JP2004188395A - 流体制御装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】超微細な細孔、とくに平均直径が10nm以下(好ましくは3nm以下)の細孔を有し、且つフラックス量のとれる流体制御装置を提供する。
【解決手段】流体制御装置は、細孔13を有する陽極酸化アルミナ皮膜11と、AlSi混合膜から得られた微細孔14を有するシリコン系微細孔皮膜12とを有する構成であって、細孔13と微細孔14との少なくとも一部が互いに接合されている。この流体制御装置の作製方法は、少なくともアルミニウムとAlSi混合膜を有する膜から、アルミニウム部分は陽極酸化法によって細孔膜である陽極酸化アルミナ皮膜11を形成し、AlSi混合膜から陽極酸化法もしくはエッチング法によりシリコンを主体とした微細孔膜であるシリコン系微細孔皮膜12を形成する。シリコン系微細孔膜12には、アモルファスシリコンと酸化シリコンがあり、その細孔径は10nm以下である。この流体制御装置は、液体や気体を透過されて用いるフィルターや限外濾過膜に使用可能である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体制御装置及びその製造方法に係り、特にガスや液体のフィルターや流量制御装置、分離装置に利用可能な流体制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の流体制御装置の例として、濾過膜が挙げられる。この濾過膜には、セルロース系、ポリスルフォン系、ポリオレフィン系などの高分子材料からなる有機濾過膜が一般的に用いられている。また、無機材料系の濾過膜としては、バイコールガラス、カーボン管、シリカ系セラミックス、陽極酸化アルミナ膜などの多孔質材料が用いられている。また限外濾過膜としても上記有機材料系の膜が使用されている。
【0003】
上記の濾過膜は、主に数nmから数10nmの微細孔を持つ半透膜であり、膜の表裏すなわち流路の上流側と下流側の圧力差を駆動力として作用するものである。
【0004】
ここでは、本発明と関連が深い陽極酸化アルミナ膜についてさらに詳しく説明する。
【0005】
陽極酸化アルミナ膜は、多孔質な膜であり、細孔が膜表面に膜面から垂直方向に成長している(たとえば非特許文献1等参照)。この多孔質酸化皮膜の特徴は、直径(2r)が数nm〜数100nmの極めて微細な細孔が、数10nm〜数100nmの間隔(2R)でほぼ平行に配列するという特異的な幾何学的構造を有することにある。この細孔は、高いアスペクト比を有し、断面の径の一様性にも優れている。また、この細孔の直径2rおよび間隔2Rは、陽極酸化の際の電流、電圧を調整することによりある程度の制御が可能である。
【0006】
このアルミニウムの陽極酸化膜を濾過膜などに利用するには、陽極酸化膜をアルミニウムから剥離する必用がある。
【0007】
特許文献1には、金属アルミニウムもしくはアルミニウム合金を陽極酸化して多孔質皮膜を形成した後、多孔質部分以外の金属をエッチングにより除去する方法が開示されている。
【0008】
また、特許文献2には、溶液によるエッチング除去ではなく、電解エッチングによるピットを用いて陽極酸化皮膜を担持される手法が開示されている。
【0009】
また、特許文献3には、陽極酸化の条件を途中で変えることにより、径の太い細孔と細い細孔を連結した皮膜の製造方法が開示されている。
【0010】
また、特許文献4には、珪素が添加されたアルミニウム合金の陽極酸化皮膜を用いた流体制御装置について開示されている。珪素が添加されたアルミニウム合金としてはADC12やAC4C、A4000系の材料が利用されるが、これらの材料は珪素が不均一に分散されており、陽極酸化を阻害する要因になっていた。
【0011】
【特許文献1】
特公平4−12169号公報
【特許文献2】
特公平7―112531号公報
【特許文献3】
特開平2−218422号公報
【特許文献4】
特開2000−120868号公報
【非特許文献1】
R.C.Furneaux, W.R.Rigby & A.P.Davidson, NATURE Vol.337 P147(1989)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記流体制御装置、特に有機系濾過膜には薬品耐性が悪い、耐熱性が無いなどの問題点があった。 また無機材料系、特にセラミックス系の膜は成型が困難であるなどの問題点があった。
【0013】
陽極酸化アルミナ膜は、無機材料系であり、強アルカリ以外のアルカリ水溶液や酸性溶液、及び有機溶剤には耐性が強い。また、皮膜として形成されるのである程度形状が制御可能であるが、アルミナ皮膜を剥離する工程においてエッチングを施すので、細孔が10nm以上になりやすい欠点があった。
【0014】
また、フィルターとしては細孔径とともにフラックス(単位面積当たりの流量)も重要な要因である。すなわち、細孔が小さくなっても、細孔の厚みが大きくなってもフラックスはそれに比例して低下してしまう。フラックスが大きく且つ細孔径を小さくするには細孔径が小さい膜の厚みを薄くする必要があるが、この様な膜を作製することは困難であった。
【0015】
また、10nm以下の細孔径を均一に制御することは非常に困難であった。
【0016】
本発明の目的は、これらの問題点を解決することにあり、無機材料系で10nm以下の細孔を有する膜を安定に制御良く作製することにある。また、実用上10nm以下の細孔を有する膜を厚く形成してもフラックスが低下する可能性が高いので、この様に微細孔膜を薄く作製した場合にも安定に使用できるような担持膜を形成することも本発明の目的である。
【0017】
また、本発明の目的は、微細孔膜を作製する製法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、本発明の以下の構成および製法により解決できる。
【0019】
すなわち、本発明に係る流体制御装置は、アルミニウムを主体とした素材を陽極酸化した細孔を有する膜と、シリコンを主体とし且つ前記細孔よりも径の小さい微細孔を有する膜とを有し、前記細孔と前記微細孔との少なくとも一部が制御すべき流体の流路に沿って互いに連結されていることを特徴とする。
【0020】
前記細孔の平均直径が5nm以上であること、前記微細孔の平均直径が10nm以下であることが望ましい。
