JP2015075165A - 電磁弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来の電磁弁のリニアソレノイドは、コンタミを含んだオイルがプランジャ摺動部に入り込んだ場合、コアステータのガイド孔に対するプランジャの円滑な往復移動が阻害されるため、適正な油圧制御を行うことが困難となるという課題があった。【解決手段】 自動車等の車両に電磁弁を搭載した際に、シャフト摺動部27よりも車両搭載時における天地方向の天方向側(車両搭載天方向)に位置する部位に、ステータ肉厚部61をソレノイド軸方向に貫通し、且つプランジャ室42をスプール孔の内部(連通室38)に連通させるステータ呼吸孔47を設けたことにより、連通室38とプランジャ室42とを連通するオイル供給経路を確保することができる。これにより、呼吸体積(摺動による容積変化分)に対して十分な呼吸路を構成することができるので、コンタミを含んだオイルが、シャフト摺動部27およびプランジャ摺動部28へ到達し難くなる。【選択図】 図2

Description

本発明は、オイル等の流体の給排(入出力)ポートの切替制御を行うスプール制御弁のスプールをスリーブの軸線方向の先端側に駆動するソレノイドアクチュエータを備えた電磁弁に関するものである。
従来より、例えば自動変速機の油圧回路で使用されるオイルが流出入する複数のオイル給排ポートが形成された筒状のスリーブ、およびこのスリーブの内孔(軸線方向に延びるスプール孔)内に往復摺動可能に支持されるスプール、およびこのスプールをスリーブの基端側(ソレノイド側)へ付勢するリターンスプリングを有するスプールバルブ(スプール制御弁)と、このスプール制御弁のスプールをスリーブの軸線方向の先端側(スプリング側)に駆動するソレノイドアクチュエータ(以下ソレノイド)とによって構成されている。
ソレノイドは、非磁性体製のシャフトを介して、スプール3と一体移動可能に連結した磁性体製のプランジャと、通電されると周囲に磁束を発生するソレノイドコイル(以下コイル)と、このコイルの内周側に磁路を形成する筒状のコアステータと、コイルの外周側に磁路を形成する有底筒状のヨークと、コイルと外部回路との接続を行うための外部接続用コネクタとを備えている。
ソレノイドは、コイルの発生磁力によってプランジャをコアステータの磁気吸引部に引き寄せることで、スリーブの基端側のデフォルト位置(ゼロリフト位置)からスリーブの先端側のフルリフト位置へ向けてスプールをスリーブの軸線方向の一方側に駆動するように構成されている。
ここで、特許文献1には、図3に示したように、コイル101の発生磁力によってプランジャ102と有底円筒状のヨーク103と共に磁化される円筒状のコアステータ104のガイド孔内をプランジャ102とシャフト105とが直接摺動するリングコアタイプのソレノイド(電磁アクチュエータ)を備えた電磁弁が開示されている。
ここで、コアステータ104のガイド孔内に往復摺動可能にプランジャ102が支持されているので、コアステータ104の内周面とプランジャ102の外周面との間のプランジャ摺動部(摺動クリアランス)106内はオイルで満たされている。
そして、ソレノイドの作動時において、プランジャ102を往復摺動可能に収容するプランジャ室107の容積変化(呼吸作用)によるへばり付きを防止するために、ソレノイド外部からプランジャ室107にオイル供給経路を確保するという目的で、特許文献1に記載の電磁弁には、「ヨーク103の開口端とモールド樹脂ケース108との間の切欠き→コイル101の外周とヨーク103の内周との隙間→ヨーク103の端面とコアステータ104の溝底面との隙間→プランジャ室107」というオイル呼吸経路(図3の実線矢印参照)109が設けられている。
ここで、プランジャ室107は、プランジャ102の軸線方向の両端側の空間(プランジャ前後空間111、112)を含んでいる。
ところが、特許文献1に記載の電磁弁においては、ソレノイドがバルブボディの外部へ突出するように設置される外付け構造等の取付環境や、コイル101の外周とヨーク103の内周との隙間を詰めたことにより、コイル101の外周とヨーク103の内周との隙間のオイル供給経路を含むオイル呼吸経路109の連通状態を遮断した場合、コアステータ104においてシャフト摺動部(摺動クリアランス)113とは別の位置に軸方向油路(図3の二点鎖線矢印参照)114を設け、プランジャ室107とスリーブ115のスプール孔116の内部(連通室117)とを連通するオイル供給経路を直接確保する構成が考えられる。
ところが、上記のオイル供給経路の場合には、プランジャ室107とスリーブ115のスプール孔116との間の距離が直線的で、且つ非常に短いため、オイル給排ポート119からスリーブ115のスプール孔116の内部(連通室117)に侵入したオイルは、プランジャ室107への異物進入の可能性が大きいという問題が生じる。
また、特許文献2には、スリーブとカラーとで平板状の遮蔽部材を挟み支持することにより、空気/オイル混相流体が他端側内部から一端側内部へ流れ込むのを阻害するようにした電磁弁が開示されている。
そして、遮蔽部材の呼吸孔をカラーの呼吸孔よりも内周側に存在させることにより、他端側内部と一端側内部との間の流路を迷路構造にしている。
ところが、特許文献2に記載の電磁弁においては、カラーでシャフトは保持されているが、そのシャフト摺動部に異物が噛み込んでしまう可能性がある。
また、アッセブリ状態で迷路構造が成立するが、多数部品がヨークの爪部によるかしめにより組み立てられるアッセンブリでは、部品単品の精度や組み付け状態によって遮蔽部材やカラーがうまく組み付けることができず、迷路構造の流路の成立性に不安があるという問題がある。
ここで、スプール制御弁のスリーブ115のスプール孔116の内部(連通室117)に流入するオイル中には、自動変速機の変速機構の摩耗等により発生した金属粉(コンタミ)等の異物が混入している。
