JP4992183B2 - 発光層形成材料及び有機電界発光素子 - Google Patents

発光層形成材料及び有機電界発光素子 Download PDF

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Description

本発明は、発光層形成材料及び有機電界発光素子に関するもので、詳しくは、発光効率が高く、連続駆動時の輝度低下の少ない有機電界発光素子に関するものである。
従来、薄膜型の電界発光(EL)素子としては、無機材料のII−VI族化合物半導体であるZnS、CaS、SrS等に、発光中心であるMnや希土類元素(Eu、Ce、Tb、Sm等)をドープしたものが一般的であるが、上記の無機材料から作製したEL素子は、
1)交流駆動が必要(50〜1000Hz)、
2)駆動電圧が高い(〜200V)、
3)フルカラー化が困難(特に青色)、
4)周辺駆動回路のコストが高い、という問題点を有している。
しかし、近年、上記問題点の改良のため、有機薄膜を用いたEL素子の開発が行われるようになった。特に、発光効率を高めるため、電極からのキャリアー注入の効率向上を目的として電極の種類の最適化を行い、芳香族ジアミンから成る正孔輸送層と8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体から成る発光層とを設けた有機電界発光素子の開発(非特許文献1参照:Appl.Phys. Lett., 51巻, 913頁,1987年)により、従来のアントラセン
等の単結晶を用いたEL素子と比較して発光効率の大幅な改善がなされている。また、例えば、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体をホスト材料として、クマリン等のレーザー用蛍光色素をドープすること(非特許文献2参照:J.Appl. Phys., 65巻, 3610頁,1989年)で、発光効率の向上や発光波長の変換等も行われており、実用特性に近づいている。
上記の様な低分子材料を用いた電界発光素子の他にも、発光層の材料として、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリ[2-メトキシ-5-(2-エチルヘキシルオキシ)-1,4-フェニレンビニレン]、ポリ(3-アルキルチオフェン)等の高分子材料を用いた電界発光素子の開発や、ポリビニルカルバゾール等の高分子に低分子の発光材料と電子移動材料を混合した素子の開発も行われている。
素子の発光効率を上げる試みとして、蛍光ではなく燐光を用いることも検討されている。燐光を用いる、即ち、三重項励起状態からの発光を利用すれば、従来の蛍光(一重項)を用いた素子と比べて、最大で4倍の効率向上が期待される。この目的のためにクマリン誘導体やベンゾフェノン誘導体を発光層とすることが検討されたが(非特許文献3参照:第51回応用物理学会連合講演会、28a-PB-7、1990年)、極めて低い輝度しか得られなかった。その後、三重項状態を利用する試みとして、ユーロピウム錯体を用いることが検討されてきたが、これも高効率の発光には至らなかった。
最近、以下に示す白金錯体(T−1)を用いることで、高効率の赤色発光が可能なことが報告された(非特許文献4:Nature,395巻,151頁,1998年)。その後、以下に示すイ
リジウム錯体(T−2)を発光層にドープすることで、さらに緑色発光で効率が大きく改善されている(非特許文献5:Appl.Phys. Lett., 75巻,4頁,1999年)。
Figure 0004992183
有機電界発光素子をフラットパネル・ディスプレイ等の表示素子に応用するためには、素子の発光効率を改善すると同時に駆動時の安定性を十分に確保する必要がある。
しかしながら、前述の文献に記載の燐光分子(T−2)を用いた有機電界発光素子は、高効率発光ではあるが、駆動安定性が実用には不十分であり(非特許文献6参照:Jpn.J.
Appl. Phys., 38巻,L1502頁,1999年)、高効率な表示素子の実現は困難な状況である
これら燐光素子の寿命を改善することを目的として、Balq(aluminum(III)bis(2-methyl-8-quinolinato)4-phenylphenolate)やSAlq(aluminum(III) bis(2-methyl-8-quinolinato)triphenylsilanolate)などのアルミニウム錯体系正孔阻止材料が盛んに用いられ、一定の長寿命化に成功している(非特許文献7参照:Appl.Phys. Lett., 81巻,162頁,2002年)。
しかし、上記化合物では正孔阻止能が十分でないために、素子の発光効率が不十分であったり、正孔の一部が正孔阻止材料を通過して電子輸送層へ抜けてしまうことによって電子輸送層材料の酸化劣化が起こったりする問題があった。
また、燐光素子の寿命を改善することを目的とした別の手法として特許文献1(US2002/0074935 A1)には、NPD(N,N'-diphenyl-N,N'-bis-alpha-napthylbenzidine)とAlq3(8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体)を混合したホスト材料と、これにPtOEP(2,3,7,8,12,12,17,18-octaethyl-21H,23H-porphineplatinum II)、または、BTPIr(bis(2-(2'-benzo[4,5-a]thienylpyridinato-N,C3')iridium(III)-
acetylacetonate)を燐光ドーパントとすることが記載されている。
しかし、上記特許文献1では赤色のドーパント材料にしか適用できず、フルカラー表示に必要な緑色燐光素子や青色燐光素子の長寿命化は実現できていなかった。この理由としてはNPDやAlq3は励起三重項準位(T1)が低いためと推察される。
上述の理由から、発光層中での速やかな電荷の再結合とドーパントの高発光効率の実現、あるいは発光層を通過する正孔が電子輸送層へ抜けるのを阻止すること、および正孔阻止材料自体が電気的酸化還元耐久性を有していることが必要であり、高発光効率かつ安定な素子を作製するための材料および素子構造に対して、更なる改良検討が望まれていた。
米国特許出願公開第2002/0074935号明細書 Appl. Phys. Lett., 51巻, 913頁,1987年 J. Appl. Phys., 65巻, 3610頁,1989年 第51回応用物理学会連合講演会、28a-PB-7、1990年 Nature, 395巻,151頁,1998年 Appl. Phys. Lett., 75巻,4頁,1999年 Jpn. J.Appl. Phys., 38巻,L1502頁,1999年 Appl. Phys. Lett., 81巻,162頁,2002年
本発明は、燐光ドーパント材料を使用した有機電界発光素子において、燐光特有の高い発光効率を維持しながら、連続駆動時に輝度低下の少ない長寿命な素子を提供することを課題とする。
本発明者らが、鋭意検討した結果、励起三重項準位(T1)が2.2eV以上の異なる2種類以上の電荷輸送性化合物からなるホスト材料を用いることにより、燐光ドーパント材料を使用した有機電界発光素子において、高効率発光を維持したまま長寿命化できることがわかり、本発明に到達した。
尚、ここで言う「異なる2種類以上の電荷輸送性化合物」とは、少なくとも1つは正孔輸送性を有する材料であり、少なくとも1つは電子輸送性を有する材料である。
このような、異なる2種類以上の電荷輸送性化合物からなるホスト材料を用いることにより、発光層中での正孔または電子の輸送をそれぞれ正孔輸送性化合物または電子輸送性化合物が担う為、従来用いられてきたCBP等のカルバゾール化合物を単独でホストとして用いた場合と比べて、発光サイト(または再結合サイト)を発光層と隣接する層との界面付近から中心へ移動させることが可能である。これにより、発光層と隣接する層(正孔阻止層または正孔輸送層)の酸化または還元による劣化を押さえることが可能となり、燐光ドーパント材料を使用した有機電界発光素子において、長寿命化できるものと推測される。
更に、励起三重項準位(T1)が2.2eV以上の材料をホストとして用いることにより赤色のみならず、緑や青等の、より短波長に発光を有する燐光ドーパントを効率よく発光させることが可能となる。
すなわち、本発明は、異なる2種類以上の電荷輸送性化合物からなるホスト材料と、周
期律表第7〜11族から選ばれる少なくとも1つの金属を含む有機金属錯体からなるドーパント材料を組み合わせてなる、発光層形成材料において、
該異なる2種類以上の電荷輸送性化合物の少なくとも1つが、下記一般式(1)で示される化合物であり、
Figure 0004992183
(一般式(1)中、
1〜R3は、各々独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいヘテロアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニルオキシ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、シアノ基、水酸基、メルカプト基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいシリル基、置換基を有していてもよいボリル基、置換基を有していてもよいホスフィノ基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基または置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、これらが有しうる置換基は、アルキル基、芳香族炭化水素基、またはアルキル置換芳香族炭化水素基である。ピリジン環の3位、5位は、アルキル基、芳香族炭化水素基、またはアルキル置換芳香族炭化水素基で置換されていてもよい。
nは、1〜8の整数である。
nが1の時の、Q1は、ピリジン環の置換基或いは水素原子である。
nが2以上の時の、Q1は、n価の連結基であり、直接結合、置換基を有していてもよい
アルケン基、置換基を有していてもよいアルキン基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基または置換基を有していてもよい芳香族複素環基、或いは、これらが2つ以上連結してなる基を表し、これらが有しうる置換基は、水素原子、メチル基、またはフェニル基である。
1は、ピリジン環の2〜6位のいずれか1つと直接結合する。但し、Q1が、ピリジン環の2,4,6位のいずれかに結合する場合は、その結合位置にあるR1〜Rのいずれか
がQ1となる。
nが2以上の時、化合物中に複数個含まれるR1〜R3は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
また、nが2以上の時、ピリジン環がQ1と結合する位置は、それぞれ同一の位置であ
っても異なっていてもよい。)
また、該異なる2種類以上の電荷輸送性化合物の少なくとも他の1つが、下記一般式(2)で示される化合物であり、
Figure 0004992183
(一般式(2)中、
は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアラル
キル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいヘテロアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニルオキシ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、シアノ基、水酸基、メルカプト基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいシリル基、置換基を有していてもよいボリル基、置換基を有していてもよいホスフィノ基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基または置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、これらが有しうる置換基は、アルキル基、芳香族炭化水素基、またはアルキル置換芳香族炭化水素基である。
カルバゾール環は、R以外にも芳香族炭化水素基或いは芳香族複素環基で置換されていても良い。
mは、1〜6の整数である。
mが1の時の、Qは、カルバゾール環の置換基或いは水素原子である。
mが2以上の時の、Qは、m価の連結基であり、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアルケン基、置換基を有していてもよいアルキン基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基または置換基を有していてもよい芳香族複素環基、或いは、これらが2つ以上連結してなる基を表し、これらが有しうる置換基は、水素原子、メチル基、またはフェニル基である。
は、カルバゾール環の1〜9位のいずれか1つと直接結合する。但し、Qが、カルバゾール環の9位に結合する場合は、RがQとなる。
mが2以上の時の、化合物中に複数個含まれるRは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
また、mが2以上の時、カルバゾール環がQと結合する位置は、それぞれ同一の位置であっても異なっていてもよい。)
また、前記一般式(1)又は(2)で表される化合物について、5〜10Kに冷却して測定した燐光スペクトルの最もエネルギーの高い(波長の短い)ピーク波長(λT1[nm])を用いて、以下の関係式から求めた励起三重項準位(T1)が、2.2eV以上であることを特徴とする、発光層形成材料に存する。
T1[eV]=1240/λT1[nm]
本発明の発光層形成材料を用いた有機電界発光素子によれば、高効率でかつ連続駆動時の輝度低下の少ない長寿命な素子が実現できる。特に、今まで困難であった緑色燐光素子や青色燐光素子でも高効率かつ長寿命な素子が可能となる。
従って、本発明による有機電界発光素子はフラットパネル・ディスプレイ(例えばOAコンピュータ用や壁掛けテレビ)、車載表示素子、携帯電話表示や面発光体としての特徴を生かした光源(例えば、複写機の光源、液晶ディスプレイや計器類のバックライト光源)、表示板、標識灯への応用が考えられ、その技術的価値は大きいものである。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、これらの内容に特定はされない。
本発明は、励起三重項準位(T1)が2.2eV以上の異なる2種類以上の電荷輸送性化合物からなるホスト材料と、周期律表第7〜11族から選ばれる少なくとも1つの金属を含む有機金属錯体からなるドーパント材料を組み合わせてなる、発光層形成材料である。
該発光層形成材料の形態としては、2種類以上の電荷輸送性化合物(ホスト材料)、周期律表第7〜11族から選ばれる少なくとも1つの金属を含む有機金属錯体(ドーパント材料)が、
a)全てが混合された単一の組成物である形態
b)その一部が混合された組成物で、残部が単一の材料である組合せ(セット)形態、或いは、複数の、混合された組成物の組合せ(セット)形態、
c)各化合物毎に、それぞれ個別に封入されるが、組合せ材料としてセットで供給される形態
が挙げられる。
a)としては、例えば、ホスト材料を構成する2種以上の電荷輸送性化合物、周期律表第7〜11族から選ばれる少なくとも1つの金属を含む有機金属錯体が、適宜、クロロホルム等の媒体とともに混合される。該媒体としては、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、アニソール等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒
、γ−ブトロラクトン、安息香酸メチル等のエステル系溶媒、シクロヘキサノン、アセトフェノン等のケトン系溶媒、ベンゼン、キシレン、ピリジン等の芳香族系溶媒等が挙げられる。
