JP2007314055A - 車両用衝突物体判別装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】バンパ内に荷重センサを配設することによる必要スペースの増加を抑制した車両用衝突物体判別装置を提供する。
【解決手段】バンパ4内で車幅方向に延在されて衝突エネルギーを吸収するアッパバンパアブソーバ9と、アッパバンパアブソーバ9の車両後方側にてアッパバンパアブソーバ9に沿って延在されたバンパリンフォース8と、バンパリンフォース8の車両後方側の車幅方向両側にて車両前後方向に延在されたサイドメンバ6,6とを備え、バンパ4への物体の衝突による荷重を検出する荷重センサ1,1は、前端部がバンパリンフォース8に結合され且つ後端部がサイドメンバ6,6の上下左右の各側面に結合されている。荷重センサ1,1がサイドメンバ6と前後方向に重なりを有するように配置されることによって荷重センサ1,1の配設に伴う必要スペースの増加が抑制される。
【選択図】図5

Description

本発明は、車両に衝突する物体を判別する車両用衝突物体判別装置に関する。本発明は、好適には車両への衝突物体が歩行者か否かを判別する装置に適用される。
車両バンパへの衝突物体の種別を判別するために、従来より種々の装置が提案されている。例えば、特許文献1に記載された車両用衝突物体判別装置は、バンパ内で車幅方向に延在されて衝突エネルギーを吸収するバンパアブソーバと、そのバンパアブソーバの車両後方側にてバンパアブソーバに沿って延在されたバンパリンフォースと、バンパリンフォースの車両後方側の車幅方向両側にて車両前後方向に延在されたサイドメンバと、バンパリンフォースとサイドメンバとの間にバンパへの物体の衝突による荷重を検出する荷重センサとを備えて構成されている。
特開2006−118982号公報
しかしながら、上述した従来構成には、以下のような問題がある。すなわち、バンパ全体のサイズを、荷重センサを設けない場合と同様にしようとすると、荷重センサの高さ分スペースを確保するために、その他の部品スペースを減少させる必要が生じる。そして、バンパアブソーバやバンパリンフォースの厚みが小さくなるため、歩行者保護性能や衝突性能が低下するおそれがある。さらに、バンパリンフォースとサイドメンバ間の剛性が低下することに起因して操縦安定性が悪化するおそれもある。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、バンパ内に荷重センサを配設することによる必要スペースの増加を抑制した車両用衝突物体判別装置を提供することをその目的としている。
以下、上記課題を解決するのに適した各手段につき、必要に応じて作用効果等を付記しつつ説明する。
1.車両の車幅方向に延在されたバンパリンフォースと、そのバンパリンフォースの車両後方側の車幅方向両側にて車両前後方向に延在された支持部材と、前記バンパリンフォース及び前記支持部材に結合されて前記車両への物体の衝突による荷重を検出する荷重センサと、その荷重センサによる検出荷重に基づいて前記車両へ衝突した物体の種別を判別する衝突物体判別回路とを備えた車両用衝突物体判別装置であって、
前記荷重センサは、前記支持部材の上下左右の側面のうち少なくとも一つの面に結合されたことを特徴とする車両用衝突物体判別装置。
手段1によれば、車両へ物体が衝突すると、車幅方向に延在されたバンパリンフォースに荷重が印加される。このとき、バンパリンフォース及び車幅方向両側にて車両前後方向に延在された支持部材の上下左右の側面のうち少なくとも一つの面に結合された荷重センサによって、車両への物体の衝突による荷重が検出される。そして、荷重センサによる検出荷重に基づいて、衝突物体判別回路がバンパへ衝突した物体の種別(特に、歩行者か否か)を判別する。
