JP2005061959A - センサー及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のセンサーよりも構造的に安定で、感度が高く、さらに反応速度が高いセンサーを提供する。
【解決手段】第一の成分を含み構成される柱状物質が、第一の成分と共晶を形成し得る第二の成分を含み構成される部材中に分散している構造体から、該柱状物質を除去して多孔質体2を形成する。化学種を付着させる付着部としてこの多孔質体2を使用し、化学種を検出する。前記柱状物質がアルミニウムであり、前記部材がシリコンあるいはゲルマニウムあるいはシリコンとゲルマニウムの混合物である。前記細孔3が膜面に対して垂直またはほぼ垂直に設けられ、かつ、細孔3の直径が膜面に対してほぼ一定である。
【選択図】図1
【解決手段】第一の成分を含み構成される柱状物質が、第一の成分と共晶を形成し得る第二の成分を含み構成される部材中に分散している構造体から、該柱状物質を除去して多孔質体2を形成する。化学種を付着させる付着部としてこの多孔質体2を使用し、化学種を検出する。前記柱状物質がアルミニウムであり、前記部材がシリコンあるいはゲルマニウムあるいはシリコンとゲルマニウムの混合物である。前記細孔3が膜面に対して垂直またはほぼ垂直に設けられ、かつ、細孔3の直径が膜面に対してほぼ一定である。
【選択図】図1
Description
本発明は、多孔質体に付着した化学種を検知するセンサーに関するもので、特にガスを検知するガスセンサー、たんぱく質等の生体材料を検知するバイオセンサー、溶液中のpHを検出するpHセンサーなどのセンサーに関する。
従来から、表面積の大きいナノ構造体(多孔質体あるいは針状構造体等)の表面に検出物質(化学種)を付着させることで、その表面の荷電状態を変化させ、その検出物質(化学種)の量を電気的に検出する試みが数多く報告されている。
その中で半導体材料を用いたナノ構造体(多孔質体あるいは針状構造体等)は、表面電荷状態の変化に対して、電気伝導度が大きく変化するため、センサーとして非常に有用であり、数多くの研究がなされている。
その中で半導体材料を用いたナノ構造体(多孔質体あるいは針状構造体等)は、表面電荷状態の変化に対して、電気伝導度が大きく変化するため、センサーとして非常に有用であり、数多くの研究がなされている。
例えば、多孔質シリコン(ポーラスシリコン)をガスセンサーとして利用する方法が示されている(例えば、非特許文献1)。さらに、シリコンのナノワイヤを生体材料や化学種の検出材料として使用した報告がなされている(例えば、非特許文献2)。
このように、半導体材料からなる針状構造体(ナノワイヤ等)や多孔質体などのナノ構造体は、その表面積を非常に大きくできるため、高感度なセンサー材料として非常に有望である。
ROLFE C. ANDERSON, RICHARD S. MULLER, CHARLES W. TOBIAS "Sensor and Actuators" A21-A23(1990) 835-839 Yi Cui, Qingqiao Wei, Hongkun Park, Charles M. Lieber "SCIENCE" VOL293 17 AUGUST(2001)
ROLFE C. ANDERSON, RICHARD S. MULLER, CHARLES W. TOBIAS "Sensor and Actuators" A21-A23(1990) 835-839 Yi Cui, Qingqiao Wei, Hongkun Park, Charles M. Lieber "SCIENCE" VOL293 17 AUGUST(2001)
しかしながら、多孔質シリコンをガスセンサーとして用いた場合、多孔質シリコンでは、表面積を大きくするために細孔径と細孔間隔を小さくすると、細孔が枝状に分離するため、膜面に対して垂直方向に細孔径の揃った多孔質体を形成することが非常に困難であった。従って、用途によっては検出物質の細孔内からの出入りが遅くなり、応答性が不十分になる場合があった。
一方、シリコン等のナノワイヤを用いたセンサーの場合は、複数のナノワイヤを基板垂直方向に並べることで、全体の表面積を大きくできるが、感度を上げるために、ナノワイヤを細く長くする(アスペクト比を大きくする)と構造上もろくなる為、アスペクト比には構造上の制限が生じてしまう。その結果、アスペクト比を十分大きくとれない場合は、多孔質体を用いた場合に比べて、化学種の付着表面積が小さくなる為、用途によっては感度が十分に得られない場合がある。
そこで、本発明では、上記の問題に対して、基板に垂直で、かつ細孔密度及細孔径の小さく、かつ細孔径のそろった多孔質体をセンサーの化学種の吸着部とすることで、表面積が非常に大きく、構造上安定でかつ感度が高く、応答性に優れたセンサーを提供することを第一の目的とする。
また、本発明の別の目的は、前記のセンサーを簡便に低コストで作製する製造方法を提供するものである。
一方、シリコン等のナノワイヤを用いたセンサーの場合は、複数のナノワイヤを基板垂直方向に並べることで、全体の表面積を大きくできるが、感度を上げるために、ナノワイヤを細く長くする(アスペクト比を大きくする)と構造上もろくなる為、アスペクト比には構造上の制限が生じてしまう。その結果、アスペクト比を十分大きくとれない場合は、多孔質体を用いた場合に比べて、化学種の付着表面積が小さくなる為、用途によっては感度が十分に得られない場合がある。
