JP4236083B2 - 制電性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、制電性樹脂組成物に関し、さらに詳細には、帯電防止成分のブリードが抑制され、かつ表面抵抗率が低く環境変動の少ない持続性に優れた制電性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
制電性樹脂は、産業界において広く普及し、さまざまな用途に利用されている。
この制電性樹脂としては、例えば、各樹脂に対してカーボンブラックなどの導電性フィラーを高充填した組成物があり、経済性に優れることもあって、産業界を中心として広く利用されている。また、界面活性剤や親水性セグメントを構造中に有する制電性樹脂をポリマーアロイ化してなる制電性樹脂組成物も広く普及しており、さまざまな用途に応用されている。
ところで、近年、制電性樹脂およびその組成物は、ICチップの包装関係に普及し、材料のバリエーションも汎用プラスチックスからエンジニアリングプラスチックスに至るまで多様化している。また、用いられる導電性充填材も、カーボンブラック以外に、炭素繊維、黒鉛、金属コートフィラー、金属繊維などが、目的および機能に応じて広く使い分けられている。ICチップの包装に使用されるICトレーなどの素材としての制電性樹脂組成物は、軽量化、薄肉化、コンパクト化が検討されるようになり、強度と高い剛性が求められる傾向にある。さらに、ICの種類の識別などを目的として、トレー、キャリアテープにも着色性などの意匠性の要求もある。導電性フィラーにおいて汎用されているカーボンブラックは、経済的であり、表面抵抗率の低いものが得られるが、黒色に限定されるのと、一般的には加工性や材料強度などに問題があることから、通常は種々の改質材と共に複合化されて使用されている。IC関係の周辺機器に付随する各種ゴム、エラストマー製品についてもその対策が求められるようになっている。これらの用途についても、カーボンブラックでは摩擦摩耗によるコスレ、色調が黒に限定、成形加工性の問題など多くの問題が内在している。
【0003】
帯電防止剤は、表面にブリードさせて機能を持たせる界面活性型のものと、いわゆる高分子型帯電防止剤と称する親水性高分子材料をポリマーアロイ化することによって機能を発現させるものがある。界面活性剤型は、表面への移行によって帯電防止を図るものであるが、表面の払拭、洗浄によって効果が失われたり、表面汚染、持続性の問題があるほか、満足のいく表面抵抗率は得られない。高分子型帯電防止剤は、熱可塑性樹脂に対し親水性高分子材料をポリマーアロイ化することによって永久的な制電性能が付与されるものであり、産業上の利用価値が高い。しかしながら、高い制電機能を発現させようとすると、アロイ化される親水性高分子材料が多く必要となる。親水性高分子材料(制電性樹脂)は、一般的に親水性セグメントを有しているものが多く、柔軟性を有するものが多いため、材料の剛性が低下し、成形品の変形が生じる。これら界面活性剤,親水性高分子材料によって得られる制電性組成物の表面抵抗率は、いずれも1010〜1012Ω/sq.までである。
【0004】
近年、ICやLSIなどの高性能化と大容量化によってトレーなどの包装用途に求められる電気特性としては、表面抵抗率1010Ω/sq.未満の特性が求められるようになり、従来の制電性樹脂の奏する帯電防止領域の水準では充分ではなくなっており、カーボンブラックによって構成されているものが圧倒的に多く使用されている。
また、電解質として、ポリマーポリオール、およびアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンを添加する手段は、特開平2−138364号公報、特開平6−145530号公報、特開平7−228785号公報、特開平7−82411号公報に記載されているが、熱可塑性樹脂にブレンドするに、いずれも制電特性が充分ではなく、高い制電特性を発現させるためには、多量の添加を必要とする。このことはコストアップを招来し組成物の物理特性の低下が大きな問題であった。また、過塩素酸系トリフルオロメタンスルフォン酸系などの金属塩を添加する場合は、過塩素酸系による高分子の熱安定性阻害の問題も生じた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような従来の技術的課題を解決するものであり、表面抵抗率を低く保ち、帯電防止成分のブリードが抑制され、かつ環境変動の少ない持続性に優れた制電性樹脂組成物を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(a)熱可塑性樹脂、未加硫ゴムおよび熱可塑性エラストマーの群から選ばれた少なくとも1種〔ただし、下記(b)および(d)成分を除く〕70〜99重量部、および(b)下記(b−1)〜(b−3)の群から選ばれた少なくとも1種のポリマーポリオール30〜1重量部〔ただし、(a)+(b)=100重量部〕に対し、
