JP2004206740A - 半導体記憶装置及びその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】メモリセルアレイ11は、外部番地が割り当てられたメモリセルにて構成された第1領域11aと、外部番地が割り当てられていないメモリセルにて構成される第2領域11bとを備える。第2領域11bには、フラッシュメモリ10を設定するためのメモリ制御情報が記憶されている。そして、第1領域11aと第2領域11bのメモリセルは、両メモリセルに対して共通なビット線BLに接続されている。そして、メモリ制御情報を記憶する第2領域11bがユーザのデータを記憶する第1領域11aに隣接して設けられ、各領域11a,11bのメモリセルへの書き込みのための回路(ライトドライバ15)が共有化されている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は不揮発性を有し書き換え可能なメモリセルを備えた半導体記憶装置及びその制御方法に関するものである。
【0002】
不揮発性を有し書き換えな可能なメモリセルを備えた半導体記憶装置は、書き込み動作(プログラムモード)や消去動作(消去モード)に該装置内部の電圧発生回路で生成された高電圧や負電圧を使用する。それらの電圧は、書き込み動作時や消去動作時に、所定のパルス幅でメモリセルに印加される。これらの各種動作(動作モード)における電圧値やパルス幅等を設定するパラメータ(動作制御パラメータ)は、設計時に最適と予想される値で設定され、その設定値に応じて回路が設計される。
【0003】
しかし、製造ばらつきやシミュレーションの精度の関連で、(実際のウェハプロセス工程後のそれぞれの製品チップでは)設計時の最適値からずれることが多々ある。これらのパラメータの調整は、マスク変更をともなう回路変更で対応することも可能であるが、変更までの時間がかかり、市場に出るまでの時間が重要な要素になっている現状では実状に沿わないし、また、個々の製品製造バラツキには対応できない。
【0004】
このため、半導体記憶装置には、個々の製品チップの製造バラツキに対応してパラメータを設定するためのFuseを設けたものがある。個々の製品チップを試験し、その試験結果を踏まえてFuseをレーザーなどで切断することも可能である。しかし、レーザー切断できるためのFuseは、そのFuse単体面積が大きく、ダイサイズ増大を招き、またレーザー工程が増加して試験コスト増大を招く。
【0005】
また、不揮発性固有の書き換え回数や、その回数に応じた(動作制御)パラメータの変更などには対応できない。そのため、製造後に調整が必要となる(動作制御)パラメータを、制御用記憶領域に書き込むなどして、ソフト的に対応されることが望まれている。
【0006】
【従来の技術】
従来、メモリ制御情報を専用の不揮発性記憶領域に記憶し、製造後にソフト的に可変としたメモリ・システムがある(例えば、特許文献1,特許文献2参照)。このメモリ・システムは、ユーザに提供される(ユーザがアクセスする)フラッシュ・メモリ・セルのアレイと別に、制御パラメータCP1を含む制御パラメータ・ビットの状態が記憶される不揮発性データ記憶ユニットを備えている。そして、この領域に語構成,読み出し基準電流,内部発生電圧,制御パルス幅,等のパラメータ情報を記憶することにより、メモリ・システムを制御可能としている。
【0007】
【特許文献1】
特表平10−510656号公報(図1)
【特許文献2】
特開2001−57096号公報(図1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来例では、不揮発性データ記憶ユニットがユーザに提供されるフラッシュ・メモリ・セルのアレイと別の領域に設けられている。このため、制御用(動作制御)パラメータ領域専用の書き込み/読み出し回路が必要となり、回路面積が増大するという問題があった。
【0009】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は回路面積の増大を抑えることのできる半導体記憶装置及びその制御方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、外部番地が割り当てられた第1のメモリセルと、外部番地が割り当てられていない第2のメモリセルとを備え、前記第2のメモリセルはメモリ制御情報のために設けられ、前記第1及び第2のメモリセルは、両メモリセルに対して共通なビット線に接続されている。
【0011】
請求項2に記載の発明は、外部番地が割り当てられた第1のメモリセルと、外部番地が割り当てられていない第2のメモリセルとを備え、前記第1及び第2のメモリセルは不揮発性を有し書き換え可能であり、前記第2のメモリセルはメモリ制御情報のために設けられ、前記第1及び第2のメモリセルは、両メモリセルに対して共通なビット線及びソース線に接続されている。
【0012】
請求項3に記載の発明のように、前記第1のメモリセルは複数の前記ビット線と複数の第1ワード線とによりアレイ状に配置され、アドレス信号に基づいて前記複数の第1ワード線のうちの1つを活性化するデコーダを備え、前記第2のメモリセルは第2ワード線を介して前記デコーダに接続される。
【0013】
請求項4に記載の発明のように、前記第1のメモリセルと前記第2のメモリセルは、両メモリセルに対して共通なソース線を介して共通なソース電圧供給回路に接続される。
【0014】
請求項5に記載の発明のように、前記ビット線に接続され、前記第1のメモリセルの情報を読み出す読出し回路と、前記ビット線に接続され、前記第2のメモリセルの情報を読み出す読出し回路とが備えられる。
【0015】
請求項6に記載の発明は、外部番地が割り当てられた第1のメモリセルと、メモリ制御情報のために設けられ外部番地が割り当てられていない第2のメモリセルとが、両メモリセルに対して共通なビット線に接続された半導体記憶装置の制御方法であって、行デコーダにより前記第2のメモリセルをアクセスするステップと、前記行デコーダにより前記第1のメモリセルをアクセスするステップと
を含む。
【0016】
請求項7に記載の発明は、不揮発性を有し書き換え可能な第1及び第2のメモリセルを備え、第2のメモリセルはメモリ制御情報のために設けられ、第1のメモリセルには外部番地が割り当てられ、第2のメモリセルには外部番地が割り当てられておらず、両メモリセルに対して共通なビット線及びソース線に接続された半導体記憶装置の制御方法であって、行デコーダにより前記第2のメモリセルをアクセスするステップと、前記行デコーダにより前記第1のメモリセルをアクセスするステップとを含む。
【0017】
請求項8に記載の発明のように、前記第2のメモリセルをアクセスするステップは、前記第1のメモリセルをアクセスするステップに先立って実行される。
請求項9に記載の発明のように、前記第2のメモリセルの情報を読み出すステップは、前記第1のメモリセルの情報を読み出すステップを実行する読出し回路と異なる読出し回路にて実行される。
【0018】
請求項10に記載の発明のように、前記第2のメモリセルの情報を読み出すステップは、前記第1のメモリセルの情報を読み出すステップを実行する読出し回路にて実行される。
【0019】
【発明の実施の形態】
(第一実施形態)
以下、本発明を具体化した第一実施形態を図1〜図16に従って説明する。
【0020】
図1は、不揮発性半導体記憶装置(フラッシュメモリ,不揮発性メモリ)の概略構成を示すブロック図である。
フラッシュメモリ10は、メモリセルアレイ11を含む。メモリセルアレイ11には、後述する複数のメモリセルCeがアレイ状に配置される。メモリセルCeは、不揮発性を有するとともに書き換え可能なメモリセルである。
【0021】
メモリセルアレイ11は、隣接して設けられた第1領域(ユーザ領域)11aと第2領域(制御情報領域)11bとから構成されている。第1領域11aは外部番地が割り当てられた領域である。即ち、第1領域11aは、このフラッシュメモリ10が接続される(又は搭載される)CPU等の回路からアクセスされる領域である。第2領域11bは外部番地が割り当てられていない領域(制御情報領域)であり、この第2領域11bにはメモリ制御情報が記憶される。
【0022】
メモリ制御情報は動作制御パラメータであり、語構成,読み出し基準電流,内部発生電圧,制御パルス幅,等のパラメータ情報である。
第1領域11aは、複数の第1ワード線WLa と複数のビット線BLとにより複数のメモリセルCeがアレイ状に配置されている。また、第1領域11aには、行単位のメモリセル毎にそれぞれ一対の基準セル(図示略)が配置される。基準セルは、メモリセルCeの読み出し時に、その読み出しデータの判定のための基準となる電流を生成するためのセルである。第2領域11bは、本実施形態では1本の第2ワード線WLb と複数のビット線BLとにより複数のメモリセルCeが列状に配置されている。
【0023】
図3は、メモリセルアレイ11の一構成例を示す一部回路図である。
各ワード線WLa,WLbは、第1選択ワード線SWLxa と第2選択ワード線SWLxb とコントロールワード線CWLx(x=0〜n,nはワード線の本数)とから構成されている。即ち、図3において、第1ワード線WLa は第1選択ワード線SWL1a ,SWL2a と第2選択ワード線SWL1b ,SWL2b とコントロールワード線CWL1,CWL2とから構成され、第2ワード線WLb は第1選択ワード線SWL0a と第2選択ワード線SWL0b とコントロールワード線CWL0とから構成されている。
