JP2001150685A - 印刷制御装置、印刷装置、印刷制御方法、印刷方法、および記録媒体 - Google Patents

印刷制御装置、印刷装置、印刷制御方法、印刷方法、および記録媒体

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JP2001150685A
JP2001150685A JP33233399A JP33233399A JP2001150685A JP 2001150685 A JP2001150685 A JP 2001150685A JP 33233399 A JP33233399 A JP 33233399A JP 33233399 A JP33233399 A JP 33233399A JP 2001150685 A JP2001150685 A JP 2001150685A
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Satsu Riyuu
颯 劉
Yukimitsu Fujimori
幸光 藤森
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Seiko Epson Corp
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不良ノズルが発生した場合に、印刷速度をで
きるだけ低下させずに高画質の画像を印刷する。 【解決手段】 ノズル列を、互いに同数のノズルを含ん
で連続した3つ以上のブロックの集合体として予め把握
しておき、不良ノズルが発生したときに、不良ノズルを
含んでいる不良ブロック位置を認識する。また不良ブロ
ックが発生したときに、この不良ブロックを他のブロッ
クによって補完するための補完動作を、不良ブロック位
置に対応付けて記憶しておく。そして、不良ブロックを
認識したときには、該不良ブロック位置に対応して記憶
されている補完動作を行いながら画像を印刷する。こう
すれば、不良ノズルの発生箇所に応じて適切な補完動作
を行いながら画像を印刷することができるので、不良ノ
ズル発生時にも印刷速度をさほど低下させることなく、
高画質の画像を印刷することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、インク滴を吐出
するノズル列を印刷媒体に対して相対的に移動させなが
ら画像を印刷する技術に関し、詳しくは、ノズル列に不
良なノズルが発生した場合でも、画質を低下させること
なく迅速に画像を印刷する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】ヘッドに複数のノズルを設け、各ノズル
からインク滴を吐出して印刷媒体上に画像を印刷する印
刷装置が、各種画像機器の出力媒体として広く使用され
ている。かかる印刷装置では、ヘッドの主走査と副走査
とを繰り返しながら、以下のようにして画像を印刷して
いる。先ず、複数のノズルからインク滴を吐出しながら
ヘッドをノズルの列と交差する方向に主走査させる。す
ると印刷媒体上には、吐出したインク滴によるインクド
ットの列が複数本形成される。このインクドットの列を
ラスタと呼ぶ。次いで、ラスタの方向と交差する方向に
ヘッドを副走査させ、再びインク滴を吐出しながらヘッ
ドを主走査させる。これにより、新たな複数本のラスタ
が印刷媒体上に形成される。こうしてヘッドの主走査と
副走査とを繰り返しながらラスタを次々と形成してい
き、全てのラスタを形成し終わると、印刷媒体上に印刷
画像を得ることができる。
【0003】このようにして画像を印刷する印刷装置で
は、インク滴を正常に吐出できない不良ノズルが複数の
ノズル中に1つでも発生すると、印刷画質が大きく悪化
してしまう。これを、図18(a)の例を用いて説明す
る。実際のヘッドには多数のノズルが設けられている
が、説明を簡単にするために、図18(a)ではヘッド
には6つのノズルが設けられているものとして表示して
いる。図18(a)の左側には、ヘッドを副走査させる
毎にヘッド位置がずれていく様子を示している。尚、図
18(a)の左側では、ヘッドが重なって表示されるこ
とを避けるため、副走査する度にヘッド位置を主走査方
向に少しずつずらしながら表示している。また、図18
(a)の右側には、ヘッドの主走査にともなって、印刷
媒体上にドットが形成されていく様子を示している。図
18(a)に示したように、インク滴を吐出しない不良
ノズル(4番ノズル)があると、形成されないラスタが
発生して画質を大きく悪化させる。図18(a)ではラ
スタ番号4番、10番の位置に欠損ラスタが発生してい
る。また、ここでは不良ノズルは、インク滴を吐出しな
いノズルであるとしたがこれに限られるものではない。
例えば、インク滴の大きさが正規の大きさより大幅に異
なっているノズルがある場合や、インク滴が曲がって吐
出されるノズルがある場合にも、これらノズルが形成す
るラスタの位置で画質が悪化するので、このようなノズ
ルも不良ノズルとなる。
【0004】不良ノズルによる画質の悪化を避けるため
には、不良ノズルで形成されるラスタを他の正常なノズ
ルで形成する必要がある。このような方法には、図18
(b)に概念的に示すような、不良ノズルが発生した場
合に新たな主走査を追加して正常ノスルで不良ノズルを
補う方法や、あるいは図18(c)に概念的に示すよう
な、各ラスタを複数のノズルで形成する、いわゆるオー
バーラップ印刷と呼ばれる方法がある。
【0005】初めに図18(b)を用いて、新たな主走
査を追加する方法について説明する。先ず、不良ノズル
である4番ノズルでのインク滴の吐出を禁止する。その
結果、1回目の主走査では、4番ノズルに対応したラス
タ番号4番の位置に欠損ラスタが発生する。そこで1ラ
スタ分だけ副走査して2回目の主走査を行い、欠損ラス
タを他のノズル(図では3番ノズル)を用いて形成す
る。つまり、不良ノズルが発生していなければ1回の主
走査で6つのラスタを形成するところを、不良ノズルが
発生した場合は2回の主走査に分けて6つのラスタを完
成させる。6つのラスタが完成したら、ヘッドを副走査
させて3回目の主走査を行う。3回目の主走査では、ラ
スタ番号10番に欠損ラスタが発生するので、4回目の
主走査で、このラスタを他のノズルを用いて形成する。
こうして順次発生する不良ノズルを、その度に他のノズ
ルで補っていく。その結果、図18(b)の右側に示す
ように、不良ノズルによる影響のない良好な画像を印刷
することができる。
【0006】次に、図18(c)を用いて、オーバーラ
ップ印刷と呼ばれる方法について説明する。オーバーラ
ップ印刷とは、1つのラスタを複数のノズルを用いて形
成する印刷方法である。図18(c)に示した例では、
2つのノズルで形成している。例えば、ラスタ番号2番
のラスタは2番ノズルと5番ノズルとを用いて形成され
ており、ラスタ番号3番のラスタは3番ノズルと6番ノ
ズルとを用いて形成されている。このように、1つのラ
スタを2つのノズルを用いて形成しているので、片方の
ノズルが不良ノズルとなっても他方のノズルで補うこと
ができる。図18(c)の例では、4番ノズルを1番ノ
ズルで補っている。従って、ラスタ番号1番,4番,7
番,10番の各ラスタは1番ノズルのみで形成されてい
る。その結果、図の右側に示すように、不良ノズルの影
響のない良好な画像を印刷することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の方法に
は、不良ノズルが発生した場合に印刷速度が大きく低下
してしまう問題がある。これを図18に即して説明す
る。不良ノズルがなければ1回の主走査で6つのラスタ
を形成可能なところを、図18(b)の場合は、6つの
ラスタを2回の主走査で形成しているから、印刷速度は
半分に低下してしまう。また、図18(c)の場合も、
各ラスタを2つのノズルで形成していることから、ラス
タを形成するために2回の主走査が必要となる。つま
り、各ラスタを1回の主走査で完成させる場合に比べ
て、印刷速度は半分に低下する。このように、いずれの
方法を採用しても不良ノズルが発生すると印刷速度が半
分になり、結局、画像の印刷に必要な時間は倍増してし
まう。
【0008】この発明は、従来技術における上述のよう
な問題を解決するためになされたものであり、不良ノズ
ルが発生した場合でも、画質を低下させることなく迅速
に画像を印刷する技術の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の印
刷制御装置は、次の構成を採用した。すなわち、ノズル
列を印刷媒体に対して主走査方向および副走査方向に移
動させながら該ノズル列でドットを形成することによっ
て画像を印刷する印刷部に、該ノズル列の移動を制御す
るための制御信号を供給する印刷制御装置であって、前
記ノズル列を互いに同数のノズルを含んで連続した3つ
以上のブロックの集合体として把握しておき、該ノズル
列中にドットの形成の不良なノズルが発生した場合に、
該不良ノズルを含んだ不良ブロックを認識する不良ブロ
ック認識手段と、前記ノズル列を副走査方向に移動させ
て前記不良ブロックを他のブロックによって補完するた
めの補完動作を、該ノズル列中における該不良ブロック
の位置に対応付けて予め記憶しておく補完動作記憶手段
と、前記不良ブロックを認識した場合に、該不良ブロッ
ク位置に対応する前記補完動作を行いながら画像を印刷
するための前記制御信号を、前記印刷部に供給する制御
信号供給手段とを備えることを要旨とする。
【0010】また、上記の印刷制御装置に対応する本発
明の印刷制御方法は、ノズル列を印刷媒体に対して主走
査方向および副走査方向に移動させながら該ノズル列で
ドットを形成することによって画像を印刷する印刷部
に、該ノズル列の移動を制御するための制御信号を供給
する印刷制御方法であって、前記ノズル列を互いに同数
のノズルを含んで連続した3つ以上のブロックの集合体
として把握しておき、該ノズル列中にドットの形成の不
良なノズルが発生した場合に、該不良ノズルを含んだ不
良ブロックを認識し、前記ノズル列を副走査方向に移動
させて前記不良ブロックを他のブロックによって補完す
るための補完動作を、該ノズル列中における該不良ブロ
ックの位置に対応付けて予め記憶しておき、前記不良ブ
ロックを認識した場合に、該不良ブロック位置に対応す
る前記補完動作を行いながら画像を印刷するための前記
制御信号を、前記印刷部に供給することを要旨とする。
【0011】かかる印刷制御装置および印刷制御方法に
