JP2020088144A - ソレノイド - Google Patents

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Abstract

【課題】プランジャの摺動性の悪化を抑制する。【解決手段】ソレノイド100は、通電により磁力を発生するコイル20と、コイルの内側に配置されて軸方向ADに摺動するプランジャ30と、軸方向に沿った側面部12とプランジャの基端面34と対向する底部14とを有するヨーク10と、ステータコアであって、磁気吸引コア50、筒状のコア部61と、底部と対向するコア部の端部62から径方向外側に向かって形成され、コア部を介してヨークとプランジャとの間における磁束の受け渡しを行なう第1磁束受渡部65と、を有する摺動コア60と、摺動コアと磁気吸引コアとの間における磁束の通過を抑制する磁束通過抑制部70と、を有するステータコア40と、磁気吸引コアと側面部との間における磁束の受け渡しを行なう第2磁束受渡部18と、を備える。第1磁束受渡部は、側面部と底部とのうちの少なくとも一方に圧接されている。【選択図】図2

Description

本開示は、ソレノイドに関する。
従来から、通電により磁力を発生するコイルの内側において、ステータコアの内周をプランジャが摺動するソレノイドが知られている。特許文献1に記載のソレノイドでは、ステータコアの外周に磁性体のリングコアが配置されている。これにより、ヨーク等の磁気回路部品とステータコアとをリングコアを介して磁気結合させ、磁気回路部品とステータコアとの間の組付隙間に起因する磁力低下を抑制している。
特開2006−307984号公報
特許文献1に記載のソレノイドでは、リングコアが径方向に移動可能に構成されているため、摺動コアに対してリングコアが偏心して組み付けられて、摺動コアとリングコアとの間の隙間の大きさに径方向の偏りが発生するおそれがある。これにより、リングコアを通って摺動コアとプランジャとに伝達される磁束の分布に径方向の偏りが発生し、径方向への吸引力がサイドフォースとして発生するおそれがある。サイドフォースが大きくなると、プランジャの摺動性が悪化するおそれがある。このため、プランジャの摺動性の悪化を抑制できる技術が望まれている。
本開示は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
本開示の一形態によれば、ソレノイド(100,100a〜100h)が提供される。このソレノイドは、通電により磁力を発生するコイル(20)と;前記コイルの内側に配置されて軸方向(AD)に摺動する柱状のプランジャ(30)と;前記軸方向に沿った側面部(12)と、前記軸方向と交差する方向に形成され前記プランジャの基端面(34)と対向する底部(14)と、を有し、前記コイルと前記プランジャとを収容するヨーク(10)と;ステータコア(40,40d,40e,40g)であって;前記軸方向において前記プランジャの先端面(32)と対向して配置されて前記コイルが発生する磁力により前記プランジャを磁気吸引する磁気吸引コア(50)と;前記プランジャに対して径方向外側に配置された筒状のコア部(61,61d)と、前記底部と対向する前記コア部の端部(62,62d)から径方向外側に向かって形成され、前記コア部を介して前記ヨークと前記プランジャとの間における磁束の受け渡しを行なう第1磁束受渡部(65,65d,65e)と、を有する摺動コア(60,60d,60e)と;前記摺動コアと前記磁気吸引コアとの間における磁束の通過を抑制する磁束通過抑制部(70,70g,70h)と;を有するステータコアと;前記磁気吸引コアにおける前記軸方向の端部であって前記プランジャ側とは反対側の端部(54)の径方向外側に配置され、前記磁気吸引コアと前記側面部との間における磁束の受け渡しを行なう第2磁束受渡部(18)と;を備え;前記第1磁束受渡部は、前記側面部と前記底部とのうちの少なくとも一方に圧接されている。
この形態のソレノイドによれば、摺動コアが、プランジャに対して径方向外側に配置された筒状のコア部と、底部と対向するコア部の端部から径方向外側に向かって形成されてコア部を介してヨークとプランジャとの間における磁束の受け渡しを行なう第1磁束受渡部とを有するので、コア部と第1磁束受渡部との間に径方向の隙間が存在しない。このため、コア部を介して第1磁束受渡部からプランジャへと伝達される磁束の分布に径方向の偏りが発生することを抑制でき、磁束の分布の偏りによるサイドフォースの発生を抑制できる。したがって、プランジャの摺動性の悪化を抑制できる。加えて、第1磁束受渡部が側面部と底部とのうちの少なくとも一方に圧接されているので、ヨークから第1磁束受渡部へと伝達される磁束の損失を抑制できる。
本開示は、種々の形態で実現することも可能である。例えば、ソレノイドバルブ、ソレノイドの製造方法等の形態で実現することができる。
第1実施形態のソレノイドが適用されたリニアソレノイドバルブの概略構成を示す断面図である。 ソレノイドの詳細構成を示す断面図である。 第2実施形態のソレノイドの詳細構成を示す断面図である。 第3実施形態のソレノイドの詳細構成を示す断面図である。 第4実施形態のソレノイドの詳細構成を示す断面図である。 第5実施形態のソレノイドの詳細構成を示す断面図である。 第6実施形態のソレノイドの詳細構成を示す断面図である。 第7実施形態のソレノイドの詳細構成を示す断面図である。 第8実施形態のソレノイドの詳細構成を示す断面図である。 第9実施形態のソレノイドの詳細構成を示す断面図である。
