジヨード化する。他のジアミノ化合物からも同様にして誘導できる。一方、カルバゾールのN−アリール化の場合であれば、Ullmann反応によって合成できる。
【0051】
以下、本発明の有機電界発光素子について、図面を参照しながら説明する。
【0052】
図1は本発明の実施の形態に係る有機電界発光素子の構造例を模式的に示す断面図であり、1は基板、2は陽極、4は正孔輸送層、5は発光層、6は正孔阻止層、8は陰極を各々表わす。
【0053】
基板1は有機電界発光素子の支持体となるものであり、石英やガラスの板、金属板や金属箔、プラスチックフィルムやシートなどが用いられる。特にガラス板や、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホンなどの透明な合成樹脂の板が好ましい。合成樹脂基板を使用する場合にはガスバリア性に留意する必要がある。基板のガスバリア性が小さすぎると、基板を通過した外気により有機電界発光素子が劣化することがあるので好ましくない。このため、合成樹脂基板の少なくとも片面に緻密なシリコン酸化膜等を設けてガスバリア性を確保する方法も好ましい方法の一つである。
【0054】
基板1上には陽極2が設けられるが、陽極2は正孔輸送層4への正孔注入の役割を果たすものである。この陽極2は、通常、アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金等の金属、インジウムおよび/またはスズの酸化物などの金属酸化物、ヨウ化銅などのハロゲン化金属、カーボンブラック、あるいは、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子などにより構成される。陽極2の形成は通常、スパッタリング法、真空蒸着法などにより行われることが多い。また、銀などの金属微粒子、ヨウ化銅などの微粒子、カーボンブラック、導電性の金属酸化物微粒子、導電性高分子微粉末などを用いる場合には、適当なバインダー樹脂溶液に分散し、基板1上に塗布することにより陽極2を形成することもできる。さらに、導電性高分子を用いる場合には電解重合により直接基板1上に薄膜を形成したり、基板1上に導電性高分子を塗布して陽極2を形成することもできる(Appl.Phys.Lett.,60巻,2711頁,1992年)。
【0055】
陽極2は異なる材料からなる層を積層して形成された積層構造であっても良い。
【0056】
陽極2の厚みは、必要とする透明性により異なる。透明性が必要とされる場合は、可視光の透過率を、通常60%以上、好ましくは80%以上とすることが望ましく、この場合、陽極2の厚みは通常5nm以上、好ましくは10nm以上であり、また通常1000nm以下、好ましくは500nm以下程度である。不透明で良い場合は陽極2は基板1と同一でも良い。
【0057】
図1に示す構成の素子において、陽極2の上には正孔輸送層4が設けられる。正孔輸送層4の材料に要求される条件としては、陽極2からの正孔注入効率が高く、かつ、注入された正孔を効率良く輸送することができる材料であることが必要である。そのためには、イオン化ポテンシャルが小さく、可視光の光に対して透明性が高く、しかも正孔移動度が大きく、さらに安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造時や使用時に発生しにくいことが要求される。また、発光層5に接するために発光層5からの発光を消光したり、発光層5との間でエキサイプレックスを形成して効率を低下させないことが求められる。上記の一般的要求以外に、車載表示用の応用を考えた場合、素子にはさらに耐熱性が要求される。従って、Tgとして85℃以上の値を有する材料が望ましい。
【0058】
このような正孔輸送材料としては、例えば、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニルで代表される2個以上の3級アミンを含み2個以上の縮合芳香族環が窒素原子に置換した芳香族ジアミン(特開平5−234681号公報)、4,4’,4”−トリス(1−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン等のスターバースト構造を有する芳香族アミン化合物(J. Lumin., 72−74巻、985頁、1997年)、トリフェニルアミンの四量体から成る芳香族アミン化合物(Chem. Commun., 2175頁、1996年)、2,2’,7,7’−テトラキス−(ジフェニルアミノ)−9,9’−スピロビフルオレン等のスピロ化合物(Synth. Metals, 91巻、209頁、1997年)等が挙げられる。これらの化合物は、単独で用いても良いし、必要に応じて複数種混合して用いても良い。
【0059】
上記の化合物以外に、正孔輸送層4の材料として、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルトリフェニルアミン(特開平7−53953号公報)、テトラフェニルベンジジンを含有するポリアリーレンエーテルサルホン(Polym. Adv. Tech., 7巻、33頁、1996年)等の高分子材料が挙げられる。
【0060】
正孔輸送層4は、スプレー法、印刷法、スピンコート法、ディップコート法、ダイコート法などの通常の塗布法や、インクジェット法、スクリーン印刷法など各種印刷法等の湿式成膜法や、真空蒸着法などの乾式成膜法で形成することができる。
【0061】
正孔輸送層4を塗布法により形成する場合は、正孔輸送材料の1種または2種以上を、必要により正孔のトラップにならないバインダー樹脂や塗布性改良剤などの添加剤を添加し、適当な溶剤に溶解して塗布溶液を調製し、スピンコート法などの方法により陽極2上に塗布し、乾燥して正孔輸送層4を形成する。使用されるバインダー樹脂としては、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル等が挙げられる。バインダー樹脂は添加量が多いと正孔移動度を低下させるので、少ない方が望ましく、通常、正孔輸送層4中の含有量で50重量%以下が好ましい。