そこで、本発明では、上記の問題に対して、基板に垂直で、かつ細孔密度及細孔径の小さく、かつ細孔径のそろった多孔質体をセンサーの化学種の吸着部とすることで、表面積が非常に大きく、構造上安定でかつ感度が高く、応答性に優れたセンサーを提供することを第一の目的とする。
また、本発明の別の目的は、前記のセンサーを簡便に低コストで作製する製造方法を提供するものである。
即ち、本発明は、多孔質体を有するセンサーであって、該多孔質体は柱状の細孔を有しており、該細孔は、予め第一の成分を含む柱状物質が該第一の成分と共晶を形成し得る半導体材料である第二の成分を含む部材中に分散している構造体から、該柱状物質を除去して形成されたものであり、該細孔内の表面に化学種を付着させることで該化学種を検出することを特徴とするセンサーである。
また、本発明のセンサーは、化学種の付着により該柱状の細孔表面近傍の電荷状態を変化させることで、化学種を電気的に検出する。
また、本発明のセンサーは、化学種が生体分子若しくは気体分子、又は化学種が液体中に溶解している場合が好ましい。
また、本発明のセンサーは、化学種の付着により該柱状の細孔表面近傍の電荷状態を変化させることで、化学種を電気的に検出する。
また、本発明のセンサーは、化学種が生体分子若しくは気体分子、又は化学種が液体中に溶解している場合が好ましい。
なお、本発明において、前記柱状物質がアルミニウムであり、前記部材がシリコン、ゲルマニウム又はシリコンとゲルマニウムの混合物であることが望ましい。
さらに、本発明において、前記細孔が該構造体の表面に対して垂直又はほぼ垂直に設けられ、かつ、前記細孔の直径が前記表面全体にわたってほぼ一定である。
さらに、本発明において、前記細孔の直径が1nm以上20nm以下であり、かつ、前記細孔の間隔が3nm以上30nm以下である。
このように、第一の成分を含む柱状物質が、第一の成分と共晶を形成し得る半導体材料である第二の成分を含む部材中に分散している構造体から、該柱状物質を除去して形成されている多孔質体を用いることにより、従来技術では達成することが困難であった細孔径と細孔密度を有する半導体材料からなる多孔質体を形成でき、センサーの感度を上げることが可能になる。さらには、細孔は膜面に対して垂直又はほぼ垂直な柱状形状を有しているため、細孔の径は膜面に対してほぼ一定であるため、化学種の付着脱離が速くなり、応答性を向上させることが可能となる。
本発明に係るセンサーの製造方法は以下のとおりである。
本発明は、第一の成分を含む柱状物質が、該第一の成分と共晶を形成し得る半導体材料である第二の成分を含む部材中に分散している構造体を用意する工程、該柱状物質を除去し、多孔質体を形成する除去工程、及び該除去工程により得られる柱状の細孔を有する多孔質体に電極を形成する電極形成工程を有することを特徴とするセンサーの製造方法である。
また、別の形態の本発明は、第一の成分を含む柱状物質が、該第一の成分と共晶を形成し得る半導体材料である第二の成分を含む部材中に分散している構造体を用意する工程、該柱状物質を除去し、多孔質体を形成する除去工程、多孔質体の一部あるいは全部を結晶化させる結晶化工程、及び該結晶化工程により得られる柱状の細孔を有する多孔質体に電極を形成する電極形成工程を有することを特徴とするセンサーの製造方法である。
なお、前記製造方法において、前記柱状物質がアルミニウムであり、前記部材がシリコン、ゲルマニウム又はシリコンゲルマニウムであることが望ましい。
このような方法で化学種を付着させる多孔質体を形成すると、膜形成工程と除去工程のみで細孔を形成できるため、安価にセンサーを製造することができる。
本発明を成すに至った経緯について説明すると、本発明者らは、アルミニウムを用いた微細構造体に関して研究を進めていたところ、下記のような知見を得た。
このように、第一の成分を含む柱状物質が、第一の成分と共晶を形成し得る半導体材料である第二の成分を含む部材中に分散している構造体から、該柱状物質を除去して形成されている多孔質体を用いることにより、従来技術では達成することが困難であった細孔径と細孔密度を有する半導体材料からなる多孔質体を形成でき、センサーの感度を上げることが可能になる。さらには、細孔は膜面に対して垂直又はほぼ垂直な柱状形状を有しているため、細孔の径は膜面に対してほぼ一定であるため、化学種の付着脱離が速くなり、応答性を向上させることが可能となる。
本発明に係るセンサーの製造方法は以下のとおりである。
本発明は、第一の成分を含む柱状物質が、該第一の成分と共晶を形成し得る半導体材料である第二の成分を含む部材中に分散している構造体を用意する工程、該柱状物質を除去し、多孔質体を形成する除去工程、及び該除去工程により得られる柱状の細孔を有する多孔質体に電極を形成する電極形成工程を有することを特徴とするセンサーの製造方法である。
また、別の形態の本発明は、第一の成分を含む柱状物質が、該第一の成分と共晶を形成し得る半導体材料である第二の成分を含む部材中に分散している構造体を用意する工程、該柱状物質を除去し、多孔質体を形成する除去工程、多孔質体の一部あるいは全部を結晶化させる結晶化工程、及び該結晶化工程により得られる柱状の細孔を有する多孔質体に電極を形成する電極形成工程を有することを特徴とするセンサーの製造方法である。
なお、前記製造方法において、前記柱状物質がアルミニウムであり、前記部材がシリコン、ゲルマニウム又はシリコンゲルマニウムであることが望ましい。
このような方法で化学種を付着させる多孔質体を形成すると、膜形成工程と除去工程のみで細孔を形成できるため、安価にセンサーを製造することができる。