おいては、予め不良ブロック位置に対応付けて適切な補
完動作を記憶しておき、ノズル列中に不良ノズルが発生
した場合には、該不良ブロック位置に応じて適切な補完
動作を行うように、印刷部に対して制御信号を供給す
る。
【0012】こうすれば、印刷部では不良ブロックの位
置に応じて、適切な補完動作を行いながら画像を印刷す
ることになるので、不良ノズルの発生時にも印刷速度を
さほど低下させることなく、高画質の画像を迅速に印刷
することが可能となる。
【0013】かかる印刷制御装置においては、ノズル列
を3の倍数である所定数のブロックの集合体として把握
しておくようにしても良い。不良ブロック位置に応じて
補完動作は異なっているので、補完動作を行ったときの
画像の印刷速度は不良ブロック位置に応じて変動する。
従って、不良ブロック位置によっては、あまり印刷速度
が早くならない場合も生じうる。しかし、ノズル列を3
の倍数である所定数のブロックの集合体として把握して
おけば、不良ブロック位置によらず一定割合の印刷速度
を確保することができるので好適である。
【0014】かかる印刷制御装置においては、前記ノズ
ル列を、第1の分割数のブロックの集合体および第2の
分割数のブロックの集合体として、それぞれに把握して
おくようにしてもよい。不良ノズルが発生した場合に
は、第1の分割数における第1の不良ブロック位置と、
第2の分割数における第2の不良ブロック位置とを、そ
れぞれに認識して、第1の不良ブロック位置と第2の不
良ブロック位置との組合せに応じて、いずれかの不良ブ
ロック位置を選択する。
【0015】補完動作を行ったときの印刷速度は、不良
ノズルの発生位置によって変動するので、印刷速度があ
まり早くならない場合も生じうる。しかし、第1の不良
ブロック位置と第2の不良ブロック位置との組合せに応
じて、印刷速度のより速い方を選択すれば、不良ノズル
発生時の印刷速度を更に高速化することができるので好
適である。
【0016】かかる印刷制御装置においては、不良ブロ
ック位置に対応する補完動作とともに、該補完動作を行
ったときの印刷速度に関する指標を、不良ブロック位置
に対応付けて記憶しておくようにしても良い。
【0017】こうすれば、不良ノズルが発生した場合
に、第1の不良ブロック位置と第2の不良ブロック位置
とを認識し、それぞれの印刷速度に関する指標に基づい
て、より印刷速度の速い方の不良ブロック位置を選択す
ることができる。その結果、不良ノズル発生時の印刷速
度を高速化することができるので好適である。
【0018】ノズル列を印刷媒体に対して主走査方向及
び副走査方向に移動させながら、該ノズル列でドットを
形成することによって画像を印刷する印刷装置におい
て、上述のいずれかの印刷制御装置を備えるようにして
も良い。
【0019】かかる印刷装置で不良ノズルが発生した場
合には、不良ブロック位置を検出して所定の補完動作を
行いながら画像を印刷することにより、印刷速度をさほ
ど低下させずに高画質の画像を印刷することができるの
で好適である。
【0020】かかる印刷装置には、不良ノズル位置を検
出する不良ノズル検出手段を設けておき、検出結果から
不良ブロックを認識しても良い。こうすれば、容易に不
良ノズル位置を検出して、適切な補完動作を行いながら
画像を印刷することができるので好適である。
【0021】また、本発明は、上述した印刷制御方法,
印刷制御装置,あるいは印刷装置に対応する次のような
印刷方法としての構成をとることも可能である。すなわ
ち、ノズル列を印刷媒体に対して主走査方向および副走
査方向に移動させながら該ノズル列でドットを形成する
ことによって画像を印刷する印刷部に、該ノズル列の移
動を制御するための制御信号を供給することによって前
記画像を印刷する印刷方法であって、前記ノズル列を互
いに同数のノズルを含んで連続した3つ以上のブロック
の集合体として把握しておき、該ノズル列中にドットの
形成の不良なノズルが発生した場合に、該不良ノズルを
含んだ不良ブロックを認識し、前記ノズル列を副走査方
向に移動させて前記不良ブロックを他のブロックによっ
て補完するための補完動作を、該ノズル列中における該
不良ブロックの位置に対応付けて予め記憶しておき、前
記不良ブロックを認識した場合に、該不良ブロック位置
に対応する前記補完動作を行いながら画像を印刷するた
めの前記制御信号を前記印刷部に供給し、前記制御信号
に従って、前記印刷部が前記ノズル列の移動とドットの
形成とを行うことによって画像を印刷する印刷方法とし
ての構成である。
【0022】かかる印刷方法においては、不良ノズルが
発生した場合に、不良ブロック位置に応じた適切な補完
動作を行いながら画像を印刷する。従って、不良ノズル
発生時の印刷速度をさほど低下させることなく、高画質
の画像を迅速に印刷することが可能となる。
【0023】また、本発明は、上述した印刷制御方法の
動作を実現するプログラムをコンピュータに読み込むこ
とで、コンピュータを用いて実現することも可能であ
る。従って、本発明は次のような記憶媒体としての構成
を取ることも可能である。すなわち、ノズル列を印刷媒
体に対して主走査方向および副走査方向に移動させなが
ら該ノズル列でドットを形成することによって画像を印
刷する印刷部に、該ノズル列の移動を制御する制御信号
を供給するためのコンピュータプログラムを記録した記
録媒体であって、前記ノズル列を互いに同数のノズルを
含んで連続した3つ以上のブロックの集合体として把握
しておき、該ノズル列中にドットの形成の不良なノズル
が発生した場合に、該不良ノズルを含んだ不良ブロック
を認識する機能と、前記ノズル列を副走査方向に移動さ
せて前記不良ブロックを他のブロックによって補完する
ための補完動作を、該ノズル列中における該不良ブロッ
クの位置に対応付けて予め記憶しておく機能と、前記不
良ブロックを認識した場合に、該不良ブロック位置に対
応する前記補完動作を行いながら画像を印刷するための
前記制御信号を、前記印刷部に供給する機能とを実現す
るプログラムを、コンピュータで読み取り可能に記録し
た記録媒体としての態様である。
【0024】かかる記憶媒体に記憶されたプログラムを
コンピュータで読み取り、該コンピュータを用いて上述
の各機能を実現すれば、不良ノズルが発生した場合でも
さほど印刷速度を低下させることなく迅速に画像を印刷
することが可能となる。
【0025】
【発明の他の態様】形成不良なドットが生じた場合に、
高画質の画像を印刷しながら、印刷速度の低下をできる
だけ抑制するという課題は、インク滴を吐出してドット
を形成する方式の印刷装置に限られず、他の方式、例え
ばインクを印刷媒体に熱転写させてドットを形成する熱
転写方式の印刷装置においても同様に存在する。従っ
て、本発明は次のような態様を取ることも可能である。
すなわち、ドット形成要素のアレイたるドット形成アレ
イを、印刷媒体に対して主走査方向および副走査方向に
移動させながら該ドット形成アレイでドットを形成する
ことによって画像を印刷する印刷部に、該ドット形成ア
レイの移動を制御するための制御信号を供給する印刷制
御装置であって、前記ドット形成アレイを互いに同数の
ドット形成要素を含んで連続した3つ以上のブロックの
集合体として把握しておき、該ドット形成アレイ中にド
ットの形成の不良なドット形成要素が発生した場合に、
該不良ドット形成要素を含んだ不良ブロックを認識する
不良ブロック認識手段と、前記ドット形成アレイを副走
査方向に移動させて前記不良ブロックを他のブロックに
よって補完するための補完動作を、該ドット形成アレイ
中における該不良ブロックの位置に対応付けて予め記憶
しておく補完動作記憶手段と、前記不良ブロックを認識
した場合に、該不良ブロック位置に対応する前記補完動
作を行いながら画像を印刷するための前記制御信号を、
前記印刷部に供給する制御信号供給手段とを備える印刷
制御装置。
【0026】かかる印刷装置においても、ドットの形成
の不良なドット形成要素が発生した場合に、不良ブロッ
ク位置に応じて記憶されている補完動作を行いながら画
像を印刷することで、さほど印刷速度を低下させること
なく、高画質の画像を印刷することが可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明の作用・効果をより明確に
説明するために、本発明の実施の形態を、次のような順
序に従って説明する。 A.第1実施例: A−1.装置構成: A−2.画像処理: A−3.補完動作の内容: (1)補完動作の原理: (2)補完動作を行う場合のインターレース印刷: (3)ヘッドの分割数が3より多い場合の補完動作: (4)ノズル数が分割数で割り切れない場合の補完動
作: A−4.第1実施例における画素再配置処理: B.第2実施例: B−1.第2実施例の補完動作の内容: (1)ノズル列分割数の切り換えにより印刷速度が向上
する原理: (2)第2実施例の画素再配置処理: C.不良ノズルの検出方法:
【0028】A.第1実施例: A−1.装置構成:図1は、本発明に関わる印刷制御装
置を含んだ印刷装置の構成を示す説明図である。図示す
るように、この印刷装置は、コンピュータ80にカラー
プリンタ20が接続されている。コンピュータ80に所
定のプログラムがロードされ、実行されると、コンピュ
ータ80とカラープリンタ20とが全体として印刷装置
として機能する。印刷しようとするカラー原稿は、コン
ピュータ80上で各種のアプリケーションプログラム9
1により作成した画像等が使用される。また、コンピュ
ータ80に接続されたスキャナ21を用いて取り込んだ
カラー画像や、あるいはデジタルカメラ(DSC)28
で撮影した画像をメモリカード27を経由して取り込ん
で使用することも可能である。これらの画像のデータO
RGは、コンピュータ80内のCPU81により、カラ
ープリンタ20が印刷可能な画像データに変換され、画
像データFNLとしてカラープリンタ20に出力され
る。カラープリンタ20は、この画像データFNLに従
って、印刷媒体上に各色のインクドットの形成を制御す
る結果、印刷用紙上にカラー原稿に対応するカラー画像
が印刷されることになる。
【0029】コンピュータ80は、各種の演算処理を実
行するCPU81や、データを一時的に記憶するRAM
83、各種のプログラムを記憶しておくROM82,ハ
ードディスク26等から構成されている。また、SIO
88をモデム24を経由して公衆電話回線PNTに接続
すれば、外部のネットワーク上にあるサーバSVから必
要なデータやプログラムをハードディスク26にダウン
ロードすることが可能となる。
【0030】カラープリンタ20はカラー画像の印刷が
