JP6350176B2 - 水圧転写フィルム及びこれを用いた加飾成形品 - Google Patents
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こうした装飾方法として、水圧を利用した水圧転写法が知られており、この水圧転写法は、立体面への転写加工性、クリア塗装感などの「深み」や、高品質な柄表現が出来るなどの意匠性の点で、優れた曲面加飾法であることが知られている。
ところで、近年の需要者の意匠性への要求が厳しくなっており、とりわけ金属調(金属光沢)の装飾において、光輝性の高さに加えて高級感が求められるようになっている。このような課題に対して、例えば、光輝性を発現する層とエンボス加工による凹凸形状との組み合わせにより解決する手法、具体的には、水溶性フィルム上の硝化綿・アルキッド系の透明樹脂層と、該透明樹脂層上の蒸着金属層とからなり、該蒸着金属層と前記透明樹脂層との間で該透明樹脂層にエンボスが施された水圧転写シートが提案されている(特許文献1)。
本発明は、このような状況下で、光輝性インキ層を有し、水圧転写フィルムの製造時に凹凸形状が良好に賦型されており、かつ優れた光輝性と高級感とを備える意匠性を樹脂成形品に付与しうる水圧転写フィルム、及びその製造方法、並びに該フィルムを用いた加飾成形品を提供することを課題とする。
前記積層体の前記水溶性フィルム側から前記光輝性インキ層に至る凹凸形状を有し、
前記伸展抑制樹脂層が、ガラス転移温度68℃以上の樹脂Aを含む、水圧転写フィルム。
項2. 水溶性フィルム上に、前記伸展抑制樹脂層及び前記光輝性インキ層をこの順に有する項1に記載の水圧転写フィルム。
項3. 水溶性フィルム上に、前記光輝性インキ層及び前記伸展抑制樹脂層をこの順に有する項1に記載の水圧転写フィルム。
項4. 前記樹脂Aのガラス転移温度が、68〜140℃である項1〜3のいずれかに記載の水圧転写フィルム。
項5. 前記樹脂Aが、非水溶性樹脂である項1〜4のいずれかに記載の水圧転写フィルム。
項6. 前記樹脂Aは、アクリル樹脂、アクリルポリオール樹脂、及びポリエステル樹脂からなる群から選択された少なくとも一種である、項1〜5のいずれかに記載の水圧転写フィルム。
項7. 前記伸展抑制樹脂層を形成する樹脂中の前記樹脂Aの含有量が、50質量%以上である項1〜6のいずれかに記載の水圧転写フィルム。
項8. 前記樹脂Aが、アクリルポリオール樹脂であり、かつ、前記伸展抑制樹脂層が、ガラス転移温度68℃未満のウレタン樹脂を含む、項1〜7のいずれかに記載の水圧転写フィルム。
項9. 前記水溶性フィルムと反対側の最外層として透明樹脂層をさらに有する、項1〜8のいずれかに記載の水圧転写フィルム。
項10. 以下の工程(1)及び(2)を順に有する水圧転写フィルムの製造方法。
工程(1)水溶性フィルム上に、ガラス転移温度68℃以上の樹脂Aを含む樹脂組成物により形成される伸展抑制樹脂層と、光輝性顔料及びバインダー樹脂を含む光輝性インキ層とを積層する工程
工程(2)前記積層体の前記水溶性フィルム側から前記光輝性インキ層に至る凹凸形状を形成する工程
項11. 下記の工程(a)〜(c)を順に有する加飾成形品の製造方法。
工程(a)項1〜9のいずれかに記載の水圧転写フィルムを水溶性フィルム側が水面側に向くように水面に浮遊させる前又は後に、前記水圧転写フィルムの前記水溶性フィルムとは反対側の面に活性剤組成物を塗布する活性剤塗布工程
工程(b)該工程(a)を経た、水面に浮遊している水圧転写フィルムの前記活性剤組成物を塗布した面に被転写体を押圧し、水圧によって前記水圧転写フィルムを前記被転写体の被転写面に密着させる工程
工程(c)前記水溶性フィルムを除去する脱膜工程
以下、本発明を図面に基づいて説明する。図1、図2、図4、及び図5は、本発明の水圧転写フィルムの構成の一例を示す模式的断面図である。本発明の水圧転写フィルム10は、水溶性フィルム11上に、伸展抑制樹脂層12と、光輝性顔料及びバインダー樹脂を含む光輝性インキ層13とを有する積層体からなり、当該積層体の水溶性フィルム10側から光輝性インキ層13に至る凹凸形状を有し、伸展抑制樹脂層が、ガラス転移温度68℃以上の樹脂Aを含むことを特徴とする。