A.第1実施形態
A−1.構成
図1に示す第1実施形態のソレノイド100は、リニアソレノイドバルブ300に適用され、スプール弁200を駆動させるアクチュエータとして機能する。リニアソレノイドバルブ300は、図示しない車両用自動変速機に供給する作動油の油圧を制御するために用いられ、図示しない油圧回路に配置されている。リニアソレノイドバルブ300は、中心軸AXに沿って互いに並んで配置された、スプール弁200と、ソレノイド100とを備える。なお、図1および図2では、非通電状態のソレノイド100およびリニアソレノイドバルブ300を示している。本実施形態のリニアソレノイドバルブ300は、ノーマリクローズタイプであるが、ノーマリオープンタイプであってもよい。
図1に示すスプール弁200は、後述する複数のオイルポート214の連通状態および開口面積を調整する。スプール弁200は、スリーブ210と、スプール220と、バネ230と、アジャストスクリュ240とを備える。
スリーブ210は、略円筒状の外観形状を有する。スリーブ210には、中心軸AXに沿って貫通する挿入孔212と、挿入孔212と連通して径方向に開口する複数のオイルポート214とが形成されている。挿入孔212には、スプール220が挿入されている。複数のオイルポート214は、中心軸AXと平行な方向(以下、「軸方向AD」とも呼ぶ)に沿って互いに並んで形成されている。複数のオイルポート214には、例えば、図示しないオイルポンプと連通して油圧の供給を受ける入力ポート、図示しないクラッチピストン等と連通して油圧を供給する出力ポート、作動油を排出するドレインポート等が該当する。スリーブ210のソレノイド100側の端部には、鍔部216が形成されている。鍔部216は、径方向外側に向かって拡径しており、後述するソレノイド100のヨーク10と互いに固定される。
スプール220は、軸方向ADに沿って複数の大径部222と小径部224とが並んで配置された略棒状の外観形状を有する。スプール220は、挿入孔212の内部において軸方向ADに沿って摺動し、大径部222と小径部224との軸方向ADに沿った位置に応じて、複数のオイルポート214の連通状態および開口面積を調整する。スプール220の一端には、ソレノイド100の推力をスプール220に伝達するための、シャフト90が当接して配置されている。スプール220の他端には、バネ230が配置されている。バネ230は、圧縮コイルスプリングにより構成され、スプール220を軸方向ADに押圧してソレノイド100側へと付勢する。アジャストスクリュ240は、バネ230と当接して配置され、スリーブ210に対するねじ込み量が調整されることにより、バネ230のバネ荷重を調整する。
図1および図2に示すソレノイド100は、図示しない電子制御装置によって通電制御されて、スプール弁200を駆動する。ソレノイド100は、ヨーク10と、リング部材18と、コイル20と、プランジャ30と、ステータコア40と、弾性部材410とを備える。
図2に示すように、ヨーク10は、磁性体の金属により形成され、ソレノイド100の外郭を構成している。ヨーク10は、有底筒状の外観形状を有し、コイル20とプランジャ30とステータコア40とを収容する。ヨーク10は、側面部12と、底部14と、開口部17とを有する。
側面部12は、軸方向ADに沿った略円筒状の外観形状を有する。側面部12のスプール弁200側の端部は、薄肉に形成され、薄肉部15を構成している。底部14は、側面部12のスプール弁200側とは反対側の端部に連なって軸方向ADと垂直に形成され、側面部12の端部を閉塞している。なお、底部14は、軸方向ADと垂直に限らず、略垂直に形成されてもよく、90°以外の任意の角度で軸方向ADと交差して形成されてもよい。底部14は、後述するプランジャ30の基端面34と対向している。開口部17は、側面部12のスプール弁200側の端部の薄肉部15に形成されている。開口部17は、ヨーク10の内部にソレノイド100の構成部品が組み付けられた後、スプール弁200の鍔部216とかしめ固定される。なお、かしめ固定に代えて、溶接等の任意の方法を用いてスプール弁200とヨーク10とが固定されてもよい。
リング部材18は、軸方向ADにおいてコイル20とスプール弁200の鍔部216との間に配置されている。換言すると、リング部材18は、後述するステータコア40の磁気吸引コア50における軸方向ADの端部であってプランジャ30側とは反対側の端部(以下、「端部54」とも呼ぶ)の径方向外側に配置されている。リング部材18は、リング状の外観形状を有し、磁性体の金属により構成されている。リング部材18は、ステータコア40の磁気吸引コア50とヨーク10の側面部12との間における磁束の受け渡しを行なう。リング部材18は、径方向において変位可能に構成されている。これにより、ステータコア40の製造上の寸法ばらつきと組み付け上の軸ずれとが吸収される。本実施形態において、リング部材18には、後述する磁気吸引コア50が圧入されている。なお、圧入に限らず、径方向の僅かな隙間を設けて磁気吸引コア50が嵌合されていてもよい。
