JP2004169751A - 電磁弁装置の制御方法 - Google Patents
電磁弁装置の制御方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004169751A JP2004169751A JP2002333595A JP2002333595A JP2004169751A JP 2004169751 A JP2004169751 A JP 2004169751A JP 2002333595 A JP2002333595 A JP 2002333595A JP 2002333595 A JP2002333595 A JP 2002333595A JP 2004169751 A JP2004169751 A JP 2004169751A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- coil
- output pressure
- valve device
- current value
- supplied
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Magnetically Actuated Valves (AREA)
- Control Of Transmission Device (AREA)
Abstract
【課題】コイルに供給する電流値に対する出力圧の線型性および応答性が良好となる電磁弁装置の制御方法を提供する。
【解決手段】プランジャ17とプランジャ17を往復移動可能に収容している収容部13とが直接摺動し、コイル20に供給する電流値に対し出力圧が線型に変化する電磁弁装置1において、コイル20に供給する電流は通常、一定周波数、例えば300Hzである。しかし、電流値の高さ、出力圧の高さおよび流体の粘度によりプランジャ17の移動が妨げられて電流値に対して出力圧が曲線を描く場合がある。その場合は、コイル20に供給する電流の周波数を約半分の150Hzに低下することによりプランジャ17が振動して移動を行いやすくなり、移動開始から出力圧を変化させるまでに要する時間が通常周波数と比較して早くなる。したがって、電流値に対する出力圧の線型性および応答性が良好となる。
【選択図】 図1
【解決手段】プランジャ17とプランジャ17を往復移動可能に収容している収容部13とが直接摺動し、コイル20に供給する電流値に対し出力圧が線型に変化する電磁弁装置1において、コイル20に供給する電流は通常、一定周波数、例えば300Hzである。しかし、電流値の高さ、出力圧の高さおよび流体の粘度によりプランジャ17の移動が妨げられて電流値に対して出力圧が曲線を描く場合がある。その場合は、コイル20に供給する電流の周波数を約半分の150Hzに低下することによりプランジャ17が振動して移動を行いやすくなり、移動開始から出力圧を変化させるまでに要する時間が通常周波数と比較して早くなる。したがって、電流値に対する出力圧の線型性および応答性が良好となる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁弁装置の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
可動子と可動子を往復移動可能に収容している収容部とが直接摺動し、コイルに供給する電流値に対し出力圧が線型に変化する電磁弁装置において、一定周波数の電流を電磁弁装置のコイルに供給することにより可動子を振動させながら滑らかに往復移動させることが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電流値の高さ、出力圧の高さまたは流体の粘度によって収容部と摺動する可動子の往復移動が妨げられる時がある。これらの時は、可動子が振動しにくいためなかなか可動子が移動しないからである。そのため、コイルに供給する電流値に対する出力圧の線型性の悪化および電流の変化に対して出力圧が変化するまでの応答時間の遅延がおきる。
本発明の目的は、コイルに供給する電流値に対する出力圧の線型性および応答性が良好となる電磁弁装置の制御方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の電磁弁装置の制御方法によると、可動子の往復移動が妨げられる時、コイルに供給する電流の周波数を低下する。これにより可動子が振動しやすくなる。したがって、出力圧の線型性および応答性が良好となる。
本発明の請求項2記載の電磁弁装置の制御方法によると、コイルに供給される電流値が低いときおよび電磁弁装置から出力される出力圧が高いときにコイルに供給する電流の周波数を低下する。これにより可動子が振動しやすくなる。したがって、低電流および高圧力時の出力圧の線型性が良好となる。
【0005】
