JP2003266400A - シリコン酸化物ナノ構造体の製造方法 - Google Patents
シリコン酸化物ナノ構造体の製造方法Info
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Abstract
スなどの機能材料として、利用可能な細孔を有するシリ
コン酸化物ナノ構造体の製造方法を提供する。 【解決手段】 (a)アルミニウムとシリコンを用意す
る工程、(b)該アルミニウムとシリコンを非平衡状態
で物質を形成する成膜法を用いて、アルミニウムを含む
柱状構造体と該柱状構造体を取り囲むシリコン領域とを
有し、アルミニウムとシリコンの全量に対してシリコン
を20〜70atomic%の割合で含有するアルミニ
ウムシリコン混合膜を形成する工程及び(c)該アルミ
ニウムシリコン混合膜を陽極酸化して細孔を形成する工
程を有するシリコン酸化物ナノ構造体の製造方法。
Description
ノ構造体の製造方法に関し、特に平均孔径が10nm以
下で、平均間隔が15nm以下の微細な細孔がシリコン
酸化物により互いに分離されており、該細孔が膜面に対
して垂直またはほぼ垂直に形成されているシリコン酸化
物ナノ構造体の製造方法に関する。
どでは、ある特徴的な長さより小さなサイズにおいて、
電子の動きが閉じ込められることにより、特異な電気
的、光学的、化学的特性を示すことがある。このような
観点から、機能性材料として、数十nmより微細なサイ
ズ(幅や膜厚など)をもつ構造を有する材料(以降、
「ナノ構造体」)への関心が高まっている。
例えば、フォトリソグラフィーをはじめ、電子線露光、
X線露光などの微細パターン形成技術をはじめとする半
導体加工技術によって直接的にナノ構造体を作製する方
法が挙げられる。
なナノ構造体の製造は、歩留まりの悪さや装置のコスト
が高いなどの問題があり、簡易な手法で再現性よく作製
できる手法が望まれている。
ナノ構造体の作製方法のほかに、自然に形成される規則
的な構造、すなわち自己規則的に形成される構造をベー
スに、新規なナノ構造体を実現しようとする試みがあ
る。これらの手法は、ベースとして用いる微細構造によ
っては、従来の方法を上まわる微細で特殊な構造を作製
できる可能性があるため、多くの研究が行われはじめて
いる。
イズの細孔を有するナノ構造体を制御よく大面積に形成
できる陽極酸化が挙げられる。たとえば、アルミニウム
を酸性浴中で陽極酸化することで作製する陽極酸化アル
ミナが知られている。
ニウム板あるいは基板上に形成されたアルミニウム膜を
酸性電解質中で陽極酸化すると、多孔質酸化被膜(陽極
酸化アルミナ)が形成される(例えば、非特許文献1参
照。)。この多孔質酸化被膜の特徴は、直径が数nm〜
数百nmの極めて微細な円柱状細孔(ナノホール)が、
数十nm〜数百nmの間隔(セルサイズ)で平行に配列
するという特異的な幾何学的構造を有することにある。
この円柱状の細孔は、細孔間隔が数十nm以上の場合で
は、高いアスペクト比を有し、断面の径の一様性にも比
較的優れている。この細孔の径及び間隔は、陽極酸化の
際の酸の種類、電圧を調整することによりある程度の制
御が可能である。具体的には電圧を低下させると細孔の
間隔を低減できる。また、陽極酸化被膜の厚さ及び細孔
の深さは、陽極酸化の時間を制御することにより、ある
程度の制御が可能である。
何学構造、あるいは色彩・耐久性に着目した、さまざま
な応用が試みられている。益田による解説が詳しいが、
以下、応用例を列記する。たとえば、皮膜を剥離してフ
ィルターへの応用がある。さらには、ナノホール内に金
属や半導体等を充填する技術や、ナノホールのレプリカ
技術を用いることより、着色、磁気記録媒体、EL発光
素子、エレクトロクロミック素子、光学素子、太陽電
池、ガスセンサをはじめとするさまざまな応用が試みら
れている。さらには、量子細線、MIM素子などの量子
効果デバイス、ナノホールを化学反応場として用いる分
子センサー、など多方面への応用が期待されている(例
えば、非特許文献2参照。)。
に、ナノサイズの細孔を有するナノ構造体を作製する方
法として、シリコンの陽極化成がある。このシリコンの
陽極化成は結晶シリコンあるいは多結晶シリコンをHF
(フッ化水素酸)をベースとした水溶液中で陽極化成を
行うと多孔質シリコンが形成される(例えば、非特許文
献3参照。)。この多孔質シリコンは表面あるいは内部
に1〜数10nm程度の微小細孔が無数に存在してい
る。この微小細孔はマクロに見た場合、ほぼ膜面に対し
て垂直な構造となっているが、その形状や密度は陽極化
成の条件によって大きく変化する。
アルミニウムの陽極酸化やシリコンの陽極化成の手法
は、ナノ構造体を容易に、また大面積のナノ構造体を作
製することが可能であることから望ましい。特に、陽極
酸化アルミナあるいは陽極化成シリコン(多孔質シリコ