コイル20は、ヨーク10の側面部12の内側に配置された樹脂製のボビン22に、絶縁被覆が施された導線が巻回されて構成されている。コイル20を構成する導線の端部は、接続端子24に接続されている。ボビン22のうち、軸方向ADの端部であって底部14側の端部には、弾性部材収容部23が形成されている。本実施形態の弾性部材収容部23は、ボビン22において径方向内側に形成されている。弾性部材収容部23には、後述する弾性部材410が収容される。接続端子24は、コネクタ26の内部に配置されている。コネクタ26は、ヨーク10の外周部に配置され、図示しない接続線を介してソレノイド100と電子制御装置との電気的な接続を行なう。コイル20は、通電されることにより磁力を発生し、ヨーク10の側面部12と、ヨーク10の底部14と、ステータコア40と、プランジャ30と、リング部材18とを通るループ状の磁束の流れ(以下、「磁気回路」とも呼ぶ)を形成させる。図1および図2に示す状態では、コイル20への通電が実行されず、磁気回路が形成されていないが、説明の便宜上、コイル20への通電が実行された場合に形成される磁気回路C1を、図2において太線の矢印で模式的に示している。
プランジャ30は、略円柱状の外観形状を有し、磁性体の金属により構成されている。プランジャ30は、後述するステータコア40のコア部61の内周面において、軸方向ADに摺動する。プランジャ30のスプール弁200側の端面(以下、「先端面32」とも呼ぶ)には、上述したシャフト90が当接して配置されている。これにより、プランジャ30は、スプール220に伝達されるバネ230の付勢力により、軸方向ADに沿ってヨーク10の底部14側へと付勢される。先端面32とは反対側の端面(以下、「基端面34」とも呼ぶ)は、ヨーク10の底部14と対向している。プランジャ30には、軸方向ADに貫通する図示しない呼吸孔が形成されている。かかる呼吸孔は、例えば作動油や空気等の、プランジャ30の基端面34側および先端面32側に位置する流体を通過させる。
ステータコア40は、磁性体の金属により構成され、コイル20とプランジャ30との間に配置されている。ステータコア40は、磁気吸引コア50と、摺動コア60と、磁束通過抑制部70とを有する。
磁気吸引コア50は、シャフト90を周方向に取り囲んで配置されている。磁気吸引コア50は、ステータコア40のうちスプール弁200側の一部を構成し、コイル20が発生する磁力によりプランジャ30を磁気吸引する。磁気吸引コア50の、プランジャ30の先端面32と対向する面には、ストッパ52が配置されている。ストッパ52は、非磁性体により構成され、プランジャ30と磁気吸引コア50とが直接当接することを抑制し、磁気吸引により磁気吸引コア50からプランジャ30が離れなくなることを抑制する。
摺動コア60は、ステータコア40のうち底部14側の一部を構成し、プランジャ30に対して径方向外側に配置されている。摺動コア60は、コア部61と、磁束受渡部65とを有する。
コア部61は、略円筒状の外観形状を有し、径方向においてコイル20とプランジャ30との間に配置されている。コア部61は、プランジャ30の軸方向ADに沿った移動をガイドする。これにより、プランジャ30は、コア部61の内周面を直接摺動する。コア部61とプランジャ30との間には、プランジャ30の摺動性を確保するための図示しない摺動ギャップが存在している。摺動コア60の端部であって磁気吸引コア50側とは反対側の端部(以下、「端部62」とも呼ぶ)は、底部14と対向して当接している。
磁束受渡部65は、端部62の全周に亘って、端部62から径方向外側に向かって形成されている。このため、磁束受渡部65は、軸方向ADにおいて、ボビン22とヨーク10の底部14との間に位置している。磁束受渡部65は、コア部61を介してヨーク10とプランジャ30との間における磁束の受け渡しを行なう。より具体的には、磁束受渡部65は、ヨーク10の底部14とプランジャ30との間における磁束の受け渡しを行なう。なお、磁束受渡部65は、ヨーク10の側面部12とプランジャ30との間における磁束の受け渡しを行なってもよい。本実施形態において、磁束受渡部65とヨーク10の側面部12との間には、径方向の隙間が組み付けのために設けられている。
磁束通過抑制部70は、軸方向ADにおいて、磁気吸引コア50とコア部61との間に形成されている。磁束通過抑制部70は、コア部61と磁気吸引コア50との間で直接的に磁束が流れることを抑制する。本実施形態の磁束通過抑制部70は、ステータコア40の径方向の厚みが薄肉に形成されることにより、磁気吸引コア50およびコア部61よりも磁気抵抗が大きくなるように構成されている。
弾性部材410は、環状のウェーブワッシャーにより構成され、ボビン22の弾性部材収容部23に収容されている。弾性部材410は、軸方向ADにおいてコイル20と磁束受渡部65との間に配置され、磁束受渡部65をヨーク10の底部14側へと付勢している。弾性部材410は、磁気回路C1の形成のために、予め定められた値以上の荷重で磁束受渡部65を底部14へと押し付けることが望ましい。磁束受渡部65が底部14へと圧接されることにより、ヨーク10の底部14から磁束受渡部65へと伝達される磁束の損失が抑制される。
本実施形態において、ヨーク10と、リング部材18と、プランジャ30と、ステータコア40とは、それぞれ鉄により構成されている。なお、鉄に限らず、ニッケルやコバルト等、任意の磁性体により構成されてもよい。また、本実施形態において、弾性部材410は、オーステナイト系ステンレス鋼により構成されている。なお、オーステナイト系ステンレス鋼に限らず、アルミニウムや真鍮等、任意の非磁性体により形成されていてもよい。また、非磁性体に限らず、磁性体により形成されてもよい。また、本実施形態において、ヨーク10はプレス成形により形成され、ステータコア40は鍛造により形成されているが、それぞれ任意の成形方法により形成されてもよい。
