JP2004212281A - 車両衝突状態検出装置 - Google Patents

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    • B60R2021/01272Belt tensioners

Abstract

【課題】幅広い衝突形態を判定して極めて効果的な衝突対策を図る。
【解決手段】車両衝突状態検出装置10は、車両前部における左右両側に突設されて車幅方向の荷重によって内倒れする剛性バランスを有するサイドメンバ11R,11Lと、これらサイドメンバ11R,11Lの先端部に配設されたバンパステー12R,12Lと、これらバンパステー12R,12Lの前端部を始点及び終点として車幅方向に架設されたバンパレインフォース13と、所定の初期張力を持たせてバンパレインフォース13に沿ってサイドメンバ11R,11L間に架設されたワイヤー15と、ワイヤー15の左右の張力を計測する右張力センサ14R及び左張力センサ14Lと、これら右張力センサ14R及び左張力センサ14Lによって計測されたワイヤー15の左右の張力バランスに基づいて衝突形態を判定する処理を行うコントロールユニット22とを備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の衝突状態を検出する車両衝突状態検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両の衝突を未然に予測する技術が開発されている。具体的には、このような技術としては、例えば下記の特許文献1又は特許文献2に記載されたものがある。
【0003】
この特許文献1には、特に車両側面の衝突を有効に検出する衝突検出センサに関するものであり、車両パネルに沿って配設された長尺状の基板を有し、この基板上に、車両パネルの基板厚み方向への変形変位量を基板長手方向の変位量に変換する変位変換手段と、基板長手方向の変位を受けて作動し衝突検出信号を発する検出手段とを設けたことを特徴とする衝突検出センサが開示されている。これにより、この衝突検出センサにおいては、長尺基板の一箇所に設けた検出手段により、その長手方向の広い範囲での車両パネルの衝突変形を検出することができ、組付け製造が安価且つ容易で、確実な作動を実現することができるとしている。
【0004】
また、特許文献2には、乗員を保護するような車両用乗員保護装置に関するものであり、後突を予測又は検出するセンサと、このセンサの後突予測時又は後突検出時に乗員の頸部付近にエアバックを展開させる制御手段とを備えた車両用乗員保護装置が開示されている。特に、この車両用乗員保護装置は、乗員状態検出手段を設け、この乗員状態検出手段で検出された乗員状態に対応してエアバックの展開状態を変更するエアバック展開状態変更手段を備えたものである。これにより、この車両用乗員保護装置においては、センサが後突を予測又は検出し、制御手段がセンサの後突予測時又は後突検出時に乗員の頸部付近にエアバックを展開させるが、エアバック展開状態変更手段が乗員状態検出手段で検出された乗員状態に対応してエアバックの展開状態を変更する結果、乗員の状態に応じたエアバックの展開状態を確保することができ、乗員の頸椎への負担発生を十分且つ未然に防止することができるとしている。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−330401号公報
【0006】
【特許文献2】
特開平11−342821号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来の車両衝突状態を検出する技術においては、例えばシートベルトやエアバックといった乗員の拘束装置を作動するタイミングを調整し、シートベルトやエアバック等の性能を最大限に発揮することを目的としている。しかしながら、車両衝突状態に対する衝撃を低減する対策としては、乗員の確実な拘束を確保する観点から、確実に衝突状態を検出し、拘束を確保するための性能を一層向上させることが望まれている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明では、車両前部における左右両側に突設されて車幅方向の荷重によって内倒れする剛性バランスを有する構造部材の先端部に易変形部材を配設し、更に、この易変形部材の前端部を始点及び終点として車幅方向にバンパレインフォースを架設すると共に、所定の初期張力を持たせてバンパレインフォースに沿って構造部材間にワイヤーを架設する。そして、本発明では、左右両側の構造部材に配設された張力センサによってワイヤーの左右の張力を計測し、この計測されたワイヤーの左右の張力バランスに基づいて、衝突形態を判定することで、上述の課題を解決する。
【0009】
【発明の効果】
本発明に係る車両衝突状態検出装置によれば、車両衝突開始時に、バンパレインフォースに衝突物が干渉することによってワイヤーに張力変化を発生させ、ワイヤーの両端に連結された張力センサによってワイヤーの張力を計測し、その計測されたワイヤーの左右の張力バランスに基づいて衝突形態を判定するので、幅広い衝突形態の判定を行うことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
この実施の形態は、所定の移動体の例としての車両の衝突状態を検出する車両衝突状態検出装置である。この車両衝突状態検出装置は、車両衝突開始時に、バンパレインフォースに衝突物が干渉することによってワイヤーに張力変化を発生させ、ワイヤーの両端に連結されたセンサによって張力を計測し、その計測されたセンサのデータに基づいて衝突形態を判定することにより、幅広い衝突形態の判定を行うことができるものである。
【0012】
[第1実施形態]
まず、第1実施形態に係る車両衝突状態検出装置について説明する。
【0013】
[車両衝突状態検出装置の構成]
図1に、第1実施形態に係る車両衝突状態検出装置10の構成要素である車両前部を示す。なお、図1(A)には、車両前部全体を示し、図1(B)には、当該車両前部の一部領域の詳細を拡大して示している。
【0014】
すなわち、車両衝突状態検出装置10は、車両前部における左右両側に突設された構造部材である2つのサイドメンバ11R,11Lと、これらサイドメンバ11R,11Lのそれぞれの先端部に配設された易変形部材である2つのバンパステー12R,12Lと、これらバンパステー12R,12Lのそれぞれの前端部を始点及び終点として車幅方向に架設されたバンパレインフォース13と、サイドメンバ11R,11Lのそれぞれの略先端外側部に配設されて張力を計測する右張力センサ14R及び左張力センサ14Lと、これら右張力センサ14R及び左張力センサ14Lのそれぞれと連結され所定の初期張力を持たせてバンパレインフォース13に沿ってサイドメンバ11R,11L間に架設されたワイヤー15と、バンパステー12R,12Lのそれぞれの略前端部近傍のバンパレインフォース13上に配設され衝突時にワイヤー15を分断して固定する右ロック機構16R及び左ロック機構16Lとを備える。
【0015】
また、車両衝突状態検出装置10は、図1(A)に示すように、フロアトンネル17と、このフロアトンネル17上に配設されて車両の減速度を計測する減速度センサであるフロアセンサ18と、図1(B)に示すように、バンパレインフォース13とバンパステー12R,12Lとのそれぞれの連結部であるL字部に配設されワイヤー15に余計な摩擦力が加わらないようにするための2つのL字ガイド19R,19Lと、バンパレインフォース13の前部表面にワイヤー15を通して支持するための複数のガイド20と、斜め衝突のように車幅方向に荷重がサイドメンバ11R,11L先端に入力された場合に暫時軸圧潰しながらある程度で当該サイドメンバ11R,11Lが右張力センサ14R及び/又は左張力センサ14Lの前部又は後部で内倒れするように剛性バランスを考慮した2つのビード21R,21Lと、フロアセンサ18と後述する乗員拘束装置を起動させるための判定手段としてのコントロールユニット22(判定手段)とが一体に形成されたコントロールユニットボックスとを備える。
【0016】
これら各部のうち、コントロールユニット22は、図2にそのシステム概要構成を示すように、CPU(Central Processing Unit)31と、乗員拘束装置35の起動を制御する起動制御部32と、乗員拘束装置35を起動させる閾値を設定する閾値設定部33とを有する。
【0017】
このような車両衝突状態検出装置10においては、サイドメンバ11R,11Lのそれぞれの略先端外側部に配設された右張力センサ14R及び左張力センサ14Lによって計測されたワイヤー15の張力と、フロアトンネル17上に配設されたフロアセンサ18によって計測された減速度とが、コントロールユニット22に対してデータとして入力される。そして、車両衝突状態検出装置10は、コントロールユニット22におけるCPU31の制御のもとに、右張力センサ14R及び左張力センサ14Lによって計測されたワイヤー15の左右の張力バランスに基づいて衝突形態を判定し、この衝突形態に応じて、例えばシートベルトやエアバックといった乗員拘束装置35の起動制御を行うための計算を起動制御部32によって行うと共に、乗員拘束装置35の起動の閾値の算出設定を閾値設定部33によって行い、起動回路34を介して乗員拘束装置35を制御する。
【0018】
[ロック機構の構造]
ここで、衝突時にワイヤー15を分断して固定する右ロック機構16R及び左ロック機構16Lの構造について図3を用いて説明する。なお、ここでは、右ロック機構16R及び左ロック機構16Lを、単にロック機構16と称して説明する。
【0019】
ロック機構16は、図3(A)に斜視図を示すように、複数のストッパー部41と、これら複数のストッパー部41のそれぞれに嵌合する位置に対応して設けられた複数の突起部42と、これら複数の突起部42を支持する支持板43とを有する。
【0020】
ストッパー部41には、ワイヤー15を連結するためのリング44が配設されており、ロック機構16においては、このリング44を介してワイヤー15とストッパー部41とが連結される。また、ストッパー部41には、衝突時に各突起部42と嵌合するための切り欠きや溝等が設けられている。