【0021】
前記細孔の平均直径が8nm以上であり、且つ前記微細孔の平均直径が7nm以下であることが望ましい。
【0022】
前記シリコンを主体とした微細孔を有する膜がアモルファスシリコンを主体とした材料から構成されていることが望ましい。
【0023】
前記シリコンを主体とした微細孔を有する膜が酸化シリコンを主体とした材料から構成されていることが望ましい。
【0024】
前記微細孔の平均直径が3nm以下であることが望ましい。
【0025】
前記シリコンを主体とした微細孔を有する膜が平均直径10nm以下のアルミニウムを主体とするシリンダーを有するAl1-xSix(0.2≦x≦0.7)の混合体から前記アルミニウムを主体とするシリンダーを除去することにより得られた膜であることが望ましい。
【0026】
前記アルミニウムを主体とした素材を陽極酸化した細孔を有する膜と、前記シリコンを主体とした微細孔を有する膜が直接、もしくは膜厚10nm以下の接合層を介して接合されていることが望ましい。
【0027】
前記アルミニウムを主体とした素材を陽極酸化した細孔の直径が、前記シリコンを主体とした微細孔を有する膜と接合する側において、直接接合されていない側の直径より小さいことが望ましい。
【0028】
前記アルミニウムを主体とした素材を陽極酸化した細孔を有する膜が、前記シリコンを主体とした微細孔を有する膜より膜厚が大きいことが望ましい。
【0029】
前記アルミニウムを主体とした素材を陽極酸化した細孔を有する膜の厚みが1μm以上であり、前記シリコンを主体とした微細孔を有する膜の厚みが0.5μm以下であることが望ましい。
【0030】
前記アルミニウムを主体とした素材を陽極酸化した細孔を有する膜が前記流体制御装置の上流部に配置され、前記シリコンを主体とした微細孔を有する膜が前記流体制御装置の下流部に配置されていることが望ましい。
【0031】
本発明に係る流体制御装置の製造方法は、少なくともアルミニウムを主成分とする層と平均直径が10nm以下であるアルミニウムを主成分とするシリンダーが形成されたAl1-xSix(0.2≦x≦0.7)の混合膜とを形成し、その後前記アルミニウムを主成分とする層に陽極酸化により細孔を形成する工程と、前記Al1-xSixの混合膜からアルミニウムを主成分とするシリンダーを除去する工程とを有することを特徴とする。
【0032】
前記Al1-xSixの混合膜はスパッタリングにより成膜することが望ましい。
【0033】
前記アルミニウムを主成分とするシリンダーを除去する工程が化学エッチングによる工程であることが望ましい。
【0034】
前記アルミニウムを主成分とするシリンダーを除去する工程の後に、前記アルミニウムを主成分とするシリンダーが除去された層を酸化して微細孔を有する酸化シリコン膜にする工程を有することが望ましい。
【0035】
前記アルミニウムを主成分とするシリンダーを除去する工程が前記Al1-xSixの混合膜の陽極酸化による工程であってもよい。
【0036】
前記Al1-xSixの混合膜の陽極酸化による工程が硫酸溶液中で行なう工程であり、且つ前記アルミニウムを主成分とする層の陽極酸化を硫酸、もしくは蓚酸、もしくは燐酸を含有する溶液中で行う工程であってもよい。
【0037】
前記全工程の終了後に100℃以上の温度でアニールする工程を有することが望ましい。
【0038】
以下、本発明の特徴を説明する。
【0039】
以下の説明では、その記載を簡単にするため、アルミニウムを主体とした素材を陽極酸化した細孔を有する膜を「陽極酸化アルミナ皮膜」、シリコンを主体とした微細孔を有する膜を「シリコン系微細孔皮膜」と記載することにする。
【0040】
本発明の流体制御装置は、陽極酸化アルミナ皮膜と、本発明者らが鋭意発明した「AlSiナノ混合膜(AlSi混合膜)」を細孔膜にし、各細孔を効果的に連結させることにある。
【0041】
ここで、本発明者らが発明した「AlSi混合膜」について説明する。
【0042】
このAlSi混合膜は、AlとSiを含み構成される膜状の構造体であって、該Alを含み構成される柱状の部材(以下、「シリンダー」と呼ぶ)が、該Siを含み構成される領域に取り囲まれており、且つ該構造体には該Siが、該AlとSiの全量に対して20atomic%以上70atomic%以下の割合で含まれているものである。
【0043】
上記割合は、構造体を構成するAlとSiの全量に対するSiの割合のことであり、好ましくは25atomic%以上65atomic%以下、より好ましくは30atomic%以上60atomic%以下である。
【0044】
なお、実質的に柱状形状が実現していればよく、例えば前記シリンダーの成分としてSiが含まれていてもよいし、前記領域にAlが含まれていてもよい。また、上記シリンダーやその周囲の領域に酸素、アルゴン、窒素、水素などが少量含まれていてもよい。
【0045】
上記割合は、例えば誘導結合型プラズマ発光分析法で定量分析することにより得られる。atomic%を単位として用いているが、wt%を単位として用いる場合には、20atomic%以上70Atomic%以下とは、20.65wt%以上70.84wt%以下となる(Alの原子量を26.982、Siの原子量を28.086として換算している)。
【0046】
前記シリンダーを取り囲む領域は、非晶質であることが望ましいがこれに限定されるものではない。
【0047】
前記シリンダーの平面形状としては円形あるいは楕円形状である。
【0048】
前記構造体には、Siを含み構成されるマトリックス中に複数のシリンダーが分散していることになる。シリンダーの径(平面形状が円の場合は直径)は、主として前記構造体の組成(即ち、前記第2の材料の割合)に応じて制御可能であるが、その平均径は、0.5nm以上50nm以下、好ましくは0.5nm以上20nm以下、さらに好ましくは0.5nm以上10nm以下である。なお、楕円等の場合は、最も長い外径部が、上記範囲内であればよい。ここで平均径とは、例えば、実際のSEM写真(約100nm×70nmの範囲)で観察される柱状の部分を、その写真から直接、あるいはコンピュータで画像処理して、導出される値である。平均径の下限としては1nm以上、あるいは数nm以上であることが実用的な下限値である。
【0049】