そして、このような異物がオイルと一緒にオイル給排ポート119を介して、連通室117に流入する。そして、異物を含んだオイルは、連通室117から軸方向油路114を通ってプランジャ室107へ流入する。
そして、コアステータ104とプランジャ102とのプランジャ摺動部106に異物を含んだオイルが入り込んだ場合には、コアステータ104のガイド孔に対するプランジャ102の円滑な(スムーズな)往復移動が阻害されるため、適正な油圧制御を行うことが困難となるという問題がある。
また、スプール孔116の内部からオイル供給経路とは別に設けたシャフト摺動部113に異物を含んだオイルが入り込んだ場合でも、コアステータ104のガイド孔に対するシャフト105の円滑な(スムーズな)往復移動が阻害されるため、上記と同様に、適正な油圧制御を行うことが困難となるという問題がある。
特開2011−228568号公報 特開2006−029351号公報
本発明の目的は、固定コアのシャフト摺動部への異物を含んだ流体の侵入を防止することのできる電磁弁を提供することにある。また、ソレノイドの作動時において固定コアのシャフト摺動部、プランジャ摺動部内でシャフトとプランジャを円滑に往復移動させることのできる電磁弁を提供することにある。
請求項1に記載の発明(電磁弁)によれば、電磁弁を車両に搭載した際に、シャフト摺動部よりも天方向に位置する部位(つまり地方向に位置するシャフト摺動部とは別の部位)に、固定コアをその軸線方向に貫通すると共に、プランジャ室をスリーブのガイド孔の内部に連通させるステータ呼吸孔(軸方向孔)を設けたことにより、プランジャ室とスリーブのガイド孔の内部とを連通する流体経路を確保することができる。
これにより、呼吸体積(摺動による容積変化分)に対して十分な呼吸路を構成することができるので、異物を含んだ流体が、固定コアとシャフトとの間のシャフト摺動部(摺動クリアランス)、および固定コアとプランジャとの間のプランジャ摺動部(摺動クリアランス)へ到達し難くなる。
また、固定コアのステータ呼吸孔を、電磁弁を車両に搭載した際に、シャフト摺動部よりも天方向に位置する部位(つまりシャフト摺動部とは別の部位)に設置している。すなわち、流体中に含まれる異物(コンタミ)が自重により車両搭載時における天地方向の地方向側(車両搭載地方向)に沈殿するため、プランジャ室およびプランジャ摺動部に対する異物の到達性を考慮して、固定コアのステータ呼吸孔を車両搭載時における天地方向の天方向側(実車搭載方向の天方向)に設置している。
これにより、固定コアとシャフトとの間のシャフト摺動部(摺動クリアランス)、および固定コアとプランジャとの間のプランジャ摺動部(摺動クリアランス)への異物を含んだ流体の侵入を防止(または抑制)することができる。
電磁スプール制御弁(電磁弁)を示した断面図である(実施例1)。 電磁弁のリニアソレノイド周辺を示した断面図である(実施例1)。 電磁弁を示した断面図である(従来の技術)。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
[実施例1の構成]
図1および図2は、本発明のソレノイドを適用したリニアソレノイドを備えた電磁スプール制御弁(実施例1)を示したものである。
本実施例の電磁スプール制御弁(リニアソレノイドバルブ:以下電磁弁)は、自動変速機の油圧制御装置に設置されている。
油圧制御装置は、例えば自動車等の車両に搭載される自動変速機の変速制御に使用されるものである。この油圧制御装置は、オイルパン内のオイルを吸入して圧送するオイルポンプ(図示せず)と、複数の油路を有するバルブボディ(図示せず)と、このバルブボディに取り付けられて、バルブボディの油路と共に油圧回路を構成する複数の電磁弁と、ドライバー等から要求された変速状態を実現するように複数の電磁弁を通電制御する制御ユニット(TCU:図示せず)とを備えている。
自動変速機のハウジングは、自動変速機ケース(トランスミッションケース)とオイルパンとを組み合わせて構成されている。
自動変速機ケースの内部には、ポンプ、タービンおよびステータ等により構成されるトルクコンバータと、このトルクコンバータのタービンに接続される多段歯車式の変速機構が収容されている。変速機構は、油圧制御装置から供給される油圧に応じて係合または解放される複数の摩擦係合要素(クラッチまたはブレーキ)を備えている。
そして、自動変速機は、各摩擦係合要素の係合または解放の組み合わせに従ってシフトレンジが切り替わる。これにより、自動変速機の変速制御が実行される。
オイルポンプは、エンジンのクランクシャフト(または電動モータ)によって回転駆動されて、自動変速機に使用する作動油(オイル)が貯留された貯留槽であるオイルパン(またはオイルタンクでも構わない)内のオイルを吸入して圧送する油圧発生手段である。このオイルポンプの吐出側には、オイル供給流路(油路)が接続されており、このオイル供給流路の下流端には、複数の電磁弁が設置されている。
これらの電磁弁のうちの少なくとも1つの電磁弁は、圧力流体である作動油(オイル)の油圧を調圧して出力するスプールバルブ(以下スプール制御弁)1と、このスプール制御弁1の弁体(スプール:後述する)をその軸線方向の一方側に駆動する電磁アクチュエータであるリニアソレノイド2とによって構成されている。
スプール制御弁1は、バルブボディのバルブ挿入溝(凹部)内に嵌合配置される円筒状のスリーブ3と、このスリーブ3のスプール孔4内に往復移動(摺動)可能に嵌挿支持されるスプール5と、このスプール5をソレノイド側(基端側、後方側、デフォルト側)へ付勢するリターンスプリング6と、このリターンスプリング6のバネ荷重を調整するアジャストスクリュー7とを備えている。