【0021】
突起部42は、ストッパー部41に設けられた切り欠きや溝等に嵌合する形状とされ、ストッパー部41よりも車両前方側に配設されている。
【0022】
支持板43は、ストッパー部41及び突起部42よりも車幅方向に長く配設されなる。また、支持板43には、ビードが刻み込まれてなり、このビードを介して突起部42を支持する。
【0023】
このようなロック機構16においては、衝突が発生していない場合には、図3(B)の平面図を示すように、突起部42とストッパー部41との間に所定のクリアランスが存在するので、ストッパー部41が車幅方向に自由に移動できる状態となっている。これにより、ロック機構16は、ストッパー部41の左右に延在するワイヤー15に同等の張力を発生させている。
【0024】
そして衝突が発生した場合には、ロック機構16においては、突起部42に衝突物が干渉することにより、図3(C)の平面図を示すように、まず、ビードが刻み込まれた支持板43が座屈し、これにともない、突起部42がストッパー部41に設けられた切り欠きや溝に嵌め込まれ、ストッパー部41が車幅方向に移動することが抑制される。これにより、ワイヤー15は、車幅方向に移動することがなくなり、ロック機構16は、ストッパー部41の左右に延在するワイヤー15に独立した張力を発生させる。
【0025】
このようなロック機構16を備える車両衝突状態検出装置10は、以下に示す動作を行うことにより、各種車両衝突形態を判定する。
【0026】
[車両衝突状態検出装置の動作]
つぎに、上述した車両衝突状態検出装置の動作について説明する。
【0027】
[車両左右の張力バランスによる車両衝突形態判定の内容]
まず、車両左右の張力バランスによる車両衝突形態判定の方法について説明する。
【0028】
「正面衝突の判定」
図4に、剛壁に正面衝突した時において、衝突開始から衝突終了までの時間に右張力センサ14R及び左張力センサ14Lによって計測されるワイヤー15の張力線図を示す。
【0029】
なお、図4(A)には、正面衝突前の張力線図を示し、図4(B)には、衝突速度が15km/hの場合の張力線図を示し、図4(C)には、衝突速度が64km/hの場合の張力線図を示している。
【0030】
車両衝突状態検出装置10においては、ワイヤー15に所定の初期張力がかけられているので、正面衝突前の通常走行時には、図4(A)に示すように、右張力センサ14Rによって計測される張力、及び左張力センサ14Lによって計測される張力が略一定値となる。
【0031】
また、車両衝突状態検出装置10においては、15km/hの衝突速度で正面衝突した場合には、まず、バンパレインフォース13の表面に配設されている右ロック機構16R及び左ロック機構16Lが、衝突荷重を利用して左右同時にワイヤー15を固定する。その後、車両衝突状態検出装置10においては、バンパレインフォース13が変形し、続いてバンパステー12R,12Lが左右略同時に圧潰していく。
【0032】
このとき、車両衝突状態検出装置10においては、バンパステー12R,12Lが左右略同時に圧潰するので、サイドメンバ11R,11Lに配設されている右張力センサ14R及び左張力センサ14Lによって計測される張力が、それぞれ、図4(B)に示すように、略同時に初期張力から傾きβ、βにて減少する傾向を示す。
【0033】
更に、車両衝突状態検出装置10においては、64km/hの衝突速度で正面衝突した場合には、圧潰レベルが15km/hの場合よりも大きくなるものの、衝突モードは略同等であり、サイドメンバ11R,11Lに配設されている右張力センサ14R及び左張力センサ14Lによって計測される張力は、それぞれ、図4(C)に示すように、略同時に初期張力から減少する傾向を示す。ただし、車両衝突状態検出装置10においては、64km/hの衝突速度で正面衝突した場合における初期張力から減少する張力の時間的な傾きβ,βの絶対値は、15km/hの衝突速度で正面衝突した場合よりも大きくなる。
【0034】
このように、車両衝突状態検出装置10においては、正面衝突時には、サイドメンバ11R,11Lに配設されている右張力センサ14R及び左張力センサ14Lによって計測される張力が略同時に減少する。したがって、コントロールユニット22は、サイドメンバ11R,11Lに配設されている右張力センサ14R及び左張力センサ14Lによって計測される張力が略同時に減少した場合には、衝突形態が正面衝突であると判定する。
【0035】
「単純オフセット衝突の判定」
図5に、単純オフセット衝突した時において、衝突開始から衝突終了までの時間に右張力センサ14R及び左張力センサ14Lによって計測されるワイヤー15の張力線図を示す。
【0036】
なお、図5(A)には、単純オフセット衝突前の張力線図を示し、図5(B)には、衝突速度が15km/hの場合の張力線図を示し、図5(C)には、衝突速度が64km/hの場合の張力線図を示している。
【0037】
車両衝突状態検出装置10においては、ワイヤー15に所定の初期張力がかけられているので、単純オフセット衝突前の通常走行時には、図5(A)に示すように、右張力センサ14Rによって計測される張力、及び左張力センサ14Lによって計測される張力が略一定値となる。
【0038】
また、車両衝突状態検出装置10においては、15km/hの衝突速度で単純オフセット衝突した場合には、まず、バンパレインフォース13の表面に配設されている衝突側のロック機構が、衝突荷重を利用してワイヤー15を固定する。すなわち、車両衝突状態検出装置10においては、図5(B)に示すように、車両右側から衝突した場合には、右ロック機構16Rが、衝突荷重を利用してワイヤー15を固定する。その後、車両衝突状態検出装置10においては、バンパレインフォース13が変形し、続いて衝突側のバンパステー、すなわちここではバンパステー12Rが圧潰していく。
【0039】
このとき、車両衝突状態検出装置10においては、衝突側のサイドメンバに配設されている張力センサ、すなわちここでは右張力センサ14Rによって計測される張力は、バンパステー12Rが圧潰することと、右ロック機構16Rがワイヤー15を固定することにより、図5(B)に示すように、初期張力から傾きβにて減少する傾向を示す。
【0040】
一方、車両衝突状態検出装置10においては、非衝突側のサイドメンバに配設されている張力センサ、すなわちここでは左張力センサ14Lによって計測される張力は、右ロック機構16Rでワイヤー15を固定しながらバンパステー12Rが変形すると共に車両後方に右ロック機構16Rが移動することと、非衝突側のバンパステーやサイドメンバ、すなわちここではバンパステー12Lやサイドメンバ11L等は変形しにくく、ワイヤー15が衝突側へ引っ張られることにより、図5(B)に示すように、初期張力から傾きβにて増加する傾向を示す。
【0041】
更に、車両衝突状態検出装置10においては、64km/hの衝突速度で単純オフセット衝突した場合には、圧潰レベルが15km/hの場合よりも大きくなるものの、衝突モードは略同等であり、衝突側のサイドメンバに配設されている張力センサ、すなわちここでは右張力センサ14Rによって計測される張力は、図5(C)に示すように、初期張力から減少する傾向を示し、非衝突側のサイドメンバに配設されている張力センサ、すなわちここでは左張力センサ14Lによって計測される張力は、初期張力から増加する傾向を示す。ただし、車両衝突状態検出装置10においては、64km/hの衝突速度で単純オフセット衝突した場合における初期張力から減少又は増加する張力の時間的な傾きβ,βの絶対値は、15km/hの衝突速度で単純オフセット衝突した場合よりも大きくなる。
【0042】
このように、車両衝突状態検出装置10においては、単純オフセット衝突時には、衝突側のサイドメンバに配設されている張力センサによって計測される張力が初期張力から減少する一方で、非衝突側のサイドメンバに配設されている張力センサによって計測される張力が初期張力から増加する。したがって、コントロールユニット22は、サイドメンバ11R,11Lに配設されている右張力センサ14R及び左張力センサ14Lによって計測される張力のうち、いずれか一方が減少し、他方が増加した場合には、衝突形態が、張力が減少した側での単純オフセット衝突であると判定する。
【0043】
「ポール衝突の判定」
図6に、ポール衝突時における衝突開始から衝突終了までの時間において、右張力センサ14R及び左張力センサ14Lによって計測されるワイヤー15の張力線図を示す。
【0044】
なお、図6(A)には、ポール衝突前の張力線図を示し、図6(B)には、衝突速度が15km/hの場合の張力線図を示し、図6(C)には、衝突速度が64km/hの場合の張力線図を示している。
【0045】
車両衝突状態検出装置10においては、ワイヤー15に所定の初期張力がかけられているので、ポール衝突前の通常走行時には、図6(A)に示すように、右張力センサ14Rによって計測される張力、及び左張力センサ14Lによって計測される張力が略一定値をとる。
【0046】
また、車両衝突状態検出装置10においては、図6(B)に示すように、15km/hの衝突速度でポール衝突した場合には、まず、バンパレインフォース13にポールが衝突し、その後、ポールがバンパレインフォース13を変形させ、エンジン側へ近づく。
【0047】
このとき、車両衝突状態検出装置10においては、サイドメンバ11R,11L等はポールに干渉していないので変形しにくく、また、ポールによってワイヤー15が引っ張られるので、サイドメンバ11R,11Lに配設されている右張力センサ14R及び左張力センサ14Lによって計測される張力は、それぞれ、図6(B)に示すように、初期張力から傾きβ、βにて増加する傾向を示す。
【0048】