【0062】
正孔輸送層4を真空蒸着法により形成する場合には、正孔輸送材料を真空容器内に設置されたルツボに入れ、真空容器内を適当な真空ポンプで10−4Pa程度にまで排気した後、ルツボを加熱して、正孔輸送材料を蒸発させ、ルツボと向かい合って置かれた、陽極2が形成された基板1上に正孔輸送層4を形成させる。
【0063】
正孔輸送層4の膜厚は、通常5nm以上、好ましくは10nm以上であり、また通常300nm以下、好ましくは100nm以下である。この様に薄い膜を一様に形成するためには、一般に真空蒸着法がよく用いられる。
【0064】
図1に示す素子において、正孔輸送層4の上には発光層5が設けられる。発光層5は、電界を与えられた電極間において、陽極2から注入されて正孔輸送層4を移動する正孔と、陰極8から注入されて正孔阻止層6を移動する電子との再結合により励起されて強い発光を示す発光性化合物より形成される。
【0065】
発光層5に用いられる発光性化合物としては、安定な薄膜形状を有し、固体状態で高い発光(蛍光または燐光)量子収率を示し、正孔および/または電子を効率良く輸送することができる化合物であることが必要である。さらに電気化学的かつ化学的に安定であり、トラップとなる不純物が製造時や使用時に発生しにくい化合物であることが要求される。
【0066】
このような条件を満たし、蛍光を発する発光層を形成する材料としては、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体などの金属錯体(特開昭59−194393号公報)、10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリンの金属錯体(特開平6−322362号公報)、ビススチリルベンゼン誘導体(特開平1−245087号公報、同2−222484号公報)、ビススチリルアリーレン誘導体(特開平2−247278号公報)、(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾールの金属錯体(特開平8−315983号公報)、シロール誘導体等が挙げられる。これらの発光層材料は、通常は真空蒸着法により正孔輸送層4上に積層される。また、前述の正孔輸送層材料のうち、発光性を有する芳香族アミン系化合物も発光層材料として用いることができる。
【0067】
素子の発光効率を向上させるとともに発光色を変える目的で、例えば、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体をホスト材料として、クマリン等のレーザー用蛍光色素をドープすること(J. Appl. Phys., 65巻, 3610頁, 1989年)等が行われている。このドーピング手法は、発光層5にも適用でき、ドープ用材料としては、クマリン以外にも各種の蛍光色素が使用できる。青色発光を与える蛍光色素としては、ペリレン、ピレン、アントラセン、クマリンおよびそれらの誘導体等が挙げられる。緑色蛍光色素としては、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体等が挙げられる。黄色蛍光色素としては、ルブレン、ペリミドン誘導体等が挙げられる。赤色蛍光色素としては、DCM系化合物、ベンゾピラン誘導体、ローダミン誘導体、ベンゾチオキサンテン誘導体、アザベンゾチオキサンテン等が挙げられる。
【0068】
上記のドープ用蛍光色素以外にも、ホスト材料に応じて、レーザー研究,8巻,694頁,803頁,958頁(1980年);同9巻,85頁(1981年)、に列挙されている蛍光色素などが発光層用のドープ材料として使用することができる。
【0069】
ホスト材料に対して上記蛍光色素がドープされる量は、10−3重量%以上が好ましく、また10重量%以下が好ましい。ドープ量が0.1重量%以下では素子の発光効率向上に寄与できない場合があり、30重量%を超えると濃度消光が起き、発光効率の低下に至る可能性がある。
【0070】
一方、燐光発光を示す発光層は、通常、燐光性ドーパントとホスト材料を含んで形成される。燐光性ドーパントとしては、例えば周期表7ないし11族から選ばれる金属を含む有機金属錯体が挙げられ、該金属錯体のT1(最低励起三重項準位)より高いT1を有する電荷輸送性有機化合物をホスト材料として使用することが好ましい。
【0071】
周期表7ないし11族から選ばれる金属を含む燐光性有機金属錯体における、該金属として好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、および金が挙げられる。これらの有機金属錯体として、好ましくは下記一般式(III)または一般式(VI)で表される化合物が挙げられる。
MLm−jL’ (III)
(式中、Mは金属、mは該金属の価数を表す。LおよびL’は二座配位子を表す。jは0または1または2を表す。)
【0072】
【化16】
Figure 2004220931
【0073】
(式中、M’は金属、Tは炭素または窒素を表わす。
Tが窒素の場合はR、Rは無く、Tが炭素の場合はR、Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、シアノ基、アミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アラルキルアミノ基、ハロアルキル基、水酸基、アリールオキシ基、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表わす。
、Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、シアノ基、アミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アラルキルアミノ基、ハロアルキル基、水酸基、アリールオキシ基、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表わし、互いに連結して環を形成しても良い。)