リニアソレノイド2は、非磁性体製のシャフト8を介してスプール制御弁1のスプール5と一体移動可能に連結した磁性体製のプランジャ(可動コア)9と、通電されると周囲に磁束を発生するソレノイドコイル(以下コイル)10と、このコイル10の内周側に磁路を形成するコイル内周側固定コア(コアステータ11、12、磁気抵抗部13)と、コイル10の外周側に磁路を形成するコイル外周側固定コア(有底円筒状のヨーク14)と、コアステータ11の周壁15内に圧入嵌合された非磁性体製の遮断部品(以下カラー)16と、コイル10と外部回路(外部電源や外部制御回路:TCU)との接続を行うための外部接続用コネクタ17とを備えている。
また、リニアソレノイド2は、コイル10とヨーク14の底板との間に磁性体製のリングコア(コイル10の軸線方向の他端側を覆う固定コアの一部)18、およびこのリングコア18をヨーク14の底板側へ押圧する弾性力を発生するウェーブワッシャ19を備えている。
スリーブ3は、非磁性金属により形成されている。このスリーブ3の基端側の開口端には、リニアソレノイド2と結合する結合端面、およびこの結合端面の外周側に拡がる円環状のフランジ20が設けられている。
スリーブ3は、基端側(ソレノイド側)から先端側(スプリング側)へ向けて軸線方向に延びる円筒状の周壁を備えている。スリーブ3の周壁の内部には、軸線方向に延びるスプール孔4が形成されている。このスプール孔4は、スプール制御弁1のスプール5をスリーブ3の軸線方向へ往復摺動可能に支持すると共に、スプール5が直接摺動する摺動孔(ガイド孔、内孔)である。
スリーブ3の周壁には、オイルが流出入する複数のオイル給排ポート(21〜25)が、周壁の内部と外部とをスプール孔4の軸線方向に対して略垂直な半径(放射)方向に連通している。
複数のオイル給排ポート(21〜25)は、オイル供給流路の下流端に接続されて、スプール孔4の軸線方向に対して略垂直な半径(放射)方向に開口し、且つスプール孔4の軸線方向に所定の距離を隔てながら開口形成されている。
これらのオイル給排ポートは、オイルポンプから第1油路を介してスプール孔4の内部へオイルが供給される入力ポート(オイル供給ポート)21、スプール孔4の内部から第2油路を介してクラッチ(またはブレーキ)へオイルを出力する出力ポート22、およびスプール孔4の内部から第3油路を介してオイルパンへオイルを排出するドレンポート23等を備えている。
また、スプール制御弁1には、入力ポート21から入力されるオイルの入力圧の変動による、出力ポート22から出力されるオイルの出力圧の変動を防止するという目的で、出力圧をフィードバックしてスプール孔4の内部へ供給し、スプール5に作用させるフィードバックポート24も設けられている。このフィードバックポート24は、出力ポート22に連通する第2油路または出力ポート22と第4油路を介して接続している。
また、スリーブ3の周壁の基端側には、コイル内周側固定コア(11〜13)とプランジャ9との間のプランジャ摺動部(摺動クリアランス)28へ潤滑オイルを供給するためのサブドレンポート25が設けられている。このサブドレンポート25は、スプール孔4の内部から第5油路を介してオイルパンへオイルを排出する。
また、シャフト8の摺動面(外周面)とコアステータ11の第1ガイド孔の孔壁面(内周面)との間には、シャフト摺動部(摺動クリアランス)27が設けられている。
また、プランジャ摺動部28は、プランジャ9の摺動面(外周面)とコアステータ11、12および磁気抵抗部13の第2ガイド孔の孔壁面(内周面)との間に設けられている。
また、シャフト8の摺動面(外周面)とカラー16の第3ガイド孔の孔壁面(内周面)には、シャフト8の外周面(摺動面)が直接摺動するシャフト摺動部(摺動クリアランス)29が設けられている。
スプール5は、スプール制御弁1の弁体(バルブ本体)を構成するものである。このスプール5は、スリーブ3の周壁の内径寸法(スプール孔4の孔径)に略一致した外径寸法を有し、複数のオイル給排ポート(21〜25)の連通状態を制御する複数の大径部(以下ランド)31〜33を備えている。
これらのランド31〜33の外周面は、スプール孔4の孔壁面(周壁の内周面)と直接摺動する摺動面となっている。なお、周壁のスプール孔4の孔壁面と複数のランド31〜33の摺動面との間には、スプール5の往復摺動を可能とするためのスプール摺動部(摺動クリアランス)が形成されている。
また、スプール5には、隣接する2つのランド31、32間に形成される小径部、隣接する2つのランド32、33を連動可能に連結する小径軸部、非磁性体製のシャフト8を介してリニアソレノイド2のプランジャ9の第1端面34に当接する軸方向凸部(軸方向突起)35が一体的に形成されている。これにより、スプール制御弁1は、プランジャ9がその軸線方向に移動することで、シャフト8を介してスプール5をその軸線方向へ駆動するように構成される。
小径部の外周には、フィードバックポート24から油圧が供給されるフィードバック室36が形成されている。また、小径軸部の外周には、入力ポート21と出力ポート22またはドレンポート23とを連通する連通室37が形成されている。また、シャフト8の先端側と軸方向突起35の外周には、リニアソレノイド2の内部(プランジャ室42)とサブドレンポート25とを連通する連通室38が形成されている。
リターンスプリング6は、スプール5をスプール孔4内においてスリーブ3の基端側(ソレノイド側)へ向けて付勢する弾性力(付勢力)を発生する圧縮コイルスプリングである。このリターンスプリング6は、スプール孔4の先端側のスプリング収容室内において、アジャストスクリュー7の壁面(スプリング座)とスプール5のランド31の壁面(スプリング座)との間で軸線方向に圧縮された状態で配置されている。
アジャストスクリュー7は、スリーブ3の先端側の円筒開口部の雌螺子に対する捩じ込み量(螺合量)に応じて、リターンスプリング6のバネ荷重を調整する荷重調整部材であり、円筒開口部を閉塞するプラグ(栓)またはエンドキャップとしての機能も有している。