更に、車両衝突状態検出装置10においては、64km/hの衝突速度でポール衝突した場合には、圧潰レベルが15km/hの場合よりも大きくなるものの、衝突モードは略同等であり、サイドメンバ11R,11Lに配設されている右張力センサ14R及び左張力センサ14Lによって計測される張力は、それぞれ、図6(C)に示すように、初期張力から増加する傾向を示す。ただし、車両衝突状態検出装置10においては、64km/hの衝突速度でポール衝突した場合における初期張力から増加する張力の時間的な傾きβ,βの絶対値は、15km/hの衝突速度でポール衝突した場合よりも大きくなる。
【0049】
このように、車両衝突状態検出装置10においては、ポール衝突時には、サイドメンバ11R,11Lに配設されている右張力センサ14R及び左張力センサ14Lによって計測される張力が共に増加する。したがって、コントロールユニット22は、サイドメンバ11R,11Lに配設されている右張力センサ14R及び左張力センサ14Lによって計測される張力が共に増加した場合には、衝突形態がポール衝突であると判定することができる。
【0050】
「斜めオフセット衝突の判定」
図7に、斜めオフセット衝突時における衝突開始から衝突終了までの時間において、右張力センサ14R及び左張力センサ14Lによって計測されるワイヤー15の張力線図を示す。
【0051】
なお、図7(A)には、斜めオフセット衝突前の張力線図を示し、図7(B)には、衝突速度が15km/hの場合の張力線図を示し、図7(C)には、衝突速度が64km/hの場合の張力線図を示している。
【0052】
車両衝突状態検出装置10においては、ワイヤー15に所定の初期張力がかけられているので、斜めオフセット衝突前の通常走行時には、図7(A)に示すように、右張力センサ14Rによって計測される張力、及び左張力センサ14Lによって計測される張力が略一定値となる。
【0053】
また、車両衝突状態検出装置10においては、15km/hの衝突速度で斜めオフセット衝突した場合には、まず、バンパレインフォース13の表面に配設されている衝突側のロック機構が、衝突荷重を利用してワイヤー15を固定する。すなわち、車両衝突状態検出装置10においては、図7(B)に示すように、車両右側から衝突した場合には、右ロック機構16Rが、衝突荷重を利用してワイヤー15を固定する。その後、車両衝突状態検出装置10においては、バンパレインフォース13が変形し、続いて衝突側のバンパステー、すなわちここではバンパステー12Rが圧潰していく。また、車両衝突状態検出装置10においては、車幅方向に衝突荷重が入力されているので、衝突側のバンパステーやサイドメンバ、すなわちここではバンパステー12Rやサイドメンバ11Rの先端が内倒れするようになる。
【0054】
このとき、車両衝突状態検出装置10においては、衝突側のサイドメンバに配設されている張力センサ、すなわちここでは右張力センサ14Rによって計測される張力は、バンパステー12Rが圧潰することと、右ロック機構16Rがワイヤー15を固定することにより、図7(B)に示すように、初期張力から傾きβにて減少する傾向を示す。
【0055】
一方、車両衝突状態検出装置10においては、非衝突側のサイドメンバに配設されている張力センサ、すなわちここでは左張力センサ14Lによって計測される張力は、右ロック機構16Rでワイヤー15を固定しながらバンパステー12Rやサイドメンバ11Rの先端が内倒れ変形すると共に車両内側に右ロック機構16Rが移動してワイヤー15が緩み、バンパステー12Rやサイドメンバ11Rの先端の内倒れ速度に比例して、図7(B)に示すように、初期張力から傾きβよりも徐々に減少する傾きβにて減少する傾向を示す。
【0056】
更に、車両衝突状態検出装置10においては、64km/hの衝突速度で斜めオフセット衝突した場合には、圧潰レベルが15km/hの場合よりも大きくなるものの、衝突モードは略同等であり、衝突側のサイドメンバに配設されている張力センサ、すなわちここでは右張力センサ14Rによって計測される張力は、図7(C)に示すように、初期張力から減少する傾向を示し、非衝突側のサイドメンバに配設されている張力センサ、すなわちここでは左張力センサ14Lによって計測される張力は、バンパステー12Rやサイドメンバ11Rの先端の内倒れ速度に比例して、初期張力から徐々に減少する傾向を示す。ただし、車両衝突状態検出装置10においては、64km/hの衝突速度で斜めオフセット衝突した場合における初期張力から減少する張力の時間的な傾きβ,βの絶対値は、15km/hの衝突速度で斜めオフセット衝突した場合よりも大きくなる。
【0057】
このように、車両衝突状態検出装置10においては、斜めオフセット衝突時には、衝突側のサイドメンバに配設されている張力センサによって計測される張力が初期張力から減少する一方で、非衝突側のサイドメンバに配設されている張力センサによって計測される張力が初期張力から徐々に減少する。したがって、コントロールユニット22は、サイドメンバ11R,11Lに配設されている右張力センサ14R及び左張力センサ14Lによって計測される張力のうち、いずれか一方が減少し、他方が徐々に減少した場合には、衝突形態が、張力の減少率が大きい側での斜めオフセット衝突であると判定する。
【0058】
[衝突開始から乗員拘束装置作動までの処理内容]
つぎに、車両が衝突した場合にコントロールユニット22にて乗員拘束装置35を作動させるまでの処理について図9及び図10のフローチャートを参照して説明する。
【0059】
車両衝突状態検出装置10においては、図8に示すように、車両が物体に前面から衝突すると、ステップS1において、バンパレインフォース13に当該物体が干渉する。
【0060】
続いて、車両衝突状態検出装置10は、ステップS2において、右張力センサ14R及び左張力センサ14Lによって張力変化を計測すると共に、ステップS3において、フロアセンサ18によって車両減速度を計測して、コントロールユニット22のCPU31に送る。
【0061】
続いて、CPU31は、ステップS4において、右張力センサ14R及び左張力センサ14Lによって計測して得られた張力変化パターンを識別し、先に図4乃至図7に示した方法を用いて衝突形態を判定する。そして、コントロールユニット22の閾値設定部33は、ステップS5において、ステップS4にて判定した衝突形態に応じた乗員拘束装置35を起動させる閾値を決定する。
【0062】
また、CPU31は、ステップS6において、ステップS3にてフロアセンサ18によって計測して得られた減速度を1回微分して速度ΔVを算出し、時間tと速度ΔVとの関係を導き出す。
【0063】
そして、車両衝突状態検出装置10は、ステップS7において、コントロールユニット22により、ステップS6にて算出された速度ΔVとステップS5にて算出された閾値とを比較し、ステップS8において、速度ΔVが閾値を超えているか否かを判定する。ここで、CPU31は、速度ΔVが閾値を超えていないと判定した場合には、乗員拘束装置35を起動させる必要はなく、このステップS8における判定処理を繰り返す。
【0064】
一方、CPU31は、速度ΔVが閾値を超えたと判定した場合には、起動制御部32による制御のもとに、乗員拘束装置35を起動させるための信号を起動回路34を介して出力し、乗員拘束装置35を作動させる。
【0065】
具体的には、CPU31は、ステップS8にて速度ΔVが閾値を超えたと判定した場合には図9のステップS9に処理を進め、図8中ステップS4にて判定した衝突形態として、正面衝突又は単純オフセット衝突を検知しているか否かを判定する。
【0066】
ここで、CPU31は、ステップS4にて正面衝突又は単純オフセット衝突であると判定している場合にはステップS10に処理を進め、起動制御部32により、乗員拘束装置35としての乗員正面のエアバックを展開させて、一連の処理を終了する。
【0067】
一方、CPU31は、ステップS4にて正面衝突又は単純オフセット衝突であると判定していない場合には、ステップS11へと処理を移行し、図8中ステップS4にて判定した衝突形態として、ポール衝突を検知しているか否かを判定する。
【0068】
ここで、CPU31は、ポール衝突を検知している場合には、ステップS12において、正面衝突又は単純オフセット衝突時に乗員拘束装置35を駆動させる場合よりも内圧を高めに設定して、乗員拘束装置35としてのエアバックを展開し、一連の処理を終了する。
【0069】
一方、CPU31は、ポール衝突を検知していない場合には、ステップS13へと処理を移行し、斜めオフセット衝突を検知したことを認識して、ステップS14に処理を進める。
【0070】
そして、CPU31は、ステップS14において、乗員拘束装置35としての乗員正面のエアバックを展開するように起動制御部32を制御してステップS15に処理を進める。
【0071】
そして、ステップS15において、車両衝突状態検出装置10は、乗員正面のエアバックを展開した約20ミリ秒後に、乗員拘束装置35としての乗員側面のエアバックを展開し、一連の処理を終了する。
【0072】
車両衝突状態検出装置10は、このような一連の処理を経ることにより、衝突形態を判定し、乗員拘束装置35を作動させる。このとき、車両衝突状態検出装置10は、衝突形態に応じて、作動させる乗員拘束装置35を選択的に切り替える。
【0073】
ここで、図8中ステップS6にて求められる速度ΔVの時間変化は、図10に示すように、衝突形態や車両衝突速度に応じて大きく変化する。なお、図10(A)には、衝突速度が15km/h及び64km/hで正面衝突した場合の速度線図を示し、図10(B)には、衝突速度が15km/h及び64km/hで単純オフセット衝突した場合の速度線図を示し、図10(C)には、衝突速度が15km/h及び64km/hでポール衝突した場合の速度線図を示し、図10(D)には、衝突速度が15km/h及び64km/hで斜めオフセット衝突した場合の速度線図を示している。
【0074】
図10からわかるように、速度ΔVの時間変化は、衝突形態や車両衝突速度に応じて大きく変化し、乗員挙動に大きく影響する。したがって、車両衝突状態検出装置10において、衝突形態毎に乗員拘束装置35を起動させる閾値を決定することは、非常に有意義なこととなる。
【0075】
