JP3371885B2 - 印刷システム、印刷制御装置、印刷装置、印刷制御方法、印刷方法、インク収容体、インク補充器、および記録媒体 - Google Patents

印刷システム、印刷制御装置、印刷装置、印刷制御方法、印刷方法、インク収容体、インク補充器、および記録媒体

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JP3371885B2
JP3371885B2 JP2000077938A JP2000077938A JP3371885B2 JP 3371885 B2 JP3371885 B2 JP 3371885B2 JP 2000077938 A JP2000077938 A JP 2000077938A JP 2000077938 A JP2000077938 A JP 2000077938A JP 3371885 B2 JP3371885 B2 JP 3371885B2
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    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/205Ink jet for printing a discrete number of tones
    • B41J2/2056Ink jet for printing a discrete number of tones by ink density change

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、印刷媒体上に、
各色のインクドットを適切に分布させて形成させること
により、幅広い自然色で表現された画像を印刷する技術
に関する。
【0002】
【従来の技術】インクヘッドから各色のインク滴を吐出
して印刷媒体上に自然色の画像を表現する印刷装置で
は、基本的には、シアン色(C),マゼンタ色(M),
イエロ色(Y)の3色に加え、黒色(K)を加えた4色
のインクドットを形成することにより画像を印刷するの
が一般的である。これら印刷装置では、色を表す指標で
ある色相および明度を次のように制御して、幅広い自然
色を含む画像の印刷を可能としている。色相、すなわち
赤や青などのいわゆる「色」は、インクヘッドから吐出
するC,M,Y各色ドットの比率を変えることで制御
し、明度、すなわち明るさは、形成するドットの密度を
変えることによって制御する。このように、印刷媒体上
に形成される各色ドットの形成密度を制御することによ
り、幅広い自然色の画像を印刷することができる。
【0003】また最近では、上述の4色に加えて、淡い
C(LC)や淡いM(LM)、場合によっては淡いY
(LY)のインクを使用することで、明るい(明度の高
い)領域の画質を大幅に改善する印刷装置も開発されて
いる。明るい領域(ハイライト領域)の画像をC,M,
Y,Kの4色インクのみを用いて印刷する場合は、Cや
Mのドットがまばらに形成されることになるので、これ
らのドットが目立って画質を低下させる。このように、
ドットが目立って画質を悪化させる現象を粒状性が悪化
するという。更に、まばらに形成されるドットで細部の
画像情報を再現することは困難であるので、C,M,
Y,Kの4色インクのみを用いての印刷は、その意味か
らも画質の低下を起こしやすい。これに対し、LCやL
M(場合によってはLY)のインクを使用すれば、これ
らのドットはC,Mドットのように目立つことはなく、
ハイライト領域の画質を低下させることが少ない。更に
は、C,Mドットよりも高い密度でドットを形成するこ
とができるため、細部の画像情報を再現することが可能
となって画質が改善される。これらの理由により、L
C,LM(場合によってはLY)のインクを加えた6色
(LYを加えれば7色)のインクを用いる印刷装置を使
用すれば、ハイライト領域の画質を改善することが可能
となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし淡インクを用い
る印刷装置を含めて、これらの印刷装置では、次の理由
から、明度の低い領域(シャドー領域)を含む領域で画
質を十分に改善することは困難であるという問題があっ
た。特に、淡インクを使用する印刷装置においては、ハ
イライト領域の画質が大幅に改善される分だけ、シャド
ー領域を含む領域で、画質が不十分であると感じられ易
くなっていた。
【0005】これを、レッドから始まり徐々に明度が下
がってブラックに至るグラデーションパターンを例にと
って説明する。レッドはマゼンタドットとイエロドット
との混色で再現されるが、その明度を下げて暗くするた
めには、シアンドットまたはブラックドットを加えてい
けばよい。しかし、レッドの上にブラックドットを形成
するとドットが非常に目立ち易く、均一であるべき色領
域内にブラックドットの存在が認識されて粒状性を悪化
させる。また、レッドの補色であるシアンドットもブラ
ックドットほどではないにしろ、レッドの上に形成する
とかなり目立つドットであるため、レッドの上にシアン
ドットを形成しても、やはり粒状性が悪化する。これを
改善するには、淡シアンインクの導入が有効なのは、ハ
イライト部の場合と同様で、粒状性の観点からは、レッ
ドに加えていくインクとしては、淡シアンがもっとも好
ましく、次いでシアン、ブラックの順で望ましいことに
なる。ただし、シアンドットやブラックドットでも、レ
ッドの明度が下がって十分に暗い色になってから加える
と、それほどドットが目立たなくなり、粒状性をあまり
低下させなくなる。
【0006】ところで、印刷媒体には単位面積当たりに
打ち込み可能な総インク量に制限があり、ドットの形成
密度を無制限に高くすることはできない。このような制
限を、インクデューティ制限と呼ぶことにする。許容で
きるドット密度を超えてインクを打ち込むと、滲みが生
じたり、印刷媒体にしわができる等の問題が生じる。こ
のような問題の発生を避けるために、印刷媒体毎に形成
可能な最大ドット密度(インクデューティ制限値)を設
定し、各インクのドットの合計密度がこのインクデュー
ティ制限値を越えないようにしている。
【0007】レッドからブラックに至るグラデーション
パターンを印刷しようとする場合、淡シアンドットある
いはシアンドットを加えていく必要があるが、レッドに
は元々かなりの量のイエロドットおよびマゼンタドット
が形成されている。従って、淡シアンドットあるいはシ
アンドットを少量形成しただけで、インクデューティ制
限値に達してしまうので、グラデーションの途中で、そ
れ以上の淡シアンドットあるいはシアンドットを加える
ことができなくなる。このため、実際には、インクデュ
ーティ制限に余裕がある場合はレッドに淡シアンドット
を加えて暗くして行くが、合計インク量がインクデュー
ティ制限値に達した段階で、例えまだシアンドットが粒
状性に悪影響を与える状況であっても、それ以上明度を
下げるためには淡シアンドットに代えてシアンドットを
用いざるを得なくなる。更に淡シアンドットのすべてを
シアンドットに置き換えても足りなくなると、次には、
まだブラックドットが目立つ状況でもシアンドットに代
えてブラックドットを形成せざるを得なくなる。このよ
うに、レッドからブラックに至るようなシャドー領域
(明度の低い領域)の色は、インクデューティ制限のた
めにシアンドットやブラックドットをまだ目立つ段階か
ら使用しなければならないことが多く、粒状性を改善で
きない場合が生じ得た。
【0008】以上では、レッドからブラックに至るグラ
デーションパターンを印刷する場合を例にとって説明し
たが、粒状性の改善とインクデューティの制限といった
種々の制約の下でインクドットの形成状況を決定しなけ
ればならず、最適のドット形成状況を設計する作業は、
試行錯誤を繰り返すたいへんに手間のかかる作業となっ
ていた。
【0009】この発明は、従来技術における上述の課題
を解決するためになされたものであり、インクドットを
形成する設定上の自由度を向上させ、この結果、明度の
低い領域(シャドー領域)を含む領域等での画質を改善
する技術を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の印
刷システムは、次の構成を採用した。すなわち、印刷媒
体上に各種インクによるインクドットを形成して画像を
印刷する印刷部と、該印刷部に該各種インクによるドッ
トの形成を制御するための制御情報を供給する印刷制御
部とを備えた印刷システムであって、前記印刷制御部
は、組合せにより無彩色を表現可能な複数の基本色イン
クによるドットの形成有無と、主に吸収する光の波長範
囲が該基本色インク中の一の基本色インクと重複しかつ
従として吸収する光の波長範囲が他の基本色インクの少
なくともいずれかが主に吸収する波長範囲と重複すると
ともに該一の基本色インクより明度の低い暗インクによ
るドットの形成有無とを、画像データに基づいて判断す
るドット形成判断手段と、前記各種インクのドットにつ
いての前記判断結果を、前記制御情報として前記印刷装
置に供給する制御情報供給手段とを備えるとともに、前
記印刷部は、前記制御情報供給手段から前記各種インク
のドットについての前記判断結果を、前記制御情報とし
て受け取る制御情報受取手段と、前記受け取った前記制
御情報に基づいて、前記基本色インクによるドットおよ
び前記暗インクによるドットを形成するドット形成手段
とを備えていることを要旨とする。
【0011】また、上記の印刷システムに対応する本発
明の印刷方法は、印刷媒体上に各種インクによるインク
ドットを形成して画像を印刷する印刷方法であって、組
合せにより無彩色を表現可能な複数の基本色インクによ
るドットの形成有無と、主に吸収する光の波長範囲が該
基本色インク中の一の基本色インクと重複しかつ従とし
て吸収する光の波長範囲が他の基本色インクの少なくと
もいずれかが主に吸収する波長範囲と重複するとともに
該一の基本色インクより明度の低い暗インクによるドッ
トの形成有無とを、画像データに基づいて判断し、前記
各種インクのドットについての前記判断結果に基づい
て、前記基本色インクによるドットと、前記暗インクに
よるドットとを形成して画像を印刷することを要旨とす
る。
【0012】かかる印刷システム及び印刷方法において
は、複数の基本色インクによるドットの形成有無と、暗
インクによるドットの形成有無とを、画像データに基づ
いて判断する。ここで複数の基本色インクとは、互いに
組み合わせてインクドットを形成することにより無彩色
を表現可能な複数のインクをいい、また暗インクとは、
該基本色インク中の1つのインクを主成分とし、該基本
色インクとは色相が異なる他のインクを含んで、かつ該
基本色インクより明度の低いインクをいう。あるいはイ
ンク組成は異なっていても、かかるインクと同等の分光
特性を有するインクであっても良い。例えば基本色イン
クがイエロの場合、その暗インクはイエロインクに適量
のシアン染料とマゼンタ染料とを加えたり、あるいはイ
エロインクに黒染料などを加えて作ることもできる。こ
れら各種インクについてのドットの形成有無の判断結果
に基づいて、印刷媒体上に複数の基本色インクあるいは
暗インクによるインクドットを形成することによって画
像を印刷する。複数の基本色インクのドットの他に、上
述した特徴を有するインクのドットを加えた各種インク
によるドットが形成可能であるため、ドット形成有無の
判断の自由度が向上し、その結果、画質の向上を図るこ
とが可能となる。暗インクを含めてドットの形成を判断
することにより、画質の向上が図られる作用について、
以下に具体的に説明する。
【0013】前述のように暗インクは、例えば基本色イ
ンク中の1つのインクを主成分とし該基本色インクとは
色相が異なる他のインクを含んで、かつ該基本色インク
より明度の低いインクである。従って、例えば、複数の
基本色インクの組合せによって表現される色を、暗イン
クのみによって、あるいは暗インクとこれを補う少量の
基本色インクとの組合せによって表現可能な場合があり
得る。このような場合には、基本色インクのみの組合せ
によって表現するよりも、暗インクと基本色インクの組
合せによって表現した方が、少ないインク量で表現可能
となる。少ないインク量で表現することができれば、前
述のようにインクデューティ制限により画質の悪化を余
儀なくされている諸条件において、暗インクを使用する
ことにより画質の改善を図ることが可能となる。例えば
前述のように、シャドー領域ではインクデューティ制限
により粒状性が悪化し易いので、暗インクを使用するこ
とによって、粒状性の悪化を回避することも可能とな
る。
【0014】かかる印刷システムに適用可能な本発明の
印刷制御装置は、各種インクによるドットを形成可能な
印刷部に、該ドットの形成を制御するための制御情報を
供給する印刷制御装置であって、前記印刷部は、組合せ
により無彩色を表現可能な複数の基本色インクによるド
ットと、主に吸収する光の波長範囲が該基本色インク中
の一の基本色インクと重複しかつ従として吸収する光の
波長範囲が他の基本色インクの少なくともいずれかが主
に吸収する波長範囲と重複するとともに該一の基本色イ
ンクより明度の低い暗インクによるドットとを形成可能
な印刷部であり、前記複数の基本色インクによるドット
の形成有無と、前記暗インクによるドットの形成有無と
を、画像データに基づいて判断するドット形成判断手段
と、前記各種インクのドットについての前記判断結果
を、前記制御情報として前記印刷部に供給する制御情報
供給手段とを備えることを要旨とする。
【0015】また、上記の印刷制御装置に対応する本発
明の印刷方法は、印刷媒体上に各種インクによるドット
を形成する印刷部に、該ドットの形成を制御するための
制御情報を供給して、該印刷部の印刷動作を制御する印
刷制御方法であって、組合せにより無彩色を表現可能な
複数の基本色インクによるドットの形成有無と、主に吸
収する光の波長範囲が該基本色インク中の一の基本色イ
ンクと重複しかつ従として吸収する光の波長範囲が他の
基本色インクの少なくともいずれかが主に吸収する波長
範囲と重複するとともに該一の基本色インクより明度の
低い暗インクによるドットの形成有無とを、画像データ
に基づいて判断し、前記各種インクのドットについての
判断結果を、前記制御情報として前記印刷部に供給し
て、該印刷部での印刷を制御することを要旨とする。
【0016】かかる印刷制御装置および印刷方法におい
ては、前記複数の基本色インクによるドットおよび、前
記暗インクによるドットについてのドット形成有無を画
像データに基づいて判断し、該判断結果を、前記各種イ
ンクによるドットの形成を制御する制御情報として前記
印刷部に供給する。
【0017】印刷媒体上に各種インクのドットを形成可
能な印刷部に、前記複数の基本色インクおよび前記暗イ
ンクを装着しておき、該印刷部に前記制御情報を供給す
れば、該暗インクのドットを含んだ各種インクドットを
形成して高画質の画像を印刷することができる。
【0018】かかる印刷制御装置または印刷方法におい
ては、カラー画像を表現する色彩と、該色彩を表現する
前記複数の基本色インクおよび暗インクの組合せとを対
応付けた色変換テーブルを記憶しておき、該色変換テー
ブルを参照して、前記複数の基本色インクによるドット
と前記暗インクによるドットの形成有無を判断するよう
にしてもよい。
【0019】前記各種インクによるドットの形成有無を
判断する際に、前記色変換テーブルを参照して判断すれ
ば、迅速に、かつ的確に判断することができるので好適
である。
【0020】かかる印刷制御装置においては、前記基本
色インクによるドットと前記暗インクによるドットにつ
いて予めドットの形成割合を設定しておき、該割合に基
づいて、前記基本色インクおよび前記暗インクのドット
の形成有無を判断してもよい。
【0021】前記基本色インクのドットに加えて前記暗
インクのドットについても形成有無を判断すると、各種
ドット間でドットの形成割合は種々の値を採りうる。従
って、該割合を予め適切な値に設定しておけば、各種ド
ットの形成有無を適切に判断することによって、高画質
の画像を印刷することが可能となる。
【0022】かかる印刷制御装置において、ドットの形
成有無を判断する暗インクは、次のようなインクとして
もよい。すなわち、前記複数の基本色インクの中の一の
基本色インクより、明度および彩度が低いインクとする
こともできる。例えば、基本色インクに他のインクの染
料を添加するといった手法によって、かかる暗インクを
得ることができる。
【0023】このような暗インクを含めてドットの形成
判断を行うことで判断の自由度を向上させることがで
き、画質の向上を図ることが可能となる。すなわち、か
かる暗インクとして基本色インクに他のインクの染料を
添加する等して明度と彩度とを低くしたインクを使用す
れば、例えば複数の基本色インクの組合せによって表現
される色を、該暗インクのみによって、あるいは該暗イ
ンクとこれを補う少量の基本色インクとの組合せによっ
て表現可能な場合があり得る。このような場合には、該
暗インクと基本色インクの組合せによって表現した方
が、少ないインク量で表現可能となり、前述のようにイ
ンクデューティ制限により画質の悪化を余儀なくされて
いる諸条件においても、かかる暗インクを使用すること
により画質の改善を図ることが可能となる。
【0024】また、暗インクは次のようなインクとして
もよい。すなわち、可視領域の光を最も強く吸収する主
波長範囲が前記基本色インクの中の一の基本色インクと
重複し、可視領域の波長範囲で光の吸収率を積分した値
が該一の基本色インクよりも大きいインクである。
【0025】基本色インクによるドットの形成有無に加
えて、このような暗インクによるドットの形成有無を判
断すれば、ドット形成有無を判断する際の自由度が向上
するので、この自由度を利用して画質の改善を図ること
が可能となる。
【0026】ここで、可視領域の光を最も強く吸収する
波長帯域とは、次のような波長帯域をいう。例えば、シ
アンインクの場合は赤色を呈する光(おおまかには、波
長600nmから700nmにかけての帯域)であり、
マゼンタインクの場合は緑色を呈する光(おおまかに
は、波長500nmから600nmにかけての帯域)で
あり、イエロインクの場合は青色を呈する光(おおまか
には、波長400nmから500nmにかけての帯域)
をいう。また、光の吸収率がなだらかに変化するため
に、波長帯域の確定が困難な場合においては、いわゆる
半値幅(吸収率が最大吸収率の半分の値となる波長範
囲)を採用することもできる。
【0027】前記主波長範囲の過半が400nmから5
00nmの波長範囲にあり、700nm近傍での光の吸
収率が、600nmから700nmの波長範囲での吸収
率の平均値よりも小さいインクを、暗インクとして用い
ることもできる。
【0028】人間の視覚の色に対する感度は、光の波長
が650nm前後より長くなると徐々に低下し、700
nm近傍では大きな感度を有しないことが知られてい
る。実際、インクの分光特性が光の波長700nm近傍
でどのような特性であっても、人間が認識する色相には
大きな変化はない。これを換言すれば、好ましい特性の
インクを作ろうとする場合、インクの分光特性は波長7
00nm近傍に大きな自由度を有していることになり、
この自由度を活用することで、より好ましい色相のイン
クを作ることが可能である。このような望ましい色相の
暗インクとして、700nm近傍での光の吸収率が、6
00nmから700nmの波長範囲での吸収率の平均値
よりも小さなインクを用いることができる。また、主波
長範囲の過半が400nmから500nmの波長範囲に
あるようなインクとすれば、700nm近傍の自由度の
ある領域と主波長範囲とが、可視領域を挟んで反対側に
なるので、インクの設計が容易となって好ましい。
【0029】また、前記主波長範囲の過半が400nm
から500nmの波長範囲にあり、700nm近傍での
光の吸収率が、600nmから700nmの波長範囲で
の吸収率の平均値よりも大きいインクを、暗インクとし
て用いることもできる。上述した理由により、インクの
700nm近傍での光の吸収率を、600nmから70
0nmの範囲での吸収率の平均値よりも大きくすること
により、暗インクの色相をより好ましい色相とすること
ができるので好適である。
【0030】本発明の印刷制御装置においてドットの形
成有無を判断する暗インクは、次のような特徴を有する
インクとしてもよい。すなわち、(A)可視領域の光を
強く吸収してインクの色相を主に決定付ける特徴波長範
囲が、前記基本色インクの中の一の基本色インクの該特
徴波長範囲と重複し、(B)前記暗インクの特徴波長範
囲においては、該暗インクの光吸収率の平均値が、前記
一の基本色インクの光吸収率の平均値よりも、大きいか
あるいは略同一であり、(C)前記暗インクの特徴波長
範囲を除く可視光の波長範囲においては、該暗インクの
光吸収率の平均値が、前記一の基本色インクの光吸収率
の平均値よりも大きいインクである。
【0031】このような暗インクは、上記特徴(A)を
有するので、対応する基本色インクと色相が近似してい
るため、該基本色インクの組合せによって表現される色
を、多くの場合に該暗インクを含んだ組合せで表現可能
である。また、該暗インクは上記特徴(B)および特徴
(C)を有するために、基本色インクのみの組合せで表
現する場合より、該暗インクを含んだ組合せで表現する
方が、少ないインク量で表現可能となる。従って、暗イ
ンクを上記特徴(A)ないし(C)を有するインクとす
れば、暗インクを含んでドットの形成を判断することで
インク使用量の減少が可能な場合が増え、前述のように
インクデューティ制限により画質の悪化を余儀なくされ
ている諸条件において、粒状性の悪化を回避する等、画
質の向上可能な場合を増やすことができる。
【0032】かかる暗インクは、前記特徴波長範囲の過
半が400nmから500nmの波長範囲にあり、70
0nm近傍での光の吸収率が、600nmから700n
mの波長範囲での吸収率の平均値よりも小さいインクと
することもできる。
【0033】前述したように、インクの700nm近傍
での光の吸収率が変化しても、人間が認識するインクの
色相には大きな変化がないので、インクの分光特性には
波長700nm近傍に自由度があると考えることができ
る。従って、700nm近傍での暗インクの光の吸収率
を、600nmから700nmの波長範囲での吸収率の
平均値よりも小さくすることによって、暗インクの色相
をより好ましい色相とすることができる場合がある。ま
た、暗インクの特性波長範囲を、700nm近傍の自由
度のある領域に対し、可視領域を挟んで反対側に来るよ
うにすれば、インクの設計が容易となるので好適であ
る。
【0034】また、かかる暗インクは、前記特徴波長範
囲の過半が400nmから500nmの波長範囲にあ
り、700nm近傍での光の吸収率が、600nmから
700nmの波長範囲での吸収率の平均値よりも大きい
インクとすることもできる。
【0035】前述したように、波長700nm近傍の光
の吸収率の設定には自由度があると考えることができ
る。従って、この領域での暗インクの光の吸収率を、6
00nmから700nmの波長範囲での吸収率の平均値
よりも大きくすることによって、暗インクの色相をより
好ましい色相とすることができる場合があるので好まし
い。
【0036】本発明の印刷制御装置においてドットの形
成有無を判断する暗インクは、次のような特徴を有する
インクとしてもよい。すなわち、インクの色相が、マン
セルの色相環上で赤領域と緑領域とに挟まれた領域にあ
り、前記基本色インク中の該領域にある基本色インクよ
りも明度が低いインクである。
【0037】マンセルの色相環上で赤領域と緑領域とに
挟まれた領域は、大まかには黄色の色相を呈し、黄色は
明るい色であるために、インクの明度を低くしても比較
的インクドットが目立ち難い。従って、このような暗イ
ンクによるドットを形成することによって、印刷画質を
大きく改善することができるので好ましい。
【0038】かかる暗インクは、マンセルの色相環上で
黄領域を含み、該黄領域から緑領域との境界までの領域
にあるインクとしてもよい。かかる領域のインクは、大
まかには黄色であるが若干緑色がかった色相を呈する。
このような暗インクによるドットを形成すれば、若干緑
色がかった色相の画像を印刷する場合に、印刷画質を大
きく改善することができる。
【0039】また、かかる暗インクは、マンセルの色相
環上で黄領域を含み、該黄領域から赤領域との境界まで
の領域にあり、かつ肌色よりも彩度の小さいインクとす
ることもできる。マンセルの色相環上で黄色領域を含
み、該領域から赤領域との境界までの領域にあるインク
は、大まかには黄色であるが若干赤色がかった色相を呈
する。このような暗インクによるドットを形成すれば、
若干赤色がかった色相の画像を印刷する場合に、印刷画
質を大きく改善することができる。尚、該領域で彩度が
比較的大きな値の領域は、いわゆる「肌色」に近い色相
を呈している。大まかには黄色であるが若干赤色がかっ
たインクを暗インクとして使用する場合は、「肌色」よ
りも彩度の小さなインクを用いることで、印刷画質を更
に大きく改善することが可能である。従って、マンセル
の色相環上で黄領域を含み、該黄領域から赤領域との境
界までの領域にあり、かつ肌色よりも彩度の小さいイン
クを暗インクとして使用することが好ましい。
【0040】かかる暗インクは、色相がマンセル指標で
10Rから10GYの範囲にあり、前記複数の基本色イ
ンク中の該領域にある基本色インクよりも明度が低いイ
ンクとすることもできる。
【0041】かかる領域にあるインクは、大まかには黄
色の色相を呈するインクである。このような暗インクに
よるドットを形成することによって、印刷画質を大きく
改善することができるので好ましい。
【0042】かかる暗インクは、色相がマンセル指標で
10Rから10GYの範囲にあるが、特に色相が2.5
YRから7.5YRの値を取る場合は、彩度がマンセル
指標で3.5Cよりも小さな値をとるインクとしてもよ
い。
【0043】マンセル指標で2.5YRから7.5YR
の範囲では、彩度がマンセル指標で3.5Cより大きく
なると、いわゆる「肌色」の色彩を呈するようになる。
若干緑色がかった色相の画像を印刷する場合、暗インク
として、「肌色」を呈するインクよりも彩度の小さいイ
ンクを用いる方が、大きな画質改善効果を得ることがで
きる。従って、暗インクを、色相がマンセル指標で10
Rから10GYの範囲にあるが、特に色相が2.5YR
から7.5YRの値を取る場合は、彩度がマンセル指標
で3.5Cよりも小さな値を採るインクとすることが好
ましい。
【0044】かかる暗インクは、色相がマンセル指標で
10YRから10GYの範囲の値をとるインクとしても
よい。かかる領域のインクは、大まかには黄色であるが
若干緑色がかった色相を呈する。このような暗インクに
よるドットを形成すれば、若干緑色がかった色相の画像
を印刷する場合に、印刷画質を大きく改善することがで
きる。
【0045】また、色相がマンセル指標で10Yから1
