JP2004182940A - 制電性樹脂組成物 - Google Patents

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JP2004182940A
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Kazuo Hayatsu
一雄 早津
Masaki Enomoto
正樹 榎本
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Riken Technos Corp
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Abstract

【課題】高分子帯電防止樹脂を減量することができ電気抵抗率を低く保ち、ブリードなどの不具合がなく、かつ持続性に優れた制電性樹脂組成物を得ること。
【解決手段】(A)熱可塑性樹脂、未加硫ゴムおよび熱可塑性エラストマーの群から選ばれた少なくとも1種、ならびに(A)´分子鎖中にエーテル結合および/またはエステル結合を含む(共)重合体に対し、(B)特定のポリエステル化合物またはポリエーテル化合物の少なくとも1種、(C)アルカリ金属塩類および/またはアルカリ土類金属塩類、ならびに(D)分子構造中にポリエチレンオキサイド(CO)もしくはポリプロピレンオキサイド(CO)またはこれらの共重合体の構造を有し、分子末端が特定の官能基およびそのアルカリ金属化合物との塩からなる重合体を含有する制電性樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、制電性樹脂組成物に関し、さらに詳しくは、高分子帯電防止樹脂を減量することができ、高い制電特性を有し、持続性に優れ、ブリードなどの不具合がない制電性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
制電性樹脂は、産業界において広く普及し、さまざまな用途に利用されている。
この制電性樹脂としては、例えば、各樹脂に対してカーボンブラックなどの導電性フィラーを高充填した組成物があり、経済性に優れることもあって、産業界を中心として広く利用されている。
ところで、近年、制電性樹脂およびその組成物は、ICチップの包装関係に普及し、材料のバリエーションも汎用プラスチックスからエンジニアリングプラスチックスに至るまで多様化している。また、用いられる導電性充填材も、カーボンブラック以外に、炭素繊維、黒鉛、金属コートフィラー、金属繊維などが、目的および機能に応じて広く使い分けられている。ICチップの包装に使用されるICトレーなどの素材としての制電性樹脂組成物は、軽量化、薄肉化、コンパクト化が検討されるようになり、強度と高い剛性が求められる傾向にある。さらに、ICの種類の識別などを目的として、トレー、キャリアテープにも着色性などの意匠性の要求もある。
【0003】
このような要求に対し、制電性フィラーとして汎用されているカーボンブラックは、経済的であり、体積(表面)抵抗率の低いものが得られるが、黒色に限定されるのと、一般的には加工性や材料強度などに問題があることから、通常は種々の改質材と共に複合化されて使用されている。
さらに、近年、ICやLSIなどの高性能化と大容量化によってトレーなどの包装用途や周辺機器に使用される高分子素材に求められる電気特性としては、体積抵抗率が1010Ω・cm未満、または表面抵抗率が1010Ω/sq.未満の特性が安定して求められるようになり、いわゆる従来の帯電防止領域の水準では充分ではなくなっているほか、静電気を利用した電子写真システムなどの普及により比較的高い体積(表面)抵抗率を安定的に発現させる高分子素材も求められるようになっている。
【0004】
また、帯電防止剤を含有した制電性樹脂組成物も広く普及しており、さまざまな用途に応用されている。帯電防止剤には、表面にブリードさせて機能を持たせる界面活性剤型のものと、いわゆる高分子と称する、親水性セグメントを構造中に有する親水性高分子材料を、ポリマーアロイ化することによって機能を発現させるものがある。
界面活性剤型は、樹脂組成物中に含有されている界面活性剤の表面への移行によって帯電防止を図るものであるが、表面の払拭、洗浄によって制電性効果が失われたり、表面汚染、持続性の問題があるほか、満足のいく体積(表面)抵抗率は得られない。
【0005】
一方、熱可塑性樹脂に対し、高分子帯電防止剤を添加することは、永久的な制電性能を付与するものであり、産業上の利用価値が高い。しかしながら、高い制電機能を発現させようとすると、アロイ化するために必要な高分子帯電防止剤の量が多くなるため、経済的に問題となる場合がある。高分子帯電防止剤は一般的に親水性セグメントを有しているものが多く、柔軟性を有するものが多いため、アロイ化することにより、得られる制電性樹脂材料の剛性が低下し、成形品の変形が生じるなど、電気抵抗値は低いものが得られるが (特願2000−204539号明細書)、大型の成型品や薄肉の成型品を得る上で問題となる場合が多い。
従って、より電気抵抗値を低く保ちかつ剛性の高い成型品を得るためには高分子帯電防止剤の添加を抑える代わりに高分子帯電防止剤としての機能を補足する物質が必要であった。