また、複数のシリンダー間の中心間距離2Rは、2nm以上30nm以下、好ましくは5nm以上20nm以下、更に好ましくは5nm以上15nm以下である。勿論、中心間距離の下限として上記2Rは柱状構造体どうしが接触しない間隔は最低限備えている必要がある。
【0050】
前記膜状の構造体において、前記シリンダーは膜の面内方向に対して略垂直になるようにSiを含み構成されるマトリックス中に分散していることになる。この膜状の構造体の膜厚としては、特に限定されるものではないが、10nm〜100μmの範囲で適用できる。プロセス時間等を考慮してより現実的な膜厚としては、1nm〜1μm程度である。特に300nm以上の膜厚でも柱状構造が維持されていることが好ましい。
【0051】
前記膜状の構造体は、非平衡状態で成膜する方法を利用して作製することができる。当該成膜方法としては、スパッタリング法が好ましいが、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着(EB蒸着)、イオンプレーティング法をはじめとする任意の非平衡状態で物質を形成する成膜法が適用可能である。スパッタリング法で行う場合には、マグネトロンスパッタリング、RFスパッタリング、ECRスパッタリング、DCスパッタリング法を用いることができる。スパッタリング法で行う場合は、通常アルゴンガス雰囲気中で反応装置内の圧力を0.2Paから1Pa程度にして成膜を行う。スパッタリングの際には、ターゲット原料として前記第1の材料と第2の材料をそれぞれ別途用意しても良いが、予め所望の割合で第1の材料と第2の材料が焼成されたターゲット材料を用いてもよい。
【0052】
基板上に形成される前記構造体は、基板温度を20℃以上300℃以下、好ましくは20℃以上200℃以下で形成されることが好ましい。
【0053】
前記膜状の構造体から前記シリンダーを除去(ウェットエッチングあるいはドライエッチングなど)することにより複数の柱状の孔を有する多孔体が形成される。
【0054】
すなわち、この多孔体の製造方法は、AlとSiを含み構成される膜状の構造体であって、該Alを含み構成されるシリンダーが、該Siを含み構成される領域に取り囲まれており、且つ該構造体には該Siが、該AlとSiの全量に対して20atomic%以上70atomic%以下の割合で含まれている該構造体を用意する工程、及び該構造体から該シリンダーを除去する工程を有することを特徴とするものである。
【0055】
上記エッチングには、上記シリンダーを選択的に除去できればよく、エッチング液としては例えば、燐酸、硫酸、塩酸、硝酸などの酸やアルカリが好適である。当該除去により形成される多孔質体の孔は、互いに連結せず独立していることが好適である。なお、除去工程として陽極酸化処理を行なってもよい。
【0056】
本発明の「シリコンを主体とした微細孔を有する膜(シリコン系微細孔皮膜)」は、上記構造体である「AlSi混合膜」から得られる上記多孔体に相当するものである。
【0057】
従来の陽極酸化アルミナ皮膜では、10nm以下の細孔を有する流体制御装置を作製することは困難であったが、前述の「AlSiナノ混合膜」から10nm以下、更には5nm以下の超微細孔を有する膜を形成することが可能になり、これらを上手く接合させることにより超微細な細孔膜を薄くしてフラックスを確保した状態の流体制御装置を得ることが可能となった。
【0058】
また、本発明の流体制御装置は、無機材料から形成されている為に耐薬品性が非常に優れていることが挙げられる。またアルミナはもちろん、シリコンもしくはシリコン酸化物も耐熱性が高く、高温の使用条件にも耐えられる流体制御装置を提供可能となる。
【0059】
本発明の流体制御装置では、フィルターは勿論各種濾過器や流量制御装置などに用いることが可能であり、その応用範囲を著しく広げる作用を有する。
また、本発明に係る装置は、アルミナを含み構成され、第1の孔径を有する第1の多孔質体、及びシリコンあるいは酸化シリコンを含み構成され、該第1の孔径よりも小さい第2の孔径を有する第2の多孔質体を備えていることを特徴とする。ここでいう装置とは、フィルターや流体制御装置などであり、流体が当該多孔質体を通過するような装置を全て含むものである。なお、シリコンに代えて、ゲルマニウム、酸化ゲルマニウム、シリコンとゲルマニウムの混合体、あるいは当該混合体の酸化物を用いてもよい。
【0060】
【発明の実施の態様】
以下、本発明に係る流体制御装置及びその製造方法の実施の形態を図1〜図7に基づいて説明する。
(流体制御装置の構成)
本実施形態の流体制御装置を図面に基づいて説明する。図1〜図3は本実施形態の流体制御装置の構成を示す概念図である。
【0061】
図1(a)は、本実施形態の流体制御装置の最も簡単な構成を示す断面図を示す。図1(a)において、11は陽極酸化アルミナ皮膜、12はシリコン系微細孔皮膜、13は陽極酸化アルミナ皮膜にある細孔、14はシリコン系微細孔皮膜にある微細孔であり、陽極酸化アルミナ皮膜11とシリコン系微細孔皮膜12とが積層膜を形成し、これにより細孔13と微細孔14が互いに連結されている。
【0062】
図1(b)は、図1(a)に示す流体制御装置と同様の構成、すなわち細孔13を有する陽極酸化アルミナ皮膜11と、微細孔14を有するシリコン系微細孔皮膜12とから構成される流体制御装置で、陽極酸化アルミナ皮膜11中の細孔13の径がシリコン系微細孔皮膜12へ接続する部分で小さくなっている場合の断面図を示す。
【0063】
図2(a)は、図1(a)に示す流体制御装置と同様の構成、すなわち細孔13を有する陽極酸化アルミナ皮膜11と、微細孔14を有するシリコン系微細孔皮膜12とから構成される流体制御装置で、陽極酸化アルミナ皮膜11を挟む両側のそれぞれにシリコン系微細孔皮膜12、12を配置した場合の断面図を示す。
【0064】
図2(b)は、図1(a)に示す流体制御装置と同様の構成(細孔13を有する陽極酸化アルミナ皮膜11と、微細孔14を有するシリコン系微細孔皮膜12とから構成される)で、シリコン系微細孔皮膜12を挟む両側のそれぞれに陽極酸化アルミナ皮膜11、11を配置した場合の断面図を示す。
【0065】
図3は、図1(a)に示す流体制御装置と同様の構成、すなわち細孔13を有する陽極酸化アルミナ皮膜11と、微細孔14を有するシリコン系微細孔皮膜12とから構成される流体制御装置で、陽極酸化アルミナ皮膜11とシリコン系微細孔皮膜12との接合部分に、接合強度を増すために接合層31を挿入した場合の断面図を示す。