具体的には、CPU31は、図10(A)の正面衝突や図10(B)の単純オフセット衝突を右張力センサ14R及び左張力センサ14Lからの信号から検知した場合には、上述したように、乗員正面にあるステアリングホイール中央に配設されているエアバックやニーエアバック、乗員拘束ベルトに付随しているプリテンショナーを、速度ΔVが閾値を超えた瞬間に作動開始させる制御をする。
【0076】
また、CPU31は、図10(C)のポール衝突を右張力センサ14R及び左張力センサ14Lからの信号から検知した場合には、上述したように、乗員正面にあるステアリングホイール中央に配設されているエアバックやニーエアバック、乗員拘束ベルトに付随しているプリテンショナーを、速度ΔVが閾値を超えた瞬間に作動開始させる。この際、CPU31では、正面衝突やオフセット衝突の場合よりも、エアバックの内圧を高めて展開させる制御をする。これは、ポール衝突の場合には、車体前部に多大なエネルギーを吸収する部材が少ないため、衝突エネルギーがキャビンに直接伝わることによるものである。したがって、車両衝突状態検出装置10においては、乗員に傷害を与えない程度に最大限エアバックの内圧を上げることにより、乗員の運動エネルギーを効果的に吸収することができる。
【0077】
更に、CPU31は、図10(D)の斜めオフセット衝突を右張力センサ14R及び左張力センサ14Lからの信号から検知した場合には、乗員正面にあるステアリングホイール中央に配設されているエアバックやニーエアバック、乗員拘束ベルトに付随しているプリテンショナーを、速度ΔVが閾値を超えた瞬間に作動開始させる制御をする。そして、CPU31においては、約20ミリ秒後に、乗員側方に配設されているサイドエアバックやカーテンエアバックを展開させる制御をする。これは、斜めオフセット衝突の場合には、乗員の上半身の挙動が、前に倒れ込んでから横方向に倒れ込むというものになることによるものである。したがって、車両衝突状態検出装置10においては、乗員正面のエアバックの他、時刻をオフセットしてサイドエアバックを展開させることにより、乗員の運動エネルギーを効果的に吸収することができる。
【0078】
このような衝突形態別の閾値の設定について図11に示すと共に、衝突形態別に対する乗員拘束装置35の展開タイミングについて図12に示す。
【0079】
ここで、車両衝突状態検出装置10においては、自車両が例えば15km/h程度の低速で衝突した場合には、エアバックは展開させないことが望ましい。したがって、閾値設定部33においては、各衝突形態において、速度ΔVを算出することができるが、図10に示すように衝突速度が約15km/h以下での衝突に対しては、エアバックを展開させないような閾値に設定する必要がある。
【0080】
車両衝突状態検出装置10においては、正面衝突の場合には、左右両側に配設されている2つのサイドメンバ11R,11Lによって自車両の衝突エネルギーを吸収するので、これらサイドメンバ11R,11Lを含むエンジンコンパートメントの強度が高く、キャビンにも高い衝突Gを衝突初期から発生させることになる。したがって、閾値設定部33においては、正面衝突の場合には、ΔVである閾値を、図11に示すように、他の衝突形態と比較して最も高い値に設定する。また、起動制御部32においては、正面衝突の場合には、衝突初期から高い衝突Gをキャビンで発生させるため、乗員の上半身の前倒れ挙動開始時刻も早くなるので、図12に示すように、他の衝突形態と比較して早いタイミングでエアバックを展開させる。
【0081】
また、車両衝突状態検出装置10においては、単純オフセット衝突の場合には、サイドメンバ11R,11Lのうち、左右いずれか1つのサイドメンバによって自車両の衝突エネルギーを吸収するので、正面衝突よりは衝突Gが減少する。したがって、閾値設定部33においては、単純オフセット衝突の場合には、ΔVである閾値は、図11に示すように、正面衝突の場合よりも低い値に設定する。また、起動制御部32においては、単純オフセット衝突の場合には、図12に示すように、他の衝突形態と比較して最も遅いタイミングでエアバックを展開させる。
【0082】
更に、車両衝突状態検出装置10においては、ポール衝突や斜めオフセット衝突の場合には、多大なエネルギー吸収する部材が少なく、衝突初期には比較的低い衝突Gをキャビンに発生させるが、衝突後半には高い衝突Gを発生させることになる。そのため、車両衝突状態検出装置10においては、ポール衝突や斜めオフセット衝突の場合には、乗員の上半身も急激に前倒れする現象が生じるため、早めにエアバックやプリテンショナーを起動させる必要がある。したがって、閾値設定部33は、ポール衝突や斜めオフセット衝突の場合には、図11に示すように、単純オフセット衝突よりも閾値を低く設定すると共に、起動制御部32は、図12に示すように、単純オフセット衝突よりも早めにエアバックを展開させる。
【0083】
なお、ここでの単純オフセット衝突や斜めオフセット衝突は、デフォーマブルバリアに衝突したことを前提としている。
【0084】
このように、車両衝突状態検出装置10においては、判定した衝突形態に応じて、作動させる乗員拘束装置35を選択的に切り替えると共に、乗員拘束装置35を起動させる閾値や展開タイミングを決定することにより、極めて効果的な衝突対策を実現することができる。
【0085】
[ワイヤーの左右張力バランスによる車両衝突形態判定の内容]
つぎに、車両衝突形態判定の他の方法として、ワイヤー15の左右張力バランスによる車両衝突形態判定の方法について説明する。
【0086】
ここで、左張力センサ14Lによって得られる張力をF、右張力センサ14Rによって得られる張力をF、初期張力をF’とすると、正面衝突は、F<F’且つF<F’且つF≒Fの関係にあり、右単純オフセット衝突は、F>F’且つF<F’の関係にあり、左単純オフセット衝突は、F<F’且つF>F’の関係にあり、ポール衝突は、F>F’且つF>F’の関係にあり、右斜めオフセット衝突は、F<F’且つF<F’且つF<Fの関係にあり、左斜めオフセット衝突は、F<F’且つF<F’且つF>Fの関係にある。
【0087】
車両衝突状態検出装置10は、このような衝突形態に応じた張力の関係を用いて、衝突形態の判定を行う。このとき、車両衝突状態検出装置10は、右張力センサ14R及び左張力センサ14Lによって計測された張力が初期張力に対して変化しない場合には、再度、右張力センサ14R及び左張力センサ14Lによる計測を行う。
【0088】
また、車両衝突状態検出装置10は、正面衝突の場合と斜めオフセット衝突の場合とにおける衝突形態判定の切り分け基準として、自車両と衝突物とが15°以上の角度をもって衝突した場合を斜めオフセット衝突と判定し、それ以外の場合を正面衝突と判定するように、サイドメンバ11R,11Lに配設されている右張力センサ14R及び左張力センサ14Lの関係を、正面衝突の場合には|F−F|<規定値とすると共に、斜めオフセット衝突の場合には|F−F|≧規定値とする規定を設定する。
【0089】
[ワイヤーの左右張力バランスによる車両衝突形態判定の具体的内容]
このような車両衝突形態判定の方法を実現するために、車両衝突状態検出装置10は、図8中ステップS4における衝突形態判定の際に、図13に示す一連の処理を行う。
【0090】
すなわち、CPU31は、図13に示すように、ステップS21において、左張力センサ14Lによって得られる張力Fが初期張力F’よりも大きいか否かを判定する。
【0091】
ここで、CPU31は、張力Fが初期張力F’よりも大きくないと判定した場合には、ステップS22へと処理を移行し、左張力センサ14Lによって得られる張力Fが初期張力F’よりも小さいか否かを判定する。
【0092】
CPU31は、張力Fが初期張力F’よりも小さくないと判定した場合には、FL=F’の関係が成立する場合であるので、再度右張力センサ14R及び左張力センサ14Lによる計測を行うために、図8中ステップS2へと処理を移行する。一方、CPU31は、張力FLが初期張力F’よりも小さいと判定した場合には、ステップS25へと処理を移行し、右張力センサ14Rによって得られる張力Fが初期張力F’よりも小さいか否かを判定する。
【0093】
ここで、CPU31は、張力Fが初期張力F’よりも小さいと判定した場合には、ステップS30へと処理を移行し、右張力センサ14Rによって得られる張力Fと左張力センサ14Lによって得られる張力Fとの差分の絶対値|F−F|が所定の規定値よりも小さいか否かを判定する。なお、この規定値は、自車両と衝突物との角度15°以上となる場合には、絶対値|F−F|よりも大きくなるように設定される。
【0094】
CPU31は、絶対値|FR−FL|が規定値よりも小さいと判定した場合には、F<F’且つF<F’且つF≒F且つ|F−F|<規定値の関係が成立する場合であるので、ステップS32において、正面衝突であると判定し、図8中ステップS5へと処理を移行する。一方、CPU31は、絶対値|F−F|が規定値よりも小さくないと判定した場合には、ステップS31へと処理を移行し、右張力センサ14Rによって得られる張力Fが左張力センサ14Lによって得られる張力Fよりも大きいか否かを判定する。
【0095】
ここで、CPU31は、張力Fが張力Fよりも大きいと判定した場合には、F<F’且つF<F’且つF>F且つ|F−F|≧規定値の関係が成立する場合であるので、ステップS33において、左斜めオフセット衝突であると判定し、図8中ステップS5へと処理を移行する。一方、CPU31は、張力Fが張力Fよりも大きくないと判定した場合には、F<F’且つF<F’且つF<F且つ|F−F|≧規定値の関係が成立する場合であるので、ステップS34において、右斜めオフセット衝突であると判定し、図8中ステップS5へと処理を移行する。
【0096】
また、CPU31は、ステップS25にて張力Fが初期張力F’よりも小さくないと判定した場合には、ステップS26へと処理を移行し、右張力センサ14Rによって得られる張力Fが初期張力F’よりも大きいか否かを判定する。
【0097】