【0074】
一般式(III)中の二座配位子LおよびL’はそれぞれ以下の部分構造を有する配位子を示す。
【0075】
【化17】
Figure 2004220931
【0076】
(環A1および環A1’は各々独立に、芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表わし、置換基を有していても良い。環A2および環A2’は含窒素芳香族複素環基を表わし、置換基を有していても良い。R’、R’’およびR’’’はそれぞれハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシカルボニル基、メトキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、カルバゾリル基、アシル基、ハロアルキル基またはシアノ基を表す。)
【0077】
一般式(III)で表される化合物として、さらに好ましくは下記一般式(Va)、(Vb)(Vc)で表される化合物が挙げられる。
【0078】
【化18】
Figure 2004220931
【0079】
(式中、Mは金属、mは該金属の価数を表す。環A1は置換基を有していても良い芳香族炭化水素基を表わし、環A2は置換基を有していても良い含窒素芳香族複素環基を表わす。)
【0080】
【化19】
Figure 2004220931
【0081】
(式中、Mは金属、mは該金属の価数を表す。環A1は置換基を有していても良い芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表わし、環A2は置換基を有していても良い含窒素芳香族複素環基を表わす。)
【0082】
【化20】
Figure 2004220931
【0083】
(式中、Mは金属、mは該金属の価数を表し、jは0または1または2を表す。環A1および環A1’は各々独立に、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表わし、環A2および環A2’は各々独立に、置換基を有していても良い含窒素芳香族複素環基を表わす。)
【0084】
一般式(Va)、(Vb)、(Vc)で表される化合物の環A1および環A1’として、好ましくは、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基、チエニル基、フリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフリル基、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、またはカルバゾリル基が挙げられる。
【0085】
環A2および環A2’として、好ましくは、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアジル基、ベンゾチアゾール基、ベンゾオキサゾール基、ベンゾイミダゾール基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリル基、またはフェナントリジル基が挙げられる。
【0086】
一般式(Va)、(Vb)および(Vc)で表される化合物が有していても良い置換基としては、フッ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ビニル基等の炭素数2〜6のアルケニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;フェニル基、ナフチル基などの芳香族炭化水素基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアリールオキシ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;ジフェニルアミノ基等のジアリールアミノ基;カルバゾリル基;アセチル基等のアシル基;トリフルオロメチル基等のハロアルキル基;シアノ基等が挙げられ、これらは互いに連結して環を形成しても良い。
【0087】
なお、環A1が有する置換基と環A2が有する置換基が結合して、または環A1’が有する置換基と環A2’が有する置換基が結合して、一つの縮合環を形成しても良く、このような縮合環としては7,8−ベンゾキノリン基等が挙げられる。
【0088】
環A1、環A1’、環A2および環A2’の置換基として、より好ましくはアルキル基、アルコキシ基、芳香族炭化水素基、シアノ基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、ジアリールアミノ基、またはカルバゾリル基が挙げられる。
【0089】
一般式(Va)、(Vb)および(Vc)におけるMないしMとして好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金または金が挙げられる。
【0090】
一般式(VI)におけるM’として好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金または金が挙げられ、特に好ましくは、白金、パラジウム等の2価の金属が挙げられる。
【0091】
前記一般式(II)、(Va)、(Vb)および(Vc)で表される有機金属錯体の具体例を以下に示すが、下記の化合物に限定されるわけではない。
【0092】
【化21】
Figure 2004220931
【0093】
【化22】
Figure 2004220931
【0094】
前記一般式(VI)で表わされる有機金属錯体の具体例を以下に示すが、下記の化合物に限定されるわけではない(Me:メチル基、Et:エチル基)。
【0095】
【化23】
Figure 2004220931
【0096】
