JP3675326B2 - マルチチャネルプレートの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、イメージインテンシファイア、光電子増幅器などに用いられるマルチチャネルプレートの製造方法に関し、さらに詳しくは、従来の製造工程を改良することにより提供された、高精細で大面積化が容易なマルチチャネルプレートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
二次電子放出現象を利用した電子増倍管は、光電子増倍管をはじめとして広く実用化されている。電子増倍管は、ガラスパイプやセラミックパイプの内壁をチャネルとして、そのチャネル壁面に電界によって加速された電子を衝突させることにより、複数個の二次電子を発生させる機構になっている。この電子増倍管をマイクロサイズ化して高密度に集積化することにより、平面構造のマルチチャネルプレートが形成され、イメージインテンシファイアなどのイメージデバイスに用いられている。近年、このイメージデバイスに対する要求は、高密度、高感度、高速動作、広ダイナミックレンジへと一層の高性能化が要求されているだけでなく、より大面積で高精細なデバイスに対応するため、マイクロサイズ以上のより大型化、容易な製法が望まれている。そのため、電子増倍管をマイクロサイズ以上に高密度に集積化した大型のマルチチャネルプレートが要求されている。
【0003】
マルチチャネルプレートの高精細化には個々の電子倍像管を高密度に集積することが必要となる。そのためには、各チャネル開口部に対するチャネル壁厚が小さいことが望まれる。また、マイクロサイズ以上の大型のマルチチャネルプレートに要求されるのは、大面積にわたって壊れにくい安定したチャネル壁を持つプレートである。
【0004】
従来の電子増倍管は、パイプ状の内壁面を形成する必要性から、たとえば鉛ガラスのようなガラスやセラミックスなどが用いられている。また、従来のマルチチャンネルプレートは、束ねたガラスパイプを加熱、軟化させた状態で引き伸ばすことにより多数のパイプを有するプレートを形成したり、特開2000−113851号公報に示されるように、ワイヤの表面にダイヤモンド膜を被膜し、被膜したワイヤを複数本接着剤等の絶縁基体により固着し、絶縁基体を板状体に切断し、ワイヤをエッチングにより除去して、板状体の両面にそれぞれ電極を形成することで形成したり、また、特開平4−87247号公報に示されるように、高鉛ガラスの基板にエッチングによりパイプを形成後、水素のような還元性ガス雰囲気で熱処理をすること等で形成されている。
【0005】
図4は、従来のマルチチャネルプレートの構成を示す斜視説明図である。ガラス絶縁性基体21にはエッチングによる複数のチャネル22が形成され、カソード電極24と不図示のアノード電極が形成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の、高鉛ガラスの基板にマスクを設けたエッチングによりパイプを形成し、水素のような還元性ガス雰囲気で熱処理をすることにより形成しているマルチチャネルプレートでは、基板となるガラスの強度を高めるために、チャネル開口部がチャネル壁にくらべ小さくなってしまい、大型化は、可能なものの高精細化には限界がある。
【0007】
また、ガラスパイプやワイヤを接着層で束ねてから切り出し、エッチングすることによって細孔を形成する方法では、小型プレートの高精細化に向くが、大面積化に対応するためには、エッチング中の接着強度を高めるため、細孔の開口部に対する接着層占有面積を大きくとらなくてはならない。また、これらの方法は、チャネル内壁ガラス面を水素等の還元雰囲気中で高温加熱することで、半導体層の形成を行うことがあり、作製工程で高温条件が必要になることによる熱ひずみが発生することがあったり、電子倍像面の型となるワイヤをダイヤモンド等の皮膜形成後に、強酸エッチングで取り除くため、皮膜である電子倍像面は、ワイヤなしでも自立する強固な膜を形成させることが必要であった。
