JP2005068558A - ナノ構造体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 成膜条件によって孔径、細孔間隔を制御することを可能としたナノ構造体の製造方法を提供する。
【解決手段】 アルミニウムに対してシリコン及びゲルマニウムを20atomic%〜70atomic%の割合で含有し、且つシリコンとゲルマニウムの組成比をSix Ge1-x (0≦x≦1)とし、且つシリコンゲルマニウムを主成分とするマトリックス内に30nm以下の径を有するアルミニウムを主成分とするシリンダー部分を有したアルミニウムシリコンゲルマニウム混合膜を基板上に成膜する工程において、成膜レートを150nm/min以下とするナノ構造体の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、シリコンゲルマニウムの隔壁、或いはシリコンの隔壁、或いはゲルマニウムの隔壁により各々分断されており、且つ膜面に対して垂直に形成されたシリンダー状のアルミニウムを有するナノ構造体とその製造方法に関する。
また、前記シリンダー状のアルミニウムを溶解して形成される微細な細孔を有するナノ構造体とその製造方法に関する。
近年の目覚しい微細加工技術の進歩により、多くの分野においてナノテクノロジーに対する関心が高まっており、例えば量子細線や量子ドットなどといったナノスケールの構造を有する高機能性材料の研究が精力的に行われている。
従来、こうしたナノスケールの構造を有したナノ構造体を作製する手法としては、主にフォトリソグラフィーや電子線露光、X線露光など半導体プロセスで使用される人工的なナノ構造技術が用いられてきた。しかし現在の技術では、これらの半導体プロセスにより数10nm以下といったスケールの極めて微細な構造を大面積に簡易に形成することは、歩留まりやスループットの悪さから現実的な手法ではないと考えられている。そこで、現在の半導体プロセスを上回る微細な構造を、大面積に簡易に形成する手法として、自然に形成される手法、すなわち物質の自己組織化現象を利用した手法が有力であると考えられている。
自己組織化現象を利用したナノ構造体の作製手法として、例えばアルミニウムの陽極酸化やシリコンの陽極化成が挙げられる。
アルミニウムの陽極酸化では、アルミニウム基板を硫酸、シュウ酸、リン酸などの酸性電解液中で陽極酸化することで、多孔質陽極酸化皮膜を得ることができる(非特許文献1参照)。この多孔質陽極酸化皮膜の特徴は、孔径が数nm〜数100nmの極めて微細な円柱状細孔が、アルミナの隔壁により数10nm〜数100nmの間隔で分断され、平行に配列するという特異的な幾何学的構造を有することにある。この円柱状の細孔は、高いアスペクト比を有し、深さ及び断面の径の一様性にも優れている。また、多孔質陽極酸化皮膜の構造は陽極酸化の条件を変えることにより、ある程度の制御が可能である。例えば、陽極酸化電圧で細孔間隔を、陽極酸化時間で細孔の深さを、リン酸などを利用して隔壁のアルミナをエッチング処理することにより細孔径をある程度制御可能であることが知られている。
シリコンの陽極化成では、p型シリコン基板を陽極としてフッ酸水溶液中で電圧印加すると、多孔質シリコンが形成される(非特許文献2参照)。この多孔質シリコンには孔径1nm〜数10nmの無数の細孔が存在し、陽極化成の条件によって、孔径や細孔の形状及び密度を変化させることが可能である。
これらのような微細な細孔中に、金属や半導体などを充填させることで、磁気記録媒体、磁気センサ、EL発光素子、エレクトロクロミック素子、光学素子、太陽電池、ガスセンサなど様々なナノデバイスへの応用が期待されている。
R.C.Furneaux,W.R.Rigby & A.P.Davidoson"NATURE"Vol.337、p147、1989年 D.R.Turner"J.Electrochem.Soc"105,402、1985年
上記のように、自己組織化現象を利用したナノ構造体の研究は数多く行われているものの、陽極酸化アルミナにおいては細孔間隔が10nmを下回ると、細孔が基板に対して垂直に形成されず、この結果隣接する細孔との隔壁が保たれずに、全ての細孔を隔壁によって独立に形成することは極めて困難である。また、シリコンの陽極化成では、基板が限定されてしまい、さらに形成される細孔は枝分かれする傾向が強い。