燐光発光を示す発光層に使用されるホスト材料としては、蛍光発光を示す発光層に使用されるホスト材料として前述した材料の他に、4,4’−N,N’−ジカルバゾールビフェニルなどのカルバゾール誘導体(WO 00/70655号公報)、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(USP 6,303,238号公報)、2,2’,2’’−(1,3,5−ベンゼントリル)トリス[1−フェニル−1H−ベンズイミダゾール](Appl. Phys. Lett., 78巻, 1622項, 2001)、ポリビニルカルバゾール(特開2001−257076号公報)等が挙げられる。
【0097】
さらに本発明の有機電界発光素子における発光層5は、ホスト材料および燐光性ドーパントと共に、前述の蛍光色素を含有していても良い。
【0098】
発光層中にドーパントとして含有される有機金属錯体の量は、0.1重量%以上が好ましく、また30重量%以下が好ましい。この量が0.1重量%以下では素子の発光効率向上に寄与できない場合があり、30重量%を越えると有機金属錯体同士が2量体を形成する等の理由で濃度消光が起き、発光効率の低下に至る可能性がある。
【0099】
燐光発光を示す発光層における燐光性ドーパントの量は、従来の蛍光(1重項)を用いた素子において、発光層に含有される蛍光性色素(ドーパント)の量より、若干多い方が好ましい傾向がある。また燐光性ドーパントと共に蛍光色素が発光層中に含有される場合、該蛍光色素の量は、0.05重量%以上が好ましく、0.05重量%以上がより好ましい。また10重量%以下が好ましく、2重量%以下がより好ましい。
【0100】
発光層5の膜厚は、通常3nm以上、好ましくは5nm以上であり、また通常200nm以下、好ましくは100nm以下である。
【0101】
発光層5も正孔輸送層4と同様の方法で形成することができる。上述の蛍光色素および/または燐光色素(燐光性ドーパント)を発光層5のホスト材料にドープする方法を以下に説明する。
【0102】
塗布法により発光層5を形成する場合は、前記発光層ホスト材料と、ドープ用色素、さらに必要により、電子のトラップや発光の消光剤とならないバインダー樹脂や、レベリング剤等の塗布性改良剤などの添加剤を添加し溶解した塗布溶液を調製し、スピンコート法などの方法により正孔輸送層4上に塗布し、乾燥して発光層5を形成する。使用するバインダー樹脂としては、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル等が挙げられる。バインダー樹脂は添加量が多いと正孔/電子移動度を低下させるので、少ない方が望ましく、発光層5中の含有量で50重量%以下が好ましい。
【0103】
真空蒸着法により発光層5を形成する場合には、前記ホスト材料を真空容器内に設置されたルツボに入れ、ドープする色素を別のルツボに入れ、真空容器内を適当な真空ポンプで10−4Pa程度にまで排気した後、各々のルツボを同時に加熱して蒸発させ、ルツボと向かい合って置かれた基板上に層を形成する。また、他の方法として、上記の材料を予め所定比で混合したものを同一のルツボを用いて蒸発させても良い。
【0104】
上記各ドーパントが発光層5中にドープされる場合、発光層5の膜厚方向において均一にドープされるが、膜厚方向において濃度分布があっても構わない。例えば、正孔輸送層4との界面近傍にのみドープしたり、逆に、正孔阻止層6との界面近傍にのみドープしても良い。
【0105】
上述の如く、発光層5も正孔輸送層4と同様の方法で形成することができるが、通常は真空蒸着法が用いられる。
【0106】
なお発光層5は、本発明の性能を損なわない範囲で上記以外の成分を含んでいても良い。
【0107】
図1に示す素子において、正孔阻止層6は発光層5の上に、発光層5の陰極8側の界面に接するように積層される。
【0108】
正孔阻止層6は、正孔輸送層4から移動してくる正孔を陰極8に到達するのを阻止する役割と、陰極8から注入された電子を効率良く発光層5の方向に輸送することができる化合物より形成されることが好ましい。正孔阻止層6を構成する材料に求められる物性としては、電子移動度が高く正孔移動度が低いことが必要とされる。正孔阻止層6は正孔と電子を発光層5内に閉じ込めて、発光効率を向上させる機能を有する。
【0109】
本発明の素子において、この正孔阻止層6は一般式(I)で表される化合物を用いて形成される。一般式(I)で表される化合物は正孔阻止層6中に、単独で用いても良いし、複数種併用しても良い。更に、本発明の化合物の性能を損なわない範囲で、公知の正孔阻止機能を有する化合物を併用しても良い。
【0110】
本発明の素子において、正孔阻止層6のイオン化ポテンシャルは発光層5のイオン化ポテンシャル(発光層5がホスト材料とドーパントを含んでいる場合にはホスト材料のイオン化ポテンシャル)より0.1eV以上大きいことが好ましい。イオン化ポテンシャルは物質のHOMO(最高被占分子軌道)レベルにある電子を真空準位に放出するのに必要なエネルギーで定義される。イオン化ポテンシャルは光電子分光法で直接定義されるか、電気化学的に測定した酸化電位を基準電極に対して補正しても求められる。後者の方法の場合、例えば飽和甘コウ電極(SCE)を基準電極として用いたとき、
イオン化ポテンシャル=酸化電位(vs.SCE)+4.3eV
で定義される(“Molecular Semiconductors”,Springer−Verlag,1985年、98頁)。本発明では上記式にて換算した値を採用した。
【0111】
さらに、本発明で用いられる正孔阻止層6の電子親和力(EA)は、発光層5の電子親和力(発光層5がホスト材料とドーパントを含んでいる場合にはホスト材料の電子親和力)と比較して同等以上であることが好ましい。電子親和力もイオン化ポテンシャルと同様に真空準位を基準として、真空準位にある電子が物質のLUMO(最低空分子軌道)レベルに落ちて安定化するエネルギーで定義される。電子親和力は、上述のイオン化ポテンシャルから光学的バンドギャップを差し引いて求められるか、電気化学的な還元電位から下記の式で同様に求められる。
電子親和力=還元電位(vs.SCE)+4.3eV
【0112】
従って、本発明で用いられる正孔阻止材料は、酸化電位と還元電位を用いて、
(正孔阻止材料の酸化電位)−(発光材料の酸化電位)≧0.1V