本発明を成すに至った経緯について説明すると、本発明者らは、アルミニウムを用いた微細構造体に関して研究を進めていたところ、下記のような知見を得た。
即ち、スパッタリング法などの非平行状態で材料を形成する成膜方法により、基板上にアルミニウムの膜を形成する際に、シリコン及びゲルマニウムなどの半導体材料を添加したところ所定条件下では、自己形成的に柱状構造のアルミニウムが、シリコン、ゲルマニウム又はシリコンとゲルマニウムの混合体の中に形成される場合があることを見出したのである。また、その柱状構造のアルミニウムが形成された膜を、シリコン、ゲルマニウム又はシリコンとゲルマニウムの複合体よりも、アルミニウムを優先的に溶かす溶液に浸すことで、従来の方法では、形成することが困難であった細孔径及び細孔密度をもった半導体材料からなる多孔質体が形成できることが分かった。
さらに、その多孔質体では、多孔質体表面への化学種の付着により電気伝導度が大きく変化することが分かった。
そこで、本発明者らは上記知見に基づき鋭意研究を進め、本発明を成すに至ったものである。
さらに、その多孔質体では、多孔質体表面への化学種の付着により電気伝導度が大きく変化することが分かった。
そこで、本発明者らは上記知見に基づき鋭意研究を進め、本発明を成すに至ったものである。
本発明によれば、第一の成分を含み構成される柱状物質が、第一の成分と共晶を形成し得る第二の成分を含み構成される部材中に分散している構造体から、該柱状物質を除去して形成されている多孔質体を得る。これは化学種を付着させる付着部とする。これにより、従来のセンサーよりも構造的に安定で、感度が高く、さらに反応速度が高いセンサーを提供することができる。
また、本発明は、上記のセンサーを簡易に低コストで製造することができる製造方法を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
<センサーの構成>
図1は、本発明のセンサーの一例を示す概略図である。この例では基板に垂直な数ナノメートルから数十ナノメートルサイズで高密度に形成された細孔をもった多孔質膜を化学種の吸着部として、電極を介してその多孔質体の化学種の吸着による抵抗値変化を検出するセンサーの例を示している。
図1において、1が基板であり、2が多孔質体、3が細孔、4が電極である。本発明のセンサーは、基板1上に形成された基板とほぼ垂直に形成された柱状の細孔3を有する多孔質体2と電極4から主に構成される。なお、多孔質体内の細孔表面には、検出する化学種が付着している。また、多孔質体の表面は、図5のように特定の化学種のみが選択的に付着するように、薬品により表面が修飾されていてもかまわない。
図2は、本発明のセンサーに用いられた多孔質体の一例を示したものである。図2(a)は膜表面から見た概略図であり、図2(b)は多孔質体を断面からみた概略図である。
なお、図2(b)は(a)において、線A−A'で切り取ったときの断面の概略図を示している。図2において、11が細孔、12が多孔質体を構成している部材、13が基板を示している。
本発明のセンサーは、多孔質体(化学種の吸着部)として基板に垂直な細孔を有するシリコン、ゲルマニウム又はシリコンとゲルマニウムの混合物を主成分(酸素を除く)とする多孔質体を使用することを特徴とする。また、前記細孔は、図2(a)、(b)に示されているように多孔質体を構成する部材により、お互いに分離されており、また、基板に対して垂直又はほぼ垂直に形成されている。
図1は、本発明のセンサーの一例を示す概略図である。この例では基板に垂直な数ナノメートルから数十ナノメートルサイズで高密度に形成された細孔をもった多孔質膜を化学種の吸着部として、電極を介してその多孔質体の化学種の吸着による抵抗値変化を検出するセンサーの例を示している。
図1において、1が基板であり、2が多孔質体、3が細孔、4が電極である。本発明のセンサーは、基板1上に形成された基板とほぼ垂直に形成された柱状の細孔3を有する多孔質体2と電極4から主に構成される。なお、多孔質体内の細孔表面には、検出する化学種が付着している。また、多孔質体の表面は、図5のように特定の化学種のみが選択的に付着するように、薬品により表面が修飾されていてもかまわない。
図2は、本発明のセンサーに用いられた多孔質体の一例を示したものである。図2(a)は膜表面から見た概略図であり、図2(b)は多孔質体を断面からみた概略図である。
なお、図2(b)は(a)において、線A−A'で切り取ったときの断面の概略図を示している。図2において、11が細孔、12が多孔質体を構成している部材、13が基板を示している。
本発明のセンサーは、多孔質体(化学種の吸着部)として基板に垂直な細孔を有するシリコン、ゲルマニウム又はシリコンとゲルマニウムの混合物を主成分(酸素を除く)とする多孔質体を使用することを特徴とする。また、前記細孔は、図2(a)、(b)に示されているように多孔質体を構成する部材により、お互いに分離されており、また、基板に対して垂直又はほぼ垂直に形成されている。
また、本発明のセンサーを構成している多孔質体の細孔は、図2(b)に示されているように柱状形状である。また、細孔の直径(膜面から見た細孔の平均直径を示す)は、1ナノメートル以上20ナノメートル以下である。さらに、細孔の間隔(膜面から見た細孔の平均中心間距離を示す)は、3ナノメートル以上30ナノメートル以下である。ここで示した細孔の直径とは、図2(b)においての2rを示し、細孔の間隔とは図2(b)においての2Rを示している。
