JP2016081972A - 有機エレクトロルミネッセンス素子、電子機器、および組成物 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子、電子機器、および組成物 Download PDF

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Yutaka Kudo
裕 工藤
大野 英俊
Hidetoshi Ono
英俊 大野
山本 弘志
Hiroshi Yamamoto
弘志 山本
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Abstract

【課題】発光効率を向上させることのできる有機エレクトロルミネッセンス素子を提供する。【解決手段】陽極と、陰極と、有機層と、を備え、前記有機層は、下記一般式(1)で表される第一の化合物、および下記一般式(2)で表される第二の化合物を含有する有機層を含み、前記有機層に含まれる前記第一の化合物の含有量と、前記有機層に含まれる前記第二の化合物の含有量との総和を100%としたとき、前記有機層に含まれる前記第二の化合物の含有量が1.00%以下である有機エレクトロルミネッセンス素子。【選択図】なし

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子、電子機器、および組成物に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」という場合がある。)に電圧を印加すると、陽極から正孔が、また陰極から電子が、それぞれ発光層に注入される。そして、発光層において、注入された正孔と電子とが再結合し、励起子が形成される。このとき、電子スピンの統計則により、一重項励起子、及び三重項励起子が25%:75%の割合で生成する。
有機EL素子は、照明装置や、携帯電話やテレビ等の表示装置に応用されている。有機EL素子の、発光効率や発光寿命などの素子性能をさらに向上させることが要望されている。
素子性能の向上を図るため、有機EL素子に用いる化合物が検討されている。例えば、特許文献1〜8には、含窒素六員環と、カルバゾール環にさらに環構造が縮合した縮合カルバゾール環とを備えた化合物が記載されている。
特開2012−056880号公報 特表2014−503502号公報 特表2012−500789号公報 特表2012−531383号公報 特表2012−528088号公報 国際公開第2013/094854号 国際公開第2011/055911号 国際公開第2014/003336号
本発明の目的は、発光効率を向上させることのできる有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することである。本発明の別の目的は、当該有機エレクトロルミネッセンス素子を備える電子機器を提供することである。本発明のさらに別の目的は、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光効率を向上させることのできる組成物を提供することである。
本発明の一態様によれば、陽極と、陰極と、有機層と、を備え、前記有機層は、下記一般式(1)で表される第一の化合物、および下記一般式(2)で表される第二の化合物を含有する有機化合物層を含み、前記有機化合物層に含まれる前記第一の化合物の含有量と、前記有機化合物層に含まれる前記第二の化合物の含有量との総和を100%としたとき、前記有機化合物層に含まれる前記第二の化合物の含有量が1.00%以下である有機エレクトロルミネッセンス素子が提供される。
(前記一般式(1)および前記一般式(2)において、A、A、A、A、およびAは、それぞれ独立に、窒素原子、またはCRであり、ただし、A〜Aのうち少なくともいずれかが窒素原子であり、
Lは、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリーレン基であり、
Rは、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、および
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基からなる群から選択され、
ただし、Rは、前記一般式(1)中のA〜Aを含む環構造とは異なり、
は、水素原子または置換基であり、Rが置換基である場合の置換基としては、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数3〜30のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、
置換シリル基、および
シアノ基からなる群から選択され、
複数のRは、互いに同一でも異なっていてもよく、複数のRのうち少なくとも2つが置換基である場合、置換基R同士は、互いに結合して環構造が構築されていてもよく、
前記一般式(1)および前記一般式(2)におけるAは、互いに同一であり、
前記一般式(1)および前記一般式(2)におけるAは、互いに同一であり、
前記一般式(1)および前記一般式(2)におけるAは、互いに同一であり、
前記一般式(1)および前記一般式(2)におけるAは、互いに同一であり、
前記一般式(1)および前記一般式(2)におけるAは、互いに同一であり、
前記一般式(1)および前記一般式(2)におけるLは、互いに同一である。)
本発明の一態様によれば、前述の本発明の一態様に係る有機エレクトロルミネッセンス素子を備える電子機器が提供される。
本発明の一態様によれば、前記一般式(1)で表される第一の化合物、および前記一般式(2)で表される第二の化合物を含み、前記第一の化合物の含有量と、前記第二の化合物の含有量との総和を100%としたとき、前記第二の化合物の含有量が1.00%以下である組成物が提供される。
本発明によれば、発光効率を向上させることのできる有機エレクトロルミネッセンス素子を提供できる。本発明によれば、当該有機エレクトロルミネッセンス素子を備える電子機器を提供できる。本発明によれば、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光効率を向上させることのできる組成物を提供できる。
一実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の一例の概略構成を示す図である。 合成例1に係る組成物のHPLCチャートである。 図2のHPLCチャートを拡大させた図である。 精製後の合成例1に係る組成物のHPLCチャートである。 図4のHPLCチャートを拡大させた図である。 合成例6に係る組成物のHPLCチャートである。 図6のHPLCチャートを拡大させた図である。 精製後の合成例6に係る組成物のHPLCチャートである。
〔組成物〕
本実施形態に係る組成物は、第一の化合物、および第二の化合物を含む。本実施形態に係る組成物中、第一の化合物の含有量と、第二の化合物の含有量との総和を100%としたとき、組成物に含まれる第二の化合物の含有量が1.00%以下である。また、本実施形態に係る組成物中、第二の化合物の含有量が0.50%以下であることが好ましく、0.02%以下であることがより好ましく、0.01%以下であることがさらに好ましく、0.01%未満であることがよりさらに好ましい。
第一の化合物は、下記一般式(1)で表され、第二の化合物は、下記一般式(2)で表される。
(前記一般式(1)および前記一般式(2)において、A、A、A、A、およびAは、それぞれ独立に、窒素原子、またはCRであり、ただし、A〜Aのうち少なくともいずれかが窒素原子であり、
Lは、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリーレン基であり、
Rは、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、および
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基からなる群から選択され、
ただし、Rは、前記一般式(1)中のA〜Aを含む環構造とは異なり、
は、水素原子または置換基であり、Rが置換基である場合の置換基としては、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数3〜30のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、
置換シリル基、および
シアノ基からなる群から選択され、
複数のRは、互いに同一でも異なっていてもよく、複数のRのうち少なくとも2つが置換基である場合、置換基R同士は、互いに結合して環構造が構築されていてもよく、
前記一般式(1)および前記一般式(2)におけるAは、互いに同一であり、
前記一般式(1)および前記一般式(2)におけるAは、互いに同一であり、
前記一般式(1)および前記一般式(2)におけるAは、互いに同一であり、
前記一般式(1)および前記一般式(2)におけるAは、互いに同一であり、
前記一般式(1)および前記一般式(2)におけるAは、互いに同一であり、
前記一般式(1)および前記一般式(2)におけるLは、互いに同一である。)
前記第一の化合物は、下記一般式(10)で表されることも好ましい。
(前記一般式(10)において、A〜Aは、それぞれ独立に、前記一般式(1)におけるA〜Aと同義であり、Lは、前記一般式(1)におけるLと同義であり、
、X、X、X、X、X、X、およびXは、それぞれ独立に、窒素原子、またはCRであり、Rは、水素原子または置換基であり、Rが置換基である場合の置換基としては、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、および置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基からなる群から選択され、複数のRは、互いに同一でも異なっていてもよく、複数のRのうち少なくとも2つが置換基である場合、置換基R同士は、互いに結合して環構造が構築されていてもよい。)
前記X〜Xは、それぞれ独立に、CRであることが好ましい。
前記X〜Xのうち隣接する2つがCRであり、これらRは、いずれも置換基であって、当該置換基同士が互いに結合して、下記一般式(11)で表される環構造が構築されていることも好ましい。
前記一般式(11)において、Yは、酸素原子、硫黄原子、NR、およびCRからなる群から選択され、
、Z、Z、およびZは、それぞれ独立に、窒素原子、またはCRであり、
、R、R、およびRは、それぞれ独立に、水素原子または置換基であり、R、R、R、およびRが置換基である場合の置換基としては、前記Rにおける置換基と同義であり、複数のRは、互いに同一でも異なっていてもよく、複数のRのうち少なくとも2つが置換基である場合、置換基R同士は、互いに結合して環構造が構築されていてもよく、
前記一般式(11)における*は、それぞれ、X〜Xを含む6員環に結合する位置を表す。
なお、本明細書において、X〜Xのうち隣接する2つとは、例えば、XおよびXのように6員環を構築する原子のうち、隣り合う2つの原子のことをいう。そのため、XおよびXも隣接する2つであり、XおよびXも隣接する2つである。
本実施形態において、前記第一の化合物は、下記一般式(12)、一般式(13)、一般式(14)、一般式(15)、一般式(16)、または一般式(17)のいずれかで表されることが好ましい。
(前記一般式(12)〜(17)において、Yは、酸素原子、硫黄原子、NR、およびCRからなる群から選択され、
、Z、Z、およびZは、それぞれ独立に、窒素原子、またはCRであり、
、R、R、およびRは、それぞれ独立に、水素原子または置換基であり、R、R、R、およびRが置換基である場合の置換基としては、前記Rにおける置換基と同義であり、複数のRは、互いに同一でも異なっていてもよく、複数のRのうち少なくとも2つが置換基である場合、置換基R同士は、互いに結合して環構造が構築されていてもよい。)
本実施形態において、前記Yは、酸素原子、硫黄原子、およびNRからなる群から選択されることが好ましく、酸素原子、または硫黄原子であることがより好ましい。
本実施形態において、前記Lは、下記一般式(L1)〜(L12)からなる群から選択される置換もしくは無置換のアリーレン基であることが好ましい。
前記一般式(L1),(L2),(L3),(L4),(L5),(L6)において、a、b、c、d、e、f、g、h、およびiは、4であり、j、k、l、およびnは、3であり、mは、2であり、R11〜R24は、それぞれ独立に、水素原子または置換基であり、R11〜R24が置換基である場合の置換基としては、前記Rにおける置換基と同義であり、複数のR11は、互いに同一でも異なっていてもよく、複数のR12は、互いに同一でも異なっていてもよく、複数のR13は、互いに同一でも異なっていてもよく、複数のR14は、互いに同一でも異なっていてもよく、複数のR15は、互いに同一でも異なっていてもよく、複数のR16は、互いに同一でも異なっていてもよく、複数のR17は、互いに同一でも異なっていてもよく、複数のR18は、互いに同一でも異なっていてもよく、複数のR19は、互いに同一でも異なっていてもよく、複数のR20は、互いに同一でも異なっていてもよく、複数のR21は、互いに同一でも異なっていてもよく、複数のR22は、互いに同一でも異なっていてもよく、複数のR23は、互いに同一でも異なっていてもよく、複数のR24は、互いに同一でも異なっていてもよい。
