JP2004209913A - 印刷制御装置、印刷制御方法、印刷制御プログラム、色変換テーブル作成装置、色変換テーブル作成方法および色変換テーブル作成プログラム - Google Patents
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- B41J2/2107—Ink jet for multi-colour printing characterised by the ink properties
Abstract
【課題】CMYインクと、このCMYインクより明度の低いインクとを印刷ヘッドから吐出させて印刷する場合、それぞれのインクを所定の比率にて混合させることによって、低明度から高明度の全領域の色を表現していた。しかし、CMYと異なる色相の有彩色インクは明度が低い、すなわち、濃度が高い。このため、このインクが原因となり、高明度の領域にて粒状性が悪化するという課題があった。
【解決手段】RVインクの発生を制限可能な粒状性LUT15cを使用して色変換を行うことによって、高明度領域において、RVインクの吐出を制限することが可能となり、当該高明度領域におけるインクの粒状性を向上させることが可能になる。
【選択図】 図9
【解決手段】RVインクの発生を制限可能な粒状性LUT15cを使用して色変換を行うことによって、高明度領域において、RVインクの吐出を制限することが可能となり、当該高明度領域におけるインクの粒状性を向上させることが可能になる。
【選択図】 図9
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷制御装置、印刷制御方法、印刷制御プログラム、色変換テーブル作成装置、色変換テーブル作成方法および色変換テーブル作成プログラムに関し、特に、印刷ヘッドから少なくとも三色の有彩色インクおよび同少なくとも三色の有彩色より明度が低い他の有彩色インクを吐出させる印刷制御装置、印刷制御方法、印刷制御プログラム、色変換テーブル作成装置、色変換テーブル作成方法および色変換テーブル作成プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、CMYインクとCMY以外の色相であるインク(例えば、RedインクやVioletインク)とを吐出して印刷を行わせる印刷制御装置は知られている。この場合、全階調領域において、各色の階調を表現するために、CMYインクもしくはこのCMYインクとは異なる色相である有彩色インクを分版している。この有彩色インクは一般的にCMYインクより明度が低いことが多い。また、背景技術としては、例えば、下記した特許文献1がある。
【0003】
【特許文献1】
特願2002−4816号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の印刷制御装置においては、CMYインクと、このCMYインクより明度の低いインクとを印刷ヘッドから吐出させて印刷する場合、それぞれのインクを所定の比率にて混合させることによって、低明度から高明度の全領域の色を表現していた。しかし、CMYと異なる色相の有彩色インクは明度が低い、すなわち、濃度が高い。このため、このインクが原因となり、高明度の領域にて粒状性が悪化するという課題があった。
【0005】
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、低明度の有彩色インクの吐出量を制御することによって粒状性を向上させることが可能な印刷制御装置、印刷制御方法、印刷制御プログラム、色変換テーブル作成装置、色変換テーブル作成方法および色変換テーブル作成プログラムの提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明では、印刷時に少なくとも三色の有彩色インクおよび同少なくとも三色の有彩色インクより明度が低い他の有彩色インクを印刷ヘッドから吐出させるに際して、明度が低い他の有彩色インクの吐出量を制御可能な印刷制御装置を提供する。かかる場合、インク吐出量規定手段にて印刷ヘッドから吐出される少なくとも三色の有彩色インクの吐出量および他の有彩色インクの吐出量を規定しておく。そして、条件検出手段にて規定された他の有彩色インクの吐出量を制限する所定の制限条件が検出された場合に、吐出インク置換手段は、インク吐出量規定手段にて規定された他の有彩色インクの吐出量を少なくとも三色の有彩色インクの吐出量に置き換える。このように明度の低い有彩色インクの吐出量を当該有彩色インクより明度の高い有彩色インクに置換することによって、粒状性の向上を実現可能とする。
【0007】
条件検出手段にて検出して好適な制限条件の一例を以下に示す。条件検出手段は、規定された他の有彩色インクの吐出量が所定の第一閾値以下の場合に、制限条件を検出する。これによって、他の有彩色インクの吐出量に基づいて当該他の有彩色インクの吐出制限を行うことができる。条件検出手段は、規定された少なくとも三色の有彩色インクの吐出量および他の有彩色インクの吐出量の総インク吐出量を算出する総インク量算出手段を有し、規定された他の有彩色インクの吐出量が第一閾値以下の場合であって、算出された総インク吐出量が所定の第二閾値以下の場合に、制限条件を検出する。これによって、他の有彩色インクの吐出量および総インク吐出量に基づいて他の有彩色インクの吐出制限を行うことができる。条件検出手段は、規定された少なくとも三色の有彩色インクの吐出量および他の有彩色インクの吐出量の総インク吐出量を算出する総インク量算出手段を有し、この算出された総インク吐出量が第一閾値以下の場合に、制限条件を検出する。これによって、総インク吐出量に基づいた制限を行うことができる。
【0008】
条件検出手段は、算出された総インク吐出量が第一閾値以下の場合であって、この算出された総インク吐出量が所定の第三閾値以下の場合に、制限条件を検出する。これによって、総インク吐出量に基づいて他の有彩色インクの吐出制限を行うことができる。総インク量算出手段での算出方法に採用して好適な一例として、総インク吐出量算出手段は、総インク吐出量を算出する際に、少なくとも三色の有彩色インクおよび他の有彩色インク毎にパラメータによる重みを付けて総インク吐出量を算出する。これにより、総インク吐出量に対して、各有彩色インクの影響度合いを反映させることができる。
【0009】
また、条件検出手段にて検出して好適な制限条件の一例として、条件検出手段は、少なくとも三色の有彩色インクの吐出量および他の有彩色インクの吐出量に基づいて表現される明度を算出する明度算出手段を有し、この算出された明度が所定明度以上の場合に、制限条件を検出する。これによって、明度にに基づいて他の有彩色インクの吐出制限を行うことができる。ここで、他の有彩色インクが複数ある場合に好適な置換する方法の一例として、他の有彩色インクが明度の異なる複数の有彩色インクを有する場合、吐出インク置換手段にて明度が低い有彩色インクから少なくとも三色の有彩色インクに順次置き換える。明度の低い有彩色インクの方が粒状性に影響を与える可能性が強いため、明度の低い有彩色インクの吐出制限を優先的に行うことによって、より粒状性を向上させることが可能になる。
【0010】
上述してきた印刷制御装置は、装置として発明が成立することは言うまでもなく、その装置にて機能を実現可能とする印刷制御方法としても成立する。また、印刷制御装置がコンピュータにて実現されるにあたっては、上述したきた機能をコンピュータにて実現可能にする印刷制御プログラムとしても本発明が成立することは言うまでもない。さらに、インク吐出量を制御するという観点においては、インク吐出量を規定した色変換テーブルを作成する手法としても本発明が成立する。従って、本発明の技術的思想を実現する色変換テーブル作成装置、色変換テーブル作成方法、色変換テーブル作成プログラムとしても本発明が成立することは言うまでもない。
【0011】
【発明の実施の形態】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)印刷システムの構成:
(2)ノーマルLUTの構成:
(3)ノーマルLUTの作成手順:
(4)粒状性向上LUTの作成手順:
(5)印刷処理の処理内容:
(6)粒状性向上LUTの他の作成手順:
(7)粒状性向上LUTの他の作成手順:
(8)まとめ:
【0012】
(1)印刷システムの構成:
図1は本発明にかかる印刷制御装置を使用した印刷システムの概略ハードウェア構成を示しており、図2はプリンタの概略ハードウェア構成を示しており、図3はコンピュータにて実現される印刷制御装置の主な制御系の概略構成図を示している。同図において、コンピュータ10は、演算処理の中枢をなすCPU11を備えており、このCPU11は、システムバス12を介してBIOSなどの記載されたROM13やRAM14にアクセス可能となっている。また、システムバス12には、外部記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)15とフレキシブルディスクドライブ16とCD−ROMドライブ17とが接続されており、HDD15に記憶されたOS20やアプリケーションプログラム(APL)25等がRAM14に転送され、CPU11は、ROM13とRAM14とに適宜アクセスしてOS20の特定の機能や所定のAPL25を実行する。すなわち、RAM14を一時的なワークエリアとして種々の処理を実行する。
【0013】
また、コンピュータ10には、シリアル通信用I/O19aを介してキーボード31やマウス32等の操作用入力機器が接続されており、図示しないビデオボードを介して表示用のディスプレイ18も接続されている。さらに、カラープリンタ40とは、パラレル通信用I/O19bを介して接続が可能である。なお、本コンピュータ10の構成は簡略化して説明しているが、パーソナルコンピュータとして一般的な構成を有するものを採用することができる。むろん、当該コンピュータ10は、パーソナルコンピュータに限定されるものではない。この実施形態はいわゆるデスクトップ型コンピュータであるが、ノート型であるとか、モバイル対応のものであっても良い。また、コンピュータ10とカラープリンタ40の接続インタフェースも上述のものに限る必要はなくシリアルインタフェースやSCSI,USB接続など種々の接続態様を採用可能であるし、今後開発されるいかなる接続態様であっても同様である。
【0014】
この例ではOS20やAPL25の各プログラムの類は、HDD15に記憶されているが、記録媒体はこれに限定されるものではない。例えば、フレキシブルディスク16aであるとか、CD−ROM17aであってもよい。これらの記録媒体に記録されたプログラムはフレキシブルディスクドライブ16やCD−ROMドライブ17を介してコンピュータ10にて読み込まれ、HDD15にインストールされる。そして、HDD15を介してRAM14上に読み込まれてコンピュータを制御することになる。また、記録媒体はこれに限らず、光磁気ディスクなどであってもよい。また、半導体デバイスとしてフラッシュカードなどの不揮発性メモリなどを利用することも可能であるし、モデムや通信回線を介して外部のファイルサーバにアクセスしてダウンロードする場合には通信回線が伝送媒体となって本発明が利用される。