水溶性フィルムは、本発明の水圧転写フィルムにおいて基材の役割を有し、水圧転写により加飾成形品を得る際に除去されるものである。水溶性フィルムとしては、水溶性又は水膨潤性を有するものであればよく、従来水圧転写フィルムとして一般に使用されている水溶性フィルムの中から、適宜選択して用いることができる。水溶性フィルムを構成する樹脂としては、例えばポリビニルアルコール樹脂、デキストリン、ゼラチン、にかわ、カゼイン、セラック、アラビアゴム、澱粉、蛋白質、ポリアクリル酸アミド、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルメチルエーテル、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸との共重合体、酢酸ビニルとイタコン酸との共重合体、ポリビニルピロリドン、アセチルセルロース、アセチルブチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸ナトリウムなどの各種水溶性ポリマーが挙げられる。これらの樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種以上が混合されて用いられてもよい。なお、水溶性フィルムには、マンナン、キサンタンガム、グアーガムなどのゴム成分が添加されていてもよい。
伸展抑制樹脂層は、水溶性フィルムの上に設けられ、ガラス転移温度68℃以上の樹脂Aを含むことを要する層である。伸展抑制樹脂層を設けることにより、水圧転写フィルムの製造時に凹凸形状が良好に賦型しうる賦型性が得られ、また水圧転写時に光輝性インキ層が伸展しすぎるのを抑制し、凹凸形状に対応する凹凸感発現部を形成して凹凸感を保持することで、光輝性と高級感とを備える意匠性(以後、単に意匠性と称する場合がある。)が得られる。水圧転写時に光輝性インキ層が伸展しすぎるのを抑制し、凹凸感を保持する観点からは、伸展抑制樹脂層と光輝性インキ層は、隣接する層として直接積層されていることが好ましい。なお、凹凸形状に対応する凹凸感発現部については、加飾成形品の製造方法についての説明において詳説する。
ガラス転移温度の上限については特に限定的ではないが、転写加工性(追従性)を良好とする観点から140℃以下であることが好ましく、130℃以下であることがさらに好ましい。
光輝性インキ層は、光輝性を発現する層である。本発明の水圧転写フィルム10が上記の積層体Aの積層構造を有する場合には、光輝性を発現するとともに、光輝性インキ層の伸展抑制樹脂層側の面に凹凸形状を有することで高級感を発現させる層である。また、本発明の水圧転写フィルム10が上記の積層体Bの積層構造を有する場合には、光輝性を発現するとともに、光輝性インキ層の水溶性フィルム側の面に凹凸形状を有することで高級感を発現させる層である。
本発明の水圧転写フィルムは、意匠性を高めることを目的として、光輝性インキ層の他にさらに絵柄層を有していてもよい。絵柄層が設けられる位置は、本発明の水圧転写フィルムを用いて水圧転写を行い、加飾成形品を製造した後において視認できる限り特に限定されず、光輝性インキ層より水溶性フィルム側であっても、水溶性フィルムと反対側であってもよく、また、光輝性インキ層と伸展抑制樹脂層の間であってもよい。
本発明の水圧転写フィルムにおいて、例えば図2または図5に示されるように、水溶性フィルムと反対側の最外面に透明樹脂層15を設けることにより、凹凸形状をエンボス加工により形成する際に伸展抑制樹脂層12や光輝性インキ層13が剥離してしまうことを抑制し、賦型性をさらに良好とすることができる。
本発明の水圧転写フィルムの製造方法は、工程(1)水溶性フィルム上に、ガラス転移温度68℃以上の樹脂Aを含む樹脂組成物により形成される伸展抑制樹脂層と、光輝性顔料及びバインダー樹脂を含む光輝性インキ層とを積層する工程、及び工程(2)前記積層体の前記水溶性フィルム側から光輝性インキ層に至る凹凸形状を形成する工程を順に有することを特徴とする。以下、本発明の水圧転写フィルムの製造方法を、上記の積層体Aの場合と、積層体Bの場合に分けて詳述する。