b)としては、安定性や取扱い性(昇華性、媒体とする溶媒への可溶性等)を考慮して、適宜、a)で記述した媒体を共存させて、複数の電荷輸送性化合物と周期律表第7〜11族から選ばれる少なくとも1つの金属を含む有機金属錯体とを、任意の組成物に分割し、組合せ(セット)形態とすることができる。中でも、ホスト材料とドーパント材料に分けて、封入し、組合せ材料としてセットで供給する形態が好ましい。
c)としては、用いるホスト材料、ドーパント材料を個別に、適宜、媒体とともに封入する形態である。
なお、上記媒体中のホスト材料、ドーパント材料は、各々トータル濃度として、通常、0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、通常、50重量%以下、好ましくは10重量%以下の範囲で選択するのがよい。上限を超えると媒体中のホスト材料、ドーパント材料が析出しやすく、下限を下回ると均一な塗布膜が形成し難い。
(ホスト材料)異なる2種類以上の電荷輸送性化合物
本発明における「異なる2種類以上の電荷輸送性化合物」とは、少なくとも1つは正孔輸送性を有する化合物であり、少なくとも1つは電子輸送性を有する化合物であることが好ましい。
これらの電荷輸送性化合物は、主として電荷の輸送を担うため、その電荷に対する安定性が求められる。つまり、正孔輸送性化合物については酸化安定性が、電子輸送性化合物については還元安定性がそれぞれ求められる。
また、発光層中では正孔および電子の両方が存在するため、発光層中の電荷輸送性化合物には輸送する電荷とは逆の電荷に対する安定性が良いことが、より好ましい。具体的には、正孔輸送性化合物については還元安定性が、電子輸送性化合物については酸化安定性がそれぞれ良いことがより好ましい。
また、これらの電荷輸送性化合物は発光層と隣接する層、具体的には正孔輸送層や正孔阻止層等から移動してきた電荷(この場合それぞれ正孔、電子)を効率よく発光層中に移動することが求められる。その為、発光層中の電荷輸送性化合物、つまり、正孔輸送性化合物および電子輸送性化合物にはそれぞれ、発光層と隣接する正孔輸送層および正孔阻止層とのエネルギー障壁が少ないことが好ましい。
更には、それぞれの電荷に対する移動度(正孔輸送性化合物の場合は正孔移動度、電子輸送性化合物の場合は電子移動度)が高いと、正孔輸送層や正孔阻止層等の発光層と隣接した層から移動してきた電荷を効率よく発光層中に取り込むことができ、素子の駆動電圧を下げることが可能となるため、好ましい。
加えて、これらの電荷輸送性化合物には2.2eV以上の励起三重項準位が求められる。励起三重項準位は発光色、並びに発光効率と相関があり、特に青色等の短波長で燐光を示すドーパント材料を効率よく発光させるためには、より高い励起三重項準位が必要となる。本発明の発光層に用いられる電荷輸送性化合物の励起三重項準位は通常2.2eV以上であり、好ましくは2.4eV以上、より好ましくは2.6eV以上である。また、好ましくは3.4eV以下であり、より好ましくは3.2eV以下である。
尚、燐光は励起三重項状態から基底状態への遷移によって生じる発光であり、励起三重項準位(T1)は実験的に物質の燐光スペクトルを測定することにより求められる。通常、得られた燐光スペクトルの最もエネルギーの高い(波長の短い)ピーク波長(λT1[nm])から算出される。本発明で用いる励起三重項準位は5〜10K程度に冷却して測定した燐光スペクトルのλT1を用いて以下の関係式から求めた。
T1[eV]=1240/λT1[nm]
本発明で用いる異なる2種類以上の電荷輸送性化合物は、少なくとも1種以上の正孔輸送性化合物と、少なくとも1種以上の電子輸送性化合物であることが好ましい。但し、蒸着による薄膜形成を行う場合にはドーパント材料と併せると合計3種類以上となり薄膜形成が煩雑となるため、電荷輸送性化合物は2種類が好ましい。塗布による薄膜形成を行う場合は2種類以上用いることができるが、好ましくは4種以下更に好ましくは2種類である。
本発明では、異なる2種類以上の電荷輸送性化合物を用いることで、従来素子において発光層と隣接する層との界面付近に存在した発光位置(または再結合位置)を、界面付近から発光層の中心付近へ移動させることが可能となる。これにより、発光層と隣接する層(正孔阻止層または正孔輸送層)の酸化または還元による劣化を押さえることができ、燐光ドーパント材料を使用した有機電界発光素子の長寿命化が実現されるものである。
すなわち、本発明で用いる電荷輸送性化合物(正孔輸送性材料および電子輸送性材料)の混合比(配合比)は、発光位置(または再結合位置)の調節を実現できるように適宜選定すればよい。これは用いる正孔輸送性化合物および電子輸送性化合物の電荷移動度や隣接する層とのエネルギー障壁(エネルギーギャップ)等に依存するためである。
このような電荷輸送性化合物の分子量は、通常、4000以下、好ましくは3000以下、より好ましくは2000以下であり、また通常200以上、好ましくは300以上、より好ましくは400以上である。分子量が上限値を越えると、昇華性が著しく低下して電界発光素子を製作する際に蒸着法を用いる場合において支障を来したり、あるいは有機溶媒などへの溶解性の低下や、合成工程で生じる不純物成分の増加に伴って、材料の高純度化(すなわち劣化原因物質の除去)が困難になる場合があり、また分子量が下限値を下回ると、ガラス転移温度および、融点、気化温度などが低下するため、耐熱性が著しく損なわれるおそれがある。
発光層のホスト材料に求められるガラス転移温度はこれを用いた有機電界発光素子の用途に依存するが、通常80℃以上、より好ましくは100℃以上である。本発明では発光層のホスト材料として電荷輸送性化合物を2種類以上用いるが、その際のホスト材料のガラス転移温度(Tghost)は以下の式で表すことができる。
1/Tghost=(WA/TgA+WB/TgB+…)
Tghost:発光層のホスト材料全体のガラス転移温度
TgA:用いた電荷輸送性化合物Aのガラス転移温度
TgB:用いた電荷輸送性化合物Bのガラス転移温度
A:用いた電荷輸送性化合物Aの重量比
B:用いた電荷輸送性化合物Bの重量比
2種類の電荷輸送性化合物を用いた場合は、以下の式であらわされる。
1/Tghost=(WA/TgA+WB/TgB
よって、Tghostが通常で、80℃以上、より好ましくは100℃以上になるように用いる電荷輸送性化合物の種類、および配合比を選定することが求められる。
(電荷輸送性化合物の具体例)
(電子輸送性を有する化合物)
本発明で用いられる電荷輸送性化合物のうち電子輸送性を有する化合物としては、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、ジスチリルビフェニル誘導体、シロール誘導体、ベンズオキサゾール金属錯体、ベンゾチアゾール金属錯体、トリスベンズイミダゾリルベンゼン(米国特許第 5,645,948号)、キノキサリン化合物(特開平6−207169号公報)、フェナントロリン誘導体(特開平5−331459号公報)、含ホウ素化合物(WO 00/40586号公報)、含ピリジン環化合物などが挙げられる。
上記の化合物のうち、ピリジン環を有する化合物は励起三重項準位(T1)が高く、より好ましい。
ピリジン環を有する化合物のうち、下記一般式(1)で示される化合物が更に好ましい。
Figure 0004992183
一般式(1)中、R1〜R3は、各々独立に、任意の置換基を表す。
ピリジン環の3位、5位は、置換されていてもよい。
nは、1〜8の整数である。
nが1の時の、Q1は、ピリジン環の置換基或いは水素原子である。
nが2以上の時の、Q1は、n価の連結基である。
1は、ピリジン環の2〜6位のいずれか1つと直接結合する。但し、Q1が、ピリジン環の2,4,6位のいずれかに結合する場合は、その結合位置にあるR1〜R3のいずれかがQ1となる。
nが2以上の時、化合物中に複数個含まれるR1〜R3は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
また、nが2以上の時、ピリジン環がQ1と結合する位置は、それぞれ同一の位置であっ
ても異なっていてもよい。
(n)
前記一般式(1)で表される化合物の取りうるnの値は、1〜8の整数であるが、分子内にピリジン環を2つ以上有している場合に優れた耐久性を発揮可能であり、これによって優れた電子輸送性と広い酸化還元電位差を発現する。他方、ピリジン環基が多すぎると化合物としての塩基性が強くなりすぎ、発光層やこれに接する層などに含まれる場合、長時間の電界印加により、発光層に含まれる錯体との間で配位子交換を生じる危険性がある。そうした観点から、Q1と結合したピリジン環の数を表すnは2以上が好ましく、8以下が好ましく、6以下がより好ましく、4以下が更に好ましく、3以下が最も好ましい。
(一般式(1)の分子量等)
上記一般式(1)で表される化合物の分子量は、通常、4000以下、好ましくは3000以下、より好ましくは2000以下であり、また通常200以上、好ましくは300以上、より好ましくは400以上である。分子量が上限値を越えると、昇華性が著しく低下して電界発光素子を製作する際に蒸着法を用いる場合において支障を来したり、あるいは有機溶媒などへの溶解性の低下や、合成工程で生じる不純物成分の増加に伴って、材料の高純度化(すなわち劣化原因物質の除去)が困難になる場合があり、また分子量が下限値を下回ると、ガラス転移温度および、融点、気化温度などが低下するため、耐熱性が著しく損なわれるおそれがある。
また、前記一般式(1)で表される化合物の好ましい総炭素数は、通常、300以下、好ましくは200以下、より好ましくは100以下であり、また通常15以上、好ましくは20以上、より好ましくは30以上である。
(Q1
本発明における連結基Q1とは、基本的にピリジン環に連結する基であれば、特に制限
はない。
すなわち、nが1の時の、Q1は、ピリジン環の置換基或いは水素原子であり、nが2
以上の時の、Q1は、n価の連結基である。
1は、ピリジン環の2〜6位のいずれか1つと直接結合するが、Q1が、ピリジン環の2,4,6位のいずれかに結合する場合は、その結合位置にあるR1〜R3のいずれかがQ1となる。
nが2以上の時、ピリジン環がQ1と結合する位置は、それぞれ同一の位置であっても
異なっていてもよい。
ピリジン環の数を表すnが2以上であるとき、本発明に記載の連結基Q1は、ピリジン
環同士を繋ぐ直接結合、または(ジアリールアミン骨格を持たない)任意の連結基を適用可能である。
好ましくは、
直接結合、
置換基を有していてもよいアルケン基(アルケン由来の基)、
置換基を有していてもよいアルキン基(アルキン由来の基)、
置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基(例えばベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオランテンなど由来のn価の基が含まれる)
または置換基を有していてもよい芳香族複素環基(例えばフラン環、チオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環など由来のn価の基が含まれる)、
或いは、これらが2つ以上連結してなる基、
などが挙げられる。
電気的酸化還元耐久性の観点からは、1分子中に含まれる2以上のピリジン環が、連結基Q1を介して互いに共役関係にある化合物が好ましい。このような化合物とするために
は、ピリジン環間が、直接結合、
Figure 0004992183
またはこれらを組み合わせてなる部分構造で連結されている場合が好ましい。(G1
いしG3は各々独立に、水素原子または任意の置換基を表すか、あるいは、Q1の例として前述した芳香族炭化水素や芳香族複素環の一部を構成する。なお、同一のQ1基中に含ま
れるG1ないしG3は、各々、同一であっても異なっていてもよい。)
これらの中でも、ピリジン環間が
Figure 0004992183
で表される構造で結合されている場合がより好ましく、さらにG1およびG2が、Q1
における芳香族炭化水素基の一部を構成する場合が、特に好ましい。
連結基Q1として、好ましい具体例を以下に示す(Z−1〜Z−173)。
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
中でも、酸化還元電位差を十分に広くする観点と繰返し電気酸化還元耐久性の観点から、
Z−1(直接結合),Z−2〜69,79,82,84,89,96,103,105,108,109,111〜114,117,118,121,124,167,170が好ましく、
Z−2,8,11〜13,15,17,19,20,22,23〜25,27〜30,34,37,44,47〜61,63〜69,89,105,109,114,124,167,170がより好ましく、
Z−2,8,12,13,15,17,19,20,22,23,25,27〜30,34,37,44,47〜50,63,64,66,67,89,109,114,124,167が更に好ましく、
Z−2,8,12,13,15,17,19,20,23,28〜30,34,66が最も好ましい。
上記具体例の連結基Q1は、(ジアリールアミン骨格、アリールオキシド骨格およびア
リールスルフィド骨格を持たない)任意の置換基を有してもよく、
例としては、
ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、
置換基を有していてもよいアルキル基(好ましくは炭素数1から8の直鎖または分岐のアルキル基であり、たとえばメチル、エチル、n-プロピル、2-プロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル基などが挙げられる。)、
置換基を有していてもよいアルケニル基(たとえば、炭素数1から8のアルケニル基であり、たとえばビニル、アリル、1-ブテニル基などが挙げられる。)、
置換基を有していてもよいアルキニル基(たとえば、炭素数1から8のアルキニル基であり、たとえばエチニル、プロパルギル基などが挙げられる。)、
置換基を有していてもよいアラルキル基(たとえば、炭素数1から8のアラルキル基であり、たとえばベンジル基などが挙げられる。)、
置換基を有していてもよいアシル基(好ましくは、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアシル基であり、たとえばホルミル、アセチル、ベンゾイル基などが含
まれる)、
置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基(好ましくは置換基を有してもよい炭素数2〜13のアルコキシカルボニル基であり、たとえばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル基などが含まれる)、
置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基(好ましくは置換基を有してもよい炭素数2〜13のアリールオキシカルボニル基であり、たとえばアセトキシ基などが含まれる)、
カルボキシル基、
Figure 0004992183
基(Raは任意の置換基であり、好ましくは置換基を有していてもよい炭素数1〜8の
アルキル基、アラルキル基、アリール基の何れかである。Rbは水素原子または任意の置
換基であり、好ましくは置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、アラルキル基、アリール基の何れかである。)、
Figure 0004992183
基(Rc、Rdは水素原子または任意の置換基であり、好ましくは置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、アラルキル基、アリール基の何れかを表す)、
シアノ基、
置換基を有していてもよいシリル基(たとえばトリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが含まれる)、
置換基を有していてもよいボリル基(たとえばジメシチルボリル基などが含まれる)、