可能なプリンタであり、本実施例では、印刷用紙上にシ
アン(C)・マゼンタ(M)・イエロ(Y)・ブラック
(K)の4色のドットを形成可能なインクジェットプリ
ンタを使用している。以下では場合によって、シアン,
マゼンタ,イエロ,ブラックのそれぞれをC,M,Y,
Kと略称するものとする。
【0031】また、カラープリンタ20は、ピエゾ素子
を用いてインクを吐出することによって印刷用紙上にイ
ンクドットを形成する方式を採用している。かかる方式
のプリンタは、ピエゾ素子の駆動波形を制御することに
よって、吐出するインク滴の大きさを制御することがで
きる。吐出するインク滴の大きさを制御すれば、印刷用
紙上に形成されるインクドットの大きさを制御すること
も可能である。
【0032】尚、本実施例で使用したカラープリンタで
は、ピエゾ素子を用いてインクを吐出する方式を採用し
ているが、他の方式によりインクを吐出するノズルユニ
ットを備えたプリンタを用いるものとしてもよい。例え
ば、インク通路に配置したヒータに通電し、インク通路
内に発生する泡(バブル)によってインクを吐出する方
式のプリンタに適用するものとしてもよい。かかる方式
を用いてインク滴を吐出する場合も、ヒータに通電する
電流波形を制御したり、あるいは同時にインクを吐出す
るノズル数を増やしたりすることによって、印刷用紙上
に形成されるインクドットの大きさを制御することが可
能である。
【0033】図2は、本実施例の印刷制御装置の機能を
実現するための、コンピュータ80のソフトウェアの構
成を概念的に示すブロック図である。コンピュータ80
においては、すべてのアプリケーションプログラム91
はオペレーティングシステムの下で動作する。オペレー
ティングシステムには、ビデオドライバ90やプリンタ
ドライバ92が組み込まれていて、各アプリケーション
プログラム91から出力される画像データは、これらの
ドライバを介して、カラープリンタ20に出力される。
【0034】アプリケーションプログラム91が印刷命
令を発すると、コンピュータ80のプリンタドライバ9
2は、アプリケーションプログラム91から画像データ
を受け取って、所定の画像処理を行い、プリンタが印刷
可能な画像データに変換する。図2に概念的に示すよう
に、プリンタドライバ92が行う画像処理は、解像度変
換モジュール93と、色変換モジュール94と、ハーフ
トーンモジュール95と,画素再配置モジュール96の
大きく4つのモジュールから構成されている。各モジュ
ールで行う画像処理の内容は後述するが、プリンタドラ
イバ92は画像データを受け取ると、これらモジュール
で変換した後、最終的な画像データFNLとしてカラー
プリンタ20に出力する。尚、本実施例のカラープリン
タ20は、画像データFNLに従って、ドットを形成す
る役割を果たすのみであり、画像処理は行っていない
が、もちろん、カラープリンタ20で画像データ変換の
一部を行うものであってもよい。
【0035】図3に、本実施例のカラープリンタ20の
概略構成を示す。このカラープリンタ20は、図示する
ように、キャリッジ40に搭載された印字ヘッド41を
駆動してインクの吐出およびドット形成を行う機構と、
このキャリッジ40をキャリッジモータ30によってプ
ラテン36の軸方向に往復動させる機構と、紙送りモー
タ35によって印刷用紙Pを搬送する機構と、制御回路
60とから構成されている。
【0036】キャリッジ40をプラテン36の軸方向に
往復動させる機構は、プラテン36の軸と並行に架設さ
れたキャリッジ40を摺動可能に保持する摺動軸33
と、キャリッジモータ30との間に無端の駆動ベルト3
1を張設するプーリ32と、キャリッジ40の原点位置
を検出する位置検出センサ34等から構成されている。
【0037】印刷用紙Pを搬送する機構は、プラテン3
6と、プラテン36を回転させる紙送りモータ35と、
図示しない給紙補助ローラと、紙送りモータ35の回転
をプラテン36および給紙補助ローラに伝えるギヤトレ
イン(図示省略)とから構成されている。印刷用紙P
は、プラテン36と給紙補助ローラの間に挟み込まれる
ようにセットされ、プラテン36の回転角度に応じて所
定量だけ送られる。
【0038】制御回路60は、キャリッジモータ30と
紙送りモータ35の動作を制御することによってキャリ
ッジ40の主走査と副走査とを制御するとともに、コン
ピュータ80から供給される画像データFNLに基づい
て、各ノズルでのインク滴の吐出を制御している。この
結果、印刷用紙上の適切な位置にインクドットが形成さ
れる。
【0039】キャリッジ40にはブラック(K)インク
を収納するインクカートリッジ42と、シアン(C)・
マゼンタ(M)・イエロ(Y)のインクを収納するイン
クカートリッジ43とが装着されている。もちろん、K
インクと多色のインクとを同じインクカートリッジに収
納等してもよい。また、多色のインクをそれぞれ別のカ
ートリッジに収納しても構わない。複数のインクを1つ
のカートリッジに収納可能とすれば、インクカートリッ
ジをコンパクトに構成することができる。
【0040】キャリッジ40にインクカートリッジ4
2,43を装着すると、カートリッジ内の各インクは図
示しない導入管を通じて、各色毎のインク吐出用ヘッド
44ないし47に供給される。各ヘッドに供給されたイ
ンクは、制御回路60の制御の下でインク吐出用ヘッド
44ないし47から吐出される。
【0041】キャリッジ40の所定の待機位置(ホーム
ポジション)には、不良ノズル位置を検出するための不
良ノズル検出部70が設けられている。インク吐出用ヘ
ッド44ないし47に設けられたノズル中に、インクド
ットの形成状況の不良なノズル(不良ノズル)が発生し
た場合は、制御回路60の制御の下で不良ノズル検出部
70が不良ノズル位置を検出する。こうして検出した不
良ノズル位置を考慮して、画像の印刷の際に所定の制御
を行うことで、不良ノズル発生時においても印刷速度を
さほど低下させることなく、高画質の画像を迅速に印刷
することが可能となっている。
【0042】図4は、インク吐出用ヘッド44ないし4
7におけるインクジェットノズルNzの配列を示す説明
図である。図示するように、インク吐出用ヘッドの底面
には、各色毎のインクを吐出する4組のノズル列が形成
されており、1組のノズル列あたり48個のノズルNz
が、一定のノズルピッチkで配列されている。
【0043】以上のようなハードウェア構成を有するカ
ラープリンタ20は、キャリッジモータ30を駆動する
ことによって、各色のインク吐出用ヘッド44ないし4
7を印刷用紙Pに対して主走査方向に移動させ、また紙
送りモータ35を駆動することによって、印刷用紙Pを
副走査方向に移動させる。制御回路60の制御の下、キ
ャリッジ40の主走査および副走査を繰り返しながら、
適切なタイミングでノズルを駆動してインク滴を吐出す
ることによって、カラープリンタ20は印刷用紙上にカ
ラー画像を印刷している。
【0044】A−2.画像処理:上述のように、カラー
プリンタ20は、画像データFNLの供給を受けてカラ
ー画像を印刷する機能を有するが、カラープリンタ20
に供給する画像データFNLは、本実施例の印刷制御装
置がカラー画像に所定の画像処理を行って生成してい
る。図5は、本実施例の印刷制御装置がコンピュータ8
0の機能を用いてカラー画像に所定の画像処理を行うこ
とにより、画像データFNLを生成してカラープリンタ
20に出力する処理の概要を示したフローチャートであ
る。以下、図5に従って、画像処理の概要を説明する。
【0045】図5に示すように、画像処理ルーチンが開
始されると、CPU81は初めに画像データを入力する
(ステップS100)。この画像データは図2で説明し
たようにアプリケーションプログラム91等から供給さ
れるデータであり、画像を構成する各画素毎にR・G・
Bそれぞれの色について、0〜255の値の256階調
を有するデータである。この画像データの解像度は、原
画像のデータORGの解像度等に応じて変化する。
【0046】画像データの入力が終了すると、CPU8
1は画像データの解像度をカラープリンタ20が印刷す
るための解像度に変換する(ステップS102)。画像
データが印刷解像度よりも低い場合には、線形補間によ
り隣接する原画像データの間に新たなデータを生成する
ことで解像度変換を行う。逆に画像データが印刷解像度
よりも高い場合には、一定の割合でデータを間引くこと
によって解像度変換を行う。
【0047】次に、CPU81は、色変換処理を行う
(ステップS104)。色変換処理とは、R・G・Bの
階調値からなる画像データをカラープリンタ20で使用
するC・M・Y・Kの各色の階調値のデータに変換する
処理である。この処理は、色変換テーブルLUTを用い
て行われており(図2参照)、LUTにはR・G・Bの
それぞれの組合せからなる色をカラープリンタ20で表
現するためのC・M・Y・K各色の階調値の組合せが記
憶されている。
【0048】色変換処理を終了すると2値化処理を開始
する(ステップS106)。本実施例においては、色変
換後の画像データはC・M・Y・Kの4色の256階調
画像となっている。一方、本実施例のカラープリンタ2
0では、「ドットを形成する」,「ドットを形成しな
い」のいずれかの状態しか採り得ない。すなわち、本実
施例のカラープリンタ20は局所的には2階調しか表現
し得ない。そこで、256階調を有する画像データを、
カラープリンタ20が表現可能な2階調で表現された画
像データに変換する必要がある。このような階調数の変
換を行う処理が2値化処理である。
【0049】2値化処理を終了すると、CPU81は画
素再配置処理を開始する(ステップS108)。この処
理は、2値化処理によってドットの形成有無を表す形式
に変換された画像データを、カラープリンタ20に転送
すべき順序に並べ替える処理である。本実施例では不良
ノズルが発生すると、後述する補完動作を行うことによ
って、画質の悪化を回避しつつ、迅速な印刷を可能とし
ている。従って、不良ノズルが発生した場合には、補完
動作を考慮した画素再配置処理が行われる。画素再配置
処理の詳細については後述する。
【0050】画素再配置処理が終了すると、画像データ
はプリンタが印刷可能な画像データFNLとして、カラ
ープリンタ20に出力される(ステップS110)。こ
の画像データFNLに従って、カラープリンタ20がド
ットの形成を制御することで印刷用紙上に画像が印刷さ
れる。
【0051】A−3.補完動作の内容: (1)補完動作の原理:図6は、本実施例のプリンタド
