JP2003192691A - 有機イリジウム錯体及び有機電界発光素子 - Google Patents

有機イリジウム錯体及び有機電界発光素子

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JP2003192691A
JP2003192691A JP2001394446A JP2001394446A JP2003192691A JP 2003192691 A JP2003192691 A JP 2003192691A JP 2001394446 A JP2001394446 A JP 2001394446A JP 2001394446 A JP2001394446 A JP 2001394446A JP 2003192691 A JP2003192691 A JP 2003192691A
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JP2001394446A
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Seiji Akiyama
誠治 秋山
Hideki Sato
秀樹 佐藤
Yoshiharu Sato
佳晴 佐藤
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 長波長発光における色純度の向上、発光の高
効率化、及び素子の長寿命化が可能な新規混合配位子型
有機イリジウム錯体と、この有機イリジウム錯体を用い
た有機電界発光素子を提供する。 【解決手段】 下記一般式[i]で表わされる混合配位
子型有機イリジウム錯体。基板上に、陽極および陰極に
挟持された発光層を有する有機電界発光素子。発光層が
この混合配位子型有機イリジウム錯体を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な燐光色素と
して有用な混合配位子型有機イリジウム錯体と、この有
機イリジウム錯体を用いた有機電界発光素子に関するも
のであり、詳しくは、薄膜型有機ELデバイスや近赤外
発光材料に用いられる新規混合配位子型有機イリジウム
錯体とこの有機イリジウム錯体を用いた有機電界発光素
子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、蛍光性色素は有機電界発光素子の
分野で数多く用いられてきたが、フラットパネル・ディ
スプレイ等の表示、蛍光灯や標識灯等の光源、さらには
近赤外発光材料として応用するためには、素子の発光効
率をさらに改善する必要があり、新たな発光材料の開発
が求められている。
【0003】近年、素子の発光効率を上げる試みの一つ
として、3重項励起状態からの発光すなわち燐光を利用
した燐光色素の利用が注目を集めている。燐光を用いた
場合には従来の1重項励起状態からの発光(蛍光)に比
べて、約3倍の取り出し効率を得ることが可能となり、
高効率化が期待されるからである。
【0004】実際、下記の構造で表される有機イリジウ
ム錯体(4)を4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフ
ェニル(CBP)にドープさせたものは、発光波長51
0nmの緑色発光を示し、その外部量子効率は13%と従
来の1重項発光素子の量子効率限界値(5%)を大きく
上回ることが報告されている(Appl. Phys. Lett., 75
巻、4項、1999年)。
【0005】
【化4】
【0006】さらに上記化合物に種々の置換基を導入し
てなる下記化合物(5)を使用することにより、発光波
長のチューニングが可能であることも報告されている
(Chem. Commun., 2001, 1494)。
【0007】
【化5】
【0008】また最近、Thompsonらは2核錯体を経由し
たイリジウム錯体の簡便な合成法により、種々の有機イ
リジウム錯体を開発し、青色から赤色までの有機電界発
光素子を達成している(J. Am. Chem. Soc., 2001, 12
3, 4304., 特開WO 01/41512号公報、Appl. Phys. Let
t., 79巻、13項、2001年)。
【0009】しかしながら、実用化のためにはさらなる
色純度の調整、発光効率の向上が求められている。
【0010】また、下記に示す化合物(6)や(7)を
ドーパントとして発光層に用いることにより、高効率な
緑色発光を示すことが明らかにされている(Appl. Phy
s. Lett., 75巻、4項、1999年, J. Am. Chem. So
c., 2001, 123, 4304., 特開WO01/41512号公報、Appl.
Phys. Lett., 79巻、13項、2001年)。
【0011】
【化6】
【0012】さらに、下記に示す化合物(8)や(9)
をドーパントとして用いた場合には、緑色よりも長波長
に発光を有し、かつ従来の一重項発光素子に比べて高効
率の電界発光素子になることが明らかにされている(J.
Am. Chem. Soc., 2001, 123,4304., 特開WO 01/41512号
公報、Appl. Phys. Lett., 79巻、13項、2001年)。
【0013】
【化7】
【0014】しかしながら、有機電界発光素子のフルカ
ラーフラットパネルディスプレイや白色蛍光灯などへの
応用を考えた場合には、長波長の発光(たとえば黄色、
オレンジ、赤色発光など)におけるさらなる発光の高効
率化が必要である。
【0015】上記の結果を踏まえ、本発明者らは高効率
化の期待できる配位子と長波長発光の期待できる配位子
を同一分子に配位させることにより、さらなる高効率化
が期待できるものと考えた。
【0016】このような、混合配位子型有機イリジウム
錯体としては、特開2001-247859号公報,US2001/001978
2号公報において下記化合物(10)が最近報告された
が、配位子に含まれる無置換のチオフェン環は反応活性
であるため、有機電界発光素子の長寿命化を考えた場合
には不適切である。
【0017】
【化8】
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、長波長発光
における色純度の向上、発光の高効率化、及び素子の長
寿命化が可能な新規混合配位子型有機イリジウム錯体
と、この有機イリジウム錯体を用いた有機電界発光素子
を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の混合配位子型有
機イリジウム錯体は、下記一般式[i]で表わされるも
のである。
【0020】
【化9】 (式中、mは配位子の数を表し、1または2である。X
cおよびYdのうち、一方は炭素原子であり他方は窒素原
子である。Zdは酸素原子、硫黄原子または−NR−
(R:水素または任意の置換基)を表す。環aは芳香族
炭化水素基を示し、置換基を有しても良い。環bは窒素
原子を含有する芳香族複素環基を示し、置換基を有して
も良い。環cは芳香族炭化水素基もしくは芳香族複素環
基を示し、置換基を有しても良い。環dは、ヘテロ原子
のα−位の炭素原子に任意の置換基が結合している5員
環の芳香族複素環基を表す。また、環aが有する基と環
bが有する基が互いに結合して、環aおよび環bを含む
縮合環を形成しても良い。但し、環a、環bまたは環c
が芳香族複素5員環である場合、該芳香族複素5員環に
含まれるヘテロ原子の、α−位の炭素原子には任意の置
換基が結合している。)
【0021】即ち、本発明者らは、長波長発光における
色純度の向上、発光の高効率化および素子の長寿命化を
目的として鋭意検討した結果、上記一般式[i]で表さ
れる新規混合配位子型有機イリジウム錯体が、優れた性
能を有する3重項燐光色素であり、長波長発光における
色純度、及び発光効率に優れる上に安定で長寿命である
ことを見出し、本発明を完成させた。
【0022】本発明の上記有機イリジウム錯体では、錯
体を形成する配位子中の、Irに配位結合している環d
等の芳香族複素5員環におけるヘテロ原子の、α−位の
炭素原子(以下「α−炭素」と称す場合がある。)に何
らかの置換基を結合させることにより、本発明の錯体化
合物の安定性を向上させ、実用に足る長寿命化を達成し
た。
【0023】即ち、本発明の有機イリジウム錯体におけ
る環dのように、ヘテロ原子を含む芳香族複素5員環
は、他の芳香族炭化水素環や複素環の中でも反応性が高
く、特にα位は非常に反応活性が高く、たとえば求電子
置換反応、プロトン化、ディールスアルダー反応等の高
い反応性を示す。このため、α−炭素が無置換の芳香族
複素5員環を含む配位子を有する化合物を、有機電界発
光素子のEL材料に用いた場合、このα−炭素の高い反
応活性のために素子の安定性が低下し、発光効率の低
下、低寿命化の原因につながる。
【0024】本発明では環d等の芳香族複素5員環のα
−炭素に任意の置換基を導入したために、有機電界発光
素子の発光層に用いた場合、当該有機イリジウム錯体の
安定性に優れ、これにより、素子の安定性の向上及び発
光効率の向上と長寿命化を達成することができる。
【0025】また、本発明の混合配位子型イリジウム錯
体は、異なる2つの2座配位子を有していることも特徴
であり、このようなイリジウム錯体はフェニルピリジン
のみを有する、前記化合物(6)(Ir(ppy)3錯体)もし
くは前記化合物(7)((ppy)2Iracac錯体)に比べて長
波長に発光を有しており、その発光は近赤外に及ぶもの
もある。
【0026】本発明ではこのように2種の2座配位子の
組合せが非常に重要であり、この組合せにより、高効
率、高輝度を有する有機電界発光素子が得られる。
【0027】本発明の有機電界発光素子は、基板上に、
陽極および陰極に挟持された発光層を有する有機電界発
光素子において、該発光層が上記本発明の混合配位子型
有機イリジウム錯体を含有することを特徴とするもので
ある。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の有機イリジウム錯
体及び有機電界発光素子を詳細に説明する。
【0029】まず、本発明の混合配位子型イリジウム錯
体について説明する。
【0030】本発明の有機イリジウム錯体は前記一般式
[i]で示される構造のものである。
【0031】前記一般式[i]において、環aは置換基
を有していても良い芳香族炭化水素環を表し、好ましく
は6員環である。環bは置換基を有していても良い含窒
素芳香族複素環を表し、好ましくは5または6員環であ
る。環cは置換基を有していても良い、芳香族炭化水素
環または芳香族複素環であり、好ましくは5または6員
環である。環a、環bまたは環cが芳香族複素5員環で
ある場合、該芳香族複素5員環に含まれるヘテロ原子
の、α−位の炭素原子(α−炭素)には任意の置換基が
結合している。
【0032】環dは、ヘテロ原子のα−位の炭素原子
に、任意の置換基が結合している5員環の芳香族複素環
であり、環dは、このヘテロ原子のα−位の炭素原子
(α−炭素)の置換基以外にも置換基を有していても良
い。
【0033】環dのα−炭素に結合した置換基として
は、後述の一般式[ii],[iii]の置換基R101〜R
121として例示した置換基等が挙げられ、このα−炭素
上の置換基と、α−炭素の隣の炭素原子上の置換基とが
結合して環を形成していても良い。
【0034】また、環a〜環cが置換基を有している場
合、環dがα−炭素の置換基以外の置換基を有している
場合、当該置換基としても、置換基R101〜R121として
例示した置換基等が挙げられ、隣接する炭素原子上の置
換基が互いに結合して環を形成していても良い。
【0035】また、α−炭素上の置換基を含めて、隣接
する炭素原子上の置換基が互いに結合して環を形成して
いる場合、この環に更に置換基を有していても良く、こ
の場合の置換基としては、置換基R101〜R121として例
示した置換基等が挙げられる。
【0036】以下に、環aないし環dの具体例を挙げる
が、本発明の要旨を超えない限りこれらに限定されるも
のではない。なお、以下において、「Ph」は「フェニ
ル基」を示す。
【0037】
【化10】
【0038】
【化11】
【0039】
【化12】
【0040】
【化13】
【0041】本発明の有機イリジウム錯体は、好ましく
は下記一般式[ii]もしくは[iii]で表される。
【0042】
【化14】 (式中、mは配位子の数を表し、1または2である。X
cおよびYdのうち、一方は炭素原子であり他方は窒素原
子である。Zd'は硫黄原子または−NR−(R:水素ま
たは任意の置換基)を表す。R101〜R107およびR109
〜R111は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、置換基
