JP2004067658A - 有機金属錯体、およびこれを用いた有機電界発光素子 - Google Patents

有機金属錯体、およびこれを用いた有機電界発光素子 Download PDF

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Abstract

【課題】特に長波長発光における色純度の向上、発光の高効率化、および素子の長寿命化が可能な新規有機金属錯体と、この有機金属錯体を使用した長寿命で高発光効率の有機電界発光素子を提供する。
【解決手段】一般式(1)で表される有機金属錯体。基板上に陽極、発光層、および陰極が順次積層されてなる有機電界発光素子において、発光層がこの有機金属錯体を含有する有機電界発光素子。
【化119】
Figure 2004067658

【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は新規な燐光色素として有用な有機金属錯体と、このような有機金属錯体を用いた、薄膜型有機電界発光(EL)デバイスや近赤外発光材料に用いられる有機電界発光素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
これまで、有機電界発光素子には蛍光性色素が数多く用いられてきたが、フラットパネル・ディスプレイ等の表示、蛍光灯や標識灯等の光源、さらには近赤外発光材料として応用するためには、素子の発光効率をさらに改善する必要があり、新たな発光材料の開発が求められている。
【0003】
近年、素子の発光効率を上げる試みの一つとして、3重項励起状態からの発光、すなわち燐光を利用した燐光色素の利用が注目を集めている。燐光を用いた場合には従来の1重項励起状態からの発光(蛍光)に比べて、約4倍の取り出し効率が可能となり、高効率化が期待されるからである。
【0004】
実際、下記の構造で表される有機イリジウム錯体(2)を4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(CBP)にドープさせることにより、発光波長510nmの緑色発光を示し、その外部量子効率は13%と従来の1重項発光素子の量子効率限界値(5%)を大きく上回ることが報告されている(Appl. Phys. Lett., 75巻、4項、1999年)。
【0005】
【化3】
Figure 2004067658
【0006】
さらに上記有機イリジウム錯体(2)に種々の置換基を導入してなる下記有機イリジウム錯体(3)を使用することにより、錯体間の燐光の自己消光を制御したり(Adv. Mater., 2001, 13, 1245)、発光波長のチューニングが可能であることも報告されている(Chem. Commun., 2001, 1494, Appl. Phys. Lett., 2001, 79, 449)。
【0007】
【化4】
Figure 2004067658
【0008】
また最近、Thompsonらは2核錯体を経由したイリジウム錯体の簡便な合成法により、種々の有機イリジウム錯体を開発し、青色から赤色までの有機電界発光素子を達成している。たとえば、下記に示す有機イリジウム錯体(4)、(5)を用いた場合には、緑色よりも長波長に発光を有し、かつ従来の一重項発光素子に比べて高効率の電界発光素子になることが明らかにされている(Inorg. Chem., 2001, 40,1074, J. Am. Chem. Soc., 2001, 123, 4304., WO 01/41512号公報)。
【0009】
【化5】
Figure 2004067658
【0010】
また、WO 01/345183号公報には、下記の有機イリジウム錯体(6)が発光波長623nm、外部発光効率10.9%という高輝度の赤色発光材料であることが記載されている。
【0011】
【化6】
Figure 2004067658
【0012】
さらに、最近ではイリジウム錯体を用いた青色燐光材料の開発もさかんに行われており、現状ではフッ素原子を置換基にもつイリジウム錯体が有力視されている(Appl. Phys. Lett., 2001, 79, 2082, WO 02/15645号公報, 特開 2002−117978号公報, WO 02/02714号公報)。
【0013】
【化7】
Figure 2004067658
【0014】
なお、配位子にアリールアミノ基を有するイリジウム錯体の例として、Thompsonらにより、下記の有機イリジウム錯体(10)が報告されている(WO 01/41512号公報)。
【0015】
【化8】
Figure 2004067658
【0016】
【特許文献1】
WO 02/15645号公報
【特許文献2】
特開 2002−117978号公報
【特許文献3】
WO 02/02714号公報
【特許文献4】
WO 01/41512号公報
【非特許文献1】
Appl. Phys. Lett., 2001, 79, 2082
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、有機EL材料などへの実用化のためには、さらなる色純度の調整、低駆動電圧化、安定性、耐久性などの多くの問題が残されている。なかでも低駆動電圧化は、省エネルギー、素子の長寿命化にもつながるため、最優先すべき課題である。
【0018】
本発明は、上記従来の実状に鑑みてなされたものであって、特に長波長発光における色純度の向上、発光の高効率化、低駆動電圧化、および素子の長寿命化が可能な新規有機金属錯体と、この有機金属錯体を使用した長寿命で高発光効率の有機電界発光素子を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の有機金属錯体は、下記一般式(1)で表されることを特徴とする。
【0020】
【化9】
Figure 2004067658
(式中、JはIr、Os、Pt、Au、Pdのいずれかの元素を示す。
l、mはアリールアミノ基の数を表し、各々独立に1または2である。
l’、m’は各々独立に0、1または2であり、l’+m’≧1である。
pはJの価数を表し、1、2または3である。
qは配位子の数を表し、1、2または3である。
XおよびYは、各々独立に、下記式
【化10】
Figure 2004067658
で表される2座配位子の一部を構成する酸素原子、窒素原子または炭素原子を表し、(X,Y)は(C,N)、(O,O)または(O,N)である。
、Zは各々独立に直接結合、もしくは2価または3価の連結基を表す。
Ar及びArは各々独立に、アルキル基、芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表し、これらはいずれも置換基を有していてもよい。ArおよびArは各々独立に、置換基を有していても良い、芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表す。また、ArとAr、および/またはArとArが結合して縮合環を形成していても良く、該縮合環は置換されていても良い。
が2価または3価の連結基を表す場合、ArとZ、および/またはArとZが互いに結合して、置換基を有していても良い環を形成していても良く、Zが2価または3価の連結基を表す場合、ArとZ、および/またはArとZが互いに結合して、置換基を有していても良い環を形成していても良い。
環aは、置換基を有していても良い、芳香族炭化水素基もしくは芳香族複素環基を表す。
環bは、置換基を有していても良い芳香族複素環基を表す。
が直接結合の場合、Arと環a、および/またはArと環aが結合して、置換基を有していても良い環を形成していても良く、Zが直接結合の場合、Arと環b、および/またはArと環bが結合して、置換基を有していても良い環を形成していても良い。)
【0021】
本発明者らは、鋭意検討を重ね、上記一般式(1)で表されるアリールアミノ基を有するCN2座配位子をもつ有機金属錯体が、優れた性能を有する3重項燐光材料であることを知見し、本発明を達成した。
【0022】
前述の如く、従来において、配位子にアリールアミノ基を有する有機イリジウム錯体(10)は既に知られているが、この有機イリジウム錯体(10)では、アリールアミノ基が発光配位子と直接結合していないため、結合を介した電荷移動が起こらず、ホッピングによる電荷移動のみが起こるので、アリールアミノ基の存在が電荷移動度にそれほど大きな影響は与えないことが考えられる。
【0023】
そこで、この問題点を克服するために、本発明者らはCN発光配位子にアリールアミノ基を導入することを試みた結果、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0024】
特に、比較的長波長の発光を有する錯体の場合、電荷輸送性材料やホスト材料とのバンドギャップが大きくなるため、さらに電荷移動が起こりにくく、高電圧化や発光効率低下にも繋がることが予想される。
【0025】
本発明は、比較的長波長の発光を有する燐光材料、例えば最大発光波長波長500nm以上の燐光材料に適用した場合、特に効果的である。
【0026】
本発明の有機電界発光素子は、基板上に陽極、発光層、および陰極が順次積層されてなる有機電界発光素子において、該発光層がこのような本発明の有機金属錯体を含有することを特徴とするものであり、長寿命で発光効率が高い。
【0027】
本発明の有機電界発光素子において、発光層は、正孔注入・輸送性または電子注入・輸送性を有するホスト化合物を含有し、このホスト化合物に対して本発明の有機金属錯体がドープされていることが好ましい。また、発光層と陰極との間には正孔阻止層を有することが好ましい。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
まず、本発明の有機金属錯体について説明する。
本発明の有機金属錯体は、前記一般式(1)で表されるものである。
【0029】
一般式(1)において、JはIr、Os、Pt、Au、Pdのいずれかの元素を示し、好ましくはPtまたはIr、特に好ましくはIrである。
【0030】
l、mはそれぞれアリールアミノ基−NArAr,−NArArの数を表し、各々独立に1または2である。
l’、m’は各々独立に0、1または2であり、l’+m’≧1である。
pは中心元素Jの価数であり、1、2または3である。
qは配位子の数を表し、1、2または3である。
なお、p−qが配位子の数を表すため、p−q≧0である。
【0031】
一般式(1)において、
【化11】
Figure 2004067658
は、XおよびYでIr等の元素Jと結合する2座配位子を表す。XおよびYは各々独立に、該2座配位子の一部を構成する酸素原子、窒素原子または炭素原子を表し、(X,Y)は(C,N)、(O,O)または(O,N)である。
【0032】
該2座配位子は、便宜上X−Y間を線で結合し表現しているが、アセチルアセトン等のようにX−Y間が直鎖で結合されている配位子でも良く、また
【化12】
Figure 2004067658
などのように、途中に環を含んでいても良い。また下記構造式で表される配位子
【化13】
Figure 2004067658
(式中、環aおよび環bは前記一般式(1)におけると同義である)であっても良い。
【0033】
X、Yを含む2座配位子として、好ましくは
【化14】
Figure 2004067658
特に好ましくは、
【化15】
Figure 2004067658
が挙げられるが、これらに限定されるものではない(上記式中、Bu−tはt−ブチル基を示す。)。
【0034】
およびZは、直接結合、もしくは2価または3価の連結基を表す。
具体的には、
直接結合、
置換基を有していても良い5または6員環の、芳香族炭化水素基または芳香族複素環基、
もしくは以下の一般式で表される連結基
【化16】
Figure 2004067658
(上記式中、Nはアリールアミノ基−NArArまたは−NArArを表わし、Aは各々独立して2価の連結基を表わす。また、上記式中では記載を省略したが、式中のフェニレン基はいずれも、後述する基で置換されていてもよい。)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0035】
上記式(11)および(12)における2価の連結基Aとして、例えば以下の基が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
【化17】
Figure 2004067658
(上記式中、Gは各々独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基を表す。なお、上記式中の各環は無置換であるが、いずれも後述する置換基を有していても良い。)
【0036】
およびZの、芳香族炭化水素基または芳香族複素環基の例としては、以下の基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【化18】
Figure 2004067658
(上記式中、G’は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基を表す。なお、上記式中の各環は無置換であるが、いずれも後述する置換基を有していても良い。)
【0037】
およびZとして、より好ましくは
【化19】