一方、剛性の発現のために一般的には無機のフィラーが用いられるが、比重の増大を招いたり機械特性特に衝撃強度や伸びの低下を招くなどの問題があった。
【0006】
さらに、従来知られている上記界面活性剤型、高分子帯電防止剤を使用して得られる制電性樹脂組成物は、いずれも、その体積(表面)抵抗率が1010〜1012Ω・cm(1010〜1012Ω/sq.)までがほとんどであるため、目的を充分に満足しえない場合が多い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような従来の技術的課題を解決するものであり、高分子帯電防止樹脂を減量することができ電気抵抗率を低く保ち、ブリードなどの不具合がなく、かつ持続性に優れた制電性樹脂組成物を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)熱可塑性樹脂、未加硫ゴムおよび熱可塑性エラストマーの群から選ばれた少なくとも1種75〜97重量部、ならびに(A)´分子鎖中にエーテル結合および/またはエステル結合を含む(共)重合体[ただし、(A)成分を除く]25〜3重量部〔ただし、(A)+(A)´=100重量部〕の合計量100重量部に対し、
(B)下記式(1)もしくは(2)で表される構造を有するポリエステル化合物(以下「(B−1)成分」あるいは「(B−2)成分」ともいう)、または下記式(3)で表される構造を有し、かつ全ての分子鎖末端がCH基および/またはCH基であるポリエーテル化合物(以下「(B−3)成分」ともいう)の少なくとも1種0.1〜20重量部、
R−(Y−Z)−Y−R ・・・(1)
X−(Z−Y)−Z−X ・・・(2)
〔式(1)〜(2)中、Rは脂肪族アルコキシ基、脂環式アルコキシ基または芳香族アルコキシ基、Yは炭素数4〜12のアルキレンジカルボン酸残基または芳香族ジカルボン酸残基、Xは脂肪酸残基またはベンゼンモノカルボン酸残基、Zは炭素数2〜12のアルキレングリコール残基、mは0以上の整数を示す。)
−{O(AO)}−基 ・・・(3)
〔式(3)中、Aは炭素数2〜4のアルキレン基、nは1〜7の整数を示す。〕
(C)アルカリ金属塩類および/またはアルカリ土類金属塩類0.001〜3重量部、ならびに
(D)分子構造中にポリエチレンオキサイド(CO)もしくはポリプロピレンオキサイド(CO)(これらの式中、pは1〜1,0000の整数を示す)またはこれらの共重合体の構造を有し、分子片末端または両末端水酸基が炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルキル基、およびまたはそれらの脂肪酸エステル基、アルキルフェニル基、アリルアルキル基、アルキルアミン基、グリセリル基、エポキシ基、スルホ基およびそれらのアルカリ金属化合物との塩、からなる重合体の少なくとも1種0.05〜10重量部
を含有する制電性樹脂組成物に関する。
【0009】
ここで、上記(A)´成分としては、ポリエステル系(共)重合体樹脂、ポリアミド系(共)重合体樹脂、ポリウレタン系(共)重合体樹脂、ポリアルキレンオキサイド樹脂、アルキレンオキサイド/アリルグリシジルエーテル共重合樹脂、ポリエーテルエステルアミド樹脂、ポリエーテルエステルアミドイミド樹脂、ポリエステルエステルアミドイミド樹脂、アルキル変性ポリエーテルエステルアミド樹脂、ポリエステルエステルアミド樹脂、脂肪族ポリエステル樹脂より選ばれた少なくとも1種が好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の制電性樹脂組成物に用いられる(A)成分中のうち、熱可塑性樹脂は、公知の樹脂が使用できる。具体的には、ポリオレフィン系樹脂〔(低密度、中密度、高密度、直鎖状低密度)ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、ポリブテン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、EVA樹脂、EVOH樹脂など〕、ポリスチレン系樹脂(ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、AXS樹脂など)、ポリアミド系樹脂(ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイロン12など)、ポリアセタール系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ2,4−シクロへキシルジメチレンテレフタレート、全芳香族ポリエステルなど)、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂(ポリアクリレート、アクリレート/メタクリレート樹脂など)、塩化ビニル系樹脂(塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂など)、フッ素樹脂(ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合樹脂、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂など)、液晶ポリエステル系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ジアリールフタレート系樹脂、ポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられる。好ましくは、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂である。