本発明の水圧転写フィルムが積層体Aの積層構造を有する場合、その製造方法は、工程(A)水溶性フィルム上に、ガラス転移温度68℃以上の樹脂Aを含む樹脂組成物により形成される伸展抑制樹脂層を積層する工程、工程(B)該伸展抑制樹脂層上に光輝性インキ層を積層する工程、及び工程(C)前記水溶性フィルム側から光輝性インキ層に至る凹凸形状を形成する工程を順に有することを特徴とするものである。
本発明の水圧転写フィルムが積層体Bの積層構造を有する場合、その製造方法は、工程(A)水溶性フィルム上に光輝性インキ層を積層する工程、工程(B)該光輝性インキ層上にガラス転移温度68℃以上の樹脂Aを含む樹脂組成物により形成される伸展抑制樹脂層を積層する工程、及び工程(C)前記水溶性フィルム側から光輝性インキ層に至る凹凸形状を形成する工程を順に行う方法を採用することができる。また、積層体Bの積層構造を有する場合の製造方法においては、工程(B)と工程(C)の順序を逆にしてもよい。すなわち、工程(A)水溶性フィルム上に光輝性インキ層を積層する工程、工程(C)前記水溶性フィルム側から光輝性インキ層に至る凹凸形状を形成する工程、工程(B)該光輝性インキ層上にガラス転移温度68℃以上の樹脂Aを含む樹脂組成物により形成される伸展抑制樹脂層を積層する工程を順に行う方法を採用することもできる。なお、伸展抑制樹脂層を均一な厚みで形成する観点からは、工程(B)及び工程(C)の順に行うことが好ましい。
本発明の加飾成形品の製造方法は、工程(a)上記の水圧転写フィルムを水溶性フィルム側が水面側に向くように水面に浮遊させる前又は後に、水圧転写フィルムの水溶性フィルムとは反対側の面に活性剤組成物を塗布する活性剤塗布工程、工程(b)該工程(a)を経た、水面に浮遊している水圧転写フィルムの活性剤組成物を塗布した面に被転写体を押圧し、水圧によって水圧転写フィルムを被転写体の被転写面に密着させる工程、工程(c)水溶性フィルムを除去する脱膜工程を順に有することを特徴とする。
活性剤塗布工程(a)は、水圧転写フィルムを水溶性フィルム側が水面側に向くように水面に浮遊させる前又は後に、前記水圧転写フィルムの前記水溶性フィルムとは反対側の面に活性剤組成物を塗布する工程である。
水圧転写フィルムとして上記の積層体Aの積層構造を有するものを用いる場合、活性剤塗布工程(a)は、水圧転写フィルムを水面に浮遊させる前又は後に、光輝性インキ層に活性剤組成物を塗布する工程である。この工程で、光輝性インキ層に活性剤を塗布することにより、該光輝性インキ層の表面が荒れ、被転写体と密着しやすくなる。
一方、水圧転写フィルムとして上記の積層体Bの積層構造を有するものを用いる場合、活性剤塗布工程(a)は、水圧転写フィルムを水面に浮遊させる前又は後に、伸展抑制樹脂層に活性剤組成物を塗布する工程である。この工程で、伸展抑制樹脂層に活性剤を塗布することにより、該伸展抑制樹脂層の表面が荒れ、被転写体と密着しやすくなる。
工程(b)は、上記の工程(a)を経た、水面に浮遊している水圧転写フィルムの活性剤組成物を塗布した面に被転写体を押圧し、水圧によって前記水圧転写フィルムを被転写体の被転写面に密着させる工程である。
被転写体としては、例えば、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)、ポリカーボネート樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、繊維系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの樹脂、あるいはこれらを混合した樹脂のほか、鉄、アルミニウム、銅などの金属、陶磁器、ガラス、琺瑯などのセラミックス、木材などの材料からなる構造体を使用することができる。
脱膜工程(c)は、工程(b)の後、水圧転写フィルムと被転写体との密着体から水溶性フィルムを除去する工程である。水溶性フィルムの除去は、例えば、水を用いてシャワー洗浄することで行うことができる。この工程(c)により、水圧転写フィルムと被転写体との密着体水溶性フィルムは除去される。なお、シャワー洗浄の条件は、水溶性フィルムを形成する材料などにより異なるが、通常は水温15〜60℃程度、洗浄時間10秒〜5分程度が好ましい。そして、工程(c)の後、被転写体を十分乾燥し水分を蒸発させれば、被転写体の被転写面に転写された光輝性インキ層と伸展抑制樹脂層とによって、所望の意匠が付与された樹脂成形品が得られる。