Figure 2004067658
である。
【0038】
なお、ZおよびZが環aまたは環bにおける窒素原子と結合する場合、ZおよびZは(直接結合であるより)2価または3価の連結基が好ましい。
【0039】
一般式(1)におけるArおよびArは、各々独立にアルキル基、芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表し、これらはいずれも置換基を有していても良い。該アルキル基としては、炭素数1〜10程度の直鎖または分岐のアルキル基が好ましい。また、芳香族炭化水素基または芳香族複素環基の場合は、5または6員環の、単環または2〜3縮合環が好ましい。これらのアルキル基、芳香族炭化水素基および芳香族複素環基が有しうる置換基については後述する。
【0040】
一般式(1)において、ArおよびArは各々独立に、置換基を有していても良い、芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表すが、好ましくは、5または6員環の、単環または2〜3縮合環である。
【0041】
一般式(1)におけるAr〜Arについて、芳香族炭化水素基または芳香族複素環基である場合の具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。また下記の例示では記載を省略したが、いずれも置換基を有していても良い。該置換基については後述する。
【0042】
【化20】
Figure 2004067658
【0043】
アリールアミノ基 −NArAr、−NArArの例として、好ましくは下記の基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【化21】
Figure 2004067658
【0044】
また、ArとAr、および/またはArとArが互いに直接結合、もしくは置換基を介して結合し、縮合環を形成していても良く、この縮合環は置換されていても良い。このような縮合環の構造式を以下に示すが、これらに限定されるものではない。なお、下記の例示では記載を省略したが、いずれも置換基を有していても良い。該置換基については後述する。
【0045】
【化22】
Figure 2004067658
(上記式中、Gは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基を表す。)
【0046】
さらに、Zが2価または3価の連結基を表す場合、ArとZ、および/またはArとZが互いに結合して、置換基を有していても良い環を形成していても良く、Zが2価または3価の連結基を表す場合、ArとZ、および/またはArとZが互いに結合して、置換基を有していても良い環を形成していても良い。その一例を以下に示すが、これに限定されるものではない。
【0047】
【化23】
Figure 2004067658
上記例上では、連結基Z(フェニレン基)に、Ar(フェニル基)およびAr(フェニル基)の一方が結合し、環(カルバゾリル基)を形成している。上記例下では、連結基Z(フェニレン基)に、Ar(フェニル基)が結合して環(カルバゾリル基)を形成しており、Arはメチル基である。
【0048】
また、Zが直接結合の場合、Arと環a、および/またはArと環aが結合して、置換基を有していても良い環を形成していても良く、Zが直接結合の場合、Arと環b、および/またはArと環bが結合して、置換基を有していても良い環を形成していても良い。その一例を以下に示すが、これに限定されるものではない。
【0049】
【化24】
Figure 2004067658
(上記例では、環a(ベンゼン環)にAr(フェニル基)が結合し、全体として環(カルバゾリル基)を形成している。なお、環bにおける置換基は記載を省略した。)
【0050】
ところで、一般式(1)で表される有機金属錯体は、アリールアミノ基 −NArAr、−NArArを有することにより、発光効率の向上など種々の優れた性質を示すと共に、該アリールアミノ基を有さない有機金属錯体と比べて、発光波長が長波長化する傾向がある。前述したように、本錯体を、長波長発光する有機電界発光素子に使用する場合、これが利点の一つとなる。
【0051】
一方で、一般式(1)におけるアリールアミノ基 −NArAr、−NArArと、環a、環b、連結基Z、Zなどが結合し、カルバゾリル基を形成している化合物は、−NArAr、−NArArを有さない化合物と比較して、それ程発光波長が長波長化することなく、発光効率が向上するという特徴を有する。これは、比較的短波長の発光を示す素子を得たい場合にも使用でき、適用範囲が広い点において好ましい。この様な効果は、当該化合物と同様にカルバゾリル基を有する化合物を、後述するホスト材料として併用することにより、更に顕著にあらわれる。
【0052】
中でも、Zが直接結合であり、ArまたはArが環aと結合し、全体としてカルバゾリル基を形成する場合が、より好ましい。環aを含んで形成されるカルバゾリル基の環bに対する位置や向きは、幾つか考えられるが、例えば下記構造が挙げられる。
【0053】
【化25】
Figure 2004067658
【0054】
このうち、上記式(14)の構造を有する配位子の場合、カルバゾリル基の2−位に置換基(環b)が導入されている。しかし実際には、カルバゾール環に対する置換反応時の反応性を考慮すると、2−位への置換基導入は難しいため、工業的な製造という面では、上記式(13)として例示したように、3−位(または6−位)に環bを置換させることにより得られる構造が好ましい。
【0055】
一般式(1)において、環aは置換基を有していても良い、芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を示し、環bは置換基を有していても良い芳香族複素環基を表す。いずれも、好ましくは5員環または6員環の、単環または2縮合環である。
【0056】
ところでヘテロ原子を含む5員環は、他の芳香族化合物や複素環の中でも反応性が高く、特に、ヘテロ原子のα−位は非常に反応活性が高い(たとえば求電子置換反応、プロトン化、ディールスアルダー反応などの反応性を示す。)。
【0057】
有機電界発光素子の材料として、配位子中に、ヘテロ原子のα−位が無置換である5員環を含む錯体化合物を使用すると、素子の安定性が低下したり、発光効率の本発明の低下や低寿命化の原因となる虞がある。よって、前記一般式(1)で表される有機電界発光素子における、環aおよび/または環bが5員環の芳香族複素環である(またはこれを含む)場合には、α−位へ置換基を導入することが好ましい。また、α−位の基と隣接する基が結合して、該5員環に縮合する環を形成していても良い。
【0058】
以下に環aおよび環bの具体例を示すが、これらに限定されるものではない。また、これらは置換基を有していても良く、該置換基については後述する。
【0059】
【化26】
Figure 2004067658
【0060】
これらのうち、環aとしては、好ましくは以下のようなものが挙げられ、環bとしては、好ましくは以下のようなものが挙げられ、これらは後述の置換基を有していても良い。
【0061】
【化27】
Figure 2004067658
【0062】
【化28】
Figure 2004067658
【0063】
ArないしAr、環aおよび環bが有しうる置換基として、具体的には下記の基が挙げられる。
【0064】
ハロゲン原子(たとえばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)
置換基を有していても良いアルキル基(好ましくは炭素数1〜8の直鎖または分岐のアルキル基であり、たとえばメチル、エチル、n−プロピル、2−プロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル基などが挙げられる。)
置換基を有していても良いアルケニル基(たとえば、炭素数1〜8のアルケニル基であり、たとえばビニル、アリル、1−ブテニル基などが挙げられる。)
置換基を有していても良いアルキニル基(たとえば、炭素数1〜8のアルキニル基であり、たとえばエチニル、プロパルギル基などが挙げられる。)
置換基を有していても良いアラルキル基(たとえば、炭素数1〜8のアラルキル基であり、たとえばベンジル基などが挙げられる。)
置換基を有していても良いアミノ基(好ましくは、置換基に炭素数1〜8のアルキル基を1つ以上有するものであり、たとえばメチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ基などが挙げられる。)
置換基を有していても良いアリールアミノ基(たとえばフェニルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノ基などが挙げられる。)
置換基を有していても良いヘテロアリールアミノ基(たとえばピリジルアミノ、チエニルアミノ、ジチエニルアミノ基などが挙げられる。)
置換基を有していても良いアルコキシ基(好ましくは置換基を有していても良い炭素数1〜8のアルコキシ基であり、たとえばメトキシ、エトキシ、ブトキシ基などが挙げられる。)
置換基を有していても良いアリールオキシ基(好ましくは芳香族炭化水素基や複素環基を有するものであり、たとえばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシ、ピリジルオキシ、チエニルオキシ基などが挙げられる。)
置換基を有していても良いアラルキルオキシ基(たとえばベンジルオキシ、フェネチルオキシ基等が挙げられる。)
置換基を有していても良いアシル基(好ましくは、置換基を有していても良い炭素数1〜8のアシル基であり、たとえばホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基などが挙げられる。)
置換基を有していても良いアルコキシカルボニル基(好ましくは置換基を有していても良い炭素数2〜13のアルコキシカルボニル基であり、たとえばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル基などが挙げられる。)
置換基を有していても良いアリールオキシカルボニル基(好ましくは置換基を有していても良い炭素数2〜13のアリールオキシカルボニル基であり、たとえばアセトキシ基などが挙げられる。)
カルボキシル基
シアノ基
水酸基
メルカプト基
アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜8のアルキルチオ基であり、たとえば、メチルチオ基、エチルチオ基などが含まれる。)
アリールチオ基(好ましくは炭素数1〜8のアリールチオ基であり、たとえば、フェニルチオ基、1―ナフチルチオ基などが挙げられる。)
置換基を有していても良いスルホニル基(たとえばメシル、トシル基などが挙げられる。)
置換基を有していても良いシリル基(たとえばトリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる。)
置換基を有していても良いボリル基(たとえばジメシチルボリル基などが挙げられる。)
置換基を有していても良いホスフィノ基(たとえばジフェニルホスフィノ基などが挙げられる。)
置換基を有していても良い芳香族炭化水素環基または芳香族複素環基(好ましくは、5または6員環の、単環または2縮合環である、芳香族炭化水素環または芳香族複素環であり、例えばフェニル基、ナフチル基、チエニル基、フリル基、ピリジル基などが挙げられる。)
【0065】
上述の各置換基が「有していても良い置換基」としては、
アルキル基(好ましくは炭素数1〜4のアルキル基でありたとえばメチル基、エチル基、2−プロピル基などが挙げられる。)
無置換あるいはアルキル基で置換された芳香族炭化水素基(たとえばフェニル基、トリル基、メシチル基などが挙げられる。)
【0066】
上述のArないしAr、環aおよび環bが有しうる置換基として、より好ましくは置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いアミノ基、置換基を有していても良いアリールアミノ基、置換基を有していても良いアルコキシ基、置換基を有していても良いアシル基、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基、および置換基を有していても良い芳香族複素環基が挙げられる。
【0067】
また前述したように、ArとZ、ArとZ、ArとZ、ArとZ、Arと環a、Arと環a、Arと環b、およびArと環bなどが結合して形成する環は、いずれも置換基を有していても良く、該置換基としては、環aなどの置換基として上述したものと同様の基が挙げられる。
【0068】
下記に、本発明の有機金属錯体の代表例を示すが、本発明の有機金属錯体は何らこれらに限定されるものではない(以下において、Etはエチル基である。)。
【0069】
【化29】
Figure 2004067658
【0070】
【化30】
Figure 2004067658
【0071】
【化31】
Figure 2004067658
【0072】
【化32】
Figure 2004067658
【0073】
【化33】
Figure 2004067658
【0074】
【化34】
Figure 2004067658