【0015】
一方、図2に示すように、カラープリンタ40内部に設けられたバス40aには、CPU41、ROM42、RAM43、ASIC44、コントロールIC45、パラレル通信用I/O46、イメージデータや駆動信号などを送信するためのインターフェイス(I/F)47等が接続されている。そして、CPU41が、RAM43をワークエリアとして利用しながらROM42に書き込まれた所定の制御プログラムに従って各部を制御する。ASIC44は図示しない印刷ヘッドを駆動するためにカスタマイズされたICであり、CPU41と所定の信号を送受信しつつ印刷ヘッド駆動のための処理を行う。また、ヘッド駆動部49に対して印加電圧データを出力する。
【0016】
ここで、ヘッド駆動部49は、専用ICと駆動用トランジスタ等からなる回路である。同ヘッド駆動部49は、ASIC44から入力される印加電圧データに基づいて印刷ヘッドに内蔵されたピエゾ素子への印加電圧パターンを生成する。印刷ヘッドには、6色の顔料系インクが充填されたインクカートリッジ48a〜48fを搭載可能なカートリッジホルダ48とインク別のチューブで接続されており、各インクの供給を受けるようになっている。そして、チューブから吐出口まで連通するインク室でピエゾ素子が駆動されることにより、インクを吐出する。なお、本実施形態においては汎用的なC(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)K(ブラック)インクに加えてR(レッド)V(バイオレット)インクとが使用される態様を採用している。また、本実施形態にて使用するインク種類は、顔料系インクであっても良いし、染料系インクであっても良く、適宜使用可能である。また、CMYKに加えるインクは、ここではRとVを使っているが、CMYと色相が異なり、明度の低いインクであれば適宜使用可能である(例えば、GreenやBlue、Orangeなど)。
【0017】
なお、このRVインクは、CMYインクの有彩色と比較して明度が低い有彩色インクであり、CMYインクとの組み合わせによって生成される略無彩色の可視波長領域における光反射率の変化を略平坦にすることが可能な性質を有している。印刷ヘッドのインク吐出面には、6色のインクのそれぞれを吐出する6組のノズル列が印刷ヘッドの主走査方向に並ぶように形成され、ノズル列のそれぞれは複数のノズル(例えば、48個)が副走査方向に一定の間隔で配置されている。また、カートリッジホルダ48は、インク供給針を備えており、このインク供給針がインクカートリッジ48a〜48fに設けられている図示しないインク供給口と接触することによって、インクの供給経路を形成する。そして、この形成された供給経路において、上述したCMYKRVインクがインクカートリッジ48a〜48f内のインクチューブを介して印刷ヘッドに供給される。
【0018】
ここで、コントロールIC45は、各インクカートリッジ48a〜48fに搭載された図示しない不揮発性メモリであるカートリッジメモリを制御するために搭載されたICである。インクカートリッジ48a〜48fがカートリッジホルダ48に装着されると、カートリッジメモリはコントロールIC45と電気的に接続されるようになっている。そして、CPU41は、コントロールIC45と所定の信号を送受信し、カートリッジメモリに記録されたインクの色や残量の情報の読み出しや、インク残量の情報の更新等を行うことが可能になっている。
【0019】
パラレル通信用I/O46はコンピュータ10のパラレル通信用I/O19bと接続されており、カラープリンタ40はパラレル通信用I/O46を介してコンピュータ10から送信されるデータ、例えば、CMYKRVインクのドット形成密度を指定したデータやページ記述言語等からなる印刷ジョブを受信する。また、CPU41は、コンピュータ10から各種要求を受信した場合、コントロールIC45からインクの色や装着状態を示す情報を取得して、パラレル通信I/O46を介してコンピュータ10に出力する。
【0020】
一方、I/F47には、キャリッジ機構47aと紙送り機構47bとが接続されている。この紙送り機構47bは、図示しない紙送りモータや紙送りローラなどから構成されており、印刷用紙などの印刷記録媒体を順次送り出して副走査を行う。また、キャリッジ機構47aは、印刷ヘッドを搭載する図示しないキャリッジと、このキャリッジをタイミングベルトなどを介して走行させる図示しないキャリッジモータなどを備えており、印刷ヘッドを主走査させることが可能になっている。そして、副走査方向に複数のノズルが設けられた印刷ヘッドにおいては、ビット列からなるヘッドデータに基づいてヘッド駆動部49が出力する駆動信号にてピエゾ素子を駆動し、各ノズルからドット単位でインク滴を吐出させる。
【0021】
このカラープリンタ40は、コンピュータ10にインストールされHDD15に格納されているプリンタドライバに基づいて制御され、印刷を実行することになる。ここで、図3に示すように本実施形態にかかるコンピュータ10では、プリンタドライバ(PRTDRV)21と入力機器ドライバ(DRV)22とディスプレイドライバ(DRV)23とがOS20に組み込まれている。このディスプレイDRV23は、ディスプレイ18における画像データ等の表示を制御するドライバであり、入力機器DRV22は、シリアル通信用I/O19aを介して入力される上記キーボード31やマウス32からのコード信号を受信して所定の入力操作を受け付けるドライバである。
【0022】
本実施形態にて利用するAPL25としては、カラー画像のレタッチ等を実行可能なアプリケーションプログラムがある。利用者は、かかるAPL25の実行下において、上記操作用の各入力機器を操作し、当該カラー画像をカラープリンタ40にて印刷させることが可能になっている。すなわち、APL25は利用者の指示によりHDD15に記録された画像データ15aをRAM14に読み出すとともに、ディスプレイDRV23を介して当該画像データ15aに基づく画像をディスプレイ18上に表示させる。利用者は、このディスプレイ18に表示された画像に対し、上記操作用の各入力機器を操作すると、その操作内容が入力機器DRV22を介して取得されて内容が解釈される。そして、APL25は、この操作内容に応じて印刷指示やレタッチなど種々の処理を行うことになる。
【0023】
APL25にて印刷指示がなされると、上記PRTDRV21が駆動される。駆動されたPRTDRV21は、ディスプレイDRV23にデータを送出して印刷に必要な情報を入力させるための図示しないUIをディスプレイ18に表示する。利用者は、当該ディスプレイ18に表示されたUIにて印刷部数やページ数等種々のパラメータを設定可能であり、PRTDRV21が入力機器DRV22を介してこれらのパラメータを受け付ける。PRTDRV21がこれらのパラメータを受け付けると、HDD15に格納されているノーマルLUT15bもしくは粒状性向上LUT15cを参照してsRGBにて色を指定された上記画像データ15aをCMYKRVの各色データに色変換しつつ印刷データを作成し、上記カラープリンタ40に印刷データを送出することによって印刷を実行する。ここで、ノーマルLUT15bとは、通常の方法でsRGBの画像データをCMYKRVデータに色変換する際に使用するLUTである。
【0024】
一方、RVインクは上述したようにCMYインクに比べて明度が低いインクである。このようなRVインクをCMYインクと併用した場合、上述の通り、CMYRVインクを組み合わせて作成する略無彩色の分光反射率の変化を可視波長領域にて略平坦にすることができる。すなわち、略無彩色におけるメタリズムを低減することが可能になる。しかし、RVインクは明度が低いことから、インク発生量が少ない領域でインク粒が見え、印刷画像の粒状性が悪くなる場合があり得る。そこで、本実施形態においては、インク発生量が少ない領域で、すなわち、高明度領域においてRVインクの発生を制限可能な粒状性向上LUT15cを使用し、sRGBの画像データをCMYKRVデータに色変換する。このようにインク発生量の少ない領域(高明度領域)にてRVインクの発生を制限することによって、印刷画像の粒状性を向上させることを可能にする。
【0025】
(2)ノーマルLUTの構成:
ここで、ノーマルLUT15bの構成の一例を図4に示す。同図において、ノーマルLUT15bでは、sRGBデータとCMYKRVデータのそれぞれが0〜255の値を有し、各色256階調(8ビット)となっている。また、sRGBデータについては、RGBの各色成分について階調値域を16分割して参照点を形成しており、RGB各色について階調値「0,16,32,、、、255」の総ての組み合わせが規定されている。従って、ノーマルLUT15bは、17**3個の参照点が存在する構成となっている。
【0026】
これらの参照点については、CMYKRVの各色の階調値が「0〜255」の値で規定されており、色変換時、sRGBデータに基づいたCMYKRVデータを参照して色変換を行う。一方、参照点以外については、補間演算により任意のsRGBデータをCMYKRVデータに変換する。むろん、ノーマルLUT15bとしては、カラープリンタ40にて使用可能なメディアやインクセット毎に異なるテーブルを作成し、適宜選択可能に構成することもできる。なお、本実施形態において上記画像データ15aはRGBの各色成分を階調表現したドットマトリクス状のデータであり、sRGB規格に準拠したデータである。また、ノーマルLUT15bにおいてはsRGBデータの具体的な値をデータとして有する構成の他、予め決められた順番に特定のsRGBデータの組について色を規定することとし、sRGBデータの具体的な値を省いても良い。また、CMYKRVデータは精度向上のために8ビット以上であっても良いし、メモリ節約のために8ビット以下でも良い。参照点も同様に17**3点以外であっても良い。
【0027】
(3)ノーマルLUTの作成手順:
ここで、当該ノーマルLUT15bを作成する作業手順の一例を図5のフローチャートに示す。この作業においては多くの演算処理を必要とするので、コンピュータを使用して演算を実行するのが好ましい。なお、本実施形態においては、当該作業手順にて作成されたノーマルLUT15bに基づいて後述する作業手順にて粒状性向上LUT15cを作成することとなる。同図において、ノーマルLUT15bは、sRGB色空間において全空間を網羅するようにsRGBデータを規定しており、ディスプレイ18にて使用するこれらのsRGBデータとカラープリンタ40で使用するCMYKRVデータによる色をLab空間の座標値に変換し、当該Lab空間内で上記sRGBデータとCMYKRVデータとを対応づける。このため、先ず最初にディスプレイ18の参照点を抽出する。この参照点の抽出によって、図4の左側に示す17**3個のsRGB階調値を確定する(ステップS100)。
【0028】