【0008】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、高精細で大面積化に有利なマルチチャンネルプレートの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、二次電子倍像率を高くすることができる電子倍像面の構造を有するマルチチャネルプレートの製造方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の発明は、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする基体を陽極酸化することによって該基体を貫通するように複数の細孔を配置する工程、該細孔の内壁面に電子の衝突により二次電子を放出する電子増倍面を形成する工程、前記陽極酸化によって複数の細孔が形成された基体の両面にそれぞれ電極を形成する工程を有することを特徴とするマルチチャンネルプレートの製造方法である。
【0013】
本発明の第二の発明は、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする基体を陽極酸化することによって該基体を貫通するように複数の細孔を配置する工程、該細孔の内壁面を基体を構成する材料よりも二次電子放出係数が大きい材料からなる被覆層で被覆する工程と、前記陽極酸化によって複数の細孔が形成された基体の両面にそれぞれ電極を形成する工程を有することを特徴とするマルチチャンネルプレートの製造方法である。
【0014】
前記被覆層は二次電子放出係数が1よりも大きい材料からなることが好ましい。
前記アルミニウムを主成分とする基体は、陽極酸化する電極上に設けたアルミニウム膜であることが好ましい。
前記被覆層は酸化物粒子を含むことが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のマルチチャネルプレートは、絶縁性基体と、該絶縁性基体に貫通した複数の細孔が設けられ、該複数の細孔の内壁面に電子の衝突により二次電子を放出する電子増倍面が形成されるマルチチャネルと、前記電子増倍面に電圧を印加するため前記絶縁性基体の両面にそれぞれ設けられる電極とを有し、該複数の細孔を形成する基体がアルミニウムを含む材料からなることを特徴とする。
【0016】
ここでいうアルミニウムを含む材料とは、主として水溶液中でアルミニウムから生成されるアルミニウム酸化物、アルミニウム水酸化物、水和物等の化合物である。
【0017】
また、複数の細孔の内壁面には電子増倍面が設けられ、該電子増倍面は酸化物微粒子からなることが好ましい。この構成にすることで、電子倍像面の表面に微小な凹凸が増加し、平坦面に比べ、電子倍像面の表面積が大きくなることによって、二次電子倍像率を向上させることができる。
【0018】
また、本発明のマルチチャネルプレートの製造方法は、アルミニウムを含むマルチチャネルが、規則化されたアルミニウム陽極酸化によって形成することを特徴とする。
【0019】
また、アルミニウムを主とする基体を溶液中で陽極酸化し、複数の細孔を形成する工程、細孔を貫通させる工程、細孔の内壁面を高二次電子放出材料でコートする工程、該細孔が形成された基体の両面にそれぞれ電極を形成する工程を有することを特徴とする。
【0020】
さらに、アルミニウムを主とする基体が、陽極酸化する電極上に設けたアルミニウム膜であることを特徴とする。
本発明において、アルミニウム板を陽極酸化すると、ポーラス型陽極酸化皮膜である陽極酸化アルミナ層が形成される。このポーラス皮膜の特徴は、直径が数nm〜数百nmの極めて微細な円柱状細孔(ナノホール)が、数十nm〜数百nmの間隔で平行に配列するという特異的な幾何学的構造を有することにある。この円柱状の細孔は、高いアスペクト比を有し、断面の径の一様性にも優れている。
【0021】
次に、図面を参照しながら本発明の、マルチチャネルプレートおよびそれらの製造方法について説明をする。
図1は、本発明のマルチチャンネルプレートの一実施形態を示す斜視説明図で、図1(a)は断面図、図1(b)は斜視図である。本発明のマルチチャンネルプレートは、図1に示されるように、絶縁性基体1と、その絶縁性基体1に細孔6が設けられ、その細孔6の内壁面に電子の衝突により二次電子を放出する電子増倍面3が形成されたチャネル2と、その電子増倍面3に電圧を印加するため、絶縁性基体1の第1の主面と第2の主面の両面にそれぞれ設けられるカソード電極4およびアノード電極5とからなっている。そして、絶縁性基体1が、アルミニウムを含む材料からなっていることに特徴がある。