ライバ92が、画素再配置処理(図5参照)の中で補完
動作を考慮した処理を行うことで、不良ノズル発生時の
印刷速度が向上する原理を概念的に説明する説明図であ
る。尚、図4を用いて説明したように、本実施例のカラ
ープリンタ20には、ノズルピッチkで48個のノズル
を備えたインク吐出用ヘッドが各色ごとに設けられてい
る。しかし説明の煩雑化をさけるために、ここではヘッ
ドの仕様をノズルピッチkが1,ノズル数が9、すなわ
ち印刷用紙上に形成すべきラスタの間隔で総数9個のノ
ズルが並んでいるものとして説明する。また、補完動作
は各色ヘッド毎に全く同様に考えることができるから、
ここでは1つのインク吐出ヘッドのみについて説明す
る。
【0052】図6の左側はヘッドを副走査させて、ヘッ
ド位置が移動していく様子を示しており、図6の右側は
ヘッドからインク滴を吐出しながら主走査させること
で、印刷用紙上にラスタが形成されていく様子を示して
いる。以下では、4番ノズルが不良ノズルになったもの
として、ノズル列を3つのブロックに分割する場合を例
にとって、補完動作について説明する。すなわち、ここ
ではノズル列を、3つのブロックの集合体として把握し
ていることになる。ノズル列を、より多数のブロックの
集合体として把握する場合の補完動作については後述す
る。また、不良ノズルの位置は、周知の種々の方法を用
いて検出することができる。本実施例で用いている検出
方法についても後述する。
【0053】ノズル列の中に不良ノズルが発生すると、
その不良ノズルを含む不良ブロックごと、全ノズルでド
ットの形成を禁止する。図6に示した例では、4番ノズ
ルが不良ノズルであり、このノズルを含む2番目のブロ
ックが不良ブロックとなる。従って、2番目のブロック
に含まれている4番ノズル,5番ノズル,6番ノズルで
のインク滴吐出が禁止される。これら2番ブロックに含
まれるノズルでのインク滴吐出を禁止した状態でヘッド
を主走査させると、図に示すように、ラスタ番号1番か
ら3番のラスタと、ラスタ番号7番から9番のラスタだ
けが印刷用紙上に形成される。すなわち、1回目の主走
査では、ラスタ番号4番から6番の位置にはラスタは形
成されない。
【0054】そこで、1番ブロックが2番ブロックの位
置に来るまでヘッドを副走査させ、再びヘッドを主走査
させて、1回目の主走査時にラスタの形成されなかった
領域に1番ブロックのノズルでラスタを形成する。この
ときに、1番ブロックのノズルでラスタを形成すると同
時に、3番ブロックのノズルでもラスタを形成する。そ
うすると、ラスタ番号4番から6番のラスタと、ラスタ
番号10番から12番のラスタとが印刷用紙上に形成さ
れる。ここで、各ブロックは同数のノズルで構成されて
いるから、不良ノズルがなければ2番ブロックで形成す
べきであったラスタは、1番ブロックを用いて過不足な
く形成することができる。また、2回目の主走査時にも
2番ブロックのノズルはラスタを形成しないが、該当す
る位置のラスタは、既に1回目の主走査時に3番ブロッ
クのノズルで過不足なく形成されている。3番目のブロ
ックは、2回目の主走査時にはラスタ番号10番から1
2番のラスタを形成する。このように、1回目の主走査
時にラスタが形成されなかった不良ブロックのラスタ
を、2回目の主走査時に他の正常なブロックを用いて形
成する。このような動作を本明細書では補完動作と呼
ぶ。不良ノズルが発生しても、このような補完動作を行
うことによって高画質の画像を印刷することができる。
【0055】補完動作を行って、ラスタ番号1番から1
2番までのすべてのラスタを形成したら、再びヘッドを
副走査させて3回目の主走査を行う。3日目の主走査を
行うと、印刷用紙上には1番ブロックと3番ブロックの
位置にラスタが形成され、2番ブロックの位置にはラス
タが形成されないので、再び補完動作を行う。その結
果、ラスタ番号13番から24番までの12本のラスタ
が形成される。
【0056】以上のようにして補完動作を行いながらラ
スタを形成していくと、2回の主走査で12本のラスタ
を形成するから、1回の主走査では6本のラスタを形成
していることになる。ここでは、ヘッドには9つのノズ
ルが設けられており、不良ノズルが発生しなければ1回
の主走査あたり9本のラスタを形成することができるか
ら、不良ノズルの発生によって印刷速度は、6/9、す
なわち約67%に低下したことになる。通常の印刷速度
(不良ノズルが発生していないときの印刷速度)に対す
る不良ノズル発生時の印刷速度の割合を、以下では印刷
効率と呼ぶことにする。従って、図6に示した場合の印
刷効率は67%となる。これに対して、前出した従来の
方法を用いた場合は、不良ノズルの発生によって印刷効
率は50%に低下してしまうことから、上述の補完動作
を行うことによって、不良ノズル発生時の印刷速度を高
速化できることになる。
【0057】上述した説明では、4番ノズルが不良ノズ
ルであるものとして説明したが、他のノズルが不良ノズ
ルとなった場合でも同様の補完動作を行うことによっ
て、印刷速度を高速化することができる。図7は、不良
ノズルの発生箇所によって補完動作が異なる様子を示す
説明図である。図示するように、ここでは3つの各ブロ
ックをAブロック,Bブロック,Cブロックと呼ぶこと
にする。
【0058】5番ノズルあるいは6番ノズルが不良ノズ
ルとなっている場合は、4番ノズルが不良ノズルとなっ
た場合と同様にBブロックが不良ブロックとなる。従っ
て、補完動作も図6に説明したものと同じ動作となる。
すなわち、図7(a)に示すように、Bブロックが不良
ブロックとなり、AブロックおよびCブロックのノズル
を用いてラスタを形成する。図中では不良ブロックを点
線で示している。また、各ブロックの右側に示す斜線の
領域は、それぞれのブロックがラスタを形成する領域を
示している。1回目の主走査では、AブロックとBブロ
ックとに対応する領域(図中でと表示した領域)にラ
スタが形成される。Bブロックのノズルはラスタを形成
しない。ついで、AブロックがBブロックの位置に来る
ようにヘッドを移動させて2回目の主走査を行うと、図
中でと表示した領域にラスタが形成される。このよう
な補完動作を行うことで、主走査1回あたり2ブロック
分のラスタを形成することができる。不良ノズルが発生
しなければ主走査1回あたり3ブロック分のラスタを形
成可能であるから、不良ノズルが発生すると、発生して
いない場合に対して約67%の速度で印刷することにな
る。
【0059】7番ノズルから9番ノズルのいずれかが不
良ノズルとなった場合は、図7(b)に示すような補完
動作を行う。すなわち、この場合はCブロックが不良ブ
ロックとなり、AブロックとBブロックとでラスタを形
成する。1回目の主走査では、この2つのブロックに対
応すると表示した領域にラスタを形成し、Cブロック
に対応する領域にはラスタを形成しない。ついで、Aブ
ロックがCブロックの位置に来るようにヘッドを移動さ
せて2回目の主走査を行うと、図中でと表示した領域
にラスタが形成される。このような補完動作を行うこと
で、図7(a)に示した場合と同様に、主走査1回あた
り2ブロック分のラスタを形成することができる。ま
た、1番ノズルから3番ノズルのいずれかが不良ノズル
となった場合は、Aブロックが不良ブロックとなり、B
ブロックとCブロックの2つのブロックを用いて、図7
(b)の場合に準じてラスタを形成していけばよい。こ
うすれば、主走査1回あたり2ブロック分のラスタを形
成することができる。以上説明したように、ノズル列中
に不良ノズルが発生した場合に、ノズル列を3つのブロ
ックに分け、不良ノズルが含まれている不良ブロックを
他のブロックで補完しながらラスタを形成することによ
って、不良ノズル発生時にも、不良ノズルがない場合の
約67%の印刷速度で画像を印刷することが可能とな
る。
【0060】尚、以上では、ヘッドの分割数は3であ
り、ノズル数は9つ、すなわち、3つのブロックに分け
た時に余りが出ない場合について説明した。もとより、
このような条件に限られず、他の条件についても補完動
作を考えることができる。ヘッドをより多くの数に分割
する場合や、分割数で割り切れない場合については後述
する。
【0061】(2)補完動作を行う場合のインターレー
ス印刷:以上、補完動作を行うことで不良ノズル発生時
の印刷速度が向上する原理を説明したが、上述の説明で
はノズルが隣接して設けられているものとして説明し
た。しかし、図4に示したようにノズルピッチkの間隔
をおいてノズルを設けることも行われている。このこと
から、1回の主走査で形成されるラスタも、ノズルピッ
チkの間隔を開けて形成されることになる。従って、印
刷用紙上に連続したラスタを形成して画像を印刷するた
めには、形成済みのラスタの間に次のラスタを形成する
ように、ヘッドを適切な量だけ副走査させながら印刷し
ていく必要がある。このように、ヘッドを適切な量だけ
副走査させながら、形成済みのラスタの間に次のラスタ
を形成して画像を印刷する方法をインターレース印刷と
呼んでいる。本実施例のカラープリンタ20においても
インターレース印刷を行っている。以下では、補完動作
を行いながらインターレース印刷を行う方法について説
明する。尚、インターレース印刷自体は周知の技術であ
るため、インターレース印刷を行うための条件等につい
ての説明は本明細書では省略し、代わりに、補完動作を
行いながらインターレース印刷を行うための考え方につ
いて説明する。
【0062】図8は、補完動作を行いながらインターレ
ース印刷する方法を示す説明図である。図示した例では
ノズルピッチkの値は3として、他の条件については図
6の場合と同様の条件としている。すなわち、ノズル数
は9,不良ノズル位置は4番ノズル,ノズル分割数は3
の場合を示している。図8の左側には、補完動作を行い
ながらヘッドを副走査させることによってヘッド位置が
次第にずれていく様子を示し、また図8の右側にはこれ
に伴って印刷媒体上にラスタが形成されていく様子を示
している。
【0063】4番ノズルが不良ノズルであるから、4番
ノズルないし6番ノズルではラスタを形成しない。その
結果、1回目の主走査では、1番ノズルないし3番ノズ
ル、および7番ノズルないし9番ノズルでのみラスタが
形成される。以下では、図7と同様に、1番ノズルない
し3番ノズルで構成されるブロックをAブロックと呼
び、4番ノズルないし6番ノズルで構成されるブロック
をBブロックと、7番ノズルないし9番ノズルで構成さ
れるブロックをCブロックと呼ぶことにする。1回目の
主走査では、Bブロックに相当する位置にラスタが形成
されないので補完動作を行う。すなわち、Aブロックが