【0024】
第2領域11bは複数のメモリセルCe(図においてCe0a,Ce1a,Ce0b,Ce1b,Ce2a,Ce3a )が設けられている。列方向に沿って隣り合う2つのメモリセル(Ce0a,Ce1a)(Ce0b,Ce1b)(Ce2a,Ce3a)はビット線BL(図においてBL0,BL1,BL2 )を互いに共有している。また、各メモリセルCe0a,Ce1a,Ce0b,Ce1b、Ce2a、Ce3aは、列単位毎に分離されたソース線SL0a,SL0b,SL1a,SL1b,SL2a,SL2bがそれぞれ接続されている。
【0025】
列方向に並べられたメモリセルCe0a,Ce1a,Ce0b,Ce1b、Ce2a、Ce3aは、コントロールワード線CWL0に接続されている。
また、行単位毎の各メモリセルにおいて、ビット線BLを互いに共有する各2つのセルのうち、それぞれ一方のセルCe0a,Ce0b,Ce2aは、第1選択ワード線としての同一の選択ワード線SWL0a に接続され、他方のセルCe1a,Ce1b,Ce3aは、第2選択ワード線としての同一の選択ワード線SWL0b に接続されている。
【0026】
第1領域11aに設けられ列を構成する他のメモリセルCe0c,Ce1c,Ce0d,Ce1d,Ce2c,Ce3cも上記と同様に、選択ワード線SWL1a,SWL1b,SWL2a,SWL2b 、コントロールワード線CWL1,CWL2 、ビット線BL0,BL1,BL2 、ソース線SL0a,SL0b,SL1a,SL1b,SL2a,SL2bに接続されている。
【0027】
図1に示すように、第1ワード線WLa 及び第2ワード線WLb はXデコーダ12に接続され、ビット線BLは、第1の読出し回路としてのYパスゲート13及び第2の読出し回路としての制御情報読出回路14に接続されている。そして、図2に示すソース線SL0a〜SL2bはライトドライバ15に接続されている。
【0028】
フラッシュメモリ10は、第1〜第3の電圧発生回路16〜18を備えている。第1の電圧発生回路16は負電圧発生回路であって、コントロールワード線CWL に供給する第1制御電圧としての負電圧(本実施形態では例えば−9.3V)を生成してXデコーダ12に供給する。第2の電圧発生回路17は高電圧発生回路であって、コントロールワード線CWL に供給する第2制御電圧としての高電圧(本実施形態では例えば9.5V)を生成してXデコーダ12に供給する。第3の電圧発生回路18は高電圧発生回路であって、ソース線SLに供給する第1ソース電圧としての高電圧(本実施形態では例えば6.0V)を生成してライトドライバ15に供給する。第1〜第3の電圧発生回路16〜18は、オシレータ19によって駆動され、基準電圧発生回路20から供給される基準電圧に基づいて各電圧を発生させる。
【0029】
フラッシュメモリ10は、アドレス制御回路21を備えている。アドレス制御回路21には、アドレスバッファ21aとアドレスカウンタ21bとが備えられる。
【0030】
アドレスバッファ21aは、外部から供給される書き込みアドレスWD-ADDR をバイト単位[0:7] で取り込み、Xデコーダ12及びYデコーダ22にそれぞれ出力する。
【0031】
詳述すると、アドレスバッファ21aは、書き込み時にコントロールワード線CWL の選択に使用される書き込みアドレスWD-ADDR の上位5ビットをロウアドレスとしてXデコーダ12に出力する。Xデコーダ12は、それをデコードして複数のコントロールワード線CWL のうち何れか1つを選択する。
【0032】
また、アドレスバッファ21aは、書き込み時にソース線SLの選択に使用される書き込みアドレスWD-ADDR の下位3ビットをコラムアドレスとしてYデコーダ22に出力する。Yデコーダ22は、それをデコードして対応するソース電圧供給回路に書き込みデータを取り込み、ソース電圧を設定する。
【0033】
アドレスカウンタ21bは、8ビットの読出しデータR-MDATA[0:7]に対応するメモリセルCeを1ビット毎に選択するための3ビットの内部アドレスを発生する。従って、Yデコーダ22は、アドレスカウンタ21bから出力されるアドレスに基づいて、読み出し対象のメモリセルCeを順次選択し、第1の読出し回路としてのリードアンプ24で1ビットずつ読み出され8ビットある読出しデータ用ラッチに順次ラッチされる。
【0034】
フラッシュメモリ10はリード/ライト制御回路23を備えている。リード/ライト制御回路23には、ライトモード信号WRITE-MODE等の各種制御信号が入力され、該制御信号は特殊動作モードにて該フラッシュメモリ10を動作させるためのモード信号(本実施形態では、試験信号としてのテストモード信号TS)を含む。リード/ライト制御回路23は、各種制御信号に基づいて動作モードに対応して生成した制御信号を各回路に供給する。
【0035】
例えば、書き込み時に、リード/ライト制御回路23は、書込信号としてのライトモード信号WRITE-MODEに応答して書き込み動作に移行し、データ転送信号WRITE-MDATA に応答して書き込みデータW-MDATA の取り込みを開始する。
【0036】
そして、書き込み対象のメモリセルCeのデータを全て取り込んだ後、ライトスタート信号WRITE-START に応答して同一のコントロールワード線CWL に接続されるメモリセルCeに対して一括で書き込みを開始する。
【0037】
一方、読み出し時に、リード/ライト制御回路23は、リードリクエスト信号RD-REQに応答して読み出しを開始する。そして、読み出し対象のメモリセルCeから読み出されたデータがYパスゲート13からリードアンプ24へ出力され、リードアンプ24からバイト単位[0:7] の読み出しデータR-MDATA が出力される。
【0038】
制御情報読出回路14には読出制御回路25が接続されている。制御情報読出回路14は、セルアレイ11の第2領域11bに記憶されたメモリ制御情報を読み出す回路であり、読出制御回路25が設定するタイミングに従って第2領域11bからメモリ制御情報を読み出す。そのタイミングは、フラッシュメモリ10の初期化処理である。即ち、制御情報読出回路14はフラッシュメモリ10の初期化処理の時に第2領域11bからメモリ制御情報を読み出す。して、制御情報読出回路14は、その読み出したメモリ制御情報をラッチするとともにそれを設定する回路へ出力する。本実施形態では、メモリ制御情報として記憶された読み出し基準電流の設定値を読出し、該設定値をリードアンプ24へ出力する。
【0039】
尚、フラッシュメモリ10にラッチ回路を備え、制御情報読出回路14が有するラッチ機能をそのラッチ回路により実現しても良い。また、メモリ制御情報として第2領域11bに記憶された内部発生電圧の設定値を読出し、該設定値を電圧発生回路16〜18、基準電圧発生回路20、等に出力するようにしてもよい。
【0040】
上記のメモリ制御情報の書き込みは、通常では使用されないモード(本実施形態ではテストモード)の時にのみ行われる。詳述すると、リード/ライト制御回路23はテストモード信号TSに応答して制御信号をXデコーダ12に出力する。Xデコーダ12は、外部からの書き込みアドレスWD-ADDR に基づいて複数の第1ワード線WLa のうちの1つを選択し活性化するデコーダ部12aと、リード/ライト制御回路23から供給される制御信号に応答して第2ワード線WLb を活性化するドライバ部12bとを含む。即ち、第2ワード線WLb に接続されたメモリセルCeは、テストモード時に活性化される。そのモード時において、外部から供給される書き込みデータW-MDATA がライトドライバ15及びビット線BLを介して活性化したメモリセルCeに供給され、該第2領域11bのメモリセルCeにメモリ制御情報として記憶される。
【0041】
そして、メモリセルCeに記憶されたメモリ制御情報は、フラッシュメモリ10の初期化処理時に読み出され、リードアンプ24に設定される。リードアンプ24は、設定値に基づいて回路を調整する。そして、通常動作モードにおいて、リードアンプ24はその調整した回路にて第1領域11aからビット線BL及びYパスゲート13を介して読み出されたデータを増幅した読み出しデータR-MDATA を出力する。
【0042】
また、第1領域11aのメモリセルCeには、第2領域11bのメモリセルCeと同様に、外部から供給される書き込みデータW-MDATA がライトドライバ15及びビット線BLを介して活性化したメモリセルCeに供給され、該メモリセルCeに記憶される。
【0043】
即ち、本実施形態のフラッシュメモリ10は、メモリ制御情報を記憶する第2領域11bがユーザのデータを記憶する第1領域11aに隣接して設けられ、各領域11a,11bのメモリセルCeへの書き込みのための回路(ライトドライバ15)が共有化されている。従って、ユーザのためのメモリ領域とメモリ制御情報を記憶するためのメモリ領域(制御情報領域)とが離れて形成される場合に比べて、フラッシュメモリ10の回路面積は増大しない。
【0044】
図2は、フラッシュメモリ10の詳細な構成を示す一部ブロック図である。
尚、図2には、第1領域11aに割り当てられた2つのメモリセルCeと、第2領域11bに割り当てられた2つのメモリセルCeを図示している。これらメモリセルCeは、図3に示す選択ワード線SWL0a とビット線BL0,BL1 とに接続されたメモリセル(図においてCe0a,Ce0b )と、選択ワード線SWL1a とビット線BL0,BL1 に接続されたメモリセル(図においてCe0c,Ce1c )に対応している。