リニアソレノイド2は、非磁性体製のシャフト8を介してスプール制御弁1のスプール5をその軸線方向の一方側(先端側)へ駆動する電磁アクチュエータである。このリニアソレノイド2は、プランジャ9、コイル10、コイル内周側固定コア(11〜13)、コイル外周側固定コア(14)、カラー16および外部接続用コネクタ17等を備えている。
シャフト8は、非磁性体の金属(例えばステンレス鋼等)を電磁弁のソレノイド軸方向(シャフト8、プランジャ9の往復移動方向、軸線方向)へ真っ直ぐに延長した円柱形状(丸棒形状)の連結部材である。このシャフト8は、電磁弁のスリーブ3の周壁の中心軸線上に設置されている。
シャフト8は、プランジャ9による軸線方向(ソレノイド軸方向)の一方側への駆動力をスプール5に伝えると共に、スプール5に与えられたリターンスプリング6の付勢力をプランジャ9へ伝えるものである。また、シャフト8は、プランジャ9の軸線方向の一端面に当接して、スプール5とプランジャ9とを連結する連結部である。
シャフト8は、スプール5の軸方向突起35に当接または接触する第1接触部、およびプランジャ9の第1端面34に当接または接触する第2接触部等を有している。
第1接触部は、シャフト8の軸線方向の一端側の端面に設けられている。また、第2接触部は、シャフト8の軸線方向の他端側の端面に設けられている。
プランジャ9は、コイル内周側固定コア(11〜13)の内周側でソレノイド軸方向へ往復摺動自在に嵌合配置されている。このプランジャ9は、コイル10が通電されると励磁(磁化)される磁性金属(例えば鉄等の強磁性材料)よりなる。
プランジャ9は、コイル10の磁力によりソレノイド軸方向の一方側へ向かって磁気吸引される可動コア(ムービングコア)である。このプランジャ9は、スプール5に伝わるリターンスプリング6の付勢力によってスプール5、シャフト8と共に、有底円筒状のヨーク14の底板のストッパ41へ付勢される。
プランジャ9は、コイル内周側固定コア(11〜13)の内部(プランジャ室42)内に往復摺動可能に収容されている。このプランジャ室42は、プランジャ9のソレノイド軸方向の両側に形成されるプランジャ前後空間43、44を含んでいる。
プランジャ前後空間43、44とは、リニアソレノイド2の作動時に容積が変動する第1、第2容積変化部のことである。これらのプランジャ前後空間43、44は、プランジャ9をその軸線方向に貫通するプランジャ呼吸孔45を介して連通している。また、プランジャ前後空間43、44は、コアステータ11とカラー16との間に形成されるオイル供給流路46、およびコアステータ11をその軸線方向に貫通するステータ呼吸孔47を介して、スリーブ3のスプール孔4の内部(連通室38)と連通している。
プランジャ9には、プランジャ室42内での変位に伴うプランジャ前後空間43、44のオイルの流動を確保するために、プランジャ9の両端面(軸線方向の前後端面)を連通するプランジャ呼吸孔45がソレノイド軸方向に真っ直ぐに設けられている。このプランジャ呼吸孔45は、プランジャ9の中心軸線から所定の距離だけ車両搭載時における天地方向の天方向側(天方向)に偏心した位置に設けられている。
また、プランジャ9の外周面には、コアステータ11、12および磁気抵抗部13の内周面に直接摺動する摺動面が形成されている。
なお、プランジャ9の詳細は、後述する。
コイル10は、電力の供給を受けると(電流印加または通電されると)、プランジャ9をコアステータ11、12の磁気吸引部(円環状の段差面)51に引き寄せる磁力を発生する磁束発生手段(磁力発生手段)である。このコイル10は、合成樹脂製のコイルボビン(以下ボビン)52の円筒部の外周に、絶縁被膜を施した導線を複数回巻装したソレノイドコイルである。
そして、リニアソレノイド2においては、コイル10が通電されると、プランジャ9、コアステータ11、12およびヨーク14を磁束が集中して通る磁気回路が形成される。
コイル10は、磁力によってスプール5、シャフト8およびプランジャ9を、スリーブ3の周壁とスプール5の軸線方向の一方側(先端側、前方側、フルリフト側)へ駆動するものである。
ここで、本実施例では、コイル10が通電(ON)されると、スプール5、シャフト8およびプランジャ9が初期位置(デフォルト位置)からソレノイド軸方向の一方側(先端側)へストロークする。また、コイル10への通電が停止(OFF)されると、リターンスプリング6の付勢力によってスプール5、シャフト8およびプランジャ9がデフォルト位置へ戻される。
コイル10は、絶縁性を有する合成樹脂(モールド樹脂材)製のボビン52に巻装されたコイル部と、このコイル部の巻き始め端部および巻き終わり端部より外側に引き出された一対のコイルリード線を有している。
一対のコイルリード線は、ボビン52、つまり一対の鍔状部間および円筒部の外周に巻装されるコイル10を形成する導体(導電体)であって、外部接続用コネクタ17の各ターミナル53を介して、外部回路と電気接続されている。
また、コイル10の外周部、およびコイル10の各コイルリード線と各ターミナル53との導通接合部は、絶縁性を有する合成樹脂(モールド樹脂材)製のソレノイドケース54によって被覆されて保護されている。このソレノイドケース54は、コイル10およびボビン52の周囲を円周方向に取り囲む円筒部、および一対のターミナル53の先端を露出して収容するコネクタケースを有している。
コイル内周側固定コアは、プランジャ9をソレノイド軸方向の先端側に吸引するコアステータ11と、プランジャ9の周囲と磁気の受け渡しを行うコアステータ12と、2つのコアステータ11、12間の磁束の流れを低減する磁気抵抗部13とを備えている。これらのコアステータ11、12および磁気抵抗部13は、一体部品で構成されている。
コアステータ11、12および磁気抵抗部13は、コイル10が通電されると励磁(磁化)される磁性金属(例えば鉄等の強磁性材料)よりなる。また、コアステータ11、12は、コイル10、プランジャ9、ヨーク14と共に磁気回路を構成している。