Bブロックの位置に来るようにヘッド位置を移動させて
から2回目の主走査を行う。図8では、1回目の主走査
と2回目の主走査とで形成されたラスタを、太い斜線で
示している。図8から分かるように、補完動作を行うこ
とによって、印刷用紙上には12本のラスタが、互いに
ノズルピッチk=3の間隔で等間隔に形成されている。
このことは、ノズルピッチkが3,ノズル数が12のヘ
ッドを用いて1回の主走査で形成するラスタを、補完動
作を含めた2回の主走査で実現していると考えることも
できる。換言すれば、主走査とそれに続く補完動作と
が、1つの仮想的なヘッドによる1回の主走査に対応す
ると考えることができる。そこで、主走査と補完動作と
を1組として仮想的なヘッドを想定し、この仮想的なヘ
ッドを用いてインターレース印刷を実現していけばよ
い。
【0064】主走査とそれに続く補完動作で構成される
仮想的なヘッドを、図8では破線で示している。インタ
ーレース印刷を行うためのヘッドの副走査量は、ヘッド
の仕様、すなわちノズルピッチkとノズル数との組合せ
によって異なっている。図8の例では、仮想的なヘッド
の仕様はノズルピッチkが3,ノズル数12であるか
ら、インターレース印刷を行うためには、例えば{1
1,14,11}の組合せで副走査させればよい。すな
わち、仮想的なヘッドを、初回の副走査ではラスタ11
本分、2回目の副走査ではラスタ14本分、3回目の副
走査ではラスタ11本分ずつ副走査させる。このような
順序で副走査していけば、インターレース印刷を行うこ
とができる。
【0065】仮想的なヘッドの副走査量が決まれば、実
際のヘッドの副走査量を容易に求めることができる。す
なわち、仮想的なヘッドの副走査量を、実際のヘッドの
副走査量と補完動作中で行う副走査とに分割すればよ
い。補完動作中で行う副走査量は、不良ブロックをどの
ブロックで補完するかによって自ずから決定される。図
8に示した例では、不良ブロックはBブロックであり、
このブロックをAブロックで補完するから、補完動作中
で行う副走査量はラスタ9本分である。従って、前述し
た副走査量の組合せに含まれる副走査量11は、補完動
作中の副走査量9と、副走査量2とに分けられる。同様
に、副走査量14は、副走査量9と5とに分けられる。
結局、仮想的なヘッドを{11,14,11}で副走査
させるためには、実際のヘッドを{9,2,9,5,
9,2}の組合せで順番に副走査させていけばよいこと
になる。
【0066】(3)ヘッドの分割数が3より多い場合の
補完動作:以上の説明では、ヘッドを3つのブロックに
分割して把握するものとした場合の補完動作について説
明した。しかし、ヘッドの分割数は必ずしも3つに限定
されるものではなく、より多くのブロックに分割して把
握する場合にも、同様な補完動作を考えることができ
る。不良ノズルが発生した場合に補完動作を行えば、印
刷速度をさほど低下させることなく、高画質の画像を印
刷することができる。
【0067】図9は、分割数が5の場合の補完動作を示
す説明図である。ヘッドを分割してできた5つのブロッ
クを、図7と同様に、それぞれAブロック,Bブロッ
ク,Cブロック,Dブロック,Eブロックと呼ぶ。すな
わち、ヘッドをこれら5つのブロックの集合体として把
握しておく。尚、図7では具体的に説明するために各ブ
ロックは3つのノズルで構成されているものとしたが、
図9ではノズル数を特定せずに説明する。例えば、ノズ
ル総数が25個であれば、各ブロックは5つのノズルか
ら構成されることになり、またノズル総数が50個なら
各ブロックは10個のノズルで構成されることになる。
【0068】5つのブロック中のどのブロックで不良ノ
ズルが発生するかによって、具体的な補完動作は異なっ
ている。図9(a)は、Aブロックに不良ノズルが発生
した場合の補完動作を示し、図9(b)はBブロックに
不良ノズルが発生した場合の補完動作を、図9(c)は
Cブロックに不良ノズルが発生した場合の補完動作を、
図9(d)はDブロックに不良ノズルが発生した場合の
補完動作を示している。説明の都合上、図9(b)に示
す補完動作から説明する。
【0069】Bブロックに不良ノズルが発生した場合
は、このブロックではラスタを形成しないので、主走査
を行うとAブロックとCブロックとの間にラスタの形成
されない領域が発生する。そこで補完動作を行い、この
領域にAブロックを用いてラスタを形成する。既にラス
タが形成されている領域に、補完動作で重ねてラスタを
形成することを避けるため、補完動作中はCブロックお
よびDブロックではラスタを形成しない。一方、Eブロ
ックについては重ねてラスタを形成することにはならな
いので、Aブロックを用いてラスタを形成すると同時
に、Eブロックでもラスタを形成する。結局、補完動作
においては、AブロックおよびEブロックのみラスタを
形成することになる。図9(b)では、ラスタを形成す
るブロックを実線で表示し、ラスタを形成しないブロッ
クを点線で示している。こうして、補完動作を含めて2
回の主走査を行うことにより、6ブロック分のラスタが
形成される。不良ノズルが発生しなければ、1回の主走
査で5ブロック分のラスタを形成することができるか
ら、補完動作を行ったときの印刷速度は60%に低下し
ている。すなわち、印刷効率は60%となる。しかし、
従来の方法を用いれば印刷効率は50%に低下するか
ら、補完動作を行うことで、不良ノズル発生時の印刷速
度を向上させることが可能なことが分かる。
【0070】図9(c)は、Cブロックに不良ノズルが
発生した場合の補完動作を示している。この場合は、C
ブロックではラスタを形成しないので、補完動作を行う
ことにより、Cブロックで形成すべきであったラスタを
Aブロックで形成する。補完動作中でAブロックでラス
タを形成すると同時に、DブロックおよびEブロックで
もラスタを形成しておく。こうして、補完動作を含めて
2回の主走査を行うことにより、7ブロック分のラスタ
が形成される。すなわち、Cブロックに不良ノズルが発
生したときの印刷効率は70%となる。
【0071】図9(d)は、Dブロックに不良ノズルが
発生した場合の補完動作を示している。この場合は、D
ブロックではラスタを形成しないので、補完動作を行う
ことにより、Dブロックで形成すべきラスタをCブロッ
クで形成する。このような補完動作を行うことにより、
Dブロックに不良ノズルが発生したときの印刷効率は6
0%となる。
【0072】最後に、Aブロックに不良ノズルが発生し
た場合の補完動作について、図9(a)を用いて説明す
る。この場合は、BブロックないしEブロックの連続し
た4つのブロックでラスタを形成する。すなわち、4ブ
ロックで構成されるヘッドを用いて通常の方法で印刷す
ることができるので、この場合は必ずしも「補完動作」
という概念を持ち出さなくてもよい。しかし、前述した
3つの場合での取り扱いとの統一性を保つため、あえて
次のような補完動作を考える。すなわち、初回の主走査
でBブロックないしEブロックの4ブロック分のラスタ
を形成し、ラスタを形成しないAブロックをEブロック
位置に移動させて、2回目の主走査を行う。このよう
に、補完動作を含めた2回の主走査を行うことによっ
て、8ブロック分のラスタを形成すると考える。このよ
うに考えると、Aブロックに不良ノズルが発生したとき
の印刷効率は80%となる。
【0073】また、Eブロックに不良ノズルが発生した
場合についても、AブロックないしDブロックの連続し
た4つのブロックでラスタを形成する。この場合も、A
ブロックに不良ノズルが発生した場合と同様に考えれる
ことができる。その結果、Eブロックに不良ノズルが発
生したときの印刷効率は、Aブロックに不良ノズルが発
生したときと同様に80%となる。
【0074】以上に説明したように、ヘッドを5つのブ
ロックに分割して把握する場合にも、補完動作を考える
ことができる。不良ノズルが発生するブロックによっ
て、補完動作の内容は異なるが、いずれのブロックに発
生する場合でも、従来の方法に比べて、不良ノズル発生
時の印刷速度を高速化することができる。
【0075】図10は、分割数が7の場合の補完動作を
示す説明図である。ヘッドをAブロックないしGブロッ
クの7つのブロックに分割する。図10(a)ないし図
10(e)は、それぞれAブロックないしEブロックに
不良ノズルが発生した場合の補完動作を示している。ま
た、Gブロックに不良ノズルが発生した場合は、Aブロ
ックに発生した場合に準じて考えることができ、Fブロ
ックに発生した場合はBブロックの場合に準じて考える
ことができる。図10においても図9と同様に、ラスタ
を形成するブロックを実線で示し、ラスタを形成しない
ブロックを点線で示している。
【0076】それぞれの場合の補完動作の内容について
は、図9を用いて詳しく説明した内容とほぼ同様である
ため、ここでは、詳細な説明は省略して概要のみ以下に
説明する。Aブロックに不良ノズルが発生した場合(図
10(a)参照)は、BブロックないしGブロックでラ
スタを形成し、補完動作を含めた2回の主走査で12ブ
ロック分のラスタを形成する。従って、この場合の印刷
効率は、6/7であるから約86%となる。Bブロック
に不良ノズルが発生した場合(図10(b)参照)は、
CブロックないしGブロックでラスタを形成し、補完動
作を含めた2回の主走査で10ブロック分のラスタを形
成する。従って、この場合の印刷効率は、5/7である
から約71%となる。CブロックあるいはEブロックに
不良ノズルが発生した場合(図10(c)および図10
(e)参照)は、補完動作を含めた2回の主走査で9ブ
ロック分のラスタを形成する。従って、この場合の印刷
効率は、4.5/7であるから約64%となる。Dブロ
ックに不良ノズルが発生した場合(図10(d)参照)
は、補完動作を含めた2回の主走査で10ブロック分の
ラスタを形成する。従って、この場合の印刷効率は、5
/7であるから約71%となる。また、Fブロックに不
良ブロックが発生した場合、あるいはGブロックに不良
ブロックが発生した場合は、それぞれBブロックに発生
した場合、あるいはAブロックに発生した場合に準じて
考えることができ、印刷効率はそれぞれ約71%,約8
6%となる。
【0077】このように、ヘッドを7つのブロックに分
割して把握する場合にも、補完動作を考えることができ
る。不良ノズルが発生するブロックによって、補完動作
の内容は異なるが、いずれのブロックに発生する場合で
も、従来の方法に比べて、不良ノズル発生時の印刷速度
を高速化することができる。
【0078】以上に説明したように、ヘッドを3以上の