ここで、荷重センサは、支持部材の上下左右の側面のうち少なくとも一つの面に結合されているので、車両内に荷重センサを配設することによる必要スペースの増加を抑制することができる。すなわち、荷重センサをバンパリンフォースの後端面と支持部材を構成するサイドメンバ又はクラッシュボックスの前端面との間に配設する構成では、荷重センサを設けない構成よりも車両の全体サイズを大型化させるか、或いは全体サイズの増大を抑えるためにバンパリンフォースの厚みを小さくする等の設計変更が必要となる。これに対し、本発明によれば、荷重センサが支持部材と前後方向に重なりを有するように配置されることによって荷重センサの配設に伴う必要スペースの増加が抑制されるので、このような設計変更を不要或いは最小限とすることができる。
2.前記荷重センサは、前記バンパリンフォースの後端面に結合されたことを特徴とする手段1に記載の車両用衝突物体判別装置。
手段2によれば、荷重センサは、バンパリンフォースの後端面に結合されているので、衝突による荷重がバンパリンフォースに伝達され、バンパリンフォースの後端面から荷重センサに確実に作用し、支持部材の上下左右の側面のうち少なくとも一つの面に結合された荷重センサによって荷重の検出が行われる。また、荷重センサとバンパリンフォースとの結合部に関し、荷重センサを設けることなくバンパリンフォースの後端面と支持部材の前端面とが結合された従来構成と同等の剛性を確保することができると共に、従来品のバンパリンフォースを変更なく利用することができる。
3.前記荷重センサは、前記バンパリンフォースの上面又は下面に結合されたことを特徴とする手段1に記載の車両用衝突物体判別装置。
手段3によれば、荷重センサは、バンパリンフォースの上面又は下面に結合され、且つ支持部材の上下左右の側面のうち少なくとも一つの面に結合されているので、荷重センサがバンパリンフォース及び支持部材の両方と前後方向に重なりを有するように配置されることによって、荷重センサの配設に伴う必要スペースの増加を荷重センサの必要ストローク分のみに抑制することができる。また、衝突荷重が荷重センサの耐荷重を超えた場合、荷重センサの破壊によりバンパリンフォースの後端面と支持部材の前端面とが直接当接し、衝突荷重が支持部材へ確実に伝達されて衝撃吸収を図ることができる。
4.車両の車幅方向に延在されたバンパリンフォースと、そのバンパリンフォースの車両後方側の車幅方向両側にて車両前後方向に延在された支持部材と、前記バンパリンフォース及び前記支持部材に結合されて前記車両への物体の衝突による荷重を検出する荷重センサと、その荷重センサによる検出荷重に基づいて前記車両へ衝突した物体の種別を判別する衝突物体判別回路とを備えた車両用衝突物体判別装置であって、
前記荷重センサは、前記バンパリンフォースの上面及び下面の少なくとも一方の面に結合されたことを特徴とする車両用衝突物体判別装置。
手段4によれば、車両へ物体が衝突すると、車幅方向に延在されたバンパリンフォースに荷重が印加される。このとき、バンパリンフォースの上面及び下面の少なくとも一方の面及び車幅方向両側にて車両前後方向に延在された支持部材に結合された荷重センサによって、車両への物体の衝突による荷重が検出される。そして、荷重センサによる検出荷重に基づいて、衝突物体判別回路が車両へ衝突した物体の種別(特に、歩行者か否か)を判別する。
ここで、荷重センサは、バンパリンフォースの上面及び下面の少なくとも一方の面に結合されているので、バンパ内に荷重センサを配設することによる必要スペースの増加を抑制することができる。
すなわち、荷重センサをバンパリンフォースの後端面と支持部材を構成するサイドメンバ又はクラッシュボックスの前端面との間に配設する構成では、荷重センサを設けない構成よりも車両の全体サイズを大型化させるか、或いは全体サイズの増大を抑えるためにバンパリンフォースの厚みを小さくする等の設計変更が必要となる。これに対し、本発明によれば、荷重センサがバンパリンフォースと前後方向に重なりを有するように配置されることによって荷重センサの配設に伴う必要スペースの増加が抑制されるので、このような設計変更を不要或いは最小限とすることができる。