を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアル
ケニル基、置換基を有しても良いアルキニル基、置換基
を有しても良いアラルキル基、置換基を有しても良いア
ミノ基、置換基を有しても良いアルコキシ基、置換基を
有しても良いアリールオキシ基、置換基を有しても良い
アシル基、置換基を有しても良いアルコキシカルボニル
基、置換基を有しても良いアリールオキシカルボニル
基、置換基を有しても良いアシルオキシ基、置換基を有
しても良いアルキルチオ基、置換基を有しても良いアリ
ールチオ基、置換基を有しても良いスルホニル基、置換
基を有しても良いシリル基、置換基を有しても良いボリ
ル基、置換基を有しても良いホスフィノ基、カルボキシ
ル基、シアノ基、水酸基、メルカプト基、置換基を有し
ていても良い芳香族炭化水素環基または芳香族複素環基
を表わし、それぞれ隣接する基同士で互いに連結して環
を形成しても良い。ただし、Yが窒素原子の場合、R
107は水素原子以外の基である。R108はハロゲン原子、
置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良
いアルケニル基、置換基を有しても良いアルキニル基、
置換基を有しても良いアラルキル基、置換基を有しても
良いアミノ基、置換基を有しても良いアルコキシ基、置
換基を有しても良いアリールオキシ基、置換基を有して
も良いアシル基、置換基を有しても良いアルコキシカル
ボニル基、置換基を有しても良いアリールオキシカルボ
ニル基、置換基を有しても良いアシルオキシ基、置換基
を有しても良いアルキルチオ基、置換基を有しても良い
アリールチオ基、置換基を有しても良いスルホニル基、
置換基を有しても良いシリル基、置換基を有しても良い
ボリル基、置換基を有しても良いホスフィノ基、カルボ
キシル基、シアノ基、水酸基、メルカプト基、置換基を
有していても良い芳香族炭化水素環基または芳香族複素
環基を表わし、R107と連結して環を形成しても良
い。)
【0043】
【化15】 (式中、mは配位子の数を表し、1または2である。Z
d''は酸素原子、硫黄原子または−NR−(R:水素ま
たは任意の置換基)を表す。Gは酸素原子、硫黄原子、
−PR−(R:水素または任意の置換基)、−CRR’
−(R,R’:水素原子または任意の置換基)または−
NR−(R:水素または任意の置換基)を表す。R112
〜R117及びR121は各々独立に、水素原子、ハロゲン原
子、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有して
も良いアルケニル基、置換基を有しても良いアルキニル
基、置換基を有しても良いアラルキル基、置換基を有し
ても良いアミノ基、置換基を有しても良いアルコキシ
基、置換基を有しても良いアリールオキシ基、置換基を
有しても良いアシル基、置換基を有しても良いアルコキ
シカルボニル基、置換基を有しても良いアリールオキシ
カルボニル基、置換基を有しても良いアシルオキシ基、
置換基を有しても良いアルキルチオ基、置換基を有して
も良いアリールチオ基、置換基を有しても良いスルホニ
ル基、置換基を有しても良いシリル基、置換基を有して
も良いボリル基、置換基を有しても良いホスフィノ基、
カルボキシル基、シアノ基、水酸基、メルカプト基、置
換基を有していても良い芳香族炭化水素環基または芳香
族複素環基を表わし、それぞれ隣接する基同士で互いに
連結して、環を形成しても良い。R118、R119およびR
120は、おのおの独立に、ハロゲン原子、置換基を有し
ても良いアルキル基、置換基を有しても良いアルケニル
基、置換基を有しても良いアルキニル基、置換基を有し
ても良いアラルキル基、置換基を有しても良いアミノ
基、置換基を有しても良いアルコキシ基、置換基を有し
ても良いアリールオキシ基、置換基を有しても良いアシ
ル基、置換基を有しても良いアルコキシカルボニル基、
置換基を有しても良いアリールオキシカルボニル基、置
換基を有しても良いアシルオキシ基、置換基を有しても
良いアルキルチオ基、置換基を有しても良いアリールチ
オ基、置換基を有しても良いスルホニル基、置換基を有
しても良いシリル基、置換基を有しても良いボリル基、
置換基を有しても良いホスフィノ基、カルボキシル基、
シアノ基、水酸基、メルカプト基、置換基を有していて
も良い芳香族炭化水素環基または芳香族複素環基を表わ
し、R118とR119またはR120とR121がそれぞれ隣接す
る基同士で互いに連結して、環を形成しても良い。)
【0044】上記一般式[ii]及び[iii]のR101〜R
121の置換基としては次のようなものが挙げられる。
【0045】ハロゲン原子:たとえばフッ素原子、塩素
原子、臭素原子、ヨウ素原子 置換基を有しても良いアルキル基:好ましくは炭素数1
から8の直鎖または分岐のアルキル基であり、たとえば
メチル、エチル、n−プロピル、2−プロピル、n−ブ
チル、イソブチル、tert−ブチル基など 置換基を有しても良いアルケニル基:好ましくは炭素数
1から8のアルケニル基であり、たとえばビニル、アリ
ル、1−ブテニル基など 置換基を有しても良いアルキニル基:好ましくは炭素数
1から8のアルキニル基であり、たとえばエチニル、プ
ロパルギル基など 置換基を有しても良いアラルキル基:たとえばベンジル
基、フェネチル基など置換基を有しても良いアミノ基:
好ましくは、置換基に炭素数1から8のアルキル基を1
つ以上有するアルキルアミノ基であり、たとえばメチル
アミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジル
アミノ基など;置換基を有しても良いアリールアミノ基
であり、たとえばフェニルアミノ、ジフェニルアミノ、
ジトリルアミノ基など;更に置換基を有しても良いヘテ
ロアリールアミノ基であり、たとえばピリジルアミノ、
チエニルアミノ、ジチエニルアミノ基など;置換基を有
していても良いアシルアミノ基であり、たとえば、アセ
チルアミノ基、ベンゾイルアミノ基など 置換基を有しても良いアルコキシ基:好ましくは置換基
を有しても良い炭素数1〜8のアルコキシ基、たとえば
メトキシ、エトキシ、ブトキシ基など 置換基を有しても良いアリールオキシ基:好ましくは芳
香族炭化水素基や複素環基を有するものであり、たとえ
ばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチル
オキシ、ピリジルオキシ、チエニルオキシ基など 置換基を有しても良いアシル基:好ましくは、置換基を
有しても良い炭素数1〜8のアシル基であり、たとえば
ホルミル、アセチル、ベンゾイル基など 置換基を有しても良いアルコキシカルボニル基:好まし
くは置換基を有しても良い炭素数2〜13のアルコキシ
カルボニル基であり、たとえばメトキシカルボニル、エ
トキシカルボニル基など 置換基を有しても良いアリールオキシカルボニル基:好
ましくは置換基を有しても良い炭素数5〜20のアリー
ルオキシカルボニル基であり、たとえばフェニルオキシ
カルボニル基、チエニルオキシカルボニル基など 置換基を有しても良いアシルオキシ基:たとえばアセチ
ルオキシ基、ベンゾイルオキシ基など 置換基を有しても良いアルキルチオ基:好ましくは炭素
数1〜8のアルキルチオ基であり、たとえば、メチルチ
オ基、エチルチオ基など 置換基を有しても良いアリールチオ基:好ましくは炭素
数6〜20のアリールチオ基であり、たとえば、フェニ
ルチオ基、1−ナフチルチオ基など 置換基を有しても良いスルホニル基:たとえばメシル
基、トシル基など 置換基を有しても良いシリル基:たとえばトリメチルシ
リル基、トリフェニルシリル基など 置換基を有しても良いボリル基:たとえばジメシチルボ
リル基など 置換基を有しても良いホスフィノ基:たとえばジフェニ
ルホスフィノ基など カルボキシル基 シアノ基 水酸基 メルカプト基 置換基を有していても良い芳香族炭化水素環基または芳
香族複素環基:好ましくは、5または6員環の、単環ま
たは2縮合環である、芳香族炭化水素環または芳香族複
素環であり、例えばフェニル基、1−ナフチル基、チエ
ニル基、フリル基、ピリジル基など
【0046】上記置換基が更に置換基を有する場合、こ
の置換基としては、ハロゲン原子、又は炭素数1〜10
のアルキル基が挙げられる。
【0047】また、Zd',Zd''の−NR−、Gの−R
R−,−CRR’−,−NR−のR,R’の任意の置換
基としては、メチル基、エチル基などの炭素数1〜10
のアルキル基、フェニル基等の芳香族炭化水素基、チエ
ニル基等の芳香族複素環基が挙げられる。
【0048】一般式[ii]および[iii]において、R
103、R104、R109、R114およびR1 15として好ましく
は、水素原子、フッ素原子、アルキル基またはアルケニ
ル基を表わすか、それぞれ隣接する基と結合して環を形
成する場合である。
【0049】R101〜R106、Yが炭素原子である場合の
109、およびR110,R111として好ましくは、水素原
子、フッ素原子、塩素原子、置換基を有しても良いアル
キル基(たとえばメチル基、エチル基、トリフルオロメ
チル基)、シアノ基、アミノ基(たとえばジフェニルア
ミノ基、カルバゾール基)、アシル基、アルコキシ基、
アリールオキシ基、カルボキシル基、水酸基、置換基を
有していても良い芳香族炭化水素環基または芳香族複素
環基を表すか、それぞれ隣接する基と結合して環を形成
する場合である。
【0050】有機イリジウム錯体において、配位子中の
芳香族複素5員環におけるヘテロ原子のα−炭素に結合
する基、すなわち一般式[ii]においてYが窒素原子の
場合のR107、R108、一般式[iii]におけるR118、R
119およびR120は、水素原子以外の基である。好ましく
は置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても
良いアルケニル基、置換基を有しても良いアシル基、カ
ルボキシル基、置換基を有していても良い芳香族炭化水
素環基または芳香族複素環基であり、これらはそれぞれ
隣接する置換基と互いに連結して、環を形成しても良
い。
【0051】下記に本発明の混合配位子型有機イリジウ
ム錯体の代表例を示すが、本発明の有機イリジウム錯体
は何らこれらに限定されるものではない。
【0052】
【化16】
【0053】
【化17】
【0054】
【化18】
【0055】
【化19】
【0056】
【化20】
【0057】
【化21】
【0058】
【化22】
【0059】
【化23】
【0060】
【化24】
【0061】
【化25】
【0062】
【化26】
【0063】
【化27】
【0064】
【化28】
【0065】
【化29】
【0066】
【化30】
【0067】
【化31】
【0068】
【化32】
【0069】
【化33】
【0070】
【化34】
【0071】
【化35】
【0072】
【化36】
【0073】
【化37】
【0074】
【化38】
【0075】前記一般式[i]で表される化合物は、通
常、分子量2000以下、好ましくは1500以下であ
る。また該化合物における各配位子の分子量は800以
下、内、置換基を有していてもよい基の分子量は計30
0以下程度である。
【0076】本発明の有機電界発光素子は、基板上に陽
極及び陰極に挟持された発光層を有し、この発光層に上
述のような本発明の有機イリジウム錯体を含むものであ
る。この有機イリジウム錯体は、正孔注入・輸送性また
は電子注入・輸送性を有するホスト化合物にドープされ
て発光層中に含有されることが好ましい。
【0077】なお、本発明の有機電界発光素子の発光層
中には、本発明の有機イリジウム錯体の1種が単独で含
まれていても良く、2種以上が含まれていても良い。
【0078】以下に、本発明に好適なこの有機イリジウ
ム錯体のホスト化合物について説明する。
【0079】このホスト化合物は、発光層に含まれる前
記一般式[i]で表される有機イリジウム錯体の励起三
重項準位より高いエネルギー状態の励起三重項準位を有
することが好ましい。また、安定な薄膜形状を与え、高
いガラス転移温度(Tg)を有し、正孔および/または
電子を効率良く輸送することができる化合物であること
が必要である。さらに、電気化学的かつ化学的に安定で
あり、トラップとなったり発光を消光したりする不純物
が製造時や使用時に発生しにくい化合物であることが要
求される。
【0080】これらの条件を満たすホスト材料として
は、例えば下記一般式(I)または(II)で表わされる
化合物、もしくは下記一般式(III)で表わされる基を
有する化合物が挙げられる。
【0081】
【化39】 ((I)式中、カルバゾリル基およびフェニレン基は任