【0022】
絶縁性基体1は、たとえばアルミニウム酸化物あるいは、アルミニウム水酸化物の混合物等からなり、図1(b)の斜視図で示されるように、貫通した細孔6の内面に電子増倍面3が形成されたチャネル2が設けられており、絶縁性基体1が数百μm〜1mm程度の厚さで、マルチチャンネルプレートを形成するには、たとえば直径が10cm程度に形成されている。
【0023】
チャンネル2は、直径が数μm〜数百μm程度で、たとえばイメージインテンシファイア用のマルチチャンネルプレートを形成するには、百万個程度以上形成されている。
【0024】
図2は、図1のマルチチャンネルプレートを構成する単一チャネルの断面拡大説明図である。それぞれのチャンネル2の細孔6の内壁面は、電子増倍面3になっており、チャンネル2の中は空孔になっている。電子増倍面3の表面は凹凸状であり、該凹凸が形成されていることにより、核発生密度を飛躍的に高めることができ、二次電子増倍率を向上させることができる。
【0025】
本発明の電子増倍面3には、不規則な凹凸のある、平滑でない表面を容易に形成することができる。例えば、電子増倍面3である細孔の内壁面に酸化物等の微粒子3aがあることによって、電子増倍面の表面に微小な凹凸が増加し、平坦面に比べ、電子倍像面の表面積が大きくなることによって、二次電子倍像率をさらに向上させることができる。
【0026】
カソード電極4、アノード電極5は、電子増倍面3に電位を印加するためのもので、Au/Ti、Alなどの金属を0.1〜0.5μm程度の厚さに形成する。
本発明のマルチチャネルプレートは、アルミニウムを含むマルチチャネルが、規則化されたAl陽極酸化によって形成される。
【0027】
図1に示されるマルチチャネルプレートの製造方法を図3を参照しながら説明する。
まず、図3(a)に示されるように、絶縁性基体1の原料となる、Alを主とする基体10を陽極酸化用の電解液中に浸漬し、図3(b)に示されるような細孔6を形成する。
【0028】
ここで、Alを主とする基体としては、陽極酸化によって細孔を形成する材料であり、金属Alを必要な面積、厚みで構成した部分を有するものであり、金属Al板、電極を形成した基板上にAl膜を堆積したもの、等があげられる。また、陽極酸化できるものならば、他の元素が含まれていてもかまわない。また、アルミニウム膜の成膜には抵抗加熱による真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法などが利用できる。ただし、ある程度平坦な表面を有する膜を形成できる方法が好ましい。
【0029】
電解液としては、所望の電圧を印加することで、金属Alを酸化しながら細孔を形成する液体であり、所望の濃度に調整したリン酸、シュウ酸、硫酸等の水溶液が用いられる。電流密度や時間を制御することで、細孔の間隔や、深さ等を変化させることができる。アルミニウムを用いた陽極酸化による細孔形成方法は、アルミニウム表面にあらかじめ細孔の形成開始点となる所望の凹凸を規則的に形成しておくことで、均質で、規則的な細孔形成が可能である。それは、アルミニウム表面の凹部がより酸化しやすいため、酸化の進行とともにアルミニウムが溶解し、連続的に細孔が形成されるものである。
【0030】
このような規則的な凹凸をアルミニウム表面に形成する方法としては、集束イオンビームを用いる方法、凹凸のあるスタンプをアルミニウム表面に押し付ける方法、レジスト等で規則的に凸部を形成する方法等があげられる。また、2段階陽極酸化を行うことで大面積にわたって規則化した細孔の形成が可能である。すなわち、陽極酸化を行って形成したポーラス皮膜を一旦除去した後に再び陽極酸化を行なって、より良い垂直性、直線性、独立性を示す細孔を有するポーラス皮膜を作製する方法である。この方法は最初の陽極酸化により形成した陽極酸化皮膜を除去するときにできるAl 板の表面の窪みが、2度目の陽極酸化の細孔の形成開始点となることを用いている。
【0031】