ここで、車両衝突状態検出装置10は、張力Fが初期張力F’よりも大きくないと判定した場合には、F=F’の関係が成立する場合であるので、再度右張力センサ14R及び左張力センサ14Lによる計測を行うために、図8中ステップS2へと処理を移行する。一方、CPU31は、張力FRが初期張力F’よりも大きいと判定した場合には、F<F’且つF>F’の関係が成立する場合であるので、ステップS29において、左単純オフセット衝突であると判定し、図8中ステップS5へと処理を移行する。
【0098】
更に、CPU31は、ステップS21にて張力Fが初期張力F’よりも大きいと判定した場合には、ステップS23へと処理を移行し、右張力センサ14Rによって得られる張力Fが初期張力F’よりも大きいか否かを判定する。
【0099】
ここで、CPU31は、張力Fが初期張力F’よりも大きいと判定した場合には、F>F’且つF>F’の関係が成立する場合であるので、ステップS27において、ポール衝突であると判定し、図8中ステップS5へと処理を移行する。一方、CPU31は、張力Fが初期張力F’よりも大きくないと判定した場合には、ステップS24へと処理を移行し、右張力センサ14Rによって得られる張力Fが初期張力F’よりも小さいか否かを判定する。
【0100】
ここで、CPU31は、張力Fが初期張力F’よりも小さくないと判定した場合には、F=F’の関係が成立する場合であるので、再度右張力センサ14R及び左張力センサ14Lによる計測を行うために、図8中ステップS2へと処理を移行する。一方、CPU31は、張力FRが初期張力F’よりも小さいと判定した場合には、F>F’且つF<F’の関係が成立する場合であるので、ステップS28において、右単純オフセット衝突であると判定し、図8中ステップS5へと処理を移行する。
【0101】
車両衝突状態検出装置10は、このような一連の処理を経ることにより、ワイヤー15の左右の張力バランスに基づいて衝突形態を判定し、この衝突形態に応じて、作動させる乗員拘束装置35を選択的に切り替えることができる。
【0102】
[第1実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、第1実施形態に係る車両衝突状態検出装置10によれば、車両衝突開始時に、バンパレインフォース13に衝突物が干渉することによってワイヤー15に張力変化を発生させ、ワイヤー15の両端に連結された右張力センサ14R及び左張力センサ14Lによってワイヤー15の張力を計測し、その計測されたワイヤー15の左右の張力バランスに基づいて、衝突形態を判定することにより、幅広い衝突形態の判定を行うことができる。特に、車両衝突状態検出装置10よれば、車両略先端部にワイヤー15を配設して張力を検出したり、張力変化の有無を検出したりするという極めて単純なシステムを採用しているので、衝突初期時より正確な衝突形態を容易に判定することができ、また、単純なシステムであるにもかかわらず、多くの衝突形態を判定することができる。また、車両衝突状態検出装置10は、サイドメンバ11R,11L間に架設したワイヤー15の張力を検出する右張力センサ14R及び左張力センサ14Lを備えることにより、張力変化をこれら右張力センサ14R及び左張力センサ14Lによって計測し、衝突形態を確実に判定することができる。更に、車両衝突状態検出装置10は、車両略先端部にワイヤー15を配設してワイヤー15の左右張力バランスに基づいて衝突形態を判定することにより、衝突後直ちに検知することができ、衝突形態を即時に判定することができる。更にまた、車両衝突状態検出装置10は、コントロールユニット22により、車両左右の張力バランスに基づいて衝突形態を判定することにより、正面衝突、単純オフセット衝突、ポール衝突、及び斜めオフセット衝突といった様々な衝突形態に対して、車両左右の張力バランスのみに基づいて判定を行うことが可能な単純なシステムとすることができ、コスト等の低減を図ることができる。
【0103】
また、車両衝突状態検出装置10は、コントロールユニット22により、右張力センサ14R及び左張力センサ14Lによって計測された張力が共に衝突前の初期張力よりも減少することを検知し、且つ、これら張力が略同等であることを検知することにより、衝突形態が正面衝突である旨を判定することができる。
【0104】
更に、車両衝突状態検出装置10は、コントロールユニット22により、衝突側の張力センサによって計測された張力が衝突前の初期張力よりも減少することを検知し、且つ、非衝突側の張力センサによって計測された張力が衝突前の初期張力よりも増加することを検知することにより、衝突形態が単純オフセット衝突である旨を判定することができる。
【0105】
更にまた、車両衝突状態検出装置10は、コントロールユニット22により、右張力センサ14R及び左張力センサ14Lによって計測された張力が共に衝突前の初期張力よりも増加することを検知することにより、衝突形態がポール衝突である旨を判定することができる。
【0106】
更にまた、車両衝突状態検出装置10は、コントロールユニット22により、右張力センサ14R及び左張力センサ14Lによって計測された張力が共に衝突前の初期張力よりも減少することを検知し、且つ、これら張力が略同等でないことを検知することにより、衝突形態が斜めオフセット衝突である旨を判定することができる。このように、車両衝突状態検出装置10は、右張力センサ14R及び左張力センサ14Lによって計測された張力変化パターン結果を、コントロールユニット22によって判定することにより、正面衝突、単純オフセット衝突、ポール衝突、及び斜めオフセット衝突といった様々な衝突形態を確実に判定することができる。
【0107】
更にまた、車両衝突状態検出装置10は、コントロールユニット22により、車両左右の張力バランスに基づいて衝突形態を判定し、判定した衝突形態に応じた乗員拘束装置35を起動させる閾値を決定することにより、乗員拘束装置35の起動遅れをなくすことができ、また、各衝突形態に適した乗員拘束装置35を起動させることができるので、極めて効果的な衝突対策を図ることができる。
【0108】
更にまた、車両衝突状態検出装置10は、コントロールユニット22により、キャビン内部に配設されるフロアセンサ18によって計測された減速度に基づく時間に対する速度波形を算出し、算出した前記速度波形と決定した閾値とに基づいて、乗員拘束装置35を作動させることにより、不必要に乗員拘束装置35を起動させてしまう事態を回避することができる。
【0109】
更にまた、車両衝突状態検出装置10は、例えば斜めオフセット衝突等のように車幅方向の荷重を車体に受けた際に、サイドメンバ11R,11Lが右張力センサ14R及び/又は左張力センサ14Lの前部又は後部で内倒れするような剛性バランスとし、サイドメンバ11R,11Lの変形モードを制御することにより、衝突形態を確実に判定することができる。
【0110】
更にまた、車両衝突状態検出装置10は、左右オフセット衝突時に、ワイヤー15の左右でそれぞれ独立した張力を発生するように、ワイヤー15を分断して固定するロック機構16を備えることにより、右張力センサ14R及び左張力センサ14Lにそれぞれ互いに異なる値の張力を計測させることができ、衝突形態を判定する材料として用いることができる。
【0111】
具体的には、車両衝突状態検出装置10は、このロック機構16として、ワイヤー15に連結された複数のストッパー部41の周囲に複数の突起部42を有した構造とされ、且つ、突起部42に荷重が入力されると当該突起部42周辺の構造が変形して当該突起部42とストッパー部41とを干渉させ、ストッパー部41の動きを抑制するような構造とされているものを用いることにより、ワイヤー15を固定することができると共に、左右のサイドメンバ11R,11Lに配設された右張力センサ14R及び左張力センサ14Lにそれぞれ互いに異なる値の張力を計測させることができる。
【0112】
[第2実施形態]
つぎに、第2実施形態に係る車両衝突状態検出装置について説明する。なお、この第2実施形態の説明では、上述の実施形態と同様の部分については同一の符号及び同一のステップ番号を付することによってその詳細な説明を省略する。また、この第2実施形態に係る車両衝突状態検出装置は、特にその構成については図示しないが、説明の便宜上、車両衝突状態検出装置20と符号を付して説明する。
【0113】
この第2実施形態に係る車両衝突状態検出装置は、先に図1及び図2に示した第1実施形態に係る車両衝突状態検出装置10と同様の構成からなるものである。特に、この第2実施形態に係る車両衝突状態検出装置は、時間に対する左右の張力センサによって計測される張力低下代に基づいて、乗員拘束装置の起動タイミングを決定するものである。
【0114】
[車両衝突状態検出装置の動作]
「衝突開始から乗員拘束装置作動までの処理内容」
この第2実施形態に係る車両衝突状態検出装置20において、衝突開始から上述した乗員拘束装置35を作動させるまでの処理について図14のフローチャートを参照して説明する。
【0115】
車両衝突状態検出装置20においては、図14に示すように、車両が物体に前面から衝突すると、ステップS41において、バンパレインフォース13に当該物体が干渉する。
【0116】
続いて、車両衝突状態検出装置20は、ステップS42において、右張力センサ14R及び左張力センサ14Lによって張力変化を計測する。
【0117】
続いて、車両衝突状態検出装置20は、ステップS43において、右張力センサ14R及び左張力センサ14Lによって計測して得られた張力変化パターンをCPU31によって識別し、衝突形態を判定すると共に、乗員拘束装置35の起動の必要性の有無を決定するための基準値をCPU31によって決定し、乗員拘束装置35の起動判定を行う。
【0118】
続いて、CPU31は、ステップS44において、時間tと張力Fとの関係に基づいて、初期張力から減少した張力の時間的な傾きを算出し、この傾きに基づいて、乗員拘束装置35の起動タイミング時間を決定する。これは、初期張力から減少した張力の傾きと衝突速度とが略比例関係にあるためである。
【0119】