さらに、本発明のセンサーを構成している多孔質体は、主に(a)酸素と、(b)シリコン、ゲルマニウム又はシリコンとゲルマニウムの混合物から構成され、かつ、その組成は、酸素を除くすべての元素に対して、アルミニウムを0.1atmic%以上30atomic%以下、シリコン、ゲルマニウム又はシリコンとゲルマニウムの複合体を70atomic%以上99.9atomic%以下含むことが望ましい。
また、本発明のセンサーを構成している多孔質体の部材は、シリコン、ゲルマニウム又はシリコンとゲルマニウムの混合物を主成分(酸素を除く)とすることが望ましいが、アルゴン(Ar)、窒素(N)、水素(H)などの各種の元素を含有してもよい。
なお、多孔質体の表面は典型的には酸化されているため、多孔質体の組成には酸素が含まれる。
さらに、本発明のセンサーを構成している多孔質体は、主に(a)酸素と、(b)シリコン、ゲルマニウム又はシリコンとゲルマニウムの混合物から構成され、かつ、その組成は、酸素を除くすべての元素に対して、アルミニウムを0.1atmic%以上30atomic%以下、シリコン、ゲルマニウム又はシリコンとゲルマニウムの複合体を70atomic%以上99.9atomic%以下含むことが望ましい。
また、本発明のセンサーを構成している多孔質体の部材は、シリコン、ゲルマニウム又はシリコンとゲルマニウムの混合物を主成分(酸素を除く)とすることが望ましいが、アルゴン(Ar)、窒素(N)、水素(H)などの各種の元素を含有してもよい。
なお、多孔質体の表面は典型的には酸化されているため、多孔質体の組成には酸素が含まれる。
また、本発明のセンサーを構成している多孔質体の部材は、結晶質の部材で構成されていることが望ましいが、非晶質の領域を含んでいても問題はない。
また、本発明のセンサーを構成している電極4は、一組の対になる電極で構成されることが望ましいが、複数の電極が形成されていても問題はない。また、電極材料は、コストの安いAlあるいはTi、あるいは化学的に安定なAg、Pt、Auなどの貴金属、さらにはW、Taなどの高融点材料、あるいは1つ以上の金属をまぜあわせた合金などが好ましいが、これに限定されるわけでもなく、多孔質体の抵抗値等の変化を読み取ることが可能であれば、どんな電極材料を使用してもかまわない。
また、多孔質体を流れる電流の経路は、図1のように細孔形成方向に対して垂直に流れてもよいし、図6のように多孔質体膜面の上下、あるいは多孔質体膜面と基板下面などに電極を形成し、細孔形成方向に対して、平行に電流を流しても良い。つまり、多孔質膜の抵抗値等の変化を検出することが可能であれば、どのように多孔質体に電流を流してもかまわない。
また、本発明のセンサーを構成している基板としては、例えば、石英ガラスやプラスチックをはじめとする絶縁体基板、シリコン、インジウム燐、ガリウム砒素をはじめとする半導体基板などの基板、アルミニウムなどの金属基板、フレキシブル基板(例えばポリイミド樹脂製のもの)、これらの基板の上に1層以上の膜を形成したものが挙げられる。なお、多孔質体の形成及びその多孔質体の抵抗値等の測定に不都合がなければ、基板の材質、厚さ、機械的強度などは特に限定されるものではない。また、基板の形状としては平滑な板状のものに限らず、曲面を有するもの、表面にある程度の凹凸や段差を有するものなどが挙げられるが、多孔質体の形成に不都合がなければ、特に限定されるものではない。
また、本発明のセンサーを構成している電極4は、一組の対になる電極で構成されることが望ましいが、複数の電極が形成されていても問題はない。また、電極材料は、コストの安いAlあるいはTi、あるいは化学的に安定なAg、Pt、Auなどの貴金属、さらにはW、Taなどの高融点材料、あるいは1つ以上の金属をまぜあわせた合金などが好ましいが、これに限定されるわけでもなく、多孔質体の抵抗値等の変化を読み取ることが可能であれば、どんな電極材料を使用してもかまわない。
また、多孔質体を流れる電流の経路は、図1のように細孔形成方向に対して垂直に流れてもよいし、図6のように多孔質体膜面の上下、あるいは多孔質体膜面と基板下面などに電極を形成し、細孔形成方向に対して、平行に電流を流しても良い。つまり、多孔質膜の抵抗値等の変化を検出することが可能であれば、どのように多孔質体に電流を流してもかまわない。
また、本発明のセンサーを構成している基板としては、例えば、石英ガラスやプラスチックをはじめとする絶縁体基板、シリコン、インジウム燐、ガリウム砒素をはじめとする半導体基板などの基板、アルミニウムなどの金属基板、フレキシブル基板(例えばポリイミド樹脂製のもの)、これらの基板の上に1層以上の膜を形成したものが挙げられる。なお、多孔質体の形成及びその多孔質体の抵抗値等の測定に不都合がなければ、基板の材質、厚さ、機械的強度などは特に限定されるものではない。また、基板の形状としては平滑な板状のものに限らず、曲面を有するもの、表面にある程度の凹凸や段差を有するものなどが挙げられるが、多孔質体の形成に不都合がなければ、特に限定されるものではない。
<センサーの製造方法>
以下、本発明にかかるセンサーの製造方法について詳細に説明する。
以下、本発明にかかるセンサーの製造方法について詳細に説明する。
図3は本発明のセンサーの製造方法の一例を示す説明図である。図3の(a)〜(c)の順に追って説明する。また、図4は本発明のセンサーに用いられている多孔質体の製造方法の一例を示している。
先ず、図3について説明する。