(c)Li+、Na+、K+、Mg2+およびCa2+よりなる群から選ばれるカチオンならびにCl-,Br-,F-,I-,NO3 -,SCN-,ClO4 -,CF3SO3 -,BF4 -,(CF3SO2)2N-および(CF3SO2)3C-よりなる群から選ばれるアニオンとによって構成される金属塩0.1〜20重量部、ならびに
(d)下記式(2)で表される構造を有し、数平均分子量が100〜4000であるポリエステル化合物の少なくとも1種を0.1〜20重量部、
配合した制電性樹脂組成物に関する。
(b)成分;
(b−1):末端が水酸基を有し、エチレングリコール、プロピレングリコール、およびブタンジオールの群から選ばれた少なくとも1種の化合物を構成成分として有する直鎖状ブロック共重合体を骨格として有する直鎖状ポリマーポリオール
(b−2):アルキレンオキサイド系構成成分の含有率が10モル%〜50モル%であり、けん化度30〜100%、数平均分子量1,000〜20,000、エチレン単位含量が1〜90重量%であるエチレン−飽和カルボン酸ビニルエステル共重合体けん化物へ、アルキレンオキサイドをグラフトした分岐状ポリマーポリオール
(b−3):末端が水酸基を有するポリマーポリオールであって、3官能ポリオール構造へアルキレンオキサイドをグラフトして得られる分岐状ポリマーポリオール
式(2);
R−(Y−Z)n−Y−R ………(2)
〔式(2)中、Rは脂肪族アルコキシ基、脂環式アルコキシ基または芳香族アルコキシ基、Yは炭素数4〜12のアルキレンジカルボン酸残基または芳香族ジカルボン酸残基、Zは炭素数2〜12のアルキレングリコール残基、nは0以上の整数を示す。〕
上記(c)成分は、過塩素酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムおよびトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドリチウムの群から選ばれた少なくとも1種のリチウム塩であることが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
(a)熱可塑性樹脂、未加硫ゴムおよび熱可塑性エラストマー
本発明の制電性樹脂組成物に用いられる(a)熱可塑性樹脂は、公知の樹脂が使用できる。具体的には、ポリオレフィン系樹脂〔(低密度、中密度、高密度、直鎖状低密度)ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、ポリブテン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、EVA樹脂、EVOH樹脂など〕、ポリスチレン系樹脂(ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、AXS樹脂など)、ポリアミド系樹脂(ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイロン12など)、ポリアセタール系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ2,4−シクロへキシルジメチレンテレフタレート、全芳香族ポリエステルなど)、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂(ポリアクリレート、アクリレート/メタクリレート樹脂など)、塩化ビニル系樹脂(塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂など)、フッ素系樹脂(ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合樹脂、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂など)、液晶ポリエステル系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ジアリールフタレート系樹脂、ポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられる。
これらの樹脂は、単独でも、2種以上を組み合わせても使用できる。
【0008】
(a)熱可塑性樹脂のなかでも、成形性の点からは、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)などのビニルモノマー重合体または共重合体;ポリプロピレン、結晶性プロピレン−エチレン共重合体や結晶性プロピレン−ブテン1共重合体などの結晶性プロピレン共重合体、ナイロン、ポリブチレンテレフタレートなどが好ましく、特にポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン三元共重合体(ABS樹脂)などのビニルモノマー重合体または共重合体が好ましい。