そして、CPU31は、ステップS45において、乗員拘束装置35の起動タイミング時間に到達したか否かを判定する。具体的には、CPU31は、初期張力から減少した張力の傾きに所定の基準値を設け、傾きの絶対値の大きさが基準値以上であれば、乗員拘束装置35の起動を決定する一方で、傾きの絶対値の大きさが基準値以下であれば、乗員拘束装置35の不起動を決定する。また、CPU31は、サイドメンバ11R,11Lに配設された右張力センサ14R及び左張力センサ14Lによって計測される初期張力が変化し始めた時から、時間をカウントし、乗員拘束装置35の起動タイミング時間が経過した場合には、乗員拘束装置35を起動させることになる。
【0120】
ここで、CPU31は、乗員拘束装置35の起動タイミング時間に到達していないと判定した場合には、乗員拘束装置35の起動タイミング時間に到達するまで、このステップS45における判定処理を繰り返す。
【0121】
一方、CPU31は、乗員拘束装置35の起動タイミング時間に到達したと判定した場合には、ステップS46において、起動制御部32による制御のもとに、乗員拘束装置35を起動させるための信号を起動回路34を介して出力し、乗員拘束装置35を作動させ、一連の処理を終了する。
【0122】
車両衝突状態検出装置20は、このような一連の処理を経ることにより、衝突形態を判定し、この衝突形態に応じて、作動させる乗員拘束装置35を選択的に切り替える。
【0123】
「車両衝突形態判定及び乗員拘束装置起動判定の具体的内容」
以下、図14中ステップS43における衝突形態判定及び乗員拘束装置35の起動判定のより具体的な内容について図15乃至図21を用いて説明する。
【0124】
なお、以下では、先に図4乃至図7に示したように、右側のサイドメンバ11Rに配設された右張力センサ14Rによって計測される時間tと張力Fとの関係によって得られる初期張力から減少した張力の時間的な傾きをβとし、左側のサイドメンバ11Lに配設された左張力センサ14Lによって計測される時間tと張力Fとの関係によって得られる初期張力から減少した時間的な張力の傾きをβとすると共に、傾きの基準値をβ’とする。
【0125】
まず、CPU31は、衝突形態の判定を行う。
【0126】
すなわち、CPU31は、図15に示すように、ステップS51において、左張力センサ14Lによって得られる張力FLが初期張力F’よりも大きいか否かを判定する。
【0127】
ここで、CPU31は、張力FLが初期張力F’よりも大きくないと判定した場合には、ステップS52へと処理を移行し、左張力センサ14Lによって得られる張力Fが初期張力F’よりも小さいか否かを判定する。
【0128】
CPU31は、張力Fが初期張力F’よりも小さくないと判定した場合には、F=F’の関係が成立する場合であるので、再度右張力センサ14R及び左張力センサ14Lによる計測を行うために、図14中ステップS42へと処理を移行する。一方、CPU31は、張力Fが初期張力F’よりも小さいと判定した場合には、ステップS55へと処理を移行し、右張力センサ14Rによって得られる張力FRが初期張力F’よりも小さいか否かを判定する。
【0129】
ここで、CPU31は、張力Fが初期張力F’よりも小さいと判定した場合には、ステップS63へと処理を移行し、右張力センサ14Rによって得られる張力FRと左張力センサ14Lによって得られる張力Fとが等しいか否かを判定する。
【0130】
CPU31は、張力Fと張力Fとが等しいと判定した場合には、F<F’且つF<F’且つF=Fの関係が成立する場合であるので、ステップS65において、正面衝突であると判定し、更にステップS68において、基準値β’を算出して決定し、後述する図19に示す正面衝突時における乗員拘束装置35の起動判定処理へと移行する。一方、CPU31は、ステップS63にて張力Fと張力Fとが等しくないと判定した場合には、ステップS64へと処理を移行し、右張力センサ14によって得られる張力FRが左張力センサ14Lによって得られる張力Fよりも大きいか否かを判定する。
【0131】
ここで、CPU31は、張力Fが張力Fよりも大きいと判定した場合には、F<F’且つF<F’且つF>Fの関係が成立する場合であるので、ステップS66において、左斜めオフセット衝突であると判定し、更にステップS69において、基準値β’を算出して決定し、後述する図20に示す左斜めオフセット衝突時における乗員拘束装置35の起動判定処理へと移行する。一方、CPU31は、ステップS64にて張力Fが張力Fよりも大きくないと判定した場合には、F<F’且つF<F’且つF<Fの関係が成立する場合であるので、ステップS67において、右斜めオフセット衝突であると判定し、更にステップS70において、基準値β’を算出して決定し、後述する図21に示す右斜めオフセット衝突時における乗員拘束装置35の起動判定処理へと移行する。
【0132】
また、CPU31は、ステップS55にて張力Fが初期張力F’よりも小さくないと判定した場合には、ステップS56へと処理を移行し、右張力センサ14Rによって得られる張力Fが初期張力F’よりも大きいか否かを判定する。
【0133】
ここで、CPU31は、張力Fが初期張力F’よりも大きくないと判定した場合には、F=F’の関係が成立する場合であるので、再度右張力センサ14R及び左張力センサ14Lによる計測を行うために、図14中ステップS42へと処理を移行する。一方、CPU31は、張力Fが初期張力F’よりも大きいと判定した場合には、F<F’且つF>F’の関係が成立する場合であるので、ステップS59において、左単純オフセット衝突であると判定し、更にステップS62において、基準値β’を算出して決定し、後述する図18に示す左単純オフセット衝突時における乗員拘束装置35の起動判定処理へと移行する。
【0134】
更に、CPU31は、ステップS51にて張力Fが初期張力F’よりも大きいと判定した場合には、ステップS53へと処理を移行し、右張力センサ14Rによって得られる張力FRが初期張力F’よりも大きいか否かを判定する。
【0135】
ここで、CPU31は、張力Fが初期張力F’よりも大きいと判定した場合には、F>F’且つF>F’の関係が成立する場合であるので、ステップS57において、ポール衝突であると判定し、更にステップS60において、基準値β’を算出して決定し、後述する図16に示すポール衝突時における乗員拘束装置35の起動判定処理へと移行する。一方、CPU31は、張力Fが初期張力F’よりも大きくないと判定した場合には、ステップS54へと処理を移行し、右張力センサ14Rによって得られる張力Fが初期張力F’よりも小さいか否かを判定する。
【0136】
ここで、CPU31は、張力Fが初期張力F’よりも小さくないと判定した場合には、F=F’の関係が成立する場合であるので、再度右張力センサ14R及び左張力センサ14Lによる計測を行うために、図14中ステップS42へと処理を移行する。一方、CPU31は、張力FRが初期張力F’よりも小さいと判定した場合には、F>F’且つF<F’の関係が成立する場合であるので、ステップS58において、右単純オフセット衝突であると判定し、更にステップS61において、基準値β’を算出して決定し、後述する図17に示す右単純オフセット衝突時における乗員拘束装置35の起動判定処理へと移行する。
【0137】
このように、両衝突状態検出装置20は、第1実施形態に係る図8中ステップS4と略同様の一連の処理を経ることにより、左右の張力バランスに基づいて衝突形態を判定することができる。CPU31は、衝突形態の判定を行った後、図16乃至図21に示すように、衝突形態に応じて、乗員拘束装置35を起動させるか否かの判定を行い、起動させるのであれば、乗員拘束装置35の起動タイミング時間を決定することになる。
【0138】
まず、ポール衝突時における乗員拘束装置35の起動判定について図16を用いて説明する。
【0139】
CPU31は、図15中ステップS57にてポール衝突であると判定し、ステップS60にて基準値β’を決定すると、図16に示すように、ステップS71において、右張力センサ14Rによって計測される時間tに対する張力線図と左張力センサ14Lによって計測される時間tに対する張力線図とに基づいて、初期の傾きβ,βについて、|β|>|β’|及び|β|>|β’|の関係を満たすか否かを判定する。
【0140】
ここで、CPU31は、|β|>|β’|及び|β|>|β’|の関係を満たすと判定した場合には、ステップS72において、|β|と|β|とを比較し、値が大きい方のデータを用い、所定のデータバンクと対比して、乗員拘束装置35の展開タイミング時間を算出して決定し、図14中ステップS44へと処理を移行する。一方、CPU31は、|β|>|β’|及び|β|>|β’|の関係を満たさないと判定した場合には、ステップS73において、乗員拘束装置35を作動させないようにし、そのまま一連の処理を終了する。
【0141】
CPU31は、このような一連の処理を経ることにより、ポール衝突時における乗員拘束装置35の起動判定を行うことができる。
【0142】
つぎに、右単純オフセット衝突時における乗員拘束装置35の起動判定について図17を用いて説明する。
【0143】
CPU31は、図15中ステップS58にて右単純オフセット衝突であると判定し、ステップS61にて基準値β’を決定すると、図17に示すように、ステップS81において、右張力センサ14Rによって計測される時間tに対する張力線図に基づいて、初期の傾きβについて、|β|>|β’|の関係を満たすか否かを判定する。
【0144】
ここで、CPU31は、|β|>|β’|の関係を満たすと判定した場合には、ステップS82において、|β|を用い、所定のデータバンクと対比して、乗員拘束装置35の展開タイミング時間を算出して決定し、図14中ステップS44へと処理を移行する。一方、CPU31は、|β|>|β’|の関係を満たさないと判定した場合には、ステップS83において、乗員拘束装置35を作動させないようにし、そのまま一連の処理を終了する。
【0145】
CPU31は、このような一連の処理を経ることにより、右単純オフセット衝突時における乗員拘束装置35の起動判定を行うことができる。
【0146】
つぎに、左単純オフセット衝突時における乗員拘束装置35の起動判定について図18を用いて説明する。