前記一般式(L7),(L8),(L9),(L10),(L11),(L12)において、o、q、r、t、u、v、w、z、a5、a6は、3であり、p、s、x、y、a1、a2、a3、a4は、2であり、a7は、4であり、R25〜R45は、それぞれ独立に、水素原子または置換基であり、R25〜R45が置換基である場合の置換基としては、前記Rにおける置換基と同義であり、複数のR25は、互いに同一でも異なっていてもよく、複数のR26は、互いに同一でも異なっていてもよく、複数のR27は、互いに同一でも異なっていてもよく、複数のR28は、互いに同一でも異なっていてもよく、複数のR29は、互いに同一でも異なっていてもよく、複数のR30は、互いに同一でも異なっていてもよく、複数のR31は、互いに同一でも異なっていてもよく、複数のR32は、互いに同一でも異なっていてもよく、複数のR33は、互いに同一でも異なっていてもよく、複数のR34は、互いに同一でも異なっていてもよく、複数のR35は、互いに同一でも異なっていてもよく、複数のR36は、互いに同一でも異なっていてもよく、複数のR37は、互いに同一でも異なっていてもよく、複数のR38は、互いに同一でも異なっていてもよく、複数のR39は、互いに同一でも異なっていてもよく、複数のR40は、互いに同一でも異なっていてもよく、複数のR41は、互いに同一でも異なっていてもよく、複数のR42は、互いに同一でも異なっていてもよく、複数のR43は、互いに同一でも異なっていてもよく、複数のR44は、互いに同一でも異なっていてもよく、複数のR45は、互いに同一でも異なっていてもよい。
前記一般式(L1)〜(L12)において、R11〜R45が水素原子であることが好ましい。
前記Lは、前記一般式(L1)、(L2)、(L5)、および(L9)からなる群から選択される置換もしくは無置換のアリーレン基であることがより好ましく、前記一般式(L1)で表されることがさらに好ましい。
本実施形態において、前記Lが置換基を有する場合、当該置換基は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3〜30のシクロアルキル基、および置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基からなる群から選択されることが好ましい。
本実施形態において、A〜Aのうち2つまたは3つが窒素原子であり、その他がCRであることが好ましい。Rは、置換基であることが好ましい。この場合、置換基Rとしては、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、および置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基からなる群から選択されることが好ましく、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基であることがより好ましい。さらに、置換基Rの環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、フルオレニル基、ピレニル基、クリセニル基、フルオランテニル基、ベンゾ[a]アントリル基、ベンゾ[c]フェナントリル基、トリフェニレニル基、ベンゾ[k]フルオランテニル基、ベンゾ[g]クリセニル基、ベンゾ[b]トリフェニレニル基、ピセニル基、およびペリレニル基が好ましく、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、ターフェニル基、およびフルオレニル基がより好ましい。
本実施形態において、A〜Aのうち2つが窒素原子である場合、AおよびAが窒素原子、A、AおよびAがCRであるか、またはAおよびAが窒素原子、A、AおよびAがCRであることが好ましい。
〜Aのうち3つが窒素原子である場合、A、AおよびAが窒素原子、AおよびAがCRであることが好ましい。
〜Aのうち2つが窒素原子である場合、並びにA〜Aのうち3つが窒素原子である場合のいずれにおいても、Rは、置換基であることが好ましい。この場合、置換基Rとしては、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、および置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基からなる群から選択されることが好ましく、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基であることがより好ましい。
本実施形態において、前記Rと前記Rとは、互いに異なることが好ましい。例えば、前記AがCRである場合、Rが置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基であり、Rは、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基であることが好ましい。
本実施形態において、複数のRのうち少なくとも2つが置換基であり、置換基R同士は、互いに結合していないことも好ましい。例えば、前記AおよびAがCRである場合、当該置換基R同士が結合すれば、含窒素縮合環が構築される。当該置換基R同士が結合しなければ、前記A〜Aを含む環構造は、非縮合の含窒素6員環のままである。前記A〜Aを含む環構造としては、例えば、下記に示す環の群から選択される。
上記環の群の中でも前記A〜Aを含む環構造としては、ピリジン環、ピリミジン環、およびトリアジン環が好ましい。前記A〜Aを含む環構造は、置換基を有していてもよい。
本実施形態に係る組成物には、第一の化合物および第二の化合物とは異なる他の化合物が含まれていてもよい。この場合についても、第一の化合物の含有量と、第二の化合物の含有量との総和を100%としたとき、組成物に含まれる第二の化合物の含有量が1.00%以下であり、第二の化合物の含有量が0.50%以下であることが好ましく、0.02%以下であることがより好ましく、0.01%以下であることがさらに好ましく、0.01%未満であることがよりさらに好ましい。
本実施形態に係る組成物に含まれる化合物の含有量は、高速液体クロマトグラフィー (High performance liquid chromatography;HPLC)によって測定できる。
本実施形態に係る組成物に含まれる化合物1および化合物2の含有量は、後述の実施例に示すように、HPLCチャートにおける化合物1および化合物2のシグナルの面積値より算出できる。面積値はベースラインに沿う形でシグナルを分離および抽出し、計算される。さらに得られた化合物1および化合物2の面積値を合計し、この合計値に対する各化合物の面積値の割合を含有量とした。
例えば、第一の化合物に由来するHPLCチャートのピーク面積がS1であり、第二の化合物に由来するHPLCチャートのピーク面積がS2である場合、第二の化合物の含有量は、下記数式(数1)によって計算される。
{S2/(S1+S2)}×100 …(数1)
具体的なHPLCの測定方法や化合物1および化合物2の含有量の算出方法は、後述の実施例に示す方法が挙げられる。
また、本実施形態に係る組成物に含まれる化合物の構造に応じて、適宜、測定条件を変更することができる。
例えば、溶媒の比率(容積比)を、アセトニトリル:THF=100:0〜0:100の範囲で変更してもよく、アセトニトリル:THF=100:0〜1:99の範囲で変更することが好ましい。
また、カラムを変更してもよい。例えば、順相カラムまたは逆相カラムを使うこともできる。
さらに、溶媒系を変更してもよく、カラム中の充填剤が溶けない限り、溶媒の種類は特に限定されない。逆相カラムを使う場合、溶媒としては、例えば、アセトン、ベンゼン、クロロホルム、o−ジクロロベンゼン、1,2−ジクロロエタン、ジメチルホルムアミド、1,4−ジオキサン、水、酢酸エチル、ヘキサン、トルエン、1,2,4−トリクロロベンゼン、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ジクロロメタン等が好ましい。
また、溶媒に添加剤を加えてもよく、添加剤としては、例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、安息香酸、リン酸、ホウ酸、クエン酸、酒石酸、アンモニア、トリエチルアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、およびクエン酸ナトリウム等が挙げられる。
その他のHPLCの測定方法として、例えば、溶離液の組成を変えながら分析する方法(グラジエント法)や、カラムの温度を調節する方法、溶離液の流速を調節する方法等が挙げられる。
本実施形態に係る組成物に含まれる第二の化合物の測定限界は、本願出願時において、0.001%程度である。そのため、この測定限界の観点から述べると、第一の化合物の含有量と第二の化合物の含有量との総和を100%としたとき、組成物に含まれる第二の化合物の含有量の下限は、0.001%程度となる。ただし、今後、測定装置の性能向上により、例えば、0.00001%程度まで第二の化合物の含有量を低減できれば好ましい。ただし、本実施形態の組成物中には、0%を超える量の第二の化合物が含まれている。
本実施形態において、第一の化合物の含有量と第二の化合物の含有量との総和を100%としたとき、前述のとおり、第二の化合物の含有量の下限は、測定装置の測定限界の観点により0.001%程度であるため、第一化合物の含有量の上限は、99.999%となる。また、今後、測定装置の性能向上により、第二の化合物の測定限界が、例えば、0.00001%程度になった場合は、第二の化合物の含有量の下限は、0.00001%であることが好ましく、第一の化合物の含有量の上限は、99.99999%であることが好ましい。
本実施形態に係る組成物に含まれる第二の化合物の含有量を少なくすることで、当該組成物を用いた有機EL素子の発光効率を向上させることができる。さらに、有機EL素子の駆動電圧も低下させることができる。有機EL素子の有機化合物層において第一の化合物を主成分として含む場合、第二の化合物の含有量が少ない方が、素子性能上、好ましい。第二の化合物の含有量が少なければ、当該有機化合物層の電子移動度が向上すると考えられるためである。したがって、本実施形態に係る組成物を用いて有機EL素子を製造すれば、有機化合物層に含まれる第二の化合物の含有量を少なくすることができる。
〔組成物の製造方法〕
本実施形態に係る組成物は、例えば、以下の反応スキームのとおり製造できる。
前記一般式(1a)で表される第一の原料化合物と、前記一般式(1b)で表される第二の原料化合物とを、Pd触媒存在下で反応させることで、前記一般式(1)で表される第一の化合物および前記一般式(2)で表される第二の化合物を含む組成物が製造される。
前記一般式(1a)において、A〜A、およびLは、それぞれ、前記一般式(1)におけるA〜A、およびLと同義であり、Xは、脱離基を表す。脱離基としては、例えば、ハロゲン原子、ジアゾニウム塩、並びにリン酸エステルおよびスルホン酸エステルから誘導される基が挙げられ、ハロゲン原子、ジアゾニウム塩、並びにアルキル置換リン酸エステル、アリール置換リン酸エステル、アルキル置換スルホン酸エステル、およびアリール置換スルホン酸エステルから誘導される基であることが好ましく、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、トシル基(−OTs)、またはトリフラート基(−OTf)であることがより好ましい。
前記一般式(1b)において、Rは、前記一般式(1)におけるRと同義であり、Hは、Rと結合している水素原子を表す。
前記一般式(10)で表される第一の化合物を含む組成物は、例えば、下記反応スキームに従って製造することができる。
通常、前記一般式(1a)で表される第一の原料化合物と、前記一般式(1c)で表される第二の原料化合物とを、Pd触媒存在下で反応させることで、前記一般式(10)で表される第一の化合物および前記一般式(2)で表される第二の化合物を含む組成物が製造される。
前記一般式(1a)において、A〜A、およびLは、それぞれ、前記一般式(1)におけるA〜A、およびLと同義であり、Xは、脱離基を表し、前述と同様である。
前記一般式(1c)において、X〜Xは、それぞれ、前記一般式(10)におけるX〜Xと同義である。
