JP2004211783A - 圧力容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】圧力容器の口金部に容器本体との接合部で容器本体の周方向に延びるフランジ部を設け、圧力容器のライナー部にフランジ部と当接してシールする自己シール部を設けて、自己シール部の外周側のライナー部の外周に容器本体の膨張によるライナー部の拡径を規制するリング状の規制部材を設ける。
さらに、ライナー部の自己シール部の周方向の外縁部に、伸び変形しやすい易変位部を設ける。
【選択図】図3
Description
【発明の属する技術分野】本発明は、CNG(圧縮天然ガス)等の各種圧縮ガス、LNG(液化天然ガス),LPG(液化石油ガス)等の各種液化ガス,その他の各種加圧物質を充填するための圧力容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種圧縮ガスや各種液化ガス等の種々の加圧物質を充填するための圧力容器としては、一般に、中空形状の樹脂製のライナー部に金属製の口金部を取付したものが用いられている。また一般に、圧力容器の耐圧性を確保するために、ライナー部および口金部の外周を所定の耐圧規格を満たす補強部で被覆することが為されている。
【0003】
この場合、圧力容器内部を気密に保つために、金属製の口金部に、容器本体との接合部で容器本体の周方向に延びるフランジ部を形成するとともに、ライナー部のうちフランジ部と当接する部分に、フランジ部と当接してシールする自己シール部を設けることが一般的である。そして、近年では、この自己シール部とフランジ部との当接をより良好に保つ圧力容器の開発が為されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
特許文献1に示される従来の圧力容器のうちライナー部および口金部を表す要部拡大模式断面図を図1に示す。圧力容器101は、フランジ部102に肉厚方向に延びる溝103を設け、この溝103内部に自己シール部105の一部が入り込むように形成したものである。この構成によると、自己シール部105とフランジ部102との当接によって口金部106とライナー部107との当接部分は良好にシールされ、圧力容器内部108は気密に保たれる。さらに、自己シール部105の溝103内部に入り込んだアンカー部110が自己シール部105のアンカーとなり、加圧物質の充填によって容器本体111が膨張する場合にも、このアンカー部110のアンカー効果によって自己シール部105とフランジ部102との当接が維持され、自己シール部105のシール性能が確保される。
【0005】
しかし、このような圧力容器においても、樹脂ライナーへの応力の集中が大きいため、ライナーの破損が懸念される等、シール性能は必ずしも充分なものではなく、よりシール性能の向上した信頼性の高い圧力容器の開発が要求されている。
【0006】
【特許文献1】
米国特許第5979692号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情を考慮してなされたもので、自己シール部とフランジ部との当接を良好に保つ、シール性能の向上した圧力容器を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する本発明の圧力容器は、内表面が樹脂製のライナー部で被覆されている中空の容器本体と、該容器本体の一部に開口する開口部の周縁を形成しその一端が該容器本体の外方に突出する口金部と、を有する圧力容器であって、上記口金部は上記容器本体との接合部で上記容器本体の周方向に延びるフランジ部を有し、上記ライナー部は該フランジ部と当接してシールする自己シール部を有し、該自己シール部の外周側には、上記ライナー部の外周に上記容器本体の膨張による上記ライナー部の拡径を規制するリング状の規制部材が設けられていることを特徴とする。
【0009】
この構成によると、圧力容器のうち自己シール部の外周側にはライナー部の外周にライナー部の拡径を規制する規制部材が設けられていることから、圧力容器内に加圧物質が充填され圧力容器が膨張する際にも、この規制部材によってライナー部の拡径が規制されることとなる。このため、ライナー部の拡径によって自己シール部が外周方向に引張されることが防止され、ライナー部とフランジ部との当接は良好に保たれ、ライナー部によるシール性能が良好に保たれることとなる。
【0010】
また、上記ライナー部は上記自己シール部の周方向の外縁部に、伸び変形しやすい易変位部をもつ構成とすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる圧力容器は、内表面が樹脂製のライナー部で被覆されている中空の容器本体を有する。