【0045】
ライトドライバ15は、列方向のメモリセルCe毎に、それらに接続されるソース線SLにそれぞれ対応してソース電圧供給回路32,33を備えている。尚、各ソース電圧供給回路32,33はそれぞれ同様に構成されている。
【0046】
詳述すると、ソース電圧供給回路32,33は、メモリセルCe0a,Ce0c ,Ce0b,Ce0d に接続されるソース線SL(図3においてソース線SL0a,SL1a )にそれぞれ対応して設けられている。ソース電圧供給回路32,33は、外部からバイト単位[0:7] で供給される書き込みデータW-MDATA を、Yデコーダ22によるアドレスのデコード結果に基づいて取り込む。そして、ソース電圧供給回路32,33は、取り込んだデータ(“0”又は“1”)に対応する第1又は第2ソース電圧をソース線SLに供給する。
【0047】
Yパスゲート13には、Y選択ゲート34が備えられている。
Y選択ゲート34は、Yデコーダ22からのデコード信号に基づいて一対のビット線BL0 を活性化する。そして、Y選択ゲート34は、その一対のビット線BL0 を介して1つのメモリセルCe0cから読出したデータに基づいて読み出し信号RDB を出力する。
【0048】
リードアンプ24は、読出基準電流発生回路35とセンスアンプ36とを備えている。
読出基準電流発生回路35は、基準セル用Y選択ゲート(図示略)読み出し信号を入力し、データ“0”の読み出し電流(第1基準電流)である第1基準信号SAref0と、データ“1”の読み出し電流(第2基準電流)である第2基準信号SAref とを生成する。
【0049】
センスアンプ36は、第1及び第2基準信号SAref0,SAref に基づいて生成した読み出し基準電流と、Y選択ゲート34から出力される読み出し信号RDB に基づいて生成した読み出し電流とを比較する。そして、その比較結果に基づいてメモリセルCe0cのデータが“1”か“0”かを判定し、読み出しデータRDATABを出力する。
【0050】
Xデコーダ12には、ワード線印加電圧選択回路37と、デコーダ部12aを構成するワード線ドライバ38と、ドライバ部12bを構成するワード線ドライバ39とが備えられている。
【0051】
ワード線印加電圧選択回路37は、コントロールワード線CWL に供給する印加電圧VCWLを選択して出力する。具体的には、イレース時に、第1の電圧発生回路16から供給される負電圧の第1制御電圧を選択し、読み出し時に、読出基準電流発生回路35から供給される読み出し電圧VCWL-RD を選択してワード線ドライバ38,39に出力する。
【0052】
ワード線ドライバ38は、第1領域11aに対する書き込み時に、Xデコーダ12による書き込みアドレスWD-ADDR のデコード結果に基づいて、何れか1つのコントロールワード線CWL を選択する。そして、イレース時には負電圧の第1制御電圧を供給し、プログラム時には第2の電圧発生回路17により生成される高電圧の第2制御電圧を供給し、読み出し時には読み出し電圧VCWL-RD を供給する。
【0053】
ワード線ドライバ38は、第2領域11bに対する書き込み時に、図1のリード/ライト制御回路23からの制御信号に基づいてコントロールワード線CWL0を選択する。そして、イレース時には負電圧の第1制御電圧を供給し、プログラム時には第2の電圧発生回路17により生成される高電圧の第2制御電圧を供給し、読み出し時には読み出し電圧VCWL-RD を供給する。
【0054】
制御情報読出回路14は、一対のビット線BL0,BL1 に接続されている。
制御情報読出回路14は、第2領域11bのメモリセルCe0a,Ce0b にそれぞれ書き込まれているデータを、それらに接続されているビット線BL0,BL1 を介して読み出し、各データの極性を判定する。
【0055】
詳述すると、テストモード時、メモリCe0a,Ce0b には、互いに反転した極性となるようにデータ“0”とデータ“1”がそれぞれ書き込まれる。制御情報読出回路14は、初期化処理の時に、各メモリセルCe0a,Ce0b からそれぞれ読み出したデータをラッチし、両データに基づいて流れる電流を比較して“1”又は“0”のメモリ制御情報を出力する。
【0056】
第1領域11aのメモリセルCeの読出しについて説明する。
フラッシュメモリ10は、リファレンス制御回路を備え、該リファレンス制御回路には、基準セル読出回路、基準セル書込データ発生回路及び基準セル用Yデコーダが備えられている。(何れも図示略)
基準セル読出回路は、2つの基準セルにそれぞれ書き込まれているデータを、それらに接続されている一対のビット線を介して読み出し、各データの極性を判定する。
【0057】
詳述すると、メモリセルCeの書き込み時、基準セルには、互いに反転した極性となるようにデータ“0”とデータ“1”がそれぞれ書き込まれる。基準セル読出回路は、メモリセルCeの書き込みに先立って、各行の基準セルからそれぞれ読み出したデータをラッチして、どちらにデータ“1”が書き込まれているかを判定し、その極性を示す極性信号を出力する。
【0058】
基準セル書込データ発生回路は、基準セル読出回路からの極性信号に基づいて、現在書き込まれているデータとはそれぞれ逆の極性で各基準セルに書き込みが行われるように、基準セル用書き込みデータを生成する。
【0059】
従って、基準セルには、メモリセルCeの書き込み毎に、現在のデータと逆の極性になるようにデータが書き込まれる。書き込み毎にデータを反転させるのは、基準電流を生成するための各基準セルの閾値の分布を所定の範囲内におさめることが望ましいからである。
【0060】
基準セル用Yデコーダは、基準セル読出回路からの極性信号に基づいて、基準セルに現在書き込まれているデータ(“1”又は“0”)に応じたデコード信号を生成する。
【0061】
ライトドライバ15には、列方向のセル(メモリセルCe,基準セル)毎に、それらに接続されるソース線SLにそれぞれ対応してソース電圧供給回路32,33及び基準セル用のソース電圧供給回路が備えられている。尚、基準セル用のソース電圧供給回路は、ソース電圧供給回路32,33と同様に構成されている。
【0062】
そして、基準セル用のソース電圧供給回路は、基準セルに接続されるソース線にそれぞれ対応して設けられ、基準セル書き込みデータ発生回路から供給される基準セル用書き込みデータ(互いに逆の極性を持つデータ)を取り込む。そして、それぞれ取り込んだデータ(“0”又は“1”)に対応する第1又は第2ソース電圧を各ソース線に供給する。
【0063】
そして、Yパスゲート13は、上記したY選択ゲート34と共に、基準セル用Y選択ゲートを備えている。基準セル用Y選択ゲートは、基準セル用Yデコーダからのデコード信号に基づいて、基準セル用のビット線をデコードし、データ“0”の基準セルからの読み出し信号とデータ“1”の基準セルからの読み出し信号とを出力する。
【0064】
つまり、セルアレイ11は、第1領域11aと第2領域11bとを備え、第1領域11aには、通常アクセスされるメモリセルCeと、そのメモリセルCeからの読出しデータの判定に基準となる電流を生成するための基準セルとを備えている。そして、第1領域11aから1ビットの読出しデータが基準セルにより読み出される。
【0065】
第2の領域11bには、所定のモード時にアクセスされるメモリセルCeを備え、一対のメモリセルCeには逆極性のデータが記憶される。そして、第2領域11bの2つのメモリセルCeから同時にデータが読み出され、該データに基づいて1ビットのメモリセル情報が制御対象回路に供給される。
【0066】
図4は、一実施形態のメモリセルを示す説明図である。
メモリセルCeは、本実施形態では単層ポリシリコン構造のフラッシュメモリセルであって、メモリトランジスタ41、セレクトトランジスタ42及びMOS容量43の3素子から構成されている。
【0067】
図4(a)〜(c)に示すように、メモリトランジスタ41は、例えばP型基板44にフローティングゲート45をゲートとするNMOSトランジスタで構成され、そのソースはソース線SLに接続されている。
【0068】
セレクトトランジスタ42は、基板44にセレクトゲート46をゲートとするNMOSトランジスタ(図4(b),(c)では図示せず)で構成され、そのソースはビット線BLに接続され、セレクトゲート46は選択ワード線SWL に接続されている。メモリトランジスタ41とセレクトトランジスタ42のドレインは互いに接続されている。
【0069】
MOS容量43は、基板44にコントロールゲート47としてのN型拡散層を形成し、該コントロールゲート47の上に絶縁層を隔ててフローティングゲート45を形成することで構成される。コントロールゲート47は、基板44のトリプルウェル内(図中、Nウェル48に形成されるPウェル49内)に形成されている。コントロールゲート47は、コントロールワード線CWL に接続されている。因みに、本実施形態の単層ポリシリコン構造のメモリセルCeにおいて、単にワード線という場合には、コントロールワード線CWL のことを意味する。
【0070】
このようなメモリセルCeにおいて、本実施形態では、フローティングゲート45に電子が蓄積される状態(閾値の高い状態)をデータ“0”、逆に、フローティングゲート45に電子が蓄積されない状態(閾値の低い状態)をデータ“1”に対応させて書き込みを行う場合を想定する。
【0071】
メモリセルCeへの書き込みは消去(イレース)とプログラムの2つの操作からなる。