0Rの範囲の値をとり、彩度がマンセル指標で3.5C
よりも小さな値をとるインクを、暗インクとして用いて
もよい。マンセル指標で色相が10Yから10Rの範囲
の値をとり、彩度がマンセル指標で3.5Cより大きな
値となると、いわゆる肌色に近い色相を呈するようにな
る。若干赤色がかった色相の画像を印刷する場合、暗イ
ンクとして、「肌色」よりも彩度の小さなインクを用い
ることによって、大きな印刷画質の改善効果を得ること
ができる。従って、色相がマンセル指標で10Yから1
0Rの範囲の値をとり、彩度がマンセル指標で3.5C
よりも小さな値をとるインクを、暗インクとして用いる
ことが好ましい。
【0046】画像データに基づいて、各種インクによる
ドットの形成有無を判断する本発明の印刷制御装置にお
いては、前記基本色インクによるドットと、前記暗イン
クによるドットに加えて、前記基本色インクと色相が略
同一で薄い色相の淡インクによるドットの形成有無を判
断するようにしてもよい。該判断結果を、各種インクド
ットの形成を制御するための制御情報として前記印刷部
に供給し、該印刷部では、該制御情報に従って、前記基
本色インクによるドットと、前記暗インクによるドット
と、前記淡インクによるドットとを印刷媒体上に形成す
る。
【0047】前述したように、淡インクを使用する印刷
装置では、ハイライト領域の画質が大幅に改善可能であ
る反面、シャドー領域ではインクデューティ制限の制約
から、ハイライト領域ほどには画質の改善効果が得にく
い傾向にある。従って、暗インクを使用することで、シ
ャドー領域における画質の改善を図ることができれば、
広い領域で画質を向上させることができるので好まし
い。
【0048】画像データに基づいて、各種インクによる
ドットの形成有無を判断する本発明の印刷制御装置にお
いては、次のような、前記各種インクを用いて大きさの
異なる2種類以上のドットを形成可能な印刷部に、ドッ
トの形成を制御する制御情報を供給する印刷制御装置と
してもよい。すなわち、前記各種インクについて、ドッ
トの形成有無と、前記印刷部で形成すべきドットの大き
さとを判断し、該判断結果を前記印刷部に供給し、該印
刷部では、該制御情報に従って、前記各種インクを用い
て、適切な大きさのドットを形成する。
【0049】大きさの異なる2種類以上のインクドット
を形成可能な印刷部を用いて、インクドットの大きさを
使い分ければ、印刷画質を向上させることができる。こ
のような場合でも、暗インクによるドットを形成するこ
とによって、ドット形成判断の自由度を向上させれば、
インクデューティ制限により画質の悪化を余儀なくされ
ている条件等においても、画質の向上を図ることが可能
となる。
【0050】画像データに基づいて、各種インクによる
ドットの形成有無を判断する本発明の印刷制御装置は、
少なくともイエロインクを含む前記複数の基本色インク
によるドットの形成有無と、主に吸収する光の波長範囲
が該イエロインクと重複しかつ該イエロインクより明度
の低いダークイエロインクによるドットの形成有無とを
判断し、該判断結果を、前記複数の基本色インクのドッ
トと前記ダークイエロインクのドットとを形成可能な印
刷部に供給してもよい。かかる印刷部では、各種ドット
の形成有無についての判断結果の供給を受けて、少なく
ともイエロインクを含む各種基本色インクのドットと、
前記ダークイエロインクのドットとを形成して画像を印
刷する。
【0051】イエロインクは比較的明度の高いインクで
あるため、該イエロインクよりも明度の低いダークイエ
ロも、比較的明度の高いインクとすることができる。こ
のため、ダークイエロインクはドットが比較的目立ち難
いインクとすることができる。従って、かかるダークイ
エロインクを用いてドットを形成することによって、印
刷画質を大きく向上させることが可能となる。
【0052】本発明の印刷制御装置において、基本色イ
ンクのドットとして、少なくともシアンインク,マゼン
タインク,イエロインクによるインクドットの形成有無
を判断することとすれば、次のような特徴を有するイン
クを暗インクとすることもできる。すなわち、(A)色
相が、前記シアンインクとマゼンタインクとイエロイン
クの中ではもっともイエロインクに近く、(B)マンセ
ルの色相環上で赤から緑までの各色相の画像を印刷する
ために、前記基本色インクとともにドットを形成するよ
う判断されるインクである。
【0053】マンセルの色相環上で赤から緑までの各色
相の画像は、イエロインクのドットに、マゼンタインク
のドットあるいはシアンインクのドットを適切に形成す
ることで印刷することができる。従って、暗インクのド
ットと基本色インクのドットとを形成することによって
も、かかる領域の画像を印刷することが可能となれば、
各色インクドットのドット形成判断の自由度が向上する
ことになるので、それだけ画質の向上を図ることが可能
となって好適である。
【0054】本発明の印刷制御装置において、基本色イ
ンクのドットとして、少なくともシアンインク,マゼン
タインク,イエロインクによるインクドットの形成有無
を判断することとすれば、次のような特徴を有するイン
クを暗インクとすることもできる。すなわち、(A)色
相が、前記シアンインクとマゼンタインクとイエロイン
クの中ではもっともイエロインクに近く、(B)黄色か
ら黒色に色相が変化する画像を印刷する場合に、前記シ
アンインクあるいはマゼンタインクによるドットに先駆
けてドットを形成するよう判断されるインクである。
【0055】マゼンタインクによるドットやシアンイン
クによるドットは、黄色の画像に形成した場合に、画像
の明度が低く(暗く)なってから形成するのでなけれ
ば、比較的目立ち易いドットである。従って、黄色から
黒色に色相が変化する画像を印刷する場合、マゼンタイ
ンクのドットやシアンインクのドットを形成するよりも
前に、上記の暗インクを形成することによって画像の明
度を低くしておけば、マゼンタインクやシアンインクの
ドットを目立たなくすることができる。上記の暗インク
の色相は、イエロインクに最も近いので、黄色の画像中
に形成してもドットが比較的目立ち難く、従って、マゼ
ンタインクやシアンインクに先駆けてドットを形成して
も、暗インクのドットが目立って画質を低下させること
は少ない。このことから、上記のような特徴を有するイ
ンクを暗インクとして使用することにより、印刷画質の
向上を図ることができるので好適である。尚、シアンイ
ンクの淡インクである淡シアンインクのドットや、ある
いはマゼンタインクの淡インクである淡マゼンタインク
のドットは、明度が比較的高い(明るい)画像に形成し
ても、それほどドットが目立つことはない。従って、暗
インクは、淡シアンインクのドットや淡マゼンタインク
のドットが形成された上に、重ねてドットが形成される
ようなインクであっても構わない。また、大きさの異な
るドットを形成可能な場合、ドットの大きさが小さけれ
ば、明度が比較的高い画像に形成しても、それほどドッ
トが目立つことはない。このことから淡インクの場合と
同様に、暗インクは、シアンインクあるいはマゼンタイ
ンクによって小さなインクドットが形成された上に、重
ねてドットが形成されるようなインクであっても構わな
い。
【0056】本発明の印刷制御装置において、基本色イ
ンクのドットとして、少なくともシアンインク,マゼン
タインク,イエロインクによるインクドットの形成有無
を判断することとすれば、次のような特徴を有するイン
クを暗インクとすることもできる。すなわち、(A)色
相が、前記シアンインクとマゼンタインクとイエロイン
クの中ではもっともイエロインクに近く、かつ明度が、
該イエロインクよりも低く、(B)前記シアンインクあ
るいはマゼンタインクのいずれか一方の色相から黒色に
色相が変化する画像を印刷する場合に、他方の色相のイ
ンクに先駆けてドットを形成するよう判断されるインク
である。
【0057】マゼンタの画像中に形成したシアンインク
のドットや、シアンの画像中に形成したマゼンタインク
のドットは、画像の明度が低く(暗く)なってから形成
するのでなければ、比較的目立ち易いドットである。従
って、マゼンタからブラックに色相が変化する画像や、
シアンからブラックに色相が変化する画像を印刷する場
合、マゼンタインクのドットあるいはシアンインクのド
ットに先駆けて、上記の暗インクを形成することによっ
て画像の明度を低くしておけば、マゼンタインクやシア
ンインクのドットを目立たなくすることができる。上記
の暗インクは、色相がイエロインクに最も近いので、イ
エロインクのドットと同様に、マゼンタの画像中に形成
しても、シアンの画像中に形成してもドットが比較的目
立ち難い。このため、マゼンタインクやシアンインクに
先駆けてドットを形成しても、暗インクのドットが目立
って画質を低下させることはない。このことから、上記
のような特徴を有するインクを暗インクとして使用する
ことにより、印刷画質の向上を図ることができるので好
適である。尚、淡シアンインクのドットや淡マゼンタイ
ンクのドットは、明度が比較的高い(明るい)画像に形
成しても、それほどドットが目立つことはない。従っ
て、暗インクは、淡シアンインクのドットや淡マゼンタ
インクのドットが形成された上に、重ねてドットが形成
されるようなインクであっても構わない。また、大きさ
の異なるドットを形成可能な場合、ドットの大きさ小さ
ければ、明度の比較的高い画像に形成しても、それほど
ドットが目立つことはない。このことから淡インクの場
合と同様に、暗インクは、シアンインクあるいはマゼン
タインクによって小さなドットが形成された上に、重ね
てドットが形成されるようなインクであっても構わな
い。
【0058】本発明の印刷制御装置において、基本色イ
ンクのドットとして、少なくともシアンインク,マゼン
タインク,イエロインクによるインクドットの形成有無
を判断することとすれば、次のような特徴を有するイン
クを暗インクとすることもできる。すなわち、(A)色
相が、前記シアンインクとマゼンタインクとイエロイン
クの中ではもっともイエロインクに近く、かつ明度が該
イエロインクよりも低く、(B)前記シアンインクある
いはマゼンタインクのいずれか一方の色相から黒色に色
相が変化する画像を印刷する場合に、前記イエロインク
のドットが形成された後にドットを形成するよう判断さ
れるインクである。
【0059】マゼンタの画像中に形成したシアンインク
のドットや、シアンの画像中に形成したマゼンタインク
のドットは、画像の明度が低く(暗く)なってから形成
するのでなければ、比較的目立ち易いドットである。こ
れら画像中にイエロドットを形成することで若干は画像
の明度を低くすることができるが、依然として、シアン
ドットやマゼンタドットを形成するとこれらドットが目
立ってしまうことがある。そこで、イエロインクのドッ
トに続けて、上記の暗インクを形成して画像の明度を更
に低くしておけば、マゼンタインクやシアンインクのド
ットを目立たなくすることができる。上記の暗インク
は、色相がイエロインクに最も近いので、イエロインク
のドットと同様に、マゼンタの画像中に形成しても、シ
アンの画像中に形成してもドットが比較的目立ち難い。
このことから、上記のような特徴を有するインクを暗イ
ンクとして使用することにより、印刷画質の向上を図る
ことができるので好適である。
【0060】本発明の印刷制御装置において、基本色イ
ンクのドットとして、少なくともシアンインク,マゼン
タインク,イエロインクによるインクドットの形成有無
を判断するとともに、該シアンインクあるいはマゼンタ
インクと色相が略同一で薄い色相の淡インクによるイン
クドットの形成有無を判断することとすれば、次のよう
な特徴を有するインクを暗インクとすることもできる。
すなわち、(A)色相が、前記シアンインクとマゼンタ
インクとイエロインクの中ではもっともイエロインクに
近く、(B)黄色から黒色に色相が変化する画像を印刷
する場合に、前記淡インクによるドットが形成された後
にドットを形成するよう判断されるインクである。
【0061】マゼンタインクによるドットやシアンイン
クによるドットは、黄色の画像に形成した場合に、画像
の明度が低く(暗く)なってから形成するのでなけれ
ば、比較的目立ち易いドットである。従って、黄色から
黒色に色相が変化する画像を印刷する場合、前記淡イン
クのドットを形成すれば画像の明度を低くすることがで
きる。淡インクのドットに加えて、上記の暗インクのド
ットを形成すれば、画像の明度を更に低くすることがで
きるので、マゼンタインクやシアンインクのドットをよ
り一層目立たなくすることができる。上記の暗インクの
色相は、イエロインクに最も近いので、黄色の画像中に
形成してもドットが比較的目立ち難く、ドットが目立っ
て画質を低下させることはない。このことから、上記の
ような特徴を有するインクを暗インクとして使用するこ
とにより、印刷画質の向上を図ることができるので好適
である。
【0062】かかる印刷制御装置においてドットの形成
有無が判断される淡インクは、シアンインクと色相が略
同一で薄い色相のライトシアンインクとしてもよく、あ
るいは、マゼンタインクと色相が略同一で薄い色相のラ
イトマゼンタインクとしてもよい。これら淡インクによ
るドットが形成された後にドットが形成されるインクを
暗インクとしてもよい。更には、前記ライトシアンイン
クによるドットと前記ライトマゼンタインクによるドッ
トがともに形成された後にドットが形成されるインクを
暗インクとしてもよい。
【0063】これら淡インクのドットを形成することに
よって、黄色の画像の明度を低くすることができるが、
これに加えて前述の暗インクのドットを形成すれば、黄
色の画像の明度を更に下げることができるので、シアン
インクのドットやマゼンタインクのドットがより一層目
立たなくなって画質を向上させることができる。
【0064】画像データに基づいて、各種インクによる
ドットの形成有無を判断する本発明の印刷制御装置ある
いは印刷制御方法は、少なくともシアンインクとマゼン
タインクとイエロインクとを含む複数の基本色インクに
よるドットの形成有無と、主に吸収する光の波長範囲が
該イエロインクと重複しかつ従として吸収する光の波長
範囲が該シアンインクあるいは該マゼンタインクの少な
くともいずれかが主に吸収する波長範囲と重複するとと
もに該イエロインクより明度の低いダークイエロインク
によるドットの形成有無とを判断し、該判断結果を、前
記複数の基本色インクのドットと前記ダークイエロイン
クのドットとを形成可能な印刷部に供給してもよい。か
かる印刷部では、各種ドットの形成有無についての判断
結果の供給を受けて、少なくともシアンインクとマゼン
タインクとイエロインクとを含む各種基本色インクのド
ットと、前記ダークイエロインクのドットとを形成して
画像を印刷する。
【0065】イエロインクは比較的明度の高いインクで
あるため、該イエロインクよりも明度の低いダークイエ
ロは、シアンインクやマゼンタインクに比べて比較的明
度の高いインクとすることができる。すなわち、ダーク
イエロインクはシアンインクやマゼンタインクに比べ
て、ドットの目立ち難いインクとすることができる。従
って、シアンインクとマゼンタインクとイエロインクに
加えて、ダークイエロインクによるドットを形成して画
像を印刷することによって、印刷画質を大きく向上させ
ることが可能となる。
【0066】また、前述した印刷システムに適用可能な
本発明の印刷装置は、次の構成を採用した。すなわち、
印刷媒体上に各種インクによるドットを形成するヘッド
を備え、該各種インクドットの形成を制御する制御情報
を受け取り、該制御情報に基づいて該各種インクドット
を形成することによって画像を印刷する印刷装置であっ
て、組合せにより無彩色を表現可能な複数の基本色イン
クを、前記ヘッドに供給する基本色インク供給手段と、
主に吸収する光の波長範囲が前記基本色インクの中の一
の基本色インクと重複しかつ従として吸収する光の波長
範囲が他の基本色インクの少なくともいずれかが主に吸
収する波長範囲と重複するとともに該一の基本色インク
よりも明度の低い暗インクを、前記ヘッドに供給する暗
インク供給手段と、前記複数の基本色インクのドットお
よび前記暗インクのドットについての、前記制御情報を
受け取る制御情報受取手段と、前記受け取った制御情報
に基づいて前記ヘッドを駆動することにより、前記基本
色インクによるドットと前記暗インクによるドットとを
形成するドット形成手段とを備えることを要旨とする。
【0067】上記の印刷装置に対応する本発明の印刷方
法は、各種インクによるドットの形成を制御するための
制御情報を受け取り、印刷媒体上に該各種インクによる
ドットを形成するヘッドを、該制御情報に基づいて駆動
することにより画像を印刷する印刷方法であって、組合
せにより無彩色を表現可能な複数の基本色インクと、主
に吸収する光の波長範囲が前記基本色インクの中の一の
基本色インクと重複しかつ従として吸収する光の波長範
囲が他の基本色インクの少なくともいずれかが主に吸収
する波長範囲と重複するとともに該一の基本色インクよ
りも明度の低い暗インクとを、前記ヘッドに供給し、前
記複数の基本色インクのドットおよび前記暗インクのド
ットについての、前記制御情報を受け取り、前記受け取
った制御情報に基づいて前記ヘッドを駆動することによ
り、前記基本色インクによるドットと前記暗インクによ
るドットとを形成して画像を印刷することを要旨とす
る。
【0068】かかる印刷装置および印刷方法において
は、前記複数の基本色インクと前記暗インクとについ
て、各種ドットの形成を制御する制御情報を受け取り、
該制御情報に基づいて前記ヘッドを駆動することによっ
て、印刷媒体上に該基本色インクのドットと該暗インク
のドットとを形成して画像を印刷する。
【0069】基本色インクのドットに加えて、暗インク
のドットも形成可能とすれば、ドット形成判断の自由度
が増加するので、それだけ各種ドットの形成有無の判断
を適切に行うことができる。従って、前記基本色インク
と前記暗インクとをヘッドに供給しておき、該各種ドッ
トの判断結果に従ってヘッドを駆動すれば、印刷媒体上
に各種ドットを適切に形成して高画質の画像を印刷する
ことができるので好ましい。
【0070】かかる印刷装置においては、前記基本色イ
ンクのドットとして、少なくともシアンインクのドット
と、マゼンタインクのドットと、イエロインクのドット
とを含む各種インクのドットを形成可能としてもよい。
【0071】少なくともシアンインク,マゼンタイン
ク,イエロインクの各種インクによるドットを形成可能
であれば、実用上の大きな不都合が生じない程度に種々
の色相を表現することができる。このような各種インク
のドットに加えて、暗インクのドットが形成可能となれ
ば、ドット形成有無の判断に自由度が生まれるので、印
刷画質の高画質化を図ることが可能となって好適であ
る。
【0072】上記の印刷装置においては、前記シアンイ
ンクのドットと、マゼンタインクのドットと、イエロイ
ンクのドットに加えて、少なくともブラックインクのド
ットを形成可能とするとともに、主に吸収する光の波長
範囲が前記イエロインクと重複しかつ該イエロインクよ
り明度の低いダークイエロインクを形成可能としてもよ
い。
【0073】シアンインク,マゼンタインク,イエロイ
ンクに加えてブラックインクの形成が可能となれば、そ
れだけ高画質の画像を印刷することが可能となる。この
ような各種インクのドットに加えて、前記ダークイエロ
インクのドットを形成すれば、それだけドット形成の自
由度が増加するので、印刷画質の高画質化を図ることが
可能となる。
【0074】かかる印刷装置においては、前記基本色イ
ンクのドットとして、少なくともシアンインクのドット
と、マゼンタインクのドットと、イエロインクのドット
とを形成可能であるとともに、該基本色インク中の一の
インクと色相が略同一で薄い色相の淡インクによるドッ
トを形成可能とし、更に、前記暗インクによるドットと
を形成可能としてもよい。
【0075】淡インクを含んだ各種インクのドットを形
成可能とすれば印刷画質の向上を図ることができ、更に
暗インクのドットを形成可能とすれば、各種ドットの形
成有無を判断する際の自由度が増加するので、印刷画質
の更なる高画質化を図ることができる。
【0076】かかる印刷装置においては、前記基本色イ
ンクのドットとして、少なくともシアンインクのドット
と、マゼンタインクのドットと、イエロインクのドット
とを形成可能であるとともに、各色インクのドットにつ
いて、大きさの異なる2種類以上のドットを形成可能と
してもよい。
【0077】各種インクについて大きさの異なる2種類
以上のドットを形成可能とすれば印刷画質の向上を図る
ことができる。更に暗インクのドットを形成可能とすれ
ば、各種ドットの形成有無を判断する際の自由度が増加
するので、印刷画質の更なる高画質化を図ることができ
る。
【0078】かかる印刷装置においては、前記複数の基
本色インクおよび前記暗インクを互いに分離して収容可
能なインク収容部を備えることとしても良い。
【0079】前記複数の基本色インクおよび前記暗イン
クを互いに分離して収容可能なインク収容部を印刷装置
に備えれば、該インク収容部から各種インクを前記ヘッ
ドに供給することで、該複数の基本色インクのドットお
よび該暗インクのドットを印刷媒体上に形成して、高画
質の画像を印刷することが可能となるので好適である。
尚、各種インクを互いに分離して収容可能とは、各種イ
ンク同士が互いに混じり合わないように収容可能であれ
ば良く、前記各種インクがインク収容部に一体に収容さ
れている態様も、あるいは別体に収容されている態様も
含まれる。
【0080】かかる印刷装置においては、前記暗インク
に対応する前記一の基本色インクよりも、多量の該暗イ
ンクを収容可能なインク収容部を備えることとしても良
い。
【0081】風景画や人物画などのいわゆる自然画像を
印刷する場合、暗インクは、色相の近い基本色インクよ
りも多量に使用される傾向がある。従って、対応する基
本色インクよりも多量の暗インクを収容な可能なインク
収容部を備えれば、各種インクの収容量をインクの使用
量に近づけることができるので好適である。
【0082】本発明の印刷装置および該印刷装置に対応
する印刷方法においては、少なくともシアンインクとマ
ゼンタインクとイエロインクとを含む複数の基本色イン
クについてのドット形成を制御する制御情報と、主に吸
収する光の波長範囲が前記イエロインクと重複しかつ
として吸収する光の波長範囲が該シアンインクあるいは
該マゼンタインクの少なくともいずれかが主に吸収する
波長範囲と重複するとともに該イエロインクより明度の
低いダークイエロインクについてのドット形成を制御す
る制御情報とを受け取り、該制御情報に基づきヘッドを
駆動することによって、前記各種のインクドットを形成
することとしてもよい。
【0083】かかる印刷装置および印刷方法において
は、シアンインクとマゼンタインクとイエロインクの各
種ドットに加えて、前記ダークイエロインクのドットを
形成可能とすることにより、ドット形成判断の自由度が
増大するので、それだけ印刷画像の高画質化を図ること
ができる。
【0084】かかる印刷装置においては、少なくともシ
アンインクとマゼンタインクとイエロインクとダークイ
エロインクとを互いに分離して収容可能であり、イエロ
インクより多量のダークイエロインクを収容可能なイン
ク収容部を備えることとしても良い。
【0085】風景画や人物画などのいわゆる自然画像を
印刷する場合、ダークイエロインクはイエロインクより
も多めに使用される傾向があるので、イエロインクより
ダークイエロインクを多めに収容可能なインク収容部を
備えることとすれば、インク収容量をインク使用量に近
づけることができるので好適である。
【0086】また、本発明は前述した印刷システム、あ
るいは印刷制御装置の機能を実現するプログラムをコン
ピュータに読み込むことによって、該コンピュータを用
いて実現することも可能である。従って、本発明は次の
ような記録媒体としての構成を採ることもできる。すな
わち、本発明の印刷システムの機能を実現するプログラ
ムを記録した記録媒体としての態様は、印刷媒体上に各
種インクによるインクドットを形成して画像を印刷する
方法を実現するプログラムを、コンピュータで読み取り
可能に記録した記録媒体であって、組合せにより無彩色
を表現可能な複数の基本色インクによるドットの形成有
無と、主に吸収する光の波長範囲が該基本色インク中の
一の基本色インクと重複しかつ従として吸収する光の波
長範囲が他の基本色インクの少なくともいずれかが主に
吸収する波長範囲と重複するとともに該一の基本色イン
クより明度の低い暗インクによるドットの形成有無と
を、画像データに基づいて判断する機能と、前記各種イ
ンクのドットについての前記判断結果に基づいて、前記
基本色インクによるドットの形成、および前記暗インク
によるドットの形成を制御する機能とをコンピュータを
用いて実現するプログラムを記録した記録媒体としての
態様である。
【0087】また、本発明の印刷制御装置の機能を実現
するプログラムを記録した記録媒体としての態様は、印
刷媒体上に各種インクによるドットを形成する印刷部
に、該ドットの形成を制御するための制御情報を供給し
て、該印刷部の印刷動作を制御する方法を実現するプロ
グラムを、コンピュータで読み取り可能に記録した記録
媒体であって、組合せにより無彩色を表現可能な複数の
基本色インクによるドットの形成有無と、主に吸収する
光の波長範囲が該基本色インク中の一の基本色インクと
重複しかつ従として吸収する光の波長範囲が他の基本色
インクの少なくともいずれかが主に吸収する波長範囲と
重複するとともに該一の基本色インクより明度の低い暗
インクによるドットの形成有無とを、画像データに基づ
いて判断する機能と、前記各種インクのドットについて
の判断結果を、前記制御情報として前記印刷部に供給し
て、該印刷部での印刷を制御する機能とをコンピュータ
を用いて実現するプログラムを記録した記録媒体として
の態様である。
【0088】また、本発明の印刷装置の機能を実現する
プログラムを記録した記録媒体としての態様は、各種イ
ンクによるドットの形成を制御するための制御情報を受
け取り、印刷媒体上に該各種インクによるドットを形成
するヘッドを、該制御情報に基づいて駆動することによ
り画像を印刷する方法を実現するプログラムを、コンピ
ュータで読み取り可能に記録した記録媒体であって、組
合せにより無彩色を表現可能な複数の基本色インクによ
るドットの形成を制御する前記制御情報と、主に吸収す
る光の波長範囲が前記基本色インクの中の一の基本色イ
ンクと重複しかつ従として吸収する光の波長範囲が他の
基本色インクの少なくともいずれかが主に吸収する波長
範囲と重複するとともに該一の基本色インクよりも明度
の低い暗インクによるドットの形成を制御する前記制御
情報とを受け取る機能と、前記受け取った制御情報に基
づいて前記ヘッドを駆動することにより、前記基本色イ
ンクによるドットと前記暗インクによるドットとを形成
して画像を印刷する機能とをコンピュータを用いて実現
するプログラムを記録した記録媒体としての態様であ
る。
【0089】これら記録媒体に記録されたプログラムを