【0012】
中空の容器本体の内表面が樹脂製のライナー部で被覆されることで、圧力容器内部に充填された加圧物質の圧力容器外部への漏出が防止される。容器本体は、ライナー部のみで構成することもできるし、このライナー部の外表面を補強部によって被覆することもできる。ライナー部は、通常用いられている材料を適宜選択して用いることができ、例えば、CNGガスに対する透過性が低いポリエチレン等の材料により形成することができる。補強部もまた通常用いられている材料を適宜選択して用いることができ、例えば、カーボン繊維,ガラス繊維,アラミド繊維等の補強繊維をエポキシ樹脂等の樹脂に含浸させ、この樹脂を加熱硬化させてなるFRP等の材料により形成することができる。
【0013】
上述した容器本体の一部には中空内部と連通し容器本体の外部に開口する開口部が形成されている。この開口部は加圧物質の充填・放出口となる。開口部の周縁は口金部によって形成され、周縁を形成する口金部の一端は容器本体の外方に突出している。この口金部は、加圧物質の透過性が低い材料であり、かつ、開口形状を維持可能な剛性の高い材料で形成することができ、例えば金属材料で形成することができる。
【0014】
口金部は、容器本体との接合部で容器本体の周方向に延びるフランジ部を有する。フランジ部は後述するライナー部の自己シール部との当接部となる部位であり、容器本体の周方向に延びる形状により自己シール部との当接面積を確保している。
【0015】
ライナー部はフランジ部と当接してシールする自己シール部を有する。この自己シール部は、ライナー部のうち容器本体の開口部側に位置し開口部の周縁を形成するフランジ部と当接する。自己シール部がフランジ部と当接してライナー部とフランジ部との当接面をシールすることによって、容器本体の内部の気密性が保たれる。
【0016】
自己シール部の外周側には、ライナー部の外周に容器本体の膨張によるライナー部の拡径を規制するリング状の規制部材が設けられている。規制部材は、膨張による変形が少ない高剛性の材料で形成することができ、例えば、補強部と同様の材料で形成することができる。この規制部材は自己シール部の外周側に設けられいることから、圧力容器内部に加圧物質が充填され容器本体が膨張する場合にも、この規制部材よりも内周側に位置するライナー部の拡径は規制される。ライナー部の拡径が規制されると、自己シール部のライナー部による引張は防止あるいは低減されて、自己シール部によるシールは良好に保たれることとなる。また、この規制部材がライナー部の外周に設けられていることから、ライナー部による容器本体内表面の被覆を良好に保ちつつ、上述した規制部材によるライナー部の拡径の規制がおこなわれる。
【0017】
規制部材は、自己シール部の外周側に設けられ、かつ、ライナー部の少なくとも一部の外周に設けられるものであれば良く、ライナー部と別体であっても良くいし、また、ライナー部に埋設されライナー部と一体化されたものであっても良い。また、容器本体に補強部を設ける場合は、規制部材は補強部と別体であっても良いし、また、補強部と一体化されたものであっても良い。
【0018】
本発明の圧力容器において、ライナー部は自己シール部の周方向の外縁部に、伸び変形しやすい易変位部をもつ構成とすることができる。
【0019】
易変位部は、伸び変形しやすいように形成されたものであればよい。易変位部が形成されることで、ライナー部に多少の拡径が生じた場合においても、先ず易変位部がライナー部に引張され伸び変形するために、拡径による引張が易変位部により吸収される。したがって、この易変位部よりさらに周方向の内側にある自己シール部への引っ張りの伝達は抑制され、自己シール部とフランジ部との当接は良好に保たれることとなる。また、自己シール部の外周側には規制部材が設けられているため、易変位部から自己シール部への引っ張りの伝達はこの規制部材によっても抑制される。
【0020】
また、上述したように、規制部材よりも内周側に位置するライナー部の拡径は規制部材によって規制されるため、易変位部の伸び変形は、規制部材の内周端よりも外周側の位置でより良好におこなわれる。したがって、易変位部の伸び変形量をより大きくするためには、規制部材の内周端よりも外周側に配置される易変位部の伸び変形可能な長さを長く設けることが有効である。例えば易変位部を、軸方向で自己シール部と異なる位置で自己シール部と略平行に延びるように形成することで、易変位部の長さを軸方向にも増大することができ、易変位部の伸び変形可能な長さを長く設けることもできる。また、易変位部を径方向に蛇腹状に形成することで易変位部の伸び変形可能な長さを長くすることもできる。さらに、易変位部の伸び変形量をより大きくするためには、例えば、易変位部をライナー部と同材料で薄肉に形成して伸び変形しやすいものとすることもできるし、あるいはライナー部よりも伸び変形し易い材料を用いてライナー部と一体的に易変位部を形成することもできる。