これらを鑑みて、本発明は、アルミニウムシリコンゲルマニウム混合膜、或いはアルミニウムシリコン混合膜、アルミニウムゲルマニウム混合膜の成膜条件によって孔径、細孔間隔を制御することを可能とした。
上記の課題は、本発明による以下の手段により解決される。
すなわち、シリコン、又はゲルマニウム、又はシリコンゲルマニウムを主成分とするマトリックス内に、30nm以下の直径を有するアルミニウムを主成分とした、基板に対して垂直方向に成長したシリンダー部分を有するナノ構造体の製造方法において、アルミニウム及びシリコン、又はアルミニウム及びゲルマニウム、又はアルミニウム及びシリコン及びゲルマニウムを原料として基板上にAlX (SiY Ge1-Y1-X (0.3≦X≦0.8、0≦Y≦1)混合膜を成膜する工程と、前記成膜工程において成膜レートを150nm/min以下とすることを特徴とするナノ構造体の製造方法である。
また、前記のナノ構造体の製造方法において、成膜工程において、該基板に対してバイアスを印加して成膜を行うことを特徴とするナノ構造体の製造方法である。
また、前記のバイアスが、該基板の電位をアース電位に対して−20V以下とするDCバイアスであることを特徴とするナノ構造体の製造方法である。
また、前記のナノ構造体の製造方法において、成膜工程におけるガス圧力を2.0Pa以下とすることを特徴とするナノ構造体の製造方法である。
さらに、前記のナノ構造体の製造方法において、直径1nm以上のアルミニウムを主成分とするシリンダー部分を有したAlX (SiY Ge1-Y1-X (0.3≦X≦0.8、0≦Y≦1)混合膜を基板上に成膜する工程において、成膜レートを100nm/min以下とすることを特徴とするナノ構造体の製造方法である。
また、前記のナノ構造体の製造方法において、成膜工程におけるガス圧力を1.0Pa以下とすることを特徴とするナノ構造体の製造方法である。
さらに、前記のナノ構造体の製造方法において、直径3nm以上のアルミニウムを主成分とするシリンダー部分を有したAlX (SiY Ge1-Y1-X (0.3≦X≦0.8、0≦Y≦1)混合膜を基板上に成膜する工程において、成膜レートを20nm/min以下とすることを特徴とするナノ構造体の製造方法である。
また、前記のナノ構造体の製造方法において、成膜工程におけるガス圧力を0.2Pa以下とすることを特徴とするナノ構造体の製造方法である。
そして、前記のナノ構造体の製造方法において、AlX (SiY Ge1-Y1-X (0.3≦X≦0.8、0≦Y≦1)混合膜を成膜後、前記シリンダーを取り除く工程を含むことを特徴とするナノ構造体の製造方法である。
そして、上記の製造方法により製造したナノ構造体である。
本発明により、同一組成のターゲットから形成されたアルミニウムシリコンゲルマニウム混合膜、及びアルミニウムシリコン混合膜、及びアルミニウムゲルマニウム混合膜において、アルミニウムを主成分とするシリンダー状部分の形状及び径を変化させることが可能となる。また、シリンダー部分を取り除くことで様々な形状及び孔径の細孔を得ることが可能となり、アルミニウムシリコンゲルマニウム混合膜、及びアルミニウムシリコン混合膜、及びアルミニウムゲルマニウム混合膜から形成される細孔を有したナノ構造体の応用範囲をより広めることを可能とする。
以下、本発明における実施形態の詳細について述べる。
<ナノ構造体の製造方法>
本発明のナノ構造体の製造方法について、まずAlX Si1-X (0.3≦X≦0.8)混合膜(アルミニウムシリコン混合膜)を使用した場合の製造方法について説明する。
アルミニウムシリコン混合膜を非平衡状態で成膜すると、アルミニウムとシリコンが組成分離した状態で成長し、図1に示すようにシリンダー状のアルミニウム12部分がシリコンの隔壁13により分断された構造体が形成される。但し、シリンダー状のアルミニウム12部分にはシリコンが、シリコンの隔壁13部分にはアルミニウムがそれぞれ僅かに混入していても構わない。
また、図1のような組成分離した構造を有するアルミニウムシリコン混合膜を得るには、膜中のシリコンの割合は20atomic%〜70atomic%とする必要がある。ここに、atomic%とは、膜中に含有される原子の割合のことであり、例えばICP(誘導結合型プラズマ発光分析法)などで定量的に分析して求めることが可能である。