コンピュータで読み取り、該コンピュータを用いて上述
の各種機能を実現すれば、前記複数の基本色インクによ
るドットに加えて、前記暗インクによるドットを形成す
ることにより、印刷画像の高画質化を図ることができ
る。
【0090】また、上記の印刷制御装置の機能を実現す
るプログラムを記録した記録媒体においては、カラー画
像を表現する色彩と、該色彩を表現する前記複数の基本
色インクおよび暗インクの組合せとを、互いに対応付け
て予め記憶しておいてもよい。前記各種インクによるド
ットの形成有無を判断する際には、前記記憶されている
対応関係に基づいて、前記複数の基本色インクによるド
ットと前記暗インクによるドットの形成有無を判断す
る。こうすれば、各種ドットの形成有無の判断を迅速か
つ的確に行うことができる。
【0091】また、前記基本色インクとしては、シアン
インクとマゼンタインクとイエロインクとが使用される
ことが多く、暗インクとしては、これらインク中で最も
明度の高い(明るい)インクであるイエロインクに色相
が近いインクとすることが好ましい。このことから、上
述した印刷制御装置の機能を実現するプログラムを記録
した記録媒体は、次のような態様とすることもできる。
すなわち、各種インクによるドットを形成可能な印刷部
に、該ドットの形成を制御するための制御情報を供給し
て、該印刷部での印刷動作を制御する方法を実現するプ
ログラムを、コンピュータで読み取り可能に記録した記
録媒体であって、少なくともシアンインクとマゼンタイ
ンクとイエロインクとを含む複数の基本色インクによる
ドットの形成有無と、主に吸収する光の波長範囲が該イ
エロインクと重複しかつ従として吸収する光の波長範囲
が該シアンインクあるいは該マゼンタインクの少なくと
もいずれかが主に吸収する波長範囲と重複するとともに
該イエロインクより明度の低いダークイエロインクによ
るドットの形成有無とを、画像データに基づいて判断す
る機能と、前記各種インクのドットについての前記判断
結果を、前記制御情報として前記印刷部に供給して、該
印刷部での印刷を制御する機能とをコンピュータを用い
て実現するプログラムを記録した記録媒体としての態様
である。
【0092】また、上述した印刷装置の機能を実現する
プログラムを記録した記録媒体は、次のような態様を採
ることもできる。すなわち、各種インクによるドットの
形成を制御するための制御情報を受け取り、印刷媒体上
に該各種インクによるドットを形成するヘッドを、該制
御情報に基づいて駆動することにより画像を印刷する方
法を実現するプログラムを、コンピュータで読み取り可
能に記録した記録媒体であって、少なくともシアンイン
クとマゼンタインクとイエロインクとを含む複数の基本
色インクによるドットの形成を制御する前記制御情報
と、主に吸収する光の波長範囲が前記イエロインクと重
複しかつ従として吸収する光の波長範囲が該シアンイン
クあるいは該マゼンタインクの少なくともいずれかが主
に吸収する波長範囲と重複するとともに該イエロインク
よりも明度の低いダークイエロインクによるドットの形
成を制御する前記制御情報とを受け取る機能と、前記受
け取った制御情報に基づいて前記ヘッドを駆動すること
により、前記基本色インクによるドットと前記ダークイ
エロインクによるドットとを形成して画像を印刷する機
能とをコンピュータを用いて実現するプログラムを記録
した記録媒体としての態様である。
【0093】これら記録媒体に記録されている各種機能
をコンピュータで実現すれば、少なくともシアンインク
とマゼンタインクとイエロインクとダークイエロインク
の各種ドットを形成して、高画質の画像を印刷すること
が可能となる。
【0094】更に、本発明の印刷装置においては、暗イ
ンク供給手段によって暗インクが供給されることに着目
すれば、本発明は次のように、暗インクを収納するイン
ク収容体としての種々の態様を採ることも可能である。
すなわち、組合せにより無彩色を表現可能な複数の基本
色インクを用いて画像を印刷する印刷装置に装着され、
該印刷装置に供給するインクを収容したインク収容体で
あって、前記複数の基本色インクと該基本色インクより
明度の低い暗インクとを用いて画像を印刷する印刷装置
に供給するために、該暗インクを収容している暗インク
収容部を備え、前記暗インク収容部には、主に吸収する
光の波長範囲が前記基本色インク中の一の基本色インク
と重複しかつ従として吸収する光の波長範囲が他の基本
色インクの少なくともいずれかが主に吸収する波長範囲
と重複するとともに該一の基本色インクより明度の低い
インクが、前記暗インクとして収容されているインク収
容体としての態様である。
【0095】かかるインク収容体を印刷装置に装着すれ
ば、該印刷装置は前記暗インクによるドットを形成する
ことができる。従って、前述したように、ドット形成判
断の自由度増大を通じて印刷画像の高画質化を図ること
が可能となる。
【0096】かかるインク収容体は、前記複数の基本色
インクの中の一の基本色インクよりも、明度と彩度が低
いインクを、前記暗インクとして収容してもよい。
【0097】また、かかるインク収容体は、可視領域の
光を最も強く吸収する主波長範囲が前記基本色インクの
中の一の基本色インクと重複し、可視領域の波長範囲で
光の吸収率を積分した値が該一の基本色インクよりも大
きいインクを、前記暗インクとして収容してもよい。
【0098】更には、かかるインク収容体は、次のよう
な特徴を有するインクを暗インクとして収容したインク
収容体とすることもできる。すなわち、(A)可視領域
の光を強く吸収しインクの色相を主に決定付ける特徴波
長範囲が、前記基本色インクの中の一の基本色インクの
特徴波長範囲と重複し、(B)前記暗インクの特徴波長
範囲においては、該暗インクの光吸収率の平均値が、前
記一の基本色インクの光吸収率の平均値より、大きいか
あるいは略同一であり、(C)前記暗インクの特徴波長
範囲を除く可視光の波長範囲においては、該暗インクの
光吸収率の平均値が、前記一の基本色インクの光吸収率
の平均値より大きいインクである。
【0099】これら暗インクを収容したインク収容体を
印刷装置に装着すれば、該印刷装置では暗インクによる
ドットを形成することが可能となるので、高画質の画像
を印刷することができて好適である。
【0100】本発明のインク収容体は、前記暗インクに
加えて、前記複数の基本色インクの中の一の基本色イン
クを収容したインク収容体とすることもできる。あるい
は、前記暗インクに加えて、無彩色で明度の低いインク
たるブラックインクを収容したインク収容体とすること
もできる。更には、前記暗インクに加えて、前記基本色
インクと色相が略同一で薄い色相の淡インクを収容した
インク収容体としてもよい。
【0101】これら各種のインクを、暗インクとともに
同じインク収容体に収容すれば、各種インクを単独で収
容する場合に比べて、インク収容体全体をコンパクトに
構成することができる。
【0102】また、本発明のインク収容体は、前記暗イ
ンクに加えて、前記複数の基本色インクの中の一の基本
色インクと、前記基本色インクと色相が略同一で薄い色
相の淡インクとを収容したインク収容体としてもよい。
これらの各種インクを同じインク収容体に収容すれば、
インク収容体全体をコンパクトに構成することができ
る。また、カラー画像を印刷する場合には、これら各種
インクのインクが主に消費され、文書などの白黒画像を
印刷する場合には、いわゆるブラックインクが主に消費
される。従って、カラー画像の印刷に主に消費されるこ
れら各種のインクを、ブラックインクとは別体として、
ひとつのインク収容体に収容しておけば、印刷する画像
に合わせて主にインクが消費されるインク収容体のみを
交換することができるので好ましい。
【0103】本発明のインク収容体は、次のような特徴
を有するインクを暗インクとして収容してもよい。すな
わち、 (A)可視領域の光を強く吸収しインクの色相を主に決
定付ける特徴波長範囲の過半が、400nmから500
nmまでの波長域にあり、 (B)前記特徴波長範囲を除く可視領域に従として光を
吸収する波長範囲を少なくとも1つ有するとともに、 (C)前記特徴波長範囲を除く可視領域で の光の吸収率
の平均値が10%から60%であるインクである。
【0104】あるいは本発明のインク収容体は、次のよ
うな特徴を有するインクを暗インクとして収容してもよ
い。すなわち、 (A)マンセルの色相環上で、色相が10Rから10Y
R、または10Yから10GYのいずれかの領域にあ
り、 (B)マンセルの色相環上で、彩度が3.5Cよりも小
さな値をとるインクである。
【0105】かかるインクを収容したインク収容体を印
刷装置に装着すれば、該印刷装置は暗インクによるドッ
トを形成することによって、高画質の画像を印刷するこ
とが可能となるので好適である。
【0106】本発明のインク収容体は、イエロインク
と、該イエロインクよりも明度の低いダークイエロイン
クとを収容したインク収容体とすることもできる。ま
た、ダークイエロインクとブラックインクとを収容した
インク収容体としてもよい。更には、イエロインクとダ
ークイエロインクとシアンインクとライトシアンインク
とマゼンタインクとライトマゼンタインクとを収容した
インク収容体とすることもできる。
【0107】これら各種インクを同じインク収容体に収
容すれば、それぞれを別体のインク収容体に収容する場
合に比べて、インク収容体を全体としてコンパクトに構
成することができる。
【0108】また、これらのインク収容体においては、
ダークイエロインクのインク収容量を、イエロインクの
インク収容量よりも多く設定してもよい。風景画や人物
画などのいわゆる自然画像を印刷する場合、イエロイン
クの消費量よりもダークイエロインクの消費量の方が多
くなる傾向があるので、ダークイエロインクのインク収
容量をイエロインクの収容量よりも多くしておけば、ほ
ぼ同時にインクを使い切ることができる。そうすれば、
一方のインクを使い切ってしまったために、他方のイン
クが多量に残っているにもかかわらず、インク収容体を
交換するといったインクの無駄を少なくすることができ
るので好適である。
【0109】かかるインク収容体は、ダークイエロイン
クと、ライトシアンインクと、ライトマゼンタインクと
を収容したインク収容体とすることもできる。これら各
インクを同じ収容体に収容すれば、別体の収容体に収容
する場合に比べて、インク収容体を全体としてコンパク
トにすることができる。また、風景画や人物画などのい
わゆる自然画像を印刷する場合、これらのインクの消費
量が多くなる傾向がある。従って、これらインクの無く
なり易いダークイエロインクとライトシアンインクとラ
イトマゼンタインクとを同じインク収容体に収容してお
けば、これらインクが収容されているインク収容体のみ
を交換することができるので好適である。
【0110】また、本発明のインク収容体においては、
読み書き可能でかつ不揮発的に記憶可能な記憶部をイン
ク収容体に設けておき、収容されているインク量に関す
る情報をかかる記憶部に記憶しておいてもよい。
【0111】収容されているインク量に関する情報をイ
ンク収容体に記憶しておけば、常に正確なインク量を把
握しながら印刷することができるので、印刷途中にイン
クが無くなってしまうといった不都合が生じることがな
い。
【0112】また、かかるインク収容体に設けられた記
憶部は、該インク収容体が装着される印刷装置によっ
て、最初に書き込みされる領域であって、前記インク量
に関する情報を格納するインク量情報記憶領域を備える
記憶部としてもよい。
【0113】ここで、最初に書き込みされる領域とは、
例えば、記憶部の先頭領域であり、あるいは記憶部の領
域であって印刷装置によって最初に書き込みされる領域
を意味する。インク量に関する情報をこのような領域に
格納することとすれば、迅速に情報を書き込むことがで
きる。従って、情報の書き込み中に印刷装置の電源が切
断されて書き込み中の情報が破壊されるといったおそれ
を少なくすることができるので好ましい。
【0114】更に、上述のインク収容体に収容された暗
インクを使い切った場合に、インク補充器を用いて該イ
ンク収容体に暗インクを補充することによって、引き続
き暗インクのドットを形成して高画質の画像を印刷する
ことが可能である。従って、本発明にインク収容体とし
ての態様が含まれているのと同様に、以下のようなイン
ク補充器としての態様も含まれている。すなわち、印刷
装置に装着されて該印刷装置が使用するインクを収容し
たインク収容体に、インクを補充するインク補充器であ
って、(A)可視領域の光を強く吸収しインクの色相を
主に決定付ける特徴波長範囲の過半が、400nmから
500nmまでの波長域にあり、(B)前記特徴波長範
囲を除く可視領域の光の吸収率の平均値が、10%から
60%の範囲の値をとるという特徴を有するインクが密
封されているインク密封部と、前記密封されているイン
クを、前記インク収容体に補充するインク補充部とを備
えるインク補充器としての態様である。
【0115】かかるインク補充器は、インクが密封され
ているインク密封部と、該密封されているインクをイン
ク収容体に補充するインク補充部とを備えており、該イ
ンク密封部には、前記(A)および(B)のような特徴
を有するインクが密封されている。該インクは、インク
の色相を主に決定付ける特徴波長範囲の過半が、400
nmから500nmの波長範囲にあることから、大まか
には黄色の色相を呈するインクである。また、該特徴波
長範囲以外での可視領域の光吸収率の平均値が10%か
ら60%の範囲のインクであることから、該インクは明
度の低い(暗い)インクである。すなわち、これら
(A)および(B)の特徴を有するインクは、前述の暗
インクに代替え可能なインクであり、従って、インク収
容体に収容されているインクが無くなった場合に、該イ
ンクをインク収容体に補充すれば、そのまま暗インクに
よるドットを形成して、高画質の画像を印刷することが
可能となる。
【0116】また、かかるインク補充器に密封されてい
るインクは、次のような特徴を有するインクであっても
よい。すなわち、(A)マンセルの色相環上で、色相が
10Rから10GYの領域にあり、(B)マンセルの色
相環上で、彩度が3.5Cよりも小さな値をとるという
特徴を有するインクである。
【0117】このようなインクも前記暗インクとして使
用することができるので、かかるインクをインク補充器
に密封しておき、該インク補充器を用いてインク収容器
のインクを補充すれば、そのまま暗インクによるドット
を形成することができるので好ましい。
【0118】
【発明の他の態様】また、本発明は、前述した印刷シス
テム、印刷制御装置、あるいは印刷装置内で行われる各
種機能を実現するためのプログラムコードをコンピュー
タに記憶させ、該プログラムコードに記述された各種機
能をコンピュータに実行させることで実現することも可
能である。従って、本発明は次のようなプログラムコー
ドとしての種々の態様をとることも可能である。すなわ
ち、第1の他の態様は印刷媒体上に各種インクによるイ
ンクドットを形成して画像を印刷する方法を、コンピュ
ータを用いて読み取り可能に記述したプログラムコード
であって、組合せにより無彩色を表現可能な複数の基本
色インクによるドットの形成有無と、主に吸収する光の
波長範囲が該基本色インク中の一の基本色インクと重複
しかつ従として吸収する光の波長範囲が他の基本色イン
クの少なくともいずれかが主に吸収する波長範囲と重複
するとともに該一の基本色インクより明度の低い暗イン
クによるドットの形成有無とを、画像データに基づいて
判断する機能と、前記各種インクのドットについての前
記判断結果に基づいて、前記基本色インクによるドット
の形成、および前記暗インクによるドットの形成を制御
する機能とを実現する方法を記述したプログラムコード
としての態様である。
【0119】また、本発明の第2の他の態様は、印刷媒
体上に各種インクによるドットを形成する印刷部に、該
ドットの形成を制御するための制御情報を供給して、該
印刷部の印刷動作を制御する方法をコンピュータを用い
て読み取り可能に記述したプログラムコードであって、
組合せにより無彩色を表現可能な複数の基本色インクに
よるドットの形成有無と、主に吸収する光の波長範囲が
該基本色インク中の一の基本色インクと重複しかつ従と
して吸収する光の波長範囲が他の基本色インクの少なく
ともいずれかが主に吸収する波長範囲と重複するととも
該一の基本色インクより明度の低い暗インクによるド
ットの形成有無とを、画像データに基づいて判断する機
能と、前記各種インクのドットについての判断結果を、
前記制御情報として前記印刷部に供給して、該印刷部で
の印刷を制御する機能とを実現する方法を記述したプロ
グラムコードとしての態様である。
【0120】本発明の第3の他の態様は、各種インクに
よるドットの形成を制御するための制御情報を受け取
り、印刷媒体上に該各種インクによるドットを形成する
ヘッドを、該制御情報に基づいて駆動することにより画
像を印刷する方法を、コンピュータで読み取り可能に記
述したプログラムコードであって、組合せにより無彩色
を表現可能な複数の基本色インクによるドットの形成を
制御する前記制御情報と、主に吸収する光の波長範囲が
前記基本色インクの中の一の基本色インクと重複しかつ
従として吸収する光の波長範囲が他の基本色インクの少
なくともいずれかが主に吸収する波長範囲と重複すると
ともに該一の基本色インクよりも明度の低い暗インクに
よるドットの形成を制御する前記制御情報とを受け取る
機能と、前記受け取った制御情報に基づいて前記ヘッド
を駆動することにより、前記基本色インクによるドット
と前記暗インクによるドットとを形成して画像を印刷す
る機能とを実現する方法を記述したプログラムコードと
しての態様である。
【0121】更には、以上説明してきた印刷制御装置あ
るいは印刷装置では、複数の暗インクを使用し、印刷画
像に合わせて、より適した暗インクを使用し、あるいは
複数の暗インクを同時に使用するものであっても構わな
いのはもちろんである。従って、本発明は次のような他
の態様も含んでいる。すなわち、本発明の第4の他の態
様は、各種インクによるドットを形成可能な印刷部に、
該ドットの形成を制御するための制御情報を供給する印
刷制御装置であって、前記印刷部は、組合せにより無彩
色を表現可能な複数の基本色インクによるドットと、主
に吸収する光の波長範囲が該基本色インク中の一の基本
色インクと重複しかつ従として吸収する光の波長範囲が
他の基本色インクの少なくともいずれかが主に吸収する
波長範囲と重複するとともに該一の基本色インクより明
度の低い複数の暗インクによるドットを形成可能な印刷
部であり、前記複数の基本色インクによるドットの形成
有無と、前記複数の暗インクによるドットの形成有無と
を、画像データに基づいて判断するドット形成判断手段
と、前記各種インクのドットについての前記判断結果
を、前記制御情報として前記印刷部に供給する制御情報
供給手段とを備える印刷制御装置としての態様である。
【0122】また、第5の他の態様は、印刷媒体上に各
種インクによるドットを形成するヘッドを備え、該各種
インクドットの形成を制御する制御情報を受け取り、該
制御情報に基づいて該各種インクドットを形成すること
によって画像を印刷する印刷装置であって、組合せによ
り無彩色を表現可能な複数の基本色インクを、前記ヘッ
ドに供給する基本色インク供給手段と、主に吸収する光
の波長範囲が前記基本色インクの中の一の基本色インク
と重複しかつ従として吸収する光の波長範囲が他の基本
色インクの少なくともいずれかが主に吸収する波長範囲
と重複するとともに該一の基本色インクよりも明度の低
い複数の暗インクを、前記ヘッドの供給する暗インク供
給手段と、前記複数の基本色インクのドットおよび、前
記複数の暗インクのドットについての前記制御情報を受
け取る制御情報受取手段と、前記受け取った制御情報に
基づいて前記ヘッドを駆動することにより、前記基本色
インクによるドットと前記暗インクによるドットとを形
成するドット形成手段とを備える印刷装置としての態様
である。
【0123】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、次
の順序に従って説明する。 A.装置の構成: A−1.全体構成: A−2.インクカートリッジの構成: A−3.ダークイエロインク: B.画像処理: B−1.解像度変換処理: B−2.色変換処理: B−3.階調数変換処理: B−4.誤差拡散法による2値化処理: B−5.組織的ディザ法による2値化処理: B−6.インターレース処理: C.シミュレーション結果: C−1.赤色から黒色へのグラデーションパターン: C−2.マゼンタ色から黒色へのグラデーションパター
ン: C−3.白色から黒色へのグラデーションパターン: C−4.4色インクのプリンタへの適用例: C−5.3色インクのプリンタへの適用例:
【0124】A.装置の構成 A−1.全体構成:本発明の実施の形態を実施例に基づ
き説明する。図1は、本発明の印刷制御装置と印刷装置
とから構成される印刷システムの構成を示す説明図であ
る。図示するように、このシステムは、コンピュータ8
0にカラースキャナ21とカラープリンタ20とが接続
されており、コンピュータ80に所定のプログラムがロ
ードされ実行されることによって、全体として印刷シス
テムとして機能する。印刷しようとするカラー原稿は、
カラースキャナ21でコンピュータ80が認識可能なカ
ラー画像データORGに変換され、コンピュータ80に
入力される。コンピュータ80は、所定の画像処理を行
って、カラー画像データORGをプリンタで印刷可能な
画像データに変換し、カラープリンタ20に出力する。
コンピュータ80が扱う画像データには、カラースキャ
ナ21で取り込んだ画像の他に、コンピュータ80上で
各種のアプリケーションプログラム91により作成した
画像や、カラースキャナ21から取り込んだ画像に加工
を加えた画像等も用いられる。これら画像データの変換
結果は、プリンタで印刷可能な画像データFNLとし
て、カラープリンタ20に出力され、この画像データF
NLに従って、カラープリンタ20は印刷用紙上に各色
のインクドットを形成する。この結果、コンピュータ8
0から出力されたカラー画像データに対応したカラー画
像が、印刷用紙上に得られることになる。
【0125】コンピュータ80は、各種の演算処理を実
行するCPU81,ROM82,RAM83,入力イン
ターフェース84,出力インターフェース85,CRT
コントローラ(CRTC)86,ディスクコントローラ
(DDC)87,シリアル入出力インターフェース(S
IO)88等から構成されており、これらはバス89で
接続されて相互にデータのやり取りが可能となってい
る。CRTC86はカラー表示可能なCRT23への信
号出力を制御し、DDC87はフレキシブルディスクド
ライブ25やハードディスク26あるいは図示しないC
D−ROMドライブ等とのデータのやり取りを制御す
る。ROM82やハードディスク26には、RAM83
にロードされCPU81で実行される各種のプログラム
や、デバイスドライバの形式で提供される各種のプログ
ラムが記憶されている。また、SIO88をモデム24
を経由して公衆電話回線PNTに接続すれば、外部のネ
ットワーク上にあるサーバSVから必要なデータやプロ
グラムをハードディスク26にダウンロードすることが
可能となる。
【0126】コンピュータ80に電源を入れると、RO
M82およびハードディスク26に記憶されていたオペ
レーティングシステムが起動し、オペレーティングシス
テムの管理の下で、各種アプリケーションプログラム9
1が動くようになっている。
【0127】カラープリンタ20は、カラー画像の印刷
が可能なプリンタであり、本実施例では、印刷用紙上に
シアン,ライトシアン(薄いシアン),マゼンタ,ライ
トマゼンタ(薄いマゼンタ),イエロ,ダークイエロ
(暗いイエロ),ブラックの合計7色のドットを形成す
ることによって、カラー画像を印刷するインクジェット
プリンタを使用している。本実施例で使用したインクジ
ェットプリンタのインク吐出方式は、後述するようにピ
エゾ素子PEを用いる方式を採用しているが、他の方式
によりインクを吐出するヘッドを備えたプリンタを用い
るものとしてもよい。例えば、インク通路に配置したヒ
ータに通電し、インク通路内に発生する泡(バブル)に
よってインクを吐出する方式のプリンタに適用するもの
としてもよい。
【0128】また、レーザプリンタや熱転写式プリンタ
等の他の方式のカラープリンタにおいては、印刷媒体が
破れたりしわが寄ったりする問題は生じないが、印刷媒
体上に多量のインクを付加すると、インクの滲みや剥離
等の問題が生じ得る。従って、以下に説明する実施例
を、これらのカラープリンタに準用して適用することも
有効である。
【0129】図2は、本印刷装置のソフトウェアの構成
を概念的に示すブロック図である。コンピュータ80に
おいては、すべてのアプリケーションプログラム91は
オペレーティングシステムの下で動作する。オペレーテ
ィングシステムには、ビデオドライバ90やプリンタド
ライバ92が組み込まれていて、各アプリケーションプ
ログラム91から出力される画像データは、これらのド
ライバを介して、カラープリンタ20に出力される。画
像の加工を行うレタッチ等のアプリケーションプログラ
ム91は、カラースキャナ21から取り込んだ画像を、
ビデオドライバ90を介してCRT23に表示させ、画
像を確認しながら所定の加工を行うことができる。
【0130】アプリケーションプログラム91が印刷命
令を発すると、コンピュータ80のプリンタドライバ9
2は、アプリケーションプログラム91から画像データ
を受け取って、所定の画像処理を行い、プリンタが印刷
可能な画像データに変換する。図2に概念的に示すよう
に、プリンタドライバ92が行う画像処理は、解像度変
換モジュール93と、色変換モジュール94と、ハーフ
トーンモジュール95と,インターレースモジュール9
6の大きく4つのモジュールから構成されている。各モ
ジュールで行う画像処理の内容は後述するが、プリンタ
ドライバ92が受け取った画像データは、これらモジュ
ールで変換された後、最終的な画像データFNLとして
カラープリンタ20に出力される。尚、本実施例のカラ
ープリンタ20は、画像データFNLに従って、ドット
を形成する役割を果たすのみであり、画像処理は行って
いないが、もちろん、カラープリンタ20で画像変換の
一部を行うものであってもよい。
【0131】図3に、本実施例のカラープリンタ20の
概略構成を示す。このカラープリンタ20は、図示する
ように、キャリッジ40に搭載された印字ヘッド41を
駆動してインクの吐出およびドット形成を行う機構と、
このキャリッジ40をキャリッジモータ30によってプ
ラテン36の軸方向に往復動させる機構と、紙送りモー
タ35によって印刷用紙Pを搬送する機構と、制御回路
60とから構成されている。キャリッジ40をプラテン
36の軸方向に往復動させる機構は、プラテン36の軸
と並行に架設されたキャリッジ40を摺動可能に保持す
