JP3826644B2 - 金属光沢を有する紙積層材の製造方法 - Google Patents
金属光沢を有する紙積層材の製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙基材の表面に美粧性に優れた金属光沢を有する紙積層材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
紙箱等の紙製品に美粧性を付与するために、各種の加工を行っている。例えば、紙基材の表面に印刷層を設けるだけでなく、さらに金属光沢を付与するために、金属蒸着層を設けた構成も多く用いられている。
しかし、この金属蒸着層を設けた構成の商品は、きらきらする金属光沢を有するもので、燻銀状態のような柔らかい金属光沢を有する構成ではなかった。
そのため、柔らかい光沢を呈するため、金属蒸着層上に、金属光沢を和らげるためのコート層を設けなければならなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、柔らかい金属光沢を有する金属蒸着層を形成し、美粧性に優れた紙積層材の製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、厚みが150g/m 2 〜600g/m 2 の紙基材の片面に、厚みが2g/m 2 〜7g/m 2 (固形分)の接着層を介して金属蒸着層を有する積層材を、加熱プレスすることを特徴とする、金属光沢を有する紙積層材の製造方法である。
加熱プレス時の、熱と圧力により金属蒸着層に細かい亀裂が生じ、柔らかい光沢の蒸着層が得られる。また、紙基材の厚みを一定の範囲とすることにより、加熱プレス加工を円
滑に行い、きれいな金属光沢を有する積層材が得られる。また、接着層の厚みを一定の範囲とすることにより、金属蒸着層と紙基材の接着力を維持し、しかも加熱プレスにより金属蒸着層に細かい亀裂を発生させることができる。
【0005】
請求項2に記載の発明は、前記金属蒸着層が転写により形成されたことを特徴とする、金属光沢を有する紙積層材の製造方法である。
このように、金属蒸着層を転写により形成するので、紙基材に均一な層として形成でき、しかも効率よく蒸着層を形成することができる。
【0006】
請求項3に記載の発明は、前記金属蒸着層上に、プライマーコート層を設けたことを特徴とする、金属光沢を有する紙積層材の製造方法である。
このように、金属蒸着層の上にプライマーコート層を設けたので、加熱プレス時の熱による影響をなくし、金属蒸着層を保護することができる。
【0008】
請求項4に記載の発明は、前記紙基材の水分含有量が2%〜10%の範囲としたことを特徴とする、金属光沢を有する紙積層材の製造方法である。
このように紙基材が、一定範囲の水分を含有するので、加熱プレス時の熱により、水分が蒸発し金属蒸着層に細かい亀裂を生じさせることができる。
【0010】
請求項5に記載の発明は、前記接着層を形成する接着剤として、酢酸ビニル系接着剤またはウレタン系接着剤を用いたことを特徴とする、金属光沢を有する紙積層材の製造方法である。
このように接着層を形成する接着剤として酢酸ビニル系またはウレタン系の接着剤を用いることにより、加熱プレス時の熱により接着層が柔らかくなり、金属蒸着層に細かい亀裂を発生させることができる。
【0011】
請求項6に記載の発明は、前記加熱プレスする温度を、70°C〜150°Cの範囲としたことを特徴とする、金属光沢を有する紙積層材の製造方法である。
このように、加熱プレスする温度を、70°C〜150°Cとすることにより、金属蒸着層に細かい亀裂を安定して形成することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下実施例により本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の紙積層材を形成するために、金属蒸着層を表面に形成する一例を示す説明図である。
紙基材1の片面に、接着層2を介して、金属蒸着層3、剥離層4および剥離基材5からなる転写シート6を、前記金属蒸着層3が接着層2に重なるようにラミネートして、金属蒸着層3および剥離層4を紙基材側に転写する。
次に、図2に示すように、図1に示した剥離基材5を取り除き、剥離層4の上にプライマーコート層7を設け、70°C〜150°Cの温度条件で加熱プレスすることにより紙積層材を製造する。
【0013】
ここで、前記紙基材は、厚みが150g/m2 〜600g/m2 の範囲とすることが、プレスコート適性があり好適である。
また、この紙基材は、2%〜10%の範囲で水分を含有しており、加熱プレス時の熱により、この水分が蒸発し、金属蒸着層に細かい亀裂を生じさせることができる。
【0014】
紙基材1と転写シート6をラミネートする接着層は、有機溶剤系の接着剤、あるいは水性系の接着剤の何れでも良い。
この接着層2の厚みを、2g/m2 〜7g/m2 (固形分)の範囲とすることが重要で、2g/m2 未満の厚みであると、紙基材1と金属蒸着層3の接着力が不十分となってしまう。一方、7g/m2 を超える厚みであると、加熱プレスを行った際に、金属蒸着層に細かい亀裂を発生させることが困難である。