本発明の請求項3記載の電磁弁装置の制御方法によると、コイルに供給される電流値が高いときおよび電磁弁装置から出力される出力圧が低いときにコイルに供給する電流の周波数を低下する。これにより可動子が振動しやすくなる。したがって、高電流および低圧力時の出力圧の線型性が良好となる。
【0006】
本発明の請求項4記載の電磁弁装置の制御方法によると、コイルに供給される電流値が低いときおよび電磁弁装置から出力される出力圧が低いときにコイルに供給する電流の周波数を低下する。これにより可動子が振動しやすくなる。したがって、低電流および低圧力時の出力圧の線型性が良好となる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図に基づいて説明する。
(第1実施例)
本発明の第1実施例による電磁弁装置を図1に示す。
電磁弁装置1は、車両等の自動変速機の油圧制御装置に供給する作動油の油圧を制御するスプール型油圧制御弁装置である。
【0008】
電磁弁装置1は、電磁駆動部としてのリニアソレノイド10と、弁部としてのスプール制御弁30とを有している。リニアソレノイド10のヨーク11が弁ハウジング31の端部をかしめることにより、リニアソレノイド10とスプール制御弁30とが結合している。
【0009】
リニアソレノイド10は、円筒状のヨーク11、固定コア12、可動子としてのプランジャ17、コイル20等を有する。ヨーク11および固定コア12は固定子を構成している。ヨーク11、固定コア12およびプランジャ17は磁性材で形成されており、磁気回路を構成している。
【0010】
ヨーク11は、弁部材としてのスプール40を往復移動自在に支持する弁ハウジング31をかしめることにより、ヨーク11と弁ハウジング31との間に固定コア12を固定している。
固定コア12は、収容部13と、吸引部14と、収容部13と吸引部14とを結合する薄肉部15とを有し、一体に形成されている。薄肉部15は収容部13と吸引部14との間で磁束が漏れることを防止する磁気抵抗部である。
【0011】
収容部13はプランジャ17を往復移動可能に収容している。プランジャ17の外周壁とのクリアランスを極力小さくし磁気吸引力を増加するため、収容部13の内周壁およびプランジャ17の外周壁の少なくとも一方にニッケル・リン等の非磁性材でめっきが施されている。
【0012】
コイル20に通電すると吸引部14とプランジャ17との間にプランジャ17を吸引する力が発生する。
コイル20は樹脂製のボビン21に巻回されている。コイル20と電気的に接続している図示しないターミナルからコイル20に電流が供給されると、ヨーク11、収容部13、吸引部14およびプランジャ17によって構成された磁気回路に磁束が流れ、吸引部14とプランジャ17との間に磁気吸引力が発生する。すると、プランジャ17は弁ハウジング31方向に移動する。
【0013】
スプール制御弁30は、弁ハウジング31、スプール40およびスプール40をプランジャ17側に付勢する付勢手段としてのスプリング50を有している。
弁ハウジング31は、スプール40を往復移動可能に収容し支持している。弁ハウジング31には、周壁を貫通する開口として入力ポート32、出力ポート33、フィードバックポート34、排出ポート35および連通ポート36が形成されている。入力ポート32、出力ポート33および排出ポート35は周方向に複数形成されている。入力ポート32は、図示しない油タンクからポンプによって供給される作動油が流入するポートである。出力ポート33は図示しない自動変速機の係合装置に作動油を供給するポートである。出力ポート33とフィードバックポート34とは電磁弁装置1の外部で連通しており、出力ポート33から流出する作動油の一部がフィードバックポート34に導入される。フィードバック室37はフィードバックポート34と連通している。排出ポート35は出力ポート33側の作動油をドレインに排出するポートである。連通ポート36は、スプール40が往復移動するとき、スプール40のスプリング50側の空間52がダンパとならないように、空間52と外部とを連通するポートである。
【0014】
スプール40には反ソレノイド側から大径ランド41、大径ランド42および小径ランド43がこの順で形成されている。小径ランド43は、大径ランド41および大径ランド42よりも外径が小さい。スプール40の端部44は常にプランジャ17に当接し、プランジャ17の動きが伝達され弁ハウジング31内を往復運動する。
【0015】
