JP6694830B2 - 化合物、組成物、有機エレクトロルミネッセンス素子、および電子機器 - Google Patents

化合物、組成物、有機エレクトロルミネッセンス素子、および電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、化合物、組成物、有機エレクトロルミネッセンス素子、および電子機器に関する。
有機物質を使用した有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」と略記する場合がある。)は、固体発光型の安価な大面積フルカラー表示素子としての用途が有望視され、多くの開発が行われている。一般に有機EL素子は、発光層および該発光層を挟んだ一対の対向電極から構成されている。両電極間に電界が印加されると、陰極側から電子が注入され、陽極側から正孔が注入される。さらに、この電子が発光層において正孔と再結合し、励起状態を生成し、励起状態が基底状態に戻る際にエネルギーを光として放出する。
近年の有機EL素子においては、素子性能向上のため、有機層の形成に用いる化合物が種々検討されている(特許文献1〜5)。
国際公開第2012/079678号 国際公開第2013/137001号 特開2000−186066号公報 特開2006−352045号公報 国際公開第2011/108902号
しかしながら、有機層の形成に用いる化合物の可溶性および耐熱性は、いまだ十分ではなかった。
本発明は、可溶性および耐熱性を向上させることのできる化合物を提供することを目的とする。また、本発明は、当該化合物を含む組成物を提供すること、当該化合物を含む有機エレクトロルミネッセンス素子を提供すること、および当該有機エレクトロルミネッセンス素子を備える電子機器を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る化合物は、下記一般式(1)で表される第一の構造と、下記一般式(2)で表される第二の構造と、を有し、下記一般式(3)で表される第三の構造を有していてもよく、前記第一の構造、前記第二の構造、および前記第三の構造は、それぞれ、分子中に互いに独立して含まれ、さらに、下記一般式(4)で表される第四の部分構造を有し、前記第四の部分構造は、前記第一の構造中に含まれるか、または前記第一の構造、前記第二の構造および前記第三の構造のうち少なくともいずれかの構造と結合する。
(前記一般式(1)において、
11〜X16は、それぞれ独立に、
と結合する炭素原子、
窒素原子、または
分子中の前記第二の構造、前記第三の構造、および前記第四の部分構造の少なくともいずれかに含まれる原子と結合する炭素原子であり、
11〜X16のうち少なくともいずれかが窒素原子であり、
は、水素原子、または置換基であり、
複数のRは、互いに同一でも異なっていてもよく、
複数のR同士は、互いに結合して環構造を形成していてもよい。)
(前記一般式(2)において、
は、Rと結合する炭素原子、またはXと結合する炭素原子であり、
は、Rと結合する炭素原子、またはXと結合する炭素原子であり、
は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、またはRおよびRと結合する炭素原子であり、
およびRは、それぞれ独立に、水素原子、または置換基であり、
における窒素原子は、
と結合するか、
Lと結合するか、または
分子中の前記第一の構造、前記第三の構造、および前記第四の部分構造の少なくともいずれかに含まれる原子と結合し、
は、Rと結合する炭素原子、またはXと結合する炭素原子であり、
は、Rと結合する炭素原子、またはXと結合する炭素原子であり、
ただし、XおよびXの組み合せ、並びにXおよびXの組み合せの少なくともいずれかは、互いに結合する炭素原子の組み合せであり、
Lは、
単結合、または
置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基であり、
Lは、Y〜Yのいずれかと結合するか、Xと結合するか、RもしくはRと結合するか、前記第一の構造、前記第三の構造、および前記第四の部分構造の少なくともいずれかに含まれる原子と結合するか、または置換基と結合し、
置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基としてのLは、YまたはY16と結合して環構造を形成していてもよく、
〜Yは、それぞれ独立に、
と結合する炭素原子、
Lと結合する炭素原子、
〜Y16のいずれかと結合する炭素原子、または
分子中の前記第一の構造、前記第三の構造、および前記第四の部分構造の少なくともいずれかに含まれる原子と結合する炭素原子であり、
〜Y16は、それぞれ独立に、
と結合する炭素原子、
〜Yのいずれかと結合する炭素原子、または
分子中の前記第一の構造、前記第三の構造、および前記第四の部分構造の少なくともいずれかに含まれる原子と結合する炭素原子であり、
またはY16は、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基としてのLと結合して環構造を形成していてもよく、
〜R、R、およびRは、それぞれ独立に、水素原子、または置換基であり、
複数のRは、互いに同一でも異なっていてもよく、
複数のRは、互いに同一でも異なっていてもよく、
mは、分子中の前記第二の構造の数であって、1以上の整数であり、
pは、1以上3以下の整数である。)
(前記一般式(3)において、
は、
と結合する窒素原子、または
分子中の前記第一の構造、前記第二の構造、および前記第四の部分構造の少なくともいずれかに含まれる原子と結合する窒素原子であり、
は、水素原子、または置換基であり、
〜Zは、それぞれ独立に、
10と結合する炭素原子、または
分子中の前記第一の構造、前記第二の構造、および前記第四の部分構造の少なくともいずれかに含まれる原子と結合する炭素原子であり、
10は、水素原子、または置換基であり、
複数のR10は、互いに同一でも異なっていてもよく、
nは、分子中の前記第三の構造の数であって、0または1以上の整数である。
m+nは、2以上の整数である。)
(前記一般式(4)において、
およびXは、それぞれ独立に、
11と結合する炭素原子、
窒素原子、または
分子中の前記第一の構造、前記第二の構造、および前記第三の構造の少なくともいずれかに含まれる原子と結合する炭素原子であり、
11は、水素原子、または置換基であり、
Ar〜Arは、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、
置換もしくは無置換の複素環基、
前記一般式(1)で表される第一の構造、
分子中の前記第一の構造、前記第二の構造、および前記第三の構造の少なくともいずれかに含まれる原子と結合する置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、または
分子中の前記第一の構造、前記第二の構造、および前記第三の構造の少なくともいずれかに含まれる原子と結合する置換もしくは無置換の複素環基である。)
本発明の一態様に係る組成物は、前述の本発明の一態様に係る化合物と、溶媒と、を含む。
本発明の一態様に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、陽極と、有機層と、陰極と、を含み、前記有機層は、前述の本発明の一態様に係る化合物を含む。
本発明の一態様に係る電子機器は、前述の本発明の一態様に係る有機エレクトロルミネッセンス素子を備える。
本発明の一態様によれば、可溶性および耐熱性を向上させることのできる化合物を提供することができる。また、本発明によれば、当該化合物を含む組成物を提供すること、当該化合物を含む有機エレクトロルミネッセンス素子を提供すること、および当該有機エレクトロルミネッセンス素子を備える電子機器を提供することができる。
一実施形態に係る有機EL素子の一例の概略構成を示す図である。
〔化合物〕
本実施形態に係る化合物は、下記一般式(1)で表される第一の構造と、下記一般式(2)で表される第二の構造と、を有し、下記一般式(3)で表される第三の構造を有していてもよく、前記第一の構造、前記第二の構造、および前記第三の構造は、それぞれ、分子中に互いに独立して含まれ、さらに、下記一般式(4)で表される第四の部分構造を有し、前記第四の部分構造は、前記第一の構造中に含まれるか、または前記第一の構造、前記第二の構造および前記第三の構造のうち少なくともいずれかの構造と結合する。
前記一般式(1)において、
11〜X16は、それぞれ独立に、
と結合する炭素原子、
窒素原子、または
分子中の前記第二の構造、前記第三の構造、および前記第四の部分構造の少なくともいずれかに含まれる原子と結合する炭素原子であり、
11〜X16のうち少なくともいずれかが窒素原子であり、
は、水素原子、または置換基であり、
複数のRは、互いに同一でも異なっていてもよく、
複数のR同士は、互いに結合して環構造を形成していてもよい。
前記一般式(2)において、
は、Rと結合する炭素原子、またはXと結合する炭素原子であり、
は、Rと結合する炭素原子、またはXと結合する炭素原子であり、
は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、またはRおよびRと結合する炭素原子であり、
およびRは、それぞれ独立に、水素原子、または置換基であり、
における窒素原子は、
と結合するか、
Lと結合するか、または
分子中の前記第一の構造、前記第三の構造、および前記第四の部分構造の少なくともいずれかに含まれる原子と結合し、
は、Rと結合する炭素原子、またはXと結合する炭素原子であり、
は、Rと結合する炭素原子、またはXと結合する炭素原子であり、
ただし、XおよびXの組み合せ、並びにXおよびXの組み合せの少なくともいずれかは、互いに結合する炭素原子の組み合せであり、
Lは、
単結合、または
置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基であり、
Lは、Y〜Yのいずれかと結合するか、Xと結合するか、RもしくはRと結合するか、前記第一の構造、前記第三の構造、および前記第四の部分構造の少なくともいずれかに含まれる原子と結合するか、または置換基と結合し、
置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基としてのLは、YまたはY16と結合して環構造を形成していてもよく、
〜Yは、それぞれ独立に、
と結合する炭素原子、
Lと結合する炭素原子、
〜Y16のいずれかと結合する炭素原子、または
分子中の前記第一の構造、前記第三の構造、および前記第四の部分構造の少なくともいずれかに含まれる原子と結合する炭素原子であり、
〜Y16は、それぞれ独立に、
と結合する炭素原子、
〜Yのいずれかと結合する炭素原子、または
分子中の前記第一の構造、前記第三の構造、および前記第四の部分構造の少なくともいずれかに含まれる原子と結合する炭素原子であり、
またはY16は、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基としてのLと結合して環構造を形成していてもよく、
〜R、R、およびRは、それぞれ独立に、水素原子、または置換基であり、
複数のRは、互いに同一でも異なっていてもよく、
複数のRは、互いに同一でも異なっていてもよく、
mは、分子中の前記第二の構造の数であって、1以上の整数であり、
pは、1以上3以下の整数である。
mが2以上の整数の場合、複数の第二の構造は、互いに同一でも異なっていてもよい。また、mが2以上の整数の場合、複数の第二の構造は、それぞれ独立に、第一の構造、第三の構造、および第四の部分構造のいずれかと結合する。複数の第二の構造は、それぞれが第一の構造と結合していることが好ましい。
前記一般式(3)において、
は、
と結合する窒素原子、または
分子中の前記第一の構造、前記第二の構造、および前記第四の部分構造の少なくともいずれかに含まれる原子と結合する窒素原子であり、
は、水素原子、または置換基であり、
〜Zは、それぞれ独立に、
10と結合する炭素原子、または
分子中の前記第一の構造、前記第二の構造、および前記第四の部分構造の少なくともいずれかに含まれる原子と結合する炭素原子であり、
10は、水素原子、または置換基であり、
複数のR10は、互いに同一でも異なっていてもよく、
nは、分子中の前記第三の構造の数であって、0または1以上の整数である。
m+nは、2以上の整数である。
前記一般式(4)において、
およびXは、それぞれ独立に、
11と結合する炭素原子、
窒素原子、または
分子中の前記第一の構造、前記第二の構造、および前記第三の構造の少なくともいずれかに含まれる原子と結合する炭素原子であり、