第二の化合物を生成させずに第一の化合物だけを選択的に製造することが好ましいが、上記反応スキームに従って第一の化合物を製造する際に、第二の化合物も微量ながら生成されて組成物中に含まれる。本実施形態に係る組成物を製造する際、1モル当量の第一の原料化合物に対して、1.15モル当量以上2.00モル当量以下の第二の原料化合物を反応させることが好ましい。第一の原料化合物に対する第二の原料化合物のモル当量が増えることで第二の化合物の生成量を低減させることができる。1モル当量の第一の原料化合物に対して、1.15モル当量未満の第二の原料化合物を反応させると、第二の化合物の含有量が多くなる。
第二の化合物の生成量をさらに低減させる観点から、前記反応スキームにおいて1モル当量の第一の原料化合物に対して、1.20モル当量以上2.00モル当量以下の第二の原料化合物を反応させることがより好ましい。生産性の観点から、2.00モル当量以下の第二の原料化合物を反応させることが好ましい。
また、第二の化合物の生成量を低減させる方法としては、第一の原料化合物を、第二化合物を含む反応溶液中に、複数回に分けて添加する方法、少量ずつ継続的に添加する方法、または断続的に添加する方法なども挙げられる。
前記反応スキームで組成物を製造した場合、再結晶、昇華精製、カラムクロマトグラフィー、および加熱懸洗などの従来の精製方法では、組成物から第二の化合物を分離することは困難である。
一方で、本実施形態に係る組成物の製造方法によれば、第一の原料化合物に対して所定モル当量の第二の原料化合物を反応させるので、反応により生成する第二の化合物を低減させることができる。そのため、本実施形態に係る製造方法により製造された組成物に含まれる第二の化合物の含有量を少なくすることができる。
本実施形態に係る組成物は、触媒、ホスフィン化合物、溶媒、塩基等の存在下で製造することが好ましい。
触媒としては、パラジウム触媒を用いることが好ましい。パラジウム触媒としては、パラジウム単体、または配位子を有するパラジウム錯体が挙げられる。中心金属であるパラジウムの価数は特に限定されない。パラジウム触媒は、担持型であるか非担持型であるか、特に限定されない。パラジウム触媒に添加物が含まれていてもよい。パラジウム触媒としては、例えば、塩化パラジウム(PdCl2)、酢酸パラジウム(Pd(OAc)2)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(Pd(PPh3)4)、ジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウム(Pd(PPh3)2Cl2)、硝酸パラジウム、ビスアセトニトリルジクロロパラジウム、ビスベンゾニトリルジクロロパラジウム、ビスアセチルアセトナートパラジウム、ビスジベンジリデンアセトンパラジウム(Pd(dba)2)、トリスジベンジリデンアセトンジパラジウム(Pd2(dba)3)、ビスジフェニルホスフィノフェロセンジクロロパラジウム(PdCl2(dppf))、ジクロロビスジt-ブチルp-ジメチルアミノフェニルホスフィノパラジウム、およびジ-μ-クロロビス-η-アリルパラジウムなどが挙げられる。
ホスフィン化合物としては、一般式P(Rx)で表されるホスフィン化合物を用いることが好ましい。Rxは、置換基であり、Rxは、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基であることが好ましい。複数のRxは、互いに同一でも異なっていてもよい。
また、ホスフィン化合物としては、一般式P(Rx)・(HXa)で表されるホスフィン塩を用いることも好ましい。Rxは、前述と同義であり、Hは水素原子であり、Xaは原子または原子団を表し、HXaとしては、例えば、HCl、HBr、およびHBF等が挙げられる。
ホスフィン化合物としては、例えば、トリフェニルホスフィン(PPh3)、トリシクロヘキシルホスフィン(PCy3)、トリ(t-ブチル)ホスフィン(P(tBu)3)、トリ(o−トリル)ホスフィン(P(o-Tolyl)3)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(dppf)、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン(dppe)、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(dppp)、2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1'−ビナフチル(BINAP)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2',6'−ジメトキシビフェニル(SPhos)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2',4',6'−トリイソプロピルビフェニル(XPhos)、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル(JohnPhos)、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2'−(ジメチルアミノ)ビフェニル(DavePhos)、および4,5'−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9'−ジメチルキサンテン(XantPhos)などが挙げられる。
塩基としては、例えば、カリウムtert−ブトキシド(tBuOK)、ナトリウムtert−ブトキシド(tBuONa)、KF、KCO、NaCO、CsCO、KPO、ヘキサメチルジシラザンリチウム(LHMDS)、ヘキサメチルジシラザンカリウム(KHMDS)、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、トリエチルアミン(Et3N)、ピリジン(pyridine)、酢酸カリウム、水酸化バリウム、ナトリウムメトキシド(NaOMe)、カリウムメトキシド(KOMe)、ナトリウムエトキシド(NaOEt)、カリウムエトキシド(KOEt)、ナトリウムフェノキシド(NaOPh)、カリウムフェノキシド(KOPh)、およびNaPOなどが挙げられる。
溶媒としては、前記反応スキームにおける反応温度で液体であり、また、触媒反応を阻害しない溶媒を用いることが好ましい。溶媒としては、例えば、脂肪族炭化水素系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、ハロゲン系溶媒、ケトン系溶媒、アルコール系溶媒などが挙げられる。
脂肪族炭化水素系溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、イソオクタン、およびノルマルデカン等が挙げられる。
芳香族炭化水素系溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、およびニトロベンゼン等が挙げられる。
エーテル系溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、イソプロピルエーテル、メチルシクロペンチルエーテルジオキサン、およびメチルターシャリーブチルエーテル等が挙げられる。
ハロゲン系溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、1,1-ジクロロ1-フルオロエタン、ジクロロペンタフルオロプロパン、およびクロロベンゼン等が挙げられる。
エステル系溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸メトキシブチル、酢酸セロソルブ、酢酸アミル、酢酸ノルマルプロピル、酢酸イソプロピル、乳酸メチル、乳酸エチル、および乳酸ブチル等が挙げられる。
ケトン系溶媒としては、例えば、アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、およびジアセトンアルコール等が挙げられる。
アルコール系溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、ブタノール、イソブタノール、ターシャリーブタノール、ブタンジオール、エチルヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、2-メトキシエタノール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、およびジエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
その他の溶媒としては、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ジオキソラン、γブチロラクトン、およびアセトニトリル等が挙げられる。
前記反応スキームにおける反応温度は、0℃以上250℃以下であることが好ましく、20℃以上200℃以下であることがより好ましい。このような温度範囲内で反応させれば、反応時間を短縮させることができる。また、このような温度範囲内で反応させれば、さらに高い温度で反応させた場合に起こり得る副反応を抑制したり、反応圧力の上昇を抑制したりすることができ、特別な反応容器を用いずに反応を進行させることができる。
前記一般式(1a)で表される第一の原料化合物は、例えば、下記一般式(1a−1)〜(1a−20)のいずれかで表されることが好ましい。下記一般式(1a−1)〜(1a−20)において、Xは、前記一般式(1a)におけるXと同義である。
前記一般式(1b)で表される第二の原料化合物は、例えば、下記一般式(1b−1)〜(1b−35)のいずれかで表されることが好ましい。下記一般式(1b−1)〜(1b−35)において、Aは、前記一般式(1b)においてH−Rで示されているHと対応する水素原子である。
本実施形態に係る組成物に含まれる第一の化合物および第二の化合物の組み合せについて、以下に具体例(No.1〜No.64)を挙げて説明する。ただし、本発明は、これら具体例に何ら限定されない。
〔有機エレクトロルミネッセンス素子〕
(有機EL素子の素子構成)
本実施形態に係る有機EL素子は、一対の電極間に有機層を備える。この有機層は、1つの層で構成されていてもよいし、複数の層で構成されていてもよい。有機層のうち少なくとも一層は、前記第一の化合物および前記第二の化合物を含む有機化合物層である。また、本実施形態の有機EL素子は、少なくとも一つの発光層を有する。ゆえに、有機化合物層は、発光層であってもよい。また、例えば、有機層は一つの発光層で構成されていてもよいし、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、障壁層等の有機EL素子で採用され得る層を含んでいてもよい。
有機EL素子の代表的な素子構成としては、例えば、次の(a)〜(e)等の構成を挙げることができる。
(a)陽極/発光層/陰極
(b)陽極/正孔注入・輸送層/発光層/陰極
(c)陽極/発光層/電子注入・輸送層/陰極
(d)陽極/正孔注入・輸送層/発光層/電子注入・輸送層/陰極
(e)陽極/正孔注入・輸送層/発光層/障壁層/電子注入・輸送層/陰極
上記の中で(d)の構成が好ましく用いられる。ただし、本発明は、これらの構成に限定されない。なお、上記「発光層」とは、発光機能を有する有機層である。前記「正孔注入・輸送層」は「正孔注入層および正孔輸送層のうちの少なくともいずれか1つ」を意味する。前記「電子注入・輸送層」は「電子注入層および電子輸送層のうちの少なくともいずれか1つ」を意味する。有機EL素子が、正孔注入層および正孔輸送層を有する場合には、正孔輸送層と陽極との間に正孔注入層が設けられていることが好ましい。また、有機EL素子が電子注入層および電子輸送層を有する場合には、電子輸送層と陰極との間に電子注入層が設けられていることが好ましい。また、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層および電子注入層は、それぞれ、一層で構成されていてもよいし、複数の層で構成されていてもよい。
図1に、第一実施形態における有機EL素子1の一例の概略構成を示す。
図1に示す有機EL素子1は、基板2と、陽極3と、陰極4と、陽極3と陰極4との間に配置された有機層10と、を有する。
そして、有機層10は、陽極3側から順に、正孔注入層6、正孔輸送層7、発光層5、電子輸送層8、および電子注入層9が、この順番で積層されて構成される。
(発光層)
有機EL素子1の発光層5は、前記一般式(1)で表される第一の化合物、および前記一般式(2)で表される第二の化合物を含有する。
発光層5に含まれる前記第一の化合物の含有量と、発光層5に含まれる前記第二の化合物の含有量との総和を100%としたとき、発光層5に含まれる前記第二の化合物の含有量が1.00%以下である。また、発光層5において、第二の化合物の含有量が0.50%以下であることが好ましく、0.02%以下であることがより好ましく、0.01%以下であることがさらに好ましく、0.01%未満であることがよりさらに好ましい。
有機EL素子1の発光層5に含まれる第一の化合物および第二の化合物の含有量は、前述した組成物における測定方法および算出方法と同様に測定及び算出できる。