【0075】
【化35】
Figure 2004067658
【0076】
【化36】
Figure 2004067658
【0077】
【化37】
Figure 2004067658
【0078】
【化38】
Figure 2004067658
【0079】
【化39】
Figure 2004067658
【0080】
【化40】
Figure 2004067658
【0081】
【化41】
Figure 2004067658
【0082】
【化42】
Figure 2004067658
【0083】
【化43】
Figure 2004067658
【0084】
【化44】
Figure 2004067658
【0085】
【化45】
Figure 2004067658
【0086】
【化46】
Figure 2004067658
【0087】
【化47】
Figure 2004067658
【0088】
【化48】
Figure 2004067658
【0089】
【化49】
Figure 2004067658
【0090】
【化50】
Figure 2004067658
【0091】
【化51】
Figure 2004067658
【0092】
【化52】
Figure 2004067658
【0093】
【化53】
Figure 2004067658
【0094】
【化54】
Figure 2004067658
【0095】
【化55】
Figure 2004067658
【0096】
【化56】
Figure 2004067658
【0097】
【化57】
Figure 2004067658
【0098】
以上の例はいずれも、1化合物中に、アリールアミノ基を有する置換基を1種類のみ有する錯体化合物であるが、本発明の錯体化合物は、1化合物中に複数種のアリールアミノ基含有配位子を有していても良い。
【0099】
前記一般式(1)で表される有機金属錯体は、通常、分子量2000以下、好ましくは1500以下である。また該化合物における各配位子の分子量は800以下程度である。
【0100】
前記一般式(1)で表される有機金属錯体は、例えば以下の方法で製造することができる。
まず、同一の2座配位子のみを有する錯体の場合、該当2座配位子と、中心金属となるイリジウム等の化合物を、無溶媒もしくはプロトン性溶媒中で加熱することにより得ることが出来る。必要に応じ、触媒としてトリフロオロ酢酸銀等を用いても良い。
一分子中に複数種の配位子を有する混合配位子錯体の場合は、まず1種類の二座配位子と、中心金属となるイリジウム等の化合物とを、プロトン性溶媒もしくは非プロトン性溶媒中で反応させ、相当する2核錯体を合成する。これに、溶媒中、塩基の存在下で、他の2座配位子を反応させることにより、目的の錯体が製造できる。また、後で加える「他の2座配位子」の代わりに、該配位子を有するアルカリ金属錯体、もしくはアルカリ土類金属錯体を用いた場合には、塩基非存在下、プロトン性溶媒もしくは非プロトン性溶媒中で反応を行っても良い。
【0101】
前記一般式(1)で表される本発明の有機金属錯体は、比較的長波長の発光を示す、有機電界発光素子用燐光色素を得るには、特に効果的である。具体的には、最大発光波長500nm以上、特に最大発光波550nm以上であり、かつ発光効率が高く駆動電圧の低い素子を形成しうる燐光材料を、好適に得ることができる。なお、本発明における錯体化合物の「最大発光波長」とは、発光層に該化合物を含む有機電界発光素子における、該化合物の最大発光波長を意味する。
【0102】
このような最大発光波長を示す化合物を得るには、例えば、一般式(1)において、環a、環b、またはAr〜Arに対し、これらの環に対する共鳴効果もしくは電子供与性効果の大きい置換基を導入すること、あるいは環a、環b、またはAr〜Arを、2以上の環が縮合してなる縮合環とすること等、幾つかの方法がある。
【0103】
具体的には、例えば、
▲1▼環a、環b、およびAr〜Arのうち少なくとも1つに、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、アルケニル基またはアルキニル基などの、共鳴効果を奏する基を導入する。
▲2▼環a、環b、およびAr〜Arのうち少なくとも1つに、アルキル基、アルコキシル基、またはアミノ基などの電子供与性基を導入する。
▲3▼連結基Zおよび/またはZとして、▲1▼で挙げた基から水素原子を1個または2個除去して得られる連結基、または▲2▼で挙げた基から水素原子を1個または2個除去して得られる連結基を導入する。或いは、両者を結合してなる連結基を使用する。
▲4▼環a、環b、およびAr〜Arのうち少なくとも1つを、2以上の環が縮合してなる縮合環とする。
などの手段が挙げられ、これらのうち1以上を採用することにより、所望の最大発光波長を示す有機金属錯体を得ることができる。
【0104】
また、環a、環b、およびAr〜Arに対する置換基の効果は、該置換基の種類、置換位置、および複数の置換基相互の影響などの相乗効果であり、これらを適宜調整することにより、所望のピーク波長に調整することができる。
【0105】
環a、環b、およびAr〜Arのうち少なくとも1つを、2以上の環が縮合してなる縮合環とすることにより、本願化合物の発光ピークを長波長化することができるが、中でも環aまたは環bを縮合環とすることが効果的である。
【0106】
本発明の錯体化合物は、上記▲1▼〜▲4▼、置換基の結合位置、およびその相互作用などを勘案し、所望の発光極大波長を有するよう調製するができる。
【0107】
本発明の有機電界発光素子は、基板上に陽極、発光層、および陰極が順次積層されてなり、該発光層が前記一般式(1)で表される本発明の有機金属錯体を含有することを特徴とする。一般式(1)で表される有機金属錯体は、正孔注入・輸送性または電子注入・輸送性を有するホスト化合物にドープされて、発光層中に含有されることが好ましい。
【0108】
以下、本発明に好適なホスト化合物について説明する。
【0109】
このホスト化合物は、発光層に含まれる一般式(1)で表される有機金属錯体の励起三重項準位より高いエネルギー状態の励起三重項準位を有することが好ましい。また、安定な薄膜形状を与え、高いガラス転移温度(Tg)を有し、正孔および/または電子を効率良く輸送することができる化合物であることが必要である。
【0110】
さらに、電気化学的かつ化学的に安定であり、トラップとなったり発光を消光したりする不純物が製造時や使用時に発生しにくい化合物であることが要求される。
【0111】
これらの条件を満たすホスト材料としては、例えば下記一般式(I)または(II)で表わされる化合物、もしくは下記一般式(III)で表わされる基を有する化合物が挙げられる。
【0112】
【化58】
Figure 2004067658
【0113】
((I)式中、カルバゾリル基およびフェニレン基は任意の置換基を有していても良い。Zは直接結合または2価の連結基を示す。)
【0114】
【化59】
Figure 2004067658
【0115】
((II)式中、Mは周期律表1族、2族、3族、12族、または13族から選ばれる金属を表し、nは該金属の価数を表わす。Lは任意の置換基を表し、jは置換基Lの数を表し0または1である。Xは炭素原子または窒素原子を表わす。環Aは含窒素複素環を示し、置換基を有していても良い。環Bは芳香族炭化水素環または芳香族複素環を示し、置換基を有していても良い。)
【0116】
【化60】
Figure 2004067658
【0117】
((III)式中、R51〜R54は各々独立に、水素原子または任意の置換基を表し、R51とR52、R53とR54はそれぞれ結合して環を形成していても良い。Xは酸素原子または硫黄原子を示す。)
【0118】
前記一般式(I)で表わされるN−フェニルカルバゾール骨格を有する化合物として、好ましくは下記一般式(I−1)で表わされる化合物が挙げられる。
【0119】
【化61】
Figure 2004067658
【0120】
((I−1)式中、R 〜R16は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、シアノ基、アミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アラルキルアミノ基、ハロアルキル基、水酸基、アリールオキシ基、置換基を有していても良い芳香族炭化水素環基または芳香族複素環基を表し、R とR 、R とR4 、R とR 、R とR 、R とR10、R11とR12、R13とR14,R15とR16はそれぞれ互いに結合して環を形成しても良い。Zは直接結合または2価の連結基を示す。)
【0121】
(I−1)式中のR 〜R16として、具体的には水素原子;塩素原子、フッ素原子などのハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ベンジル基等のアラルキル基;ビニル基等の炭素数2〜6のアルケニル基;シアノ基;アミノ基;アシル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基;カルボキシル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基等のアルキルアミノ基;ジベンジルアミノ基、ジフェネチルアミノ基などのアラルキルアミノ基;トリフルオロメチル基等のハロアルキル基;水酸基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアリールオキシ基;置換基を有していても良いフェニル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素環基;置換基を有していても良いチエニル基、ピリジル基等の芳香族複素環基が挙げられる。
【0122】
前記芳香族炭化水素環基および芳香族複素環基が有し得る置換基としては、フッ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ビニル基等の炭素数2〜6のアルケニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアリールオキシ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のアルキルアミノ基;アセチル基等のアシル基;トリフルオロメチル基等のハロアルキル基;シアノ基などが挙げられる。
なお、上述の各置換基に含まれるアルキル鎖部分は、いずれも直鎖であっても分岐していても良い。以下の置換基の例示においても同様である。
【0123】
また、R とR 、R3 とR 、R とR 、R とR 、R とR10、R11とR12、R13 とR14 、R15 とR16 はそれぞれ隣接する置換基同士で結合し、ベンゼン環、シクロヘキサン環等の5〜7員環を形成していても良い。
【0124】
ないしR16として特に好ましいのは、水素原子、アルキル基、またはシアノ基である。
【0125】
一般式(I)または(I−1)におけるZとして、好ましくは直接結合、酸素原子、硫黄原子、以下に示す連結基、
【0126】
【化62】
Figure 2004067658
置換基を有していても良い2価の芳香族炭化水素環基または芳香族複素環基、または、以下の連結基のいずれかが挙げられる。
【0127】
【化63】
Figure 2004067658
【0128】
(上記構造中のベンゼン環部分は、いずれも任意の置換基を有していて良く、またAr〜Arは置換基を有していても良い芳香族炭化水素環基または芳香族複素環基、または以下の一般式(I−2)で表される基が挙げられる。
【0129】
【化64】
Figure 2004067658
k=0または1である。なお、式(I−2)中におけるカルバゾリル基およびフェニレン基は、任意の置換基を有していても良い。)
【0130】
一般式(I)または(I−1)におけるZの好ましい連結基のうち、芳香族炭化水素環基としては、フェニレン基、ナフチレン基、アントラニル基、ナフタセン基等の、5〜6員環の単環または2〜4縮合環が挙げられ、芳香族複素環基としては、2価のチオフェン環残基、フラン環残基、ピリジン環残基、ピリミジン環残基またはキノリン環残基等の、5〜6員環の単環または2〜3縮合環が挙げられる。
【0131】
これらの芳香族炭化水素環基および芳香族複素環基は、メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基、フッ素原子等のハロゲン原子、トリフルオロメチル基等のα−ハロアルキル基等の置換基を有しても良い。
【0132】
また、Ar〜Arとしては、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、ナフタセニル基等の、5〜6員環の単環または2〜4縮合環である芳香族炭化水素環基、またはチエニル基、フリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、キノリル基等の、5〜6員環の単環または2〜3縮合環である芳香族複素環基が挙げられる。これらの芳香族炭化水素環基および芳香族複素環基は、メチル基、エチル基等のアルキル基、フッ素原子等のハロゲン原子、トリフルオロメチル基等のα−ハロアルキル基等の置換基を有しても良い。
【0133】
