JP3783516B2 - 特定色のインクを他色で置き換えて印刷可能な印刷システム、印刷制御装置およびその印刷方法 - Google Patents

特定色のインクを他色で置き換えて印刷可能な印刷システム、印刷制御装置およびその印刷方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数色のインクを用いて印刷媒体上にカラー画像を印刷する技術に関し、さらに詳細には、一色のインクを他色のインクで置き換えて印刷を実行する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
印刷媒体上にブラック色、シアン色、マゼンタ色、イエロ色、淡シアン色および淡マゼンタ色を含む各色のインクドットを形成してカラー画像を印刷するカラープリンタが、各種画像を出力する出力機器として広く使用されている。淡シアン色や淡マゼンタ色等の淡インクドットは、シアン色やマゼンタ色等のいわゆる濃インクドットに比べてインクドットが目立ちにくいので、インクドットの目立たない高画質の画像を印刷することが可能である。
【0003】
また、最近では、ブラック色、シアン色、マゼンタ色、イエロ色、淡シアン色および淡マゼンタ色の6色に、イエロ色インクに、例えば、淡色インクを混合してその明度を低くしたダークイエロ色を加えた7色インクを用いてカラー画像を印刷するカラープリンタが検討されている。ダークイエロ色を用いれば、本来イエロインクドットと淡インクドットの2ドットで形成すべき色相をダークイエロインクの1ドットで形成することができる。これにより、淡色インクドットを形成する場合に問題となっていた、単位面積あたりに形成可能なインクドットの密度(インクデューティ)に余裕を持たせることが可能となり、そのインクデューティの余裕分を利用して、例えば、淡インクドットをさらに形成する等といったドット形成の自由度が広がり印刷画質の更なる向上を図ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように多くの利点をもたらすダークイエロ色インクではあるが、他のインクと比較してその消費率が高く、インク切れを起こしやすいという問題があった。カラー画像をどの色のインクを用いて表現するかは設計事項ではあるものの、インクデューティの観点からダークイエロ色インクを用いる利点を享受しようとすれば、例えば、イエロインクドットの1ドット、淡シアンインクドットの1ドット、淡マゼンタインクの1ドットで形成すべき色相をダークイエロインクの1ドットで形成することになる。
【0005】
このようなダークイエロ色のインク切れが印刷ジョブの途中で生じた場合には、印刷を中断して、ダークイエロ色のインクカートリッジを交換した後、再度印刷ジョブを実行しなければならず、特に、大判印刷の場合には印刷効率が著しく低下する。
【0006】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、特定色(ダークイエロ色)のインク切れにより印刷を中断する必要のない印刷技術を提供することを目的とする。また、特定色のインク切れによっても印刷品質を劣化させることのなく印刷を継続することができる印刷技術を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記課題を解決するために本発明の第1の態様は、複数色のインクを用いて印刷データを印刷する印刷システムを提供する。本発明の第1の態様に係る印刷システムは、複数色のインクと、主に吸収する光の波長範囲が前記複数色のインクの中の1色のインクと重複すると共に前記複数色の中の少なくとも2色のインクによって色相の置換が可能な特定色のインクをそれぞれ収容する収容体と、前記収容体に収容されている前記特定色のインクの量を検出するインク量検出手段と、前記検出された特定色のインク量が第1のしきい値未満である場合には、前記特定色を含む前記複数色のインクを用いた場合と同等の色再現性が得られるように前記特定色を除く前記複数色を用いて色再現情報を生成する色再現情報生成手段と、前記色再現情報生成手段により生成された色再現情報に基づいて前記複数色のインクを吐出するインク吐出手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の第1の態様に係る印刷システムによれば、特定色のインク量が第1のしきい値未満である場合には、特定色を含む複数色のインクを用いた場合と同等の色再現性が得られるように特定色を除く複数色を用いて色再現情報を生成する。したがって、本発明の第1の態様に係る印刷システムは、特定色のインク切れにより印刷を中断する必要がない。また、特定色のインク切れによっても印刷品質を劣化させることのなく印刷を継続することができる。
【0009】
本発明の第2の態様は、複数色のインクを用いて印刷データの印刷を実行するための印刷制御情報を生成する印刷制御装置を提供する。本発明の第2の態様に係る印刷制御装置は、主に吸収する光の波長範囲が前記複数色のインクの中の1色のインクと重複すると共に前記複数色の中の少なくとも2色のインクによって色相の置換が可能な特定色のインクの量を検出するインク量検出手段と、前記検出された特定色のインク量が第1のしきい値未満である場合には、前記特定色を含む前記複数色のインクを用いた場合と同等の色再現性が得られるように前記特定色を除く前記複数色を用いて色再現情報を生成する色再現情報生成手段と、前記色再現情報生成手段により生成された色再現情報に基づいて前記印刷制御情報を生成する印刷制御情報生成手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の第2の態様に係る印刷制御装置は、検出された特定色のインク量が第1のしきい値未満である場合には、特定色を含む複数色のインクを用いた場合と同等の色再現性が得られるように特定色を除く複数色を用いて色再現情報を生成する。したがって、本発明の第2の態様に係る印刷制御装置は、特定色のインク切れにより印刷を中断する必要がないよう印刷制御情報を生成することができる。また、特定色のインク切れによっても印刷品質を劣化させることなく印刷を継続することができるように印刷制御情報を生成することができる。
【0011】
本発明の第3の態様は、複数色のインクを用いて印刷データの印刷を実行するための印刷制御情報を生成する印刷制御装置を提供する。本発明の第3の態様に係る印刷制御装置は、主に吸収する光の波長範囲が前記複数色のインクの中の1色のインクと重複すると共に前記複数色のインクによって色相の置換が可能な特定色のインクの量を検出するインク量検出手段と、次に印刷されるページに対応する前記印刷データに基づいて必要な前記特定色のインク量を算出する必要特定色インク量算出手段と、算出された前記特定色のインク量が検出された前記特定色のインク量よりも多い場合には、前記特定色を含む前記複数色のインクを用いた場合と同等の色再現性が得られるように前記特定色を除く前記複数色を用いて色再現情報を生成する色再現情報生成手段と、前記色再現情報生成手段により生成された色再現情報に基づいて前記印刷制御情報を生成する印刷制御情報生成手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の第3の態様に係る印刷制御装置は、次に印刷されるページに対応する印刷データに基づいて必要な特定色のインク量を算出し、算出した特定色のインク量が検出した特定色のインク量よりも多い場合には、特定色を含む複数色のインクを用いた場合と同等の色再現性が得られるように特定色を除く複数色を用いて色再現情報を生成する。このように、本発明の第3の態様に係る印刷制御装置は、印刷データに基づいてページ単位にて特定色のインク切れを判断することができるので、特定色のインクを効率よく消費することができると共に、特定色インクのインク切れに伴う印刷品質の変化を抑制することができる。
【0013】
本発明の第4の態様は、少なくともイエローインクを含む複数色のインクと、前記複数色のインクによって色相の置換が可能なダークイエローインクとを用いた印刷データの印刷を実行するための印刷制御情報を生成する印刷制御装置を提供する。本発明の第4の態様に係る発明は、前記ダークイエローインクのインク量を検出するインク量検出手段と、検出された前記ダークイエロインクのインク量が前記第1のしきい値未満の場合には、前記ダークイエロインクを含む前記複数色のインクを用いた場合と同等の色再現性が得られるように前記ダークイエローインクを除く前記複数色のインクを用いてドットを形成するか否かを画素毎に決定するドット形成決定手段と、前記ドット形成決定手段の決定に基づいて前記印刷制御信号を生成する印刷制御情報生成手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
本発明の第4の態様に係る印刷制御装置によれば、検出されたダークイエロインクのインク量が第1のしきい値未満の場合には、ダークイエロインクを含む複数色のインクを用いた場合と同等の色再現性が得られるようにダークイエローインクを除く複数色のインクを用いてドットを形成するか否かを画素毎に決定するので、ダークイエロインクのインク切れにより印刷を中断する必要がない。また、ダークイエロインクのインク切れによっても印刷品質を劣化させることなく印刷を継続することができる。
【0015】
本発明の第5の態様は、本発明の第4の態様に係る印刷制御装置によって生成された印刷制御情報に基づいて印刷データを印刷する印刷装置を提供する。本発明の第5の態様に係る印刷装置は、少なくともイエローインクを含む複数色のインクと、前記複数色のインクによって色相の置換が可能なダークイエローインクとをそれぞれ収容するインク収容と、前記印刷制御情報を受け取る印刷制御情報受信手段と、受け取った前記印刷制御情報に従って前記各色インクのドットを形成するドット形成手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
本発明の第5の態様に係る印刷装置は、ダークイエロインクのインク切れにより印刷を中断する必要がない。また、ダークイエロインクのインク切れによっても印刷品質を劣化させることなく印刷を継続することができる。
【0017】