イレースは、フローティングゲート45から電子を引き抜いて、メモリセルCe(メモリトランジスタ41)の閾値を低くする操作である。換言すれば、イレースは、データ“0”からデータ“1”にメモリセルCeのデータを書き換える操作である。
【0072】
図4(b)に示すように、イレースは、メモリトランジスタ41のソースに第1ソース電圧としての高電圧(例えば6.0V)を印加し、コントロールゲート47に第1制御電圧としての負電圧(例えば−9.3V)を印加して行う。ここで、Pウェル49はコントロールゲート47と同電位(例えば−9.3V)、Nウェル48は例えば6.0Vに設定される。
【0073】
この場合、フローティングゲート45の電位は容量結合によっておよそ−8.2Vまで引き下げられ、ソース−フローティングゲート45間におよそ14.2Vの高電圧が印加される。その結果、FNトンネル電流(図に矢印で示す)が流れてフローティングゲート45から電子が引き抜かれ、メモリセルCe(メモリトランジスタ41)の閾値が低下する。従って、メモリセルCeは、データ“0”からデータ“1”に書き換えられる。
【0074】
一方、プログラムは、フローティングゲート45に電子を注入して、メモリセルCe(メモリトランジスタ41)の閾値を高くする操作である。換言すれば、プログラムは、データ“1”からデータ“0”にメモリセルCeのデータを書き換える操作である。
【0075】
図4(c)に示すように、プログラムは、メモリトランジスタ41のソースに第2ソース電圧としての接地電圧(0.0V)を印加し、コントロールゲート47に第2制御電圧としての高電圧(例えば9.5V)を印加して行う。ここで、Pウェル49は接地電圧(0.0V)、Nウェル48は例えば6.0Vに設定される。
【0076】
この場合、フローティングゲート45の電位は容量結合によっておよそ11.3Vまで引き上げられ、ソース−フローティングゲート45間におよそ11.3Vの高電圧が印加される。その結果、FNトンネル電流(図に矢印で示す)が流れてフローティングゲート45に電子が注入され、メモリセルCe(メモリトランジスタ41)の閾値が高くなる。従って、メモリセルCeは、データ“1”からデータ“0”に書き換えられる。
【0077】
尚、本実施形態では単層ポリシリコン構造のメモリセルCeに具体化したが、2層ポリシリコン構造(ゲート酸化膜中にフローティングゲートを電気的に分離して埋め込み、フローティングゲートとコントロールゲートとを積み上げた構造;スタック型ともいう)のメモリセルに具体化してもよい。
【0078】
単層構造のメモリセルCeは2層構造(スタック型)のメモリセルに比べてセル面積は大きくなるが、ポリシリコン1層化にともなうプロセス工程の削減を図ることができる。従って、小容量メモリ用途を対象とし、ダイサイズに対するメモリセルの占める割合が小さい場合には好適な構造である。
【0079】
次に、本実施形態のメモリセルCeの書き込み方法の原理を説明する。
図5に示すように、メモリセルアレイ11は複数のメモリセルCeをアレイ状に配置して形成される。
【0080】
各メモリセルCeのソースは、列単位のセル毎に分離され、それぞれソース線SL(図においてSL0〜SL3)に接続されている。各メモリセルCeのコントロールゲート47は、行単位のセル毎にそれぞれ共通のコントロールワード線CWL (図においてCWL0,CWL1)に接続されている。尚、同図では、セレクトトランジスタ42は省略している。
【0081】
このようなメモリセルアレイ11において、メモリセルCeへの書き込み(イレース/プログラム)は、選択された何れか1つのコントロールワード線CWL に接続される行単位のメモリセルCeに対して一括して行われる。
【0082】
その原理を説明すると、書き込み時に、ソース線SL0〜SL3には、各メモリセルCeの書き込みデータ(“1”又は“0”)にそれぞれ対応する電圧が供給される。ここでは、ソース線SL1,SL3にデータ“1”に対応する高電圧(例えば6.0V)の第1ソース電圧が供給され、ソース線SL0,SL2にデータ“0”に対応する接地電圧(0.0V)の第2ソース電圧が供給される場合を想定する。
【0083】
この状態で、先ず、選択された何れか1つのコントロールワード線CWL (ここでは例えばCWL0)に負電圧(例えば−9.3V)の第1制御電圧が供給される。
すると、書き込みデータ“1”に対応する第1ソース電圧がソースに印加されているメモリセルCeは、トンネル電流が流れてフローティングゲート45から電子が引き抜かれ、イレースされる(図4(b)参照)。すなわち、書き込みデータ“0”に対応する第2ソース電圧がソースに印加されているメモリセルCeはイレースされない。
【0084】
次に、ソース線SL0〜SL3に供給されている各電圧をそれぞれ維持したまま、コントロールワード線CWL0に高電圧(例えば9.3V)の第2制御電圧が供給される。
【0085】
すると、書き込みデータ“0”に対応する第2ソース電圧がソースに印加されているメモリセルCeは、トンネル電流が流れてフローティングゲート45に電子が注入され、プログラムされる(図4(c)参照)。すなわち、書き込みデータ“1”に対応する第1ソース電圧がソースに印加されているメモリセルCeはプログラムされない。
【0086】
従って、このような方法では、書き込みデータ(“1”又は“0”)に応じてあらかじめ各ソース線SL0〜SL3に供給される電圧に基づいて、同一のコントロールワード線CWL0に接続される全てのメモリセルCeに一括で書き込み(イレース/プログラム)が行われる。
【0087】
以下、各回路の詳細を説明する。
図6は、メモリセルCeの回路図である。上述した図4と同様な構成部分については説明を省略する。
【0088】
メモリセルCe(メモリトランジスタ41)のソースには、書き込み時/読み出し時にそれぞれ対応するソース電圧ARVSS がソース線SLを介してソース電圧供給回路32(又は33)から供給される。
【0089】
フローティングゲート電位FGは、メモリセルCeに書き込まれているデータに応じて、データ“1”の時は3.0V付近、データ“0”の時は0.0V付近に設定される。Nウェル電位VNW は書き込み時に例えば6.0Vに設定される。Pウェル電位VPW はイレース時/プログラム時に応じて、イレース時にはコントロールゲート47と同電位、プログラム時には接地電位に設定される。
【0090】
図7は、ソース電圧供給回路32の一構成例を示す回路図である。尚、ソース電圧供給回路33も同様に構成されている。
ソース電圧供給回路32は、ラッチ回路32aを含み、書き込みアドレスWD-ADDR をデコードしたYデコーダ22からのデコード信号YTi に基づいて外部から供給される書き込みデータW-MDATA を反転したデータWDBjを取り込み、ラッチ回路32aにラッチする。
【0091】
ラッチ回路32aの出力信号は、トランジスタTp1(PMOSトランジスタ)とトランジスタTn1(NMOSトランジスタ)のゲートに入力される。トランジスタTp1のソースは電源VSに接続され、トランジスタTn1のソースは接地電源ARGND に接続される。
【0092】
トランジスタTp1,Tn1の間にはトランジスタTp2(PMOSトランジスタ)が直列に介在され、該トランジスタTp2のゲートには基準電圧ARVREFが入力される。そして、トランジスタTp2,Tn1の接続点からソース電圧ARVSS が出力されるようになっている。
【0093】
電源VSは、書込信号(ライトスタート信号WRITE-START )に応答して電圧制御される。本実施形態では、電源VSは、ラッチ回路32aによるデータWDBjの取り込み時に例えば3.0Vに設定され、書き込み時(データWDBjのラッチ後)には第3の電圧発生回路18により生成される高電圧(例えば6.0V)の第1ソース電圧に設定される。トランジスタTp2は、基準電圧ARVREFに基づいて、書き込み時にメモリセルCeに流れる電流量を制御する。
【0094】
この構成では、ソース電圧供給回路32は、ラッチ回路32aに取り込まれるデータWDBj(反転信号)に対応したソース電圧ARVSS を供給する。すなわち、取り込んだデータWDBjがデータ“0”の場合には高電圧の第1ソース電圧(図において電源VS)を供給し、逆に、データ“1”の場合には接地電圧の第2ソース電圧(図において接地電源ARGND )を供給する。即ち、ソース電圧供給回路32は、書込データであるデータWDBjに対応して電源VS又は接地電源ARGND をソース電圧ARVSS としてソース線SLに供給する。従って、トランジスタTp1,Tp2は、書込信号(ライトスタート信号WRITE-START )に応答して電圧制御される電源VSを入力し、書込データ(データWDBj)に対応して電源VSをソース線SLに供給する出力部32bを構成する。
【0095】
図8は、制御情報読出回路14の一構成例を示す回路図であり、図9は、その動作波形図である。
制御情報読出回路14は、制御情報記憶部としてのラッチ回路14aと、データ出力回路14b,14cとを含む。
【0096】
ラッチ回路14aの一方のノードaは、トランジスタTn2(NMOSトランジスタ)を介してビット線BL(0)に接続されるとともにデータ出力回路14bと接続されている。また、ラッチ回路14aの他方のノードbは、トランジスタTn3(NMOSトランジスタ)を介してビット線BL(1)に接続されるとともにデータ出力回路14cと接続されている。
【0097】
各トランジスタTn2,Tn3は、それぞれ閾値の低いトランジスタで構成され、それらのゲートには第2領域11bのメモリセルCe0a,Ce0b の読み出し時にバイアス信号NBIAS が供給される。(以下、同様な閾値が設定されるトランジスタについては、図面において同様に示す)。