る摺動軸33と、キャリッジモータ30との間に無端の
駆動ベルト31を張設するプーリ32と、キャリッジ4
0の原点位置を検出する位置検出センサ34等から構成
されている。印刷用紙Pを搬送する機構は、プラテン3
6と、プラテン36を回転させる紙送りモータ35と、
図示しない給紙補助ローラと、紙送りモータ35の回転
をプラテン36および給紙補助ローラに伝えるギヤトレ
イン(図示省略)とから構成されている。制御回路60
は、プリンタの操作パネル59と信号をやり取りしつ
つ、紙送りモータ35やキャリッジモータ30、印字ヘ
ッド41の動きを適切に制御している。カラープリンタ
20に供給された印刷用紙Pは、プラテン36と給紙補
助ローラの間に挟み込まれるようにセットされ、プラテ
ン36の回転角度に応じて所定量だけ送られる。
【0132】キャリッジ40にはインクカートリッジ4
2とインクカートリッジ43とが装着される。インクカ
ートリッジ42には黒(K)インクが収容され、インク
カートリッジ43には他のインク、すなわち、シアン
(C),マゼンタ(M),イエロ(Y)の3色インクの
他に、ライトシアン(LC),ライトマゼンタ(L
M),ダークイエロ(DY)の合計6色のインクが収納
されている。従って、カラープリンタ20は、イエロに
ついては通常インクの他に暗いインクを備え、シアンと
マゼンタの2色については通常インクの他に薄いインク
を備えていることになる。
【0133】もちろん、DYインクとLCインクとLM
インクとを1つのインクカートリッジに収容したり、D
Yインクを単独のインクカートリッジに収容するといっ
た構成とすることも可能である。このようなインクカー
トリッジの構成については後述する。
【0134】また、インクカートリッジには、収容され
ているインク量などに関する情報を記憶するための記録
素子52が装着されている。記録素子52にはEEPR
OMが内蔵されており、コンピュータ80は、カラープ
リンタ20の制御回路60を介して、記録素子52との
間でインク量に関するデータを読み書きする。インク量
に関するデータを読み書きする動作の詳細についても後
述する。
【0135】キャリッジ40の下部にある印字ヘッド4
1には、K,C,LC,M,LM,Y,DYの各インク
に対して、インク吐出用ヘッド44,45,46,4
7,48,49,50がそれぞれ形成されている。キャ
リッジ40の底部には図示しない導入管が各インク毎に
立設されており、キャリッジ40にインクカートリッジ
42,43を装着すると、カートリッジ内の各インクは
導入管を通じて、それぞれのインク吐出用ヘッド44な
いし50に供給される。各ヘッドに供給されたインク
は、以下に説明する方法によって印字ヘッド41から吐
出され、印刷用紙上にドットを形成する。
【0136】図4(a)は各色ヘッドの内部構造を示し
た説明図である。各色のインク吐出用ヘッド44ないし
50には、各色毎に48個のノズルNzが設けられてい
て、各ノズルには、インク通路51とその通路上にピエ
ゾ素子PEが設けられている。ピエゾ素子PEは、周知
のように、電圧の印加により結晶構造が歪み、極めて高
速に電気−機械エネルギの変換を行う素子である。本実
施例では、ピエゾ素子PEの両端に設けられた電極間に
所定時間幅の電圧を印可することにより、図4(b)に
示すように、ピエゾ素子PEが電圧の印加時間だけ伸張
し、インク通路51の一側壁を変形させる。この結果、
インク通路51の体積はピエゾ素子PEの伸張に応じて
伸縮し、この収縮分に相当するインクが、粒子Ipとな
ってノズルNzから高速で吐出される。このインクIp
がプラテン36に装着された印刷用紙Pに染み込むこと
により、印刷用紙Pの上にドットが形成される。
【0137】図5は、インク吐出用ヘッド44ないし5
0におけるインクジェットノズルNzの配列を示す説明
図である。図5(a)では、Kインクがインクカートリ
ッジ42に収納されて、C,M,Y,LC,LM,DY
インクがインクカートリッジ43に収納された構成とな
っている。このようにDYインクをC,M,Y,LC,
LMインクのインクカートリッジ43に一体的に収納す
れば、インクカートリッジをコンパクトにすることがで
きる。もちろん、図5(b)に示すように、DYインク
をLC,LMインクと一体に構成するものであってもよ
い。更には、DYインクをC,M,Yインクと一体に構
成したり、DYインクとC,M,Y,LC,LMインク
とを一体に構成するものであっても構わない。
【0138】図5(a)に示すように、インク吐出用ヘ
ッドの底面には、各色毎のインクを吐出する7組のノズ
ルアレイが形成されており、1組のノズルアレイ当たり
48個のノズルNzが一定のノズルピッチkで千鳥状に
配列されている。尚、各ノズルアレイに含まれる48個
のノズルNzは、千鳥状に配列されている必要はなく、
一直線上に配列されていてもよい。ただし、図5(a)
に示すように千鳥状に配列すれば、製造上、ノズルピッ
チkを小さく設定し易いという利点がある。
【0139】図5(a)に示すように、各色のインク吐
出用ヘッド44ないし50は、キャリッジ40の搬送方
向にヘッドの位置がずれている。また、各色ヘッド毎の
ノズルに関しても、ノズルが千鳥状に配置されている関
係上、キャリッジ40の搬送方向に位置がずれている。
カラープリンタ20の制御回路60は、キャリッジ40
を搬送しながらノズルを駆動する際に、ノズルの位置の
違いによるヘッド駆動タイミングの違いを考慮しなが
ら、適したタイミングでそれぞれのヘッドを駆動してい
る。
【0140】図6は、カラープリンタ20の制御回路6
0の内部構成を示す説明図である。図示するように、制
御回路60の内部には、CPU61,PROM62,R
AM63,コンピュータ80とのデータのやり取りを行
うPCインターフェース64,紙送りモータ35やキャ
リッジモータ30等とデータのやり取りを行う周辺機器
入出力部(PIO)65,タイマ66,駆動バッファ6
7等が設けられている。インクカートリッジ43に設け
られている記録素子52からインク使用量などに関する
データを読み出したり、あるいは記録素子52にデータ
を書き込む場合にも、PIO65を経由してデータの読
み書きが行われる。駆動バッファ67は、インク吐出用
ヘッド44ないし50にドットのオン・オフ信号を供給
するバッファとして使用される。これらは互いにバス6
8で接続され、相互にデータにやり取りが可能となって
いる。また、制御回路60には、所定周波数で駆動波形
を出力する発振器70、および発振器70からの出力を
インク吐出用ヘッド44ないし50に所定のタイミング
で分配する分配出力器69も設けられている。
【0141】図6に示す構成を有する制御回路60は、
コンピュータ80から画像データFNLを受け取ると、
ドットのオン・オフ信号を一時RAM63に蓄える。C
PU61は、紙送りモータ35やキャリッジモータ30
の動きと同期を採りながら、所定のタイミングでドット
データを駆動バッファ67に出力する。
【0142】次に、CPU61が駆動バッファ67にド
ットのオン・オフ信号を出力することによって、ドット
が吐出されるメカニズムについて説明する。図7は、イ
ンク吐出用ヘッド44ないし50の1つのノズル列を例
にとって、その接続を示す説明図である。インク吐出用
ヘッド44ないし50のノズル列は、駆動バッファ67
をソース側とし、分配出力器69をシンク側とする回路
に介装されており、ノズル列を構成する各ピエゾ素子P
Eは、その電極の一方が駆動バッファ67の各出力端子
に、他方が一括して分配出力器69の出力端子に、それ
ぞれ接続されている。分配出力器69からは、図7に示
す通り、発振器70の駆動波形が出力されている。CP
U41が駆動バッファ67に、各ノズル毎のドットのオ
ン・オフ信号を出力すると、オン信号を受け取ったピエ
ゾ素子PEだけが駆動波形によって駆動される。この結
果、駆動バッファ67からオン信号を受け取っていたピ
エゾ素子PEのノズルから一斉にインク粒子Ipが吐出
される。
【0143】以上のようなハードウェア構成を有するカ
ラープリンタ20は、キャリッジモータ30を駆動する
ことによって、各色のインク吐出用ヘッド44ないし5
0を印刷用紙Pに対して主走査方向に移動させ、また紙
送りモータ35を駆動することによって、印刷用紙Pを
副走査方向に移動させる。制御回路60の制御の下、キ
ャリッジ40の主走査および副走査を繰り返しながら、
適切なタイミングで印字ヘッド41を駆動することによ
って、カラープリンタ20は印刷用紙上にカラー画像を
印刷している。
【0144】A−2.インクカートリッジの構成:図8
(a)は、本実施例のカラープリンタ20に装着される
インクカートリッジ43の外観形状を示した説明図であ
る。図示するように、インクカートリッジ43には、シ
アン(C),ライトシアン(LC),マゼンタ(M),
ライトマゼンタ(LM),イエロ(Y),ダークイエロ
(DY)の合計6色のインクが収納されている。このよ
うに、1つのインクカートリッジに複数種類のインクを
収容すれば、インクカートリッジをコンパクトにするこ
とができる。また、カートリッジの側面には記憶素子5
2が設けられており、記憶素子52に内蔵されているE
EPROMには後述する各種情報が記憶されている。
【0145】インクカートリッジ43に収容されている
各色インクのインク量は、各色インク毎の使用量に合わ
せて次のような関係に設定されている。すなわち、DY
インクのインク量はYインクのインク量よりも多く、L
Cインクのインク量はCインクよりも多く、LMインク
のインク量はMインクよりも多くなっている。このよう
に、1つのインクカートリッジに収容されているインク
量が、各色インクの使用量に合わせて設定されているの
で、各色インクをほぼ同時に使い切ることができる。こ
のため、無駄に捨てるインク量が少なくなるので好適で
ある。
【0146】図9は、本実施例のカラープリンタ20を
用いて、風景画や人物画などのいわゆる自然画像を印刷
したときの、各色インクのインク消費量の実測例を示し
た説明図である。もちろん、各色インクの消費量は、後
述するようなカラープリンタ側での種々の設定によって
多少は変動するが、各色インクの大まかな使用量は、こ
のような計測例によっても知ることができる。
【0147】図9(a)は、風景画や人物画などを含ん
だ代表的と思われる9種類の画像について、各色インク
消費量の平均値を示したものである。尚、図9では、各
色インク消費量を、ある値を基準とした相対値で表示し
ている。また、図9(b)は、高精細カラーディジタル
標準画像データ(ISO/JIS-SCID)の中からN1サンプル
画像を印刷したときの、各色インク消費量を示したもの
である。但し、高精細カラーディジタル標準画像データ
はCMY画像データとして供給されているので、画像デ
ータをRGB画像データに一旦変換した後、変換データ
をカラープリンタ20で出力した。
【0148】C,LC,M,LM,Y,Kの6色インク
のみを使用し、DYインクを用いないカラープリンタで
のインク消費量の計測結果を、図9(a),(b)中に
破線で示す。いわゆる自然画像には中間階調が多く含ま
れるため、図示されているように、これら自然画像の印
刷にはLC,LM,Yインクのような明るいインクが多
用される。詳細には後述するが、DYインクは、Yイン
クとLCインクとLMインクとが混ざったような色のイ
ンクである。従って、Yインクのドットと、Cインクの
ドットと、Mインクのドットとを形成するかわりに、D
Yインクのドットを形成することによって同様の画像を
印刷することができる。図9(a),(b)には、この
ようにしてDYインクのドットを形成しながら画像を印
刷した場合の、各色インク消費量を計測した一例を実線
で示している。実際には、Yドット,LCドット,LM
ドットがどのような割合でDYドットに置き換えられる
かは、後述するように、DYインクの組成やDYドット
の使い方によって変動し得るが、おおよその傾向は図9
(a),(b)に示した実測例から知ることができる。
【0149】図9の計測例に示されているように、DY
ドットを形成しながら自然画像を印刷する場合は、DY
インクはYインクよりも多く消費される傾向がある(図
中の実線参照)。これは、前述したようにDYドットを
用いずに自然画像を印刷する場合、YドットとLCドッ
トとLMドットが多用される傾向にあり(図9の破線参
照)、DYドットを用いることができれば、これらYド
ット,LCドット,LMドットのかなりの部分がDYド
ットに置き換え可能なことによる。その結果、図9
(a),(b)に示した計測例では、いづれの場合も、
DYインクの使用量はYインクの約2倍となっている。
【0150】また、LCインクとCインク、あるいはL
MインクとMインクとの関係では、DYドットを形成し
た場合でも、DYドットを形成しない場合と同様に、L
CインクがCインクよりも多く、LMインクがMインク
よりも多く消費される傾向がある。これは、DYドット
を形成することによって、LCドット,LMドットの形
成量は少なくすることができるが、それによりインクデ
ューティ制限に余裕ができるので、CドットやMドット
がより目立ち難いLCドットやLMドットに置き換えら
れることによる。その結果、LCドット,LMドットの
形成量はあまり変わらず、Cドット,Mドットの形成量
が減少することになって、結局は、DYドットを形成す
る場合でも、LCインクがCインクより多く消費され、
LMインクがMインクよりも多く消費されるためであ
る。
【0151】図8に示すように、本実施例のインクカー
トリッジ43は、DYインクの容量がYインクの容量よ
りも多く、LCインクの容量がCインクの容量よりも多
く、LMインクの容量がMインクの容量よりも多くなっ
ている。すなわち、カートリッジに収容されているイン
ク量が、図9に示した各色インクの消費量とほぼ対応し
ているので、カートリッジ内のインクを無駄にすること
がない。
【0152】前述したように、本実施例のカラープリン
タ20では、Kインクはインクカートリッジ42に収容
し、Kインク以外の6色のインクはインクカートリッジ
43に収容している。もちろん、各色インクをインクカ
ートリッジに収容する形態は、このような形態に限られ
るものではなく、図8(b)ないし(f)に例示するよ
うな種々の形態とすることができる。尚、図8(b)な
いし(f)の例示では、記憶素子の表示は省略されてい
る。従って、図8は、図8(a)に示す態様のカートリ
ッジにのみ記憶素子52が設けられ、他の態様のカート
リッジには記憶素子52が設けられないということを意
味するものではない。
【0153】例えば、図8(b)に示すように、DYイ
ンクのみを単独でインクカートリッジに収容することと
すれば、DYインクを完全に使い切るまでカートリッジ
を交換する必要がないので、インクを無駄にすることが
ない。この場合でも、DYインクはYインクよりも多量
に使用されるので、Yインクのインク収容量よりも、D
Yインクの収容量を多く設定しておけば、DYインクの
カートリッジを頻繁に交換する必要が無くなるので好ま
しい。また、カラープリンタに単色のインクカートリッ
ジ(例えば黒色用カートリッジ)が装着されている場
合、DYインクのみを単独で収容しておけば、かかるカ
ラープリンタにもDYインクを装着することができる。
DYインク用の専用プリンタドライバを、DYインクの
インクカートリッジと共に販売したり、あるいは専用プ
リンタドライバのみを別途販売すれば、初めからDYイ
ンクを想定せずに設計されたカラープリンタにおいて
も、DYドットを形成することができる。DYドットを
形成すれば、後述する理由によって、高画質の画像を印
刷することが可能となる。
【0154】また、図8(c)に示すように、DY,L
C,LMの3色のインクを1つのカートリッジに収容
し、C,M,Y,Kの4色のインクを別のカートリッジ
に収容してもよい。更にはC,M,YインクとKインク
とを別体のカートリッジに収容し、合計3つのカートリ
ッジに収容することとしてもよい。図9に示したよう
に、自然画像を印刷する場合に比較的多量に使用するD
Y,LC,LMの3色のインクを1つのカートリッジに
収容し、他色のインクは別体のカートリッジに収容して
おけば、多数の自然画像を印刷してDY,LC,LMイ
ンクのみを使い切った場合でも、C,M,Yなどのイン
クを無駄にせずにすむので好ましい。更に、C,M,Y
インクとKインクとを別体のカートリッジに収容すれ
ば、文書などの白黒画像を多数印刷した場合にも、C,
M,Yインクを無駄にせずにすむので好ましい。
【0155】その他、図8(d)ないし(f)に例示す
るように、DYインクを他のインクとともに1つのイン
クカートリッジに収容してもよい。DYインクを他のイ
ンクとともに収容することにより、インクカートリッジ
をコンパクトに構成することが可能である。
【0156】また、図8に例示されるような、種々の形
態のDYインクのインクカートリッジに、DYインク用
の専用プリンタドライバを添付しても構わない。例え
ば、多種類のDYインクがあるような場合、インクカー
トリッジと共に専用のプリンタドライバが添付されてい
れば、DYインクに対応してドライバを使用することが
できる。
【0157】図8(a)に示すように、インクカートリ
ッジ43の側面には、各色インク使用量に関するデータ
などを記憶した記憶素子52が設けられている。図6を
用いて前述したように、カラープリンタ20は記憶素子
52に対して各種データを読み書きすることが可能であ
る。以下、インクカートリッジ43に設けられている記
憶素子52の機能について簡単に説明する。
【0158】図10は、カートリッジの側面に記憶素子
52が設けられている様子を拡大して示す説明図であ
る。図示するように、記憶素子52には複数の接続端子
53が設けられている。インクカートリッジ43は、カ
ラープリンタ20のキャリッジ40に装着され、インク
カートリッジ43と接するキャリッジ40の内面には、
記憶素子52の接続端子53と接続する箇所に図示しな
いコネクタが設けられている。従って、インクカートリ
ッジ43をキャリッジ40に装着すると、複数の接続端
子53がキャリッジ40のコネクタと電気的に接続され
て、記憶素子52とデータのやり取りが可能となる。
【0159】図11は、記憶素子52に内蔵されている
EEPROMのデータ構造を示した説明図である。図1
1の左欄の数値は、カラープリンタ20の側から記憶素
子52を見たときのアドレスを示し、図11の右欄には
各アドレスに記憶されている情報の内容を示している。
また、記憶素子52の内部は、図示されているように、
第1の記憶領域660と第2の記憶領域650とに分か
れており、第1の記憶領域660にはカラープリンタ2
0側からデータの読み出しと書き込みとが可能である
が、第2の記憶領域650はデータの読み出しのみが可
能となっている。第1の記憶領域660には各色インク
のインク残量が記憶されており、第2の記憶領域650
には、カートリッジの製造年月日などの記憶内容の更新
が不要で頻繁には読み出す必要のないデータが記憶され
ている。また、第1の記憶領域660は、第2の記憶領
域650よりも、小さなアドレスの領域に割り付けられ
ている。このように、頻繁にデータの読み書きを行う第
1の記憶領域を小さなアドレス値の領域に割り付けてい
るので、シーケンシャルアクセス方式を用いて迅速にデ
ータの読み書きを行うことができる。従って、消耗品で
あるというインクカートリッジの性格に合わせて、安価
なEEPROMを採用することができる。
【0160】図11に示すように、第1の記憶領域に
は、C,M,Y,LC,LM,DYの各色インクのイン
ク残量データが記憶されている。各色インクの残量が2
箇所に記憶されているのは、データの書き込み中に停電
するといったことにより、データが破壊されたときのバ
ックアップとして使用するためである。また、インク残
量の記憶されているインクの種類は、カートリッジに収
容されているインクの種類である。従って、仮に、イン
クカートリッジにDYインクのみが収容されている場合
には、DYインクのインク残量のみが記憶される。
【0161】第2の記憶領域には、インクカートリッジ
の開封年月日に関するデータと、インクカートリッジの
バージョンを示すデータと、顔料系あるいは染料系とい
ったインクの種類を示すデータと、インクカートリッジ
の製造年月日に関するデータと、インクカートリッジの
シリアルナンバと、インクカートリッジが新品であるか
リサイクル品であるかを示すデータとが記憶されてい
る。
【0162】コンピュータ80は、カラープリンタ20
の電源投入時などの所定のタイミングで、記憶素子52
からこれらデータを読み出し、また、印刷終了時やカラ
ープリンタ20の電源切断時などの所定のタイミング
で、インク残量に関するデータを記憶素子52に書き込
む。こうすることにより、プリンタドライバ92は、使
用しているインクの種類やインク残量などを、常に正確
に把握することができるので、本実施例のカラープリン
タ20は適切な印刷を行うことが可能であり、印刷の途
中にインクが無くなるといった問題の発生を回避してい
る。
【0163】A−3.ダークイエロインク:図12は、
本実施例のカラープリンタ20で用いられるインク成分
の一例を示したものである。図示するように、各色のイ
ンクは、サーフィノールの水溶液に、粘度調整用のジエ
チレングリコールと、各色毎の染料とを適量ずつ添加し
た混合溶液である。本実施例で用いたダークイエロのイ
ンクは、イエロインクの染料であるダイレクトイエロ8
6に、シアンインクの染料であるダイレクトブルー19
9とマゼンタインクの染料であるアシッドレッド289
とを略等量ずつ添加した組成となっている。しかしダー
クイエロインクの組成はこれに限定されるものではな
く、例えば、ダイレクトブルー199とアシッドレッド
289の比率や添加量を変えたインク、または、ダイレ
クトイエロ86に黒インクの染料であるフードブラック
2を少量添加したインクを使用することもできる。更に
は、ダイレクトブルー199やアシッドレッド289の
添加量を多くしてダイレクトイエロ86の含有量を若干
減少させたインクや、フードブラックを添加してダイレ
クトイエロ86の含有量を若干減少させたインクを使用
することもできる。また、ダークイエロに使用される黄
色成分の染料は、基本色インクであるイエロインクとは
異なる染料を使用するものであっても構わない。例え
ば、イエロインクに使用されている黄染料のダイレクト
イエロ86の他に、ダイレクトイエロ132やアシッド
イエロ23等の黄色染料を使用することも可能である。
【0164】以上の説明から明らかなように、カラープ
リンタに適用されて色を再現する能力に着目してダーク
イエロインクを定義すると、ダークイエロインクとは次
のようなインクであると考えることもできる。すなわ
ち、イエロインクよりは暗く、単独では無彩色の灰色を
表現することはできないが、ダークイエロインクのドッ
トに加えて、適量のシアンインクのドットとマゼンタイ
ンクのドットとを形成することで無彩色を表現可能なイ
ンクであると考えることも可能である。尚、本実施例で
は、各色インクの粘度をおよそ3mPa・sに調整して
いるので、ピエゾ素子PEの制御をインクの種類によら
ず同一にすることが可能である。
【0165】図14は、本実施例で使用した色インクに
ついて、光の波長に対する反射率の傾向を概念的に示し
た説明図である。図14(a)ないし(c)に示すよう
に、シアンインク(Cインク)は600nm〜700n
mの波長の光を特徴的に吸収し、マゼンタインク(Mイ
ンク)は500nm〜600nmの光を、またイエロイ
ンク(Yインク)は400nm〜500nmの光を特徴
的に吸収する傾向がある。
【0166】図14(d)および(e)は、ダークイエ
ロインク(DYインク)の反射率の傾向を概念的に示し
た説明図である。図14(d)に示したDY1インク
は、図12に示した組成のDYインクを想定しており、
図14(e)に示したDY2インクは、ダイレクトイエ
ロ86にフードブラック2を添加して調整したようなD
Yインクを想定している。DY1インクは、イエロイン
クの染料にシアンインクとマゼンタインクの染料が少量
ずつ添加されていることに対応して(図12参照)、D
Y1インクの光の吸収特性は、イエロインクに特徴的な
波長を吸収すると共に、シアンインクおよびマゼンタイ
ンクに特徴的な波長も僅かに吸収する傾向を示すと考え
ることができる。添加するダイレクトブルー199やア
シッドレッド289の割合を変えれば、シアンインクや
マゼンタインクに特徴的な波長の吸収量の傾向も変える
ことが可能である。また、DY2インクは、イエロイン
クの染料にブラックインクの染料が添加されているイン
クを想定しており、DY2インク吸収特性の傾向を大ま
かに言えば、イエロインクに特徴的な吸収を示しつつ他
の波長域(500nm〜700nm)でも吸収量が多く
なる傾向を示すと考えることができる。当然、添加する
フードブラック2の割合を変えれば、他の波長域の吸収
量を変えることが可能である。尚、図14(d)および
図14(e)では、インク組成によって想定される光の
吸収量の傾向を強調して表現したものであり、実際のD
Y1インクとDY2インクの吸収特性の違いは、図示さ
れているほどには明確ではない。
【0167】このように想定されたDY1インクあるい
はDY2インクの反射率と、図14(a)ないし(c)
に示されたYインクの反射率とを比較すれば、DY1イ
ンクあるいはDY2インクは、可視光の波長範囲で反射
率が低下している。従って、DY1インクあるいはDY
2インクは、Yインクより明度が低いインクとなってい
る。尚、添加する染料の量を変えることによって、光の
吸収特性を変えることの効果については後述する。
【0168】図13は、図12に示した組成の各種イン
クについて、明度の測定結果を示した説明図である。図
13の横軸に取ったドット記録率とは、単位面積当たり
に形成されるドットの割合を示す指標である。例えば、
ドット記録率100%とはすべての画素にドットが形成
されている状態を示し、ドット記録率50%とは半分の
画素にドットが形成されている状態を、ドット記録率0
%とはいずれの画素にもドットが形成されていない状態
を示している。ドット記録率については後述する。縦軸
にとった明度は、印刷用紙の地色を基準とした画像の明
るさを示している。例えば、明度100%とは印刷用紙
の地色そのままの状態を示し、明度が小さくなるにつれ
て画像の明るさは暗くなっていく。図示するように、い
ずれのドットも、ドット記録率0%の時は明度100%
であり、ドット記録率が増加するにつれて、すなわちド
ットを形成するにつれて、明度は小さくなっていく。同
一のドット記録率で各種ドットによる画像の明度を比較
すれば、各種インクの明るさを知ることができる。
【0169】図13に示されているように、図12に示
した組成のDYインク(図14(d)に示したDY1イ
ンクに相当)は、Yインク,LCインク,LMインクよ
りは暗く、Cインク,Mインク,Kインクよりは明るい
インクであることが分かる。
【0170】図14(d)および図14(e)に一例を