図2に示すように、磁気回路C1は、ヨーク10の側面部12と、ヨーク10の底部14と、ステータコア40の磁束受渡部65と、ステータコア40のコア部61と、プランジャ30と、ステータコア40の磁気吸引コア50と、リング部材18とを通るように形成される。このため、コイル20への通電によって、プランジャ30が磁気吸引コア50側へと引き寄せられる。これにより、プランジャ30は、コア部61の内周面、換言すると、摺動コア60の内周面において、軸方向ADに沿って白抜きの矢印の方向に摺動する。このように、プランジャ30は、コイル20への通電によって、バネ230の付勢力に対抗して磁気吸引コア50側へとストロークする。コイル20に流される電流が大きいほど、磁気回路の磁束密度が増加し、プランジャ30のストローク量が増加する。「プランジャ30のストローク量」とは、プランジャ30の往復動において、プランジャ30が磁気吸引コア50から最も遠ざかった位置を基点として、プランジャ30が磁気吸引コア50側へと軸方向ADに沿って移動する量を意味する。プランジャ30が磁気吸引コア50から最も遠ざかった状態は、非通電状態に相当する。他方、図2とは異なりプランジャ30が磁気吸引コア50に最も近付いた状態は、コイル20に通電が行なわれて、プランジャ30の先端面32とストッパ52とが当接した状態に相当し、プランジャ30のストローク量が最大となる。
プランジャ30の先端面32に当接するシャフト90は、プランジャ30が磁気吸引コア50側へとストロークすると、図1に示すスプール220をバネ230側へと押圧する。これにより、オイルポート214の連通状態および開口面積が調整され、コイル20に流される電流値に比例した油圧が出力される。
本実施形態の摺動コア60は、コア部61と磁束受渡部65とが一体に形成されている。このため、コア部61と磁束受渡部65との間に、径方向の隙間が存在しない。したがって、通電により磁気回路が構成された場合に、磁束受渡部65からコア部61へと伝達される磁束の分布に径方向の偏りが発生することを抑制でき、コア部61からプランジャ30へと伝達される磁束の分布に径方向の偏りが発生することを抑制できる。換言すると、磁気回路の磁束密度は、周方向において略等しい。このため、磁束の分布の偏りによるサイドフォースの発生を抑制できる。
本実施形態において、磁束受渡部65は、本開示における第1磁束受渡部の下位概念に相当し、リング部材18は、本開示における第2磁束受渡部の下位概念に相当する。
以上説明した第1実施形態のソレノイド100によれば、摺動コア60が、プランジャ30に対して径方向外側に配置された筒状のコア部61と、コア部61の端部62から径方向外側に向かって形成されて磁束の受け渡しを行なう磁束受渡部65とを有するので、コア部61と磁束受渡部65との間に、径方向の隙間が存在しない。このため、コア部61を介して磁束受渡部65からプランジャ30へと伝達される磁束の分布に径方向の偏りが発生することを抑制でき、磁束の分布の偏りによる径方向へのサイドフォースの発生を抑制できる。したがって、プランジャ30の摺動性の悪化を抑制できる。
また、コア部61の端部62の周辺において、摺動ギャップ以外に径方向の隙間が存在しないため、磁気効率の低下を抑制できる。また、ステータコア40が、磁気吸引コア50と摺動コア60と磁束通過抑制部70とが一体化された単一の部材により構成されているので、部品点数の増加を抑制できる。
加えて、弾性部材410が磁束受渡部65をヨーク10の底部14側へと付勢しているので、磁束受渡部65を底部14に圧接させることができ、ヨーク10の底部14から磁束受渡部65へと伝達される磁束の損失を抑制できる。また、弾性部材410により磁束受渡部65をヨーク10の底部14に圧接させるので、かかる圧接のために側面部12と底部14とを別体に形成して底部14を側面部12にかしめ固定することを省略できる。このため、ヨーク10の構成を、側面部12に連なる底部14を有する有底筒状にできるので、側面部12と底部14とを一体成形でき、ヨーク10をプレス成形で容易に成形できる。
ここで、側面部12と底部14とを別体に形成する構成の場合、側面部12を形成する方法として、ヨーク10をプレス成形で形成した後に底部14に相当する部分を切断削除する方法が想定されるが、側面部12の加工精度が低下するおそれがある。また、他の方法として、切削加工により筒状の部材の表面を切削研磨して側面部12を形成する方法が想定されるが、側面部12の製造に要するコストが増大するおそれがある。
これに対し、本実施形態のソレノイド100によれば、側面部12に連なる底部14を有する有底筒状のヨーク10を備えるので、ヨーク10をプレス成形で容易に成形でき、部品点数の増加を抑制でき、かしめ工程を省略できる。したがって、ヨーク10の製造工程が複雑化することを抑制でき、ソレノイド100の製造に要するコストが増大することを抑制できる。
また、弾性部材410により磁束受渡部65と底部14とを圧接させるので、ソレノイド100の駆動による温度上昇に伴ってソレノイド100の構成部品がクリープの影響を受けた場合に、かかる構成部品の寸法変化を弾性部材410の弾性力で吸収でき、磁束受渡部65と底部14との圧接荷重が低下することを抑制できる。また、弾性部材410がウェーブワッシャーにより構成されているので、付勢力によって磁束受渡部65を底部14へと容易に圧接させることができる。また、弾性部材410が金属により形成されているので、耐久性の低下を抑制できる。このため、弾性部材410の付勢力の低下を抑制でき、磁気効率の低下を抑制できる。
