JP4067956B2 - 不揮発性メモリの制御方法及び不揮発性メモリ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、不揮発性メモリの制御方法及び不揮発性メモリに係り、詳しくは、電気的に消去/書き込みが可能なフラッシュメモリの制御方法に関する。
【0002】
近年、ASIC等の半導体集積回路装置(LSI)において、ロジック混載用のフラッシュメモリが広く使用されている。フラッシュメモリは、電気的に一括消去と書き込みが可能であり、ゲート酸化膜中に埋め込まれたフローティングゲートと呼ばれる電気的に分離された領域に電荷を保持することで、電源を切ってもデータが消えない不揮発性メモリである。このようなフラッシュメモリにおける消去/書き込み時間の短縮が要求されている。
【0003】
【従来の技術】
フラッシュメモリの書き込みは消去(イレース)とプログラムの2つの操作からなる。イレースはメモリセル(セルトランジスタ)の閾値を下げる操作、プログラムは閾値を上げる操作であり、一般には、閾値の低い状態をデータ“1”、逆に、閾値の高い状態をデータ“0”に対応させる。この場合、閾値の低いデータ“1”のセルでは読み出し電流が大きくなり、逆に、閾値の高いデータ“0”のセルでは読み出し電流が小さくなる。
【0004】
従来、このようなフラッシュメモリにおいては、消去動作/書き込み動作後のセルの閾値を、読み出し動作を安定して行うことのできる適切な範囲内に分布させるため、プリプログラムとベリファイと呼ばれる動作が行われる。
【0005】
プリプログラムは、消去(イレース)動作の前に一旦セルをプログラムされた状態にして、消去前のセルの閾値分布を高くそろえる(データ“0”側の閾値にする)動作である。このプリプログラム動作によって、消去後のセルの閾値分布が過剰に広がることが抑止される。
【0006】
ベリファイは、消去/書き込み後のセルの閾値が目標とする範囲内にあるかどうかを判定する動作である(例えば特許文献1,2参照)。具体的には、消去(イレース)後の閾値が過剰消去によって低くなりすぎていないかどうか、あるいは書き込み(プログラム)後の閾値が十分な値に達しているかどうかが判定される。このベリファイ動作によって、NGとなる(目標とする範囲に閾値が達していない)場合には、そのセルに対して再消去/書き込み動作が行われる。
【0007】
再消去/書き込み動作が必要なのは、例えば読み出し対象のセルの閾値と読み出し判定基準となる閾値との差が十分に得られず、読み出し動作を正しく行うことができなくなってしまうからである。
【0008】
しかしながら、上記のようなプリプログラム動作やベリファイ動作及びそれに続く再消去/書き込み動作の実施は、全体として消去/書き込み動作が完了するまでの時間(総時間)を長くするという問題を有していた。
【0009】
また、近年では、不揮発性メモリの信頼性向上などの理由から、プリプログラム動作やベリファイ動作を制御する論理回路(ステートマシン)はますます複雑化(高機能化)され、回路面積(ゲート数)も増大してきている。
【0010】
このため、それらのレイアウト面積がダイサイズに占める割合が大きくなっており、ダイサイズを増大させる要因となっている。こうした問題は、小容量メモリ用途を対象とする不揮発性メモリの場合には特に顕著になる。
【0011】
そこで、従来では、ベリファイ動作をメモリセルアレイ内の一部のメモリセルに対してのみ行なうことによって、ベリファイ動作を簡略化する構成が提案されている(例えば特許文献3参照)。
【0012】
また、その他の従来例として、データ“0”とデータ“1”の互いに相補なデータが書き込まれた2つの基準セルを備え、各基準セルの読み出し電流を加重平均して生成した読み出し基準電流に基づいてデータ判定することで、ベリファイ動作を省略可能とした構成が提案されている(例えば特許文献4参照)。
【0013】
また、このような2つの基準セルを備える他の構成として、各基準セルの読み出し電流の中間値とするべく生成した読み出し基準電流に基づいてデータ判定することで、ベリファイ動作を省略可能とした構成も提案されている(例えば特許文献5,6参照)。
【0014】
【特許文献1】
特開平5−36288号公報
【特許文献2】
特開平5−54683号公報
【特許文献3】
特開平8−180696号公報
【特許文献4】
特開平8−190797号公報
【特許文献5】
特開平8−274282号公報
【特許文献6】
特開平10−208476号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような各文献3〜6に示す構成では、データ“0”とデータ“1”とが書き込まれる各基準セルがあらかじめ決められている(固定されている)。このため、回路面積縮小等の理由によりプリプログラム機能やベリファイ機能のための回路を削減し、両者とも行わないとした場合には、データ“0”の基準セルにはデータ“0”が繰り返し書き込まれ、データ“1”の基準セルにはデータ“1”が繰り返し書き込まれることになる。
【0016】
その結果、データ“0”の基準セルは書き込み毎に閾値が徐々に高くなり、データ“1”の基準セルは書き込み毎に閾値が徐々に低くなるため、メモリセルの読み出し時に基準となるべき各基準セルに書き込み状態(セルの劣化、温度、プロセス条件等)が正しく反映されなくなるという問題があった。
【0017】
このため、書き込み状態が適切に反映された読み出し基準電流を各基準セルから生成することができず、メモリセルのデータ判定を正確に行うことができなかった。したがって、従来の構成では、読み出しの正確性を確保するために、消去動作/書き込み動作にベリファイ機能がやはり不可欠であり、同機能を搭載しない不揮発性メモリには適用することができなかった。
【0018】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的はベリファイ動作を不要としながら読み出し動作を正確に行うことのできる不揮発性メモリの制御方法及び不揮発性メモリを提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明によれば、前記複数のメモリセルと同一のワード線に接続される一対の基準セルには、該複数のメモリセルの消去動作毎もしくは書き込み動作毎に、前記一対の基準セルに現在書き込まれているデータとそれぞれ逆の極性となるように、互いに相補なデータが反転して書き込まれる。そして、前記複数のメモリセルの読み出し動作毎に、前記一対の基準セルから読み出される各読み出し電流の略中間値となるように読み出し基準電流が生成される。従って、消去/書き込み動作毎に各基準セルの閾値が一方向のみにシフトすることは防止され、各基準セルにメモリセルの書き込み状態を正確に反映させることができる。よって、ベリファイ動作を不要としながら、読み出し動作の正確性を十分に確保することが可能である。
【0020】
請求項2に記載の発明によれば、前記読み出し基準電流は、データ“0”の基準セルから読み出される第1基準電流と、データ“1”の基準セルから読み出される第2基準電流を定数j(但し0<j<1)倍した電流との合算電流として生成される。従って、定数jの値を設定することで、第1及び第2基準電流の略中間値となる読み出し基準電流を生成することができる。
【0021】
請求項3に記載の発明によれば、前記一対の基準セルの書き込み動作に先立って該一対の基準セルに現在書き込まれているデータを読み出し、各データの極性を判定した判定結果に基づいて前記一対の基準セルに書き込むべきデータを生成するようにした。従って、前記一対の基準セルには、その書き込み動作毎にデータが反転して書き込まれる。
【0022】
請求項4に記載の発明によれば、前記読み出し基準電流の生成に先立って、前記一対の基準セルから読み出される各読み出し電流の比率が予め定めた目標値となるように、該一対の基準セルに接続されるワード線に印加する電圧もしくは前記一対の基準セルに接続されるソース線に印加する電圧を調整するようにした。従って、一対の基準セルの閾値の分布(閾値が高く分布する/閾値が低く分布する)によらず、前記各読み出し電流の比率を大きくしながら、安定した読み出し動作が可能となる。
【0023】
請求項5に記載の発明によれば、前記一対の基準セルの閾値が低い場合には、前記ソース線に印加する電圧を上昇させることで、各基準セルの読み出し電流を減少させて目標とする比率に近づけることができる。
【0024】
請求項6に記載の発明によれば、前記一対の基準セルの閾値が高い場合には、前記ワード線に印加する電圧を上昇させることで、各基準セルの読み出し電流を増加させて目標とする比率に近づけることができる。
【0025】
請求項7に記載の発明によれば、基準セル読出回路は、複数のメモリセルの消去動作毎もしくは書き込み動作毎に、一対の基準セルのデータを読み出し、各データの極性を判定して極性信号を出力する。基準セル書込データ発生回路は、前記極性信号に基づいて、前記一対の基準セルに現在書き込まれているデータとそれぞれ逆の極性となるように、該一対の基準セルに書き込むべき互いに相補なデータを生成する。そして、ソース電圧供給回路は、前記基準セル書込データ発生回路から出力されるデータに応じたソース電圧を供給する。
【0026】
請求項8に記載の発明によれば、読出基準電流発生回路は、第1及び第2の電流電圧変換部を備えている。第1の電流電圧変換部は、データ“0”の基準セルから読み出される第1基準電流に応じた第1基準信号を生成し、第2の電流電圧変換部は、データ“1”の基準セルから読み出される第2基準電流に応じた第2基準信号を生成する。そして、センスアンプは、前記第1及び第2基準信号に基づいて前記第1及び第2基準電流の略中間値となるように読み出し基準電流を生成し、該読み出し基準電流と前記メモリセルから読み出される読み出し電流とを比較することによって前記メモリセルのデータ判定を行う。
【0027】
請求項9に記載の発明によれば、前記読出基準電流発生回路は、読み出し動作時に前記ワード線に読み出し電圧を供給するための読み出し電圧生成部を備え、該読み出し電圧生成部は、前記第1基準信号に基づいて前記第1基準電流を所定倍数した第1制御電流を生成する第1の電圧電流変換部と、前記第2基準信号に基づいて前記第2基準電流を所定倍数した第2制御電流を生成する第2の電圧電流変換部とを含む。そして、読み出し電圧生成部は、前記第1基準電流と前記第2基準電流との比率が予め定めた目標値となるように、前記第1制御電流と前記第2制御電流との電流差に基づいて読み出し電圧を生成する。
【0028】
請求項10に記載の発明によれば、前記読出基準電流発生回路は、読み出し動作時に前記ソース線に供給するソース供給電源を供給するためのソース電圧生成部を備え、該ソース電圧生成部は、前記第1基準信号に基づいて基準制御電流を生成する電圧電流変換部を含む。そして、ソース電圧生成部は、前記第1基準電流と前記第2基準電流との比率が予め定めた目標値となるように、前記第1基準電流と前記基準制御電流との電流差に基づいてソース供給電源を生成する。