示したように、DYインクの組成は種々の組成を取るこ
とが可能であり、次のようなインクとすることもでき
る。図15は、DY1インクあるいはDY2インクとは
異なる考え方で作られたDYインク(以下、DY3イン
クと呼ぶ)について、光の波長に対する反射率の計測例
を示した説明図である。尚、参考として、DY1インク
に相当するインクの反射率を破線で表示している。図1
5に示すように、DY3インクの反射率は、DY1イン
クの反射率と同様、400nm〜500nmの範囲に反
射率の小さい特徴的な領域(すなわち、光を特徴的に吸
収する領域)を有しており、いわゆるイエロインクとし
ての特徴を示している。更に、DY3インクは、650
nmの付近から波長が長くなるにつれて反射率が大きく
なっている。人間の視覚は、光の波長が650nm付近
より長くなると、色に対する感度が急激に低下すること
が知られている。従って、DY3インクとDY1インク
は、図15に示すように、光の反射率は650nm以上
の領域で大きく異なっているが、人間の視覚上ではほと
んど同じ色として認識される。すなわち、波長が650
nmを超える範囲では、光の反射率の設定に大きな自由
度があると考えることができる。実際にインクの組成を
決定する場合、各種の染料または顔料などを配合して理
想的な分光特性のインクを得ることは必ずしも容易では
ないが、650nm以上の波長範囲にある自由度を活用
すれば、理想的な色相のDYインクを容易に得ることが
できる。尚、人間の色に対する感度が低下する領域は、
650nm以上の波長範囲の他に、400nm以下の波
長範囲にもあることが知られている。従って、このよう
な短波長側の自由度を活用してインクを設計しても構わ
ないのはもちろんである。
【0171】650nm以上の波長範囲にある自由度を
活用することによって、DYインクの特性をある程度は
制御可能であることを、図16を用いて説明する。図1
6は、DYインクを用いて印刷用紙上にインクドットを
形成し、ドットの記録密度(ドット記録率)を次第に増
加させたときの印刷用紙上に表現される色彩を測色した
結果を示している。横軸はL*** 表色系のa*
を示し、縦軸はb* 軸を示す。色相的には、a* 軸の+
軸側はほぼ赤色に相当し、a* 軸の−軸側はほぼ緑色に
相当する。また、b* 軸の+軸側はほぼ黄色に相当し、
* 軸の−軸側はほぼ青色に相当する。図16中でST
と示した位置は、印刷用紙の地色の座標を示している。
【0172】図15に示すDY1インクのドットを印刷
用紙上に形成した場合、ドット記録率が増加するにつれ
て、印刷用紙上に表現されている色は破線で示した軌跡
をたどる。すなわち、ドット記録率が増加するにつれ
て、僅かに緑色がかった色相となっていく。これに対し
て、DY2インクのドットを形成した場合は、ドット記
録率が増加しても緑色がかった色相となることはない。
このように、人間の色彩の色に対する感度が低下し、イ
ンク設計の自由度となる650nm以上の波長領域を活
用することによって、図16に示すようなインクの微妙
な特性を制御することが可能である。詳細には後述する
が、ドット記録率が増加するにつれて緑色がかった色相
となるDYインクを使用すると、色相が緑色で明度の低
い画像の画質を大きく改善することができる。同様に、
ドット記録率が増加するにつれて赤色がかった色相とな
るDYインクを使用すると、色相が赤色で明度の低い画
像の画質を大きく改善することができる。DYインクと
しては、マンセルバリュー10Rから10GYに挟まれ
た領域の色相のインクを使用することができる。尚、図
15に示したDY3インクの例では、650nm以上の
波長領域での設定の自由度を利用して、この領域での光
の反射率を増加させているが、もちろん、この波長領域
で光の反射率が低下するようにインクを設計しても構わ
ない。
【0173】図17は、インクカートリッジにインクを
充填するためのインク充填器55の形状を示した説明図
である。図示されているように、インク充填器55はイ
ンクが密封されている密封容器56と、インクカートリ
ッジにインクを充填するための充填口57と、密封イン
クを押し出すためのピストン58とから構成されてい
る。密封容器56内には、上述した暗インクが外気に触
れない状態で密封されている。このため、インク充填器
55内のインクの変質を避けることができる。インクを
充填する場合には、インク充填器55の充填口57の先
端に設けられているキャップ54を取り外して、充填口
57を、インクカートリッジの底面にある図示しないイ
ンク供給口に密着させる。その状態で、ピストン58を
押して密封容器56内のインクを静かに押し出すことに
よって、インクカートリッジにインクを充填することが
できる。
【0174】B.画像処理:カラープリンタ20は、上
述したDYインクによるドットを含めた各色のドットを
形成してカラー画像を印刷する。カラープリンタ20が
各色のインクドットを形成するためには、コンピュータ
80がカラー画像の画像データORGに所定の画像処理
を施して、画像データFNLとしてカラープリンタ20
に供給する必要がある。このような画像処理は、コンピ
ュータ80のプリンタドライバ92が実行する。図18
は、プリンタドライバ92が行う画像処理の概要を示す
フローチャートである。以下、同図に従って、画像処理
の概要を説明する。
【0175】先ず初めに、コンピュータ80内のCPU
81は処理すべき画像データを取り込む(ステップS1
00)。図2を用いて説明したように、画像データはア
プリケーションプログラム91で作成され、プリンタド
ライバ92に供給される。アプリケーションプログラム
91の中では、カラー画像データは、赤色(R),緑色
(G),青色(B)の3色の画像を組合せたものとして
表現されており、また各色毎の画像は、それぞれに階調
値を有する画素の集まりとして表現されている。8ビッ
トの画像データであれば、各画素が採りうる階調値は0
から255の256段階の値を採ることができる。
【0176】B−1.解像度変換処理:アプリケーショ
ンプログラム91から画像データを取り込むと、CPU
81は、解像度変換を行う(ステップS102)。これ
は次のような処理である。上述のように、取り込んだ画
像は画素の集まりとして表現されているが、この画像を
印刷する場合、印刷しようとする印刷媒体上での大きさ
によって、1画素が対応する印刷媒体上の長さは異なっ
てくる。プリンタが単位長さ当たりに形成できるドット
の数(これをプリンタ解像度と呼ぶ)は、予めプリンタ
機種毎に決まっており、画像処理の都合上、画像解像度
をプリンタ解像度に一致させておく必要がある。そこ
で、画像の解像度がプリンタ解像度より低い場合には、
線形補間を行って隣接する画素の間に新たな画像データ
を生成し、逆に画像の解像度がプリンタ解像度より高い
場合には、一定の割合で画像データを間引くことにより
解像度を低下させる。解像度変換(ステップS102)
では、こうして画像の解像度をプリンタの解像度に一致
させる処理を行う。
【0177】B−2.色変換処理:解像度変換処理が終
了すると、CPU81は色変換処理を行う(ステップS
104)。前述したように、アプリケーションプログラ
ム91は、一般にカラー画像を赤色(R),緑色
(G),青色(B)の3色の階調画像データとして表現
しているが、カラープリンタ20は、原理的には、カラ
ー画像をシアン色(C),マゼンタ色(M),イエロ色
(Y)の3色の減法混色によって表現する。従って、カ
ラー画像の印刷に際しては、R・G・Bの3色による色
の表現方法を、C・M・Yの3色による色の表現方法に
変換する必要がある。色変換処理はこのような変換を行
う処理である。本実施例では、実際には、C・M・Yの
3色ではなく、K・LC・LM・DYを加えた合計7色
に変換しているが、ここでは説明を簡略化するために、
C・M・Yの3色に変換するものとして説明する。色変
換処理を行うと、それぞれ256階調を持ったR・G・
B階調画像データが、256階調を持ったC・M・Yの
階調画像データに変換される。
【0178】実際には、CPU81は、図19に示すよ
うな変換表を参照して、R・G・B階調値をC・M・Y
階調値に変換している。図示するように、変換表はR・
G・Bの階調値を軸とする3次元の数表(色立体)であ
り、本実施例では各軸の値は0から255の値を採りう
る。互いに直交するR・G・B各軸が張る空間を色空間
と呼ぶ。変換表は、色立体を小さな立方体に細分し、小
さな各立方体の頂点毎に、対応するC・M・Yの階調値
を記憶したものである。
【0179】変換表を参照して色変換を行うには、次に
ようにして行う。例えば、R・G・B階調値がそれぞれ
RA・GA・BAで表される色をC・M・Y階調値で表
現する場合、色空間上で座標(RA,GA,BA)の点
Aを考え、点Aを含むような小さな立方体(dV)を見
つけ出し、この立方体の各頂点に記憶されているC・M
・Yの各階調値から補間演算を行って、点AのC・M・
Y階調値を算出する。
【0180】このように変換表は、RGBの色立体に含
まれる各座標に対して、C・M・Yの階調値を一組定め
るという機能を果たすものである。変換表に、C・M・
Yの階調値に加えて、K(黒),LC(淡いシアン),
LM(淡いマゼンタ),DY(暗いイエロ)の各階調値
を記憶しておけば、RGB色立体内の各座標に対して、
C,M,Y,K,LC,LM,DYの各階調値を対応付
けることができる。また、変換表には、中間的なC,
M,Yの値あるいは、C,M,Y,Kの値、あるいは
C,M,Y,K,LC,LMの値を記憶しておいて、そ
こから演算等により最終的なC,M,Y,K,LC,L
M,DYの各階調値を求めても良い。
【0181】図20は、シャドー領域(明度の低い領
域)において、C,M,Y,K,LC,LMの6色分の
階調値から、DYを含んだC,M,Y,K,LC,LM
の7色分の階調値を算出する考え方を概念的に示す説明
図である。図20(a)は、暗い赤色の場合の例であ
る。図20(a)に示されるように、シャドー領域で
は、LCやLMの階調値は極めて小さくC,M,Yの階
調値が大きい。これら各色の階調値は、印刷媒体上に形
成される各色のドットの形成密度に対応している。
【0182】図20(b)は、Yの階調値の半分をDY
の階調値で置き換えた場合を示している。図12を用い
て説明したように、DYインクには、シアンインクの染
料とマゼンタインクの染料が一定割合で含まれているの
で、DYの階調値に各染料の含有割合を乗じた値だけ、
CおよびMの階調値を減少させることができる。その結
果、図20(b)の右端に示すように、インクデューテ
ィ制限値に対して余裕が生まれる。
【0183】図20(a)に示す状態から、より暗い赤
色にしようとすると、C,M,Yの階調値を減らしてK
の階調値を増やす(Kドットを形成する)必要がある
が、前述したように、よほど暗い赤色の中に形成しない
限りKドットを形成すると粒状性が悪化してしまう。こ
れに対し、図20(b)に示すようにインクデューティ
制限値に対して余裕が生まれれば、LCあるいはCの階
調値を増やして赤色を暗くすることが可能となり、Kド
ットの形成による粒状性の悪化を避けることができる。
もちろん、Yの階調値をDYの階調値に置き換える割合
を増やしたり、またDYインクに含まれるシアンインク
やマゼンタインクの染料の割合を増やせば、インクデュ
ーティに対する余裕も大きくなるが、これに関しては後
述する。
【0184】また、ほとんどの場合は、色変換処理の中
で色補正処理も併せて行う。色補正処理とは、R・G・
Bそれぞれの階調値を補正することによって、カラー画
像を読み込む際に装置毎に感度特性が異なる影響を除い
たり、または、C・M・Yの各階調値を予め補正して印
刷装置毎の色再現特性の違いを除くための処理を言う。
色補正を行うことにより、画像を読み込む機器や印刷装
置の違いによらず、正確な色を表現することが可能とな
る。
【0185】B−3.階調数変換処理:色変換処理を終
了すると、階調数変換処理を行う(ステップS10
6)。以下にこの処理の内容について説明する。色変換
後の画像データは、C,M,Y,K,LC,LM,DY
の7色の256階調画像となっている。一方プリンタ
は、印刷用紙上にドットを形成することによって画像を
表現しており、ドットは形成するか否かの2つの状態し
か採り得ない。もっとも、最近ではドットの大きさを変
える等して、中間状態を含めた多値のドットを印刷可能
なプリンタも存在するが、依然として表現しうる階調値
は多くはない。従って、256階調を有する画像を、プ
リンタが表現できる非常に少ない階調で表現された画像
に変換する必要がある。このような変換を行う処理が階
調数変換処理である。図21は、階調数変換処理の一例
として、2値化処理を行っている様子を示す概念図であ
る。図21(a)は、2値化処理を行う前の色変換後の
画像データを、また図21(b)は2値化処理を行った
後の画像データを示している。図示するように、2値化
処理前の画像データは各画素に256階調のいずれかの
値が書き込まれているが、2値化処理後の画素データは
各画素にドットを形成する(値:1)か、しない(値:
0)かを表すいずれかの値が書き込まれている。尚、図
21(b)では、ドットの分布状況を分かり易くするた
めに、「1」が書き込まれている画素にはハッチを施
し、「0」が書き込まれている画素は白抜きで表してい
る。
【0186】本実施例では、C,M,Y,K,LC,L
M,DYの7色についてドットの形成有無を判断してい
るため、判断方法については種々の方法が考えられ、そ
れぞれに得失がある。本実施例のカラープリンタ20で
は、使用者が各種方法を選択することができる。以下、
各方法について説明していくが、代表的なものとして
は、誤差拡散法と呼ばれる方法と組織的ディザ法と呼ば
れる方法との2つがある。一般的に、誤差拡散法は画質
に優れ、組織的ディザ法は高速処理が可能であるという
特徴がある。以下では、誤差拡散方法と組織ディザ法の
概要について、それぞれ簡単に説明する。
【0187】B−4.誤差拡散法による2値化処理:図
22は誤差拡散法により2値化処理を行うフローチャー
トである。尚、ここで説明している実施例では、2値化
処理を、色変換処理で変換されたC,M,Y,K,L
C,LM,DYの各色毎に行っている。説明の煩雑化を
避けるために、以下の説明では、色を特定せずに説明す
る。2値化処理を開始すると、CPU81は画像データ
Cdを読み込む(ステップS200)。この画像データ
Cdは、色変換後の256階調を有する各色毎の画像デ
ータである。このデータに対し、補正データCdxを生
成する(ステップS202)。誤差拡散処理は処理済み
の画素について生じた2値化誤差を、その画素の回りの
未処理画素に所定の重みを付けて配分するもので、ステ
ップS202では周辺の処理済み画素から分配されてき
た誤差を着目画素に加えて、補正データCdxを算出す
る。着目している画素PPに対して、周辺のどの画素に
どの程度の重み付けで、この誤差を配分するかを例示し
たのが、図23である。着目画素PPに対して、キャリ
ッジ40の走査方向で数画素、および用紙Pの搬送方向
後ろ側の隣接する数画素に対して、2値化誤差が所定の
重み(1/4,1/8,1/16)を付けて配分され
る。誤差拡散処理については後で詳述する。こうして生
成された補正データCdxと、各色毎に設定されている
所定の閾値thとの大小を比較し(ステップS20
4)、データCdxが閾値thより大きい場合には、2
値化結果を表す値Cdrにドットを形成することを意味
する値「1」を代入する(ステップS206)。逆に、
データCdxが閾値thより小さい場合は、2値化結果
を表す値Cdrにドットを形成しないことを示す値
「0」を代入する(ステップS208)。閾値thは、
このようにドットを形成するか否かを判断する基準とな
る値である。
【0188】次に、CPU81は2値化により生じた誤
差を計算し、その誤差を周辺の画素に拡散する処理を実
施する(ステップS210)。誤差とは、原画像データ
の階調値から、階調数変換結果を引いた値をいう。例え
ば、原画像データにおける階調値64の画素を考え、ド
ットが形成されたことによって、その画素には255階
調値相当が表現されたとすると、64−255=−19
1の誤差が生じていることになる。逆に、その画素にド
ットが形成されない場合には、64−0=64の誤差が
生じる。
【0189】こうして演算された誤差は図23に示した
割合で、周辺の画素に拡散される。例えば、着目画素P
Pにおいて階調値64に相当する誤差が算出された場
合、隣の画素P1には誤差の1/4である階調値16に
相当する誤差が拡散されることになる。こうして拡散さ
れた誤差が、先に説明したステップ202で画像データ
Cdに反映され、補正データCdxが生成されるのであ
る。以上を全画素分について繰り返すと(ステップS2
12)、最終的には、図21(b)に示したようなドッ
トの有無を表す画像データが得られる。
【0190】上述のように、色変換処理でC,M,Y,
K,LC,LM,DYの7色の階調画像データを生成さ
せ、2値化処理は各色毎に独立して行うという方法は、
各色毎の処理内容が簡単であり迅速な処理が可能とな
る。また、各色毎の処理が独立し、かつ比較的単純であ
るため、専用の画像処理装置を使用してデータ変換を行
う場合に並列処理が容易であり、誤差拡散法を用いた2
値化処理でありながら迅速な処理を行うことが可能とな
る。
【0191】一方、色変換処理(図18参照)ではC,
M,Y,Kの4色の画像データを生成し、Cの階調デー
タからCとLCのドット形成有無を、またMの階調デー
タからMとLMのドット形成有無を、Yの階調データか
らYとDYのドット形成有無を判断するようにしてもよ
い。このような方法を用いれば、色変換処理が簡略化さ
れ、迅速な変換が可能となる。
【0192】B−5.組織的ディザ法による2値化処
理:組織的ディザ法による2値化処理の考え方を図24
を用いて説明する。ここでは、一般的な場合として画像
データCdは0から255までの値を取り得るとし、デ
ィザマトリックスは0から254の値を取り得るものと
した。また、説明を簡略化するために、図24では、画
像データの一部(4×4の画素)のみを取り出して表し
ている。図24に示す通り、画像データCdの各画素と
ディザマトリックスの対応箇所の大小を比較する。画像
データCdの方がディザマトリックスに示された閾値よ
りも大きい場合にはドットをオンにし、画像データCd
の方が小さい場合にはドットをオフとする。図24中で
ハッチングを付した画素がドットをオンにする画素を意
味している。
【0193】以上のように、組織的ディザ法を用いた2
値化処理では、画像データの階調値とディザマトリック
スの閾値とを対応する画素毎に比較し、C,M,Y,
K,LC,LM,DYの7色について、全画素のドット
形成有無を判断する。
【0194】組織的ディザ法の場合も誤差拡散法による
2値化処理の場合と同様に、色変換処理(図18参照)
ではC,M,Y,Kの4色の画像データを生成させ、C
の階調データからCとLCのドット形成有無を、またM
の階調データからMとLMのドット形成有無を、Yの階
調データからYとDYのドット形成有無を判断するよう
にしてもよい。かかる方法によれば、色変換処理で4色
の画像データを生成させればよいので、色変換処理を簡
略化することができる。更に、同色系統のドット(例え
ばCドットとLCドット)に関しては、1つの画素に重
ね打ちされることを簡単に避けることができ、画質の向
上が期待できる。
【0195】B−6.インターレース処理:図18に示
したように、CPU81は階調数変換処理を終了する
と、インターレース処理を開始する(ステップS10
8)。この処理は、階調数変換処理によってドットの形
成有無を表す形式に変換された画像データを、カラープ
リンタ20に転送すべき順序に並べ替える処理である。
すなわち、前述のようにカラープリンタ20は、キャリ
ッジ40の主走査と副走査を繰り返しながら、印字ヘッ
ド41を駆動して印刷用紙Pの上にドット列(ラスタ)
を形成していく。図4を用いて説明したように、各色毎
のインク吐出用ヘッド44ないし50には、複数のノズ
ルNzが設けられているので、1回の主走査で複数本の
ラスタを形成することができる。それらラスタは互いに
ノズルピッチkだけ離れている。その結果、画素間隔で
並ぶラスタを形成するには、まず、ノズルピッチkだけ
離れた複数のラスタを形成し、次にヘッド位置を少しず
らして、ラスタの間に新たなラスタを形成していくとい
った制御が必要となる。また、印刷画質を向上させるた
めに、1本のラスタを複数回の主走査に分けて形成した
り、更には印刷時間を短縮するために、主走査の往動時
と復動時のそれぞれでドットを形成するといった制御も
行われる。
【0196】インターレース処理が終了すると、画像デ
ータはプリンタが印刷可能な画像データFNLとして、
カラープリンタ20に出力される(ステップS11
0)。
【0197】C.シミュレーション結果:DYインクを
使用することによる画質の改善効果を確認するために、
以下に説明するようなシミュレーション計算による検討
を行った。シミュレーション計算にあたっては次のよう
な条件を設定した。 [条件1]赤色は、MドットとYドットとを共にドット
記録率100%で形成することによって表現される。 [条件2]黒色は、Kドットをドット記録率100%で
形成することにより表現される。 [条件3]Kドットは、Kドットと同密度ずつのCドッ
ト,Mドット,Yドットの組合せによって、等価に置き
換えることができる。 [条件4]LCドットは、ドット記録率が1/4の値の
Cドットによって、等価に置き換えることができる。 [条件5]LMドットは、ドット記録率が1/4の値の
Mドットによって、等価に置き換えることができる。 [条件6]DYドットは、DYドットと同密度ずつのL
Cドット,LMドット,Yドットの組合せによって、等
価に置き換えることができる。
【0198】もちろん実際には、更に複雑な条件で印刷
されており、例えば、各インクの置き換え率(置き換え
ても出力色が変わらないような各色インクの割合)は印
刷条件によって複雑に変化し、上述の条件のように一定
値を示すことはまれである。従って、以下に示すシミュ
レーション結果は、現実の印刷結果と厳密に一致するわ
けではないが、DYインクを使用することによって画質
が改善されるという、シミュレーション計算の定性的な
効果は、現実の印刷においても十分に再現し、確認する
ことが可能である。
【0199】C−1.赤色から黒色へのグラデーション
パターン:図25は、本実施例のカラープリンタ20を
用いて、赤色が次第に暗くなり黒色に移るグラデーショ
ンパターンを印刷した時の、各色ドットのドット記録率
をシミュレーション計算した結果を示したものである。
上述の条件に従えば、赤色から黒色へのグラデーション
パターンは、MドットおよびYドットのドット記録率が
共に100%の状態で、Cドットのドット記録率が0%
から100%まで直線的に増加するパターンで表現され
ることになる。
【0200】横軸の0%は赤色の状態を、100%は黒
色の状態を示し、横軸の値が増えるほど印刷用紙上に表
現される赤色は暗くなっていく。図25(a)は、イン
クデューティ制限値が220%の印刷用紙を使用し、D
Yインクのドットを形成した場合のシミュレーション結
果を示す。
【0201】図25(a)に示すように、横軸0%
(R)の状態では、印刷用紙にはMドットとYドットの
みがそれぞれ100%ずつ形成されている。Mドットの
記録率とYドットの記録率とを100%に保ったまま、
LCドットの記録率を増やすにつれて次第に明度が低く
(暗く)なっていく。LCドットのドット記録率が20
%になると(横軸の値で約5%)、Y,M,LCの各ド
ットの合計が220%となり、印刷用紙のインクデュー
ティ制限から、それ以上の密度でドットを形成すること
ができなくなる。そこで横軸5%付近から、DYドット
を徐々に形成させ、その分だけYドットのドット記録率
を減少させていく。赤色の中にDYドットを形成して
も、次の理由からドットが目立つようなことはない。前
述の条件6によれば、DYドットを形成するということ
は、DYドットと同量のYドット,LMドット,LCド
ットをそれぞれ形成することと等価と考えることができ
る。YドットとMドットが共にドット記録率100%で
形成されている状態で、YドットあるいはLMドットを
形成しても、これらドットは背景に紛れてしまいドット
が目立つことはない。従って、赤色中に形成されるDY
ドットの目立ち易さはLCドットと同程度であり、非常
に目立ちにくいドットであると考えることができる。
【0202】DYインクにはYインクに加えてLCイン
クとLMインクとが含まれていると考えることができる
ので(前述の条件6)、DYドットを形成すると、それ
に対応してLCドットとMドットのドット記録率を減ら
すことができる。これらドットのドット記録率を減らす
ことができれば、インクデューティ制限値に対して余裕
が生まれ、LCドットのドット記録率を更に増加させる
ことが可能になる。このように、M,Y,LCの各ドッ
トのドット記録率の合計がインクデューティ制限値に達
した後も、YドットをDYドットで置き換えれば、印刷
用紙上に表現される赤色の明度を低くしていく(横軸を
大きくしていく)ことができる。目立ちやすいCドット
を使用せずに済む分だけ、粒状性の悪化を回避すること
が可能になる。
【0203】YドットをすべてDYドットで置き換えて
しまうと、それ以上はDYドットを形成することはでき
ない。そこでLCドットを、より濃いCドットで徐々に
置き換えることによって横軸の値を増加させていく。C
ドットの形成を開始するのは、図25(a)を見れば、
横軸の値が40%付近であることがわかる。Cドットは
比較的暗いドットであるので、明るい赤色中に形成した
場合にはCドットの存在が目に付いて粒状性を悪化させ
るおそれがある。しかし図25(a)に示す場合のよう
に、横軸の値が40%程度となるような明度の低い赤色
になっていれば、Cドットを形成しても粒状性を悪化さ
せることはない。
【0204】C,M,DYの各ドットのドット記録率の
合計がインクデューティ制限値付近になると、それ以上
はドットを形成することができなくなるので、各ドット
のドット記録率を減らし、代わりにKドットを徐々に増
やしていく。前述したように、Kドットはたいへん暗い
(明度が低い)ドットであり、十分に暗い背景に形成し
なければ粒状性を大幅に悪化させる。しかし、図25
(a)に示すように、Kドットの形成を開始するのは、
横軸の値が70%付近であって、印刷用紙上に表現され
ている赤色の明度は十分に低い値となっているので、K
ドットが目立って画質が低下することはない。こうし
て、最終的にはKドットのみが100%形成された状態
になる。その結果、印刷用紙上には、赤色(Mドットと
Yドットのみが100%形成されている状態)から黒
(Kドットのみが100%形成されている状態)になだ
らかに移り、印刷用紙上には赤色から黒色へと自然に色
が変化するグラデーションパターンが印刷される。Cド