意の置換基を有していても良い。Zは直接結合または
2価の連結基を示す。)
【0082】
【化40】 ((II)式中、Mは周期律表1族、2族、3族、12
族、または13族から選ばれる金属を表わし、nは該金
属の価数を表わす。Lは任意の置換基を表わし、jは置
換基Lの数を表わし0または1である。Xは炭素原子
または窒素原子を表わす。環Aは含窒素複素環を示し、
置換基を有していても良い。環Bは芳香族炭化水素環ま
たは芳香族複素環を示し、置換基を有していても良
い。)
【0083】
【化41】 ((III)式中、R51〜R54は各々独立に、水素原
子または任意の置換基を表わし、R51とR52、R
53とR54はそれぞれ結合して環を形成していても良
い。Xは酸素原子または硫黄原子を示す。)
【0084】前記一般式(I)で表わされるN−フェニ
ルカルバゾール骨格を有する化合物として、好ましくは
下記一般式(I−1)で表わされる化合物が挙げられ
る。
【0085】
【化42】 ((I−1)式中、R1 〜R16は各々独立に、水素原
子、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケ
ニル基、シアノ基、アミノ基、アシル基、アルコキシカ
ルボニル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルキル
アミノ基、アラルキルアミノ基、ハロアルキル基、水酸
基、アリールオキシ基、置換基を有していても良い芳香
族炭化水素環基または芳香族複素環基を表わし、R1
2 、R3 とR4 、R5 とR6 、R7 とR8 、R9 とR
10、R11とR12、R13とR14,R15とR16はそれぞれ互
いに結合して環を形成しても良い。Z1は直接結合また
は2価の連結基を示す。)
【0086】(I−1)式中のR1 〜R16として、具体
的には水素原子;塩素原子、フッ素原子等のハロゲン原
子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル
基;ベンジル基等のアラルキル基;ビニル基等の炭素数
2〜6のアルケニル基;シアノ基;アミノ基;アシル
基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の
炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基;カルボキシル
基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコ
キシ基;ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基等
のアルキルアミノ基;ジベンジルアミノ基、ジフェネチ
ルアミノ基等のアラルキルアミノ基;トリフルオロメチ
ル基等のハロアルキル基;水酸基;フェノキシ基、ベン
ジルオキシ基等のアリールオキシ基;置換基を有してい
ても良いフェニル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素環
基;置換基を有していても良いチエニル基、ピリジル基
等の芳香族複素環基が挙げられる。
【0087】前記芳香族炭化水素環基および芳香族複素
環基が有し得る置換基としては、フッ素原子等のハロゲ
ン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキ
ル基;ビニル基等の炭素数2〜6のアルケニル基;メト
キシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数2
〜6のアルコキシカルボニル基;メトキシ基、エトキシ
基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;フェノキシ基、ベ
ンジルオキシ基等のアリールオキシ基;ジメチルアミノ
基、ジエチルアミノ基等のアルキルアミノ基;アセチル
基等のアシル基;トリフルオロメチル基等のハロアルキ
ル基;シアノ基などが挙げられる。
【0088】なお、上述の置換基のうち、炭素数1〜6
のアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基
等は、直鎖であっても分岐していても良い。以下の置換
基の例示においても同様である。
【0089】また、R1 とR2 、R3 とR4 、R5 とR
6 、R7 とR8 、R9 とR10、R11とR12、R13 とR
14 、R15 とR16 はそれぞれ隣接する置換基同士で結
合し、ベンゼン環、シクロヘキサン環等の5〜7員環を
形成していても良い。
【0090】R1ないしR16として特に好ましいのは、
水素原子、アルキル基、またはシアノ基である。
【0091】一般式(I)または(I−1)におけるZ
1として、好ましくは直接結合、酸素原子、硫黄原子、
以下に示す連結基、
【化43】 置換基を有していても良い2価の芳香族炭化水素環基ま
たは芳香族複素環基、または、以下の連結基のいずれか
が挙げられる。
【0092】
【化44】 (上記構造中のベンゼン環部分は、いずれも任意の置換
基を有していて良く、またAr1〜Ar6は置換基を有して
いても良い芳香族炭化水素環基または芳香族複素環基、
または以下の一般式(I−2)で表される基が挙げられ
る。
【0093】
【化45】 なお、式(I−2)中におけるカルバゾリル基およびフ
ェニレン基は、任意の置換基を有していても良い。)
【0094】一般式(I)または(I−1)におけるZ
の好ましい連結基のうち、芳香族炭化水素環基として
は、フェニレン基、ナフチレン基、アントラニル基、ナ
フタセン基等の、5〜6員環の単環または2〜4縮合環
が挙げられ、芳香族複素環基としては、2価のチオフェ
ン環残基、フラン環残基、ピリジン環残基、ピリミジン
環残基またはキノリン環残基等の、5〜6員環の単環ま
たは2〜3縮合環が挙げられる。
【0095】これらの芳香族炭化水素環基および芳香族
複素環基は、メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のア
ルキル基、フッ素原子等のハロゲン原子、トリフルオロ
メチル基等のα−ハロアルキル基等の置換基を有しても
良い。
【0096】また、Ar〜Arとしては、フェニル
基、ナフチル基、アントラニル基、ナフタセニル基等
の、5〜6員環の単環または2〜4縮合環である芳香族
炭化水素環基、またはチエニル基、フリル基、ピリジル
基、ピリミジニル基、キノリル基等の、5〜6員環の単
環または2〜3縮合環である芳香族複素環基が挙げられ
る。これらの芳香族炭化水素環基および芳香族複素環基
は、メチル基、エチル基等のアルキル基、フッ素原子等
のハロゲン原子、トリフルオロメチル基等のα−ハロア
ルキル基等の置換基を有しても良い。
【0097】前記式(I−2)で表わされる構造は、好
ましくは下記式(I−3)で表わされる。
【0098】
【化46】 ((I−3)式中、R17〜R24は各々独立に、水素原
子、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケ
ニル基、シアノ基、置換基を有していても良いアミノ
基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル
基、アルコキシ基、ハロアルキル基、水酸基、アリール
オキシ基、置換基を有していても良い芳香族炭化水素環
基または芳香族複素環基を表わし、R17とR18、R19
20,R21とR 22,R23とR24はそれぞれ互いに結合し
て環を形成していても良い。)
【0099】上記(I−3)式において、R17〜R24
して、具体的には、水素原子;塩素原子、フッ素原子等
のハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6
のアルキル基;ベンジル基等のアラルキル基;ビニル基
等の炭素数2〜6のアルケニル基;シアノ基;アミノ
基;ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基等のア
ルキルアミノ基;ジベンジルアミノ基、ジフェネチルア
ミノ基等のアラルキルアミノ基;アシル基;メトキシカ
ルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数2〜6の
アルコキシカルボニル基;カルボキシル基;メトキシ
基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;トリ
フルオロメチル基等のハロアルキル基;水酸基;フェノ
キシ基、ベンジルオキシ基等のアリールオキシ基;置換
基を有していても良いフェニル基、ナフチル基等の芳香
族炭化水素環基;置換基を有していても良いチエニル
基、ピリジル基等の芳香族複素環基が挙げられる。
【0100】前記芳香族炭化水素環基および芳香族複素
環基が有し得る置換基としては、フッ素原子等のハロゲ
ン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキ
ル基;ビニル基等の炭素数2〜6のアルケニル基;メト
キシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数2
〜6のアルコキシカルボニル基;メトキシ基、エトキシ
基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;フェノキシ基、ベ
ンジルオキシ基等のアリールオキシ基;ジメチルアミノ
基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基、アセチ
ル基等のアシル基;トリフルオロメチル基等のハロアル
キル基;シアノ基などが挙げられる。
【0101】なおR17とR18、R19とR20,R21
22,R23とR24はそれぞれ隣接する置換基同士で結合
し、ベンゼン環やシクロヘキサン環等の5〜7員環を形
成していても良い。
【0102】前記一般式(I)で表わされる化合物の好
ましい具体例を以下に示すが、これらに限定するもので
はない。
【0103】
【化47】
【0104】
【化48】
【0105】
【化49】
【0106】
【化50】
【0107】
【化51】
【0108】前記一般式(II)で表わされるホスト化合
物としては、特に下記一般式(II−1)で表わされる有
機金属錯体や、下記一般式(II−2)で表わされる混合
配位子錯体、または下記一般式(II−3)で表わされる
二核金属錯体が好ましい。
【0109】
【化52】 ((II−1)式中、Mは1ないし3価の金属を表わ
し、n、X、環Aおよび環Bは一般式(II)における
と同義である。)
【0110】
【化53】 ((II−2)式中、Mは3価の金属を表わし、X
環Aおよび環Bは一般式(II)におけると同義である。
は下記一般式(II−2a)、(II−2b)または
(II−2c)を表わす。)
【0111】
【化54】 ((II−2a)、(II−2b)、(II−2c)式中、A
11〜Ar15は置換基を有していても良い芳香族炭
化水素環基または置換基を有していても良い芳香族複素
環基を表わし、Zはシリコンまたはゲルマニウムを表
わす。)
【0112】
【化55】 ((II−3)式中、MおよびM3’は3価の金属を表
わし、X、環A及び環Bは一般式(II)におけると同
義であり、X2’はXと、環A’は環Aと、また環
B’は環Bとそれぞれ同義である。)
【0113】なお、一般式(II)および(II−1)〜
(II−3)で表わされる化合物1分子中に含まれる、複
数の下記構造部分
【化56】 (一般式(II−3)においては、1化合物中に2個ずつ
存在する下記構造部分
【化57】 )、即ち環A、環B、およびX(式(II−3)の場合
は、環A、環A’、環B、環B’、XおよびX2’
は、同じであっても良いし、異なっていても良い。合成
が容易である点からは、すべて同じであることが好まし
い。
【0114】同様に、一般式(II−3)で表わされる化
合物におけるMおよびM3’も、同じであっても異な
っていても良く、合成が容易である点からは、同じであ
ることが好ましい。
【0115】前記一般式(II)および(II−1)〜(II
−3)で表わされる化合物の環A、環A’、環B、およ
び環B’は、それぞれ下記のものから選ばれるものが好
ましい。
【0116】[環Aおよび環A’]置換基を有していて
も良い5員環または6員環の含窒素芳香族複素環であ
り、該環に5または6員環の芳香族炭化水素環または芳
香族複素環が1または2個縮合して縮合環を形成しても
良い。 [環Bおよび環B’]置換基を有していても良い6員環
の芳香族炭化水素環または芳香族複素環であり、該環に
