JPH0987496A - ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

ポリエステル樹脂組成物

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JPH0987496A
JPH0987496A JP24767595A JP24767595A JPH0987496A JP H0987496 A JPH0987496 A JP H0987496A JP 24767595 A JP24767595 A JP 24767595A JP 24767595 A JP24767595 A JP 24767595A JP H0987496 A JPH0987496 A JP H0987496A
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JP
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polyester resin
resin composition
weight
polyester
component
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JP24767595A
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Inventor
Seiji Yoshida
清次 吉田
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Mitsubishi Engineering Plastics Corp
Original Assignee
Mitsubishi Engineering Plastics Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 永久帯電防止性を有し、且つ、機械的性質、
耐熱安定性に優れたポリエステル樹脂組成物を提供する
ことにある。 【解決手段】 〔A〕ポリエステル樹脂
98〜50重量% 〔B〕エステル形成性スルホン酸アルカリ金属塩化合物
を含むジカルボン酸成分とグリコール成分とから形成さ
れたハードセグメントと、アルキレングリコール成分及
び/又はビスフェノールのアルキレンオシド付加物から
形成されたソフトセグメントから成るポリエステルエー
テル 2〜50重量% 及び〔C〕有機スルホン酸型帯電防止剤
0〜10重量% からなるポリエステル樹脂組成物

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、永久帯電防止性を
有するポリエステル樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル樹脂は機械的性質、電気的
性質、耐熱性などに優れているため、近年、電機機器部
品、機械部品等の多くの用途に使用されている。しかし
ながら、ポリエステル樹脂は上記の優れた特性を備えて
いる反面、電気抵抗率が高く帯電し易いために、静電気
に起因する様々な障害を起こす可能性が有る。例えば、
樹脂成形品が静電気帯電すると、表面に埃や塵が付着し
て外観を損ね商品価値を低下させたり、電撃現象を生じ
て、その取扱いに支障をきたしたりするなどの欠点を有
している。叉、電機・電子部品においては、誤操作を引
き起こし、機能上重大な問題を引き起こす場合もある。
そのため、帯電防止機能を有し、且つその機能の永続的
な維持が可能な、いわゆる永久帯電防止性材料の開発が
望まれて来た。
【0003】従来から、ポリエステル樹脂に帯電防止性
を付与する方法としては、ポリエステルの重合時にポリ
アルキレングリコールを添加する方法(特公昭49−2
8678号公報)、ポリエチレンテレフタレートにフェ
ノールのエチレンオキサイド付加物とジエポキシ化合物
の反応物を添加する方法(特公昭47−47299号公
報)、及びポリエステルにポリオキシアルキレングリコ
ールを共重合し、同時にβ−ジケトン化合物を添加する
方法(特公昭48−17473号公報)等が提案されて
いる。しかし、これらの方法による帯電防止性の付与効
果は、必ずしも十分なものとは言えず、しかも一時的な
帯電防止性の付与効果しか発揮できなかった。更に、成
形品物性の低下も大きいという問題点を有していた。
【0004】他方、帯電防止剤を樹脂に溶融混練りする
ことによって帯電防止性を付与する方法が種々提案され
ている。例えば、芳香族ポリエステルにアルキルスルホ
ン酸金属塩とポリアルキレングリコールを併用添加する
方法(特開昭52−47072号公報参照)、ポリエス
テル樹脂にポリアルキレングリコール、スルホン酸金属
塩誘導体、芳香族アミンおよび/またはそのアンモニウ
ム塩を添加する方法(特開昭63−308059号公報