また、耐熱性の点からは、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、芳香族ポリエーテルなどが好ましい。
【0009】
(a)未加硫ゴムとしては、公知のゴムが使用できる。具体的には、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム(EPM、EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、エピクロロヒドリンゴム(CO、ECO)、塩素化ポリエチレン、シリコーンゴム、フッ化ゴム、ウレタンゴムなどが挙げられる。これらのゴムは単独でも、2種以上を組み合わせても使用できる。
【0010】
(a)熱可塑性エラストマーとしては、公知のエラストマーが使用できる。具体的には、ポリアミド系エラストマー(TPAE)、ポリエーテル/ポリエステル系熱可塑性ポリエステルエラストマー(TPEE)、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、スチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)(具体例としては、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)、スチレン−エチレン・ブテン−スチレン共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン・エチレン・プロピレン−スチレン共重合体(SEEPS)、スチレン−ブタジエン・ブチレン−スチレン共重合体(部分水添スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、SBBS)などが挙げられる。
また、(a)成分としては、上記熱可塑性樹脂、未加硫ゴムおよび熱可塑性エラストマーを適宜組み合わせて使用してもよい。
【0011】
(b)ポリマーポリオール
次に、(b)ポリマーポリオールは、上記(b−1)〜(b−4)の群から選ばれた少なくとも1種である。
(b−1):
(b−1)成分は、末端が水酸基を有し、エチレングリコール、プロピレングリコール、およびブタンジオールの群から選ばれた少なくとも1種の化合物を構成成分として有する直鎖状ブロック共重合体を骨格として有する直鎖状ポリマーポリオールである。
(b−1)成分のグリコール成分の数平均分子量は、好ましくは100〜100,000、さらに好ましくは200〜50,000である。
(b−1)成分は、有機溶媒中において、エチレングリコール、プロピレングリコール、およびブタンジオールなどをイソシアネート化合物などの架橋剤を用いて重合する方法や、エチレングリコール、プロピレングリコール、およびブタンジオールなどを熱可塑性樹脂と溶融ブレンドして反応させ、重合することによって、容易に得ることができる。
【0012】
(b−2):
(b−2)成分は、アルキレンオキサイド系構成成分の含有率が10モル%〜50モル%であり、けん化度30〜100%、数平均分子量1,000〜20,000、エチレン単位含量が1〜90重量%であるエチレン−飽和カルボン酸ビニルエステル共重合体けん化物へ、アルキレンオキサイドをグラフトした分岐状ポリマーポリオールである。
上記エチレン−飽和カルボン酸ビニルエステル共重合体をけん化して得られる共重合体中のビニル結合の炭素原子が、ヒドロキシ基またはエーテル基などと酸素原子を介して結合している構造をいう。
ここで、アルキレンオキサイド系構成成分の含有率が50モル%を超えると、固体状となり取扱いが困難となり、一方、10モル%未満では、後記(c)、(d)成分の溶解が不充分となるほか、電気特性が低下する。
【0013】
エチレン−飽和カルボン酸ビニルエステル共重合体は、その製造方法については特に制限はなく、公知の方法、例えば高圧ラジカル重合法などにより製造し得る。
共重合原料である飽和カルボン酸のビニルエステルとしては、特に限定はないが、炭素数が2〜4程度の脂肪族カルボン酸のビニルエステルが好ましく、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなどが挙げられ、またこれらは適宜混合して使用することもできる。これらの中では酢酸ビニルが最も好ましい。また、共重合原料としては、エチレン、飽和カルボン酸ビニルエステルのほかに、少量のα,β-不飽和カルボン酸のアルキルエステル、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルなどおよびこれら2種以上の混合物などを用いることもできる。
【0014】
エチレン−飽和カルボン酸ビニルエステル共重合体のエチレン単位含量は、通常、1〜90重量%程度、好ましくは40〜80重量%程度である。また、数平均分子量は、1,000〜20,000、好ましくは1,000〜10,000程度である。