さらに、シリンダー状のアルミニウムの直径及びシリンダー間の間隔は、膜の組成により概ね直径2nm〜10nm、間隔は15nm以下の範囲で変化する。
上記のアルミニウムシリコン混合膜の成膜プロセスは、基板上に非平衡状態での成膜が可能なプロセスであれば特に限定はされず、例えばスパッタリング法などで良い。スパッタリング法においては、アルミニウムターゲット及びシリコンターゲットの同時スパッタリング、或いはアルミニウムとシリコンを焼成して形成した混合ターゲットによるスパッタリング、又はアルミニウムターゲット上にシリコンチップを配置したスパッタリングなど幾つかの手法が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
また、図1で示したナノ構造体を陽極酸化、或いはエッチングすることで、シリンダー状のアルミニウム部分を溶解して、図2に示すような細孔21を有したナノ構造体を形成することも可能である。
図1で模式的に示した、組成分離したアルミニウムシリコン混合膜は、基板表面でのアルミニウム原子、及びシリコン原子の表面拡散により形成される。すなわち、成膜プロセスにおいて、基板上に到達したアルミニウムとシリコンの各原子が、基板上を数nm〜数10nm移動(拡散)して、熱力学的に安定なサイトに落ち着く際に、アルミニウムシリコンが固相において共晶合金であるが故、同種の原子同士が凝集して、アルミニウムとシリコンの界面を少なくする方向へと拡散が進む為に図1で示した組成分離した構造を有する膜が形成される。
このようなアルミニウムシリコン混合膜の形成メカニズムを考慮すると、基板上におけるアルミニウム及びシリコン原子の拡散距離を制御することにより、アルミニウムシリンダーの直径及び間隔を変化させることが可能である。すなわち、拡散距離を長くすることにより、アルミニウムシリンダーの直径及び間隔が大きくなり、一方、拡散距離を短くすることにより、アルミニウムシリンダーの直径及び間隔を小さくすることが可能である。本発明では、成膜条件により原子の表面拡散を制御することで、アルミニウムシリンダーの直径及び間隔を変化させることを可能とした。
また、アルミニウムシリコンゲルマニウム混合膜、アルミニウムゲルマニウム混合膜においても、アルミニウムシリコン混合膜と同様のメカニズムで組成分離したナノ構造体が形成される。但し、これらの場合においても、膜中のシリコンゲルマニウム、或いはゲルマニウムの割合はそれぞれ20atomic%〜70atomic%とする必要がある。また、形成されるシリンダー状のアルミニウムの直径及び間隔は、アルミニウムシリコンゲルマニウム混合膜においては、直径1nm〜30nm、間隔は30nm以下、アルミニウムゲルマニウム混合膜においては直径1〜20nm、間隔は30nm以下である。
以下に本発明における実施例を挙げる。
実施例1
本実施例は、成膜レートによるアルミニウムシリコン混合膜のアルミニウムシリンダーの直径及び間隔の変化について検討したものに関する。
アルミニウムとシリコンを焼成して形成した直径50.8mm(2インチ)の混合ターゲットを使用したスパッタリング法により、Si(100)基板上にアルミニウムシリコン混合膜の成膜を行った。このとき、使用したターゲットから成膜されたアルミニウムシリコン混合膜の組成比をICPにより定量分析したところ、膜中のシリコンの割合は44atomic%であった。スパッタリングにおいてはRF電源を使用して、アルゴンガス圧1.0Pa、室温にて、投入電力を試料によって1.2W/cm2 〜12W/cm2 の範囲内で変化させることで成膜レートを変化させた。また、本実施例では成膜レートの差を明瞭化するために、基板をターゲットの真上で静止させた状態でスパッタリングを行った。
成膜後、アルミニウムシリンダーの直径を明瞭にするため、20℃の5wt%リン酸水溶液を使用したウェットエッチングで、アルミニウムシリンダーを溶解することで図2に示すような細孔を形成した後、試料の表面をFE−SEM(電界放出走査型電子顕微鏡)で観測した。また、試料の断面をFE−SEMで観測することで膜厚を観測し、各投入電力に対する成膜レートも算出した。
エッチング後の試料の平面FE−SEM像にて観測された細孔の平均的な孔径と細孔間の間隔の値を成膜レートと共に表1に示す。
Figure 2005068558