本発明の第6の態様は、少なくともイエローインクを含む複数色のインクと、前記複数色のインクによって色相の置換が可能なダークイエローインクとを用いて印刷データの印刷を実行するための印刷方法を提供する。本発明の第6の態様に係る印刷方法は、前記ダークイエローインクのインク量を検出し、検出された前記ダークイエローインクのインク量が第1のしきい値未満の場合には、前記ダークイエロインクを含む前記複数色のインクを用いた場合と同等の色再現性が得られるように前記ダークイエロインクを除く前記各色インクを用いてドットを形成するか否かを画素毎に決定し、前記ドット形成をするか否かの決定に基づいて前記各色インクのドットを印刷媒体上に形成することを特徴とする。
【0018】
本発明の第6の態様によれば、検出されたダークイエロインクのインク量が第1のしきい値未満の場合には、ダークイエロインクを含む複数色のインクを用いた場合と同等の色再現性が得られるようにダークイエローインクを除く複数色のインクを用いてドットを形成するか否かを画素毎に決定するので、ダークイエロインクのインク切れにより印刷を中断する必要がない。また、ダークイエロインクのインク切れによっても印刷品質を劣化させることなく印刷を継続することができる。
【0019】
本発明の第7の態様は、複数色のインクを用いて印刷データの印刷を実行するための印刷制御信号の生成をコンピュータ上で実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。本発明の第7の態様に係るコンピュータ読み取り可能媒体に格納されている、前記プログラムは、主に吸収する光の波長範囲が前記複数色のインクの中の1色のインクと重複すると共に前記複数色の中の少なくとも2色のインクによって色相の置換が可能な特定色のインクの量を検出する機能と、検出した前記特定色のインクのインク量が第1のしきい値未満の場合には、前記特定色インクを含む前記複数色のインクを用いた場合と同等の色再現性が得られるように前記特定色インクを除く前記各色インクを用いてドットを形成するか否かを画素毎に決定する機能と、前記ドット形成決定機能によるドット形成の決定に基づいて前記印刷制御信号を生成する機能とを備えることを特徴とする。
【0020】
本発明の第7の態様に係るコンピュータ読み取り可能媒体に格納されているプログラムによれば、検出された特定色のインク量が第1のしきい値未満の場合には、特定色を含む複数色のインクを用いた場合と同等の色再現性が得られるように特定色を除く複数色のインクを用いてドットを形成するか否かを画素毎に決定する。したがって、本発明の第7の態様に係るコンピュータ読み取り可能媒体に格納されているプログラムを実行することにより、特定色のインク切れにより印刷を中断を回避することができる。また、特定色のインク切れによっても印刷品質を劣化させることなく印刷を継続することができる。
【0021】
本発明の第8の態様は、少なくともイエローインクを含む複数色のインクと、前記複数色のインクによって色相の置換が可能なダークイエローインクとを用いて印刷データの印刷を実行するための印刷制御信号の生成をコンピュータ上で実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。本発明の第8の態様に係るコンピュータ読み取り可能媒体に格納されている前記プログラムは、前記ダークイエローインクのインク量を検出する機能と、次に印刷されるページに対応する前記印刷データに基づいて必要な前記ダークイエローインクのインク量を算出する機能と、算出された前記ダークイエローインクの必要インク量が検出された前記ダークイエローインクのインク量よりも多い場合には、前記ダークイエロインクを含む前記複数色のインクを用いた場合と同等の色再現性が得られるように前記ダークイエロインクを除く前記各色インクを用いてドットを形成するか否かを画素毎に決定する機能と、前記ドット形成機能によるドット形成の決定結果に基づいて前記印刷制御信号を生成する機能とを備えることを特徴とする。
【0022】
本発明の第8の態様に係るコンピュータ読み取り可能媒体に格納されているプログラムによれば、次に印刷されるページに対応する印刷データに基づいて必要なダークイエローインクのインク量を算出し、算出したダークイエローインクの必要インク量が検出されたダークイエローインクのインク量よりも多い場合には、ダークイエロインクを含む複数色のインクを用いた場合と同等の色再現性が得られるようにダークイエロインクを除く各色インクを用いてドットを形成するか否かを画素毎に決定する。したがって、本発明の第8の態様に係るコンピュータ読み取り可能媒体に格納されているプログラムを実行することにより、印刷データに基づいてページ単位にて特定色のインク切れを判断することができるので、特定色のインクを効率よく消費することができると共に、特定色インクのインク切れに伴う印刷品質の変化を抑制することができる。
【0023】
本発明の第1の態様に係る印刷システム、および本発明の第2の態様に係る印刷制御装置において、前記再現情報は、前記特定色により再現されるべき色表現を前記特定色を除く前記複数色のインクに振り分けるための情報であっても良い。また、前記色再現情報生成手段は、処理中の印刷ジョブが存在する場合には検出された前記特定色のインク量にかかわらず前記複数色のインクおよび前記特定色のインクを用いて色再現情報を生成しても良い。さらに、前記色再現情報生成手段は、検出された前記特定色のインク量が第1のしきい値未満であるか否かを印刷ページ単位で判定して色再現情報を生成しても良い。かかる構成を備える場合には、特定色を複数色によって置換することによる印刷品質の変化の知覚を抑制することができる。
【0024】
本発明の第1の態様に係る印刷システムはさらに、次に印刷されるページに対応する前記印刷データに基づいて必要な前記特定色のインク量を算出する特定色インク量算出手段を備え、前記色再現情報生成手段は、算出された前記特定色のインク量が検出された前記特定色のインク量よりも多い場合に、前記特定色を含む前記複数色のインクを用いた場合と同等の色再現性が得られるように前記特定色を除く前記複数色を用いて色再現情報を生成することができる。かかる構成を備える場合には、印刷データに応じて、印刷中における特定色インクのインク切れを防止できると共に、特定色のインクを効率よく消費することができる。
【0025】
本発明の第1の態様に係る印刷システム、本発明の第2の態様に係る印刷制御装置、および本発明の第3の態様に係る印刷制御装置において、前記複数色のインクは、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、前記マゼンタインクよりも濃度の低いライトマゼンタインクおよび前記シアンインクよりも濃度の低いライトシアンインクを含み、前記特定色のインクは前記イエローインクよりも明度の低いダークイエローインクであっても良い。また、前記色再現情報生成手段は、前記イエローインク、マゼンタインクおよびシアンインクを用いて前記ダークイエローインクの色相を補償しても良い。
【0026】
さらに、本発明の第3の態様に係る印刷制御装置において、前記複数色のインクは、イエローインク、マゼンタインク、シアンインクを含み、前記特定色のインクは、前記マゼンタインクよりも濃度の低いライトマゼンタインクまたは前記シアンインクよりも濃度の低いライトシアンインクであっても良い。
【0027】
本発明の第4の態様に係る印刷制御装置において、前記ドット形成決定手段は、処理中の印刷ジョブが存在する場合には検出された前記ダークイエロインクのインク量にかかわらず前記複数色のインクおよび前記ダークイエロ色のインクを用いてドット形成の有無を画素毎に決定しても良い。また、前記ドット形成決定手段は、処理中の印刷ジョブが存在せず、検出された前記ダークイエローインクのインク量が第1のしきい値以上の場合には、前記印刷データに基づき前記各色インクを用いてドットを形成するか否かを画素毎に決定しても良い。さらに、前記ドット形成決定手段は、検出された前記ダークイエロインクのインク量が第1のしきい値未満であるか否かを印刷ページ単位で判定してドット形成の有無を決定しても良い。かかる構成を備える場合には、ダークイエロインクを複数色によって置換することによる印刷品質の変化の知覚を抑制することができる。
【0028】
本発明の第4の態様に係る印刷制御装置はさらに、次に印刷されるページに対応する前記印刷データに基づいて必要な前記ダークイエローインクのインク量を算出する必要ダークイエローインク量算出手段を備え、算出された前記ダークイエローインクの必要インク量が検出された前記ダークイエローインクのインク量よりも多い場合には、前記ダークイエロインクを含む前記複数色のインクを用いた場合と同等の色再現性が得られるように前記ダークイエロインクを除く前記各色インクを用いてドットを形成するか否かを画素毎に決定するドット形成決定手段と、前記ドット形成決定手段の決定に基づいて前記印刷制御情報を生成する印刷制御情報生成手段とを備えることができる。このように、印刷データに基づいてページ単位にてダークイエロインクのインク切れを判断することができるので、特定色のインクを効率よく消費することができると共に、特定色インクのインク切れに伴う印刷品質の変化を抑制することができる。
【0029】
本発明の第6の態様に係る印刷方法において、現在処理中の印刷ジョブの次の印刷ジョブから、前記ダークイエロインクを含む前記複数色のインクを用いた場合と同等の色再現性が得られるように前記複数色のインクによるドットの形成を決定することができる。また、印刷ページ単位にて前記ダークイエロインクを含む前記複数色のインクを用いた場合と同等の色再現性が得られるように前記複数色のインクによるドットの形成を決定するができる。かかる構成を備える場合には、ダークイエロインクを複数色によって置換することによる印刷品質の変化の知覚を抑制することができる。
【0030】
