JP2004202807A - 転写シート及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】鏡面のように光反射率の高い金属光沢面を転写技法によって成形品の表面に付与すること。
【解決手段】上記課題を解決する本発明の転写シート10は、シート状基材12と、転写対象の成形品に転写され得る積層体14であって該基材12の一方の面側に水溶性接着剤13によって貼り付けられている積層体14とを備える。前記積層体14は、転写対象の成形品に対して接着性を有する接着成分を主体とする接着層15と、少なくとも一方の面が金属光沢を有する金属箔16とを有しており、前記基材12の位置を下としたとき、前記金属箔16は前記光沢面が上になるようにして前記接着層15よりも上に配置されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形品の表面に金属光沢を付与するための転写技術に関するものであり、より詳細にはそのような転写を行う際に用いられる転写シートに関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチック、ガラス、金属等から成る成形品(特にフラットでない曲面により表面が構成されているもの、例えばヘルメット)の表面装飾に関する要求の一つとして、質感向上に寄与し得る金属光沢の付与があり、特に鏡面のような光反射率の高い光沢の付与が要望されている。
従来、このことを実現する手段として、極薄(例えば厚さ10〜20μm)の金属箔をピンセット等を用いて作業者が成形品の表面に配置するとともに、予め成形品の当該表面部位に塗布してあった接着剤によって当該配置した金属箔をその部位に貼り付ける処理が行われていた。しかし、かかる作業者による貼り付け作業は熟練を要するうえに作業効率性がきわめて悪かった。また、成形品の表面に配置した金属箔に一度シワや破れ(クラック)が生じると、目的とする鏡面形成はもはや不可能であり、新たな金属箔と交換せざるを得なかった。このような交換は金属箔の浪費であり、コスト削減の観点から好ましくない。
そこで、上述した金属箔そのものを直接取り扱う手作業に代わる、簡便で作業効率性の高い、成形品の表面に金属光沢(典型的には鏡面)を付与する手段が要望されている。
【0003】
例えば、下記の特許文献1には、金属板を薄く延伸することにより得られた金属箔の一方の面に粘着剤を介して基材(転写紙)を貼り付けたことを特徴とする転写紙付き金属箔が記載されている。また、特許文献2には、金属箔の両面にアクリル樹脂等から成るコーティング層と適当な染料を含む模様層とを設けることにより、結果的に厚さの増した模様入り金属箔が記載されている。
また、特許文献3には、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル等から成る基材(レザー)の表面に金属蒸着膜をラミネートして成る装飾用レザー(装飾用シート)が記載されている。特許文献4には、合成樹脂、ラッカー、金属箔等を適量配合した混合物を吸湿紙に膜状に塗布して成る装飾用シートが記載されている。
また、特許文献5には、金属光沢顔料を含有する樹脂材料を用いて金属光沢表面を有する樹脂成形品を形成することが記載されている。
【0004】
【特許文献1】登録実用新案第3013015号公報
【特許文献2】特開平7−52532号公報
【特許文献3】特開平8−1861号公報
【特許文献4】特開平7−316986号公報
【特許文献5】特開平7−144465号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記特許文献1及び2に記載されるような金属箔あるいは上記特許文献3及び4に記載されるような装飾用シートは、取扱い性が向上してはいるものの、箔やシートそれ自体が厚いために曲がり難い。このため、成形品の表面が曲面で構成されている場合(例えば乗車用ヘルメットの球状表面)には、その曲面構成に追従(適合)した状態で箔を貼り難い。また、上記特許文献3及び4に記載されるような装飾用シートを成形品の表面に貼り付けると、美観を損ねる凹凸が当該成形品の表面に生じる虞もある。
他方、特許文献5に記載のような、金属光沢顔料を含有する樹脂材料を用いて金属光沢表面を有するプラスチック成形品を形成するアプローチによると、成形品の一部に他の部分と異なる光沢を表現させることが困難である。
