JP3139572B2 - ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents
ポリエステル樹脂組成物Info
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Description
に関し、更に詳しくは高い機械物性と流動性を有するポ
リエステル樹脂組成物であり、肉薄な電気部品や絶縁体
として利用されている。
や機械物性が良好なため、電気部品に広く使用されてい
る。しかし、絶縁性を応用したコイルボビン等の肉薄な
部品の場合、特に高い流動性と機械物性が要求される。
ポリエステル樹脂は比較的流動性は良好であるが、1m
m以下の厚さにおいては充分でない場合が多い。そこで
分子量を低下させて、流動性を向上させる方法が知られ
ているが、この方法では強度も低下し、成形品としての
性能を満足しなかった。また、ポリエステル樹脂の機械
物性を改良する方法として、高い分子量のポリエステル
樹脂を使用したり、特公昭48−6175号や特開昭5
4−150458号等に開示されているようにエポキシ
樹脂で、また特公昭62−56897号や特公平1−5
9299号に開示されているように環状イミノエーテル
化合物によりポリエステル分子を高分子量化する方法が
知られている。しかし、この場合、分子量を高くするた
めに、成形時の流動性が低下したり、結晶化速度が低下
してしまい、成形性、特に薄肉の成形性が大巾に低下し
実用化には問題があった。そこで成形性と強度の両方を
充分に満足させた組成物の開発が望まれていた。
の目的で使用される薄肉成形材料として、良好な成形性
と高い機械物性という相反する特性を両立したポリエス
テル樹脂組成物を開発することを課題としてなされたも
のである。
題を解決するために種々研究の結果、熱可塑性ポリエス
テル樹脂と特定の脂肪族ポリエーテルや脂肪族ポリエス
テル樹脂を配合し、場合によっては強化材を加えること
により、流動性と機械物性が共に優れた樹脂組成物が得
られることを見出し、遂に本発明を完成するに到った。
すなわち本発明は、(A)熱可塑性ポリエステル樹脂1
00重量部に対して、(B)分子量が5000以下で、
末端がエステル結合またはエーテル結合で封鎖されたポ
リアルキレングリコール、脂肪族ポリエステルおよびポ
リラクトンから選ばれた1種以上の樹脂0.1〜20重
量部、(C)2−オキサゾリン化合物0.1〜10重量
部、(D)無機強化材0〜150重量部を含有すること
を特徴とするポリエステル樹脂組成物である。
ポリエステル樹脂は、酸成分としてテレフタル酸、イソ
フタル酸、ナフタリン1,4また2,6ジカルボン酸、
アジピン酸などから選ばれた1種以上と、グリコール成
分としてエチレングリコール、ブチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペン
チルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエ
チレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等か
ら選ばれた1種以上からなる熱可塑性ポリエステル樹脂
または熱可塑性共重合ポリエステル樹脂である。好まし
くは、80モル%以上のエチレンテレフタレートまたは
ブチレンテレフタレート繰り返し単位からなる熱可塑性
ポリエステル樹脂またはこれらの組み合せが使用され
る。また本発明に使用される熱可塑性ポリエステル樹脂
は、フェノール/テトラクロロエタン混合溶媒(6/4
重量比)による30℃で測定して求めた極限粘度数は、
0.4以上であり、0.5以上が好ましい。
5000以下で、末端がエステル結合で封鎖されたポリ
アルキレングリコール、脂肪族ポリエステルおよびポリ
ラクトンから選ばれた一種以上の樹脂であるが、前記ポ
リアルキレングリコールとしては、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコ
ール・ポリプロピレングリコール共重合体、脂肪族ポリ
エステルとしては、ポリエチレンアジペート、ポリブチ
レンアジペート、ポリブチレンセバケート等が挙げら
れ、本発明においてはこれらポリアルキレングリコー
ル、脂肪族ポリエステル、ポリラクトンの少なくとも片
末端がメチルエーテル、エチルエーテル等のアルキルエ
ーテルや安息香酸等の芳香族カルボン酸や酢酸、プロピ
オン酸、酪酸、ラウリル酸、ステアリン酸等の脂肪族カ
ルボン酸でエステル化され封鎖されたものが使用され
る。特にポリエチレングリコールジメチルエーテル、ポ
リエチレングリコールジエチルエーテル、ポリエチレン