フィードバック室37は大径ランド42と小径ランド43との間に形成されており、ランドの外径の差によりフィードバックされた油圧が作用する面積が異なる。そのため、フィードバック室37の油圧は反ソレノイド方向にスプール40を押圧するように作用する。電磁弁装置1において油圧の一部をフィードバックするのは、供給される油圧すなわち入力圧の変動により出力圧が変動することを防止するためである。スプール40は、スプリング50の付勢力と、コイル20に供給される電流により固定コア12に発生する電磁吸引力でプランジャ17がスプール40を押す力と、フィードバック室37の油圧からスプール40が受ける力とがつり合う位置で静止する。
スプール40の反リニアソレノイド側に設けられているスプリング50は、スプール40をリニアソレノイド10方向へ付勢している。アジャストスクリュ51のねじ込み量によってスプリング50の荷重を調整できる。
【0016】
入力ポート32から出力ポート33へ流れる作動油量は、弁ハウジング31の内周壁31aと大径ランド42の外周壁との重なり部分の長さであるシール長によって決定される。シール長が短くなると入力ポート32から出力ポート33へ流れる作動油量が増大し、シール長が長くなると入力ポート32から出力ポート33へ流れる作動油量が減少する。同様に、出力ポート33から排出ポート35へ流れる作動油量は、弁ハウジング31の内周壁31bと大径ランド41の外周壁とのシール長によって決定される。
【0017】
ダイヤフラム60はゴム製であり、中央部がスプール40のプランジャ17側の端部44に嵌合し、外周縁が弁ハウジング31と固定コア12との間に挟持されている。スプール40の往復移動にしたがいダイヤフラム60は移動する。プランジャ17を往復移動方向に貫通する連通路17aがプランジャ17に形成されているので、ダイヤフラム60のプランジャ17側の空間17bが連通路17aを介しヨーク11側の空間17cと連通している。したがって、プランジャ17の往復移動に伴いダイヤフラム60のプランジャ17側の空間に生じる容積変化を吸収できる。
【0018】
次に電磁弁装置1の作動について説明する。
コイル20に電流が供給されることによりスプール40が反リニアソレノイド方向へ移動すると、内周壁31aと大径ランド42とのシール長が長くなり内周壁31bと大径ランド41とのシール長が短くなるため、入力ポート32から出力ポート33へ流れる作動油量が減少し、出力ポート33から排出ポート35へ流れる作動油流量が増大する。したがって、出力ポート33から流出する作動油の油圧が低下する。
【0019】
一方、スプール40がリニアソレノイド10方向へ移動すると、内周壁31aと大径ランド42とのシール長が短くなり内周壁31bと大径ランド41とのシール長が長くなるため、入力ポート32から出力ポート33へ流れる作動油の流量が増大し、出力ポート33から排出ポート35へ流れる作動油の流量が減少する。その結果、出力ポート33から流出する作動油の油圧が上昇する。
【0020】
電磁弁装置1は、コイル20に供給する電流値を制御することでリニアソレノイド10がスプール40を反リニアソレノイド10方向へ押す力を調整し、出力ポート33から流出する作動油の油圧を調整する。電磁弁装置1では、図2の(a)に示すように、コイル20に供給する電流値に対し出力ポート33から流出する作動油の出力圧はヒステリシスを有し、線型に変化する。このように、コイル20に供給する電流を制御することにより、スプール40の位置が変位し自動変速機に供給する作動油の圧力を調整することが可能である。
【0021】
図2(a)に示すように、電流を増加させると出力圧が低下する電磁弁装置1において、図3(a)に示すように、通常の一定周波数、例えば、300Hzの電流を供給する場合、コイル20に供給する電流値が低く出力圧が高いか、コイル20に供給する電流値が高く出力圧が低い時、コイル20に供給する電流値に対し出力圧は点線に示すように曲線を描いていた。そこで、出力圧が曲線を描く時、図2(b)に示すように、コイル20に供給する電流の周波数を約半分の150Hzに低下することにより電流値に対する出力圧の線型性が良好となる。
【0022】
図3(a)に示すように、通常は、コイル20に一定周波数の電流を供給している。これによりプランジャ17は振動して移動する。しかし、電流値の高さ、出力圧の高さまたは流体の粘度によってプランジャ17は振動しにくいためなかなか移動しない時がある。そのため、図2(a)で示したように、電流値に対する出力圧が曲線を描く。
【0023】
第1実施例では、出力圧が曲線を描く時、すなわち、コイル20に供給する電流値が低く出力圧が高いか、コイル20に供給する電流値が高く出力圧が低い時、図3(b)に示すように、コイル20に通常周波数の約半分の150Hzの周波数の電流を供給する。これによりプランジャ17は振動しやすくなる。そのため、図2(a)で示したように、電流値に対する出力圧の線型性が良好となる。
【0024】