本発明の第6の態様に係る印刷方法はさらに、次に印刷されるページに対応する前記印刷データに基づいて必要な前記ダークイエローインクのインク量を算出し、算出された前記ダークイエローインクの必要インク量が検出された前記ダークイエローインクのインク量よりも多い場合には、前記ダークイエロインクを含む前記複数色のインクを用いた場合と同等の色再現性が得られるように前記印刷データに基づき前記ダークイエロインクを除く前記各色インクを用いてドットを形成するか否かを画素毎に決定し、前記ドット形成をするか否かの決定に基づいて前記各色インクのドットを印刷媒体上に形成することができる。このように、印刷データに基づいてページ単位にてダークイエロインクのインク切れを判断することができるので、特定色のインクを効率よく消費することができると共に、特定色インクのインク切れに伴う印刷品質の変化を抑制することができる。
【0031】
本発明の第4の態様に係る印刷制御装置、および本発明の第6の態様に係る印刷方法において、前記複数色のインクは、前記イエローインクに加えて、マゼンタインク、シアンインク、前記マゼンタインクよりも濃度の低いライトマゼンタインクおよび前記シアンインクよりも濃度の低いライトシアンインクを含むことができる。また、前記使用インク置換手段は、前記イエローインク、マゼンタインクおよびシアンインクを用いて前記ダークイエローインクの色相を補償することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の作用・効果をより明確に説明するために、本発明の実施の形態を、次のような順序に従って説明する。
A.第1実施例:
A−1.装置構成:
A−2.画像処理:
B.第2実施例:
A.第1実施例:
A−1.装置構成:
【0033】
図1は、本発明に関わる印刷制御装置および印刷装置からなる印刷システムの構成を示す説明図である。図示するように、この印刷システムは、コンピュータ80にカラープリンタ20が接続されており、コンピュータ80に所定のプログラムがロードされて実行されると、コンピュータ80とカラープリンタ20とが全体として印刷システムとして機能する。印刷しようとするカラー原稿は、コンピュータ80上で各種のアプリケーションプログラム91により作成した画像等が使用される。また、コンピュータ80に接続されたスキャナ21を用いて取り込んだカラー画像や、あるいはデジタルカメラ(DSC)28で撮影した画像をメモリカード27を経由して取り込んで使用することも可能である。これらの画像のデータORGは、コンピュータ80内のCPU81により、カラープリンタ20が印刷可能な画像データに変換され、画像データFNLとしてカラープリンタ20に出力される。カラープリンタ20は、この画像データFNLに従って、印刷媒体上に各色のインクドットの形成を制御する結果、印刷用紙上にカラー原稿に対応するカラー画像が印刷されることになる。
【0034】
コンピュータ80は、各種の演算処理を実行するCPU81や、データを一時的に記憶するRAM83、各種のプログラムを記憶しておくROM82,ハードディスク26等から構成されている。また、SIO88をモデム24を経由して公衆電話回線PNTに接続すれば、外部のネットワーク上にあるサーバSVから必要なデータやプログラムをハードディスク26にダウンロードすることが可能となる。
【0035】
カラープリンタ20はカラー画像の印刷が可能なプリンタであり、本実施例では、印刷用紙上にシアン,マゼンタ,イエロ,ブラックの4色インクに加えて、淡シアン(LC)・淡マゼンタ(LM)の2色の淡インクと、ダークイエロ(DY)を加えた合計7色インクのドットを形成可能なインクジェットプリンタを使用している。ここで、淡シアン(LC)インクおよび淡マゼンタ(LM)インクは、それぞれシアンインクあるいはマゼンタインクの染料濃度の薄い(例えばシアンインクあるいはマゼンタインクの染料濃度の1/4の染料濃度)インクである。また、ダークイエロインクは、イエロインクより明度の低い黄色のインクであり、本実施例では、イエロインクに淡シアンインクの染料と淡マゼンタインクの染料とを添加したようなインクを、ダークイエロインクとして使用している。なお、イエロインクに他のインクの染料を添加したり、あるいは他の黄色い染料を用いたイエロインクをダークイエロインクとして使用しても構わない。
【0036】
以下の説明では場合によって、シアンインク,マゼンタインク,イエロインク,ブラックインク,淡シアンインク,淡マゼンタインク,ダークイエロインクのそれぞれをCインク,Mインク,Yインク,Kインク,LCインク,LMインク,DYインクと略称するものとする。
【0037】
カラープリンタ20は、ピエゾ素子を用いてインクを吐出することによって印刷用紙上にインクドットを形成する方式を採用している。この方式のプリンタは、ピエゾ素子の駆動波形を制御することによって、吐出するインク滴の大きさを制御することができる。吐出するインク滴の大きさを制御することにより、印刷用紙上に形成されるインクドットの大きさを制御することが可能である。
【0038】
本実施例で使用したカラープリンタでは、ピエゾ素子を用いてインクを吐出する方式を採用しているが、他の方式によりインクを吐出するノズルユニットを備えたプリンタを用いるものとしてもよい。例えば、インク通路に配置したヒータに通電し、インク通路内に気泡(バブル)を発生させることによってインクを吐出させる方式のプリンタに適用してもよい。かかる方式を用いてインク滴を吐出する場合も、ヒータに通電する電流波形を制御したり、あるいは同時にインクを吐出するノズル数を増やしたりすることによって、印刷用紙上に形成されるインクドットの大きさを制御することが可能である。また、インクを吐出する代わりに、熱転写などの現象を利用して、印刷用紙上にインクドットを形成する方式のプリンタであっても構わない。
【0039】
図2は、本実施例の印刷制御装置の機能を実現するための、コンピュータ80のソフトウェアの構成を概念的に示すブロック図である。コンピュータ80においては、すべてのアプリケーションプログラム91はオペレーティングシステムの下で動作する。オペレーティングシステムには、ビデオドライバ90やプリンタドライバ92が組み込まれていて、各アプリケーションプログラム91から出力される画像データは、これらのドライバを介して、カラープリンタ20に出力される。
【0040】
アプリケーションプログラム91が印刷命令を発すると、コンピュータ80のプリンタドライバ92は、アプリケーションプログラム91から画像データを受け取って、所定の画像処理を行い、プリンタが印刷可能な画像データFNLに変換してカラープリンタ20に出力する。
【0041】
図2に概念的に示すように、プリンタドライバ92が行う画像処理は、解像度変換モジュール93と、色変換モジュール94と、階調数変換モジュール95と,信号変換モジュール96と,インターレースモジュール97の大きく5つのモジュールから構成されている。以下、各モジュールが行う画像処理の内容について簡単に説明する。
【0042】
解像度変換モジュール93は、各種のアプリケーションプログラム91から受け取った画像データの解像度を、カラープリンタ20が印刷するための解像度に変換する。画像データの解像度が印刷解像度よりも低い場合は、線形補間を行って隣接画像データ間に新たなデータを生成し、逆に印刷解像度よりも高い場合は、一定の割合でデータを間引くことによって、画像データの解像度を印刷解像度に変換する。
【0043】
色変換モジュール94は、解像度変換モジュール93から印刷解像度に変換された画像データを受け取って、色変換処理を行う。色変換処理とは、R・G・Bの階調値からなる画像データをカラープリンタ20で使用するC・M・Y・K・LC・LM・DYの各7色、または、C・M・Y・K・LC・LMの各6色の階調値のデータに変換する処理である。この処理は、色変換テーブルを用いて行われており、本実施例ではDYインク残量不足時に用いるための6色用色変換テーブルLUT6と、通常時に用いるための7色用色変換テーブルLUT7とが備えられている。LUT6にはR・G・Bのそれぞれの組合せからなる色を、C・M・Y・K・LC・LM各色で表現するときの、各色階調値の組合せが記憶されている。一方、LUT7にはR・G・Bのそれぞれの組合せからなる色を、C・M・Y・K・LC・LM・DY各色で表現するときの、各色階調値の組合せが記憶されている。DYインク残量不足時における両LUT6、LUT7の使い分けについては後述する。
【0044】
階調数変換モジュール95は、色変換モジュール94から色変換済みの画像データを受け取って、階調数変換処理を行う。本実施例においては、色変換後の画像データは各色毎に256階調幅を持つデータとして表現されている。これに対し、本実施例のカラープリンタ20では、「ドットを形成する」,「ドットを形成しない」のいずれかの状態しか採り得ない。すなわち、本実施例のカラープリンタ20は局所的には2階調しか表現し得ない。そこで、256階調を有する画像データを、カラープリンタ20が表現可能な2階調で表現された画像データに変換する必要がある。このような階調数の変換を行う処理が階調数変換処理である。
【0045】
インターレースモジュール97は、信号変換モジュール96から6色分または7色分のドットデータを受け取って、インターレース処理を行う。インターレース処理は、ドットの形成有無を表す形式に変換された画像データを、カラープリンタ20に転送すべき順序に並べ替えてる処理である。インターレースモジュール97は、処理を終了すると、画像データFNLとしてカラープリンタ20に出力する。
【0046】
本実施例では、カラープリンタ20は、画像データFNLに従って、ドットを形成する役割を果たすのみであり、画像処理は行っていないが、カラープリンタ20において画像変換の一部を実行しても良い。
【0047】
図3は、本実施例のカラープリンタ20の概略構成を示す説明図である。このカラープリンタ20は、図示するように、キャリッジ40に搭載された印字ヘッド41を駆動してインクの吐出およびドット形成を行う機構と、このキャリッジ40をキャリッジモータ30によってプラテン36の軸方向に往復動させる機構と、紙送りモータ35によって印刷用紙Pを搬送する機構と、制御回路60とから構成されている。
【0048】
キャリッジ40をプラテン36の軸方向に往復動させる機構は、プラテン36の軸と並行に架設されたキャリッジ40を摺動可能に保持する摺動軸33と、キャリッジモータ30との間に無端の駆動ベルト31を張設するプーリ32と、キャリッジ40の原点位置を検出する位置検出センサ34等から構成されている。
【0049】