ン)中の微小細孔を、基板に垂直に、かつ、非常に高密
度に作製した構造は、量子効果を利用したデバイスへの
応用、あるいは超高密度記録媒体を作製する為には重要
である。
や多孔質シリコンのように基板に対して垂直方向にナノ
サイズの細孔を有するナノ構造体を作製する方法ではな
いが、基板に対して平行にナノサイズの細孔を有するナ
ノ構造体を作製する方法としてメソポーラスシリカの合
成がある。例えば、基板上に径の揃ったメソポアが蜂の
巣状に配列した構造を有するメソポーラスシリカ薄膜を
作成する方法としては、スピンコートによる方法(例え
ば、非特許文献4参照。)、ディップコートによる方法
(例えば、非特許文献5参照。)、固体表面に膜を析出
させる方法(例えば、非特許文献6参照。)等がある。
igby&A.P.Davidson“Nature”
Vol.337、1989年、p147
p493
ctrochem.Soc.”1985年、p105、
p402
cations”、1996巻、p1149
4
3
は、このようなナノ構造体のデバイスへの応用形態の検
討の過程において、ナノ構造体として、10nm以下の
サイズのナノホールを高密度に膜面に対して垂直に形成
することが可能であれば、ナノ構造体のデバイスへの応
用範囲をより拡大させることができるとの認識を持つに
至った。即ち、例えば、直径が10nm以下のナノホー
ルを間隔15nm以下で形成し、その中に金属や半導体
などの電気伝導材料を形成することで単電子メモリ、単
電子トランジスタなどの量子効果デバイスに適応でき
る。さらに、磁性体金属を充填することで、超高密度記
録媒体としても応用できる。
リコン酸化物を主成分とする材料であれば、ナノホール
内に充填した材料が電気的に絶縁性され、ナノ構造体の
デバイスへの応用範囲をより拡大させることができると
の認識を持つに至った。
は、細孔の間隔を10nm以下にするために、陽極酸化
電圧を低下させると、図10のようにお互いの細孔7
1,72が陽極酸化アルミナ73で形成される壁で隔た
れなくなり、すべての細孔を独立化させることができな
い。
に見た場合、細孔は膜面に対して垂直に形成されている
が、より詳細に観察すると図11のようにランダムもし
くは樹状に孔を伸ばした構造となっているため、細孔8
1の形状が一定でなくなり、単電子メモリ、単電子トラ
ンジスタなどの量子効果デバイスに適応する際に不都合
が生じてしまう。(M.I.J.Beale、N.G.
Chew、M.J.Uren、A.G.Cullis、
J.D.Benjamin:Appl.Phys.Le
tt.46、86(1985)参照)。
成は基板面あるいは膜面に対して平行であるため、電極
の形成が困難であり、単電子メモリ、単電子トランジス
タなどの量子効果デバイスに適応する際に不都合が生じ
てしまう。
は種々検討を重ねた結果、細孔の平均孔径が10nm以
下であり、かつ細孔の平均間隔が15nm以下であり、
該細孔が柱状形状でお互いに独立し、かつ膜面に対して
垂直またはほぼ垂直であり、かつ該細孔を隔てる壁材料
が電気的に絶縁性の高いシリコン酸化物であるナノ構造
体を形成できる方法を見出し、本発明に至った。
囲をより拡大することができる、膜面に対して垂直また
はほぼ垂直な方向に微細な細孔を有するシリコン酸化物
ナノ構造体を、半導体加工技術に比べて安価で、かつ簡
単な方法で製造する方法を提供することを目的とする。
明は、アルミニウムを含む柱状構造体と該柱状構造体を
取り囲むシリコン領域とを有し、アルミニウムとシリコ
ンの全量に対してシリコンを20〜70atomic%
の割合で含有するアルミニウムシリコン混合膜を用意す
る工程、及び該アルミニウムシリコン混合膜を陽極酸化
する工程を有するシリコン酸化物構造体の製造方法であ
る。
ミニウムとシリコンを用意する工程、(b)該アルミニ
ウムとシリコンを非平衡状態で物質を形成する成膜法を
用いて、アルミニウムを含む柱状構造体と該柱状構造体
を取り囲むシリコン領域とを有し、アルミニウムとシリ
コンの全量に対してシリコンを20〜70atomic
%の割合で含有するアルミニウムシリコン混合膜を形成
する工程及び(c)該アルミニウムシリコン混合膜を陽
極酸化して細孔を形成する工程を有することを特徴とす
るシリコン酸化物ナノ構造体の製造方法である。
ムとシリコンを用意する工程、(b)該アルミニウムと
シリコンを非平衡状態で物質を形成する成膜法を用い
て、アルミニウムを含む柱状構造体と該柱状構造体を取
り囲むシリコン領域とを有し、アルミニウムとシリコン
の全量に対してシリコンを20〜70atomic%の
割合で含有するアルミニウムシリコン混合膜を形成する
工程、(c)該アルミニウムシリコン混合膜を陽極酸化
して細孔を形成する工程及び(d)該細孔の孔径を広げ
る工程を有することを特徴とするシリコン酸化物ナノ構
造体の製造方法である。