次に、当該確定したsRGB階調値をLab空間の座標値に変換する(ステップS105)。sRGB規格に準拠した画像データは、公知の変換式によりLab空間の座標値に変換することができる。従って、同ステップS105においては、この公知の変換式に基づいてsRGB階調値をLab空間の座標値に変換しても良いし、上記参照点による色をディスプレイ18上に表示させ、測色器等によってLab空間の座標値を取得して変換するようにしても良い。以上の結果、sRGBデータの参照点に該当する色のLab座標値が得られる。この得られたLab座標値に基づいて、図4の左側に示す17**3個のsRGB階調値とLab階調値との対応関係を規定する(ステップS110)。
【0029】
本実施形態においては、CMYKインクにRVインクを加える。従って、CMYインクのいずれかまたはこれらの組み合わせの値を小さくすることによって、sRGBデータに対応するCMYKRVデータを規定する。すなわち、CMYデータをCMYKRVデータに分版する(ステップS115)。また、本実施形態においては、CMYインクの吐出量をできるだけRVインクの吐出量に割り当てるとともに、高明度の色ではできるだけRインクへの分版を行い、低明度の色ではVインクへの分版を行う。具体的には、Lab空間においてRはYとMの間の色相を有し、VはCとMの間の色相を有することから、先ずYMをできるだけRに分版し、CMをできるだけVに分版する手法を採用する。
【0030】
このとき、本実施形態においてはYインク量1とMインク量1をRインク量1に割り当て、Cインク量0.5とMインク量1をVインク量1に割り当てることとしている。例えば、ある色の表現において公知の手法によってCMYインクをCMYKインクに分版した後、当該CMYインク量の比が0:1:1である場合には、CMYRインク量の比を0:1:1:1と規定する。一方、当該CMYインク量の比が0.5:1:0である場合には、CMYVインク量の比を0.5:1:0:1と規定する。以上のようにして、ステップS115にて分版処理を実行すると、当該分版処理後のCMYKRVデータを使用して多数の色パッチを印刷する(ステップS120)。
【0031】
これらの各色パッチを印刷したときのCMYKRVデータを把握しておき、各色パッチを測色機にて測色することによって当該CMYKRVデータとLab空間の座標値とを対応づける(ステップS125)。以上の結果、sRGBデータの各参照点に該当する色のLab座標値と、CMYKRVデータに対応づけられたLab座標値が得られるので、これらのLab座標値を使用してsRGBデータとCMYKRVデータとの対応関係を規定する(ステップS130)。以上の作業手順により、ノーマルLUT15bを作成する(ステップS135)。ここで、上述したステップS120で得たLab空間内の座標値は互いに一致しているとは限らず、両データの対応関係は補間演算や最適値探索法等によって求めることができる。補間演算を使用するといっても、上記色パッチを多数印刷して多数の色についてLab座標値を得ておけば正確に対応関係を規定することができる。そして、このように作成されたノーマルLUT15bをHDD15に格納する。
【0032】
(4)粒状性向上LUTの作成手順:
次に、このノーマルLUT15bに基づいて作成する粒状性向上LUT15cの作成手順を図6のフローチャートに示す。同図において、先ず最初に上述した作業手順にて作成されたノーマルLUT15bを読み出す(ステップS200)。次に、このノーマルLUT15bに基づいて各階調毎にCMYKインクのインク発生量を取得する(ステップS205)。ここで、Vインクのインク発生量が所定の制限値より小さいか否かを判別する(ステップS210)。Vインクのインク発生量が所定の制限値より小さいと判別した場合は、CMYインクの総インク発生量が所定のしきい値より小さいか否かを判別する(ステップS215)。CMYインクの総インク発生量が所定のしきい値より小さいと判別した場合は、Vインクのインク発生量をCMYインクに置換する。
【0033】
この置換は上述した比率に基づいて行う(ステップS220)。次に、Rインクのインク発生量が所定の制限値より小さいか否かを判別する(ステップS225)。Rインクのインク発生量が所定の制限値より小さいと判別した場合は、CMYインクの総インク発生量が所定のしきい値より小さいか否かを判別する(ステップS230)。CMYインクの総インク発生量が所定のしきい値より小さいと判別した場合は、Rインクのインク発生量をCMYインクに置換する。この置換は上述した比率に基づいて行う(ステップS235)。このステップS205〜S235までの処理を全階調について実行し(ステップS240)、粒状性向上LUT15cを作成する(ステップS245)。そして、このように作成された粒状性向上LUT15cをHDD15に格納し、印刷時の色変換に使用可能とする。
【0034】
本実施形態においては、Vインクの明度がRインクの明度より低い(濃度が高い)ため、先にCMYインクへの置換を行うようにし、優先的に制限をかけている。これによって、より粒状性を向上させることを可能にしている。また、上述した実施形態では、発生制限の対象になっているRVインクのインク発生量のみを用いて粒状性向上LUT15cの作成作業を実施するため、当該作成作業を簡素化することが可能になっている。このように、作成されたノーマルLUT15bと粒状性向上LUT15cとは、上述したようにHDD15に格納されて、印刷処理に使用されることになる。
【0035】
(3)印刷処理の処理内容:
本実施形態においては、PRTDRV21にてノーマルLUT15bもしくは粒状性向上LUT15cを使用して色変換を行いつつ、カラープリンタ40に印刷を実行させる。PRTDRV21は、印刷を実行するために図3に示す画像データ取得モジュール21aと色変換モジュール21bとハーフトーン処理モジュール21cと印刷データ生成モジュール21dとを備えている。そして、利用者がAPL25にて印刷実行を指示すると、図7に示すフローチャートの処理内容に従って印刷処理を実行する。同図において、印刷処理が開始されると画像データ取得モジュール21aは、APL25によってHDD15からRAM14に格納された画像データ15aを取得する(ステップS300)。
【0036】
すると、画像データ取得モジュール21aは、色変換モジュール21bを起動する。この色変換モジュール21bは、RGB階調値をCMYKRV階調値に変換するモジュールであり、画像データ15aの各ドットデータをノーマルLUT15bもしくは粒状性向上LUT15cを使用してCMYKRVのドットデータに変換する(ステップS305)。色変換モジュール21bが色変換を行ってCMYKRVの階調データを生成すると、ハーフトーン処理モジュール21cが起動され、当該CMYKRVの階調データがハーフトーン処理モジュール21cに受け渡される。ここで、ハーフトーン処理モジュール21cは、各ドットのCMYKRV階調値を変換してインク滴の記録密度で表現するためのハーフトーン処理を行うモジュールであり、色変換後の記録密度でインクを付着させるためのヘッド駆動データを生成する(ステップS310)。そして、印刷データ生成モジュール21dは、かかるヘッド駆動データを受け取って、カラープリンタ40で使用される順番に並べ替える。すなわち、カラープリンタ40においてはインク吐出デバイスとして図示しない吐出ノズルアレイが搭載されており、当該ノズルアレイでは副走査方向に複数の吐出ノズルが並設されるため、副走査方向に数ドット分離れたデータが同時に使用される。
【0037】
そこで、主走査方向に並ぶデータのうち同時に使用されるべきものがカラープリンタ40にて同時にバッファリングされるように順番に並べ替えるラスタライズを行う(ステップS315)。このラスタライズの後、画像の解像度などの所定の情報を付加して印刷データを生成し、パラレル通信用I/O19bを介してカラープリンタ40に出力する(ステップS320)。カラープリンタ40においては当該印刷データに基づいて上記ディスプレイ18に表示された画像を印刷する。このカラープリンタ40においては、上述のようにCMYKRV階調値データに基づいてCMYKRVの各色インクを印刷媒体に付着させる。以上のステップS300〜S320までの処理を全ラスタについて実行する(ステップS325)。
【0038】
ここで、本実施形態では、上述した印刷処理を実行するに際して、PRTDRV21が提供する所定のインターフェース画面にて色変換モジュール21bが行う色変換にてノーマルLUT15bを使用するか、粒状性向上LUT15cを使用するかを選択可能にする。図8は、かかるインターフェース画面の画面構成の一例を示した画面構成図である。同図において、利用者はPRTDRV21を起動して、このインターフェース画面M1をディスプレイ18に表示させる。そして、マウス32等の入力機器によってモードを選択する。このモードの選択は、ノーマルLUT15bを色変換に使用する「ノーマルモード」のスイッチM2、もしくは、粒状性向上LUT15cを色変換に使用する「粒状性向上モード」のスイッチM3を選択することによって行われる。利用者はスイッチM2,M3の選択によって何れかのモードを選択すると、OKボタンM4を押し下げて、このモード選択を終了させる。このモードの選択は、上述した印刷処理のステップS305にて行われる色変換処理に反映されることになる。
【0039】
図9は、上述した手法によってモード選択が行われる本実施形態にかかる色変換処理の処理内容を示したフローチャートである。同図において、インターフェース画面M1の設定内容を取得し、同設定内容が粒状性向上モードであるか否かを判別する(ステップS400)。この設定内容が粒状性向上モードであると判別した場合はHDD15から粒状性向上LUT15cを読み出す(ステップS405)。一方、設定内容がノーマルモードであると判別した場合はHDD15からノーマルLUT15bを読み出す(ステップS410)。そして、画像データ15aの各画素についてsRGBデータを取得し(ステップS415)、ステップS405もしくはS410にて読み出した粒状性向上LUT15cもしくはノーマルLUT15bに基づいて、同sRGBデータに対応するCMYKRVデータを取得し(ステップS420)、sRGBデータからCMYKRVデータへの色変換を実行する(ステップS435)。以上のステップS415〜S425を全画素について実行する(ステップS440)。
【0040】
ここで、粒状性向上LUT15cにてRVインクの発生が制限された一例を図10および図11に示す。ここでは、Vインクの発生制限について図に示している。図10は、Blue−White軸((R,G,B=0,0,255)〜(R,G,B=255,255,255))におけるCMYVインクのインク量(%)を示している。また、上側の図が発生制限がある場合を示し、下側の図が発生制限がない場合を示している。図において、150階調の手前でVインクの発生が制限されていることが分かる。すなわち、かかる階調以上ではVインクの発生がないため、粒状性を向上させることが可能になっている。一方、図11は、Gray軸((R,G,B=0,0,0)〜(R,G,B=255,255,255))におけるCMYVインクのインク量(%)を示している。また、上側の図が発生制限がある場合を示し、下側の図が発生制限がない場合を示している。図において、150階調の手前でVインクの発生が制限されていることが分かる。すなわち、かかる階調以上ではVインクの発生がないため、粒状性を向上させることが可能になっている。