置換基を有していてもよいホスフィノ基(たとえばジフェニルホスフィノ基などが含まれる)、
置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基(例えばベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオランテン環などが含まれる)
または置換基を有していてもよい芳香族複素環基(例えばフラン環、チオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などが含まれる)を表す)
などが挙げられ、分子振動を制限する観点から、より好ましくは水素原子、メチル基、またはフェニル基であり、最も好ましくは水素原子である。
(R1〜R3
一般式(1)におけるR1ないしR3は、各々独立に任意の置換基を表す。また、nが2以上の時、化合物中に複数個含まれるR1ないしR3は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。R1ないしR3に用いうる任意の基として、具体的には、例えば
置換基を有していてもよいアルキル基(好ましくは炭素数1から8の直鎖または分岐のアルキル基であり、例えばメチル、エチル、n-プロピル、2-プロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル基などが挙げられる。)、
置換基を有していてもよいアルケニル基(好ましくは、炭素数2から9のアルケニル基であり、例えばビニル、アリル、1-ブテニル基などが挙げられる。)、
置換基を有していてもよいアルキニル基(好ましくは、炭素数2から9のアルキニル基であり、例えばエチニル、プロパルギル基などが挙げられる。)、
置換基を有していてもよいアラルキル基(好ましくは、炭素数7から15のアラルキル基であり、例えばベンジル基などが挙げられる。)、
置換基を有していてもよいアミノ基
[好ましくは、置換基を有していてもよい炭素数1から8のアルキル基を1つ以上有するアルキルアミノ基(例えばメチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ基などが挙げられる。)、
置換基を有していてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を有するアリールアミノ基(例えばフェニルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノ基などが挙げられる。)、
置換基を有していてもよい、5または6員環の芳香族複素環を有するヘテロアリールアミノ基(例えばピリジルアミノ、チエニルアミノ、ジチエニルアミノ基などが含まれる。)、
置換基を有していてもよい、炭素数2〜10のアシル基を有するアシルアミノ基(例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノ基などが含まれる。)]、
置換基を有していてもよいアルコキシ基(好ましくは置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルコキシ基であり、たとえばメトキシ、エトキシ、ブトキシ基などが含まれる)、
置換基を有していてもよいアリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を有するものであり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシ基などが含まれる。)、
置換基を有していてもよいヘテロアリールオキシ基(好ましくは5または6員環の芳香族複素環基を有するものであり、例えばピリジルオキシ、チエニルオキシ基などが含まれる)、
置換基を有していてもよいアシル基(好ましくは、置換基を有していてもよい炭素数2〜10のアシル基であり、例えばホルミル、アセチル、ベンゾイル基などが含まれる)、
置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基(好ましくは置換基を有していてもよい炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル基などが含まれる)、
置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基(好ましくは置換基を有していてもよい炭素数7〜13のアリールオキシカルボニル基であり、例えばフェノキシカルボニル基などが含まれる)、
置換基を有していてもよいアルキルカルボニルオキシ基(好ましくは置換基を有していてもよい炭素数2〜10のアルキルカルボニルオキシ基であり、例えばアセトキシ基などが含まれる。)、
ハロゲン原子(特に、フッ素原子または塩素原子)
カルボキシル基、
シアノ基、
水酸基、
メルカプト基、
置換基を有していてもよいアルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜8までのアルキルチオ基であり、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基などが含まれる。)、
置換基を有していてもよいアリールチオ基(好ましくは炭素数6〜12までのアリール
チオ基であり、例えば、フェニルチオ基、1―ナフチルチオ基などが含まれる。)、
置換基を有していてもよいスルホニル基(例えばメシル基、トシル基などが含まれる)、
置換基を有していてもよいシリル基(例えばトリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが含まれる)、
置換基を有していてもよいボリル基(例えばジメシチルボリル基などが含まれる)、
置換基を有していてもよいホスフィノ基(例えばジフェニルホスフィノ基などが含まれる)、
置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基(例えばベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオランテン環などの、5または6員環の単環または2〜5縮合環由来の1価の基が含まれる)
または置換基を有していてもよい芳香族複素環基(例えばフラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環などの、5または6員環の単環または2〜4縮合環由来の1価の基が含まれる)などが挙げられる。
これらが有しうる置換基としては、本発明化合物の性能を損なわない限り特に制限はないが、好ましくはアルキル基、芳香族炭化水素基、またはアルキル置換芳香族炭化水素基を表す。各々の具体例としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基
などの、炭素数1〜6程度のアルキル基;フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基などの、炭素数6〜18程度の芳香族炭化水素基;トリル基、メシチル基、2,6−ジメチルフェニル基などの、総炭素数7〜30程度のアルキル置換芳香族炭化水素基、などが挙げられる。
以下に、R1ないしR3が芳香族炭化水素基或いは芳香族複素環基である場合の具体例を示す。
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
(上記各構造中、L1ないしL3は各々独立に、アルキル基、芳香族炭化水素基、またはアルキル置換芳香族炭化水素基を表す。L4およびL5は各々独立に、水素原子、アルキル基、芳香族炭化水素基、またはアルキル置換芳香族炭化水素基を表す。
アルキル基、芳香族炭化水素基、またはアルキル置換芳香族炭化水素基として、具体的には、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基などの、炭素数1〜6程度
のアルキル基;フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基などの、炭素数6〜18程度の芳香族炭化水素基;トリル基、メシチル基、2,6−ジメチルフェニル基などの、総炭素数7〜30程度のアルキル置換芳香族炭化水素基、などが挙げられる。
なお、上記構造はいずれも、L1ないしL5の他にも置換基を有していてもよいが、自身が結合しているピリジン等上の電子状態に強く影響を及ぼしてしまうと、酸化還元電位差が狭くなってしまうおそれがあるため、電子供与性・電子吸引性が共に小さく、かつ、分子内共役長の広がりをもたらしにくい基を選択することが好ましい。このような基の具体例としても、やはりアルキル基、芳香族炭化水素基、アルキル置換芳香族炭化水素基等が挙げられる。
なお、1分子中に上記構造を2個以上有する化合物の場合、1分子中に含まれる2個以上のL1〜L5は、同一であっても異なっていてもよい。)
前記例示構造のうち、広い酸化還元電位差を与える観点から、R−1〜6、10〜13、33、34、38、45、48が好ましく、R−1〜6、48がより好ましく、R−1〜3、48が最も好ましい。
1ないしR3は、例えば、本発明の特徴とする電荷輸送性化合物を有機電界発光素子の発光層に適用する場合、分子振動を制限して発光効率を損なわないようにする観点から、置換基を有していてもよいアルキル基、または置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基(中でも炭素数6〜12程度の芳香族炭化水素基)が好ましく、大きな酸化電位を持たせる観点からは、水素原子またはフェニル基が特に好ましい。
(ピリジン環の置換基)
ピリジン環の3位、5位は、R1ないしR3に用いうる任意の基として具体的に挙げた、いずれの基で置換されていてもよいが、電気的酸化還元耐久性を向上させる観点および耐熱性を向上させるから、芳香族炭化水素基或いは芳香族複素環基であることが好ましい。(一般式(1)の具体例)
以下に、本発明の前記一般式(1)で表される化合物として好ましい具体的な例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
中でも、以下に示す化合物は、励起三重項準位(T1)が高く、より好ましい。
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
(正孔輸送性を有する化合物)
また、本発明で用いられる電荷輸送性化合物のうち正孔輸送性を有する化合物としては、例えば、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニルで代表される2個以上の3級アミンを含み2個以上の縮合芳香族環が窒素原子に置換した芳香族ジアミン(特開平5−234681号公報)、4,4’,4''−トリス(1−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン等のスターバースト構造を有する芳香族アミン化合物(J. Lumin., 72−74巻、985頁、1997年)、トリフェニルアミンの四量体から成る芳香族アミン化合物(Chem. Commun.,2175頁、1996年)、2,2’,7,7’−テトラキス−(ジフェニルアミノ)−9,9’−スピロビフルオレン等のスピロ化合物(Synth. Metals, 91巻、209頁、1997年)、4,4'−N,N'−ジカルバゾールビフェニルなどのカルバゾール誘導体(WO 00/70655号公報)、等が挙げられる。
上記の化合物以外に、ポリビニルカルバゾール(特開2001−257076号公報)、ポリビニルトリフェニルアミン(特開平7−53953号公報)、テトラフェニルベンジジンを含有するポリアリーレンエーテルサルホン(Polym. Adv. Tech., 7巻、33頁、1996年)等の高分子材料が挙げられる。
上記の化合物のうち、カルバゾール環を有する化合物(カルバゾール誘導体やポリビニルカルバゾールなど)は励起三重項準位(T1)が高く、より好ましい。
カルバゾール環を有する化合物のうち、下記一般式(2)で示される化合物が更に好ましい。
Figure 0004992183
一般式(2)中、
4は、各々独立に、任意の置換基或いはQ2を表す。
カルバゾール環は、R4以外にも置換基を有していても良い。
mは、1〜6の整数である。
mが1の時の、Q2は、カルバゾール環の置換基或いは水素原子である。
mが2以上の時の、Q2は、m価の連結基である。
2は、カルバゾール環の1〜9位のいずれか1つ、またはR4と直接結合する。但し、Q2が、カルバゾール環の9位に結合する場合は、R4がQ2となる。
mが2以上の時の、化合物中に複数個含まれるR4は、それぞれ同一であっても異なって
いてもよい。
また、mが2以上の時、カルバゾール環がQ2と結合する位置は、それぞれ同一の位置で
あっても異なっていてもよい。
(m)
前記一般式(2)で表される化合物の取りうるmの値は、1〜6の整数であるが、分子内にカルバゾール環を2つ以上有している場合に優れた耐久性を発揮可能であり、これによって優れた正孔輸送性と広い酸化還元電位差を発現する。他方、カルバゾール環が多すぎると化合物としての酸性が強くなりすぎ、発光層やこれに接する層などに含まれる場合、長時間の電界印加により還元劣化される危険性がある。そうした観点から、Q2と結合したカルバゾール環の数を表すmは2以上が好ましく、6以下が好ましく、4以下が更に好ましく、3以下が最も好ましい。
(一般式(2)の分子量等)
上記一般式(2)で表される化合物の分子量は、通常、4000以下、好ましくは3000以下、より好ましくは2000以下であり、また通常200以上、好ましくは300以上、より好ましくは400以上である。分子量が上限値を越えると、昇華性が著しく低下して電界発光素子を製作する際に蒸着法を用いる場合において支障を来したり、あるいは有機溶媒などへの溶解性の低下や、合成工程で生じる不純物成分の増加に伴って、材料の高純度化(すなわち劣化原因物質の除去)が困難になる場合があり、また分子量が下限値を下回ると、ガラス転移温度および、融点、気化温度などが低下するため、耐熱性が著しく損なわれるおそれがある。
また、前記一般式(2)で表される化合物の好ましい総炭素数は、通常、300以下、好ましくは200以下、より好ましくは100以下であり、また通常15以上、好ましくは20以上、より好ましくは30以上である。
(Q2
本発明における連結基Q2とは、基本的にカルバゾール環に連結する基であれば、特に
制限はない。すなわち、mが1の時の、Q2は、カルバゾール環の置換基或いは水素原子
であり、mが2以上の時の、Q2は、m価の連結基である。
2は、カルバゾール環の1〜9位のいずれか1つ、またはR4と直接結合する。但し、Q2が、カルバゾール環の9位に結合する場合は、R4がQ2となる。
また、mが2以上の時、カルバゾール環がQ2と結合する位置は、それぞれ同一の位置
であっても異なっていてもよい。
カルバゾール環の数を表すmが2以上であるとき、本発明に記載の連結基Q2は、任意
の連結基を適用可能である。
好ましくは、
置換基を有していてもよいアミノ基、
置換基を有していてもよいアルケン基、
置換基を有していてもよいアルキン基、
置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基(例えばベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオランテンなど由来のm価の基が含まれる)
または置換基を有していてもよい芳香族複素環基(例えばフラン環、チオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環など由来のm価の基が含まれる)、
或いは、これらが2つ以上連結してなる基、
などが挙げられる。
連結基Q2として、好ましい具体例を以下に示す。(ZZ−2〜ZZ−184)
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
中でも、酸化還元電位差を十分に広くする観点と繰返し電気酸化還元耐久性の観点から、
