JP3134952B2 - 難撚性ポリエステル樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
難撚性ポリエステル樹脂組成物の製造方法Info
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Description
組成物に関するものであり、高度の難燃性、高い機械物
性および良好な外観を提供し、電気部品や自動車部品の
外装や絶縁体として利用される。
としては、ハロゲン化合物とアンチモンの酸化物を配合
する方法が広く知られている。しかしこのような難燃化
剤を配合した場合、熱可塑性ポリエステル樹脂は溶融成
形の温度が高いので分解を起こしやすく、機械的物性が
低下したり、また使用時成形品の表面に折出したりする
ことがあり、市場より改善の要求があった。また特開昭
48─4598号公報に示されているように、赤りんを
添加することにより難燃化する方法も知られている。し
かし、赤りんは吸湿による反応や衝撃に対する安定性が
悪く、取り扱いに注意が必要であり、特開昭51─10
5996号公報や特公昭54─39200号公報のよう
に熱硬化性樹脂で赤りんを被覆して使用する方法が開示
されている。しかしこの方法も樹脂分が少ないと被覆が
完全でなく、また樹脂分が多いと分散性が悪く機械物性
や成形品外観が低下するのでさらに改善の要求があっ
た。
性低下が小さく、赤りんの耐吸湿性や耐衝撃性を高め、
機械物性と外観の良い成形品を提供し得る難燃性ポリエ
ステル樹脂組成物を開発することを課題としている。
題を解決するために種々研究の結果、ポリエステル樹脂
に赤りんと低分子量の脂肪族ポリエーテルおよび/また
は脂肪族ポリエステル樹脂を配合することにより機械物
性と成形品外観のいずれも優れた樹脂組成物が得られる
ことを見出し本発明を完成するに到った。即ち本発明
は、熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部、分子量2
00〜5000の脂肪族ポリエーテルおよび/または脂
肪族ポリエステルあるいはこれらの誘導体0.5〜30
重量部で被覆された赤りん2〜30重量部、無機強化剤
0〜150重量部を混練して得られることを特徴とする
難撚性ポリエステル樹脂組成物の製造方法である。
ステル樹脂は、酸成分としてテレフタル酸、イソフタル
酸、ナフタリン1,4また2,6ジカルボン酸、アジピ
ン酸などから選ばれた1種以上と、グリコール成分とし
てエチレングリコール、ブチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグ
リコール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレン
グリコール、ポリテトラメチレングリコール等から選ば
れた1種以上からなる熱可塑性ポリエステル樹脂または
熱可塑性共重合ポリエステル樹脂である。好ましくは、
80モル%以上のエチレンテレフタレートまたはブチレ
ンテレフタレート繰り返し単位からなる熱可塑性ポリエ
ステル樹脂またはこれらの組み合せが使用される。また
本発明に使用される熱可塑性ポリエステル樹脂は、フェ
ノール/テトラクロロエタン混合溶媒(6/4重量比)
による30℃で測定して求めた極限粘度数は、0.4以
上であり、0.5以上が好ましい。
ポリエステル樹脂100重量部に対して、2〜30重量
部配合される。2重量部未満では難燃性が不十分であ
り、30重量部を越えると物性が低下するので好ましく
ない。赤りんは取り扱いの点から、樹脂による被覆やマ
スター化して配合するのが好ましく、本発明においては
20〜50重量%含有する樹脂マスターとして好ましく
使用される。赤りんが20重量%未満では、樹脂の相溶
性に問題があり、物性や成形品の外観が悪く、また50
重量%を越えるとマスターの表面に赤りんが浮き出して
くるため吸湿反応や衝撃により発火し、貯蔵や取り扱い
において不安定である。なおベース樹脂としては、ポリ
エステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリフェニレ
ンサルファイド等の結晶性熱可塑性樹脂、ポリスチレ
ン、アクリルニトリル・スチレン共重合体等の非結晶性
熱可塑性樹脂、フェノール、エポキシ、ポリエステル等
の熱硬化性樹脂が使用されるが本発明においては、熱可
塑性ポリエステル樹脂、ポリオレフィン系、ポリオレフ
ィン系共重合体が特に好ましい。具体的には、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リプロピレン、ポリエチレン・エチルアクリレート共重
合体が特に望ましい。
000の脂肪族ポリエーテルおよび/または脂肪族ポリ
エステル樹脂またはこれらの誘導体が配合されるが、脂