電磁弁装置1において、コイル20に供給する電流の周波数を通常周波数の約半分の150Hzに低下するとプランジャ17が振動しやすくなる。そのため、プランジャ17が移動を開始して出力圧を変化させるまでに要する時間が通常周波数と比較して早くなる。したがって、図4に示すように、電磁弁装置1が目標出力圧に到達する応答時間は通常周波数と比較して早くなる。したがって、出力圧の応答性が良好となる。
【0025】
(第2実施例)
また、プランジャ17とプランジャ17を往復移動可能に収容している収容部13とが直接摺動し、コイル20に供給する電流値に対し出力圧が線型に変化する電磁弁装置において、図5(a)に示すように、コイル20に供給する電流値が増加すると作動油の出力圧が線型に増加する電磁弁装置もある。この電磁弁装置において、通常の一定周波数の電流の場合、コイル20に供給する電流値が低く出力圧が低い時、コイル20に供給する電流値に対し出力圧は点線に示すように曲線を描いていた。そこで、出力圧が曲線を描く時、図5(b)に示すように、コイル20に供給する電流の周波数を例えば、通常周波数300Hzの約半分の150Hzに低下することにより電流値に対する出力圧の線型性が良好となる。
【0026】
本実施例の電磁弁装置は、自動変速機の油圧制御装置に供給する作動油の出力圧を制御するスプール型油圧制御弁装置であったが、特に油圧およびスプール型に限らずコイルに供給する電流に対し圧力もしくは流量を線型に制御する電磁弁装置に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による電磁弁装置を示す概略図である。
【図2】第1実施例による電磁弁装置の電流と出力圧との関係を示すグラフである。
【図3】第1実施例による電磁弁装置に供給される周波数を示す模式図である。
【図4】第1実施例による電磁弁装置の応答時間と出力圧との関係を示すグラフである。
【図5】本発明の第2実施例による電磁弁装置の電流と出力圧との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 電磁弁装置
11 ヨーク(固定子)
12 固定コア(固定子)
13 収容部
14 吸引部
17 プランジャ(可動子)
20 コイル
32 入力ポート(流体通路)
33 出力ポート(流体通路)
34 フィードバックポート(流体通路)
35 排出ポート(流体通路)
36 連通ポート(流体通路)
40 スプール(弁部材)
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁弁装置の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
可動子と可動子を往復移動可能に収容している収容部とが直接摺動し、コイルに供給する電流値に対し出力圧が線型に変化する電磁弁装置において、一定周波数の電流を電磁弁装置のコイルに供給することにより可動子を振動させながら滑らかに往復移動させることが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電流値の高さ、出力圧の高さまたは流体の粘度によって収容部と摺動する可動子の往復移動が妨げられる時がある。これらの時は、可動子が振動しにくいためなかなか可動子が移動しないからである。そのため、コイルに供給する電流値に対する出力圧の線型性の悪化および電流の変化に対して出力圧が変化するまでの応答時間の遅延がおきる。
本発明の目的は、コイルに供給する電流値に対する出力圧の線型性および応答性が良好となる電磁弁装置の制御方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の電磁弁装置の制御方法によると、可動子の往復移動が妨げられる時、コイルに供給する電流の周波数を低下する。これにより可動子が振動しやすくなる。したがって、出力圧の線型性および応答性が良好となる。
本発明の請求項2記載の電磁弁装置の制御方法によると、コイルに供給される電流値が低いときおよび電磁弁装置から出力される出力圧が高いときにコイルに供給する電流の周波数を低下する。これにより可動子が振動しやすくなる。したがって、低電流および高圧力時の出力圧の線型性が良好となる。
【0005】
本発明の請求項3記載の電磁弁装置の制御方法によると、コイルに供給される電流値が高いときおよび電磁弁装置から出力される出力圧が低いときにコイルに供給する電流の周波数を低下する。これにより可動子が振動しやすくなる。したがって、高電流および低圧力時の出力圧の線型性が良好となる。
【0006】
本発明の請求項4記載の電磁弁装置の制御方法によると、コイルに供給される電流値が低いときおよび電磁弁装置から出力される出力圧が低いときにコイルに供給する電流の周波数を低下する。これにより可動子が振動しやすくなる。したがって、低電流および低圧力時の出力圧の線型性が良好となる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図に基づいて説明する。