【0006】
本発明は、金属光沢(典型的には鏡面のような光反射率の高い金属光沢面)を簡単な手法によって成形品に付与すべく創出されたものであり、成形品の表面の特定の一部又は全体に金属光沢を付与する転写シート及び該シートの製造方法を提供することを目的とする。また、本発明の他の目的は、そのような転写シートを用いて、金属光沢を成形品の表面に付与する方法ならびに該方法を実施して金属光沢が表面に付与された成形品(例えば乗車用ヘルメット)を製造する方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】本発明によって提供される転写シートは、シート状基材と、転写対象の成形品に転写され得る積層体であって該基材の一方の面側に水溶性接着剤によって貼り付けられている積層体とを備えたシートである。上記積層体は、転写対象の成形品に対して接着性を有する接着成分を主体とする接着層と、少なくとも一方の面が金属光沢を有する金属箔とを有していることを特徴とする。典型的には、上記基材の位置を下としたとき、上記金属箔は上記光沢面が上になるようにして上記接着層よりも上に配置される。
【0008】
本発明の転写シートによると、いわゆる湿式転写によって成形品の表面に金属光沢(典型的には鏡面のような光反射率の高い光沢)を付与することができる。このため、フラットな表面形状の成形品のみならず、曲面のように表面形状が三次元的な成形品(例えば乗車用ヘルメット)に対しても、その表面形状に追従させて積層体(転写体)を容易に貼り付けることができる。このため、高い作業効率性を維持しつつ種々の成形品の表面に金属光沢を付与することができる。
【0009】
また、金属箔を使用することにより、転写体自体を薄くすることができる。好ましい金属箔は、蒸着膜(典型的には、ベースフィルムの一方の面に金属蒸着膜を形成して成る蒸着箔由来の当該金属蒸着膜)である。特に蒸着膜の厚さが10μm以下であるものが好ましい。このような金属蒸着膜を含む転写シートを用いることによって、転写対象である成形品の表面に美観を損ねる凹凸が生じるのを防止しつつ質感の高い金属光沢を有する成形品を製造することができる。従って、本発明は、本発明に係る転写シートを用いて表面に金属光沢(例えば鏡面のような光沢)を付与することを特徴とする、成形品の製造方法を提供する。
【0010】
本発明の転写シートは、典型的には、少なくとも一方の面に水溶性接着剤が付与されたシート状基材を用意する工程と、上記接着剤が付与された面上に、転写対象の成形品に対して接着性を有する接着成分を主体とする接着層を形成する工程と、その接着層の上に、少なくとも一方の面が金属光沢を有する金属箔を該光沢面が上になるようにして配置する工程と、上記配置した金属箔を基材方向に熱圧着する工程(即ち加熱した状態で金属箔を基材方向に押し付ける工程)とを包含する方法によって製造することができる。
【0011】
この方法では、上記熱圧着を行うことによって積層体に含まれる金属箔の厚さを薄くすることができる。例えば、圧着温度100〜180℃(好ましくは100〜150℃)、圧着時間10秒以下(好ましくは5秒以下)の条件で上記熱圧着を行うことが好ましい。このような条件の熱圧着を実施することにより、成形品の表面に美観を損ねる凹凸を生じさせない転写シートを容易に製造することができる。上記金属箔として熱可塑性樹脂製のベースフィルムの一方の面に金属蒸着膜(例えばアルミニウム膜)が形成されて成る蒸着箔を使用することが好ましい。また、その蒸着箔(典型的には厚さ10μm以上、例えば12〜25μm)を熱圧着処理した後の金属蒸着膜の厚さ(即ちベースフィルムを剥離した後の金属蒸着膜の厚さ)が10μm以下となるように加圧して熱圧着を行うことが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、いずれも従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書及び図面によって開示されている事項と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
【0013】
図1に本発明の一実施形態である転写シート10を示す。この転写シート10は、大まかにいって、シート状基材12と、積層体14とから構成されている。シート状基材12の一方の表面(積層体を形成する面)は、水溶性接着剤13によってコーティングされている。