エチレン−飽和カルボン酸ビニルエステル共重合体のけん化反応については、その方法に特に制限はなく、例えばエチレン−飽和カルボン酸ビニルエステル共重合体とアルコールをアルカリ触媒の存在下で加熱してけん化してもよい。本発明の(b−2)ポリマーポリオールを得るには、上記アルカリ存在下でけん化後、アルコールを除去し、アルキレンオキサイドを導入、グラフトする方法が挙げられる。
【0015】
また、用いるエチレン−飽和カルボン酸ビニルエステル共重合体の分子量、飽和カルボン酸ビニルエステルの含有量などに起因する特性などに応じてアルコールとの不均一液相系、アルコール溶液系、アルコール中ペレット分散系などのけん化方法が適宜採用できる。けん化率は、エチレン−飽和カルボン酸ビニルエステル共重合体の飽和カルボン酸ビニルエステル含量によっても変わるが、30〜100%、好ましくは50〜100%程度である。
【0016】
また、エチレン−飽和カルボン酸ビニルエステル共重合体けん化物へのアルキレンオキサイドの付加方法については特に制限はないが、該けん化物にアルキレンオキサイドを気体状で反応させることが一般的である。アルキレンオキサイドとしては、特に限定はないが、通常、炭素数が2〜4程度のものが好ましく、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、環状エーテルである共重合体変性物などが挙げられる。中でも、エチレンオキサイドが好ましく使用される。アルキレンオキサイドは、2種以上使用することもでき、この場合ブロック付加させてもランダム付加させても良い。アルキレンオキサイドの付加量は、特に限定はないが、けん化物100重量%に対して、通常、20〜1,000重量%程度、好ましくは50〜500重量%程度である。
【0017】
(b−2)エチレン−飽和カルボン酸ビニルエステル共重合体けん化物のアルキレンオキサイド付加物は、エチレン−飽和カルボン酸ビニルエステル共重合体をけん化して飽和カルボン酸ビニルエステルの一部もしくはすべてをビニルアルコール構造に変化させたものに、アルキレンオキサイドをグラフトすることにより製造したものであり、主鎖がエチレン単位、側鎖がオキシアルキレン単位を有した構造である。
【0018】
本発明で用いるエチレン−飽和カルボン酸ビニルエステル共重合体としては、工業的な見地からの入手性、価格などからエチレン−酢酸ビニル共重合体が特に好適であり、酢酸ビニル単位含有量5〜50重量%、数平均分子量が1,000〜5,000のものがバルクけん化反応が容易なことからより好適である。また、そのエチレン−酢酸ビニル共重合体のけん化率は30〜100%の範囲が樹脂との相溶性のよいものを得るうえで好ましく、そのエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物へのアルキレンオキサイド付加量はエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物100重量部に対して50〜1,000重量部であることが、樹脂との相溶性、帯電防止性の効果の面でより好ましい。
なお、本発明に用いられる(c)成分であるLi+,Na+,K+などのアルカリ金属イオンとアニオンなどを含むイオン成分(金属塩)を、エチレン−飽和カルボン酸ビニルエステル共重合体けん化物あるいはアルキレンオキサイド中に予め少なくとも1種以上任意に含有していても構わない。
【0019】
(b−3):
(b−3)成分は、末端が水酸基を有するポリマーポリオールであって、3官能ポリオール構造へ、アルキレンオキサイドをグラフトして得られる分岐状ポリマーポリオールである。3官能ポリオール構造の3官能ポリオールとしては、ピロガロール、1,2,4−トリヒドロキシベンゼンなどのトリヒドロキシ芳香族化合物、グリセリン1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)エタンなどの脂肪族トリオール、トリエタノールアミンなどのトリアルコールアミン類などである。
これらの重合体は、例えばアセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、アセトニトリルなどのニトリル類、クロロホルムなどのハロゲン類、ジメチルホルムアミドなどのアミド類などが上げられ、限定されない。これら有機溶媒中においてイソシアネートなどの架橋剤を用いて重合する方法や、3官能ポリオール、アルキレンオキサイドを熱可塑性樹脂と溶融ブレンドして反応させ重合する方法によって容易に得ることができる。なお、アルキレンオキサイドとしては、特に限定はないが、通常、炭素数が2〜4程度のものが好ましく、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、環状エーテルである共重合体変性物などが挙げられる。
【0020】
(b−4):