【0015】
具体的には、アクリル系接着剤のように比較的硬い樹脂系の接着剤、または、酢酸ビニル系接着剤、ウレタン系接着剤などの柔らかい樹脂系の接着剤を用いることができ、ドライラミネート法、ウェットラミネート法のいずれの方法でもよい。
接着層2に用いる接着剤を酢酸ビニル系接着剤、ウレタン系接着剤などの柔らかい樹脂系の接着剤とすると、比較的硬い樹脂系の接着剤と比較してより細かい亀裂を設けることができる。
【0016】
さらに、転写シート6の剥離基材5は、延伸ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等の延伸プラスチックフィルムを用いればよく、金属蒸着層3は、金属光沢を有すればよいが、アルミニウムが一般的で、厚みは300Å〜1000Åの範囲であればよい。
【0017】
転写シート6から、剥離基材5を剥離し、剥離層4の上に設けるプライマーコート層7は、有機溶剤系、水性溶剤系コート剤のいずれでもよく、加熱プレス加工耐性を有すればよい。具体的には、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ゴム系樹脂からなり、2g/m2 〜25g/m2 (固形分)の範囲で塗布、形成すればよい。
この加熱プレスの条件は、温度が70〜150°Cの範囲、圧力が100Kgf/cm2 〜300Kgf/cm2 の範囲である。
【0018】
【実施例】
以下に本発明の実施例をさらに具体的に説明する。
〈実施例1〉
厚さ320g/m2 の紙基材に、5g/m2 (固形分)の厚みの酢酸ビニル系接着剤からなる接着層を介して、厚さ500Åのアルミニウム蒸着層、剥離層およびポリエチレンテレフタレートフィルムの剥離基材からなる転写シートを、アルミニウム蒸着層が紙基材側としてドライラミネート法により積層後、剥離基材を剥離した。
次に、前記剥離層の表面にアクリル系のプライマーコート層(固形分で7g/m2 )を形成後、温度120°C、圧力120Kgf/cm2 の条件で加熱プレスして紙積層材を得た。
この紙積層材は、アルミニウム蒸着層の光沢を観察したところ、均一に細かい亀裂ができて、柔らかい光沢を有するものであった。
【0019】
〈実施例2〉
接着層を形成する接着剤をアクリル系接着剤に置き換えた以外は、実施例1と同じ条件で加熱プレスし、アルミニウム蒸着層の光沢の状態を観察したところ、亀裂は生じているものの、実施例1に比較して大きな亀裂が生じており、実施例1と比較して柔らかな光沢は得られなかった。
【0020】
〈比較例1〉
接着層の厚みを8.5g/m2 とした以外は、実施例1と同じ条件で加熱プレスし、アルミニウム蒸着層の光沢の状態を観察したところ、亀裂は生じているものの、均一に細かい亀裂は生じておらず、柔らかい光沢は得られなかった。
【0021】
【発明の効果】
本発明は、以上の構成からなるので、金属蒸着層にプレスコートと同時に、細かい均一な亀裂を生じさせることができるので、柔らかい光沢を有する紙積層材料を得ることができる。
これにより、紙箱等の紙容器にきれいな金属光沢を有する模様を付与することがき、用途を拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の紙積層材の製造前工程を示す説明図である。
【図2】本発明の紙積層材の製造工程を示す説明図である。
【符号の説明】
1‥‥紙基材
2‥‥接着層
3‥‥金属蒸着層
4‥‥剥離層
5‥‥剥離基材
6‥‥転写シート
7‥‥プライマーコート層
Claims (6)
- 厚みが150g/m 2 〜600g/m 2 の紙基材の片面に、厚みが2g/m 2 〜7g/m 2 (固形分)の接着層を介して金属蒸着層を有する積層材を、加熱プレスすることを特徴とする、金属光沢を有する紙積層材の製造方法。
- 前記金属蒸着層が転写により形成されたことを特徴とする、請求項1記載の金属光沢を有する紙積層材の製造方法。
- 前記金属蒸着層上に、プライマーコート層を設けたことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の金属光沢を有する紙積層材の製造方法。
- 前記紙基材の水分含有量が2%〜10%の範囲としたことを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の金属光沢を有する紙積層材の製造方法。
- 前記接着層を形成する接着剤として、酢酸ビニル系接着剤またはウレタン系接着剤を用いたことを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の金属光沢を有する紙積層材の製造方法。
- 前記加熱プレスする温度を、70°C〜150°Cの範囲としたことを特徴とする、請求項1に記載の金属光沢を有する紙積層材の製造方法。
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