(正孔阻止材料の還元電位)≧(発光材料の還元電位)
と表現することもできる。
【0113】
さらに後述の電子輸送層7を有する素子の場合には、正孔阻止層6の電子親和力は電子輸送層7の電子親和力と比較して同等以下であることが好ましい。即ち、
(電子輸送材料の還元電位)≧(正孔阻止材料の還元電位)≧(発光材料の還元電位)
であることが好ましい。
【0114】
正孔阻止層6の膜厚は、通常0.3nm以上、好ましくは0.5nm以上であり、また、通常100nm以下、好ましくは50nm以下である。正孔阻止層6も正孔輸送層4と同様の方法で形成することができるが、通常は真空蒸着法が用いられる。
【0115】
陰極8は、正孔阻止層6を介して発光層5に電子を注入する役割を果たす。陰極8として用いられる材料は、前記陽極2に使用される材料を用いることが可能であるが、効率良く電子注入を行うには、仕事関数の低い金属が好ましく、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウム、銀等の適当な金属またはそれらの合金が用いられる。具体例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム−リチウム合金等の低仕事関数合金電極が挙げられる。陰極8の膜厚は通常、陽極2と同様である。
【0116】
さらに、陰極8と発光層5または電子輸送層7の界面にLiF、MgF、LiO等の極薄絶縁膜(0.1〜5nm)を挿入することも、素子の効率を向上させる有効な方法である(Appl. Phys. Lett., 70巻,152頁,1997年;特開平10−74586号公報;IEEE Trans.Electron. Devices,44巻,1245頁,1997年)。低仕事関数金属から成る陰極を保護する目的で、この上にさらに、仕事関数が高く大気に対して安定な金属層を積層することは素子の安定性を増す。この目的のために、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、クロム、金、白金等の金属が使われる。
【0117】
素子の発光効率をさらに向上させることを目的として、図2および図3に示すように、正孔阻止層6と陰極8の間に電子輸送層7が設けられていても良い。電子輸送層7は、電界を与えられた電極間において陰極8から注入された電子を効率良く正孔阻止層6の方向に輸送することができる化合物より形成される。
【0118】
このような条件を満たす材料としては、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体などの金属錯体(特開昭59−194393号公報)、10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリンの金属錯体、オキサジアゾール誘導体、ジスチリルビフェニル誘導体、シロール誘導体、3−または5−ヒドロキシフラボン金属錯体、ベンズオキサゾール金属錯体、ベンゾチアゾール金属錯体、トリスベンズイミダゾリルベンゼン(米国特許第 5,645,948号)、キノキサリン化合物(特開平6−207169号公報)、フェナントロリン誘導体(特開平5−331459号公報)、2−t−ブチル−9,10−N,N’−ジシアノアントラキノンジイミン、n型水素化非晶質炭化シリコン、n型硫化亜鉛、n型セレン化亜鉛などが挙げられる。
【0119】
電子輸送層7の膜厚は、通常5nm以上、好ましくは10nm以上であり、また通常200nm以下、好ましくは100nm以下である。
【0120】
電子輸送層7は、正孔輸送層4と同様にして塗布法あるいは真空蒸着法により正孔阻止層6上に積層することにより形成されるが、通常は、真空蒸着法が用いられる。
【0121】
正孔注入の効率をさらに向上させ、かつ、有機層全体の陽極2への付着力を改善させる目的で、図3に示すように正孔輸送層4と陽極2との間に陽極バッファ層3を挿入することも行われている。陽極バッファ層3を挿入することで、初期の素子の駆動電圧が下がると同時に、素子を定電流で連続駆動した時の電圧上昇も抑制される効果がある。
【0122】
陽極バッファ層3に用いられる材料に要求される条件としては、陽極2とのコンタクトがよく均一な薄膜が形成でき、熱的に安定、すなわち、融点およびガラス転移温度が高く、融点としては300℃以上、ガラス転移温度としては100℃以上であることが好ましい。さらに、イオン化ポテンシャルが低く陽極からの正孔注入が容易なこと、正孔移動度が大きいことが挙げられる。
【0123】
この目的のために、これまでに銅フタロシアニン等のフタロシアニン化合物(特開昭63−295695号公報)、ポリアニリン(Appl.Phys.Lett., 64巻、1245頁,1994年)、ポリチオフェン(Optical Materials, 9巻、125頁、1998年)等の有機化合物や、スパッタ・カーボン膜(Synth. Met., 91巻、73頁、1997年)や、バナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、モリブデン酸化物等の金属酸化物(J. Phys. D, 29巻、2750頁、1996年)が報告されている。
【0124】
また、正孔注入・輸送性の低分子有機化合物と電子受容性化合物を含有する層(特開平11−251067号公報、特開2000−159221号公報等に記載)や、芳香族アミノ基等を含有する非共役系高分子化合物に、必要に応じて電子受容性化合物をドープしてなる層(特開平11−135262号公報、特開平11−283750号公報、特開2000−36390号公報、特開2000−150168号公報、特開平2001−223084号公報、およびWO97/33193号公報など)、またはポリチオフェン等の導電性ポリマーを含む層(特開平10−92584号公報)なども挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0125】
上記陽極バッファ層3の材料としては、低分子、高分子いずれの化合物を用いることも可能である。