11は、水素原子、または置換基であり、
Ar〜Arは、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、
置換もしくは無置換の複素環基、
前記一般式(1)で表される第一の構造、
分子中の前記第一の構造、前記第二の構造、および前記第三の構造の少なくともいずれかに含まれる原子と結合する置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、または
分子中の前記第一の構造、前記第二の構造、および前記第三の構造の少なくともいずれかに含まれる原子と結合する置換もしくは無置換の複素環基である。
本実施形態に係る化合物は、下記式に示すように、前記一般式(1)で表される第一の構造が、前記一般式(4)で表される第四の部分構造を含んでいてもよい。
前記式において、X〜X、X〜X、X11〜X16、Y〜Y16、Z〜Z、Ar〜Ar、L、m、n、およびpは、前記一般式(1)におけるX11〜X16、前記一般式(2)におけるX〜X、Y〜Y16、L、m、およびp、前記一般式(3)におけるX、Z〜Z、およびn、並びに前記一般式(4)におけるX〜X、およびAr〜Arと、それぞれ同義である。
この場合、前記一般式(4)のXおよびXを含む6員環が、前記一般式(1)のX11〜X16を含む6員環であることが好ましく、
11は、Arと結合する炭素原子であることが好ましく、
12は、Arと結合する炭素原子であることが好ましく、
13は、Xであることが好ましく、
14は、Arと結合する炭素原子であることが好ましく、
15は、Xであることが好ましく、
16は、Arと結合する炭素原子であることが好ましい。
すなわち、前記第一の構造は、下記一般式(11)に示される構造であることが好ましい。
前記一般式(11)において、X11〜X16およびAr〜Arは、前記一般式(1)におけるX11〜X16および前記一般式(4)におけるAr〜Arと、それぞれ同義である。
前記一般式(11)において、
であるX15およびXであるX13のうち少なくともいずれかが窒素原子であることが好ましい。
前記一般式(11)において、X13およびX15は、窒素原子であることが好ましい。
前記一般式(11)で表される構造としては、例えば、下記の構造が挙げられる。
前記一般式(11)において、
Ar〜Arのうち少なくとも2つは、
分子中の前記第二の構造、および前記第三の構造の少なくともいずれかに含まれる原子と結合する置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、または
分子中の前記第二の構造、および前記第三の構造の少なくともいずれかに含まれる原子と結合する置換もしくは無置換の複素環基であることが好ましい。
前記第一の構造は、前記第四の部分構造を含み、
前記一般式(1)で表される構造は、前記一般式(4)のAr〜Arのうち少なくともいずれかであることも好ましい。
すなわち、前記第一の構造は、下記一般式(141)〜(143)のいずれかで表されることが好ましい。
前記一般式(141)〜(143)において、X〜X、およびX12〜X16は、前記一般式(1)におけるX12〜X16、および前記一般式(4)におけるX〜Xと、それぞれ同様であり、X11は、前記第四の部分構造と結合する炭素原子である。
前記一般式(141)において、Ar〜Arは、前記一般式(4)におけるAr〜Arと、それぞれ同義である。
前記一般式(142)において、Ar、Ar、およびArは、前記一般式(4)におけるAr、Ar、およびArと、それぞれ同義である。
前記一般式(143)において、Ar、Ar、およびArは、前記一般式(4)におけるAr、Ar、およびArと、それぞれ同義である
前記一般式(141)〜(143)において、
およびXは、R11と結合する炭素原子であり、
12〜X16のうち少なくともいずれかが窒素原子であることが好ましい。
前記一般式(141)〜(143)において、
12〜X16は、それぞれ独立に、
と結合する炭素原子、
窒素原子、または
分子中の前記第二の構造、および前記第三の構造の少なくともいずれかに含まれる原子と結合する炭素原子であることが好ましく、
12〜X16のうち少なくともいずれかは、窒素原子であることが好ましく、
12〜X16のうち少なくともいずれかは、分子中の前記第二の構造、および前記第三の構造の少なくともいずれかに含まれる原子と結合する炭素原子であることが好ましい。
前記一般式(141)〜(143)において、X12〜X16のうち2つまたは3つが窒素原子であることが好ましく、X12、X14、およびX16のうち少なくとも2つが窒素原子であることがより好ましい。
前記一般式(141)〜(143)で表される構造としては、例えば、下記の構造が挙げられる。
本実施形態の化合物において、
前記第一の構造は、前記第四の部分構造を含み、
前記一般式(1)のX11〜X16を含む環に、前記Ar〜Arのいずれかが結合することも好ましい。
すなわち、前記第一の構造は、下記一般式(12)で表される構造であることも好ましい。
前記一般式(12)において、X〜X、X11〜X16、およびAr〜Arは、前記一般式(1)におけるX11〜X16、並びに前記一般式(4)におけるX〜X、およびAr〜Arと、それぞれ同義であり、ただし、X11〜X16のうち少なくともいずれかが、Ar〜Arにおける置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、または置換もしくは無置換の複素環基と結合する炭素原子であり、*14は、前記第一の構造の前記第四の部分構造との結合部を表し、*41は、前記第四の部分構造の前記第一の構造との結合部を表す。
前記一般式(12)において、
およびXは、R11と結合する炭素原子であることが好ましい。
前記一般式(12)において、
12〜X16は、それぞれ独立に、
と結合する炭素原子、
窒素原子、または
分子中の前記第二の構造、および前記第三の構造の少なくともいずれかに含まれる原子と結合する炭素原子であることが好ましく、
12〜X16のうち少なくともいずれかは、窒素原子であることが好ましい。
12〜X16のうち少なくともいずれかは、分子中の前記第二の構造、および前記第三の構造の少なくともいずれかに含まれる原子と結合する炭素原子であることが好ましい。
前記第一の構造は、前記第四の部分構造を含み、
前記第一の構造は、下記一般式(144)〜(146)のいずれかで表されることも好ましい。
前記一般式(144)〜(146)において、X〜X、X11〜X16、およびAr〜Arは、前記一般式(1)におけるX11〜X16、および前記一般式(4)におけるX〜X、およびAr〜Arと、それぞれ同義である。
前記一般式(144)において、X11は、Arと結合する炭素原子であり、Arは、X11と結合する置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基または置換もしくは無置換の複素環基であることが好ましい。
前記一般式(145)において、X11は、Arと結合する炭素原子であり、Arは、X11と結合する置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基または置換もしくは無置換の複素環基であることが好ましい。
前記一般式(146)において、X11は、Arと結合する炭素原子であり、Arは、X11と結合する置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基または置換もしくは無置換の複素環基であることが好ましい。
前記一般式(144)〜(146)において、
およびXは、R11と結合する炭素原子であることが好ましい。
前記一般式(144)〜(146)において、
12〜X16は、それぞれ独立に、
と結合する炭素原子、
窒素原子、または
分子中の前記第二の構造、および前記第三の構造の少なくともいずれかに含まれる原子と結合する炭素原子であることが好ましく、
12〜X16のうち少なくともいずれかは、窒素原子であることが好ましい。
12〜X16のうち少なくともいずれかは、分子中の前記第二の構造、および前記第三の構造の少なくともいずれかに含まれる原子と結合する炭素原子であることが好ましい。
前記一般式(144)〜(146)で表される構造としては、例えば、下記の構造が挙げられる。
本実施形態の化合物において、前記mと前記nとの合計(m+n)が、2以上4以下の整数であることが好ましい。
本実施形態の化合物において、前記nが0であることが好ましい。
本実施形態の化合物において、
前記一般式(2)で表される第二の構造は、下記一般式(20)で表されることが好ましい。
前記一般式(20)において、X、Y〜Y、Y9〜Y16、L、m、およびpは、前記一般式(2)におけるX、Y〜Y、Y9〜Y16、L、m、およびpと、それぞれ同義であり、XおよびXは、互いに結合する炭素原子であり、XおよびXは、互いに結合する炭素原子である。
前記一般式(20)において、
pは、1であることが好ましく、
〜Yのいずれかは、Y13〜Y16のいずれかと結合する炭素原子であることが好ましく、
13〜Y16のいずれかは、Y〜Yのいずれかと結合する炭素原子であることが好ましい。
本実施形態の化合物において、
Lは、置換もしくは無置換の環形成炭素数6の芳香族炭化水素基であり、
16は、Lと結合する炭素原子であり、LとY16とが結合して環構造を形成することが好ましい。
すなわち、前記一般式(2)で表される第二の構造は、下記一般式(21)で表されることも好ましい。
前記一般式(21)において、X、Y〜Y、Y9〜Y16、m、およびpは、前記一般式(2)におけるX、Y〜Y、Y9〜Y16、m、およびpと、それぞれ同義であり、ただし、Y〜Y、およびXのいずれかは、Lである芳香族炭化水素基と結合する炭素原子または窒素原子であり、XおよびXは、互いに結合する炭素原子であり、Xは、Rと結合する炭素原子であり、Xは、Rと結合する炭素原子であり、R〜Rは、前記一般式(2)におけるR〜Rと、それぞれ同義であり、R12は、水素原子、または置換基であり、sは3である。複数のR12は、同一でも異なっていてもよい。
前記一般式(21)において、
pは、1以上3以下の整数であることが好ましい。
本実施形態の化合物において、前記一般式(2)で表される第二の構造は、下記一般式(22)で表されることも好ましい。
前記一般式(22)において、X、Y〜Y16、L、m、およびpは、前記一般式(2)におけるX、Y〜Y16、L、m、およびpと、それぞれ同義であり、ただし、Y〜Y、およびXのいずれかは、Lと結合する炭素原子または窒素原子であり、XおよびXは、互いに結合する炭素原子であり、XおよびXは、互いに結合する炭素原子である。
前記一般式(22)において、
pは、2であることが好ましく、
は、
と結合する窒素原子、または
分子中の前記第一の構造、前記第三の構造、および前記第四の部分構造の少なくともいずれかに含まれる原子と結合する窒素原子であることが好ましく、
〜Yは、それぞれ独立に、
と結合する炭素原子、
Lと結合する炭素原子、または
分子中の前記第一の構造、前記第三の構造、および前記第四の部分構造の少なくともいずれかに含まれる原子と結合する炭素原子であることが好ましく、
〜Y16は、それぞれ独立に、
と結合する炭素原子、または
分子中の前記第一の構造、前記第三の構造、および前記第四の部分構造の少なくともいずれかに含まれる原子と結合する炭素原子であることが好ましい。
本実施形態の化合物において、前記一般式(2)で表される第二の構造は、下記一般式(23)で表されることも好ましい。
前記一般式(23)において、X、Y〜Y16、L、m、およびpは、前記一般式(2)におけるX、Y〜Y16、L、m、およびpと、それぞれ同義であり、ただし、Y〜Y、およびXのいずれかは、Lと結合する炭素原子または窒素原子であり、XおよびXは、互いに結合する炭素原子であり、Xは、Rと結合する炭素原子であり、Xは、Rと結合する炭素原子である。
前記一般式(23)において、
は、
と結合する窒素原子、または
分子中の前記第一の構造、前記第三の構造、および前記第四の部分構造の少なくともいずれかに含まれる原子と結合する窒素原子であることが好ましく、
〜Yのいずれかは、Lと結合する炭素原子であることが好ましい。
本実施形態の化合物において、
前記一般式(2)で表される第二の構造は、下記一般式(24)で表されることも好ましい。