【0041】
(6)粒状性向上LUTの他の作成手順:
上述した作業手順にて作成した粒状性向上LUT15cは、RVインクのインク発生量が所定の制限値より小さければ発生制限を行ってしまうため、本来的にはRVインクの粒状性の影響を受けない低明度領域においても制限を行ってしまう。そこで、CMYRVインクの全インク量のTotal量がRVインクの制限値より小さい場合にのみ当該RVインクの発生制限を行う。これによって、制限対象であるRVインクのインク発生量が小さくても、全体のインク発生量が大きい場合(低明度領域の場合)に当該RVインクの発生制限を行わないようにすることが可能になる。また、RVインク以外のインク発生量に依存した制限を行うことが可能になる。
【0042】
図12は、かかる粒状性向上LUT15cを実現可能な作成作業を示したフローチャートである。同図において、先ず最初に作成されたノーマルLUT15bを読み出す(ステップS500)。次に、このノーマルLUT15bに基づいて各階調毎にCMYKインクのインク発生量を取得するとともに(ステップS505)、各インクのTotal量を算出する(ステップS510)。このTotal量の算出は次の数式(1)に基づいて行われる。
Total量=0.8C+0.7M+0.6Y+0.9R+V+1.5K・・・(1)
Total量を算出すると、当該Total量がVインクの所定の制限値より小さいか否かを判別する(ステップS515)。Total量がVインクの所定の制限値より小さいと判別した場合は、総インク発生量が所定のしきい値より小さいか否かを判別する(ステップS520)。そして、総インク発生量が所定のしきい値より小さいと判別すると、Vインクを上述した比率に基づいてCMYインクに置換する(ステップS525)。
【0043】
このステップS525にてVインクをCMYインクに置換した場合、または、ステップS515にてTotal量がVインクの制限値以上もしくはステップS520にて総インク発生量が所定のしきい値以上と判別された場合は、再度、Total量を算出する(ステップS530)。このTotal量はRインクの判別用であるため、次の数式(2)に基づいて行われる。
Total量=0.9C+0.9M+0.6Y+R+1.2V+1.7K・・・(2)
Total量を算出すると、当該Total量がRインクの所定の制限値より小さいか否かを判別する(ステップS535)。Total量がRインクの所定の制限値より小さいと判別した場合は、総インク発生量が所定のしきい値より小さいか否かを判別する(ステップS540)。そして、総インク発生量が所定のしきい値より小さいと判別すると、Rインクを上述した比率に基づいてCMYインクに置換する(ステップS545)。以上のステップS505〜S545の処理を全階調について実行し(ステップS550)、粒状性向上LUT15cを作成する(ステップS555)。
【0044】
ここで、上述した実施形態において、VインクもしくはRインクのインク発生量を制限する際の、制限比率の考え方を図13に示す。同図において、T1はVインクもしくはRインクの発生を開始させるTotal量を示している。従って、Total量が0以上T1未満の場合には、VインクもしくはRインクの発生が制限されることになる。すなわち、VインクもしくはRインクのインク発生量は0になる。これに対して、Total量がT2以上の場合は、Total量が多いため、VインクもしくはRインクの発生制限を行わない領域である。すなわち、VインクもしくはRインクは、ノーマルLUT15bのデータがそのまま使用されることになる。一方、Total量がT1以上T2未満の場合は、図示した傾きに応じて、VインクもしくはRインクのインク発生量に置き換えられ、この置き換えられたインク発生量に基づいてCMYインクに置換されることになる。この図13では、発生比率を直線にて変化させる態様を採用したが、この発生比率の変化態様は、直線に限定されるものではなく、図14に示すように曲線に変化させるようにしても良い。むろん、これらは一例に過ぎず、γ曲線を採用しても良い。
【0045】
(7)粒状性向上LUTの他の作成手順:
上述してきた実施形態では、制限対象インクであるRVインクのインク発生量や総インク発生量もしくはインク量のTotal量に基づいてRVインクの発生制限を行うことによって、高明度領域においてインクの粒状性を向上させることが可能な粒状性向上LUT15cを作成した。このように高明度部において、粒状性を向上させるという観点においては、所定の明度以上にてRVインクの発生制限を行うようにした粒状性向上LUT15cを作成するようにしても良い。
【0046】
図15は、かかる粒状性向上LUT15cを実現可能な作成作業を示したフローチャートである。同図において、先ず最初に作成されたノーマルLUT15bを読み出す(ステップS600)。そして、当該読み出したノーマルLUT15bにおけるsRGBデータを取得するとともに(ステップS605)、sRGBデータをLab色空間の座標値に変換する(ステップS610)。次に、変換した座標値のL座標が70より大きいか否かを判別し(ステップS615)、座標値が70より大きい場合は、Vインク量を取得して(ステップS620)、上述した比率に基づいてCMYインクに置換するとともに(ステップS625)、Rインク量を取得して(ステップS630)、上述した比率に基づいてCMYインクに置換する(ステップS635)。以上のステップS605〜S635の処理を全階調について実行する(ステップS640)。そして、置換したデータ等に基づいて粒状性向上LUT15cを作成する(ステップS645)。
【0047】
上述してきた実施形態では、予め所定の作成手順に従って粒状性向上LUT15cを作成しておき、HDD15に格納し、印刷時にユーザにノーマルLUT15bもしくは粒状性向上LUT15cの何れか一方を選択させる態様を採用したが、むろん、予め作成格納しておく態様に限定されるものではなく、選択に応じてノーマルLUT15bから粒状性向上LUT15cを適宜作成するようにしても良いことは言うまでもない。
【0048】
(8)まとめ:
このように、RVインクの発生を制限可能な粒状性LUT15cを使用して色変換を行うことによって、高明度領域において、RVインクの吐出を制限することが可能となり、当該高明度領域におけるインクの粒状性を向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】印刷システムの構成図。
【図2】プリンタの概略ハードウェア構成図。
【図3】印刷装置の主な制御系の概略構成図。
【図4】LUTの一例を示す図。
【図5】ノーマルLUTの作成作業フローチャート。
【図6】粒状性向上LUTの作成手順フローチャート。
【図7】印刷処理のフローチャート。
【図8】インターフェース画面の画面構成図。
【図9】色変換処理のフローチャート。
【図10】Vインクが制限された態様を示した図。
【図11】Vインクが制限された態様を示した図。
【図12】粒状性向上LUTの作業手順フローチャート。
【図13】発生比率の規定方法を示した図。
【図14】発生比率の規定方法を示した図。
【図15】粒状性向上LUTの作成手順フローチャート。
【符号の説明】
10…コンピュータ 11,41…CPU 12…システムバス 13,42…ROM 14,43…RAM 15…HDD 15a…画像データ 15b…ノーマルLUT 15c…粒状性向上LUT 16…フレキシブルディスクドライブ 17…CD−ROMドライブ 18…ディスプレイ 20…OS 21…PRTDRV 21a…画像データ取得モジュール 21b…色変換モジュール
21c…ハーフトーン処理モジュール 21d…印刷データ生成モジュール 22…入力機器DRV 23…ディスプレイDRV 25…アプリケーションプログラム 31…キーボード 32…マウス 40…プリンタ 44…ASIC
45…コントロールIC 47a…キャリッジ機構 47b…紙送り機構 48a〜48f…インクカートリッジ 49…ヘッド駆動部
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷制御装置、印刷制御方法、印刷制御プログラム、色変換テーブル作成装置、色変換テーブル作成方法および色変換テーブル作成プログラムに関し、特に、印刷ヘッドから少なくとも三色の有彩色インクおよび同少なくとも三色の有彩色より明度が低い他の有彩色インクを吐出させる印刷制御装置、印刷制御方法、印刷制御プログラム、色変換テーブル作成装置、色変換テーブル作成方法および色変換テーブル作成プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、CMYインクとCMY以外の色相であるインク(例えば、RedインクやVioletインク)とを吐出して印刷を行わせる印刷制御装置は知られている。この場合、全階調領域において、各色の階調を表現するために、CMYインクもしくはこのCMYインクとは異なる色相である有彩色インクを分版している。この有彩色インクは一般的にCMYインクより明度が低いことが多い。また、背景技術としては、例えば、下記した特許文献1がある。
【0003】
【特許文献1】
特願2002−4816号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の印刷制御装置においては、CMYインクと、このCMYインクより明度の低いインクとを印刷ヘッドから吐出させて印刷する場合、それぞれのインクを所定の比率にて混合させることによって、低明度から高明度の全領域の色を表現していた。しかし、CMYと異なる色相の有彩色インクは明度が低い、すなわち、濃度が高い。このため、このインクが原因となり、高明度の領域にて粒状性が悪化するという課題があった。
【0005】
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、低明度の有彩色インクの吐出量を制御することによって粒状性を向上させることが可能な印刷制御装置、印刷制御方法、印刷制御プログラム、色変換テーブル作成装置、色変換テーブル作成方法および色変換テーブル作成プログラムの提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明では、印刷時に少なくとも三色の有彩色インクおよび同少なくとも三色の有彩色インクより明度が低い他の有彩色インクを印刷ヘッドから吐出させるに際して、明度が低い他の有彩色インクの吐出量を制御可能な印刷制御装置を提供する。かかる場合、インク吐出量規定手段にて印刷ヘッドから吐出される少なくとも三色の有彩色インクの吐出量および他の有彩色インクの吐出量を規定しておく。そして、条件検出手段にて規定された他の有彩色インクの吐出量を制限する所定の制限条件が検出された場合に、吐出インク置換手段は、インク吐出量規定手段にて規定された他の有彩色インクの吐出量を少なくとも三色の有彩色インクの吐出量に置き換える。このように明度の低い有彩色インクの吐出量を当該有彩色インクより明度の高い有彩色インクに置換することによって、粒状性の向上を実現可能とする。