5.前記荷重センサは、前記支持部材の前端面に結合されたことを特徴とする手段4に記載の車両用衝突物体判別装置。
手段5によれば、荷重センサは、支持部材の前端面に結合されているので、衝突による荷重がバンパリンフォースに伝達され、バンパリンフォースの上面又は下面から荷重センサに確実に作用し、支持部材の前端面に結合された荷重センサによって荷重の検出が行われる。また、荷重センサと支持部材との結合部において、荷重センサを設けることなくバンパリンフォースの後端面と支持部材の前端面とが結合された従来構成と同等の剛性を確保することができると共に、従来品のサイドメンバやクラッシュボックス等の支持部材を変更なく利用することができる。
以下、本発明の車両用衝突物体判別装置を具体化した各実施形態について図面を参照しつつ具体的に説明する。
図1は、第一の実施形態の車両用衝突物体判別装置Sの全体構成を示すブロック図である。車両用衝突物体判別装置Sは、図1に示すように、左右の歪み式荷重センサ(以下、荷重センサと称する)1,1と、車速センサ2と、コントローラ3とを主要部として構成されている。コントローラ3は、歩行者保護装置と信号線によって接続されている。尚、歪み式荷重センサ1が、本発明の荷重センサを、コントローラ3が、衝突物体判別回路をそれぞれ構成するものである。
図2は、車両のバンパ4付近を透視して示す模式平面図である。図3は、図2における荷重センサ1付近を拡大して示す模式平面図である。図4(a)は、荷重センサ1の正面図、(b)は上面図である。図5は、バンパ4を透視して示す側面図である。図2及び図3に示すように、車体5内部には車幅方向両側にて車両前後方向に延在する一対のサイドメンバ6,6が設けられている。尚、サイドメンバ6が本発明の支持部材を構成するものである。
サイドメンバ6,6の車両前方側には、隙間Lを隔ててバンパリンフォース8が設けられている(図3,図5参照)。バンパリンフォース8は、車両幅方向(左右方向)に延在する構造部材であって、図5に示すように、内部中央に二段の梁が設けられた目の字状断面を有する中空部材である。
荷重センサ1,1は、左右のサイドメンバ6の前端部にそれぞれ取付けられて、バンパ4への物体の衝突による荷重を検出する歪み式の荷重検出装置である。荷重センサ1は、略正方形状の金属板からなる前端取付けプレート部1aと、前端取付けプレート部1aの各辺からそれぞれ車両後方側へ直角に延びる長方形状の金属板からなる4枚の歪検出プレート部1cと、各歪検出プレート部1c上にそれぞれ貼付けられた4個の歪みゲージ1dとを備えている。
前端取付けプレート部1aには、3個の取付け孔1bが設けられている(図4(a)参照)。荷重センサ1,1は、取付けボルト1fを前端取付けプレート部1aの各取付け孔1bとバンパリンフォース8後端面の対応する図示しない各挿通孔とに挿通してボルトを締付けることによって、バンパリンフォース8の左右の後端面に結合される。
また、4枚の歪検出プレート部1cには、それぞれ取付け孔1eが設けられている(図4(b)参照)。荷重センサ1,1は、取付けボルト1fを各歪検出プレート部1cの各取付け孔1bとサイドメンバ6の上下左右の各面に設けられた対応する図示しない挿通孔とにそれぞれ挿通してボルトを締付けることによって、左右のサイドメンバ6の上下左右各面に結合される。つまり、前端取付けプレート部1aと4枚の歪検出プレート部1cとによって断面コの字形状をなす荷重センサ1は、サイドメンバ6に前方からかぶせるような状態で取付けられる。