印刷用紙Pを搬送する機構は、プラテン36と、プラテン36を回転させる紙送りモータ35と、図示しない給紙補助ローラと、紙送りモータ35の回転をプラテン36および給紙補助ローラに伝えるギヤトレイン(図示省略)とから構成されている。印刷用紙Pは、プラテン36と給紙補助ローラの間に挟み込まれるようにセットされ、プラテン36の回転角度に応じて所定量だけ送られる。
【0050】
制御回路60は、CPU61とROM62とRAM63等から構成されており、カラープリンタ20の各種機構を制御する。すなわち、制御回路60は、キャリッジモータ30と紙送りモータ35の動作を制御することによってキャリッジ40の主走査と副走査とを制御するとともに、コンピュータ80から供給される画像データFNLに基づいて、各ノズルでのインク滴の吐出を制御している。この結果、印刷用紙上の適切な位置にインクドットが形成される。
【0051】
キャリッジ40にはブラック(K)インクを収納するインクカートリッジ42と、シアン(C)・マゼンタ(M)・イエロ(Y)・淡シアン(LC)・淡マゼンタ(LM)・ダークイエロ(DY)のインクを収納するインクカートリッジ43とが装着されている。各インクカートリッジ42、43には記憶素子53が備えられており、各インクのインク残量、カートリッジ42,43の製造年月日といった情報が格納されている。各インクのインク残量の検出は、例えば、ドット形成数にドットインク滴量を乗じて得られたインク消費量を各色インク毎にカウントアップしてインク初期量から減じたり、インクカートリッジ42、43内の各色インクに電圧を印加し、その電圧変化を電圧センサによって検出したり、あるいは、光学式センサによってインクカートリッジ42、43内の各色インクの透過率を検出することにより実行される。これらのインク残量検出処理は、プリンタ20の制御回路60またはコンピュータ80によって実行され、記憶素子53上のインク残量情報は、印刷実行の都度プリンタ20によって更新される。なお、KインクとDYインクとを同じインクカートリッジに収納等してもよい。また、多色のインクをそれぞれ別のカートリッジに収納しても構わない。複数のインクを1つのカートリッジに収納可能とすれば、インクカートリッジをコンパクトに構成することができる。
【0052】
キャリッジ40にインクカートリッジ42,43を装着すると、カートリッジ内の各インクは図示しない導入管を通じて、各色毎のインク吐出用ヘッド44ないし50に供給される。各ヘッドに供給されたインクは、制御回路60の制御の下でインク吐出用ヘッド44ないし50から吐出される。
【0053】
図4は、インク吐出用ヘッド44ないし50におけるインクジェットノズルNzの配列を示す説明図である。図示するように、インク吐出用ヘッドの底面には、各色毎のインクを吐出する7組のノズル列が形成されており、1組のノズル列あたり48個のノズルNzが、一定のノズルピッチkで配列されている。
【0054】
図5は、本実施例のカラープリンタ20で用いられるインク成分の一例を示したものである。図5に示すように、各色のインクは、水に粘度調整用のジエチレングリコールと、各色毎の染料などを適量ずつ添加した混合溶液である。本実施例で用いたDYインクの組成は、Yインクの染料であるダイレクトイエロ86に、Cインクの染料であるダイレクトブルー199とMインクの染料であるアシッドレッド289とを略等量ずつ添加した組成となっている。しかしDYインクの組成はこれに限定されるものではなく、例えば、ダイレクトブルー199とアシッドレッド289の比率や添加量を変えたインク、または、ダイレクトイエロ86にK(ブラック)インクの染料であるフードブラック2を少量添加したインクを使用することもできる。更には、ダイレクトブルー199やアシッドレッド289の添加量を多くしてダイレクトイエロ86の含有量を若干減少させたインクや、フードブラックを添加してダイレクトイエロ86の含有量を若干減少させたインクを使用することもできる。また、DYインクに使用される黄色成分の染料は、Yインクとは異なる染料を使用するものであっても構わない。例えば、Yインクに使用されている黄染料のダイレクトイエロ86の他に、ダイレクトイエロ132やアシッドイエロ23等の黄色染料を使用することも可能である。いずれにしても、Yインクよりは暗く、単独では無彩色の灰色を表現することはできないが、カラープリンタに備えられた他色のインクと併用することで無彩色を表現可能なインクであれば、DYインクとして使用することができる。
【0055】
図6は、図5に示した組成の各種インクの明度を測定したものである。図6の横軸に取ったドット記録率とは、単位面積当たりに形成されるドットの割合を示す指標である。例えば、ドット記録率100%とはすべての画素にドットが形成されている状態を示し、ドット記録率50%とは半分の画素にドットが形成されている状態を、ドット記録率0%とはいずれの画素にもドットが形成されていない状態を示している。縦軸にとった明度は、印刷用紙の地色を基準とした画像の明るさを示している。例えば、明度100%とは印刷用紙の地色そのままの状態を示し、明度が小さくなるにつれて画像の明るさは暗くなっていく。図示するように、いずれのドットも、ドット記録率0%の時は明度100%であり、ドット記録率が増加するにつれて、すなわちドットを形成するにつれて、明度は小さくなっていく。同一のドット記録率で各種ドットによる画像の明度を比較すれば、各種インクの明るさを知ることができる。
【0056】
図6に示されているように、本実施例で使用されているインクは、明るさの順に大きく4つのグループに分けることができる。Yインクはもっとも明るいグループに属し、LMインクとLCインクとDYインクは2番目に明るいグループに属している。CインクとMインクが3番目に明るいグループであり、Kインクがもっとも暗いグループに属している。図5に示すように、DYインクはYインクに、LCインク相当の染料とLMインク相当の染料とが添加されたようなインク組成となっていることに対応して、DYインクはLMインクやLCインクよりは暗いインクとなっている。
【0057】
以上のようなハードウェア構成を有するカラープリンタ20は、キャリッジモータ30を駆動することによって、各色のインク吐出用ヘッド44ないし50を印刷用紙Pに対して主走査方向に移動させ、また紙送りモータ35を駆動することによって、印刷用紙Pを副走査方向に移動させる。制御回路60の制御の下、キャリッジ40の主走査および副走査を繰り返しながら、適切なタイミングでノズルを駆動してインク滴を吐出することによって、カラープリンタ20は印刷用紙上にカラー画像を印刷する。
A−2.画像処理:
【0058】
以下、図7ないし図9を参照して第1実施例の印刷システムにおける画像処理について説明する。図7は画像処理に際して実行される処理ルーチンを示すフローチャートである。図8は図7中の色変換処理に際して実行される処理ルーチンを示すフローチャートである。図9は第1実施例における7色用LUT7と6色用LUT6の対応関係の一例を示す説明図である。
【0059】
第1実施例の印刷システムは、コンピュータ80とカラープリンタ20とから構成されている。コンピュータ80のプリンタドライバ92は、DYインク残量DYremに基づいて画像データORGをDYインクのドットを含む7色分のドットデータ、あるいは、DYインクを含まない6色分のドットデータに変換する。プリンタドライバ92は、変換した7色分または6色分のドットデータを画像データFNLとしてカラープリンタ20に供給する。カラープリンタ20は、供給された7色分または6色分の画像データFNLを受け取り、C・M・Y・K・LC・LM・DYの7色、またはC・M・Y・K・LC・LMの6色のインクドットを形成して画像を印刷する。
【0060】
コンピュータ80内のCPU81は、アプリケーションプログラム91によって作成された後プリンタドライバ92に供給された処理すべき画像データを取り込む(ステップS100)。アプリケーションプログラム91の中では、カラー画像データは、赤色(R),緑色(G),青色(B)の3色の画像の組合せにより表現されており、また各色毎の画像は、それぞれが階調値を有する画素の集まりとして表現されている。8ビットの画像データであれば、各画素が採り得る階調値は0から255の256段階の値となる。
【0061】
アプリケーションプログラム91から画像データを取り込むと、CPU81は、解像度変換を行う(ステップS110)。解像度変換処理では、画像の解像度がプリンタ解像度より低い場合には、線形補間を実行して隣接する画素の間に新たな画像データを生成し、逆に画像の解像度がプリンタ解像度より高い場合には、一定の割合で画像データを間引くことにより解像度を低下させる。上述のように、取り込んだ画像は画素の集まりとして表現されているが、この画像を印刷する場合、印刷しようとする印刷媒体上における画像の大きさによって、印刷媒体上において1画素が対応する長さは異なってくる。プリンタが単位長さ当たりに形成できるドットの数(これをプリンタ解像度と呼ぶ)は、予めプリンタ機種毎に決まっており、画像処理の都合上、画像解像度をプリンタ解像度に一致させておく必要がある。そこで、解像度変換(ステップS110)では、このように画像の解像度をプリンタの解像度に一致させる処理を行う。
【0062】
解像度変換処理が終了すると、CPU81は色変換処理を行う(ステップS120)。前述のように、アプリケーションプログラム91は、一般にカラー画像を赤色(R),緑色(G),青色(B)の3色の階調画像データとして表現している。一方、カラープリンタ20は、原理的には、カラー画像をシアン色(C),マゼンタ色(M),イエロ色(Y)の3色の減法混色によって表現する。したがって、カラー画像の印刷に際しては、R・G・Bの3色による色の表現方法を、C・M・Yの3色による色の表現方法に変換する、色変換処理が必要となる。
【0063】