発光層5には、さらに第三の化合物が含まれていることが好ましく、第三の化合物は、発光材料であることが好ましい。発光材料は、発光性の高い化合物であることが好ましく、種々の化合物を発光材料として用いることができる。例えば、発光材料としては、蛍光を発光する蛍光性化合物や燐光を発光する燐光性化合物を用いることができる。蛍光性化合物は一重項励起状態から発光可能な化合物であり、燐光性化合物は三重項励起状態から発光可能な化合物である。
本実施形態では、発光層5に燐光発光材料を含むことが好ましい。この場合、発光層5には、第一の化合物がホスト材料として含まれ、燐光発光材料がドーパント材料として含まれることが好ましい。
発光層5に含まれる発光材料の含有量は、特に限定されない。発光層5中の発光材料の含有量は、例えば、0.1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、1質量%以上15質量%以下であることがより好ましい。
発光層5に用いることができる青色系の燐光発光材料として、イリジウム錯体、オスミウム錯体、白金錯体等の金属錯体が使用される。具体的には、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)テトラキス(1−ピラゾリル)ボラート(略称:FIr)、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:FIrpic)、ビス[2−(3’,5’ビストリフルオロメチルフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:Ir(CFppy)(pic))、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:FIracac)などが挙げられる。
発光層5に用いることができる緑色系の燐光発光材料として、イリジウム錯体等が使用される。トリス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:Ir(ppy))、ビス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(ppy)(acac))、ビス(1,2−ジフェニル−1H−ベンゾイミダゾラト)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(pbi)(acac))、ビス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(bzq)(acac))などが挙げられる。
発光層5に用いることができる赤色系の燐光発光材料として、イリジウム錯体、白金錯体、テルビウム錯体、ユーロピウム錯体等の金属錯体が使用される。具体的には、ビス[2−(2’−ベンゾ[4,5−α]チエニル)ピリジナト−N,C3’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(btp)(acac))、ビス(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(piq)(acac))、(アセチルアセトナト)ビス[2,3−ビス(4−フルオロフェニル)キノキサリナト]イリジウム(III)(略称:Ir(Fdpq)(acac))、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィリン白金(II)(略称:PtOEP)等の有機金属錯体が挙げられる。
また、トリス(アセチルアセトナト)(モノフェナントロリン)テルビウム(III)(略称:Tb(acac)(Phen))、トリス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト)(モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:Eu(DBM)(Phen))、トリス[1−(2−テノイル)−3,3,3−トリフルオロアセトナト](モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:Eu(TTA)(Phen))等の希土類金属錯体は、希土類金属イオンからの発光(異なる多重度間の電子遷移)であるため、燐光性化合物として用いることができる。
発光層5に含まれる第二の化合物の含有量を少なくすることで、有機EL素子1の発光効率を向上させることができる。さらに、有機EL素子1の駆動電圧も低下させることができる。発光層5において第一の化合物を主成分として含む場合、第二の化合物の含有量が少ない方が、素子性能上、好ましい。第二の化合物の含有量が少なければ、発光層5の電子移動度が向上すると考えられるためである。
(基板)
基板2は、有機EL素子1の支持体として用いられる。基板2としては、例えば、ガラス、石英、プラスチックなどを用いることができる。また、可撓性基板を用いてもよい。可撓性基板とは、折り曲げることができる(フレキシブル)基板のことであり、例えば、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリエチレンナフタレートからなるプラスチック基板等が挙げられる。また、無機蒸着フィルムを用いることもできる。
(陽極)
基板2上に形成される陽極3には、仕事関数の大きい(具体的には4.0eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。具体的には、例えば、酸化インジウム−酸化スズ(ITO:Indium Tin Oxide)、珪素もしくは酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ、酸化インジウム−酸化亜鉛、酸化タングステン、および酸化亜鉛を含有した酸化インジウム、グラフェン等が挙げられる。この他、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、チタン(Ti)、または金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)等が挙げられる。
これらの材料は、通常、スパッタリング法により成膜される。例えば、酸化インジウム−酸化亜鉛は、酸化インジウムに対し1質量%以上10質量%以下の酸化亜鉛を加えたターゲットを用いることにより、スパッタリング法で形成することができる。また、例えば、酸化タングステン、および酸化亜鉛を含有した酸化インジウムは、酸化インジウムに対し酸化タングステンを0.5質量%以上5質量%以下、酸化亜鉛を0.1質量%以上1質量%以下含有したターゲットを用いることにより、スパッタリング法で形成することができる。その他、真空蒸着法、塗布法、インクジェット法、スピンコート法などにより作製してもよい。
陽極3上に形成される有機層のうち、陽極3に接して形成される正孔注入層6は、陽極3の仕事関数に関係なく正孔(ホール)注入が容易である複合材料を用いて形成されるため、電極材料として可能な材料(例えば、金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物、その他、元素周期表の第1族または第2族に属する元素も含む)を用いることもできる。
仕事関数の小さい材料である、元素周期表の第1族または第2族に属する元素、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(例えば、MgAg、AlLi)、ユーロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属およびこれらを含む合金等を用いることもできる。なお、アルカリ金属、アルカリ土類金属、およびこれらを含む合金を用いて陽極3を形成する場合には、真空蒸着法やスパッタリング法を用いることができる。さらに、銀ペーストなどを用いる場合には、塗布法やインクジェット法などを用いることができる。
(正孔注入層)
正孔注入層6は、正孔注入性の高い物質を含む層である。正孔注入性の高い物質としては、モリブデン酸化物、チタン酸化物、バナジウム酸化物、レニウム酸化物、ルテニウム酸化物、クロム酸化物、ジルコニウム酸化物、ハフニウム酸化物、タンタル酸化物、銀酸化物、タングステン酸化物、マンガン酸化物等を用いることができる。
また、正孔注入性の高い物質としては、低分子の有機化合物である4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、4,4’−ビス(N−{4−[N’−(3−メチルフェニル)−N’−フェニルアミノ]フェニル}−N−フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン(略称:DPA3B)、3−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3−[N−(1−ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)等の芳香族アミン化合物等やジピラジノ[2,3−f:20,30−h]キノキサリン−2,3,6,7,10,11−ヘキサカルボニトリル(HAT−CN)も挙げられる。
また、正孔注入性の高い物質としては、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)を用いることもできる。例えば、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)、ポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N−(4−{N’−[4−(4−ジフェニルアミノ)フェニル]フェニル−N’−フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](略称:PTPDMA)、ポリ[N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン](略称:Poly−TPD)などの高分子化合物が挙げられる。また、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/ポリ(スチレンスルホン酸)(PAni/PSS)等の酸を添加した高分子化合物を用いることもできる。
(正孔輸送層)
正孔輸送層7は、正孔輸送性の高い物質を含む層である。正孔輸送層7には、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘導体、アントラセン誘導体等を使用する事ができる。具体的には、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)やN,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4−フェニル−4’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:BAFLP)、4,4’−ビス[N−(9,9−ジメチルフルオレン−2−イル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DFLDPBi)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N―フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)などの芳香族アミン化合物等を用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有する物質である。
正孔輸送層7には、CBP、9−[4−(N−カルバゾリル)]フェニル−10−フェニルアントラセン(CzPA)、9−フェニル−3−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(PCzPA)のようなカルバゾール誘導体や、t−BuDNA、DNA、DPAnthのようなアントラセン誘導体を用いても良い。ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)やポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)等の高分子化合物を用いることもできる。
但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。なお、正孔輸送性の高い物質を含む層は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層したものとしてもよい。
正孔輸送層を二層以上配置する場合、エネルギーギャップのより大きい材料を含む層を、発光層に近い側に配置することが好ましい。
(電子輸送層)