肪族ポリエーテルとしては、ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、
ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール共
重合体、脂肪族ポリエステルとしてはポリラクトン、ポ
リエチレナジペート、ポリブチレナジペート、ポリブチ
レンセバケートなどが挙げられる。なおこれら脂肪族ポ
リエーテルや脂肪族ポリエステルの少なくとも片末端が
メチルエーテル、エチルエーテル等のアルキルエーテ
ル、安息香酸などの芳香族カルボン酸エステルや酢酸、
プロピオン酸、酪酸、ラウリン酸、ステアリン酸などの
脂肪族カルボン酸エステル、グリシジルエーテル化した
ものが例示され、ポリエチレングリコールジグリシジル
エーテル、ポリエチレングリコールジベンゾエート、ポ
リラクトンジグリシジルエーテル、ポリラクトンジベン
ゾエート、ポリブチレンアジペートジグリシジルエーテ
ルが特に好ましい。なお前記脂肪族ポリエーテルまたは
脂肪族ポリエステルの分子量が200未満では成形時ガ
スが発生したり物性が低下して好ましくない。また50
00を超えると溶融粘度が高いため、目的のひとつであ
る赤りんの樹脂マスターを被覆することがむつかしく、
また成形品の外観が改良されないため好ましくない。
ーテルおよび/または脂肪族ポリエステルが熱可塑性ポ
リエステル樹脂100重量部に対して0.5〜30重量
部配合される。0.5重量部未満では、赤りんマスター
を液状物で被覆し、湿分を有する空気と遮断したり局所
的な衝撃を防止して、溶融混練工程を改善する効果やポ
リエステル樹脂の流れ性や結晶性を改善して機械物性や
成形品の外観を改良する効果が小さい。また30重量部
を超えると耐熱性が低下するので応用面から好ましくな
い。
強化材としては、ガラス繊維、炭素繊維等の繊維強化材
やチタン酸カリやセッコウ繊維のようなウイスカー、タ
ルク、クレイ、ワラストナイト、モンモリナイト、マイ
カ、ベントナイト、炭酸カルシュム等の粉末状強化材が
挙げられる。ガラス繊維やタルクやワラストナイトが好
ましく、また2種以上組み合わせて使用されることも多
い。無機強化材の配合量は、寸法精度や耐熱性や強度剛
性に関する要求性能により選択されるが、熱可塑性ポリ
エステル樹脂100重量部に対して150重量部を超え
ると成形性が低下して成形品の外観が悪くなり好ましく
ない。
制限されるものではなく、任意の方法で行われる。例え
ば、全成分を予備混合した後、押出機やニーダ中で混練
する方法や、予め任意の数成分を押出機やニーダ中で混
練配合して得たペレットに、更に他の成分を混練配合す
る方法等が挙げられるが、本発明においては、赤りん
を、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリオレフィン、ポリ
エチレン共重合体から選ばれた1種以上の樹脂に20〜
50重量%配合した樹脂マスターを予め作成しておく方
が好ましい。
に酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、帯電防止
剤、離型剤、着色剤などの添加剤を配合することが好ま
しい。また本発明の組成物は、特殊な成形法や成形条件
は必要でなく、通常の熱可塑性ポリエステルの成形条件
によって成形することが出来、各種成形品の他、管状
物、容器、板状で利用される。
による機械的物性外観が改善される理由はまだ明確でな
いが、混練中可塑化効果による樹脂温度上昇を防止する
のもひとつの理由と推定される。
1,東洋紡績(株)製、以下PETという)、ポリブチ
レンテレフタレート樹脂(EMC700−01,東洋紡
績(株)製、以下PBTという)、赤りん(ノーバレッ
ト120、燐化学工業(株)製)の30%PETマスタ
ー、赤りんの30%PBTマスター、赤りんの30%ポ
リカプラミド(T−802 東洋紡績(株)製)マスタ
ー、赤りんの30%ポリプロピレンマスター、フェノー
ル樹脂被覆赤りん(ノーバエクセル140、燐化学工業
(株)製)(80%)、ポリエチレングリコールジベン
ゾエート(分子量600、2000、三洋化成工業
(株)製)、ポリエチレングリコールジグリシジルエー
テル(分子量600、ナガセ化成工業(株)製)、ポリ
ラクトンジグリシジルエーテル(分子量600、ナガセ
化成工業(株)製)、タルク(タルカンPK,林化成
(株))、ガラス繊維(03JA419,旭ファイバー
グラス(株))、モンタン酸エステル(wax E,ヘ
キストジャパン(株))を、表1、表2に示す割合で予
備混合した後(但し、各々の赤りんマスターあるいはフ
ェノール樹脂被覆赤りんと、ポリエチレングリコールジ
ベンゾエート、ポリエチレングリコールジグリシジルエ
ーテルあるいはポリラクトンジグリシジルエーテル等と
は、予め混合して、マスターから露出した赤りんを前記
ポリマーで被覆しておく)、2軸押出機(池貝鉄工
(株)製2軸押出機PCM30)のホッパーに投入し、