コアステータ11の内部には、シャフト8の周囲を円周方向に取り囲む円筒状の肉厚部(以下ステータ肉厚部)61が設けられている。
コアステータ11は、ステータ肉厚部61の第1端面34の外周部分から軸線方向の一方側へ突出するように設けられて、シャフト8の周囲を円周方向に取り囲む円筒状の周壁15を備えている。
ステータ肉厚部61の第1端面側に対して逆側(プランジャ側)の端面には、シャフト8の周囲を円周方向に取り囲む円環状のワッシャ62が装着されている。
そして、シャフト8の外周とコアステータ11の周壁15の内周との間には、カラー16を嵌合保持する円筒状の収納凹部63が設けられている。
コアステータ11の第1端面34とは、収納凹部63の底面のことである。
ステータ肉厚部61の内部(内周)には、シャフト8の外周面(摺動面)が直接摺動する断面円形状の第1ガイド孔が形成されている。そして、シャフト8の摺動面とコアステータ11の第1ガイド孔の孔壁面(内周面)との間には、シャフト摺動部27が設けられている。
ステータ肉厚部61の軸線方向の一端面には、コアステータ11の軸線方向の一方側で、且つシャフト8およびシャフト摺動部27の周囲を円周方向に取り囲むように円環状の第1端面34が設けられている。また、コアステータ11は、スリーブ3のフランジ20とソレノイドケース54の円環部64との間に挟み込まれて配置される円環状のフランジ65を備えている。
ステータ肉厚部61には、プランジャ室42内での変位に伴うプランジャ前後空間43、44のオイルの流動を確保するために、ステータ肉厚部61の両端面(軸線方向の前後端面)を連通するステータ呼吸孔47がソレノイド軸方向に真っ直ぐに設けられている。このステータ呼吸孔47は、シャフト摺動部27から所定の距離だけ車両搭載時における天地方向の天方向側(天方向)に偏心した位置に設けられている。また、ステータ呼吸孔47は、ステータ肉厚部61をその軸線方向に貫通すると共に、プランジャ室42をスリーブ3のスプール孔4の内部(連通室38)と連通している。
コアステータ11、12および磁気抵抗部13は、コイル10の内周側に配置される第1〜第3円筒部を備えている。
これらのコアステータ11の第1円筒部、コアステータ12の第2円筒部および磁気抵抗部13の第3円筒部(薄肉円筒部)の内部(内周)には、プランジャ9の外周面(摺動面)が直接摺動する断面円形状の第2ガイド孔が形成されている。そして、プランジャ9の摺動面と各第1〜第3円筒部の第2ガイド孔の孔壁面(内周面)との間には、プランジャ摺動部28が設けられている。
磁気抵抗部13は、2つのコアステータ11、12を連結する薄肉部によって構成されている。
なお、コアステータ11、12の詳細は、後述する。
コイル外周側固定コアは、コイル10が通電されると励磁(磁化)される磁性金属(例えば鉄等の強磁性材料)製のヨーク14により構成されている。このヨーク14は、有底円筒形状に形成されている。
ヨーク14は、プランジャ9、コイル10、コアステータ11、12と共に磁気回路を構成している。また、ヨーク14の内部には、ヨーク14以外のリニアソレノイド構成部品(コイル10、ボビン52、シャフト8、プランジャ9、コアステータ11、12等)を収容する円筒状のソレノイド収納空間が形成されている。
ヨーク14は、コイル10の外周側を覆う円筒部を有している。このヨーク14は、円筒部の一端側(スプール制御弁1側)が開口し、円筒部の他端側が円板状の底板により閉塞されている。ヨーク14の底板には、プランジャ室42側へ突出し、且つプランジャ9の後端面が当接して係止するストッパ41が設けられている。このストッパ41は、リニアソレノイド2の中心軸線上に設置される軸方向突起である。
ヨーク14の円筒部の一端側の円筒開口部には、コアステータ11のフランジ65の外周部分を係止する段差66、およびスリーブ3のフランジ20とヨーク14の段差66との間にコアステータ11のフランジ65を挟み込んだ状態で、スリーブ3のフランジ20の外周部分にカシメ固定される爪部67が設けられている。これにより、スプール制御弁1とリニアソレノイド2とが一体的に組み付けられる。
次に、本実施例のカラー16の詳細を図1および図2に基づいて簡単に説明する。
ここで、スプール制御弁のスリーブ3のスプール孔4の内部に流入するオイル中には、自動変速機の変速機構の摩耗等により発生した金属粉等の異物(以下コンタミ)が混入している。
そこで、コアステータ12は、スリーブ3のスプール孔4の内部(連通室38)に臨む側に、プランジャ室42に対するコンタミ等の異物の侵入経路を遮断する円筒状のカラー16を備えている。
カラー16は、非磁性金属または合成樹脂により円筒形状(または多角筒形状または2面幅(一部平面)を有する筒形状)となるように一体的に形成されている。このカラー16は、コアステータ11の周壁15の内周に圧入嵌合により固定されている。
カラー16の軸線方向の一端面は、連通室38に臨むように設けられている。また、カラー16の軸線方向の他端面は、コアステータ11のステータ肉厚部61の第1端面34に密着または溶着固定される円環状の第2端面72が設けられている。
第2端面72は、シャフト8およびシャフト摺動部27の周囲を円周方向に取り囲むように、しかもステータ肉厚部61の第1端面34と対向するように設けられている。
ここで、ステータ肉厚部61の第1端面34とカラー16の第2端面72とを密着させた場合の、第1端面34と第2端面72との間の軸線方向の最小クリアランスは、シャフト摺動部27、29の摺動クリアランス以下に設定されている。
カラー16は、コアステータ11の周壁15の内周面およびステータ肉厚部61の第1端面34との間に、スリーブ3のスプール孔4の内部(連通室38)にステータ呼吸孔47を連通させるオイル供給流路46を形成する凹部を備えている。