B.第2実施形態:
図3に示す第2実施形態のソレノイド100aは、弾性部材410が配置される位置において、第1実施形態のソレノイド100と異なる。その他の構成は第1実施形態のソレノイド100と同じであるので、同一の構成には同一の符号を付し、それらの詳細な説明を省略する。
第2実施形態のソレノイド100aが備えるボビン22aには、弾性部材収容部23に代えて弾性部材収容部23aが形成されている。弾性部材収容部23aは、軸方向ADの端部であって底部14側とは反対側の端部に形成されている。このため、軸方向ADにおいて、弾性部材収容部23aの位置は、コネクタ26の根元部分の位置と略等しい。弾性部材410は、弾性部材収容部23aに収容され、軸方向ADにおいてリング部材18とコイル20との間に配置されている。弾性部材410は、コイル20と磁束受渡部65とをヨーク10の底部14側へと付勢している。
以上説明した第2実施形態のソレノイド100aによれば、第1実施形態と同様な効果を奏する。加えて、弾性部材410が、軸方向ADにおいてリング部材18とコイル20との間に配置されているので、プランジャ30の摺動範囲と軸方向ADにおいて重ならない位置に弾性部材410を配置でき、磁気効率の低下を抑制できる。また、軸方向ADにおいてコイル20と磁束受渡部65との間に弾性部材収容部23が形成されていないので、磁束受渡部65の一部を拡張して配置することやコイル20の導線の巻数を増加させることが可能となり、磁気効率の低下をさらに抑制できる。
C.第3実施形態:
図4に示す第3実施形態のソレノイド100bは、弾性部材410に代えて弾性部材410bを備える点において、第1実施形態のソレノイド100と異なる。その他の構成は第1実施形態のソレノイド100と同じであるので、同一の構成には同一の符号を付し、それらの詳細な説明を省略する。
第3実施形態のソレノイド100bが備える弾性部材410bは、ゴム材料により形成されたO−リングにより構成されている。なお、O−リングに代えて、略C字状等の任意の形状を有するゴム材料により構成されていてもよい。
以上説明した第3実施形態のソレノイド100bによれば、第1実施形態と同様な効果を奏する。加えて、弾性部材410bがゴム材料により構成されているので、弾性部材410bの製造に要するコストの増大を抑制できる。
D.第4実施形態:
図5に示す第4実施形態のソレノイド100cは、第2実施形態のソレノイド100aと第3実施形態のソレノイド100bとを組み合わせた構成を有する。第4実施形態のソレノイド100cは、弾性部材410に代えて第3実施形態の弾性部材410bを備える点において、第2実施形態のソレノイド100aと異なる。その他の構成は第2実施形態のソレノイド100aと同じであるので、同一の構成には同一の符号を付し、それらの詳細な説明を省略する。
第4実施形態のソレノイド100cが備える弾性部材410bは、ゴム材料により構成され、コイル20と磁束受渡部65とをヨーク10の底部14側へと付勢している。
以上説明した第4実施形態のソレノイド100cによれば、第2実施形態および第3実施形態と同様な効果を奏する。
E.第5実施形態:
図6に示す第5実施形態のソレノイド100dは、ステータコア40に代えてステータコア40dを備える点において、第1実施形態のソレノイド100と異なる。その他の構成は第1実施形態のソレノイド100と同じであるので、同一の構成には同一の符号を付し、それらの詳細な説明を省略する。
第5実施形態のソレノイド100dが備えるステータコア40dの摺動コア60dは、コア部61dと磁束受渡部65dとが別体に形成されている。磁束受渡部65dは、リング状の外観形状を有する。このため、磁束受渡部65dには、径方向内側において軸方向ADに貫通する貫通孔66dが形成されている。貫通孔66dには、コア部61dの端部62dが圧入されている。かかる圧入により、コア部61dと磁束受渡部65dとが、一体構造となるように組み付けられる。したがって、コア部61dと磁束受渡部65dとの間には、径方向の隙間がほぼ存在しない。なお、圧入に限らず、コア部61dが貫通孔66dに挿入されて溶接等により磁束受渡部65dと一体化されていてもよい。
以上説明した第5実施形態のソレノイド100dによれば、第1実施形態と同様な効果を奏する。加えて、磁束受渡部65dがコア部61dと別体に形成されて貫通孔66dを有し、コア部61dが貫通孔66dに挿入されて磁束受渡部65dと一体化されているので、ステータコア40dの構造の複雑化を抑制でき、ステータコア40dの製造に要するコストの増大を抑制できる。
F.第6実施形態:
図7に示す第6実施形態のソレノイド100eは、磁束受渡部65eとヨーク10との圧接方法において、第1実施形態のソレノイド100と異なる。より具体的には、第6実施形態のソレノイド100eは、弾性部材410が省略され、ボビン22eに弾性部材収容部23が形成されていない。また、第6実施形態のソレノイド100eが備えるステータコア40eの摺動コア60eにおいて、磁束受渡部65eの径方向の大きさは、第1実施形態の磁束受渡部65よりも大きい。磁束受渡部65eは、ヨーク10への組み付けの際に、ヨーク10の側面部12へと圧入される。その他の構成は第1実施形態のソレノイド100と同じであるので、同一の構成には同一の符号を付し、それらの詳細な説明を省略する。