すなわち、1度陽極酸化を行った後、酸化層をエッチングして、もう1度陽極酸化を行うと、最初の酸化層の残りが、アルミニウム表面に凹凸を形成しており、細孔が規則的に形成される。
【0032】
このようにして、規則的に形成された細孔の底11には、極薄い酸化層が残っている。この層を取り除くことで、図3(c)に示されるように、細孔を貫通させ、チャネル2を形成する。細孔の底11を取り除く方法としては、化学的なエッチング、物理的に削り取る方法等があげられる。その後、必要に応じてポワワイド処理を行うことで細孔の径を広げることができる。
【0033】
この様にして形成した、アルミニウム陽極酸化による細孔6の内部は、不規則で微小な凹凸のある、平滑でない表面を形成している。その後、細孔内部に微粒子によるコーティングを行うことで、細孔内部はさらに多くの微小な凹凸を形成させることもできる。この様に、チャネル2の電子倍増面3となる細孔内部に微小な凹凸を形成させることは、チャネル内部に入射した電子の衝突、散乱回数を増加させ、平坦面に比べ、電子倍像面の表面積が大きくなることによって、2次電子放出効率が高まる形態を得ることができる。
【0034】
電子倍増面の微粒子をコーティングする方法としては、ゾルゲル液中に浸漬する方法、CVD法等があげられる。
【0035】
さらに、コーティングする微粒子材料として、2次電子放出効率の高い材料を選ぶことで、電子倍増面に衝突した電子によって発生する2次電子数が増加し好ましい。この様な、2次電子放出効率の高い材料で、例えば二次電子放出係数が1よりも大きい材料として、BeO,MgO,BaO等の酸化物、ダイヤモンド、グラファイト、グラッシーカーボン等のC、あるいはそれらの混合物等をあげることができる。
【0036】
その後、図3(d)に示すように、この様にして形成したチャネル2を有する絶縁性基体1の両面にカソード電極4、アノード電極5を形成し、マルチチャネルプレートをすることができる。
【0037】
カソード電極4、アノード電極5は、電子増倍面3に電位を印加するためのもので、Au/Ti、Alなどの金属をスパッタリング、または真空蒸着により0.1〜0.5μm程度の厚さに形成される。この際、チャンネル2内に電極用金属が付着しないように、金属原子の平行ビームによる蒸着を行い、蒸着中の金属ビームは、チャネル2が形成された絶縁性基体1に対して、急角度で入射させながら形成する。あるいは、チャネル2の細孔を塞がないように、印刷法によって形成することも可能である。
【0038】
本発明によれば、絶縁性基体形成材料としてアルミニウムを用いることで、マイクロサイズ以上の大面積にわたって強固で均質なチャネルを形成することができ高精細で大面積化に有利なマルチチャネルプレートを得ることができる。
【0039】
さらに、チャネル内部の電子倍増面に不規則で微小な凹凸を形成することができ高い二次電子増倍率を得ることができる。
さらに、本発明の製造方法によれば、マルチチャネルを持つ絶縁性基体を規則化されたアルミニウム陽極酸化によって形成するため、二次電子放出効率の高い電子倍増面を持ったチャネルを高温プロセスを経ることなく簡単に大面積にわたって高精細に形成させることができる。
【0040】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
【0041】
実施例1
直径10cm程度大きさのマルチチャネルプレートを作製した。
以下、図3を用いて説明する。
まず、絶縁性基体1の原料基体10として、直径12cm程度のアルミニウム板を用いた。(図3(a)参照)アルミニウム板は、アルミニウムが99.9%以上の純度のものを用いた。まず、アルミニウム板表面を平坦化させるため、表面の電解研磨を行った。電解液は、HClO4 +C2 H2 OHを用いて、100mA/cm2 で3分間行った。
【0042】
次に、2段陽極酸化により基体10に細孔6を形成した。
1回目の陽極酸化条件は、水温を0℃に保った0.3Mのリン酸水溶液中で195V,10時間とした。次に、60℃に保った クロム酸+りん酸水溶液中で10時間程度エッチングを行い1回目の陽極酸化層を取り除いた。酸化層は、ほとんど取り除かれたが、アルミニウム板表面には、規則的な、凹凸が残っていた。
【0043】