前記一般式(24)において、X、Y〜Y16、およびmは、前記一般式(2)におけるX、Y〜Y16、およびmと、それぞれ同義であり、Y〜Yは前記一般式(2)におけるY〜Y16と、それぞれ同義であり、L21およびL22は、それぞれ独立に、前記一般式(2)におけるLと同義であり、ただし、Y〜Yのいずれかは、L21と結合する炭素原子であり、Y〜Yのいずれかは、Y〜Yのいずれかと結合する炭素原子であり、XおよびXは、互いに結合する炭素原子であり、Xは、Rと結合する炭素原子であり、Xは、Rと結合する炭素原子であり、Xは、Xと結合する炭素原子であり、Xは、Xと結合する炭素原子である。
前記一般式(24)において、
およびXは、互いに結合する炭素原子であることが好ましく、
は、
と結合する窒素原子、または
分子中の前記第一の構造、前記第三の構造、および前記第四の部分構造の少なくともいずれかに含まれる原子と結合する窒素原子であることが好ましく、
21およびL22は、それぞれ独立に、前記一般式(2)におけるLと同義であり、
〜Yは、それぞれ独立に、
と結合する炭素原子、
21と結合する炭素原子、または
分子中の前記第一の構造、前記第三の構造、および前記第四の部分構造の少なくともいずれかに含まれる原子と結合する炭素原子であることが好ましく、
〜Yは、それぞれ独立に、
と結合する炭素原子、
〜Yのいずれかと結合する炭素原子、または
分子中の前記第一の構造、前記第三の構造、および前記第四の部分構造の少なくともいずれかに含まれる原子と結合する炭素原子であることが好ましく、
〜Yは、それぞれ独立に、
と結合する炭素原子、または
分子中の前記第一の構造、前記第三の構造、および前記第四の部分構造の少なくともいずれかに含まれる原子と結合する炭素原子であることが好ましく、
〜Yは、それぞれ独立に、
と結合する炭素原子、
〜Yのいずれかと結合する炭素原子、または
分子中の前記第一の構造、前記第三の構造、および前記第四の部分構造の少なくともいずれかに含まれる原子と結合する炭素原子であることが好ましい。
本実施形態の化合物において、前記第二の構造としては、例えば、下記の構造が挙げられる。下記の構造において、波線部分は、前記第二の構造と他の構造との結合箇所を表す。
本実施形態の化合物において、前記第三の構造としては、例えば、下記の構造が挙げられる。下記の構造において、波線部分は、前記第三の構造と他の構造との結合箇所を表す。
前記第三の構造として、より具体的には、例えば、下記の構造が挙げられる。
本実施形態の化合物において、複数のR同士は、互いに結合せず、環構造が形成されないことが好ましい。
本実施形態の化合物において、
置換基としてのR〜R12、R、およびRは、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のフルオロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数3〜30のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、
置換シリル基、
置換ゲルマニウム基、
置換ホスフィンオキシド基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、および
カルボキシ基からなる群から選択されることが好ましい。
本実施形態の化合物において、
置換基としてのRおよびRは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基であることが好ましく、
置換基としてのR、およびRは、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、および
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基からなる群から選択されることが好ましい。
本実施形態の化合物は、前記第一の構造と、前記第二の構造とが結合し、前記第一の構造と、前記第三の構造とが結合していることが好ましい。前記第一の構造が、前記第四の部分構造を含む場合には、前記第二の構造は、前記第一の構造または前記第四の部分構造と結合していることが好ましく、前記第三の構造は、前記第一の構造または前記第四の部分構造と結合していることが好ましい。
本実施形態の化合物は、下記一般式(100)〜(104)のいずれかで表されることが好ましい。
前記一般式(100)〜(104)において、X〜X、Y〜Y16、L、m、およびpは、前記一般式(2)におけるX〜X、Y〜Y16、L、m、およびpと、それぞれ同義である。
前記一般式(100)において、X11〜X16およびAr〜Arは、前記一般式(1)におけるX11〜X16、および前記一般式(4)におけるAr〜Arと、それぞれ同義であり、*12は、前記第一の構造の前記第二の構造との結合部を表し、*21は、前記第二の構造の前記第一の構造との結合部を表す。
前記一般式(101)において、X〜X、X12〜X16、およびAr〜Arは、前記一般式(1)におけるX12〜X16、並びに前記一般式(4)におけるX〜X、およびAr〜Arと、それぞれ同義である。*12は、前記第一の構造または前記第四の部分構造の前記第二の構造との結合部を表し、*21は、前記第二の構造の前記第一の構造または前記第四の部分構造との結合部を表す。
前記一般式(102)において、X〜X、X12〜X16、Ar、Ar、およびArは、前記一般式(1)におけるX12〜X16、並びに前記一般式(4)におけるX〜X、Ar、Ar、およびArと、それぞれ同義である。*12は、前記第一の構造または前記第四の部分構造の前記第二の構造との結合部を表し、*21は、前記第二の構造の前記第一の構造または前記第四の部分構造との結合部を表す。
前記一般式(103)において、X〜X、X12〜X16、Ar、Ar、およびArは、前記一般式(1)におけるX12〜X16、並びに前記一般式(4)におけるX〜X、Ar、Ar、およびArと、それぞれ同義である。*12は、前記第一の構造または前記第四の部分構造の前記第二の構造との結合部を表し、*21は、前記第二の構造の前記第一の構造または前記第四の部分構造との結合部を表す。
前記一般式(104)において、X〜X、X11〜X16、およびAr〜Arは、前記一般式(1)におけるX11〜X16、並びに前記一般式(4)におけるX〜X、およびAr〜Arと、それぞれ同義である。*12は、前記第一の構造または前記第四の部分構造の前記第二の構造との結合部を表し、*21は、前記第二の構造の前記第一の構造または前記第四の部分構造との結合部を表し、*14は、前記第一の構造の前記第四の部分構造との結合部を表し、*41は、前記第四の部分構造の前記第一の構造との結合部を表す。
(本実施形態に係る化合物の製造方法)
本実施形態に係る化合物は、例えば、後述する実施例に記載の方法により製造することができる。本実施形態に係る化合物は、当該実施例に記載の方法に倣い、目的物に合わせた既知の代替反応や原料を用いることで、製造することができる。
本実施形態に係る化合物の例を以下に示す。なお、本発明の化合物は、これらの例に限定されない。
本実施形態の化合物は、可溶性および耐熱性に優れる。
〔組成物〕
本実施形態の組成物は、本発明の一実施形態に係る化合物と、溶媒と、を含む。
溶媒は、有機溶媒であることが好ましい。有機溶媒としては、例えば、塩素系溶媒(例えば、クロロホルム、クロロベンゼン、クロロトルエン、クロロキシレン、クロロアニソール、ジクロロメタン、ジクロロベンゼン、ジクロロトルエン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロベンゼン、トリクロロメチルベンゼン、ブロモベンゼン、ジブロモベンゼン、およびブロモアニソール等)、エーテル系溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、オキサゾール、メチルベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、フラン、フラザン、ベンゾフラン、およびジヒドロベンゾフラン等)、芳香族炭化水素系溶媒(例えば、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、トリエチルベンゼン、トリメチルベンゼン、トリメトキシベンゼン、プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン、ジブチルベンゼン、アミルベンゼン、ジヘキシルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、テトラメチルベンゼン、ドデシルベンゼン、ベンゾニトリル、アセトフェノン、メチルアセトフェノン、メトキシアセトフェノン、トルイル酸エチルエステル、トルエン、エチルトルエン、メトキシトルエン、ジメトキシトルエン、トリメトキシトルエン、イソプロピルトルエン、キシレン、ブチルキシレン、イソプロピルキシレン、アニソール、エチルアニソール、ジメチルアニソール、トリメチルアニソール、プロピルアニソール、イソプロピルアニソール、ブチルアニソール、メチルエチルアニソール、アネトールアニシルアルコール、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、ジフェニルエーテル、ブチルフェニルエーテル、ベンジルメチルエーテル、ベンジルエチルエーテル、メチレンジオキシベンゼン、メチルナフタレン、テトラヒドロナフタレン、アニリン、メチルアニリン、エチルアニリン、ブチルアニリン、ビフェニル、メチルビフェニル、およびイソプロピルビフェニル等)、脂肪族炭化水素系溶媒(例えば、シクロへキサン、メチルシクロへキサン、n−ペンタン、n−へキサン、n−へプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、テトラデカン、デカリン、およびイソプロピルシクロヘキサン等)、ケトン系溶媒(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロへキサノン、およびアセトフェノン等)、エステル系溶媒(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセロソルブアセテート、安息香酸メチル、および酢酸フェニル等)、多価アルコールおよびその誘導体(例えば、エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメトキシエタン、プロピレングリコール、ジエトキシメタン、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、および1,2−へキサンジオール等)、アルコール系溶媒(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、およびシクロへキサノール等)、スルホキシド系溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド等)、並びに、アミド系溶媒(例えば、N−メチル−2−ピロリドン、およびN,N−ジメチルホルムアミド等)等が例示される。
これらの有機溶媒は、一種を単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の組成物は、本実施形態の化合物および溶媒の他に、他の材料を含んでいてもよい。
本発明の一実施形態に係る組成物は、有機EL素子用材料として好適に用いることができる。
〔有機EL素子〕
本実施形態に係る有機EL素子の構成について説明する。
有機EL素子は、陽極と、有機層と、陰極と、を含む。有機層は、有機化合物で構成される1以上の層を含む。有機層は、無機化合物をさらに含んでいてもよい。本実施形態の有機EL素子は、有機層のうちの少なくともいずれかが、本実施形態に係る化合物を含む。
有機EL素子の代表的な素子構成としては、例えば、次の(a)〜(e)等の構成を挙げることができる。
(a)陽極/発光層/陰極
(b)陽極/正孔注入・輸送層/発光層/陰極
(c)陽極/発光層/電子注入・輸送層/陰極
(d)陽極/正孔注入・輸送層/発光層/電子注入・輸送層/陰極
(e)陽極/正孔注入・輸送層/発光層/障壁層/電子注入・輸送層/陰極
上記の中で(b)、(c)、および(d)の構成が好ましく用いられる。ただし、本発明は、これらの構成に限定されない。なお、上記「発光層」とは、発光機能を有する有機層である。前記「正孔注入・輸送層」は「正孔注入層および正孔輸送層のうちの少なくともいずれか1つ」を意味する。前記「電子注入・輸送層」は「電子注入層および電子輸送層のうちの少なくともいずれか1つ」を意味する。有機EL素子が、正孔注入層および正孔輸送層を有する場合には、正孔輸送層と陽極との間に正孔注入層が設けられていることが好ましい。また、有機EL素子が電子注入層および電子輸送層を有する場合には、電子輸送層と陰極との間に電子注入層が設けられていることが好ましい。また、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層および電子注入層は、それぞれ、一層で構成されていてもよいし、複数の層で構成されていてもよい。