上記の結果より、成膜レートの上昇に伴って形成される細孔の孔径及び間隔、すなわちアルミニウムシリンダーの直径と間隔が小さくなっていることが確認される。これは、成膜レートが早くなることが、スパッタ粒子の堆積速度を早くするということを意味し、スパッタ粒子が表面拡散できる時間が低下したため、成膜レートの早い試料ではスパッタ粒子の十分な表面拡散が行われなかったと解釈される。
また、表1には記載していないが、成膜レートが150nm/minを超えると図1に示すような組成分離した構造のアルミニウムシリコン混合膜を得ることは難しい。このことから、組成分離した構造のアルミニウムシリコン混合膜を得るには成膜レートを150nm/min以下、好ましくは100nm/min以下とすることがよい。
以上示したように、本実施例より成膜レートを変化させることにより、同一組成のターゲットから成膜されたアルミニウムシリコン膜に形成されるアルミニウムシリンダーの直径及び間隔を変化させることが可能である。
実施例2
本実施例は、スパッタリング時のアルゴンガス圧を0.2Paとして、実施例1と同様の検討を行ったものに関する。
まず、Si(100)基板上にアルミニウムシリコン混合膜の成膜を行った。使用したターゲットは実施例1と同じものである。スパッタリングにおいてはRF電源を使用して、アルゴンガス圧0.2Pa、室温にて、投入電力を試料によって1.2W/cm2 〜12W/cm2 の範囲内で変化させることで成膜レートを変化させた。また、実施例1と同様に基板をターゲットの真上で静止させた状態でスパッタリングを行った。
成膜後、20℃の5wt%リン酸水溶液を使用したウェットエッチングで、アルミニウムシリンダーを溶解することで細孔を形成した後、試料の表面及び断面をFE−SEMで観測した。
エッチング後の試料の平面FE−SEM像にて観測された細孔の平均的な孔径と細孔間の間隔の値を成膜レートと共に表2に示す。
Figure 2005068558
まず、投入電力が1.2W/cm2 の試料においては、図2に示したような円柱状の細孔は形成されず、図3に示すように、複数の細孔が結合したような形状の細孔が大半を占めており、幾つかの円柱状の細孔と混在して基板上に形成されていた。これらの細孔の孔径及び形状は、ばらつきが激しく、孔径は小さいもので10nmであったが、複数の細孔が結合した形状のものでは10nm以上の大きさのものが存在した。また、細孔間の平均間隔は形状のばらつきにより、測定する部分により大きく変化するので分からなかった。
その他の試料においては、図2に示したような円柱状の細孔を形成し、実施例1と同様に成膜レートに伴う孔径の変化が確認された。また、アルゴンガス圧力を低下させることにより実施例1よりも成膜レートが低下し、その結果として実施例1よりも孔径が大きな細孔が得られた。
以上示したように、本実施例より成膜レート及びアルゴンガス圧を変化させることにより、同一組成のターゲットから成膜されたアルミニウムシリコン膜に形成されるアルミニウムシリンダーの直径及び間隔を変化させることが可能であることが確認された。
実施例3
本実施例は、スパッタリング時のアルゴンガス圧を2.0Paとして、実施例2と同様の検討を行ったものに関する。
まず、Si(100)基板上にアルミニウムシリコン混合膜の成膜を行った。使用したターゲットは実施例1と同じものである。スパッタリングにおいてはRF電源を使用して、アルゴンガス圧2.0Pa、室温にて、投入電力を試料によって1.2W/cm2 〜12W/cm2 の範囲内で変化させることで成膜レートを変化させた。また、実施例1及び実施例2と同様に基板をターゲットの真上で静止させた状態でスパッタリングを行った。
成膜後、20℃の5wt%リン酸水溶液を使用したウェットエッチングで、アルミニウムシリンダーを溶解することで細孔を形成した後、試料の表面及び断面をFE−SEMで観測した。
エッチング後の試料の平面FE−SEM像にて観測された細孔の平均的な孔径と細孔間の間隔の値を成膜レートと共に表3に示す。
Figure 2005068558
全ての試料において、図2に示すような円柱状の細孔が形成され、実施例1及び実施例2と同様に成膜レートに伴う孔径の変化が確認された。また、アルゴンガス圧力を上昇させることにより実施例1及び実施例2よりも成膜レートが向上し、その結果として実施例1及び実施例2よりも孔径が小さな細孔が得られた。