カラー16の凹部は、カラー16の軸線方向に連続して形成された切欠き溝形状の軸方向凹溝73、およびカラー16の周方向に連続して形成された部分環状の周方向凹溝74等によって構成されている。
軸方向凹溝73は、ステータ呼吸孔47の形成位置とは対称的な位置(車両搭載時における天地方向の地方向側に位置する部位)で、且つカラー16の外周面で開口している。また、周方向凹溝74は、シャフト8およびシャフト摺動部27の周囲を部分的に取り囲むように設けられている。この周方向凹溝74は、カラー16の第2端面72で開口している。
すなわち、プランジャ室42に対するコンタミ等の異物の侵入経路(連通室38→オイル供給流路46→ステータ呼吸孔47→プランジャ室42)には、図1に実線矢印で示したように、連通室38からソレノイド軸方向にオイルが流れ込む軸方向凹溝73と、この軸方向凹溝73の末端部分をカラー16の円周方向に略直角に屈曲してカラー16の円周方向に延びると共に、軸方向凹溝73からカラー16の円周方向にオイルが流れ込む周方向凹溝74と、この周方向凹溝74の末端部分をソレノイド軸方向に略直角に屈曲してソレノイド軸方向に延びると共に、周方向凹溝74からソレノイド軸方向にオイルが流れ込むステータ呼吸孔47とによって、オイルの流れ方向を直角方向に変更(屈曲)させる複数の第1、第2屈曲部が設けられる。これにより、プランジャ室42に対するコンタミ等の異物の侵入経路を従来の技術(現状)よりも長くした迷路構造のオイル供給流路46が形成される。
[実施例1の作用]
次に、本実施例のリニアソレノイド2を備えた電磁弁の作用を図1および図2に基づいて簡単に説明する。
自動変速機で使用されるオイルの圧力制御(油圧制御)を電磁弁は、スリーブ3のスプール孔4内に往復移動可能に設置されたスプール5をスリーブ3の軸線方向の先端側へ駆動するリニアソレノイド2のコイル10の磁気吸引力と、スプール5をスリーブ3の軸線方向の他方側(スリーブ3の基端側)へ付勢するリターンスプリング6の付勢力と、フィードバック室36に供給される油圧(出力ポートから出力された油圧の一部)との圧力バランスによってスプール5を所定の軸方向位置(ストローク位置)に保持される。
したがって、電磁弁は、スプール制御弁1のスプール5のストローク位置を制御することで、入力ポート21と出力ポート22との連通面積と、出力ポート22とドレンポート23との連通面積とを変化させる。これにより、出力ポート22に発生する油圧が調圧される。
リニアソレノイド2のコイル10へ電力が供給されていない場合、スプール5は、リターンスプリング6の付勢力によりソレノイド側のデフォルト位置に止まっている。
このとき、スプール5のランド32が入力ポート21を塞ぐ(全閉する)。また、ランド32、33間の小径軸部の外周に形成される連通室37が出力ポート22とドレンポート23とを連通する。
このとき、オイルポンプから吐出されたオイルは、第1油路から入力ポート21のスプール孔側端部まで到達する。そして、入力ポート21のスプール孔側端部まで到達しているオイルは、ランド32が入力ポート21を塞いでいるので、スリーブ3のスプール孔4の内部への流入が阻止される。
また、クラッチ(またはブレーキ)の油圧サーボから排出(ドレン)されたオイルは、第2油路から出力ポート22内に流入する。そして、油圧サーボから出力ポート22まで戻されたオイルは、スリーブ3の内部の連通室37を介してドレンポート23からスリーブ3の外部へ流出する。そして、スリーブ3の外部へ流出したオイルは、第3油路を経てオイルパンへ排出されて、クラッチ(またはブレーキ)の油圧サーボに作用しているオイルの圧力(油圧)が下降する。
このように、本実施例の電磁弁は、コイル10への電力の供給が成されない時に、入力ポート21と出力ポート22との連通が遮断されるため、ノーマリクローズタイプのソレノイドバルブとして機能する。
一方、リニアソレノイド2のコイル10へ電力が供給されると、コイル10を流れる電流の大きさに対応した磁気吸引力でコアステータ11、12の磁気吸引部51にプランジャ9が吸引される。これに伴って、先端にスプール5が連結されたシャフト8が軸線方向の一方側へ押し出されることにより、スプール5がスリーブ3の先端側へ移動する。
このとき、スプール5は、プランジャ9の推力(磁気吸引力)と、リターンスプリング6の付勢力と、フィードバックポート24を介してフィードバック室36へ入力されるオイルの圧力(フィードバック油圧)によりスプール5のランド32に作用するフィードバック力(軸力)とが釣り合う位置で停止し、スプール5がスリーブ3の先端側へ移動する程、入力ポート21の開口面積を拡げると共に、ドレンポート23の開口面積を狭める。
ここで、オイルポンプから吐出されたオイルは、第1油路から入力ポート21内に流入する。そして、スプール5のストローク量の増加に従って入力ポート21の開口面積が大きくなると、出力ポート22から出力されて、クラッチ(またはブレーキ)の油圧サーボに作用するオイルの圧力(油圧)が大きくなる。つまり、スプール5のランド32と入力ポート21とのオーバーラップ量に応じて出力ポート22からクラッチ(またはブレーキ)の油圧サーボへ出力されるオイルの圧力(油圧)が調圧される。
[実施例1の効果]
以上のように、本実施例のリニアソレノイド2においては、例えば自動車等の車両に電磁弁を搭載した際に、シャフト摺動部27よりも天方向に位置する部位、つまりシャフト摺動部27とは別の部位に、コアステータ11のステータ肉厚部61をその軸線方向に貫通すると共に、リニアソレノイド2のプランジャ室42をスリーブ3のスプール孔4の内部(連通室38)に連通させるステータ呼吸孔47を設けたことにより、連通室38とプランジャ室42とを連通するオイル供給経路(連通室38→オイル供給流路46(軸方向凹溝73→周方向凹溝74)→ステータ呼吸孔47→プランジャ室42)を確保することができる(図1及び2の実線矢印参照)。