ムシリコン混合膜を形成する工程において、非平衡状態
で物質を形成する成膜法を用いた理由は、このような非
平衡状態で物質を形成する成膜法では、通常の熱的過程
では、転移してしまう相(例えば準安定相)が凍結され
て、非平衡状態として実現できる。すなわち、この方法
で作製されたアルミニウムシリコン混合膜は、アルミニ
ウムとシリコンが準安定状態(非平衡状態)の共晶型組
織となり、アルミニウムがシリコンマトリックス内に孔
径数nmレベルのナノ構造(アルミニウム柱状構造体)
を形成し、アルミニウムとシリコンが自己組織的に分離
するからである。
して、シリコンを20〜70atomic%の割合にし
たアルミニウムシリコン膜を形成する理由は、この範囲
のみでアルミニウムがシリコンのマトリックス内に柱状
形状をしたナノ柱状構造体を形成するからである。つま
り、シリコンの量がアルミニウムとシリコンの全量に対
して20atomic%未満の場合はアルミニウムが帯
状形状となり、柱状形状をしたナノ構造を形成しない。
一方、シリコンの量がアルミニウムとシリコンの全量に
対して70atomic%を越える場合は、通常の電子
顕微鏡ではアルミニウムを含む柱状構造体を確認できな
い。
酸化することで、室温(25℃)以下で細孔の形成と、
シリコンの酸化を同時に行うことが可能となるため、シ
リコン酸化物ナノ構造体を室温程度の低温で作製するこ
とが可能となる。
構造体の製造方法は、非平衡状態で物質を形成する成膜
法がスパッタリング法であることが望ましい。非平衡状
態で物質を形成する成膜法をスパッタリング法で行うこ
とで、真空蒸着法に比べて、アルミニウムとシリコンの
組成比を維持しやすい。
カリを用いたウエットエッチングであることが望まし
い。その結果、酸やアルカリの溶液に浸すだけで、簡単
に細孔の孔径を拡大することができる。なお、本発明に
おいて、アルミニウムを含む柱状構造体を「アルミニウ
ム柱状構造体」としても表わす。
化物ナノ構造体の製造方法について詳細に説明する。
体の製造方法の一実施態様を示す工程図である。図1に
おいて、本発明のシリコン酸化物ナノ構造体の製造方法
は、下記の(a)工程〜(c)工程を有することを特徴
とする。
を用意する。 (b)工程:次に、該アルミニウムとシリコンを非平衡
状態で物質を形成する成膜法を用いて、基板上にアルミ
ニウムシリコン混合膜を形成する。成膜されたアルミニ
ウムシリコン混合膜は、アルミニウムを含む柱状構造体
と該柱状構造体を取り囲むシリコン領域とを有し、アル
ミニウムとシリコンの全量に対してシリコンを20〜7
0atomic%の割合で含有する混合膜からなる。
ン混合膜を陽極酸化して細孔を形成する。陽極酸化によ
り、アルミニウムを含む柱状構造体からアルミニウムが
除去されて細孔が形成されると同時に、シリコン領域の
シリコンの酸化が行われシリコン酸化物領域が形成さ
れ、細孔を有するシリコン酸化物ナノ構造体が得られ
る。
体の製造方法の他の実施態様を示す工程図である。図2
において、本発明のシリコン酸化物ナノ構造体の製造方
法は、下記の(a)工程〜(d)工程を有することを特
徴とする。
を用意する。 (b)工程:次に、該アルミニウムとシリコンを非平衡
状態で物質を形成する成膜法を用いて、基板上にアルミ
ニウムシリコン混合膜を形成する。成膜されたアルミニ
ウムシリコン混合膜は、アルミニウムを含む柱状構造体
と該柱状構造体を取り囲むシリコン領域とを有し、アル
ミニウムとシリコンの全量に対してシリコンを20〜7
0atomic%の割合で含有する混合膜からなる。
ン混合膜を陽極酸化して細孔を形成する。陽極酸化によ
り、アルミニウムを含む柱状構造体からアルミニウムが
除去されて細孔が形成されると同時に、シリコン領域の
シリコンの酸化が行われシリコン酸化物領域が形成され
る。
を用いたウエットエッチングを行なって、形成された細
孔の孔径を広げることにより、細孔を有するシリコン酸
化物ナノ構造体が得られる。
の製造方法を図面に基づいて説明する。図3は本発明の
シリコン酸化物ナノ構造体の製造方法の一例を示す説明
図である。図3の(a)〜(d)の順に追って説明す
る。以下の工程(a)〜(d)は、図3の(a)〜
(d)に対応する。
意する工程 原料としてのシリコン及びアルミニウムを、例えば、図
4に示すように、アルミニウムのターゲット22上にシ
リコンチップ23を配置する。
の形成 次に、基板上にアルミニウムシリコン混合膜を形成す
る。ここでは、非平衡状態で物質を形成する成膜法とし
て、スパッタリング法を用いた例を示す。
る成膜法であるマグネトロンスパッタリング法により、
アルミニウムシリコン混合膜13を形成する。アルミニ
ウムシリコン混合膜13は、アルミニウムを主成分とす
る組成からなるアルミニウム柱状構造体11と、その周
囲のシリコンを主成分とするシリコン領域14から構成
される。