前記式(I−2)で表わされる構造は、好ましくは下記式(I−3)で表わされる。
【0134】
【化65】
Figure 2004067658
【0135】
((I−3)式中、R17〜R24は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、シアノ基、置換基を有していても良いアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アラルキルアミノ基、ハロアルキル基、水酸基、アリールオキシ基、置換基を有していても良い芳香族炭化水素環基または芳香族複素環基を表し、R17とR18、R19とR20,R21とR22,R23とR24はそれぞれ互いに結合して環を形成していても良い。)
【0136】
上記(I−3)式において、R17〜R24として、具体的には、水素原子;ハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ベンジル基等のアラルキル基;ビニル基等の炭素数2〜6のアルケニル基;シアノ基;アミノ基;アシル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基;カルボキシル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基等のアルキルアミノ基;ジベンジルアミノ基、ジフェネチルアミノ基などのアラルキルアミノ基;トリフルオロメチル基等のハロアルキル基;水酸基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアリールオキシ基;置換基を有していても良いフェニル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素環基;置換基を有していても良いチエニル基、ピリジル基等の芳香族複素環基が挙げられる。
【0137】
前記芳香族炭化水素環基および芳香族複素環基が有し得る置換基としては、フッ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ビニル基等の炭素数2〜6のアルケニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアリールオキシ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基、アセチル基等のアシル基;トリフルオロメチル基等のハロアルキル基;シアノ基などが挙げられる。
【0138】
なおR17とR18、R19とR20,R21とR22,R23とR24はそれぞれ隣接する置換基同士で結合し、ベンゼン環やシクロヘキサン環などの5〜7員環を形成していても良い。
【0139】
前記一般式(I)で表わされる化合物の好ましい具体例を以下に示すが、これらに限定するものではない。
【0140】
【化66】
Figure 2004067658
【0141】
【化67】
Figure 2004067658
【0142】
【化68】
Figure 2004067658
【0143】
【化69】
Figure 2004067658
【0144】
【化70】
Figure 2004067658
【0145】
本発明の有機電界発光素子は、発光層におけるホスト材料として前記一般式(II)で表わされる有機金属錯体化合物を使用しても良い。前記一般式(II)で表わされるホスト材料としては、特に下記一般式(II−1)で表わされる有機金属錯体や、下記一般式(II−2)で表わされる混合配位子錯体、または下記一般式(II−3)で表わされる二核金属錯体が好ましい。
【0146】
【化71】
Figure 2004067658
【0147】
((II−1)式中、Mは1ないし3価の金属を表し、n、X、環Aおよび環Bは一般式(II)におけると同義である。)
【0148】
【化72】
Figure 2004067658
【0149】
((II−2)式中、Mは3価の金属を表し、X、環Aおよび環Bは一般式(II)におけると同義である。Lは下記一般式(II−2a)、(II−2b)または(II−2c)を表わす。)
【0150】
【化73】
Figure 2004067658
【0151】
((II−2a)、(II−2b)、(II−2c)式中、Ar11〜Ar15は置換基を有していても良い芳香族炭化水素環基または置換基を有していても良い芳香族複素環基を表し、Zはシリコンまたはゲルマニウムを表わす。)
【0152】
【化74】
Figure 2004067658
【0153】
((II−3)式中、MおよびM3’は3価の金属を表し、X、環A及び環Bは一般式(II)におけると同義であり、X2’はXと、環A’は環Aと、また環B’は環Bとそれぞれ同義である。)
【0154】
なお、一般式(II)および(II−1)〜(II−3)で表わされる化合物1分子中に含まれる、複数の下記構造部分
【0155】
【化75】
Figure 2004067658
(一般式(II−3)においては、1化合物中に2個ずつ存在する下記構造部分
【0156】
【化76】
Figure 2004067658
)、即ち環A、環B、およびX(式(II−3)の場合は、環A、環A’、環B、環B’、XおよびX2’)は、同じであっても良いし、異なっていても良い。合成が容易である点からは、すべて同じであることが好ましい。
【0157】
同様に、一般式(II−3)で表わされる化合物におけるMおよびM3’も、同じであっても異なっていても良く、合成が容易である点からは、同じであることが好ましい。
【0158】
前記一般式(II)および(II−1)〜(II−3)で表わされる化合物の環A、環A’、環B、および環B’は、それぞれ下記のものから選ばれるものが好ましい。
[環Aおよび環A’]置換基を有していても良い5員環または6員環の含窒素芳香族複素環であり、該環に5または6員環の芳香族炭化水素環または芳香族複素環が1または2個縮合して縮合環を形成しても良い。
[環Bおよび環B’]置換基を有していても良い6員環の芳香族炭化水素環または芳香族複素環であり、該環に5または6員環の芳香族炭化水素環または芳香族複素環が1または2個縮合して縮合環を形成しても良い。
【0159】
前記一般式(II)および(II−1)〜(II−3)で表わされる化合物の環A、環A’、環B、および環B’として、より好ましくは各々単環であり、中でもそれぞれ下記から選ばれる環が好ましい。
[環Aおよび環A’]それぞれ置換基を有していても良い、ジアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、ジアジン環、トリアジン環
[環Bおよび環B’]それぞれ置換基を有していても良い、ベンゼン環、ピリジン環、ジアジン環、トリアジン環
【0160】
さらに前記一般式(II)および(II−1)〜(II−3)で表わされる化合物の環A、環A’、環B、および環B’は、それぞれ下記構造式から選ばれることが最も好ましい。
【0161】
【化77】
Figure 2004067658
【0162】
(式中、R31〜R37は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、シアノ基、アミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アラルキルアミノ基、ハロアルキル基、水酸基、アリールオキシ基、置換基を有していても良い芳香族炭化水素環基または置換基を有していても良い芳香族複素環基を表し、R31とR32、R31とR33、R34とR35、R35とR36、R36とR37はそれぞれ互いに結合して環を形成していても良い。)
【0163】
【化78】
Figure 2004067658
【0164】
(式中、R38〜R41は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、シアノ基、アミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アラルキルアミノ基、ハロアルキル基、水酸基、アリールオキシ基、置換基を有していても良い芳香族炭化水素環基または置換基を有していても良い芳香族複素環基を表し、R38とR39、R39とR40、R40とR41はそれぞれ互いに結合して環を形成していても良い。)
【0165】
なお上記[環Bおよび環B’]の構造における2本の結合手は、前記式(II)および(II−1)〜(II−3)における環Bおよび環B’構造の定義を満たす限り、酸素原子、または環Aおよび環A’における原子X、X2’のうち、いずれがいずれに結合していても良い。
【0166】
31〜R41として、具体的には水素原子;ハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ベンジル基等のアラルキル基;ビニル基等の炭素数2〜6のアルケニル基;シアノ基;アミノ基;アシル基;カルボキシル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアリールオキシ基;ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基等のジアルキルアミノ基;ジベンジルアミノ基;ジフェネチルアミノ基などのジアラルキルアミノ基;トリフルオロメチル基等のα−ハロアルキル基;水酸基;置換基を有していても良いフェニル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素環基;置換基を有していても良いチエニル基、ピリジル基等の芳香族複素環基を表わす。
【0167】
前記芳香族炭化水素環基および芳香族複素環基が有し得る置換基としては、フッ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ビニル基等の炭素数2〜6のアルケニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアリールオキシ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;アセチル基等のアシル基;トリフルオロメチル基等のハロアルキル基;シアノ基などが挙げられる。
【0168】
なお、R31とR32、R31とR33、R34とR35、R35とR36、R36とR37、R38とR39、R39とR40、R40とR41がそれぞれ隣接する基同士で結合して形成する環としては、ベンゼン環、またはシクロヘキサン環等が挙げられる。
【0169】
31〜R41として好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロアルキル基または置換基を有していても良い芳香族炭化水素基であるか、または隣接する基同士で結合して環を形成する。
【0170】
一般式(II)および(II−1)〜(II−3)で表わされる化合物の金属M(M、M、MおよびM3’)は、周期律表1族、2族、3族、12族、13族から選ばれる金属であれば特に限定されないが、好ましくは亜鉛、アルミニウム、ガリウム、ベリリウム、およびマグネシウムが挙げられる。
【0171】
前記一般式(II)および(II−1)〜(II−3)で表わされる化合物の好ましい具体例を以下に示すが、これらに限定するものではない。
【0172】
【化79】
Figure 2004067658
【0173】
【化80】
Figure 2004067658
【0174】
【化81】
Figure 2004067658
【0175】
【化82】
Figure 2004067658
【0176】
【化83】
Figure 2004067658
【0177】
【化84】
Figure 2004067658
【0178】
また、本発明の有機電界発光素子は、発光層におけるホスト材料として、前記一般式(III)で表される基を有する化合物を使用しても良い。
【0179】
前記一般式(III)において、R51とR52、R53とR54がそれぞれ結合して形成する環としては、ベンゼン環やシクロヘキサン環が挙げられる。
【0180】
前記一般式(III)において、R51〜R54は、具体的には、水素原子;ハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ベンジル基等のアラルキル基;ビニル基等のアルケニル基;シアノ基;アミノ基;アシル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアリールオキシ基;ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基等のジアルキルアミノ基;ジベンジルアミノ基、ジフェネチルアミノ基などのジアラルキルアミノ基;トリフルオロメチル基等のα−ハロアルキル基;水酸基;置換基を有していても良いフェニル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素環基;置換基を有していても良いチエニル基、ピリジル基等の芳香族複素環基を表し、前記置換基としては、フッ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ビニル基等のアルケニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアリールオキシ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基、アセチル基等のアシル基、トリフルオロメチル基等のハロアルキル基、シアノ基が挙げられる。