参照)等が提案されている。しかし、これらの方法によ
っても、耐久性のある帯電防止性の付与はできていなか
った。
【0005】更に、ポリブチレンテレフタレート樹脂
に、ブロックポリエーテルエステルと芳香族スルホン酸
金属塩を添加する方法(特開昭56−159245号公
報参照)が提案されている。この方法での帯電防止性付
与効果の発現は、芳香族スルホン酸金属塩によるところ
が大であり、そのため、低湿度下での帯電防止効果が不
十分であり、しかも、帯電防止機能の耐久性も不十分で
あるという問題点を有していた
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、永久
帯電防止性を有し、且つ、機械的性質、耐熱安定性に優
れたポリエステル樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の問題を
解決するためになされたものであり、その要旨は、 〔A〕ポリエステル樹脂 98〜50重量% 〔B〕エステル形成性スルホン酸アルカリ金属塩化合物を含むジカルボン酸成分 とグリコール成分とから形成されたハードセグメントと、アルキレングリコール 成分及び/又はビスフェノールのアルキレンオシド付加物から形成されたソフト セグメントから成るポリエステルエーテル 2〜50重量% 及び〔C〕有機スルホン酸型帯電防止剤 0〜10重量% からなるポリエステル樹脂組成物に存する。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おける、ポリエステル樹脂としては、ジカルボン酸又は
その誘導体と、グリコールとからなるポリエステル樹脂
である。ジカルボン酸又はその誘導体としてはテレフタ
ル酸又はこの低級アルキルエステルが主であるが、その
他の酸成分として、例えばイソフタル酸、フタル酸、
2,6−ナフタリンジカルボン酸、1,5−ナフタリン
ジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタ
ン、アントラセンジカルボン酸、4,4’−ジフェニル
ジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボ
ン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−
ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン2
酸、アゼライン酸又はこれらの低級アルキルあるいはグ
リコールのエステルなどの1種又は2種以上を併用して
も良い。
【0009】グリコールとしては、エチレングリコー
ル、1,4−ブタンジオールを主たる対象とするが、そ
の他のグリコール成分として、1,2−プロパンジオー
ル、1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジ
オール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4
−シクロヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、
2−メチル−1,3−プロパンジオール、ポリテトラメ
チレングリコール、ビスフェノールA、ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール等の1種又は2種
以上を併用しても良い。
【0010】上記ジカルボン酸又はその誘導体とグリコ
ールとからなるポリエステルを製造するには、任意の方
法が採用される。例えば、テレフタル酸成分と1,4−
ブタンジオール成分とからなるポリブチレンテレフタレ
ートについて説明すると、テレフタル酸と1,4−ブタ
ンジオールとを直接エステル化反応させるか、テレフタ
ル酸ジメチルと1,4−ブタンジオールとを直接エステ
ル化反応させるか、テレフタル酸ジメチルと1,4−ブ
タンジオールとをとをエステル交換化反応させるかし
て、テレフタル酸のグリコールエステル又はその低重合
体を生成する第1段階の反応と、この第1段階の反応生
成物を重縮合反応させる第2段階とによって製造される
のが最も一般的である。
【0011】本発明におけるポリエステル樹脂として
は、ポリブチレンテレフタレート成分を60重量%以上
含有するポリエステル樹脂が好ましく、より好ましくは
ポリブチレンテレフタレート成分を75重量%以上含有
するポリエステル樹脂であり、最も好ましくは、ポリブ
チレンテレフタレート樹脂である。ポリブチレンテレフ
タレート樹脂等のポリエステル樹脂の極限粘度は、1,
1,2,2−テトラクロロエタン/フェノール=1/1
(重量比)の混合溶媒を用いて、温度30℃で測定した
場合、0.50〜3.0である。極限粘度は、0.50
より低いと、最終的に得られる樹脂組成物の機械的性質