(b−4)成分は、スチレン−無水マレイン酸共重合体とポリアルキレンオキシドモノアルキルエーテルとの反応によって得られるポリマーポリオールであり、スチレン−無水マレイン酸共重合体の数平均分子量が1,000〜400,000で、無水マレイン酸に対するスチレンの共重合モル比が1/1〜9であり、さらにポリアルキレンオキシドモノアルキルエーテルの数平均分子量が100〜5,000であり、該ポリアルキレンオキシドモノアルキルエーテルが下記式(1)で示される分岐状ポリマーポリオールである。
R1O−(CH2−CH−O)m−H
| ………(1)
R2
〔式(1)中、R1は炭素数1〜4のアルキル基、R2は水素原子、または炭素数1〜2のアルキル基、mは5〜100の整数を示す。〕
【0021】
なお、上記式(1)で表される重合体は、単独のみならず共重合体(例えば、R2が水素のものとメチル基のもの)であっても良い。これらの重合体の中でも、ポリエチレンオキシドモノメチルエーテルが反応性の面で好ましい。
ここで、スチレン−無水マレイン酸共重合体の数平均分子量は、通常、1,000〜400,000、好ましくは1,200〜10,000であり、1,000未満では、得られる生成物のブリ−ドが生じやすく、一方、400,000を超えると、溶融混合性が悪く反応が進み難く、得られる生成物の導電性が劣る。また、無水マレイン酸に対するスチレンの共重合モル比は、1/(1〜9)であり、1/(1未満)では、分岐状ポリマーになり難く、一方、1/(9を超える)場合は、反応性が劣る。
【0022】
ポリアルキレンオキシドモノアルキルエーテルの末端水酸基とスチレン無水マレイン酸共重合体の酸無水物基との反応によってポリスチレンを主鎖としてポリアルキレンオキシドモノアルキルエーテルを側鎖とする(b−4)分岐状(櫛形)ポリマーポリオールができる。
ポリアルキレンオキシドモノアルキルエーテルの数平均分子量は、100〜5,000、好ましくは500〜4,000、さらに好ましくは1,000〜3,000である。100未満では、ポリマーポリオール自体がもつ帯電防止機能が不充分となり、一方、5,000を超えると、スチレン無水マレイン酸共重合体との反応性が劣る。また、式(1)におけるR1の炭素数が4を超えると、イオン伝導性が劣る。
(b−4)成分は、希釈用として熱可塑性樹脂〔上記(a)成分が好ましい〕にスチレン−無水マレイン酸共重合体とポリアルキレンオキシドモノアルキルエーテルを混合し、2軸押出し機により200℃〜230℃にて溶融混練することにより、容易に得ることができる。
以上の(b−1)〜(b−4)成分は、1種単独で使用することも、また2種以上を併用することもできる。
【0023】
本発明の組成物において、(a)〜(b)成分の使用割合は、(a)成分および(b)成分の合計100重量部とすると、(a)成分70〜99重量部、(b)成分30〜1重量部、好ましくは(a)成分80〜95重量部、(b)成分20〜5重量部である。(b)成分の配合割合が30重量部を超えると、電気特性は良好であるが、成形収縮率が大きく、変形があり、精密な成形品には不向きである。一方、(b)成分が1重量部未満では、電気特性が不充分である。
【0024】
(c)金属塩
本発明の(c)成分のカチオンは、Li+、Na+、K+、Mg2+およびCa2+である。中でもイオン半径の小さいLi+,Na+が好ましく、特に好ましくは、リチウムLi+である。
また、(c)成分のアニオンは、Cl-,Br-,F-,I-,NO3 -,SCN-,ClO4 -,CF3SO3 -,BF4 -,(CF3SO2)2N-および(CF3SO2)3C-であり、好ましくは(CF3SO2)2N-、(CF3SO2)3C-である。
【0025】
上記カチオンおよびアニオンによって構成されている金属塩は数多くあるが、中でも、過塩素酸リチウムLi・ClO4、トリフルオロメタンスルホン酸リチウムLi・CF3SO3、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム:Li・N(CF3SO2)2、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドナトリウム:Na・N(CF3SO2)2、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドリチウム:Li・C(CF3SO2)3、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドナトリウム:Na・C(CF3SO2)3を用いることが好ましく、特に、過塩素酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムおよびトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドリチウムが好ましい。これらを少量添加するだけで表面抵抗率が低くなるので、上記効果が一層発揮されることになる。