数に分割する場合でも、それぞれの補完動作を考えるこ
とができ、従来の方法に比べて、不良ノズル発生時の印
刷速度を高速化することが可能であることが分かる。
【0079】(4)ノズル数が分割数で割り切れない場
合の補完動作:以上の説明では、ノズル列を分割したと
きに、ノズル数が分割数で常に割り切れるものとして説
明した。例えば図6に示した例では、ノズル数9,分割
数3であるから、ノズルを余らせることなく3つのブロ
ックに分けることができた。しかし、ヘッドに設けられ
ているノズル数が常に分割数で割り切れるとは限らな
い。以下では、ノズル数を分割数で割り切れない場合の
補完動作について説明する。
【0080】図11は、ノズル数11,分割数3の場合
を例にとって、ノズル数が分割数で割り切れない場合に
行う補完動作を示す説明図である。11個のノズルを3
つのブロックに分割しようとすると、図示するようにノ
ズルが2つ余ってしまう。この余ったノズルが構成する
ブロックを、以下では剰余ブロックと呼ぶことにする。
つまり、ノズル数が分割数で割り切れない場合は、ヘッ
ドを、分割数の数のブロックと1つの剰余ブロックとに
分けて考える。図11に示す例では、1番ノズルないし
3番ノズルで構成されるAブロックと、4番ノズルない
し6番ノズルで構成させるBブロックと、7番ノズルな
いし9番ノズルで構成されるCブロックと、10番ノズ
ルおよび11番ノズルで構成される剰余ブロックとの合
計4つのブロックの集合体としてヘッドを把握すること
になる。
【0081】仮に4番ノズルが不良ノズルであったとす
ると、Bブロックが不良ブロックとなり、以降、Bブロ
ックではラスタを形成しない。先ず、1回目の主走査で
は、AブロックとCブロックの2つのブロックでラスタ
を形成する。その結果、Aブロックで形成したラスタと
Cブロックで形成したラスタとの間に、ラスタが形成さ
れていない領域が発生する。そこで、次のような補完動
作を行う。すなわちAブロックをBブロックの位置まで
副走査させ、2回目の主走査を行ってこの領域にラスタ
を形成する。2回目の主走査時には、Aブロックでラス
タを形成すると同時に、Cブロックおよび剰余ブロック
でもラスタを形成する。図11の右側には、1回目の主
走査と2回目の主走査とで形成されたラスタを、太い斜
線で示している。図示されているように、補完動作を含
めた2回の主走査を行うことによって印刷用紙上には、
14本のラスタが、ノズルピッチk=3で等間隔に形成
されることになる。そこで、ノズルピッチkが3,ノズ
ル数14の仮想的なヘッドを想定し、この仮想ヘッドを
用いてインターレース印刷を行えばよい。具体的には、
ラスタ14本分ずつ仮想ヘッドを副走査させればインタ
ーレース印刷を行うことができる。補完動作中で行う副
走査はラスタ9本分であるから、結局、{9,5}の組
合せの順番で副走査していけば良い。
【0082】以上の説明から明らかなように、ヘッドの
設けられたノズル数が分割数で割り切れない場合、補完
動作は次のようなものとなる。すなわち、余ったノズル
で剰余ブロックを構成し、初回の主走査時には剰余ブロ
ックでラスタを形成せずに、2回目の主走査時にラスタ
を形成するようにする。こうして2回の主走査を合わせ
て仮想的なヘッドを構成し、この仮想ヘッドを用いてイ
ンターレース印刷を行えばよい。
【0083】上述のような補完動作を行うことによって
不良ノズル発生時の印刷速度を高速化することが可能で
ある。図11に示した場合を例に採ると、ノズル数は1
1であり、2回の主走査で14本のラスタを形成してい
るから、印刷効率は7/11より約64%となる。従来
の方法を用いると印刷効率は50%に低下するから、補
完動作を行うことによって不良ノズル発生時の印刷速度
が高速化されることが分かる。
【0084】A−4.第1実施例における画素再配置処
理:本実施例の印刷装置は、不良ノズルが発生した場合
に、上述した補完動作を行いながら画像を印刷すること
によって、不良ノズル発生時にも画像を迅速に印刷して
いる。補完動作は、図5を用いて前述した画像処理ルー
チンの中の画素再配置処理(ステップS108)で行
う。
【0085】図12は、第1実施例のプリンタドライバ
92が画像処理ルーチンの中で行う画素再配置処理の流
れを示すフローチャートである。以下、図12のフロー
チャートに従って説明する。画素再配置処理を開始する
と、初めに不良ノズルがあるか否かを判断する(ステッ
プS200)。カラープリンタ20の操作者は、コンピ
ュータ80の画面から不良ノズル位置をプリンタドライ
バ92に予め設定しておく。不良ノズル位置の検出に
は、周知の方法を適用することができる。本実施例で採
用した検出方法については、本明細書の最後に説明す
る。ステップS200で不良ノズルがあると判断された
場合は、不良ノズル位置に対応する不良ブロック位置T
b を取得する。本実施例では、不良ブロック位置Tb は
次式によって算出している。 Tb = int(Tn /Nb )+1 …(1) ここで、int()は整数演算子を示す。例えばint
(X)の値は、実数Xの整数部分の値をとる。また、T
n は不良ノズルのノズル番号を示し、Nb は1ブロック
を構成するノズル数を示す。Nb の値は、ヘッドに設け
られている総ノズル数をN、ヘッドの分割数Nd とすれ
ば、Nb =int(N/Nd )で与えられる。
【0086】尚、本実施例では不良ブロック位置を算出
するものとしたが、不良ブロック位置を不良ノズル位置
に対応付けて記憶しておき、不良ノズルの設定値から直
接不良ブロック位置を取得するようにしても構わない。
【0087】不良ブロック位置を取得したら、次は、不
良ブロック位置に対応する補完動作の内容とその補完動
作に伴う仮想的なヘッドの仕様とを取得する(ステップ
S204)。前述したように、補完動作の内容は、不良
ブロック位置に応じて異なっており、また、補完動作を
行った時に得られる仮想的なヘッドの仕様も不良ブロッ
ク位置に応じて異なっている。そこで、図13に示すよ
うに、補完動作の内容と、その補完動作に伴う仮想的な
ヘッドの仕様とを、不良ブロック位置に対応付けて予め
記憶しておく。補完動作の内容としては、補完動作する
ためのヘッドの副走査送り量と、補完動作時にラスタを
形成するブロックとをが記憶されている。ステップS2
04では、このような図13に示すテーブルを参照し
て、不良ブロック位置から補完動作及び補完動作に伴う
仮想的なヘッドの仕様を取得する。
【0088】こうして補完動作の内容と仮想的なヘッド
の仕様とを取得すると、仮想的なヘッドが装着されてい
るものとしてインターレース処理を行う(ステップS2
06)。インターレース処理自体については周知の技術
であるため、ここでは説明を省略する。
【0089】仮想的なヘッドについてのインターレース
処理が終了したら、補完動作分離処理を開始する(ステ
ップS208)。つまり、仮想的なヘッドが1回の主走
査で形成するラスタを、実際の印刷では、補完動作を含
めた2回の主走査に分けて形成しなければならない。そ
こで、仮想的なヘッドが1回の主走査で形成するラスタ
の中から、補完動作時に形成するラスタを分離して、ヘ
ッドが実際にラスタを形成する順序となるように、ステ
ップS206のインターレース処理結果を修正するので
ある。こうして、ヘッドが実際にラスタを形成する順番
に画素が再配置されたら、画素再配置処理を終了して、
図5の画像処理ルーチンに復帰する。
【0090】ステップ200において、不良ノズルが発
生していないと判断された場合は、ステップS210で
通常のインターレース処理が実施され、画素再配置処理
を抜けて図5の画像処理ルーチンに復帰する。
【0091】画像処理ルーチンでは、以上のようにして
得られた画像データをカラープリンタ20に供給し、カ
ラープリンタ20は該画像データに従って印刷用紙上に
画像を印刷する。その結果、不良ノズルが発生している
場合でも、従来の方法に比べて迅速に高画質の画像を印
刷することが可能となる。
【0092】B.第2実施例:以上説明した第1実施例
においては、ヘッドの分割数は印刷装置毎に固定されて
いるものとして説明した。しかし、分割数は必ずしも固
定とする必要はなく、不良ノズルの発生箇所に応じて、
分割数を切り換えるようにしても良い。こうすれば、後
述するように不良ノズル発生時の印刷速度を更に高速化
することができる。以下では、このような第2実施例の
印刷装置について説明する。
【0093】B.第2実施例の補完動作の内容: (1)ノズル列分割数の切り換えにより印刷速度が向上
する原理:第2実施例の印刷装置では、不良ノズルの発
生箇所に応じてノズル列の分割数を切り換えることで、
不良ノズル発生時の印刷速度を更に高速化している。以
下では、先ず、この原理について説明し、その後、第2
実施例の補完動作について説明する。
【0094】前述したように、不良ブロックの位置によ
って具体的な補完動作は異なっており、それに伴って、
補完動作を行ったときの印刷効率も異なっている。例え
ば、図9を用いて説明したように、分割数5の場合、印
刷効率は不良ブロックの位置に応じて80%,70%,
60%と異なる値となる。また、分割数7の場合は、図
10を用いて説明したように、不良ブロックの位置に応
じて86%,71%,61%と3つの印刷効率を取り得
る。
【0095】図14は、ノズル列をさまざまな分割数で
分割したときに、不良ブロックの位置に応じて印刷効率
が異なる値をとる様子を示した説明図である。尚、図の
煩雑化を避けるため、図14では剰余ブロックが発生す
る場合は考慮していない。図14から、ノズル分割数が
増えるほど、印刷効率の最大値は高くなることが分か
る。一方、印刷効率の最小値については、ノズル分割数
が3,6,9すなわち3の倍数であるときには約67%
となるが、それ以外の分割数のときは、67%よりも小
さな値となることが分かる。
【0096】例えば、分割数3の場合と分割数5の場合
とを比較すると、ノズル列の分割数を3から5に増やし
たときに、不良ノズルの発生位置によって印刷速度が速
くなる場合と、逆に遅くなる場合とがあることになる。
従って、不良ノズルの発生位置に応じて、分割数を3に
するか5にするかを切り換えることができれば、不良ノ
ズル発生時の印刷速度を更に速くすることが可能とな
る。第2実施例の印刷装置では、このような原理に基づ
き、不良ノズル位置に応じてノズル列の分割数を切り換
えながら、より適した補完動作を行うことによって、不
良ノズル発生時の印刷速度を更に高速化している。
【0097】(2)第2実施例の画素再配置処理:以下
に、第2実施例の印刷装置が行う補完動作について説明