【0098】
ラッチ回路14aには電源VC-CAM及び接地電源ARGND が供給され、このラッチ回路14aは、読み出し時にラッチ信号LATCH に基づいてノードa,bの電位、すなわち第2領域11bのメモリセルCe0a,Ce0b から読み出される互いに相補な読み出しデータをラッチする。
【0099】
その読み出し動作について詳述すると、制御情報読出回路14は、図9に示すように、まずラッチ回路14aのラッチ状態をラッチ信号LATCH に従って解除する。次いで、第2領域11bのメモリセルCe0a,Ce0b に接続されている選択ワード線SWL0a又は選択ワード線SWL0bf (図2参照)が選択される(アクティブになる)と同時に制御信号RDcam に基づいてデータ出力回路14b,14cを非活性にする。
【0100】
次に、トランジスタTn2,Tn3の互いのドレインを短絡するショート信号SRT に基づいてノードa,bをイコライズ(等電位にする)した後、それを解除することで、第2領域11bのメモリセルCe0a,Ce0b の読み出しデータを増幅する。すなわち、ノードa,b間には、各ビット線BL0,BL1 に流れる第2領域11bのメモリセルCe0a,Ce0b の読み出し電流によって次第に電位差が生じる。
【0101】
その後、ラッチ信号LATCH によってラッチ回路14aにラッチした第2領域11bのメモリセルCe0a,Ce0b の読み出しデータを、制御信号RDcam に基づいてそれぞれ判定信号DB-CAM(極性信号REF-REV ),D-CAM としてデータ出力回路14b,14cから出力する。
【0102】
図10は、センスアンプ36の一構成例を示す回路図である。
センスアンプ36は、読み出し基準電流生成部36aと読み出し電流生成部36bとを含む。
【0103】
読み出し基準電流生成部36aは、読出基準電流発生回路35からの第1及び第2基準信号SAref0,SAref と、第2領域11bのメモリセルから読み出されたメモリ制御情報に対応する選択信号TRIM-IREF[0:3]とに基づいて読み出し基準電流Irefj を生成する。読み出し電流生成部36bは、Y選択ゲート34からの読み出し信号RDB に基づいて読み出し電流Irefを生成する。
【0104】
詳述すると、読み出し基準電流生成部36aは定電流部61と第1〜第4定電流部62〜65とを含み、定電流部61に入力される第1基準信号SAref0に基づいて第1基準電流Iref0 を発生させる。
【0105】
第1〜第4定電流部62〜65は、それらを構成するトランジスタのサイズが異なり、第1定電流部62の駆動能力に対して、第2定電流部63は2倍、第3定電流部64は4倍、第4定電流部65は8倍の駆動能力を有している。
【0106】
読み出し基準電流生成部36aは、選択信号TRIM-IREF によって第1〜第4定電流部62〜65のうち少なくとも何れか1つを駆動し、それに入力される第2基準信号SAref に基づいて、第2基準電流Iref1 を定数j(0<j<1)倍した電流を発生させる。従って、読み出し基準電流生成部36aは、メモリ制御情報に対応する選択信号TRIM-IREF に応じて、読み出し基準電流Irefj を「第1基準電流Iref0 +第2基準電流Iref1 ×定数j」の合算電流として生成する。
【0107】
このように構成されたセンスアンプ36は、ノードcに流れ込む読み出し基準電流Irefj と、ノードcから流れ出す読み出し電流Irefとを比較することで、読み出し対象のメモリセルCeのデータが“1”であるか“0”であるかを判定する。即ち、ノードcから流れ出すメモリセルCeの読み出し電流Irefに応じて推移するノードcの電位(Hレベル又はLレベル)を検出することでデータ判定し、その判定結果を示す読み出しデータRDATABを出力する。
【0108】
尚、同図に破線で示す回路36cは、テストモード時に対応して設けられ、該テストモード時に読み出しデータRDATABを読み出し信号R-ANA-OUT として外部に出力する。
【0109】
図11は、ワード線印加電圧選択回路37の一構成例を示す回路図であり、図12は、その動作波形図である。
イレース時において、トランジスタTn6(NMOSトランジスタ)のソース及びバックゲート(Pウェル)と、トランジスタTn7,Tn8(NMOSトランジスタ)のバックゲート(Pウェル)には、第1の電圧発生回路16から負電圧(−9.3V)の第1制御電圧R-NEGPが供給される。
【0110】
トランジスタTn6,Tn7のゲートには制御信号NGNDB が供給される。制御信号NGNDB は、複数の制御信号RDmem,ENVPXGD,NEGPL に基づいて生成される。
ここで、制御信号RDmem は読み出し時にHレベルとなる信号、制御信号ENVPXGD はプログラム時にHレベルとなる信号、制御信号NEGPL はイレース時に第1制御電圧R-NEGPが所定の電圧以下(例えば−3.0V以下)に低下するとLレベルとなる信号である。
【0111】
従って、イレース時に、制御信号NGNDB はLレベル(具体的には接地電圧)になり、第1制御電圧R-NEGPの供給に基づいてトランジスタTn6,Tn7はオンされる。
【0112】
このとき、トランジスタTn7のドレイン電位、すなわち制御信号NEGPGND は負電圧の第1制御電圧R-NEGPと略等電位になり、その制御信号NEGPGND によってトランジスタTn8はオフされる。よって、イレース時に、ワード線印加電圧選択回路37は、負電圧(−9.3V)の第1制御電圧R-NEGPを印加電圧VCWLとして出力する。
【0113】
この際、上記したように、トランジスタTn6のゲートに入力される制御信号NGNDB は接地電圧となるため、該トランジスタTn6のソース−ゲート間に耐圧を超える高電圧が印加されることはない。
【0114】
プログラム時には、Hレベルの制御信号ENVPXGD に基づいて制御信号NGNDB はLレベル(接地電圧)となる。このとき、第1制御電圧R-NEGPは0Vとなり、トランジスタTn6,Tn7はオフされる。
【0115】
また、制御信号NEGPGND はHレベルとなるためトランジスタTn8はオンされるが、このとき読み出し電圧VCWL-RD は読出基準電流発生回路35によってフローティング状態になるように制御されており、印加電圧VCWLは、図12に示すようにフローティング電位(例えば約2.5V)となる。
【0116】
読み出し時には、制御信号RDmem に基づいて制御信号NGNDB は同様に接地電圧となり、プログラム時と同様、トランジスタTn6,Tn7はオフされ、トランジスタTn8はオンされる。よって、読み出し時に、ワード線印加電圧選択回路37は、読出基準電流発生回路35から供給される読み出し電圧VCWL-RD を印加電圧VCWLとして出力する。
【0117】
尚、同図に破線で示す回路37aは、読み出し電流を測定するテストモード時に対応して設けられ、該テストモード時には試験信号T-ACに基づいて転送ゲートTG1がオフされるとともに転送ゲートTG2がオンされる。そして、外部から試験用の入力信号R-ANA-INが供給され、該入力信号R-ANA-INが印加電圧VCWLとして出力されるようになっている。
【0118】
図13は、ワード線ドライバ38の一構成例を示す回路図であり、図14は、その動作波形図である。
ワード線ドライバ38は、書き込み(イレース/プログラム)時に、書き込みアドレスWD-ADDR (図1参照)に基づいて発生されるプリデコード信号XD0〜XD2によって、何れか1つのコントロールワード線CWLiを選択する。また、読み出し時には、図示しない読み出しアドレスに基づいて生成されるデコード信号YD2(1),YD2(0) によって、選択ワード線SWLia又は選択ワード線SWLib(i=1,2,…)を選択する。
【0119】
ワード線ドライバ38はラッチ回路38aを含み、該ラッチ回路38aには、制御信号NPS 及び第1制御電圧R-NEGPが供給される。ラッチ回路38aは、プリデコード信号XD0〜XD2によって生成される制御信号NENBに基づいて制御信号NEN をラッチする。具体的には、制御信号NPS の電圧レベルを持つ制御信号NEN を発生させる。
【0120】
上記したように、制御信号NEGPL は、イレース時に第1制御電圧R-NEGPが所定の電圧以下(例えば−3.0V以下)に低下するとLレベルとなり、該制御信号NEGPL に基づいて制御信号NPS はLレベル(具体的には接地電圧)となる。従って、ラッチ回路38aは、制御信号NPS に基づいて接地電圧となる制御信号NEN を発生させる。因みに、このとき、制御信号NGNDの電圧レベルは第1制御電圧R-NEGPと等電位となっているため、ラッチ回路38aのラッチ状態は維持される。
【0121】
このようなラッチ回路38aにより生成される制御信号NEN は、第1トランジスタとしてのトランジスタTn9(NMOSトランジスタ)のゲートに入力される。そのトランジスタTn9のソースには印加電圧VCWLが供給され、該トランジスタTn9のバックゲート(Pウェル)には負電圧(−9.3V)の第1制御電圧R-NEGPが供給される。
【0122】
従って、イレース時にトランジスタTn9はオンされ、図14に示すように、プリデコード信号XD0〜XD2によって選択された何れか1つのコントロールワード線CWLiには印加電圧VCWL(具体的には第1制御電圧R-NEGP)が供給される。
【0123】