ここで、バンパリンフォース8後端面とサイドメンバ6前端面との隙間Lは、例えば、5mm程度に設定される。また、荷重センサ1における前端取付けプレート部1aの厚さは2mm程度であるため、前端取付けプレート部1a後端面とサイドメンバ6前端面との間には、荷重センサ1(具体的には、歪検出プレート部1c)の必要ストローク分以上である3mm程度の隙間が確保されている。
バンパ4内の上部であってバンパリンフォース8の前面には、衝突エネルギーを吸収可能な発泡樹脂等の弾性体からなるアッパバンパアブソーバ9が車両幅方向に延在して設けられている。一方、バンパ4内の下部には、衝突エネルギーを吸収可能な発泡樹脂等の弾性体からなるロアバンパアブソーバ11が車両幅方向に延在して設けられている。尚、アッパバンパアブソーバ9及びロアバンパアブソーバ11の車両前後方向における配設位置は略同一である。サイドメンバ6,6の下面から下方且つ前方へブラケット7,7が延設され、ブラケット7,7の前端面がロアバンパアブソーバ11を当接支持している。そして、バンパリンフォース8、アッパバンパアブソーバ9及びロアバンパアブソーバ11を覆うように車両幅方向に延びるバンパカバー12が取り付けられている。
コントローラ3は、マイコンを内蔵する信号処理回路であって、荷重センサ1,1の出力信号(又は、荷重センサ1,1及び車速センサ2の出力信号)に基づいて衝突物体が歩行者かどうかを判別し、この判別により衝突物体が歩行者と判断した場合に歩行者保護装置(たとえば公知の歩行者保護用のエアバッグやフード跳ね上げ装置など)を作動させる。
次に、車両用衝突物体判別装置Sにおける衝突物体判別処理について説明する。コントローラ3は、荷重センサ1,1から衝突荷重を読み込む。荷重センサ1,1における検出荷重を加算して合計衝突荷重すなわち車両に対して前方から作用する全衝突荷重を演算する。合計衝突荷重が歩行者のそれに相当するかを判別し、相当する場合に歩行者との衝突と決定する。この場合、コントローラ3からの出力信号に基づいて歩行者保護装置が作動される。一方、合計衝突荷重が歩行者のそれに相当しないと判別された場合は、歩行者以外の物体との衝突と決定する。この場合、歩行者保護装置は作動されない。尚、歪み式荷重センサ1,1から衝突荷重を読み込むと共に、車速センサ5から車速を読み込み、合計荷重を予め記憶するマップに車速とともに代入して衝突物体の質量を求め、その質量に基づいて衝突物体の判別をしてもよい。但し、衝突物体の質量は合計荷重を車速で割った値である。
ここで、図5に示す本実施形態のバンパ4の構造と、図6に示す比較例1のバンパ104の構造、図7に示す比較例2のバンパ204の構造及び図8に示す比較例3のバンパ304の構造とを比較して説明する。比較例1では、図6に示すように、荷重センサ1,1を設けることなく、バンパリンフォース8とサイドメンバ6,6とが直接結合されている。比較例2では、バンパリンフォース8とサイドメンバ6,6との間に荷重センサ1,1が設けられ、荷重センサ1,1の前端部がバンパリンフォース8の後端面に、後端部がサイドメンバ6,6の前端面にそれぞれ結合されている。比較例3では、内部に梁が設けられて断面目の字状に形成されたバンパリンフォース8中央の中空部内に、歪み式荷重センサ1,1の前端部から所定長さ分が配設されている。
比較例2では、荷重センサ1,1を設けるために、バンパ204においてサイドメンバ6,6の前端面より前方部分の長さが比較例1のバンパ104よりも荷重センサ1,1の長さ分長くなっている。これに対し、本実施形態のバンパ4では、荷重センサ1,1がサイドメンバ6と前後方向に重なりを有するように配置され、バンパリンフォース8とサイドメンバ6,6とは荷重センサ1,1のストローク分と前端取付けプレート部1aの厚さとの和に相当する隙間Lしか離隔しておらず、比較例1のバンパ104と比較して長さの増加が小さく抑えられている。