本発明の加飾成形品の製造方法は、工程(c)の後、さらに所望により、転写された伸展抑制樹脂層または光輝性インキ層上に、トップコート層を形成する工程(d)を有することができる(図3または図6を参照)。工程(d)において、前記工程(c)にて被転写体の被転写面に転写された伸展抑制樹脂層または光輝性インキ層に対し、表面強度向上、表面保護、表面艶調整などのために、必要に応じてトップコート剤を塗布して、トップコート層を形成することができる。トップコート剤としては、例えば熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂など、具体的にはウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂などを含む樹脂組成物が好ましく挙げられる。
各例における水圧転写フィルムの水溶性フィルム側から光輝性インキ層に至るエンボス加工(エンボス条件:温度150℃、圧力40ton/m2、プレス時間5分)を施して、エンボス版を剥がした後の、凹凸形状の様子を目視により観察し、下記の基準で評価した。
◎:水溶性フィルム側から光輝性インキ層に至る凹凸形状は、極めて良好に賦型されていた。
○:水溶性フィルム側から光輝性インキ層に至る凹凸形状は、良好に賦型されていた。
△:水溶性フィルム側から光輝性インキ層に至る凹凸形状は、実用にあたり問題が生じない程度に賦型されていた。
×:水溶性フィルム側から光輝性インキ層に至る凹凸形状を賦型することができなかった。
各例により得られた水圧転写フィルムの光輝性インキ層に、下記組成の活性剤組成物を3g/m2塗布し、スムージングロールで該活性剤組成物を均一にし、光輝性インキ層の活性剤塗布工程(a)を経た後、水面に浮遊している水圧転写フィルムに被転写体(黒色のABS樹脂)を押圧し、水圧によって光輝性インキ層を被転写体の被転写面に密着させる工程(b)、及び水洗による脱膜工程(c)を経て、加飾成形品を得た。得られた加飾成形品を目視により観察し、その意匠性について以下の基準で評価した。
(活性剤組成物の組成)
フタル酸系アルキッド樹脂 6質量部
マイクロシリカ(顔料) 2質量部
フタル酸ジブチル 17質量部
溶剤(ブチルカルビトールアセテート) 60質量部
溶剤(ブチルセロソルブ) 15質量部
◎:光輝性インキ層の凹凸形状に対応する凹凸感が極めて良好に保持されており、非常に優れた光輝性と高級感が得られた。
○:光輝性インキ層の凹凸形状に対応する凹凸感が良好に保持されており、優れた光輝性と高級感が得られた。
△:光輝性インキ層の凹凸形状に対応する凹凸感がやや低下したものの十分視認でき、実用にあたり問題が生じない程度の光輝性と高級感が得られた。
×:光輝性インキ層の凹凸形状に対応する凹凸感が消失したため、光輝性と高級感とが得られない、または水圧転写フィルムの製造の時点で凹凸形状を賦型できなかった。
加飾成形品の製造において、被転写体として、直径35mm、長さ250mmの円柱形状の樹脂成形体(黒色のABS樹脂)を用い、その側面に水圧転写フィルムを転写させた際の水圧転写フィルムの転写加工性(追従性)について、目視による観察により、以下の基準で評価した。
◎:被転写体に良好に追従し、割れを一切生じることなく加飾成形品が得られた。
○:水圧転写フィルムの伸展性が若干悪く、割れや付き回り性に若干劣るものの、意匠性にほとんど影響を与えることなく転写加工を行うことができた。
△:水圧転写フィルムの伸展性が若干悪く、割れや付き回り性に劣るものの、意匠感への影響は実用にあたり問題が生じない程度のものであった。
×:水圧転写フィルムの伸展性が悪く、割れが著しい加飾成形品となった、あるいは水圧転写時に水圧転写フィルムが割れるなどして被転写体に転写することができなかった。