この際、上記したように、トランジスタTn9のゲートに入力されるゲート電圧(制御信号NEN )は接地電圧となるため、該トランジスタTn9のソース−ゲート間に耐圧を超える高電圧が印加されることはない。
【0124】
このようなイレース時には、制御信号NEGPL-ERによりトランジスタTn10がオンされ、メモリセルCeのPウェル電位VPWi(図6参照)は印加電圧VCWL(−9.3V)となる。
【0125】
プログラム時には、ワード線ドライバ38に第2の電圧発生回路17から高電圧(+9.5V)の第2制御電圧VPX が供給される。この第2制御電圧VPX は第2トランジスタとしてのトランジスタTp3(PMOSトランジスタ)のソースに供給される。
【0126】
そのトランジスタTp3のゲートには制御信号XINBT が供給される。この制御信号XINBT は、プログラム時にプリデコード信号XD0〜XD2によってLレベルとなる。
【0127】
従って、プログラム時にトランジスタTp3はオンされ、図14に示すように、プリデコード信号XD0〜XD2によって選択された何れか1つのコントロールワード線CWLiには高電圧(+9.5V)の第2制御電圧VPX が供給される。
【0128】
この際、トランジスタTn9もオンするが、上記したように、プログラム時には印加電圧VCWLはフローティング電位(例えば約2.5V)に制御される(図12参照)ため、コントロールワード線CWLiに異常電流が流れることはない。
【0129】
このようなプログラム時には、制御信号NGNDによりトランジスタTn11がオンされることによって、メモリセルCeのPウェル電位VPWi(図6参照)は接地電圧となる。
【0130】
次に、上記のように構成されたフラッシュメモリ10の書き込み動作を図15に従って詳述する。
図15(a)は、データ“0”が現在書き込まれているメモリセルCeに対して、データ“0”を書き込む場合の動作を示す。この場合、メモリセルCeのソースには、書き込むべきデータ“0”に対応する接地電圧(0.0V)の第2ソース電圧が供給される。
【0131】
この状態で、先ず、コントロールワード線CWL に負電圧(−9.3V)の第1制御電圧が供給される。このとき、ソース−フローティングゲート間の電位差はおよそ8.2VとなりFNトンネル電流は流れない。従って、メモリセルCeはイレースされず、フローティングゲートの電荷量は変化しない。
【0132】
次いで、ソース電圧が0.0Vに維持されたまま、コントロールワード線CWL に高電圧(+9.5V)の第2制御電圧が供給される。このとき、ソース−フローティングゲート間の電位差はおよそ8.2VとなりFNトンネル電流は流れない。従って、フローティングゲートの電荷量は変化しない。よって、この場合には、書き込み前のメモリセルのデータ“0”が保持される。
【0133】
図15(b)は、データ“0”が現在書き込まれているメモリセルCeに対して、データ“1”を書き込む場合の動作を示す。この場合、メモリセルCeのソースには、書き込むべきデータ“1”に対応する高電圧(6.0V)の第1ソース電圧が供給される。
【0134】
この状態で、先ず、コントロールワード線CWL に負電圧(−9.3V)の第1制御電圧が供給される。このとき、ソース−フローティングゲート間におよそ14.2Vの電圧が印加され、FNトンネル電流が流れる。従って、フローティングゲートの電子が引き抜かれてメモリセルCeはイレースされる。
【0135】
次いで、ソース電圧が6.0Vに維持されたまま、コントロールワード線CWL に高電圧(+9.5V)の第2制御電圧が供給される。このとき、ソース−フローティングゲート間の電位差はおよそ5.3VとなりFNトンネル電流は流れない。従って、メモリセルCeはプログラムされず、フローティングゲートの電荷量は変化しない。よって、この場合には、イレースのみ行われ、書き込み前のメモリセルのデータ“0”はデータ“1”に書き換えられる。
【0136】
図15(c)は、データ“1”が現在書き込まれているメモリセルCeに対して、データ“0”を書き込む場合の動作を示す。この場合、メモリセルCeのソースには、書き込むべきデータ“0”に対応する接地電圧(0.0V)の第2ソース電圧が供給される。
【0137】
この状態で、先ず、コントロールワード線CWL に負電圧(−9.3V)の第1制御電圧が供給される。このとき、ソース−フローティングゲート間の電位差はおよそ5.3VとなりFNトンネル電流は流れない。従って、フローティングゲートの電荷量は変化しない。
【0138】
次いで、ソース電圧が0.0Vに維持されたまま、コントロールワード線CWL に高電圧(+9.5V)の第2制御電圧が供給される。このとき、ソース−フローティングゲート間におよそ11.3Vの電圧が印加され、FNトンネル電流(ソース−チャネル間)が流れる。従って、フローティングゲートに電子が注入されてメモリセルCeはプログラムされる。よって、この場合には、プログラムのみ行われ、書き込み前のメモリセルのデータ“1”はデータ“0”に書き換えられる。
【0139】
図15(d)は、データ“1”が現在書き込まれているメモリセルCeに対して、データ“1”を書き込む場合の動作を示す。この場合、メモリセルCeのソースには、書き込むべきデータ“1”に対応する高電圧(6.0V)の第1ソース電圧が供給される。
【0140】
この状態で、先ず、コントロールワード線CWL に負電圧(−9.3V)の第1制御電圧が供給される。このとき、ソース−フローティングゲート間におよそ11.3Vの電圧が印加され、微量のFNトンネル電流が流れる(実際には殆ど流れない)。従って、フローティングゲートの電荷量は実質的に変化しない。
【0141】
次いで、ソース電圧が6.0Vに維持されたまま、コントロールワード線CWL に高電圧(+9.5V)の第2制御電圧が供給される。このとき、ソース−フローティングゲート間の電位差はおよそ5.6VとなりFNトンネル電流は流れない。従って、メモリセルCeはプログラムされず、フローティングゲートの電荷量は変化しない。よって、この場合には、書き込み前のメモリセルのデータ“1”が保持される。
【0142】
次に、上記のように構成されたフラッシュメモリ10の作用を図16に従って説明する。
図16は、フラッシュメモリ10の動作フローチャートである。
【0143】
先ず、Xデコーダ12は、制御情報領域である第2領域11bを選択する(ステップ101)。詳しくは、Xデコーダ12のドライバ部12bを構成するワード線ドライバ39は、選択ワード線SWL0a 又は選択ワード線SWL0b と、コントロールワード線CWL0を活性化する。
【0144】
次に、制御情報読出回路14は、ビット線対BLを選択して該ビット線対BLに接続されたメモリセルCeからメモリ制御情報を読み出す(ステップ102)。そして、制御情報読出回路14は、読み出したメモリ制御情報をラッチするとともに、該メモリ制御情報を制御対象回路であるリードアンプ24に供給する(ステップ103)。
【0145】
次に、フラッシュメモリ10は、外部から供給される信号に応答して通常メモリアレイである第1領域11aのメモリセルCeからデータ(セル情報)を読出し(ステップ104)、又はメモリセルCeへデータ(セル情報)を書き込む(ステップ105)。
【0146】
リードアンプ24を構成するセンスアンプ36の読み出し基準電流生成部36aは、メモリ制御情報に対応する選択信号TRIM-IREF に応じて、読み出し基準電流Irefj を「第1基準電流Iref0 +第2基準電流Iref1 ×定数j」の合算電流として生成する。そして、読み出し基準電流Irefj と、ノードcから流れ出す読み出し電流Irefとを比較することで、読み出し対象のメモリセルCeのデータが“1”であるか“0”であるかを判定する。
【0147】
従って、第2領域11bのメモリ制御情報を書き換えることで、読み出し基準電流Irefj の電流値を変更する、即ち、フラッシュメモリ10の動作をソフト的に変更する。
【0148】
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)メモリセルアレイ11は、外部番地が割り当てられたメモリセルにて構成された第1領域11aと、外部番地が割り当てられていないメモリセルにて構成される第2領域11bとを備える。第2領域11bには、フラッシュメモリ10を設定するためのメモリ制御情報が記憶されている。そして、第1領域11aと第2領域11bのメモリセルは、両メモリセルに対して共通なビット線BLに接続されている。従って、メモリ制御情報を記憶する第2領域11bがユーザのデータを記憶する第1領域11aに隣接して設けられ、各領域11a,11bのメモリセルCeへの書き込みのための回路(ライトドライバ15)が共有化されている。その結果、ユーザのためのメモリ領域とメモリ制御情報を記憶するためのメモリ領域(制御情報領域)とが離れて形成される場合に比べて、フラッシュメモリ10の回路面積の増大を抑えることができる。
【0149】
(2)メモリ制御情報を不揮発性を有し電気的に書き換え可能なメモリセルCeに記憶した。従って、フラッシュメモリ10の素子等の経時変化により読み出し基準電流Irefj を含む電圧設定等が変化しても、メモリ制御情報を書き換えることで、動作を補償することができる。
【0150】
(第二実施形態)
以下、本発明を具体化した第二実施形態を図17,図18に従って説明する。
尚、説明の便宜上、第一実施形態と同様の構成については同一の符号を付して図面及びその説明を一部省略する。
【0151】