電子輸送層8は、電子輸送性の高い物質を含む層である。電子輸送層8には、1)アルミニウム錯体、ベリリウム錯体、亜鉛錯体等の金属錯体、2)イミダゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、アジン誘導体、カルバゾール誘導体、フェナントロリン誘導体等の複素芳香族化合物、3)高分子化合物を使用することができる。具体的には低分子の有機化合物として、Alq、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq)、BAlq、Znq、ZnPBO、ZnBTZなどの金属錯体等を用いることができる。また、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(ptert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)、4,4’−ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン(略称:BzOs)などの複素芳香族化合物も用いることができる。本実施態形態においては、ベンゾイミダゾール化合物を好適に用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm/Vs以上の電子移動度を有する物質である。なお、正孔輸送性よりも電子輸送性の高い物質であれば、上記以外の物質を電子輸送層8として用いてもよい。また、電子輸送層8は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層したものとしてもよい。
また、電子輸送層8には、高分子化合物を用いることもできる。例えば、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(ピリジン−3,5−ジイル)](略称:PF−Py)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(2,2’−ビピリジン−6,6’−ジイル)](略称:PF−BPy)などを用いることができる。
(電子注入層)
電子注入層9は、電子注入性の高い物質を含む層である。電子注入層9には、リチウム(Li)、セシウム(Cs)、カルシウム(Ca)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF)、リチウム酸化物(LiOx)等のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を用いることができる。その他、電子輸送性を有する物質にアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を含有させたもの、具体的にはAlq中にマグネシウム(Mg)を含有させたもの等を用いてもよい。なお、この場合には、陰極4からの電子注入をより効率良く行うことができる。
あるいは、電子注入層9に、有機化合物と電子供与体(ドナー)とを混合してなる複合材料を用いてもよい。このような複合材料は、電子供与体によって有機化合物に電子が発生するため、電子注入性および電子輸送性に優れている。この場合、有機化合物としては、発生した電子の輸送に優れた材料であることが好ましく、具体的には、例えば上述した電子輸送層8を構成する物質(金属錯体や複素芳香族化合物等)を用いることができる。電子供与体としては、有機化合物に対し電子供与性を示す物質であればよい。具体的には、アルカリ金属やアルカリ土類金属や希土類金属が好ましく、リチウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、エルビウム、イッテルビウム等が挙げられる。また、アルカリ金属酸化物やアルカリ土類金属酸化物が好ましく、リチウム酸化物、カルシウム酸化物、バリウム酸化物等が挙げられる。また、酸化マグネシウムのようなルイス塩基を用いることもできる。また、テトラチアフルバレン(略称:TTF)等の有機化合物を用いることもできる。
(陰極)
陰極4には、仕事関数の小さい(具体的には3.8eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。このような陰極材料の具体例としては、元素周期表の第1族または第2族に属する元素、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(例えば、MgAg、AlLi)、ユーロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属およびこれらを含む合金等が挙げられる。
なお、アルカリ金属、アルカリ土類金属、これらを含む合金を用いて陰極4を形成する場合には、真空蒸着法やスパッタリング法を用いることができる。また、銀ペーストなどを用いる場合には、塗布法やインクジェット法などを用いることができる。
なお、電子注入層9を設けることにより、仕事関数の大小に関わらず、Al、Ag、ITO、グラフェン、珪素もしくは酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ等様々な導電性材料を用いて陰極4を形成することができる。これらの導電性材料は、スパッタリング法やインクジェット法、スピンコート法等を用いて成膜することができる。
(層形成方法)
本実施形態の有機EL素子1の各層の形成方法としては、上記で特に言及した以外には制限されないが、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ法、イオンプレーティング法などの乾式成膜法や、スピンコーティング法、ディッピング法、フローコーティング法、インクジェット法などの湿式成膜法などの公知の方法を採用することができる。
発光層5は、第一の化合物および第二の化合物を含む本実施形態に係る組成物を用いて形成されていることが好ましい。発光層5における第二の化合物の含有量を少なくすることができるためである。
(膜厚)
本実施形態の有機EL素子1の各有機層の膜厚は、上記で特に言及した以外には制限されない。膜厚が薄すぎることに起因するピンホール等の欠陥の発生を抑制し、膜厚が厚すぎることに起因して印加電圧が高くなることを防止する観点から、通常は数nmから1μmの範囲が好ましい。
本明細書において、環形成炭素数とは、原子が環状に結合した構造の化合物(例えば、単環化合物、縮合環化合物、架橋化合物、炭素環化合物、複素環化合物)の当該環自体を構成する原子のうちの炭素原子の数を表す。当該環が置換基によって置換される場合、置換基に含まれる炭素は環形成炭素数には含まない。以下で記される「環形成炭素数」については、特筆しない限り同様とする。例えば、ベンゼン環は環形成炭素数が6であり、ナフタレン環は環形成炭素数が10であり、ピリジニル基は環形成炭素数5であり、フラニル基は環形成炭素数4である。また、ベンゼン環やナフタレン環に置換基として例えばアルキル基が置換している場合、当該アルキル基の炭素数は、環形成炭素数の数に含めない。また、フルオレン環に置換基として例えばフルオレン環が結合している場合(スピロフルオレン環を含む)、置換基としてのフルオレン環の炭素数は環形成炭素数の数に含めない。 本明細書において、環形成原子数とは、原子が環状に結合した構造(例えば単環、縮合環、環集合)の化合物(例えば単環化合物、縮合環化合物、架橋化合物、炭素環化合物、複素環化合物)の当該環自体を構成する原子の数を表す。環を構成しない原子(例えば環を構成する原子の結合手を終端する水素原子)や、当該環が置換基によって置換される場合の置換基に含まれる原子は環形成原子数には含まない。以下で記される「環形成原子数」については、特筆しない限り同様とする。例えば、ピリジン環は、環形成原子数が6であり、キナゾリン環は、環形成原子数が10であり、フラン環は、環形成原子数が5である。ピリジン環やキナゾリン環の炭素原子にそれぞれ結合している水素原子や置換基を構成する原子については、環形成原子数の数に含めない。また、フルオレン環に置換基として例えばフルオレン環が結合している場合(スピロフルオレン環を含む)、置換基としてのフルオレン環の原子数は環形成原子数の数に含めない。
次に前記一般式に記載の各置換基について説明する。
本実施形態における環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基(アリール基と称する場合がある。)としては、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、フルオレニル基、ピレニル基、クリセニル基、フルオランテニル基、ベンゾ[a]アントリル基、ベンゾ[c]フェナントリル基、トリフェニレニル基、ベンゾ[k]フルオランテニル基、ベンゾ[g]クリセニル基、ベンゾ[b]トリフェニレニル基、ピセニル基、ペリレニル基などが挙げられる。
本実施形態におけるアリール基としては、環形成炭素数が6〜20であることが好ましく、6〜14であることがより好ましく、6〜12であることが更に好ましい。上記アリール基の中でもフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、ターフェニル基、フルオレニル基がよりさらに好ましい。1−フルオレニル基、2−フルオレニル基、3−フルオレニル基および4−フルオレニル基については、9位の炭素原子に、後述する本実施形態における置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基や置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18のアリール基が置換されていることが好ましい。
本実施形態における環形成原子数5〜30の複素環基(ヘテロアリール基、ヘテロ芳香族環基、または芳香族複素環基と称する場合がある。)は、ヘテロ原子として、窒素、硫黄、酸素、ケイ素、セレン原子、およびゲルマニウム原子からなる群から選択される少なくともいずれかの原子を含むことが好ましく、窒素、硫黄、および酸素からなる群から選択される少なくともいずれかの原子を含むことがより好ましい。
本実施形態における環形成原子数5〜30の複素環基(ヘテロアリール基、ヘテロ芳香族環基、または芳香族複素環基と称する場合がある。)としては、例えば、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリル基、イソキノリニル基、ナフチリジニル基、フタラジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、インドリル基、ベンズイミダゾリル基、インダゾリル基、イミダゾピリジニル基、ベンズトリアゾリル基、カルバゾリル基、フリル基、チエニル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソキサゾリル基、イソチアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾイソキサゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、ベンゾオキサジアゾリル基、ベンゾチアジアゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ピペリジニル基、ピロリジニル基、ピペラジニル基、モルホリル基、フェナジニル基、フェノチアジニル基、フェノキサジニル基などが挙げられる。
本実施形態における複素環基の環形成原子数は、5〜20であることが好ましく、5〜14であることがより好ましい。上記複素環基の中でも1−ジベンゾフラニル基、2−ジベンゾフラニル基、3−ジベンゾフラニル基、4−ジベンゾフラニル基、1−ジベンゾチオフェニル基、2−ジベンゾチオフェニル基、3−ジベンゾチオフェニル基、4−ジベンゾチオフェニル基、1−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、4−カルバゾリル基、9−カルバゾリル基がさらに好ましい。1−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基および4−カルバゾリル基については、9位の窒素原子に、本実施形態における置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基または置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基が置換されていることが好ましい。
また、本実施形態において、複素環基は、例えば、下記一般式(XY−1)〜(XY−18)で表される部分構造から誘導される基であってもよい。
前記一般式(XY−1)〜(XY−18)において、XおよびYは、それぞれ独立に、ヘテロ原子であり、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、ケイ素原子、またはゲルマニウム原子であることが好ましい。前記一般式(XY−1)〜(XY−18)で表される部分構造は、任意の位置で結合手を有して複素環基となり、この複素環基は、置換基を有していてもよい。
また、本実施形態において、置換もしくは無置換のカルバゾリル基としては、例えば、下記式で表されるようなカルバゾール環に対してさらに環が縮合した基も含み得る。このような基も置換基を有していてもよい。また、結合手の位置も適宜変更され得る。