として、スパッタリング法を用いてアルミニウムシリコ
ン混合体を成膜する方法について説明する。なお、図4
において、21が基板、22がアルミニウムのスパッタ
リングターゲット、23がシリコンチップである。スパ
ッタリング法を用いる場合は、アルミニウムとシリコン
の割合を簡単に変化させることができる。図4に示した
ように、基板21上に、非平衡状態で物質を形成する成
膜法であるマグネトロンスパッタリング法により、アル
ミニウムシリコン混合膜を形成する。
は、例えば、図4のようにアルミニウムのターゲット2
2上にシリコンチップ23を配することで達成される。
シリコンチップは、図4では、複数に分けて配置してい
るが、勿論これに限定されるものではなく、所望の成膜
が可能であれば、1つであっても良い。但し、均一なア
ルミニウムを含む柱状構造体をシリコン領域内に均一に
分散させるには、基板21に対象に配置しておくのがよ
い。
の粉末を焼成して作製したアルミニウムシリコン焼成物
を成膜のターゲット材として用いることもできる。ま
た、アルミニウムターゲットとシリコンターゲットを別
々に用意し、同時に両方のターゲットをスパッタリング
する方法を用いても良い。
ニウムとシリコンの全量に対して20〜70atomi
c%であり、好ましくは25〜65atomic%、さ
らに好ましくは30〜60atomic%である。シリ
コン量が斯かる範囲内であれば、シリコン領域内にアル
ミニウムの柱状構造体が分散したアルミニウムシリコン
混合膜が得られる。
の割合を示すatomic%とは、シリコンとアルミニ
ウムの原子の数の割合を示し、atom%あるいはat
%とも記載され、例えば誘導結合型プラズマ発光分析法
(ICP法)でアルミニウムシリコン混合膜中のシリコ
ンとアルミニウムの量を定量分析したときの値である。
%を単位として用いているが、wt%を単位として用い
る場合は、例えばシリコンが20atomic%以上7
0atomic%以下の場合は、20.65wt%以上
70.84wt%以下となる(atomic%からwt
%への換算は、Alの原子量を26.982、Siの原
子量を28.086としてAlとSiの重量比を求め、
(重量比)×(atomic%)の値からwt%に換算
することができる。
あり、好ましくは100℃以下、好ましくは室温(25
℃)程度であるのがよい。なお、基板温度を200℃以
上でアルミニウムシリコン混合膜を形成すると、アルミ
ニウムはシリコンとより安定な状態へ遷移してしまうた
め、アルミニウムはシリコンマトリックス中に数nmレ
ベルの柱状形状をしたナノ構造体を形成しない。
コン混合膜を形成すると、アルミニウムとシリコンが準
安定状態の共晶型組織となり、アルミニウムがシリコン
マトリックス中に孔径が数nmレベルの柱状形状をした
ナノ構造(柱状構造体)を形成し、アルミニウムとシリ
コンが自己組織的に分離する。そのときのアルミニウム
のナノ構造はほぼ円柱状形状であり、その孔径は1〜1
0nmであり、間隔は3〜15nmである。
量は、例えばアルミニウムターゲット上に置くシリコン
チップの量を変えることで制御できる。非平衡状態で成
膜を行う場合、特にスパッタリング法の場合は、アルゴ
ンガスを流したときの反応装置内の圧力は、0.2〜1
Pa程度がよく、プラズマを形成するための出力は4イ
ンチターゲットの場合は150から1000W程度が好
ましい。しかし、特に、これに限定されるものではな
く、アルゴンプラズマが安定に形成される圧力及び出力
であればよい。
チックをはじめとする絶縁体基板やシリコンやガリウム
砒素をはじめとする半導体基板、金属基板などの基板
や、これらの基板の上に1層以上の膜を形成したものが
挙げられる。なお、アルミニウムシリコン混合膜の形成
に不都合がなければ、基板の材質、厚さ、機械的強度な
どは特に限定されるものではない。また、基板の形状と
しては平滑な板状のものに限らず、曲面を有するもの、
表面にある程度の凹凸や段差を有するものなどが挙げら
れるが、アルミニウムシリコン混合膜に不都合がなけれ
ば、特に限定されるものではない。
パッタリング法が好ましいが抵抗加熱蒸着、電子ビーム
蒸着(EB蒸着)をはじめとする任意の非平衡状態で物
質を形成する成膜法が適用可能である。また、成膜する
方法としては、シリコンとアルミニウムを同時に形成す
る同時成膜プロセスを用いても良いし、シリコンとアル
ミニウムを数原子層づつ積層する積層成膜プロセスを用
いてもよい。
ットとして、アルミニウムターゲット上にシリコンチッ
プを置いたもの、あるいはシリコンターゲット上にアル
ミニウムチップを置いたものでも良いし、あるいはアル
ミニウムとシリコンを焼結して作製したアルミニウムシ
リコン混合ターゲットでも良い。
リコン混合膜13は、アルミニウムを主成分とする組成
からなるアルミニウム柱状構造体11と、その周囲のシ
リコンを主成分とするシリコン領域14を備える。