一方、積層体14は、転写対象の成形品に対して接着性を有する接着成分を主体とする接着層15と、一方の面が金属光沢を有する金属箔16(金属光沢を有するアルミニウム蒸着膜)とを有している。さらに、積層体14の表面には、当該積層体14を覆うようにしてカバーコート18が形成されている。
【0014】
転写シート10を構成するシート状基材12は、従来から湿式転写用のシートの基材(台紙)として使用されている素材のものであればよく、特に制限はない。例えば、紙、布、皮革、樹脂又は金属製の基材を使用し得る。水透過性の基材が好ましい。またこれらの材料を適宜組み合わせて製造した複合シートを使用してもよい。透水性又は経済性の観点から、秤量10〜500g/m2程度の紙(例えば転写用上質紙がよい。)が好適である。特に限定しないが、使用する基材の厚さは、0.05〜0.5mm程度が好適であり、厚さ0.1〜0.3mm程度の基材が特に好ましい。
【0015】
本明細書において「水溶性接着剤」とは、乾燥時において転写シート10の基材12と積層体14とを接着し得る一方、湿潤状態(典型的には転写シート10を水中に入れた状態)では当該積層体14が基材12から剥離可能になる程度に接着力を失う性質の物質をいう。例えば、炭水化物系接着剤(澱粉、デキストリン等)、タンパク質系接着剤(膠、ゼラチン、カゼイン等)、樹脂系接着剤(ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、メチルセルロース等)を使用することができる。
【0016】
転写シート10の積層体14(即ち上記基材12から離れて成形品に転写される部分をいう。)を構成する金属箔16としては、金属板を圧延して薄い箔状としたものも使用し得るが、特に高い鏡面光沢度(典型的にはJIS Z 8741に基づく入射角20°〜60°の範囲における鏡面光沢度が70〜100)を実現するのに好ましい金属箔は金属蒸着膜である。特に好ましい蒸着膜は、ベースフィルム(基材)の一方の面に種々の蒸着法(例えば真空蒸着法、スパッタリング法)によって金属を蒸着して成る蒸着箔由来の金属蒸着膜である。このような蒸着膜では、ベースフィルムの他方の面(非蒸着面)において極めて高い鏡面光沢度(例えばJIS Z 8741に基づく入射角20°〜60°の範囲における鏡面光沢度が80〜100)を実現することができる。
アルミニウム、クロム、銅、錫、チタン、金、銀等の金属単体あるいはブロンズ、真鍮等の合金から成る金属箔を用いることができる。特に、アルミニウム蒸着膜が好ましい。転写シートを作製するのに用いる蒸着箔のベースフィルムとしては、熱可塑性樹脂(例えばポリプロピレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ABS、ポリスチレン)製のものが好ましく、特にポリプロピレン製ベースフィルムにアルミニウムが真空蒸着されたものが好ましい。なお、特に限定するものではないが、使用する蒸着箔は、ベースフィルム上に金属蒸着膜(蒸着層)を直接形成したものでもよく、市販されているアルミ蒸着箔のような当該蒸着層の他に離型層、保護層、着色層、接着層等をさらに有するものでもよい。
【0017】
成形品(例えば乗車用ヘルメット)の表面に目立った凹凸を生じさせることなく転写を実現するには、比較的薄い金属箔の使用が好ましい。例えば、厚さ10〜25μm(例えば12〜16μm)のベースフィルムに0.01〜0.1μm程度(典型的には0.03〜0.05μm)の厚さに真空蒸着された金属蒸着膜(蒸着層)を有するものが好ましい。なお、一般的な湿式転写用の転写シートでは、表面の平滑性や耐摩擦性を向上させるべく、顔料(色インク)を含む着色層の表面に透明性の高いウレタン系樹脂等から成るクリア層を形成することがある。しかし、本発明の転写シートでは、金属箔として金属蒸着膜を使用する場合、そのようなクリア層を省くことができる。
【0018】