【0021】
【実施例】
以下、本発明の実施例を添付図面を基にして説明する。
【0022】
(実施例1)
本実施例1の圧力容器は、自己シール部の外周側かつライナー部の外周にリング状の規制部材が設けられ、さらに、ライナー部のうち自己シール部の周方向の外縁部に易変位部が設けられているものである。本実施例1の圧力容器の模式断面図を図2に示し、図2の要部拡大図を図3に示す。
【0023】
本実施例1の圧力容器1は、容器本体2がライナー部3と補強部5とを有するものである。また、容器本体2のうちライナー部3は胴部中央6より2分割された同形状の分体7として形成され、後に熱板溶着されて一体化されたものである。
【0024】
ライナー部3はPPS(ポリフェニレンスルフィド)よりなり、容器本体2の内表面8を被覆するように形成されている。また、補強部5はカーボン繊維とエポキシ樹脂とを含むFRPよりなり、ライナー部3の外表面10を被覆するように形成されている。ここで、本実施例においてライナー部3はPPSにより形成されているが、PPSに限らずポリエチレン又はナイロン等の既知の熱可塑性樹脂で形成することもできる。
【0025】
ライナー部3のそれぞれの分体7は、軸方向の両端が開口し、そのうち片方の端部が縮径した略円筒状に形成されている。縮径した端部である開口部18の周縁は金属製の口金部11によって形成され、口金部11は容器本体2の外端側に位置する端部12が容器本体2の外方に突出している。さらに、口金部11は容器本体2との接合部13で容器本体2の周方向に延びるスカート状のフランジ部15を形成している。フランジ部15のうち容器本体2の中空内部16側に位置する底部17の開口部18側の部分は略リング状に分割された分割部20となっており、この分割部20は開口部18と連続するフランジ本体21に対して螺子19によって一体化されている。また、フランジ本体21と分割部20との間隙にはOリング22が配置され、フランジ本体21と分割部20との間隙への加圧物質の侵入を防止している。
【0026】
ライナー部3のうちフランジ本体21と当接する部位であるフランジ係合部23は、フランジ本体21の径方向の外縁部25を被覆する薄肉形状に形成されている。フランジ係合部23のうちフランジ本体21の底部17を被覆する自己シール部26の一部は、フランジ本体21と分割部20との間隙に挟持されている。また、フランジ係合部23のうちフランジ本体21の上部27を被覆する保持部28は、補強部5とフランジ部15との間隙に配置されている。
【0027】
フランジ係合部23の外周側30に位置するライナー部3には、その外周38の一部に容器本体2の外周に沿ってリング溝31が形成されている。このリング溝31の内部には、補強部5と同じFRPを材料とするリング状の規制部材32が配置されている。また、リング溝31の内部は規制部材32のさらに外周側がPPS製のカラー33によって埋められ、リング溝31の周縁に位置するライナー部3の外表面10と滑らかに連続するようになっている。このため、ライナー部3の外表面10を被覆する補強部5の形状を、剛性が良好に発揮される形状とすることができる。ここで、本実施例においてカラー33はPPSによって形成されているが、これに限らずナイロン等の熱可塑性樹脂,金属もしくはFRPで形成することもできる。
【0028】
ライナー部3のうちフランジ係合部23の周方向の外縁部35は、リング溝31の壁部36のうち中空内部16側に位置する部分が軸方向で自己シール部26と異なる位置で自己シール部26と平行な平面となるように、自己シール部26よりも中空内部16側の位置に形成されている。この部分は薄肉に形成されて、伸び変形しやすい易変位部37となっている。
【0029】
本実施例1の圧力容器1の製造方法を以下に説明する。
▲1▼予め成型したフランジ本体21を金型内に配置し、この金型内に溶融したPPSを射出してライナー部3を成形する。このとき、金型内部に配置されたフランジ本体21の径方向の外縁部には、フランジ係合部23が形成される。
▲2▼フランジ係合部23が形成されたフランジ本体21と分割部20とを螺子19によって一体化して口金部11を形成する。このとき、フランジ係合部23のうち自己シール部26は、フランジ本体21と分割部20との間隙に挟持されることとなる。
▲3▼▲2▼で形成した、ライナー部3および口金部11よりなる分体7を金型より取出し、2個の分体7を胴部中央6より対向させて、熱板溶着によって一体化する。