図17は、本実施形態の不揮発性半導体記憶装置(フラッシュメモリ)の概略構成を示す一部ブロック図である。
フラッシュメモリ70は、メモリセルアレイ11を含む。メモリセルアレイ11は、隣接して設けられた第1領域(ユーザ領域)11aと第2領域(制御情報領域)11bとから構成されている。
【0152】
メモリセルアレイ11には、複数のメモリセルCeがアレイ状に配置される。
第1領域11aは、複数の第1ワード線WLa と複数のビット線BLとにより複数のメモリセルCeがアレイ状に配置されている。第2領域11bは、本実施形態では1本の第2ワード線WLb と複数のビット線BLとにより複数のメモリセルCeが列状に配置されている。
【0153】
第1ワード線WLa 及び第2ワード線WLb はXデコーダ12に接続され、ビット線BLはYパスゲート71及び制御情報読出回路14に接続されている。そして、図2に示すソース線SL0a〜SL2bはライトドライバ15に接続されている。
【0154】
Yパスゲート71は、通常動作時において第1領域11aのメモリセルから読み出したセル情報をリードアンプ72に出力し、リードアンプ72は、Yパスゲート71からのデータを増幅した読み出しデータR-MDATA を出力する。
【0155】
また、Yパスゲート71は、初期設定時において第2領域11bのメモリセルから読み出したメモリ制御情報をリードアンプ72に出力し、リードアンプ72は、そのメモリ制御情報を制御情報記憶部73に出力する。リードアンプ72からのメモリ制御情報をラッチする。
【0156】
制御情報記憶部73は、ラッチしたメモリ制御情報を制御対象回路であるリードアンプ24に供給し、リードアンプ24は、メモリ制御情報(設定値)に基づいて回路を調整する。そして、通常動作モードにおいて、リードアンプ24はその調整した回路にて第1領域11aからビット線BL及びYパスゲート13を介して読み出されたデータを増幅した読み出しデータR-MDATA を出力する。
【0157】
即ち、本実施形態のフラッシュメモリ70は、第1領域11aのセル情報と第2領域11bのメモリ制御情報とをYパスゲート13及びリードアンプ24にて行うようにした。従って、第一実施形態に比べて制御情報読出回路14を設けない分、フラッシュメモリ70の回路面積が狭くなる。
【0158】
図18は、フラッシュメモリ70の動作フローチャートである。
先ず、Xデコーダ12は、制御情報領域である第2領域11bを選択する(ステップ201)。詳しくは、Xデコーダ12のドライバ部12bを構成するワード線ドライバ39は、選択ワード線SWL0a 又は選択ワード線SWL0b と、コントロールワード線CWL0を活性化する。
【0159】
次に、Yパスゲート13は、制御情報のビットを選択する(ビット線対BLを活性化する)(ステップ202)、リードアンプ24は選択されたビットのメモリセルCeからメモリ制御情報を読み出す(ステップ203)。そして、制御情報記憶部73は、読み出したメモリ制御情報をビット毎にラッチするとともに、該メモリ制御情報を制御対象回路であるリードアンプ24に供給する(ステップ204)。
【0160】
次に、フラッシュメモリ70は、外部から供給される信号に応答して通常メモリアレイである第1領域11aのメモリセルCeからデータ(セル情報)を読出し(ステップ205)、又はメモリセルCeへデータ(セル情報)を書き込む(ステップ206)。
【0161】
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)本実施形態のフラッシュメモリ70は、第1領域11aのセル情報と第2領域11bのメモリ制御情報とをYパスゲート13及びリードアンプ24にて行うようにした。従って、第一実施形態に比べて制御情報読出回路14を設けない分、フラッシュメモリ70の回路面積を小さくすることができる。
【0162】
尚、上記実施形態は、以下の態様に変更してもよい。
・上記各実施形態では、書き込み時において、コントロールワード線CWL に、先ず負電圧の第1制御電圧を印加した後、高電圧の第2制御電圧を印加するようにしたが、逆の順序であってもよい。すなわち、高電圧の第2制御電圧を印加してプログラムを実施した後、負電圧の第1制御電圧を印加してイレースを行うようにしてもよい。
【0163】
・上記各実施形態では、単層ポリシリコン構造のメモリセルCeに具体化したが、選択ワード線を備えない2層ポリシリコン構造(スタック型)のメモリセルに具体化してもよい。因みに、スタック型のメモリセルにおいては、コントロールゲートに接続される1本のワード線(選択ワード線)のみで、本実施形態のコントロールワード線CWL と選択ワード線SWL を共用する。
【0164】
・上記各実施形態では、単層ポリシリコン構造のメモリセルCeとして、セレクトトランジスタ12を備えない2素子構造のセルとしてもよい。
・上記各実施形態では、同一のコントロールワード線CWL に接続される全てのメモリセルCeを書き込み対象として一括で書き込むようにしたが、選択的に書き込みするようにしてもよい。
【0165】
・上記各実施形態を、基準セルを備えたセルアレイを有する不揮発性半導体記憶装置に適用すること。
・上記各実施形態において、メモリ制御情報の読み出し及びそれに必要なステップ(第一実施形態ではステップ101,102、第二実施形態ではステップ201〜203)を適宜実行しても良い。例えば、テストモード信号TSに基づいてメモリ制御情報を第2領域11bに書き込んだ場合、その書き込みに対応して上記ステップを実行する。また、初期設定時と書き換え後の両方でステップを実行する。このようにすれば、フラッシュメモリ10,70の電源を再投入しなくても、変更したメモリ制御情報に応じた動作を行わせることができる。
【0166】
以上の様々な実施の形態をまとめると、以下のようになる。
(付記1) 外部番地が割り当てられた第1のメモリセルと、
外部番地が割り当てられていない第2のメモリセルとを備え、
前記第2のメモリセルはメモリ制御情報のために設けられ、
前記第1及び第2のメモリセルは、両メモリセルに対して共通なビット線に接続されていることを特徴とする半導体記憶装置。(1)
(付記2)
外部番地が割り当てられた第1のメモリセルと、
外部番地が割り当てられていない第2のメモリセルとを備え、
前記第1及び第2のメモリセルは不揮発性を有し書き換え可能であり、
前記第2のメモリセルはメモリ制御情報のために設けられ、
前記第1及び第2のメモリセルは、両メモリセルに対して共通なビット線及びソース線に接続されていることを特徴とする半導体記憶装置。(2)
(付記3) 前記第1のメモリセルは複数の前記ビット線と複数の第1ワード線とによりアレイ状に配置され、
アドレス信号に基づいて前記複数の第1ワード線のうちの1つを活性化するデコーダを備え、
前記第2のメモリセルは第2ワード線を介して前記デコーダに接続されることを特徴とする付記1又は2記載の半導体記憶装置。(3)
(付記4) 前記第1のメモリセルと前記第2のメモリセルは、両メモリセルに対して共通なソース線を介して共通なソース電圧供給回路に接続されることを特徴とする付記1乃至3のうちの何れか一記載の半導体記憶装置。(4)
(付記5) 前記ソース電圧供給回路には、書き込みアドレスに基づいて生成されるデコード信号に応答して前記書き込みデータをラッチするラッチ回路が備えられていることを特徴とする付記4記載の半導体記憶装置。
(付記6)
前記ソース電圧供給回路は、書込信号に応答して電圧制御される信号を入力し、書込データに対応して前記電圧制御される信号をソース線に供給する出力部を備えることを特徴とする付記4又は5記載の半導体記憶装置。
(付記7) 前記ビット線に接続され、前記第1のメモリセルの情報を読み出す読出し回路と、
前記ビット線に接続され、前記第2のメモリセルの情報を読み出す読出し回路と
を備えたことを特徴とする付記1乃至6のうちの何れか一記載の半導体記憶装置。(5)
(付記8) 前記第2のメモリセルの情報を読み出す読出し回路には、該情報を保持する制御情報記憶部が接続されることを特徴とする付記5記載の半導体記憶装置。
(付記9) 前記共通なビット線は、前記第1のメモリセルと前記第2のメモリセルの情報を読み出す読出し回路に接続され、
該読出し回路には、前記第2のメモリセルから読出した情報を保持する制御情報記憶部が接続されることを特徴とする付記1乃至6のうちの何れか一記載の半導体記憶装置。
(付記10) 前記第1のメモリセル及び前記第2のメモリセルは、それぞれ、第1のソース線に接続され且つ第1の選択ワード線に接続された第1メモリセルと、第2のソース線に接続され且つ第2の選択ワード線に接続された第2メモリセルとから構成され、
前記第1メモリセルと前記第2メモリセルは互いに独立した第1ビット線と第2ビット線とにそれぞれ接続され、
前記第1ビット線及び前記第2ビット線は前記読出し回路に接続されることを特徴とする付記7又は9記載の半導体記憶装置。
(付記11) 前記第1メモリセル及び前記第2メモリセルは、互いに逆極性のデータを試験モード中に書き込むことを特徴とする付記10記載の半導体記憶装置。
(付記12) 前記メモリセルは単層ポリシリコン構造のセルであって、
ワード線が接続される容量と、ソース線が接続されるメモリトランジスタと、選択ワード線が接続されるセレクトトランジスタとから構成されることを特徴とする付記1乃至11の何れか一記載の半導体記憶装置。