以上示したように、本実施例より成膜レート及びアルゴンガス圧を変化させることにより、同一組成のターゲットから成膜されたアルミニウムシリコン膜に形成されるアルミニウムシリンダーの直径及び間隔を変化させることが可能であることが確認された。
実施例4
本実施例は、本発明によるアルミニウムシリコン混合膜におけるシリンダー状のアルミニウム部分へのシリコンの混入、及びマトリックス状のシリコン部分へのアルミニウムの混入について検討を行ったものに関する。
まず、石英基板上にアルミニウムシリコン混合膜の成膜を行った。使用したターゲットは実施例1と同じものである。スパッタリングはRF電源を使用した室温の状態で行い、表4に示す条件で3つの試料を用意した。実施例1〜3の検討より、試料Aは成膜レートが遅く、基板表面での表面拡散が十分に行われているものであり、試料Cは表面拡散が十分ではない試料である。試料Bはそれらの中間にあたる試料である。
全ての試料において膜厚は300nmとし、20℃の5wt%リン酸水溶液を使用したウェットエッチングで、一定時間アルミニウムシリンダーを溶解して細孔を形成した後、試料の断面をFE−SEMで観測することで、エッチングレートを算出した。結果を表4に示す。
Figure 2005068558
表4より、エッチングレートは表面拡散が十分に行われている試料ほど早く、試料Aと試料Cでは実に4倍もの差があった。この結果より、成膜時にける基板表面での表面拡散が不十分な程、アルミニウムを主成分とするシリンダー部分へのシリコンの混入が増加し、エッチングレートの低下を招いていることが確認された。すなわち、成膜レートを低下させることによりシリンダー部分へのシリコンの混入を抑制できる。また、当然この時マトリックス状のシリコンへのアルミニウムの混入も同様に抑制される。
以上の結果より、成膜レートを低下させることにより、アルミニウムシリコン混合膜におけるアルミニウムを主成分とするシリンダー部分へのシリコンの混入、及び時マトリックス状のシリコンへのアルミニウムの混入が抑制されることが確認された。
実施例5
本実施例は、スパッタリングにてアルミニウムシリコン混合膜を成膜する際の、基板に対するバイアス印加について検討を行ったものに関する。
まず、実施例1で使用したターゲットを用いて、抵抗率0.015ΩcmのSi(100)基板上にアルミニウムシリコン混合膜をスパッタリングにて成膜した。スパッタリングはRF3.0W/cm2 の投入電力、アルゴンガス圧1.0Pa、室温にて基板をターゲットの真上に静止させた状態でおこなった。また、成膜の際に、DC電源を使用して基板にDCバイアスを印加した。このとき、DCバイアスの値を変化させることによって、バイアス値が異なる4種類の試料を用意した。
成膜後、20℃の5wt%リン酸水溶液を使用したウェットエッチングで、アルミニウムシリンダーを溶解することで細孔を形成した後、試料の表面及び断面をFE−SEMで観測した。
エッチング後の試料の平面FE−SEM像にて観測された細孔の平均的な孔径と細孔間の間隔の値を表5に示す。
Figure 2005068558
ここで、表5においてDCバイアス0Vの試料は、基板をアース電位とした試料である。バイアス値が大きくなるに従って形成される細孔の孔径及び間隔が大きなものとなっていた。この結果は、基板にバイアスを印加することにより、プラズマ中のアルゴンイオンが基板に入射するエネルギーや入射量を制御することが可能となり、入射したアルゴンイオンによって基板上のスパッタ粒子にエネルギーが与えられ、結果として表面拡散が促進されたものと考えられる。バイアス値−80Vの試料では細孔の孔径は小さなもので10nm程度であったが、所々に複数の細孔が結合したと思われる10nmを超える大きな孔径のものが存在しており、孔径や形状のばらつきが大きいため、細孔間の平均間隔は測定する部分により大きく変化するので分からなかった。また、表5には記載していないが例えばDCバイアス−10Vのように基板の電位が−20Vよりも大きくなった場合、DCバイアス0Vと比較して孔径や間隔に殆ど差は認められなかった。
以上示したように、本実施例より基板にバイアスを印加することによって、同一組成のターゲットから成膜されたアルミニウムシリコン膜に形成されるアルミニウムシリンダーの直径及び間隔を変化させることが可能である。しかし、一般的にバイアス値が大きくなるに従ってアルゴンイオンによる基板側の再スパッタが顕著なものとなり、ついには基板に薄膜が形成されないことになるため、基板に薄膜が形成され得る範囲内のバイアスとすることが必要である。