が低下しやすく、3.0より大きいと成形時の流動性が
低下しやすい。両者の兼ね合いから0.50〜3.0の
ものが好ましい。
【0012】本発明における〔B〕ポリエステルエーテ
ルは、ハードセグメントとソフトセグメントとからな
る。ハードセグメントは、エステル形成性スルホン酸ア
ルカリ金属塩化合物を含むジカルボン酸成分とグリコー
ル成分とから形成されたポリエステルとからなる。エス
テル形成性スルホン酸アルカリ金属塩化合物はジカルボ
ン酸成分の1成分であり、エステル形成性スルホン酸ア
ルカリ金属塩化合物以外のジカルボン酸、グリコール成
分と共にポリエステルを形成するものである。エステル
形成性スルホン酸アルカリ金属塩化合物は永久帯電防止
性発現に有効に作用し、その具体例としては、下記の式
で示される5−ナトリウムスルホイソフタル酸
【0013】
【化1】
【0014】5−カリウムスルホイソフタル酸、及びそ
れらのエステル形成性誘導体、たとえばジメチルエステ
ル、ジエチルエステル、ジフェニルエステル等が挙げら
れる。これらの内、好ましいものは、5−ナトリウムス
ルホイソフタル酸及びそのエステル形成性誘導体であ
る。エステル形成性スルホン酸アルカリ金属塩化合物
は、ジカルボン酸成分全体に対して1〜50モル%であ
る。1モル%よりも少ないとポリエステル樹脂組成物の
帯電防止性が不十分なものとなり、50モル%より多い
と、ポリエステルセグメントを形成する際の重合が極め
て困難になる。帯電防止性と重合性のバランスの点よ
り、好ましくは2〜40モル%であり、より好ましくは
3〜35モル%である。
【0015】エステル形成性スルホン酸アルカリ金属塩
以外のジカルボンサン成分の具体例としては、テレフタ
ル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタリンジ
カルボン酸、1,5−ナフタリンジカルボン酸、ビス
(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカ
ルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,
4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、1,2−ビス
(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸、アジ
ピン酸、セバシン酸、ドデカン2酸、アゼライン酸、ト
リメシン酸、トリメリット酸、又はこれらのエステル形
成性誘導体が挙げられる。これらのジカルボン酸成分
は、それぞれ単独で、或いは、2種以上混合して用いて
も良い。
【0016】本発明におけるグリコール成分としては、
エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,2
−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,
5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
1,10−デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール、1,4−シクロヘキサンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオ
ール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。
これらは、各々単独で用いても良いし、2種以上を混合
して用いても良い。
【0017】これら脂肪族グリコール類と共に他のジオ
ール類または他価アルコール類、例えば、シクロヘキサ
ンジメタノール、キシリレングリコール、2,2’ービ
ス(4ーヒドロキシフェニル)プロパン、2,2’ービ
ス(4ーヒドロキシー3,5ージブロモフェニル)プロ
パン、2,2’ービス(4ーヒドロキシエトキシフェニ
ル)プロパン、2,2’ービス(4ーヒドロキシエトキ
シー3,5ージブロモフェニル)プロパン、グリセリ
ン、ペンタエリスリトールなどを混合して用いても良
い。
【0018】本発明におけるソフトセグメントは、アル
キレングリコール及び/又はビスフェノール類のアルキ
レンオキサイド付加物から形成される。アルキレングリ
コールとしては、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、チオ
ジエチレングリコール等の脂肪族グリコールが用いられ
る。特に好ましくは、エチレングリコールであるが、2
種以上混合して用いることができる。
【0019】また、これら脂肪族グリコール類と共に他
のジオール類または多価アルコール類、例えばシクロヘ
キサンジメタノール、キシリレングリコール、2,2’
ービス(4ーヒドロキシフェニル)プロパン、2,2’