【0029】
【発明の実施の形態】
(第一実施形態)
以下、本発明を具体化した第一実施形態を図1〜図21に従って説明する。
【0030】
図1は、第一実施形態の不揮発性メモリセルを示す説明図である。
不揮発性メモリセル10は、本実施形態では単層ポリシリコン構造のフラッシュメモリセルであって、メモリトランジスタ11、セレクトトランジスタ12及びMOS容量13の3素子から構成されている。
【0031】
図1(a)〜(c)に示すように、メモリトランジスタ11は、例えばP型基板14にフローティングゲート15をゲートとするNMOSトランジスタで構成され、そのソースはソース線SLに接続されている。
【0032】
セレクトトランジスタ12は、基板14にセレクトゲート16をゲートとするNMOSトランジスタ(図1(b),(c)では図示せず)で構成され、そのソースはビット線BLに接続され、セレクトゲート16は選択ワード線SWL に接続されている。前記メモリトランジスタ11とセレクトトランジスタ12のドレインは互いに接続されている。
【0033】
MOS容量13は、基板14にコントロールゲート17としてのN型拡散層を形成し、該コントロールゲート17の上に絶縁層を隔てて前記フローティングゲート15を形成することで構成される。コントロールゲート17は、基板14のトリプルウェル内(図中、Nウェル18に形成されるPウェル19内)に形成されている。コントロールゲート17は、コントロールワード線CWL に接続されている。因みに、本実施形態の単層ポリシリコン構造のメモリセル10において、単にワード線という場合には、コントロールワード線CWL のことを意味する。
【0034】
このようなメモリセル10において、本実施形態では、フローティングゲート15に電子が蓄積される状態(閾値の高い状態)をデータ“0”、逆に、フローティングゲート15に電子が蓄積されない状態(閾値の低い状態)をデータ“1”に対応させて書き込みを行う場合を想定する。
【0035】
メモリセル10への書き込みは消去(イレース)とプログラムの2つの操作からなる。
イレースは、フローティングゲート15から電子を引き抜いて、メモリセル10(メモリトランジスタ11)の閾値を低くする操作である。換言すれば、イレースは、データ“0”からデータ“1”にメモリセル10のデータを書き換える操作である。
【0036】
図1(b)に示すように、イレースは、メモリトランジスタ11のソースに第1ソース電圧としての高電圧(例えば6.0V)を印加し、コントロールゲート17に第1制御電圧としての負電圧(例えば−9.3V)を印加して行う。ここで、Pウェル19はコントロールゲート17と同電位(例えば−9.3V)、Nウェル18は例えば6.0Vに設定される。
【0037】
この場合、フローティングゲート15の電位は容量結合によっておよそ−8.2Vまで引き下げられ、ソース−フローティングゲート15間におよそ14.2Vの高電圧が印加される。その結果、FNトンネル電流(図に矢印で示す)が流れてフローティングゲート15から電子が引き抜かれ、メモリセル10(メモリトランジスタ11)の閾値が低下する。従って、メモリセル10は、データ“0”からデータ“1”に書き換えられる。
【0038】
一方、プログラムは、フローティングゲート15に電子を注入して、メモリセル10(メモリトランジスタ11)の閾値を高くする操作である。換言すれば、プログラムは、データ“1”からデータ“0”にメモリセル10のデータを書き換える操作である。
【0039】
図1(c)に示すように、プログラムは、メモリトランジスタ11のソースに第2ソース電圧としての接地電圧(0.0V)を印加し、コントロールゲート17に第2制御電圧としての高電圧(例えば9.5V)を印加して行う。ここで、Pウェル19は接地電圧(0.0V)、Nウェル18は例えば6.0Vに設定される。
【0040】
この場合、フローティングゲート15の電位は容量結合によっておよそ11.3Vまで引き上げられ、ソース−フローティングゲート15間におよそ11.3Vの高電圧が印加される。その結果、FNトンネル電流(図に矢印で示す)が流れてフローティングゲート15に電子が注入され、メモリセル10(メモリトランジスタ11)の閾値が高くなる。従って、メモリセル10は、データ“1”からデータ“0”に書き換えられる。
【0041】
尚、本実施形態では単層ポリシリコン構造のメモリセル10に具体化したが、2層ポリシリコン構造(ゲート酸化膜中にフローティングゲートを電気的に分離して埋め込み、フローティングゲートとコントロールゲートとを積み上げた構造;スタック型ともいう)のメモリセルに具体化してもよい。
【0042】
単層構造のメモリセル10は2層構造(スタック型)のメモリセルに比べてセル面積は大きくなるが、ポリシリコン1層化にともなうプロセス工程の削減を図ることができる。従って、小容量メモリ用途を対象とし、ダイサイズに対するメモリセルの占める割合が小さい場合には好適な構造である。
【0043】
次に、本実施形態のメモリセル10の書き込み方法の原理を説明する。
図2に示すように、メモリセルアレイ20は複数のメモリセル10をアレイ状に配置して形成される。
【0044】
各メモリセル10のソースは、列単位のセル毎に分離され、それぞれソース線SL(図においてSL0〜SL3)に接続されている。各メモリセル10のコントロールゲート17は、行単位のセル毎にそれぞれ共通のコントロールワード線CWL (図においてCWL0,CWL1)に接続されている。尚、同図では、セレクトトランジスタ12は省略している。
【0045】
このようなメモリセルアレイ20において、メモリセル10への書き込み(イレース/プログラム)は、選択された何れか1つのコントロールワード線CWL に接続される行単位のメモリセル10に対して一括して行われる。
【0046】
その原理を説明すると、書き込み時に、ソース線SL0〜SL3には、各メモリセル10の書き込みデータ(“1”又は“0”)にそれぞれ対応する電圧が供給される。ここでは、ソース線SL1,SL3にデータ“1”に対応する高電圧(例えば6.0V)の第1ソース電圧が供給され、ソース線SL0,SL2にデータ“0”に対応する接地電圧(0.0V)の第2ソース電圧が供給される場合を想定する。
【0047】
この状態で、先ず、選択された何れか1つのコントロールワード線CWL (ここでは例えばCWL0)に負電圧(例えば−9.3V)の第1制御電圧が供給される。すると、書き込みデータ“1”に対応する第1ソース電圧がソースに印加されているメモリセル10は、トンネル電流が流れてフローティングゲート15から電子が引き抜かれ、イレースされる(図1(b)参照)。すなわち、書き込みデータ“0”に対応する第2ソース電圧がソースに印加されているメモリセル10はイレースされない。
【0048】
次に、前記ソース線SL0〜SL3に供給されている各電圧をそれぞれ維持したまま、前記コントロールワード線CWL0に高電圧(例えば9.3V)の第2制御電圧が供給される。
【0049】
すると、書き込みデータ“0”に対応する第2ソース電圧がソースに印加されているメモリセル10は、トンネル電流が流れてフローティングゲート15に電子が注入され、プログラムされる(図1(c)参照)。すなわち、書き込みデータ“1”に対応する第1ソース電圧がソースに印加されているメモリセル10はプログラムされない。
【0050】
従って、このような方法では、書き込みデータ(“1”又は“0”)に応じてあらかじめ各ソース線SL0〜SL3に供給される電圧に基づいて、同一のコントロールワード線CWL0に接続される全てのメモリセル10に一括で書き込み(イレース/プログラム)が行われる。
【0051】
以下、本実施形態の不揮発性メモリの構成について詳述する。
図3は、フラッシュメモリ(不揮発性メモリ)の概略構成を示すブロック図であり、図4は、その詳細な構成を示すブロック図である。尚、図4では、1つのコントロールワード線CWL に接続される一部のメモリセル10について示す。
【0052】
フラッシュメモリ30は、前記メモリセルアレイ20,第1〜第3の電圧発生回路31〜33、アドレス制御回路34、Xデコーダ35、Yデコーダ36、ライトドライバ37、リファレンス制御回路38、Yパスゲート39、リードアンプ40及びリード/ライト制御回路41を含む。
【0053】
メモリセルアレイ20には、前述した複数のメモリセル10がアレイ状に配置されるとともに、行単位のセル毎にそれぞれ一対の基準セル10a,10b(図4参照)が配置される。基準セル10a,10bは、メモリセル10の読み出し時に、その読み出しデータの判定のための基準となる電流を生成するためのセルである。
【0054】
第1の電圧発生回路31は負電圧発生回路であって、前記コントロールワード線CWL に供給する第1制御電圧としての負電圧(本実施形態では例えば−9.3V)を生成してXデコーダ35に供給する。
【0055】
第2の電圧発生回路32は高電圧発生回路であって、前記コントロールワード線CWL に供給する第2制御電圧としての高電圧(本実施形態では例えば9.5V)を生成してXデコーダ35に供給する。
【0056】
第3の電圧発生回路33は高電圧発生回路であって、前記ソース線SLに供給する第1ソース電圧としての高電圧(本実施形態では例えば6.0V)を生成してライトドライバ37に供給する。
【0057】
前記第1〜第3の電圧発生回路31〜33は、オシレータ42によって駆動され、基準電圧発生回路43から供給される基準電圧に基づいて前記各電圧を発生させる。
【0058】
アドレス制御回路34には、アドレスバッファ34aとアドレスカウンタ34bとが備えられる。
アドレスバッファ34aは、外部から供給される書き込みアドレスWD-ADDR をバイト単位[0:7] で取り込み、Xデコーダ35及びYデコーダ36にそれぞれ出力する。
【0059】
詳述すると、アドレスバッファ34aは、書き込み時にコントロールワード線CWL の選択に使用される書き込みアドレスWD-ADDR の上位5ビットをロウアドレスとしてXデコーダ35に出力する。Xデコーダ35は、それをデコードして複数のコントロールワード線CWL のうち何れか1つを選択する。
【0060】
また、アドレスバッファ34aは、書き込み時にソース線SLの選択に使用される書き込みアドレスWD-ADDR の下位3ビットをコラムアドレスとしてYデコーダ36に出力する。Yデコーダ36は、それをデコードして後述するライトドライバ37内の対応するソース電圧供給回路44,45a,45b(図4参照)にて書き込みデータを取り込み、ソース電圧を設定するためのデコード信号を生成する。
【0061】
アドレスカウンタ34bは、8ビットの読み出しデータR-MDATA[0:7]に対応するメモリセル10を1ビット毎に選択するための3ビットの内部アドレスを発生させる。従って、Yデコーダ36は、アドレスカウンタ34bから出力されるアドレスに基づいて、読み出し対象のメモリセル10を順次選択し、リードアンプ40で読み出される各1ビットの読み出しデータを図示しない読み出しデータ用ラッチ(8ビット)に順次ラッチさせる。