【0126】
陽極バッファ層3も、正孔輸送層4と同様にして薄膜形成可能であるが、無機物を用いる場合には、さらにスパッタ法や電子ビーム蒸着法、プラズマCVD法により形成することもできる。
【0127】
以上の様にして形成される陽極バッファ層3の膜厚は、低分子化合物を用いて形成される場合、下限は通常3nm、好ましくは10nm程度であり、上限は通常100nm、好ましくは50nm程度である。また高分子化合物を用いて形成される陽極バッファ層3の膜厚の下限は通常5nm、好ましくは10nm程度であり、上限は通常1000nm、好ましくは500nm程度である。
【0128】
なお、図1とは逆の構造、すなわち、基板上に陰極8、正孔阻止層6、発光層5、正孔輸送層4、陽極2の順に積層することも可能であり、既述したように少なくとも一方が透明性の高い2枚の基板の間に本発明の有機電界発光素子を設けることも可能である。同様に、図2または図3に示した前記各層構成とは逆の順に積層することも可能である。
【0129】
本発明は、有機電界発光素子が、単一の素子、アレイ状に配置された構造からなる素子、陽極と陰極がX−Yマトリックス状に配置された構造のいずれにおいても適用することができる。
【0130】
本発明の有機電界発光素子によれば、正孔阻止層に特定の骨格を有する化合物を含有させることにより、色純度が良好で駆動安定性においても大きく改善された素子が得られる。特に、従来困難であった燐光発光素子や青色発光素子で安定性に優れた素子が得られることから、フルカラーあるいはマルチカラーのパネルへの応用において優れた性能を発揮できる。
【0131】
【実施例】
次に、合成例および実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
【0132】
合成例1;2,5−ビス(4−ヨードフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールの合成
2,5−ビス(4−アミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール5.05gを水150ml、濃塩酸8.8ml中、0〜5℃で亜硝酸ナトリウム2.9gを添加してジアゾ化する。
【0133】
一方、ヨードカリ13.3gの水溶液50mlを60〜70℃に加熱した中に上記ジアゾ液を少量ずつ滴下し、1時間加熱した。冷却後、濾過、水洗、メタノール洗浄して目的物8.2gを得た。
【0134】
合成例2;例示化合物No.(4)の合成
【0135】
【化24】
Figure 2004220931
【0136】
合成例1で得られた2,5−ビス(4−ヨードフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール1.19g、カルバゾール0.9g、ブロモヨードベンゼン10g、炭酸カリウム0.76g、銅(ブロンズ)0.2gにテトラグライム7mLを加えて、180で7時間加熱、撹拌した。冷却後、メタノール20mlで希釈し析出物を濾取、トルエンで抽出して得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製し、目的物を白色固体の目的物(EI MS (M): 552)0.98g得た。
【0137】
合成例3;例示化合物No.(16)の合成
【0138】
【化25】
Figure 2004220931
【0139】
合成例1で使用した2,5−ビス(4−アミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールの代わりにビス(4−アミノフェニル)スルフォンを用いた以外は合成例1および2と同様の方法で目的物(EI MS (M): 548)を得た。
【0140】
合成例4;例示化合物No.(7)の合成
【化26】
Figure 2004220931
【0141】
合成例1で使用した2,5−ビス(4−アミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールの代わりに、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニルを用いた以外は、合成例1および2と同様の方法で目的物(EI MS (M): 620)を得た。
【0142】
実施例1
合成例2ないし合成例4で得られた化合物につき、酸化・還元電位を下記に示す条件で測定した。
参照電極:銀線(内部標準物質としてフェロセンを使用)
作用電極:グラッシーカーボン
対極:白金線
測定溶媒:0.1mol/L 過塩素酸テトラ(ノルマルブチル)アンモニウム 塩化メチレン溶液(アセトニトリル溶液)
掃引速度:100mV/sec
試料濃度:1mmol/L
【0143】
得られた電位を飽和甘コウ電極(SCE)を基準電極として換算した結果を表1に示す。
【0144】
【表1】
Figure 2004220931
【0145】
なお、下記表2に一般的に使用されている発光層のホスト材料について、その酸化・還元電位を示す。
【0146】
【表2】
Figure 2004220931
【0147】
【化27】
Figure 2004220931
【0148】
表1および表2記載の酸化・還元電位の値から、前記一般式(I)で表される化合物には、一般的な発光層ホスト材料より0.1V以上高い酸化電位を有し(0.1eV以上高いイオン化ポテンシャルを有し)、かつ同等以上の還元電位を有するものが多いことがわかる。
【0149】
従って、この化合物を正孔阻止層の材料として用いることにより、陽極から注入され、発光層を通り抜けて移動してくる正孔が陰極に到達するのを阻止する役割と、陰極から注入された電子を効率良く発光層の方向に輸送する役割を充分に果たし、正孔と電子を発光層内に閉じこめて、発光効率を向上させることが可能であることがわかる。
【0150】
実施例2
図3に示す構造を有する有機電界発光素子を以下の方法で作製した。
【0151】