【0011】
なかでも、成形性の点からは、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)などのビニルモノマー重合体または共重合体;ポリプロピレン、結晶性プロピレン−エチレン共重合体や結晶性プロピレン−ブテン1共重合体などの結晶性プロピレン共重合体、ナイロン、ポリブチレンテレフタレートなどが好ましく、特にポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン三元共重合体(ABS樹脂)などのビニルモノマー重合体または共重合体が好ましい。
また、耐熱性の点からは、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、芳香族ポリエーテルなどが好ましい。これらの樹脂は、単独でも、2種以上を組み合わせても使用できる。
【0012】
また、(A)成分中のうち、未加硫ゴムとしては、公知のゴムが使用できる。具体的には、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム(EPM、EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、エピクロロヒドリンゴム(CO、ECO)、塩素化ポリエチレン、シリコーンゴム、フッ化ゴム、ウレタンゴムなどが挙げられる。これらのゴムは、単独でも、2種以上組み合わせても使用できる。
【0013】
さらに、(A)成分中のうち、熱可塑性エラストマーとしては、公知のエラストマーが使用できる。具体的には、ポリアミド系エラストマー(TPAE)、ポリエーテル/ポリエステル系熱可塑性ポリエステルエラストマー(TPEE)、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、スチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)(具体例としては、スチレン−エチレン・ブテン−スチレン共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン・エチレン・プロピレン−スチレン共重合体(SEEPS)、スチレン−ブタジエン・ブチレン−スチレン共重合体(部分水添スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、SBBS)などが挙げられる。
(A)成分は、上記熱可塑性樹脂、未加硫ゴムおよび熱可塑性エラストマーを適宜組み合わせて使用してもよい。
【0014】
次に、本発明の(A)´成分は、上記(A)成分に併用することにより、(A)´成分自体が有する帯電防止機能を付与する。
(A)´分子鎖中にエーテル結合および/またはエステル結合を含む(共)重合体としては、例えば、ポリエステル系(共)重合体樹脂、ポリアミド系(共)重合体樹脂、ポリウレタン系(共)重合体樹脂、ポリアルキレンオキサイド樹脂、アルキレンオキサイド/アリルグリシジルエーテル共重合樹脂、ポリエーテルエステルアミド樹脂、ポリエーテルエステルアミドイミド樹脂、ポリエステルエステルアミドイミド樹脂、アルキル変性ポリエーテルエステルアミド樹脂、ポリエステルエステルアミド樹脂、および脂肪族ポリエステル樹脂より選ばれた少なくとも1種の(共)重合体が挙げられる。
【0015】
上記のうち、脂肪族ポリエステル樹脂は、一般的に市販されているものも用いることができる。例えば、昭和高分子(株)より販売されている商品名ビオノーレ(ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート)やダイセル化学工業(株)より販売されている商品名セルグリーン(ポリカプロラクトン)などの生分解性脂肪族ポリエステルが挙げられるが、用途や特性に応じた樹脂を任意に選定することができる。工業的には、脂肪族ジカルボン酸と過剰のジオールを出発原料として、脱水重縮合反応および脱ジオール反応によって合成されるものなどが挙げられる。このような生分解性脂肪族ポリエステルとしては、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネートおよびその共重合体が一般的であり、各種高分子量タイプが工業生産されている。
【0016】
本発明に好適に用いられる生分解性脂肪族ポリエステルとしては、ポリブチレンサクシネート(コハク酸と1,4−ブタンジオールの2元系縮合物)、ポリブチレンサクシネートアジペート(コハク酸およびアジピン酸、ならびに1,4−ブタンジオールの3元系縮合物)などが挙げられる。