本実施形態の有機EL素子は、有機層が発光層を含むことが好ましく、当該発光層が本実施形態の化合物を含むことが好ましい。
図1に、本実施形態における有機EL素子の一例の概略構成を示す。
有機EL素子1は、透光性の基板2と、陽極3と、陰極4と、陽極3と陰極4との間に配置された有機層10と、を有する。
有機層10は、発光層7と、陽極3および発光層7の間に設けられた正孔注入層5と、正孔注入層5および発光層7の間に設けられた正孔輸送層6と、発光層7および陰極4の間に設けられた電子輸送帯域11と、を含む。
電子輸送帯域11は、電子輸送層8と電子注入層9とを含む。
本実施形態において、発光層7が本発明の一実施形態に係る化合物を含んでいる。
(発光層)
有機EL素子1の発光層7は、本発明の一実施形態に係る化合物を少なくとも含む。
有機EL素子1の発光層7において、本発明の一実施形態に係る化合物の含有率は、0.1質量%以上含まれていることが好ましく、1質量%以99.9質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上95質量%以下であることがさらに好ましい。
本実施形態の有機EL素子1は、発光層7に、本発明の一実施形態に係る化合物以外の材料が含まれることを除外しない。
例えば、発光層7は、発光材料として、蛍光を発光する蛍光性化合物、または燐光を発光する燐光性化合物を含んでいてもよい。蛍光性化合物は一重項励起状態から発光可能な化合物であり、燐光性化合物は三重項励起状態から発光可能な化合物である。
発光層7に用いることができる青色系の蛍光発光材料として、例えば、ピレン誘導体、スチリルアミン誘導体、クリセン誘導体、フルオランテン誘導体、フルオレン誘導体、ジアミン誘導体、およびトリアリールアミン誘導体等が使用できる。具体的には、N,N’−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニルスチルベン−4,4’−ジアミン(略称:YGA2S)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:YGAPA)、および4−(10−フェニル−9−アントリル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPA)等が挙げられる。
発光層7に用いることができる緑色系の蛍光発光材料として、例えば、芳香族アミン誘導体等を使用できる。具体的には、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCABPhA)、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPABPhA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)]−N−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N−フェニルアントラセン−2−アミン(略称:2YGABPhA)、およびN,N,9−トリフェニルアントラセン−9−アミン(略称:DPhAPhA)等が挙げられる。
発光層7に用いることができる赤色系の蛍光発光材料として、例えば、テトラセン誘導体、およびジアミン誘導体等が使用できる。具体的には、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)テトラセン−5,11−ジアミン(略称:p−mPhTD)、および7,14−ジフェニル−N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)アセナフト[1,2−a]フルオランテン−3,10−ジアミン(略称:p−mPhAFD)等が挙げられる。
発光層7に用いることができる青色系の燐光発光材料として、例えば、イリジウム錯体、オスミウム錯体、および白金錯体等の金属錯体が使用される。具体的には、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)テトラキス(1−ピラゾリル)ボラート(略称:FIr6)、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:FIr(pic))、ビス[2−(3’,5’ビストリフルオロメチルフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:Ir(CFppy)(pic))、およびビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:FIr(acac))等が挙げられる。
発光層7に用いることができる緑色系の燐光発光材料として、例えば、イリジウム錯体等が使用される。トリス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:Ir(ppy))、ビス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(ppy)(acac))、ビス(1,2−ジフェニル−1H−ベンゾイミダゾラト)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(pbi)(acac))、およびビス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(bzq)(acac))等が挙げられる。
発光層7に用いることができる赤色系の燐光発光材料として、例えば、イリジウム錯体、白金錯体、テルビウム錯体、およびユーロピウム錯体等の金属錯体等が使用される。具体的には、ビス[2−(2’−ベンゾ[4,5−α]チエニル)ピリジナト−N,C3’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(btp)(acac))、ビス(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(piq)(acac))、(アセチルアセトナート)ビス[2,3−ビス(4−フルオロフェニル)キノキサリナト]イリジウム(III)(略称:Ir(Fdpq)(acac))、および2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィリン白金(II)(略称:PtOEP)等の有機金属錯体が挙げられる。
また、例えば、トリス(アセチルアセトナート)(モノフェナントロリン)テルビウム(III)(略称:Tb(acac)(Phen))、トリス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト)(モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:Eu(DBM)(Phen))、およびトリス[1−(2−テノイル)−3,3,3−トリフルオロアセトナート](モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:Eu(TTA)(Phen))等の希土類金属錯体は、希土類金属イオンからの発光(異なる多重度間の電子遷移)であるため、燐光性化合物として用いることができる。
・発光層の膜厚
本実施形態の有機EL素子1における発光層7の膜厚は、好ましくは5nm以上50nm以下、より好ましくは7nm以上50nm以下、さらに好ましくは10nm以上50nm以下である。5nm以上であれば、発光層7を容易に形成でき、色度の調整も容易となる。また、50nm以下であれば、駆動電圧の上昇を抑えることができる。
(基板)
基板2は、有機EL素子1の支持体として用いられる。基板2としては、例えば、ガラス、石英、およびプラスチック等を用いることができる。また、可撓性基板を用いてもよい。可撓性基板とは、折り曲げることができる(フレキシブル)基板のことであり、例えば、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、またはポリエチレンナフタレートからなるプラスチック基板等が挙げられる。また、無機蒸着フィルムを用いることもできる。
(陽極)
基板2上に形成される陽極3には、仕事関数の大きい(具体的には4.0eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物等を用いることが好ましい。具体的には、例えば、酸化インジウム−酸化スズ(ITO:Indium Tin Oxide)、珪素もしくは酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ、酸化インジウム−酸化亜鉛、酸化タングステンおよび酸化亜鉛を含有した酸化インジウム、並びにグラフェン等が挙げられる。この他、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、チタン(Ti)、または金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)等が挙げられる。
これらの材料は、通常、スパッタリング法により成膜される。例えば、酸化インジウム−酸化亜鉛は、酸化インジウムに対し1質量%以上10質量%以下の酸化亜鉛を加えたターゲットを用いることにより、スパッタリング法で形成することができる。また、例えば、酸化タングステン、および酸化亜鉛を含有した酸化インジウムは、酸化インジウムに対し酸化タングステンを0.5質量%以上5質量%以下、酸化亜鉛を0.1質量%以上1質量%以下含有したターゲットを用いることにより、スパッタリング法で形成することができる。その他、真空蒸着法、塗布法、インクジェット法、またはスピンコート法等により作製してもよい。
陽極3上に形成される有機層のうち、陽極3に接して形成される正孔注入層5は、陽極3の仕事関数に関係なく正孔(ホール)注入が容易である複合材料を用いて形成されるため、電極材料として可能な材料(例えば、金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物、その他、元素周期表の第1族または第2族に属する元素も含む)を用いることもできる。
仕事関数の小さい材料である、元素周期表の第1族または第2族に属する元素、すなわちリチウム(Li)およびセシウム(Cs)等のアルカリ金属、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、およびストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(例えば、MgAg、AlLi)、並びにユーロピウム(Eu)およびイッテルビウム(Yb)等の希土類金属、およびこれらを含む合金等を用いることもできる。なお、アルカリ金属、アルカリ土類金属、およびこれらを含む合金を用いて陽極3を形成する場合には、真空蒸着法やスパッタリング法を用いることができる。さらに、銀ペースト等を用いる場合には、塗布法またはインクジェット法等を用いることができる。
(正孔注入層)
正孔注入層5は、正孔注入性の高い物質を含む層である。正孔注入性の高い物質としては、モリブデン酸化物、チタン酸化物、バナジウム酸化物、レニウム酸化物、ルテニウム酸化物、クロム酸化物、ジルコニウム酸化物、ハフニウム酸化物、タンタル酸化物、銀酸化物、タングステン酸化物、およびマンガン酸化物等を用いることができる。
また、正孔注入性の高い物質としては、低分子の有機化合物である4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、4,4’−ビス(N−{4−[N’−(3−メチルフェニル)−N’−フェニルアミノ]フェニル}−N−フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン(略称:DPA3B)、3−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、および3−[N−(1−ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)等の芳香族アミン化合物等やジピラジノ[2,3−f:20,30−h]キノキサリン−2,3,6,7,10,11−ヘキサカルボニトリル(HAT−CN)も挙げられる。