5または6員環の芳香族炭化水素環または芳香族複素環
が1または2個縮合して縮合環を形成しても良い。
【0117】前記一般式(II)および(II−1)〜(II
−3)で表わされる化合物の環A、環A’、環B、およ
び環B’として、より好ましくは各々単環であり、中で
もそれぞれ下記から選ばれる環が好ましい。
【0118】[環Aおよび環A’]それぞれ置換基を有
していても良い、ジアゾール環、チアゾール環、オキサ
ゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、ト
リアゾール環、ピリジン環、ジアジン環、トリアジン環 [環Bおよび環B’]それぞれ置換基を有していても良
い、ベンゼン環、ピリジン環、ジアジン環、トリアジン
【0119】さらに前記一般式(II)および(II−1)
〜(II−3)で表わされる化合物の環A、環A’、環
B、および環B’は、それぞれ下記構造式から選ばれる
ことが最も好ましい。
【0120】
【化58】 (式中、R31〜R37は各々独立に、水素原子、ハロ
ゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、
シアノ基、アミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル
基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルキルアミノ
基、アラルキルアミノ基、ハロアルキル基、水酸基、ア
リールオキシ基、置換基を有していても良い芳香族炭化
水素環基または置換基を有していても良い芳香族複素環
基を表わし、R31とR32、R31とR33、R34
とR35、R35とR36、R36とR37はそれぞれ
互いに結合して環を形成していても良い。)
【0121】
【化59】 (式中、R38〜R41は各々独立に、水素原子、ハロ
ゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、
シアノ基、アミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル
基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルキルアミノ
基、アラルキルアミノ基、ハロアルキル基、水酸基、ア
リールオキシ基、置換基を有していても良い芳香族炭化
水素環基または置換基を有していても良い芳香族複素環
基を表わし、R38とR39、R39とR40、R40
とR41はそれぞれ互いに結合して環を形成していても
良い。)
【0122】なお上記[環Bおよび環B’]の構造にお
ける2本の結合手は、前記式(II)および(II−1)〜
(II−3)における環Bおよび環B’構造の定義を満た
す限り、酸素原子、または環Aおよび環A’における原
子X、X2’のうち、いずれがいずれに結合していて
も良い。
【0123】R31〜R41として、具体的には水素原
子;ハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜
6のアルキル基;ベンジル基等のアラルキル基;ビニル
基等の炭素数2〜6のアルケニル基;シアノ基;アミノ
基;アシル基;カルボキシル基;メトキシ基、エトキシ
基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;メトキシカルボニ
ル基、エトキシカルボニル基等の炭素数2〜6のアルコ
キシカルボニル基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基等
のアリールオキシ基;ジエチルアミノ基、ジイソプロピ
ルアミノ基等のジアルキルアミノ基;ジベンジルアミノ
基;ジフェネチルアミノ基等のジアラルキルアミノ基;
トリフルオロメチル基等のα−ハロアルキル基;水酸
基;置換基を有していても良いフェニル基、ナフチル基
等の芳香族炭化水素環基;置換基を有していても良いチ
エニル基、ピリジル基等の芳香族複素環基を表わす。
【0124】前記芳香族炭化水素環基および芳香族複素
環基が有し得る置換基としては、フッ素原子等のハロゲ
ン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキ
ル基;ビニル基等の炭素数2〜6のアルケニル基;メト
キシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数2
〜6のアルコキシカルボニル基;メトキシ基、エトキシ
基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;フェノキシ基、ベ
ンジルオキシ基等のアリールオキシ基;ジメチルアミノ
基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;アセチ
ル基等のアシル基;トリフルオロメチル基等のハロアル
キル基;シアノ基などが挙げられる。
【0125】なお、R31とR32、R31とR33
34とR35、R35とR36、R36とR37、R
38とR39、R39とR40、R40とR41がそれ
ぞれ隣接する基同士で結合して形成する環としては、ベ
ンゼン環、またはシクロヘキサン環等が挙げられる。
【0126】R31〜R41として好ましくは、水素原
子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロア
ルキル基または置換基を有していても良い芳香族炭化水
素基であるか、または隣接する基同士で結合して環を形
成する。
【0127】一般式(II)および(II−1)〜(II−
3)で表わされる化合物の金属M(M 、M、M
よびM3’)は、周期律表1族、2族、3族、12族、
13族から選ばれる金属であれば特に限定されないが、
好ましくは亜鉛、アルミニウム、ガリウム、ベリリウ
ム、およびマグネシウムが挙げられる。
【0128】前記一般式(II)および(II−1)〜(II
−3)で表わされる化合物の好ましい具体例を以下に示
すが、これらに限定するものではない。
【0129】
【化60】
【0130】
【化61】
【0131】
【化62】
【0132】
【化63】
【0133】
【化64】
【0134】
【化65】
【0135】前記一般式(III)において、R51
52、R53とR54がそれぞれ結合して形成する環として
は、ベンゼン環やシクロヘキサン環が挙げられる。
【0136】前記一般式(III)において、R51〜R54
は、具体的には、水素原子;ハロゲン原子;メチル基、
エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ベンジル基等
のアラルキル基;ビニル基等のアルケニル基;シアノ
基;アミノ基;アシル基;メトキシ基、エトキシ基等の
炭素数1〜6のアルコキシ基;メトキシカルボニル基、
エトキシカルボニル基等の炭素数1〜6のアルコキシカ
ルボニル基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基等のアリ
ールオキシ基;ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミ
ノ基等のジアルキルアミノ基;ジベンジルアミノ基、ジ
フェネチルアミノ基等のジアラルキルアミノ基;トリフ
ルオロメチル基等のα−ハロアルキル基;水酸基;置換
基を有していても良いフェニル基、ナフチル基等の芳香
族炭化水素環基;置換基を有していても良いチエニル
基、ピリジル基等の芳香族複素環基を表わし、前記置換
基としては、フッ素原子等のハロゲン原子;メチル基、
エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ビニル基等の
アルケニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボ
ニル基等の炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基;メ
トキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ
基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基等のアリールオキ
シ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアル
キルアミノ基、アセチル基等のアシル基、トリフルオロ
メチル基等のハロアルキル基、シアノ基が挙げられる。
【0137】前記一般式(III)で表わされる基の好ま
しい具体例を以下に示すが、これらに限定するものでは
ない。
【0138】
【化66】
【0139】前記一般式(III)で表される基を有する
化合物は、低分子であっても高分子であっても良い。高
分子の場合は、主鎖に含有されていても良いし、また、
側鎖として含有されていても良い。
【0140】この化合物は分子量400〜1200程度
の低分子化合物である場合が好ましく、一般式(III)
で表される基を有する化合物は、化合物全体としての環
の合計数が6〜20であるのが好ましく、より好ましく
は7〜18である。また、一般式(III)で表される基
を有する化合物は、分子内に一般式(III)で表される
単位を2〜3個有している化合物が好ましい。
【0141】中でも、一般式(III)で表される基は、
前記(S−1)あるいは(S−2)であるのが特に好ま
しい。
【0142】一般式(III)で表される基を有する化合
物は、下記一般式(III−1)または(III−2)で表さ
れる化合物であることが好ましい。
【0143】
【化67】 (式中、R55〜R62は各々独立に、水素原子、ハロゲン
原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アリ
ル基、シアノ基、アミノ基、アシル基、アルコキシカル
ボニル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルキルア
ミノ基、α−ハロアルキル基、水酸基、置換基を有して
いても良い芳香族炭化水素環基または芳香族複素環基を
表わし、R55とR56、R57とR58、R59とR60、R61
62はそれぞれ互いに結合して環を形成しても良い。X
4およびX5は各々独立に、酸素原子または硫黄原子を示
し、Q1は置換基を有していても良い芳香族炭化水素環
基または芳香族複素環基からなる2価の連結基を示
す。)
【0144】
【化68】 (式中、R63〜R74は各々独立に、水素原子、ハロゲン
原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アリ
ル基、シアノ基、アミノ基、アシル基、アルコキシカル
ボニル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルキルア
ミノ基、α−ハロアルキル基、水酸基、置換基を有して
いても良い芳香族炭化水素環基または芳香族複素環基を
表わし、R63とR64、R65とR66、R67とR68、R69
70、R71とR72、R73とR74はそれぞれ互いに結合し
て環を形成しても良い。X6〜X8は各々独立に、酸素原
子または硫黄原子を示し、Q2は置換基を有していても
良い芳香族炭化水素環基または芳香族複素環基からなる
3価の連結基を示す。)
【0145】前記一般式(III−1)において、R55
62は各々独立に、水素原子;ハロゲン原子;メチル
基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ベンジル
基等のアラルキル基;ビニル基等のアルケニル基;シア
ノ基;アミノ基;アシル基;メトキシ基、エトキシ基等
の炭素数1〜6のアルコキシ基;メトキシカルボニル
基、エトキシカルボニル基等の炭素数1〜6のアルコキ
シカルボニル基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基等の
アリールオキシ基;ジエチルアミノ基、ジイソプロピル
アミノ基等のジアルキルアミノ基;ジベンジルアミノ
基、ジフェネチルアミノ基等のジアラルキルアミノ基;
トリフルオロメチル基等のα−ハロアルキル基;水酸
基;置換基を有していても良いフェニル基、ナフチル基
等の芳香族炭化水素環基;置換基を有していても良いチ
エニル基、ピリジル基等の芳香族複素環基を表わし、前
記置換基としては、フッ素原子等のハロゲン原子;メチ
ル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ビニル
基等のアルケニル基;メトキシカルボニル基、エトキシ
カルボニル基等の炭素数1〜6のアルコキシカルボニル