【0062】
リファレンス制御回路38には、基準セル読出回路46、基準セル書込データ発生回路47及び基準セル用Yデコーダ48が備えられている。
基準セル読出回路46は、2つの基準セル10a,10bにそれぞれ書き込まれているデータを、それらに接続されているビット線BLref(0),BLref(1)を介して読み出し、各データの極性を判定する。
【0063】
詳述すると、メモリセル10の書き込み時、基準セル10a,10bには、互いに反転した極性となるようにデータ“0”とデータ“1”がそれぞれ書き込まれる。基準セル読出回路46は、メモリセル10の書き込みに先立って、各基準セル10a,10bからそれぞれ読み出したデータをラッチして、どちらにデータ“1”が書き込まれているかを判定し、その極性を示す極性信号REF-REV を出力する。
【0064】
基準セル書込データ発生回路47は、前記基準セル読出回路46からの極性信号REF-REV に基づいて、現在書き込まれているデータとはそれぞれ逆の極性で各基準セル10a,10bに書き込みが行われるように、基準セル用書き込みデータWDBref(0),WDBref(1)を生成する。
【0065】
従って、基準セル10a,10bには、メモリセル10の書き込み毎に、現在のデータと逆の極性になるようにデータが書き込まれる。書き込み毎にデータを反転させるのは、基準電流を生成するための各基準セル10a,10bの閾値の分布を所定の範囲内におさめることが望ましいからである。
【0066】
基準セル用Yデコーダ48は、前記基準セル読出回路46からの極性信号REF-REV に基づいて、基準セル10a,10bに現在書き込まれているデータ(“1”又は“0”)に応じたデコード信号YD0ref(0),YD0ref(1)を生成する。
【0067】
ライトドライバ37には、列方向のセル(メモリセル10,基準セル10a,10b)毎に、それらに接続されるソース線SLにそれぞれ対応してソース電圧供給回路44,45a,45bが備えられている。尚、各ソース電圧供給回路44,45a,45bはそれぞれ同様に構成されている。
【0068】
詳述すると、ソース電圧供給回路44は、メモリセル10に接続されるソース線SLにそれぞれ対応して設けられ、外部からバイト単位[0:7] で供給される書込データW-MDATA を、前記Yデコーダ36によるアドレスのデコード結果に基づいて取り込む。そして、取り込んだデータ(“0”又は“1”)に対応する第1又は第2ソース電圧をソース線SLに供給する。
【0069】
ソース電圧供給回路45a,45bは、基準セル10a,10bに接続されるソース線SLにそれぞれ対応して設けられ、前記基準セル書き込みデータ発生回路47から供給される基準セル用書き込みデータWDBref(0),WDBref(1)(互いに逆の極性を持つデータ)を取り込む。そして、それぞれ取り込んだデータ(“0”又は“1”)に対応する第1又は第2ソース電圧を各ソース線SLに供給する。
【0070】
Yパスゲート39には、Y選択ゲート49と基準セル用Y選択ゲート50とが備えられている。
Y選択ゲート49は、読み出し時に、複数のビット線BLのうち何れか1つのビット線BLx を選択し、該ビット線BLx を介してメモリセル10から読み出される読み出し信号RDB を出力する。
【0071】
基準セル用Y選択ゲート50は、前記基準セル用Yデコーダ48からのデコード信号YD0ref(0),YD0ref(1)に基づいて、各ビット線BLref(0),BLref(1)をデコードし、データ“0”の基準セルからの読み出し信号RDBref(0) とデータ“1”の基準セルからの読み出し信号RDBref(1) とを出力する。
【0072】
リードアンプ40には、読出基準電流発生回路51とセンスアンプ52とが備えられている。
読出基準電流発生回路51は、前記基準セル用Y選択ゲート50から出力される読み出し信号RDBref(0),RDBref(1)を入力し、データ“0”の基準セルの読み出し電流(第1基準電流)である第1基準信号SAref0と、データ“1”の基準セルの読み出し電流(第2基準電流)である第2基準信号SAref とを生成する。
【0073】
センスアンプ52は、前記第1及び第2基準信号SAref0,SAref に基づいて生成した読み出し基準電流と、前記Y選択ゲート49から出力される読み出し信号RDB に基づいて生成した読み出し電流とを比較する。そして、その比較結果に基づいてメモリセル10のデータが“1”か“0”かを判定し、読み出しデータRDATABを出力する。
【0074】
Xデコーダ35には、ワード線印加電圧選択回路53とワード線ドライバ54とが備えられている。
ワード線印加電圧選択回路53は、コントロールワード線CWL に供給する印加電圧VCWLを選択して出力する。具体的には、イレース時に、前記第1の電圧発生回路31から供給される負電圧の第1制御電圧を選択し、読み出し時に、前記読出基準電流発生回路51から供給される読み出し電圧VCWL-RD を選択してワード線ドライバ54に出力する。
【0075】
ワード線ドライバ54は、書き込み時に、前記Yデコーダ36による書き込みアドレスWD-ADDR のデコード結果に基づいて、何れか1つのコントロールワード線CWL を選択する。そして、イレース時には負電圧の第1制御電圧を供給し、プログラム時には第2の電圧発生回路32により生成される高電圧の第2制御電圧を供給し、読み出し時には読み出し電圧VCWL-RD を供給する。
【0076】
また、ワード線ドライバ54は、読み出し時には、図示しない読み出しアドレスのデコード結果に基づいて、読み出し対象のメモリセル10に接続されている何れか1つの選択ワード線SWL と、データ判定のための基準セル10a,10bに接続されている何れか1つの基準セル用選択ワード線SWLrefを選択する。
【0077】
上記のようなメモリセル10及び基準セル10a,10bに対する書き込み/読み出しは、リード/ライト制御回路41によって制御される。
詳述すると、書き込み時に、リード/ライト制御回路41は、ライトモード信号WRITE-MODEに応答して書き込み動作に移行し、データ転送信号WRITE-MDATA に応答して前記書き込みデータW-MDATA の取り込みを開始する。
【0078】
そして、書き込み対象のメモリセル10のデータを全て取り込んだ後、ライトスタート信号WRITE-START に応答して同一のコントロールワード線CWL に接続されるメモリセル10に対して一括で書き込みを開始する。
【0079】
一方、読み出し時に、リード/ライト制御回路41は、リードリクエスト信号RD-REQに応答して読み出しを開始する。そして、読み出し対象のメモリセル10から読み出された読み出しデータR-MDATA がリードアンプ40からバイト単位[0:7] で出力される。
【0080】
以下、各回路の詳細を説明する。
図5は、メモリセル10の回路図である。上述した図1と同様な構成部分については説明を省略する。尚、基準セル10a,10bは、メモリセル10と同様に構成されている。
【0081】
メモリセル10(メモリトランジスタ11)のソースには、書き込み時/読み出し時にそれぞれ対応するソース電圧ARVSS がソース線SLを介してソース電圧供給回路44から供給される。
【0082】
フローティングゲート電位FGは、メモリセル10に書き込まれているデータに応じて、データ“1”の時は3.0V付近、データ“0”の時は0.0V付近に設定される。Nウェル電位VNW は書き込み時に例えば6.0Vに設定される。Pウェル電位VPW はイレース時/プログラム時に応じて、イレース時にはコントロールゲートと同電位、プログラム時には接地電位に設定される。
【0083】
図6は、メモリセルアレイ20の一構成例を示す回路図である。
上記したように、メモリセルアレイ20は、メモリトランジスタ11、セレクトトランジスタ12及びMOS容量13からなる複数のメモリセル10をアレイ配置して構成される。
【0084】
本実施形態では、列方向に沿って隣り合う2つのメモリセル10(図においてCe0a,Ce0b,Ce1a,Ce1b,Ce2a,Ce2b )間でビット線BL(図においてBL0,BL1,BL2 )が互いに共有されている。
【0085】
また、各メモリセル10は、列単位毎にソース線SL(図においてSL0a〜SL2a,SL0b〜SL2b)がそれぞれ分離されているとともに、行単位毎に同一のコントロールワード線CWL (図においてCWL0〜CWL2)に接続されている。
【0086】
また、行単位毎の各メモリセル10において、前記ビット線BLを互いに共有する各2つのセルのうち、それぞれ一方のセル(図においてCe0a,Ce1a,Ce2a側のセル)は、第1選択ワード線としての同一の選択ワード線SWL (図においてSWL0a〜SWL2a)に接続されている。そして、それぞれ他方のセル(図においてCe0b,Ce1b,Ce2b側のセル)は、第2選択ワード線としての同一の選択ワード線SWL (図においてSWL0b〜SWL2b)に接続されている。
【0087】
ここで、各コントロールワード線CWL0〜CWL2上のメモリセル10に接続される第1及び第2選択ワード線(Ce0a,Ce0b,Ce1a,Ce1b,Ce2a,Ce2b )は、読み出し時にそれらのうち何れか一方が選択(活性化)されるようになっている。
【0088】
従って、それぞれビット線BL0,BL1,BL2 を互いに共有する各2つのメモリセル10においては、それらのうち何れか一方のセルのセレクトトランジスタ12のみがオンされてデータが読み出され、他方のセル(非選択セル)はセレクトトランジスタ12がオフされて読み出し電流が流れないようになっている。
【0089】
尚、図6では省略しているが、上記したように、メモリセルアレイ20には、各コントロールワード線CWL (CWL0〜CWL2)毎に互いに相補なデータが書き込まれる一対の基準セル10a,10bが設けられ、各基準セル10a,10bはそれぞれ同一の選択ワード線SWLref(図4参照)に接続されている。
【0090】
図7は、ソース電圧供給回路44の一構成例を示す回路図である。尚、基準セル10a,10bに対応して設けられるソース電圧供給回路45a,45bも同様に構成されている。
【0091】
ソース電圧供給回路44は、ラッチ回路44aを含み、前記書き込みアドレスWD-ADDR をデコードしたYデコーダ36からのデコード信号YTi に基づいて外部から供給される書き込みデータW-MDATA を反転したデータWDBjを取り込み、ラッチ回路44aにラッチする。
【0092】
ラッチ回路44aの出力信号は、トランジスタTp1(PMOSトランジスタ)とトランジスタTn1(NMOSトランジスタ)のゲートに入力される。トランジスタTp1のソースは電源VSに接続され、トランジスタTn1のソースはソース供給電源ARGND (本実施形態では接地電圧)に接続される。