【0007】
条件検出手段にて検出して好適な制限条件の一例を以下に示す。条件検出手段は、規定された他の有彩色インクの吐出量が所定の第一閾値以下の場合に、制限条件を検出する。これによって、他の有彩色インクの吐出量に基づいて当該他の有彩色インクの吐出制限を行うことができる。条件検出手段は、規定された少なくとも三色の有彩色インクの吐出量および他の有彩色インクの吐出量の総インク吐出量を算出する総インク量算出手段を有し、規定された他の有彩色インクの吐出量が第一閾値以下の場合であって、算出された総インク吐出量が所定の第二閾値以下の場合に、制限条件を検出する。これによって、他の有彩色インクの吐出量および総インク吐出量に基づいて他の有彩色インクの吐出制限を行うことができる。条件検出手段は、規定された少なくとも三色の有彩色インクの吐出量および他の有彩色インクの吐出量の総インク吐出量を算出する総インク量算出手段を有し、この算出された総インク吐出量が第一閾値以下の場合に、制限条件を検出する。これによって、総インク吐出量に基づいた制限を行うことができる。
【0008】
条件検出手段は、算出された総インク吐出量が第一閾値以下の場合であって、この算出された総インク吐出量が所定の第三閾値以下の場合に、制限条件を検出する。これによって、総インク吐出量に基づいて他の有彩色インクの吐出制限を行うことができる。総インク量算出手段での算出方法に採用して好適な一例として、総インク吐出量算出手段は、総インク吐出量を算出する際に、少なくとも三色の有彩色インクおよび他の有彩色インク毎にパラメータによる重みを付けて総インク吐出量を算出する。これにより、総インク吐出量に対して、各有彩色インクの影響度合いを反映させることができる。
【0009】
また、条件検出手段にて検出して好適な制限条件の一例として、条件検出手段は、少なくとも三色の有彩色インクの吐出量および他の有彩色インクの吐出量に基づいて表現される明度を算出する明度算出手段を有し、この算出された明度が所定明度以上の場合に、制限条件を検出する。これによって、明度にに基づいて他の有彩色インクの吐出制限を行うことができる。ここで、他の有彩色インクが複数ある場合に好適な置換する方法の一例として、他の有彩色インクが明度の異なる複数の有彩色インクを有する場合、吐出インク置換手段にて明度が低い有彩色インクから少なくとも三色の有彩色インクに順次置き換える。明度の低い有彩色インクの方が粒状性に影響を与える可能性が強いため、明度の低い有彩色インクの吐出制限を優先的に行うことによって、より粒状性を向上させることが可能になる。
【0010】
上述してきた印刷制御装置は、装置として発明が成立することは言うまでもなく、その装置にて機能を実現可能とする印刷制御方法としても成立する。また、印刷制御装置がコンピュータにて実現されるにあたっては、上述したきた機能をコンピュータにて実現可能にする印刷制御プログラムとしても本発明が成立することは言うまでもない。さらに、インク吐出量を制御するという観点においては、インク吐出量を規定した色変換テーブルを作成する手法としても本発明が成立する。従って、本発明の技術的思想を実現する色変換テーブル作成装置、色変換テーブル作成方法、色変換テーブル作成プログラムとしても本発明が成立することは言うまでもない。
【0011】
【発明の実施の形態】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)印刷システムの構成:
(2)ノーマルLUTの構成:
(3)ノーマルLUTの作成手順:
(4)粒状性向上LUTの作成手順:
(5)印刷処理の処理内容:
(6)粒状性向上LUTの他の作成手順:
(7)粒状性向上LUTの他の作成手順:
(8)まとめ:
【0012】
(1)印刷システムの構成:
図1は本発明にかかる印刷制御装置を使用した印刷システムの概略ハードウェア構成を示しており、図2はプリンタの概略ハードウェア構成を示しており、図3はコンピュータにて実現される印刷制御装置の主な制御系の概略構成図を示している。同図において、コンピュータ10は、演算処理の中枢をなすCPU11を備えており、このCPU11は、システムバス12を介してBIOSなどの記載されたROM13やRAM14にアクセス可能となっている。また、システムバス12には、外部記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)15とフレキシブルディスクドライブ16とCD−ROMドライブ17とが接続されており、HDD15に記憶されたOS20やアプリケーションプログラム(APL)25等がRAM14に転送され、CPU11は、ROM13とRAM14とに適宜アクセスしてOS20の特定の機能や所定のAPL25を実行する。すなわち、RAM14を一時的なワークエリアとして種々の処理を実行する。
【0013】
また、コンピュータ10には、シリアル通信用I/O19aを介してキーボード31やマウス32等の操作用入力機器が接続されており、図示しないビデオボードを介して表示用のディスプレイ18も接続されている。さらに、カラープリンタ40とは、パラレル通信用I/O19bを介して接続が可能である。なお、本コンピュータ10の構成は簡略化して説明しているが、パーソナルコンピュータとして一般的な構成を有するものを採用することができる。むろん、当該コンピュータ10は、パーソナルコンピュータに限定されるものではない。この実施形態はいわゆるデスクトップ型コンピュータであるが、ノート型であるとか、モバイル対応のものであっても良い。また、コンピュータ10とカラープリンタ40の接続インタフェースも上述のものに限る必要はなくシリアルインタフェースやSCSI,USB接続など種々の接続態様を採用可能であるし、今後開発されるいかなる接続態様であっても同様である。
【0014】
この例ではOS20やAPL25の各プログラムの類は、HDD15に記憶されているが、記録媒体はこれに限定されるものではない。例えば、フレキシブルディスク16aであるとか、CD−ROM17aであってもよい。これらの記録媒体に記録されたプログラムはフレキシブルディスクドライブ16やCD−ROMドライブ17を介してコンピュータ10にて読み込まれ、HDD15にインストールされる。そして、HDD15を介してRAM14上に読み込まれてコンピュータを制御することになる。また、記録媒体はこれに限らず、光磁気ディスクなどであってもよい。また、半導体デバイスとしてフラッシュカードなどの不揮発性メモリなどを利用することも可能であるし、モデムや通信回線を介して外部のファイルサーバにアクセスしてダウンロードする場合には通信回線が伝送媒体となって本発明が利用される。
【0015】
一方、図2に示すように、カラープリンタ40内部に設けられたバス40aには、CPU41、ROM42、RAM43、ASIC44、コントロールIC45、パラレル通信用I/O46、イメージデータや駆動信号などを送信するためのインターフェイス(I/F)47等が接続されている。そして、CPU41が、RAM43をワークエリアとして利用しながらROM42に書き込まれた所定の制御プログラムに従って各部を制御する。ASIC44は図示しない印刷ヘッドを駆動するためにカスタマイズされたICであり、CPU41と所定の信号を送受信しつつ印刷ヘッド駆動のための処理を行う。また、ヘッド駆動部49に対して印加電圧データを出力する。
【0016】
ここで、ヘッド駆動部49は、専用ICと駆動用トランジスタ等からなる回路である。同ヘッド駆動部49は、ASIC44から入力される印加電圧データに基づいて印刷ヘッドに内蔵されたピエゾ素子への印加電圧パターンを生成する。印刷ヘッドには、6色の顔料系インクが充填されたインクカートリッジ48a〜48fを搭載可能なカートリッジホルダ48とインク別のチューブで接続されており、各インクの供給を受けるようになっている。そして、チューブから吐出口まで連通するインク室でピエゾ素子が駆動されることにより、インクを吐出する。なお、本実施形態においては汎用的なC(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)K(ブラック)インクに加えてR(レッド)V(バイオレット)インクとが使用される態様を採用している。また、本実施形態にて使用するインク種類は、顔料系インクであっても良いし、染料系インクであっても良く、適宜使用可能である。また、CMYKに加えるインクは、ここではRとVを使っているが、CMYと色相が異なり、明度の低いインクであれば適宜使用可能である(例えば、GreenやBlue、Orangeなど)。
【0017】
なお、このRVインクは、CMYインクの有彩色と比較して明度が低い有彩色インクであり、CMYインクとの組み合わせによって生成される略無彩色の可視波長領域における光反射率の変化を略平坦にすることが可能な性質を有している。印刷ヘッドのインク吐出面には、6色のインクのそれぞれを吐出する6組のノズル列が印刷ヘッドの主走査方向に並ぶように形成され、ノズル列のそれぞれは複数のノズル(例えば、48個)が副走査方向に一定の間隔で配置されている。また、カートリッジホルダ48は、インク供給針を備えており、このインク供給針がインクカートリッジ48a〜48fに設けられている図示しないインク供給口と接触することによって、インクの供給経路を形成する。そして、この形成された供給経路において、上述したCMYKRVインクがインクカートリッジ48a〜48f内のインクチューブを介して印刷ヘッドに供給される。
【0018】
ここで、コントロールIC45は、各インクカートリッジ48a〜48fに搭載された図示しない不揮発性メモリであるカートリッジメモリを制御するために搭載されたICである。インクカートリッジ48a〜48fがカートリッジホルダ48に装着されると、カートリッジメモリはコントロールIC45と電気的に接続されるようになっている。そして、CPU41は、コントロールIC45と所定の信号を送受信し、カートリッジメモリに記録されたインクの色や残量の情報の読み出しや、インク残量の情報の更新等を行うことが可能になっている。
【0019】
パラレル通信用I/O46はコンピュータ10のパラレル通信用I/O19bと接続されており、カラープリンタ40はパラレル通信用I/O46を介してコンピュータ10から送信されるデータ、例えば、CMYKRVインクのドット形成密度を指定したデータやページ記述言語等からなる印刷ジョブを受信する。また、CPU41は、コンピュータ10から各種要求を受信した場合、コントロールIC45からインクの色や装着状態を示す情報を取得して、パラレル通信I/O46を介してコンピュータ10に出力する。
【0020】