基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコ
キシ基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基等のアリール
オキシ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジ
アルキルアミノ基、アセチル基等のアシル基、トリフル
オロメチル基等のハロアルキル基、シアノ基などが挙げ
られる。R55とR56、R57とR58、R59とR60、R61
62はそれぞれ結合して、ベンゼン環、シクロヘキサン
環等を形成しても良い。X4〜X5は各々独立に、酸素原
子または硫黄原子を示す。Q1は置換基を有していても
良い芳香族芳香族炭化水素環基または芳香族複素環基か
らなる2価の連結基を示し、前記置換基としては、フッ
素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素
数1〜6のアルキル基;ビニル基等のアルケニル基;メ
トキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数
1〜6のアルコキシカルボニル基;メトキシ基、エトキ
シ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;フェノキシ基、
ベンジルオキシ基等のアリールオキシ基;ジメチルアミ
ノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基、アセ
チル基等のアシル基、トリフルオロメチル基等のハロア
ルキル基、シアノ基などが挙げられる。
【0146】連結基Q1の好ましい例を以下に示す。
【0147】
【化69】
【0148】これらの中でも、連結基Q1は、(A−
2)、(A−6)、(A−8)、(A−10)あるいは
(A−12)が好ましい。そして、これら連結基Q1
有し、環構造として(S−1)または(S−2)を有す
る化合物であるものが最も好ましい。
【0149】前記一般式(III−1)で表わされる化合
物の好ましい具体例を表1,2に示すが、これらに限定
するものではない。
【0150】
【表1】
【0151】
【表2】
【0152】前記一般式(III−2)において、R63
74は各々独立に、水素原子;ハロゲン原子;メチル
基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ベンジル
基等のアラルキル基;ビニル基等のアルケニル基;シア
ノ基;アミノ基;アシル基;メトキシ基、エトキシ基等
の炭素数1〜6のアルコキシ基;メトキシカルボニル
基、エトキシカルボニル基等の炭素数1〜6のアルコキ
シカルボニル基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基等の
アリールオキシ基;ジエチルアミノ基、ジイソプロピル
アミノ基等のジアルキルアミノ基;ジベンジルアミノ
基、ジフェネチルアミノ基等のジアラルキルアミノ基;
トリフルオロメチル基等のα−ハロアルキル基;水酸
基;置換基を有していても良いフェニル基、ナフチル基
等の芳香族炭化水素環基;置換基を有していても良いチ
エニル基、ピリジル基等の芳香族複素環基を表わし、前
記置換基としては、フッ素原子等のハロゲン原子;メチ
ル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ビニル
基等のアルケニル基;メトキシカルボニル基、エトキシ
カルボニル基等の炭素数1〜6のアルコキシカルボニル
基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコ
キシ基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基等のアリール
オキシ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジ
アルキルアミノ基、アセチル基等のアシル基、トリフル
オロメチル基等のハロアルキル基、シアノ基などが挙げ
られる。R63とR64、R65とR66、R67とR68、R69
70、R71とR72、R73とR74はそれぞれ互いに結合し
て、ベンゼン環、シクロヘキサン環等を形成していても
良い。X6〜X8は各々独立に、酸素原子または硫黄原子
を示す。Q2は置換基を有していても良い芳香族芳香族
炭化水素環基または芳香族複素環基からなる3価の連結
基を示し、前記置換基としては、フッ素原子等のハロゲ
ン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキ
ル基;ビニル基等のアルケニル基;メトキシカルボニル
基、エトキシカルボニル基等の炭素数1〜6のアルコキ
シカルボニル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1
〜6のアルコキシ基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基
等のアリールオキシ基;ジメチルアミノ基、ジエチルア
ミノ基等のジアルキルアミノ基、アセチル基等のアシル
基、トリフルオロメチル基等のハロアルキル基、シアノ
基などが挙げられる。
【0153】連結基Q2の好ましい例を以下に示す。
【0154】
【化70】
【0155】これらの中でも連結基Q2は、(B−
1)、(B−2)あるいは(Bー7)が好ましい。最も
好ましくは、これら連結基を有し、環構造として(S−
1)または(S−2)を有する場合である。
【0156】前記一般式(III−2)で表わされる化合
物の好ましい具体例を表3,4に示すが、これらに限定
するものではない。
【0157】
【表3】
【0158】
【表4】
【0159】前記一般式(I)で表される化合物、前記
一般式(II)で表される化合物、前記一般式(III)で
表される基を有する化合物は、いずれも発光層中に1種
のみが含まれていても良く、各2種以上が含まれていて
も良い。また、異なる一般式で表される化合物を併用し
ても良い。
【0160】また、ホスト化合物としては、前記一般式
(I),(II)で表される化合物や前記一般式(III)
で表される基を有する化合物のほかに、下記化合物等を
使用しても良い。
【0161】
【化71】
【0162】
【化72】 (上記式(IV)中、配位子である8−ヒドロキシキノリ
ン構造は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原
子等のハロゲン原子、あるいはメチル基、エチル基、t
−ブチル基等の炭素数1〜5の直鎖または分岐のアルキ
ル基で置換されていても良い。なお、1化合物中の3個
の配位子は、同じ構造であっても異なっていても良
い。)
【0163】ホスト化合物は、前述したように、同じ一
般式で表わすことができる化合物を複数種併用しても良
いし、また同じ一般式では表わせない化合物を2種以上
併用しても良い。これらホスト化合物の中では、前記一
般式(I)で表される化合物が最も好ましい。
【0164】本発明の有機電界発光素子において、発光
層のホスト化合物として最も好ましいのは前記一般式
(I)で表わされる化合物である。
【0165】次に、本発明の有機電界発光素子の構造に
ついて、図面を参照しながら説明するが、本発明の有機
電界発光素子の構造は何ら図示のものに限定されるもの
ではない。
【0166】図1〜3は本発明の有機電界発光素子の実
施の形態を模式的に示す断面図であり、1は基板、2は
陽極、3は陽極バッファ層、4は正孔輸送層、5は発光
層、6は正孔阻止層、7は電子輸送層、8は陰極を各々
表わす。以下、図1に示す素子を中心に説明する。
【0167】基板1は有機電界発光素子の支持体となる
ものであり、石英やガラスの板、金属板や金属箔、プラ
スチックフィルムやシートなどが用いられる。特にガラ
ス板や、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカー
ボネート、ポリスルホン等の透明な合成樹脂の板が好ま
しい。合成樹脂基板を使用する場合にはガスバリア性に
留意する必要がある。基板のガスバリア性が小さすぎる
と、基板を通過した外気により有機電界発光素子が劣化
することがあるので好ましくない。このため、合成樹脂
基板の少なくとも片面に緻密なシリコン酸化膜等を設け
てガスバリア性を確保する方法も好ましい方法の一つで
ある。
【0168】基板1上には陽極2が設けられる。陽極2
は正孔輸送層4への正孔注入の役割を果たすものであ
る。この陽極2は、通常、アルミニウム、金、銀、ニッ
ケル、パラジウム、白金等の金属、インジウムおよび/
またはスズの酸化物等の金属酸化物、ヨウ化銅等のハロ
ゲン化金属、カーボンブラック、あるいは、ポリ(3-メ
チルチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリン等の導
電性高分子などにより構成される。陽極2の形成は通
常、スパッタリング法、真空蒸着法などにより行われる
ことが多い。また、銀等の金属微粒子、ヨウ化銅等の微
粒子、カーボンブラック、導電性の金属酸化物微粒子、
導電性高分子微粉末などを用いる場合には、適当なバイ
ンダー樹脂溶液に分散し、基板1上に塗布することによ
り陽極2を形成することもできる。さらに、導電性高分
子の場合は、電解重合により直接基板1上に薄膜を形成
したり、基板1上に導電性高分子を塗布して陽極2を形
成することもできる(Appl.Phys.Lett.,60巻,2711
頁,1992年)。
【0169】また、陽極2は異なる材料からなる層を、
積層して形成された積層構造であっても良い。
【0170】陽極2の厚みは、必要とする透明性により
異なる。透明性が必要とされる場合は、可視光の透過率
を、通常60%以上、好ましくは80%以上とすることが望
ましく、この場合、厚みは、通常5〜1000nm、好ましく
は10〜500nm程度である。不透明で良い場合は陽極2の
厚みは基板1と同程度でも良い。また、さらには上記の
陽極2の上に異なる導電材料を積層することも可能であ
る。
【0171】陽極2の上には正孔輸送層4が設けられ
る。正孔輸送層4の材料に要求される条件としては、陽
極2からの正孔注入効率が高く、かつ、注入された正孔
を効率良く輸送することができる材料であることが挙げ
られる。そのためには、イオン化ポテンシャルが小さ
く、可視光の光に対して透明性が高く、しかも正孔移動
度が大きく、さらに安定性に優れ、トラップとなる不純
物が製造時や使用時に発生しにくいことが要求される。
また、発光層5に接するために発光層5からの発光を消
光したり、発光層5との間でエキサイプレックスを形成
して効率を低下させないことが求められる。上記の一般
的要求以外に、車載表示用の応用を考えた場合、素子に
はさらに耐熱性が要求されるため、Tgとして75℃以上の
値を有する材料が望ましく、特に85℃以上の値を有する
材料が好ましい。
【0172】このような正孔輸送材料としては、例え
ば、4,4'-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]
ビフェニルで代表される2個以上の3級アミンを含み2
個以上の縮合芳香族環が窒素原子に置換した芳香族ジア
ミン(特開平5−234681号公報)、4,4',4"-トリス(1-
ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン等のスタ
ーバースト構造を有する芳香族アミン化合物(J. Lumi
n., 72-74巻、985頁、1997年)、トリフェニルアミンの
四量体から成る芳香族アミン化合物(Chem.Commun., 21
75頁、1996年)、2,2',7,7'-テトラキス-(ジフェニルア
ミノ)-9,9'-スピロビフルオレン等のスピロ化合物(Syn
th. Metals, 91巻、209頁、1997年)等が挙げられる。
これらの化合物は、単独で用いても良いし、必要に応じ
て、各々、混合して用いても良い。
【0173】上記の化合物以外に、正孔輸送層4の材料
として、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルトリフェ
ニルアミン(特開平7− 53953号公報)、テトラフェニ
ルベンジジンを含有するポリアリーレンエーテルサルホ
ン(Polym. Adv. Tech., 7巻、33頁、1996年)等の高分
子材料が挙げられる。
【0174】正孔輸送層4を塗布法で形成する場合は、
正孔輸送材料の1種または2種以上に、必要により正孔
のトラップにならないバインダー樹脂や塗布性改良剤等