の組成は、アルミニウムを主成分とするが、柱状構造の
微細構造体が得られていれば、シリコン、酸素、アルゴ
ン、窒素などの他の元素を含有していてもよい。なお、
主成分とは、柱状構造体部の成分構成比においてアルミ
ニウムの割合が80atomic%以上、好ましくは9
0atomic%以上が望ましい。
り囲んでいるシリコン領域14の組成は、シリコンを主
成分とするが、柱状構造の微細構造体が得られていれ
ば、アルミニウム、酸素、アルゴン、窒素、水素などの
各種の元素を含有してもよい。なお、主成分とは、シリ
コン領域の成分構成比においてシリコンの割合が80a
tomic%以上、好ましくは90atomic%以上
が望ましい。
うことで、細孔の形成とシリコンの陽極酸化を同時に行
い、シリコン酸化物ナノ構造体を形成する。
例を示す概略図である。図5中、1はアルミニウムシリ
コン混合膜、41は恒温槽、42はPt板のカソード、
43は電解液、44は反応容器、45は陽極酸化電圧を
印加する電源、46は陽極酸化電流を測定する電流計で
ある。図では省略してあるが、このほか電圧、電流を自
動制御したり、測定するコンピュータなどが組み込まれ
ている。
ード42は、恒温槽41により温度を一定に保たれた電
解液43中に配置され、電源45よりアルミニウムシリ
コン混合膜1、カソード42間に電圧を印加することで
陽極酸化が行われる。
ウ酸、りん酸、硫酸、硝酸、クロム酸溶液などが挙げら
れるが、陽極酸化による細孔形成に不都合がなければ特
に限定されるものではない。また各電解液に応じた陽極
酸化電圧、温度などの諸条件は、作製するシリコン酸化
物ナノ構造体に応じて、適宜設定することができる。
構造体からアルミニウムが除去されて細孔が形成される
と同時に、シリコン領域のシリコンの酸化が行われシリ
コン酸化物領域が形成される。その結果、アルミニウム
シリコン混合膜には、細孔を有するシリコン酸化物領域
のみが残り、シリコン酸化物ナノ構造体15が形成され
る。なお、シリコン酸化物ナノ構造体15中の細孔16
は、図6に示す様に、間隔2Rが15nm以下、孔径2
rが10nm以下であるが、好ましくは、細孔の孔径2
rは1〜9nmであり、その中心間距離2Rは3〜10
nmである。また、長さLは2nm〜数μmの範囲であ
る。
する酸溶液(例えばフッ化水素を薄めた溶液など)、あ
るいはアルカリ溶液(水酸化ナトリウムなど)中に浸す
ポアワイド処理(孔径拡大処理)により、適宜、細孔径
を広げることができる。
ばどのような酸及びアルカリを用いてもかまわない。ま
た、数種類の酸溶液やあるいは数種類のアルカリ溶液を
混合したものを用いてもかまわない。また細孔孔径拡大
(ポアワイド処理)条件は、例えば、溶液温度、濃度、
時間などは、作製する細孔の大きさに応じて、適宜設定
することができる。
ナノ構造体の構成>本発明の製造方法により得られるシ
リコン酸化物ナノ構造体は、柱状形状の細孔とシリコン
酸化物を主成分とするシリコン酸化物領域を有する膜状
の構造体であって、前記細孔が膜面に対して垂直または
ほぼ垂直に設けられ、細孔の平均孔径が10nm以下
で、平均間隔が15nm以下であり、かつ前記細孔が前
記シリコン酸化物を主成分とするシリコン酸化物領域で
隔てられていることを特徴とする。
酸化物ナノ構造体の一例を示す概略図であり、図6
(a)は、細孔の平均孔径が10nm以下であり、かつ
互いに隣接する該細孔の平均間隔が15nm以下であ
り、該細孔がお互いに独立し、かつ膜面に対して垂直ま
たはほぼ垂直であり、該細孔を隔てる壁材のシリコン酸
化物領域がシリコン酸化物を主成分とする材料からなる
シリコン酸化物ナノ構造体の模式的平面図である。ま
た、図6(b)は、図6(a)の破線AA’に沿ってシ
リコン酸化物ナノ構造体を切ったときの模式的断面図で
ある。図6において、4は細孔(ナノホール)、2はシ
リコン酸化物領域、3は基板である。
は、細孔4とシリコン酸化物を主成分とする組成からな
るシリコン酸化物領域2(壁材料)により構成されてい
ることを特徴とする。また、前記細孔は、図6(b)に
示されているようにシリコン酸化物領域により、お互い
に分離されており、また、基板に対して垂直またはほぼ
垂直に形成されている。
構造体を構成している細孔の形状は、図6(b)に示さ
れるように柱状形状である。また、細孔の孔径(平均孔
径を示す)2rは10nm以下であり、細孔の間隔(平
均間隔を示す)2Rは15nm以下である。好ましく
は、細孔の径2rは1〜9nmであり、その間隔2Rは
3〜10nmである。また、長さLは1nm〜数μm、
好ましくは2〜1000nmの範囲である。ここで平均
孔径とは、例えば、実際のSEM写真(約100nm×
70nmの範囲)で観察される細孔部分をコンピュータ
で画像処理して、導出される値である。
構造体内の細孔は、図6(b)に示されるように、細孔