次に、このようにエッチングしたアルミニウム基体を1回目と同じ条件で2回目の陽極酸化を行った。このようにして、細孔が規則的に形成された絶縁性基体1を形成した。(図3(b)参照)
【0044】
細孔の底11には、極薄い酸化層が残っていた。この層を取り除くことで、図3(c)に示されるように、細孔を貫通させ、チャネル2を形成した。エッチングは、飽和Hg2 Cl2 への浸漬することで行った。
その後、10wt%りん酸へ4時間浸漬し、ポワワイド処理をおこない、細孔の径を広げた。
【0045】
同条件で形成した絶縁性基体を電子顕微鏡で観察したところ、厚み数100μの基体に径250nm程度の細孔が形成されていた。
この様にして形成した、アルミニウム陽極酸化による細孔内部は、不規則で微小な凹凸のある、平滑でない表面を形成していた。
【0046】
その後、細孔内部に微粒子によるコーティングを行った。ゾルゲル法でMgO微粒子を形成した。このことで、細孔内部はさらに多くの微小な凹凸が形成され、二次電子放出効率の高い電子増倍面3を有するチャネル2を形成した。
【0047】
次に、チャンネル2を有する絶縁性基体1の両面にカソード電極4、アノード電極5を形成した。アルミニウムを真空蒸着法で、斜め蒸着することで形成した。このようにして、マルチチャネルプレートを作製した。(図3(d)参照)
【0048】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明によれば、電子増倍率を向上させた電子増倍面を持ったチャネルを大面積にわたって形成したマルチチャンネルプレートを得ることができる。このマルチチャネルプレートを用いることにより、高精細で、大面積の大型のイメージインテンシファイアを得ることができ、近年の大面積、高性能化の要求を満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマルチチャンネルプレートの一実施形態を示す説明図である。
【図2】図1のマルチチャンネルプレートを構成する単一チャネルの断面拡大説明図である。
【図3】図1のマルチチャンネルプレートの製造工程を示す工程図である。
【図4】従来のマルチチャンネルプレートの斜視説明図である。
【符号の説明】
1 絶縁性基体
2 チャンネル
3 電子増倍面
3a 微粒子
4 カソード電極
5 アノード電極
6 細孔
10 基体
11 細孔の底
21 絶縁性基体
22 チャネル
24 カソード電極
Claims (5)
- アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする基体を陽極酸化することによって該基体を貫通するように複数の細孔を配置する工程、該細孔の内壁面に電子の衝突により二次電子を放出する電子増倍面を形成する工程、前記陽極酸化によって複数の細孔が形成された基体の両面にそれぞれ電極を形成する工程を有することを特徴とするマルチチャンネルプレートの製造方法。
- アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする基体を陽極酸化することによって該基体を貫通するように複数の細孔を配置する工程、該細孔の内壁面を基体を構成する材料よりも二次電子放出係数が大きい材料からなる被覆層で被覆する工程と、前記陽極酸化によって複数の細孔が形成された基体の両面にそれぞれ電極を形成する工程を有することを特徴とするマルチチャンネルプレートの製造方法。
- 前記被覆層は二次電子放出係数が1よりも大きい材料からなることを特徴とする請求項2記載のマルチチャンネルプレートの製造方法。
- 前記アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする基体は、陽極酸化する電極上に設けたアルミニウム膜であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの項に記載のマルチチャンネルプレートの製造方法。
- 前記被覆層は酸化物粒子を含むことを特徴とする請求項2または3記載のマルチチャネルプレートの製造方法。
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