シリンダー温度265℃で溶融混練してコンパウンドチ
ップを得た。このコンパウンドチップを140℃で4時
間乾燥した後、シリンダ温度265℃に調節した射出成
形機(東芝機械(株)製射出成形機IS100)により
テストピースを成形し、評価した。その結果を表1に併
せて示した。
レンテレフタレート樹脂(PBT)、赤りんの30%P
ETマスター、赤りんの30%PBTマスター、赤りん
の30%ポリカプラミドマスター、赤りんの30%ポリ
プロピレンマスター、フェノール樹脂被覆赤りん(80
%)、ポリエチレングリコールジベンゾエート(分子量
600,2000)、ポリエチレングリコールジグリシ
ジルエーテル(分子量600)、ポリラクトンジグリシ
ジルエーテル(分子量600)、タルク、ガラス繊維、
モンタン酸エステルを、表1、表2に示す割合で予備混
合した後、2軸押出機のホッパーに投入し、シリンダー
温度265℃で溶融混練してコンパウンドチップを得
た。このコンパウンドチップを140℃で4時間乾燥し
た後、シリンダ温度265℃に調節した射出成形機によ
りテストピースを成形し、評価した。その結果を表1に
併せて示した。
明の難燃性ポエステル樹脂組成物は、難燃性および曲げ
強さおよび成形性外観において優れていることが判る。
ル樹脂に赤りんと脂肪族ポリエーテルまたは脂肪族ポリ
エステル系樹脂を配合することによって難燃性、機械的
物性と成形品外観を改善したものであり、本発明を採用
することにより難燃性、機械的物性および成形品外観の
いずれにおいても優れたポリエステル樹脂組成物が得ら
れ、家庭電化製品のハウジング、コイルボビンやリレー
など電気部品の絶縁体、デストリビュータのキャップや
自動車の吸気や排気部品のハウジング等の自動車の部品
用の成形材料として非常に有用である。
Claims (1)
- 【請求項1】熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部、
分子量200〜5000の脂肪族ポリエーテルおよび/
または脂肪族ポリエステルあるいはこれらの誘導体0.
5〜30重量部で被覆された赤りん2〜30重量部、無
機強化剤0〜150重量部を混練して得られることを特
徴とする難撚性ポリエステル樹脂組成物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03268380A JP3134952B2 (ja) | 1991-09-18 | 1991-09-18 | 難撚性ポリエステル樹脂組成物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03268380A JP3134952B2 (ja) | 1991-09-18 | 1991-09-18 | 難撚性ポリエステル樹脂組成物の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0578560A JPH0578560A (ja) | 1993-03-30 |
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ID=17457687
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03268380A Expired - Fee Related JP3134952B2 (ja) | 1991-09-18 | 1991-09-18 | 難撚性ポリエステル樹脂組成物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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TW200306189A (en) * | 2002-03-21 | 2003-11-16 | Merz Pharma Gmbh & Co Kgaa | Azabicyclic, azatricyclic and azaspirocyclic derivatives of aminocyclohexane NMDA, 5HT3, and neuronal nicotinic receptor antagonists |
US7135509B2 (en) | 2002-09-25 | 2006-11-14 | Toray Industries, Inc. | Flame-retardant polybutylene terephthalate resin composition and formed article |
-
1991
- 1991-09-18 JP JP03268380A patent/JP3134952B2/ja not_active Expired - Fee Related
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