【0093】
トランジスタTp1,Tn1の間にはトランジスタTp2(PMOSトランジスタ)が直列に介在され、該トランジスタTp2のゲートには基準電圧ARVREFが入力される。そして、トランジスタTp2,Tn1の接続点からソース電圧ARVSS が出力されるようになっている。
【0094】
電源VSは、ラッチ回路44aによるデータWDBjの取り込み時に例えば3.0Vに設定され、書き込み時(データWDBjのラッチ後)には前記第3の電圧発生回路33により生成される高電圧(例えば6.0V)の第1ソース電圧に設定される。トランジスタTp2は、基準電圧ARVREFに基づいて、書き込み時にメモリセル10に流れる電流量を制御する。
【0095】
この構成では、ソース電圧供給回路44は、ラッチ回路44aに取り込まれるデータWDBj(反転信号)に対応したソース電圧ARVSS を供給する。すなわち、取り込んだデータWDBjがデータ“0”の場合には高電圧の第1ソース電圧(図において電源VS)を供給し、逆に、データ“1”の場合には接地電圧の第2ソース電圧(図においてソース供給電源ARGND )を供給する。
【0096】
図8は、基準セル読出回路46の一構成例を示す回路図であり、図9は、その動作波形図である。
基準セル読出回路46は、ラッチ回路46aとデータ出力回路46b,46cとを含む。
【0097】
ラッチ回路46aの一方のノードaは、トランジスタTn2(NMOSトランジスタ)を介してビット線BLref(0)に接続されるとともにデータ出力回路46bと接続されている。また、ラッチ回路46aの他方のノードbは、トランジスタTn3(NMOSトランジスタ)を介してビット線BLref(1)に接続されるとともにデータ出力回路46cと接続されている。
【0098】
各トランジスタTn2,Tn3は、それぞれ閾値の低いトランジスタで構成され、それらのゲートには基準セル10a,10bの読み出し時にバイアス信号NBIAS が供給される。(以下、同様な閾値が設定されるトランジスタについては、図面において同様に示す)。
【0099】
ラッチ回路46aには電源VC-CAM及びソース供給電源ARGND が供給され、このラッチ回路46aは、読み出し時にラッチ信号LATCH に基づいてノードa,bの電位、すなわち各基準セル10a,10bから読み出される互いに相補な読み出しデータをラッチする。
【0100】
その読み出し動作について詳述すると、基準セル読出回路46は、図9に示すように、まずラッチ回路46aのラッチ状態をラッチ信号LATCH に従って解除する。次いで、基準セル10a,10bに接続されている選択ワード線SWLref(図4参照)が選択される(アクティブになる)と同時に制御信号RDcam に基づいてデータ出力回路46b,46cを非活性にする。
【0101】
次に、トランジスタTn2,Tn3の互いのドレインを短絡するショート信号SRT に基づいてノードa,bをイコライズ(等電位にする)した後、それを解除することで、各基準セル10a,10bの読み出しデータを増幅する。すなわち、ノードa,b間には、各ビット線BLref(0),BLref(1)に流れる基準セル10a,10bの読み出し電流によって次第に電位差が生じることとなる。
【0102】
その後、ラッチ信号LATCH によってラッチ回路46aにラッチした各基準セル10a,10bの読み出しデータを、制御信号RDcam に基づいてそれぞれ判定信号DB-CAM(極性信号REF-REV ),D-CAM としてデータ出力回路46b,46cから出力する。
【0103】
この基準セル読出回路46は、メモリセル10の書き込みが行われる際には、それに先立って各基準セル10a,10bのデータを読み出す。これは、上記したように、メモリセル10の書き込み毎に各基準セル10a,10bのデータをそれぞれ反転して書き込むためである。
【0104】
図10は、基準セル書込データ発生回路47の一構成例を示す回路図である。基準セル書込データ発生回路47は、メモリセル10の書き込み時に、制御信号W-M に応答して、各基準セル10a,10bに現在書き込まれているデータとそれぞれ逆の極性となるように、前記極性信号REF-REV に基づいて基準セル用書き込みデータWDBref(0),WDBref(1)を生成する。
【0105】
また、同発生回路47は、制御信号W-S に応答してデコード信号YT-REFを生成し、該デコード信号YT-REFをソース電圧供給回路45a,45bに出力する。従って、書き込み時に、各ソース電圧供給回路45a,45bには、基準セル10a,10bに現在書き込まれているデータとそれぞれ逆の極性のデータが取り込まれる。
【0106】
図11は、基準セル用Yデコーダ48の一構成例を示す回路図である。
基準セル用Yデコーダ48は、読み出し時にアクティブになる制御信号RDmem に応答して、前記極性信号REF-REV (各基準セル10a,10bに現在書き込まれているデータ)に基づくデコード信号YD0ref(0),YD0ref(1)を生成し、基準セル用Y選択ゲート50に出力する。
【0107】
尚、同図に破線で示す回路48aは、基準セル10a,10bの読み出し電流をテストするテストモード時に対応して設けられ、テストモードと通常モード(通常の読み出し時)との切替は制御信号SEL-REF に基づいて行われる。このテストモード時においては、外部から供給する入力信号YD0(0),YD0(1)に基づいてデコード信号YD1ref(0),YD1ref(1)が生成される。
【0108】
図12は、基準セル用Y選択ゲート50の一構成例を示す回路図である。
基準セル用Y選択ゲート50は選択回路50a,50bを含み、前記基準セル用Yデコーダ48からのデコード信号YD0ref(0),YD0ref(1)に基づいて、各ビット線BLref(0),BLref(1)をデコードし、データ“0”の読み出し信号RDBref(0) とデータ“1”の読み出し信号RDBref(1) とを出力する。
【0109】
尚、同図に破線で示す回路50cは、前述したテストモード時に対応して設けられ、該テストモード時に前記基準セル用Yデコーダ48から供給されるデコード信号YD1ref(0),YD1ref(1)に基づいて、基準セル10a,10bのうち何れか一方の読み出し信号RDBrefを出力するようになっている。
【0110】
図13は、読出基準電流発生回路51の一構成例を示す回路図である。
読出基準電流発生回路51は、第1及び第2基準電流生成部51a,51bと読み出し電圧生成部51cとを含む。
【0111】
第1基準電流生成部51aは第1の電流電圧変換部61を含み、該変換部61は、前記基準セル用Y選択ゲート50から出力されるデータ“0”の基準セルの読み出し信号RDBref(0) に基づいて、第1基準電流Iref0 の値を持つ第1基準信号SAref0を生成する。
【0112】
第2基準電流生成部51bは第2の電流電圧変換部62を含み、該変換部62は、前記基準セル用Y選択ゲート50から出力されるデータ“1”の基準セルの読み出し信号RDBref(1) に基づいて、第2基準電流Iref1 の値を持つ第2基準信号SAref を生成する。
【0113】
読み出し電圧生成部51cは、上記したように、読み出し時に、コントロールワード線CWL に供給する読み出し電圧VCWL-RD を生成する回路である。この読み出し電圧生成部51cは、プログラム時には読み出し電圧VCWL-RD をフローティング状態に制御する。
【0114】
尚、前記第1及び第2基準電流生成部51a,51b、読み出し電圧生成部51cは、テストモード時には、各種の試験信号T-MRW,T-AC に基づいて非活性状態となる。
【0115】
図14は、Y選択ゲート49の一構成例を示す回路図である。
Y選択ゲート49は、本実施形態では8ビットのビット線BLと接続され、図示しない読み出しアドレスをデコードしたデコード信号YD0[7:0],YD1 に基づいて何れか1つのビット線BLを介してメモリセル10から読み出される読み出し信号RDB を出力する。
【0116】
詳しくは、Y選択ゲート49は、ビット選択用の8つのトランジスタTn4a〜Tn4hとバイト選択用の1つのトランジスタTn5(それぞれNMOSトランジスタ)とを含む。そして、Y選択ゲート49は、デコード信号YD0[7:0],YD1 に基づいて、トランジスタTn4a〜Tn4hのうち何れか1つ及びトランジスタTn5を介して読み出し信号RDB を出力する。
【0117】
図15は、センスアンプ52の一構成例を示す回路図である。
センスアンプ52は、前記読出基準電流発生回路51からの第1及び第2基準信号SAref0,SAref に基づいて読み出し基準電流Irefj を生成する読み出し基準電流生成部52aと、前記Y選択ゲート49からの読み出し信号RDB に基づいて読み出し電流Iref を生成する読み出し電流生成部52bとを含む。
【0118】
詳述すると、読み出し基準電流生成部52aは定電流部71と第1〜第4定電流部72〜75とを含み、定電流部71に入力される前記第1基準信号SAref0に基づいて前記第1基準電流Iref0 を発生させる。
【0119】
第1〜第4定電流部72〜75は、それらを構成するトランジスタのサイズが異なり、例えば本実施形態では第1定電流部72の駆動能力に対して、第2定電流部73は2倍、第3定電流部74は4倍、第4定電流部75は8倍の駆動能力を有している。
【0120】
読み出し基準電流生成部52aは、複数の選択信号TRIM-IREF[0:3]によって第1〜第4定電流部72〜75のうち少なくとも何れか1つを駆動し、それに入力される前記第2基準信号SAref に基づいて、前記第2基準電流Iref1 を定数j(0<j<1)倍した電流を発生させる。従って、読み出し基準電流生成部52aは、読み出し基準電流Irefj を、「第1基準電流Iref0 +第2基準電流Iref1 ×定数j」の合算電流として生成する。
【0121】
このように構成されたセンスアンプ52は、ノードcに流れ込む読み出し基準電流Irefj と、ノードcから流れ出す読み出し電流Irefとを比較することで、読み出し対象のメモリセル10のデータが“1”であるか“0”であるかを判定する。すなわち、ノードcから流れ出すメモリセル10の読み出し電流Irefに応じて推移するノードcの電位(Hレベル又はLレベル)を検出することでデータ判定し、その判定結果を示す読み出しデータRDATABを出力する。
【0122】
尚、同図に破線で示す回路52cは、テストモード時に対応して設けられ、該テストモード時に前記読み出しデータRDATABを読み出し信号R-ANA-OUT として外部に出力する。
【0123】
図16は、ワード線印加電圧選択回路53の一構成例を示す回路図であり、図17は、その動作波形図である。