と基板を直接つなげることができるが、これに限定され
るものではなく、基板と細孔をつなげなくても良い。
構造体を構成しているシリコン酸化物領域の組成は、シ
リコン酸化物(SiOx)を主成分とするが、アルミニ
ウム酸化物(AlOx)などの酸化物の他、アルゴン
(Ar)、窒素(N)などの各種の元素を含有してもよ
い。
ン(Si)の含有量は酸素を除くすべての元素に対して
80atomic%以上、好ましくは85〜99ato
mic%の範囲である。また、アルミニウムの含有量は
酸素を除くすべての元素に対して、0.01〜20at
omic%の範囲であり、好ましくは0.1〜10at
omic%の範囲である。
構造体を構成しているシリコン酸化物の構造は、非晶質
シリコン酸化物であることが望ましいが、結晶化させて
結晶質のシリコン酸化物を含んでいてもかまわない。
構造体を構成している細孔部分の基板上面からみた形状
は、図6(a)のように、ほぼ円形のものでも良いし、
また楕円形など任意の形状が可能である。また、本発明
のシリコン酸化物ナノ構造体を構成している細孔部分の
基板断面からみた形状は、図6(b)のように長方形径
状でも良いし、正方形や台形など任意の形状が可能であ
る。なお、細孔の柱状形状とは上記サイズを満足するも
のであれば、任意のアスペクト比(長さL/孔径2r)
を有する形状を含むものである。
であり、平均細孔径2rが5nmであり、高さLが20
0nmである細孔を有するシリコン酸化物ナノ構造体を
形成する方法の一例を示す。
に、マグネトロンスパッタリング法を用いて、シリコン
をアルミニウムとシリコンの全量に対して37atom
ic%含んだアルミニウムシリコン混合膜を約200n
mの厚さに形成した。ターゲットには、直径が4インチ
(101.6mm)の円形のアルミニウムターゲット上
に15mm角のシリコンチップを6枚おいたものを用い
た。スパッタ条件は、RF電源を用いて、Ar流量:5
0sccm、放電圧力:0.7Pa、投入電力:300
Wとした。また、基板温度は室温(25℃)とした。
ニウムターゲット上にシリコンチップを6枚置いたもの
を用いたが、シリコンチップの枚数はこれに限定される
ものではなく、スパッタリング条件により変化し、アル
ミニウムシリコン混合膜中のシリコン原子の組成が約3
7atomic%近辺になれば良い。また、ターゲット
はアルミニウムターゲット上にシリコンチップを置いた
ものに限定したものではなく、シリコンターゲット上に
アルミニウムチップを置いたものでも良いし、シリコン
とアルミニウムを焼結したターゲットを用いても良い。
顕微鏡)にて、アルミニウムシリコン混合膜を観察した
ところ、図3(b)のように、シリコンに囲まれた円形
のアルミニウム柱状構造体が二次元的に配列していた。
また、アルミニウム柱状構造体部分の平均孔径は6nm
であり、その平均中心間間隔は8nmであった。また、
高さは200nmであり、それぞれのアルミニウム柱状
構造体部分はシリコン領域によりお互いに分離されてて
いた。
コンの全量に対して37atomic%含んだアルミニ
ウムシリコン混合膜を図5に示した陽極酸化装置を用い
て、陽極酸化処理を施し、図7に示すような細孔32を
形成した。電解液は7mol/lに調節した硫酸水溶液
を用い、恒温槽により溶液を20℃に保持し、陽極酸化
電圧は5Vとした。この結果、シリコン酸化物ナノ構造
体が作製された。
顕微鏡)にて、陽極酸化したアルミニウムシリコン混合
膜(シリコン酸化物ナノ構造体)を観察した。基板斜め
上方向から見た表面の形状は、図7のようにシリコン酸
化物領域33に囲まれた細孔32が二次元的に配列して
いた。細孔部の平均孔径は約5nmであり、その平均間
隔は約8nmであった。また、断面をFE−SEMにて
観察した所、高さは200nmであり、それぞれの細孔
部分はシリコン酸化物領域により隔たれておりお互いに
独立していた。また、細孔と基板の間には被膜の形成は
なく基板と細孔の底部が直接つながっていた。
(EELS)により、シリコン酸化物ナノ構造体を酸化
した試料を測定した所、この試料は酸素とシリコンが結
合しており、この試料が酸化シリコンであることが確認
できた。
CP法)により、シリコン酸化物ナノ構造体を酸化した
試料中のアルミニウムとシリコンの量を測定した所、ア
ルミニウムとシリコンの全量に対するアルミニウムの量
は5atomic%、シリコンの量は95atomic
%であった。この結果、図7に示されるようなシリコン
酸化物ナノ構造体が作製されたことが確認された。
り、平均細孔径2rが5nmである細孔を有するシリコ
ン酸化物ナノ構造体を形成する方法の一例を示す。
マグネトロンスパッタ法を用いて、シリコンをアルミニ
ウムとシリコンの全量に対して45atomic%含ん
だアルミニウムシリコン混合膜を約200nmの厚さに
形成した。ターゲットには、直径が4インチ(101.