また、正孔注入性の高い物質としては、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、およびポリマー等)を用いることもできる。例えば、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)、ポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N−(4−{N’−[4−(4−ジフェニルアミノ)フェニル]フェニル−N’−フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](略称:PTPDMA)、およびポリ[N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン](略称:Poly−TPD)等の高分子化合物が挙げられる。また、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)、およびポリアニリン/ポリ(スチレンスルホン酸)(PAni/PSS)等の酸を添加した高分子化合物を用いることもできる。
(正孔輸送層)
正孔輸送層6は、正孔輸送性の高い物質を含む層である。正孔輸送層6には、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘導体、およびアントラセン誘導体等を使用する事ができる。具体的には、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)やN,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4−フェニル−4’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:BAFLP)、4,4’−ビス[N−(9,9−ジメチルフルオレン−2−イル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DFLDPBi)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、および4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N―フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)等の芳香族アミン化合物等を用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm/(V・s)以上の正孔移動度を有する物質である。
正孔輸送層6には、CBP、9−[4−(N−カルバゾリル)]フェニル−10−フェニルアントラセン(CzPA)、および9−フェニル−3−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(PCzPA)のようなカルバゾール誘導体や、t−BuDNA、DNA、DPAnthのようなアントラセン誘導体を用いてもよい。ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)やポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)等の高分子化合物を用いることもできる。
但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外の物質を用いてもよい。なお、正孔輸送性の高い物質を含む層は、単層だけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層した層としてもよい。
正孔輸送層を二層以上配置する場合、エネルギーギャップのより大きい材料を含む層を、発光層7に近い側に配置することが好ましい。
本実施形態において、正孔輸送層6は、発光層7で生成する三重項励起子が正孔輸送層へ拡散することを防止し、三重項励起子を発光層7内に閉じ込める機能を有することが好ましい。
(電子輸送層)
電子輸送層8は、電子輸送性の高い物質を含む層である。電子輸送層8には、1)アルミニウム錯体、ベリリウム錯体、および亜鉛錯体等の金属錯体、2)イミダゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、アジン誘導体、カルバゾール誘導体、およびフェナントロリン誘導体等の複素芳香族化合物、並びに3)高分子化合物を使用することができる。具体的には低分子の有機化合物として、Alq、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq)、BAlq、Znq、ZnPBO、およびZnBTZ等の金属錯体等を用いることができる。また、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(ptert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)、および4,4’−ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン(略称:BzOs)等の複素芳香族化合物も用いることができる。本実施態様においては、ベンゾイミダゾール化合物を好適に用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm/(V・s)以上の電子移動度を有する物質である。なお、正孔輸送性よりも電子輸送性の高い物質であれば、上記以外の物質を電子輸送層8として用いてもよい。また、電子輸送層8は、単層だけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層した層としてもよい。
また、電子輸送層8には、高分子化合物を用いることもできる。例えば、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(ピリジン−3,5−ジイル)](略称:PF−Py)、およびポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(2,2’−ビピリジン−6,6’−ジイル)](略称:PF−BPy)等を用いることができる。
本実施形態において、電子輸送層8は、発光層7で生成する三重項励起子が電子輸送層8や電子注入層9へ拡散することを防止し、三重項励起子を発光層7内に閉じ込める機能を有することが好ましい。
(電子注入層)
電子注入層9は、電子注入性の高い物質を含む層である。電子注入層9には、リチウム(Li)、セシウム(Cs)、カルシウム(Ca)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF)、およびリチウム酸化物(LiOx)等のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を用いることができる。その他、電子輸送性を有する物質にアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を含有させた物質、具体的にはAlq中にマグネシウム(Mg)を含有させた物質等を用いてもよい。なお、この場合には、陰極4からの電子注入をより効率よく行うことができる。
あるいは、電子注入層9に、有機化合物と電子供与体(ドナー)とを混合してなる複合材料を用いてもよい。このような複合材料は、電子供与体によって有機化合物に電子が発生するため、電子注入性および電子輸送性に優れている。この場合、有機化合物としては、発生した電子の輸送に優れた材料であることが好ましく、具体的には、例えば上述した電子輸送層8を構成する物質(金属錯体や複素芳香族化合物等)を用いることができる。
電子供与体としては、有機化合物に対し電子供与性を示す物質であればよい。具体的には、アルカリ金属やアルカリ土類金属や希土類金属が好ましく、リチウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、エルビウム、およびイッテルビウム等が挙げられる。また、アルカリ金属酸化物やアルカリ土類金属酸化物が好ましく、リチウム酸化物、カルシウム酸化物、およびバリウム酸化物等が挙げられる。また、酸化マグネシウムのようなルイス塩基を用いることもできる。また、テトラチアフルバレン(略称:TTF)等の有機化合物を用いることもできる。
(陰極)
陰極4には、仕事関数の小さい(具体的には3.8eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物等を用いることが好ましい。このような陰極材料の具体例としては、元素周期表の第1族または第2族に属する元素、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、およびストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(例えば、MgAg、AlLi)、並びにユーロピウム(Eu)およびイッテルビウム(Yb)等の希土類金属、およびこれらを含む合金等が挙げられる。
なお、アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはこれらを含む合金を用いて陰極4を形成する場合には、真空蒸着法やスパッタリング法を用いることができる。また、銀ペースト等を用いる場合には、塗布法またはインクジェット法等を用いることができる。
なお、電子注入層9を設けることにより、仕事関数の大小に関わらず、Al、Ag、ITO、グラフェン、または珪素もしくは酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ等、様々な導電性材料を用いて陰極4を形成することができる。これらの導電性材料は、スパッタリング法やインクジェット法、スピンコート法等を用いて成膜することができる。
(層形成方法)
本実施形態の有機EL素子1の各層の形成方法としては、上記で特に言及した以外には制限されない。例えば、乾式成膜法、および湿式成膜法等の公知の方法を採用できる。乾式成膜法としては、例えば、真空蒸着法、分子線蒸着法(MBE法)、スパッタリング法、プラズマ法、およびイオンプレーティング法等が挙げられる。湿式成膜法としては、例えば、スピンコーティング法、ディッピング法、フローコーティング法、キャスティング法、バーコート法、ロールコート法、インクジェット法、印刷法(例えば、凸版印刷法、凹版印刷法、平版印刷法、孔版印刷法、および、それらとオフセット印刷法を組み合わせた印刷法)、インクジェット印刷法、スプレーコート法、スリットコート法、キャップコート法、グラビアロールコート法、並びにメニスカスコート法等が挙げられる。
本実施形態の有機EL素子1において、本発明の一実施形態に係る化合物を含有する発光層は、溶媒および本発明の一実施形態に係る化合物を含む溶液(以下、「塗布液」ともいう)を用いて、塗布法により成膜することが好ましい。塗布液には、必要に応じて、発光材料等の他の材料を含有させてもよい。
塗布法としては、湿式成膜法が好適に用いられる。特に微細なパターニングを要する場合、例えば、印刷法、インクジェット印刷法、およびディスペンサー塗布等が好ましい。また、転写前駆基板へ本発明の一実施形態に係る化合物を前記の湿式成膜法により成膜した後、レーザー光や熱プレス等で対象とする電極を有する配線基板上へ転写する方法を用いることもできる。これらの方法による成膜は当業者に周知の条件により行うことができ、その詳細は省略する。
塗布法に使用する塗布液は、本発明の一実施形態に係る化合物を少なくとも1種類含有していればよく、溶媒に溶解していても、分散していてもよい。上記塗布液中の本発明の一実施形態に係る化合物の含有量は、成膜用溶液全体に対して0.1〜15質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。
溶媒としては、本発明の一実施形態に係る組成物における溶媒と同様の有機溶媒を挙げることができる。
上記有機溶媒のうち、溶解性、成膜の均一性、および粘度特性等の観点から、少なくとも、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、アミルベンゼン、アニソール、4−メトキシトルエン、2−メトキシトルエン、1,2−ジメトキシベンゼン、メシチレン、テトラヒドロナフタレン、シクロヘキシルベンゼン、2,3−ジヒドロベンゾフラン、シクロへキサノン、およびメチルシクロヘキサノンのいずれか1種以上を含むことが好ましい。
塗布液に用いる有機溶媒は、沸点が110℃以上、かつ20℃での水への溶解度が1質量%以下であることが好ましく、下記一般式(5)で表される化合物であることが、より好ましい。