イレース時において、トランジスタTn6(NMOSトランジスタ)のソース及びバックゲート(Pウェル)と、トランジスタTn7,Tn8(NMOSトランジスタ)のバックゲート(Pウェル)には、前記第1の電圧発生回路31から負電圧(−9.3V)の第1制御電圧R-NEGPが供給される。
【0124】
トランジスタTn6,Tn7のゲートには制御信号NGNDB が供給される。制御信号NGNDB は、複数の制御信号RDmem,ENVPXGD,NEGPL に基づいて生成される。ここで、制御信号RDmem は読み出し時にHレベルとなる信号、制御信号ENVPXGD はプログラム時にHレベルとなる信号、制御信号NEGPL はイレース時に前記第1制御電圧R-NEGPが所定の電圧以下(例えば−3.0V以下)に低下するとLレベルとなる信号である。
【0125】
従って、イレース時に、制御信号NGNDB はLレベル(具体的には接地電圧)になり、前記第1制御電圧R-NEGPの供給に基づいてトランジスタTn6,Tn7はオンされる。
【0126】
このとき、トランジスタTn7のドレイン電位、すなわち制御信号NEGPGND は負電圧の第1制御電圧R-NEGPと略等電位になり、その制御信号NEGPGND によってトランジスタTn8はオフされる。よって、イレース時に、ワード線印加電圧選択回路53は、前記負電圧(−9.3V)の第1制御電圧R-NEGPを印加電圧VCWLとして出力する。
【0127】
この際、上記したように、トランジスタTn6のゲートに入力される制御信号NGNDB は接地電圧となるため、該トランジスタTn6のソース−ゲート間に耐圧を超える高電圧が印加されることはない。
【0128】
プログラム時には、Hレベルの制御信号ENVPXGD に基づいて前記制御信号NGNDB はLレベル(接地電圧)となる。このとき、前記第1制御電圧R-NEGPは0Vとなり、トランジスタTn6,Tn7はオフされる。
【0129】
また、前記制御信号NEGPGND はHレベルとなるためトランジスタTn8はオンされるが、このとき読み出し電圧VCWL-RD は前記読出基準電流発生回路51によってフローティング状態になるように制御されており、印加電圧VCWLは、図17に示すようにフローティング電位(例えば約2.5V)となる。
【0130】
読み出し時には、制御信号RDmem に基づいて前記制御信号NGNDB は同様に接地電圧となり、プログラム時と同様、トランジスタTn6,Tn7はオフされ、トランジスタTn8はオンされる。よって、読み出し時に、ワード線印加電圧選択回路53は、前記読出基準電流発生回路51から供給される読み出し電圧VCWL-RD を印加電圧VCWLとして出力する。
【0131】
尚、同図に破線で示す回路53aは、読み出し電流を測定するテストモード時に対応して設けられ、該テストモード時には試験信号T-ACに基づいて転送ゲートTG1がオフされるとともに転送ゲートTG2がオンされる。そして、外部から試験用の入力信号R-ANA-INが供給され、該入力信号R-ANA-INが印加電圧VCWLとして出力されるようになっている。
【0132】
図18は、ワード線ドライバ54の一構成例を示す回路図であり、図19は、その動作波形図である。
ワード線ドライバ54は、書き込み(イレース/プログラム)時に、書き込みアドレスWD-ADDR (図3参照)に基づいて発生されるプリデコード信号XD0〜XD2によって、何れか1つのコントロールワード線CWLiを選択する。また、読み出し時には、図示しない読み出しアドレスに基づいて生成されるデコード信号YD2,YD2ref によって、何れか1つの選択ワード線SWLiと、何れか1つの基準セル用選択ワード線SWLrefi を選択する。
【0133】
ワード線ドライバ54はラッチ回路54aを含み、該ラッチ回路54aには、制御信号NPS 及び第1制御電圧R-NEGPが供給される。ラッチ回路54aは、前記プリデコード信号XD0〜XD2によって生成される制御信号NENBに基づいて制御信号NEN をラッチする。具体的には、前記制御信号NPS の電圧レベルを持つ制御信号NEN を発生させる。
【0134】
上記したように、制御信号NEGPL は、イレース時に第1制御電圧R-NEGPが所定の電圧以下(例えば−3.0V以下)に低下するとLレベルとなり、該制御信号NEGPL に基づいて制御信号NPS はLレベル(具体的には接地電圧)となる。従って、ラッチ回路54aは、制御信号NPS に基づいて接地電圧となる制御信号NEN を発生させる。因みに、このとき、制御信号NGNDの電圧レベルは第1制御電圧R-NEGPと等電位となっているため、ラッチ回路54aのラッチ状態は維持される。
【0135】
このようなラッチ回路54aにより生成された制御信号NEN は、第1トランジスタとしてのトランジスタTn9(NMOSトランジスタ)のゲートに入力される。そのトランジスタTn9のソースには前記印加電圧VCWLが供給され、該トランジスタTn9のバックゲート(Pウェル)には前記負電圧(−9.3V)の第1制御電圧R-NEGPが供給される。
【0136】
従って、イレース時にトランジスタTn9はオンされ、図19に示すように、前記プリデコード信号XD0〜XD2によって選択された何れか1つのコントロールワード線CWLiには印加電圧VCWL(具体的には第1制御電圧R-NEGP)が供給される。
【0137】
この際、上記したように、トランジスタTn9のゲートに入力されるゲート電圧(制御信号NEN )は接地電圧となるため、該トランジスタTn9のソース−ゲート間に耐圧を超える高電圧が印加されることはない。
【0138】
このようなイレース時には、制御信号NEGPL-ERによりトランジスタTn10がオンされ、メモリセル10のPウェル電位VPWi(図5参照)は印加電圧VCWL(−9.3V)となる。
【0139】
プログラム時には、ワード線ドライバ54に前記第2の電圧発生回路32から高電圧(+9.5V)の第2制御電圧VPX が供給される。この第2制御電圧VPX は第2トランジスタとしてのトランジスタTp3(PMOSトランジスタ)のソースに供給される。
【0140】
そのトランジスタTp3のゲートには制御信号XINBT が供給される。この制御信号XINBT は、プログラム時に前記プリデコード信号XD0〜XD2によってLレベルとなる。
【0141】
従って、プログラム時にトランジスタTp3はオンされ、図19に示すように、前記プリデコード信号XD0〜XD2によって選択された何れか1つのコントロールワード線CWLiには高電圧(+9.5V)の第2制御電圧VPX が供給される。
【0142】
この際、前記トランジスタTn9もオンするが、上記したように、プログラム時には印加電圧VCWLはフローティング電位(例えば約2.5V)に制御される(図17参照)ため、コントロールワード線CWLiに異常電流が流れることはない。
【0143】
このようなプログラム時には、制御信号NGNDによりトランジスタTn11がオンされることによって、メモリセル10のPウェル電位VPWi(図5参照)は接地電圧となる。
【0144】
次に、上記のように構成されたフラッシュメモリ30の書き込み動作を図20に従って詳述する。
図20(a)は、データ“0”が現在書き込まれているメモリセル10に対して、データ“0”を書き込む場合の動作を示す。この場合、メモリセル10のソースには、書き込むべきデータ“0”に対応する接地電圧(0.0V)の第2ソース電圧が供給される。
【0145】
この状態で、先ず、コントロールワード線CWL に負電圧(−9.3V)の第1制御電圧が供給される。このとき、ソース−フローティングゲート間の電位差はおよそ8.2VとなりFNトンネル電流は流れない。従って、メモリセル10はイレースされず、フローティングゲートの電荷量は変化しない。
【0146】
次いで、ソース電圧が0.0Vに維持されたまま、コントロールワード線CWL に高電圧(+9.5V)の第2制御電圧が供給される。このとき、ソース−フローティングゲート間の電位差はおよそ8.2VとなりFNトンネル電流は流れない。従って、フローティングゲートの電荷量は変化しない。よって、この場合には、書き込み前のメモリセルのデータ“0”が保持される。
【0147】
図20(b)は、データ“0”が現在書き込まれているメモリセル10に対して、データ“1”を書き込む場合の動作を示す。この場合、メモリセル10のソースには、書き込むべきデータ“1”に対応する高電圧(6.0V)の第1ソース電圧が供給される。
【0148】
この状態で、先ず、コントロールワード線CWL に負電圧(−9.3V)の第1制御電圧が供給される。このとき、ソース−フローティングゲート間におよそ14.2Vの電圧が印加され、FNトンネル電流が流れる。従って、フローティングゲートの電子が引き抜かれてメモリセル10はイレースされる。
【0149】
次いで、ソース電圧が6.0Vに維持されたまま、コントロールワード線CWL に高電圧(+9.5V)の第2制御電圧が供給される。このとき、ソース−フローティングゲート間の電位差はおよそ5.3VとなりFNトンネル電流は流れない。従って、メモリセル10はプログラムされず、フローティングゲートの電荷量は変化しない。よって、この場合には、イレースのみ行われ、書き込み前のメモリセルのデータ“0”はデータ“1”に書き換えられる。
【0150】
図20(c)は、データ“1”が現在書き込まれているメモリセル10に対して、データ“0”を書き込む場合の動作を示す。この場合、メモリセル10のソースには、書き込むべきデータ“0”に対応する接地電圧(0.0V)の第2ソース電圧が供給される。
【0151】
この状態で、先ず、コントロールワード線CWL に負電圧(−9.3V)の第1制御電圧が供給される。このとき、ソース−フローティングゲート間の電位差はおよそ5.3VとなりFNトンネル電流は流れない。従って、フローティングゲートの電荷量は変化しない。
【0152】
次いで、ソース電圧が0.0Vに維持されたまま、コントロールワード線CWL に高電圧(+9.5V)の第2制御電圧が供給される。このとき、ソース−フローティングゲート間におよそ11.3Vの電圧が印加され、FNトンネル電流(ソース−チャネル間)が流れる。従って、フローティングゲートに電子が注入されてメモリセル10はプログラムされる。よって、この場合には、プログラムのみ行われ、書き込み前のメモリセルのデータ“1”はデータ“0”に書き換えられる。
【0153】
図20(d)は、データ“1”が現在書き込まれているメモリセル10に対して、データ“1”を書き込む場合の動作を示す。この場合、メモリセル10のソースには、書き込むべきデータ“1”に対応する高電圧(6.0V)の第1ソース電圧が供給される。
【0154】
この状態で、先ず、コントロールワード線CWL に負電圧(−9.3V)の第1制御電圧が供給される。このとき、ソース−フローティングゲート間におよそ11.3Vの電圧が印加され、微量のFNトンネル電流が流れる(実際には殆ど流れない)。従って、フローティングゲートの電荷量は実質的に変化しない。
【0155】