する。第2実施例の補完動作も、第1実施例の補完動作
と同様に、プリンタドライバ92が画像処理ルーチン中
の画素再配置処理の中で行っている。図15は、第2実
施例のプリンタドライバ92が画像処理ルーチンの中で
行う画素再配置処理の流れを示すフローチャートであ
る。以下、図15のフローチャートに従って、第2実施
例の補完動作について説明する。
【0098】画素再配置処理を開始すると、初めに不良
ノズルがあるか否かを判断する(ステップS300)。
第2実施例においても、第1実施例と同様に、画像の印
刷に際してはカラープリンタ20の操作者が不良ノズル
位置をプリンタドライバ92に予め設定しておくので、
不良ノズルがあるかないかを、この設定の有無によって
判断する。
【0099】不良ノズルが設定されて場合は、設定され
ている不良ノズル位置を取得する(ステップS30
2)。次いで、取得した不良ノズル位置に基づいて、不
良ブロック位置を算出する(ステップS304)。不良
ブロック位置の算出には、第1実施例と同様に、前述の
(1)式を使用して行う。
【0100】ここでは、第2実施例の印刷装置のノズル
列は45個のノズルで構成され、このノズル列を、3つ
あるいは5つのブロックに分割して把握することができ
るものとする。ステップS304では、ノズル列をそれ
ぞれの分割数で分割して把握したときの不良ブロック位
置を算出する。以下では、ノズル列を3つに分割した場
合の不良ブロック位置を第1の不良ブロック位置と呼
び、ノズル列を5つに分割した場合の不良ブロック位置
を第2の不良ブロック位置と呼ぶ。
【0101】第2実施例において、ノズル列の分割数を
3および5としているのは次の理由による。図14を用
いて前述したように、ノズル分割数が多くなるに従って
全体としての印刷効率は向上するが、分割数が多くなる
ほど補完動作の種類も増加するために画像処理が複雑に
なる。また、分割数が増大するにつれて、印刷効率が最
大となる値の増加量も次第に頭打ち傾向となるため、分
割数をあまり大きくすることは実用的ではない。このよ
うなことを考慮して、第2実施例では、画像処理があま
り複雑化しない範囲で、不良ノズル発生時の印刷速度を
効果的に向上させることができる分割数の組合せとし
て、分割数3と分割数5の組合せを選択している。従っ
て、それぞれに15個のノズルを含んだ3つのブロック
の集合体としてノズル列を把握する(分割数3の場合)
と同時に、それぞれに9個のノズルを含んだ5つのブロ
ックの集合体としても把握していることになる。
【0102】第1の不良ブロック位置と第2の不良ブロ
ック位置とを算出すると、それぞれの不良ブロック位置
での印刷効率を取得する(ステップS306)。不良ブ
ロック位置での印刷効率は、不良ブロック位置毎に予め
算出されて、プリンタドライバ92内に記憶されてい
る。図16は、不良ブロック位置での印刷効率がプリン
タドライバ92内に記憶されている様子を示す説明図で
ある。図示するように、プリンタドライバ92内では印
刷効率は2枚のテーブルとして記憶されており、一方の
テーブルがノズル分割数が3つの場合に、他方のテーブ
ルがノズル分割数5つの場合にそれぞれ対応している。
各テーブルには、予め算出しておいた印刷効率が、補完
動作の内容と仮想ヘッドの仕様とともに、不良ブロック
位置に対応づけて記憶されている。ステップS306の
処理では、これらのテーブルを参照することによって、
第1の不良ブロック位置に対応する印刷効率と、第2の
不良ブロック位置に対応する印刷効率とを取得する。
【0103】第1の不良ブロック位置に対応する印刷効
率と、第2の不良ブロック位置に対応する印刷効率とを
取得したら、2つの印刷効率を比較して、効率の高い方
の不良ブロック位置を選択する(ステップS308)。
すなわち、第1の不良ブロック位置に対する印刷効率
が、第2の不良ブロック位置に対する印刷効率よりも高
い場合は第1の不良ブロック位置を選択し、第2の不良
ブロック位置に対する印刷効率よりも低ければ第2の不
良ブロック位置を選択する。
【0104】こうして不良ブロック位置が選択された
ら、図16に示したテーブルを再び参照して、選択した
不良ブロック位置に対応づけて記憶されている補完動作
および仮想ヘッドの仕様を取得する(ステップS31
0)。
【0105】以上のようにして取得した補完動作の内
容、および仮想ヘッドの仕様とに基づいて、インターレ
ース処理および補完動作分離処理を行う(ステップS3
12,S314)。インターレース処理自体については
周知の技術であるので、ここでは説明を省略する。補完
動作分離処理の内容は、図12を用いて説明した第1実
施例における処理内容と同様であるので、以下、概要の
みを簡単に説明する。
【0106】インターレース処理では、仮想的なヘッド
でラスタを形成するものとして処理を行うが、実際の印
刷では、仮想的なヘッドが1回の主走査で形成するラス
タを補完動作を含めた2回の主走査で形成している。そ
こで、補完動作分離処理では、仮想的なヘッドが形成す
るラスタの中から、補完動作時に形成するラスタを分離
して、ヘッドが実際にラスタを形成する順序となるよう
にインターレース処理の結果を修正する。
【0107】ステップ300において、不良ノズルは発
生していないと判断された場合は、ステップS316で
通常のインターレース処理が実施され、画素再配置処理
を抜けて図5の画像処理ルーチンに復帰する。
【0108】画像処理ルーチンでは、以上のようにして
得られた画像データをカラープリンタ20に供給し、カ
ラープリンタ20は該画像データに従って印刷用紙上に
画像を印刷する。その結果、不良ノズルが発生している
場合でも、従来の方法に比べて迅速に高画質の画像を印
刷することが可能となる。
【0109】C.不良ノズルの検出方法:以下では、本
実施例の印刷装置で不良ノズル位置を検出する方法につ
いて説明する。本実施例では、カラープリンタ20に内
蔵されている不良ノズル検出部70を用いて不良ノズル
位置を検出しているが、この検出方法に限らず、不良ノ
ズル位置の検出には他の周知な検出方法を適用すること
ができることはもちろんである。例えば、不良ノズル位
置を検出するための所定のパターンを印刷して、印刷さ
れたパターンからカラープリンタ20の操作者が不良ノ
ズル位置を特定する方法を用いてもよい。
【0110】図17は、不良ノズル検出部70の構成
と、不良ノズル位置の検査方法を示す説明図である。図
17は、キャリッジ40を底面側から見た図であり、キ
ャリッジ40には、カラープリンタ20に備えられてい
る4色分のインク吐出用ヘッド44ないし47のノズル
列と、不良ノズル検出部70を構成する発光素子71お
よび受光素子72とが描かれている。発光素子71は外
径が約1mm程度のレーザの光束Lf をヘッドの主走査
方向に射出し、受光素子72は受光したレーザの光量に
応じた電気信号を出力する。
【0111】不良ノズル位置の検出は次のようにして行
う。先ず、1色分(例えばKインク)のノズル列がレー
ザの光束Lf の光路上にくるように、キャリッジ40を
位置決めする。図17は、このように位置決めした状態
を示している。この状態で、Kインクのインク吐出用ヘ
ッド44に設けられたノズルをノズル番号1番のノズル
から順番に駆動して、1ノズルずつインク滴を吐出させ
る。ノズルからきちんとインク滴が吐出されていれば、
インク滴が途中でレーザの光束Lf を遮って受光素子7
2における受光が一時的に中断される。ノズルからイン
ク滴が吐出されていない場合あるいはインク滴が曲がっ
て吐出されている場合は、受光素子72における受光が
全く中断されないか、あるいは完全には中断されず一時
的に受光量が低下するにとどまる。従って、受光素子7
2の出力電圧を検出することによって、そのノズルから
正常にインク滴が吐出されているか否かを検出すること
ができる。
【0112】以上のようにして、Kインクのノズル列を
すべて検査し終わったら、キャリッジ40を移動させ
て、次のノズル列(例えばCインク)をレーザの光束L
f の光路上にくるようにする。こうして、このノズル列
についても同様に順次ノズルを駆動して、各ノズルから
正常にインク滴が吐出されているか否かを検出する。以
上のような動作をすべてのノズル列について行えば、不
良ノズル位置を検出することができる。尚、本実施例の
印刷装置は、レーザ光を利用して不良ノズルを検出して
いるが、他の方式を用いて検出するものであっても構わ
ないのはもちろんである。例えば、インク滴の弾着に伴
う振動を検出し、振動の有無に基づいて不良ノズルを検
出する方法を用いることもできる。
【0113】以上、各種の実施例について説明してきた
が、本発明は上記すべての実施例に限られるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実
施することができる。
【0114】例えば、上述の機能を実現するソフトウェ
アプログラム(アプリケーションプログラム)を、通信
回線を介してコンピュータシステムのメインメモリまた
は外部記憶装置に供給し実行するものであってもよい。
【0115】また、上述の各実施例では、予め不良ノズ
ル位置を検出しておき、画像の印刷に先立って、カラー
プリンタ20の操作者がプリンタドライバ92に不良ノ
ズル位置を設定するものとして説明した。しかし、不良
ノズル位置の設定はカラープリンタ20の操作者が手動
で行うのではなく、プリンタドライバ92が自動で行っ
ても良い。すなわち、不良ノズル検出部70が不良ノズ
ルを検出すると、そのノズル番号をプリンタドライバ9
2が自動的に取得するものとしても構わない。不良ノズ
ル位置の設定を自動で行えば、不良ノズルが発生した場
合でも、簡便な操作で高画質の画像を迅速に印刷するこ
とができる。
【0116】上述の各実施例では、不良ノズル位置に基
づいて、プリンタドライバ92が不良ブロック位置を取
得しているが、カラープリンタ20の操作者が不良ブロ
ック位置をプリンタドライバ92に直接設定するように
しても良い。例えば、印刷画質が悪化して不良ノズルが
発生していると思われた場合、1番ブロックから順番に
各ブロックを不良ブロックとして設定して画像を印刷し
てみて、画質が実際に改善されたブロック位置の設定
が、真の不良ブロック位置と考えることができる。この
ようにして直接、不良ブロック位置を検出し、検出した
不良ブロック位置をプリンタドライバ92に設定して
も、不良ノズル発生時の印刷速度の低下を抑制して高画
質の画像を印刷することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の印刷装置の概略構成図である。