ットあるいはKドットの形成を開始するのは、それぞれ
横軸の値が40%と70%付近であり、これらのドット
が目立って画質を低下させることもない。
【0205】図25(b)は、インクデューティ制限値
が220%の印刷用紙を使用し、DYドットを用いずに
赤色から黒色へのグラデーションパターンを印刷した場
合に、各色ドットのドット記録率をシミュレーション計
算した結果を示す説明図である。赤色(横軸0%)から
LCドットのドット記録率を増やしていくと次第に赤色
は暗くなっていくが、インクデューティの制限からLC
ドットのドット記録率が20%付近に達するとCドット
の形成を開始する必要が生じる。Cドットの形成が必要
になり始めるのは横軸5%付近、すなわち印刷用紙上に
は未だ明るい赤が表現されている状態である。明るい赤
の中にLCドットを形成しても、LCドットの存在は比
較的目立たない。しかし図25(b)に示す場合のよう
に、LCドットよりも色の濃いCドットを明るい赤の中
に形成すると、Cドットの存在が目に付いて、粒状性が
悪化するという問題が生じる。
【0206】LCドットのドット記録率を徐々に減ら
し、すべてをCドットに置き換えてしまうと、インクデ
ューティの制限からそれ以上はドットを形成できなくな
るので、MドットとYドットのドット記録率を少しずつ
減らして、代わりにKドットの形成を開始する。図25
(b)では、横軸25%付近でこのような状態となって
いる。Kドットは明度がたいへん低い値のドット(暗い
ドット)であるため、横軸25%付近でKドットを形成
すると大幅に粒状性を悪化させる。
【0207】以上、説明したように、赤色から黒色への
グラデーションパターンを、インクデューティ220%
の印刷用紙上に、DYインクを使用せずに印刷すると、
赤色がまだ明るい段階ではCドットが目立ち、赤色が少
し暗くなるとKドットが目立って、結果として粒状性の
悪い画像となってしまう。これを逆に言えば、DYイン
クを使用することにより、それだけ粒状性が改善されて
いることになる。もっとも、CドットやKドットに起因
する粒状性の悪化を解消できたとしても、代わりに使用
したDYドットが目立ちやすければ、粒状性の悪化を解
消した意味がないことになる。しかし、DYインクに含
まれるYインクの成分やLMインク成分は、背景の赤色
に紛れてほとんど目立たなくなるので、実質的に目立ち
うるのはDYインク中のLCインクの成分のみである。
つまり、赤色の背景中に形成されるDYドットの目立ち
易さはLCドットとほぼ同等となり、ドットの目立たな
い、粒状性の極めて良好な画像を得ることができる。
【0208】図25(c)は、DYインクのドットは形
成しないものとし、代わりに印刷用紙をインクデューテ
ィ制限値が260%のものに変更した条件で、赤色から
黒色へのグラデーションパターンを印刷した時の、各色
ドットのドット記録率をシミュレーション計算した結果
を示した説明図である。赤色(横軸の値0%)からLC
ドットを徐々に形成して行くに従って赤色の明度は低く
(暗く)なっていくが、LCドットのドット記録率が6
0%(横軸15%付近)になるとインクデューティ制限
値に達するために、今度はLCドットをCドットに置き
換えることによって赤色を暗くしていく。Cドットのド
ット記録率が60%(横軸65%)になると、それ以上
はCドットを形成できなくなるので、C,M,Yドット
を少しずつ減らし、代わりにKドットを増加させ、最終
的にKドットが100%形成された状態(黒色)とす
る。図25(c)と図25(a)とを比較すると、Cド
ットの形成開始時期も、Kドットの形成開始時期も、ど
ちらも図25(c)の方が早くなっており、その分だけ
ドットが目立ち易くなって粒状性が悪化傾向にある。す
なわち、このシミュレーション条件では、インクデュー
ティ制限値220%の印刷用紙からインクデューティ制
限値260%の印刷用紙に変更することで得られる画質
改善効果よりも、DYドットを使用することによる画質
改善効果の方が大きいと考えることができる。
【0209】以上のシミュレーション結果から、DYイ
ンクは次のような使われ方をするインクであると考える
こともできる。すなわちDYインクは、赤色から黒色へ
のグラデーションパターンを印刷する場合に、Cインク
のドットよりもドットが早く形成され、かつ、C,M,
Yの3つのインクの中では色相がYインクにもっとも近
いインクである。尚、MインクのドットとYインクのド
ットは、赤色を表現するために予め形成されているの
で、DYインクのドットが、これらインクのドットより
も早くから形成されることはない。
【0210】更に、DYインクを次のような使われ方を
するインクと考えることもできる。すなわちDYインク
は、赤色から黒色へのグラデーションパターンを印刷す
る場合に、LCインクのドットが形成されてからドット
が形成され、かつ、C,M,Yの3つのインクの中では
色相がYインクにもっとも近いインクである。LCイン
クのドットが形成された後に形成されるということか
ら、DYインクのドットは、LCインクのドットと共に
ドットが形成されるインクと考えることもできる。
【0211】また、C,M,Y,K,LC,LMの6色
のインクを使用する従来のカラープリンタでは、Y,L
C,LMインクがC,Mインクよりも多く消費される傾
向にある。前述したようにC,M,Y,LC,LMのイ
ンクが1つのインクカートリッジ43に収容されている
ので、C,Mインクが残っているにもかかわらず、Y,
LC,Mインクが無くなってインクカートリッジを交換
しなければならない場合があった。本実施例のカラープ
リンタ20では、Yインクに変えてDYインクを使用す
る分だけYインクの使用量を減らすことができ、またD
Yインクにシアンやマゼンタの染料が含まれている分だ
けLCインクやLMインクの使用量を減らすことができ
る。その結果、DYインクを使用することで、各色イン
クの減り方を均等化させ、インクカートリッジの交換頻
度を減らすことができるという効果も生じる。もちろ
ん、LC,LM,DYインクを1つのインクカートリッ
ジに収容してもよい。こうすれば、インク消費量の多い
LC,LM,DYインクのカートリッジだけを交換する
ことが可能となる。
【0212】以上は赤色から黒色へのグラデーションパ
ターンについて説明した。これは、2色のドット(この
例ではYドットとMドット)が形成されている条件から
始まるグラデーションパターンの1例として、赤色から
黒色へのグラデーションパターンを説明したものであ
る。当然、CドットとMドット、およびLCドットとL
Mドットとを入れ替えることにより、緑色から黒色への
グラデーションパターンを印刷する場合にも、全く同様
な効果を得ることができる。尚、DYインクに添加され
るシアン染料やマゼンタ染料の量を変える効果について
は後述する。
【0213】C−2.マゼンタ色から黒色へのグラデー
ションパターン:図26は、本実施例のカラープリンタ
20を用いて、マゼンタ色から黒色へ至るグラデーショ
ンパターンを印刷した時の、各色ドットのドット記録率
をシミュレーション計算した結果を示す説明図である。
シミュレーション計算にあたって用いた条件は、前述の
赤色から黒色へのグラデーションパターンのシミュレー
ションで用いた条件と同様である。図26(a)はイン
クデューティ制限値220%の印刷用紙を使用してDY
ドットを形成する条件での計算結果を示し、図26
(b)はインクデューティ制限値220%の印刷用紙を
使用してDYドットを形成しない条件での計算結果を、
図26(c)はインクデューティ制限値260%の印刷
用紙を使用しDYドットは形成しない条件での計算結果
を、それぞれ示した説明図である。
【0214】図26(a)に示すように、マゼンタ色か
ら黒色へのグラデーションパターンでは、Mドットのド
ット記録率100%の状態(横軸0%)から、LCドッ
トとYドットのドット記録率を徐々に増加させていく。
前述の条件4によれば、LCインクのドットは1/4の
量のCインクドットと等価であるから、この時のLCド
ットの増加割合はYドットの増加割合の4倍となる。L
CドットとYドットのドット記録率が増加して、Mドッ
トとYドットとLCドットの合計値がインクデューティ
制限値に達すると、YットをDYドットで徐々に置き換
えて行く。全てのYドットをDYドットで置き換えてし
まうと、今度はLCドットをCドットに少しずつ置き換
えて行く。図26(a)のシミュレーション結果を見れ
ば、Cドットの形成を開始するのは横軸の値が35%付
近である。また、前述したように、DYインクにはLM
インクとLCインクとが含まれているので(前述の条件
6参照)、DYドットを形成することは同数のLMドッ
トとLCドットを形成することに相当する。従って、D
Yドットのドット記録率が増加するにつれてMドットの
ドット記録率を減少させることができ、更にはCドット
の増加量も抑制することができる。
【0215】C,M,DY各ドットの記録率の合計がイ
ンクデューティの制限値付近まで増加すると、Kドット
を少しずつ形成させる。シミュレーション結果によれ
ば、Kドットの形成を開始するのは横軸が約80%付近
である。Kドットのドット記録率を増加させるに従っ
て、C,M,DYの各ドットのドット記録率を減少さ
せ、最終的にはKドットのみが100%形成されている
状態(黒)にする。その結果、印刷用紙上には、マゼン
タ色から黒色まで色相がなだらかに変化する自然なグラ
デーションパターンが印刷される。
【0216】図26(b)は、図26(a)の条件に対
してDYドットを使用しない条件、すなわちDYドット
の形成を行わず、印刷用紙のインクデューティ制限値が
220%の条件で、マゼンタ色から黒色へのグラデーシ
ョンパターンを印刷した時の、各色のドット記録率のシ
ミュレーション結果を示す説明図である。DYドットを
形成しない条件(図26(b)参照)では、DYドット
を形成する条件(図26(a)参照)に比べて、Cドッ
トの使用開始が若干早くなり、Kドットの形成開始が大
幅に早くなっている。図26(b)のシミュレーション
結果のように、横軸60%付近からKドットの形成を開
始すると、印刷画像の粒状性が大幅に悪化してしまう。
このことを逆に言えば、DYドットを使用することによ
り、印刷後画像の粒状性を大きく改善することができる
ことになる。この粒状性の改善効果は、DYインクにシ
アン染料とマゼンタ染料とが添加されていることで得ら
れるものである。すなわち、DYドットを形成すること
は、染料の添加割合に相当する所定量のCドットとMド
ットとを形成することでもある。従って、シャドー領域
(例えば横軸で75%付近)に形成すべきYドットをD
Yドットで置き換えることができれば、その分だけMド
ットとCドットのドット記録率を減少させることができ
る。その結果、インクデューティ制限に対して余裕が生
まれるので、その分だけKドットの使用開始を遅らせる
ことができるのである。
【0217】上述のように、DYドットを使用すること
によりKドットの使用開始時期を大幅に遅らせることが
でき、またKドット程ではないにしても、Cドットの使
用開始時期も遅らせることができ、その結果、大きな粒
状性改善効果を期待できるものと考えられる。もちろ
ん、比較的早い時期から使用されるDYドットが目立つ
のでは、結果として粒状性が改善されたことにはならな
い。そこで、DYドットの目立ち易さについて考えてみ
る。前述したようにDYインクは、LMインクとLCイ
ンクとYインクとが含まれたインクと考えることができ
る(前述の条件6)。DYインクのドットをマゼンタの
背景に形成する場合、DYインク中のLMインク成分は
背景に紛れてしまい、残るLCインクもYインクもかな
り目立ちにくいインクである。DYドットを形成するこ
とは、LCドットとYドットとを同一箇所に重ねて形成
することになるが、どちらのドットもCドットあるいは
Kドットの比べて遙かに目立ち難いドットであるため、
マゼンタの背景中に比較的早期からDYドットを形成し
ても、そのことにより粒状性の悪化を招くことはないと
考えることができる。したがって、マゼンタ色から黒色
へのグラデーションパターンを印刷する場合、DYドッ
トを使用することにより、CドットおよびKドットの使
用が抑制され、大きな粒状性改善効果を得ることができ
る。
【0218】図26(c)は、DYドットを使用しない
代わりに、インクデューティ制限値が260%の印刷用
紙を使用する条件で、各色ドットのドット記録率をシミ
ュレーション計算した結果を示した説明図である。図2
6(c)の計算結果を図26(a)の計算結果をと比較
すれば、CドットおよびKドットの使用開始時期は、図
26(a)とほぼ同じとなっている。すなわち、マゼン
タ色から黒色へのグラデーションパターンを印刷する場
合、DYドットを使用してインクデューティ制限値22
0%の印刷用紙に印刷する条件と、DYドットを使用せ
ずにインクデューティ制限値260%の用紙に印刷する
条件とで、ほぼ同程度の画質が得られることになる。
【0219】以上、図26に示されるように、マゼンタ
色から黒色へのグラデーションパターンを印刷する場
合、DYドットを使用すると粒状性の悪化を回避し、画
質を改善することができる。更に、DYインクを使用す
る分だけ、YインクやLCインク、LMインクの使用量
を減らすこともできる。
【0220】以上のシミュレーション結果から、DYイ
ンクは次のような使われ方をするインクであると考える
こともできる。すなわちDYインクは、マゼンタ色から
黒色へのグラデーションパターンを印刷する場合に、C
インクのドットよりもドットが早く形成され、Yインク
のドットよりも遅く形成され、かつ、C,M,Yの3つ
のインクの中では色相がYインクにもっとも近いインク
である。尚、Mインクのドットは、赤色を表現するため
に予め形成されている。
【0221】更に、DYインクを次のような使われ方を
するインクと考えることもできる。すなわちDYインク
は、マゼンタ色から黒色へのグラデーションパターンを
印刷する場合に、LCインクのドットが形成されてから
ドットが形成され、かつ、C,M,Yの3つのインクの
中では色相がYインクにもっとも近いインクである。L
Cインクのドットが形成された後に形成されるというこ
とから、DYインクのドットは、LCインクのドットと
共にドットが形成されるインクと考えることもできる。
【0222】尚、以上の説明は、1色のドットが形成さ
れている状態から始まるグラデーションパターンの例と
して、マゼンタ色から黒色へのグラデーションパターン
について説明したものである。当然、MドットをCドッ
トやYドットに置き換えれば、シアン色あるいはイエロ
色から黒色へのグラデーションパターンにも同様に適用
することができる。
【0223】C−3.白色から黒色へのグラデーション
パターン:図27は、本実施例のカラープリンタ20を
用いて、白色から黒色へ至るグラデーションパターンを
印刷した時の、各色ドットのドット記録率をシミュレー
ション計算した結果を示す説明図である。シミュレーシ
ョン計算にあたって用いた条件は、前述した計算と同様
である。図27(a)はインクデューティ制限値220
%の印刷用紙を使用してDYドットを形成する条件、図
27(b)はインクデューティ制限値220%の印刷用
紙を使用しDYドットを形成しない条件、図27(c)
はインクデューティ制限値260%の印刷用紙を使用し
DYドットを形成しない条件としたときの、それぞれの
条件でのシミュレーション結果を示したものである。
【0224】図27(a)に示すように、白から黒への
グラデーションパターンを印刷する場合は、ドットが全
く形成されていない状態から徐々にLCドット,LMド
ット,Yドットを形成していき、LCドット,LMドッ
トの密度がそれぞれ100%付近に達すると、LCドッ
トをCドットに、LMドットをMドットにそれぞれ置き
換えていく。ここで、DYインクにはLCインク,LM
インクが含まれていると考えることができるので(前述
の条件6参照)、LCドット,LMドットが100%に
達する前に、Yドットに変えてDYドットを形成するこ
とにすれば、LCドット,LMドットが100%に達す
る時期が遅れることになる。結局、その分だけCドット
とMドットの形成開始を遅らせることができる。このよ
うに、Cドット,Mドットの形成開始時期が遅くなれ
ば、ドットがそれだけ目立ちにくくなり、粒状性の悪化
を防ぐことができる。
【0225】C,M,DYの各ドットのドット記録率が
増えるにつれて、印刷用紙上に表現される色は、次第に
明度の低い(暗い)灰色となっていく。各ドットのドッ
ト記録率の合計がインクデューティの制限値付近に達す
ると、Kドットの形成を開始し、代わりにC,Mドット
などの色ドットの密度を減少させる。こうしてKドット
のみが100%形成される状態に達すると、印刷媒体上
には白色から黒色になめらかに変化するグラデーション
パターンが印刷されることになる。
【0226】DYドットを形成する条件(図27
(a))とDYドットを形成しない条件(図27
(b))とのシミュレーション結果を比較すると、DY
ドットを形成することによってKドットの形成開始を遅
らせることが可能となっている。これは、次のような理
由によるものである。前述の条件6により、DYインク
には、Yインクに加えてLCインクとLMインクとが含
まれていると考えることができるから、Yドットに変え
てDYドットを形成すれば、それだけCドットとMドッ
トの形成を少なくすることができる。このため、インク
デューティ制限値に対して余裕が生じ、その分だけKド
ットの形成開始時期を遅くすることができるのである。
【0227】このように、白から黒へのグラデーション
パターンを印刷する場合にも、DYドットを形成するこ
とにより、Cドット,Mドットの形成開始時期、および
Kドットの改正開始時期を遅くすることができ、それだ
け粒状性の悪化を回避して画質を向上させることができ
る。
【0228】図27(c)は、インクデューティ制限値
が260%の印刷用紙を使用する条件におけるシミュレ
ーション計算結果である。この図と図27(a)とを比
較すれば明らかなように、CドットおよびKドットの使
用開始時期はほぼ同等である。すなわち、白から黒への
グラデーションパターンを印刷する場合、DYドットを
使用することにより得られる画質改善効果は、印刷用紙
のインクデューティ制限値を220%から260%に向
上させることによる効果と、ほぼ同等の効果が期待でき
ることが分かる。
【0229】以上のシミュレーション結果から、DYイ
ンクは次のような使われ方をするインクであると考える
こともできる。すなわちDYインクは、白色から黒色へ
のグラデーションパターンを印刷する場合に、Cインク
のドットおよびMインクのドットよりもドットが早く形
成され、かつ、C,M,Yの3つのインクの中では色相
がYインクにもっとも近いインクである。尚、Mインク
のドットは、赤色を表現するために予め形成されてい
る。また、Yインクとの関係では、DYインクは、Yイ
ンクのドットよりも遅くドットが形成されるインクとす
ることができる。DYインクはYインクに比べればドッ
トの目立ち易いインクであるから、Yインクのドットを
形成した上に重ねてDYインクのドットを形成すれば、
よりドットの目立たない高画質の画像を印刷することが
可能となる。もっとも、DYインクのドットをYインク
のドットの代わりに形成したり、DYインクのドットと
Yインクのドットとを同時に形成することもできる。D
Yインクのドットは、CインクやMインクのドットに比
べて大変目立ち難いドットであることから、必ずしもY
インクのドットが形成された上に形成しなくても、DY
ドットが目立って印刷画質を悪化させることは少ない。
むしろ、このようにDYインクを使うことによって、全
体としてのインク使用量を減少させることができる。
【0230】更に、DYインクを次のような使われ方を
するインクと考えることもできる。すなわちDYインク
は、白色から黒色へのグラデーションパターンを印刷す
る場合に、LCインクのドットおよびLMインクのドッ
トが形成されてから、あるいはLCインクのドットとL
Mインクのドットと同時にドットが形成され、かつ、
C,M,Yの3つのインクの中では色相がYインクにも
っとも近いインクである。従って、DYインクは、LC
インクおよびLMインクのドットと共にドットが形成さ
れるインクであると考えることもできる。
【0231】以上説明してきたシミュレーションでは、
粒状性の悪化を回避して少しでも良好な画質を追求する
ものとした。その結果、インクデューティ制限に余裕が
ある限りは、できるだけドットが目立たないインクを選
択するようにしている。しかし、粒状性に問題が発生し
ない限りは、上述のシミュレーションよりも早めにLC
ドットをCドットに置き換え、LMドットをMドットに
置き換え、更にYドットをDYドットに置き換えて、C
ドットや、Mドット、DYドット、Kドットの発生ポイ
ントをより横軸の0%側に近づけても構わないのはもち
ろんである。前述の条件6によれば、同量ずつのYドッ
トとLCドットとLMドットとをDYドットに置き換え
て考えることが可能であり、早めにDYドットに置き換
えることによってインク使用量を少なくすることができ
る。
【0232】結局、DYインクを用いることによって、
インク量同一とすれば更に粒状性が良好な画像を得るこ
とができる。また、画質同等とすれば更に少ないインク
使用量で画像を印刷することができる。このように、D
Yインクの用い方は、画質を優先するのか、インク使用
量の節約を優先するのか、更には2つの両立を図るのか
によって、適した設定とすることが可能である。
【0233】以上に説明してきたように、DYインクを
使用することにより、シャドー領域に至るグラデーショ
ンでシアンドットやマゼンタドットやブラックドットが
目立つことに起因する粒状性の悪化を改善することが可
能になる。
【0234】暗インクとしては、他に、例えばダークシ
アンやダークマゼンタを用いることも可能であり、これ
らのインクを使用した場合もダークイエロの場合と同様
に、インクデューティの改善効果やインク使用量を節約
する効果を得ることができる。また、粒状性を改善する
効果に関しても、ダークシアンを使用した場合はイエロ
ドットおよびマゼンタドットに起因する粒状性の改善効
果が得られ、ダークマゼンタの場合はイエロドットおよ
びシアンドットに起因する粒状性の改善効果を得ること
が可能となる。しかしながら、明度の高いイエロドット
は元々目立ちにくいドットであり、粒状性を悪化させる
主要因とはなっていない。従って、ダークシアンの使用
により得られる効果は主にマゼンタドットに起因する粒
状性の改善効果であり、またダークマゼンタの場合は主
にシアンドットに起因する粒状性の改善効果であると考
えられる。これに対して、ダークイエロを使用する場合
は、シアンドットおよびマゼンタドットに起因する粒状
性の悪化を一度に解決することができるので、ダークイ
エロの使用が特に効果的であると言える。また、暗イン
ク自体の目立ち易さからいっても、イエロを主成分とす
るダークイエロインクは、ダークシアンあるいはダーク
マゼンタよりも目立ちにくいインクであるため、粒状性
の観点からもダークイエロの使用がもっとも好ましいと
考えられる。
【0235】C−4.4色インクのプリンタへの適用
例:以上の全ての説明は、C,M,Y,K,LC,LM
の6色インクのカラープリンタに、DYインクを追加し
たときに得られる効果に関するものである。しかし、D
Yインクを追加するカラープリンタは、6色インクを使
用するものに限らず、例えば、C,M,Y,Kの4色イ
ンクのカラープリンタや、C,M,Yの3色インクを使
用するカラープリンタにDYインクを追加しても、同様
な効果を得ることができる。
【0236】図28は、C,M,Y,Kの4色を備えた
カラープリンタを使用して、赤色から黒色へ至るグラデ
ーションパターンを印刷する場合に、DYインクを追加
することによる効果を確認したシミュレーション結果で
ある。図28(a)はインクデューティ制限値220%
の印刷用紙を用いてDYドットを使用する条件、図28
(b)はDYドットを使用しない条件、図28(c)は
インクデューティ制限値260%の印刷用紙を使用しD
Yドットを使用しない条件で、各色毎のドット記録率を
シミュレーション計算した結果を示す説明図である。
【0237】図28に示したシミュレーション結果から
次のようなことが分かる。まず、4色インクのカラープ
リンタではLCドットが使えないために早い段階からC
ドットを使用する必要がある。前述したように、明るい
赤の中に形成されるCドットは目立ちやすく、粒状性を
大きく悪化させてしまう。この点、DYインクの使用が
可能な場合には(図28(a)の条件)、Yドットを徐
々にDYドットに置き換えて行くだけで、赤色を暗くす
ることができる。前述したように、赤色中に形成される
DYドットは、LCドット相当にしか目立たないので、
YドットをDYドットに置き換えていくことで粒状性が
悪化することはない。
【0238】全てのYドットをDYドットに置き換えて
しまうと、いよいよCドットを形成する必要があるが、
DYドットの形成により赤色の明度は既にある程度低く
(暗く)なっており(横軸の値で25%程度)、Cドッ
トを形成しても粒状性が悪化することはなくなってい
る。このようにDYインクの使用により、Cドットの形
成開始時期を遅らせて、その分だけ粒状性を改善するこ
とができる。
【0239】更に、このシミュレーション計算では、D
YインクはYインクにLCインクとLMインクを加えた
インクと考えることができるから(前述の条件6)、D
Yドットを形成した分だけMドットのドット記録率を減
少させることができ、その分だけインクデューティ制限
値に対して余裕が生まれることになる。インクデューテ
ィ制限に余裕が生まれれば、それだけKドットの形成開
始時期を遅らせることができ、粒状性の悪化を避けるこ
とができる。DYインクを使用する条件で計算した結果
を示す図28(a)と、DYインクを使用しない条件の
図28(b)とを比較してみれば、Kドットの形成開始
時期はDYインクの使用により、横軸25%付近から7
5%付近へと大きく遅くなっていることが分かる。この
シミュレーション条件は、DYインクの使用により粒状
性の悪化を劇的に改善することができることを示してい
る。
【0240】図28(c)は、DYインクを使用する代
わりに、印刷用紙のインクデューティ制限値を220%
から260%に引き上げられたものとして、シミュレー
ション計算を行った結果を示した説明図である。図28
(b)と図28(c)とを比較すれば、図28(c)の
条件では、インクデューティ制限値が引き上げられてい
る分だけKドットの開始時期が遅くなっている。とはい
え、図28(a)とを比較すれば、DYインクを使用す
る程の効果は得られていないことが分かる。また、印刷
用紙のインクデューティ制限値を260%に引き上げた
としても、Cドットは横軸の値0%から形成しなければ
ならないが、DYインクを使用すればCドットの形成開
始時期を横軸の値25%付近まで遅らせることができ
る。前述したように、シアン色は赤色の補色であるた
め、赤色の背景に形成する場合はKドットほどではない