【0066】
図1〜図3において、陽極酸化アルミナ皮膜11は、アルミニウムと酸素を主成分とし、多数の円柱状の細孔13を有し、その細孔13は、皮膜表面にほぼ垂直に配置され、それぞれの細孔13は概ね互いに平行かつ等間隔に配置されている。また、各細孔13の直径2rは、数nm〜数100nm程度、隣接する細孔13の中心間の間隔2Rは、数10nm〜数100nm程度である。ここで細孔13の直径2rは、最も小さい場合でも10nm弱であり、おおよそ8〜9nm程度である。陽極酸化アルミナ皮膜11に形成されている細孔13の直径2rは、シリコン系微細孔皮膜12に接続される側でより小さいことが好ましく、フラックスを考慮するとシリコン系微細孔皮膜12に接続される側以外の部分では、細孔13の直径2rが大きいことが好ましい。
【0067】
また、シリコン系微細孔皮膜12は、アモルファスシリコンもしくは酸化シリコンを主成分とする微細孔14を有する皮膜であり、陽極酸化アルミナ皮膜11と同様にその膜面に垂直方向にほぼ等間隔でほぼ同じ直径の微細孔14が形成されている。ただし、アモルファスシリコンの場合には微細孔14の直径は約3〜10nm程度であり、酸化シリコンの場合には約1〜8nm程度である。このシリコン系微細孔皮膜12には若干のアルミニウムが含まれる場合がある。
【0068】
陽極酸化アルミナ皮膜11とシリコン系微細孔皮膜12は、図1、図2に示したように直接接合されていても良いし、また他の細孔を有する膜を挿入しても構わない。もしくは図3に示したように、陽極酸化アルミナ皮膜11とシリコン系微細孔皮膜12との接合部分に、接合強度を増すために接合層31を挿入しても構わない。また、陽極酸化アルミナ皮膜11とシリコン系微細孔皮膜12は、図1、図3に示したように1層づつで構成する必要は無く、図2(a)及び(b)に示すように、各々の皮膜(層)11、12がそれぞれ複数枚存在していても構わない。なお、上記シリコンに代えて、ゲルマニウム、酸化ゲルマニウム、シリコンとゲルマニウムの混合体、あるいは当該混合体の酸化物を用いてもよい。
(流体制御装置(ナノ構造体)の製法)
図1に示す本実施形態の基本的な流体制御装置の作製方法について、図4、図5、及び図6を用いて以下に説明する。本作製方法は、「基体の準備工程」、「アルミニウム部分の細孔形成工程(陽極酸化アルミナ皮膜11の細孔13を得る工程)」、及び「AlSi部分の細孔形成工程(シリコン系微細孔皮膜12の微細孔14を得る工程)」を有する。以下、各工程を説明する。
【0069】
1)基体の準備工程
図4(a)において、まず、基体の準備工程として、その基体を成すアルミニウム42の板、もしくは箔を十分表面が平坦になるように研磨する。この研磨工程は、機械的な研磨工程でも構わないし、溶液によるエッチング工程でも構わない。電解エッチング工程では、アルミニウム表面に若干のうねりが発生する場合があるが、使用上問題にならなければ構わない。このときのアルミニウム42の厚みに特に限定は無いが、取り扱いを考慮すると10μm以上あることが好ましい。陽極酸化後アルミニウム部分の溶解除去工程を行わない場合には、アルミニウム42の厚みは500μm以下であることが好ましい。また、微小な流体制御装置や、他の支持材を用いる場合などはアルミニウムの膜でも使用可能である。このときアルミニウムの成膜にはスパッタリング法や抵抗加熱蒸着法など一般的な成膜方法が利用可能である。
【0070】
図4(a)に示すように、この平坦なアルミニウム42の表面上にAlSi混合膜41を成膜する。この成膜工程は、非平衡過程を経由する工程が好ましく、例えばスパッタリング法が好ましい。この場合、AlSiの混合比はAl1-xSixと表した場合、0.2≦x≦0.7が必要であり、より好ましくは0.3≦x≦0.5が好ましい。このとき若干の不純物が入っていても構わない。この様な条件でAlSi混合膜41を成膜すると、その膜41中にその膜面に垂直方向にアルミニウムを主体とした微細なシリンダー(柱状の部材)が無数に発生する。このシリンダーの直径は約2〜10nmであり、隣接するシリンダー間の中心距離の間隔は5〜15nm程度となる。シリンダー以外の部分はAlを若干含んだアモルファス状のシリコンからなっている。このAlSi混合膜41の厚みは特に制限は無いが10nm以上1μm以下であることが好ましい。10nm以下では作製工程中や使用中に破壊の可能性があり、1μm以上ではフラックスが十分得られなくなる可能性がある。
【0071】
2)アルミニウム部分の細孔形成工程
図4(c)に示すように、アルミニウム42部分の細孔形成には陽極酸化工程を用いる。もちろん陽極酸化工程に電解エッチングピット形成工程などを追加しても構わないが、ここでは最も基本的な工程を図6を用いて説明する。
【0072】
図6は本工程に用いる陽極酸化装置の一例を示す概略図である。図6中、60は恒温槽であり、61は反応容器、62はPt板などの対向電極、63は電解液、64は試料、65は陽極酸化電圧を印加する電源、66は陽極酸化電流を測定する電流計、67は試料ホルダーである。図では省略してあるが、このほか電圧、電流を自動制御、測定するコンピュータなどが組み込まれている。
【0073】
試料64および対向電極62は、恒温水槽60により温度を一定に保たれた電解液63中に配置され、電源65より試料、対向電極62間に電圧を印加することで陽極酸化が行われる。ここで、67は不必要な部分に電圧が印加されない様にする為のホルダーである。
【0074】
陽極酸化に用いる電解液63は、たとえば、シュウ酸、リン酸、硫酸、クロム酸溶液などが挙げられる。特に好ましい溶液は低電圧(〜30V程度)は硫酸、高電圧(60V〜)はリン酸、その間の電圧ではシュウ酸の溶液が好ましい。陽極酸化の電圧と細孔の間隔には概ね下記の相関関係がある。
【0075】
細孔の間隔(nm)=2.5×陽極酸化電圧(V)
アルミニウムの陽極酸化は必ずしも定電圧で行う必要性は無い。定電流制御で行ったり、陽極酸化の途中で電圧や電流を故意に変化させる場合もある。
【0076】
陽極酸化直後の細孔の直径は、陽極酸化に用いる電解液の濃度と温度、及び、陽極酸化電圧印加方法、電圧値などに依存するが、その後のポアワイド処理によりかなり任意に広げることが可能である。このエッチングにはリン酸やアルカリ水溶液などが利用可能である。