本発明の組成物は、上記(c)金属塩の中から1種または2種以上の混合物が目的に応じて適宜選択される。
【0026】
(c)金属塩の配合量は、(a)〜(b)成分の合計量100重量部に対し、0.1〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部の範囲である。0.1重量部未満では、充分な導電性を得ることが難しく、一方、20重量部を超えると、樹脂の機械特性、加工特性、熱安定性を損う。
本発明では、後記(d)成分中に予め(c)成分を分散安定化させて使用することが望ましい。
【0027】
(d)ポリエステル化合物
本発明の制電性樹脂組成物には、(d)上記式(2)で表される構造を有するポリエステル化合物の少なくとも1種が配合される。
本発明の組成物において、(d)成分は、金属塩の溶解性、解離安定性、ブリードアウト防止、電気伝導性の促進、加工安定性、表面外観の改良に効果がある。
上記(d)成分は、一般的なエステル化合物の製造方法によって製造することができる。すなわち、多塩基酸成分と多価アルコール成分、ならびに一価アルコール成分および/または一価カルボン酸成分を用いて縮合させて製造される。
【0028】
上記多塩基酸成分は、例えば、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、アゼライン酸およびドデカンジカルボン酸などの好ましくは炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸などや、フタル酸、イソフタル酸およびテレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、ならびにそれらの無水物などが挙げられる。
多塩基酸成分は、1種または2種以上の混合物として使用できる。
【0029】
上記多価アルコール成分は、例えばエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコ−ル、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロールペンタン)、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロールヘプタン)、3−メチル−1,5−ペンタン−ジオール−1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール,2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−オクタデカンジオールなどの炭素数2〜18の脂肪族グリコール、およびジエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコールなどが挙げられる。
多価アルコール成分は、1種または2種以上の混合物として使用できる。
【0030】
一価アルコール成分は、例えばオクタノール、イソオクタノール、2−エチルヘキサノール、ノナノール、イソノナノール、2−メチルオクタノール、デカノール、イソデカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ヘキサデカノール、およびオクタデカノールなどの炭素数8〜18の脂肪族アルコ−ル、シクロヘキサノールなどの脂環式アルコール、ベンジルアルコール、2−フェニルエタノール、1−フェニルエタノール、2−フェノキシエタノール、3−フェニル−1−プロパノール、および2−ヒドロキシエチルベンジルエーテルなどの芳香族アルコールが挙げられる。
一価アルコール成分は、1種または2種以上の混合物として使用できる。
【0031】
一価カルボン酸成分としては、例えばカプリル酸、ノナン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、安息香酸、p−t−ブチル安息香酸、オルソトルイル酸、メタトルイル酸、パラトルイル酸、ジメチル安息香酸、エチル安息香酸、ノルマルプロピル安息香酸、アミノ安息香酸、アセトキシ安息香酸などが挙げられる。
一価カルボン酸成分は、1種または2種以上の混合物として使用できる。
【0032】
これら(d)ポリエステル化合物の合成反応は、例えばp−トルエンスルホン酸、リン酸、などの酸触媒、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、ジブチル錫オキサイド、ジオクチルオキサイド、および塩化亜鉛などの金属触媒により促進されるので、通常これらの触媒の存在下で行なうのが良い。通常、その反応は、100〜250℃好ましくは130〜250℃に加熱して反応させる。
【0033】
(d)ポリエステル化合物には、必要に応じ、グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメリット酸、およびピロメリット酸などの3価またはそれ以上の多価アルコールおよび多塩基酸を変性剤として使用してもよい。