(第1実施例)
本発明の第1実施例による電磁弁装置を図1に示す。
電磁弁装置1は、車両等の自動変速機の油圧制御装置に供給する作動油の油圧を制御するスプール型油圧制御弁装置である。
【0008】
電磁弁装置1は、電磁駆動部としてのリニアソレノイド10と、弁部としてのスプール制御弁30とを有している。リニアソレノイド10のヨーク11が弁ハウジング31の端部をかしめることにより、リニアソレノイド10とスプール制御弁30とが結合している。
【0009】
リニアソレノイド10は、円筒状のヨーク11、固定コア12、可動子としてのプランジャ17、コイル20等を有する。ヨーク11および固定コア12は固定子を構成している。ヨーク11、固定コア12およびプランジャ17は磁性材で形成されており、磁気回路を構成している。
【0010】
ヨーク11は、弁部材としてのスプール40を往復移動自在に支持する弁ハウジング31をかしめることにより、ヨーク11と弁ハウジング31との間に固定コア12を固定している。
固定コア12は、収容部13と、吸引部14と、収容部13と吸引部14とを結合する薄肉部15とを有し、一体に形成されている。薄肉部15は収容部13と吸引部14との間で磁束が漏れることを防止する磁気抵抗部である。
【0011】
収容部13はプランジャ17を往復移動可能に収容している。プランジャ17の外周壁とのクリアランスを極力小さくし磁気吸引力を増加するため、収容部13の内周壁およびプランジャ17の外周壁の少なくとも一方にニッケル・リン等の非磁性材でめっきが施されている。
【0012】
コイル20に通電すると吸引部14とプランジャ17との間にプランジャ17を吸引する力が発生する。
コイル20は樹脂製のボビン21に巻回されている。コイル20と電気的に接続している図示しないターミナルからコイル20に電流が供給されると、ヨーク11、収容部13、吸引部14およびプランジャ17によって構成された磁気回路に磁束が流れ、吸引部14とプランジャ17との間に磁気吸引力が発生する。すると、プランジャ17は弁ハウジング31方向に移動する。
【0013】
スプール制御弁30は、弁ハウジング31、スプール40およびスプール40をプランジャ17側に付勢する付勢手段としてのスプリング50を有している。
弁ハウジング31は、スプール40を往復移動可能に収容し支持している。弁ハウジング31には、周壁を貫通する開口として入力ポート32、出力ポート33、フィードバックポート34、排出ポート35および連通ポート36が形成されている。入力ポート32、出力ポート33および排出ポート35は周方向に複数形成されている。入力ポート32は、図示しない油タンクからポンプによって供給される作動油が流入するポートである。出力ポート33は図示しない自動変速機の係合装置に作動油を供給するポートである。出力ポート33とフィードバックポート34とは電磁弁装置1の外部で連通しており、出力ポート33から流出する作動油の一部がフィードバックポート34に導入される。フィードバック室37はフィードバックポート34と連通している。排出ポート35は出力ポート33側の作動油をドレインに排出するポートである。連通ポート36は、スプール40が往復移動するとき、スプール40のスプリング50側の空間52がダンパとならないように、空間52と外部とを連通するポートである。
【0014】
スプール40には反ソレノイド側から大径ランド41、大径ランド42および小径ランド43がこの順で形成されている。小径ランド43は、大径ランド41および大径ランド42よりも外径が小さい。スプール40の端部44は常にプランジャ17に当接し、プランジャ17の動きが伝達され弁ハウジング31内を往復運動する。
【0015】
フィードバック室37は大径ランド42と小径ランド43との間に形成されており、ランドの外径の差によりフィードバックされた油圧が作用する面積が異なる。そのため、フィードバック室37の油圧は反ソレノイド方向にスプール40を押圧するように作用する。電磁弁装置1において油圧の一部をフィードバックするのは、供給される油圧すなわち入力圧の変動により出力圧が変動することを防止するためである。スプール40は、スプリング50の付勢力と、コイル20に供給される電流により固定コア12に発生する電磁吸引力でプランジャ17がスプール40を押す力と、フィードバック室37の油圧からスプール40が受ける力とがつり合う位置で静止する。
スプール40の反リニアソレノイド側に設けられているスプリング50は、スプール40をリニアソレノイド10方向へ付勢している。アジャストスクリュ51のねじ込み量によってスプリング50の荷重を調整できる。
【0016】