次いで、ソース電圧が6.0Vに維持されたまま、コントロールワード線CWL に高電圧(+9.5V)の第2制御電圧が供給される。このとき、ソース−フローティングゲート間の電位差はおよそ5.6VとなりFNトンネル電流は流れない。従って、メモリセル10はプログラムされず、フローティングゲートの電荷量は変化しない。よって、この場合には、書き込み前のメモリセルのデータ“1”が保持される。
【0156】
次に、本実施形態の基準セル10a,10bの特性について詳述する。
図21は、各基準セル10a,10bから生成される読み出し基準電流の説明図である。
【0157】
上記したように、読み出し基準電流Irefj は、データ“0”が書き込まれている基準セルの読み出し電流である第1基準電流Iref0 と、データ“1”が書き込まれている基準セルの読み出し電流である第2基準電流Iref1 を定数j(0<j<1)倍した電流との合算電流として生成される。
【0158】
詳述すると、読み出し基準電流Irefj は、データ“0”の複数のメモリセル10のうち閾値Vth が一番低いセルの読み出し電流k1よりも大きく(図中(a))、且つ、データ“1”の複数のメモリセル10のうち閾値Vth が一番高いセルの読み出し電流k2よりも小さく(図中(b))なるように生成される。
【0159】
このとき、図中(a)の条件に該当するデータ“0”のメモリセル10の書き込み状態は、各基準セル10a,10bのうちデータ“0”が現在書き込まれている基準セルのそれに対応する。そして、図中(b)の条件に該当するデータ“1”のメモリセル10の書き込み状態は、各基準セル10a,10bのうちデータ“1”が現在書き込まれている基準セルのそれに対応する。
【0160】
これは、上記したように、各基準セル10a,10bは、その書き込み毎にそれぞれ逆の極性となるようデータが互いに反転して書き替えられるため、常に書き込みの一番弱い状態のセルとなっているからである。
【0161】
従って、データ“0”の基準セルは、データ“0”の全メモリセル10のうち閾値Vth が低めのメモリセル10と同様な閾値分布となり(図中(c))、データ“1”の基準セルは、データ“1”の全メモリセル10のうち閾値Vth が高めのメモリセル10と同様な閾値分布となる(図中(d))。
【0162】
すなわち、書き込み毎に基準セル10a,10bのデータが反転されることによって、データ“0”の基準セルの閾値Vth が書き込み毎に徐々に高くなることや、逆に、データ“1”の基準セルの閾値Vth が書き込み毎に徐々に低くなることは防止される。
【0163】
そして、各基準セル10a,10bには、その時々のメモリセル10の書き込み状態(セルの劣化、電源、温度、プロセス条件等)を正確に反映させることが可能である。換言すれば、メモリセル10と基準セル10a,10bとの書き換え特性及び記憶保持特性を略同一とすることができる。
【0164】
このような一対の基準セル10a,10bにおいて、本実施形態では読み出し基準電流Irefj が各基準セル10a,10bの読み出し電流の略中間値となるように、すなわち上述した定数jの値が0.5となるように生成される(図中(e))。そして、その読み出し基準電流Irefj に基づいてメモリセル10のデータ判定がなされる。
【0165】
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)メモリセルアレイ20には、複数のメモリセル10が接続される同一のコントロールワード線CWL 毎に一対の基準セル10a,10bがそれぞれ設けられる。各基準セル10a,10bには互いに相補なデータが書き込まれ、各データは、メモリセル10の消去/書き込み毎にそれぞれ逆の極性となるように反転して書き換えられる。従って、消去/書き込み毎に各基準セル10a,10bの閾値が一方向のみにシフトすることは防止され、各基準セル10a,10bに各メモリセル10の書き込み状態を正確に反映させることができる。その結果、基準セル10a,10bの閾値が適切な範囲内にあるか否かを監視するためのベリファイ動作を不要としながらも、読み出し動作の正確性を十分に確保することができる。
【0166】
(2)本実施形態では、メモリセル10の消去/書き込み毎に互いのデータが反転される一対の基準セル10a,10bから生成した読み出し基準電流Irefj に基づいて、メモリセル10のデータ判定がなされる。この構成では、ベリファイ動作を不要とすることができるとともに、プリプログラム動作を不要とすることができる。従って、消去動作/書き込み動作が完了するまでの時間を短縮することができる。
【0167】
(3)プリプログラム動作、ベリファイ動作を不要とするため、それに続く再消去動作/書き込み動作は当然不要である。従って、消去動作/書き込み動作が完了するまでの時間を短縮することができる。
【0168】
(4)プリプログラム動作、ベリファイ動作を不要とするため、それらに伴う消費電力の低減を図ることができる。
(5)プリプログラム動作、ベリファイ動作を不要とするため、それらに伴うレイアウト面積の縮小を図ることができ、延いてはダイサイズを縮小することが可能である。
【0169】
(6)本実施形態のメモリセル10及び基準セル10a,10bは、単層ポリシリコン構造で構成されているため、小容量メモリ用途を対象とする場合には、プロセス工程の削減を図ることができる。
【0170】
(7)セレクトトランジスタ12を有するメモリセル10及び基準セル10a,10bとしたことで、読み出し時に、非読み出し対象とするセル(セレクトトランジスタ12がオフされるセル)に電流が流れることを確実に防止することができる。従って、読み出し動作を正確に行うことができる。
【0171】
(第二実施形態)
以下、本発明を具体化した第二実施形態を図22〜24に従って説明する。
本実施形態は、図23に示すように、各基準セル10a,10bの閾値(即ち各メモリセル10の閾値)が高めに分布している場合の読み出し制御を説明するものである。
【0172】
尚、ここでは、コントロールワード線CWL に印加する読み出し電圧VCWL-RD が例えば接地電圧レベル(0V)の状態では、データ“1”の基準セルはオンされるが、データ“0”の基準セルはオンされない状況を想定する。
【0173】
この場合には、データ“0”の基準セルにもある程度の微小電流が流れるように、該データ“0”の読み出し電流を所定の値以上に調整する必要がある。その際、具体的には、データ“0”の読み出し電流(第1基準電流Iref0 )とデータ“1”の読み出し電流(第2基準電流Iref1 )との比率nが予め定めた目標値となるように、第1基準電流Iref0 と第2基準電流Iref1 の電流を増加させる。
【0174】
ここで、比率nは第2基準電流Iref1 の電流値をkとした場合に、
n=Iref1/Iref0=k/(k/n)
で表され(但し、nは自然数)、この比率nが大きいほど安定した読み出し動作を行うことが可能である。
【0175】
以下、第1基準電流Iref0 を調整するための具体的構成について説明する。
図22は、本実施形態の読出基準電流発生回路81を示す回路図である。
尚、同発生回路81は、上述した読出基準電流発生回路51(図13)の構成を一部変更したものであり、同様な構成部分には同一符号を付して説明する。
【0176】
読出基準電流発生回路81は、第1基準電流Iref0 に応じた第1基準信号SAref0を生成する第1基準電流生成部51aと、第2基準電流Iref1 に応じた第2基準信号SAref を生成する第2基準電流生成部51bと、読み出し電圧VCWL-RD を生成する読み出し電圧生成部81aとを含む。読み出し電圧生成部81aは、第1の電圧電流変換部91と、第2の電圧電流変換部92とを備えている。
【0177】
第1の電圧電流変換部91は、第1基準電流生成部51aから出力される第1基準信号SAref0を入力し、例えば本実施形態では前記第1基準電流Iref0 の2倍の電流値となるように第1制御電流I0p を発生させる。
【0178】
第2の電圧電流変換部92は、第2基準電流生成部51bから出力される第2基準信号SAref を入力し、例えば本実施形態では前記第2基準電流Iref1 の2/16倍の電流値となるように第2制御電流I1p を発生させる。
【0179】
尚、第1の電圧電流変換部91により発生させる第1制御電流I0p の電流値、第2の電圧電流変換部92により発生させる第2制御電流I1p の電流値は、目標とする比率nの値に応じて設定される。
【0180】
このような第1及び第2の電圧電流変換部91,92を有する読み出し電圧生成部81aは、第2制御電流I1p と、第1制御電流I0p のカレントミラー電流として流れる制御電流I0n との電流差に応じた電圧レベルを持つ読み出し電圧VCWL-RD を生成して出力する。
【0181】
詳述すると、図24に示すように、Hレベルの制御信号en(Lレベルの制御信号enb )に応答して読み出し動作が開始されると、読み出し電圧生成部81aから接地電圧レベル(0V)の読み出し電圧VCWL-RD が出力され、それに応答して本実施形態ではデータ“1”の基準セルのみがオンされる(時刻t1)。
【0182】
このとき、データ“1”の読み出し電流(第2基準電流Iref1 )が流れ、その第2基準電流Iref1 の2/16倍の電流値を持つ第2制御電流I1p が生成される。この第2制御電流I1p によって、読み出し電圧VCWL-RD は接地電圧(0V)から徐々に引き上げられ、その電圧レベルがデータ“0”の基準セルの閾値電圧レベルにまで引き上げられると、該データ“0”の基準セルがオンされる(時刻t2)。
【0183】
このとき、データ“0”の読み出し電流(第1基準電流Iref0 )が流れ、その第1基準電流Iref0 の2倍の電流値を持つ制御電流I0n(=第1制御電流I0p)が生成される。また、読み出し電圧VCWL-RD は、各制御電流I1p,I0nの電流差に応じた電圧レベルで出力される。そして、各制御電流I1p,I0nの電流値が等しくなると(時刻t3)、読み出し電圧VCWL-RD の上昇が停止し、その電圧レベルが維持される。
【0184】
従って、本実施形態では、各基準セル10a,10bの閾値Vth が高く分布している場合にも、目標とする比率nに応じた所定の値以上の(微小)電流がデータ“0”の基準セルに流れるようにコントロールワード線CWL に印加する読み出し電圧VCWL-RD を上昇させることで、安定した読み出し動作が可能となる。
【0185】
(第三実施形態)
以下、本発明を具体化した第三実施形態を図25〜27に従って説明する。
本実施形態は、図26に示すように、各基準セル10a,10bの閾値(即ち各メモリセル10の閾値)が低めに分布している場合の読み出し制御を説明するものである。
【0186】
尚、ここでは、コントロールワード線CWL に印加する読み出し電圧VCWL-RD が例えば接地電圧レベル(0V)の状態で、データ“0”の基準セルに流れる電流が大きすぎるために、読み出し動作を安定して行うことができない状況を想定する。