これによって、呼吸体積(摺動による容積変化分)に対して十分な呼吸路を構成することができるので、コンタミを含んだオイルが、ステータ肉厚部61とシャフト8との間のシャフト摺動部27、およびステータ肉厚部61とプランジャ9との間のプランジャ摺動部28へ到達し難くなる。
また、ステータ呼吸孔47を、例えば自動車等の車両に電磁弁を搭載した際に、シャフト摺動部27よりも車両搭載時における天地方向の天方向側(車両搭載天方向)に位置する部位、つまりシャフト摺動部27とは別の部位に設置している。すなわち、オイル中に含まれるコンタミが自重により車両搭載時における天地方向の地方向側(車両搭載地方向)に沈殿するため、プランジャ室42およびプランジャ摺動部28に対するコンタミの到達性を考慮して、ステータ呼吸孔47を車両搭載時における天地方向の天方向側(車両搭載天方向または実車搭載方向の天方向)に設置することにより、ステータ肉厚部61とシャフト8との間のシャフト摺動部27、およびステータ肉厚部61とプランジャ9との間のプランジャ摺動部28へコンタミを含んだオイルの侵入を防止または抑制することができる。
また、ステータ肉厚部61の第3端面、つまり連通室38に臨む側の端面に、プランジャ室42に対するコンタミ等の異物の侵入経路(オイル供給流路46(軸方向凹溝73→周方向凹溝74)→ステータ呼吸孔47)を遮断するカラー16を密着または溶着するように取り付けている。また、ステータ肉厚部61に対するカラー16の圧入嵌合または溶着固定によって、ステータ肉厚部61とカラー16との軸線方向のシールを行うことにより、ステータ肉厚部61とシャフト8との間のシャフト摺動部27へのコンタミを含んだオイルの侵入を防止または抑制することができる。
また、ステータ肉厚部61の第1端面34とカラー16の第2端面72とが密着または溶着するように組み付けることにより、ステータ肉厚部61とシャフト8との間のシャフト摺動部27に対するコンタミ等の異物の侵入経路を遮断することができる。これにより、ステータ肉厚部61とシャフト8との間のシャフト摺動部27へのコンタミを含んだオイルの侵入を防止(または抑制)することができる。
また、ステータ肉厚部61の第1端面34とカラー16の第2端面72を密着させた場合の、第1端面34と第2端面72との間の軸線方向の最小クリアランスを、ステータ肉厚部61とシャフト8との間のシャフト摺動部27の摺動クリアランス以下とする。これにより、ステータ肉厚部61とシャフト8との間のシャフト摺動部27へのコンタミを含んだオイルの侵入を防止または抑制することができる。
したがって、シャフト摺動部27およびプランジャ摺動部28へコンタミが入り込み難くなるので、コイル内周側固定コアの第1、第2ガイド孔に対するシャフト8およびプランジャ9の円滑な(スムーズな)往復移動を確保できる。これにより、適正な油圧制御を行うことが可能となる。
また、ステータ肉厚部61の周壁15の内周面およびステータ肉厚部61の第1端面34との間にステータ呼吸孔47をガイド孔の内部に連通させる迷路構造のオイル供給流路46を形成する凹部を、カラー16に設けたことにより、迷路構造のオイル供給流路46の成立性を向上することができる。
従来の技術では、ヨークのかしめによるアッセンブリより迷路構造が成立していたが、ステータ肉厚部61の周壁15の内周面およびステータ肉厚部61の第1端面34とカラー16との間に、迷路構造のオイル供給流路46を有する構成のため、迷路構造のオイル供給流路46の成立性を向上することができる。
また、オイル供給流路46は、カラー16の軸線方向に連続して形成された軸方向凹溝73、およびシャフト8の周囲を部分的に取り囲むと共に、カラー16の周方向に連続して形成された部分環状の周方向凹溝74等により構成されている。
オイル供給流路46の中で軸方向凹溝73は、ステータ呼吸孔47の位置とは対称的な位置で、且つカラー16の外周面で開口している。また、オイル供給流路46の中で周方向凹溝74は、カラー16の外周面で開口している。
これによって、オイル供給流路46が形成されたカラー16を用いて、ステータ肉厚部61とプランジャ9との間のプランジャ摺動部28へのコンタミ等の異物の侵入経路を、例えば連通室38とプランジャ室42とを直線状に連通する軸方向油路(オイル供給経路)を有する従来例と比べて長くすることができる。
また、プランジャ9の中心軸線から所定の距離だけ偏心した位置にプランジャ呼吸孔45が設けられている。これにより、シャフト8とプランジャ9とが当接または接触している場合でも、プランジャ呼吸孔45がシャフト8により塞がれることがなくなるので、リニアソレノイド2の作動時に、プランジャ9の軸線方向の両側に形成されるプランジャ前後空間43、44の容積変動が可能となり、リニアソレノイド2の作動時においてプランジャ9をその軸線方向に円滑に往復移動させることができる。
また、スプール制御弁1のスプール3とリニアソレノイド2のプランジャ9との間にシャフト8を備えている。そして、シャフト8は、スリーブ3の中心軸線上およびプランジャ9の中心軸線上に設置されて、スプール5およびプランジャ9に直接当接または接触している。これによって、プランジャ9による軸線方向の一方側への駆動力をスプール5に伝えることができ、且つスプール5に与えられたリターンスプリング6の付勢力をプランジャ9へ伝えることができる。
[変形例]
本実施例では、本発明のスプール制御弁を、自動車の自動変速機の油圧制御を行う油圧制御装置の油圧回路に組み込まれる電磁スプール制御弁(電磁弁)に適用しているが、本発明のスプール制御弁を、内燃機関(エンジン)の吸気バルブまたは排気バルブの開閉タイミングを変更する可変バルブタイミング装置(VVT)の油圧回路に組み込まれる電磁スプール制御弁(電磁油路切替弁)に適用しても良い。