ZZ−2〜69,79,82,84,89,96,103,105,108,109,111〜114,117,118,121,124,167,170,174〜183が好ましく、
ZZ−2,8,11〜13,15,17,19,20,22,23〜25,27〜30,34,37,44,47〜61,63〜69,89,105,109,114,124,167,170,174〜183がより好ましく、
ZZ−2,8,12,13,15,17,19,20,22,23,25,27〜30,34,37,44,47〜50,63,64,66,67,89,109,114,124,167,174〜183が更に好ましく、
ZZ−2,8,12,13,15,17,19,20,23,28〜30,34,66,174〜178,182〜183が最も好ましい。
上記具体例の連結基Q2は、任意の置換基を有してもよく、
例としては、
ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、
置換基を有していてもよいアルキル基(好ましくは炭素数1から8の直鎖または分岐のアルキル基であり、たとえばメチル、エチル、n-プロピル、2-プロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル基などが挙げられる。)、
置換基を有していてもよいアルケニル基(たとえば、炭素数1から8のアルケニル基であり、たとえばビニル、アリル、1-ブテニル基などが挙げられる。)、
置換基を有していてもよいアルキニル基(たとえば、炭素数1から8のアルキニル基であり、たとえばエチニル、プロパルギル基などが挙げられる。)、
置換基を有していてもよいアラルキル基(たとえば、炭素数1から8のアラルキル基であり、たとえばベンジル基などが挙げられる。)、
置換基を有していてもよいアシル基(好ましくは、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアシル基であり、たとえばホルミル、アセチル、ベンゾイル基などが含
まれる)、
置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基(好ましくは置換基を有してもよい炭素数2〜13のアルコキシカルボニル基であり、たとえばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル基などが含まれる)、
置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基(好ましくは置換基を有してもよい炭素数2〜13のアリールオキシカルボニル基であり、たとえばアセトキシ基などが含まれる)、
カルボキシル基、
Figure 0004992183
基(Raは任意の置換基であり、好ましくは置換基を有していてもよい炭素数1〜8の
アルキル基、アラルキル基、アリール基の何れかである。Rbは水素原子または任意の置
換基であり、好ましくは置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、アラルキル基、アリール基の何れかである。)、
Figure 0004992183
基(Rc、Rdは水素原子または任意の置換基であり、好ましくは置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、アラルキル基、アリール基の何れかを表す)、
シアノ基、
置換基を有していてもよいシリル基(たとえばトリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが含まれる)、
置換基を有していてもよいボリル基(たとえばジメシチルボリル基などが含まれる)、
置換基を有していてもよいホスフィノ基(たとえばジフェニルホスフィノ基などが含まれる)、
置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環基(例えばベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン
環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオランテン環などが含まれる)
または置換基を有していてもよい芳香族複素環基(例えばフラン環、チオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などが含まれる)を表す)
などが挙げられ、分子振動を制限する観点から、より好ましくは水素原子、メチル基、またはフェニル基であり、最も好ましくは水素原子である。
(R4
一般式(2)におけるR4は、任意の置換基或いは前述のQ2を表す。mが2以上の時の、化合物中に複数個含まれるR4は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。R4に用いうる任意の基として、具体的には、例えば
置換基を有していてもよいアルキル基(好ましくは炭素数1から8の直鎖または分岐のアルキル基であり、例えばメチル、エチル、n-プロピル、2-プロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル基などが挙げられる。)、
置換基を有していてもよいアルケニル基(好ましくは、炭素数2から9のアルケニル基であり、例えばビニル、アリル、1-ブテニル基などが挙げられる。)、
置換基を有していてもよいアルキニル基(好ましくは、炭素数2から9のアルキニル基であり、例えばエチニル、プロパルギル基などが挙げられる。)、
置換基を有していてもよいアラルキル基(好ましくは、炭素数7から15のアラルキル基であり、例えばベンジル基などが挙げられる。)、
置換基を有していてもよいアミノ基
[好ましくは、置換基を有していてもよい炭素数1から8のアルキル基を1つ以上有するアルキルアミノ基(例えばメチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ基などが挙げられる。)、
置換基を有していてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を有するアリールアミノ基(例えばフェニルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノ基などが挙げられる。)、
置換基を有していてもよい、5または6員環の芳香族複素環を有するヘテロアリールアミノ基(例えばピリジルアミノ、チエニルアミノ、ジチエニルアミノ基などが含まれる。)、
置換基を有していてもよい、炭素数2〜10のアシル基を有するアシルアミノ基(例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノ基などが含まれる。)]、
置換基を有していてもよいアルコキシ基(好ましくは置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルコキシ基であり、たとえばメトキシ、エトキシ、ブトキシ基などが含まれる)、
置換基を有していてもよいアリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を有するものであり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシ基などが含まれる。)、
置換基を有していてもよいヘテロアリールオキシ基(好ましくは5または6員環の芳香族複素環基を有するものであり、例えばピリジルオキシ、チエニルオキシ基などが含まれる)、
置換基を有していてもよいアシル基(好ましくは、置換基を有していてもよい炭素数2〜10のアシル基であり、例えばホルミル、アセチル、ベンゾイル基などが含まれる)、
置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基(好ましくは置換基を有していてもよい炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル基などが含まれる)、
置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基(好ましくは置換基を有していてもよい炭素数7〜13のアリールオキシカルボニル基であり、例えばフェノキシカルボニル基などが含まれる)、
置換基を有していてもよいアルキルカルボニルオキシ基(好ましくは置換基を有していてもよい炭素数2〜10のアルキルカルボニルオキシ基であり、例えばアセトキシ基などが含まれる。)、
ハロゲン原子(特に、フッ素原子または塩素原子)
カルボキシル基、
シアノ基、
水酸基、
メルカプト基、
置換基を有していてもよいアルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜8までのアルキルチオ基であり、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基などが含まれる。)、
置換基を有していてもよいアリールチオ基(好ましくは炭素数6〜12までのアリール
チオ基であり、例えば、フェニルチオ基、1―ナフチルチオ基などが含まれる。)、
置換基を有していてもよいスルホニル基(例えばメシル基、トシル基などが含まれる)、
置換基を有していてもよいシリル基(例えばトリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが含まれる)、
置換基を有していてもよいボリル基(例えばジメシチルボリル基などが含まれる)、
置換基を有していてもよいホスフィノ基(例えばジフェニルホスフィノ基などが含まれる)、
置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基(例えばベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオランテン環などの、5または6員環の単環または2〜5縮合環由来の1価の基が含まれる)
または置換基を有していてもよい芳香族複素環基(例えばフラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環などの、5または6員環の単環または2〜4縮合環由来の1価の基が含まれる)などが挙げられる。
これらが有しうる置換基としては、本発明化合物の性能を損なわない限り特に制限はないが、好ましくはアルキル基、芳香族炭化水素基、またはアルキル置換芳香族炭化水素基を表す。各々の具体例としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基
などの、炭素数1〜6程度のアルキル基;フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基などの、炭素数6〜18程度の芳香族炭化水素基;トリル基、メシチル基、2,6−ジメチルフェニル基などの、総炭素数7〜30程度のアルキル置換芳香族炭化水素基、などが挙げられる。
以下に、R4が芳香族炭化水素基或いは芳香族複素環基である場合の具体例を示す。
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
(上記各構造中、L1ないしL3は各々独立に、アルキル基、芳香族炭化水素基、またはアルキル置換芳香族炭化水素基を表す。L4およびL5は各々独立に、水素原子、アルキル基、芳香族炭化水素基、またはアルキル置換芳香族炭化水素基を表す。
アルキル基、芳香族炭化水素基、またはアルキル置換芳香族炭化水素基として、具体的には、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基などの、炭素数1〜6程度
のアルキル基;フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基などの、炭素数6〜18程度の芳香族炭化水素基;トリル基、メシチル基、2,6−ジメチルフェニル基などの、総炭素数7〜30程度のアルキル置換芳香族炭化水素基、などが挙げられる。
なお、上記構造はいずれも、L1ないしL5の他にも置換基を有していてもよいが、自身が結合しているカルバゾール等上の電子状態に強く影響を及ぼしてしまうと、酸化還元電位差が狭くなってしまうおそれがあるため、電子供与性・電子吸引性が共に小さく、かつ、分子内共役長の広がりをもたらしにくい基を選択することが好ましい。このような基の具体例としても、やはりアルキル基、芳香族炭化水素基、アルキル置換芳香族炭化水素基等が挙げられる。
なお、1分子中に上記構造を2個以上有する化合物の場合、1分子中に含まれる2個以上のL1〜L5は、同一であっても異なっていてもよい。)
前記例示構造のうち、広い酸化還元電位差を与える観点から、R−1〜6、10〜13、33、34、38、45、48が好ましく、R−1〜6、48がより好ましく、R−1〜3、48が最も好ましい。
4は分子振動を制限して発光効率を損なわないようにする観点から、置換基を有して
いてもよいアルキル基、または置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基(中でも炭素数6〜12程度の芳香族炭化水素基)、或いはQ2が好ましく、大きな還元電位を持たせ
る観点からは、Q2、水素原子またはフェニル基が特に好ましい。
(カルバゾール環の置換基)
カルバゾール環のR4以外に有していても良い置換基としては、R4に用いうる任意の基として具体的に挙げた、いずれの基で置換されてもよいが、電気的酸化還元耐久性を向上させる観点および耐熱性を向上させるから、芳香族炭化水素基或いは芳香族複素環基であることが好ましい。
(一般式(2)の具体例)
以下に、本発明の前記一般式(2)で表される化合物として好ましい具体的な例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
中でも、以下に示す縮合環のない化合物は、励起三重項準位(T1)が高く、より好ましい。
Figure 0004992183
Figure 0004992183
(異なる2種の電荷輸送性化合物の組合せ)
本発明において、発光層ホストに用いる異なる2種の電荷輸送性化合物として、ピリジン環を有する化合物とカルバゾール環を有する化合物を併せて用いることが特に好ましい。この理由として以下の5点が上げられる。
1)カルバゾール環を有する化合物、ピリジン環を有する化合物のそれぞれが
高い励起三重項準位(T1)を有する
2)カルバゾール環を有する化合物のHOMO(最高非占分子軌道)が発光層
と隣接する正孔輸送層のHOMOに近く、正孔が注入されやすい
3)ピリジン環を有する化合物のLUMO(最低空分子軌道)が発光層と隣接
する電子輸送層または正孔阻止層のLUMOに近く、電子が注入されやすい
4)カルバゾール環を有する化合物、ピリジン環を有する化合物のそれぞれが
高い電荷移動度(それぞれ正孔移動度および電子移動度)を有する
5)それぞれ、電荷に対して安定である(酸化還元に対する安定性大)
従来の燐光素子においては、T1が高くかつ酸化還元に対する安定性に優れた電荷輸送性化合物が適用されていなかったため、特に、緑色や青色素子で高効率かつ長寿命な素子が実現できなかったと推察される。
上記5点を満足するピリジン環を有する化合物とカルバゾール環を有する化合物の組合せであれば、その組合せは特に限定されるものではないが、ドーパント材料として用いる有機金属錯体のT1よりも高いことが発光効率の観点から好ましい。
また、ピリジン環を有する化合物としては上記一般式(1)で表される化合物、カルバゾール環を有する化合物としては上記一般式(2)で表される化合物の、組合せであることがより好ましい。
(ドーパント材料)
本発明では発光層に使用するドーパント材料としては、周期表7ないし11族から選ばれる金属を含む有機金属錯体が用いられる。該金属錯体のT1(励起三重項準位)はホスト材料として使用する電荷輸送性化合物のT1より低いことが発光効率の観点から好ましい。さらにドーパント材料において発光が起こることから、酸化還元などの化学的安定性も要求される。