【0147】
CPU31は、図15中ステップS59にて左単純オフセット衝突であると判定し、ステップS62にて基準値β’を決定すると、図18に示すように、ステップS91において、左張力センサ14Lによって計測される時間tに対する張力線図に基づいて、初期の傾きβについて、|β|>|β’|の関係を満たすか否かを判定する。
【0148】
ここで、CPU31は、|β|>|β’|の関係を満たすと判定した場合には、ステップS92において、|β|を用い、所定のデータバンクと対比して、乗員拘束装置35の展開タイミング時間を算出して決定し、図14中ステップS44へと処理を移行する。一方、CPU31は、|β|>|β’|の関係を満たさないと判定した場合には、ステップS93において、乗員拘束装置35を作動させないようにし、そのまま一連の処理を終了する。
【0149】
CPU31は、このような一連の処理を経ることにより、左単純オフセット衝突時における乗員拘束装置35の起動判定を行うことができる。
【0150】
つぎに、正面衝突時における乗員拘束装置35の起動判定について図19を用いて説明する。
【0151】
CPU31は、図15中ステップS65にて左単純オフセット衝突であると判定し、ステップS68にて基準値β’を決定すると、図19に示すように、ステップS101において、右張力センサ14Rによって計測される時間tに対する張力線図と左張力センサ14Lによって計測される時間tに対する張力線図とに基づいて、初期の傾きβ,βが、|β|>|β’|及び|β|>|β’|の関係を満たすか否かを判定する。
【0152】
ここで、CPU31は、|β|>|β’|及び|β|>|β’|の関係を満たすと判定した場合には、ステップS102において、|β|と|β|とを比較し、値が大きい方のデータを用い、所定のデータバンクと対比して、乗員拘束装置35の展開タイミング時間を算出して決定し、図14中ステップS44へと処理を移行する。一方、CPU31は、|β|>|β’|及び|β|>|β’|の関係を満たさないと判定した場合には、ステップS103において、乗員拘束装置35を作動させないようにし、そのまま一連の処理を終了する。
【0153】
CPU31は、このような一連の処理を経ることにより、正面衝突時における乗員拘束装置35の起動判定を行うことができる。
【0154】
つぎに、左斜めオフセット衝突時における乗員拘束装置35の起動判定について図20を用いて説明する。
【0155】
CPU31は、図15中ステップS66にて左斜めオフセット衝突であると判定し、ステップS69にて基準値β’を決定すると、図20に示すように、ステップS111において、左張力センサ14Lによって計測される時間tに対する張力線図に基づいて、初期の傾きβが、|β|>|β’|の関係を満たすか否かを判定する。
【0156】
ここで、CPU31は、|β|>|β’|の関係を満たすと判定した場合には、ステップS112において、|β|を用い、所定のデータバンクと対比して、乗員拘束装置35の展開タイミング時間を算出して決定し、図14中ステップS44へと処理を移行する。一方、CPU31は、|β|>|β’|の関係を満たさないと判定した場合には、ステップS113において、乗員拘束装置35を作動させないようにし、そのまま一連の処理を終了する。
【0157】
CPU31は、このような一連の処理を経ることにより、左斜めオフセット衝突時における乗員拘束装置35の起動判定を行うことができる。
【0158】
最後に、右斜めオフセット衝突時における乗員拘束装置35の起動判定について図21を用いて説明する。
【0159】
CPU31は、図15中ステップS67にて右斜めオフセット衝突であると判定し、ステップS70にて基準値β’を決定すると、図21に示すように、ステップS121において、右張力センサ14Rによって計測される時間tに対する張力線図に基づいて、初期の傾きβが、|β|>|β’|の関係を満たすか否かを判定する。
【0160】
ここで、CPU31は、|β|>|β’|の関係を満たすと判定した場合には、ステップS122において、|β|を用い、所定のデータバンクと対比して、乗員拘束装置35の展開タイミング時間を算出して決定し、図14中ステップS44へと処理を移行する。一方、CPU31は、|β|>|β’|の関係を満たさないと判定した場合には、ステップS123において、乗員拘束装置35を作動させないようにし、そのまま一連の処理を終了する。
【0161】
CPU31は、このような一連の処理を経ることにより、右斜めオフセット衝突時における乗員拘束装置35の起動判定を行うことができる。
【0162】
以上のように、CPU31は、衝突形態に応じて、乗員拘束装置35を起動させるか否かの判定を行い、起動させる場合には、適切な乗員拘束装置35の起動タイミング時間を決定することができる。
【0163】
[第2実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、第2実施形態に係る車両衝突状態検出装置20は、第1実施形態と同様に、ワイヤー15の左右の張力バランスに基づいて、衝突形態を判定することにより、幅広い衝突形態の判定を単純なシステム並びに安価に且つ正確に行うことができ、加えて、コントロールユニット22により、時間に対する右張力センサ14R及び左張力センサ14Lによって計測される張力低下代に基づいて、乗員拘束装置35の起動タイミングを決定することにより、自車両の衝突速度をコントロールユニット22によって把握することができ、適切な乗員拘束装置35の起動タイミングや乗員拘束装置35の起動の必要性を判定することができると共に、これら乗員拘束装置35の起動タイミングや起動の可否を設定することにより、フロアセンサ18等を設ける必要がなくなり、コストの低減を図ることができる。
【0164】
[第3実施形態]
つぎに、第3実施形態に係る車両衝突状態検出装置について説明する。なお、この第3実施形態の説明では、上述の実施形態と同様の部分については同一の符号及び同一のステップ番号を付することによってその詳細な説明を省略する。また、ここでは、右ロック機構及び左ロック機構を、単にロック機構16’と称して説明する。
【0165】
この第3実施形態に係る車両衝突状態検出装置は、先に図1及び図2に示した第1実施形態に係る車両衝突状態検出装置10又は第2実施形態に係る車両衝突状態検出装置20と同様の構成からなるものである。特に、この第3実施形態に係る車両衝突状態検出装置は、上述したロック機構を、山部と谷部とを向かい合わせて形成された構造体とし、且つ、これら山部と谷部との間にワイヤーを配設したものを備える。
【0166】
ロック機構16’は、図22(A)に斜視図を示すように、いわゆる鋸歯状の構造体を有する。すなわち、ロック機構16’は、鋸歯状の山部51と、この山部51における鋸歯状部位に嵌合する鋸歯状の谷部52と、これら山部51及び谷部52を支持する支持板53とを有する。
【0167】
ロック機構16’は、山部51と谷部52とがそれぞれの鋸歯状部位を互いに向かい合わせて且つ山部51よりも谷部52が車両前方になるように配設され、これら向かい合った山部51と谷部52との間に、ワイヤー15が配設されている。なお、ロック機構16’においては、山部51と谷部52とが向かい合った面で形成される面直方向が、車両前後方向と略同等となるように形成されている。また、ロック機構16’においては、ビードが刻み込まれている支持板53が、山部51及び谷部52よりも車幅方向に配設されており、この支持板53に刻み込まれているビードを介して山部51及び谷部52が支持されている。
【0168】
このようなロック機構16’においては、衝突が発生した場合には、谷部52に衝突物が干渉することにより、図22(C)に平面図を示すように、谷部52が山部51の方へと移動する。このとき、ロック機構16’においては、ビードが刻み込まれた支持板53が座屈し、その後、谷部52が山部51に嵌め込まれ、る。これにより、ロック機構16’においては、ワイヤー15と山部51及び谷部52との間で生じる摩擦力が増大し、ワイヤー15が固定される。したがって、ワイヤー15は、車幅方向に移動することがなくなり、ロック機構16’は、山部51及び谷部52の左右に延在するワイヤー15に独立した張力を発生させることができる。
【0169】
また、ロック機構16’においては、衝突が発生していない場合には、図22(B)に平面図を示すように、山部51と谷部52とが重なり合わないので、ワイヤー15が当該ワイヤー15の軸方向、すなわち、車幅方向に自由に移動できる状態とされる。これにより、ロック機構16’は、山部51及び谷部52の左右に延在するワイヤー15に同等の張力を発生させることができる。
【0170】
[第3実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、第3実施形態に係る車両衝突状態検出装置によれば、第1実施例と同様に、左右オフセット衝突時に、ワイヤー15の左右でそれぞれ独立した張力を発生するように、ワイヤー15を分断して固定するロック機構16を備えて、右張力センサ14R及び左張力センサ14Lにそれぞれ互いに異なる値の張力を計測させることができ、衝突形態を判定する材料として用いることができ、加えて、ワイヤー15の周辺に山部51と谷部52とが相対した構造体とされるロック機構16’を備えることにより、極めて簡便な構造のもとに、左右オフセット衝突時に、ワイヤー15の左右でそれぞれ独立した張力を発生させ、右張力センサ14R及び左張力センサ14Lにそれぞれ互いに異なる値の張力を計測させることができ、衝突形態を判定する材料として用いることができる。
【0171】
なお、上述の実施形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車両衝突状態検出装置の構成要素である車両前部を示す斜視図である。
(A) 車両前部全体を示す斜視図である。