(a)工程:第一の成分を含み構成される柱状物質が、第一の成分と共晶を形成し得る半導体材料である第二の成分を含み構成される部材中に分散している構造体を用意する。
例えば、マトリックス(第二の成分)22内に柱状構造(第一の成分)を形成するアルミニウムとシリコン(又はゲルマニウム若しくはシリコンゲルマニウム)を用意し、スパッタリング法(例えば、マグネトロンスパッタリング、RFスパッタリング、ECRスパッタリング、DCスパッタリング)などの非平衡状態の物質を形成できる方法により、基板上に構造体(アルミニウムシリコン混合膜、アルミニウムゲルマニウム混合膜又はアルミニウムシリコンゲルマニウム混合膜)を形成する。成膜は、典型的にアルゴン雰囲気中で反応装置内の圧力を0.01〜1Pa程度にして行う。また、成膜時の温度は典型的に25℃〜200℃である。
このような方法でアルミニウムシリコン混合膜、アルミニウムゲルマニウム混合膜又はアルミニウムシリコンゲルマニウム混合膜を形成すると、図3(a)のようにアルミニウムとシリコン(又はゲルマニウム若しくはシリコンゲルマニウム)が準安定状態のミクロ相分離膜となり、アルミニウムがシリコン(又はゲルマニウム若しくはシリコンゲルマニウム)マトリックス内に数nmレベルのナノ構造体(柱状構造体)33を形成し、自己組織的に分離する。そのときのアルミニウムはほぼ円柱状形状であり、その孔径は1ナノメートル以上20ナノメートル以下であり、間隔は5ナノメートル以上30ナノメートル以下である。
なお、アルミニウムとシリコン(又はゲルマニウム若しくはシリコンゲルマニウム)の混合膜において、形成される膜中のシリコン(又はゲルマニウム若しくはシリコンゲルマニウム)の量は、アルミニウムとシリコン(又はゲルマニウム若しくはシリコンゲルマニウム)の全量に対して20〜70atomic%であり、好ましくは25〜65atomic%、さらに好ましくは30〜60atomic%である。シリコン量がかかる範囲内であれば、シリコン(又はゲルマニウム若しくはシリコンゲルマニウム)領域内にアルミニウムの柱状構造体が分散したアルミニウムシリコン混合膜(又はアルミニウムゲルマニウム混合膜若しくはアルミニウムシリコンゲルマニウム混合膜)が得られる。
上記のアルミニウムとシリコン(又はゲルマニウム若しくはシリコンゲルマニウム)の割合を示すatomic%とは、シリコン(又はゲルマニウム若しくはシリコンゲルマニウム)とアルミニウムの原子の数の割合を示し、atom%あるいはat%とも記載され、例えば、誘導結合型プラズマ発光分析法(ICP法)でアルミニウムシリコン混合膜(又はアルミニウムゲルマニウム混合膜若しくはアルミニウムシリコンゲルマニウム混合膜)中のシリコン(又はゲルマニウム若しくはシリコンゲルマニウム)とアルミニウムの量を定量分析したときの値である。
(b)工程:次に、該柱状物質を除去する。
例えば、上記のアルミニウムシリコン混合膜(又はアルミニウムゲルマニウム混合膜若しくはアルミニウムシリコンゲルマニウム混合膜)中の柱状物質であるアルミニウムを濃硫酸でエッチングし、マトリックス内(ここではシリコン又はゲルマニウム若しくはシリコンゲルマニウム)内に細孔を形成する。これにより図4(b)のような多孔質体が形成される。なお、上記の多孔質体中の細孔は、間隔が5ナノメートル以上30ナノメートル以下、孔径が1ナノメートル以上20nm以下である。
エッチングに用いる溶液は、例えばアルミニウムを溶かしシリコン(あるいはゲルマニウム)をほとんど溶解しない、かつ、シリコンを酸化しにくい、濃硫酸が好ましいが、エッチングによる細孔形成に不都合がなければ、燐酸、硫酸、塩酸、クロム酸溶液などの酸や水酸化ナトリウムなどのアルカリを用いることができ、特に酸の種類やアルカリの種類に限定されるものではない。また、数種類の酸溶液やあるいは数種類のアルカリ溶液を混合したものを用いてもかまわない。またエッチング条件は、例えば、溶液温度、濃度、時間などは、作製する多孔質体に応じて、適宜設定することができる。
形成される多孔質の孔は互いに独立しており、連結しないものが好ましい。
なお、ここで特定の化学種のみを多孔質体の表面に付着させる為に、多孔質体の表面を化学種等で修飾することが可能である。
さらに、ここで多孔質体を熱アニールやレーザーアニールにより結晶化させて、電気伝導度を向上させることも可能である。
(c)工程:次に、該除去工程により得られる柱状の細孔を有する多孔質体に電極25を形成する。
多孔質体に電極25を形成する。例えば、蒸着法により金属膜(例えば、金膜)を多孔質膜表面に形成する。ここで、電極材料の形成方法として、蒸着法を用いたが、これに限定されるものではなく、スパッタリング法及び、電着法などの任意の金属膜形成法が可能である。
多孔質体に電極25を形成する。例えば、蒸着法により金属膜(例えば、金膜)を多孔質膜表面に形成する。ここで、電極材料の形成方法として、蒸着法を用いたが、これに限定されるものではなく、スパッタリング法及び、電着法などの任意の金属膜形成法が可能である。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
本実施例は基板に垂直な細孔を有した多孔質体をガスセンサーとして利用した場合を示す。
ここでは、多孔質体を構成する酸素を除く主成分がシリコンである場合を示すが、ゲルマニウム及びシリコンとゲルマニウムの混合物の場合でもほぼ同様のセンサー構成、作製方法及び効果が適応できる。