周期表7ないし11族から選ばれる金属を含む燐光性有機金属錯体における、該金属として好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、および金が挙げられる。これらの有機金属錯体として、好ましくは下記一般式(II)または一般式(VI)で表される化合物が挙げられる。
MLn-jL’j(II)
(式中、Mは金属、nは該金属の価数を表す。LおよびL’は二座配位子を表す。jは0または1または2を表す。)
Figure 0004992183
(式中、M7は金属、Tは炭素または窒素を表わす。Tが窒素の場合はR14、R15は無く
、Tが炭素の場合はR14、R15は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、シアノ基、アミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アラルキルアミノ基、ハロアルキル基、水酸基、
アリールオキシ基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表わす。
12、R13は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、シアノ基、アミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アラルキルアミノ基、ハロアルキル基、水酸基、アリールオキシ基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表わし、互いに連結して環を形成しても良い。)
一般式(II)中の二座配位子LおよびL’はそれぞれ以下の部分構造を有する配位子を示す。
Figure 0004992183
(環A1および環A1’は各々独立に、芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表わし、置換基を有していてもよい。環A2および環A2’は含窒素芳香族複素環基を表わし、置換基を有していてもよい。R’、R’’およびR’’’はそれぞれハロゲン原子;アルキル基;アルケニル基;アルコキシカルボニル基;メトキシ基;アルコキシ基;アリールオキシ基;ジアルキルアミノ基;ジアリールアミノ基;カルバゾリル基;アシル基;ハロアルキル基またはシアノ基を表す。)
一般式(II)で表される化合物として、さらに好ましくは下記一般式(Va)、(Vb)(Vc)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0004992183
(式中、M4は金属、nは該金属の価数を表す。環A1は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表わし、環A2は置換基を有していてもよい含窒素芳香族複素環基を表わす。)
Figure 0004992183
(式中、M5は金属、nは該金属の価数を表す。環A1は置換基を有していてもよい芳
香族炭化水素基または芳香族複素環基を表わし、環A2は置換基を有していてもよい含窒素芳香族複素環基を表わす。)
Figure 0004992183
(式中、M6は金属、nは該金属の価数を表し、jは0または1または2を表す。環A
1および環A1’は各々独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表わし、環A2および環A2’は各々独立に、置換基を有していてもよい含窒素芳香族複素環基を表わす。)
一般式(Va)、(Vb)、(Vc)で表される化合物の環A1および環A1’として、好ましくは、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基、チエニル基、フリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフリル基、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、またはカルバゾリル基が挙げられる。
環A2および環A2’として、好ましくは、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアジル基、ベンゾチアゾール基、ベンゾオキサゾール基、ベンゾイミダゾール基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリル基、またはフェナントリジル基が挙げられる。
一般式(Va)、(Vb)および(Vc)で表される化合物が有していてもよい置換基としては、フッ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ビニル基等の炭素数2〜6のアルケニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアリールオキシ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;ジフェニルアミノ基等のジアリールアミノ基;カルバゾリル基;アセチル基等のアシル基;トリフルオロメチル基等のハロアルキル基;シアノ基等が挙げられ、これらは互いに連結して環を形成しても良い。
なお、環A1が有する置換基と環A2が有する置換基が結合、または環A1’が有する置換基と環A2’が有する置換基が結合して、一つの縮合環を形成してもよく、このような縮合環としては7,8−ベンゾキノリン基等が挙げられる。
環A1、環A1’、環A2および環A2’の置換基として、より好ましくはアルキル基、アルコキシ基、芳香族炭化水素基、シアノ基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、ジアリールアミノ基、またはカルバゾリル基が挙げられる。
式(Va)、(Vb)におけるM4ないしM5として好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金または金が挙げられる。式(VI)におけるM7として好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金または金が挙げられ、特に好ましくは、白金、パラジウム等の2価の金属が挙げられる。
前記一般式(II)、(Va)、(Vb)および(Vc)で示される有機金属錯体の具体例を以下に示すが、下記の化合物に限定されるわけではない。
Figure 0004992183
Figure 0004992183
前記一般式(II)、(Va)、(Vb)および(Vc)で表される有機金属錯体の中でも、特に配位子Lおよび/またはL’として2−アリールピリジン系配位子(2−アリールピリジン、これに任意の置換基が結合したもの、またはこれに任意の基が縮合してなるもの)を有する化合物が好ましい。
前記一般式(VI)で表わされる有機金属錯体の具体例を以下に示すが、下記の化合物に限定されるわけではない。
Figure 0004992183
さらに本発明の有機電界発光素子における発光層或いは発光層形成材料には、ホスト材料およびドーパント材料と共に、蛍光色素を含有していてもよい。青色発光を与える蛍光色素としては、ペリレン、ピレン、アントラセン、クマリンおよびそれらの誘導体等が挙げられる。緑色蛍光色素としては、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体等が挙げられる。黄色蛍光色素としては、ルブレン、ペリミドン誘導体等が挙げられる。赤色蛍光色素としては、DCM系化合物、ベンゾピラン誘導体、ローダミン誘導体、ベンゾチオキサンテン誘導体、アザベンゾチオキサンテン等が挙げられる。
上記のドープ用蛍光色素以外にも、レーザー研究,8巻,694頁,803頁,958頁(1980年);同9巻,85頁(1981年)、に列挙されている蛍光色素などが発光層用のドープ材料として使用することができる。
発光層形成材料或いは発光層中にドーパント材料として含有される有機金属錯体の量は、0.1重量%以上が好ましく、また30重量%以下が好ましい。下限値を下回ると素子の発光効率向上に寄与できない場合があり、上限値を上回ると有機金属錯体同士が2量体を形成する等の理由で濃度消光が起き、発光効率の低下に至る可能性がある。
燐光発光を示す発光層におけるドーパント材料の量は、従来の蛍光(1重項)を用いた素子において、発光層に含有される蛍光性色素(ドーパント)の量より、若干多い方が好
ましい傾向がある。また燐光ドーパント材料と共に蛍光色素が発光層中に含有される場合、該蛍光色素の量は、0.05重量%以上が好ましく、0.1重量%以上がより好ましい。また10重量%以下が好ましく、3重量%以下がより好ましい。
このような燐光性ドーパント材料の分子量は、通常、4000以下、好ましくは3000以下、より好ましくは2000以下であり、また通常200以上、好ましくは300以上、より好ましくは400以上である。分子量が上限値を越えると、昇華性が著しく低下して電界発光素子を製作する際に蒸着法を用いる場合において支障を来したり、あるいは有機溶媒などへの溶解性の低下や、合成工程で生じる不純物成分の増加に伴って、材料の高純度化(すなわち劣化原因物質の除去)が困難になる場合があり、また分子量が下限値を下回ると、ガラス転移温度および、融点、気化温度などが低下するため、耐熱性が著しく損なわれるおそれがある。
(素子)
次に、本発明の有機電界発光素子について説明する。
本発明の有機電界発光素子(EL素子)は、陽極、陰極、およびこれら両極間に設けられた発光層を有し、該発光層が、異なる2種類以上の電荷輸送性化合物からなるホスト材料と、周期律表第7〜11族から選ばれる少なくとも1つの金属を含む有機金属錯体からなるドーパント材料を含有し、該電荷輸送性化合物の励起三重項準位(T1)が2.2eV以上であることを特徴とする。
以下、本発明のEL素子の構造の一例について、図面を参照しながら説明するが、本発明のEL素子の構造は以下の図示のものに限定されるものではない。
図1は本発明に用いられる一般的な有機電界発光素子の構造例を模式的に示す断面図であり、1は基板、2は陽極、4は正孔輸送層、5は発光層、6は正孔阻止層、8は陰極を各々表わす。
基板1は有機電界発光素子の支持体となるものであり、石英やガラスの板、金属板や金属箔、プラスチックフィルムやシートなどが用いられる。特にガラス板や、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホンなどの透明な合成樹脂の板またはフイルムが好ましい。合成樹脂基板を使用する場合にはガスバリア性に留意する必要がある。基板のガスバリア性が小さすぎると、基板を通過した外気により有機電界発光素子が劣化することがあるので好ましくない。このため、合成樹脂基板の少なくとも片面に緻密なシリコン酸化膜等を設けてガスバリア性を確保する方法も好ましい方法の一つである。
基板1上には陽極2が設けられるが、陽極2は正孔輸送層4への正孔注入の役割を果たすものである。陽極2は、通常、アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金等の金属、インジウム及び/またはスズの酸化物などの金属酸化物、ヨウ化銅などのハロゲン化金属、カーボンブラック、あるいは、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子などにより構成される。陽極2は通常、スパッタリング法、真空蒸着法などにより形成されることが多い。また、銀などの金属微粒子、ヨウ化銅などの微粒子、カーボンブラック、導電性の金属酸化物微粒子、導電性高分子微粉末などで陽極2を形成する場合には、適当なバインダー樹脂溶液中に分散させて、基板1上に塗布することにより形成することもできる。さらに、導電性高分子で陽極2を形成する場合には、電解重合により基板1上に直接重合薄膜を形成したり、基板1上に導電性高分子を塗布して形成することもできる(Appl.Phys.Lett.,60巻,2711頁,1992年)。
陽極2は通常は単層構造であるが、所望により複数の材料からなる積層構造とすること
も可能である。
陽極2の厚みは、必要とする透明性により異なる。透明性が必要とされる場合は、可視光の透過率を、通常60%以上、好ましくは80%以上とすることが望ましい。この場合、陽極の厚みは通常5nm以上、好ましくは10nm以上であり、また通常1000nm以下、好ましくは500nm以下程度である。不透明でよい場合は陽極2の厚みは任意であり、所望により金属で形成して基板1を兼ねてもよい。
図1に示す構成の素子において、陽極2の上には正孔輸送層4が設けられる。正孔輸送層の材料に要求される条件としては、陽極からの正孔注入効率が高く、かつ、注入された正孔を効率よく輸送することができる材料であることが必要である。そのためには、イオン化ポテンシャルが小さく、可視光の光に対して透明性が高く、しかも正孔移動度が大きく、さらに安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造時や使用時に発生しにくいことが要求される。また、発光層5に接するために発光層からの発光を消光したり、発光層との間でエキサイプレックスを形成して効率を低下させないことが求められる。上記の一般的要求以外に、車載表示用の応用を考えた場合、素子にはさらに耐熱性が要求される。従って、Tgとして85℃以上の値を有する材料が望ましい。
このような正孔輸送材料としては、発光層のホスト材料に用いられる正孔輸送性材料と同様に、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニルで代表される2個以上の3級アミンを含み2個以上の縮合芳香族環が窒素原子に置換した芳香族ジアミン(特開平5−234681号公報)、4,4’,4''−トリス(1−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン等のスターバースト構造を有する芳香族アミン化合物(J. Lumin., 72−74巻、985頁、1997年)、トリフェニルアミンの四量体から成る芳香族アミン化合物(Chem. Commun.,2175頁、1996年)、2,2’,7,7’−テトラキス−(ジフェニルアミノ)−9,9’−スピロビフルオレン等のスピロ化合物(Synth. Metals, 91巻、209頁、1997年)、4,4'−N,N'−ジカルバゾールビフェニルなどのカルバゾール誘導体等が挙げられる。これらの化合物は、単独で用いてもよいし、必要に応じて、複数種混合して用いてもよい。
上記の化合物以外に、正孔輸送層4の材料として、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルトリフェニルアミン(特開平7−53953号公報)、テトラフェニルベンジジンを含有するポリアリーレンエーテルサルホン(Polym. Adv. Tech., 7巻、33頁、1996年)等の高分子材料が挙げられる。
正孔輸送層4は、スプレー法、印刷法、スピンコート法、ディップコート法、ダイコート法などの通常の塗布法や、インクジェット法、スクリーン印刷法など各種印刷法等の湿式成膜法や、真空蒸着法などの乾式成膜法で形成することができる。
塗布法の場合は、正孔輸送材料を1種または2種以上を、必要により正孔のトラップにならないバインダー樹脂や塗布性改良剤などの添加剤を添加し、適当な溶剤に溶解して塗布溶液を調製し、スピンコート法などの方法により陽極2上に塗布し、乾燥して正孔輸送層4を形成する。バインダー樹脂としては、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル等が挙げられる。バインダー樹脂は添加量が多いと正孔移動度を低下させるので、少ない方が望ましく、通常、50重量%以下が好ましい。
真空蒸着法の場合には、正孔輸送材料を真空容器内に設置されたルツボに入れ、真空容器内を適当な真空ポンプで10-4Pa程度にまで排気した後、ルツボを加熱して、正孔輸送材料を蒸発させ、ルツボと向かい合って置かれた、陽極2が形成された基板1上に正孔輸送層4を形成させる。
正孔輸送層4の膜厚は、通常5nm以上、好ましくは10nm以上であり、また通常3
00nm以下、好ましくは100nm以下である。この様に薄い膜を一様に形成するためには、一般に真空蒸着法がよく用いられる。