【図2】ソフトウェアの構成を示す説明図である。
【図3】本実施例のプリンタの概略構成図である。
【図4】本実施例のカラープリンタのインク吐出量ヘッ
ドにノズルが配置されている様子を示す説明図である。
【図5】本実施例における画像処理ルーチンの流れを示
すフローチャートである。
【図6】本実施例の印刷装置が補完動作を行うことによ
って、不良ノズル発生時の印刷速度の低下を抑制し、高
画質の画像を高速に印刷することが可能となる原理を説
明するための説明図である。
【図7】不良ノズルの発生位置によって補完動作の内容
が異なってくることを示す説明図である。
【図8】補完動作を行いながらインターレース印刷を行
うときの考え方を説明する説明図である。
【図9】ノズル列の分割数を5つとした場合、不良ノズ
ル位置に対応する補完動作の内容を示す説明図である。
【図10】ノズル列の分割数を7つとした場合、不良ノ
ズル位置に対応する補完動作の内容を示す説明図であ
る。
【図11】ヘッドに設けられているノズル数をノズル列
の分割数で割ると余りが出る場合における補完動作の内
容を説明する説明図である。
【図12】第1実施例の補完動作を行う画素再配置処理
の流れを示すフローチャートである。
【図13】第1実施例の補完動作を行う印刷装置におい
て、補完動作の内容と仮想ヘッドの仕様とを不良ブロッ
ク位置に対応付けてテーブルに記憶している様子を示す
説明図である。
【図14】ノズル列の分割数に応じて、印刷効率が変動
する様子を示す説明図である。
【図15】第2実施例の補完動作を行う画素再配置処理
の流れを示すフローチャートである。
【図16】第2実施例の補完動作を行う印刷装置におい
て、補完動作の内容と仮想ヘッドの仕様と印刷効率とを
不良ブロック位置に対応付けて、それぞれの分割数毎の
テーブルに記憶している様子を示す説明図である。
【図17】不良ノズルを検出する原理を示す説明図であ
る。
【図18】不良ノズル発生時に高画質の画像を印刷しよ
うとすると印刷速度が低下する理由を説明する説明図で
ある。
【符号の説明】
20…カラープリンタ 21…スキャナ 24…モデム 26…ハードディスク 27…メモリカード 30…キャリッジモータ 31…駆動ベルト 32…プーリ 33…摺動軸 34…位置検出センサ 35…紙送りモータ 36…プラテン 40…キャリッジ 41…印字ヘッド 42,43…インクカートリッジ 44〜47…インク吐出用ヘッド 60…制御回路 70…不良ノズル検出部 71…発光素子 72…受光素子 80…コンピュータ 81…CPU 82…ROM 83…RAM 88…SIO 90…ビデオドライバ 91…アプリケーションプログラム 92…プリンタドライバ 93…解像度変換モジュール 94…色変換モジュール 95…ハーフトーンモジュール 96…画素再配置モジュール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA04 EB03 EB08 EC03 EC08 EC42 FA02 FA10 2C057 AF05 AF21 AF91 AG12 AG44 AM03 AM18 AM30 AN01 BA03 BA14 DD02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズル列を印刷媒体に対して主走査方向
    および副走査方向に移動させながら該ノズル列でドット
    を形成することによって画像を印刷する印刷部に、該ノ
    ズル列の移動を制御するための制御信号を供給する印刷
    制御装置であって、 前記ノズル列を互いに同数のノズルを含んで連続した3
    つ以上のブロックの集合体として把握しておき、該ノズ
    ル列中にドットの形成の不良なノズルが発生した場合
    に、該不良ノズルを含んだ不良ブロックを認識する不良
    ブロック認識手段と、 前記ノズル列を副走査方向に移動させて前記不良ブロッ
    クを他のブロックによって補完するための補完動作を、
    該ノズル列中における該不良ブロックの位置に対応付け
    て予め記憶しておく補完動作記憶手段と、 前記不良ブロックを認識した場合に、該不良ブロック位
    置に対応する前記補完動作を行いながら画像を印刷する
    ための前記制御信号を、前記印刷部に供給する制御信号
    供給手段とを備える印刷制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の印刷制御装置であって、 前記不良ブロック認識手段は、前記ノズル列を3の倍数
    である所定数の前記ブロックの集合体として把握してい
    る手段である印刷制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の印刷制御装置であって、 前記不良ブロック認識手段は、前記ノズル列を、第1の
    分割数のブロックの集合体および第2の分割数のブロッ
    クの集合体として、それぞれに把握しておき、前記不良
    ノズルが発生した場合に、第1の分割数における第1の
    不良ブロックの位置と、第2の分割数における第2の不
    良ブロックの位置とを、それぞれに認識する手段であ
    り、 前記補完動作記憶手段は、前記第1の分割数および第2
    の分割数のそれぞれの場合について、前記不良ブロック
    の位置に対応付けて前記補完動作を予め記憶しておく手
    段であるとともに、 前記認識した第1の不良ブロック位置と第2の不良ブロ
    ック位置との組合せに応じて、該第1の不良ブロック位
    置あるいは第2の不良ブロック位置のいずれかを選択す
    る不良ブロック位置選択手段を備え、 前記制御信号供給手段は、前記選択した不良ブロックの
    位置に対応付けて記憶されている前記補完動作を行いな
    がら画像を印刷するための前記制御信号を、前記印刷部
    に供給する手段である印刷制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の印刷制御装置であって、 前記補完動作記憶手段は、前記補完動作を行ったときの
    画像の印刷速度に関する指標を、前記不良ブロックの位
    置に対応付けて記憶している手段であり、 前記不良ブロック位置選択手段は、前記不良ブロック位
    置に対応付けて記憶されている前記指標に基づいて、印
    刷速度の速い方の不良ブロック位置を選択する手段であ
    る印刷制御装置。
  5. 【請求項5】 ノズル列を印刷媒体に対して主走査方向
    および副走査方向に移動させながら該ノズル列でドット
    を形成することによって画像を印刷する印刷部を備えた
    印刷装置であって、 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の印刷制御装
    置を備える印刷装置。
  6. 【請求項6】 前記不良ノズルの位置を検出して前記不
    良ブロックの認識に供する不良ノズル検出手段を備えた
    請求項5記載の印刷装置。
  7. 【請求項7】 ノズル列を印刷媒体に対して主走査方向
    および副走査方向に移動させながら該ノズル列でドット
    を形成することによって画像を印刷する印刷部に、該ノ
    ズル列の移動を制御するための制御信号を供給する印刷
    制御方法であって、 前記ノズル列を互いに同数のノズルを含んで連続した3
    つ以上のブロックの集合体として把握しておき、該ノズ
    ル列中にドットの形成の不良なノズルが発生した場合
    に、該不良ノズルを含んだ不良ブロックを認識し、 前記ノズル列を副走査方向に移動させて前記不良ブロッ
    クを他のブロックによって補完するための補完動作を、
    該ノズル列中における該不良ブロックの位置に対応付け
    て予め記憶しておき、 前記不良ブロックを認識した場合に、該不良ブロック位
    置に対応する前記補完動作を行いながら画像を印刷する
    ための前記制御信号を、前記印刷部に供給する印刷制御
    方法。
  8. 【請求項8】 ノズル列を印刷媒体に対して主走査方向
    および副走査方向に移動させながら該ノズル列でドット
    を形成することによって画像を印刷する印刷部に、該ノ
    ズル列の移動を制御するための制御信号を供給すること
    によって前記画像を印刷する印刷方法であって、 前記ノズル列を互いに同数のノズルを含んで連続した3
    つ以上のブロックの集合体として把握しておき、該ノズ
    ル列中にドットの形成の不良なノズルが発生した場合
    に、該不良ノズルを含んだ不良ブロックを認識し、 前記ノズル列を副走査方向に移動させて前記不良ブロッ
    クを他のブロックによって補完するための補完動作を、
    該ノズル列中における該不良ブロックの位置に対応付け
    て予め記憶しておき、 前記不良ブロックを認識した場合に、該不良ブロック位
    置に対応する前記補完動作を行いながら画像を印刷する
    ための前記制御信号を前記印刷部に供給し、 前記制御信号に従って、前記印刷部が前記ノズル列の移
    動とドットの形成とを行うことによって画像を印刷する
    印刷方法。
  9. 【請求項9】 ノズル列を印刷媒体に対して主走査方向
    および副走査方向に移動させながら該ノズル列でドット
    を形成することによって画像を印刷する印刷部に、該ノ
    ズル列の移動を制御する制御信号を供給するためのコン
    ピュータプログラムを記録した記録媒体であって、 前記ノズル列を互いに同数のノズルを含んで連続した3
    つ以上のブロックの集合体として把握しておき、該ノズ
    ル列中にドットの形成の不良なノズルが発生した場合
    に、該不良ノズルを含んだ不良ブロックを認識する機能
    と、 前記ノズル列を副走査方向に移動させて前記不良ブロッ
    クを他のブロックによって補完するための補完動作を、
    該ノズル列中における該不良ブロックの位置に対応付け
    て予め記憶しておく機能と、 前記不良ブロックを認識した場合に、該不良ブロック位
    置に対応する前記補完動作を行いながら画像を印刷する
    ための前記制御信号を、前記印刷部に供給する機能とを
    実現するプログラムをコンピュータで読み取り可能に記
    録した記録媒体。
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