ガラス基板1の上にインジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜2を150nm堆積したもの(スパッター成膜品;シート抵抗15Ω)を通常のフォトリソグラフィ技術と塩酸エッチングを用いて2mm幅のストライプにパターニングして陽極を形成した。パターン形成したITO基板を、アセトンによる超音波洗浄、純水による水洗、イソプロピルアルコールによる超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行った。
【0152】
陽極バッファ層3の材料として、下記に示す構造式の芳香族アミノ基を有する非共役系高分子化合物(PB−1)を電子受容性化合物(A−1)と共に以下の条件でスピンコートした。
【0153】
【化28】
Figure 2004220931
【0154】
【化29】
Figure 2004220931
【0155】
[スピンコート条件]
溶媒 安息香酸エチル
塗布液濃度 2[wt%]
PB−1:A−1 10:1(重量比)
スピナ回転数 1500[rpm]
スピナ回転時間 30[秒]
乾燥条件 100℃,1時間
上記のスピンコートにより膜厚30nmの均一な薄膜が形成された。
【0156】
次に陽極バッファ層3を成膜した基板を真空蒸着装置内に設置した。上記装置の粗排気を油回転ポンプにより行った後、装置内の真空度が1.4×10−5Pa以下になるまでクライオポンプを用いて排気した。上記装置内に配置されたセラミックるつぼに入れた、下記に示すアリールアミン化合物(H−1)をるつぼの周囲のタンタル線ヒーターで加熱して蒸着を行った。この時のるつぼの温度は、210〜215℃の範囲で制御した。蒸着時の真空度1.8×10−5Pa、蒸着速度は0.18nm/秒で膜厚60nmの正孔輸送層4を得た。
【0157】
【化30】
Figure 2004220931
【0158】
引続き、発光層5の主成分(ホスト材料)として下記に示すカルバゾール誘導体(E−1)を、副成分(ドーパント)として有機イリジウム錯体(D−1)を別々のセラミックるつぼに設置し、2元同時蒸着法により成膜を行った。
【0159】
【化31】
Figure 2004220931
【0160】
化合物(E−1)のるつぼ温度は 219〜225℃、蒸着速度は0.13nm/秒に、化合物(D−1)のるつぼ温度は240〜241℃にそれぞれ制御し、膜厚30nmで化合物(D−1)が5重量%含有された発光層5を正孔輸送層4の上に積層した。蒸着時の真空度は2.2×10−5Paであった。
【0161】
さらに、正孔阻止層6として合成例2で合成された例示化合物(4)をるつぼ温度を240〜243℃として、蒸着速度0.13nm/秒で10nmの膜厚で積層した。蒸着時の真空度は2.7×10−5Paであった。
【0162】
【化32】
Figure 2004220931
【0163】
正孔阻止層6の上に、電子輸送層7として下記に示すアルミニウムの8−ヒドロキシキノリン錯体(ET−1)を同様にして蒸着した。この時のアルミニウムの8−ヒドロキシキノリン錯体のるつぼ温度は270〜276℃の範囲で制御し、蒸着時の真空度は2.4×10−5Pa、蒸着速度は0.22nm/秒で膜厚は35nmとした。
【0164】
【化33】
Figure 2004220931
【0165】
上記の正孔輸送層4、発光層5、正孔阻止層6および電子輸送層7を真空蒸着する時の基板温度は室温に保持した。
【0166】
ここで、電子輸送層7までの蒸着を行った素子を一度前記真空蒸着装置内より大気中に取り出して、陰極蒸着用のマスクとして2mm幅のストライプ状シャドーマスクを、陽極2のITOストライプとは直交するように素子に密着させて、別の真空蒸着装置内に設置して有機層と同様にして装置内の真空度が2.6×10−6Torr(3.5×10−4Pa)以下になるまで排気した。陰極8として、先ず、フッ化リチウム(LiF)をモリブデンボートを用いて、蒸着速度0.01nm/秒、真空度2.9×10−6Torr(3.9×10−4Pa)で、0.5nmの膜厚で電子輸送層7の上に成膜した。次に、アルミニウムを同様にモリブデンボートにより加熱して、蒸着速度0.40nm/秒、真空度7.3×10−6Torr(9.7×10−4Pa)で膜厚80nmのアルミニウム層を形成して陰極8を完成させた。以上の2層型陰極8の蒸着時の基板温度は室温に保持した。
【0167】
以上の様にして、2mm×2mmのサイズの発光面積部分を有する有機電界発光素子が得られた。この素子の発光特性を表3に示す。表3において、最大発光輝度は電流密度0.25A/cmでの値、発光効率・輝度/電流・電圧は輝度100cd/mでの値を各々示す。素子の発光スペクトルの極大波長は510nmであり、化合物(D−1)からのものと同定された。色度はCIE(x,y)=(0.28,0.63)であった。
【0168】
実施例3
発光層の副成分の有機イリジウム錯体(D−1)の代わりに下記に示す有機イリジウム錯体(D−2)を用いた他は実施例2と同様にして素子を作製した。この素子の発光特性を表3に示す。素子の発光スペクトルの極大波長は600nmであり、有機イリジウム錯体(D−2)からのものと同定された。色度はCIE(x,y)=(0.62,0.36)であった。
【0169】
【化34】
Figure 2004220931
【0170】
比較例1
正孔阻止層の例示化合物(4)の代わりに下記に示す混合配位子錯体(HB−2)を用いた他は実施例2と同様にして素子を作製した。この素子の発光特性を表3に示す。素子の発光スペクトルの極大波長は512nmであり、有機イリジウム錯体(D−1)からのものと同定された。色度はCIE(x,y)=(0.28,0.63)と色純度は実施例2と同等であるが、実施例2と比較して発光効率が低い。
【0171】
【化35】
Figure 2004220931
【0172】
比較例2
正孔阻止層の例示化合物(4)の代わりに上記に示す混合配位子錯体(HB−2)を用いた他は実施例3と同様にして素子を作製した。この素子の発光特性を表3に示す。素子の発光スペクトルの極大波長は600nmであり、有機イリジウム錯体(D−2)からのものと同定された。色度はCIE(x,y)=(0.62,0.36)と色純度は実施例3と同等であるが、実施例3と比較して発光効率が低い。