比較例3では、バンパ304内に荷重センサ1,1を配設することによる必要スペースの増加は荷重センサ1,1の必要ストローク分に抑えられている。しかしながら、比較例3には、バンパリンフォース8の一部をカットするため、比較例1よりも剛性が低下するという問題や、バンパリンフォース8の目の字断面のサイズにより荷重センサ1のサイズに制約を受けるという問題がある。これに対し、本実施形態のバンパ4では、バンパリンフォース8のカットが不要であるので剛性の低下がなく、歪検出プレート部1cの幅及び厚みに制約がないので強度の強いセンサとすることができるという利点がある。
以上詳述したことから明らかなように、本実施形態の車両用衝突物体判別装置Sにおいて、バンパ4内で車幅方向に延在されて衝突エネルギーを吸収するアッパバンパアブソーバ9と、アッパバンパアブソーバ9の車両後方側にてアッパバンパアブソーバ9に沿って延在されたバンパリンフォース8と、バンパリンフォース8の車両後方側の車幅方向両側にて車両前後方向に延在された支持部材としてのサイドメンバ6,6と、前端部がバンパリンフォース8に結合され且つ後端部がサイドメンバ6,6に結合されてバンパ4への物体の衝突による荷重を検出する荷重センサ1,1と、荷重センサ1,1による検出荷重に基づいてバンパ4へ衝突した物体の種別を判別する衝突物体判別回路としてのコントローラ6とを備え、荷重センサ1,1は、歪検出プレート部1cの後端部がサイドメンバ6の上下左右の各側面に結合されている。
従って、本実施形態によれば、バンパ4内に荷重センサ1,1を配設することによる必要スペースの増加を抑制することができる。すなわち、荷重センサ1,1をバンパリンフォース8後端面とサイドメンバ6,6前端面との間に配設する構成では、荷重センサ1,1を設けない構成よりも車両(バンパ4)の全体サイズを大型化させるか、或いは全体サイズの増大を抑えるためにバンパアブソーバ9やバンパリンフォース8の厚みを小さくする等の設計変更が必要となる。これに対し、本実施形態では、荷重センサ1,1がサイドメンバ6と前後方向に重なりを有するように配置されることによって荷重センサ1,1の配設に伴う必要スペースの増加が抑制されるので、このような設計変更を不要或いは最小限とすることができる。
また、荷重センサ1,1は、前端部をなす前端取付けプレート部1aがバンパリンフォース8後端面に結合されているので、衝突による荷重がバンパアブソーバ9を介してバンパリンフォース8に伝達され、バンパリンフォース8の後端面から荷重センサ1,1の前端取付けプレート部1aに確実に作用し、歪検出プレート部1cの後端部がサイドメンバ6,6の上下左右の各面に結合された荷重センサ1,1によって荷重の検出が行われる。また、荷重センサ1,1とバンパリンフォース8との結合部に関し、荷重センサ1,1を設けることなくバンパリンフォース8後端面とサイドメンバ6前端面とが結合された従来構成と同等の剛性を確保することができると共に、従来品のバンパリンフォースを変更なく利用することができる。
また、本実施形態の荷重センサ1,1は、サイドメンバ6、6の前部にかぶせる形状であるので、断面目の字状に形成されたバンパリンフォースだけでなく、前後方向の厚みが一枚の板厚分(例えば、2.5mm程度)のみである板金リンフォースに対しても適用可能である。図9は、板金アブソーバであるバンパアブソーバ91及び板金リンフォースであるバンパリンフォース81を備えたバンパ4に荷重センサ1,1を設けた変形例を示す側面図である。
次に、本発明の第二の実施形態におけるバンパ4’の構造について図面を参照しつつ説明する。尚、上記第一の実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、それらについての説明を省略する。図10は、第二の実施形態のバンパ4’を透視して示す側面図である。図11は、図10における荷重センサ1’付近を拡大して示す模式平面図である。図12(a)は、荷重センサ1’の上面図、(b)は背面図である。