図1に示す素子において、正孔輸送層4の上には発光層5が設けられる。発光層5は、電界を与えられた電極間において、陽極から注入されて正孔輸送層を移動する正孔と、陰極から注入されて正孔阻止層6を移動する電子との再結合により励起されて強い発光を示す発光性化合物より形成される。本発明では、異なる2種類以上の電荷輸送性化合物からなるホスト材料と、周期律表第7〜11族から選ばれる少なくとも1つの金属を含む有機金属錯体からなるドーパント材料で形成される。
発光層には、前述の通り、本発明の発光層形成材料が使用されたものであってもよく、異なる2種類以上の電荷輸送性化合物からなるホスト材料と、周期律表第7〜11族から選ばれる少なくとも1つの金属を含む有機金属錯体からなるドーパント材料を含んでいれば、本発明の効果を奏することができる。
具体的には前述のとおり、少なくとも1つは電子輸送性を有する材料であり、少なくとも1つは正孔輸送性を有する材料である。好ましくは、それぞれピリジン環を有する化合物、カルバゾール環を有する化合物であり、更に好ましくは、それぞれ一般式(1)で示される化合物、一般式(2)で示される化合物である。
尚、その他、本発明の異なる2種類以上の電荷輸送性化合物からなるホスト材料と、周期律表第7〜11族から選ばれる少なくとも1つの金属を含む有機金属錯体からなるドーパント材料で形成される発光層に使用される、異なる2種類以上の電荷輸送性化合物と周期律表第7〜11族から選ばれる少なくとも1つの金属を含む有機金属錯体の詳細については、前述の発光層形成材料と同様である。
発光層5に用いられる発光性化合物としては、安定な薄膜形状を有し、固体状態で高い発光(蛍光または燐光)量子収率を示し、正孔および/または電子を効率よく輸送することができる化合物であることが必要である。さらに電気化学的かつ化学的に安定であり、トラップとなる不純物が製造時や使用時に発生しにくい化合物であることが要求される。
発光層5の膜厚は、通常3nm以上、好ましくは5nm以上であり、また通常200nm以下、好ましくは100nm以下である。
発光層も正孔輸送層と同様の方法で形成することができる。上述の蛍光色素および/または燐光色素(燐光性ドーパント材料)を発光層のホスト材料にドープする方法を以下に説明する。
塗布の場合は、前記発光層ホスト材料と、ドープ用色素、さらに必要により、電子のトラップや発光の消光剤とならないバインダー樹脂や、レベリング剤等の塗布性改良剤などの添加剤を添加し溶解した塗布溶液を調整し、スピンコート法などの方法により正孔輸送層4上に塗布し、乾燥して発光層5を形成する。バインダー樹脂としては、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル等が挙げられる。バインダー樹脂は添加量が多いと正孔/電子移動度を低下させるので、少ない方が望ましく、50重量%以下が好ましい。
真空蒸着法の場合には、前記ホスト材料(電荷輸送性化合物2種類以上)を真空容器内に設置された別々のるつぼに入れ、ドープする色素を別のるつぼに入れ、真空容器内を適当な真空ポンプで1.0×10-4Pa程度にまで排気した後、各々のるつぼを同時に加熱して蒸発させ、るつぼと向かい合って置かれた基板上に層を形成する。また、他の方法として、上記の材料を予め所定比で混合したものを同一のるつぼを用いて蒸発させてもよい。
上記各ドーパントが発光層中にドープされる場合、発光層の膜厚方向において均一にド
ープされるが、膜厚方向において濃度分布があっても構わない。例えば、正孔輸送層との界面近傍にのみドープしたり、逆に、正孔阻止層界面近傍にドープしてもよい。
また、ホスト材料についてもドーパント材料と同様、正孔輸送性化合物と電子輸送性化合物の混合比(配合比)を発光層の膜厚方向において均一にしても良いし、膜厚方向において混合比(配合比)分布があっても構わない。例えば、正孔輸送層との界面近傍において正孔輸送性化合物の割合を多くしたり、正孔阻止層との界面近傍において電子輸送性化合物の割合を多くしてもよい。
発光層も正孔輸送層と同様の方法で形成することができるが、通常は真空蒸着法が用いられる。
なお発光層5は、本発明の性能を損なわない範囲で上記以外の成分を含んでいてもよい。 図1に示す素子において、正孔阻止層6は発光層5の上に、発光層5の陰極側の界面に接するように積層される。
正孔阻止層は、正孔輸送層から移動してくる正孔を陰極に到達するのを阻止する役割と、陰極から注入された電子を効率よく発光層の方向に輸送することができる化合物より形成されることが好ましい。正孔阻止層を構成する材料に求められる物性としては、電子移動度が高く正孔移動度が低いことが必要とされる。正孔阻止層6は正孔と電子を発光層内に閉じこめて、発光効率を向上させる機能を有する。
このような条件を満たす正孔阻止材料として、好ましくは、下記一般式4で表わされる混合配位子錯体が挙げられる。
Figure 0004992183
一般式4中、R81〜R86は、それぞれ独立に、水素原子または任意の置換基を表わす。Q3はアルミニウム、ガリウム、インジウムから選ばれる金属原子を表わす。Y1は以下の一般式4−1、一般式4−2、一般式4−3のいずれかで表わされる基を表わす。
Figure 0004992183
Figure 0004992183
Figure 0004992183
上記一般式4−1、一般式4−2、及び一般式4−3中、Ar21〜Ar25は、置換基を有していても良い芳香族炭化水素環基または置換基を有していても良い芳香族複素環基を表わし、Y2はシリコンまたはゲルマニウムを表わす。
さらに、一般式4において、R81〜R86は各々独立に水素原子または任意の置換基を表す。具体例としては、水素原子;塩素、臭素等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ベンジル基等のアラルキル基;ビニル基等の炭素数2〜6のアルケニル基;シアノ基;アミノ基;アシル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基;カルボキシル基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアリールオキシ基;ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基等のアルキルアミノ基;ジベンジルアミノ基、ジフェネチルアミノ基などのアラルキルアミノ基;トリフルオロメチル基等のハロアルキル基;水酸基;フェニル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素環基;チエニル基、ピリジル基等の芳香族複素環基が挙げられる。
前記の芳香族炭化水素環基および芳香族複素環基はさらに置換基を有していてもよい。芳香族炭化水素環基および芳香族複素環基が有しうる置換基としては、例えば、フッ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ビニル基等の炭素数2〜6のアルケニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアリールオキシ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のアルキルアミノ基;アセチル基等のアシル基;トリフルオロメチル基等のハロアルキル基;シアノ基等が挙げられる。
中でも、R81〜R86として好ましくは水素原子、アルキル基、ハロゲン原子またはシアノ基が挙げられる。またR84としては、シアノ基が特に好ましい。
さらに、一般式4中、Ar21〜Ar25として、具体的には、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素環基またはチエニル基、ピリジル基等の芳香族複素環基が挙げられる。中でも5員環、6員環、5員環および/または6員環が2個または3個縮合したもの、あるいはこれらが直接結合で2個または3個結合したものが好ましい。芳香族炭化水素環基と芳香族複素環基では、芳香族炭化水素環基が好ましい。
なおAr21〜Ar25はさらに置換基を有していてもよい。Ar21〜Ar25が有しうる置換基としては、例えばR81〜R86が芳香族炭化水素環基または芳香族複素環基の場合に有しうる置換基として、前述したものと同様の基が挙げられる。
以下に、前記一般式4で表わされる化合物の好ましい具体例を以下に示すが、これらに限定するものではない。
Figure 0004992183
Figure 0004992183
また、正孔阻止材料としては、前記一般式4の混合配位子錯体の他に、以下の構造式で示される1,2,4−トリアゾール環残基を少なくとも1個有する化合物も用いることができる。
Figure 0004992183
上記構造式で表わされる1,2,4−トリアゾール環残基を少なくとも1個有する化合物の具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。なお、以下の構造式において、t−Bu−は3級ブチル基を表わし、Et−はエチル基を表わす。
Figure 0004992183
なお、上記構造式中には記載していないが、これらの1,2,4−トリアゾール環残基を少なくとも1個有する化合物におけるベンゼン環およびナフタレン環は、更に置換基を有していても良い。その置換基としては、例えば一般式4におけるR81〜R86が芳香族炭化水素環基または芳香族複素環基である場合に有しうる置換基として、前述したものと同様の基が挙げられる。
さらに、正孔阻止材料として、以下の構造式で示されるフェナントロリン環を少なくとも1個有する化合物も用いることができる。
Figure 0004992183
上記構造式で表わされるフェナントロリン環を少なくとも1個有する化合物の具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 0004992183
これらのフェナントロリン環を少なくとも1個有する化合物についても、前記1,2,4−トリアゾール環残基を有する化合物の場合と同様、ベンゼン環およびナフタレン環は、更に置換基を有していても良い。その置換基としては、例えば一般式4におけるR11〜R16が芳香族炭化水素環基または芳香族複素環基である場合に有しうる置換基として、前述したものと同様の基が挙げられる。
また、正孔阻止材料として、一般式(1)で表されるピリジン環を有する化合物を用いることもできる。特に、一般式(1)で表されるピリジン環を有する化合物はその励起三重項準位(T1)が高いため、励起子を発光層に閉じ込める効果が高く、発光効率の観点から正孔阻止層としてより好ましい。一般式(1)で表される化合物は正孔阻止層中に、単独で用いてもよいし、複数種併用してもよい。更に、本発明の化合物の性能を損なわない範囲で、公知の正孔阻止機能を有する化合物を併用してもよい。
本発明で用いられる正孔阻止層のイオン化ポテンシャルは発光層のイオン化ポテンシャルより0.1eV以上大きいことが好ましい。発光層がホスト材料とドーパント材料を含んでいる本発明の場合にはドーパント材料のイオン化ポテンシャルより0.1eV以上大きいことが好ましく、ホスト材料のイオン化ポテンシャルより0.1eV以上大きいことが、より好ましい。つまり発光層で用いる一般式(1)で表されるピリジン環を有する化合物を正孔阻止層で用いることも可能である。
イオン化ポテンシャルは物質のHOMO(最高被占分子軌道)レベルにある電子を真空準位に放出するのに必要なエネルギーで定義される。イオン化ポテンシャルは光電子分光法で直接定義されるか、電気化学的に測定した酸化電位を基準電極に対して補正しても求められる。後者の方法の場合、例えば飽和甘コウ電極(SCE)を基準電極として用いたとき、
イオン化ポテンシャル=酸化電位(vs.SCE)+4.3eV
で定義される。(“Molecular Semiconductors”,Springer−Verlag,1985年、98頁)。
さらに、本発明で用いられる正孔阻止層の電子親和力(EA)は、発光層の電子親和力(本発明の場合は発光層中のホスト材料のうち電子輸送性化合物の電子親和力)と比較して同等以上であることが好ましい。電子親和力もイオン化ポテンシャルと同様に真空準位を基準として、真空準位にある電子が物質のLUMO(最低空分子軌道)レベルに落ちて安定化するエネルギーで定義される。電子親和力は、上述のイオン化ポテンシャルから光学的バンドギャップを差し引いて求められるか、電気化学的な還元電位から下記の式で同様に求められる。
電子親和力=還元電位(vs.SCE)+4.3eV
従って、本発明で用いられる正孔阻止層は、酸化電位と還元電位をもちいて、
(正孔阻止材料の酸化電位)−(発光材料の酸化電位)≧0.1V
(正孔阻止材料の還元電位)≧(発光材料の還元電位)
と表現することも出来る。
さらに後述の電子輸送層を有する素子の場合には、正孔阻止層の電子親和力は電子輸送層の電子親和力と比較して同等以下であることが好ましい。
(電子輸送材料の還元電位)≧(正孔阻止材料の還元電位)≧(発光材料の還元電位)
正孔阻止層6の膜厚は、通常0.3以上、好ましくは0.5nm以上であり、また通常100nm以下、好ましくは50nm以下である。正孔阻止層も正孔輸送層と同様の方法で形成することができるが、通常は真空蒸着法が用いられる。
陰極8は、正孔阻止層6を介して発光層5に電子を注入する役割を果たす。陰極8として用いられる材料は、前記陽極2に使用される材料を用いることが可能であるが、効率よく電子注入を行なうには、仕事関数の低い金属が好ましく、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウム、銀等の適当な金属またはそれらの合金が用いられる。具体例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム−リチウム合金等の低仕事関数合金電極が挙げられる。さらに、陰極と発光層または電子輸送層の界面にLiF、MgF2、Li2O等の極薄絶縁膜(0.1〜5nm)を挿入することも、素子の効率を向上させる有効な方法である(Appl. Phys. Lett.,70巻,152頁,1997年;特開平10−74586号公報;IEEE Trans. Electron. Devices,44巻,1245頁,1997年)。陰極8の膜厚は通常、陽極2と同様である。低仕事関数金属から成る陰極を保護する目的で、この上にさらに、仕事関数が高く大気に対して安定な金属層を積層することは素子の安定性を増す。この目的のために、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、クロム、金、白金等の金属が使われる。
素子の発光効率をさらに向上させることを目的として、図2および図3に示すように、正孔阻止層6と陰極8の間に電子輸送層7が設けられていてもよい。電子輸送層7は、電界を与えられた電極間において陰極から注入された電子を効率よく正孔阻止層6の方向に輸送することができる化合物より形成される。
このような条件を満たす材料としては、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体な
どの金属錯体(特開昭59−194393号公報)、10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリンの金属錯体、オキサジアゾール誘導体、ジスチリルビフェニル誘導体、シロール誘導体、3−または5−ヒドロキシフラボン金属錯体、ベンズオキサゾール金属錯体、ベンゾチアゾール金属錯体、トリスベンズイミダゾリルベンゼン(米国特許第 5,645,948号)、キノキサリン化合物(特開平6−207169号公報)、フェナントロリン誘導体(特開平5−331459号公報)、2−t−ブチル−9,10−N,N’−ジシアノアントラキノンジイミン、n型水素化非晶質炭化シリコン、n型硫化亜鉛、n型セレン化亜鉛などが挙げられる。
また、上述のような電子輸送材料に、アルカリ金属をドープする(特開平10−270171号公報、特願2000−285656号、特願2000−285657号などに記載)ことにより、電子輸送性が向上するため好ましい。