(d)ポリエステル化合物には、必要に応じ、カルボン酸基とアルコール基、またはカルボン酸残基とアルコール残基を分子内に有する化合物、例えばカプロラクトン、1,2−ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸、ラノリン誘導脂肪酸、オキシ安息香酸などを、多塩基酸および多価アルコールの一部として組み込ませ用いることも可能である。
【0034】
本発明で使用される(d)ポリエステル化合物の数平均分子量(Mn)は、好ましくは100〜4,000、好ましくは200〜1,000が好適である。100未満であると溶解性は良好であるが、(B)成分の他樹脂との接触による移行、熱安定性、揮発特性の低下に伴う加工時のガス発生などの問題を引き起こす。一方、4,000を超えると溶解した溶液の粘度が著しく上昇するため配合作業性が悪くなる。
【0035】
(d)成分の添加量は、(a)〜(b)成分併せて100重量部に対し、好ましくは0.1〜20重量部、さらに好ましくは0.5〜10重量部の範囲である。
0.1重量部未満では、充分な導電性を得ることが難しく、一方、20重量部を超えると、得られる組成物の粘度が著しく低下し、成形加工が困難となるほか、ブリードアウトが生じ、物理的特性の低下を招く。
【0036】
本発明の組成物には、電気特性や物理的特性を補う目的で、相溶化剤を任意に使用することが可能である。相溶化剤の例としては、カルボン酸変性PP(ポリプロピレン)を挙げることができ、通常、不飽和カルボン酸類およびプロピレンまたはポリプロピレンなどとの共重合体などが用いられる。例えば、不飽和カルボン酸類およびポリプロピレンのグラフト共重合体あるいは不飽和カルボン酸類およびプロピレンの共重合体などが使用される。
また、例えばエポキシ変性ポリエチレンなどを用いることも可能である。エポキシ基含有ポリエチレンは、エチレン単位およびエポキシ基含有モノマー単位を必須成分とし、エチレン系不飽和エステルモノマー単位を任意成分とするものである。具体的には、共重合体中のエチレン単位20〜99.9重量%、エポキシ基含有モノマー単位0.1〜30重量%、およびエチレン系不飽和エステルモノマー単位0〜50重量%からなる共重合体などが挙げられる。
【0037】
その他の添加剤
本発明の制電性樹脂組成物には、このほか、本発明の目的を損なわないかぎり、無機充填材、安定剤、着色剤、(a)成分以外の強化用ゴム、(a)成分以外のエラストマー成分、可塑剤、分散剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、難燃剤、安定剤、補強剤、滑剤、発泡剤、耐候(光)剤、金属粉などの添加剤を配合することができる。
【0038】
本発明の組成物の調製
本発明の制電性樹脂組成物は、通常の熱可塑性樹脂の混合、混練に用いられる通常の装置、設備を用いて問題なく製造できる。具体的には、タンブラー、ヘンシェルミキサーなどの予備混合機に、(a)〜(d)成分、その他の成分を仕込み、均一に混合する。その後、混合物を押し出し機に供給して溶融混練し、ダイから押し出すとともにペレタイザーによりペレット化する。押し出し機としては、ベント付きの単軸、二軸異方向、二軸同方向押し出し機が望ましい。また、押し出し機に代えて、スーパーミキサー、バンバリーミキサー、ニーダー、コニーダーなどの混練機を用いても良い。
本発明の制電性樹脂組成物は、その優れた特性を生かし、OA機器、家電分野、電気・電子分野、車両分野、その他の各種パーツ、ハウジング、パッケージなどに好適に使用することができる。
【0039】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、実施例中における部および%は、特に断らない限り、重量基準である。
【0040】
実施例および比較例に用いた各種成分は、以下のとおりである。
(a)熱可塑性樹脂;
ABS樹脂:東レ(株)製、商品名トヨラック600
PVC樹脂:第一塩ビ(株)製、商品名P−800
PS樹脂:BASF(株)製、商品名576H
PMMA樹脂:三菱レーヨン(株)製、商品名アクリペットMF
(b)成分;
(b−1)ポリマーポリオール:日本油脂製、グレード:ユニオックスM−1000
(b−2)ポリマーポリオール:住友化学工業(株)製、商品名スミガード300G、エチレン−酢酸ビニルエステル共重合体けん化物へ、エチレンオキサイドをグラフトした分岐状ポリマーポリオール(数平均分子量4,000、水酸基値80mgKOH/g)
(b−3)ポリマーポリオール:日本油脂製、グレード:ユニオールTG−1000
(b−4)スチレン無水マレイン酸系ポリマーポリオール