また、実施例1〜5ではアルミニウムシリコン混合膜について検討を行ったが、アルミニウムシリコンゲルマニウム混合膜やアルミニウムゲルマニウム混合膜においても、細孔の孔径や間隔はアルミニウムシリコン混合膜とは多少異なるものの、アルミニウムシリコン混合膜と同様の傾向を示すことを確認した。
本発明のアルミニウムシリコンゲルマニウム混合膜、及びアルミニウムシリコン混合膜、及びアルミニウムゲルマニウム混合膜から形成されるナノ構造体は、量子ドットや量子細線構造を利用した単電子デバイス、またはフィルターやガスセンサー、また細孔内に磁性体を充填することによって磁気記録媒体等に利用することができる。
本発明によるアルミニウムシリコン混合膜を示す模式図である。 本発明によるアルミニウムシリコン混合膜から形成した細孔を示す模式図である。 本発明によるアルミニウムシリコン混合膜から形成した細孔を示す模式図である。
符号の説明
10 基板
11 アルミニウムシリコン混合膜
12 シリンダー状のアルミニウム
13 シリコンの隔壁
20 基板
21 細孔
22 隔壁
30 基板
31 細孔
32 隔壁

Claims (10)

  1. シリコン、又はゲルマニウム、又はシリコンゲルマニウムを主成分とするマトリックス内に、30nm以下の直径を有するアルミニウムを主成分とした、基板に対して垂直方向に成長したシリンダー部分を有するナノ構造体の製造方法において、アルミニウム及びシリコン、又はアルミニウム及びゲルマニウム、又はアルミニウム及びシリコン及びゲルマニウムを原料として基板上にAlX (SiY Ge1-Y1-X (0.3≦X≦0.8、0≦Y≦1)混合膜を成膜する工程と、前記成膜工程において成膜レートを150nm/min以下とすることを特徴とする前記ナノ構造体の製造方法。
  2. 前記成膜工程において、該基板に対してバイアスを印加して成膜を行うことを特徴とする請求項1に記載のナノ構造体の製造方法。
  3. 前記バイアスが、該基板の電位をアース電位に対して−20V以下とするDCバイアスであることを特徴とする請求項2に記載のナノ構造体の製造方法。
  4. 前記成膜工程におけるガス圧力を2.0Pa以下とすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの項に記載のナノ構造体の製造方法。
  5. 前記直径1nm以上のアルミニウムを主成分とするシリンダー部分を有したAlX (SiY Ge1-Y1-X (0.3≦X≦0.8、0≦Y≦1)混合膜を基板上に成膜する工程において、成膜レートを100nm/min以下とすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかの項に記載のナノ構造体の製造方法。
  6. 前記成膜工程におけるガス圧力を1.0Pa以下とすることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかの項に記載のナノ構造体の製造方法。
  7. 前記直径3nm以上のアルミニウムを主成分とするシリンダー部分を有したAlX (SiY Ge1-Y1-X (0.3≦X≦0.8、0≦Y≦1)混合膜を基板上に成膜する工程において、成膜レートを20nm/min以下とすることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかの項に記載のナノ構造体の製造方法。
  8. 前記成膜工程におけるガス圧力を0.2Pa以下とすることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかの項に記載のナノ構造体の製造方法。
  9. 前記AlX (SiY Ge1-Y1-X (0.3≦X≦0.8、0≦Y≦1)混合膜を成膜後、前記シリンダーを取り除く工程を含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかの項に記載のナノ構造体の製造方法。
  10. 請求項1乃至8のいずれかに記載の製造方法により製造したナノ構造体。
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