ービス(4ーヒドロキシー3,5ージブロモフェニル)
プロパン、2,2’ービス(4ーヒドロキシエトキシフ
ェニル)プロパン、2,2’ービス(4ーヒドロキシエ
トキシー3,5ージブロモフェニル)プロパン、グリセ
リン、ペンタエリスリトールなどを混合して用いても良
い。
【0020】ビスフェノール類のアルキレンオキシド付
加物成分は、ビスフェノール類にアルキレンオキサイド
が付加反応してなる成分である。ビスフェノール類とし
ては、ビスフェノールA、ビスフェノールS、臭素化ビ
スフェノールA、4,4’−ビス(ヒドロキシフェニ
ル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スル
ホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−
ヒドロキシフェニル)アミン等が挙げられる。好ましく
はビスフェノールAである。アルキレンオキシドとして
はエチレンオキサイド(EO)及び/又はプロピレンオ
キサイド(PO)が挙げられ、EOとPOを併用する場
合はランダム付加でも、ブロック付加でも良い。アルキ
レンオキサイドの付加モル数は、ビスフェノール類1モ
ルに対して、2〜80モル、好ましくは10〜50モル
である。
【0021】アルキレングリコール及びビスフェノール
類のアルキレンオキシド付加物から形成されたソフトセ
グメントにおける、アルキレングリコールとビスフェノ
ール類のアルキレンオキサイド付加物との割合は、任意
に選択できる。ビスフェノール類のアルキレンオキシド
付加物の割合が増えると、耐熱性は向上し、アルキレン
グリコールの割合が増えると、帯電防止性が向上する。
【0022】アルキレングリコール及び/又はビスフェ
ノール類のアルキレンオキシド付加物から形成された重
合体であるソフトセグメントの数平均分子量は400〜
40,000であり、400未満では帯電防止性が不十
分となり、40,000を超えると反応性が低下し、得
られる組成物の帯電防止性も低下する。帯電防止性と反
応性のバランスの点より、ソフトセグメントの数平均分
子量は、好ましくは1,000〜30,000であり、
より好ましくは2,000〜25,000である。
【0023】ソフトセグメントのポリエステルエーテル
に対する割合は、10〜90重量%である。10%未満
では、帯電防止性が不十分であり、90重量%を越える
と、樹脂組成物の耐熱性、機械的性質が低下する。帯電
防止性と耐熱性、機械的性質とのバランスの点より好ま
しくは20〜90重量%である。
【0024】本発明における〔B〕ポリエステルエーテ
ルのポリエステル樹脂組成物に対する割合は、2〜50
重量%である。50重量%より多いと耐熱性、機械的性
質の低下が起こり、2重量%より少ないと帯電防止性が
十分でない。耐熱性、機械的性質の及び帯電防止性のバ
ランスの点より、好ましくは3〜30重量%である。
【0025】本発明における成分〔B〕であるポリエス
テルエーテルの製造は、従来から知られているポリエス
テルエーテルの製造方法に従って行われる。例えば、ジ
カルボン酸成分のアルキルエステルとグリコール成分と
を適当な触媒(例えばチタン化合物等)の存在下でエス
テル交換を行い、ハードセグメント部分を製造する。次
いで、ソフトセグメント成分であるアルキレングリコー
ル及び/叉はビスフェノールのアルキレンオキシド付加
物からなる重合体を添加、減圧下で重縮合反応を行う方
法が挙げられる。或いは、予め製造しておいたポリエス
テルオリゴマーにソフトセグメント成分を反応させる方
法、比較的高分子量のポリエステルをソフトセグメント
の存在下、解重合させながら反応させる方法等が挙げら
れる。こうした反応において、少量の酸化防止剤を重合
系に添加することは、得られるポリマーの熱安定性の点
で好ましい。
【0026】ポリエステルエーテルの溶液粘度ηrelは
1.0〜8.0であり、好ましくは1.2〜5.0であ
る。ポリエステルエーテルの溶液粘度は、1,1,2,
2−テトラクロロエタン/フェノール=1/1(重量
比)の混合溶媒を用いて、温度;30℃、溶液濃度;
0.5g/100ccで測定され、溶液粘度ηrelは、
溶液の滴下秒数/混合溶媒の滴下秒数 で求められる。
【0027】本発明のポリエステル樹脂組成物におい
て、〔C〕有機スルホン酸塩型帯電防止剤を配合するこ
とにより、比較的少量のポリエステルエーテルの配合で
あっても永久帯電防止性に優れ、耐熱性、機械的性質に
も優れた組成物が得られる。
【0028】本発明における有機スルホン酸塩型帯電防
止剤としては、一般式(1)で示される化合物である。 R−SO3M (1) 式(1)において、Rは、炭素数1〜32の直鎖または
分岐の脂肪族炭化水素基叉は芳香族炭化水素基であり、
好ましくは炭素数8〜28の、直鎖または分岐の脂肪族
炭化水素基叉は芳香族炭化水素基である。芳香族炭化水