上記第一の実施形態では、荷重センサ1,1における歪検出プレート部1cの後端部をサイドメンバ6の上下左右の各側面に結合する構成としたが、本実施形態では、荷重センサ1’,1’の前端部がバンパリンフォース8の上面及び下面に結合されたことを特徴とする。
すなわち、荷重センサ1’は、略正方形状の金属板からなる後端取付けプレート部1gと、後端取付けプレート部1gの上下の各辺からそれぞれ車両前方側へ直角に延びる長方形状の金属板からなる2枚の歪検出プレート部1cと、各歪検出プレート部1c上にそれぞれ貼付けられた2個の歪みゲージ1dとを備えている。
後端取付けプレート部1gには、3個の取付け孔1bが設けられている(図12(b)参照)。荷重センサ1’,1’は、取付けボルト1fを後端取付けプレート部1gの各取付け孔1hとサイドメンバ6前端面の対応する図示しない各挿通孔とに挿通してボルトを締付けることによって、左右のサイドメンバ6の前端面に結合される。
また、2枚の歪検出プレート部1cには、それぞれ取付け孔1eが設けられている(図12(a)参照)。荷重センサ1,1は、取付けボルト1fを各歪検出プレート部1cの各取付け孔1bとバンパリンフォース8の上面と下面とに設けられた対応する図示しない挿通孔とにそれぞれ挿通してボルトを締付けることによって、バンパリンフォース8の上面と下面とに結合される。つまり、後端取付けプレート部1gと2枚の歪検出プレート部1cとによって断面コの字形状をなす荷重センサ1’は、バンパリンフォース8に後方からかぶせるような状態で取付けられる。
ここで、第一の実施形態と同様に、バンパリンフォース8後端面とサイドメンバ6前端面との隙間Lは、例えば、5mm程度に設定される。また、荷重センサ1における後端取付けプレート部1gの厚さは2mm程度であるため、バンパリンフォース8後端面と後端取付けプレート部1g前端面との間には、荷重センサ1’(具体的には、歪検出プレート部1c)の必要ストローク分以上である3mm程度の隙間が確保されている。
以上詳述したことから明らかなように、本実施形態によれば、荷重センサ1’,1’は、前端部がバンパリンフォース8の上面及び下面に結合され、バンパリンフォース8と前後方向に重なりを有するように配置されることによって荷重センサ1,1’の配設に伴う必要スペースの増加を抑制することができる。
また、荷重センサ1’,1’は、後端部をなす後端取付けプレート部1gがサイドメンバ6前端面に結合されているので、衝突による荷重がバンパアブソーバ9を介してバンパリンフォース8に伝達され、バンパリンフォース8の上面及び下面から荷重センサ1’,1’の前端部に確実に作用し、後端部がサイドメンバ6の前端面に結合された荷重センサ1’,1’によって荷重の検出が行われる。また、荷重センサ1’,1’とサイドメンバ6との結合部において、荷重センサ1’、1’を設けることなくバンパリンフォース8の後端面とサイドメンバ6の前端面とが結合された従来構成と同等の剛性を確保することができると共に、従来品のサイドメンバ6を変更なく利用することができる。
次に、本発明の第三の実施形態におけるバンパ4”の構造について図面を参照しつつ説明する。尚、上記第一の実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、それらについての説明を省略する。図13(a)は、第三の実施形態のバンパ4”を透視して示す側面図であり、(b)は(a)における荷重センサ1”付近を拡大して示す模式平面図であり、(c)は荷重センサ1”の上面図である。
本実施形態では、前端取付けプレート部1a(第一の実施形態)や後端取付けプレート部1g(第二の実施形態)を設けず、荷重センサ1”を歪検出プレート部1cのみにより構成したものである。上方側の荷重センサ1”は、前端部がバンパリンフォース8の上面に、後端部がサイドメンバ6の上面にそれぞれ結合され、下方側の荷重センサ1”は、前端部がバンパリンフォース8の下面に、後端部がサイドメンバ6の下面にそれぞれ結合されている。