6mm)の円形のアルミニウムターゲット上に15mm
角のシリコンチップを8枚おいたものを用いた。スパッ
タ条件は、RF電源を用いて、Ar流量:50scc
m、放電圧力:0.7Pa、投入電力:1kWとした。
また、基板温度は室温とした。
ニウムターゲット上にシリコンチップを8枚置いたもの
を用いたが、シリコンチップの枚数はこれに限定される
ものではなく、スパッタ条件により変化し、アルミニウ
ムシリコン混合膜のシリコン原子の組成が約45ato
mic%近辺になれば良い。また、ターゲットはアルミ
ニウムターゲット上にシリコンチップを置いたものに限
定したものではなく、シリコンターゲット上にアルミニ
ウムチップを置いたものでも良いし、シリコンとアルミ
ニウムを焼結したターゲットを用いても良い。
顕微鏡)にて、アルミニウムシリコン混合膜を観察し
た。基板真上方向から見た表面の形状は図3(b)のよ
うに、シリコン領域に囲まれた円形のアルミニウム柱状
構造体が二次元的に配列していた。アルミニウム柱状構
造体部分の平均孔径は約3nmであり、その平均間隔は
約7nmであった。また、断面をFE−SEMにて観察
した所、高さは200nmであり、それぞれのアルミニ
ウム柱状構造体部分はお互いに独立していた。
コンの全量に対して45atomic%含んだアルミニ
ウムシリコン混合膜を図5に示した陽極酸化装置を用い
て、陽極酸化処理を施し、図3(c)に示すような細孔
16を形成した。電解液は7mol/lに調節した硫酸
水溶液を用い、恒温槽により溶液を10℃に保持し、陽
極酸化電圧は5Vとした。この結果、シリコン酸化物ナ
ノ構造体が作製された。
体をFE−SEM(電界放出走査型電子顕微鏡)にて観
察した。基板斜め上方向から見た表面の形状は図3
(c)のように、シリコン酸化物領域に囲まれた細孔が
二次元的に配列していた。細孔部分の平均孔径は約2n
mであり、その平均間隔は約7nmであった。また、断
面をFE−SEMにて観察した所、高さは200nmで
あり、それぞれの細孔部分はお互いに独立していた。
℃に保った水酸化ナトリウム1mol/l中に2分間浸
し、孔径の拡大を行った。
化物ナノ構造体をFE−SEM(電界放出走査型電子顕
微鏡)にて観察したところ、基板斜め上方向から見た表
面の形状は図8のように、シリコン酸化物領域53に囲
まれた細孔52が二次元的に配列していた。また、その
とき観察した細孔部の孔径は5nm、その平均間隔は7
nm、高さは200nmであり、それぞれの細孔部分は
シリコン酸化物領域により隔たれており、お互いに独立
していた。また、細孔と基板の間には被膜の形成はなく
直接つながっていた。この結果、図8に示されるような
シリコン酸化物ナノ構造体が作製された。
り、平均細孔径2rが6nm、高さLが10nmである
細孔を有するシリコン酸化物ナノ構造体を形成した例を
示す。
に、マグネトロンスパッタ法を用いて、シリコンをアル
ミニウムとシリコンの全量に対して37atomic%
含んだアルミニウムシリコン混合膜を約10nmの厚さ
に形成した。ここではシリコンの粉末とアルミニウムの
粉末を63atomic%:37atomic%で混合
して、焼結したアルミニウム・シリコン混合焼結体ター
ゲットを用いた。スパッタリング条件は、RF電源を用
いて、Ar流量:50sccm、放電圧力:0.7P
a、投入電力:300Wとした。また、基板温度は室温
(25℃)とした。
顕微鏡)にて、アルミニウムシリコン混合膜を観察した
ところ、基板斜め上方向から見た表面の形状は図3
(b)のように、シリコンに囲まれた円形のアルミニウ
ム柱状構造体が二次元的に配列していた。このとき、ア
ルミニウム柱状構造体体部分の平均孔径2rは6nm、
その平均中心間間隔2Rは8nm、高さLは10nmで
あり、また、それぞれのアルミニウム柱状構造体部分は
お互いに独立していた。
コンの全量に対して37atomic%含んだアルミニ
ウムシリコン混合膜を図5に示した陽極酸化装置を用い
て、陽極酸化処理を施し、図3(c)に示すような細孔
16を形成した。電解液は7mol/lに調節した硫酸
水溶液を用い、恒温槽により溶液を20℃に保持し、陽
極酸化電圧は3Vとした。この結果、シリコン酸化物ナ
ノ構造体が作製された。
顕微鏡)にて、陽極酸化したアルミニウムシリコン混合
膜(シリコン酸化物ナノ構造体)を観察した。基板斜め
上方向から見た表面の形状は図3(c)のように、シリ
コン酸化物領域に囲まれた細孔が二次元的に配列してい
た。細孔部の孔径は5nmであり、その平均間隔は約8
nmであった。また、断面をFE−SEMにて観察した
所、高さは10nmであり、それぞれの細孔部分はシリ
コン酸化物領域により隔たれておりお互いに独立してい
た。また、細孔と基板の間には被膜の形成はなく直接つ
ながっていた。
造体中の細孔の孔径を拡大するために、25℃に保った
BHF(Buffered HF)溶液(HF:HN4
F=1:5)を純水で100倍に薄めた溶液を用いて、
その溶液中にシリコン酸化物ナノ構造体を10分間浸
し、孔径の拡大を行った。なお、FE−SEM(電界放
出走査型電子顕微鏡)にて、作製したシリコン酸化物ナ
ノ構造体を観察したところ、基板真上方向から見た表面
の形状は、図9に示すように、シリコン酸化物領域63
に囲まれた細孔62が二次元的に配列していた。細孔の
平均孔径は6nmであり、その平均間隔は約8nmであ
った。また、断面をFE−SEMにて観察した所、高さ
は10nmであった。この結果、図9に示されるような
シリコン酸化物ナノ構造体が作製された。
は、非平衡状態で物質を形成する成膜法を用いて、アル
ミニウムとシリコンの全量に対してシリコンを20〜7
0atomic%混合したアルミニウムシリコン混合膜
を形成し、その混合膜を陽極酸化することで、平均間隔
が15nm以下、平均孔径が10nm以下のシリコン酸