【0181】
前記一般式(III)で表わされる基の好ましい具体例を以下に示すが、これらに限定するものではない。
【0182】
【化85】
Figure 2004067658
【0183】
前記一般式(III)で表される基を有する化合物は、低分子であっても高分子であっても良い。高分子の場合は、主鎖に含有されていても良いし、また、側鎖として含有されていても良い。
【0184】
この化合物は分子量400〜1200程度の低分子化合物である場合が好ましく、一般式(III)で表される基を有する化合物は、化合物全体としての環の合計数が6〜20であるのが好ましく、より好ましくは7〜18である。また、一般式(III)で表される基を有する化合物は、分子内に一般式(III)で表される単位を2〜3個有している化合物が好ましい。
【0185】
中でも、一般式(III)で表される基は、前記(S−1)あるいは(S−2)であるのが特に好ましい。
【0186】
一般式(III)で表される基を有する化合物は、下記一般式(III−1)または(III−2)で表される化合物であることが好ましい。
【0187】
【化86】
Figure 2004067658
【0188】
(式中、R55〜R62は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アリル基、シアノ基、アミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、α−ハロアルキル基、水酸基、置換基を有していても良い芳香族炭化水素環基または芳香族複素環基を表し、R55とR56、R57とR58、R59とR60、R61とR62はそれぞれ互いに結合して環を形成しても良い。XおよびXは各々独立に、酸素原子または硫黄原子を示し、Qは置換基を有していても良い芳香族炭化水素環基または芳香族複素環基からなる2価の連結基を示す。)
【0189】
【化87】
Figure 2004067658
【0190】
(式中、R63〜R74は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アリル基、シアノ基、アミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、α−ハロアルキル基、水酸基、置換基を有していても良い芳香族炭化水素環基または芳香族複素環基を表し、R63とR64、R65とR66、R67とR68、R69とR70、R71とR72、R73とR74はそれぞれ互いに結合して環を形成しても良い。X〜Xは各々独立に、酸素原子または硫黄原子を示し、Qは置換基を有していても良い芳香族炭化水素環基または芳香族複素環基からなる3価の連結基を示す。)
【0191】
前記一般式(III−1)において、R55〜R62は各々独立に、水素原子;ハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ベンジル基等のアラルキル基;ビニル基等のアルケニル基;シアノ基;アミノ基;アシル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアリールオキシ基;ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基等のジアルキルアミノ基;ジベンジルアミノ基、ジフェネチルアミノ基などのジアラルキルアミノ基;トリフルオロメチル基等のα−ハロアルキル基;水酸基;置換基を有していても良いフェニル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素環基;置換基を有していても良いチエニル基、ピリジル基等の芳香族複素環基を表し、前記置換基としては、フッ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ビニル基等のアルケニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアリールオキシ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基、アセチル基等のアシル基、トリフルオロメチル基等のハロアルキル基、シアノ基を示す。R55とR56、R57とR58、R59とR60、R61とR62はそれぞれ結合して、ベンゼン環、シクロヘキサン環等を形成しても良い。X〜Xは各々独立に、酸素原子または硫黄原子を示す。Qは置換基を有していても良い芳香族芳香族炭化水素環基または芳香族複素環基からなる2価の連結基を示し、この置換基としては、フッ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ビニル基等の炭素数2〜6のアルケニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基等のアリールオキシ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基、アセチル基等のアシル基、トリフルオロメチル基等のハロアルキル基、シアノ基などが挙げられる。
連結基Qの好ましい例を以下に示す。
【0192】
【化88】
Figure 2004067658
【0193】
これらの中でも、連結基Qは、(A−2)、(A−6)、(A−8)、(A−10)あるいは(A−12)が好ましい。そして、これら連結基Qを有し、環構造として(S−1)または(S−2)を有する化合物であるものが最も好ましい。
【0194】
前記一般式(III−1)で表わされる化合物の好ましい具体例を表1,2に示すが、これらに限定するものではない。
【0195】
【表1】
Figure 2004067658
【0196】
【表2】
Figure 2004067658
【0197】
前記一般式(III−2)において、R63〜R74は各々独立に、水素原子;ハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ベンジル基等のアラルキル基;ビニル基等のアルケニル基;シアノ基;アミノ基;アシル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアリールオキシ基;ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基等のジアルキルアミノ基;ジベンジルアミノ基、ジフェネチルアミノ基などのジアラルキルアミノ基;トリフルオロメチル基等のα−ハロアルキル基;水酸基;置換基を有していても良いフェニル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素環基;置換基を有していても良いチエニル基、ピリジル基等の芳香族複素環基を表し、前記置換基としては、フッ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ビニル基等のアルケニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアリールオキシ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基、アセチル基等のアシル基、トリフルオロメチル基等のハロアルキル基、シアノ基を示す。R63とR64、R65とR66、R67とR68、R69とR70、R71とR72、R73とR74はそれぞれ互いに結合して、ベンゼン環、シクロヘキサン環等を形成していても良い。X〜Xは各々独立に、酸素原子または硫黄原子を示す。Qは置換基を有していても良い芳香族芳香族炭化水素環基または芳香族複素環基からなる3価の連結基を示し、この置換基としては、フッ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ビニル基等の炭素数2〜6のアルケニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基等のアリールオキシ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基、アセチル基等のアシル基、トリフルオロメチル基等のハロアルキル基、シアノ基などが挙げられる。
連結基Qの好ましい例を以下に示す。
【0198】
【化89】
Figure 2004067658
【0199】
これらの中でも連結基Qは、(B−1)、(B−2)あるいは(Bー7)が好ましい。最も好ましくは、これら連結基を有し、環構造として(S−1)または(S−2)を有する場合である。
【0200】
前記一般式(III−2)で表わされる化合物の好ましい具体例を表3,4に示すが、これらに限定するものではない。
【0201】
【表3】
Figure 2004067658
【0202】
【表4】
Figure 2004067658
【0203】
前記一般式(I)で表される化合物、前記一般式(II)で表される化合物、および前記一般式(III)で表される基を有する化合物は、各々発光層中に1種のみが含まれていても良く、各2種以上が含まれていても良い。また、異なる一般式で表される化合物を併用しても良い。
【0204】
また、ホスト化合物としては、前記一般式(I)〜(III)のほかに、下記化合物等を使用しても良い。
【0205】
【化90】
Figure 2004067658
【0206】
【化91】
Figure 2004067658
【0207】
(上記式(IV)中、配位子である8−ヒドロキシキノリン構造は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、あるいはメチル基、エチル基、t−ブチル基等の炭素数1〜5の直鎖または分岐のアルキル基で置換されていても良い。なお1化合物中の3個の配位子は、同じ構造であっても異なっていても良い。)
【0208】
ホスト化合物は、前述したように、同じ一般式で表わすことができる化合物を複数種併用しても良いし、また同じ一般式では表わせない化合物を2種以上併用しても良い。
【0209】
本発明の有機電界発光素子において、発光層のホスト化合物として特に好ましいのは前記一般式(I)で表わされる化合物、または前記一般式(IV)で表わされる化合物である。
【0210】
次に、本発明の有機電界発光素子の構造について、図面を参照しながら説明するが、本発明の有機電界発光素子の構造は何ら図示のものに限定されるものではない。
【0211】
図1〜3は本発明の有機電界発光素子の実施の形態を模式的に示す断面図であり、1は基板、2は陽極、3は陽極バッファ層、4は正孔輸送層、5は発光層、6は正孔阻止層、7は電子輸送層、8は陰極を各々表わす。以下、図1に示す素子を中心に説明する。
【0212】
基板1は有機電界発光素子の支持体となるものであり、石英やガラスの板、金属板や金属箔、プラスチックフィルムやシートなどが用いられる。特にガラス板や、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホンなどの透明な合成樹脂の板が好ましい。合成樹脂基板を使用する場合にはガスバリア性に留意する必要がある。基板のガスバリア性が小さすぎると、基板を通過した外気により有機電界発光素子が劣化することがあるので好ましくない。このため、合成樹脂基板の少なくとも片面に緻密なシリコン酸化膜等を設けてガスバリア性を確保する方法も好ましい方法の一つである。
【0213】
基板1上には陽極2が設けられる。陽極2は正孔輸送層4への正孔注入の役割を果たすものである。この陽極2は、通常、アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金等の金属、インジウムおよび/またはスズの酸化物などの金属酸化物、ヨウ化銅などのハロゲン化金属、カーボンブラック、あるいは、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子などにより構成される。陽極2の形成は通常、スパッタリング法、真空蒸着法などにより行われることが多い。また、銀などの金属微粒子、ヨウ化銅などの微粒子、カーボンブラック、導電性の金属酸化物微粒子、導電性高分子微粉末などを用いる場合には、適当なバインダー樹脂溶液に分散し、基板1上に塗布することにより陽極2を形成することもできる。さらに、導電性高分子の場合は、電解重合により直接基板1上に薄膜を形成したり、基板1上に導電性高分子を塗布して陽極2を形成することもできる(Appl.Phys.Lett.,60巻,2711頁,1992年)。また、陽極2は異なる材料からなる層を、積層して形成された積層構造であっても良い。
【0214】
陽極2の厚みは、必要とする透明性により異なる。透明性が必要とされる場合は、可視光の透過率を、通常、60%以上、好ましくは80%以上とすることが望ましく、この場合、陽極2の厚みの上限は通常1000nm好ましくは500nm程度であり、下限は通常5nm好ましくは10nm程度である。不透明でよい場合は陽極2の厚みは基板1と同程度でも良い。また、さらには上記の陽極2の上に異なる導電材料を積層することも可能である。