グリコールジベンゾエート、ポリエチレンアジペートの
モノカルボン酸エステル、ポリブチレンアジペートのモ
ノカルボン酸エステル、ポリラクトンのモノカルボン酸
エステル、ポリエチレンアジペートのジメチルエーテ
ル、ポリブチレンアジペートのジメチルエーテル、ポリ
エチレンアジペートのジエチルエーテル、ポリブチレン
アジペートのジエチルエーテルが好ましい。
000以下のものが、好ましくは200から2000の
ものが使用される。分子量が5000を超えると流動性
が低く本発明の目的が達成されない。一方分子量が20
0未満では成形時ガスが発生したり、物性が低下する等
して好ましくない。また本発明組成物において、(B)
成分は、熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部に対し
て0.1〜20重量部配合される。0.1重量部未満で
は流動性の改良効果が低く、20重量部を超えると耐熱
性など熱可塑性ポリエステル樹脂の優れた物性が損なわ
れるので応用面から好ましくない。
リン化合物が配合されるが、2−オキサゾリン化合物と
しては、具体的には2,2′−メチレンビス(2−オキ
サゾリン)、2,2′−エチレンビス(2−オキソザリ
ン)、2,2′−エチレンビス(4−メチル−2−オキ
サゾリン)、2,2′−プロピレンビス(2−オキサゾ
リン)、2,2′テトラメチレンビス(2−オキサゾリ
ン)、2,2′−ヘキサメチレンビス(2−オキサゾリ
ン)、2,2′−オクタメチレンビス(2−オキサゾリ
ン)、2,2′−p−フェニレンビス(2−オキサゾリ
ン)、2,2′−pフェニレンビス(4−メチル−2−
オキサゾリン)、2,2′−p−フェニレンビス(4,
4′−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2′−p−
フェニレンビス(4−フェニル−2−オキサゾリン)、
2,2′−m−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、
2,2′−m−フェニレンビス(4−メチル−2−オキ
サゾリン)、2,2′−m−フェニレンビス(4,4′
−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2′−m−フェ
ニレンビス(4−フェニレンビス−2−オキサゾリ
ン)、2,2′−o−フェニレンビス(2−オキサゾリ
ン)、2,2′−o−フェニレンビス(4−メチル−2
−オキサゾリン)、2,2′−ビス(2−オキサゾリ
ン)、2,2′−ビス(4−メチル−2−オキサゾリ
ン)、2,2′−ビス(4−エチル−2−オキサゾリ
ン)、2,2′−ビス(4−フェニール−2−オキサゾ
リン)等を挙げることができる。
強化材としては、ガラス繊維、炭素繊維等の繊維強化材
やチタン酸カリやセッコウ繊維のようなウイスカー、タ
ルク、クレイ、ワラストナイト、モンモリロナイト、マ
イカ、ベントナイト、炭酸カルシウム等の粉末状強化材
が挙げられる。本発明ではガラス繊維、タルク、ワラス
ナイトが好ましく、2種以上組み合わせて使用されるこ
とも多い。無機強化材の配合量は、寸法精度や耐熱性や
強度剛性に関する要求性能により選択されるが、熱可塑
性ポリエステル樹脂100重量部に対して150重量部
を超えると成形性が低下して成形品の外観が悪くなり好
ましくない。
限されるものではなく、任意の方法で行われる。例え
ば、全成分を予備配合した後、押出機やニーダ中で混練
する方法や、予め任意の数成分を押出機やニーダ中で混
練配合して得たペレットに、更に他の成分を混練配合す
る方法等が挙げられる。
に酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑性、滑剤、帯電防止
剤、離型剤、着色剤などの添加剤を配合することが好ま
しい。また本発明の組成物は、特殊な成形法や成形条件
は必要でなく、通常の熱可塑性ポリエステルの成形条件
によって成形することが出来、各種成形品の他、管状
物、容器、板状等で利用される。
立できることの理由は明確ではないが、ビスオキサゾリ
ン化合物とポリエステルの末端反応によりポリエステル
が高分子量化することによって高物性化し、(B)成分
である低分子量のポリアルキレングリコール等が末端封
鎖されているために、これらがエステル交換反応などで
分子量が均一化することが無く、可塑剤として働き、流
動性を保持することが出来るのもひとつの理由と推定さ
れる。
る。なお実施例中の部および%は、重量基準であり、各
物性値は以下の方法により測定した。 (1)流動長:シリンダー温度260−265−270
℃、射出圧力950Kg/cm2 にコントロールされた