また、本発明の脂肪族ポリエステルには、イソシアネート基、ウレタン基といった反応基を構造中に導入することも可能である。さらに、本発明の脂肪族ポリエステルとして、ポリ乳酸などを共重合したコポリエステルのような種々の共重合体を用いることもできる。
【0017】
本発明の(A)´成分の含有量は、用途により異なるが、(A)〜(A)´成分100重量部中に、3〜25重量部、好ましくは5〜20重量部である。3重量部未満であると電気特性が不充分である。一方、25重量部を超えると、電気特性は良好であるが、成形収縮率が大きく、寸法安定性が劣り、精密な成形品には不向きである。
【0018】
次に、本発明の制電性樹脂組成物には、(B)成分である上記式(1)〜(3)で表される構造を有するポリエステル化合物、ポリエーテル化合物の群から選ばれた少なくとも1種が含まれる。
本発明の樹脂組成物は、(B)成分を含むことにより、金属塩の溶解性、解離安定性、ブリードアウト防止、電気伝導性の促進、加工安定性、表面外観の改良に効果がある。
【0019】
上記(B−1)〜(B−2)成分は、一般的なエステル化合物の製造方法によって製造することができる。すなわち、多塩基酸成分と多価アルコール成分、ならびに一価アルコール成分および/または一価カルボン酸成分を用いて縮合させて製造される。
【0020】
上記多塩基酸成分としては、例えば、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸などの好ましくは炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸などや、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、ならびにそれらの無水物などが挙げられる。多塩基酸成分は、これら1種または2種以上の混合物として使用できる。
【0021】
上記多価アルコール成分としては、例えばエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコ−ル、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロールペンタン)、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロールヘプタン)、3−メチル−1,5−ペンタン−ジオール−1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−オクタデカンジオールなどの炭素数2〜18の脂肪族グリコール、およびジエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコールなどが挙げられる。
多価アルコール成分は、1種または2種以上の混合物として使用できる。
【0022】
一価アルコール成分としては、オクタノール、イソオクタノール、2−エチルヘキサノール、ノナノール、イソノナノール、2−メチルオクタノール、デカノール、イソデカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ヘキサデカノール、オクタデカノールなどの炭素数8〜18の脂肪族アルコ−ル、シクロヘキサノールなどの脂環式アルコール、ベンジルアルコール、2−フェニルエタノール、1−フェニルエタノール、2−フェノキシエタノール、3−フェニル−1−プロパノール、2−ヒドロキシエチルベンジルエーテルなどの芳香族アルコールが挙げられる。一価アルコール成分は、1種または2種以上の混合物として使用できる。
【0023】
一価カルボン酸成分としては、例えばカプリル酸、ノナン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸などが挙げられ、1種または2種以上の混合物として使用できる。
【0024】
なお、(B−1)〜(B−2)のポリエステル化合物には、必要に応じ、グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメリット酸、ピロメリット酸などの3価またはそれ以上の多価アルコールおよび多塩基酸を変性剤として使用してもよい。
【0025】
また、(B−1)〜(B−2)のポリエステル化合物には、必要に応じ、カルボン酸基とアルコール基、またはカルボン酸残基とアルコール残基を分子内に有する化合物、例えばカプロラクトン、1,2−ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸、ラノリン誘導脂肪酸、オキシ安息香酸などを、多塩基酸および多価アルコールの一部として組み込ませ用いることも可能である。
【0026】
これらの(B−1)〜(B−2)ポリエステル化合物の合成反応は、例えばパラトルエンスルフォン酸、リン酸、などの酸触媒、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、ジブチル錫オキサイド、ジオクチルオキサイド、および塩化亜鉛などの金属触媒により促進されるので、通常、これらの触媒の存在下で行なうのが良い。触媒の使用量は、通常、0.005〜0.200%の範囲である。