化物領域により互いに分離された細孔を有するシリコン
酸化物ナノ構造体を半導体加工技術に比べて安価でかつ
簡単に形成することができる。
が可能な為、高い温度に弱い有機物基板等を使用するこ
とも可能となり、シリコン酸化物ナノ構造体の応用範囲
を拡大することができる。
の細孔に、伝導性材料を充填することで、量子効果を利
用した単電子メモリ、単電子トランジスタなどとして応
用することができる。さらに、磁性体材料を充填するこ
とで高密度記録媒体としても応用することができる。
をさまざまな形態で応用することを可能とするものであ
り、その応用範囲を著しく広げるものである。例えば、
本発明のシリコン酸化物ナノ構造体は、それ自体発光デ
バイス、光デバイス、マイクロデバイスなどの機能材料
として使用可能であるが、さらなる新規なナノ構造体の
母材、鋳型などとして用いることもできる。また、フィ
ルターやデバイスの層間絶縁層としても使用できる。
平均孔径が10nm以下であり、平均間隔が15nm以
下である細孔が、シリコン酸化物領域で隔てられている
シリコン酸化物ナノ構造体を容易に得ることができる製
造方法を提供することができる。
の一実施態様を示す工程図である。
の他の実施態様を示す工程図である。
の一例を示す説明図である。
成膜方法の一例を示す概略図である。
略図である。
造体を示す概略図である。
造体の一例を示す概略図である。
造体の他の例を示す概略図である。
造体の他の例を示す概略図である。
の一例を示す断面図である。
例を示す図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 アルミニウムを含む柱状構造体と該柱状
構造体を取り囲むシリコン領域とを有し、アルミニウム
とシリコンの全量に対してシリコンを20〜70ato
mic%の割合で含有するアルミニウムシリコン混合膜
を用意する工程、及び該アルミニウムシリコン混合膜を
陽極酸化する工程を有するシリコン酸化物構造体の製造
方法。 - 【請求項2】 (a)アルミニウムとシリコンを用意す
る工程、(b)該アルミニウムとシリコンを非平衡状態
で物質を形成する成膜法を用いて、アルミニウムを含む
柱状構造体と該柱状構造体を取り囲むシリコン領域とを
有し、アルミニウムとシリコンの全量に対してシリコン
を20〜70atomic%の割合で含有するアルミニ
ウムシリコン混合膜を形成する工程及び(c)該アルミ
ニウムシリコン混合膜を陽極酸化して細孔を形成する工
程を有することを特徴とするシリコン酸化物ナノ構造体
の製造方法。 - 【請求項3】 (a)アルミニウムとシリコンを用意す
る工程、(b)該アルミニウムとシリコンを非平衡状態
で物質を形成する成膜法を用いて、アルミニウムを含む
柱状構造体と該柱状構造体を取り囲むシリコン領域とを
有し、アルミニウムとシリコンの全量に対してシリコン
を20〜70atomic%の割合で含有するアルミニ
ウムシリコン混合膜を形成する工程、(c)該アルミニ
ウムシリコン混合膜を陽極酸化して細孔を形成する工程
及び(d)該細孔の孔径を広げる工程を有することを特
徴とするシリコン酸化物ナノ構造体の製造方法。 - 【請求項4】 前記細孔を広げる工程が酸あるいはアル
カリを用いたウエットエッチングである請求項3に記載
のシリコン酸化物ナノ構造体の製造方法。 - 【請求項5】 前記非平衡状態で物質を形成する成膜法
がスパッタリング法である請求項2または3に記載のシ
リコン酸化物ナノ構造体の製造方法。 - 【請求項6】 前記陽極酸化によりアルミニウムシリコ
ン混合膜のアルミニウムを含む柱状構造体の部分に細孔
を形成する請求項2または3に記載のシリコン酸化物ナ
ノ構造体の製造方法。 - 【請求項7】 前記シリコン酸化物ナノ構造体が、細孔
が膜面に対して垂直またはほぼ垂直に設けられ、細孔の
平均孔径が10nm以下で、平均間隔が15nm以下で
あり、かつ前記細孔がシリコン酸化物を主成分とするシ
リコン酸化物領域で隔てられている構造体からなる請求
項2または3に記載のシリコン酸化物ナノ構造体の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002363162A JP2003266400A (ja) | 2002-12-13 | 2002-12-13 | シリコン酸化物ナノ構造体の製造方法 |
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---|---|---|---|
JP2002073113 Division | 2002-03-15 | 2002-03-15 |
Publications (2)
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---|---|
JP2003266400A true JP2003266400A (ja) | 2003-09-24 |
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-
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- 2002-12-13 JP JP2002363162A patent/JP2003266400A/ja not_active Withdrawn
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N.E.SLUCHANKO, ET. AL., PHYSICAL REVIEW B, vol. Vol. 53(17), JPN4007012343, 1996, pages 11304 - 11306, ISSN: 0000867052 * |
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