▲4▼▲3▼で一体化された分体7のうち、ライナー部3のリング溝31内部にエポキシ樹脂を含浸させたカーボン繊維を巻付し、その後に加熱処理をおこなうことでエポキシ樹脂を硬化させて規制部材32を形成する。さらに、リング溝31内部の規制部材32の外周側をカラー33で埋めることで、リング溝31によるライナー部3の外表面10の段差をなくして滑らかに連続するものとする。
▲5▼ライナー部3の外表面10に、エポキシ樹脂を含浸させたカーボン繊維を被覆するように巻付し、その後に加熱処理によってエポキシ樹脂を硬化させることで補強部5を形成する。また、片方の開口部18を図示しないメクラ栓によって目詰めする。以上▲1▼〜▲5▼の工程で、本実施例1の圧力容器1が製造される。
【0030】
本実施例1の圧力容器1によると、フランジ係合部23の外周側30に位置するライナー部3の外周38に規制部材32が設けられていることから、圧力容器1の中空内部16に加圧物質が充填され、圧力容器1が膨張する場合にも、規制部材32の内周側に位置するライナー部3の拡径は規制される。したがって、ライナー部3の拡径による自己シール部26の引張は防止あるいは抑制されて自己シール部26とフランジ部15との当接は良好に保たれて、自己シール部26のシール性能は向上する。
【0031】
また、易変位部37は薄肉に形成されているため伸び変形し易くなっている。さらに、易変位部37は軸方向で自己シール部26と異なる位置で自己シール部26と平行な平面となるように形成されていることから、易変位部37の伸び変形可能な長さは軸方向にも増大し、易変位部37の伸び変形量がさらに大きなものとなる。したがって、ライナー部3の拡径による自己シール部26の引張はこの易変位部37の伸び変形によってより確実に吸収され、自己シール部26とフランジ部15との当接は良好に保たれて、自己シール部26のシール性能はより向上する。
【0032】
さらに、口金部11がフランジ本体21と分割部20とから構成され、フランジ係合部23が射出成形により形成された後にフランジ本体21と分割部20とが一体化されることで、フランジ部15の間隙に形成される薄肉の自己シール部26を成形する際にショートショットが発生することが防止されて、良好かつ容易な成形をおこなうことが可能となる。そして、フランジ係合部23のうち自己シール部26はその一部がフランジ本体21と分割部20とによって挟持されることから、自己シール部26とフランジ部15との当接はより良好に保たれる。
【0033】
(実施例2)
本実施例2の圧力容器は、規制部材がライナー部に埋設されてライナー部と一体化している以外は実施例1と同様に形成されたものである。本実施例2の圧力容器の要部拡大模式断面図を図4に示す。
【0034】
本実施例2の圧力容器40では、規制部材41がライナー部42に埋設されてライナー42部と一体化していることから、製造工数の低減が可能となる。また、実施例1と同様に規制部材41および易変位部43が設けられていることで、自己シール部45とフランジ部46との当接は良好に保たれる。
【0035】
(実施例3)
本実施例3の圧力容器は、規制部材が補強部と一体に形成され、フランジ部がフランジ本体のみから構成されていること以外は実施例1の圧力容器と同じものである。本実施例2の圧力容器の要部拡大模式断面図を図5に示す。
【0036】
本実施例3の圧力容器47において、フランジ部52はフランジ本体44のみから構成され、フランジ本体44の周方向には溝部39が設けられている。本実施例3の圧力容器47においては、自己シール部51はその一部が溝部39の内部に充填されて形成されるため、自己シール部51は溝部39によって保持されることとなる。
【0037】
また、本実施例3の圧力容器47では、規制部材48が補強部49と一体に形成されていることから、製造工数の低減が可能となる。そして、実施例1と同様に規制部材48および易変位部50が設けられていることで、自己シール部51とフランジ部52との当接は良好に保たれる。
【0038】
(実施例4)
本実施例4の圧力容器は、自己シール部がフランジ本体の底部のみを覆うように形成され、規制部材がライナー部のリング溝およびフランジ部の周方向の外縁部と接するように設けられている以外は実施例1の圧力容器と同じものである。本実施例4の圧力容器の要部拡大模式断面図を図6に示す。
【0039】
本実施例4の圧力容器53は、規制部材54がライナー部55のリング溝56およびフランジ部57の周方向の外縁部58と接するように設けられているものであるが、実施例1と同様に規制部材54および易変位部60が設けられていることで、自己シール部61とフランジ部57との当接は良好に保たれる。
【0040】
(実施例5)
本実施例5の圧力容器は、易変位部が軸方向で内部シール部と異なる二位置で内部シール部と略平行に延びる二段段差状に形成され、規制部材がこの二段段差状に対応する形状に形成されている以外は実施例1の圧力容器と同じものである。本実施例5の圧力容器の要部拡大模式断面図を図7に示す。