の添加剤を添加し、溶解して塗布溶液を調製し、スピン
コート法等の方法により陽極2上に塗布し、乾燥して正
孔輸送層4を形成する。バインダー樹脂としては、ポリ
カーボネート、ポリアリレート、ポリエステル等が挙げ
られる。バインダー樹脂は添加量が多いと正孔移動度を
低下させるので、少ない方が望ましく、通常、正孔輸送
層4中の含有量で50重量%以下が好ましい。
【0175】正孔輸送層4を真空蒸着法で形成する場合
には、正孔輸送材料を真空容器内に設置されたルツボに
入れ、真空容器内を適当な真空ポンプで10−4Pa程度に
まで排気した後、ルツボを加熱して、正孔輸送材料を蒸
発させ、ルツボと向き合って置かれた、陽極2が形成さ
れた基板1上に正孔輸送層4を形成させる。
【0176】正孔輸送層4の膜厚は、通常、5〜300nm、
好ましくは 10〜100nmである。このように薄い膜を一様
に形成するためには、一般に真空蒸着法が良く用いられ
る。
【0177】正孔輸送層4の上には発光層5が設けられ
る。発光層5は、少なくとも前記一般式[i]で表され
る化合物(本発明の有機イリジウム錯体)を含有し、通
常は、更に前述した各種ホスト化合物を含有する。この
発光層5は、電界を与えられた電極間において、陽極2
から注入されて正孔輸送層4を移動する正孔と、陰極8
から注入されて正孔阻止層6を移動する電子との再結合
により励起されて、強い発光を示す。その発光スペクト
ルにおける最大発光波長は、本発明の有機イリジウム錯
体に由来するものである。本発明の有機イリジウム錯体
の使用は、比較的長波長、特に波長560nm以上に発
光ピークを有する素子を得る際に、特に好ましい。
【0178】なお、発光層5は、本発明の性能を損なわ
ない範囲で、本発明の有機イリジウム錯体およびホスト
化合物以外の成分を含有していても良い。
【0179】例えば発光層に、(1)ホスト化合物、お
よび(2)本発明の有機イリジウム錯体のほかに、
(3)室温で燐光発光を示し、その最大発光波長が
(2)の最大発光波長より短波長である化合物、を含有
してもよい。これは、上記(3)の化合物を併用するこ
とにより、これが増感剤の役割を果たし、本発明の有機
イリジウム錯体の発光が強められるためである。
【0180】上記(3)は、本発明の一般式[i]で表
される化合物の中から選択しても良いし、また本明細書
内で引用した各種文献・特許などに記載の公知の燐光性
化合物の中から選んでも良い。上記(3)の条件を満た
す限り、その構造に制限はない。
【0181】燐光発光を示す、前記一般式[i]で表さ
れる本発明の有機イリジウム錯体の含有量は、発光層全
体に対し0.1〜30重量%の範囲が好ましい。発光層
中の該有機イリジウム錯体の含有量が0.1重量%未満
では、素子の発光効率の向上に十分に寄与することがで
きない可能性があり、30重量%を超えると濃度消光が
生じ、発光効率の低下が起こる恐れがある。
【0182】前記一般式[i]で表される本発明の有機
イリジウム錯体は、発光層内に均一に分布していても良
く、膜厚方向に分布をもって、不均一に存在していても
良い。
【0183】発光層5の膜厚は、通常10〜200n
m、好ましくは20〜100nmである。
【0184】発光層5は正孔輸送層4と同様の方法にて
薄膜形成される。
【0185】正孔阻止層6は発光層5の上に、発光層5
の陰極側の界面に接するように積層され、正孔輸送層4
から移動してくる正孔が陰極8に到達するのを阻止する
役割と、陰極8から注入された電子を効率良く発光層5
の方向に輸送することができる化合物より形成される。
正孔阻止層6を構成する材料に求められる物性として
は、電子移動度が高く正孔移動度が低いことが挙げられ
る。正孔阻止層6は正孔と電子を発光層5内に閉じこめ
て、発光効率を向上させる機能を有する。
【0186】このような条件を満たす正孔阻止材料とし
て、好ましくは、下記一般式(VI)で表わされる混合配
位子錯体が挙げられる。
【0187】
【化73】 ((VI)式中、R91〜R96は、水素原子または任意
の置換基を表わす。Qはアルミニウム、ガリウム、イ
ンジウムから選ばれる金属原子を表わす。Yは以下に
示す一般式(VI−1)、(VI−2)、(VI−3)のいず
れかで表わされる。
【0188】
【化74】 (式中、Ar21〜Ar25は、置換基を有していても
良い芳香族炭化水素環基または置換基を有していても良
い芳香族複素環基を表わし、Yはシリコンまたはゲル
マニウムを表わす。))
【0189】前記一般式(VI)において、R91〜R96
各々独立に水素原子または任意の置換基を表すが、好ま
しくは水素原子;塩素、臭素等のハロゲン原子;メチル
基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ベンジル
基等のアラルキル基;ビニル基等の炭素数2〜6のアル
ケニル基;シアノ基;アミノ基;アシル基;メトキシ
基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;メト
キシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数2
〜6のアルコキシカルボニル基;カルボキシル基;フェ
ノキシ基、ベンジルオキシ基等のアリールオキシ基;ジ
エチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基等のアルキル
アミノ基;ジベンジルアミノ基、ジフェネチルアミノ基
等のアラルキルアミノ基;トリフルオロメチル基等のハ
ロアルキル基;水酸基;置換基を有していても良いフェ
ニル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素環基;置換基を
有していても良いチエニル基、ピリジル基等の芳香族複
素環基を表わす。
【0190】前記芳香族炭化水素環基および芳香族複素
環基が有しうる置換基としては、フッ素原子等のハロゲ
ン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキ
ル基;ビニル基等の炭素数2〜6のアルケニル基;メト
キシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数2
〜6のアルコキシカルボニル基;メトキシ基、エトキシ
基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;フェノキシ基、ベ
ンジルオキシ基等のアリールオキシ基;ジメチルアミノ
基、ジエチルアミノ基等のアルキルアミノ基;アセチル
基等のアシル基;トリフルオロメチル基等のハロアルキ
ル基;シアノ基などが挙げられる。
【0191】R91〜R96としてより好ましくは水素原
子、アルキル基、ハロゲン原子またはシアノ基が挙げら
れる。またR94としては、シアノ基が特に好ましい。
【0192】上記一般式(VI)中、Ar21〜Ar25とし
て、具体的には、置換基を有していても良いフェニル
基、ビフェニル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素環基
またはチエニル基、ピリジル基等の芳香族複素環基が挙
げられる。中でも5員環、6員環、5員環および/また
は6員環が2個または3個縮合したもの、あるいはこれ
らが直接結合で2個または3個結合したものが好まし
い。芳香族炭化水素環基と芳香族複素環基では、芳香族
炭化水素環基が好ましい。
【0193】なおAr21〜Ar25が有しうる置換基とし
ては、例えばR91〜R96が芳香族炭化水素環基または芳
香族複素環基の場合に有しうる置換基として、前述した
ものと同様の基が挙げられる。
【0194】前記一般式(VI)で表わされる化合物の好
ましい具体例を以下に示すが、これらに限定するもので
はない。
【0195】
【化75】
【0196】
【化76】
【0197】正孔阻止材料としては、前記一般式(VI)
の混合配位子錯体の他に、以下の構造式で示される1,
2,4−トリアゾール環残基を少なくとも1個有する化
合物も用いることができる。
【0198】
【化77】
【0199】上記構造式で表わされる1,2,4−トリ
アゾール環残基を少なくとも1個有する化合物の具体例
を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
【0200】
【化78】
【0201】なお、上記構造式中には記載していない
が、これらの化合物におけるベンゼン環およびナフタレ
ン環は、更に置換基を有していても良い。該置換基とし
ては、例えばR91〜R96が芳香族炭化水素環基または芳
香族複素環基である場合に有しうる置換基として、前述
したものと同様の基が挙げられる。
【0202】正孔阻止材料として、さらに、以下の構造
式で示されるフェナントロリン環を少なくとも1個有す
る化合物も用いることができる。
【0203】
【化79】
【0204】上記構造式で表わされるフェナントロリン
環を少なくとも1個有する化合物の具体例を以下に示す
が、これらに限定されるものではない。
【0205】
【化80】
【0206】これらの化合物についても、前記1,2,
4−トリアゾール環残基を有する化合物の場合と同様、
構造式中に明記したもの以外にも置換基を有していても
良く、この場合の置換基としては、例えばR91〜R96
芳香族炭化水素環基または芳香族複素環基である場合に
有しうる置換基として、前述したものと同様の基が挙げ
られる。
【0207】なお、上述した各々の正孔阻止材料の化合
物は正孔阻止層6中に、単独で用いても良いし、必要に
応じて、2種以上を混合して用いても良い。
【0208】正孔阻止層6の膜厚は、通常 0.3〜 100n
m、好ましくは 0.5〜50nmである。正孔阻止層6も正孔
輸送層4と同様の方法で形成することができるが、通常
は真空蒸着法が用いられる。
【0209】陰極8は、正孔阻止層6を介して発光層5
に電子を注入する役割を果たす。陰極8として用いられ
る材料は、前記陽極2に使用される材料を用いることが
可能であるが、効率良く電子注入を行なうには、仕事関
数の低い金属が好ましく、スズ、マグネシウム、インジ
ウム、カルシウム、アルミニウム、銀等の適当な金属ま
たはそれらの合金が用いられる。具体例としては、マグ
ネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、ア
ルミニウム−リチウム合金等の低仕事関数合金電極が挙
げられる。
【0210】陰極8の膜厚は通常、陽極2と同様であ
る。
【0211】低仕事関数金属から成る陰極を保護する目
的で、この上にさらに、仕事関数が高く大気に対して安
定な金属層を積層することは素子の安定性を増す上で好
ましい。この目的のために、アルミニウム、銀、銅、ニ
ッケル、クロム、金、白金等の金属が使われる。
【0212】素子の発光効率をさらに向上させることを
目的として、図2に示す如く、正孔阻止層6と陰極8の
間に電子輸送層7を設けることが考えられる。電子輸送
層7は、電界を与えられた電極間において陰極8から注
入された電子を効率良く正孔阻止層6の方向に輸送する
ことができる化合物より形成される。
【0213】従って、電子輸送層7に用いられる電子輸
送性化合物としては、陰極8からの電子注入効率が高
く、かつ、高い電子移動度を有し注入された電子を効率
良く輸送することができる化合物であることが必要であ
る。
【0214】このような条件を満たす材料としては、8
−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体等の金属錯体
(特開昭59−194393号公報)、10-ヒドロキシベンゾ[h]
キノリンの金属錯体、オキサジアゾール誘導体、ジスチ
リルビフェニル誘導体、シロール誘導体、3-または5-ヒ
ドロキシフラボン金属錯体、ベンズオキサゾール金属錯
体、ベンゾチアゾール金属錯体、トリスベンズイミダゾ
リルベンゼン(米国特許第 5,645,948号)、キノキサリ
ン化合物(特開平6−207169号公報)、フェナントロリ
ン誘導体(特開平5−331459号公報)、2-t-ブチル-9,1
0-N,N'-ジシアノアントラキノンジイミン、n型水素化
非晶質炭化シリコン、n型硫化亜鉛、n型セレン化亜鉛
などが挙げられる。
【0215】また、上述のような電子輸送性化合物に、
アルカリ金属をドープする(特開平10−270171
号公報、特願2000−285656号、特願2000
−285657号などに記載)ことにより、電子輸送性
が向上するため好ましい。
【0216】電子輸送層6の膜厚は、通常5〜200nm、好
ましくは10〜100 nmである。
【0217】電子輸送層7は、正孔輸送層4と同様にし
て塗布法あるいは真空蒸着法により正孔輸送層6上に積