本実施形態における炭素数1〜30のアルキル基としては、直鎖、分岐鎖または環状のいずれであってもよい。直鎖または分岐鎖のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、ネオペンチル基、アミル基、イソアミル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−ペンチルヘキシル基、1−ブチルペンチル基、1−ヘプチルオクチル基、3−メチルペンチル基、が挙げられる。
本実施形態における直鎖または分岐鎖のアルキル基の炭素数は、1〜10であることが好ましく、1〜6であることがより好ましい。上記直鎖または分岐鎖のアルキル基の中でもメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、アミル基、イソアミル基、ネオペンチル基がさらに好ましい。
本実施形態におけるシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基等が挙げられる。シクロアルキル基の環形成炭素数は、3〜10であることが好ましく、5〜8であることがより好ましい。上記シクロアルキル基の中でも、シクロペンチル基やシクロヘキシル基がさらに好ましい。
アルキル基がハロゲン原子で置換されたハロゲン化アルキル基としては、例えば、上記炭素数1〜30のアルキル基が1以上のハロゲン原子で置換されたものが挙げられる。具体的には、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロエチル基、トリフルオロメチルメチル基、トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基等が挙げられる。
本実施形態において、置換シリル基としてはアルキルシリル基およびアリールシリル基が挙げられる。
本実施形態における炭素数3〜30のアルキルシリル基としては、上記炭素数1〜30のアルキル基で例示したアルキル基を有するトリアルキルシリル基が挙げられ、具体的にはトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−n−ブチルシリル基、トリ−n−オクチルシリル基、トリイソブチルシリル基、ジメチルエチルシリル基、ジメチルイソプロピルシリル基、ジメチル−n−プロピルシリル基、ジメチル−n−ブチルシリル基、ジメチル−t−ブチルシリル基、ジエチルイソプロピルシリル基、ビニルジメチルシリル基、プロピルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基等が挙げられる。トリアルキルシリル基における3つのアルキル基は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
本実施形態における環形成炭素数6〜30のアリールシリル基としては、ジアルキルアリールシリル基、アルキルジアリールシリル基、トリアリールシリル基が挙げられる。
ジアルキルアリールシリル基は、例えば、上記炭素数1〜30のアルキル基で例示したアルキル基を2つ有し、上記環形成炭素数6〜30のアリール基を1つ有するジアルキルアリールシリル基が挙げられる。ジアルキルアリールシリル基の炭素数は、8〜30であることが好ましい。
アルキルジアリールシリル基は、例えば、上記炭素数1〜30のアルキル基で例示したアルキル基を1つ有し、上記環形成炭素数6〜30のアリール基を2つ有するアルキルジアリールシリル基が挙げられる。アルキルジアリールシリル基の炭素数は、13〜30であることが好ましい。
トリアリールシリル基は、例えば、上記環形成炭素数6〜30のアリール基を3つ有するトリアリールシリル基が挙げられる。トリアリールシリル基の炭素数は、18〜30であることが好ましい。
本実施形態における炭素数1〜30のアルコキシ基は、−OZと表される。このZの例として、上記炭素数1〜30のアルキル基が挙げられる。アルコキシ基は、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基があげられる。アルコキシ基の炭素数は、1〜20であることが好ましい。
アルコキシ基がハロゲン原子で置換されたハロゲン化アルコキシ基としては、例えば、上記炭素数1〜30のアルコキシ基が1以上のフッ素原子で置換されたものが挙げられる。
本実施形態における環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基は、−OZと表される。このZの例として、上記環形成炭素数6〜30のアリール基が挙げられる。アリールオキシ基の環形成炭素数は、6〜20であることが好ましい。このアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基が挙げられる。
炭素数2〜30のアルキルアミノ基は、−NHR、または−N(Rと表される。このRの例として、上記炭素数1〜30のアルキル基が挙げられる。
環形成炭素数6〜60のアリールアミノ基は、−NHR、または−N(Rと表される。このRの例として、上記環形成炭素数6〜30のアリール基が挙げられる。
炭素数1〜30のアルキルチオ基は、−SRと表される。このRの例として、上記炭素数1〜30のアルキル基が挙げられる。アルキルチオ基の炭素数は、1〜20であることが好ましい。
環形成炭素数6〜30のアリールチオ基は、−SRと表される。このRの例として、上記環形成炭素数6〜30のアリール基が挙げられる。アリールチオ基の環形成炭素数は、6〜20であることが好ましい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
本発明において、「環形成炭素」とは飽和環、不飽和環、または芳香環を構成する炭素原子を意味する。「環形成原子」とはヘテロ環(飽和環、不飽和環、および芳香環を含む)を構成する炭素原子およびヘテロ原子を意味する。
また、本発明において、水素原子とは、中性子数の異なる同位体、すなわち、軽水素(Protium)、重水素(Deuterium)、三重水素(Tritium)を包含する。
また、「置換もしくは無置換の」という場合における置換基としては、上述のようなアリール基、複素環基、アルキル基(直鎖または分岐鎖のアルキル基、シクロアルキル基、ハロアルキル基)、アルキルシリル基、アリールシリル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基の他に、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、およびカルボキシ基が挙げられる。
ここで挙げた置換基の中では、アリール基、複素環基、アルキル基、ハロゲン原子、アルキルシリル基、アリールシリル基、シアノ基が好ましく、さらには、各置換基の説明において好ましいとした具体的な置換基が好ましい。
これらの置換基は、上記の置換基によって更に置換されてもよい。また、これらの置換基は複数が互いに結合して環を形成してもよい。
アルケニル基としては、炭素数2〜30のアルケニル基が好ましく、直鎖、分岐鎖、または環状のいずれであってもよく、例えば、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、オレイル基、エイコサペンタエニル基、ドコサヘキサエニル基、スチリル基、2,2−ジフェニルビニル基、1,2,2−トリフェニルビニル基、2−フェニル−2−プロペニル基、シクロペンタジエニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘキサジエニル基等が挙げられる。
アルキニル基としては、炭素数2〜30のアルキニル基が好ましく、直鎖、分岐鎖、または環状のいずれであってもよく、例えば、エチニル、プロピニル、2−フェニルエチニル等が挙げられる。
アラルキル基としては、環形成炭素数6〜30のアラルキル基が好ましく、−Z−Zと表される。このZの例として、上記炭素数1〜30のアルキル基に対応するアルキレン基が挙げられる。このZの例として、上記環形成炭素数6〜30のアリール基の例が挙げられる。このアラルキル基は、炭素数7〜30のアラルキル基(アリール部分は炭素数6〜30、好ましくは6〜20、より好ましくは6〜12)、アルキル部分は炭素数1〜30(好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜6)であることが好ましい。このアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、2−フェニルプロパン−2−イル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニルイソプロピル基、2−フェニルイソプロピル基、フェニル−t−ブチル基、α−ナフチルメチル基、1−α−ナフチルエチル基、2−α−ナフチルエチル基、1−α−ナフチルイソプロピル基、2−α−ナフチルイソプロピル基、β−ナフチルメチル基、1−β−ナフチルエチル基、2−β−ナフチルエチル基、1−β−ナフチルイソプロピル基、2−β−ナフチルイソプロピル基が挙げられる。
本明細書において、「置換もしくは無置換の」という場合における「無置換」とは前記置換基で置換されておらず、水素原子が結合していることを意味する。なお、本明細書において、「置換もしくは無置換の炭素数XX〜YYのZZ基」という表現における「炭素数XX〜YY」は、ZZ基が無置換である場合の炭素数を表すものであり、置換されている場合の置換基の炭素数は含めない。ここで、「YY」は「XX」よりも大きく、「XX」と「YY」はそれぞれ1以上の整数を意味する。
本明細書において、「置換もしくは無置換の原子数XX〜YYのZZ基」という表現における「原子数XX〜YY」は、ZZ基が無置換である場合の原子数を表すものであり、置換されている場合の置換基の原子数は含めない。ここで、「YY」は「XX」よりも大きく、「XX」と「YY」はそれぞれ1以上の整数を意味する。
以下に説明する化合物またはその部分構造において、「置換もしくは無置換の」という場合についても、前記と同様である。
本明細書において、置換基同士が互いに結合して環構造が構築される場合、環構造は、飽和環、不飽和環、または芳香環である。
本明細書において、連結基における芳香族炭化水素基および複素環基としては、上述した一価の基から、さらに1つ以上の原子を除いて得られる二価以上の基が挙げられる。
また、本明細書において、芳香族炭化水素環および複素環としては、上述した一価の基の由来となる環構造が挙げられる。
〔電子機器〕
本実施形態に係る有機EL素子1は、表示装置や発光装置等の電子機器に使用できる。表示装置としては、例えば、有機ELパネルモジュール等の表示部品、テレビ、携帯電話、タブレット、およびパーソナルコンピュータ等が挙げられる。発光装置としては、例えば、照明、および車両用灯具等が挙げられる。
[実施形態の変形]
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変更、改良などは、本発明に含まれるものである。
第一実施形態では、発光層5に第一の化合物および第二の化合物が含まれる態様を例に挙げて説明したが、本発明はこのような態様に限定されない。例えば、発光層5に加えて、それ以外の有機化合物層、例えば、電子輸送層8等に第一の化合物および第二の化合物が含まれていてもよい。
また、発光層5には、第一の化合物および第二の化合物が含まれず、その他の有機化合物層に第一の化合物および第二の化合物が含まれ、当該有機化合物層に含まれる前記第一の化合物の含有量と、前記第二の化合物の含有量との総和を100%としたとき、第二の化合物の含有量が1.00%以下であればよい。なお、複数の有機化合物層に第一の化合物および第二の化合物が含まれる場合は、少なくとも一つの有機化合物層において、第二の化合物の含有量が1.00%以下であればよい。
有機EL素子が有する発光層は、蛍光発光型の発光層であっても、三重項励起状態から、直接、基底状態への電子遷移による発光を利用した燐光発光型の発光層であってもよい。
また、有機EL素子が複数の発光層を有する場合、これらの発光層が互いに隣接して設けられていてもよいし、中間層を介して複数の発光ユニットが積層された、いわゆるタンデム型の有機EL素子であってもよい。
また、例えば、発光層の陽極側や陰極側に障壁層を隣接させて設けてもよい。障壁層は、発光層に接して配置され、正孔、電子および励起子の少なくともいずれかを阻止することが好ましい。
例えば、発光層の陰極側で接して障壁層が配置された場合、当該障壁層は、電子を輸送し、正孔が当該障壁層よりも陰極側の層(例えば、電子輸送層)に到達することを阻止する。有機EL素子が、電子輸送層を含む場合は、発光層と電子輸送層との間に当該障壁層を含むことが好ましい。
また、発光層の陽極側で接して障壁層が配置された場合、当該障壁層は、正孔を輸送し、電子が当該障壁層よりも陽極側の層(例えば、正孔輸送層)に到達することを阻止する。有機EL素子が、正孔輸送層を含む場合は、発光層と正孔輸送層との間に当該障壁層を含むことが好ましい。