射出成形機FS75(日精樹脂社)を使用し、表面温度
が100℃に調整された成形品厚さ1mmの金型による
バーフローテストで流動可能な長さを測定した。 (2)引張試験:ASTM D638に準じ、引張り強
さと引張り破壊伸びを評価した。
2)(PET−I)、ポリエチレンテレフタレート樹脂
II(極限粘度数0.80)(PET−II)、ポリブチレ
ンテレフタレート樹脂(極限粘度数0.80)(PB
T)、ポリエチレングリコールジベンゾエート(PEG
分子量1000)(PEGDBA−I)、ポリエチレン
グリコールジベンゾエート(PEG分子量600)(P
EGDBA−II)、ポリエチレングリコールジメチルエ
ーテル(PEG分子量1000)(PEGDME)、ポ
リエチレンアジペートジメチルエーテル(PEA分子量
1000)(PEADME)、ポリエチレングリコール
(分子量1000)(PEG)、2,2′−(1,3−
フェニレン)−ビス(2−オキサゾリン)(1,3PB
O)、2,2′−ビス(2−オキサゾリン)(BO)、
タルク(TA)、ガラス繊維(GF)、モンタン酸エス
テル(WAX E)を、表1〜3に示す割合で予備混合
した後、2軸押出機のホッパーに投入し、シリンダー温
度265℃で溶融混練して各々コンパウンドチップを得
た。このコンパウンドチップを140℃で4時間乾燥し
た後、流動性と265℃に調節した射出成形機によりテ
ストピースを成形し引張特性を評価した。その結果を表
1〜3に併記する。
ポリエステル樹脂組成物は、通常両立の難しい高い流動
性と高い物性の両方を示していることが判る。従って本
発明を採用することにより流動性と機械的物性のいずれ
においても優れたポリエステル樹脂組成物が得られ、コ
イルボビンやリレーやコネクターなどの電気部品の絶縁
体やハウジング、自動車のエンジンルーム内の部品用の
成形材料として非常に有用である。
Claims (1)
- 【請求項1】 (A)熱可塑性ポリエステル樹脂100
重量部に対して、(B)分子量が5000以下で、末端
がエステル結合またはエーテル結合で封鎖されたポリア
ルキレングリコール、脂肪族ポリエステルおよびポリラ
クトンから選ばれた1種以上の樹脂0.1〜20重量
部、(C)2−オキサゾリン化合物0.1〜10重量
部、(D)無機強化材0〜150重量部を含有すること
を特徴とするポリエステル樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12187792A JP3139572B2 (ja) | 1992-05-14 | 1992-05-14 | ポリエステル樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12187792A JP3139572B2 (ja) | 1992-05-14 | 1992-05-14 | ポリエステル樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05311055A JPH05311055A (ja) | 1993-11-22 |
JP3139572B2 true JP3139572B2 (ja) | 2001-03-05 |
Family
ID=14822139
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12187792A Expired - Fee Related JP3139572B2 (ja) | 1992-05-14 | 1992-05-14 | ポリエステル樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3139572B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3385329B2 (ja) * | 1994-12-28 | 2003-03-10 | 株式会社島津製作所 | 生分解性ポリエステル組成物及びその成型品 |
JP4657411B2 (ja) * | 1999-11-25 | 2011-03-23 | オカモト株式会社 | カレンダー加工用軟質ポリエステル樹脂組成物およびこれから製造したフイルム |
-
1992
- 1992-05-14 JP JP12187792A patent/JP3139572B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH05311055A (ja) | 1993-11-22 |
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