すなわち、荷重センサ1”は、長方形状の金属板からなる2枚の歪検出プレート部1cと、各歪検出プレート部1c上にそれぞれ貼付けられた2個の歪みゲージ1dとを備えている。
後端取付けプレート部1gには、3個の取付け孔1bが設けられている(図12(b)参照)。荷重センサ1”,1”は、取付けボルト1fを後端取付けプレート部1gの各取付け孔1hとサイドメンバ6前端面の対応する図示しない各挿通孔とに挿通してボルトを締付けることによって、左右のサイドメンバ6の前端面に結合される。
また、2枚の歪検出プレート部1cには、それぞれ前端部及び後端部に取付け孔1eが設けられている(図13(c)参照)。荷重センサ1”,1”は、取付けボルト1fを各歪検出プレート部1cの前端部側の各取付け孔1eとバンパリンフォース8の上面と下面とに設けられた対応する図示しない挿通孔とにそれぞれ挿通してボルトを締付けることによって、バンパリンフォース8の上面と下面とに結合される。また、荷重センサ1”,1”は、取付けボルト1fを後端部側の各歪検出プレート部1cの各取付け孔1eとサイドメンバ6の上面と下面とに設けられた対応する図示しない挿通孔とにそれぞれ挿通してボルトを締付けることによって、サイドメンバ6の上面と下面とに結合される。
ここで、バンパリンフォース8後端面とサイドメンバ6前端面との隙間Lは、例えば、荷重センサ1”(具体的には、歪検出プレート部1c)の必要ストローク分以上である3mm程度に設定される。
以上詳述したことから明らかなように、本実施形態によれば、荷重センサ1”,1”は、上方側では前端部がバンパリンフォース8の上面に、後端部がサイドメンバ6の上面にそれぞれ結合され、下方側では前端部がバンパリンフォース8の下面に、後端部がサイドメンバ6の下面にそれぞれ結合されているので、荷重センサ1”,1”がバンパリンフォース8及びサイドメンバ6の両方と前後方向に重なりを有するように配置されることによって、荷重センサ1”,1”の配設に伴う必要スペースの増加を必要ストローク分のみに抑制することができる。また、衝突荷重が荷重センサ1”,1”の耐荷重を超えた場合、荷重センサ1”,1”の破壊によりバンパリンフォース8の後端面とサイドメンバ6の前端面とが直接当接し、衝突荷重がサイドメンバ6へ確実に伝達されて衝撃吸収を図ることができる。
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことが可能である。例えば、荷重センサの形状は上述した各実施形態の形状に限られない。また、荷重センサの個数や歪検出プレート部の個数も上述した実施形態には限られず、さらに多くの数を設ける構成としてもよい。或いは、荷重センサとして歪み式荷重センサ以外のセンサを用いてもよい。
また、上記各実施形態では、荷重センサ1等の後端部をサイドメンバ6,6に結合する構成としたが、サイドメンバ6,6の前端にクラッシュボックスが設けられる構成では、荷重センサ1等の後端部をクラッシュボックスに結合する構成としてもよい。本変形例において、クラッシュボックスが本発明の支持部材を構成するものである。
また、上記各実施形態では、荷重センサ1等を取付けボルト1fを介して、バンパリンフォース8やサイドメンバ6と結合する構成としたが、荷重センサ1等をバンパリンフォース8又はサイドメンバ6との一体構造としてもよい。例えば、図14(a)は、第三の実施形態の荷重センサ1”をバンパリンフォース8と一体化した変形例を示す側面図であり、(b)は荷重センサ1”をサイドメンバ6と一体化した他の変形例を示す側面図である。
また、上記各実施形態では、車速センサ5を設ける構成としたが、車速を用いることなく、検出荷重のみに基づいて衝突物体を判別する方式では車速センサ5を省略しても構わない。