接着層15は、転写対象たる成形品S(図3参照)に金属箔16を貼り付けるための要素であり、成形品Sに対して接着性を有する接着成分を主体に構成される。かかる成分としては、乾燥した(或いは加熱された)後に成形品に対して強固な接着性を発揮し、水に溶け難い性質のものであれば特に限定されず、接着対象の成形品表面部の材質に応じて適宜選択され得る。例えば、成形品の表面部がポリウレタン、ポリプロピレン等の合成樹脂で形成されている場合、適当な接着成分として、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル等のアクリル系樹脂の他、ポリウレタン(イソシアネート類と分子末端がヒドロキシル基であるポリオールとの反応によって得られる熱可塑性ポリウレタンを含む)、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリスチレン、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体その他のビニル重合体、エポキシ樹脂、フェノール樹脂のような合成樹脂、あるいは、硝酸セルロースその他のセルロース誘導体、あるいは、ポリイソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム等の天然若しくは合成ゴム(エラストマー)が挙げられる。これらのうち耐久性、耐候性の観点から合成樹脂類が好ましく、転写時において高い接着強度を得るという観点からは、熱硬化性樹脂を主体とする接着層が特に好ましい。また、後述する熱圧着時における金属箔との密着性を向上させるという観点からは、アクリル系又はポリウレタン系の熱可塑性樹脂を含むものが好ましい。
【0019】
なお、接着層には、必要に応じて、上記接着成分(主成分)の他、粘着性付与剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、帯電防止剤、難燃剤、可塑剤等の付加的成分を含んでもよい。但し、金属箔の接着性又は平滑性(これら性質は鏡面光沢度に対して影響を及ぼし得る。)を維持するという観点からは、フィラー、顔料(チタン白等)のような比較的サイズの大きい(例えば平均粒径5μm以上)固形充填剤を含有しない接着層が好ましい。
【0020】
図1に示すように、好ましくは、転写シート10の積層体14の表面にカバーコート18を形成する。カバーコート18は、成形品の表面形状(典型的には曲面形状)に容易に追従(適合)させつつ積層体(転写体)14を成形品に転写させ得る柔軟性と、転写後は金属箔16から容易に剥離し得る剥離性とを有するものが好ましい。また、転写シート(積層体)表面の耐摩擦性、耐薬品性、耐汚染性を向上し得るものがさらに好ましい。例えば、適量の可塑剤(例えばアクリル系樹脂のような熱可塑性樹脂を構成要素とするもの)、粘着性付与剤等を含む熱硬化性樹脂若しくは熱可塑性樹脂を主体に形成されたものが好適である。そのような樹脂としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。
【0021】
本発明の転写シート10は、従来の湿式転写用シート調製法と同様の技法により調製されたシート状基材12の上に、上記積層体14を形成することによって調製することができる。
すなわち、適当な材質のシート状基材12の表面に上述したような適切な水溶性接着剤13を塗布する。例えば、ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂100部に対して、水5〜20部および安定剤、粘度調整剤等の添加剤を適量配合して粘度1000〜2000cps程度の溶液を調合し、厚さが0.1〜0.2mm程度となるように基材12の表面に塗布するとよい。
【0022】
次に、シート状基材12の水溶性接着剤塗布面(水溶性接着剤層)13の上に積層体14を形成する。典型的には、図1に示すように、上記接着層15を水溶性接着剤層13上に形成する。例えば、接着成分としてアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂等の合成樹脂を適当な溶剤(ビヒクル)中に分散又は溶解して成るインクを調製し、当該インクをスクリーン印刷、グラビア印刷、スプレー塗布、ローラ塗布、刷毛塗り等の手段によって、基材12の水溶性接着剤層13上に付与するとよい。このうち、所定の形状(面積)の接着層15を正確に基材上に形成し得るという点で、スクリーン印刷法が好ましい。なお、接着層形成用インク中には、転写体14(金属箔16)の表面平滑性に悪影響を及ぼすような固形成分(例えば粒径10μm以上の顔料その他のフィラー)を含まないことが好ましい。また、アクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂を接着成分として含むインクを用いて接着層15を形成すると、後述する熱圧着によって当該接着層15と金属箔16との接着性(密着性)を向上し得るため好ましい。