本実施例では、色変換処理の本質的処理の実行に先立ち、6色用LUT6を用いて画像データの色変換を実行するか、7色用LUT7を用いて画像データの色変換を実行するかを判定する使用LUT判定処理を実行する。以下、図8を参照して使用LUT判定処理について説明する。CPU81はDYインクの残量DYremを取得する(ステップS1200)。既述のように、本実施例の印刷システムに用いられるインクカートリッジ42、43には、インク残量等の情報を格納する記憶素子53が備えられており、CPU81はプリンタ20の制御回路60を介してDYインクのインク残量DYremを取得する。CPU81は、取得したDYインク残量DYremがDYインクの使用を許容する下限値DYref未満であるか否かを判定し(ステップS1201)、DYインク残量DYremが許容下限値DYref以上であると判定した場合には(ステップ1201:No)、7色用LUT7を用いて色変換処理を実行する(ステップS1202)。なお、許容下限値DYrefとしては、例えば、全インク容量の約20%とすることができる。
【0064】
一方、CPU81は、DYインク残量DYremが許容下限値DYref未満であると判定した場合には(ステップ1201:Yes)、実行中の印刷ジョブが完了したか否かを判定する(ステップS1203)。CPU81は、実行中の印刷ジョブが完了していないと判定した場合には、7色用LUT7を用いて色変換処理を実行する(ステップS1202)。一方、CPU81は、実行中の印刷ジョブが完了していると判定した場合には、6色用LUT6を用いて色変換処理を実行する(ステップS1204)。同一印刷ジョブ内では使用LUTの切り換えを行わないことで、印刷品質(印刷結果)のばらつきを防止するのである。このように、印刷ジョブが完了していない場合には使用LUTの切り換えを行わないので、許容下限値DYrefの値は、一般的にインク切れとされるインク残量よりも多い値であることが望ましい。
【0065】
次に、色変換処理の本質的な処理について説明する。上述のように、本実施例では、C・M・Yの3色ではなく、K・LC・LM・DYを加えた合計7色、もしくは、K・LC・LMを加えた合計6色に変換しているが、説明を簡略化するために、C・M・Yの3色に変換するものとして説明する。色変換処理を行うと、それぞれ256階調を持ったR・G・B階調画像データが、256階調を持ったC・M・Yの階調画像データに変換される。
【0066】
CPU81は、図10に示すような変換表を参照して、R・G・B階調値をC・M・Y階調値に変換する。図示するように、変換表はR・G・Bの階調値を軸とする3次元の数表(色立体)であり、本実施例では各軸の値は0から255の値を採りうる。互いに直交するR・G・B各軸が張る空間を色空間と呼ぶ。変換表は、色立体を小さな立方体に細分し、小さな各立方体の頂点毎に、対応するC・M・Yの階調値を記憶したものである。
【0067】
変換表を参照して色変換を行うには、次にようにして行う。例えば、R・G・B階調値がそれぞれRA・GA・BAで表される色をC・M・Y階調値で表現する場合、色空間上で座標(RA,GA,BA)の点Aを考え、点Aを含むような小さな立方体(dV)を見つけ出し、この立方体の各頂点に記憶されているC・M・Yの各階調値から補間演算を行って、点AのC・M・Y階調値を算出する。
【0068】
このように変換表は、RGBの色立体に含まれる各座標に対して、C・M・Yの階調値を一組定めるという機能を果たすものである。変換表に、C・M・Yの階調値に加えて、K(黒),LC(淡いシアン),LM(淡いマゼンタ),DY(暗いイエロ)の各階調値を記憶しておけば、RGB色立体内の各座標に対して、C,M,Y,K,LC,LM,DYの各階調値を対応付けることができる(7色用LUT7)。あるいは、変換表に、C・M・Yの階調値に加えて、K(黒),LC(淡いシアン),LM(淡いマゼンタ)の各階調値を記憶しておけば、RGB色立体内の各座標に対して、C,M,Y,K,LC,LMの各階調値を対応付けることができる(6色用LUT6)。また、変換表には、中間的なC,M,Yの値あるいは、C,M,Y,Kの値、あるいはC,M,Y,K,LC,LMの値を記憶させておいて、そこから演算等により最終的なC,M,Y,K,LC,LM,DY、または、C,M,Y,K,LC,LMの各階調値を求めても良い。
【0069】
また、ほとんどの場合は、色変換処理の中で色補正処理も併せて行う。色補正処理とは、R・G・Bそれぞれの階調値を補正することによって、カラー画像を読み込む際に装置毎に感度特性が異なる影響を除いたり、または、C・M・Yの各階調値を予め補正して印刷装置毎の色再現特性の違いを除くための処理を言う。色補正を行うことにより、画像を読み込む機器や印刷装置の違いによらず、正確な色を表現することが可能となる。
【0070】
ここで、本実施例にて用いられる7色用LUT7と6色用LUT6の対応関係の一例について図9を参照して説明する。7色用LUT7のある格子点に着目したときに、その格子点に記憶されている階調値の組み合わせが(C、M、Y、K、LC、LM、DY)=(1,1,1,1,10,10,5)であったとする。DYインクは、基本的に図5に示すように、YインクにLCインク成分のLMインク成分とが混合されたインクであるから、例えば、6色用LUT6の格子点の階調値の組み合わせは(C、M、Y、K、LC、LM)=(1,1,1+1,1,10+1,10+1)とすることができる。すなわち、Yドット・LCドット・LMドットの3つのドットに含まれる染料量と、DYドットに含まれる染料量とがほぼ等しくなるので、Yドット・LCドット・LMドットの3つのドットが重ね打ちされた色と、DYドットの色とはほとんど同じような色を表現することになる。したがって、印刷用紙上に表現される色はほぼ同様の色となるので、画質を悪化させることはない。また、DYの階調値の振り分けは、これに限られるものでなく、図9に示すように(C、M、Y)にそれぞれ、(0.3、0.3、1)、または、(1.8、1.8、1)ずつ割り振っても良く、あるいは、(C、M、Y、K)に(2、2、2、1)ずつ割り振っても良い。さらに、この他の割合によってDYインクの階調値を他のインクに割り振っても良い。前者から後者に移行するに連れて、インクデューティの余裕は大きくなり、印刷品質は低下していく。
【0071】
色変換処理を終了すると、CPU81は階調数変換処理を行う(ステップS130)。色変換後の画像データは、C,M,Y,K,LC,LM,DYの7色、または、C,M,Y,K,LC,LMの6色の256階調画像となっている。一方プリンタは、印刷用紙上にドットを形成することによって画像を表現しており、ドットは形成するか否かの2つの状態しか採り得ない。もっとも、最近ではドットの大きさを変える等して、中間状態を含めた多値のドットを印刷可能なプリンタも存在するが、依然として表現しうる階調値は多くはない。そこで、階調数変換処理によって、256階調を有する画像を、プリンタが表現できる非常に少ない階調で表現された画像に変換する必要がある。図11は、階調数変換処理の一例として、2値化処理を行っている様子を示す概念図である。図11(a)は、2値化処理を行う前の色変換後の画像データを、また図11(b)は2値化処理を行った後の画像データを示している。図示するように、2値化処理前の画像データは各画素に256階調のいずれかの値が書き込まれているが、2値化処理後の画素データは各画素にドットを形成する(値:1)か、しない(値:0)かを表すいずれかの値が書き込まれている。尚、図11(b)では、ドットの分布状況を分かり易くするために、「1」が書き込まれている画素にはハッチを施し、「0」が書き込まれている画素は白抜きで表している。
【0072】
本実施例では、C,M,Y,K,LC,LM,DYの7色またはC,M,Y,K,LC,LMの6色についてドットの形成有無を判断しているため、判断方法については種々の方法が考えられ、それぞれに得失がある。本実施例のカラープリンタ20では、使用者が各種方法を選択することができる。以下、各方法について説明していくが、代表的なものとしては、誤差拡散法と呼ばれる方法と組織的ディザ法と呼ばれる方法との2つがある。一般的に、誤差拡散法は画質に優れ、組織的ディザ法は高速処理が可能であるという特徴がある。以下では、誤差拡散方法と組織ディザ法の概要について、それぞれ簡単に説明する。
【0073】
A−3.誤差拡散法による2値化処理:
図12は誤差拡散法により2値化処理を行うフローチャートである。尚、ここで説明している実施例では、2値化処理を、色変換処理で変換されたC,M,Y,K,LC,LM,DYの各色毎に行っている。説明の煩雑化を避けるために、以下の説明では、色を特定せずに説明する。2値化処理を開始すると、CPU81は画像データCdを読み込む(ステップS200)。この画像データCdは、色変換後の256階調を有する各色毎の画像データである。このデータに対し、補正データCdxを生成する(ステップS202)。誤差拡散処理は処理済みの画素について生じた2値化誤差を、その画素の回りの未処理画素に所定の重みを付けて配分するもので、ステップS202では周辺の処理済み画素から分配されてきた誤差を着目画素に加えて、補正データCdxを算出する。着目している画素PPに対して、周辺のどの画素にどの程度の重み付けで、この誤差を配分するかを例示したのが図13である。着目画素PPに対して、キャリッジ40の走査方向で数画素、および用紙Pの搬送方向後ろ側の隣接する数画素に対して、2値化誤差が所定の重み(1/4,1/8,1/16)を付けて配分される。誤差拡散処理については後で詳述する。こうして生成された補正データCdxと、各色毎に設定されている所定の閾値thとの大小を比較し(ステップS204)、データCdxが閾値thより大きい場合には、2値化結果を表す値Cdrにドットを形成することを意味する値「1」を代入する(ステップS206)。逆に、データCdxが閾値thより小さい場合は、2値化結果を表す値Cdrにドットを形成しないことを示す値「0」を代入する(ステップS208)。閾値thは、このようにドットを形成するか否かを判断する基準となる値である。インク残量の検出をドット形成量に基づいて実行する場合には、ここで判断された各色インクに対するドット形成の有無の判断と形成ドットのインク適量とを用いて、各色インクのインク消費量がカウントアップされる。
【0074】
次に、CPU81は2値化により生じた誤差を計算し、その誤差を周辺の画素に拡散する処理を実施する(ステップS210)。誤差とは、原画像データの階調値から、階調数変換結果を引いた値をいう。例えば、原画像データにおける階調値64の画素を考え、ドットが形成されたことによって、その画素には255階調値相当が表現されたとすると、64−255=−191の誤差が生じていることになる。逆に、その画素にドットが形成されない場合には、64−0=64の誤差が生じる。