【0215】
図1の素子において、陽極2の上には正孔輸送層4が設けられる。正孔輸送層4の材料に要求される条件としては、陽極2からの正孔注入効率が高く、かつ、注入された正孔を効率良く輸送することができる材料であることが挙げられる。そのためには、イオン化ポテンシャルが小さく、可視光の光に対して透明性が高く、しかも正孔移動度が大きく、さらに安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造時や使用時に発生しにくいことが要求される。また、発光層5に接するために発光層5からの発光を消光したり、発光層5との間でエキサイプレックスを形成して効率を低下させないことが求められる。上記の一般的要求以外に、車載表示用の応用を考えた場合、素子にはさらに耐熱性が要求されるため、ガラス転移温度Tgとして75℃以上の値を有する材料が望ましく、特に85℃以上の値を有する材料が好ましい。
【0216】
このような正孔輸送材料としては、例えば、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニルで代表される2個以上の3級アミンを含み2個以上の縮合芳香族環が窒素原子に置換した芳香族ジアミン(特開平5−234681号公報)、4,4’,4”−トリス(1−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン等のスターバースト構造を有する芳香族アミン化合物(J. Lumin., 72−74巻、985頁、1997年)、トリフェニルアミンの四量体から成る芳香族アミン化合物(Chem. Commun., 2175頁、1996年)、2,2’,7,7’−テトラキス−(ジフェニルアミノ)−9,9’−スピロビフルオレン等のスピロ化合物(Synth. Metals, 91巻、209頁、1997年)等が挙げられる。これらの化合物は、単独で用いても良いし、必要に応じて、各々、混合して用いても良い。
【0217】
上記の化合物以外に、正孔輸送層4の材料として、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルトリフェニルアミン(特開平7− 53953号公報)、テトラフェニルベンジジンを含有するポリアリーレンエーテルサルホン(Polym. Adv. Tech., 7巻、33頁、1996年)等の高分子材料が挙げられる。
【0218】
正孔輸送層4は塗布法または真空蒸着法などで形成することができる。
正孔輸送層4を塗布法で形成する場合は、正孔輸送材料の1種または2種以上に、必要により正孔のトラップにならないバインダー樹脂や塗布性改良剤などの添加剤を添加し、溶解して塗布溶液を調製し、スピンコート法などの方法により陽極2上に塗布し、乾燥して正孔輸送層4を形成する。バインダー樹脂としては、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル等が挙げられる。バインダー樹脂は添加量が多いと正孔移動度を低下させるので、少ない方が望ましく、通常、正孔輸送層4中の含有量で50重量%以下が好ましい。
【0219】
正孔輸送層4を真空蒸着法で形成する場合には、正孔輸送材料を真空容器内に設置されたルツボに入れ、真空容器内を適当な真空ポンプで10−4Pa程度にまで排気した後、ルツボを加熱して、正孔輸送材料を蒸発させ、ルツボと向き合って置かれた、陽極2が形成された基板1上に正孔輸送層4を形成させる。
【0220】
正孔輸送層4の膜厚の上限は通常300nm好ましくは100nmであり、下限は通常5nm好ましくは10nmである。このように薄い膜を一様に形成するためには、一般に真空蒸着法がよく用いられる。
【0221】
正孔輸送層4の上には発光層5が設けられる。発光層5は、少なくとも一般式(1)で表される本発明の有機金属錯体を含有し、通常は、更に前述した各種ホスト化合物を含有する。この発光層5は、電界を与えられた電極間において、陽極2から注入されて正孔輸送層4を移動する正孔と、陰極8から注入されて電子輸送層7を移動する電子との再結合により励起されて、強い発光を示す。その発光スペクトルにおける最大発光波長は、本発明の有機金属錯体に由来するものである。発光層への本発明の有機金属錯体の使用は、前述のように、比較的長波長、特に波長500nm以上に発光ピークを有する素子を得る場合に好ましく、波長550nm以上に発光ピークを有する素子を得る場合に最も好ましい。
【0222】
なお、本発明の有機電界発光素子の発光層中には、本発明の有機金属錯体の1種が単独で含まれていても良く、2種以上が含まれていても良い。また、本発明の性能を損なわない範囲で、本発明の有機金属錯体および前述のホスト化合物に加えて、これら以外の成分を含有していても良い。
【0223】
例えば発光層に、(1)前述のホスト化合物、および(2)本発明の有機金属錯体に加えて、(3)室温で燐光発光を示し、その最大発光波長が(2)の本発明の有機金属錯体の最大発光波長より短波長である化合物を含有していても良い。この場合には、上記(3)の化合物を併用することにより、この(3)の化合物が増感剤の役割を果たし、(2)の本発明の有機金属錯体の発光が強められるという効果が奏される。
【0224】
上記(3)の化合物は、一般式(1)で表される本発明の有機金属錯体の中から選択することもでき、また本明細書内で引用した各種文献・特許中に記載の公知の燐光性化合物の中から選んでも良い。この化合物としては、上記(3)の条件を満たす限り、その構造に制限はない。
【0225】
燐光発光を示す、一般式(1)で表される本発明の有機金属錯体の含有量は、発光層全体に対し0.1〜30重量%の範囲が好ましい。発光層中の本発明の有機金属錯体の含有量が0.1重量%未満では、素子の発光効率向上に十分に寄与することができない可能性があり、30重量%を超えると濃度消光が生じ、発光効率の低下が起こる虞がある。
【0226】
一般式(1)で表される本発明の化合物は、発光層内に均一に存在していても良く、膜厚方向に濃度分布をもって、不均一に存在していても良い。
【0227】
発光層5の膜厚の上限は通常200 nm好ましくは100 nmであり、下限は通常10 nm好ましくは20 nmである。
【0228】
発光層5も正孔輸送層4と同様の方法で形成することができる。
【0229】
図1の有機電界発光素子においては、発光層5の上に電子輸送層7が設けられる。
【0230】
電子輸送層7は、電界を与えられた電極間において陰極8から注入された電子を効率良く発光層5の方向に輸送することができる化合物より形成される。
【0231】
従って、電子輸送層7に用いられる電子輸送材料としては、陰極8からの電子注入効率が高く、かつ、高い電子移動度を有し注入された電子を効率良く輸送することができる材料であることが必要である。
【0232】
このような条件を満たす材料としては、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体などの金属錯体(特開昭59−194393号公報)、10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリンの金属錯体、オキサジアゾール誘導体、ジスチリルビフェニル誘導体、シロール誘導体、3−または5−ヒドロキシフラボン金属錯体、ベンズオキサゾール金属錯体、ベンゾチアゾール金属錯体、トリスベンズイミダゾリルベンゼン(米国特許第 5,645,948号)、キノキサリン化合物(特開平6−207169号公報)、フェナントロリン誘導体(特開平5−331459号公報)、2−t−ブチル−9,10−N,N’−ジシアノアントラキノンジイミン、n型水素化非晶質炭化シリコン、n型硫化亜鉛、n型セレン化亜鉛などが挙げられる。
【0233】
また、上述のような電子輸送材料に、アルカリ金属をドープする(特開平10−270171号公報、特願2000−285656号、特願2000−285657号などに記載)ことにより、電子輸送性が向上するため好ましい。
【0234】
電子輸送層7の膜厚の上限は通常200nm好ましくは100nmであり、下限は通常5nm好ましくは10nmである。
【0235】
電子輸送層7は、正孔輸送層4と同様にして塗布法あるいは真空蒸着法により発光層5上に積層することにより形成される。通常は、真空蒸着法が用いられる。
【0236】
陰極8は、電子輸送層7を介して発光層5に電子を注入する役割を果たす。陰極8として用いられる材料は、前記陽極2に使用される材料を用いることが可能であるが、効率良く電子注入を行なうには、仕事関数の低い金属が好ましく、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウム、銀等の適当な金属またはそれらの合金が用いられる。具体例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム−リチウム合金等の低仕事関数合金電極が挙げられる。
【0237】
陰極8の膜厚は通常、陽極2と同様である。
【0238】
低仕事関数金属から成る陰極を保護する目的で、この上にさらに、仕事関数が高く大気に対して安定な金属層を積層することは素子の安定性を増す上で好ましい。この目的のために、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、クロム、金、白金等の金属が使われる。
【0239】
素子の発光効率をさらに向上させることを目的として、図2および図3に示す如く、電子輸送層7と発光層5との間に正孔阻止層6を設けても良い。
【0240】
正孔阻止層6は発光層5の上に、発光層5の陰極側の界面に接するように積層され、正孔輸送層4から移動してくる正孔が陰極8に到達するのを阻止する役割と、陰極8から注入された電子を効率良く発光層5の方向に輸送することができる化合物より形成される。正孔阻止層6を構成する材料に求められる物性としては、電子移動度が高く正孔移動度が低いことが必要とされる。正孔阻止層6は正孔と電子を発光層5内に閉じこめて、発光効率を向上させる機能を有する。
【0241】
このような条件を満たす正孔阻止材料として、好ましくは、下記一般式(VI)で表わされる混合配位子錯体が挙げられる。
【0242】
【化92】
Figure 2004067658
【0243】
((VI)式中、R101〜R106は、水素原子または任意の置換基を表わす。Qはアルミニウム、ガリウム、インジウムから選ばれる金属原子を表わす。Yは以下に示す一般式(VI−1)、(VI−2)、(VI−3)のいずれかで表わされる。
【0244】
【化93】
Figure 2004067658
(式中、Ar21〜Ar25は、置換基を有していても良い芳香族炭化水素環基または置換基を有していても良い芳香族複素環基を表し、Yはシリコンまたはゲルマニウムを表わす。))
【0245】
前記一般式(VI)において、R101〜R106は各々独立に水素原子または任意の置換基を表すが、好ましくは水素原子;塩素、臭素等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ベンジル基等のアラルキル基;ビニル基等の炭素数2〜6のアルケニル基;シアノ基;アミノ基;アシル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基;カルボキシル基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアリールオキシ基;ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基等のアルキルアミノ基;ジベンジルアミノ基、ジフェネチルアミノ基などのアラルキルアミノ基;トリフルオロメチル基等のハロアルキル基;水酸基;置換基を有していても良いフェニル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素環基;置換基を有していても良いチエニル基、ピリジル基等の芳香族複素環基を表わす。
【0246】
前記芳香族炭化水素環基および芳香族複素環基が有しうる置換基としては、フッ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ビニル基等の炭素数2〜6のアルケニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアリールオキシ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のアルキルアミノ基;アセチル基等のアシル基;トリフルオロメチル基等のハロアルキル基;シアノ基等が挙げられる。
【0247】
101〜R106としてより好ましくは水素原子、アルキル基、ハロゲン原子またはシアノ基が挙げられる。またR104としては、シアノ基が特に好ましい。
【0248】
上記一般式(VI)中、Ar21〜Ar25として、具体的には、置換基を有していても良いフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素環基またはチエニル基、ピリジル基等の芳香族複素環基が挙げられる。中でも5員環、6員環、5員環および/または6員環が2個または3個縮合したもの、あるいはこれらが直接結合で2個または3個結合したものが好ましい。芳香族炭化水素環基と芳香族複素環基では、芳香族炭化水素環基が好ましい。