先ず、図3(a)のように石英基板上に、マグネトロンスパッタ法を用いて、アルミニウムをアルミニウムとシリコンの全量に対して60atomic%含んだアルミニウムシリコン混合膜を約200nmの厚さに形成した。ターゲットには、直径が4インチ(101.6mm)の円形のアルミニウムシリコン混合ターゲットを用いた。アルミニウムシリコン混合ターゲットはアルミニウムの粉末とシリコンの粉末を60atomic%:40atomic%の割合で焼結したものを用いた。スパッタ条件は、RF電源を用いて、Ar流量:50sccm、放電圧力:0.7Pa、投入電力:150Wとした。また、基板温度は100℃とした。
なお、FE−SEM(電界放出走査型電子顕微鏡)にて、アルミニウムシリコン混合膜を観察した。基板斜め上方向から見た表面の形状は図4(a)のように、シリコン領域に囲まれた円形のアルミニウム柱状構造体が二次元的に配列していた。アルミニウム柱状構造体部分の孔径は5nmであり、その平均中心間距離は8nmであった。また、断面をFE−SEMにて観察した所、それぞれのアルミニウム柱状構造体はお互いに独立していた。
このように作製したアルミニウムシリコン混合膜を図3(b)にように98%濃硫酸溶液中に24時間浸し、アルミニウム柱状構造部分のみを選択的にエッチングして細孔を形成した。この結果、酸素を除く主成分をシリコンとした部材で構成された多孔質体が作製された。なお、多孔質体表面のシリコンは酸化されている。
次に、FE−SEM(電界放出走査型電子顕微鏡)にて、98%濃硫酸でエッチングしたアルミニウムシリコン混合膜(酸素を除く主成分をシリコンとした部材で構成された多孔質体)を観察した。基板斜め上方向から見た表面の形状は図4(b)のように、シリコンの部材に囲まれた細孔が二次元的に配列していた。細孔の孔径は5nmであり、その平均間隔は約8nmであった。
また、このように作製した酸素を除く主成分をシリコンとした部材で構成された多孔質体をラマン散乱測定した結果、シリコンは非晶質であることが分かった。
次に、FE−SEM(電界放出走査型電子顕微鏡)にて、98%濃硫酸でエッチングしたアルミニウムシリコン混合膜(酸素を除く主成分をシリコンとした部材で構成された多孔質体)を観察した。基板斜め上方向から見た表面の形状は図4(b)のように、シリコンの部材に囲まれた細孔が二次元的に配列していた。細孔の孔径は5nmであり、その平均間隔は約8nmであった。
また、このように作製した酸素を除く主成分をシリコンとした部材で構成された多孔質体をラマン散乱測定した結果、シリコンは非晶質であることが分かった。
次に、このように作製した酸素を除く主成分をシリコンとした部材で構成された多孔質体を水素雰囲気中800℃でアニールした。その結果、非晶質シリコンの一部が結晶化した酸素を除く主成分をシリコンとした部材で構成された多孔質体が構成された。
次に、図3(c)のように一組の対抗電極である金膜を多孔質体の表面に電子ビーム蒸着法にて形成した。この結果、図1に示したようなセンサーが完成した。
なお、このように作製したセンサーでNO2量、アルコール量、水分子量(湿度)を変化させたところ、多孔質膜の電気抵抗値の値が変化した。なお、ここでは、ガスの吸脱着を早めて素子感度と応答速度を早くするために、素子の温度を200℃にして測定を行った。
このように形成されたガスセンサーによれば、細孔径が5nmであり、その間隔が8nmであるため、多孔質体の表面積を著しく増加させることができ、感度を著しく増加させることが可能となる。また、細孔が基板にほぼ垂直で細孔径がほぼ一定である為、化学種の付着及び脱離がすばやく行うことが可能になり、応答性の優れたセンサーを作製できる。
なお、本実施例では、図1のように電流を細孔形成方向に対して、垂直に流した場合を示したが、図6のように電流を細孔形成方向に対して、平行に流した場合でもほぼ同様な効果が得られた。
本実施例は、生体物質を検出するバイオセンサーとして、基板に垂直な細孔を有した多孔質体を利用した例である。ここでは、多孔質体を構成する酸素を除く主成分がシリコンである場合を示すが、ゲルマニウム及びシリコンとゲルマニウム混合物の場合でもほぼ同様のセンサー構成、作製方法及び効果が適応できる。
まず、石英基板上に、マグネトロンスパッタ法を用いて、アルミニウムをアルミニウムとシリコンの全量に対して65atomic%含んだアルミニウムシリコン混合膜を約200nmの厚さに形成した。ターゲットには、直径が4インチ(101.6mm)の円形のアルミニウムシリコン混合ターゲットを用いた。アルミニウムシリコン混合ターゲットはアルミニウムの粉末とシリコンの粉末を65atomic%:35atomic%の割合で焼結したものを用いた。スパッタ条件は、RF電源を用いて、Ar流量:50sccm、放電圧力:0.3Pa、投入電力:100Wとした。また、基板温度は150℃とした。
なお、FE−SEM(電界放出走査型電子顕微鏡)にて、アルミニウムシリコン混合膜を観察した。基板斜め上方向から見た表面の形状は図4(a)のように、シリコン領域に囲まれた円形のアルミニウム柱状構造体が二次元的に配列していた。アルミニウム柱状構造体部分の平均孔径は6nmであり、その平均中心間距離は8nmであった。また、断面をFE−SEMにて観察した所、それぞれのアルミニウム柱状構造体はお互いに独立していた。
このように作製したアルミニウムシリコン混合膜を98%濃硫酸溶液中に24時間浸し、アルミニウム柱状構造部分のみを選択的にエッチングして細孔を形成した。この結果、酸素を除く主成分をシリコンとした部材で構成された多孔質体が作製された。なお、多孔質体表面のシリコンは酸化されている。