電子輸送層7は、正孔輸送層4と同様にして塗布法あるいは真空蒸着法により正孔阻止層6上に積層することにより形成される。通常は、真空蒸着法が用いられる。
なお、本発明の化合物を、この電子輸送層7に使用しても良い。その場合、本発明の化合物のみを使用して電子輸送層7を形成しても良いし、前述した各種公知の材料と併用しても良い。
電子輸送層7に本発明の化合物を使用した場合、前述の正孔阻止層6にも本発明の化合物を使用しても良いし、また電子輸送層7のみに本発明の化合物を使用し、正孔阻止層6には、それ以外の、公知の正孔阻止材料を使用しても良い。
電子輸送層6の膜厚は、通常5nm以上、好ましくは10nm以上であり、また通常200nm以下、好ましくは100nm以下である。
電子輸送層7は、正孔輸送層4と同様にして塗布法あるいは真空蒸着法により正孔阻止層6上に積層することにより形成される。通常は、真空蒸着法が用いられる。
正孔注入の効率をさらに向上させ、かつ、有機層全体の陽極への付着力を改善させる目的で、正孔輸送層4と陽極2との間に陽極バッファ層3を挿入することも行われている(図3参照)。陽極バッファ層3を挿入することで、初期の素子の駆動電圧が下がると同時に、素子を定電流で連続駆動した時の電圧上昇も抑制される効果がある。陽極バッファ層に用いられる材料に要求される条件としては、陽極とのコンタクトがよく均一な薄膜が形成でき、熱的に安定、すなわち、融点及びガラス転移温度が高く、融点としては 300℃以上、ガラス転移温度としては 100℃以上であることが好ましい。さらに、イオン化ポテンシャルが低く陽極からの正孔注入が容易なこと、正孔移動度が大きいことが挙げられる。
この目的のために、陽極バッファ層3の材料として、これまでにポルフィリン誘導体やフタロシアニン化合物(特開昭63-295695号公報)、ヒドラゾン化合物、アルコキシ置換
の芳香族ジアミン誘導体、p-(9-アントリル)-N,N'-ジ-p-トリルアニリン、ポリチエニレ
ンビニレンやポリ-p-フェニレンビニレン、ポリアニリン(Appl. Phys. Lett.,64巻、1245頁,1994年)、ポリチオフェン(OpticalMaterials, 9巻、125頁、1998年)、スターバスト型芳香族トリアミン(特開平4-308688号公報)等の有機化合物や、スパッタ・カーボン膜(Synth.Met., 91巻、73頁、1997年)や、バナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、
モリブデン酸化物等の金属酸化物(J.Phys. D, 29巻、2750頁、1996年)が報告されてい
る。
また、正孔注入・輸送性の低分子有機化合物と電子受容性化合物を含有する層(特開平11−251067号公報、特開2000−159221号公報等に記載)や、芳香族アミノ基等を含有する非共役系高分子化合物に、必要に応じて電子受容性化合物をドープしてなる層(特開平11−135262号公報、特開平11−283750号公報、特開2
000−36390号公報、特開2000−150168号公報、特開平2001−223084号公報、およびWO97/33193号公報など)、またはポリチオフェン等の導電性ポリマーを含む層(特開平10−92584号公報)なども挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記陽極バッファ層材料としては、低分子・高分子いずれの化合物を用いることも可能である。
低分子化合物のうち、よく使用されるものとしては、ポルフィン化合物又はフタロシアニン化合物が挙げられる。これらの化合物は中心金属を有していても良いし、無金属のものでも良い。これらの化合物の好ましい例としては、以下の化合物が挙げられる:
ポルフィン、
5,10,15,20-テトラフェニル-21H,23H-ポルフィン、
5,10,15,20-テトラフェニル-21H,23H-ポルフィンコバルト(II)、
5,10,15,20-テトラフェニル-21H,23H-ポルフィン銅(II)、
5,10,15,20-テトラフェニル-21H,23H-ポルフィン亜鉛(II)、
5,10,15,20-テトラフェニル-21H,23H-ポルフィンバナジウム(IV)オキシド、
5,10,15,20-テトラ(4-ピリジル)-21H,23H-ポルフィン、
29H,31H-フタロシアニン、
銅(II)フタロシアニン、
亜鉛(II)フタロシアニン、
チタンフタロシアニンオキシド、
マグネシウムフタロシアニン、
鉛フタロシアニン、
銅(II)4,4'4'',4'''-テトラアザ-29H,31H-フタロシアニン
陽極バッファ層の場合も、正孔輸送層と同様にして薄膜形成可能であるが、無機物の場合には、さらに、スパッタ法や電子ビーム蒸着法、プラズマCVD法が用いられる。
以上の様にして形成される陽極バッファ層3の膜厚は、低分子化合物を用いて形成される場合、下限は通常3nm、好ましくは10nm程度であり、上限は通常100nm、好ましくは50nm程度である。
高分子化合物を用いる場合は、例えば、前記高分子化合物や電子受容性化合物、更に必要により正孔のトラップとならない、バインダー樹脂やレベリング剤等の塗布性改良剤などの添加剤を添加し溶解した塗布溶液を調製し、スプレー法、印刷法、スピンコート法、ディップコート法、ダイコート法などの通常のコーティング法や、インクジェット法等により陽極2上に塗布し、乾燥することにより陽極バッファ層3を薄膜形成することができる。バインダー樹脂としては、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル等が挙げられる。バインダー樹脂は該層中の含有量が多いと正孔移動度を低下させる虞があるので、少ない方が望ましく、陽極バッファ層3中の含有量で50重量%以下が好ましい。
また、フィルム、支持基板、ロール等の媒体に、前述の薄膜形成方法によって予め薄膜を形成しておき、媒体上の薄膜を、陽極2上に熱転写又は圧力転写することにより、薄膜形成することもできる。
以上のようにして、高分子化合物を用いて形成される陽極バッファ層3の、膜厚の下限は通常5nm、好ましくは10nm程度であり、上限は通常1000nm、好ましくは500nm程度である。
本発明の有機電界発光素子は、図1とは逆の構造、すなわち、基板上に陰極8、正孔阻止層6、発光層5、正孔輸送層4、陽極2の順に積層することも可能であり、既述したように少なくとも一方が透明性の高い2枚の基板の間に本発明の有機電界発光素子を設けることも可能である。同様に、図2または図3に示した前記各層構成とは逆の順に積層する
ことも可能である。また、図1〜3のいずれの層構成においても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述以外の任意の層を有していてもよく、また上記複数の層の機能を併有する層を設けることにより、層構成を簡略化する等、適宜変形を加えることが可能である。
或いはまた、トップエミッション構造や陰極・陽極共に透明電極を用いて透過型とすること、さらには、図1に示す層構成を複数段重ねた構造(発光ユニットを複数積層させた構造)とすることも可能である。その際には段間(発光ユニット間)の界面層(陽極がITO、陰極がAlの場合はその2層)の代わりに、例えばV2O5等を電荷発生層(CGL)とし
て用いると段間の障壁が少なくなり、発光効率・駆動電圧の観点からより好ましい。
本発明は、有機電界発光素子が、単一の素子、アレイ状に配置された構造からなる素子、陽極と陰極がX−Yマトリックス状に配置された構造のいずれにおいても適用することができる。
次に、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
(実施例1)
図3に示す構造を有する有機電界発光素子を以下の方法で作製した。
ガラス基板1の上にインジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜2を150nm堆積した
もの(スパッター成膜品;シート抵抗15Ω)を通常のフォトリソグラフィ技術と塩酸エッチングを用いて2mm幅のストライプにパターニングして陽極を形成した。パターン形成し
たITO基板を、アセトンによる超音波洗浄、純水による水洗、イソプロピルアルコールによる超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行った。
陽極バッファ層3の材料として、下記に示す構造式の芳香族アミノ基を有する非共役系高分子化合物(PB−1)
Figure 0004992183
を電子受容性化合物(A−1)
Figure 0004992183
と共に以下の条件でスピンコートした。
溶媒 安息香酸エチル
塗布液濃度 2[wt%]
PB−1:A−1 10:1
スピナ回転数 1500[rpm]
スピナ回転時間 30[秒]
乾燥条件 100℃1時間
上記のスピンコートにより膜厚30nmの均一な薄膜が形成された。
次に陽極バッファー層を成膜した基板を真空蒸着装置内に設置した。上記装置の粗排気を油回転ポンプにより行った後、装置内の真空度が1.4x10-4Pa以下になるまでクライオポンプを用いて排気した。上記装置内に配置されたセラミックるつぼに入れた、下記に示すアリールアミン化合物(H−1)
Figure 0004992183
をるつぼの周囲のタンタル線ヒーターで加熱して蒸着を行った。この時のるつぼの温度は、236〜261℃の範囲で制御した。蒸着時の真空度8.0x10-5Pa、蒸着速度は0.20nm/秒で膜厚60nmの正孔輸送層4を得た。
引続き、発光層5の主成分(ホスト材料)としてピリジン誘導体(EMP−1)およびカルバゾール誘導体(EMC−1)を、副成分(ドーパント)として有機イリジウム錯体(EMD−1)を別々のセラミックるつぼに設置し、3元同時蒸着法により成膜を行った。
Figure 0004992183
化合物(EMP−1)のるつぼ温度は 271〜 274℃、化合物(EMC−1)のるつぼ温度は285℃、化合物(EMD−1)のるつぼ温度は 235℃にそれぞれ制御し、EMP−1:
EMC−1:EMD−1=15:15:1.8の割合で発光層5を正孔輸送層4の上に積層した。蒸着時の真空度は7.3x10-5Paであった。
尚、このとき用いたホスト材料の励起三重項準位は、薄膜の燐光スペクトルの最もエネルギーの高い(波長の短い)ピーク波長(λT1[nm])からそれぞれ、
T1EMP-1=2.7eV
T1EMC-1=2.6eV
であった。
さらに、正孔阻止層6としてピリジン誘導体(EMP−1)
Figure 0004992183
をるつぼ温度を 286〜294℃として、蒸着速度0.15nm/秒で10nmの膜厚で積層した。蒸着時の真空度は6.6x10-5Paであった。
正孔阻止層6の上に、電子輸送層7として下記に示すアルミニウムの8−ヒドロキシキノリン錯体(ET−1)
Figure 0004992183
を同様にして蒸着した。この時のアルミニウムの8−ヒドロキシキノリン錯体のるつぼ温度は276〜 285℃の範囲で制御し、蒸着時の真空度は6.0x10-5Pa、蒸着速度は0.22nm/秒
で膜厚は35nmとした。
上記の正孔輸送層、発光層及び電子輸送層を真空蒸着する時の基板温度は室温に保持した。
ここで、電子輸送層6までの蒸着を行った素子を一度前記真空蒸着装置内より大気中に取り出して、陰極蒸着用のマスクとして2mm幅のストライプ状シャドーマスクを、陽極2
のITOストライプとは直交するように素子に密着させて、別の真空蒸着装置内に設置して有機層と同様にして装置内の真空度が2.0x10-6Torr(約2.7x10-4Pa)以下になるまで排気した。陰極8として、先ず、フッ化リチウム(LiF)をモリブデンボートを用いて、蒸
着速度0.01nm/秒、真空度2.1x10-6Torr(約2.8x10-4Pa)で、0.5nmの膜厚で電子輸送層
7の上に成膜した。次に、アルミニウムを同様にモリブデンボートにより加熱して、蒸着速度0.40nm/秒、真空度3.4x10-6〜9.0x10-6Torr(約4.5x10-4〜12.0x10-4Pa)で膜厚80nmのアルミニウム層を形成して陰極8を完成させた。以上の2層型陰極8の蒸着時の基板温度は室温に保持した。
以上の様にして、2mmx2mm のサイズの発光面積部分を有する有機電界発光素子が得られた。この素子の発光特性を表−1に示す。表−1において、最大発光輝度は電流密度0.25A/cm2での値、発光効率・輝度/電流・電圧は輝度100cd/m2での値を各々示す。素子の発光スペクトルの極大波長は 510nm、色度はCIE(x,y)=(0.29,0.61)であり、、化合物(EMD−1)からのものと同定された。
(比較例1)
発光層5の主成分(ホスト材料)としてカルバゾール誘導体(EMC−1)のみを用いた他は実施例1と同様にして素子を作製した。この素子の発光特性を表−1に示す。素子の発光スペクトルの極大波長は510nm、色度はCIE(x,y)=(0.28,0.61)であり、有機イリジ
ウム錯体(EMD−1)からのものと同定された。
(実施例2)
発光層5の副成分(ドーパント)として有機イリジウム錯体(EMD−1)の代わりに有機イリジウム錯体(EMD−2)を用いた他は実施例1と同様にして素子を作製した。この素子の発光特性を表−1に示す。素子の発光スペクトルの極大波長は624nm、色度はCIE(x,y)=(0.67,0.32)であり、有機イリジウム錯体(EMD−2)からのものと同定され
た。
Figure 0004992183
(比較例2)
発光層5の主成分(ホスト材料)としてカルバゾール誘導体(EMC−1)のみを用いた他は実施例2と同様にして素子を作製した。この素子の発光特性を表−1に示す。素子の発光スペクトルの極大波長は624nm、色度はCIE(x,y)=(0.67,0.32)であり、有機イリジ
ウム錯体(EMD−2)からのものと同定された。
(実施例3)
発光層5の主成分(ホスト材料)としてカルバゾール誘導体(EMC−1)の代わりにカルバゾール誘導体(EMC−2)を用いた他は実施例2と同様にして素子を作製した。この素子の発光特性を表−1に示す。素子の発光スペクトルの極大波長は624nm、色度はCIE(x,y)=(0.67,0.32)であり、有機イリジウム錯体(EMD−2)からのものと同定され
た。
Figure 0004992183
尚、このとき用いたカルバゾール誘導体(EMC−2)の励起三重項準位は、薄膜の燐光スペクトルの最もエネルギーの高い(波長の短い)ピーク波長(λT1[nm])から、
T1EMC-2=2.9eV
であった。
(比較例3)
発光層5の主成分(ホスト材料)としてカルバゾール誘導体(EMC−2)のみを用いた他は実施例3と同様にして素子を作製した。この素子の発光特性を表−1に示す。素子の発光スペクトルの極大波長は624nm、色度はCIE(x,y)=(0.67,0.33)であり、有機イリジ
ウム錯体(EMD−2)からのものと同定された。
(実施例4)
発光層5の副成分(ドーパント)として有機イリジウム錯体(EMD−1)の代わりに有機イリジウム錯体(EMD−3)を用いた他は実施例1と同様にして素子を作製した。この素子の発光特性を表−1に示す。素子の発光スペクトルの極大波長は483nm、色度はCIE(x,y)=(0.17,0.38)であり、有機イリジウム錯体(EMD−3)からのものと同定され
た。
Figure 0004992183
(比較例4)
発光層5の主成分(ホスト材料)としてピリジン誘導体(EMP−1)のみを用いた他は実施例4と同様にして素子を作製した。この素子の発光特性を表−1に示す。素子の発光スペクトルの極大波長は484nm、色度はCIE(x,y)=(0.17,0.38)であり、有機イリジウム
錯体(EMD−3)からのものと同定された。
Figure 0004992183
(駆動寿命試験)
実施例1〜4、比較例1〜4で作製した素子を、下記条件の下、駆動寿命試験を行った。
温度 室温
駆動方式 直流駆動(DC駆動)