入力ポート32から出力ポート33へ流れる作動油量は、弁ハウジング31の内周壁31aと大径ランド42の外周壁との重なり部分の長さであるシール長によって決定される。シール長が短くなると入力ポート32から出力ポート33へ流れる作動油量が増大し、シール長が長くなると入力ポート32から出力ポート33へ流れる作動油量が減少する。同様に、出力ポート33から排出ポート35へ流れる作動油量は、弁ハウジング31の内周壁31bと大径ランド41の外周壁とのシール長によって決定される。
【0017】
ダイヤフラム60はゴム製であり、中央部がスプール40のプランジャ17側の端部44に嵌合し、外周縁が弁ハウジング31と固定コア12との間に挟持されている。スプール40の往復移動にしたがいダイヤフラム60は移動する。プランジャ17を往復移動方向に貫通する連通路17aがプランジャ17に形成されているので、ダイヤフラム60のプランジャ17側の空間17bが連通路17aを介しヨーク11側の空間17cと連通している。したがって、プランジャ17の往復移動に伴いダイヤフラム60のプランジャ17側の空間に生じる容積変化を吸収できる。
【0018】
次に電磁弁装置1の作動について説明する。
コイル20に電流が供給されることによりスプール40が反リニアソレノイド方向へ移動すると、内周壁31aと大径ランド42とのシール長が長くなり内周壁31bと大径ランド41とのシール長が短くなるため、入力ポート32から出力ポート33へ流れる作動油量が減少し、出力ポート33から排出ポート35へ流れる作動油流量が増大する。したがって、出力ポート33から流出する作動油の油圧が低下する。
【0019】
一方、スプール40がリニアソレノイド10方向へ移動すると、内周壁31aと大径ランド42とのシール長が短くなり内周壁31bと大径ランド41とのシール長が長くなるため、入力ポート32から出力ポート33へ流れる作動油の流量が増大し、出力ポート33から排出ポート35へ流れる作動油の流量が減少する。その結果、出力ポート33から流出する作動油の油圧が上昇する。
【0020】
電磁弁装置1は、コイル20に供給する電流値を制御することでリニアソレノイド10がスプール40を反リニアソレノイド10方向へ押す力を調整し、出力ポート33から流出する作動油の油圧を調整する。電磁弁装置1では、図2の(a)に示すように、コイル20に供給する電流値に対し出力ポート33から流出する作動油の出力圧はヒステリシスを有し、線型に変化する。このように、コイル20に供給する電流を制御することにより、スプール40の位置が変位し自動変速機に供給する作動油の圧力を調整することが可能である。
【0021】
図2(a)に示すように、電流を増加させると出力圧が低下する電磁弁装置1において、図3(a)に示すように、通常の一定周波数、例えば、300Hzの電流を供給する場合、コイル20に供給する電流値が低く出力圧が高いか、コイル20に供給する電流値が高く出力圧が低い時、コイル20に供給する電流値に対し出力圧は点線に示すように曲線を描いていた。そこで、出力圧が曲線を描く時、図2(b)に示すように、コイル20に供給する電流の周波数を約半分の150Hzに低下することにより電流値に対する出力圧の線型性が良好となる。
【0022】
図3(a)に示すように、通常は、コイル20に一定周波数の電流を供給している。これによりプランジャ17は振動して移動する。しかし、電流値の高さ、出力圧の高さまたは流体の粘度によってプランジャ17は振動しにくいためなかなか移動しない時がある。そのため、図2(a)で示したように、電流値に対する出力圧が曲線を描く。
【0023】
第1実施例では、出力圧が曲線を描く時、すなわち、コイル20に供給する電流値が低く出力圧が高いか、コイル20に供給する電流値が高く出力圧が低い時、図3(b)に示すように、コイル20に通常周波数の約半分の150Hzの周波数の電流を供給する。これによりプランジャ17は振動しやすくなる。そのため、図2(a)で示したように、電流値に対する出力圧の線型性が良好となる。
【0024】
電磁弁装置1において、コイル20に供給する電流の周波数を通常周波数の約半分の150Hzに低下するとプランジャ17が振動しやすくなる。そのため、プランジャ17が移動を開始して出力圧を変化させるまでに要する時間が通常周波数と比較して早くなる。したがって、図4に示すように、電磁弁装置1が目標出力圧に到達する応答時間は通常周波数と比較して早くなる。したがって、出力圧の応答性が良好となる。
【0025】
(第2実施例)
また、プランジャ17とプランジャ17を往復移動可能に収容している収容部13とが直接摺動し、コイル20に供給する電流値に対し出力圧が線型に変化する電磁弁装置において、図5(a)に示すように、コイル20に供給する電流値が増加すると作動油の出力圧が線型に増加する電磁弁装置もある。この電磁弁装置において、通常の一定周波数の電流の場合、コイル20に供給する電流値が低く出力圧が低い時、コイル20に供給する電流値に対し出力圧は点線に示すように曲線を描いていた。そこで、出力圧が曲線を描く時、図5(b)に示すように、コイル20に供給する電流の周波数を例えば、通常周波数300Hzの約半分の150Hzに低下することにより電流値に対する出力圧の線型性が良好となる。