【0075】
こうして演算された誤差は図13に示した割合で、周辺の画素に拡散される。例えば、着目画素PPにおいて階調値64に相当する誤差が算出された場合、隣の画素P1には誤差の1/4である階調値16に相当する誤差が拡散されることになる。こうして拡散された誤差が、先に説明したステップ202で画像データCdに反映され、補正データCdxが生成されるのである。以上を全画素分について繰り返すと(ステップS212)、最終的には、図11(b)に示したようなドットの有無を表す画像データが得られる。
【0076】
上述のように、色変換処理でC,M,Y,K,LC,LM,DYの7色またはのC,M,Y,K,LC,LMの6色の階調画像データを生成させ、2値化処理は各色毎に独立して行うという方法は、各色毎の処理内容が簡単であり迅速な処理が可能となる。また、各色毎の処理が独立し、かつ比較的単純であるため、専用の画像処理装置を使用してデータ変換を行う場合に並列処理が容易であり、誤差拡散法を用いた2値化処理でありながら迅速な処理を行うことが可能となる。
【0077】
一方、色変換処理(図7参照)ではC,M,Y,Kの4色の画像データを生成し、Cの階調データからCとLCのドット形成有無を、またMの階調データからMとLMのドット形成有無を、Yの階調データからYとDYのドット形成有無を判断するようにしてもよい。このような方法を用いれば、色変換処理が簡略化され、迅速な変換が可能となる。
【0078】
組織的ディザ法による2値化処理の考え方を図14を用いて説明する。ここでは、一般的な場合として画像データCdは0から255までの値を取り得るとし、ディザマトリックスは0から254の値を取り得るものとした。また、説明を簡略化するために、図14では、画像データの一部(4×4の画素)のみを取り出して表している。図14に示す通り、画像データCdの各画素とディザマトリックスの対応箇所の大小を比較する。画像データCdの方がディザマトリックスに示された閾値よりも大きい場合にはドットをオンにし、画像データCdの方が小さい場合にはドットをオフとする。図14中でハッチングを付した画素がドットをオンにする画素を意味している。
【0079】
以上のように、組織的ディザ法を用いた2値化処理では、画像データの階調値とディザマトリックスの閾値とを対応する画素毎に比較し、C,M,Y,K,LC,LM,DYの7色、または、C,M,Y,K,LC,LMの6色について全画素のドット形成有無を判断する。
【0080】
組織的ディザ法の場合も誤差拡散法による2値化処理の場合と同様に、色変換処理(図7参照)ではC,M,Y,Kの4色の画像データを生成させ、Cの階調データからCとLCのドット形成有無を、またMの階調データからMとLMのドット形成有無を、Yの階調データからYとDYのドット形成有無を判断するようにしてもよい。かかる方法によれば、色変換処理で4色の画像データを生成させればよいので、色変換処理を簡略化することができる。更に、同色系統のドット(例えばCドットとLCドット)に関しては、1つの画素に重ね打ちされることを簡単に避けることができ、画質の向上が期待できる。
【0081】
図7に戻り説明を続けると、CPU81は階調数変換処理(ステップS130)を終了すると、インターレース処理を開始する(ステップS140)。この処理は、階調数変換処理によってドットの形成有無を表す形式に変換された画像データを、カラープリンタ20に転送すべき順序に並べ替える処理である。すなわち、前述のようにカラープリンタ20は、キャリッジ40の主走査と副走査を繰り返しながら、印字ヘッド41を駆動して印刷用紙Pの上にドット列(ラスタ)を形成していく。図4を用いて説明したように、各色毎のインク吐出用ヘッド44ないし50には、複数のノズルNzが設けられているので、1回の主走査で複数本のラスタを形成することができる。それらラスタは互いにノズルピッチkだけ離れている。その結果、画素間隔で並ぶラスタを形成するには、まず、ノズルピッチkだけ離れた複数のラスタを形成し、次にヘッド位置を少しずらして、ラスタの間に新たなラスタを形成していくといった制御が必要となる。また、印刷画質を向上させるために、1本のラスタを複数回の主走査に分けて形成したり、更には印刷時間を短縮するために、主走査の往動時と復動時のそれぞれでドットを形成するといった制御も行われる。
【0082】
インターレース処理が終了すると、画像データはプリンタが印刷可能な画像データFNLとして、カラープリンタ20に出力される(ステップS150)。
【0083】
以上説明したように、第1実施例に係る印刷システムによれば、色変換テーブルLUTとしてDYインクを含む7色用LUT7とDYインクを含まない6色用LUT6とを備え、印刷ジョブ単位でDYインク残量DYremに基づいて使用するLUTを切り換える構成を備えている。したがって、印刷実行中のDYインク切れを回避することができると共に、インク切れに伴う印刷の中止、および、印刷の再実行を回避することができる。また、1つの印刷ジョブが終了した時点でLUTの切り換えが実行されるので、複数の印刷ジョブがプリンタに送られた場合であっても印刷ジョブ単位での印刷結果に印刷品質のばらつきが生じることはなく、また、7色LUT7から6色LUT6に切り換えて印刷が継続されるので送信済みの印刷ジョブを中断する必要がない。
【0084】
B.第2実施例:
上述してきた第1実施例の印刷システムにおいては、DYインク残量DYremが許容下限値DYref未満となっても実行中の印刷ジョブが終了しなければ色変換テーブルLUTの切り換えを実行しない。これに対して、第2実施例の印刷システムでは、現ページの印刷中に次ページの印刷に必要なDYインク量DYreqに基づいて色変換テーブルの切り換えを実行する。かかる場合の使用LUT判定処理について図16を参照して説明する。図16は第2実施例において色変換処理に際して実行される処理ルーチンを示すフローチャートである。なお、印刷システムの構成については第1実施例にて説明した印刷システムの構成と同様であるから同一の構成には同一の符号を付すことでその説明を省略する。
【0085】
本処理ルーチンが開始すると、CPU81はDYインクの残量DYremをインクカートリッジ42、43の記憶素子53から取得する(ステップS1210)。CPU81は、取得したDYインク残量DYremがDYインクの使用を許容する第2下限値DYref2未満であるか否かを判定し(ステップS1211)、DYインク残量DYremが第2許容下限値DYref2以上であると判定した場合には(ステップ1211:No)、7色用LUT7を用いて色変換処理を実行する(ステップS1212)。なお、第2許容下限値DYref2としては、例えば、全インク容量の約10%〜15%が適用され得る。
【0086】
一方、CPU81は、DYインク残量DYremが第2許容下限値DYref未満であると判定した場合には(ステップS1211:Yes)、次ページの印刷に必要なDYインク量DYreqを算出する(ステップS1213)。必要DYインク量DYreqは、例えば、RGB画像データ(印刷データ)とCMYデータとを予め関連付けておき、RGB画像データから直接、必要とされるDYインク量を概算しても良く、あるいは、RGB画像データを7色用LUT7を用いて色変換し、必要とされるDYインクのドット数から求めてもよい。CPU81は、算出した必要DYインク量DYreqがDYインク残量DYrem未満であるか否かを判定し(ステップS1214)、必要DYインク量DYreqがDYインク残量DYrem未満であると判定した場合には(ステップS1214:Yes)、6色用LUT6を用いて次ページの印刷データの色変換処理を実行する。一方、CPU81は、必要DYインク量DYreqがDYインク残量DYrem以上であると判定した場合には(ステップS1214:No)、7色用LUT7を用いて次ページの印刷データの色変換処理を実行する(ステップS1212)。なお、一旦、ステップS1213にて7色用LUT7を用いて色変換処理を実行している場合には、先の処理結果を用いても良い。
【0087】
以上説明したように、第2実施例に係る印刷システムによれば、色変換テーブルLUTとしてDYインクを含む7色用LUT7とDYインクを含まない6色用LUT6とを備え、次ページに要求される必要DYインク量DYreqとDYインク残量DYremとに基づいて使用するLUTを切り換える構成を備えている。したがって、印刷実行中のDYインク切れを回避することができると共に、インク切れに伴う印刷の中止、および、印刷の再実行を回避することができる。また、ページ単位でLUTの切り換えが実行されるので、たとえ、印刷品質に多少の相違があったとしても、同一ページ内にてLUTを切り換える場合と比較して認識されにくいという利点を有する。また、次ページ印刷に要求される必要DYインク量DYreqをしきい値としてLUTの切り換えを行うので、DYインクの第2許容下限値DYref2を許容下限値DYrefよりも少なく設定することが可能となり、DYインクをぎりぎりまで使用することができる。
【0088】
なお、色変換テーブルLUTを切り換えるに当たっては、LUTの切り換えの確認を促す表示をCRT23上に表示して、LUTの切り換え、または、DYインクを含むインクカートリッジ43の交換を選択できるようにしても良い。このように構成することにより、ユーザは、印刷品質を重視する印刷(全ページに亘り厳密に同一の印刷品質を求める印刷)と、ランニングコストを重視する印刷とを選択することができる。
【0089】
以上、いくつかの実施例に基づき本発明に係る印刷システムを説明してきたが、上記した実施例は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
【0090】
例えば、上記各実施例では、7色用LUT7および6色用LUT6の2つの色変換テーブルを備えているが、7色用LUT7のみを備えて、インクデューティを考慮して7色用LUT7を利用してDYを含まない6色用LUT6の階調値を動的に算出するようにしても良い。その一例について図9を参照して説明する。インクデューティの余裕が大きい場合には、印刷品質を優先して上記各実施例でも説明したようにDYの階調値をY、LC、LMに割り振り、インクデューティの余裕が小さくなるに連れて、DYの階調値をC、M、Kにも割り振っていく。すなわち、用いられるDYの成分と他の6色(C、M、Y、K、LC、LM)の成分との関係は予め知られているので、その関係に基づいて割り振りの程度を決めてやればよい。