磁束受渡部65eが側面部12へと圧入されて組み付けられるため、磁束受渡部65eと側面部12との間には、径方向の隙間がほぼ存在しない。磁束受渡部65eは、側面部12への圧入により、径方向において側面部12へと圧接される。図7に示す状態では、コイル20への通電が実行されず、磁気回路が形成されていないが、説明の便宜上、コイル20への通電が実行された場合に形成される磁気回路C2を、太線の矢印で模式的に示している。本実施形態では、ヨーク10の側面部12と、磁束受渡部65eと、コア部61と、プランジャ30と、磁気吸引コア50と、リング部材18とを通る磁気回路C2が形成される。
以上説明した第6実施形態のソレノイド100eによれば、第1実施形態と同様な効果を奏する。加えて、磁束受渡部65eが側面部12への圧入により側面部12に圧接されているので、部品点数の増加を抑制しつつ、磁束受渡部65eを側面部12へと圧接させることができる。このため、ソレノイド100eの製造に要するコストの増大を抑制でき、ソレノイド100eの組み付け工程が複雑化することを抑制できる。
G.第7実施形態:
図8に示す第7実施形態のソレノイド100fは、磁束受渡部65とヨーク10との圧接方法において、第1実施形態のソレノイド100と異なる。その他の構成は第1実施形態のソレノイド100と同じであるので、同一の構成には同一の符号を付し、それらの詳細な説明を省略する。なお、図8では、説明の便宜上、破線で示す領域AL1におけるヨーク10の底部14の構成を、模式的に抜き出して示している。
第7実施形態のソレノイド100fは、弾性部材410が省略され、ボビン22fに弾性部材収容部23が形成されていない。第7実施形態のソレノイド100fは、ヨーク10の内部にソレノイド100fの構成部品が組み付けられる前の状態、換言すると、開口部17とスプール弁200の鍔部216とがかしめ固定される前の状態において、ソレノイド100fの内部に配置される部品群の軸方向ADに沿った長さが、第1実施形態のソレノイド100の内部に配置される部品群の軸方向ADに沿った長さよりもわずかに長い。より具体的には、中心軸AXを含む断面における、リング部材18とコイル20とボビン22fと磁束受渡部65とまでの軸方向ADに沿った長さが、第1実施形態のソレノイド100におけるかかる部品群の軸方向ADに沿った長さよりもわずかに長い。このため、組み付け前の状態において、リング部材18とコイル20とボビン22fと磁束受渡部65とまでの軸方向ADに沿った長さは、軸方向ADにおいてかかる部品群と対応する側面部12の長さよりも、長い。
第7実施形態のソレノイド100fでは、側面部12の端部であって底部14側とは反対側の端部である開口部17が、スプール弁200の鍔部216とかしめられることにより軸方向ADに沿って底部14側へとかしめ固定される。これにより、ヨーク10の内部に収容される部品群のうち径方向外側に位置する部材であるリング部材18とコイル20とボビン22fと磁束受渡部65とには、荷重が加えられる。より具体的には、図8において右向きの白抜きの矢印で示すように、軸方向ADに沿って開口部17側から底部14側へと向かう方向の荷重が加えられる。かしめ固定の荷重がリング部材18とコイル20とボビン22fと磁束受渡部65とを伝達することにより、ヨーク10の底部14は、中心軸AXを含む断面において弓なりに弾性変形する。これにより、図8において左向きの白抜きの矢印で示すように、ヨーク10の底部14から、かかる弾性変形の反力が生じる。したがって、磁束受渡部65は、コイル20と底部14との間で挟みこまれ、底部14と圧接される。
本実施形態において、開口部17は、本開示における側面部の端部であって底部側とは反対側の端部の下位概念に相当する。
以上説明した第7実施形態のソレノイド100fによれば、第1実施形態と同様な効果を奏する。加えて、底部14が、かしめ固定の荷重により弾性変形して磁束受渡部65と圧接されているので、部品点数の増加を抑制しつつ、磁束受渡部65を底部14へと圧接させることができる。このため、ソレノイド100fの製造に要するコストの増大を抑制でき、ソレノイド100fの組み付け工程が複雑化することを抑制できる。また、底部14の弾性力を利用して圧接させるので、ソレノイド100fの駆動による温度上昇に伴ってソレノイド100fの構成部品がクリープの影響を受けた場合に、かかる構成部品の寸法変化を底部14の弾性力で吸収できる。このため、磁束受渡部65と底部14との圧接荷重が低下することを抑制できる。
H.第8実施形態:
図9に示す第8実施形態のソレノイド100gは、磁束通過抑制部70に代えて磁束通過抑制部70gを有するステータコア40gを備える点において、第1実施形態のソレノイド100と異なる。その他の構成は第1実施形態のソレノイド100と同じであるので、同一の構成には同一の符号を付し、それらの詳細な説明を省略する。
第8実施形態のソレノイド100gにおける磁束通過抑制部70gは、非磁性体により形成された接続部72gを含む。接続部72gは、分離して形成された磁気吸引コア50と摺動コア60とを物理的に接続している。本実施形態において、接続部72gは、コア部61よりも薄肉に形成され、コイル20の内周面側において磁気吸引コア50と摺動コア60とを物理的に接続している。このため、接続部72gの内周面とプランジャ30の外周面との間には、隙間が存在している。また、本実施形態において、接続部72gは、オーステナイト系ステンレス鋼により形成されているが、オーステナイト系ステンレス鋼に限らず、アルミニウムや真鍮等の、任意の非磁性体により形成されていてもよい。