【0077】
また、陽極酸化アルミナ皮膜の厚さは、陽極酸化の時間や用いるアルミニウム箔やアルミニウム膜の厚みで制御可能であり、たとえば10nm〜500μmの厚みである。
【0078】
3)AlSi部分の細孔形成工程
図4(b)に示すように、微細孔を有するシリコン系微細孔皮膜43は、前述の図4(a)に示すAlSi混合膜41から得られるが、このAlSi混合膜41から微細孔を得るにはいくつかの手法がある。
【0079】
A)アモルファスシリコン系の微細孔膜を得る工程
Alシリンダーがアモルファスシリコンのマトリックス中に分散されている膜からAlシリンダーをエッチング除去することによりアモルファスシリコンからなる微細孔皮膜を得ることができる。このエッチング工程にはアルミニウムを選択的に溶解させる溶液に浸すことにより達成される。例えばリン酸などの酸性水溶液を用いることが可能である。またアルカリ溶液(KOH溶液など)に浸すことでも達成可能である。また、このエッチング処理では同時に微細孔径を広げることができる。
【0080】
B)酸化シリコン系の微細孔膜を得る工程
上記に説明したアモルファスシリコンの微細孔皮膜を熱酸化、もしくは陽極酸化のような化学的酸化を施すことにより酸化シリコンを主体とした微細孔皮膜を形成することができる。また、AlSi混合膜41を直接陽極酸化しても酸化シリコンを主体とした微細孔皮膜を形成することができる。このとき、陽極酸化は硫酸で行うことが好ましく、陽極酸化電圧も3V以下で行うことが好ましい。この酸化工程において、細孔径は縮小する傾向があり、アモルファスシリコン細孔径より数割小さくなる。
【0081】
上記シリコン系の微細孔膜を得る工程と陽極酸化アルミナ皮膜を得る工程の順序は、積層膜の構成に依存する。図4に示すように、AlSi混合膜41がアルミニウム42上に形成されている場合(図4(a)参照)には、AlSi混合膜41に細孔を形成し(図4(b)参照)、その後でアルミニウム42の陽極酸化工程(図4(c)参照)を行う。
【0082】
また、図5に示すようにAlSi混合膜51上にアルミニウム膜52を形成した場合(図5(a)参照)には、そのアルミニウム膜52の陽極酸化により陽極酸化アルミナ皮膜54を得る工程(図5(b)参照)を行い、その後でシリコン系微細孔膜53を得る工程(図5(c)参照)を行い、下地からシリコン系微細孔膜53を剥がす工程(図5(d)参照)を行う。
【0083】
4)その他の工程
上記の工程後に、アニール処理を行うことも有効である。すなわち上記の陽極酸化工程直後では、得られた膜には水分や酸などの成分が残留している場合があるからである。アニールは場合にもよるが約1000℃まで可能であり、100℃以上のアニールで膜に残存する水分を除去できることや、更に高い温度のアニールで陽極酸化膜の結晶性を高めることができる。これにより耐薬品性や耐熱温度も向上させることができる。上記のアニール処理空気や酸素中でのアニールも可能である。ただし、アモルファスシリコンの微細孔膜を得たい場合には不活性ガス中、還元雰囲気中、真空中などのアニール処理が好ましい。
【0084】
また、上記剥離工程には溶液エッチングや機械的な剥離工程を用いることが可能である。
【0085】
また、図3に示すように、陽極酸化アルミナ皮膜とシリコン系皮膜の間に非常に薄い接合膜31を形成しておくことも有効である。この材料としてはTi、Zr、Hf、Nb、Ta、Mo、Wなどを主成分とした膜が有効であり、その膜厚は0.5〜10nm程度であることが好ましい。
【0086】
本実施形態によれば、10nm以下はもちろん5nm以下の細孔径を制御性良く作製することができ、且つ流体制御装置としての耐久性や扱い易さを得ることができる。このような微細な細孔を用いると、特に微細な物質を濾過したり、流速を制御することが可能となる。例えばDNAの直径は約2nmであるが、このような細い物質であっても分離などできるようになる。
【0087】
【実施例】
以下に実施例をあげて、本発明を説明する。
(実施例1:第1の材料Al、第2の材料Si)
本実施例では、シリコン系微細孔皮膜として、シリコンに周囲を囲まれたアルミニウム構造体部分が円柱状構造であり、その径2rが3nmであり、間隔2Rが7nm、長さLが200nmであるアルミニウム細線について示す。
【0088】
まず、アルミニウム細線の作製方法を説明する。
【0089】
ガラス基板上に、RFマグネトロンスパッタリング法を用いて、シリコンをアルミニウムとシリコンの全量に対して55atomic%含んだアルミニウムシリコン混合膜を約200nm形成する。ターゲットには、4インチのアルミニウムターゲット上に15mm角のシリコンチップ13を8枚おいたものを用いた。スパッタ条件は、RF電源を用いて、Ar流量:50sccm、放電圧力:0.7Pa、投入電力:1kWとした。また、基板温度は室温とした。
【0090】
なお、ここではターゲットとして、アルミニウムターゲット上にシリコンチップを8枚置いたものを用いたが、シリコンチップの枚数はこれに限定されるものではなく、スパッタ条件により変化し、アルミニウムシリコン混合膜の組成が約55atomic%近辺になれば良い。また、ターゲットはアルミニウムターゲット上にシリコンチップを置いたものに限定したものではなく、シリコンターゲット上にアルミニウムチップを置いたものでも良いし、シリコンとアルミニウムの粉末を焼結したターゲットを用いても良い。
【0091】
次に、このようにして得られたアルミニウムシリコン混合膜をICP(誘導結合型プラズマ発光分析)にて、シリコンのアルミニウムとシリコンの全量に対する分量(atomic%)を分析した。その結果、シリコンのアルミニウムとシリコンの全量に対する分量は約55atomic%であった。なお、ここでは測定の都合上、基板として、カーボン基板上に堆積したアルミニウムシリコン混合膜を用いた。
【0092】
FE−SEM(電界放出走査型電子顕微鏡)にて、アルミニウムシリコン混合膜を観察した。基板真上方向から見た表面の形状は、シリコンに囲まれた円形のアルミニウムナノ構造体が二次元的に配列していた。アルミニウムナノ構造体部分の孔径は3nmであり、その平均中心間間隔は7nmであった。また、断面をFE−SEMにて観察した所、高さは200nmであり、それぞれのアルミニウムナノ構造体部分はお互いに独立していた。
【0093】