一方、I/F47には、キャリッジ機構47aと紙送り機構47bとが接続されている。この紙送り機構47bは、図示しない紙送りモータや紙送りローラなどから構成されており、印刷用紙などの印刷記録媒体を順次送り出して副走査を行う。また、キャリッジ機構47aは、印刷ヘッドを搭載する図示しないキャリッジと、このキャリッジをタイミングベルトなどを介して走行させる図示しないキャリッジモータなどを備えており、印刷ヘッドを主走査させることが可能になっている。そして、副走査方向に複数のノズルが設けられた印刷ヘッドにおいては、ビット列からなるヘッドデータに基づいてヘッド駆動部49が出力する駆動信号にてピエゾ素子を駆動し、各ノズルからドット単位でインク滴を吐出させる。
【0021】
このカラープリンタ40は、コンピュータ10にインストールされHDD15に格納されているプリンタドライバに基づいて制御され、印刷を実行することになる。ここで、図3に示すように本実施形態にかかるコンピュータ10では、プリンタドライバ(PRTDRV)21と入力機器ドライバ(DRV)22とディスプレイドライバ(DRV)23とがOS20に組み込まれている。このディスプレイDRV23は、ディスプレイ18における画像データ等の表示を制御するドライバであり、入力機器DRV22は、シリアル通信用I/O19aを介して入力される上記キーボード31やマウス32からのコード信号を受信して所定の入力操作を受け付けるドライバである。
【0022】
本実施形態にて利用するAPL25としては、カラー画像のレタッチ等を実行可能なアプリケーションプログラムがある。利用者は、かかるAPL25の実行下において、上記操作用の各入力機器を操作し、当該カラー画像をカラープリンタ40にて印刷させることが可能になっている。すなわち、APL25は利用者の指示によりHDD15に記録された画像データ15aをRAM14に読み出すとともに、ディスプレイDRV23を介して当該画像データ15aに基づく画像をディスプレイ18上に表示させる。利用者は、このディスプレイ18に表示された画像に対し、上記操作用の各入力機器を操作すると、その操作内容が入力機器DRV22を介して取得されて内容が解釈される。そして、APL25は、この操作内容に応じて印刷指示やレタッチなど種々の処理を行うことになる。
【0023】
APL25にて印刷指示がなされると、上記PRTDRV21が駆動される。駆動されたPRTDRV21は、ディスプレイDRV23にデータを送出して印刷に必要な情報を入力させるための図示しないUIをディスプレイ18に表示する。利用者は、当該ディスプレイ18に表示されたUIにて印刷部数やページ数等種々のパラメータを設定可能であり、PRTDRV21が入力機器DRV22を介してこれらのパラメータを受け付ける。PRTDRV21がこれらのパラメータを受け付けると、HDD15に格納されているノーマルLUT15bもしくは粒状性向上LUT15cを参照してsRGBにて色を指定された上記画像データ15aをCMYKRVの各色データに色変換しつつ印刷データを作成し、上記カラープリンタ40に印刷データを送出することによって印刷を実行する。ここで、ノーマルLUT15bとは、通常の方法でsRGBの画像データをCMYKRVデータに色変換する際に使用するLUTである。
【0024】
一方、RVインクは上述したようにCMYインクに比べて明度が低いインクである。このようなRVインクをCMYインクと併用した場合、上述の通り、CMYRVインクを組み合わせて作成する略無彩色の分光反射率の変化を可視波長領域にて略平坦にすることができる。すなわち、略無彩色におけるメタリズムを低減することが可能になる。しかし、RVインクは明度が低いことから、インク発生量が少ない領域でインク粒が見え、印刷画像の粒状性が悪くなる場合があり得る。そこで、本実施形態においては、インク発生量が少ない領域で、すなわち、高明度領域においてRVインクの発生を制限可能な粒状性向上LUT15cを使用し、sRGBの画像データをCMYKRVデータに色変換する。このようにインク発生量の少ない領域(高明度領域)にてRVインクの発生を制限することによって、印刷画像の粒状性を向上させることを可能にする。
【0025】
(2)ノーマルLUTの構成:
ここで、ノーマルLUT15bの構成の一例を図4に示す。同図において、ノーマルLUT15bでは、sRGBデータとCMYKRVデータのそれぞれが0〜255の値を有し、各色256階調(8ビット)となっている。また、sRGBデータについては、RGBの各色成分について階調値域を16分割して参照点を形成しており、RGB各色について階調値「0,16,32,、、、255」の総ての組み合わせが規定されている。従って、ノーマルLUT15bは、17**3個の参照点が存在する構成となっている。
【0026】
これらの参照点については、CMYKRVの各色の階調値が「0〜255」の値で規定されており、色変換時、sRGBデータに基づいたCMYKRVデータを参照して色変換を行う。一方、参照点以外については、補間演算により任意のsRGBデータをCMYKRVデータに変換する。むろん、ノーマルLUT15bとしては、カラープリンタ40にて使用可能なメディアやインクセット毎に異なるテーブルを作成し、適宜選択可能に構成することもできる。なお、本実施形態において上記画像データ15aはRGBの各色成分を階調表現したドットマトリクス状のデータであり、sRGB規格に準拠したデータである。また、ノーマルLUT15bにおいてはsRGBデータの具体的な値をデータとして有する構成の他、予め決められた順番に特定のsRGBデータの組について色を規定することとし、sRGBデータの具体的な値を省いても良い。また、CMYKRVデータは精度向上のために8ビット以上であっても良いし、メモリ節約のために8ビット以下でも良い。参照点も同様に17**3点以外であっても良い。
【0027】
(3)ノーマルLUTの作成手順:
ここで、当該ノーマルLUT15bを作成する作業手順の一例を図5のフローチャートに示す。この作業においては多くの演算処理を必要とするので、コンピュータを使用して演算を実行するのが好ましい。なお、本実施形態においては、当該作業手順にて作成されたノーマルLUT15bに基づいて後述する作業手順にて粒状性向上LUT15cを作成することとなる。同図において、ノーマルLUT15bは、sRGB色空間において全空間を網羅するようにsRGBデータを規定しており、ディスプレイ18にて使用するこれらのsRGBデータとカラープリンタ40で使用するCMYKRVデータによる色をLab空間の座標値に変換し、当該Lab空間内で上記sRGBデータとCMYKRVデータとを対応づける。このため、先ず最初にディスプレイ18の参照点を抽出する。この参照点の抽出によって、図4の左側に示す17**3個のsRGB階調値を確定する(ステップS100)。
【0028】
次に、当該確定したsRGB階調値をLab空間の座標値に変換する(ステップS105)。sRGB規格に準拠した画像データは、公知の変換式によりLab空間の座標値に変換することができる。従って、同ステップS105においては、この公知の変換式に基づいてsRGB階調値をLab空間の座標値に変換しても良いし、上記参照点による色をディスプレイ18上に表示させ、測色器等によってLab空間の座標値を取得して変換するようにしても良い。以上の結果、sRGBデータの参照点に該当する色のLab座標値が得られる。この得られたLab座標値に基づいて、図4の左側に示す17**3個のsRGB階調値とLab階調値との対応関係を規定する(ステップS110)。
【0029】
本実施形態においては、CMYKインクにRVインクを加える。従って、CMYインクのいずれかまたはこれらの組み合わせの値を小さくすることによって、sRGBデータに対応するCMYKRVデータを規定する。すなわち、CMYデータをCMYKRVデータに分版する(ステップS115)。また、本実施形態においては、CMYインクの吐出量をできるだけRVインクの吐出量に割り当てるとともに、高明度の色ではできるだけRインクへの分版を行い、低明度の色ではVインクへの分版を行う。具体的には、Lab空間においてRはYとMの間の色相を有し、VはCとMの間の色相を有することから、先ずYMをできるだけRに分版し、CMをできるだけVに分版する手法を採用する。
【0030】
このとき、本実施形態においてはYインク量1とMインク量1をRインク量1に割り当て、Cインク量0.5とMインク量1をVインク量1に割り当てることとしている。例えば、ある色の表現において公知の手法によってCMYインクをCMYKインクに分版した後、当該CMYインク量の比が0:1:1である場合には、CMYRインク量の比を0:1:1:1と規定する。一方、当該CMYインク量の比が0.5:1:0である場合には、CMYVインク量の比を0.5:1:0:1と規定する。以上のようにして、ステップS115にて分版処理を実行すると、当該分版処理後のCMYKRVデータを使用して多数の色パッチを印刷する(ステップS120)。
【0031】
これらの各色パッチを印刷したときのCMYKRVデータを把握しておき、各色パッチを測色機にて測色することによって当該CMYKRVデータとLab空間の座標値とを対応づける(ステップS125)。以上の結果、sRGBデータの各参照点に該当する色のLab座標値と、CMYKRVデータに対応づけられたLab座標値が得られるので、これらのLab座標値を使用してsRGBデータとCMYKRVデータとの対応関係を規定する(ステップS130)。以上の作業手順により、ノーマルLUT15bを作成する(ステップS135)。ここで、上述したステップS120で得たLab空間内の座標値は互いに一致しているとは限らず、両データの対応関係は補間演算や最適値探索法等によって求めることができる。補間演算を使用するといっても、上記色パッチを多数印刷して多数の色についてLab座標値を得ておけば正確に対応関係を規定することができる。そして、このように作成されたノーマルLUT15bをHDD15に格納する。
【0032】
(4)粒状性向上LUTの作成手順:
次に、このノーマルLUT15bに基づいて作成する粒状性向上LUT15cの作成手順を図6のフローチャートに示す。同図において、先ず最初に上述した作業手順にて作成されたノーマルLUT15bを読み出す(ステップS200)。次に、このノーマルLUT15bに基づいて各階調毎にCMYKインクのインク発生量を取得する(ステップS205)。ここで、Vインクのインク発生量が所定の制限値より小さいか否かを判別する(ステップS210)。Vインクのインク発生量が所定の制限値より小さいと判別した場合は、CMYインクの総インク発生量が所定のしきい値より小さいか否かを判別する(ステップS215)。CMYインクの総インク発生量が所定のしきい値より小さいと判別した場合は、Vインクのインク発生量をCMYインクに置換する。
【0033】