以上説明した第8実施形態のソレノイド100gによれば、第1実施形態と同様な効果を奏する。加えて、磁束通過抑制部70gが、非磁性体により形成された接続部72gを含むので、通電の際に、プランジャ30を通らずにコア部61から磁気吸引コア50へと磁束が直接的に通過することを、より抑制できる。
I.第9実施形態:
図10に示す第9実施形態のソレノイド100hは、接続部72gに代えて接続部72hを含む磁束通過抑制部70hを有する点において、第8実施形態のソレノイド100gと異なる。その他の構成は第8実施形態のソレノイド100gと同じであるので、同一の構成には同一の符号を付し、それらの詳細な説明を省略する。
第9実施形態のソレノイド100hにおける接続部72hは、コア部61と略等しい肉厚で、ろう付等により形成されている。
以上説明した第9実施形態のソレノイド100hによれば、第8実施形態と同様な効果を奏する。加えて、接続部72hが、コア部61と略等しい肉厚で形成されているので、磁気吸引コア50とコア部61とをより強固に接続できる。また、接続部72hにおいても、プランジャ30の摺動をガイドできる。
J.他の実施形態:
(1)上記第1、第2実施形態における弾性部材410の構成は、あくまで一例であり、種々変更可能である。例えば、ウェーブワッシャーに限らず、板バネ、皿バネ、圧縮コイルバネ等の、任意の弾性体により構成されていてもよい。また、全周がつながって形成された環状の部材に限らず、周方向の一部に切り欠きが形成された略C字型状の部材等により構成されていてもよい。また、金属に限らず、樹脂等により構成されていてもよい。かかる構成によっても、上記第1、第2実施形態と同様な効果を奏する。
(2)上記第1〜4実施形態における弾性部材410,410bの配置位置は、あくまで一例であり、種々変更可能である。例えば、弾性部材410,410bは、ボビン22,22aにおいて径方向内側に形成された弾性部材収容部23,23aに収容されていたが、ボビン22,22aにおいて径方向外側等、径方向の任意の場所に形成された弾性部材収容部23,23aに収容されていてもよい。また、例えば、弾性部材収容部23,23aが省略されて、軸方向ADにおいてボビン22と磁束受渡部65との間に弾性部材410,410bが配置されてもよく、軸方向ADにおいてボビン22aとリング部材18との間に弾性部材410,410bが配置されてもよい。また、磁束受渡部65やリング部材18の径方向全体にわたる大きさの弾性部材410,410bが配置されていてもよい。また、コイル20の軸方向ADの両端部に、弾性部材410,410bがそれぞれ配置されていてもよい。すなわち一般には、軸方向においてコイルと第1磁束受渡部との間に配置され、第1磁束受渡部を底部側へと付勢する弾性部材をさらに備えていてもよく、軸方向においてコイルと第2磁束受渡部との間に配置され、コイルと第1磁束受渡部とを底部側へと付勢する弾性部材をさらに備えていてもよい。また、弾性部材は、ウェーブワッシャーにより構成されていてもよく、ゴム材料により構成されていてもよい。このような構成によっても、上記第1〜4実施形態と同様な効果を奏する。
(3)上記第6実施形態において、磁束受渡部65eは、側面部12への圧入により側面部12に圧接されていたが、側面部12への圧入に代えて、または側面部12への圧入に加えて、側面部12の径方向外側からのかしめ固定により側面部12に圧接されていてもよい。側面部12の径方向外側からのかしめ固定は、例えば、側面部12の径方向外側からピン状の部材により径方向内側に向かって荷重を加えることにより実現されてもよい。すなわち一般には、第1磁束受渡部は、側面部への圧入と、側面部の径方向外側からのかしめ固定とのうちの少なくとも一方により、側面部に圧接されていてもよい。かかる構成によっても、上記第6実施形態と同様な効果を奏する。
(4)上記各実施形態のソレノイド100,100a〜100hの構成は、あくまで一例であり、種々変更可能である。例えば、上記第6実施形態のソレノイド100eと他の上記各実施形態のソレノイド100,100a〜100d,100f〜100hとが組み合わされることにより、磁束受渡部65eが側面部12と底部14との両方に圧接されていてもよい。すなわち一般には、第1磁束受渡部は、側面部と底部とのうちの少なくとも一方に圧接されていてもよい。また、例えば、リング部材18は、ヨーク10の側面部12に圧入されていてもよい。また、例えば、プランジャ30は、略円柱状に限らず、任意の柱状の外観形状を有していてもよい。また、コア部61,61dおよびヨーク10の側面部12は、略円筒状に限らず、プランジャ30の外観形状に応じた筒状の外観形状に設計されてもよい。また、ヨーク10の側面部12は、略円筒状の外観形状を有していたが、断面視が略四角形等の任意の筒状の外観形状を有していてもよい。また、ヨーク10は、有底筒状の外観形状に限らず、コイル20とプランジャ30とを取り囲む板状等の外観形状を有していてもよい。また、ヨーク10は、プレス成形により形成されて側面部12に底部14が連なっていたが、一体成形に限らず、側面部12と底部14とが別体に形成されていてもよい。このような構成によっても、上記各実施形態と同様な効果を奏する。