【0187】
この場合には、前記第二実施形態で述べた第1基準電流Iref0 と第2基準電流Iref1 との比率n(=Iref1/Iref0=k/(k/n))が極めて小さな値となっている。このため、比率nが目標とする値まで大きくなるように、データ“0”の読み出し電流(第1基準電流Iref0 )を所定の値以下に減少させる。
【0188】
以下、第1基準電流Iref0 を調整するための具体的構成について説明する。
図25は、第三実施形態の読出基準電流発生回路101を示す回路図である。
尚、同発生回路101は、上述した読出基準電流発生回路51(図13)の構成を一部変更したものであり、同様な構成部分には同一符号を付して説明する。
【0189】
読出基準電流発生回路101は、第1基準電流Iref0 に応じた第1基準信号SAref0を生成する第1基準電流生成部51aと、第2基準電流Iref1 に応じた第2基準信号SAref を生成する第2基準電流生成部51bと、読み出し電圧VCWL-RD を生成する読み出し電圧生成部51cと、ソース電圧生成部101aとを含む。
【0190】
第1基準電流生成部51aは、第1基準電流Iref0 に基づいて制御電流I1p0を発生させ、ノードdに流れ込む制御電流I1p0とノードdから流れ出す第1基準電流Iref0 とに基づいて第1基準信号SAref0を生成する。
【0191】
ソース電圧生成部101aは電圧電流変換部111を備え、該電圧電流変換部111と接地電源との間には、前記第1基準信号SAref0の電圧レベル(ノードdの電位)がゲートに入力されるトランジスタTn12(NMOSトランジスタ)が直列に接続されている。
【0192】
前記電圧電流変換部111は、前記第1基準信号SAref0の電圧レベル(ノードdの電位)を入力し、前記制御電流I1p0と同一電流値を持つ基準制御電流I1p1を発生させる。尚、基準制御電流I1p1(=制御電流I1p0)は、目標とする比率nの値に応じて設定されるものであり、例えば本実施形態では前記第2基準電流Iref1 の1/16倍の電流値に設定される。
【0193】
このようなソース電圧生成部101aは、前記第1基準信号SAref0の電圧レベル(ノードdの電位)に応じて生成した制御信号arc に基づいて、各ソース電圧供給回路44,45a,45b(図4参照)に供給するソース供給電源ARGND を生成する。
【0194】
詳述すると、図27に示すように、Hレベルの制御信号en(Lレベルの制御信号enb )に応答して読み出し動作が開始される直後において(時刻t1)、データ“0”の読み出し電流(第1基準電流Iref0 )が制御電流I1p0よりも大きい場合には、第1基準信号SAref0の電圧レベル(ノードdの電位)が0Vとなる。
【0195】
このとき、トランジスタTn12はオフされるため制御信号arc はHレベルとなり、ソース供給電源ARGND の電圧レベルが徐々に引き上げられる。すなわち、各ソース電圧供給回路44,45a,45b(図4参照)を介してソース線SLに供給される電圧が引き上げられ、それによってデータ“0”の読み出し電流(第1基準電流Iref0 )が徐々に減少する。
【0196】
第1基準電流Iref0 が制御電流I1p0とほぼ同じ電流量まで減少すると第1基準信号SAref0の電圧レベル(ノードdの電位)が上昇し始め(時刻t2)、該ノードdの電位がトランジスタTn12の閾値電圧レベルに達すると該トランジスタTn12がオンされて制御信号arc の電圧レベルが下降し始める(時刻t3)。そして、第1基準電流Iref0 と制御電流I1p0の電流量が等しくなると(時刻t4)、ソース供給電源ARGND の上昇が停止し、その電圧レベルが維持される。
【0197】
従って、本実施形態では、各基準セル10a,10bの閾値Vth が低く分布している場合にも、目標とする比率nに応じた所定の値以下の電流がデータ“0”の基準セルに流れるようにソース線SLに印加するソース供給電源ARGND を上昇させることで、安定した読み出し動作が可能となる。
【0198】
尚、上記各実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・各実施形態では、書き込み時において、コントロールワード線CWL に、先ず負電圧の第1制御電圧を印加した後、高電圧の第2制御電圧を印加するようにしたが、逆の順序であってもよい。すなわち、高電圧の第2制御電圧を印加してプログラムを実施した後、負電圧の第1制御電圧を印加してイレースを行うようにしてもよい。
【0199】
・各実施形態では、単層ポリシリコン構造のメモリセル10に具体化したが、選択ワード線を備えない2層ポリシリコン構造(スタック型)のメモリセルに具体化してもよい。因みに、スタック型のメモリセルにおいては、コントロールゲートに接続される1本のワード線(選択ワード線)のみで、本実施形態のコントロールワード線CWL と選択ワード線SWL を共用する。
【0200】
・各実施形態では、単層ポリシリコン構造のメモリセル10として、セレクトトランジスタ12を備えない2素子構造のセルとしてもよい。
・各実施形態では、同一のコントロールワード線CWL に接続される全てのメモリセル10を書き込み対象として一括で書き込むようにしたが、選択的に書き込みするようにしてもよい。
【0201】
・各実施形態では、第二実施形態における読出基準電流発生回路81の機能と第三実施形態における読出基準電流発生回路101の機能とを兼ね備えた回路を備えるようにしてもよい。
【0202】
・第二実施形態では、基準セル10a,10bの閾値が高く分布する場合に、データ“0”の読み出し電流が目標とする比率nに応じた値となるまでコントロールワード線CWL に供給する読み出し電圧VCWL-RD を上昇させる制御としたが、ソース線SLに供給するソース供給電源ARGND を下降させる制御としてもよい。
【0203】
・第三実施形態では、基準セル10a,10bの閾値が低く分布する場合に、データ“0”の読み出し電流が目標とする比率nに応じた値となるまでソース線SLに供給するソース供給電源ARGND を上昇させる制御としたが、コントロールワード線CWL に供給する読み出し電圧VCWL-RD を下降させる制御としてもよい。
【0204】
上記各実施形態の特徴をまとめると以下のようになる。
(付記1) 同一のワード線に複数のメモリセルと一対の基準セルが接続される不揮発性メモリの制御方法であって、
前記複数のメモリセルの消去動作毎もしくは書き込み動作毎に、前記一対の基準セルに現在書き込まれているデータとそれぞれ逆の極性となるように、該一対の基準セルに互いに相補なデータを書き込む第1のステップと、
前記複数のメモリセルの読み出し動作毎に、前記一対の基準セルから読み出される各読み出し電流の略中間値となるように読み出し基準電流を生成する第2のステップと
を備えることを特徴とする不揮発性メモリの制御方法。
(付記2) 前記一対の基準セルから読み出される各読み出し電流は、データ“0”の基準セルから読み出される第1基準電流と、データ“1”の基準セルから読み出される第2基準電流とであり、
前記読み出し基準電流は、前記第1基準電流と、前記第2基準電流を定数j(但し0<j<1)倍した電流との合算電流として生成されることを特徴とする付記1記載の不揮発性メモリの制御方法。
(付記3) 前記読み出し基準電流が前記第1基準電流と前記第2基準電流との略中間値となるように、前記定数jを複数の選択信号に基づいて決定することを特徴とする付記2記載の不揮発性メモリの制御方法。
(付記4) 前記メモリセルから読み出される読み出し電流と前記読み出し基準電流とを比較して前記メモリセルのデータ判定を行うことを特徴とする付記1乃至3の何れか一記載の不揮発性メモリの制御方法。
(付記5) 前記一対の基準セルの書き込み動作に先立って該一対の基準セルに現在書き込まれているデータを読み出し、各データの極性を判定した判定結果に基づいて前記一対の基準セルに書き込むべきデータを生成することを特徴とする付記1乃至4の何れか一記載の不揮発性メモリの制御方法。
(付記6) 前記一対の基準セルの書き込み動作を前記同一のワード線に接続される前記複数のメモリセルの書き込み動作と同時に行うことを特徴とする付記1乃至5の何れか一記載の不揮発性メモリの制御方法。
(付記7) 前記読み出し基準電流の生成に先立って、前記一対の基準セルから読み出される各読み出し電流の比率が予め定めた目標値となるように、該一対の基準セルに接続されるワード線に印加する電圧もしくは前記一対の基準セルに接続されるソース線に印加する電圧を調整することを特徴とする付記1乃至6の何れか一記載の不揮発性メモリの制御方法。
(付記8) 前記ソース線に印加する電圧もしくは前記ワード線に印加する電圧を、前記一対の基準セルから読み出される各読み出し電流の電流差に基づいて調整することを特徴とする付記7記載の不揮発性メモリの制御方法。
(付記9) 前記一対の基準セルの閾値が低い場合には前記ソース線に印加する電圧を上昇させることを特徴とする付記7又は8記載の不揮発性メモリの制御方法。
(付記10) 前記一対の基準セルの閾値が高い場合には前記ソース線に印加する電圧を下降させることを特徴とする付記7又は8記載の不揮発性メモリの制御方法。
(付記11) 前記一対の基準セルから読み出される各読み出し電流の比率が予め定めた目標値に達するとき、前記ソース線に印加する電圧を維持するようにしたことを特徴とする付記9又は10記載の不揮発性メモリの制御方法。
(付記12) 前記一対の基準セルの閾値が低い場合には前記ワード線に印加する電圧を下降させることを特徴とする付記7又は8記載の不揮発性メモリの制御方法。
(付記13) 前記一対の基準セルの閾値が高い場合には前記ワード線に印加する電圧を上昇させることを特徴とする付記7又は8記載の不揮発性メモリの制御方法。
(付記14) 前記一対の基準セルから読み出される各読み出し電流の比率が予め定めた目標値に達するとき、前記ワード線に印加する電圧を維持するようにしたことを特徴とする付記12又は13記載の不揮発性メモリの制御方法。
(付記15) 同一のワード線に複数のメモリセルと一対の基準セルとが接続され、前記ワード線方向に沿って前記メモリセル毎及び前記基準セル毎にソース線がそれぞれ分離して接続される不揮発性メモリにおいて、
前記複数のメモリセルの消去動作毎もしくは書き込み動作毎に、前記一対の基準セルのデータを読み出し、各データの極性を判定して極性信号を出力する基準セル読出回路と、
前記極性信号に基づいて、前記一対の基準セルに現在書き込まれているデータとそれぞれ逆の極性となるように、該一対の基準セルに書き込むべき互いに相補なデータを生成する基準セル書込データ発生回路と、
前記一対の基準セルに接続されるソース線にそれぞれ対応して設けられ、前記基準セル書込データ発生回路から出力されるデータにそれぞれ対応するソース電圧を供給するソース電圧供給回路と