通常、その反応は、100〜250℃、好ましくは130〜250℃に加熱して反応させる。
【0027】
本発明で使用される(B−1)〜(B−2)のポリエステル化合物の数平均分子量(Mn)は、好ましくは100〜4,000、好ましくは200〜1,000が好適である。性能の安定上、通常、(B)成分へ後記(C)成分を溶解して用いることが好ましく、数平均分子量が100未満であると溶解性は良好であるが、(B)成分の他樹脂との接触による移行、熱安定性、揮発特性の低下に伴う加工時のガス発生などの問題を引き起こす。一方、4,000を超えると溶解した溶液の粘度が著しく上昇するため配合作業性が悪くなる。
【0028】
(B−1)〜(B−2)の使用量は、(A)〜(A)´成分100重量部に対し、0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部の範囲である。0.1重量部未満では、充分な導電性を得ることが難しく、一方、20重量部を超えると、得られる組成物の粘度が著しく低下し、成形加工が困難となるほか、熱安定性、揮発特性の低下に伴う加工時のガス発生などの問題、ブリードアウトなどの問題が生じる他、得られる組成物の物理的特性の低下を招く。
【0029】
一方、(B−3)成分は、−{O(AO)}−基(Aは炭素数2〜4のアルキレン基、nは1〜7の整数を示す)を有し、かつ分子鎖末端がCH基および/またはCH基である有機化合物である。上記分子鎖末端のCH基とは、二重結合をしている炭素原子を有するものである。好ましくは、全ての分子鎖末端がCH基および/またはCH基である有機化合物である。上記分子鎖末端のCH基とは、二重結合をしている炭素原子を有するものである。
本発明に用いられる(B−3)成分は、例えば、炭素数1〜9の直鎖、または分岐脂肪族アルコール1モルに、炭素数2〜4のアルキレンオキシドを1〜7モル付加して得られるアルコールと、二塩基酸とを原料として、一般的なエステル化合物の製造方法によって製造することができる。
【0030】
ここで、上記アルコールの例としては、プロパノール1モルにエチレンオキシド1〜7モル、プロピレンオキシド1〜4モル、またはブチレンオキシド1〜3モル、ブタノール1モルにエチレンオキシド1〜6モルまたはプロピレンオキシド1〜3モル、ヘキサノール1モルにエチレンオキシド1〜2モル、ペンタノール1モルにエチレンオキシド1〜5モル、プロピレンオキシド1〜3モル、またはブチレンオキシド1〜2モル、オクタノール1モルにエチレンオキシド1〜5モル、プロピレンオキシド1〜3モル、またはブチレンオキシド1〜3モル、ノナノール1モルにエチレンオキシド1〜4 モル、プロピレンオキシド1〜2モル、またはブチレンオキシド1〜2モルを、それぞれ、付加させたヒドロキシル化合物が挙げられる。
なお、これらの化合物の中で、ブタノール1モルにエチレンオキシド2モルを付加させた2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール、ブタノール1モルにエチレンオキシド1モルを付加させた2−ブトキシエタノールが、加工性とのバランスに良い。
また、上記二塩基酸としては、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、コハク酸などのカルボン酸、およびこれらのカルボン酸無水物などが挙げられる。
【0031】
上記原料を使用して製造される(B−3)成分は、末端にヒドロキシル基を有さないアルキル基である化合物である。特に好ましくは、下記化学式(1)に示されるアジピン酸ジブトキシエトキシエチル(ビス〔2−(2ブトキシエトキシ)エチル〕アジペート)、または下記化学式(2)に示されるビス(2−ブトキシエチル)フタレートである。
【0032】
COO(CHCHO)
Figure 2004182940
(CH ・・・・・(1)
Figure 2004182940
COO(CHCHO)
【0033】
COOCHCHOC
Figure 2004182940
Ph ・・・・・(2)
Figure 2004182940
COOCHCHOC
【0034】
(B−3)成分を添加する場合の添加量は、(A)〜(A)エ成分の合計量100重量部に対し、0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部の範囲である。0.1重量部未満では、充分な導電性を得ることが難しく、一方、20重量部を超えると、得られる組成物の粘度が著しく低下し、成形加工が困難となるほか、ブリードアウトが生じ、物理的特性の低下を招く。
【0035】
次に、本発明の(C)アルカリ金属塩類またはアルカリ土類金属塩類は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属であるカチオン、およびイオン解離可能なアニオンとによって構成されている化合物である。
(C)成分のアルカリ金属またはアルカリ土類金属としては、リチウムLi、ナトリウムNa、カリウムK、マグネシウムMg2+およびカルシウムCa2+が挙げられ、好ましくはイオン半径の小さいリチウム、ナトリウム、さらに好ましくはリチウムである。