素基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられ、
アルキル基等の置換基を有しても良い。Mは、アルカリ
金属、アルカリ土類金属、ホスホニウムイオン、アンモ
ニウムイオン、カルボニウムイオン等である。Mとして
は、好ましくはアルカリ金属であり、最も好ましくはナ
トリウムイオンである。
【0029】一般式(1)で示される有機スルホン酸塩
型帯電防止剤の具体例としては、n−ヘキシルスルホン
酸ナトリウム、n−ドデシルスルホン酸ナトリウム、n
−オクタデシルスルホン酸ナトリウム、ドデシルスルホ
ン酸カリウム等のアルキルスルホン酸塩型帯電防止剤、
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム、ステアリルベンゼンスルホン
酸ナトリウム、オクチルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム等のアルキル
ベンゼンスルホン酸金属塩型帯電防止剤、オクチルナフ
タレンスルホン酸ナトリウム、ドデシルナフタレンスル
ホン酸ナトリウム、ドデシルナフタレンスルホン酸カリ
ウム等のアルキルナフタレンスルホン酸金属塩型帯電防
止剤が挙げられる。
【0030】有機スルホン酸塩型帯電防止剤は、1種又
は2種以上混合して用いても良い。有機スルホン酸塩型
帯電防止剤のポリカーボネート樹脂組成物に対する割合
は、0〜〜10重量%である。10重量%を越えるとポ
リエステル樹脂組成物の機械的性質が大幅に低下する。
帯電防止性と機械的性質のバランスの点より、好ましく
は0.1〜10重量%であり、より好ましくは0.5〜
5重量%である。
【0031】上述したように、ポリエステル樹脂に特定
のポリエステルエーテルを所定量配合した組成物、或い
は、こうした組成物に有機スルホン酸塩型帯電防止剤を
所定量配合してなる組成物は、帯電防止性、機械的性
質、耐熱性において優れている。
【0032】本発明の樹脂組成物は、上記成分〔A〕
〔B〕〔C〕以外に、必要応じて、組成物の特性を阻害
しない範囲で、周知の種々の添加剤、例えばガラス繊
維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、炭素繊維、鉱物繊
維、金属繊維、セラミックスウイスカー等の補強剤、酸
化チタン、シリカ、アルミナ、カーボンブラック、炭酸
カルシュウム等の充填剤、パラフィンワックス、ポリエ
チレンワックス、ステアリン酸及びその塩、エステル、
ハーフエステル、ステアリルアルコール、シリコンオイ
ル等の離型剤、各種可塑剤、そして、ヒンダードフェノ
ール系、亜燐酸エステル系、硫黄含有エステル化合物系
等の熱安定剤、ハロゲン化合物、燐酸化合物等の難燃
剤、難燃助剤、結晶化促進剤、紫外線吸収剤あるいは耐
候性付与剤、染料、顔料、発泡剤等を含有しても良く、
また、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ナイ
ロンMXD6等の各種ナイロン、各種ナイロンエラスト
マー、液晶ポリマー、ポリカーボネート樹脂、ポリスチ
レン、ABS、AS、MS等のスチレン系樹脂、各種ア
クリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン
ープロピレン共重合体等のオレフィン系樹脂、そして、
エラストマーとして、イソブチレンーイソプレンゴム、
スチレンーブタジエンゴム、スチレンーブタジエンゴム
ースチレン、エチレンープロピレンゴム、アクリル系エ
ラストマー、アイオノマー樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ
カプロラクタム、等を含有しても良い。
【0033】本発明の樹脂組成物は、前記の各成分
〔A〕〔B〕及び〔C〕、並びに必要に応じて用いられ
る各種添加成分を配合し、混練りすることによって得る
ことができる。 配合は通常用いられる方法、例えば、
リボンブレンダー、ヘンセルミキサー、ドラムブレンダ
ー等で行われる。溶融混練りには各種押出機、ブラベン
ダープラストグラフ、ラボプラストミル、ニーダー、バ
ンバリーミキサー等が使われる。溶融混練りに際しての
加熱温度は、通常200〜280℃程度である。混練り
時の分解を抑制する為、前記の熱安定剤を用いるのが好
ましい。
【0034】本発明の樹脂組成物は、既知の種々の成形
方法、例えば、射出成形、中空成形、押出成形、圧縮成
形、カレンダー成形、回転成形等により、電機・電子機
器分野、自動車分野、機械分野、医療分野等の成形品が
得られる。最終成形品を得る成形に当たって、樹脂温度
を200〜280℃にコントロールするのが好ましい。
【0035】以下、本発明を実施例により更に詳細に説
明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。