また、本発明のソレノイドを、流体圧制御、流量制御、流路切替制御に用いるスプール制御弁のスプールを駆動するリニアソレノイドに適用しても良い。
また、カラー16の軸線方向に連続して形成された軸方向流路、およびカラー16の周方向に連続して形成された部分環状の周方向流路を有するオイル供給流路46を設けても良い。
この場合、ステータ肉厚部61のステータ呼吸孔47を連通室38に連通させるオイル供給流路46の中で軸方向流路は、ステータ呼吸孔47の位置とは対称的な位置、つまりシャフト摺動部27よりも車両搭載時における天地方向の地方向側に位置する部位で、且つ連通室38に臨むように開口させることが望ましい。
これによって、オイル供給流路46が形成されたカラー16を用いて、ステータ肉厚部61とプランジャ9との間のプランジャ摺動部28への異物の侵入経路を、例えば連通室38とプランジャ室42とを直線状に連通する軸方向油路(オイル供給経路)を有する従来例と比べて長くすることができる。
1 スプール制御弁(スプールバルブ)
2 リニアソレノイド
5 スプール
8 シャフト
9 プランジャ
16 カラー(遮断部品)
27 シャフト摺動部
28 プランジャ摺動部
46 オイル供給流路
47 ステータ呼吸孔

Claims (9)

  1. (a)流体を給排する複数の給排ポート(21〜25)が形成された筒状のスリーブ(3)、およびこのスリーブ(3)の内孔(4)内に往復摺動可能に支持されるスプール(5)を有するスプールバルブ(1)と、
    (b)前記スリーブ(3)の中心軸線上に設置されて、前記スプール(5)に当接または接触するシャフト(8)と、
    (c)このシャフト(8)を介して前記スプール(5)と一体移動可能に連結したプランジャ(9)、電力の供給を受けると前記プランジャ(9)を引き寄せる磁力を発生するコイル(10)、およびこのコイル(10)の内周側に磁路を形成すると共に、前記シャフト(8)と前記プランジャ(9)を往復摺動可能に支持する筒状の固定コア(11〜13)を有するソレノイド(2)と
    を備えた電磁弁において、
    前記固定コア(11〜13)は、前記シャフト(8)の外周面が直接摺動するシャフト摺動部(27)、前記プランジャ(9)の外周面が直接摺動するプランジャ摺動部(28)、前記プランジャ(9)を往復摺動可能に収容するプランジャ室(42)、前記固定コア(11〜13)をその軸線方向に貫通すると共に、前記プランジャ室(42)を前記内孔(4)の内部に連通させるステータ呼吸孔(47)を有し、
    前記ステータ呼吸孔(47)は、前記電磁弁を車両に搭載した際に、前記シャフト摺動部(27)よりも天方向に位置する部位に設置されていることを特徴とする電磁弁。
  2. 請求項1に記載の電磁弁において、
    前記内孔(4)の内部に臨む側に、前記プランジャ室(42)に対する異物の侵入経路(46、47、73、74)を遮断する遮断部品(16)を備えたことを特徴とする電磁弁。
  3. 請求項2に記載の電磁弁において、
    前記固定コア(11〜13)と前記遮断部品(16)との軸線方向のシールは、前記固定コア(11〜13)に対する前記遮断部品(16)の圧入嵌合または溶着固定によって行われることを特徴とする電磁弁。
  4. 請求項2または請求項3に記載の電磁弁において、
    前記遮断部品(16)は、前記ステータ呼吸孔(47)を前記内孔(4)の内部に連通させる迷路構造の流路(46)を有していることを特徴とする電磁弁。
  5. 請求項2ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載の電磁弁において、
    前記固定コア(11〜13)は、その軸線方向の一方側で、且つ前記シャフト摺動部(27)または前記シャフト(8)の周囲を周方向に取り囲むように設けられた環状の第1端面(34)を有し、
    前記遮断部品(16)は、前記シャフト(8)の周囲を周方向に取り囲むように、しかも前記第1端面(34)と対向するように設けられて、前記第1端面(34)に密着または溶着する環状の第2端面(72)を有していることを特徴とする電磁弁。
  6. 請求項5に記載の電磁弁において、
    前記第1端面(34)と前記第2端面(72)とを密着させた場合の、前記第1端面(34)と前記第2端面(72)との間の軸線方向の最小クリアランスは、前記シャフト摺動部(27)の摺動クリアランス以下とすることを特徴とする電磁弁。
  7. 請求項5または請求項6に記載の電磁弁において、
    前記固定コア(11〜13)は、前記第1端面(34)の外周部分から軸線方向に突出し、且つ前記シャフト(8)の周囲を周方向に取り囲む筒状の周壁(15)を有し、
    前記遮断部品(16)は、前記周壁(15)の内周面および前記第1端面(34)との間に、前記ステータ呼吸孔(47)を前記内孔(4)の内部に連通させる迷路構造の流路(46)を形成する凹部(73、74)を有していることを特徴とする電磁弁。
  8. 請求項7に記載の電磁弁において、
    前記凹部は、前記遮断部品(16)の軸線方向に連続して形成された軸方向凹部(73)、および前記遮断部品(16)の周方向に連続して形成された部分環状の周方向凹部(74)を有し、
    前記軸方向凹部(73)は、前記ステータ呼吸孔(47)の位置とは対称的な位置で、且つ前記遮断部品(16)の外周面で開口しており、
    前記周方向凹部(74)は、前記シャフト(8)および前記シャフト摺動部(27)の周囲を部分的に取り囲むように設けられていることを特徴とする電磁弁。
  9. 請求項1ないし請求項8のうちのいずれか1つに記載の電磁弁において、
    前記プランジャ室(42)は、前記プランジャ(9)の軸線方向の両側に形成されるプランジャ前後空間(43、44)を含んでいることを特徴とする電磁弁。
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