【0026】
本実施例の電磁弁装置は、自動変速機の油圧制御装置に供給する作動油の出力圧を制御するスプール型油圧制御弁装置であったが、特に油圧およびスプール型に限らずコイルに供給する電流に対し圧力もしくは流量を線型に制御する電磁弁装置に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による電磁弁装置を示す概略図である。
【図2】第1実施例による電磁弁装置の電流と出力圧との関係を示すグラフである。
【図3】第1実施例による電磁弁装置に供給される周波数を示す模式図である。
【図4】第1実施例による電磁弁装置の応答時間と出力圧との関係を示すグラフである。
【図5】本発明の第2実施例による電磁弁装置の電流と出力圧との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 電磁弁装置
11 ヨーク(固定子)
12 固定コア(固定子)
13 収容部
14 吸引部
17 プランジャ(可動子)
20 コイル
32 入力ポート(流体通路)
33 出力ポート(流体通路)
34 フィードバックポート(流体通路)
35 排出ポート(流体通路)
36 連通ポート(流体通路)
40 スプール(弁部材)
Claims (4)
- 可動子と、
往復移動方向の一方に前記可動子を吸引する磁力を発生するコイルと、
前記可動子と磁気回路を形成している固定子であって、前記可動子を往復移動可能に収容している収容部、ならびに往復移動方向の一方に前記可動子を吸引する吸引部を有する固定子と、
前記可動子とともに往復運動し流体通路の連通状態を制御する弁部材とを備え、
前記可動子が前記収容部と直接摺動し、前記コイルに供給する電流値に対し、出力圧が線型に変化する電磁弁装置の制御方法であって、
前記可動子の往復移動が妨げられるときに前記コイルに供給する電流の周波数を低下することを特徴とする電磁弁装置の制御方法。 - 前記コイルに供給される電流値が低く電磁弁装置から出力される出力圧が高いときに前記コイルに供給する電流の周波数を低下することを特徴とする請求項1記載の電磁弁装置の制御方法。
- 前記コイルに供給される電流値が高く電磁弁装置から出力される出力圧が低いときに前記コイルに供給する電流の周波数を低下することを特徴とする請求項1または2記載の電磁弁装置の制御方法。
- 前記コイルに供給される電流値が低く電磁弁装置から出力される出力圧が低いときに前記コイルに供給する電流の周波数を低下することを特徴とする請求項1記載の電磁弁装置の制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002333595A JP2004169751A (ja) | 2002-11-18 | 2002-11-18 | 電磁弁装置の制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002333595A JP2004169751A (ja) | 2002-11-18 | 2002-11-18 | 電磁弁装置の制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004169751A true JP2004169751A (ja) | 2004-06-17 |
Family
ID=32698259
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002333595A Pending JP2004169751A (ja) | 2002-11-18 | 2002-11-18 | 電磁弁装置の制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004169751A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006278970A (ja) * | 2005-03-30 | 2006-10-12 | Brother Ind Ltd | ソレノイド制御装置及びソレノイド制御方法並びにミシンの糸調子装置 |
WO2008117714A1 (ja) * | 2007-03-23 | 2008-10-02 | Eagle Industry Co., Ltd. | ソレノイドバルブとその製造方法 |
JP2009115291A (ja) * | 2007-11-09 | 2009-05-28 | Denso Corp | リニアソレノイド |