【0041】
本実施例5の圧力容器62は、易変位部63が自己シール部65と異なる二位置で自己シール部65と略平行に延びる二段段差状に形成されているものであるため、易変位部63の伸び変形可能な長さがさらに増大し、ライナー部66の拡径によるフランジ係合部64の引張は、易変位部63の伸び変形によってより良好に吸収される。
【0042】
(実施例6)
本実施例6の圧力容器は、フランジ部の分割部がフランジ部の底面全体を構成するものであり、フランジ係合部のうち自己シール部の全体がこの分割部とフランジ本体とによって挟持される以外は実施例1の圧力容器と同じものである。本実施例6の圧力容器の要部拡大模式断面図を図8に示す。
【0043】
本実施例6の圧力容器67では、フランジ係合部68のうち自己シール部70の全体がフランジ本体71と分割部72とによって挟持されることから、自己シール部68とフランジ部73との当接はより良好に保たれ、自己シール部68のシール性能はさらに良好なものとなる。
【0044】
【発明の効果】
以上述べてきたように、本発明の圧力容器によると、圧力容器内部に加圧物質が充填されて圧力容器が膨張する場合にも、自己シール部の外周側に位置するライナー部の外周に設けられている規制部材によって、ライナー部の拡径が規制されるため、ライナー部の拡径による自己シール部の引張は防止あるいは抑制される。したがって自己シール部とフランジ部との当接は良好に保たれて、自己シール部のシール性能は向上する。
【0045】
また、ライナー部のうち自己シール部の周方向の外縁部には、伸び変形しやすい易変位部が設けられているため、ライナー部の拡径による自己シール部の引張はこの易変位部の伸び変形によってより確実に吸収され、自己シール部とフランジ部との当接はより良好に保たれて、自己シール部のシール性能はより向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の圧力容器のうちライナー部および口金部を示す要部拡大模式断面図である。
【図2】本発明の実施例1の圧力容器の模式断面図である。
【図3】図2の要部拡大図である。
【図4】本発明の実施例2の圧力容器の要部拡大模式断面図である。
【図5】本発明の実施例3の圧力容器の要部拡大模式断面図である。
【図6】本発明の実施例4の圧力容器の要部拡大模式断面図である。
【図7】本発明の実施例5の圧力容器の要部拡大模式断面図である。
【図8】本発明の実施例6の圧力容器の要部拡大模式断面図である。
【符号の説明】
100:圧力容器 101:ライナー部 102:補強部 103:容器本体 105:開口部 106:口金部 107:接合部 108:フランジ部 110:自己シール部 111:当接面 112:隙間 113:隙間
1:圧力容器 2:容器本体 3:ライナー部 5:補強部 6:胴部中央 7:分体 11:口金部 12:端部 13:接合部 15:フランジ部 17:底部 18:開口部 19:螺子 20:分割部 21:フランジ本体 22:Oリング 23:フランジ係合部 26:自己シール部 28:保持部 31:リング溝 32:規制部材 33:カラー 36:リング溝31の壁部 37:易変位部
40:圧力容器 41:規制部材 42:ライナー部 43:易変位部 45:自己シール部 46:フランジ部
47:圧力容器 48:規制部材 49:補強部 50:易変位部 51:自己シール部 52:フランジ部
53:圧力容器 54:規制部材 55:ライナー部 56:リング溝 57:フランジ部 60:易変位部 61:自己シール部
62:圧力容器 63:易変位部 64:フランジ係合部 65:自己シール部
66:ライナー部
67:圧力容器 68:フランジ係合部 70:自己シール部 71:フランジ本体 72:分割部 73:フランジ部
Claims (2)
- 内表面が樹脂製のライナー部で被覆されている中空の容器本体と、該容器本体の一部に開口する開口部の周縁を形成しその一端が該容器本体の外方に突出する口金部と、を有する圧力容器であって、
前記口金部は前記容器本体との接合部で前記容器本体の周方向に延びるフランジ部を有し、
前記ライナー部は該フランジ部と当接してシールする自己シール部を有し、
該自己シール部の外周側には、前記ライナー部の外周に前記容器本体の膨張による前記ライナー部の拡径を規制するリング状の規制部材が設けられていることを特徴とする圧力容器。 - 前記ライナー部は前記自己シール部の周方向の外縁部に、伸び変形しやすい易変位部をもつ請求項1に記載の圧力容器。
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