層することにより形成される。通常は、真空蒸着法が用
いられる。
【0218】また、正孔注入の効率をさらに向上させ、
かつ、有機層全体の陽極2への付着力を改善させる目的
で、図3に示す如く、正孔輸送層4と陽極2との間に陽
極バッファ層3を挿入することも行われている。陽極バ
ッファ層3を挿入することで、初期の素子の駆動電圧が
下げると同時に、素子を定電流で連続駆動した時の電圧
上昇も抑制される効果が得られる。陽極バッファ層3に
用いられる材料に要求される条件としては、陽極2との
コンタクトが良く均一な薄膜が形成でき、熱的に安定、
すなわち、融点及びガラス転移温度が高く、融点として
は 300℃以上、ガラス転移温度としては 100℃以上が要
求される。さらに、イオン化ポテンシャルが低く陽極2
からの正孔注入が容易なこと、正孔移動度が大きいこと
が挙げられる。
【0219】この目的のために、これまでに銅フタロシ
アニン等のフタロシアニン化合物(特開昭63−295695号
公報)、ポリアニリン(Appl. Phys. Lett., 64巻、124
5頁,1994年)、ポリチオフェン(Optical Materials, 9
巻、125頁、1998年)等の有機化合物や、スパッタ・カ
ーボン膜(Synth. Met., 91巻、73頁、1997年)や、バ
ナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、モリブデン酸化物
等の金属酸化物(J.Phys. D, 29巻、2750頁、1996年)
が報告されている。
【0220】また、正孔注入・輸送性の低分子有機化合
物と電子受容性化合物を含有する層(特開平11−25
1067号公報、特開2000−159221号公報等
に記載)や、芳香族アミノ基等を有する非共役系高分子
化合物に、必要に応じて電子受容性化合物をドープして
なる層(特開平11−283750号公報、特開200
0−36390号公報、特開2000−150168号
公報、特開2001−223084号公報など)など
も、好ましい。
【0221】陽極バッファ層3も、正孔輸送層4と同様
にして薄膜形成可能であるが、無機物の場合には、さら
に、スパッタ法や電子ビーム蒸着法、プラズマCVD法
が用いられる。
【0222】以上の様にして形成される陽極バッファ層
3の膜厚は、通常3〜100nm、好ましくは 5〜50nmであ
る。
【0223】さらに、陰極8と発光層5または電子輸送
層7との界面にLiF 、MgF、LiO等の極薄絶縁膜(膜
厚0.1〜5nm)を挿入することも、素子の効率を向上させ
る有効な方法である(Appl. Phys. Lett., 70巻,152
頁,1997年;特開平10−74586号公報;IEEETrans. Elec
tron. Devices,44巻,1245頁,1997年)。
【0224】なお、図1とは逆の構造、すなわち、基板
上に陰極8、正孔阻止層6、発光層5、正孔輸送層4、
陽極2の順に積層することも可能であり、既述したよう
に少なくとも一方が透明性の高い2枚の基板の間に本発
明の有機電界発光素子を設けることも可能である。同様
に、図2および図3に示した前記各層構成とは逆の構造
に積層したり、2枚の基板間に設けたりすることも可能
である。更に、図1,図2および図3に示した各層以外
にも、陽極または陰極と発光層との間に任意の層を有し
ていても良い。
【0225】本発明は、有機電界発光素子が、単一の素
子、アレイ状に配置された構造からなる素子、陽極と陰
極がX−Yマトリックス状に配置された構造のいずれに
おいても適用することができる。
【0226】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
【0227】[有機イリジウム錯体の合成例] 実施例1
【化81】
【0228】ビス(2−フェニルピリジン)イリジウム
アセチルアセトネート616 mgと2−ベンゾフェニルピリ
ジン528 mgの混合物にグリセロール15 mLを加え、窒素
下、210℃で15時間反応させた。室温まで冷却した
後、得られた沈殿物を濾過、メタノール洗浄を行い、粗
生成物507 mgを得た。その後、カラムクロマトグラフィ
ーによる精製、昇華精製を行い、190 mgの赤色結晶を得
た。得られた化合物のマス測定結果(M/e : 711.13)に
より目的物であることが確認できた。
【0229】実施例2
【化82】
【0230】ビス(2−フェニルピリジン)イリジウム
アセチルアセトネート616 mgと2−フェニルベンゾチア
ゾール528 mgにグリセロール15 mLを加え、窒素下、21
0℃で10時間反応させた。室温まで冷却した後、得ら
れた沈殿物を濾過、メタノール洗浄して、粗生成物56 m
gを得た。その後、カラムクロマトグラフィーによる精
製を行い、29 mgの赤色結晶を得た。得られた化合物の
マス測定結果(M/e: 711.13)により目的物であること
が確認できた。
【0231】実施例3
【化83】
【0232】2−チオナフテンボロン酸9.1 gと2−ブ
ロモ−3−メチルピリジン7.7 g、酢酸パラジウム(Pd
(Oac)2)516 mg、トリフェニルフォスフィン3.1g に脱
水ジメチルホルムアミド(DMF) 40 mL、トリエチル
アミン24 mLを加え、窒素下、100℃で10時間反応
させた。反応溶液を室温まで冷却した後、水200mL
を加え、トルエンで数回抽出を行った。トルエン溶液に
硫酸ナトリウムを加えて乾燥し、濾過後、溶液を濃縮し
た。得られた沈殿物をカラムクロマトグラフィーにより
精製し、3.9gの白色固体を得た。得られた化合物のN
MR、マス測定結果(M/e : 225.06)により目的物であ
ることが確認できた。
【0233】実施例4
【化84】
【0234】ビス(2−フェニルピリジン)イリジウム
アセチルアセトネート616 mgと2−ベンゾチエニル−5
−メチルピリジン220 mgにグリセロール10 mLを加え、
窒素下、200℃で12時間反応させた。室温まで冷却
した後、得られた沈殿物を濾過、メタノール洗浄した。
得られた沈殿物をカラムクロマトグラフィーにより精製
し、46 mgの赤色結晶を得た。得られた化合物のマス測
定結果(M/e : 725.15)により目的物であることが確認
できた。
【0235】実施例5
【化85】
【0236】2−チオナフテンボロン酸3.6 gと2,3
−ジブロモピリジン3.3 g、酢酸パラジウム224 mg、ト
リフェニルフォスフィン1.0 g に脱水DMF 30 mL、ト
リエチルアミン 18 mLを加え、窒素下、110℃で12
時間反応させた。反応溶液を室温まで冷却した後、水2
00mLを加え、クロロホルムで数回抽出を行った。ク
ロロホルム溶液に硫酸ナトリウムを加えて乾燥し、濾過
後、溶液を濃縮した。得られた沈殿物をカラムクロマト
グラフィーにより精製し、2.0 gの白色固体を得た。得
られた化合物のマス測定結果(M/e:288.98)により目的
物であることが確認できた。
【0237】実施例6
【化86】
【0238】フェニルボロン酸546 gと実施例5で得ら
れた5−ブロモ−2−ベンゾチエニルピリジン1.0 g、
酢酸パラジウム61 mg、トリフェニルフォスフィン283 m
g に脱水DMF 10 mL、トリエチルアミン6 mLを加え、
窒素下、120℃で12時間反応させた。反応溶液を室
温まで冷却した後、水200mLを加え、トルエンで数
回抽出を行った。トルエン溶液に硫酸ナトリウムを加え
て乾燥し、濾過後、溶液を濃縮した。得られた沈殿物を
カラムクロマトグラフィーにより精製し、389mgの白色
固体を得た。得られた化合物のマス測定結果(M/e :28
7.08)により目的物であることが確認できた。
【0239】実施例7
【化87】
【0240】ビス(2−フェニルピリジン)イリジウム
アセチルアセトネート308 mgと実施例6で得られた化合
物 230 mgをグリセロール 15 mLに加え、窒素下、15
0℃で3時間反応させた。室温まで冷却した後、得られ
た沈殿物を濾過、メタノール洗浄を行った。その後、カ
ラムクロマトグラフィーによる精製を行い、46 mgの赤
色結晶を得た。得られた化合物のマス測定結果(M/e :
787.16)により目的物であることが確認できた。
【0241】実施例8
【化88】
【0242】2−チオナフテンボロン酸1.8 gと2−ク
ロロキノリン1.5 g、酢酸パラジウム224 mg、トリフェ
ニルホスフィン1.1 g に脱水DMF 20 mL、トリエチル
アミン12 mLを加え、窒素下、120℃で13時間反応
させた。反応溶液を室温まで冷却した後、水200mL
を加え、ジクロロメタンで数回抽出を行った。ジクロロ
メタン溶液に硫酸ナトリウムを加えて乾燥し、濾過後、
溶液を濃縮した。得られた沈殿物をカラムクロマトグラ
フィーにより精製し、665 mgの白色固体を得た。得られ
た化合物のマス測定結果(M/e :261.06)により目的物
であることが確認できた。
【0243】実施例9
【化89】
【0244】ビス(2−フェニルピリジン)イリジウム
アセチルアセトネート308 mgと実施例8で得られた化合
物 208 mgにグリセロール15 mLを加え、窒素下、240
℃で2時間反応させた。室温まで冷却した後、得られた
沈殿物を濾過、メタノール洗浄した後、カラムクロマト
グラフィーによる精製、昇華精製を行い、51 mgの赤色
結晶を得た。得られた化合物のマス測定結果(M/e :76
1.15)により目的物であることが確認できた。
【0245】実施例10
【化90】
【0246】ビス(2−ベンゾチエニルピリジル)イリ
ジウムアセチルアセトネート308 mgと2−フェニルピリ
ジン39 mgにグリセロール15 mLを加え、窒素下、180
℃で3時間反応させた。室温まで冷却した後、得られた
沈殿物を濾過、メタノール洗浄した後、カラムクロマト
グラフィーによる精製を行い、22 mgの赤色結晶を得
た。得られた化合物のマス測定結果(M/e : 767.10)に
より目的物であることが確認できた。
【0247】[有機電界発光素子の作製例] 実施例11 図3に示す構造を有する有機電界発光素子を以下の方法
で作製した。
【0248】ガラス基板1上にインジウム・スズ酸化物
(ITO)透明導電膜を 150nm堆積したもの(ジオマテ
ック社製;電子ビーム成膜品;シート抵抗15Ω)を通常
のフォトリソグラフィ技術と塩酸エッチングを用いて 2
mm幅のストライプにパターニングして陽極2を形成し
た。パターン形成したITO基板を、アセトンによる超
音波洗浄、純水による水洗、イソプロピルアルコールに
よる超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、
最後に紫外線オゾン洗浄を行って、真空蒸着装置内に設
置した。上記装置の粗排気を油回転ポンプにより行った
後、装置内の真空度が2×10-6Torr(約2.7×10-4Pa)以
下になるまで液体窒素トラップを備えた油拡散ポンプを
用いて排気した。
【0249】陽極バッファ層3の材料として、下記に示
す構造式の銅フタロシアニンを用い、これをモリブデン
ボートを用いて蒸着速度0.1nm/秒、真空度1.2×10-6To
rr(約1.6×10-4Pa)で、10nmの膜厚で陽極2の上に成
膜した。
【0250】
【化91】
【0251】次に上記装置内に配置されたセラミックる
つぼに入れた、以下に示す、4,4'-ビス[N-(1-ナフチ
ル)-N-フェニルアミノ]ビフェニルをるつぼの周囲の
タンタル線ヒーターで加熱して蒸着を行った。この時の
るつぼの温度は、220〜230℃の範囲で制御した。蒸着時
の真空度1.0×10-6Torr(約1.3×10-4Pa)、蒸着速度は
0.2nm/秒で膜厚60nmの正孔輸送層4を得た。
【0252】
【化92】 引続き、発光層5の主成分(ホスト化合物)として下記
に示すN-フェニルカルバゾール誘導体(H−1)を、副
成分(ドーパント)として、本文中にも例示した混合配
位子型有機イリジウム錯体(T−1)を別々のセラミッ
クるつぼに設置し、2元同時蒸着法により成膜を行っ
た。
【0253】
【化93】
【0254】化合物(H−1)のるつぼ温度は 250〜26
0℃に、蒸着速度は 0.2nm/秒に制御し、有機イリジウ
ム錯体(T−2)は315〜325℃の温度範囲に制御し、膜
厚30nmで有機イリジウム錯体(T−2)が5重量%含有
された発光層5を正孔輸送層4の上に積層した。蒸着時
の真空度は1.3×10-6Torr(約1.7×10-4Pa)であった。
【0255】さらに、正孔阻止層6として例示化合物
(HB−12)をるつぼ温度を 255℃として、蒸着速度
0.3nm/秒で10nmの膜厚で積層した。蒸着時の真空度は1.