また、上記第一の実施形態では、荷重センサ1の後端部を4枚の歪検出プレート部1cを介してサイドメンバ6の上下左右の各側面に結合する構成としたが、上面と下面のみ、左右側面のみ或いは上下左右のいずれかの側面のみに結合する構成としてもよい。同様に、上記第二、第三の実施形態において、荷重センサ1’、1”の後端部をサイドメンバ6の上面又は下面のいずれか一方に結合する構成としてもよい。
本発明は、車両に衝突する物体を判別する車両用衝突物体判別装置に適用可能である。
本発明の第一の実施形態における車両用衝突物体判別装置の全体構成を示すブロック図である。 第一の実施形態のバンパ付近を透視して示す模式平面図である。 図2における荷重センサ付近を拡大して示す模式平面図である。 (a)は第一の実施形態における荷重センサの正面図、(b)は上面図である。 第一の実施形態のバンパ付近を透視して示す側面図である。 比較例1のバンパ付近を透視して示す側面図である。 比較例2のバンパ付近を透視して示す側面図である。 比較例3のバンパ付近を透視して示す側面図である。 変形例のバンパ付近を透視して示す側面図である。 第二の実施形態のバンパを透視して示す側面図である。 図10における荷重センサ1付近を拡大して示す模式平面図である。 (a)は第二の実施形態における荷重センサの上面図、(b)は背面図である。 (a)は第三の実施形態のバンパを透視して示す側面図であり、(b)は(a)における荷重センサ付近を拡大して示す模式平面図であり、(c)は荷重センサの上面図である。 (a)は第三の実施形態の荷重センサをバンパリンフォースと一体化した変形例を示す側面図であり、(b)は荷重センサをサイドメンバと一体化した他の変形例を示す側面図である。
符号の説明
1,1’,1” 歪み式荷重センサ(荷重センサ)
1a 前端取付けプレート部
1c 歪検出プレート部
1d 歪みゲージ
1g 後端取付けプレート部
3 コントローラ(衝突物体判別回路)
4,4’,4” バンパ
6 サイドメンバ(支持部材)
8 バンパリンフォース
9 アッパバンパアブソーバ(バンパアブソーバ)
S 車両用衝突物体判別装置

Claims (5)

  1. 車両の車幅方向に延在されたバンパリンフォースと、そのバンパリンフォースの車両後方側の車幅方向両側にて車両前後方向に延在された支持部材と、前記バンパリンフォース及び前記支持部材に結合されて前記車両への物体の衝突による荷重を検出する荷重センサと、その荷重センサによる検出荷重に基づいて前記車両へ衝突した物体の種別を判別する衝突物体判別回路とを備えた車両用衝突物体判別装置であって、
    前記荷重センサは、前記支持部材の上下左右の側面のうち少なくとも一つの面に結合されたことを特徴とする車両用衝突物体判別装置。
  2. 前記荷重センサは、前記バンパリンフォースの後端面に結合されたことを特徴とする請求項1に記載の車両用衝突物体判別装置。
  3. 前記荷重センサは、前記バンパリンフォースの上面又は下面に結合されたことを特徴とする請求項1に記載の車両用衝突物体判別装置。
  4. 車両の車幅方向に延在されたバンパリンフォースと、そのバンパリンフォースの車両後方側の車幅方向両側にて車両前後方向に延在された支持部材と、前記バンパリンフォース及び前記支持部材に結合されて前記車両への物体の衝突による荷重を検出する荷重センサと、その荷重センサによる検出荷重に基づいて前記車両へ衝突した物体の種別を判別する衝突物体判別回路とを備えた車両用衝突物体判別装置であって、
    前記荷重センサは、前記バンパリンフォースの上面及び下面の少なくとも一方の面に結合されたことを特徴とする車両用衝突物体判別装置。
  5. 前記荷重センサは、前記支持部材の前端面に結合されたことを特徴とする請求項4に記載の車両用衝突物体判別装置。
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