次に、FE−SEM(電界放出走査型電子顕微鏡)にて、98%濃硫酸でエッチングしたアルミニウムシリコン混合膜(酸素を除く主成分をシリコンとした部材で構成された多孔質体)を観察した。基板斜め上方向から見た表面の形状は図4(b)のように、シリコンの部材に囲まれた細孔が二次元的に配列していた。細孔の平均孔径は6nmであり、その平均間隔は約8nmであった。
また、このように作製した酸素を除く主成分をシリコンとした部材で構成された多孔質体をラマン散乱測定した結果、シリコンは非晶質であることが分かった。
次に、FE−SEM(電界放出走査型電子顕微鏡)にて、98%濃硫酸でエッチングしたアルミニウムシリコン混合膜(酸素を除く主成分をシリコンとした部材で構成された多孔質体)を観察した。基板斜め上方向から見た表面の形状は図4(b)のように、シリコンの部材に囲まれた細孔が二次元的に配列していた。細孔の平均孔径は6nmであり、その平均間隔は約8nmであった。
また、このように作製した酸素を除く主成分をシリコンとした部材で構成された多孔質体をラマン散乱測定した結果、シリコンは非晶質であることが分かった。
次に、このように作製した酸素を除く主成分をシリコンとした部材で構成された多孔質体を水素雰囲気中800℃でアニールした。その結果、非晶質シリコンの一部が結晶化した酸素を除く主成分をシリコンとした部材で構成された多孔質体が構成された。
次に、ビオチンで多孔質表面を修飾した。
次に、一組の対抗電極54である金膜を多孔質体53の表面に電子ビーム蒸着法にて形成した。この結果、図5に示したようなセンサーが完成した。
なお、このように作製したセンサーでの生体材料であるアビジンの量を変化させたところ、多孔質膜の電気抵抗値の値が変化した。
このように形成されたバイオセンサーによれば、細孔径が6nmであり、その間隔が8nmであるため、多孔質体53の表面積を著しく増加させることができ、感度を著しく増加させることが可能となる。また、細孔52が基板51にほぼ垂直で細孔径がほぼ一定である為、化学種の付着及び脱離をすばやく行うことが可能になり、応答性の優れたセンサーを作製できる。
なお、本実施例では、図5のように電流を細孔形成方向に対して、垂直に流した場合を示したが、図6のように電流を細孔形成方向に対して、平行に流した場合でもほぼ同様な効果が得られた。
本実施例は基板に垂直な細孔を有した多孔質体を酸及びアルカリ溶液のpH(ペーハー)を測定するpHセンサーとして利用した場合を示す。ここでは、多孔質体を構成する酸素を除く主成分がシリコンである場合を示すが、ゲルマニウム及びシリコンとゲルマニウムの混合物の場合でもほぼ同様のセンサー構成、作製方法及び効果が適応できる。
まず、石英基板上に、マグネトロンスパッタ法を用いて、アルミニウムをアルミニウムとシリコンの全量に対して65atomic%含んだアルミニウムシリコン混合膜を約200nmの厚さに形成した。ターゲットには、直径が4インチ(101.6mm)の円形のアルミニウムシリコン混合ターゲットを用いた。アルミニウムシリコン混合ターゲットはアルミニウムの粉末とシリコンの粉末を65atomic%:35atomic%の割合で焼結したものを用いた。スパッタ条件は、RF電源を用いて、Ar流量:50sccm、放電圧力:0.3Pa、投入電力:100Wとした。また、基板温度は150℃とした。
なお、FE−SEM(電界放出走査型電子顕微鏡)にて、アルミニウムシリコン混合膜を観察した。基板斜め上方向から見た表面の形状は図4(a)のように、シリコン領域に囲まれた円形のアルミニウム柱状構造体が二次元的に配列していた。アルミニウム柱状構造体部分の平均孔径は6nmであり、その平均中心間距離は8nmであった。また、断面をFE−SEMにて観察した所、それぞれのアルミニウム柱状構造体はお互いに独立していた。
このように作製したアルミニウムシリコン混合膜を98%濃硫酸溶液中に24時間浸し、アルミニウム柱状構造部分のみを選択的にエッチングして細孔を形成した。この結果、酸素を除く主成分をシリコンとした部材で構成された多孔質体が作製された。なお、多孔質体表面のシリコンは酸化されている。
次に、FE−SEM(電界放出走査型電子顕微鏡)にて、98%濃硫酸でエッチングしたアルミニウムシリコン混合膜(酸素を除く主成分をシリコンとした部材で構成された多孔質体)を観察した。基板斜め上方向から見た表面の形状は図4(b)のように、シリコンの部材に囲まれた細孔が二次元的に配列していた。細孔の平均孔径は6nmであり、その平均間隔は約8nmであった。
また、このように作製した酸素を除く主成分をシリコンとした部材で構成された多孔質体をラマン散乱測定した結果、シリコンは非晶質であることが分かった。
次に、FE−SEM(電界放出走査型電子顕微鏡)にて、98%濃硫酸でエッチングしたアルミニウムシリコン混合膜(酸素を除く主成分をシリコンとした部材で構成された多孔質体)を観察した。基板斜め上方向から見た表面の形状は図4(b)のように、シリコンの部材に囲まれた細孔が二次元的に配列していた。細孔の平均孔径は6nmであり、その平均間隔は約8nmであった。
また、このように作製した酸素を除く主成分をシリコンとした部材で構成された多孔質体をラマン散乱測定した結果、シリコンは非晶質であることが分かった。
次に、このように作製した酸素を除く主成分をシリコンとした部材で構成された多孔質体を水素雰囲気中800℃でアニールした。その結果、非晶質シリコンの一部が結晶化した酸素を除く主成分をシリコンとした部材で構成された多孔質体が構成された。