(5)上記各実施形態のソレノイド100,100a〜100hは、車両用自動変速機に供給する作動油の油圧を制御するためのリニアソレノイドバルブ300に適用され、スプール弁200を駆動させるアクチュエータとして機能していたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、エンジンの吸気弁または排気弁のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置の電磁油路切替弁等、任意のソレノイドバルブに適用されてもよい。また、例えば、スプール弁200に代えて、ポペット弁等の任意のバルブを駆動させてもよく、バルブに代えて、スイッチ等の任意の被駆動体を駆動させてもよい。
本開示は、上述の各実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した形態中の技術的特徴に対応する各実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10 ヨーク、12 側面部、14 底部、18 リング部材、20 コイル、30 プランジャ、32 先端面、34 基端面、40,40d,40e,40g ステータコア、50 磁気吸引コア、60,60d,60e 摺動コア、61,61d コア部、62,62d 端部、65,65d,65e 磁束受渡部、66d 貫通孔、70,70g,70h 磁束通過抑制部、100,100a〜100h ソレノイド、AD 軸方向

Claims (9)

  1. ソレノイド(100,100a〜100h)であって、
    通電により磁力を発生するコイル(20)と、
    前記コイルの内側に配置されて軸方向(AD)に摺動する柱状のプランジャ(30)と、
    前記軸方向に沿った側面部(12)と、前記軸方向と交差する方向に形成され前記プランジャの基端面(34)と対向する底部(14)と、を有し、前記コイルと前記プランジャとを収容するヨーク(10)と、
    ステータコア(40,40d,40e,40g)であって、
    前記軸方向において前記プランジャの先端面(32)と対向して配置されて前記コイルが発生する磁力により前記プランジャを磁気吸引する磁気吸引コア(50)と、
    前記プランジャに対して径方向外側に配置された筒状のコア部(61,61d)と、前記底部と対向する前記コア部の端部(62,62d)から径方向外側に向かって形成され、前記コア部を介して前記ヨークと前記プランジャとの間における磁束の受け渡しを行なう第1磁束受渡部(65,65d,65e)と、を有する摺動コア(60,60d,60e)と、
    前記摺動コアと前記磁気吸引コアとの間における磁束の通過を抑制する磁束通過抑制部(70,70g,70h)と、
    を有するステータコアと、
    前記磁気吸引コアにおける前記軸方向の端部であって前記プランジャ側とは反対側の端部(54)の径方向外側に配置され、前記磁気吸引コアと前記側面部との間における磁束の受け渡しを行なう第2磁束受渡部(18)と、
    を備え、
    前記第1磁束受渡部は、前記側面部と前記底部とのうちの少なくとも一方に圧接されている、
    ソレノイド。
  2. 請求項1に記載のソレノイドにおいて、
    前記第1磁束受渡部は、前記コア部と別体に形成され、貫通孔(66d)を有し、
    前記コア部は、前記貫通孔に挿入されて前記第1磁束受渡部と一体化されている、
    ソレノイド。
  3. 請求項1または請求項2に記載のソレノイドにおいて、
    前記軸方向において前記コイルと前記第1磁束受渡部との間に配置され、前記第1磁束受渡部を前記底部側へと付勢する弾性部材(410,410b)をさらに備える、
    ソレノイド。
  4. 請求項1または請求項2に記載のソレノイドにおいて、
    前記軸方向において前記コイルと前記第2磁束受渡部との間に配置され、前記コイルと前記第1磁束受渡部とを前記底部側へと付勢する弾性部材(410,410b)をさらに備える、
    ソレノイド。
  5. 請求項3または請求項4に記載のソレノイドにおいて、
    前記弾性部材は、ウェーブワッシャーにより構成されている、
    ソレノイド。
  6. 請求項3または請求項4に記載のソレノイドにおいて、
    前記弾性部材は、ゴム材料により構成されている、
    ソレノイド。
  7. 請求項1または請求項2に記載のソレノイドにおいて、
    前記第1磁束受渡部は、前記側面部への圧入と、前記側面部の径方向外側からのかしめ固定とのうちの少なくとも一方により、前記側面部に圧接されている、
    ソレノイド。
  8. 請求項1または請求項2に記載のソレノイドにおいて、
    前記側面部の端部であって前記底部側とは反対側の端部(17)は、前記軸方向に沿って前記底部側へとかしめ固定され、
    前記底部は、前記かしめ固定の荷重により弾性変形して前記第1磁束受渡部と圧接されている、
    ソレノイド。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載のソレノイドにおいて、
    前記磁束通過抑制部は、非磁性体により形成されて前記磁気吸引コアと前記摺動コアとを物理的に接続する接続部(72g,72h)を含む、
    ソレノイド。
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