(前記一般式(5)中、Rは炭素数1〜20の置換基であり、uは0〜6の整数を表す。複数のRは、互いに同一でも異なっていてもよい。)
成膜用の塗布液は、本発明の一実施形態に係る化合物と、溶媒として、沸点が110℃以上、かつ20℃での水への溶解度が1質量%以下である前記一般式(5)で表される化合物とを含むことが好ましい。また、成膜用の塗布液には、必要に応じて添加剤を添加してもよい。添加剤としては、例えば、粘度の調整剤、表面張力の調整剤、架橋反応の開始剤、および架橋反応の触媒等が挙げられる。なお、当該添加剤は、膜中に残留しても素子特性に影響を与えないものを選択するか、成膜工程で膜中から除去できるものが望ましい。
(膜厚)
本実施形態の有機EL素子1の各有機層の膜厚は、上記で特に言及した以外には制限されない。ピンホール等の欠陥が生じにくく、低印加電圧で効率が向上するため、通常、膜厚は、数nmから1μmの範囲が好ましい。
本実施形態において、環形成炭素数とは、原子が環状に結合した構造の化合物(例えば、単環化合物、縮合環化合物、架橋化合物、炭素環化合物、複素環化合物)の当該環自体を構成する原子のうちの炭素原子の数を表す。当該環が置換基によって置換される場合、置換基に含まれる炭素は環形成炭素数には含まない。以下で記される「環形成炭素数」については、特筆しない限り同様とする。例えば、ベンゼン環は環形成炭素数が6であり、ナフタレン環は環形成炭素数が10であり、ピリジニル基は環形成炭素数5であり、フラニル基は環形成炭素数4である。また、ベンゼン環やナフタレン環に置換基として例えばアルキル基が置換している場合、当該アルキル基の炭素数は、環形成炭素数の数に含めない。また、フルオレン環に置換基として例えばフルオレン環が結合している場合(スピロフルオレン環を含む)、置換基としてのフルオレン環の炭素数は環形成炭素数の数に含めない。
本実施形態において、環形成原子数とは、原子が環状に結合した構造(例えば単環、縮合環、環集合)の化合物(例えば単環化合物、縮合環化合物、架橋化合物、炭素環化合物、複素環化合物)の当該環自体を構成する原子の数を表す。環を構成しない原子(例えば環を構成する原子の結合手を終端する水素原子)や、当該環が置換基によって置換される場合の置換基に含まれる原子は環形成原子数には含まない。以下で記される「環形成原子数」については、特筆しない限り同様とする。例えば、ピリジン環は、環形成原子数が6であり、キナゾリン環は、環形成原子数が10であり、フラン環は、環形成原子数が5である。ピリジン環やキナゾリン環の炭素原子にそれぞれ結合している水素原子や置換基を構成する原子については、環形成原子数の数に含めない。また、フルオレン環に置換基として例えばフルオレン環が結合している場合(スピロフルオレン環を含む)、置換基としてのフルオレン環の原子数は環形成原子数の数に含めない。
次に前記一般式に記載の各置換基について説明する。
本実施形態における環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基(アリール基と称する場合がある。)としては、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、フルオレニル基、ピレニル基、クリセニル基、フルオランテニル基、ベンゾ[a]アントリル基、ベンゾ[c]フェナントリル基、トリフェニレニル基、ベンゾ[k]フルオランテニル基、ベンゾ[g]クリセニル基、ベンゾ[b]トリフェニレニル基、ピセニル基、およびペリレニル基等が挙げられる。
本実施形態におけるアリール基としては、環形成炭素数が6〜20であることが好ましく、6〜14であることがより好ましく、6〜12であることがさらに好ましい。上記アリール基の中でもフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、ターフェニル基、フルオレニル基が特に好ましい。1−フルオレニル基、2−フルオレニル基、3−フルオレニル基および4−フルオレニル基については、9位の炭素原子に、後述する本実施形態における置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基や置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18のアリール基が置換されていることが好ましい。
本実施形態における環形成原子数5〜30の複素環基(ヘテロアリール基、ヘテロ芳香族環基、または芳香族複素環基と称する場合がある。)は、ヘテロ原子として、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、ケイ素原子、セレン原子、およびゲルマニウム原子からなる群から選択される少なくともいずれかの原子を含むことが好ましく、窒素原子、硫黄原子、および酸素原子からなる群から選択される少なくともいずれかの原子を含むことがより好ましい。
本実施形態における環形成原子数5〜30の複素環基としては、例えば、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリル基、イソキノリニル基、ナフチリジニル基、フタラジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、インドリル基、ベンズイミダゾリル基、インダゾリル基、イミダゾピリジニル基、ベンズトリアゾリル基、カルバゾリル基、フリル基、チエニル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソキサゾリル基、イソチアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾイソキサゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、ベンゾオキサジアゾリル基、ベンゾチアジアゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ピペリジニル基、ピロリジニル基、ピペラジニル基、モルホリル基、フェナジニル基、フェノチアジニル基、およびフェノキサジニル基等が挙げられる。
本実施形態における複素環基の環形成原子数は、5〜20であることが好ましく、5〜14であることがさらに好ましい。上記複素環基の中でも1−ジベンゾフラニル基、2−ジベンゾフラニル基、3−ジベンゾフラニル基、4−ジベンゾフラニル基、1−ジベンゾチオフェニル基、2−ジベンゾチオフェニル基、3−ジベンゾチオフェニル基、4−ジベンゾチオフェニル基、1−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、4−カルバゾリル基、および9−カルバゾリル基が特に好ましい。1−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基および4−カルバゾリル基については、9位の窒素原子に、本実施形態における置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基または置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基が置換されていることが好ましい。
また、本実施形態において、複素環基は、例えば、下記一般式(XY−1)〜(XY−18)で表される部分構造から誘導される基であってもよい。
前記一般式(XY−1)〜(XY−18)において、XおよびYは、それぞれ独立に、ヘテロ原子であり、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、ケイ素原子、またはゲルマニウム原子であることが好ましい。前記一般式(XY−1)〜(XY−18)で表される部分構造は、任意の位置で結合手を有して複素環基となり、この複素環基は、置換基を有していてもよい。
また、本実施形態において、カルバゾリル基としては、例えば、下記式で表されるようなカルバゾール環に対してさらに環が縮合した基も含み得る。このような基も置換基を有していてもよい。また、結合手(波線部分)の位置も適宜変更され得る。
本実施形態における炭素数1〜30のアルキル基としては、直鎖、分岐鎖または環状のいずれであってもよい。直鎖または分岐鎖のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、ネオペンチル基、アミル基、イソアミル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−ペンチルヘキシル基、1−ブチルペンチル基、1−ヘプチルオクチル基、および3−メチルペンチル基等が挙げられる。
本実施形態における直鎖または分岐鎖のアルキル基の炭素数は、1〜10であることが好ましく、1〜6であることがさらに好ましい。上記直鎖または分岐鎖のアルキル基の中でもメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、アミル基、イソアミル基、およびネオペンチル基が特に好ましい。
本実施形態における炭素数3〜30のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基等が挙げられる。シクロアルキル基の環形成炭素数は、3〜10であることが好ましく、5〜8であることがさらに好ましい。上記シクロアルキル基の中でも、シクロペンチル基やシクロヘキシル基が特に好ましい。
アルキル基がハロゲン原子で置換されたハロゲン化アルキル基としては、例えば、上記炭素数1〜30のアルキル基が1以上のハロゲン原子で置換されたフルオロアルキル基が挙げられる。具体的には、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロエチル基、トリフルオロメチルメチル基、トリフルオロエチル基、およびペンタフルオロエチル基等が挙げられる。
アラルキル基としては、環形成炭素数6〜30のアラルキル基が好ましく、−Z−Zと表される。このZの例として、上記炭素数1〜30のアルキル基に対応するアルキレン基が挙げられる。このZの例として、上記環形成炭素数6〜30のアリール基の例が挙げられる。このアラルキル基は、炭素数7〜30のアラルキル基(アリール部分は炭素数6〜30、好ましくは6〜20、より好ましくは6〜12)、アルキル部分は炭素数1〜30(好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜6)であることが好ましい。このアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、2−フェニルプロパン−2−イル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニルイソプロピル基、2−フェニルイソプロピル基、フェニル−t−ブチル基、α−ナフチルメチル基、1−α−ナフチルエチル基、2−α−ナフチルエチル基、1−α−ナフチルイソプロピル基、2−α−ナフチルイソプロピル基、β−ナフチルメチル基、1−β−ナフチルエチル基、2−β−ナフチルエチル基、1−β−ナフチルイソプロピル基、2−β−ナフチルイソプロピル基が挙げられる。
本実施形態における置換シリル基としては、炭素数3〜30のアルキルシリル基、および環形成炭素数6〜30のアリールシリル基が挙げられる。
本実施形態における炭素数3〜30のアルキルシリル基としては、上記炭素数1〜30のアルキル基で例示したアルキル基を有するトリアルキルシリル基が挙げられ、具体的にはトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−n−ブチルシリル基、トリ−n−オクチルシリル基、トリイソブチルシリル基、ジメチルエチルシリル基、ジメチルイソプロピルシリル基、ジメチル−n−プロピルシリル基、ジメチル−n−ブチルシリル基、ジメチル−t−ブチルシリル基、ジエチルイソプロピルシリル基、ビニルジメチルシリル基、プロピルジメチルシリル基、およびトリイソプロピルシリル基等が挙げられる。トリアルキルシリル基における3つのアルキル基は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
本実施形態における環形成炭素数6〜30のアリールシリル基としては、ジアルキルアリールシリル基、アルキルジアリールシリル基、およびトリアリールシリル基が挙げられる。
ジアルキルアリールシリル基は、例えば、上記炭素数1〜30のアルキル基で例示したアルキル基を2つ有し、上記環形成炭素数6〜30のアリール基を1つ有するジアルキルアリールシリル基が挙げられる。ジアルキルアリールシリル基の炭素数は、8〜30であることが好ましい。