にしろCドットも目立ちやすいドットであるといえる。
従って、DYインクを使用してCドットの形成開始時期
を横軸25%付近まで遅らせることにより、明るい領域
(ハイライト領域)での粒状性が大きく改善されること
になる。
【0241】以上のように、赤色から黒色へのグラデー
ションパターンを印刷する場合、たとえ印刷用紙をイン
クデューティ制限値の高い印刷用紙に変更してもシャド
ー領域(横軸の値が大きな領域)の画質改善効果しか得
られないが、DYインクを使用すればハイライト領域か
らシャドー領域にわたる全領域で画質を改善することが
できる。
【0242】C−5.3色インクのプリンタへの適用
例:図29は、Kインクを使用せず、C,M,Yインク
のみを使用するカラープリンタで、白から黒へ至るグラ
デーションパターンを印刷する場合のシミュレーション
計算結果を示した説明図である。Kインクで表現された
黒色と異なり、C,M,Yインクを重ねて表現された黒
色は、明度が十分には低く(暗く)ならず、いわゆる、
ぼやけた感じの黒色になってしまう傾向がある。このた
め、C,M,Yインクで白色のグラデーションパターン
を印刷する場合には、C,M,Yドットをいずれのドッ
トもドット記録率100%で形成する必要がある。図2
9(a)は、この状態における各色ドットのドット記録
率をシミュレーションした結果である。もちろん、各色
ドットのドット記録率の合計値は、インクデューティ制
限値を越えており、このようなドット記録率の設定は現
実的ではない。逆に言えば、3色インクのカラープリン
タにおいては、インクデューティ制限を考慮した現実的
なドット記録率に設定する限り、ぼやけた感じの黒色し
か表現できないことになる。
【0243】図29(b)はC,M,Yドットに加え、
DYドットも形成可能とする条件で、各色ドットのドッ
ト記録率を計算した結果を示したものである。この計算
においては、DYインクにはYインクに加えて、LCイ
ンクとLMインクとが含まれていると考えることができ
るから(前述の条件6)、Yドットに変えてDYドット
を形成すれば、その分だけCドットやMドットのドット
記録率を減らすことができる。その結果、DYドットを
使用すれば、インクデューティ制限を考慮した現実的な
ドット記録率の設定しても、ぼやけた感じのない十分な
黒色を表現することが可能となる。
【0244】上述のように、DYインクを使用すること
によって、Kインクを使用せずとも十分な黒色を表現す
ることが可能となる。従って、C,M,Y,Kのインク
を使用する4色インクのカラープリンタ、あるいは4色
インクにLC,LMインクを加えた6色インクのカラー
プリンタにおいて、Kインクの代わりにDYインクを搭
載したようなカラープリンタでも、十分な濃度の黒色を
表現した高品質の画像を印刷することができる。従っ
て、例えば、従来の4色インクあるいは6色インクのカ
ラープリンタで、Kインク用のインクカートリッジの代
わりにDYインク用のカートリッジを搭載し、プリンタ
ドライバを専用のドライバに書き換える等すれば、従来
のカラープリンタを使用しながらDYドットを形成し、
なおかつ十分な黒色を表現した高品質の画像を印刷する
ことも可能である。
【0245】以上、シミュレーション計算に基づいて説
明してきたように、DYインクを使用することによっ
て、ドット形成形成の自由度が向上し、種々の印刷条件
において画質の向上を図ることが可能となる。更に、D
Yインクを用いてドット形成の自由度を向上させること
により、明度が低くかつ彩度が高い画像を適切に印刷す
ることも可能となる。すなわち、このような画像はイン
クデューティ制限の制約を受けて所望の色彩を表現でき
ない場合が多いが、DYインクの使用によりインクデュ
ーティ制限の制約が緩和されれば、表現する色をそれだ
け所望の色彩に近づけることが可能となる。
【0246】また、以上説明してきたシミュレーション
計算では、使用したDYインクは、前述の条件6のよう
なインクであるものとした。このDYインクは、図14
(b)に示したDY1タイプに近いインクである。もち
ろん、DY2タイプに近いインクを使用しても、次のよ
うな理由から、同様な効果が得られるものと考えられ
る。
【0247】すなわち、色彩学上の減法混色の理論を適
用して、KインクはKインクと等量ずつのC,M,Yイ
ンクを重ね合わせたものと等価であると仮定する。そう
すると、前述の条件4ないし条件6により、DYインク
はYインクに1/4量のCインクと1/4量のMインク
とを加えたインクと考えることができる。Kインクはそ
れと等量ずつのC,M,Yインクを重ね合わせたものと
等価であると考えたのであるから、DYインクは3/4
量のYインクと1/4量のKインクとを混合しても得ら
れることになり、こうして得られたインクは図14で想
定したDY2タイプのインクである。従って、以上の条
件の下では、DYインクで確認された効果は、DY2の
ようなインクであっても同様に得られるものと考えれら
れる。
【0248】もっとも、実際の印刷においては、Kイン
クはKインクと等量ずつのC,M,Yインクを重ね合わ
せたものに等価であるという条件が厳密に成立するわけ
ではない。しかし、DY2タイプのインクであっても、
定性的には、DY1タイプのインクで得られた効果と同
様な効果が得られるものと考えられる。更には、前述し
たDY3インクのような、色相に対する視覚感度の低下
する領域で分光特性の大きく異なったインクを用いるこ
ともできる。
【0249】また、以上説明してきたシミュレーション
計算では、条件6において、DYインクはYインクに同
量のLCインクとLMインクとを加えたインクと等価で
あるものとしたが、Yインクに加えるLCインクあるい
はLMインクの割合は、これに限定されるものではない
ことは、もちろんである。同様に、図12に示すよう
に、DY1インクに添加されるシアン染料あるいはマゼ
ンタ染料の量は、どちらもCインク,Mインクに含まれ
る染料の約1/4となっているが、DYインクに添加す
る染料の量は、この実施例に限られるものではない。例
えば、シアン染料とマゼンタ染料の添加量を増加させた
り、両染料の比率を変えたインクとしてもよい。
【0250】DYインクに添加する染料の割合を少なく
するに従ってDYインクは明るいインクとなり、明度の
比較的高い状態(図25ないし図29で、横軸の値が小
さい状態)でDYドットの形成を開始しても、ドットが
目立たず粒状性を低下させることがない。逆に、DYイ
ンクに添加する染料の割合を増やすと、DYドットの形
成に伴って他色のドットをそれだけ多数減少させること
ができるので、インクデューティの改善効果あるいはイ
ンク使用量を節約する効果が大きくなる。
【0251】以上、各種の実施例について説明してきた
が、本発明は上記すべての実施例に限られるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実
施することができる。例えば、上述の機能を実現するソ
フトウェアプログラム(アプリケーションプログラム)
を、通信回線を介してコンピュータシステムのメインメ
モリまたは外部記憶装置に供給し実行するものであって
もよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の印刷装置の概略構成図である。
【図2】ソフトウェアの構成を示す説明図である。
【図3】本実施例のプリンタの概略構成図である。
【図4】本実施例のプリンタにおけるドット形成原理を
示す説明図である。
【図5】本実施例のプリンタにおけるノズル配列を示す
説明図である。
【図6】本実施例のプリンタの制御装置の内部構成を示
す説明図である。
【図7】本実施例のプリンタヘッドが駆動バッファから
データを受けてドットを形成する様子を示す説明図であ
る。
【図8】本実施例のインクカートリッジの形状を示す斜
視図である。
【図9】自然画像を印刷するときの各色インク消費量の
計測結果を示す説明図である。
【図10】インクカートリッジの側面に記憶素子が設け
られている様子を示す拡大図である。
【図11】インクカートリッジの記憶素子に記憶されて
いるデータの内容を示す説明図である。
【図12】本実施例のプリンタで使用されたインク組成
の一例を示す説明図である。
【図13】本実施例のプリンタで使用されている各色イ
ンクの明度を計測した結果を示す説明図である。
【図14】本実施例のプリンタで使用されたインクの分
光特性上の傾向を概念的に示す説明図である。
【図15】650nm以上の波長範囲に存在する分光的
な設定の自由度を活用して設計したダークイエロインク
の分光特性を示す説明図である。
【図16】ダークイエロインクによるドットを形成した
印刷用紙の測色例を示す説明図である。
【図17】インクカートリッジにインクを充填するため
のインク充填器の形状を示した説明図である。
【図18】本実施例における画像処理ルーチンの流れを
示すフローチャートである。
【図19】本実施例における変換表の概要を説明する説
明図である。
【図20】本実施例において暗インクの形成割合を決め
る考え方を概念的に示す説明図である。
【図21】2値化処理の概要を説明する概要説明図であ
る。
【図22】本実施例における誤差拡散法による2値化処
理の一例を示したフローチャートである。
【図23】誤差拡散法において誤差を拡散する際の重み
の一例を説明する説明図である。
【図24】組織的ディザ法の概要を説明する概要説明図
である。
【図25】本実施例のプリンタを用いて赤色から黒色へ
至るグラデーションパターンを印刷したときの、各色の
ドット記録率をシミュレーション計算した結果を示すグ
ラフである。
【図26】本実施例のプリンタを用いてマゼンタ色から
黒色へ至るグラデーションパターンを印刷したときの、
各色のドット記録率をシミュレーション計算した結果を
示すグラフである。
【図27】本実施例のプリンタを用いて白色から黒色へ
至るグラデーションパターンを印刷したときの、各色の
ドット記録率をシミュレーション計算した結果を示すグ
ラフである。
【図28】4色インクのプリンタを用いて赤色から黒色
へ至るグラデーションパターンを印刷したときの、各色
のドット記録率をシミュレーション計算した結果を示す
グラフである。
【図29】3色インクのプリンタを用いて白色から黒色
へ至るグラデーションパターンを印刷したときの、各色
のドット記録率をシミュレーション計算した結果を示す
グラフである。
【符号の説明】
20…カラープリンタ 21…カラースキャナ 23…CRT 24…モデム 25…フレキシブルディスクドライブ 26…ハードディスク 30…キャリッジモータ 31…駆動ベルト 32…プーリ 33…摺動軸 34…位置検出センサ 35…紙送りモータ 36…プラテン 40…キャリッジ 41…CPU 41…印字ヘッド 42,43…インクカートリッジ 44〜50…インク吐出用ヘッド 51…インク通路 52…記憶素子 53…接続端子 54…キャップ 55…インク充填器 56…密封容器 57…充填口 58…ピストン 59…操作パネル 60…制御回路 61…CPU 62…PROM 63…RAM 64…PCインターフェース 66…タイマ 67…駆動バッファ 68…バス 69…分配出力器 70…発振器 80…コンピュータ 81…CPU 82…ROM 83…RAM 84…入力インターフェース 85…出力インターフェース 86…CRTC 87…DDC 88…SIO 89…バス 90…ビデオドライバ 91…アプリケーションプログラム 92…プリンタドライバ 93…解像度変換モジュール 94…色変換モジュール 95…ハーフトーンモジュール 96…インターレースモジュール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/21 B41J 2/01

Claims (68)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印刷媒体上に各種インクによるインクド
    ットを形成して画像を印刷する印刷部と、該印刷部に該
    各種インクによるドットの形成を制御するための制御情
    報を供給する印刷制御部とを備えた印刷システムであっ
    て、 前記印刷制御部は、 組合せにより無彩色を表現可能な複数の基本色インクに
    よるドットの形成有無と、主に吸収する光の波長範囲が
    該基本色インク中の一の基本色インクと重複しかつ従と
    して吸収する光の波長範囲が他の基本色インクの少なく
    ともいずれかが主に吸収する波長範囲と重複するととも
    に該一の基本色インクより明度の低い暗インクによるド
    ットの形成有無とを、画像データに基づいて判断するド
    ット形成判断手段と、 前記各種インクのドットについての前記判断結果を、前
    記制御情報として前記印刷装置に供給する制御情報供給
    手段とを備えるとともに、 前記印刷部は、 前記制御情報供給手段から前記各種インクのドットにつ
    いての前記判断結果を、前記制御情報として受け取る制
    御情報受取手段と、 前記受け取った前記制御情報に基づいて、前記基本色イ
    ンクによるドットおよび前記暗インクによるドットを形
    成するドット形成手段とを備えている印刷システム。
  2. 【請求項2】 各種インクによるドットを形成可能な印
    刷部に、該ドットの形成を制御するための制御情報を供
    給する印刷制御装置であって、 前記印刷部は、組合せにより無彩色を表現可能な複数の
    基本色インクによるドットと、主に吸収する光の波長範
    囲が該基本色インク中の一の基本色インクと重複しかつ
    従として吸収する光の波長範囲が他の基本色インクの少
    なくともいずれかが主に吸収する波長範囲と重複すると
    ともに該一の基本色インクより明度の低い暗インクによ
    るドットとを形成可能な印刷部であり、 前記複数の基本色インクによるドットの形成有無と、前
    記暗インクによるドットの形成有無とを、画像データに
    基づいて判断するドット形成判断手段と、 前記各種インクのドットについての前記判断結果を、前
    記制御情報として前記印刷部に供給する制御情報供給手
    段とを備える印刷制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の印刷制御装置であって、 前記ドット形成判断手段は、 カラー画像を表現する色彩と、該色彩を表現する前記複
    数の基本色インクおよび暗インクの組合せとを対応付け
    た色変換テーブルを備え、 前記色変換テーブルを参照して、前記複数の基本色イン
    クによるドットおよび前記暗インクによるドットの形成
    有無を判断する手段である印刷制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の印刷制御装置であって、 前記ドット形成判断手段は、前記基本色インクによるド
    ットと前記暗インクによるドットについて予め設定され
    ている割合に基づいて、前記基本色インクによるドット
    の形成有無と、前記暗インクによるドットの形成有無と
    を判断する手段である印刷制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の印刷制御装置であって、 前記暗インクは、前記複数の基本色インクの中の一の基
    本色インクよりも、明度と彩度が低いインクである印刷
    制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項2記載の印刷制御装置であって、 前記暗インクは、可視領域の光を最も強く吸収する主波
    長範囲が前記基本色インクの中の一の基本色インクと重
    複し、可視領域の波長範囲で光の吸収率を積分した値が
    該一の基本色インクよりも大きいインクである印刷制御
    装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の印刷制御装置であって、 前記暗インクは、前記主波長範囲の過半が400nmか
    ら500nmの波長範囲にあり、700nm近傍での光
    の吸収率が、600nmから700nmの波長範囲での
    吸収率の平均値よりも小さいインクである印刷装置。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の印刷制御装置であって、 前記暗インクは、前記主波長範囲の過半が400nmか
    ら500nmの波長範囲にあり、700nm近傍での光
    の吸収率が、600nmから700nmの波長範囲での
    吸収率の平均値よりも大きいインクである印刷制御装
    置。
  9. 【請求項9】 請求項2記載の印刷制御装置であって、 前記暗インクは、次の特徴を有するインクである印刷制
    御装置。 (A)可視領域の光を強く吸収してインクの色相を主に
    決定付ける特徴波長範囲が、前記基本色インクの中の一
    の基本色インクの該特徴波長範囲と重複し、 (B)前記暗インクの特徴波長範囲においては、該暗イ
    ンクの光吸収率の平均値が、前記一の基本色インクの光
    吸収率の平均値よりも、大きいかあるいは略同一であ
    り、 (C)前記暗インクの特徴波長範囲を除く可視光の波長
    範囲においては、該暗インクの光吸収率の平均値が、前
    記一の基本色インクの光吸収率の平均値よりも大きい。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の印刷制御装置であっ
    て、 前記暗インクは、前記特徴波長範囲の過半が400nm
    から500nmの波長範囲にあり、700nm近傍での
    光の吸収率が、600nmから700nmの波長範囲で
    の吸収率の平均値よりも小さいインクである印刷制御装
    置。
  11. 【請求項11】 請求項9記載の印刷制御装置であっ
    て、 前記暗インクは、前記特徴波長範囲の過半が400nm
    から500nmの波長範囲にあり、700nm近傍での
    光の吸収率が、600nmから700nmの波長範囲で
    の吸収率の平均値よりも大きいインクである印刷制御装
    置。
  12. 【請求項12】 請求項2記載の印刷制御装置であっ
    て、 前記暗インクは、マンセルの色相環上で赤領域と緑領域
    とに挟まれた領域にあり、前記基本色インク中の該領域
    にある基本色インクよりも明度が低いインクである印刷
    制御装置。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の印刷制御装置であっ
    て、 前記暗インクは、マンセルの色相環上で黄領域を含み、
    該黄領域から緑領域との境界までの領域にあるインクで
    ある印刷制御装置。
  14. 【請求項14】 請求項12記載の印刷制御装置であっ
    て、 前記暗インクは、マンセルの色相環上で黄領域を含み、
    該黄領域から赤領域との境界までの領域にあり、かつ肌
    色よりも彩度の小さいインクである印刷制御装置。
  15. 【請求項15】 請求項2記載の印刷制御装置であっ
    て、 前記暗インクは、色相がマンセル指標で10Rから10
    GYの範囲にあり、前記複数の基本色インク中の該領域
    にある基本色インクよりも明度が低いインクである印刷
    制御装置。
  16. 【請求項16】 請求項15記載の印刷制御装置であっ
    て、 前記暗インクは、色相がマンセル指標で2.5YRから
    7.5YRの値を取る場合は、彩度がマンセル指標で
    3.5Cよりも小さな値をとるインクである印刷制御装
    置。
  17. 【請求項17】 請求項15記載の印刷制御装置であっ
    て、 前記暗インクは、色相がマンセル指標で10YRから1
    0GYの範囲の値をとるインクである印刷制御装置。
  18. 【請求項18】 請求項15記載の印刷制御装置であっ
    て、 前記暗インクは、色相がマンセル指標で10Yから10
    Rの範囲の値をとり、彩度がマンセル指標で3.5Cよ
    りも小さな値をとるインクである印刷制御装置。
  19. 【請求項19】 請求項2記載の印刷制御装置であっ
    て、 前記印刷部は、前記基本色インクによるドットと前記暗
    インクによるドットとに加えて、前記基本色インクと色
    相が略同一で薄い色相の淡インクによるドットを形成可
    能な印刷部であり、 前記ドット形成判断手段は、前記基本色インクによるド
    ットの形成有無と前記暗インクによるドットの形成有無
    とに加えて、前記淡インクによるドットの形成有無を判
    断する手段であり、 前記制御情報供給手段は、前記淡インクを含んだ前記各
    種インクのドットについての前記判断結果を供給する手
    段である印刷制御装置。
  20. 【請求項20】 請求項2記載の印刷制御装置であっ
    て、 前記印刷部は、前記各種インクを用いて大きさの異なる
    2種類以上のドットを形成可能な印刷部であり、 前記ドット形成判断手段は、前記各種インクについて、
    ドットの形成有無と、前記印刷部で形成すべきドットの
    大きさとを判断する手段であり、 前記制御情報供給手段は、前記各種インクについての前
    記判断結果を供給する手段である印刷制御装置。
  21. 【請求項21】 請求項2記載の印刷制御装置であっ
    て、 前記印刷部は、少なくともイエロインクを含む前記複数
    の基本色インクによるドットと、主に吸収する光の波長
    範囲が該イエロインクと重複しかつ該イエロインクより
    明度の低いダークイエロインクによるドットとを形成可
    能な印刷部であり、 前記ドット形成判断手段は、前記基本色インクによるド
    ットの形成有無と、前記ダークイエロインクによるドッ
    トの形成有無とを判断する手段であり、 前記制御情報供給手段は、前記ダークイエロインクを含
    んだ前記各種インクのドットについての前記判断結果を
    供給する手段である印刷制御装置。
  22. 【請求項22】 請求項2記載の印刷制御装置であっ
    て、 前記複数の基本色インクは、少なくともシアンインクと
    マゼンタインクとイエロインクとを含む複数のインクで
    あり、 前記暗インクは、次の特徴を有するインクである印刷制
    御装置。 (A)色相が、前記シアンインクとマゼンタインクとイ
    エロインクの中ではもっともイエロインクに近く、 (B)マンセルの色相環上で赤から緑までの各色相の画
    像を印刷する場合に、前記基本色インクとともにドット
    を形成するよう判断されるインク。
  23. 【請求項23】 請求項2記載の印刷制御装置であっ
    て、 前記複数の基本色インクは、少なくともシアンインクと
    マゼンタインクとイエロインクとを含む複数のインクで
    あり、 前記暗インクは、次の特徴を有するインクである印刷制
    御装置。 (A)色相が、前記シアンインクとマゼンタインクとイ
    エロインクの中ではもっともイエロインクに近く、 (B)黄色から黒色に色相が変化する画像を印刷する場
    合に、前記シアンインクあるいはマゼンタインクによる
    ドットに先駆けてドットを形成するよう判断されるイン
    ク。
  24. 【請求項24】 請求項2記載の印刷制御装置であっ
    て、 前記複数の基本色インクは、少なくともシアンインクと
    マゼンタインクとイエロインクとを含む複数のインクで
    あり、 前記暗インクは、次の特徴を有するインクである印刷制
    御装置。 (A)色相が、前記シアンインクとマゼンタインクとイ
    エロインクの中ではもっともイエロインクに近く、かつ
    明度が該イエロインクよりも低く、 (B)前記シアンインクあるいはマゼンタインクのいず
    れか一方の色相から黒色に色相が変化する画像を印刷す
    る場合に、他方の色相のインクに先駆けてドットを形成
    するよう判断されるインク。
  25. 【請求項25】 請求項2記載の印刷制御装置であっ
    て、 前記複数の基本色インクは、少なくともシアンインクと
    マゼンタインクとイエロインクとを含む複数のインクで
    あり、 前記暗インクは、次の特徴を有するインクである印刷制
    御装置。 (A)色相が、前記シアンインクとマゼンタインクとイ
    エロインクの中ではもっともイエロインクに近く、かつ
    明度が該イエロインクよりも低く、 (B)前記シアンインクあるいはマゼンタインクのいず
    れか一方の色相から黒色に色相が変化する画像を印刷す
    る場合に、前記イエロインクのドットが形成された後に
    ドットを形成するよう判断されるインク。
  26. 【請求項26】 請求項19記載の印刷制御装置であっ
    て、 前記複数の基本色インクは、少なくともシアンインクと
    マゼンタインクとイエロインクとを含む複数のインクで
    あり、 前記暗インクは、次の特徴を有するインクである印刷制
    御装置。 (A)色相が、前記シアンインクとマゼンタインクとイ
    エロインクの中ではもっともイエロインクに近く、 (B)黄色から黒色に色相が変化する画像を印刷する場
    合に、前記淡インクによるドットが形成された後にドッ
    トを形成するよう判断されるインク。
  27. 【請求項27】 請求項26記載の印刷制御装置であっ
    て、 前記淡インクは、前記シアンインクと色相が略同一で薄
    い色相のライトシアンインクである印刷制御装置。
  28. 【請求項28】 請求項26記載の印刷制御装置であっ
    て、 前記淡インクは、前記マゼンタインクと色相が略同一で
    薄い色相のライトマゼンタインクである印刷制御装置。
  29. 【請求項29】 請求項26記載の印刷制御装置であっ
    て、 前記暗インクは、次の特徴を有するインクである印刷制
    御装置。 (A)色相が、前記シアンインクとマゼンタインクとイ
    エロインクの中ではもっともイエロインクに近く、 (B)黄色から黒色に色相が変化する画像を印刷する場
    合に、前記シアンインクと色相が略同一で薄い色相のラ
    イトシアンインクのドットと、前記マゼンタインクと色
    相が略同一で薄い色相のライトマゼンタインクのドット
    とが、ともに形成された後にドットを形成するよう判断
    されるインク。
  30. 【請求項30】 各種インクによるドットを形成可能な
    印刷部に、該ドットの形成を制御するための制御情報を
    供給する印刷制御装置であって、 前記印刷部は、少なくともシアンインクとマゼンタイン
    クとイエロインクとを含む複数の基本色インクによるド
    ットと、主に吸収する光の波長範囲が該イエロインクと
    重複しかつ従として吸収する光の波長範囲が該シアンイ
    ンクあるいは該マゼンタインクの少なくともいずれかが