【実施例】実施例中の「部」は「重量部」を示す。尚、
実施例及び比較例の樹脂組成物は射出成形によって成形
片を成形した後、下記の試験方法により性能評価を行っ
た。
【0036】1)帯電防止性 帯電防止性は表面固有抵抗値の測定により評価を行っ
た。ウルトラ・ハイ・レジスタンス・メータ(アドバン
テスト社製)を使用し、ASTM D−257に従い、
試験片(直径10cm、厚さ3mmの円盤)を、温度2
3℃、湿度50%の条件に3日以上放置して状態調後、
表面固有抵抗値を測定した。値が小さい方が帯電防止性
が良好である。
【0037】2)永久帯電防止性 上記の帯電防止性評価を行った試験片を水洗処理した
後、温度23℃、湿度50%の条件に3日以上放置し、
状態調後、水洗処理品の表面固有抵抗値を測定した。水
洗処理無しの表面固有抵抗値が低く、且つ水洗処理品の
表面固有抵抗値が低いまま維持されていれば永久帯電防
止性に優れた材料と言える。なお、水洗処理は内径8m
mのホースから水道水を5L/minの流量で流しつ
つ、そのホースの直下15cmに置いた成形試験片に、
水道水が垂直の角度で40秒間均一にかかる様に動かし
ながら行った。その後、その試験片に脱塩水を振りか
け、簡単に置換洗浄した。
【0038】3)機械的性質 曲げ強度、曲げ弾性率は、ASTM D790によって
測定した。 4)熱的性質 荷重たわみ温度(HDT)は、ASTM D−648に
準じて、断面;6.4mm*12.7mmの角柱状試験
片について、高荷重18.5kgf/cm2によって測
定した。この値が高い方が、耐熱性が良好である。
【0039】実施例及び比較例で用いた原料の詳細は次
の通りである。 a)ポリブチレンテレフタレート樹脂PC(三菱エンジ
ニアリングプラスチックス(株)製、ノバレックス 5
008、[η]=0.80 b)有機スルホン酸塩型帯電防止剤 R−SO3Na
(日鉱石油化学工業(株)アトレASー1030 c)熱安定剤(日本チバガイギー(株)製の商品名Ir
ganox1010)
【0040】〔実施例−1〕攪拌機、温度計、メタノー
ル溜出管を取り付けた反応器に、テレフタル酸ジメチル
(DMT)125部、イソフタル酸ジメチル(DMI)
125部、3−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル
(SDM)50部、エチレングリコール(EG)185
部、酢酸ナトリウム3.8部、酢酸亜鉛0.24部
(2.5%EG溶液)、及び三酸化アンチモン0.24
部(1.0%EG溶液)を仕込み、攪拌しながら徐々に
昇温する。所定量のメタノールが留出した後(内温22
0℃)フェニルホスホン酸0.24部を加えて攪拌す
る。
【0041】得られた反応生成物に、分子量4000の
ポリエチレングリコール(PEG)700部、及び1,
3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン1.
5部を仕込む。次いで、内温約220℃のオートクレー
ブを攪拌しながら、約30分で250℃まで昇温しつ
つ、圧力1mmHg 以下まで減圧する。その温度で2
時間反応させた後、窒素ガスで常圧まで復圧させる。そ
の後、オートクレーブ低部の細孔よりポリマーを取り出
し、ペレット化した。得られたポリマーの溶液粘度ηre
lは2.700であった。該ポリマーをポリエーテルエ
ステルAとする。
【0042】10重量部の上記ポリエーテルエステル
A、88重量部のポリブチレンテレフタレート樹脂、2
重量部の有機スルホン酸塩型帯電防止剤 R−SO3N
a 、0.1重量部の熱安定剤をタンブラーで10分間
ブレンドした。そのブレンド物を、二軸押出機を用い、
シリンダー温度245℃で溶融混練り、ペレット化を行
った。得られたペレットを乾燥した後、245℃で射出
成形を行い物性評価用試験片を得た。調湿後の表面固有
抵抗値は1.5×1010Ω/CM2であり、良好な帯電防
止性を示すことが判った。また、水洗処理品品の表面固
有抵抗値は9.0×1010Ω/CM2を示し、良好な永久
帯電防止性を示すことが判った。機械的性質を測定した
結果、曲げ弾性率は24,000Kgf/CM2、曲げ強度は
740Kgf/CM2であった。HDT(18.5Kgf/CM2
重)は 63℃であった。
【0043】〔実施例−2〕15重量部の前記ポリエー
テルエステルA、85重量部のポリブチレンテレフタレ
ート樹脂、0.1重量部の熱安定剤を、実施例1と同様
にブレンドし、2軸押出機を用いて溶融混練り、ペレッ
ト化を行った。この射出成形試験片の調湿後の表面固有
抵抗値は4.5×1010Ω/CM2であり、良好な帯電防
止性を有すことが判った。また、水洗処理品品の表面固
有抵抗値は9.8×1010Ω/CM2を示し、良好な永久
帯電防止性を示すことが判った。機械的性質を測定した