を備えることを特徴とする不揮発性メモリ。
(付記16) 前記一対の基準セルから読み出される各読み出し電流は、データ“0”の基準セルから読み出される第1基準電流と、データ“1”の基準セルから読み出される第2基準電流とであり、
前記第1基準電流に応じた第1基準信号を生成する第1の電流電圧変換部と、前記第2基準電流に応じた第2基準信号を生成する第2の電流電圧変換部とを含む読出基準電流発生回路と、
前記第1及び第2基準信号に基づいて前記第1及び第2基準電流の略中間値となるように読み出し基準電流を生成し、該読み出し基準電流と前記メモリセルから読み出される読み出し電流とを比較して前記メモリセルのデータ判定を行うセンスアンプと
を備えることを特徴とする付記15記載の不揮発性メモリ。
(付記17) 前記極性信号に基づいて前記一対の基準セルに書き込まれているデータにそれぞれ対応するデコード信号を生成する基準セル用Yデコーダと、
前記デコード信号に基づいて、前記第1基準電流が読み出される基準セルからの読み出し信号と前記第2基準電流が読み出される基準セルからの読み出し信号とを前記読出基準電流発生回路に出力する基準セル用Y選択ゲートと
を備えることを特徴とする付記16記載の不揮発性メモリ。
(付記18) 前記読出基準電流発生回路は、
前記第1基準信号に基づいて前記第1基準電流を所定倍数した第1制御電流を生成する第1の電圧電流変換部と、前記第2基準信号に基づいて前記第2基準電流を所定倍数した第2制御電流を生成する第2の電圧電流変換部とを含み、前記第1基準電流と前記第2基準電流との比率が予め定めた目標値となるように前記第1制御電流と前記第2制御電流との電流差に基づいて生成した読み出し電圧を前記ワード線に供給するための読み出し電圧生成部を備えていることを特徴とする付記16又は17記載の不揮発性メモリ。
(付記19) 前記読み出し電圧生成部により生成される読み出し電圧は、前記ワード線に供給する印加電圧を選択するワード線印加電圧選択回路にフィードバックされることを特徴とする付記18記載の不揮発性メモリ。
(付記20) 前記読出基準電流発生回路は、
前記第1基準信号に基づいて基準制御電流を生成する電圧電流変換部を含み、前記第1基準電流と前記第2基準電流との比率が予め定めた目標値となるように前記第1基準電流と前記基準制御電流との電流差に基づいて生成したソース供給電源を前記ソース線に供給するためのソース電圧生成部を備えていることを特徴とする付記16乃至19の何れか一記載の不揮発性メモリ。
(付記21) 前記ソース電圧生成部により生成されるソース供給電源は、前記ソース電圧供給回路に出力されることを特徴とする付記20記載の不揮発性メモリ。
(付記22) 前記複数のメモリセル及び前記一対の基準セルは単層ポリシリコン構造のセルであって、
前記ワード線が接続される容量と、前記ソース線が接続されるメモリトランジスタと、選択ワード線が接続されるセレクトトランジスタとから構成されることを特徴とする付記15乃至21の何れか一記載の不揮発性メモリ。
【0205】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、ベリファイ動作を不要としながら読み出し動作を正確に行うことのできる不揮発性メモリの制御方法及び不揮発性メモリを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第一実施形態の不揮発性メモリセルの構成を示す説明図であり、(a)は回路図、(b)及び(c)は断面構造図を示す。
【図2】 メモリセルの書き込み方法を示す原理説明図である。
【図3】 不揮発性メモリの概略構成を示すブロック図である。
【図4】 不揮発性メモリの詳細な構成を示すブロック図である。
【図5】 メモリセルの回路図である。
【図6】 メモリセルアレイを示す回路図である。
【図7】 ソース電圧供給回路を示す回路図である。
【図8】 基準セル読出回路を示す回路図である。
【図9】 基準セル読出回路の動作波形図である。
【図10】 基準セル書込データ発生回路を示す回路図である。
【図11】 基準セル用Yデコーダを示す回路図である。
【図12】 基準セル用Y選択ゲートを示す回路図である。
【図13】 読出基準電流発生回路を示す回路図である。
【図14】 Y選択ゲートを示す回路図である。
【図15】 センスアンプを示す回路図である。
【図16】 ワード線印加電圧選択回路を示す回路図である。
【図17】 ワード線印加電圧選択回路の動作波形図である。
【図18】 ワード線ドライバを示す回路図である。
【図19】 ワード線ドライバの動作波形図である。
【図20】 書き込み動作を示す波形図であり、(a)はデータ“0”→“0”の書き込み、(b)はデータ“0”→“1”の書き込み、(c)はデータ“1”→“0”の書き込み、(d)はデータ“1”→“1”の書き込みを示す。
【図21】 読み出し基準電流を説明する説明図である。
【図22】 第二実施形態の読出基準電流発生回路を示す回路図である。
【図23】 閾値が高く分布する場合を示す説明図である。
【図24】 第二実施形態の読出基準電流発生回路の動作波形図である。
【図25】 第三実施形態の読出基準電流発生回路を示す回路図である。
【図26】 閾値が低く分布する場合を示す説明図である。
【図27】 第三実施形態の読出基準電流発生回路の動作波形図である。
【符号の説明】
CWL ワード線としてのコントロールワード線
SL ソース線
REF-REV 極性信号
Irefj 読み出し基準電流
Iref0 第1基準電流
Iref1 第2基準電流
SAref0 第1基準信号
SAref 第2基準信号
I0p 第1制御電流
I1p 第2制御電流
I1p1 基準制御電流
ARVSS ソース電圧
ARGND ソース供給電源
VCWL-RD 読み出し電圧
n 比率
10 メモリセル
10a,10b 基準セル
30 不揮発性メモリとしてのフラッシュメモリ
44,45a,45b ソース電圧供給回路
46 基準セル読出回路
47 基準セル書込データ発生回路
51,81,101 読出基準電流発生回路
51c,81a 読み出し電圧生成部
52 センスアンプ
61 第1の電流電圧変換部
62 第2の電流電圧変換部
91 第1の電圧電流変換部
92 第2の電圧電流変換部
101a ソース電圧生成部
111 電圧電流変換部
Claims (10)
- 同一のワード線に複数のメモリセルと一対の基準セルが接続される不揮発性メモリの制御方法であって、
前記複数のメモリセルの消去動作毎もしくは書き込み動作毎に、前記一対の基準セルに現在書き込まれているデータとそれぞれ逆の極性となるように、該一対の基準セルに互いに相補なデータを書き込む第1のステップと、
前記複数のメモリセルの読み出し動作毎に、前記一対の基準セルから読み出される各読み出し電流の略中間値となるように読み出し基準電流を生成する第2のステップと
を備えることを特徴とする不揮発性メモリの制御方法。 - 前記一対の基準セルから読み出される各読み出し電流は、データ“0”の基準セルから読み出される第1基準電流と、データ“1”の基準セルから読み出される第2基準電流とであり、
前記読み出し基準電流は、前記第1基準電流と、前記第2基準電流を定数j(但し0<j<1)倍した電流との合算電流として生成されることを特徴とする請求項1記載の不揮発性メモリの制御方法。 - 前記一対の基準セルの書き込み動作に先立って該一対の基準セルに現在書き込まれているデータを読み出し、各データの極性を判定した判定結果に基づいて前記一対の基準セルに書き込むべきデータを生成することを特徴とする請求項1又は2記載の不揮発性メモリの制御方法。
- 前記読み出し基準電流の生成に先立って、前記一対の基準セルから読み出される各読み出し電流の比率が予め定めた目標値となるように、該一対の基準セルに接続されるワード線に印加する電圧もしくは前記一対の基準セルに接続されるソース線に印加する電圧を調整することを特徴とする請求項付記1乃至3の何れか一項記載の不揮発性メモリの制御方法。
- 前記一対の基準セルの閾値が低い場合には前記ソース線に印加する電圧を上昇させることを特徴とする請求項4記載の不揮発性メモリの制御方法。
- 前記一対の基準セルの閾値が高い場合には前記ワード線に印加する電圧を上昇させることを特徴とする請求項4記載の不揮発性メモリの制御方法。
- 同一のワード線に複数のメモリセルと一対の基準セルとが接続され、前記ワード線方向に沿って前記メモリセル毎及び前記基準セル毎にソース線がそれぞれ分離して接続される不揮発性メモリにおいて、
前記複数のメモリセルの消去動作毎もしくは書き込み動作毎に、前記一対の基準セルのデータを読み出し、各データの極性を判定して極性信号を出力する基準セル読出回路と、
前記極性信号に基づいて、前記一対の基準セルに現在書き込まれているデータとそれぞれ逆の極性となるように、該一対の基準セルに書き込むべき互いに相補なデータを生成する基準セル書込データ発生回路と、
前記一対の基準セルに接続されるソース線にそれぞれ対応して設けられ、前記基準セル書込データ発生回路から出力されるデータにそれぞれ対応するソース電圧を供給するソース電圧供給回路と
を備えることを特徴とする不揮発性メモリ。 - 前記一対の基準セルから読み出される各読み出し電流は、データ“0”の基準セルから読み出される第1基準電流と、データ“1”の基準セルから読み出される第2基準電流とであり、
前記第1基準電流に応じた第1基準信号を生成する第1の電流電圧変換部と、前記第2基準電流に応じた第2基準信号を生成する第2の電流電圧変換部とを含む読出基準電流発生回路と、
前記第1及び第2基準信号に基づいて前記第1及び第2基準電流の略中間値となるように読み出し基準電流を生成し、該読み出し基準電流と前記メモリセルから読み出される読み出し電流とを比較して前記メモリセルのデータ判定を行うセンスアンプと
を備えることを特徴とする請求項7記載の不揮発性メモリ。 - 前記読出基準電流発生回路は、
前記第1基準信号に基づいて前記第1基準電流を所定倍数した第1制御電流を生成する第1の電圧電流変換部と、前記第2基準信号に基づいて前記第2基準電流を所定倍数した第2制御電流を生成する第2の電圧電流変換部とを含み、前記第1基準電流と前記第2基準電流との比率が予め定めた目標値となるように前記第1制御電流と前記第2制御電流との電流差に基づいて生成した読み出し電圧を前記ワード線に供給するための読み出し電圧生成部を備えていることを特徴とする請求項8記載の不揮発性メモリ。 - 前記読出基準電流発生回路は、
前記第1基準信号に基づいて基準制御電流を生成する電圧電流変換部を含み、前記第1基準電流と前記第2基準電流との比率が予め定めた目標値となるように前記第1基準電流と前記基準制御電流との電流差に基づいて生成したソース供給電源を前記ソース線に供給するためのソース電圧生成部を備えていることを特徴とする請求項8又は9記載の不揮発性メモリ。
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