この置換は上述した比率に基づいて行う(ステップS220)。次に、Rインクのインク発生量が所定の制限値より小さいか否かを判別する(ステップS225)。Rインクのインク発生量が所定の制限値より小さいと判別した場合は、CMYインクの総インク発生量が所定のしきい値より小さいか否かを判別する(ステップS230)。CMYインクの総インク発生量が所定のしきい値より小さいと判別した場合は、Rインクのインク発生量をCMYインクに置換する。この置換は上述した比率に基づいて行う(ステップS235)。このステップS205〜S235までの処理を全階調について実行し(ステップS240)、粒状性向上LUT15cを作成する(ステップS245)。そして、このように作成された粒状性向上LUT15cをHDD15に格納し、印刷時の色変換に使用可能とする。
【0034】
本実施形態においては、Vインクの明度がRインクの明度より低い(濃度が高い)ため、先にCMYインクへの置換を行うようにし、優先的に制限をかけている。これによって、より粒状性を向上させることを可能にしている。また、上述した実施形態では、発生制限の対象になっているRVインクのインク発生量のみを用いて粒状性向上LUT15cの作成作業を実施するため、当該作成作業を簡素化することが可能になっている。このように、作成されたノーマルLUT15bと粒状性向上LUT15cとは、上述したようにHDD15に格納されて、印刷処理に使用されることになる。
【0035】
(3)印刷処理の処理内容:
本実施形態においては、PRTDRV21にてノーマルLUT15bもしくは粒状性向上LUT15cを使用して色変換を行いつつ、カラープリンタ40に印刷を実行させる。PRTDRV21は、印刷を実行するために図3に示す画像データ取得モジュール21aと色変換モジュール21bとハーフトーン処理モジュール21cと印刷データ生成モジュール21dとを備えている。そして、利用者がAPL25にて印刷実行を指示すると、図7に示すフローチャートの処理内容に従って印刷処理を実行する。同図において、印刷処理が開始されると画像データ取得モジュール21aは、APL25によってHDD15からRAM14に格納された画像データ15aを取得する(ステップS300)。
【0036】
すると、画像データ取得モジュール21aは、色変換モジュール21bを起動する。この色変換モジュール21bは、RGB階調値をCMYKRV階調値に変換するモジュールであり、画像データ15aの各ドットデータをノーマルLUT15bもしくは粒状性向上LUT15cを使用してCMYKRVのドットデータに変換する(ステップS305)。色変換モジュール21bが色変換を行ってCMYKRVの階調データを生成すると、ハーフトーン処理モジュール21cが起動され、当該CMYKRVの階調データがハーフトーン処理モジュール21cに受け渡される。ここで、ハーフトーン処理モジュール21cは、各ドットのCMYKRV階調値を変換してインク滴の記録密度で表現するためのハーフトーン処理を行うモジュールであり、色変換後の記録密度でインクを付着させるためのヘッド駆動データを生成する(ステップS310)。そして、印刷データ生成モジュール21dは、かかるヘッド駆動データを受け取って、カラープリンタ40で使用される順番に並べ替える。すなわち、カラープリンタ40においてはインク吐出デバイスとして図示しない吐出ノズルアレイが搭載されており、当該ノズルアレイでは副走査方向に複数の吐出ノズルが並設されるため、副走査方向に数ドット分離れたデータが同時に使用される。
【0037】
そこで、主走査方向に並ぶデータのうち同時に使用されるべきものがカラープリンタ40にて同時にバッファリングされるように順番に並べ替えるラスタライズを行う(ステップS315)。このラスタライズの後、画像の解像度などの所定の情報を付加して印刷データを生成し、パラレル通信用I/O19bを介してカラープリンタ40に出力する(ステップS320)。カラープリンタ40においては当該印刷データに基づいて上記ディスプレイ18に表示された画像を印刷する。このカラープリンタ40においては、上述のようにCMYKRV階調値データに基づいてCMYKRVの各色インクを印刷媒体に付着させる。以上のステップS300〜S320までの処理を全ラスタについて実行する(ステップS325)。
【0038】
ここで、本実施形態では、上述した印刷処理を実行するに際して、PRTDRV21が提供する所定のインターフェース画面にて色変換モジュール21bが行う色変換にてノーマルLUT15bを使用するか、粒状性向上LUT15cを使用するかを選択可能にする。図8は、かかるインターフェース画面の画面構成の一例を示した画面構成図である。同図において、利用者はPRTDRV21を起動して、このインターフェース画面M1をディスプレイ18に表示させる。そして、マウス32等の入力機器によってモードを選択する。このモードの選択は、ノーマルLUT15bを色変換に使用する「ノーマルモード」のスイッチM2、もしくは、粒状性向上LUT15cを色変換に使用する「粒状性向上モード」のスイッチM3を選択することによって行われる。利用者はスイッチM2,M3の選択によって何れかのモードを選択すると、OKボタンM4を押し下げて、このモード選択を終了させる。このモードの選択は、上述した印刷処理のステップS305にて行われる色変換処理に反映されることになる。
【0039】
図9は、上述した手法によってモード選択が行われる本実施形態にかかる色変換処理の処理内容を示したフローチャートである。同図において、インターフェース画面M1の設定内容を取得し、同設定内容が粒状性向上モードであるか否かを判別する(ステップS400)。この設定内容が粒状性向上モードであると判別した場合はHDD15から粒状性向上LUT15cを読み出す(ステップS405)。一方、設定内容がノーマルモードであると判別した場合はHDD15からノーマルLUT15bを読み出す(ステップS410)。そして、画像データ15aの各画素についてsRGBデータを取得し(ステップS415)、ステップS405もしくはS410にて読み出した粒状性向上LUT15cもしくはノーマルLUT15bに基づいて、同sRGBデータに対応するCMYKRVデータを取得し(ステップS420)、sRGBデータからCMYKRVデータへの色変換を実行する(ステップS435)。以上のステップS415〜S425を全画素について実行する(ステップS440)。
【0040】
ここで、粒状性向上LUT15cにてRVインクの発生が制限された一例を図10および図11に示す。ここでは、Vインクの発生制限について図に示している。図10は、Blue−White軸((R,G,B=0,0,255)〜(R,G,B=255,255,255))におけるCMYVインクのインク量(%)を示している。また、上側の図が発生制限がある場合を示し、下側の図が発生制限がない場合を示している。図において、150階調の手前でVインクの発生が制限されていることが分かる。すなわち、かかる階調以上ではVインクの発生がないため、粒状性を向上させることが可能になっている。一方、図11は、Gray軸((R,G,B=0,0,0)〜(R,G,B=255,255,255))におけるCMYVインクのインク量(%)を示している。また、上側の図が発生制限がある場合を示し、下側の図が発生制限がない場合を示している。図において、150階調の手前でVインクの発生が制限されていることが分かる。すなわち、かかる階調以上ではVインクの発生がないため、粒状性を向上させることが可能になっている。
【0041】
(6)粒状性向上LUTの他の作成手順:
上述した作業手順にて作成した粒状性向上LUT15cは、RVインクのインク発生量が所定の制限値より小さければ発生制限を行ってしまうため、本来的にはRVインクの粒状性の影響を受けない低明度領域においても制限を行ってしまう。そこで、CMYRVインクの全インク量のTotal量がRVインクの制限値より小さい場合にのみ当該RVインクの発生制限を行う。これによって、制限対象であるRVインクのインク発生量が小さくても、全体のインク発生量が大きい場合(低明度領域の場合)に当該RVインクの発生制限を行わないようにすることが可能になる。また、RVインク以外のインク発生量に依存した制限を行うことが可能になる。
【0042】
図12は、かかる粒状性向上LUT15cを実現可能な作成作業を示したフローチャートである。同図において、先ず最初に作成されたノーマルLUT15bを読み出す(ステップS500)。次に、このノーマルLUT15bに基づいて各階調毎にCMYKインクのインク発生量を取得するとともに(ステップS505)、各インクのTotal量を算出する(ステップS510)。このTotal量の算出は次の数式(1)に基づいて行われる。
Total量=0.8C+0.7M+0.6Y+0.9R+V+1.5K・・・(1)
Total量を算出すると、当該Total量がVインクの所定の制限値より小さいか否かを判別する(ステップS515)。Total量がVインクの所定の制限値より小さいと判別した場合は、総インク発生量が所定のしきい値より小さいか否かを判別する(ステップS520)。そして、総インク発生量が所定のしきい値より小さいと判別すると、Vインクを上述した比率に基づいてCMYインクに置換する(ステップS525)。
【0043】
このステップS525にてVインクをCMYインクに置換した場合、または、ステップS515にてTotal量がVインクの制限値以上もしくはステップS520にて総インク発生量が所定のしきい値以上と判別された場合は、再度、Total量を算出する(ステップS530)。このTotal量はRインクの判別用であるため、次の数式(2)に基づいて行われる。
Total量=0.9C+0.9M+0.6Y+R+1.2V+1.7K・・・(2)
Total量を算出すると、当該Total量がRインクの所定の制限値より小さいか否かを判別する(ステップS535)。Total量がRインクの所定の制限値より小さいと判別した場合は、総インク発生量が所定のしきい値より小さいか否かを判別する(ステップS540)。そして、総インク発生量が所定のしきい値より小さいと判別すると、Rインクを上述した比率に基づいてCMYインクに置換する(ステップS545)。以上のステップS505〜S545の処理を全階調について実行し(ステップS550)、粒状性向上LUT15cを作成する(ステップS555)。
【0044】
ここで、上述した実施形態において、VインクもしくはRインクのインク発生量を制限する際の、制限比率の考え方を図13に示す。同図において、T1はVインクもしくはRインクの発生を開始させるTotal量を示している。従って、Total量が0以上T1未満の場合には、VインクもしくはRインクの発生が制限されることになる。すなわち、VインクもしくはRインクのインク発生量は0になる。これに対して、Total量がT2以上の場合は、Total量が多いため、VインクもしくはRインクの発生制限を行わない領域である。すなわち、VインクもしくはRインクは、ノーマルLUT15bのデータがそのまま使用されることになる。一方、Total量がT1以上T2未満の場合は、図示した傾きに応じて、VインクもしくはRインクのインク発生量に置き換えられ、この置き換えられたインク発生量に基づいてCMYインクに置換されることになる。この図13では、発生比率を直線にて変化させる態様を採用したが、この発生比率の変化態様は、直線に限定されるものではなく、図14に示すように曲線に変化させるようにしても良い。むろん、これらは一例に過ぎず、γ曲線を採用しても良い。