(付記13) 前記メモリセルは、ワード線方向に隣り合う2つのメモリセル間で互いのセレクトトランジスタに接続されるビット線をそれぞれ共有し、前記2つのメモリセルのうち、一方のメモリセルには第1選択ワード線が接続され、他方のメモリセルには第2選択ワード線が接続されることを特徴とする付記12記載の半導体記憶装置。
(付記14) 外部番地が割り当てられた第1のメモリセルと、メモリ制御情報のために設けられ外部番地が割り当てられていない第2のメモリセルとが、両メモリセルに対して共通なビット線に接続された半導体記憶装置の制御方法であって、
行デコーダにより前記第2のメモリセルをアクセスするステップと、
前記行デコーダにより前記第1のメモリセルをアクセスするステップと
を含むことを特徴とする半導体記憶装置の制御方法。(6)
(付記15) 不揮発性を有し書き換え可能な第1及び第2のメモリセルを備え、第2のメモリセルはメモリ制御情報のために設けられ、第1のメモリセルには外部番地が割り当てられ、第2のメモリセルには外部番地が割り当てられておらず、両メモリセルに対して共通なビット線及びソース線に接続された半導体記憶装置の制御方法であって、
行デコーダにより前記第2のメモリセルをアクセスするステップと、
前記行デコーダにより前記第1のメモリセルをアクセスするステップと
を含むことを特徴とする半導体記憶装置の制御方法。(7)
(付記16) 前記第2のメモリセルをアクセスするステップは、前記第1のメモリセルをアクセスするステップに先立って実行されることを特徴とする付記14又は15記載の半導体記憶装置の制御方法。(8)
(付記17) 前記第2のメモリセルの情報を読み出すステップは、前記第1のメモリセルの情報を読み出すステップを実行する読出し回路と異なる読出し回路にて実行されることを特徴とする付記14乃至16のうちの何れか一記載の半導体記憶装置の制御方法。(9)
(付記18) 前記第2のメモリセルの情報を読み出すステップは、前記第1のメモリセルの情報を読み出すステップを実行する読出し回路にて実行されることを特徴とする付記14乃至16のうちの何れか一記載の半導体記憶装置の制御方法。(10)
(付記19) 前記読出し回路にて読み出された情報を制御情報記憶部にて保持するステップを含むことを特徴とする付記17又は18記載の半導体記憶装置の制御方法。
(付記20) 前記第1のメモリセル及び前記第2のメモリセルに対して、両メモリセルに共通なソース電圧供給回路から前記共通なソース線を介してデータを書き込むことを特徴とする付記14乃至19のうちの何れか一記載の半導体記憶装置の制御方法。
(付記21) 前記ソース電圧供給回路は、前記書き込むデータを保持することを特徴とする付記20記載の半導体記憶装置の制御方法。
(付記22) 前記ソース電圧供給回路は、
書込信号に応答して電圧制御される信号を入力するステップと、
書込みデータに対応して前記電圧制御される信号をソース線に供給するステップと、
を実行することを特徴とする付記20又は21記載の半導体記憶装置の制御方法。
(付記23) 前記第1のメモリセルと前記第2のメモリセルの情報は、前記共通なビット線を介して読出し回路に読み出され、該情報は制御情報記憶部にて保持されることを特徴とする付記14乃至22のうちの何れか一記載の半導体記憶装置の制御方法。
(付記24) 第1のメモリセル及び前記第2のメモリセルは、それぞれ、第1のソース線に接続され且つ第1の選択ワード線に接続された第1メモリセルと、第2のソース線に接続され且つ第2の選択ワード線に接続された第2メモリセルとから構成され、
読出し回路は、前記第1メモリセルが接続された第1ビット線と、前記第2メモリセルが接続され前記第1ビット線と独立した第2ビット線とにそれぞれ接続され、第1ビット線及び第2ビット線のデータを差動増幅読み出しすることを特徴とする付記14乃至23のうちの何れか一記載の半導体記憶装置の制御方法。
(付記25) 前記第1メモリセル及び前記第2メモリセルは、互いに逆極性のデータを試験モード中に書き込むことを特徴とする付記24記載の半導体記憶装置の制御方法。
(付記26) 前記第2のメモリセルを読み出すステップは、試験信号により実施されることを特徴とする付記14乃至25のうちの何れか一記載の半導体記憶装置の制御方法。
(付記27) 前記メモリセルは単層ポリシリコン構造のセルであって、ワード線が接続される容量と、ソース線が接続されるメモリトランジスタと、選択ワード線が接続されるセレクトトランジスタとから構成され、
前記複数のメモリセルのイレース及びプログラムをトンネル電流を用いて行うことを特徴とする付記14乃至26のうちの何れか一記載の半導体記憶装置の制御方法。
【0167】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、回路面積の増大を抑えた半導体記憶装置及びその制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】不揮発性メモリの概略構成を示すブロック図である。
【図2】不揮発性メモリの詳細な構成を示すブロック図である。
【図3】メモリセルアレイを示す回路図である。
【図4】(a)〜(c)は不揮発性メモリセルの構成説明図である。
【図5】メモリセルの書き込み方法を示す原理説明図である。
【図6】メモリセルの回路図である。
【図7】ソース電圧供給回路を示す回路図である。
【図8】制御情報読出回路を示す回路図である。
【図9】制御情報読出回路の動作波形図である。
【図10】センスアンプを示す回路図である。
【図11】ワード線印加電圧選択回路を示す回路図である。
【図12】ワード線印加電圧選択回路の動作波形図である。
【図13】ワード線ドライバを示す回路図である。
【図14】ワード線ドライバの動作波形図である。
【図15】(a)〜(d)は書き込み動作を示す波形図である。
【図16】第一実施形態の動作フローチャートである。
【図17】第二実施形態の不揮発性メモリの概略構成図である。
【図18】第二実施形態の動作フローチャートである。
【符号の説明】
BL,BL0,BL1 ビット線
SL ソース線
WLa 第1ワード線
WLb 第2ワード線
Ce メモリセル
32,33 ソース電圧供給回路
Claims (10)
- 外部番地が割り当てられた第1のメモリセルと、
外部番地が割り当てられていない第2のメモリセルとを備え、
前記第2のメモリセルはメモリ制御情報のために設けられ、
前記第1及び第2のメモリセルは、両メモリセルに対して共通なビット線に接続されていることを特徴とする半導体記憶装置。 - 外部番地が割り当てられた第1のメモリセルと、
外部番地が割り当てられていない第2のメモリセルとを備え、
前記第1及び第2のメモリセルは不揮発性を有し書き換え可能であり、
前記第2のメモリセルはメモリ制御情報のために設けられ、
前記第1及び第2のメモリセルは、両メモリセルに対して共通なビット線及びソース線に接続されていることを特徴とする半導体記憶装置。 - 前記第1のメモリセルは複数の前記ビット線と複数の第1ワード線とによりアレイ状に配置され、
アドレス信号に基づいて前記複数の第1ワード線のうちの1つを活性化するデコーダを備え、
前記第2のメモリセルは第2ワード線を介して前記デコーダに接続されることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体記憶装置。 - 前記第1のメモリセルと前記第2のメモリセルは、両メモリセルに対して共通なソース線を介して共通なソース電圧供給回路に接続されることを特徴とする請求項1乃至3のうちの何れか一記載の半導体記憶装置。
- 前記ビット線に接続され、前記第1のメモリセルの情報を読み出す読出し回路と、
前記ビット線に接続され、前記第2のメモリセルの情報を読み出す読出し回路と
を備えたことを特徴とする請求項1乃至4のうちの何れか一記載の半導体記憶装置。 - 外部番地が割り当てられた第1のメモリセルと、メモリ制御情報のために設けられ外部番地が割り当てられていない第2のメモリセルとが、両メモリセルに対して共通なビット線に接続された半導体記憶装置の制御方法であって、
行デコーダにより前記第2のメモリセルをアクセスするステップと、
前記行デコーダにより前記第1のメモリセルをアクセスするステップと
を含むことを特徴とする半導体記憶装置の制御方法。 - 不揮発性を有し書き換え可能な第1及び第2のメモリセルを備え、第2のメモリセルはメモリ制御情報のために設けられ、第1のメモリセルには外部番地が割り当てられ、第2のメモリセルには外部番地が割り当てられておらず、両メモリセルに対して共通なビット線及びソース線に接続された半導体記憶装置の制御方法であって、
行デコーダにより前記第2のメモリセルをアクセスするステップと、
前記行デコーダにより前記第1のメモリセルをアクセスするステップと
を含むことを特徴とする半導体記憶装置の制御方法。 - 前記第2のメモリセルをアクセスするステップは、前記第1のメモリセルをアクセスするステップに先立って実行されることを特徴とする請求項6又は7記載の半導体記憶装置の制御方法。
- 前記第2のメモリセルの情報を読み出すステップは、前記第1のメモリセルの情報を読み出すステップを実行する読出し回路と異なる読出し回路にて実行されることを特徴とする請求項6乃至8のうちの何れか一記載の半導体記憶装置の制御方法。
- 前記第2のメモリセルの情報を読み出すステップは、前記第1のメモリセルの情報を読み出すステップを実行する読出し回路にて実行されることを特徴とする請求項6乃至8のうちの何れか一記載の半導体記憶装置の制御方法。
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