また、X線回折法でこの試料を観察した所、結晶性を示すシリコンのピークは確認できず、シリコンは非晶質であった。
【0094】
従って、シリコンに周囲を囲まれた間隔2Rが7nm、径2rが3nm、高さLが200nmのアルミニウム細線を含んだアルミニウムシリコンナノ構造体を作製することができた。
【0095】
(比較例)
上記実施例の比較試料Aとして、ガラス基板上に、スパッタ法を用いて、シリコンをアルミニウムとシリコンの全量に対して15atomic%含んだアルミニウムシリコン混合膜を約200nm形成した。ターゲットには、4インチのアルミニウムターゲット上に15mm角のシリコンチップ13を2枚おいたものを用いた。スパッタ条件は、RF電源を用いて、Ar流量:50sccm、放電圧力:0.7Pa、投入電力:1kWとした。また、基板温度は室温とした。
【0096】
FE−SEM(電界放出走査型電子顕微鏡)にて、比較試料Aを観察した。基板真上方向から見た表面の形状は、アルミニウム部分は円形状にはなっておらず、縄状になっていた。即ち、アルミニウムの柱状構造体がシリコン領域内に均質に分散した微細構造体となっていなかった。さらに、その大きさは10nmを遥かに超えていた。また、断面をFE−SEMにて観察した所、アルミニウム部分の幅は15nmを超えていた。なお、このようにして得られたアルミニウムシリコン混合膜をICP(誘導結合型プラズマ発光分析)にて、シリコンのアルミニウムとシリコンの全量に対する分量(atomic%)を分析した。その結果、シリコンのアルミニウムとシリコンの全量に対する分量は約15atomic%であった。
【0097】
さらに、比較試料Bとして、ガラス基板上に、スパッタ法を用いて、シリコンをアルミニウムとシリコンの全量に対して75atomic%含んだアルミニウムシリコン混合膜を約200nm形成した。ターゲットには、4インチのアルミニウムターゲット上に15mm角のシリコンチップ13を14枚おいたものを用いた。スパッタ条件は、RF電源を用いて、Ar流量:50sccm、放電圧力:0.7Pa、投入電力:1kWとした。また、基板温度は室温とした。
【0098】
FE−SEM(電界放出走査型電子顕微鏡)にて、比較試料Bを観察した。基板真上方向から見た試料表面には、アルミニウム部分を観察することができなかった。また、断面をFE−SEMにて観察しても、明確にアルミニウム部分を観察することができなかった。なお、このようにして得られたアルミニウムシリコン混合膜をICP(誘導結合型プラズマ発光分析)にて、シリコンのアルミニウムとシリコンの全量に対する分量(atomic%)を分析した。その結果、シリコンのアルミニウムとシリコンの全量に対する分量は約75atomic%であった。
【0099】
また、比較試料Aを作製した場合と、シリコンチップの枚数の条件のみを変え、アルミニウムシリコン混合体の全量に対するシリコンの割合が、20atomic%、35atomic%、50atomic%、60atomic%、70atomic%である試料を作製した。アルミニウムの柱状構造体がシリコン領域内に均質に分散した微細構造体となっている場合を○、なっていない場合を×としたものを以下に示す。
【0100】
【表1】
Figure 2004188395
このように、アルミニウムとシリコンの全量に対するシリコン含有量を、20atomic%以上70atomic%以下に調整することで、作製されたアルミニウムナノ構造体の孔径の制御が可能であり、また、直線性に優れたアルミニウム細線の作製が可能になる。なお、構造の確認には、SEMの他にもTEM(透過型電子顕微鏡)等を利用するのがよい。なお、上記含有量に関しては上記シリコンに代えてゲルマニウム、あるいはシリコンとゲルマニウムの混合物を用いても同様であった。
【0101】
さらに、比較試料Cとして、ガラス基板上に、スパッタ法を用いて、シリコンをアルミニウムとシリコンの全量に対して55atomic%含んだアルミニウムシリコン混合膜を約200nm形成した。ターゲットには、4インチのアルミニウムターゲット上に15mm角のシリコンチップ13を8枚おいたものを用いた。スパッタ条件は、RF電源を用いて、Ar流量:50sccm、放電圧力:0.7Pa、投入電力:1kWとした。また、基板温度は250℃とした。
【0102】
FE−SEM(電界放出走査型電子顕微鏡)にて、比較試料Cを観察した。基板真上方向から見た試料表面には、アルミニウムとシリコンの明瞭な境界を確認することができなかった。つまり、アルミニウムナノ構造体を確認することができなかった。即ち、基板温度が高すぎると、より安定な状態に変化してしまうため、このようなアルミニウムナノ構造体を形成する膜成長ができていないと思われる。
【0103】
なお、柱状の部材が分散した構造体を得る為に、ターゲットの組成をAl:Si=55:45などに設定することも好ましい形態である。
(実施例2)
本実施例は、図4に示す工程に従い、図6に示す陽極酸化装置を用いて流体制御装置を作製した場合の実施例を説明する。
【0104】
工程a):積層膜の形成(図4(a)参照)
まず、十分平坦なアルミニウム箔42の上にAlSi混合膜41を300nm成膜する。このときAlSi混合膜41はAl1-xSixの組成においてx=0.1〜0.8の膜を0.1刻みで8種類作製した。
【0105】
工程b):AlSi層の細孔形成(図4(b)参照)
図6に示す陽極酸化装置を用い陽極酸化処理を施した。
【0106】
本工程においては、電解液として3mol/lの硫酸水溶液を使用し、恒温水槽により電解液を20℃に保持した。ここで陽極酸化電圧はDC2Vであり、電極は均一に陽極酸化が進行するようにアルミニウム箔側からとった。陽極酸化工程途中、陽極酸化がAlSi混合層41表面から進行しアルミニウム層まで到達したことを示す電流を検知するため、陽極酸化電流をモニターした。
【0107】
陽極酸化処理後、純水による洗浄を行った。
【0108】
工程c):アルミニウム箔の細孔形成(図4(c)参照)
上記工程b)と同様に図6に示す陽極酸化装置を用い陽極酸化処理を施した。
【0109】
本工程においては、電解液として0.3mol/lのシュウ酸水溶液を使用し、恒温水槽により電解液を17℃に保持した。ここで陽極酸化電圧はDC40Vであり、電極は均一に陽極酸化が進行するようにアルミニウム42側からとった。陽極酸化工程途中、陽極酸化がアルミニウム箔表面からどの程度陽極酸化が進行したか検知するために、陽極酸化電流を検知してその陽極酸化電流積算量をモニターした。そしてアルミニウム42がほとんど陽極酸化された時点で陽極酸化を終了した。