また、(C)成分のイオン解離可能なアニオンとしては、例えば、Cl,Br,F,I,NO ,SCN,ClO ,CFSO ,BF ,(CFSO,(CFSOなどが挙げられる。好ましくは、過塩素酸アニオンClO 、トリフルオロメタンスルホン酸アニオンCFSO 、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(CFSO、およびトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド(CFSOであり、さらに好ましくはCFSO ,(CFSO,(CFSOである。
【0036】
上記カチオンおよびアニオンによって構成されている金属塩類は数多くあるが、中でも、過塩素酸リチウムLiClO,過塩素酸ナトリウムNaClO,過塩素酸マグネシウムMg(ClO,過塩素酸カリウムKClO,トリフルオロメタンスルホン酸リチウムLi(CFSO),ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムLi・N(CFSO,ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドカリウムK・N(CFSO,ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドナトリウムNa・N(CFSO,トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドリチウムLi・C(CFSO,トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドナトリウムNa・C(CFSOが好ましい。中でも、過塩素酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムおよびトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドリチウムがさらに好ましい。特に、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドリチウムが好ましい。
(C)成分としては、これらの金属塩類の中から1種または2種以上の混合物が目的に応じて適宜選択される。
【0037】
(C)成分は、少量存在するだけで樹脂組成物の体積(表面)抵抗率が低くなるが、配合量としては、(A)〜(A)´成分の合計量100重量部に対し、好ましくは0.001〜3.0重量部、さらに好ましくは0.3〜2.4重量部である。0.001重量部未満であると導電性が不十分である。一方、3.0重量部を超えると導電性は変わらず、物性、熱安定性が低下する。
【0038】
なお、(C)成分は、それ単独でも使用可能であるが、金属塩類の解離状態が不充分で必要以上の添加量を要する場合が多いほか、金属塩によっては危険性の高いものもあることから、好ましくは上記(B)ポリエステル化合物やポリエーテル化合物に予め溶解したものを使用した方が好ましい。
【0039】
次に、本発明に用いられる(D)成分は、分子構造中にポリエチレンオキサイド(CO)もしくはポリプロピレンオキサイド(CO)またはこれらの共重合体の構造を含有し、分子片末端または両末端が炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルキル基、およびまたはそれらの脂肪酸エステル基RCOO−、アルキルフェニル基、アリルアルキル基、RCH=CH、アルキルアミンRN<、グリセリル基C−、エポキシ基、スルホン酸基SOHおよびそれらのアルカリ金属化合物との塩、からなる重合体が挙げられる。
【0040】
例えば、(D)成分としては、以下の構造体が一般的に知られており、工業的に製法可能なものである。
ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム塩:RO(CO)SONa、
ポリオキシエチレンアルキルエーテルエタンスルホン酸ナトリウム:RO(CO)CHCHSONa、
ポリエチレングリコールラウリルエーテル:C1225O(CO)H、
ポリオキシセチルエーテル:C1633O(CO)H、
ポリオキシステアリルエーテル:C1837O(CO)H、
ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル:C17(C)O(CO)H、
ポリオキシエチレンモノステアレート:C1735COO(CO)H、
ポリエチレングリコールステアリルアミン:
1837N−(CO)
Figure 2004182940
(CO)H、
ポリエチレングリコールジステアレート:C1735COO(CO)OCC1735
ポリプロピレングリコールステアリン酸エステル:C1735COO(CO)OCC1735
ポリエチレングリコールジメチルエーテル:CHO(CO)CH
ポリエチレングリコールモノメチルエーテル:HO(CO)CH
ポリオキシエチレングリセリルエーテル:C[O(CO)H]
ポリオキシエチレンアリルメチルエーテル:CHO(CO)CHCH=CH