1×10- 6Torr(約1.4×10-4Pa)であった。
【0256】
【化94】
【0257】正孔阻止層6の上に、電子輸送層7として
以下の構造式に示すアルミニウムの8−ヒドロキシキノ
リン錯体(Al(C9H6NO)3)を同様にして蒸着した。この
時のアルミニウムの8−ヒドロキシキノリン錯体のるつ
ぼ温度は 290〜 315℃の範囲で制御し、蒸着時の真空度
は0.9×10-6Torr(約1.2×10-4Pa)、蒸着速度は0.2nm/
秒で膜厚は35nmとした。
【0258】
【化95】
【0259】上記の正孔輸送層、発光層、正孔阻止層及
び電子輸送層を真空蒸着する時の基板温度は室温に保持
した。
【0260】ここで、電子輸送層7までの蒸着を行った
素子を一度前記真空蒸着装置内より大気中に取り出し
て、陰極蒸着用のマスクとして 2mm幅のストライプ状シ
ャドーマスクを、陽極2のITOストライプとは直交す
るように素子に密着させて、別の真空蒸着装置内に設置
して有機層と同様にして装置内の真空度が2.4×10-6Tor
r(約3.2×10-4Pa)以下になるまで排気した。陰極8と
して、先ず、フッ化リチウム(LiF)をモリブデンボー
トを用いて、蒸着速度0.01nm/秒、真空度3.8×10 -6Tor
r(約5.0×10-4Pa)で、0.5nmの膜厚で電子輸送層7の
上に成膜した。次に、アルミニウムを同様にモリブデン
ボートにより加熱して、蒸着速度0.5nm/秒、真空度7.7
×10-6Torr(約1.0×10-3Pa)で膜厚80nmのアルミニウ
ム層を形成して陰極8を完成させた。以上の2層型陰極
8の蒸着時の基板温度は室温に保持した。
【0261】以上の様にして、2mm×2mm のサイズの発
光面積部分を有する有機電界発光素子が得られた。この
素子の発光特性を表1に示す。表1において、最大発光
輝度は電流密度0.25A/cm2での値、発光効率・輝度/電
流・電圧は 輝度100cd/m2での値を各々示す。素子の発
光スペクトルの極大波長は 600nmであり、混合配位子型
有機イリジウム錯体(T−1)からのものと同定され
た。
【0262】なお、作製された素子を電流密度0.25A/cm
2でDC駆動し、素子の安定性を評価したところ、この素
子の60秒後の輝度比(60秒後の輝度/初期輝度)は
0.96と良好であった。
【0263】実施例12 発光層の副成分として混合配位子型有機イリジウム錯体
(T−1)の代わりに下記の混合配位子型有機イリジウ
ム錯体(T−2)を用いた他は実施例11と同様にして
素子を作製した。この素子の発光特性を表1に示す。素
子の発光スペクトルの極大波長は 600nmであり、混合配
位子型有機イリジウム錯体(T−2)からのものと同定
された。
【0264】
【化96】
【0265】比較例1 発光層の副成分の混合配位子型有機イリジウム錯体(T
−1)の代わりに下記に示す有機イリジウム錯体(T−
3)を用いた他は実施例11と同様にして素子を作製し
た。この素子の発光特性を表1に示す。素子の発光スペ
クトルの極大波長は実施例1と同様 600nmであり、有機
イリジウム錯体(T−3)からのものと同定された。
【0266】
【化97】
【0267】比較例2 発光層の副成分の混合配位子型有機イリジウム錯体(T
−1)の代わりに下記に示す有機イリジウム錯体(T−
4)を用いた他は実施例11と同様にして素子を作製し
た。この素子の発光特性を表1に示す。素子の発光スペ
クトルの極大波長は618nmであり、有機イリジウム錯体
(T−4)からのものと同定された。
【0268】
【化98】
【0269】実施例13 発光層の副成分の混合配位子型有機イリジウム錯体(T
−1)の代わりに下記の混合配位子型有機イリジウム錯
体(T−5)を用いた他は実施例11と同様にして素子
を作製した。この素子の発光特性を表1に示す。素子の
発光スペクトルの極大波長は 568nmであり、混合配位子
型有機イリジウム錯体(T−5)からのものと同定され
た。
【0270】
【化99】
【0271】比較例3 発光層の副成分の混合配位子型有機イリジウム錯体(T
−5)の代わりに下記に示す有機イリジウム錯体(T−
6)を用いた他は実施例13と同様にして素子を作製し
た。この素子の発光特性を表1に示す。素子の発光スペ
クトルの極大波長は552nmであり、有機イリジウム錯体
(T−6)からのものと同定された。
【0272】
【化100】
【0273】比較例4 発光層の副成分の混合配位子型有機イリジウム錯体(T
−5)の代わりに下記に示す有機イリジウム錯体(T−
7)を用いた他は実施例13と同様にして素子を作製し
た。この素子の発光特性を表1に示す。素子の発光スペ
クトルの極大波長は563nmであり、有機イリジウム錯体
(T−7)からのものと同定された。
【0274】
【化101】
【0275】実施例14 発光層の副成分として混合配位子型有機イリジウム錯体
(T−1)の代わりに下記の混合配位子型有機イリジウ
ム錯体(T−8)を用いた他は実施例11と同様にして
素子を作製した。この素子の発光特性を表1に示す。素
子の発光スペクトルの極大波長は 599nmであり、混合配
位子型有機イリジウム錯体(T−8)からのものと同定
された。
【0276】
【化102】
【0277】実施例15 発光層の副成分として混合配位子型有機イリジウム錯体
(T−1)の代わりに下記の混合配位子型有機イリジウ
ム錯体(T−9)を用いた他は実施例11と同様にして
素子を作製した。この素子の発光特性を表1に示す。素
子の発光スペクトルの極大波長は 631nmであり、混合配
位子型有機イリジウム錯体(T−9)からのものと同定
された。
【0278】
【化103】
【0279】実施例16 発光層の副成分として混合配位子型有機イリジウム錯体
(T−1)の代わりに下記の混合配位子型有機イリジウ
ム錯体(T−10)を用いた他は実施例11と同様にし
て素子を作製した。素子の発光スペクトルの極大波長は
698nmであり、混合配位子型有機イリジウム錯体(T−
10)からのものと同定された。
【0280】
【化104】
【0281】比較例4 発光層の副成分として混合配位子型有機イリジウム錯体
(T−1)の代わりに下記の混合配位子型有機イリジウ
ム錯体(T−11)を用いた他は実施例11と同様にし
て素子を作製した。この素子の発光特性を表1に示す。
素子の発光スペクトルの極大波長は 553nmであり、混合
配位子型有機イリジウム錯体(T−11)からのものと
同定された。
【0282】この素子を実施例11と同様に電流密度0.
25A/cm2でDC駆動し、素子の安定性を評価したところ、
この素子の60秒後の輝度比(60秒後の輝度/初期輝
度)は0.51と非常に不安定であった。
【0283】
【化105】
【0284】
【表5】
【0285】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、長
波長発光における色純度の向上、発光の高効率化、及び
素子の長寿命化が可能な新規混合配位子型有機イリジウ
ム錯体と、この有機イリジウム錯体を用いた長寿命で高
発光効率の有機電界発光素子が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機電界発光素子の実施の形態の一例
を示した模式的断面図である。
【図2】本発明の有機電界発光素子の実施の形態の別の
例を示した模式的断面図である。
【図3】本発明の有機電界発光素子の実施の形態の別の
例を示した模式的断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 陽極 3 陽極バッファ層 4 正孔輸送層 5 発光層 6 正孔阻止層 7 電子輸送層 8 陰極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 佳晴 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社内 Fターム(参考) 3K007 AB02 AB03 AB04 AB11 DB03 4H050 AA01 AB91

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式[i]で表わされることを特
    徴とする混合配位子型有機イリジウム錯体。 【化1】 (式中、mは配位子の数を表し、1または2である。X
    cおよびYdのうち、一方は炭素原子であり他方は窒素原
    子である。Zdは酸素原子、硫黄原子または−NR−
    (R:水素または任意の置換基)を表す。環aは芳香族
    炭化水素基を示し、置換基を有しても良い。環bは窒素
    原子を含有する芳香族複素環基を示し、置換基を有して
    も良い。環cは芳香族炭化水素基もしくは芳香族複素環
    基を示し、置換基を有しても良い。環dは、ヘテロ原子
    のα−位の炭素原子に任意の置換基が結合している5員
    環の芳香族複素環基を表す。また、環aが有する基と環
    bが有する基が互いに結合して、環aおよび環bを含む
    縮合環を形成しても良い。但し、環a、環bまたは環c
    が芳香族複素5員環である場合、該芳香族複素5員環に
    含まれるヘテロ原子の、α−位の炭素原子には任意の置
    換基が結合している。)
  2. 【請求項2】 一般式[i]で表される化合物が、下記
    一般式[ii]で表わされることを特徴とする請求項1に
    記載の混合配位子型有機イリジウム錯体。 【化2】 (式中、mは配位子の数を表し、1または2である。X
    cおよびYdのうち、一方は炭素原子であり他方は窒素原
    子である。Zd'は硫黄原子または−NR−(R:水素ま
    たは任意の置換基)を表す。R101〜R107およびR109
    〜R111は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、置換基
    を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアル
    ケニル基、置換基を有しても良いアルキニル基、置換基
    を有しても良いアラルキル基、置換基を有しても良いア
    ミノ基、置換基を有しても良いアルコキシ基、置換基を
    有しても良いアリールオキシ基、置換基を有しても良い
    アシル基、置換基を有しても良いアルコキシカルボニル
    基、置換基を有しても良いアリールオキシカルボニル
    基、置換基を有しても良いアシルオキシ基、置換基を有
    しても良いアルキルチオ基、置換基を有しても良いアリ
    ールチオ基、置換基を有しても良いスルホニル基、置換
    基を有しても良いシリル基、置換基を有しても良いボリ
    ル基、置換基を有しても良いホスフィノ基、カルボキシ
    ル基、シアノ基、水酸基、メルカプト基、置換基を有し
    ていても良い芳香族炭化水素環基または芳香族複素環基
    を表わし、それぞれ隣接する基同士で互いに連結して環
    を形成しても良い。ただし、Yが窒素原子の場合、R
    107は水素原子以外の基である。R108はハロゲン原子、
    置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良
    いアルケニル基、置換基を有しても良いアルキニル基、
    置換基を有しても良いアラルキル基、置換基を有しても
    良いアミノ基、置換基を有しても良いアルコキシ基、置
    換基を有しても良いアリールオキシ基、置換基を有して
    も良いアシル基、置換基を有しても良いアルコキシカル
    ボニル基、置換基を有しても良いアリールオキシカルボ
    ニル基、置換基を有しても良いアシルオキシ基、置換基
    を有しても良いアルキルチオ基、置換基を有しても良い
    アリールチオ基、置換基を有しても良いスルホニル基、
    置換基を有しても良いシリル基、置換基を有しても良い
    ボリル基、置換基を有しても良いホスフィノ基、カルボ
    キシル基、シアノ基、水酸基、メルカプト基、置換基を
    有していても良い芳香族炭化水素環基または芳香族複素
    環基を表わし、R107と連結して環を形成しても良
    い。)
  3. 【請求項3】 一般式[i]で表される化合物が、下記
    一般式[iii]で表わされることを特徴とする請求項1
    に記載の混合配位子型有機イリジウム錯体。 【化3】 (式中、mは配位子の数を表し、1または2である。Z
    d''は酸素原子、硫黄原子または−NR−(R:水素ま
    たは任意の置換基)を表す。Gは酸素原子、硫黄原子、
    −PR−(R:水素または任意の置換基)、−CRR’
    −(R,R’:水素原子または任意の置換基)または−
    NR−(R:水素または任意の置換基)を表す。R112
    〜R117及びR121は各々独立に、水素原子、ハロゲン原
    子、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有して
    も良いアルケニル基、置換基を有しても良いアルキニル
    基、置換基を有しても良いアラルキル基、置換基を有し
    ても良いアミノ基、置換基を有しても良いアルコキシ
    基、置換基を有しても良いアリールオキシ基、置換基を
    有しても良いアシル基、置換基を有しても良いアルコキ
    シカルボニル基、置換基を有しても良いアリールオキシ
    カルボニル基、置換基を有しても良いアシルオキシ基、
    置換基を有しても良いアルキルチオ基、置換基を有して
    も良いアリールチオ基、置換基を有しても良いスルホニ
    ル基、置換基を有しても良いシリル基、置換基を有して
    も良いボリル基、置換基を有しても良いホスフィノ基、
    カルボキシル基、シアノ基、水酸基、メルカプト基、置
    換基を有していても良い芳香族炭化水素環基または芳香
    族複素環基を表わし、それぞれ隣接する基同士で互いに
    連結して、環を形成しても良い。R118、R119およびR
    120は、おのおの独立に、ハロゲン原子、置換基を有し
    ても良いアルキル基、置換基を有しても良いアルケニル
    基、置換基を有しても良いアルキニル基、置換基を有し
    ても良いアラルキル基、置換基を有しても良いアミノ
    基、置換基を有しても良いアルコキシ基、置換基を有し
    ても良いアリールオキシ基、置換基を有しても良いアシ
    ル基、置換基を有しても良いアルコキシカルボニル基、
    置換基を有しても良いアリールオキシカルボニル基、置
    換基を有しても良いアシルオキシ基、置換基を有しても
    良いアルキルチオ基、置換基を有しても良いアリールチ
    オ基、置換基を有しても良いスルホニル基、置換基を有
    しても良いシリル基、置換基を有しても良いボリル基、
    置換基を有しても良いホスフィノ基、カルボキシル基、
    シアノ基、水酸基、メルカプト基、置換基を有していて
    も良い芳香族炭化水素環基または芳香族複素環基を表わ
    し、R118とR119またはR120とR121がそれぞれ隣接す
    る基同士で互いに連結して、環を形成しても良い。)
  4. 【請求項4】 基板上に、陽極および陰極に挟持された
    発光層を有する有機電界発光素子において、該発光層が
    請求項1ないし3のいずれか1項に記載される混合配位
    子型有機イリジウム錯体を含有することを特徴とする有
    機電界発光素子。
  5. 【請求項5】 該発光層が、正孔注入・輸送性または電
    子注入・輸送性を有するホスト化合物を含有し、該ホス
    ト化合物に対して前記有機イリジウム錯体がドープされ
    ていることを特徴とする請求項4に記載の有機電界発光
    素子。
  6. 【請求項6】 該発光層と陰極との間に正孔阻止層を有
    することを特徴とする請求項4または5に記載の有機電
    界発光素子。
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