実施例21、22においては、希釈用として上記ABS樹脂に、スチレン無水マレイン酸共重合体としてエルフアトケム社製SMAレジン(SMA−2000、分子量1,700、スチレン/無水マレイン酸共重合比=2/1)、およびポリアルキレンオキシドモノアルキルエーテルとして日本油脂製ポリエチレンオキシドモノメチルエーテル(M−550)を重量比2:1となるようにドライブレンドした後、2軸押出機にて210℃で溶融混練して得られたサンプルペレットを使用した。なお、実施例21、22は参考例である。
【0041】
(c)成分;
ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム:Li・N(CF3SO2)2
(d)成分;
大日本インキ化学工業(株)製、商品名「ポリサイザーW−220−EL」アジピン酸系ポリエステル、数平均分子量800、末端脂肪族アルコキシ基
(d)成分に(c)成分を表に示す割合で溶解し、溶液として用いた。
【0042】
実施例1〜25、比較例1〜9
組成物の調製;
下記表の配合処方に従い、(a)熱可塑性樹脂、(b)成分、および(c)〜(d)成分をタンブラーミキサーにより予備ドライブレンドし、47mm同方向2軸押し出し機により220℃で溶融混合した。投入後ダイスから出た紐状の樹脂溶融混合物を水槽にて冷却処理し、カッターに通して制電性樹脂組成物のペレットを作製した。
【0043】
試験片の調製;
サンプルペレットを、型締め圧力80ton/cm2の射出成形機により、6×6×0.3(幅×長さ×厚み、以下同じ)(cm)のプレートを成形した。成形条件は、シリンダー温度220℃、金型温度60℃で行った。
【0044】
表面抵抗率
6×6×0.3(cm)の射出成形試験片を用い、三菱化学(株)製、ハイレスタにて、ASTM D257に準じて測定を行った。
ブリードアウトの評価
40℃、90%RH%雰囲気下、1週間後のプレート表面へのブリードアウトについて評価したほか、成形上、成形品の不具合について具体的に記述した。ブリードアウトの評価において、「無し」とは目視または触感にて成形品表面が汚染されていない状態のことである、「やや有り」とは、若干成形品表面が触感によりヌメリ感がある状態である。また、「変形」とは、成形品が反ったり、くぼみなどの不具合が存在する状態であり、目視にて確認した。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、表面抵抗率を低く保ち、帯電防止成分のブリードが抑制され、かつ環境変動の少ない持続性に優れた制電性樹脂組成物が得られる。
Claims (2)
- (a)熱可塑性樹脂、未加硫ゴムおよび熱可塑性エラストマーの群から選ばれた少なくとも1種〔ただし、下記(b)および(d)成分を除く〕70〜99重量部、および(b)下記(b−1)〜(b−3)の群から選ばれた少なくとも1種のポリマーポリオール30〜1重量部〔ただし、(a)+(b)=100重量部〕に対し、
(c)Li+、Na+、K+、Mg2+およびCa2+よりなる群から選ばれるカチオンならびにCl-,Br-,F-,I-,NO3 -,SCN-,ClO4 -,CF3SO3 -,BF4 -,(CF3SO2)2N-および(CF3SO2)3C-よりなる群から選ばれるアニオンとによって構成される金属塩0.1〜20重量部、ならびに
(d)下記式(2)で表される構造を有し、数平均分子量が100〜4000であるポリエステル化合物の少なくとも1種を0.1〜20重量部、
配合した制電性樹脂組成物。
(b)成分;
(b−1):末端が水酸基を有し、エチレングリコール、プロピレングリコール、およびブタンジオールの群から選ばれた少なくとも1種の化合物を構成成分として有する直鎖状ブロック共重合体を骨格として有する直鎖状ポリマーポリオール
(b−2):アルキレンオキサイド系構成成分の含有率が10モル%〜50モル%であり、けん化度30〜100%、数平均分子量1,000〜20,000、エチレン単位含量が1〜90重量%であるエチレン−飽和カルボン酸ビニルエステル共重合体けん化物へ、アルキレンオキサイドをグラフトした分岐状ポリマーポリオール
(b−3):末端が水酸基を有するポリマーポリオールであって、3官能ポリオール構造へアルキレンオキサイドをグラフトして得られる分岐状ポリマーポリオール
式(2);
R−(Y−Z)n−Y−R ………(2)
〔式(2)中、Rは脂肪族アルコキシ基、脂環式アルコキシ基または芳香族アルコキシ基、Yは炭素数4〜12のアルキレンジカルボン酸残基または芳香族ジカルボン酸残基、Zは炭素数2〜12のアルキレングリコール残基、nは0以上の整数を示す。〕 - (c)成分が、過塩素酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムおよびトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドリチウムの群から選ばれた少なくとも1種のリチウム塩である請求項1記載の制電性樹脂組成物。
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