(B) 車両前部の一部領域の詳細を拡大して示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る車両衝突状態検出装置のシステム概要構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る車両衝突状態検出装置が備えるロック機構の構造を示す図である。
(A) ロック機構全体を示す斜視図である。
(B) 衝突が発生していない場合におけるロック機構の動作を説明するための平面図である。
(C) 衝突が発生した場合におけるロック機構の動作を説明するための平面図である。
【図4】正面衝突時における衝突開始から衝突終了までの時間において、左右の張力センサによって計測されるワイヤーの張力線図である。
(A) 正面衝突前の張力線図である。
(B) 衝突速度が15km/hで正面衝突した場合の張力線図である。
(C) 衝突速度が64km/hで正面衝突した場合の張力線図である。
【図5】単純オフセット衝突時における衝突開始から衝突終了までの時間において、左右の張力センサによって計測されるワイヤーの張力線図である。
(A) 単純オフセット衝突前の張力線図である。
(B) 衝突速度が15km/hで単純オフセット衝突した場合の張力線図である。
(C) 衝突速度が64km/hで単純オフセット衝突した場合の張力線図である。
【図6】ポール衝突時における衝突開始から衝突終了までの時間において、左右の張力センサによって計測されるワイヤーの張力線図である。
(A) ポール衝突前の張力線図である。
(B) 衝突速度が15km/hでポール衝突した場合の張力線図である。
(C) 衝突速度が64km/hでポール衝突した場合の張力線図である。
【図7】斜めオフセット衝突時における衝突開始から衝突終了までの時間において、左右の張力センサによって計測されるワイヤーの張力線図である。
(A) 斜めオフセット衝突前の張力線図である。
(B) 衝突速度が15km/hで斜めオフセット衝突した場合の張力線図である。
(C) 衝突速度が64km/hで斜めオフセット衝突した場合の張力線図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係る車両衝突状態検出装置において衝突開始から乗員拘束装置を作動させるまでの一連の処理を説明するフローチャートである。
【図9】衝突開始から乗員拘束装置を作動させるまでの一連の処理を示すフローチャートであって、図8に示す処理に続く処理を示す図である。
【図10】衝突形態に応じた速度ΔVの時間変化を示す図である。
(A) 衝突速度が15km/h及び64km/hで正面衝突した場合の速度線図である。
(B) 衝突速度が15km/h及び64km/hで単純オフセット衝突した場合の速度線図である。
(C) 衝突速度が15km/h及び64km/hでポール衝突した場合の速度線図である。
(D) 衝突速度が15km/h及び64km/hで斜めオフセット衝突した場合の速度線図である。
【図11】衝突形態別に対する閾値の関係について示す図である。
【図12】衝突形態別に対する乗員拘束装置の展開タイミングの関係について示す図である。
【図13】図8に示す衝突形態判定処理における一連の処理を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第2実施形態に係る車両衝突状態検出装置において衝突開始から乗員拘束装置を作動させるまでの一連の処理を説明するフローチャートである。
【図15】図14に示す衝突形態判定及び乗員拘束装置起動判定処理における一連の処理を示すフローチャートであって、衝突形態判定処理における一連の処理を示す図である。
【図16】図14に示す衝突形態判定及び乗員拘束装置起動判定処理における一連の処理を示すフローチャートであって、ポール衝突時における乗員拘束装置起動判定処理における一連の処理を示す図である。
【図17】図14に示す衝突形態判定及び乗員拘束装置起動判定処理における一連の処理を示すフローチャートであって、右単純オフセット衝突時における乗員拘束装置起動判定処理における一連の処理を示す図である。
【図18】図14に示す衝突形態判定及び乗員拘束装置起動判定処理における一連の処理を示すフローチャートであって、左単純オフセット衝突時における乗員拘束装置起動判定処理における一連の処理を示す図である。
【図19】図14に示す衝突形態判定及び乗員拘束装置起動判定処理における一連の処理を示すフローチャートであって、正面衝突時における乗員拘束装置起動判定処理における一連の処理を示す図である。
【図20】図14に示す衝突形態判定及び乗員拘束装置起動判定処理における一連の処理を示すフローチャートであって、左斜めオフセット衝突時における乗員拘束装置起動判定処理における一連の処理を示す図である。
【図21】図14に示す衝突形態判定及び乗員拘束装置起動判定処理における一連の処理を示すフローチャートであって、右斜めオフセット衝突時における乗員拘束装置起動判定処理における一連の処理を示す図である。
【図22】本発明の第3実施形態に係る車両衝突状態検出装置が備えるロック機構の構造を示す図である。
(A) ロック機構全体を示す斜視図である。
(B) 衝突が発生していない場合におけるロック機構の動作を説明するための平面図である。
(C) 衝突が発生した場合におけるロック機構の動作を説明するための平面図である。
【符号の説明】
10,20 車両衝突状態検出装置
11R,11L サイドメンバ
12R,12L バンパステー
13 バンパレインフォース
14R 右張力センサ
14L 左張力センサ
15 ワイヤー
16,16’ ロック機構
16R 右ロック機構
16L 左ロック機構
17 フロアトンネル
18 フロアセンサ
19R,19L L字ガイド
20 ガイド
21R,21L ビード
22 コントロールユニット
31 CPU
32 起動制御部
33 閾値設定部
34 起動回路
35 乗員拘束装置
41 ストッパー部
42 突起部
43,53 支持板
44 リング
51 山部
52 谷部
53 支持板

Claims (12)

  1. 車両の衝突状態を検出する車両衝突状態検出装置であって、車両前部における左右両側に突設され、車幅方向の荷重によって内倒れする剛性バランスを有する構造部材と、
    前記構造部材の先端部に配設された易変形部材と、
    前記易変形部材の前端部を始点及び終点として車幅方向に架設されたバンパレインフォースと、
    所定の初期張力を持たせて前記バンパレインフォースに沿って前記構造部材間に架設されたワイヤーと、
    左右両側の前記構造部材に配設され、前記ワイヤーの左右の張力を計測する張力センサと、
    前記張力センサによって計測された前記ワイヤーの左右の張力バランスに基づいて、衝突形態を判定する処理を行う判定手段と
    を備えることを特徴とする車両衝突状態検出装置。
  2. 前記判定手段は、前記張力センサによって計測された前記ワイヤーの左右の張力が共に衝突前の初期張力よりも減少し、且つ、前記ワイヤーの左右の張力が互いに略同等であることを検知した場合には、衝突形態として、正面衝突である旨を判定することを特徴とする請求項1に記載の車両衝突状態検出装置。
  3. 前記判定手段は、前記張力センサによって計測された衝突側の前記ワイヤーの張力が衝突前の初期張力よりも減少し、且つ、非衝突側の前記ワイヤーの張力が衝突前の初期張力よりも増加することを検知した場合には、衝突形態として、単純オフセット衝突である旨を判定することを特徴とする請求項1に記載の車両衝突状態検出装置。
  4. 前記判定手段は、前記張力センサによって計測された前記ワイヤーの左右の張力が共に衝突前の初期張力よりも増加することを検知した場合には、衝突形態として、ポール衝突である旨を判定することを特徴とする請求項1に記載の車両衝突状態検出装置。
  5. 前記判定手段は、前記張力センサによって計測された前記ワイヤーの左右の張力が共に衝突前の初期張力よりも減少し、且つ、前記ワイヤーの左右の張力が互いに略同等でないことを検知した場合には、衝突形態として、斜めオフセット衝突である旨を判定することを特徴とする請求項1に記載の車両衝突状態検出装置。
  6. 前記判定手段は、前記張力センサによって計測された前記ワイヤーの左右の張力バランスに基づいて、判定した衝突形態に応じた乗員拘束装置を起動させて乗員を拘束するための閾値を決定することを特徴とする請求項1に記載の車両衝突状態検出装置。
  7. 車両の減速度を計測する減速度センサを備え、
    前記判定手段は、前記減速度センサによって計測された減速度に基づく時間に対する速度波形を算出し、算出した前記速度波形と決定した前記閾値とに基づいて、前記乗員拘束装置を作動させることを特徴とする請求項6に記載の車両衝突状態検出装置。
  8. 前記判定手段は、時間に対する前記張力センサによって計測された前記ワイヤーの左右の張力低下代に基づいて、乗員拘束装置を起動させて乗員を拘束する起動タイミングを決定することを特徴とする請求項1に記載の車両衝突状態検出装置。
  9. 前記構造部材は、車幅方向の荷重によって前記張力センサの前部又は後部で内倒れするように変形モードが制御されていることを特徴とする請求項1に記載の車両衝突状態検出装置。
  10. 衝突時に、前記ワイヤーの左右でそれぞれ独立した張力を発生するように、前記ワイヤーを分断して固定するロック機構を備えることを特徴とする請求項1に記載の車両衝突状態検出装置。
  11. 前記ロック機構は、前記ワイヤーに連結された複数のストッパー部の周囲に複数の突起部を有した構造とされ、且つ、前記突起部に荷重が入力されると当該突起部周辺の構造が変形して当該突起部と前記ストッパー部とを干渉させ、前記ストッパー部の動きを抑制するような構造とされていることを特徴とする請求項10に記載の車両衝突状態検出装置。
  12. 前記ロック機構は、
    鋸歯状の山部と、前記山部における鋸歯状部位に嵌合する鋸歯状の谷部とが相対した構造とされ、且つ、前記山部と前記谷部との間に前記ワイヤーが配設されていることを特徴とする請求項10に記載の車両衝突状態検出装置。
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