定電流で連続発光させ、輝度が2割減少(L/L0=0.8)または5割減少(L/L0=0.5)するまでの時間を比較した。それぞれ比較例素子の時間を1.00とした場合の実施例の相対時間を表−2に示す。実施例の方が比較例よりも寿命(輝度が5割減少するまでの時間)が長く、異なる2種以上の電荷輸送性化合物からなる混合ホストを用いることにより、長寿命の有機燐光素子が実現された。
Figure 0004992183
(実施例5)
発光層5の主成分(ホスト材料)としてピリジン誘導体(EMP−1)およびカルバゾール誘導体(EMC−1)を用いる代わりに、ピリジン誘導体(EMP−2)およびカルバゾール誘導体(EMC−1)を用い、正孔阻止層6としてピリジン誘導体(EMP−1)を用いる代わりにピリジン誘導体(EMP−2)を用いた他は実施例1と同様にして素子を作製した。この素子の発光特性を表−3に示す。素子の発光スペクトルの極大波長は510nm、色度はCIE(x,y)=(0.28,0.61)であり、有機イリジウム錯体(EMD−1)からのものと同定された。
Figure 0004992183
(比較例5)
発光層5の主成分(ホスト材料)としてカルバゾール誘導体(EMC−1)のみを用いた他は実施例5と同様にして素子を作製した。この素子の発光特性を表−3に示す。素子の発光スペクトルの極大波長は510nm、色度はCIE(x,y)=(0.28,0.61)であり、有機イリジ
ウム錯体(EMD−1)からのものと同定された。
Figure 0004992183
(駆動寿命試験)
実施例5および比較例5で作製した素子を、下記条件の下、駆動寿命試験を行った。
温度 室温
駆動方式 直流駆動(DC駆動)
定電流で連続発光させ、輝度が4割減少(L/L0=0.6)するまでの時間を比較した。それぞれ比較例5の素子の時間を1.00とした場合の実施例5の素子の相対時間を表−4に示す。実施例の方が比較例よりも寿命(輝度が一定輝度まで減少する時間)が長く、特定の異なる2種以上の電荷輸送性化合物からなる混合ホストを用いることにより、長寿命の有機燐光素子が実現された。
Figure 0004992183
(実施例6)
発光層5の主成分(ホスト材料)としてピリジン誘導体(EMP−1)およびカルバゾール誘導体(EMC−1)を用いる代わりに、ピリジン誘導体(EMP−1)およびカルバゾール誘導体(EMC−3)を用いた他は実施例1と同様にして素子を作製した。この素子の発光特性を表−5に示す。素子の発光スペクトルの極大波長は513nm、色度はCIE(x,y)=(0.29,0.61)であり、有機イリジウム錯体(EMD−1)からのものと同定された。
Figure 0004992183
(比較例6)
発光層5の主成分(ホスト材料)としてカルバゾール誘導体(EMC−3)のみを用いた他は実施例6と同様にして素子を作製した。この素子の発光特性を表−5に示す。素子の発光スペクトルの極大波長は513nm、色度はCIE(x,y)=(0.29,0.63)であり、有機イリジ
ウム錯体(EMD−1)からのものと同定された。
(実施例7)
発光層5の主成分(ホスト材料)としてピリジン誘導体(EMP−1)およびカルバゾール誘導体(EMC−1)を用いる代わりに、ピリジン誘導体(EMP−1)およびカルバゾール誘導体(EMC−4)を用いた他は実施例1と同様にして素子を作製した。この素子の発光特性を表−5に示す。素子の発光スペクトルの極大波長は513nm、色度はCIE(x,y)=(0.30,0.62)であり、有機イリジウム錯体(EMD−1)からのものと同定された。
Figure 0004992183
(比較例7)
発光層5の主成分(ホスト材料)としてカルバゾール誘導体(EMC−4)のみを用いた他は実施例7と同様にして素子を作製した。この素子の発光特性を表−5に示す。素子の発光スペクトルの極大波長は514nm、色度はCIE(x,y)=(0.31,0.62)であり、有機イリジ
ウム錯体(EMD−1)からのものと同定された。
Figure 0004992183
(駆動寿命試験)
実施例6〜7、比較例6〜7で作製した素子を、下記条件の下、駆動寿命試験を行った。
温度 室温
駆動方式 直流駆動(DC駆動)
定電流で連続発光させ、輝度が4割減少(L/L0=0.6)または5割減少(L/L0=0.5)するまでの時間を比較した。それぞれ比較例6の素子および比較例7の素子の時間を1.00とした場合の実施例6の素子および実施例7の素子の相対時間を表−6に示す。実施例の方が比較例よりも寿命(輝度が一定輝度まで減少する時間)が長く、特定の異なる2種以上の電荷輸送性化合物からなる混合ホストを用いることにより、長寿命の有機燐光素子が実現された。
Figure 0004992183
(実施例8)
発光層5の主成分(ホスト材料)としてピリジン誘導体(EMP−1)およびカルバゾール誘導体(EMC−1)の混合比を15:15とする代わりに、10:20とした他は実施例1と同様にして素子を作製した。この素子の発光特性を表−7に示す。素子の発光スペクトルの極大波長は512nm、色度はCIE(x,y)=(0.29,0.62)であり、有機イリジウム錯体(EMD−1)からのものと同定された。
(実施例9)
発光層5の主成分(ホスト材料)としてピリジン誘導体(EMP−1)およびカルバゾール誘導体(EMC−1)の混合比を15:15とする代わりに、20:10とした他は実施例1と同様にして素子を作製した。この素子の発光特性を表−7に示す。素子の発光スペクトルの極大波長は512nm、色度はCIE(x,y)=(0.30,0.62)であり、有機イリジウム錯体(EMD−1)からのものと同定された。
(実施例10)
発光層5の主成分(ホスト材料)としてピリジン誘導体(EMP−1)およびカルバゾール誘導体(EMC−1)の混合比を15:15とする代わりに、3:27とした他は実施例1と同様にして素子を作製した。この素子の発光特性を表−7に示す。素子の発光スペクトルの極大波長は512nm、色度はCIE(x,y)=(0.29,0.62)であり、有機イリジウム錯体(EMD−1)からのものと同定された。
(比較例8)
発光層5の主成分(ホスト材料)としてカルバゾール誘導体(EMC−1)のみを用いた他は実施例10と同様にして素子を作製した。この素子の発光特性を表−7に示す。素子の発光スペクトルの極大波長は513nm、色度はCIE(x,y)=(0.30,0.62)であり、有機イリ
ジウム錯体(EMD−1)からのものと同定された。
Figure 0004992183
(駆動寿命試験)
実施例8〜10、比較例8で作製した素子を、下記条件の下、駆動寿命試験を行った。
温度 室温
駆動方式 直流駆動(DC駆動)
定電流で連続発光させ、輝度が5割減少(L/L0=0.5)するまでの時間を表−8に示す。実施例の方が比較例よりも寿命(輝度が一定輝度まで減少する時間)が長く、特定の異なる2種以上の電荷輸送性化合物からなる混合ホストを用いることにより、長寿命の有機燐光素子が実現された。混合による長寿命化の効果が現れる混合比の範囲は広く、EMP−1:EMC−1=3:27(実施例10)のようにEMP−1を少量混合することでも、効果的に長寿命が実現される。
Figure 0004992183
有機電界発光素子の一例を示した模式断面図。 有機電界発光素子の別の例を示した模式断面図。 有機電界発光素子の別の例を示した模式断面図。
符号の説明
1 基板
2 陽極
3 陽極バッファ層
4 正孔輸送層
5 発光層
6 正孔阻止層
7 電子輸送層
8 陰極

Claims (10)

  1. 異なる2種類以上の電荷輸送性化合物からなるホスト材料と、周期律表第7〜11族から選ばれる少なくとも1つの金属を含む有機金属錯体からなるドーパント材料を組み合わせてなる、発光層形成材料において、
    該異なる2種類以上の電荷輸送性化合物の少なくとも1つが、下記一般式(1)で示される化合物であり、
    Figure 0004992183
    (一般式(1)中、
    1〜R3は、各々独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいヘテロアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニルオキシ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、シアノ基、水酸基、メルカプト基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいシリル基、置換基を有していてもよいボリル基、置換基を有していてもよいホスフィノ基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基または置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、これらが有しうる置換基は、アルキル基、芳香族炭化水素基、またはアルキル置換芳香族炭化水素基である。ピリジン環の3位、5位は、アルキル基、芳香族炭化水素基、またはアルキル置換芳香族炭化水素基で置換されていてもよい。
    nは、1〜8の整数である。
    nが1の時の、Q1は、ピリジン環の置換基或いは水素原子である。
    nが2以上の時の、Q1は、n価の連結基であり、直接結合、置換基を有していてもよい
    アルケン基、置換基を有していてもよいアルキン基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基または置換基を有していてもよい芳香族複素環基、或いは、これらが2つ以上連結してなる基を表し、これらが有しうる置換基は、水素原子、メチル基、またはフェニル
    基である。
    1は、ピリジン環の2〜6位のいずれか1つと直接結合する。但し、Q1が、ピリジン環の2,4,6位のいずれかに結合する場合は、その結合位置にあるR1〜Rのいずれか
    がQ1となる。
    nが2以上の時、化合物中に複数個含まれるR1〜R3は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
    また、nが2以上の時、ピリジン環がQ1と結合する位置は、それぞれ同一の位置であっ
    ても異なっていてもよい。)
    また、該異なる2種類以上の電荷輸送性化合物の少なくとも他の1つが、下記一般式(2)で示される化合物であり、
    Figure 0004992183
    (一般式(2)中、
    は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいヘテロアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニルオキシ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、シアノ基、水酸基、メルカプト基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいシリル基、置換基を有していてもよいボリル基、置換基を有していてもよいホスフィノ基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基または置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、これらが有しうる置換基は、アルキル基、芳香族炭化水素基、またはアルキル置換芳香族炭化水素基である。
    カルバゾール環は、R以外にも芳香族炭化水素基或いは芳香族複素環基で置換されていても良い。
    mは、1〜6の整数である。
    mが1の時の、Qは、カルバゾール環の置換基或いは水素原子である。
    mが2以上の時の、Qは、m価の連結基であり、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアルケン基、置換基を有していてもよいアルキン基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基または置換基を有していてもよい芳香族複素環基、或いは、これらが2つ以上連結してなる基を表し、これらが有しうる置換基は、水素原子、メチル基、またはフェニル基である。
    は、カルバゾール環の1〜9位のいずれか1つと直接結合する。但し、Qが、カルバゾール環の9位に結合する場合は、RがQとなる。
    mが2以上の時の、化合物中に複数個含まれるRは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
    また、mが2以上の時、カルバゾール環がQと結合する位置は、それぞれ同一の位置であっても異なっていてもよい。)
    また、前記一般式(1)又は(2)で表される化合物について、5〜10Kに冷却して測定した燐光スペクトルの最もエネルギーの高い(波長の短い)ピーク波長(λT1[nm])を用いて、以下の関係式から求めた励起三重項準位(T1)が、2.2eV以上であることを特徴とする、発光層形成材料。
    T1[eV]=1240/λT1[nm]
  2. 前記一般式(2)で示される化合物について、mが1の時の、Q2は、カルバゾール環
    の置換基或いは水素原子であり、mが2以上の時の、Q2は、m価の連結基であり、置換
    基を有していてもよいアミノ基または置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、或いは、これらが2つ以上連結してなる基を表し、これらが有しうる置換基は、水素原子、メチル基、またはフェニル基であることを特徴とする、請求項1記載の発光層形成材料。
  3. 前記一般式(2)で示される化合物について、Rが置換基を有していてもよいアルキル基、または置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、或いはQ2を表し、これらが
    有しうる置換基は、アルキル基、芳香族炭化水素基、またはアルキル置換芳香族炭化水素基であり、mが2以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の発光層形成材料。
  4. 前記一般式(1)で示される化合物について、R1〜R3が、各々独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、または置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表し、これらが有しうる置換基は、アルキル基、芳香族炭化水素基、またはアルキル置換芳香族炭化水素基であり、nが2以上8以下であり、Q1が置換基を有していてもよい芳香族炭化
    水素基であり、これらが有しうる置換基は、水素原子、メチル基、またはフェニル基であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発光層形成材料。
  5. 周期律表第7〜11族から選ばれる少なくとも1つの金属が、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、および金から選ばれることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発光層形成材料。
  6. 基板上に、少なくとも、陽極、陰極およびこれら両極間に設けられた発光層を有する有機電界発光素子において、
    該発光層が、請求項1〜5のいずれか一項に記載の発光層形成材料を使用して形成されたものであることを特徴とする、有機電界発光素子。
  7. 該発光層と陰極との間に、電子輸送層を有することを特徴とする、請求項6に記載の有機電界発光素子。
  8. 該発光層の陰極側界面に接して、正孔阻止層を有することを特徴とする、請求項又は7に記載の有機電界発光素子。
  9. 該正孔阻止層が、前記一般式(1)で示される電荷輸送性化合物を含有する、請求項8に記載の有機電界発光素子。
  10. 前記発光層と陽極との間に、正孔輸送層を有することを特徴とする、請求項6〜9のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
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