【0091】
上記各実施例では、色変換テーブルを用いてRGBデータをCMYデータに変換しているが、色変換テーブルを用いることなく、色変換関数を用いて色変換を実行しても良い。
【0092】
上記各実施例では、印刷ジョブ単位、または、次ページのDYインク消費量に基づくページ単位にて、7色用LUT7から6色用LUT6への切り換えを実行しているが、次ページのDYインク消費量を考慮することなくページ単位で色変換テーブルの切り換えを実行しても良い。かかる場合には、色変換テーブルの切り換え判断に用いるDYインク残量を低く設定できると共に、ページ単位であることから色変換テーブルの切り換えに伴う印刷品質の変化が知覚されにくいという利点を有する。また、行単位にて7色用LUT7と6色用LUT6とを交互に切り換えて、最終的に6色用LUT6に切り換えるようにしてもよい。このように、移行印刷部分を設けることによってページ途中での色変換テーブルの切り換えに伴う印刷品質の変化を知覚され難くすることが可能となり、ページ途中での色変換テーブルの切り換えを実行することができる。
【0093】
上記各実施例では、上述の機能を実現するソフトウェアプログラム(アプリケーションプログラム)が印刷システム上に格納されているが、例えば、上述の機能を実現するソフトウェアプログラム(アプリケーションプログラム)を、通信回線を介してコンピュータシステムのメインメモリまたは外部記憶装置に供給し実行するものであってもよい。
【0094】
また、上述の各実施例では、DYを除く6色分の画像データをコンピュータ80からカラープリンタ20に供給するものとして説明したが、6色分の画像データをDYを含む7色分の画像データに復号するコントロールボックスをカラープリンタ20の前段に設け、画像データをコンピュータ80から該コントロールボックスに供給するようにしても良い。
【0095】
また、上述したカラープリンタ20は、C・M・Y・K・LC・LM・DYの7色のインクドットを形成可能なカラープリンタとして説明したが、カラープリンタが備えるインクの種類はこれに限定されるものではない。例えば、前記7色に加えて他のインクを備えたカラープリンタであっても良く、更には、LCインクあるいはLMインクのいずれか一方を有しないカラープリンタであっても構わない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に従う印刷システムの概略構成図である。
【図2】ソフトウェアの構成を示す説明図である。
【図3】本実施例のプリンタの概略構成図である。
【図4】本実施例のカラープリンタのインク吐出量ヘッドにノズルが配置されている様子を示す説明図である。
【図5】本実施例のカラープリンタに使用されている各種インクのインク組成を例示した説明図である。
【図6】本実施例のカラープリンタに使用されている各種インクの明度の計測結果を示す説明図である。
【図7】第1実施例において画像処理に際して実行される処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図8】第1実施例において図7中の色変換処理に際して実行される処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図9】第1実施例における7色用LUT7と6色用LUT6の対応関係の一例を示す説明図である。
【図10】第1実施例における変換表の概要を示す説明図である。
【図11】2値化処理の概要を説明する概要説明図である。
【図12】第1実施例における誤差拡散法による2値化処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】誤差拡散法において誤差を拡散する際の重みの一例を説明する説明図である。
【図14】組織的ディザ法を用いてドット形成有無を判断する原理を示す説明図である。
【図15】第2実施例において図7中の色変換処理に際して実行される処理ルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
20…カラープリンタ
21…スキャナ
24…モデム
26…ハードディスク
27…メモリカード
30…キャリッジモータ
31…駆動ベルト
32…プーリ
33…摺動軸
34…位置検出センサ
35…紙送りモータ
36…プラテン
40…キャリッジ
41…印字ヘッド
42,43…インクカートリッジ
44…インク吐出用ヘッド
53…記憶素子
60…制御回路
61…CPU
62…ROM
63…RAM
80…コンピュータ
81…CPU
82…ROM
83…RAM
88…SIO
90…ビデオドライバ
91…アプリケーションプログラム
92…プリンタドライバ
93…解像度変換モジュール
94…色変換モジュール
95…階調数変換モジュール
96…インターレースモジュール
LUT6…6色用色変換テーブル
LUT7…7色用色変換テーブル

Claims (28)

  1. 複数色のインクを用いて印刷データを印刷する印刷システムであって、
    イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、マゼンタインクよりも濃度の低いライトマゼンタインクおよびシアンインクよりも濃度の低いライトシアンインクを含む複数色のインクと、主に吸収する光の波長範囲が前記イエローインクと重複すると共に前記イエローインクよりも明度が低く、前記複数色の中の前記イエローインクを含む3色のインクによって色相が置換される特定色のインクとしてのダークイエローインクをそれぞれ収容する収容体と、
    前記収容体に収容されている前記特定色のインクの量を検出するインク量検出手段と、
    前記検出された特定色のインク量が第1のしきい値未満である場合には、前記特定色を含む前記複数色のインクを用いた場合と同等の色再現性が得られるように前記特定色を除く前記複数色を用いて色再現情報を生成する色再現情報生成手段と、
    前記色再現情報生成手段により生成された色再現情報に基づいて前記複数色のインクを吐出するインク吐出手段とを備える印刷システム。
  2. 請求項1に記載の印刷システムにおいて、
    前記再現情報は、前記特定色により再現されるべき色表現を、前記特定色を除く前記複数色のインクの中の前記イエローインクを含む3色のインクに振り分けるための情報であることを特徴とする印刷システム。
  3. 請求項1に記載の印刷システムにおいて、
    前記色再現情報生成手段は、処理中の印刷ジョブが存在する場合には検出された前記特定色のインク量にかかわらず前記複数色のインクおよび前記特定色のインクを用いて色再現情報を生成することを特徴とする印刷システム。
  4. 請求項2に記載の印刷システムにおいて、
    前記色再現情報生成手段は、検出された前記特定色のインク量が第1のしきい値未満であるか否かを印刷ページ単位で判定して色再現情報を生成することを特徴とする印刷システム。
  5. 請求項1に記載の印刷システムはさらに、
    次に印刷されるページに対応する前記印刷データに基づいて必要な前記特定色のインク量を算出する特定色インク量算出手段を備え、
    前記色再現情報生成手段は、算出された前記特定色のインク量が検出された前記特定色のインク量よりも多い場合に、前記特定色を含む前記複数色のインクを用いた場合と同等の色再現性が得られるように前記特定色を除く前記複数色を用いて色再現情報を生成することを特徴とする印刷システム。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1の請求項に記載の印刷システムにおいて、
    前記色再現情報生成手段は、前記イエローインク、マゼンタインクおよびシアンインクを用いて前記ダークイエローインクの色相を補償することを特徴とする印刷システム。
  7. イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、マゼンタインクよりも濃度の低いライトマゼンタインクおよびシアンインクよりも濃度の低いライトシアンインクを含む複数色のインクを用いて印刷データの印刷を実行するための印刷制御情報を生成する印刷制御装置であって、
    主に吸収する光の波長範囲が前記イエローと重複すると共に前記イエローインクよりも明度が低く、前記複数色の中の前記イエローインクを含む3色のインクによって色相が置換される特定色のインクとしてのダークイエローインクの量を検出するインク量検出手段と、
    前記検出された特定色のインク量が第1のしきい値未満である場合には、前記特定色を含む前記複数色のインクを用いた場合と同等の色再現性が得られるように前記特定色を除く前記複数色を用いて色再現情報を生成する色再現情報生成手段と、
    前記色再現情報生成手段により生成された色再現情報に基づいて前記印刷制御情報を生成する印刷制御情報生成手段とを備える印刷制御装置。
  8. 請求項7に記載の印刷制御装置において、
    前記再現情報は、前記特定色により再現されるべき色表現を、前記特定色を除く前記複数色のインクの中の前記イエローインクを含む3色のインクに振り分けるための情報であることを特徴とする印刷制御装置。
  9. 請求項7に記載の印刷制御装置において、
    前記色再現情報生成手段は、処理中の印刷ジョブが存在する場合には検出された前記特定色のインク量にかかわらず前記複数色のインクおよび前記特定色のインクを用いて色再現情報を生成することを特徴とする印刷制御装置。
  10. 請求項9に記載の印刷制御装置において、
    前記色再現情報生成手段は、検出された前記特定色のインク量が第1のしきい値未満であるか否かを印刷ページ単位で判定して色再現情報を生成するこを特徴とする印刷制御装置。
  11. イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、マゼンタインクよりも濃度の低いライトマゼンタインクおよびシアンインクよりも濃度の低いライトシアンインクを含む複数色のインクを用いて印刷データの印刷を実行するための印刷制御情報を生成する印刷制御装置であって、