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアリルブチルエーテル:CO(CO)(CO)CHCH=CH
ポリエチレンオキサイド:(CO)またはポリプロピレンオキサイド:(CO)
などが挙げられる。
ここで、繰り返し単位数p,qは、それぞれ同一でも異なっていてもよく、1以上10,000未満、好ましくは2以上300未満が良い。10,000を超えると、エチレンオキサイドの結晶化を招くことによって導電性の発現に支障を来たすなどの問題がある。
【0041】
(D)成分の添加量は(A)〜(A)´成分の合計100重量部に対し0.05〜10重量部、好ましくは0.2〜5重量部、さらに好ましくは0.5〜3重量部である。0.05重量部より少ないと高分子帯電防止樹脂の添加量を十分に減量することが困難であり、制電性の発現効果が乏しい。一方、10重量部を超えると物理的特性を低下させるだけでなく成型加工性が悪化するほか、成型品の表面への析出汚染など不具合が多く発生する。
【0042】
本発明の制電性組成物には、本発明の目的を損なわないかぎり、安定剤、着色剤、可塑剤、分散剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、難燃剤、安定剤、補強剤、滑剤、発泡剤、耐候(光)剤、金属粉などの添加剤を配合することができる。
【0043】
本発明の組成物は、予備混合し、溶融混練して、通常の2次加工原料形態であるペレット状コンパウンドとしても使用することができる。ペレット加工することによって、各種成分を均一に予備分散ならしめ、高分子特性としての安定性を得ることができる。
ペレット状コンパウンドの加工において用いられる予備混合機としては、予備分散、分配、拡散混合を目的とするブレンダーが用いられる。ブレンダーの代表例としては、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー(スーパーミキサー)、タンブラーミキサー、タンブルミキサー、エアーブレンダーなどが挙げられる。これらの予備混合機は、充填される可塑剤や副資材の形態や拡散レベルに応じて選定される。また、予備混合機を用いず、各配合物をそれぞれ異なるブラベンダーなどの定量切出機や定量液体添加装置を用いて、溶融混練機に投入してもよい。溶融混練機としては、一般的には単軸、二軸押出機、バンバリー式、ロール式などが挙げられる。これらも、組成物の形態や目的、生産性に応じて選定し、溶融混練することにより、ペレット状の原料を製造することが可能である。
また、本発明の組成物は、配合物をドライブレンドして得られるパウダー状としても使用できる。上記ペレット状コンパウンドの加工において用いられる予備混合機を用いて、ドライブレンドしてパウダー状の混合物の原料を製造することも可能である。
【0044】
本発明の制電性樹脂組成物は、通常の熱可塑性樹脂の混合、混練に用いられる通常の装置、設備を用いて問題なく製造できる。押し出し機としては、ベント付きの単軸、二軸異方向、二軸同方向押し出し機が望ましい。また、押し出し機に代えて、スーパーミキサー、バンバリーミキサー、ニーダー、コニーダーなどの混練機を用いても良い。通常、(B)成分は、溶液の形態を有するためポンプなどを用いて定量的に供給することも可能である。
【0045】
本発明の制電性樹脂組成物は、その優れた特性を生かし、先述の機械部品、自動車部品、スポーツ用品関係、OA機器、家電分野、電気・電子分野、その他の各種パーツ、パッケージ、チューブ、被覆関係などの静電気対策関係に好適に使用することができる。
【0046】
【実施例】
以下、実施例を挙げ、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、実施例中の部および%は、特に断らない限り重量部および重量%である。
【0047】
実施例および比較例に用いた各種成分は、以下のとおりである。
(A)成分;ABS樹脂 テクノポリマー(株)製 商品名テクノABS350
(A)´成分;生分解樹脂 昭和高分子(株)製 商品名ビオノーレ #3020(ポリブチレンサクシネートアジペート)
(A)´成分;ポリエーテルエステルアミド樹脂 三洋化成工業(株)製 商品名ペレスタット6321NC
(B)−1成分;アジピン酸系ポリエステル、Mn=800、末端脂肪族アルコキシ基、大日本インキ化学工業(株)製 商品名ポリサイザーW−220−EL
(B)−3成分;アジピン酸ジブトキシエトキシエチル 三光化学工業(株)製、商品名 サンコノール0862―0
(C)−1成分;過塩素酸リチウム
(C)−2成分;ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム
なお、(C)成分は(B)成分へ予め溶解したものを用いた。
(B)−1成分:(C)−2成分=80:20 wt%〔三光化学工業(株)製 サンコノールW220EL−20R〕
(B)−3成分:(C)−1成分=82:18 wt%〔三光化学工業(株)製 サンコノール0862−18〕
(D)成分; ポリエチレングリコールジステアレート
1735COO(CO)OCC1735(p≒100〜150)〔日本油脂(株)製 ノニオンDS−60HN〕