【0110】
工程d):エッチング処理(図4(d)参照)
陽極酸化処理後、リン酸に浸すことにより陽極酸化アルミナ細孔の径の拡大、および残ったアルミニウムをエッチング除去した。
【0111】
(試験結果)
取り出した試料の表面、断面をFE−SEM(Field Emission - Scanning Electron Microscope : 電界放出走査型電子顕微鏡)にて観察した。その結果、Al1-xSixの組成においてx=0.2〜0.7の試料においては、図4に示すようにAlSi混合層41は、2〜8nmの細孔を有した酸化された状態でシリコン系微細孔皮膜43として残っていたが、x=0.8の試料においては、微細孔の形成状態が不十分であった。また、x=0.1の試料においては、微細孔の径が大きくなり過ぎており不適当であった。また、陽極酸化アルミナ皮膜44は、細孔直径約70nm、細孔間隔約100nmのポーラス皮膜になっていた。シリコン系微細孔皮膜43、陽極酸化アルミナ皮膜44のどちらにおいても細孔は膜面に垂直方向に形成されていた。
【0112】
剥離した積層膜が流体制御装置として機能するかどうか、作製した流体制御装置を図7に示す装置にそのフィルターとして取り付けて試験した。図7において、71が作製した流体制御装置であり、72が上流側流路、73が下流側流路、74が流入孔、75が流出孔である。
【0113】
図7に示す装置において、流入孔74から上流側流路72へ約10nmの微粒子を分散させた水溶液を流し込み、フィルターとしての流体制御装置71を介して下流側流路73と通って流出孔75から出てきた溶液を検査したところ、微粒子が取り除かれていることが確認された。
【0114】
このことから、本実施例の流体制御装置がフィルターとして機能していることが分かった。また、フィルターとしての分離性、フラックスの特性では、特にX=0.3〜0.5のAlSi混合膜を用いた流体制御装置が優れていることが確認された。
(実施例3)
本実施例では、実施例2と同様にして積層膜を用意した。ただし、AlSi層にはAl1-xSixの組成においてX=0.4の試料を用い、AlSi層の膜厚は100nmとした。
【0115】
実施例2では、AlSi層の細孔形成工程(工程(b))に陽極酸化を用いたが、本実施例においては、リン酸水溶液に浸す工程を用いた。リン酸5質量%水溶液に2時間浸すことによりAlSi層のAlシリンダー部分が溶解し、AlSi層はアモルファスシリコンの微細孔膜となった。その後、アルミニウム箔を実施例1と同様に陽極酸化して、流体制御装置を作製した。
【0116】
得られた流体制御装置を実施例2と同様な機能試験を行ったところ、ほぼ同じ結果が得られた。
【0117】
従って、実施例によれば、上記流体制御装置で用いるシリコン系微細孔皮膜は、酸化シリコンでもアモルファスシリコンでも機能することが分かった。
(実施例4)
本実施例では、図5に示す工程に従い流体制御装置を作製した場合の実施例を説明する。
【0118】
工程a):積層膜の形成(図5(a)参照)
まず、Si基板上にAlSi混合膜51をAl1-xSixの組成においてX=0.4の膜を形成した。その上にアルミニウム膜52を10μm積んだものと、Tiを2nm成膜した後アルミニウム膜52を10μm積んだものを用意した。
【0119】
工程b):アルミニウム膜の細孔形成(図5(b)参照)
実施例2と同様に図6の陽極酸化装置を用いて陽極酸化処理を施した。
【0120】
本工程においては、電解液として0.3mol/lのシュウ酸水溶液を使用し、恒温水槽により電解液を17℃に保持した。ここで陽極酸化電圧はDC40Vであった。陽極酸化工程途中、陽極酸化がアルミニウム膜52表面からどの程度陽極酸化が進行したかを検知するため、陽極酸化電流を検知してその陽極酸化電流積算量をモニターした。そしてアルミニウム膜52が約9割方陽極酸化された時点で、陽極酸化の浴を0.3mol/lの硫酸水溶液に変えて、電圧を20Vに落として残りのアルミニウム膜52を陽極酸化した。
【0121】
工程c):AlSi混合層の細孔形成(図5(c)参照)
続いて、電解液として3mol/lの硫酸水溶液を使用し、DC2VでAlSi混合層51の陽極酸化を行なった。陽極酸化工程途中、陽極酸化がSi基板まで到達したことを示す電流を検知するため、陽極酸化電流をモニターした。陽極酸化の終了は電流が十分減少した時点で行った。
【0122】
陽極酸化処理後、純水よる洗浄を行った。
【0123】
工程d):エッチング処理(図5(d)参照)
陽極酸化処理後、リン酸に浸すことにより陽極酸化アルミナ細孔の径の拡大、および得られたSi系微細孔膜のSi基板からの剥離を行なった。
【0124】
(試験結果)
取り出した試料の表面、断面をFE−SEMで観察した。その結果図1に示すようにAlSi混合層51は2〜8nmの細孔を有した酸化された状態でシリコン系微細孔皮膜55として残っており、陽極酸化アルミナ皮膜54は上部約9割が細孔直径約70nm、細孔間隔約100nmのポーラス皮膜になっており、シリコン系微細孔皮膜55と接合される近辺で細孔直径約20nm、細孔間隔約50nmのポーラス皮膜になっていた。シリコン系微細孔皮膜55、陽極酸化アルミナ皮膜54のどちらにおいても細孔は膜面に垂直方向に形成されていた。
【0125】
剥離した積層膜が流体制御装置として機能するかどうか、作製した流体制御装置を前述の図7に示す装置にそのフィルターとして取り付けて試験した。
【0126】
その結果、本実施例の流体制御装置は、前述の実施例2と同様に、フィルターとして機能していることが分かった。また、AlSi混合膜とアルミニウム膜の間にTiを挟んだ試料の方が流体制御装置としての機械的特性が優れていることが確認された。