【0045】
(7)粒状性向上LUTの他の作成手順:
上述してきた実施形態では、制限対象インクであるRVインクのインク発生量や総インク発生量もしくはインク量のTotal量に基づいてRVインクの発生制限を行うことによって、高明度領域においてインクの粒状性を向上させることが可能な粒状性向上LUT15cを作成した。このように高明度部において、粒状性を向上させるという観点においては、所定の明度以上にてRVインクの発生制限を行うようにした粒状性向上LUT15cを作成するようにしても良い。
【0046】
図15は、かかる粒状性向上LUT15cを実現可能な作成作業を示したフローチャートである。同図において、先ず最初に作成されたノーマルLUT15bを読み出す(ステップS600)。そして、当該読み出したノーマルLUT15bにおけるsRGBデータを取得するとともに(ステップS605)、sRGBデータをLab色空間の座標値に変換する(ステップS610)。次に、変換した座標値のL座標が70より大きいか否かを判別し(ステップS615)、座標値が70より大きい場合は、Vインク量を取得して(ステップS620)、上述した比率に基づいてCMYインクに置換するとともに(ステップS625)、Rインク量を取得して(ステップS630)、上述した比率に基づいてCMYインクに置換する(ステップS635)。以上のステップS605〜S635の処理を全階調について実行する(ステップS640)。そして、置換したデータ等に基づいて粒状性向上LUT15cを作成する(ステップS645)。
【0047】
上述してきた実施形態では、予め所定の作成手順に従って粒状性向上LUT15cを作成しておき、HDD15に格納し、印刷時にユーザにノーマルLUT15bもしくは粒状性向上LUT15cの何れか一方を選択させる態様を採用したが、むろん、予め作成格納しておく態様に限定されるものではなく、選択に応じてノーマルLUT15bから粒状性向上LUT15cを適宜作成するようにしても良いことは言うまでもない。
【0048】
(8)まとめ:
このように、RVインクの発生を制限可能な粒状性LUT15cを使用して色変換を行うことによって、高明度領域において、RVインクの吐出を制限することが可能となり、当該高明度領域におけるインクの粒状性を向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】印刷システムの構成図。
【図2】プリンタの概略ハードウェア構成図。
【図3】印刷装置の主な制御系の概略構成図。
【図4】LUTの一例を示す図。
【図5】ノーマルLUTの作成作業フローチャート。
【図6】粒状性向上LUTの作成手順フローチャート。
【図7】印刷処理のフローチャート。
【図8】インターフェース画面の画面構成図。
【図9】色変換処理のフローチャート。
【図10】Vインクが制限された態様を示した図。
【図11】Vインクが制限された態様を示した図。
【図12】粒状性向上LUTの作業手順フローチャート。
【図13】発生比率の規定方法を示した図。
【図14】発生比率の規定方法を示した図。
【図15】粒状性向上LUTの作成手順フローチャート。
【符号の説明】
10…コンピュータ 11,41…CPU 12…システムバス 13,42…ROM 14,43…RAM 15…HDD 15a…画像データ 15b…ノーマルLUT 15c…粒状性向上LUT 16…フレキシブルディスクドライブ 17…CD−ROMドライブ 18…ディスプレイ 20…OS 21…PRTDRV 21a…画像データ取得モジュール 21b…色変換モジュール
21c…ハーフトーン処理モジュール 21d…印刷データ生成モジュール 22…入力機器DRV 23…ディスプレイDRV 25…アプリケーションプログラム 31…キーボード 32…マウス 40…プリンタ 44…ASIC
45…コントロールIC 47a…キャリッジ機構 47b…紙送り機構 48a〜48f…インクカートリッジ 49…ヘッド駆動部
Claims (13)
- 印刷時に少なくとも三色の有彩色インクおよび同少なくとも三色の有彩色インクより明度が低い他の有彩色インクを印刷ヘッドから吐出させる印刷制御装置であって、
上記印刷ヘッドから吐出される上記少なくとも三色の有彩色インクの吐出量および他の有彩色インクの吐出量を規定するインク吐出量規定手段と、
上記規定された他の有彩色インクの吐出量を制限する所定の制限条件を検出する条件検出手段と、
上記制限条件が検出された場合、上記規定された他の有彩色インクの吐出量を上記少なくとも三色の有彩色インクの吐出量に置き換える吐出インク置換手段とを具備することを特徴とする印刷制御装置。 - 上記条件検出手段は、上記規定された他の有彩色インクの吐出量が所定の第一閾値以下の場合に、上記制限条件を検出することを特徴とする上記請求項1に記載の印刷制御装置。
- 上記条件検出手段は、上記規定された少なくとも三色の有彩色インクの吐出量および上記他の有彩色インクの吐出量の総インク吐出量を算出する総インク量算出手段を有し、上記規定された他の有彩色インクの吐出量が上記第一閾値以下の場合であって、上記算出された総インク吐出量が所定の第二閾値以下の場合に、上記制限条件を検出することを特徴とする上記請求項2に記載の印刷制御装置。
- 上記条件検出手段は、上記規定された少なくとも三色の有彩色インクの吐出量および上記他の有彩色インクの吐出量の総インク吐出量を算出する総インク量算出手段を有し、同算出された総インク吐出量が上記第一閾値以下の場合に、上記制限条件を検出することを特徴とする上記請求項2に記載の印刷制御装置。
- 上記条件検出手段は、上記算出された総インク吐出量が上記第一閾値以下の場合であって、同算出された総インク吐出量が所定の第三閾値以下の場合に、上記制限条件を検出することを特徴とする上記請求項4に記載の印刷制御装置。
- 上記総インク量算出手段は、上記総インク吐出量を算出する際に、上記少なくとも三色の有彩色インクおよび上記他の有彩色インク毎にパラメータによる重みを付けて同総インク吐出量を算出することを特徴とする上記請求項3〜請求項5のいずれかに記載の印刷制御装置。
- 上記条件検出手段は、上記少なくとも三色の有彩色インクの吐出量および上記他の有彩色インクの吐出量に基づいて表現される明度を算出する明度算出手段を有し、同算出された明度が所定明度以上の場合に、上記制限条件を検出することを特徴とする上記請求項1に記載の印刷制御装置。
- 上記他の有彩色インクは、明度の異なる複数の有彩色インクを有し、上記吐出インク置換手段は、同明度が低い有彩色インクから上記少なくとも三色の有彩色インクに順次置き換えることを特徴とする上記請求項1〜請求項7のいずれかに記載の印刷制御装置。
- 印刷時に少なくとも三色の有彩色インクおよび同少なくとも三色の有彩色インクより明度が低い他の有彩色インクを印刷ヘッドから吐出させる印刷制御方法であって、
上記印刷ヘッドから吐出される上記少なくとも三色の有彩色インクの吐出量および他の有彩色インクの吐出量を規定するインク吐出量規定工程と、
上記規定された他の有彩色インクの吐出量を制限する所定の制限条件を検出する条件検出工程と、
上記制限条件が検出された場合、上記規定された他の有彩色インクの吐出量を上記少なくとも三色の有彩色インクの吐出量に置き換える吐出インク置換工程とを具備することを特徴とする印刷制御方法。 - 印刷時に少なくとも三色の有彩色インクおよび同少なくとも三色の有彩色インクより明度が低い他の有彩色インクを印刷ヘッドから吐出させる機能をコンピュータに実現させる印刷制御プログラムであって、
上記印刷ヘッドから吐出される上記少なくとも三色の有彩色インクの吐出量および他の有彩色インクの吐出量を規定するインク吐出量規定機能と、
上記規定された他の有彩色インクの吐出量を制限する所定の制限条件を検出する条件検出機能と、
上記制限条件が検出された場合、上記規定された他の有彩色インクの吐出量を上記少なくとも三色の有彩色インクの吐出量に置き換える吐出インク換機能とを具備することを特徴とする印刷制御プログラム。 - 階調表現されるRGBデータと、少なくとも三色の有彩色インクおよび同少なくとも三色の有彩色インクより明度が低い他の有彩色インクのインク量データとの対応関係を予め複数の参照点にて規定する色変換テーブルを作成する色変換テーブル作成装置であって、
上記RGBデータの階調値に基づいて上記少なくとも三色の有彩色インクの吐出量および他の有彩色インクの吐出量を規定するインク吐出量規定手段と、
上記規定された他の有彩色インクの吐出量を制限する所定の制限条件を検出する条件検出手段と、
上記制限条件が検出された場合、上記規定された他の有彩色インクの吐出量を上記少なくとも三色の有彩色インクの吐出量に置き換える吐出インク置換手段と、
上記規定されたインク吐出量および置き換えられたインク吐出量に基づいて上記色変換テーブルを作成する色変換テーブル作成手段とを具備することを特徴とする色変換テーブル作成装置。 - 階調表現されるRGBデータと、少なくとも三色の有彩色インクおよび同少なくとも三色の有彩色インクより明度が低い他の有彩色インクのインク量データとの対応関係を予め複数の参照点にて規定する色変換テーブルを作成する色変換テーブル作成方法であって、
上記RGBデータの階調値に基づいて上記少なくとも三色の有彩色インクの吐出量および他の有彩色インクの吐出量を規定するインク吐出量規定工程と、
上記規定された他の有彩色インクの吐出量を制限する所定の制限条件を検出する条件検出工程と、
上記制限条件が検出された場合、上記規定された他の有彩色インクの吐出量を上記少なくとも三色の有彩色インクの吐出量に置き換える吐出インク置換工程と、
上記規定されたインク吐出量および置き換えられたインク吐出量に基づいて上記色変換テーブルを作成する色変換テーブル作成工程とを具備することを特徴とする色変換テーブル作成方法。 - 階調表現されるRGBデータと、少なくとも三色の有彩色インクおよび同少なくとも三色の有彩色インクより明度が低い他の有彩色インクのインク量データとの対応関係を予め複数の参照点にて規定する色変換テーブルを作成する機能をコンピュータにて実現可能にする色変換テーブル作成プログラムであって、
上記RGBデータの階調値に基づいて上記少なくとも三色の有彩色インクの吐出量および他の有彩色インクの吐出量を規定するインク吐出量規定機能と、
上記規定された他の有彩色インクの吐出量を制限する所定の制限条件を検出する条件検出機能と、
上記制限条件が検出された場合、上記規定された他の有彩色インクの吐出量を上記少なくとも三色の有彩色インクの吐出量に置き換える吐出インク置換機能と、
上記規定されたインク吐出量および置き換えられたインク吐出量に基づいて上記色変換テーブルを作成する色変換テーブル作成機能とを具備することを特徴とする色変換テーブル作成プログラム。
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