【0048】
試験片の調製;
サンプルペレットを型締め圧力80ton/cmの射出成形機により、試験片を成形した。成形条件は、シリンダー温度=220℃、金型温度は60℃であった。
【0049】
物性測定は、試験片を室温23±2℃、相対湿度50%中で24時間調整後、下記物性の測定を行った。
表面抵抗率;
幅6×長さ6×厚み0.3(cm)の射出成形試験片を用い、三菱化学(株)製、ハイレスタにて、ASTM D257に準じて測定を行なった。本発明の目的とする表面抵抗率は、1010Ω/sq.以下である。
ブリードの確認は温度40℃、相対湿度90%中、で1週間放置した時の表面状態の観察を目視にて実施しブリード大のものラ、若干感じられる程度△、無いもの○で示す。
曲げ強度(曲げ弾性率)
ASTM D760に準じて測定した。下記表中の単位は、MPaである。
【0050】
実施例1〜4、比較例1〜4
表1の配合処方に基づき、(A)〜(D)成分およびその他の添加成分をタンブラーミキサーにより予備ドライブレンドし、47mm同方向2軸押し出し機により220℃で溶融混合し、ダイスから出た紐状の溶融混合物を水槽にて冷却処理し、カッターに通して樹脂組成物のペレットを作製し、評価した。結果を表1に示す。ブリードの確認は、温度23℃で1日目、目視で表面状態の観察をした後、7日間放置し表面状態同様に実施した。
【0051】
【表1】
Figure 2004182940
【0052】
【表2】
Figure 2004182940
【0053】
表1から明かなように、実施例1〜5は、本発明に係る制電性樹脂組成物であり、表面抵抗率が低く、ブリードが生起しておらず、曲げ弾性率も高い。
これに対し、比較例1は、本発明の(D)成分が配合されていない例であり、表面抵抗率が実用の範囲から外れる。比較例2は、本発明の(A)´成分が配合されていない例であり、表面抵抗率が高いうえに、ブリードの評価も低い。比較例3は、比較例2の組成物にさらに(D)成分を多く加えた例であり、比較例2に比べてブリードが悪化している。比較例4は、本発明の(D)成分の配合量が本発明未満の場合であり、表面抵抗率が実用の範囲から外れている。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、高分子帯電防止樹脂を減量することができ電気抵抗率を低く保ち、ブリードなどの不具合がなく、かつ持続性に優れた制電性樹脂組成物を得ることができる。

Claims (2)

  1. (A)熱可塑性樹脂、未加硫ゴムおよび熱可塑性エラストマーの群から選ばれた少なくとも1種75〜97重量部、ならびに(A)´分子鎖中にエーテル結合および/またはエステル結合を含む(共)重合体[ただし、上記(A)成分を除く]25〜3重量部〔ただし、(A)+(A)´=100重量部〕の合計量100重量部に対し、
    (B)下記式(1)もしくは(2)で表される構造を有するポリエステル化合物、または下記式(3)で表される構造を有し、かつ全ての分子鎖末端がCH基および/またはCH基であるポリエーテル化合物の少なくとも1種0.1〜20重量部、
    R−(Y−Z)−Y−R ・・・(1)
    X−(Z−Y)−Z−X ・・・(2)
    〔式(1)〜(2)中、Rは脂肪族アルコキシ基、脂環式アルコキシ基または芳香族アルコキシ基、Yは炭素数4〜12のアルキレンジカルボン酸残基または芳香族ジカルボン酸残基、Xは脂肪酸残基またはベンゼンモノカルボン酸残基、Zは炭素数2〜12のアルキレングリコール残基、mは0以上の整数を示す。)
    −{O(AO)}−基 ・・・(3)
    〔式(3)中、Aは炭素数2〜4のアルキレン基、nは1〜7の整数を示す。〕
    (C)アルカリ金属塩類および/またはアルカリ土類金属塩類0.001〜3重量部、ならびに
    (D)分子構造中にポリエチレンオキサイド(CO)もしくはポリプロピレンオキサイド(CO)(これらの式中、pは1〜10,000の整数を示す)またはこれらの共重合体の構造を有し、分子片末端または両末端水酸基が炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルキル基、およびまたはそれらの脂肪酸エステル基、アルキルフェニル基、アリルアルキル基、アルキルアミン基、グリセリル基、エポキシ基、スルホ基およびそれらのアルカリ金属化合物との塩からなる重合体の少なくとも1種0.05〜10重量部
    を含有することを特徴とする制電性樹脂組成物。
  2. (A)´成分が、ポリエステル系(共)重合体樹脂、ポリアミド系(共)重合体樹脂、ポリウレタン系(共)重合体樹脂、ポリアルキレンオキサイド樹脂、アルキレンオキサイド/アリルグリシジルエーテル共重合樹脂、ポリエーテルエステルアミド樹脂、ポリエーテルエステルアミドイミド樹脂、ポリエステルエステルアミドイミド樹脂、アルキル変性ポリエーテルエステルアミド樹脂、ポリエステルエステルアミド樹脂、および脂肪族ポリエステル樹脂より選ばれた少なくとも1種である請求項1記載の制電性樹脂組成物。
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