また、励起エネルギーが発光層からその周辺層に漏れ出さないように、障壁層を発光層に隣接させて設けてもよい。発光層で生成した励起子が、当該障壁層よりも電極側の層(例えば、電子輸送層や正孔輸送層)に移動することを阻止する。
発光層と障壁層とは接合していることが好ましい。
その他、本発明の実施における具体的な構造および形状などは、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造などとしてもよい。
次に、実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例の記載内容に何ら制限されるものではない。
(合成例1〜8)
合成例1〜8においては、下記化合物1および下記化合物2を含む組成物Aを合成した。下記化合物1および下記化合物2を含む組成物Aを合成する際の合成スキームを以下に示す。
合成例1〜8は、それぞれ、第一の原料化合物に対して反応させる第二の原料化合物のモル当量を表1に示すとおり変更して実施した。まず、合成例6について説明する。
[合成例6]
合成例6では、1モル当量の中間体A(第一の原料化合物)に対して、1.2モル当量の中間体B(第二の原料化合物)を反応させた。
アルゴン雰囲気下で、中間体A:7.77g(20.0mmol)、中間体B:6.17g(24.0mmol),Pd(dba):0.88g(0.96mmol)、t−BuP・HBF:0.56g(1.92mmol)、およびナトリウムt−ブトキシド:3.23g(33.6mmol)を脱水トルエン190mlに加えて、2.5時間、加熱還流撹拌を行った。室温(25℃)まで冷却して反応溶液を得た。冷却後の反応溶液に金属スカベンジャーを加え、さらにその溶液をシリカゲルに通した。その後、溶媒を留去し、得られた残渣をトルエンに溶解させた。トルエンに溶解させた後、メタノールを加え固体を析出させ、固体を濾取し、黄色固体4.9g(収率43%)を得た。LC−MS分析法(液体クロマトグラフィー質量分析法;Liquid Chromatography Mass Spectrometry)により、当該黄色固体を上記化合物1と同定した。
[合成例1〜5,7,8]
合成例1〜5,7,8については、前記合成例6における原料化合物のモル当量を下記表1に示すモル当量にそれぞれ変更して行ったこと以外は、前記合成例6と同様に反応溶液を得るとともに、トルエン再結晶を行って固体を濾取した。
高速液体クロマトグラフィー (High performance liquid chromatography,HPLC)を用いて組成物Aを測定した。測定に用いた装置および条件を以下に示す。
(測定装置)
Waters株式会社製 HPLC waters allianceシステム(2695セパレーションモジュール、2489 デュアルλ UV/Vis検出器)
(測定条件)
・カラム Inertsil ODS−3
(3.0mm(内径)×250mm(長さ),粒径3μm,
ジーエルサイエンス株式会社製)
・カラム温度 40℃
・移動相 アセトニトリル:THF=85:15
(関東化学株式会社製:HPLCグレード用)
・流速 0.45ml/min
・注入量 2.5μL
・UV検出波長 254nm
・解析ソフト Empower
合成例1に係る組成物AのHPLCチャートを図2に示し、図2の拡大図を図3に示す。図2および図3は、合成例1の反応溶液に対するHPLC分析結果である。
合成例1に係る組成物Aに対して精製を行った後に測定したHPLCチャートを図4に示し、図4の拡大図を図5に示す。合成例1の組成物Aに対する精製として、トルエン再結晶後、濾取した固体に対しトルエンを用いた加熱懸洗、ジメトキシエタンを用いた加熱懸洗、ジクロロメタンを用いた加熱懸洗、および昇華精製を行った。
合成例6に係る組成物AのHPLCチャートを図6に示し、図6の拡大図を図7に示す。図6および図7は、合成例6の反応溶液に対するHPLC分析結果である。
合成例6に係る反応溶液に対して前述のようにトルエン再結晶を行って精製を行い、濾取した固体について測定したHPLCチャートを図8に示す。
図2〜図5に示す合成例1に係る組成物AのHPLCチャートにおいて、化合物1のシグナルは、保持時間10.448分の位置に現れ、化合物2のシグナルは、保持時間12.816分の位置に現れた。
組成物Aにおける化合物1および化合物2の含有量は、HPLCチャートにおける各化合物のシグナルの面積値に基づいて算出した。図2および図3に示すように、合成例1に関する組成物について、面積値はベースラインに沿う形でシグナルを分離および抽出し、計算した。化合物1および化合物2の面積値を合計し、この合計値に対する各化合物の面積値の割合を含有量とした。ここで、図4および図5のチャートより算出された化合物1(保持時間:10.448分)、および化合物2(保持時間:12.816分)の面積値の割合を表2に示す。その他のHPLCチャートにおいても同様にして面積値および含有量を計算した。
図4及び図5のチャートにより明らかなように、保持時間12.816分の位置にシグナルを示す化合物2は、トルエンを用いた加熱懸洗、ジメトキシエタンを用いた加熱懸洗、ジクロロメタンを用いた加熱懸洗、および昇華精製の精製を行っても、組成物A中から除くことができなかった。各精製後の組成物AのHPLCチャートに現れた化合物2のシグナルの面積値の割合を表3に示す。
図6及び図7に示す合成例6に係る組成物AのHPLCチャートにおいて、化合物1のシグナルは、保持時間10.448分の位置に現れ、化合物2のシグナルは、保持時間12.959分の位置に現れた。なお、保持時間約4分の位置には、第二の原料化合物(中間体B)のシグナルが現れた。
合成例6に係る反応溶液に対して前述のようにトルエン再結晶を行って精製を行い、濾取した固体について、HPLC測定を行ったところ、図8に示すように、第二の原料化合物に由来する(保持時間:4分)のピークが除去された。
図8に示すチャートより算出された化合物1(保持時間:10.448分)、および化合物2(保持時間:12.959分)の面積値の割合を表4に示す。
表1に示すように、合成反応時に第一の原料化合物に対する第二の原料化合物のモル当量を増やすことで、第二の化合物の生成量を低減させることができた。
表3に示すように、第二の化合物は、従来の精製方法では分離除去が困難であり、含有量を低減させた組成物を得られなかった。前記合成例4〜8によれば、第二の含有量を低減させた組成物を得ることができた。さらに精製を行うことで化合物1の純度がさらに高い組成物を得ることができた。
<有機EL素子の作製および評価>
有機EL素子を以下のように作製し、評価した。
(実施例1)
25mm×75mm×1.1mm厚のITO透明電極(陽極)付きガラス基板(ジオマティック社製)を、イソプロピルアルコール中で5分間超音波洗浄を行なった後、UVオゾン洗浄を30分間行なった。ITOの膜厚は、130nmとした。
洗浄後の透明電極ライン付き前記ガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず透明電極ラインが形成されている側の面上に透明電極を覆うようにして化合物HIを蒸着し、膜厚5nmの正孔注入層を形成した。
次に、正孔注入層上に、化合物HT−1を蒸着し、HI膜上に膜厚130nmの第一正孔輸送層を形成した。
次に、この第一正孔輸送層上に、化合物HT−2を蒸着し、膜厚20nmの第二正孔輸送層を形成した。
さらに、この第二正孔輸送層上に、合成例6に係る組成物Aを用いて発光層を形成した。具体的には、第一の化合物としての化合物1と、第二の化合物としての化合物2と、燐光発光材料としてのIr(ppy)とを共蒸着し、膜厚40nmの発光層を形成した。発光層に含まれるIr(ppy)の濃度が5質量%であった。発光層に含まれる化合物1の含有量と、発光層に含まれる化合物2の含有量との総和を100%としたとき、発光層に含まれる化合物2の含有量が0.01%未満であった。
次に、この発光層上に、化合物ETを蒸着し、膜厚30nmの電子輸送層を形成した。
次に、この電子輸送層上に、フッ化リチウム(LiF)を蒸着し、膜厚1nmの電子注入性電極を形成した。
そして、この電子注入性電極上に、金属アルミニウム(Al)を蒸着し、膜厚80nmの金属Al陰極を形成した。
実施例1の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT-1(130) / HT-2(20) / 化合物1 : 化合物2 : Ir(ppy)3(40, 5%) / ET(30) / LiF(1) / Al(80)
なお、括弧内の数字は、膜厚(単位:nm)を示す。また、同じく括弧内において、パーセント表示された数字は、発光層における発光材料の濃度(質量%)を示す。
(実施例2)
実施例2に係る有機EL素子は、実施例1において発光層に含まれる化合物1の含有量と、発光層に含まれる化合物2の含有量との総和を100%としたとき、発光層に含まれる化合物2の含有量を1.00%としたこと以外は、実施例1と同様にして作製した。
なお、化合物2の含有量は、下記反応スキームに従って合成した化合物2を発光層形成の際に用いることにより1.00%に調整した。
アルゴン雰囲気下で、2−クロロ−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン:1.61g(6.0mmol)、4,4’−ビフェニルジボロン酸:0.68g(2.8mmol),Pd(dppf)Cl:49.0mg(0.06mmol)、および炭酸ナトリウム:1.27g(12.0mmol)をトルエン16ml、エタノール4ml、および水4mlの混合溶媒に加えて、6.5時間、加熱還流撹拌を行った。室温(25℃)まで冷却後、反応溶液にトルエン、および水を加えた後、析出した固体を濾過した。得られた固体を水、次いでメタノールで洗浄し、得られたサンプルをトルエンにて再結晶した。析出した固体を濾取し、白色固体1.5g(収率87%)を得た。LC−MS分析により、当該白色固体を化合物2と同定した。
(比較例1)
比較例1に係る有機EL素子は、実施例1において発光層に含まれる化合物1の含有量と、発光層に含まれる化合物2の含有量との総和を100%としたとき、発光層に含まれる化合物2の含有量を2.70%としたこと以外は、実施例1と同様にして作製した。比較例1においても、実施例2と同様、合成した化合物2を発光層形成の際に用いることにより、化合物2の含有量を2.70%に調整した。
〔有機EL素子の評価〕
実施例1,2並びに比較例1において作製した有機EL素子について、以下の評価を行った。評価結果を表5に示す。
・駆動電圧
電流密度が、10mA/cmとなるようにITO透明電極と金属Al陰極との間に通電したときの電圧(単位:V)を計測した。
・外部量子効率EQE
電流密度が、10mA/cmとなるように素子に電圧を印加した時の分光放射輝度スペクトルを分光放射輝度計CS−1000(コニカミノルタ株式会社製)を用いて計測した。得られた上記分光放射輝度スペクトルから、ランバーシアン放射を行なったと仮定し外部量子効率EQE(単位:%)を算出した。
表5に示されているように、第二の化合物である化合物2の含有量が1.00%以下である実施例1および2の有機EL素子によれば、比較例1に比べて、外部量子効率が向上し、さらに駆動電圧も低下した。
1…有機EL素子、2…基板、3…陽極、4…陰極、5…発光層、6…正孔注入層、7…正孔輸送層、8…電子輸送層、9…電子注入層、10…有機層。

Claims (23)

  1. 陽極と、陰極と、有機層と、を備え、
    前記有機層は、下記一般式(1)で表される第一の化合物、および下記一般式(2)で表される第二の化合物を含有する有機化合物層を含み、
    前記有機化合物層に含まれる前記第一の化合物の含有量と、前記有機化合物層に含まれる前記第二の化合物の含有量との総和を100%としたとき、前記有機化合物層に含まれる前記第二の化合物の含有量が1.00%以下である有機エレクトロルミネッセンス素子。
    (前記一般式(1)および前記一般式(2)において、A、A、A、A、およびAは、それぞれ独立に、窒素原子、またはCRであり、ただし、A〜Aのうち少なくともいずれかが窒素原子であり、
    Lは、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリーレン基であり、
    Rは、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、および
    置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基からなる群から選択され、
    ただし、Rは、前記一般式(1)中のA〜Aを含む環構造とは異なり、
    は、水素原子または置換基であり、Rが置換基である場合の置換基としては、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、