アルキルジアリールシリル基は、例えば、上記炭素数1〜30のアルキル基で例示したアルキル基を1つ有し、上記環形成炭素数6〜30のアリール基を2つ有するアルキルジアリールシリル基が挙げられる。アルキルジアリールシリル基の炭素数は、13〜30であることが好ましい。
トリアリールシリル基は、例えば、上記環形成炭素数6〜30のアリール基を3つ有するトリアリールシリル基が挙げられる。トリアリールシリル基の炭素数は、18〜30であることが好ましい。
本実施形態における置換ゲルマニウム基としては、−Ge(R101で表されることが好ましい。R101は、それぞれ独立に、置換基である。置換基R101は、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、または置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基であることが好ましい。複数のR101は、互いに同一でも異なっていてもよい。
本実施形態における置換ホスフィンオキシド基としては、下記一般式(200)で表されることが好ましい。
前記一般式(200)において、R102およびR103は、それぞれ独立に、置換基である。置換基R102および置換基R103は、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、または置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基であることが好ましい。波線部分は結合手である。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、およびヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
本実施形態において、「環形成炭素」とは飽和環、不飽和環、または芳香環を構成する炭素原子を意味する。「環形成原子」とはヘテロ環(飽和環、不飽和環、および芳香環を含む)を構成する炭素原子およびヘテロ原子を意味する。
また、本実施形態において、水素原子とは、中性子数の異なる同位体、すなわち、軽水素(Protium)、重水素(Deuterium)、三重水素(Tritium)を包含する。
また、「置換もしくは無置換の」という場合における置換基としては、上述のようなアリール基、複素環基、アルキル基(直鎖または分岐鎖のアルキル基、シクロアルキル基、ハロアルキル基)、アラルキル基、アルキルシリル基、アリールシリル基、ハロゲン原子、シアノ基の他に、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、シロキサニル基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アミノ基、アルデヒド基、カルボニル基、エステル基、カルバモイル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、およびカルボキシ基が挙げられる。
ここで挙げた置換基の中では、アリール基、複素環基、アルキル基、ハロゲン原子、アルキルシリル基、アリールシリル基、およびシアノ基が好ましく、さらには、各置換基の説明において好ましいとした具体的な置換基が好ましい。
これらの置換基は、上記のアリール基、複素環基、アルキル基、アラルキル基、アルキルシリル基、アリールシリル基、ハロゲン原子、およびシアノ基の他に、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、シロキサニル基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アミノ基、アルデヒド基、カルボニル基、エステル基、カルバモイル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、およびカルボキシ基によってさらに置換されてもよい。また、これらの置換基は複数が互いに結合して環を形成してもよい。
炭素数2〜30のアルケニル基としては、直鎖、分岐鎖、または環状のいずれであってもよく、例えば、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、オレイル基、エイコサペンタエニル基、ドコサヘキサエニル基、スチリル基、2,2−ジフェニルビニル基、1,2,2−トリフェニルビニル基、2−フェニル−2−プロペニル基、シクロペンタジエニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、およびシクロヘキサジエニル基等が挙げられる。
炭素数2〜30のアルキニル基としては、直鎖、分岐鎖、または環状のいずれであってもよく、例えば、エチニル、プロピニル、および2−フェニルエチニル等が挙げられる。
炭素数1〜30のアルコキシ基は、−OZと表される。このZの例として、上記炭素数1〜30のアルキル基が挙げられる。アルコキシ基は、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、およびヘキシルオキシ基があげられる。アルコキシ基の炭素数は、1〜20であることが好ましい。
アルコキシ基がハロゲン原子で置換されたハロゲン化アルコキシ基としては、例えば、上記炭素数1〜30のアルコキシ基が1以上のフッ素原子で置換された基が挙げられる。
環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基は、−OZと表される。このZの例として、上記環形成炭素数6〜30のアリール基が挙げられる。アリールオキシ基の環形成炭素数は、6〜20であることが好ましい。このアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基が挙げられる。
炭素数1〜30のアルキルチオ基は、−SRと表される。このRの例として、上記炭素数1〜30のアルキル基が挙げられる。アルキルチオ基の炭素数は、1〜20であることが好ましい。
環形成炭素数6〜30のアリールチオ基は、−SRと表される。このRの例として、上記環形成炭素数6〜30のアリール基が挙げられる。アリールチオ基の環形成炭素数は、6〜20であることが好ましい。
シロキサニル基は、エーテル結合を介したケイ素化合物基であり、例えば、トリメチルシロキサニル基等が挙げられる。
炭素数2〜30のアルキルアミノ基は、−NHR、または−N(Rと表される。このRの例として、上記炭素数1〜30のアルキル基が挙げられる。
環形成炭素数6〜60のアリールアミノ基は、−NHR、または−N(Rと表される。このRの例として、上記環形成炭素数6〜30のアリール基が挙げられる。
アルデヒド基、カルボニル基、エステル基、カルバモイル基、およびアミノ基は、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、または複素環等で置換されていてもよく、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、および複素環は、置換基をさらに有していてもよい。
「置換もしくは無置換の」という場合における「無置換」とは前記置換基で置換されておらず、水素原子が結合していることを意味する。
なお、本実施形態において、「置換もしくは無置換の炭素数XX〜YYのZZ基」という表現における「炭素数XX〜YY」は、ZZ基が無置換である場合の炭素数を表し、置換されている場合の置換基の炭素数は含めない。ここで、「YY」は「XX」よりも大きく、「XX」と「YY」はそれぞれ1以上の整数を意味する。
本実施形態において、「置換もしくは無置換の原子数XX〜YYのZZ基」という表現における「原子数XX〜YY」は、ZZ基が無置換である場合の原子数を表し、置換されている場合の置換基の原子数は含めない。ここで、「YY」は「XX」よりも大きく、「XX」と「YY」はそれぞれ1以上の整数を意味する。
本実施形態において、置換基同士が互いに結合して環構造が構築される場合、環構造は、飽和環、不飽和環、芳香族炭化水素環、または複素環である。また、本実施形態において、芳香族炭化水素環および複素環としては、上述した一価の基の由来となる環構造が挙げられる。
本実施形態において、連結基における芳香族炭化水素基および複素環基としては、上述した一価の基から、1つ以上の原子を除いて得られる二価以上の基が挙げられる。また、連結基における「炭素−炭素二重結合を有する炭素数2〜30の鎖状または分岐状の炭化水素基」は、上述したアルケニル基から、1つ以上の原子を除いて得られる二価以上の基が挙げられ、「炭素−炭素三重結合を有する炭素数2〜30の鎖状または分岐状の炭化水素基」は、上述したアルキニル基から、1つ以上の原子を除いて得られる二価以上の基が挙げられる。
〔電子機器〕
本発明の一実施形態に係る有機EL素子は、表示装置および発光装置等の電子機器に使用できる。表示装置としては、例えば、有機ELパネルモジュール等の表示部品、テレビ、携帯電話、タブレット、およびパーソナルコンピュータ等が挙げられる。発光装置としては、例えば、照明、および車両用灯具等が挙げられる。
〔実施形態の変形〕
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変更、改良等は、本発明に含まれる。
有機EL素子の構成は、前記実施形態で説明した構成に限定されない。
例えば、発光層の陽極側や陰極側に障壁層を隣接させて設けてもよい。障壁層は、発光層に接して配置され、正孔、電子および励起子の少なくともいずれかを阻止することが好ましい。
例えば、発光層の陰極側で接して障壁層が配置された場合、当該障壁層は、電子を輸送し、正孔が当該障壁層よりも陰極側の層(例えば、電子輸送層)に到達することを阻止する。有機EL素子が、電子輸送層を含む場合は、発光層と電子輸送層との間に当該障壁層を含むことが好ましい。
また、発光層の陽極側で接して障壁層が配置された場合、当該障壁層は、正孔を輸送し、電子が当該障壁層よりも陽極側の層(例えば、正孔輸送層)に到達することを阻止する。有機EL素子が、正孔輸送層を含む場合は、発光層と正孔輸送層との間に当該障壁層を含むことが好ましい。
また、励起エネルギーが発光層からその周辺層に漏れ出さないように、障壁層を発光層に隣接させて設けてもよい。発光層で生成した励起子が、当該障壁層よりも電極側の層(例えば、電子輸送層や正孔輸送層)に移動することを阻止する。
発光層と障壁層とは接合していることが好ましい。
本発明の一実施形態に係る化合物は、正孔輸送層に含まれていてもよいし、電子輸送層に含まれていてもよいし、正孔輸送層および電子輸送層の両方に含まれていてもよい。
本発明の一実施形態に係る化合物を含む層である場合、正孔輸送層および電子輸送層は、溶媒および本発明の一実施形態に係る化合物を含む溶液を用いて、上記塗布法により成膜することが好ましい。
その他、本発明の実施における具体的な構造および形状等は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等としてもよい。
以下、本発明に係る実施例を説明する。本発明はこれらの実施例によって限定されない。
[合成実施例1] 化合物H−1の合成
(1)化合物A2の合成
化合物B1(4.48g、10.4mmol)をジクロロメタン50mLに溶かし、室温にて水酸化リチウム一水塩(1.08g、25.9mmol)を加え15分撹拌した。そこに化合物A1(4.00g、10.4mmol)を加え室温にて撹拌した。ジクロロメタンで抽出し、得られた有機層を減圧濃縮した。生成した固体をカラム精製し、化合物A2(4.14g、収率90%)を得た。
(2)化合物A3の合成
アルゴン雰囲気下、化合物A2(4.14g、9.36mmol)、ベンズアミジン塩酸塩(1.47g、9.36mmol)、EtOH10mL、およびNaOH(0.450g、11.2mmol)を加え5時間加熱還流した。生成した固体を濾取し、エタノールで洗浄し、ピリミジン中間体である化合物A3(4.47g、収率88%)を得た。
(3)化合物H−1の合成
アルゴン雰囲気下、ビスカルバゾリル体C1(3.01g、7.38mmol)、化合物A3(2.00g、3.69mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(67.6mg、0.0738mol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(70.4mg、0.148mmol)、t−ブトキシナトリウム(0.709g、7.38mmol)、および無水トルエン(40mL)を順次加えて7時間加熱還流した。