【0173】
実施例4
正孔阻止層の例示化合物(4)の代わりに合成例3で合成された例示化合物(16)を用いた他は実施例2と同様にして素子を作製した。この素子の発光特性を表3に示す。素子の発光スペクトルの極大波長は510nmであり、有機イリジウム錯体(D−1)からのものと同定された。色度はCIE(x,y)=(0.27,0.64)と色純度は実施例2と同等であった。
【0174】
【化36】
Figure 2004220931
【0175】
実施例5
正孔阻止層の例示化合物(4)の代わりに上記に示す例示化合物(16)を用いた他は実施例3と同様にして素子を作製した。この素子の発光特性を表3に示す。素子の発光スペクトルの極大波長は600nmであり、有機イリジウム錯体(D−2)からのものと同定された。色度はCIE(x,y)=(0.63,0.36)と色純度は実施例3と同等であった。
【0176】
【表3】
Figure 2004220931
【0177】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明の有機電界発光素子によれば、正孔阻止層に特定の骨格を有する化合物を用いることにより、任意に選定された発光材料からの発光のみを得ることにより色純度を高めることができ、さらには、発光効率、駆動安定性に優れた発光が得ることができる。特にこれまで困難であった青色発光素子の駆動安定性の改善が顕著である。
【0178】
従って、本発明による有機電界発光素子はフラットパネル・ディスプレイ(例えばOAコンピュータ用や壁掛けテレビ)、車載表示素子、携帯電話表示や面発光体としての特徴を生かした光源(例えば、複写機の光源、液晶ディスプレイや計器類のバックライト光源)、表示板、標識灯への応用が考えられ、その技術的価値は大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機電界発光素子の実施の形態の一例を示した模式的断面図である。
【図2】本発明の有機電界発光素子の実施の形態の別の例を示した模式的断面図である。
【図3】本発明の有機電界発光素子の実施の形態の別の例を示した模式的断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 陽極
3 陽極バッファ層
4 正孔輸送層
5 発光層
6 正孔阻止層
7 電子輸送層
8 陰極

Claims (8)

  1. 基板上に、陽極、発光層、正孔阻止層および陰極が順次積層されてなる有機電界発光素子であって、
    発光層の陰極側の界面に接して設けられた正孔阻止層が、下記一般式(I)で表わされる化合物を含むことを特徴とする、有機電界発光素子。
    Figure 2004220931
    (式中、カルバゾリル基およびフェニレン基は任意の置換基を有していても良く、また置換基同士が結合して環を形成していても良い。Zは2価の連結基を示し、nは0〜5の整数を表す。但し、nが2以上の場合、1分子中に含まれる複数のZは同じであっても異なっていても良い。)
  2. 前記一般式(I)におけるZは、2価の芳香族炭化水素基、2価の芳香族複素環基、−CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−SiH−、−O−、−S−、−NH−、および−SO−から選択される基を表し、これらはいずれも置換基を有していても良い、請求項1記載の有機電界発光素子。
  3. 前記一般式(I)における−(Z)−が、下記式のいずれかで表される2価の連結基である、請求項1記載の有機電界発光素子。
    Figure 2004220931
    (上記各構造中Ar〜Ar11は、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基または芳香族複素環基、または下記式(II)で表される構造
    Figure 2004220931
    (式(II)に含まれるn−カルバゾリル基および/またはフェニレン基は、置換基を有していても良い。)を表す。
    なお、上記した構造式中には殆ど記載していないが、これらはいずれも、更に後述する各置換基を有していても良い。)
  4. 前記一般式(I)で表される化合物が下記一般式(i)で表される化合物である、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
    Figure 2004220931
    (式中、カルバゾリル基およびm−フェニレン基は任意の置換基を有していても良く、また置換基同士で結合して環を形成していても良い。Zおよびnは一般式(I)におけると同義である。)
  5. 前記一般式(I)で表される化合物が下記一般式(ii)で表される化合物である、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
    Figure 2004220931
    (式中、カルバゾリル基およびp−フェニレン基は任意の置換基を有していても良く、また置換基同士で結合して環を形成していても良い。Zおよびnは一般式(I)におけると同義である。)
  6. 前記正孔阻止層のイオン化ポテンシャルが発光層のイオン化ポテンシャルより0.1eV以上大きいことを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
  7. 前記正孔阻止層と陰極との間に電子輸送層を有することを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
  8. 前記発光層が、周期律表7ないし11族から選ばれる金属を含む有機金属錯体を含有することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
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