    置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数3〜30のシクロアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、
    置換シリル基、および
    シアノ基からなる群から選択され、
    複数のRは、互いに同一でも異なっていてもよく、複数のRのうち少なくとも2つが置換基である場合、置換基R同士は、互いに結合して環構造が構築されていてもよく、
    前記一般式(1)および前記一般式(2)におけるAは、互いに同一であり、
    前記一般式(1)および前記一般式(2)におけるAは、互いに同一であり、
    前記一般式(1)および前記一般式(2)におけるAは、互いに同一であり、
    前記一般式(1)および前記一般式(2)におけるAは、互いに同一であり、
    前記一般式(1)および前記一般式(2)におけるAは、互いに同一であり、
    前記一般式(1)および前記一般式(2)におけるLは、互いに同一である。)
  2. 請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記有機化合物層に含まれる前記第一の化合物の含有量と、前記有機化合物層に含まれる前記第二の化合物の含有量との総和を100%としたとき、前記有機化合物層に含まれる前記第二の化合物の含有量が0.50%以下である有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記有機化合物層に含まれる前記第一の化合物の含有量と、前記有機化合物層に含まれる前記第二の化合物の含有量との総和を100%としたとき、前記有機化合物層に含まれる前記第二の化合物の含有量が0.02%以下である有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記第一の化合物は、下記一般式(10)で表される有機エレクトロルミネッセンス素子。
    (前記一般式(10)において、A〜Aは、それぞれ独立に、前記一般式(1)におけるA〜Aと同義であり、Lは、前記一般式(1)におけるLと同義であり、
    、X、X、X、X、X、X、およびXは、それぞれ独立に、窒素原子、またはCRであり、Rは、水素原子または置換基であり、Rが置換基である場合の置換基としては、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、および置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基からなる群から選択され、複数のRは、互いに同一でも異なっていてもよく、複数のRのうち少なくとも2つが置換基である場合、置換基R同士は、互いに結合して環構造が構築されていてもよい。)
  5. 請求項4に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記X〜Xは、それぞれ独立に、CRである有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記X〜Xのうち隣接する2つがCRであり、これらRは、いずれも置換基であって、当該置換基同士が互いに結合して、下記一般式(11)で表される環構造が構築されている有機エレクトロルミネッセンス素子。
    (前記一般式(11)において、Yは、酸素原子、硫黄原子、NR、およびCRからなる群から選択され、
    、Z、Z、およびZは、それぞれ独立に、窒素原子、またはCRであり、
    、R、R、およびRは、それぞれ独立に、水素原子または置換基であり、R、R、R、およびRが置換基である場合の置換基としては、前記Rにおける置換基と同義であり、複数のRは、互いに同一でも異なっていてもよく、複数のRのうち少なくとも2つが置換基である場合、置換基R同士は、互いに結合して環構造が構築されていてもよく、
    前記一般式(11)における*は、それぞれ、X〜Xを含む6員環に結合する位置を表す。)
  7. 請求項4から請求項6のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記第一の化合物は、下記一般式(12)、一般式(13)、一般式(14)、一般式(15)、一般式(16)、または一般式(17)のいずれかで表される有機エレクトロルミネッセンス素子。
    (前記一般式(12)〜(17)において、Yは、酸素原子、硫黄原子、NR、およびCRからなる群から選択され、
    、Z、Z、およびZは、それぞれ独立に、窒素原子、またはCRであり、
    、R、R、およびRは、それぞれ独立に、水素原子または置換基であり、R、R、R、およびRが置換基である場合の置換基としては、前記Rにおける置換基と同義であり、複数のRは、互いに同一でも異なっていてもよく、複数のRのうち少なくとも2つが置換基である場合、置換基R同士は、互いに結合して環構造が構築されていてもよい。)
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記Lが置換基を有する場合、当該置換基は、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数3〜30のシクロアルキル基、および
    置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基からなる群から選択される有機エレクトロルミネッセンス素子。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記Rと前記Rとは、互いに異なる有機エレクトロルミネッセンス素子。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、複数のRのうち少なくとも2つが置換基であり、置換基R同士は、互いに結合していない有機エレクトロルミネッセンス素子。
  11. 請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、複数のRのうち少なくとも2つが置換基であり、置換基R同士は、互いに結合して環構造が構築されている有機エレクトロルミネッセンス素子。
  12. 請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記有機化合物層は、発光層である有機エレクトロルミネッセンス素子。
  13. 請求項12に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記発光層は、燐光発光材料を含む有機エレクトロルミネッセンス素子。
  14. 請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記有機化合物層と前記陽極との間に正孔輸送層を備える有機エレクトロルミネッセンス素子。
  15. 請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記有機層と前記陰極との間に電子輸送層を備える有機エレクトロルミネッセンス素子。
  16. 請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備える電子機器。
  17. 下記一般式(1)で表される第一の化合物、および下記一般式(2)で表される第二の化合物を含み、
    前記第一の化合物の含有量と、前記第二の化合物の含有量との総和を100%としたとき、前記第二の化合物の含有量が1.00%以下である組成物。
    (前記一般式(1)および前記一般式(2)において、A、A、A、A、およびAは、それぞれ独立に、窒素原子、またはCRであり、ただし、A〜Aのうち少なくともいずれかが窒素原子であり、
    Lは、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリーレン基であり、
    Rは、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、および
    置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基からなる群から選択され、
    ただし、Rは、前記一般式(1)中のA〜Aを含む環構造とは異なり、
    は、水素原子または置換基であり、Rが置換基である場合の置換基としては、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、
    置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数3〜30のシクロアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、
    置換シリル基、および
    シアノ基からなる群から選択され、
    複数のRは、互いに同一でも異なっていてもよく、複数のRのうち少なくとも2つが置換基である場合、置換基R同士は、互いに結合して環構造が構築されていてもよく、
    前記一般式(1)および前記一般式(2)におけるAは、互いに同一であり、
    前記一般式(1)および前記一般式(2)におけるAは、互いに同一であり、
    前記一般式(1)および前記一般式(2)におけるAは、互いに同一であり、
    前記一般式(1)および前記一般式(2)におけるAは、互いに同一であり、
    前記一般式(1)および前記一般式(2)におけるAは、互いに同一であり、
    前記一般式(1)および前記一般式(2)におけるLは、互いに同一である。)
  18. 請求項17に記載の組成物において、前記第一の化合物の含有量と、前記第二の化合物の含有量との総和を100%としたとき、前記第二の化合物の含有量が0.50%以下である組成物。
  19. 請求項17に記載の組成物において、前記第一の化合物の含有量と、前記第二の化合物の含有量との総和を100%としたとき、前記第二の化合物の含有量が0.02%以下である組成物。
  20. 請求項17から請求項19のいずれか一項に記載の組成物において、前記第一の化合物は、下記一般式(10)で表される組成物。
    (前記一般式(10)において、A〜Aは、それぞれ独立に、前記一般式(1)におけるA〜Aと同義であり、Lは、前記一般式(1)におけるLと同義であり、
    、X、X、X、X、X、X、およびXは、それぞれ独立に、窒素原子、またはCRであり、Rは、水素原子または置換基であり、Rが置換基である場合の置換基としては、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、および置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基からなる群から選択され、複数のRは、互いに同一でも異なっていてもよく、複数のRのうち少なくとも2つが置換基である場合、置換基R同士は、互いに結合して環構造が構築されていてもよい。)
  21. 請求項20に記載の組成物において、前記X〜Xは、それぞれ独立に、CRである組成物。
  22. 請求項17から請求項21のいずれか一項に記載の組成物において、前記X〜Xのうち隣接する2つがCRであり、これらRは、いずれも置換基であって、当該置換基同士が互いに結合して、下記一般式(11)で表される環構造が構築されている組成物。
    (前記一般式(11)において、Yは、酸素原子、硫黄原子、NR、およびCRからなる群から選択され、
    、Z、Z、およびZは、それぞれ独立に、窒素原子、またはCRであり、
    、R、R、およびRは、それぞれ独立に、水素原子または置換基であり、R、R、R、およびRが置換基である場合の置換基としては、前記Rにおける置換基と同義であり、複数のRは、互いに同一でも異なっていてもよく、複数のRのうち少なくとも2つが置換基である場合、置換基R同士は、互いに結合して環構造が構築されていてもよく、
    前記一般式(11)における*は、それぞれ、X〜Xを含む6員環に結合する位置を表す。)
  23. 請求項20から請求項22のいずれか一項に記載の組成物において、
    前記第一の化合物は、下記一般式(12)、一般式(13)、一般式(14)、一般式(15)、一般式(16)、または一般式(17)のいずれかで表される組成物。
    (前記一般式(12)〜(17)において、Yは、酸素原子、硫黄原子、NR、およびCRからなる群から選択され、
    、Z、Z、およびZは、それぞれ独立に、窒素原子、またはCRであり、
    、R、R、およびRは、それぞれ独立に、水素原子または置換基であり、R、R、R、およびRが置換基である場合の置換基としては、前記Rにおける置換基と同義であり、複数のRは、互いに同一でも異なっていてもよく、複数のRのうち少なくとも2つが置換基である場合、置換基R同士は、互いに結合して環構造が構築されていてもよい。)
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