室温まで反応液を冷却した後、不溶物を濾過して除き、有機溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、化合物H−1(3.53g,収率80%)を得た。
化合物H−1について、HPLC(High Performance Liquid
Chromatography)およびLC−MS(Liquid Chromatography−Mass Spectrometry)の分析結果を以下に示す。
HPLC:純度99.2%
LC−MS:calcd for C8856=1196、
found m/z=1196(M+,100)
[合成実施例2] 化合物H−2の合成
アルゴン雰囲気下、ビスカルバゾリル体C1(3.01g、7.38mmol)、ピリミジン中間体である化合物A4(2.00g、3.69mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(67.6mg、0.0738mol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(70.4mg、0.148mmol)、t−ブトキシナトリウム(0.709g、7.38mmol)、および無水トルエン(40mL)を順次加えて7時間加熱還流した。
室温まで反応液を冷却した後、不溶物を濾過して除き、有機溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、化合物H−2(3.18g,収率72%)を得た。
化合物H−2について、HPLCおよびLC−MSの分析結果を以下に示す。
HPLC:純度98.8%
LC−MS:calcd for C8856=1196、
found m/z=1196(M+,100)
[実施例1]
(基板の洗浄)
25mm×25mm×厚さ1.1mmのITO透明電極付きガラス基板(ジオマテック株式会社製)に対し、イソプロピルアルコール中で超音波洗浄を5分間行った後、UVオゾン洗浄を5分間行った。
(下地層の形成)
正孔輸送材料としてHERAEUS社製CLEVIOUS AI4083(商品名)を30nmの厚さで前記のITO基板上にスピンコート法により成膜した。成膜後、アセトンにより不要部分を除去し、次いで大気中200℃のホットプレートで10分間焼成し、下地層を形成した下地基板を作製した。
(発光層の形成)
ホスト材料として合成実施例1で得た化合物H−1、ドーパント材料として化合物D−1を用い、化合物H−1:化合物D−1が質量比で90:10となるような混合比で、1.6質量%のトルエン溶液を作製した。材料の溶解には超音波を用いた。このトルエン溶液を目視し、全ての化合物が完全に溶解し透明になっていることを確認した。このトルエン溶液を用い、前記下地基板上にスピンコート法により、50nmの膜厚になるように塗布成膜した。塗布成膜後、不要部分をトルエンにて除去し、200℃のホットプレート上で加熱乾燥し、発光層を成膜した塗布積層基板を作製した。なお、発光層の成膜にかかる全ての操作は窒素雰囲気のグローブボックス中で実施した。
(蒸着、封止)
塗布積層基板を蒸着チャンバー中に搬送し、電子輸送層としてとして下記化合物ET−1を50nm蒸着した。さらに、フッ化リチウムを1nm、アルミニウムを80nm蒸着積層した。全ての蒸着工程を完了させた後、窒素雰囲気のグローブボックス中でザグリガラスによる封止を行い、有機EL素子を作製した。
得られた有機EL素子を、直流電流駆動により発光させ、電流密度10mA/cmにおける外部量子収率(EQE)を測定した。測定結果を表1に示す。
[実施例2]
ホスト材料として、化合物H−1の代わりに合成実施例2で得た化合物H−2を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で有機EL素子を作製した。得られた有機EL素子を、直流電流駆動により発光させ、電流密度10mA/cmにおける外部量子収率(EQE)を測定した。測定結果を表1に示す。
[比較例1]
ホスト材料として、化合物H−1の代わりに下記比較化合物H−aを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で有機EL素子を作製しようとしたが、トルエン溶液中で材料が溶けずに白濁しており、溶液調製ができなかったことから、素子作製に至らなかった。
[比較例2]
ホスト材料として、化合物H−1の代わりに下記比較化合物H−bを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で有機EL素子を作製しようとしたが、200℃の加熱時に膜に穴が形成されてしまったため、均一な発光が得られなかった。
上記のように、実施例1および実施例2で用いた本発明の一実施形態に係る化合物は、可溶性および耐熱性に優れることが確認できた。
また、表1が示すように、実施例1および実施例2の有機EL素子は、外部量子効率EQEが高いことが確認できた。
1…有機EL素子、2…基板、3…陽極、4…陰極、7…発光層、10…有機層、
11…電子輸送帯域。

Claims (23)

  1. 下記一般式(11)で表される第一の構造と、
    下記一般式(2)で表される第二の構造と、を有し、
    前記第一の構造、および前記第二の構造は、それぞれ、分子中に互いに独立して含まれる、
    化合物。
    (前記一般式(11)において、
    11は、Arと結合する炭素原子であり、
    12は、Arと結合する炭素原子であり、
    13は、窒素原子であり、
    14は、Arと結合する炭素原子であり、
    15は、窒素原子であり、
    16は、Arと結合する炭素原子であり、
    Ar〜Arは、それぞれ独立に、
    無置換の芳香族炭化水素基、または
    分子中の前記第二の構造に含まれる原子と結合する無置換の芳香族炭化水素基であり、
    前記芳香族炭化水素基は、フェニル基またはビフェニル基である。)
    (前記一般式(2)において、
    は、Xと結合する炭素原子であり、
    は、Xと結合する炭素原子であり、
    は、窒素原子であり、
    における窒素原子は、
    分子中の前記第一の構造に含まれる原子と結合し、
    は、Xと結合する炭素原子であり、
    は、Xと結合する炭素原子であり、
    Lは、単結合であり、
    Lは、置換基と結合し、
    Lに結合する前記置換基は、無置換のフェニル基または無置換のビフェニル基であり、
    〜Yは、それぞれ独立に、
    と結合する炭素原子、または
    〜Y16のいずれかと結合する炭素原子であり、
    〜Y16は、それぞれ独立に、
    と結合する炭素原子、または
    〜Yのいずれかと結合する炭素原子であり、
    およびRは、いずれも水素原子であり、
    mは、分子中の前記第二の構造の数であって、2であり、
    pは、1または2である。)
  2. 請求項1に記載の化合物において、
    前記一般式(11)におけるAr〜Arのうち2つが無置換の芳香族炭化水素基であり、残りの2つが分子中の前記第二の構造に含まれる原子と結合する無置換の芳香族炭化水素基である、化合物。
  3. 請求項2に記載の化合物において、
    前記第二の構造中の一方の下記の構造(2a)におけるXが前記一般式(11)におけるAr〜Arのうちの1つと結合し、前記第二の構造中の他方の下記の構造(2a)におけるXが前記一般式(11)におけるAr〜Arのうちの他の1つと結合する、化合物。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の化合物において、
    前記芳香族炭化水素基は、いずれも無置換のフェニル基である、化合物。
  5. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の化合物において、
    前記芳香族炭化水素基は、いずれも無置換のビフェニル基である、化合物。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の化合物において、
    前記一般式(2)におけるLに結合する前記置換基は、無置換のフェニル基である、化合物。
  7. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の化合物において、
    前記一般式(2)におけるLに結合する前記置換基は、無置換のビフェニル基である、化合物。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の化合物において、
    前記一般式(2)におけるY〜Yのうちの1つがY〜Y16のいずれかと結合する炭素原子であり、残りがRと結合する炭素原子であり、
    前記一般式(2)におけるY〜Y16のうちの1つがY〜Yのいずれかと結合する炭素原子であり、残りがRと結合する炭素原子である、化合物。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の化合物において、
    前記一般式(2)におけるpが1である、化合物。
  10. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の化合物において、
    前記一般式(2)で表される第二の構造は、下記一般式(20)で表され、
    下記一般式(20)において、
    およびXは、互いに結合する炭素原子であり、
    およびXは、互いに結合する炭素原子であり、
    pは、1であり、
    〜Yのいずれかは、Y13〜Y16のいずれかと結合する炭素原子であり、
    13〜Y16のいずれかは、Y〜Yのいずれかと結合する炭素原子である、化合物。
  11. 請求項9または請求項10に記載の化合物において、
    とY14とが結合する、化合物。
  12. 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の化合物において、
    前記一般式(2)におけるpが2である、化合物。
  13. 請求項12に記載の化合物において、
    前記第二の構造中の下記の構造(9a)の一方のY14がYと結合し、他方のY14がYと結合する、化合物。
  14. 請求項1に記載の化合物において、
    前記一般式(11)で表される第一の構造と、前記一般式(2)で表される第二の構造と、を有する化合物は、下記一般式(C−1)〜(C−6)のいずれかで表される、化合物。
  15. 請求項14に記載の化合物において、
    前記一般式(11)で表される第一の構造と、前記一般式(2)で表される第二の構造と、を有する化合物は、前記一般式(C−1)または前記一般式(C−2)で表される、化合物。
  16. 請求項14に記載の化合物において、
    前記一般式(11)で表される第一の構造と、前記一般式(2)で表される第二の構造と、を有する化合物は、前記一般式(C−3)〜(C−6)のいずれかで表される、化合物。
  17. 請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の化合物と、溶媒と、を含む組成物。
  18. 陽極と、有機層と、陰極と、を含み、
    前記有機層は、請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の化合物を含む、
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
  19. 前記有機層は、発光層を含み、
    前記発光層は、前記化合物を含む、
    請求項18に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  20. 前記発光層は、さらに発光材料を含む、
    請求項19に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  21. 前記陽極と前記発光層との間に正孔輸送層を含む、
    請求項19または請求項20に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  22. 前記発光層と前記陰極との間に電子輸送層を含む、
    請求項19から請求項21のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  23. 請求項18から請求項22のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備える電子機器。
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