    主に吸収する波長範囲と重複するとともに該イエロイン
    クより明度の低いダークイエロインクによるドットとを
    形成可能な印刷部であり、 前記複数の基本色インクによるドットの形成有無と、前
    記ダークイエロインクによるドットの形成有無とを、画
    像データに基づいて判断するドット形成判断手段と、 前記各種インクのドットについての前記判断結果を、前
    記制御情報として前記印刷部に供給する制御情報供給手
    段とを備える印刷制御装置。
  31. 【請求項31】 印刷媒体上に各種インクによるドット
    を形成するヘッドを備え、該各種インクドットの形成を
    制御する制御情報を受け取り、該制御情報に基づいて該
    各種インクドットを形成することによって画像を印刷す
    る印刷装置であって、 組合せにより無彩色を表現可能な複数の基本色インク
    を、前記ヘッドに供給する基本色インク供給手段と、 主に吸収する光の波長範囲が前記基本色インクの中の一
    の基本色インクと重複しかつ従として吸収する光の波長
    範囲が他の基本色インクの少なくともいずれかが主に吸
    収する波長範囲と重複するとともに該一の基本色インク
    よりも明度の低い暗インクを、前記ヘッドに供給する暗
    インク供給手段と、 前記複数の基本色インクのドットおよび前記暗インクの
    ドットについての、前記制御情報を受け取る制御情報受
    取手段と、 前記受け取った制御情報に基づいて前記ヘッドを駆動す
    ることにより、前記基本色インクによるドットと前記暗
    インクによるドットとを形成するドット形成手段とを備
    える印刷装置。
  32. 【請求項32】 請求項31記載の印刷装置であって、 前記複数の基本色インクは、少なくともシアンインクと
    マゼンタインクとイエロインクとを含む複数のインクで
    ある印刷装置。
  33. 【請求項33】 請求項31記載の印刷装置であって、 前記複数の基本色インクは、少なくともシアンインクと
    マゼンタインクとイエロインクとブラックインクとを含
    む複数のインクであり、 前記暗インクは、主に吸収する光の波長範囲が前記イエ
    ロインクと重複しかつ該イエロインクよりも明度の低い
    ダークイエロインクである印刷装置。
  34. 【請求項34】 請求項31記載の印刷装置であって、 前記基本色インクと色相が略同一で薄い色相の淡インク
    を、前記ヘッドの供給する淡インク供給手段を備え、 前記制御情報受取手段は、前記複数の基本色インクのド
    ットおよび前記暗インクのドットについての前記制御情
    報に加えて、前記淡インクのドットについての該制御情
    報を受け取る手段であり、 前記ドット形成手段は、前記基本色インクのドットと前
    記暗インクのドットに加えて前記淡インクのドットを、
    前記受け取った制御情報に基づいて形成するドット形成
    手段である印刷装置。
  35. 【請求項35】 請求項31記載の印刷装置であって、 前記ヘッドは、大きさの異なる2種類以上のドットを形
    成可能なヘッドであり、 前記制御情報受取手段は、前記各種インクのドットにつ
    いて、ドットの形成有無と前記ヘッドで形成すべきドッ
    トの大きさとを、前記制御情報として受け取る手段であ
    り、 前記ドット形成手段は、前記受け取った制御情報に基づ
    いて、前記各種インクによる前記各種大きさのドットを
    形成する手段である印刷装置。
  36. 【請求項36】 請求項31記載の印刷装置であって、 前記複数の基本色インクおよび前記暗インクを互いに分
    離して収容可能なインク収容部を備える印刷装置。
  37. 【請求項37】 請求項36記載の印刷装置であって、 前記インク収容部は、前記暗インクに対応する前記一の
    基本色インクよりも、多量の該暗インクを収容可能な収
    容部である印刷装置。
  38. 【請求項38】 印刷媒体上に各種インクによるドット
    を形成するヘッドを備え、該各種インクドットの形成を
    制御する制御情報を受け取り、該制御情報に基づき該各
    種インクドットを形成することによって画像を印刷する
    印刷装置であって、 少なくともシアンインクとマゼンタインクとイエロイン
    クとを含む複数の基本色インクを、前記ヘッドに供給す
    る基本色インク供給手段と、 主に吸収する光の波長範囲が前記イエロインクと重複し
    かつ従として吸収する光の波長範囲が該シアンインクあ
    るいは該マゼンタインクの少なくともいずれかが主に吸
    収する波長範囲と重複するとともに該イエロインクより
    明度の低いダークイエロインクを、前記ヘッドに供給す
    るダークイエロインク供給手段と、 前記複数の基本色インクのドットおよび前記ダークイエ
    ロインクのドットについての、前記制御情報を受け取る
    制御情報受取手段と、 前記受け取った制御情報に基づいて前記ヘッドを駆動す
    ることにより、前記基本色インクによるドットと前記ダ
    ークイエロインクによるドットとを形成するドット形成
    手段とを備える印刷装置。
  39. 【請求項39】 請求項38記載の印刷装置であって、 少なくとも前記シアンインクと前記マゼンタインクと前
    記イエロインクと前記ダークイエロインクとを互いに分
    離して収容可能なインク収容部を備え、 前記インク収容部は、前記イエロインクよりも多量の前
    記ダークイエロインクを収容可能な収容部である印刷装
    置。
  40. 【請求項40】 印刷媒体上に各種インクによるインク
    ドットを形成して画像を印刷する印刷方法であって、 組合せにより無彩色を表現可能な複数の基本色インクに
    よるドットの形成有無と、主に吸収する光の波長範囲が
    該基本色インク中の一の基本色インクと重複しかつ従と
    して吸収する光の波長範囲が他の基本色インクの少なく
    ともいずれかが主に吸収する波長範囲と重複するととも
    に該一の基本色インクより明度の低い暗インクによるド
    ットの形成有無とを、画像データに基づいて判断し、 前記各種インクのドットについての前記判断結果に基づ
    いて、前記基本色インクによるドットと、前記暗インク
    によるドットとを形成して画像を印刷する印刷方法。
  41. 【請求項41】 印刷媒体上に各種インクによるドット
    を形成する印刷部に、該ドットの形成を制御するための
    制御情報を供給して、該印刷部の印刷動作を制御する印
    刷制御方法であって、 組合せにより無彩色を表現可能な複数の基本色インクに
    よるドットの形成有無と、主に吸収する光の波長範囲が
    該基本色インク中の一の基本色インクと重複しかつ従と
    して吸収する光の波長範囲が他の基本色インクの少なく
    ともいずれかが主に吸収する波長範囲と重複するととも
    に該一の基本色インクより明度の低い暗インクによるド
    ットの形成有無とを、画像データに基づいて判断し、 前記各種インクのドットについての判断結果を、前記制
    御情報として前記印刷部に供給して、該印刷部での印刷
    を制御する印刷制御方法。
  42. 【請求項42】 請求項41記載の印刷制御方法であっ
    て、 カラー画像を表現する色彩と、該色彩を表現する前記複
    数の基本色インクおよび暗インクの組合せとを、互いに
    対応付けて予め記憶しておき、 前記各種インクによるドットの形成有無を判断するに際
    しては、前記記憶されている対応関係に基づいて、前記
    複数の基本色インクによるドットと前記暗インクによる
    ドットの形成有無とを判断する印刷制御方法。
  43. 【請求項43】 各種インクによるドットを形成可能な
    印刷部に、該ドットの形成を制御するための制御情報を
    供給して、該印刷部での印刷動作を制御する印刷制御方
    法であって、 少なくともシアンインクとマゼンタインクとイエロイン
    クとを含む複数の基本色インクによるドットの形成有無
    と、主に吸収する光の波長範囲が該イエロインクと重複
    しかつ従として吸収する光の波長範囲が該シアンインク
    あるいは該マゼンタインクの少なくともいずれかが主に
    吸収する波長範囲と重複するとともに該イエロインクよ
    り明度の低いダークイエロインクによるドットの形成有
    無とを、画像データに基づいて判断し、 前記各種インクのドットについての前記判断結果を、前
    記制御情報として前記印刷部に供給して、該印刷部での
    印刷を制御する印刷制御方法。
  44. 【請求項44】 各種インクによるドットの形成を制御
    するための制御情報を受け取り、印刷媒体上に該各種イ
    ンクによるドットを形成するヘッドを、該制御情報に基
    づいて駆動することにより画像を印刷する印刷方法であ
    って、 組合せにより無彩色を表現可能な複数の基本色インク
    と、主に吸収する光の波長範囲が前記基本色インクの中
    の一の基本色インクと重複しかつ従として吸収する光の
    波長範囲が他の基本色インクの少なくともいずれかが主
    に吸収する波長範囲と重複するとともに該一の基本色イ
    ンクよりも明度の低い暗インクとを、前記ヘッドに供給
    し、 前記複数の基本色インクのドットおよび前記暗インクの
    ドットについての、前記制御情報を受け取り、 前記受け取った制御情報に基づいて前記ヘッドを駆動す
    ることにより、前記基本色インクによるドットと前記暗
    インクによるドットとを形成して画像を印刷する印刷方
    法。
  45. 【請求項45】 各種インクによるドットの形成を制御
    するための制御情報を受け取り、印刷媒体上に該各種イ
    ンクによるドットを形成するヘッドを、該制御情報に基
    づいて駆動することにより画像を印刷する印刷方法であ
    って、 少なくともシアンインクとマゼンタインクとイエロイン
    クとを含む複数の基本色インクと、主に吸収する光の波
    長範囲が前記イエロインクと重複しかつ従として吸収す
    る光の波長範囲が該シアンインクあるいは該マゼンタイ
    ンクの少なくともいずれかが主に吸収する波長範囲と重
    複するとともに該イエロインクよりも明度の低いダーク
    イエロインクとを、前記ヘッドに供給し、 前記複数の基本色インクのドットおよび前記ダークイエ
    ロインクのドットについての、前記制御情報を受け取
    り、 前記受け取った制御情報に基づいて前記ヘッドを駆動す
    ることにより、前記基本色インクによるドットと前記ダ
    ークイエロインクによるドットとを形成して画像を印刷
    する印刷方法。
  46. 【請求項46】 組合せにより無彩色を表現可能な複数
    の基本色インクを用いて画像を印刷する印刷装置に装着
    され、該印刷装置に供給するインクを収容したインク収
    容体であって、 前記複数の基本色インクと該基本色インクより明度の低
    い暗インクとを用いて画像を印刷する印刷装置に供給す
    るために、該暗インクを収容している暗インク収容部を
    備え、 前記暗インク収容部には、主に吸収する光の波長範囲が
    前記基本色インク中の一の基本色インクと重複しかつ従
    として吸収する光の波長範囲が他の基本色インクの少な
    くともいずれかが主に吸収する波長範囲と重複するとと
    もに該一の基本色インクより明度の低いインクが、前記
    暗インクとして収容されているインク収容体。
  47. 【請求項47】 請求項46記載のインク収容体であっ
    て、 前記暗インクは、前記複数の基本色インクの中の一の基
    本色インクよりも、明度と彩度が低いインクであるイン
    ク収容体。
  48. 【請求項48】 請求項46記載のインク収容体であっ
    て、 前記暗インクは、可視領域の光を最も強く吸収する主波
    長範囲が前記基本色インクの中の一の基本色インクと重
    複し、可視領域の波長範囲で光の吸収率を積分した値が
    該一の基本色インクよりも大きいインクであるインク収
    容体。
  49. 【請求項49】 請求項46記載のインク収容体であっ
    て、 前記暗インクは、次の特徴を有するインクであるインク
    収容体。 (A)可視領域の光を強く吸収しインクの色相を主に決
    定付ける特徴波長範囲が、前記基本色インクの中の一の
    基本色インクの特徴波長範囲と重複し、 (B)前記暗インクの特徴波長範囲においては、該暗イ
    ンクの光吸収率の平均値が、前記一の基本色インクの光
    吸収率の平均値より、大きいかあるいは略同一であり、 (C)前記暗インクの特徴波長範囲を除く可視光の波長
    範囲においては、該暗インクの光吸収率の平均値が、前
    記一の基本色インクの光吸収率の平均値より大きい。
  50. 【請求項50】 請求項46記載のインク収容体であっ
    て、 前記暗インクを収容した暗インク収容部と、 前記複数の基本色インクの中の一の基本色インクを収容
    した基本色インク収容部とを備えるインク収容体。
  51. 【請求項51】 請求項46記載のインク収容体であっ
    て、 前記暗インクを収容した暗インク収容部と、 無彩色で明度の低いインクたるブラックインクを収容し
    たブラックインク収容部とを備えるインク収容体。
  52. 【請求項52】 請求項46記載のインク収容体であっ
    て、 前記暗インクを収容した暗インク収容部と、 前記基本色インクと色相が略同一で薄い色相の淡インク
    を収容した淡インク収容部とを備えるインク収容体。
  53. 【請求項53】 請求項46記載のインク収容体であっ
    て、 前記暗インクを収容した暗インク収容部と、 前記複数の基本色インクの中の一の基本色インクを収容
    した基本色インク収容部と、 前記基本色インクと色相が略同一で薄い色相の淡インク
    を収容した淡インク収容部とを備えるインク収容体。
  54. 【請求項54】 インクを用いて画像を印刷する印刷装
    置に装着され、該印刷装置に供給するインクを収容した
    インク収容体であって、 少なくともシアンインクとマゼンタインクとイエロイン
    クと該イエロインクより明度の低いダークイエロインク
    とを用いて画像を印刷する印刷装置に供給するために、
    該ダークイエロインクを収容しているダークイエロイン
    ク収容部を備え、 前記ダークイエロインク収容部には、前記ダークイエロ
    インクとして、次の(A)ないし(C)の少なくとも3
    つの特徴を有するインクが収容されているインク収容
    体。 (A)可視領域の光を強く吸収しインクの色相を主に決
    定付ける特徴波長範囲の過半が、400nmから500
    nmまでの波長域にあり、 (B)前記特徴波長範囲を除く可視領域に従として光を
    吸収する波長範囲を少なくとも1つ有するとともに、 (C)前記特徴波長範囲を除く可視領域での光の吸収率
    の平均値が10%から60%であるインク。
  55. 【請求項55】 インクを用いて画像を印刷する印刷装
    置に装着され、該印刷装置に供給するインクを収容した
    インク収容体であって、 少なくともシアンインクとマゼンタインクとイエロイン
    クと該イエロインクより明度の低いダークイエロインク
    とを用いて画像を印刷する印刷装置に供給するために、
    該イエロインクを収容しているイエロインク収容部と、
    該ダークイエロインクを収容しているダークイエロイン
    ク収容部とを備え、 前記ダークイエロインク収容部には、主に吸収する光の
    波長範囲が該イエロインクと重複しかつ従として吸収す
    る光の波長範囲が前記シアンインクあるいは前記マゼン
    タインクの少なくともいずれかが主に吸収する波長範囲
    と重複するとともに該イエロインクよりも明度の低いイ
    ンクが、前記ダークイエロインクとして収容されている
    インク収容体。
  56. 【請求項56】 請求項55記載のインク収容体であっ
    て、 前記ダークイエロインク収容部は、前記イエロインク収
    容部よりも多量のインクを収容可能なインク収容部であ
    るインク収容体。
  57. 【請求項57】 インクを用いて画像を印刷する印刷装
    置に装着され、該印刷装置に供給するインクを収容した
    インク収容体であって、 少なくともシアンインクとマゼンタインクとイエロイン
    クと該イエロインクより明度の低いダークイエロインク
    とブラックインクとを用いて画像を印刷する印刷装置に
    供給するために、該ブラックインクを収容しているブラ
    ックインク収容部と、該ダークイエロインクを収容して
    いるダークイエロインク収容部とを備え、 前記ダークイエロインク収容部には、主に吸収する光の
    波長範囲が該イエロインクと重複しかつ従として吸収す
    る光の波長範囲が前記シアンインクあるいは前記マゼン
    タインクの少なくともいずれかが主に吸収する波長範囲
    と重複するとともに該イエロインクよりも明度の低いイ
    ンクが、前記ダークイエロインクとして収容されている
    インク収容体。
  58. 【請求項58】 インクを用いて画像を印刷する印刷装
    置に装着され、該印刷装置に供給するインクを収容した
    インク収容体であって、 少なくともシアンインクと、マゼンタインクと、イエロ
    インクと、該イエロインクより明度の低いダークイエロ
    インクと、該シアンインクよりも薄い色相のライトシア
    ンインクと、該マゼンタインクよりも薄い色相のライト
    マゼンタインクとを用いて画像を印刷する印刷装置に供
    給するために、該ダークイエロインクを収容したダーク
    イエロインク収容部と、該ライトシアンインクを収容し
    たライトシアンインク収容部と、該ライトマゼンタイン
    クを収容したライトマゼンタインク収容部とを備え、 前記ダークイエロインク収容部には、主に吸収する光の
    波長範囲が該イエロインクと重複しかつ従として吸収す
    る光の波長範囲が前記シアンインクあるいは前記マゼン
    タインクの少なくともいずれかが主に吸収する波長範囲
    と重複するとともに該イエロインクよりも明度の低いイ
    ンクが、前記ダークイエロインクとして収容されている
    インク収容体。
  59. 【請求項59】 インクを用いて画像を印刷する印刷装
    置に装着され、該印 刷装置に供給するインクを収容した
    インク収容体であって、 少なくともシアンインクと、マゼンタインクと、イエロ
    インクと、該イエロインクより明度の低いダークイエロ
    インクと、該シアンインクよりも薄い色相のライトシア
    ンインクと、該マゼンタインクよりも薄い色相のライト
    マゼンタインクとを用いて画像を印刷する印刷装置に供
    給するために、該イエロインクを収容したイエロインク
    収容部と、該ダークイエロインクを収容したダークイエ
    ロインク収容部と、該シアンインクを収容したシアンイ
    ンク収容部と、該ライトシアンインクを収容したライト
    シアンインク収容部と、該シアンインクを収容したシア
    ンインク収容部と、該ライトマゼンタインクを収容した
    ライトマゼンタインク収容部とを備え、 前記ダークイエロインク収容部には、主に吸収する光の
    波長範囲が該イエロインクと重複しかつ従として吸収す
    る光の波長範囲が前記シアンインクあるいは前記マゼン
    タインクの少なくともいずれかが主に吸収する波長範囲
    と重複するとともに該イエロインクよりも明度の低いイ
    ンクが、前記ダークイエロインクとして収容されている
    インク収容体。
  60. 【請求項60】 請求項59記載のインク収容体であっ
    て、 前記ダークイエロインク収容部は、前記イエロインク収
    容部よりも多量のインクを収容可能なインク収容部であ
    るインク収容体。
  61. 【請求項61】 請求項46、または請求項54ないし
    請求項60のいずれかに記載のインク収容体であって、 前記インク収容部のインク量に関する情報を、読み書き
    可能かつ不揮発的に記憶する記憶部を備えるインク収容
    体。
  62. 【請求項62】 請求項61記載のインク収容体であっ
    て、 前記記憶部は、前記印刷装置によって最初に書き込みさ
    れる領域であって、前記インク量に関する情報を格納す
    るインク量情報記憶領域を備えるインク収容体。
  63. 【請求項63】 印刷媒体上に各種インクによるインク
    ドットを形成して画像を印刷する方法を実現するプログ
    ラムを、コンピュータで読み取り可能に記録した記録媒
    体であって、 組合せにより無彩色を表現可能な複数の基本色インクに
    よるドットの形成有無と、主に吸収する光の波長範囲が
    該基本色インク中の一の基本色インクと重複しかつ従と
    して吸収する光の波長範囲が他の基本色インクの少なく
    ともいずれかが主に吸収する波長範囲と重複するととも
    に該一の基本色インクより明度の低い暗インクによるド
    ットの形成有無とを、画像データに基づいて判断する機
    能と、 前記各種インクのドットについての前記判断結果に基づ
    いて、前記基本色インクによるドットの形成、および前
    記暗インクによるドットの形成を制御する機能とをコン
    ピュータを用いて実現するプログラムを記録した記録媒
    体。
  64. 【請求項64】 印刷媒体上に各種インクによるドット
    を形成する印刷部に、該ドットの形成を制御するための
    制御情報を供給して、該印刷部の印刷動作を制御する方
    法を実現するプログラムを、コンピュータで読み取り可
    能に記録した記録媒体であって、 組合せにより無彩色を表現可能な複数の基本色インクに
    よるドットの形成有無と、主に吸収する光の波長範囲が
    該基本色インク中の一の基本色インクと重複しかつ従と
    して吸収する光の波長範囲が他の基本色インクの少なく
    ともいずれかが主に吸収する波長範囲と重複するととも
    に該一の基本色インクより明度の低い暗インクによるド
    ットの形成有無とを、画像データに基づいて判断する機
    能と、 前記各種インクのドットについての判断結果を、前記制
    御情報として前記印刷部に供給して、該印刷部での印刷
    を制御する機能とをコンピュータを用いて実現するプロ
    グラムを記録した記録媒体。
  65. 【請求項65】 請求項64記載の記録媒体であって、 カラー画像を表現する色彩と、該色彩を表現する前記複
    数の基本色インクおよび暗インクの組合せとを、互いに
    対応付けて予め記憶しておき、 前記各種インクによるドットの形成有無を判断する機能
    は、前記記憶されている対応関係に基づいて、前記複数
    の基本色インクによるドットと前記暗インクによるドッ
    トとについての形成有無を判断する機能である記録媒
    体。
  66. 【請求項66】 各種インクによるドットを形成可能な
    印刷部に、該ドットの形成を制御するための制御情報を
    供給して、該印刷部での印刷動作を制御する 方法を実現
    するプログラムを、コンピュータで読み取り可能に記録
    した記録媒体であって、 少なくともシアンインクとマゼンタインクとイエロイン
    クとを含む複数の基本色インクによるドットの形成有無
    と、主に吸収する光の波長範囲が該イエロインクと重複
    しかつ従として吸収する光の波長範囲が該シアンインク
    あるいは該マゼンタインクの少なくともいずれかが主に
    吸収する波長範囲と重複するとともに該イエロインクよ
    り明度の低いダークイエロインクによるドットの形成有
    無とを、画像データに基づいて判断する機能と、 前記各種インクのドットについての前記判断結果を、前
    記制御情報として前記印刷部に供給して、該印刷部での
    印刷を制御する機能とをコンピュータを用いて実現する
    プログラムを記録した記録媒体。
  67. 【請求項67】 各種インクによるドットの形成を制御
    するための制御情報を受け取り、印刷媒体上に該各種イ
    ンクによるドットを形成するヘッドを、該制御情報に基
    づいて駆動することにより画像を印刷する方法を実現す
    るプログラムを、コンピュータで読み取り可能に記録し
    た記録媒体であって、 組合せにより無彩色を表現可能な複数の基本色インクに
    よるドットの形成を制御する前記制御情報と、主に吸収
    する光の波長範囲が前記基本色インクの中の一の基本色
    インクと重複しかつ従として吸収する光の波長範囲が他
    の基本色インクの少なくともいずれかが主に吸収する波
    長範囲と重複するとともに該一の基本色インクよりも明
    度の低い暗インクによるドットの形成を制御する前記制
    御情報とを受け取る機能と、 前記受け取った制御情報に基づいて前記ヘッドを駆動す
    ることにより、前記基本色インクによるドットと前記暗
    インクによるドットとを形成して画像を印刷する機能と
    をコンピュータを用いて実現するプログラムを記録した
    記録媒体。
  68. 【請求項68】 各種インクによるドットの形成を制御
    するための制御情報を受け取り、印刷媒体上に該各種イ
    ンクによるドットを形成するヘッドを、該制御情報に基
    づいて駆動することにより画像を印刷する方法を実現す
    るプログラムを、コンピュータで読み取り可能に記録し
    た記録媒体であって、 少なくともシアンインクとマゼンタインクとイエロイン
    クとを含む複数の基本色インクによるドットの形成を制
    御する前記制御情報と、主に吸収する光の波長範囲が前
    記イエロインクと重複しかつ従として吸収する光の波長
    範囲が該シアンインクあるいは該マゼンタインクの少な
    くともいずれかが主に吸収する波長範囲と重複するとと
    もに該イエロインクよりも明度の低いダークイエロイン
    クによるドットの形成を制御する前記制御情報とを受け
    取る機能と、 前記受け取った制御情報に基づいて前記ヘッドを駆動す
    ることにより、前記基本色インクによるドットと前記ダ
    ークイエロインクによるドットとを形成して画像を印刷
    する機能とをコンピュータを用いて実現するプログラム
    を記録した記録媒体。
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