    主に吸収する光の波長範囲が前記イエローインクと重複すると共に前記イエローインクよりも明度が低く、前記複数色の中の前記イエローインクを含む3色のインクによって色相が置換される特定色のインクとしてのダークイエローインクの量を検出するインク量検出手段と、
    次に印刷されるページに対応する前記印刷データに基づいて必要な前記特定色のインク量を算出する必要特定色インク量算出手段と、
    算出された前記特定色のインク量が検出された前記特定色のインク量よりも多い場合には、前記特定色を含む前記複数色のインクを用いた場合と同等の色再現性が得られるように前記特定色を除く前記複数色を用いて色再現情報を生成する色再現情報生成手段と、
    前記色再現情報生成手段により生成された色再現情報に基づいて前記印刷制御情報を生成する印刷制御情報生成手段とを備える印刷制御装置。
  12. 請求項7ないし請求項11のいずれか1の請求項に記載の印刷制御装置において、
    前記色再現情報生成手段は、前記イエローインク、マゼンタインクおよびシアンインクを用いて前記ダークイエローインクの色相を補償することを特徴とする印刷制御装置。
  13. 少なくともイエローインクを含む複数色のインクと、イエローインクよりも明度が低く、複数色の中のイエローインクを含む3色のインクによって色相が置換されるダークイエローインクとを用いた印刷データの印刷を実行するための印刷制御情報を生成する印刷制御装置であって、
    前記ダークイエローインクのインク量を検出するインク量検出手段と、
    検出された前記ダークイエロインクのインク量が前記第1のしきい値未満の場合には、前記ダークイエロインクを含む前記複数色のインクを用いた場合と同等の色再現性が得られるように前記ダークイエローインクを除く前記複数色のインクを用いてドットを形成するか否かを画素毎に決定するドット形成決定手段と、
    前記ドット形成決定手段の決定に基づいて前記印刷制御信号を生成する印刷制御情報生成手段とを備える印刷制御装置。
  14. 請求項13に記載の印刷制御装置において、
    前記ドット形成決定手段は、処理中の印刷ジョブが存在する場合には検出された前記ダークイエロインクのインク量にかかわらず前記複数色のインクおよび前記ダークイエロ色のインクを用いてドット形成の有無を画素毎に決定することを特徴とする印刷制御装置。
  15. 請求項13に記載の印刷制御装置において、
    前記ドット形成決定手段は、処理中の印刷ジョブが存在せず、検出された前記ダークイエローインクのインク量が第1のしきい値以上の場合には、前記印刷データに基づき前記各色インクを用いてドットを形成するか否かを画素毎に決定することを特徴とする印刷制御装置。
  16. 請求項14に記載の印刷制御装置において、
    前記ドット形成決定手段は、検出された前記ダークイエロインクのインク量が第1のしきい値未満であるか否かを印刷ページ単位で判定してドット形成の有無を決定することを特徴とする印刷制御装置。
  17. 請求項13に記載の印刷制御装置はさらに、
    次に印刷されるページに対応する前記印刷データに基づいて必要な前記ダークイエローインクのインク量を算出する必要ダークイエローインク量算出手段を備え、
    前記ドット形成決定手段は、算出された前記ダークイエローインクの必要インク量が検出された前記ダークイエローインクのインク量よりも多い場合には、前記ダークイエロインクを含む前記複数色のインクを用いた場合と同等の色再現性が得られるように前記ダークイエロインクを除く前記各色インクを用いてドットを形成するか否かを画素毎に決定する印刷制御装置。
  18. 請求項13ないし請求項17のいずれか1の請求項に記載の印刷制御装置において、
    前記複数色のインクは、前記イエローインクに加えて、マゼンタインク、シアンインク、前記マゼンタインクよりも濃度の低いライトマゼンタインクおよび前記シアンインクよりも濃度の低いライトシアンインクを含むことを特徴とする印刷制御装置。
  19. 請求項18に記載の印刷制御装置において、
    前記ドット形成決定手段は、前記イエローインク、マゼンタインクおよびシアンインクを用いて前記ダークイエローインクの色相を補償することを特徴とする印刷制御装置。
  20. 請求項13ないし請求項18のいずれか1の請求項に記載の印刷制御装置によって生成された印刷制御情報に基づいて印刷データを印刷する印刷装置であって、
    少なくともイエローインクを含む複数色のインクと、前記複数色のインクによって色相の置換が可能なダークイエローインクとをそれぞれ収容するインク収容体と、
    前記印刷制御情報を受け取る印刷制御情報受信手段と、
    受け取った前記印刷制御情報に従って前記各色インクのドットを形成するドット形成手段とを備える印刷装置。
  21. 少なくともイエローインクを含む複数色のインクと、イエローインクよりも明度が低く、複数色の中のイエローインクを含む3色のインクによって色相が置換されるダークイエローインクとを用いて印刷データの印刷を実行するための印刷方法であって、
    前記ダークイエローインクのインク量を検出し、
    検出された前記ダークイエローインクのインク量が第1のしきい値未満の場合には、前記ダークイエロインクを含む前記複数色のインクを用いた場合と同等の色再現性が得られるように前記ダークイエロインクを除く前記各色インクを用いてドットを形成するか否かを画素毎に決定し、
    前記ドット形成をするか否かの決定に基づいて前記各色インクのドットを印刷媒体上に形成する印刷方法。
  22. 請求項21に記載の印刷方法において、
    現在処理中の印刷ジョブの次の印刷ジョブから、前記ダークイエロインクを含む前記複数色のインクを用いた場合と同等の色再現性が得られるように前記複数色のインクによるドットの形成を決定することを特徴とする印刷方法。
  23. 請求項22に記載の印刷方法において、
    印刷ページ単位にて前記ダークイエロインクを含む前記複数色のインクを用いた場合と同等の色再現性が得られるように前記複数色のインクによるドットの形成を決定することを特徴とする印刷方法。
  24. 請求項21に記載の印刷方法はさらに、
    次に印刷されるページに対応する前記印刷データに基づいて必要な前記ダークイエローインクのインク量を算出し、
    算出された前記ダークイエローインクの必要インク量が検出された前記ダークイエローインクのインク量よりも多い場合には、前記ダークイエロインクを含む前記複数色のインクを用いた場合と同等の色再現性が得られるように前記印刷データに基づき前記ダークイエロインクを除く前記各色インクを用いてドットを形成するか否かを画素毎に決定し、
    前記ドット形成をするか否かの決定に基づいて前記各色インクのドットを印刷媒体上に形成する印刷方法。
  25. 請求項21ないし請求項24のいずれか1の請求項に記載の印刷方法において、
    前記複数色のインクは、前記イエローインクに加えて、マゼンタインク、シアンインク、前記マゼンタインクよりも濃度の低いライトマゼンタインクおよび前記シアンインクよりも濃度の低いライトシアンインクを含むことを特徴とする印刷方法。
  26. 請求項25に記載の印刷方法において、
    前記イエローインク、マゼンタインクおよびシアンインクを用いて前記ダークイエローインクの色相を補償することを特徴とする印刷方法。
  27. イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、マゼンタインクよりも濃度の低いライトマゼンタインクおよびシアンインクよりも濃度の低いライトシアンインクを含む複数色のインクを用いて印刷データの印刷を実行するための印刷制御信号の生成をコンピュータ上で事項するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、前記プログラムは、
    主に吸収する光の波長範囲が前記複数色のインクの中の1色のインクと重複すると共に前記イエローインクよりも明度が低く、前記複数色の中の前記イエローインクを含む3色のインクによって色相が置換される特定色のインクとしてのダークイエローインクの量を検出する機能と、
    検出した前記特定色のインクのインク量が第1のしきい値未満の場合には、前記特定色インクを含む前記複数色のインクを用いた場合と同等の色再現性が得られるように前記特定色インクを除く前記各色インクを用いてドットを形成するか否かを画素毎に決定する機能と、
    前記ドット形成決定機能によるドット形成の決定に基づいて前記印刷制御信号を生成する機能とを備えるコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  28. 少なくともイエローインクを含む複数色のインクと、イエローインクよりも明度が低く、複数色の中のイエローインクを含む3色のインクによって色相が置換されるダークイエローインクとを用いて印刷データの印刷を実行するための印刷制御信号の生成をコンピュータ上で実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、前記プログラムは、
    前記ダークイエローインクのインク量を検出する機能と、
    次に印刷されるページに対応する前記印刷データに基づいて必要な前記ダークイエローインクのインク量を算出する機能と、
    算出された前記ダークイエローインクの必要インク量が検出された前記ダークイエローインクのインク量よりも多い場合には、前記ダークイエロインクを含む前記複数色のインクを用いた場合と同等の色再現性が得られるように前記ダークイエロインクを除く前記各色インクを用いてドットを形成するか否かを画素毎に決定する機能と、
    前記ドット形成機能によるドット形成の決定結果に基づいて前記印刷制御信号を生成する機能とを備えるコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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