【0249】
なおAr21〜Ar25が有しうる置換基としては、例えばR101〜R106が芳香族炭化水素環基または芳香族複素環基の場合に有しうる置換基として、前述したものと同様の基が挙げられる。
【0250】
前記一般式(VI)で表わされる化合物の好ましい具体例を以下に示すが、これらに限定するものではない。
【0251】
【化94】
Figure 2004067658
【0252】
【化95】
Figure 2004067658
【0253】
正孔阻止材料としては、前記一般式(VI)の混合配位子錯体の他に、以下の構造式で示される1,2,4−トリアゾール環残基を少なくとも1個有する化合物も用いることができる。
【0254】
【化96】
Figure 2004067658
【0255】
上記構造式で表わされる1,2,4−トリアゾール環残基を少なくとも1個有する化合物の具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
【0256】
【化97】
Figure 2004067658
【0257】
なお、上記構造式中には記載していないが、これらの化合物におけるベンゼン環およびナフタレン環は、更に置換基を有していても良い。該置換基としては、例えばR101〜R106が芳香族炭化水素環基または芳香族複素環基である場合に有しうる置換基として、前述したものと同様の基が挙げられる。
【0258】
正孔阻止材料として、さらに、以下の構造式で示されるフェナントロリン環を少なくとも1個有する化合物も用いることができる。
【0259】
【化98】
Figure 2004067658
【0260】
上記構造式で表わされるフェナントロリン環を少なくとも1個有する化合物の具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
【0261】
【化99】
Figure 2004067658
【0262】
これらの化合物についても、前記1,2,4−トリアゾール環残基を有する化合物の場合と同様、構造式中に明記したもの以外にも置換基を有していても良く、この場合の置換基としては、例えばR101〜R106が芳香族炭化水素環基または芳香族複素環基である場合に有しうる置換基として、前述したものと同様の基が挙げられる。
【0263】
なお、上述した各々の正孔阻止材料の化合物は正孔阻止層6中に、単独で用いても良いし、必要に応じて、2種以上を混合して用いても良い。
【0264】
正孔阻止層6の膜厚の上限は通常100nm好ましくは50nmであり、下限は通常、 0.3nm好ましくは 0.5nmである。正孔阻止層6も正孔輸送層4や電子輸送層7と同様の方法で形成することができるが、通常は真空蒸着法が用いられる。
【0265】
また、正孔注入の効率をさらに向上させ、かつ、有機層全体の陽極2への付着力を改善させる目的で、図3に示す如く、正孔輸送層4と陽極2との間に陽極バッファ層3を挿入することも行われている。陽極バッファ層3を挿入することで、初期の素子の駆動電圧が下げると同時に、素子を定電流で連続駆動した時の電圧上昇も抑制される効果が得られる。陽極バッファ層3に用いられる材料に要求される条件としては、陽極2とのコンタクトがよく均一な薄膜が形成でき、熱的に安定、すなわち、融点及びガラス転移温度Tgが高く、融点としては 300℃以上、ガラス転移温度Tgとしては100℃以上が要求される。さらに、イオン化ポテンシャルが低く陽極2からの正孔注入が容易なこと、正孔移動度が大きいことが挙げられる。
【0266】
この目的のために、陽極バッファ層3の材料としては、これまでに銅フタロシアニン等のフタロシアニン化合物(特開昭63−295695号公報)、ポリアニリン(Appl. Phys. Lett., 64巻、1245頁, 1994年)、ポリチオフェン(Optical Materials, 9巻、125頁、1998年)等の有機化合物や、スパッタ・カーボン膜(Synth.Met., 91巻、73頁、1997年)や、バナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、モリブデン酸化物等の金属酸化物(J.Phys. D, 29巻、2750頁、1996年)が報告されている。
【0267】
また、正孔注入・輸送性の低分子有機化合物と電子受容性化合物を含有する層(特開平11−251067号公報、特開2000−159221号公報等に記載)や、芳香族アミノ基等を有する非共役系高分子化合物に、必要に応じて電子受容性化合物をドープしてなる層(特開平11−283750号公報、特開2000−36390号公報、特開2000−150168号公報、特開2001−223084号公報など)なども、好ましい。
【0268】
陽極バッファ層3も、正孔輸送層4と同様にして薄膜形成可能であるが、無機物の場合には、さらに、スパッタ法や電子ビーム蒸着法、プラズマCVD法が用いられる。以上の様にして形成される陽極バッファ層3の膜厚の上限は通常100nm好ましくは50nmであり、下限は通常3nm好ましくは5nmである。
【0269】
さらに、陰極8の発光層5側界面に接するようにLiF 、MgF、LiO等の極薄絶縁膜(膜厚0.1〜5nm)を挿入することも、素子の効率を向上させる有効な方法である(Appl. Phys. Lett., 70巻,152頁,1997年;特開平10−74586号公報;IEEETrans. Electron. Devices,44巻,1245頁,1997年)。
【0270】
なお、図1とは逆の構造、すなわち、基板1上に陰極8、正孔阻止層6、発光層5、正孔輸送層4、陽極2の順に積層することも可能であり、既述したように少なくとも一方が透明性の高い2枚の基板の間に本発明の有機電界発光素子を設けることも可能である。同様に、図2および図3に示した前記各層構成とは逆の構造に積層することも可能である。更に、図1,図2および図3に示した各層以外にも、陽極2または陰極8と発光層5との間に任意の層を有していても良い。
【0271】
本発明は、有機電界発光素子が、単一の素子、アレイ状に配置された構造からなる素子、陽極と陰極がX−Yマトリックス状に配置された構造のいずれにおいても適用することができる。
【0272】
【実施例】
次に、合成例、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に何ら限定されるものではない。
【0273】
合成例1
【化100】
Figure 2004067658
【0274】
2−アミノチオフェノール 4.1 gと4−ジフェニルアミノベンズアルデヒド 8.3 gの混合物に酢酸 100 mLを加え、40℃で8.5時間反応させた。室温まで冷却した後、水酸化ナトリウム水溶液で中和し、トルエン溶媒を用いて抽出を行った。有機層を炭酸カリウムで乾燥した後、溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィーによる精製を行い、7.7 gの黄白色結晶を得た。得られた化合物の質量分析結果により目的物であることが確認できた。M/e : 378
【0275】
実施例1
【化101】
Figure 2004067658
【0276】
合成例1で得られた化合物643 mgと三塩化イリジウム3水和物 282 mgに2−エトキシエタノール 10 mL水3 mLを加え、窒素下、120℃で4時間反応させた。室温まで冷却した後、得られた沈殿物を濾過し、メタノール洗浄を行った。得られた沈殿物を乾燥後、炭酸ナトリウム84 mg、2−エトキシエタノール20 mL、アセチルアセトン0.15 mLを加え、窒素下でさらに8時間反応させた。得られた沈殿物を濾過し、メタノール洗浄を行い、カラムクロマトグラフィーにより精製を行い、320 mgの赤色結晶を得た。得られた化合物の質量分析結果により目的物であることが確認できた。M/e: 1046
【0277】
実施例2
図3に示す構造を有する有機電界発光素子を以下の方法で作製した。
ガラス基板1上にインジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を 150nm堆積したもの(ジオマテック社製;電子ビーム成膜品;シート抵抗15Ω)を通常のフォトリソグラフィ技術と塩酸エッチングを用いて 2mm幅のストライプにパターニングして陽極2を形成した。
【0278】
パターン形成したITO基板を、アセトンによる超音波洗浄、純水による水洗、イソプロピルアルコールによる超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行って、真空蒸着装置内に設置した。上記装置の粗排気を油回転ポンプにより行った後、装置内の真空度が1.4×10−6Torr(約1.9×10−4Pa)以下になるまで液体窒素トラップを備えた油拡散ポンプを用いて排気した。
【0279】
陽極バッファ層3の材料として、下記に示す構造式の銅フタロシアニンをモリブデンボートを用いて、蒸着速度0.15nm/秒、真空度1.0×10−6Torr(約1.3×10−4Pa)で、10nmの膜厚で陽極2の上に成膜した。
【0280】
【化102】
Figure 2004067658
【0281】
次に、上記装置内に配置されたセラミックるつぼに入れた、以下に示す、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニルをるつぼの周囲のタンタル線ヒーターで加熱して蒸着を行った。この時のるつぼの温度は、220〜235℃の範囲で制御した。蒸着時の真空度0.9×10−6Torr(約1.2×10−4Pa)、蒸着速度は0.22nm/秒で膜厚60nmの正孔輸送層4を得た。
【0282】
【化103】
Figure 2004067658
【0283】
引続き、発光層5の主成分(ホスト材料)として下記に示すN−フェニルカルバゾール誘導体(H−1)を、副成分(ドーパント)として、実施例1で得られた有機イリジウム錯体(T−1)を別々のセラミックるつぼに設置し、2元同時蒸着法により成膜を行った。
【0284】
【化104】
Figure 2004067658
【0285】
化合物(H−1)のるつぼ温度は 250〜260℃に、蒸着速度は 0.18nm/秒に制御し、イリジウム錯体(T−1)は315〜325℃の温度範囲に制御し、膜厚30nmでイリジウム錯体(T−1)が5重量%含有された発光層5を正孔輸送層4の上に積層した。蒸着時の真空度は0.8×10−6Torr(約1.1×10−4Pa)であった。
【0286】
さらに、正孔阻止層6として例示化合物(HB−12)をるつぼ温度を 256℃として、蒸着速度0.20nm/秒で10nmの膜厚で積層した。蒸着時の真空度は0.8×10−6Torr(約1.1×10−4Pa)であった。
【0287】
【化105】
Figure 2004067658
【0288】
正孔阻止層6の上に、電子輸送層7として以下の構造式に示すアルミニウムの8−ヒドロキシキノリン錯体、Al(CNO)を同様にして蒸着した。この時のアルミニウムの8−ヒドロキシキノリン錯体のるつぼ温度は 290〜 300℃の範囲で制御し、蒸着時の真空度は0.8×10−6Torr(約1.1×10−4Pa)、蒸着速度は0.22nm/秒で膜厚は35nmとした。
【0289】
【化106】
Figure 2004067658
【0290】
上記の正孔輸送層4、発光層5、正孔阻止層6及び電子輸送層7を真空蒸着する時の基板温度は室温に保持した。
【0291】
ここで、電子輸送層7までの蒸着を行った素子を一度前記真空蒸着装置内より大気中に取り出して、陰極蒸着用のマスクとして 2mm幅のストライプ状シャドーマスクを、陽極2のITOストライプとは直交するように素子に密着させて、別の真空蒸着装置内に設置して有機層と同様にして装置内の真空度が2.3×10−6Torr(約3.1×10−4Pa)以下になるまで排気した。
【0292】
陰極8として、先ず、フッ化リチウム(LiF)をモリブデンボートを用いて、蒸着速度0.01nm/秒、真空度3.6×10−6Torr(約4.8×10−4Pa)で、0.5nmの膜厚で電子輸送層7の上に成膜した。次に、アルミニウムを同様にモリブデンボートにより加熱して、蒸着速度0.37nm/秒、真空度7.7×10−6Torr(約1.0×10−3Pa)で膜厚80nmのアルミニウム層を形成して陰極8を完成させた。以上の2層型陰極8の蒸着時の基板温度は室温に保持した。
【0293】
以上の様にして、2mm×2mm のサイズの発光面積部分を有する有機電界発光素子が得られた。この素子の発光特性を表5に示す。表5において、発光開始電圧は 輝度1cd/mでの値、最大発光輝度は電流密度0.25A/cmでの値、発光効率・輝度/電流・電圧は 輝度100cd/mでの値を各々示す。素子の発光スペクトルの極大波長は 577nmであり、有機イリジウム錯体(T−1)からのものと同定された。色度はCIE(x,y)=(0.56,0.44)であった。
この素子を電流密度0.25A/cmでDC駆動し、素子の安定性を評価したところ、50秒後の輝度比(50秒後の輝度/初期輝度)は0.95と良好であった。
【0294】
比較例1