特に限定するものではないが、転写時の加熱処理によってクラックが発生するのを防止するという観点から、厚さ2〜20μm(さらに好ましくは厚さ5〜10μm)の接着層15を形成するのが好ましい。
【0023】
接着層15を形成した後、その上に金属箔16を配置する。アルミニウム蒸着箔のような蒸着箔16を配置する場合には、図2に示すように、ベースフィルム17を上にして金属箔16を配置する。
【0024】
次いで、好ましくは、適当なプレス機を使用して熱圧着するとよい。例えば、従来から箔押しに使用されている市販のホットプレス(ホットスタンピング)機を使用して所望する条件の熱圧着を行うことができる。例えば、図2に模式的に示すように、シート状基材12の表面の水溶性接着剤層13の上に予め形成した接着層15の上に金属箔16を配置し、ホットプレス(図ではローラープレス)Rを用いて熱圧着を行うとよい。これにより、金属箔16を接着層15の上に積層・配置し得ると共に、金属箔16にシワ等が生じるのを防止し、表面(蒸着箔を用いた場合はベースフィルム剥離後の金属蒸着膜)の高い平滑性を実現することができる。
使用する金属箔の材質や厚さによって適宜異なり得るため限定するものではないが、乗車用ヘルメットの表面を装飾する用途に用いる転写シートを製造する場合、概ね100〜180℃に被処理物を加熱しつつ適当な圧力をかけて1〜5秒間ぐらいの加圧(熱圧着)処理を行うことが好ましい。例えば、熱圧着処理前における厚さ10〜20μmの蒸着箔(ベースフィルムを含む)が、熱圧着処理後に概ね3〜7μm程度の厚さの蒸着膜(ベースフィルムを含まない)となるように加熱・加圧するとよい。
【0025】
金属箔16を接着層15に貼り付け、さらにベースフィルム17を剥がした後、好ましくは図1に示すように積層体14の表面にカバーコート18を形成する。例えば、上述したような適当な熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂を主成分とし、適当な補助剤(例えば可塑剤)を含むインクを調製し、当該インクを積層体14の表面全体を覆うようにして塗布する(又は印刷する)。これにより、目的の性状のカバーコート18を形成することができる。
【0026】
本発明の転写シート10は、従来公知の一般的な湿式転写法に準じて所定の成形品Sの表面に転写させることができる。例えば、転写シート10を水に浸漬することによって、シート状基材12と積層体14(カバーコート18を含む)とを分離し、図3に模式的に示すように、接着層15を下にした状態で当該積層体14を成形品Sの表面に配置する。その後、乾燥処理及び必要に応じて加熱処理(例えば80〜100℃、5〜10分)を施し、積層体(転写体)14を乾かすと同時に接着層15の接着力によって当該積層体14を成形品Sの表面に固着させる。次いで、カバーコート18を形成した場合は、当該カバーコート18を剥がす処理を行うとよい。なお、このカバーコート18の剥離は、積層体14及び成形品Sの表面が十分に冷えた(典型的には室温)状態で行うことが好ましい。
【0027】
その後、接着層15に含まれる接着成分の特性に応じて追加の加熱処理を行うとよい。例えば、アクリル系樹脂や熱可塑性ポリウレタン系樹脂を主要な接着成分とする接着層15の場合、80〜120℃程度で30〜120分(例えば60分)の加熱処理を行うとよい。
以上のような処理工程を経ることによって、鏡面光沢度の高い金属光沢を有する金属箔16を主体とする転写体14を成形品Sの表面に形成することができる(図3)。また、成形品Sが乗車用ヘルメットの場合には、耐摩擦性、耐候性等を向上させるため、転写体14の表面を透明性の高いウレタン系樹脂等でコーティングする処理(クリアコート処理)を行ってもよい。
【0028】
【実施例】以下に説明する実施例によって、本発明を更に詳細に説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
【0029】
70g/m2の上質紙(厚さ0.2mm)を所定形状に裁断し、その表面にデキストリン系接着剤を厚さ20μmとなるように塗布した。乾燥後、その接着剤塗布面に接着層を形成した。
すなわち、熱可塑性ウレタン系樹脂を主成分とする熱可塑性インク(溶剤中に全体の14〜30質量%となる量の樹脂(主成分)を含む)を調製し、上記塗布面上に厚さ7μmとなるようにスクリーン印刷した。