結果、曲げ弾性率は22,900Kgf/CM2、曲げ強度は
700Kgf/CM2であった。HDT(18.5Kgf/CM2
重)は 61℃であった。
【0044】〔実施例3〜8、比較例1〜3〕実施例1
と同様な製法で組成の異なる種々のポリエステルエーテ
ルを製造した。得られたポリエステルエーテルの組成及
びの溶液粘度ηrelを第1表に示す。これらの各ポリエ
ステルエーテルを用い、実施例1と同様な方法で、ブレ
ンド、二軸押出機を用いて溶融混練り、ペレット化を行
った。そして、射出成形により試験片を得、各種の物性
評価を行った。その結果を第2表に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【発明の効果】本発明のポリエステル樹脂組成物は、良
好且つ恒久的な帯電防止性を有し、しかもベースポリマ
ー本来の持つ機械的性質、熱的性質の低下が少ない。本
発明のポリエステル樹脂組成物から成る成形品は、静電
気帯電により表面に埃や塵が付着しにくい。その結果、
外観に優れた成形品が得られることにより商品価値が高
まり、また、誤操作を引き起こす等の機能上の問題や電
撃現象による帯電トラブルを生じにくい。そのため、電
機・電子機器分野、自動車分野、機械分野等多くの分野
において幅広く使用する事が出来る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 〔A〕ポリエステル樹脂 98〜50重量% 〔B〕エステル形成性スルホン酸アルカリ金属塩化合物を含むジカルボン酸成分 とグリコール成分とから形成されたハードセグメントと、アルキレングリコール 成分及び/又はビスフェノールのアルキレンオシド付加物から形成されたソフト セグメントから成るポリエステルエーテル 2〜50重量% 及び〔C〕有機スルホン酸型帯電防止剤 0〜10重量% からなるポリエステル樹脂組成物
  2. 【請求項2】エステル形成性スルホン酸アルカリ金属塩
    化合物が、ジカルボン酸成分全体に対して1〜50モル
    %であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステ
    ル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】アルキレングリコール及び/又はビスフェ
    ノールのアルキレンオシド付加物からなるソフトセグメ
    ントのポリエステルエーテルに対する割合が10〜90
    重量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の
    ポリエステル樹脂組成物。
  4. 【請求項4】アルキレングリコール及び/又はビスフェ
    ノールのアルキレンオシド付加物から形成されたソフト
    セグメントの数平均分子量が400〜40,000であ
    ることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載
    のポリエステル樹脂組成物。
  5. 【請求項5】有機スルホン酸塩型帯電防止剤が、0.1
    〜10重量%であることを特徴とする請求項1ないし4
    のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
  6. 【請求項6】有機スルホン酸塩型帯電防止剤が、一般式
    (1)で示される有機スルホン酸塩型帯電防止剤である
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の
    ポリエステル樹脂組成物。 R−SO3M (1) (式中、Rは炭素数1〜32の直鎖または分岐の脂肪族
    炭化水素基又は芳香族炭化水素基であり、Mはアルカリ
    金属、アルカリ土類金属、ホスホニウムイオン又はアン
    モニウムイオンである。)
  7. 【請求項7】ポリエステル樹脂が、ポリブチレンテレフ
    タレート成分を60重量%以上含有するポリエステル樹
    脂であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか
    に記載のポリエステル樹脂組成物。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20190065721A (ko) * 2017-12-04 2019-06-12 주식회사 휴비스 친수성 폴리에스테르계 수지

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KR20190065721A (ko) * 2017-12-04 2019-06-12 주식회사 휴비스 친수성 폴리에스테르계 수지

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