【0127】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、超微細な細孔(例えば、平均直径が110nm以下の微細孔)を有し、且つフラックス量のとれる流体制御装置を提供できる。これによれば、1)アルミニウムを主体とした素材を陽極酸化した細孔を有する膜(陽極酸化アルミナ皮膜)と組み合わせることによって支持性の優れた流体制御装置を提供でき、2)シリコンを主体とした微細孔を有する膜(シリコン系微細孔膜)と組み合わせることによって細孔径数nmの垂直貫通性に優れた流体制御装置を提供できるといった効果がある。本発明によれば、フィルターはもちろんのこと、限外濾過装置などをさまざまな形態で応用することができ、その応用範囲を著しく広げることが可能な流体制御装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は、本発明の実施の形態に係る流体制御装置を示す概念図である。
【図2】(a)及び(b)は、本発明の実施形態に係る流体制御装置を示す概念図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る流体制御装置を示す概念図である。
【図4】(a)〜(d)は、本発明の実施形態に係る流体制御装置の製造方法を成す各工程を示す概念図である。
【図5】(a)〜(d)は、本発明の実施形態に係る流体制御装置の製造方法を成す各工程を示す概念図である。
【図6】実施例の流体制御装置の製造工程で用いる陽極酸化装置を示す概略図である。
【図7】実施例の流体制御装置をフィルターとして用いた装置を示す概略図である。
【符号の説明】
11 陽極酸化アルミナ皮膜
12 シリコン系微細孔皮膜
13 細孔
14 微細孔
31 接合層
41 AlSi混合膜
42 アルミニウム(アルミニウム箔)
43 シリコン系微細孔皮膜
44 陽極酸化アルミナ皮膜
51 AlSi混合膜
52 アルミニウム膜
53 基板
54 陽極酸化アルミナ皮膜
55 シリコン系微細孔皮膜
60 恒温槽
61 反応容器
62 対向電極
63 電解液
64 試料
65 電源
66 電流計
67 試料ホルダー
71 流体制御装置
72 上流側流路
73 下流側流路
74 流入孔
75 流出孔

Claims (21)

  1. アルミニウムを主体とした素材を陽極酸化した細孔を有する膜と、シリコンを主体とし且つ前記細孔よりも径の小さい微細孔を有する膜とを有し、前記細孔と前記微細孔との少なくとも一部が制御すべき流体の流路に沿って互いに連結されていることを特徴とする流体制御装置。
  2. 前記細孔の平均直径が5nm以上である請求項1に記載の流体制御装置。
  3. 前記微細孔の平均直径が10nm以下である請求項1に記載の流体制御装置。
  4. 前記細孔の平均直径が8nm以上であり、且つ前記微細孔の平均直径が7nm以下である請求項2又は3に記載の流体制御装置。
  5. 前記シリコンを主体とした微細孔を有する膜がアモルファスシリコンを主体とした材料から構成されている請求項1から4までのいずれか1項に記載の流体制御装置。
  6. 前記シリコンを主体とした微細孔を有する膜が酸化シリコンを主体とした材料から構成されている請求項1から4までのいずれか1項に記載の流体制御装置。
  7. 前記微細孔の平均直径が3nm以下である請求項6に記載の流体制御装置。
  8. 前記シリコンを主体とした微細孔を有する膜が平均直径10nm以下のアルミニウムを主体とするシリンダーを有するAl1-xSix(0.2≦x≦0.7)の混合体から前記アルミニウムを主体とするシリンダーを除去することにより得られた膜である請求項1に記載の流体制御装置。
  9. 前記アルミニウムを主体とした素材を陽極酸化した細孔を有する膜と、前記シリコンを主体とした微細孔を有する膜が直接、もしくは膜厚10nm以下の接合層を介して接合されている請求項1から8までのいずれか1項に記載の流体制御装置。
  10. 前記アルミニウムを主体とした素材を陽極酸化した細孔の直径が、前記シリコンを主体とした微細孔を有する膜と接合する側において、直接接合されていない側の直径より小さい請求項9に記載の流体制御装置。
  11. 前記アルミニウムを主体とした素材を陽極酸化した細孔を有する膜が、前記シリコンを主体とした微細孔を有する膜より膜厚が大きい請求項1に記載の流体制御装置。
  12. 前記アルミニウムを主体とした素材を陽極酸化した細孔を有する膜の厚みが1μm以上であり、前記シリコンを主体とした微細孔を有する膜の厚みが0.5μm以下である請求項11に記載の流体制御装置。
  13. 前記アルミニウムを主体とした素材を陽極酸化した細孔を有する膜が前記流体制御装置の上流部に配置され、前記シリコンを主体とした微細孔を有する膜が前記流体制御装置の下流部に配置されている請求項1に記載の流体制御装置。
  14. 少なくともアルミニウムを主成分とする層と平均直径が10nm以下であるアルミニウムを主成分とするシリンダーが形成されたAl1-xSix(0.2≦x≦0.7)の混合膜とを形成し、その後前記アルミニウムを主成分とする層に陽極酸化により細孔を形成する工程と、前記Al1-xSixの混合膜からアルミニウムを主成分とするシリンダーを除去する工程とを有する流体制御装置の製造方法。
  15. 前記Al1-xSixの混合膜はスパッタリングにより成膜する請求項14に記載の流体制御装置の製造方法。
  16. 前記アルミニウムを主成分とするシリンダーを除去する工程が化学エッチングによる工程である請求項14に記載の流体制御装置の製造方法。
  17. 前記アルミニウムを主成分とするシリンダーを除去する工程の後に、前記アルミニウムを主成分とするシリンダーが除去された層を酸化して微細孔を有する酸化シリコン膜にする工程を有する請求項14に記載の流体制御装置の製造方法。
  18. 前記アルミニウムを主成分とするシリンダーを除去する工程が前記Al1-xSixの混合膜の陽極酸化による工程である請求項14に記載の流体制御装置の製造方法。
  19. 前記Al1-xSixの混合膜の陽極酸化による工程が硫酸溶液中で行なう工程であり、且つ前記アルミニウムを主成分とする層の陽極酸化を硫酸、もしくは蓚酸、もしくは燐酸を含有する溶液中で行う工程である請求項18に記載の流体制御装置の製造方法。
  20. 前記工程の全てが終了後に100℃以上の温度でアニールする工程を有する請求項14に記載の流体制御装置の製造方法。
  21. アルミナを含み構成され、第1の孔径を有する第1の多孔質体、及びシリコンあるいは酸化シリコンを含み構成され、該第1の孔径よりも小さい第2の孔径を有する第2の多孔質体を備えていることを特徴とする装置。
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