発光層の副成分の有機イリジウム錯体(T−1)の代わりに下記に示す有機イリジウム錯体(T−2)を用いた他は実施例2と同様にして素子を作製した。この素子の発光特性を表5に示す。素子の発光スペクトルの極大波長は 563nmであり、有機イリジウム錯体(T−2)からのものと同定された。色度はCIE(x,y)=(0.46,0.49)であった。
【0295】
実施例2と同様に、この素子を電流密度0.25A/cmでDC駆動し、素子の安定性を評価したところ、50秒後の輝度比(50秒後の輝度/初期輝度)は0.88と実施例2より不安定であった。
【0296】
【化107】
Figure 2004067658
【0297】
【表5】
Figure 2004067658
【0298】
合成例2
【化108】
Figure 2004067658
【0299】
2−アミノチオフェノール 1.2 gと9−フェニル−9H−カルバゾール−3−カルボアルデヒド 2.5 gの混合物に酢酸 30 mLを加え、40℃で6.0時間反応させた。室温まで冷却した後、水酸化ナトリウム水溶液で中和し、ジクロロメタン溶媒を用いて抽出を行った。有機層を炭酸カリウムで乾燥した後、溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィーによる精製を行い、2.3 gの黄白色結晶を得た。得られた化合物の質量分析結果により、目的物であることが確認できた。M/e : 376
【0300】
実施例3
【化109】
Figure 2004067658
【0301】
合成例2で得られた化合物430 mgと三塩化イリジウム3水和物 170 mgに、2−エトキシエタノール 10 mLと水3 mLを加え、窒素雰囲気下、120℃で4時間反応させた。室温まで冷却した後、得られた沈殿物を濾過し、メタノール洗浄を行った。得られた沈殿物を乾燥後、炭酸ナトリウム210 mg、2−エトキシエタノール20 mL、およびアセチルアセトン0.2 mLを加え、窒素雰囲気下でさらに12時間反応させた。
【0302】
得られた沈殿物を濾過し、メタノール洗浄を行い、カラムクロマトグラフィーにより精製を行い、118 mgの赤色結晶を得た。得られた化合物の質量分析結果により目的物であることが確認できた。M/e: 1042
【0303】
実施例4
【化110】
Figure 2004067658
【0304】
合成例2で得られた化合物366 mgと三塩化イリジウム3水和物 117 mgに、2−エトキシエタノール 10 mLと水3 mLを加え、窒素雰囲気下、120℃で12時間反応させた。室温まで冷却した後、得られた沈殿物を濾過し、メタノール洗浄を行った。得られた沈殿物を乾燥後、炭酸ナトリウム127 mg、2−エトキシエタノール20 mL、およびアセチルアセトン0.2 mLを加え、窒素雰囲気下でさらに12時間反応させた。
【0305】
得られた沈殿物を濾過し、メタノール洗浄を行い、カラムクロマトグラフィーにより精製を行い、59 mgの赤色結晶を得た。得られた化合物の質量分析結果により目的物であることが確認できた。M/e: 1042
【0306】
実施例5
図3に示す構造を有する有機電界発光素子を以下の方法で作製した。
【0307】
ガラス基板1上にインジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を 150nm堆積したもの(スパッター成膜品;シート抵抗15Ω)を通常のフォトリソグラフィ技術と塩酸エッチングを用いて 2mm幅のストライプにパターニングして陽極2を形成した。パターン形成したITO基板を、アセトンによる超音波洗浄、純水による水洗、イソプロピルアルコールによる超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行った。
【0308】
陽極バッファ層3の材料として、下記に示す構造式の芳香族アミノ基を有する非共役系高分子化合物(PB−1)を電子受容性化合物(A−1)と共に以下の条件でスピンコートした。
【0309】
【化111】
Figure 2004067658
【0310】
【化112】
Figure 2004067658
【0311】
[スピンコート条件]
溶媒        シクロヘキサノン
塗布液濃度     13[mg/ml]
PB−1:A−1  10:1
スピナ回転数    1500[rpm]
スピナ回転時間   30[秒]
乾燥条件      100℃,1時間
上記のスピンコートにより膜厚45nmの均一な薄膜が形成された。
【0312】
次に、陽極バッファ層3を成膜した基板を真空蒸着装置内に設置した。この真空蒸着装置の粗排気を油回転ポンプにより行った後、装置内の真空度が2×10−6Torr(約2.7×10−4Pa)以下になるまで液体窒素トラップを備えた油拡散ポンプを用いて排気した。
【0313】
上記装置内に配置されたセラミックるつぼに入れた、以下に示す、アリールアミン化合物(H−2)をるつぼの周囲のタンタル線ヒーターで加熱して蒸着を行った。この時のるつぼの温度は、187〜201℃の範囲で制御した。蒸着時の真空度1.2×10−6Torr(約1.6×10−4Pa)、蒸着速度は0.21nm/秒で膜厚60nmの正孔輸送層4を得た。
【0314】
【化113】
Figure 2004067658
【0315】
引続き、発光層5の主成分(ホスト材料)として下記に示すカルバゾール誘導体(E−1)を、副成分(ドーパント)として、実施例3で得られた有機イリジウム錯体(D−1)を別々のセラミックるつぼに設置し、2元同時蒸着法により成膜を行った。
【0316】
【化114】
Figure 2004067658
【0317】
化合物(E−1)のるつぼ温度は 269〜275℃に、蒸着速度は 0.19nm/秒に制御し、イリジウム錯体(D−1)のるつぼ温度は358〜360℃の温度範囲に制御し、膜厚30nmでイリジウム錯体(D−1)が5重量%含有された発光層5を正孔輸送層4の上に積層した。蒸着時の真空度は1.2×10−6Torr(約1.6×10−4Pa)であった。
【0318】
さらに、正孔阻止層6として混合配位子錯体(HB−1)をるつぼ温度を 263℃として、蒸着速度0.20nm/秒で10nmの膜厚で積層した。蒸着時の真空度は0.9×10−6Torr(約1.2×10−4Pa)であった。
【0319】
【化115】
Figure 2004067658
【0320】
正孔阻止層6の上に、電子輸送層7として以下の構造式に示すアルミニウムの8−ヒドロキシキノリン錯体(ET−1)を同様にして蒸着した。この時のアルミニウムの8−ヒドロキシキノリン錯体のるつぼ温度は 285〜 300℃の範囲で制御し、蒸着時の真空度は0.8×10−6Torr(約1.1×10−4Pa)、蒸着速度は0.21nm/秒で膜厚は35nmとした。
【0321】
【化116】
Figure 2004067658
【0322】
上記の正孔輸送層4、発光層5、正孔阻止層6及び電子輸送層7を真空蒸着する時の基板温度は室温に保持した。
【0323】
ここで、電子輸送層7までの蒸着を行った素子を一度前記真空蒸着装置内より大気中に取り出して、陰極蒸着用のマスクとして 2mm幅のストライプ状シャドーマスクを、陽極2のITOストライプとは直交するように素子に密着させて、別の真空蒸着装置内に設置して有機層と同様にして装置内の真空度が3.8×10−4Pa以下になるまで排気した。
【0324】
陰極8として、先ず、フッ化リチウム(LiF)をモリブデンボートを用いて、蒸着速度0.01nm/秒、真空度8.4×10−4Paで、0.5nmの膜厚で電子輸送層7の上に成膜した。次に、アルミニウムを同様にモリブデンボートにより加熱して、蒸着速度0.42nm/秒、真空度1.0×10−3Paで膜厚80nmのアルミニウム層を形成して陰極8を完成させた。以上の2層型陰極8の蒸着時の基板温度は室温に保持した。
【0325】
以上の様にして、2mm×2mm のサイズの発光面積部分を有する有機電界発光素子が得られた。この素子の発光特性を表6に示す。表6において、発光開始電圧は 輝度1cd/mでの値、最大発光輝度は電流密度0.25A/cmでの値、発光効率・輝度/電流・電圧は 輝度100cd/mでの値を各々示す。素子の発光スペクトルの極大波長は 560nmであり、有機イリジウム錯体(D−1)からのものと同定された。色度はCIE(x,y)=(0.50,0.50)であった。
【0326】
実施例6
発光層の副成分の有機イリジウム錯体(D−1)の代わりに下記に示すイリジウム錯体(D−2)を用いた他は実施例5と同様にして素子を作製した。この素子の発光特性を表6に示す。素子の発光スペクトルの極大波長は558nmであり、有機イリジウム錯体(D−2)からのものと同定された。色度はCIE(x,y)=(0.49,0.49)と色純度は実施例5と同等であり、発光効率も良好であった。
【0327】
【化117】
Figure 2004067658
【0328】
比較例1
発光層の副成分の有機イリジウム錯体(D−1)の代わりに下記に示す有機イリジウム錯体(D−3)を用いた他は実施例5と同様にして素子を作製した。この素子の発光特性を表6に示す。素子の発光スペクトルの極大波長は 563nmであり、有機イリジウム錯体(D−3)からのものと同定された。色度はCIE(x,y)=(0.46,0.49)と色純度は実施例5と同等であるが、実施例5と比較して発光効率が低い。
【0329】
【化118】
Figure 2004067658
【0330】
【表6】
Figure 2004067658
【0331】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、特に長波長発光における色純度の向上、発光の高効率化、および素子の長寿命化が可能な新規有機金属錯体と、この有機金属錯体を使用した長寿命で高発光効率の有機電界発光素子が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機電界発光素子の実施の形態の一例を示した模式的断面図である。
【図2】本発明の有機電界発光素子の実施の形態の別の例を示した模式的断面図である。
【図3】本発明の有機電界発光素子の実施の形態の別の例を示した模式的断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 陽極
3 陽極バッファ層
4 正孔輸送層
5 発光層
6 正孔阻止層
7 電子輸送層
8 陰極

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で表される有機金属錯体。
    Figure 2004067658
    (式中、JはIr、Os、Pt、Au、Pdのいずれかの元素を示す。
    l、mはアリールアミノ基の数を表し、各々独立に1または2である。
    l’、m’は各々独立に0、1または2であり、l’+m’≧1である。
    pはJの価数を表し、1、2または3である。
    qは配位子の数を表し、1、2または3である。
    XおよびYは、各々独立に、下記式
    Figure 2004067658
    で表される2座配位子の一部を構成する酸素原子、窒素原子または炭素原子を表し、(X,Y)は(C,N)、(O,O)または(O,N)である。
    、Zは各々独立に直接結合、もしくは2価または3価の連結基を表す。
    Ar及びArは各々独立に、アルキル基、芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表し、これらはいずれも置換基を有していてもよい。ArおよびArは各々独立に、置換基を有していても良い、芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表す。また、ArとAr、および/またはArとArが結合して縮合環を形成していても良く、該縮合環は置換されていても良い。
    が2価または3価の連結基を表す場合、ArとZ、および/またはArとZが互いに結合して、置換基を有していても良い環を形成していても良く、Zが2価または3価の連結基を表す場合、ArとZ、および/またはArとZが互いに結合して、置換基を有していても良い環を形成していても良い。
    環aは、置換基を有していても良い、芳香族炭化水素基もしくは芳香族複素環基を表す。
    環bは、置換基を有していても良い芳香族複素環基を表す。
    が直接結合の場合、Arと環a、および/またはArと環aが結合して、置換基を有していても良い環を形成していても良く、Zが直接結合の場合、Arと環b、および/またはArと環bが結合して、置換基を有していても良い環を形成していても良い。)
  2. 一般式(1)において、Zが直接結合であり、ArまたはArが環aと結合し、全体としてカルバゾリル基を形成する、請求項1記載の有機金属錯体。
  3. 基板上に陽極、発光層、および陰極が順次積層されてなる有機電界発光素子において、該発光層が請求項1または2記載の有機金属錯体を含有することを特徴とする、有機電界発光素子。
  4. 該発光層が、正孔注入・輸送性または電子注入・輸送性を有するホスト化合物を含有し、該ホスト化合物に対して請求項1または2記載の有機金属錯体がドープされている、請求項3に記載の有機電界発光素子。
  5. 該発光層と陰極との間に正孔阻止層を有する、請求項3または4に記載の有機電界発光素子。
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