次に、上記接着層と同じ大きさ(広さ)に裁断されたポリオレフィン系樹脂をベースフィルム(厚さ12μm)とするアルミニウム蒸着箔(市販品)を用意し、ベースフィルム側を上にして接着層の上に置いた。そして、市販のホットプレス機(尼崎機械工業(株)製品「Mi−3T」)を使用して、135℃で2秒間の熱圧着処理を行った。次いで、ベースフィルムを剥がす処理を行う。ここでは手で剥がした。この熱圧着処理により、接着層の上の金属箔(アルミ蒸着膜)の厚さは、約5μmとなった。
【0030】
次いで、カバーコートを形成した。すなわち、ウレタン系樹脂を主成分とし、適量のアクリル系樹脂を可塑剤として含むインク(樹脂濃度50質量%)を調製し、一般的なスクリーン印刷によって平均厚さが約20μmのカバーコートを金属箔の表面に形成した。
【0031】
上記のようにして得られた転写シート(図1参照)を、ウレタン塗装の施された乗車用ヘルメットの表面に湿式転写法に基づいて貼り付けた。すなわち、転写シートを水に浸して上質紙と積層体(接着層、金属箔及びカバーコート)とを分離し、接着層を下にしてヘルメットの表面に貼り付けた。次いで、80℃で10分間の加熱処理を行った。これにより、接着層の樹脂成分が接着性を発揮し、積層体をヘルメット表面に固着(転写)することができた。
その後、ヘルメット及び積層体(転写体)を室温まで冷却し、カバーコートを剥がした。その後、さらに80℃で60分間の加熱処理を行った。
次いで、常法に基づいてクリアコート処理を行い、転写体(金属箔)をウレタン系樹脂から成る透明なフィルム(薄膜)でコーティングした。
【0032】
得られた転写体について、JISクロスカット評価試験(JIS K 5600-5-6)を行った。その結果、ランク10の密着強度を示した。この結果は、本実施例に係る転写シートから得られた転写体(金属箔)が、接着層を介してヘルメット(プラスチック成形品)の曲面にうまく追従(適合)して貼り付けられており、結果、優れた密着強度を有するものであることを示すものである。
【0033】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態に係る転写シートを模式的に示す断面図である。
【図2】一実施形態に係る転写シートを製造する際の熱圧着工程を模式的に説明する斜視図である。
【図3】本発明の転写シートから得られた転写体の構造を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
10 転写シート
12 シート状基材
13 水溶性接着剤層
14 積層体(転写体)
15 接着層
16 金属箔(蒸着膜)
17 ベースフィルム
18 カバーコート
S 成形品

Claims (6)

  1. シート状基材と、転写対象の成形品に転写され得る積層体であって該基材の一方の面側に水溶性接着剤によって貼り付けられている積層体とを備え、
    前記積層体は、転写対象の成形品に対して接着性を有する接着成分を主体とする接着層と、少なくとも一方の面が金属光沢を有する金属箔とを有しており、
    前記基材の位置を下としたとき、前記金属箔は前記光沢面が上になるようにして前記接着層よりも上に配置される、転写シート。
  2. 前記金属箔が蒸着膜である、請求項1に記載の転写シート。
  3. 前記蒸着膜の厚さが10μm以下である、請求項2に記載の転写シート。
  4. 転写シートを製造する方法であって、
    少なくとも一方の面に水溶性接着剤が付与されたシート状基材を用意する工程と、
    前記接着剤が付与された面上に、転写対象の成形品に対して接着性を有する接着成分を主体とする接着層を形成する工程と、
    前記接着層の上に、少なくとも一方の面が金属光沢を有する金属箔を該光沢面が上になるようにして配置する工程と、
    前記配置した金属箔を基材方向に熱圧着する工程と、
    を包含する製造方法。
  5. 圧着温度100〜180℃、圧着時間10秒以下の条件で前記熱圧着を行うことを特徴とする、請求項4に記載の製造方法。
  6. 前記金属箔として、熱可塑性樹脂製のベースフィルムの一方の面に金属蒸着膜が形成されて成る蒸着箔を使用し、前記熱圧着後の該蒸着膜の厚さは10μm以下である、請求項4又は5に記載の製造方法。
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