次に、トリアミノプロピルエトキシシラン(3-APTES)で多孔質体の表面を修飾した。
次に、一組の対抗電極54である金膜を多孔質体表面に電子ビーム蒸着法にて形成した。この結果、図5に示したようなセンサーが完成した。
なお、このように作製したセンサーでpHを変化させた溶液に浸した所、pHの変化により、多孔質体の抵抗率の値が変化した。
このように形成されたpHセンサーによれば、細孔径が6nmであり、その間隔が8nmであるため、多孔質体の比表面積を著しく増加させることができ、感度を著しく増加させることが可能となる。また、細孔が基板にほぼ垂直で細孔径がほぼ一定である為、化学種の付着及び脱離をすばやく行うことが可能になり、応答性の優れたセンサーを作製できる。
なお、本実施例では、図5のように電流を細孔形成方向に対して、垂直に流した場合を示したが、図6のように電流を細孔形成方向に対して、平行に流した場合でもほぼ同様な効果が得られた。
以上説明したように、本発明によれば、従来のセンサーよりも構造的に安定で、感度が高く、さらに反応速度が高いセンサーを提供することができる。また、本発明は、上記のセンサーを簡易に低コストで製造することができる製造方法を提供することができる。したがって、本発明の産業上の利用可能性は極めて大きい。
1、13、21、31、51、61 基板
2、12、36、53、65 多孔質体
2、11、24、35、52、64 細孔
4、25、54、62、63 電極
22 第二の成分(マトリックス)
23 第一の成分(アルミニウム)
32 第一の成分と共晶を形成し得る第二の成分
33 ナノ構造体(柱状構造体)
34 第一の成分と第二の成分の混合膜
55 表面修飾材料
2、12、36、53、65 多孔質体
2、11、24、35、52、64 細孔
4、25、54、62、63 電極
22 第二の成分(マトリックス)
23 第一の成分(アルミニウム)
32 第一の成分と共晶を形成し得る第二の成分
33 ナノ構造体(柱状構造体)
34 第一の成分と第二の成分の混合膜
55 表面修飾材料
Claims (11)
- 多孔質体を有するセンサーであって、該多孔質体は柱状の細孔を有しており、該細孔は、予め第一の成分を含む柱状物質が該第一の成分と共晶を形成し得る半導体材料である第二の成分を含む部材中に分散している構造体から、該柱状物質を除去して形成されたものであり、該細孔内の表面に化学種を付着させることで該化学種を検出することを特徴とするセンサー。
- 前記化学種の付着により該柱状の細孔表面近傍の電荷状態を変化させることで、前記化学種を電気的に検出することを特徴とする請求項1に記載のセンサー。
- 前記化学種が生体分子又は気体分子であることを特徴とする請求項1又は2に記載のセンサー。
- 前記化学種が液体中に溶解していることを特徴とする請求項1又は2に記載のセンサー。
- 前記柱状物質がアルミニウムであり、前記部材がシリコン、ゲルマニウム又はシリコンとゲルマニウムの混合物である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のセンサー。
- 前記細孔が該構造体の表面に対して垂直又はほぼ垂直に設けられ、かつ、前記細孔の直径が前記表面全体にわたってほぼ一定であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のセンサー。
- 前記細孔の間隔が3nm以上30nm以下である請求項1乃至6のいずれか1項に記載のセンサー。
- 前記柱状物質の一部は結晶性物質であり、前記部材は非晶質物質である請求項1乃至7のいずれか1項に記載のセンサー。
- 第一の成分を含む柱状物質が、該第一の成分と共晶を形成し得る半導体材料である第二の成分を含む部材中に分散している構造体を用意する工程、該柱状物質を除去し、多孔質体を形成する除去工程、及び該除去工程により得られる柱状の細孔を有する多孔質体に電極を形成する電極形成工程を有することを特徴とするセンサーの製造方法。
- 第一の成分を含む柱状物質が、該第一の成分と共晶を形成し得る半導体材料である第二の成分を含む部材中に分散している構造体を用意する工程、該柱状物質を除去し、多孔質体を形成する除去工程、多孔質体の一部あるいは全部を結晶化させる結晶化工程、及び該結晶化工程により得られる柱状の細孔を有する多孔質体に電極を形成する電極形成工程を有することを特徴とするセンサーの製造方法。
- 前記柱状物質がアルミニウムであり、前記部材がシリコン、ゲルマニウム又はシリコンゲルマニウムである請求項10又は11に記載のセンサーの製造方法。
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---|---|---|---|---|
JP2010217159A (ja) * | 2009-03-17 | 2010-09-30 | Jiaotong Univ | ラベルフリーセンサー |
CN103424441A (zh) * | 2012-05-22 | 2013-12-04 | 香港理工大学 | 制备于柔度可控基底上的连通性可调的钯基氢气传感器及其制作方法 |
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-
2003
- 2003-08-11 JP JP2003291520A patent/JP2005061959A/ja active Pending
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