水溶性フィルムとして、PVAフィルム(厚さ40μm)を用い、その片面に表1に記載の伸展抑制樹脂層を形成する樹脂を塗布量1g/m2で、グラビアコートし、厚さ1μmの伸展抑制樹脂層を設けた。次に、光輝性インキ(光輝性顔料:アルミペースト,平均粒径:10μm,バインダー樹脂:ニトロセルロース樹脂とアルキッド樹脂とを質量比50:20で混合した混合物)を、塗布量1g/m2でグラビアコートして、厚さ2μmの光輝性インキ層を形成した。次いで、エンボス加工装置を用いて、圧力40ton/m2、温度150℃で水溶性フィルムの表面側からエンボス加工して、深さ20μmの凹凸形状を形成して水圧転写フィルムを得た。得られた水圧転写フィルムについての賦型性の評価、該水圧転写フィルムを用いて得られた加飾成形品の意匠性の評価、及び転写加工性(追従性)の評価結果を表1に示す。
実施例1において、伸展抑制樹脂層を形成する樹脂を表1に示される樹脂としたこと以外は、実施例1と同様にして、それぞれ実施例2〜4の水圧転写フィルムを得た。得られた水圧転写フィルムについての賦型性の評価、該水圧転写フィルムを用いて得られた加飾成形品の意匠性の評価、及び転写加工性(追従性)の評価結果を表1に示す。
実施例1において、伸展抑制樹脂層を設けなかったこと以外は、実施例1と同様にして水圧転写フィルムを得た。得られた水圧転写フィルムについての賦型性の評価、該水圧転写フィルムを用いて得られた加飾成形品の意匠性の評価、及び転写加工性(追従性)の評価結果を表1に示す。
11 水溶性フィルム
12 伸展抑制樹脂層
13 光輝性インキ層
14 凹凸形状
15 透明樹脂層
20 加飾成形品
21 被転写体
22 トップコート層
23 凹凸感発現部
Claims (11)
- 水溶性フィルム上に、伸展抑制樹脂層と、光輝性顔料及びバインダー樹脂を含む光輝性インキ層とを有する積層体からなり、
前記積層体の前記水溶性フィルム側から前記光輝性インキ層に至る凹凸形状を有し、
前記伸展抑制樹脂層が、ガラス転移温度68℃以上の樹脂Aを含む、水圧転写フィルム。 - 水溶性フィルム上に、前記伸展抑制樹脂層及び前記光輝性インキ層をこの順に有する請求項1に記載の水圧転写フィルム。
- 水溶性フィルム上に、前記光輝性インキ層及び前記伸展抑制樹脂層をこの順に有する請求項1に記載の水圧転写フィルム。
- 前記樹脂Aのガラス転移温度が、68〜140℃である請求項1〜3のいずれかに記載の水圧転写フィルム。
- 前記樹脂Aが、非水溶性樹脂である請求項1〜4のいずれかに記載の水圧転写フィルム。
- 前記樹脂Aは、アクリル樹脂、アクリルポリオール樹脂、及びポリエステル樹脂からなる群から選択された少なくとも一種である、請求項1〜5のいずれかに記載の水圧転写フィルム。
- 前記伸展抑制樹脂層を形成する樹脂中の前記樹脂Aの含有量が、50質量%以上である請求項1〜6のいずれかに記載の水圧転写フィルム。
- 前記樹脂Aが、アクリルポリオール樹脂であり、かつ、前記伸展抑制樹脂層が、ガラス転移温度68℃未満のウレタン樹脂を含む、請求項1〜7のいずれかに記載の水圧転写フィルム。
- 前記水溶性フィルムと反対側の最外層として透明樹脂層をさらに有する、請求項1〜8のいずれかに記載の水圧転写フィルム。
- 以下の工程(1)及び(2)を順に有する水圧転写フィルムの製造方法。
工程(1)水溶性フィルム上に、ガラス転移温度68℃以上の樹脂Aを含む樹脂組成物により形成される伸展抑制樹脂層と、光輝性顔料及びバインダー樹脂を含む光輝性インキ層とを積層する工程
工程(2)前記積層体の前記水溶性フィルム側から前記光輝性インキ層に至る凹凸形状を形成する工程 - 下記の工程(a)〜(c)を順に有する加飾成形品の製造方法。
工程(a)請求項1〜9のいずれかに記載の水圧転写フィルムを水溶性フィルム側が水面側に向くように水面に浮遊させる前又は後に、前記水圧転写フィルムの前記水溶性フィルムとは反対側の面に活性剤組成物を塗布する活性剤塗布工程
工程(b)該工程(a)を経た、水面に浮遊している水圧転写フィルムの前記活性剤組成物を塗布した面に被転写体を押圧し、水圧によって前記水圧転写フィルムを前記被転写体の被転写面に密着させる工程
工程(c)前記水溶性フィルムを除去する脱膜工程
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