-
2002
- 2002-11-18 JP JP2002333595A patent/JP2004169751A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006278970A (ja) * | 2005-03-30 | 2006-10-12 | Brother Ind Ltd | ソレノイド制御装置及びソレノイド制御方法並びにミシンの糸調子装置 |
JP4692044B2 (ja) * | 2005-03-30 | 2011-06-01 | ブラザー工業株式会社 | ミシンの糸調子装置 |
WO2008117714A1 (ja) * | 2007-03-23 | 2008-10-02 | Eagle Industry Co., Ltd. | ソレノイドバルブとその製造方法 |
US8376315B2 (en) | 2007-03-23 | 2013-02-19 | Eagle Industry Co., Ltd. | Solenoid valve and manufacturing method of the same |
JP5225978B2 (ja) * | 2007-03-23 | 2013-07-03 | イーグル工業株式会社 | ソレノイドバルブとその製造方法 |
JP2009115291A (ja) * | 2007-11-09 | 2009-05-28 | Denso Corp | リニアソレノイド |
JP4525736B2 (ja) * | 2007-11-09 | 2010-08-18 | 株式会社デンソー | リニアソレノイド |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6547215B2 (en) | Electromagnetic valve having nonmagnetic member between stator core and moving core | |
JP4609324B2 (ja) | リニアソレノイド | |
JP2002222710A (ja) | 電磁駆動装置およびそれを用いた流量制御装置 | |
US6564443B2 (en) | Method for manufacturing electromagnetic operating apparatus | |
JP2001208234A (ja) | 電磁弁 | |
JP4022857B2 (ja) | 電磁弁装置 | |
JP2001263521A (ja) | 電磁駆動装置およびそれを用いた流体制御弁と電磁駆動装置の製造方法 | |
US20060086396A1 (en) | Electromagnetic hydraulic control valve | |
JP2007032689A (ja) | スプール弁装置 | |
US20100301978A1 (en) | Linear actuator | |
JP2015102150A (ja) | スプール制御弁 | |
US7075394B2 (en) | Electromagnetic drive flow controller | |
JP2015075165A (ja) | 電磁弁 | |
JP2003130246A (ja) | 電磁弁装置 | |
JP2002310322A (ja) | 電磁弁装置 | |
JP4058604B2 (ja) | 電磁弁装置 | |
JP2004169751A (ja) | 電磁弁装置の制御方法 | |
JP2001068335A (ja) | 電磁駆動装置およびそれを用いた電磁弁 | |
JP2000277327A (ja) | リニアソレノイド及びそれを用いた電磁弁 | |
JP2008157270A (ja) | 電磁弁 | |
JP4428027B2 (ja) | 電磁駆動装置およびそれを用いた電磁弁 | |
JP2007032783A (ja) | 電磁弁 | |
JP2010212703A (ja) | リニアソレノイド | |
JP2007100829A (ja) | バルブ装置 | |
JP2001332419A (ja) | 電磁駆動装置、それを用いた流量制御装置および電磁駆動装置の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050117 |
|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20070921 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20071002 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080225 |