JP2013038233A - 電磁駆動装置及び電磁弁 - Google Patents

電磁駆動装置及び電磁弁 Download PDF

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Abstract

【課題】駆動応答性を向上可能な電磁駆動装置10及びそれを備えた電磁弁1の提供。
【解決手段】可動コア22を有する可動体20と、可動コア22を往方向Dgと復方向Drとに移動自在に収容する収容部32と、可動コア22を往方向Dgへ吸引する吸引部34とを有する固定コア30と、収容部32の外周側に、磁束MFを発生するコイル70と、リングコア50とを備え、可動コア22の外周部22aに設けられる非磁性の軸受54と、リングコア50が、コイル70の発生磁束MFを収容部32及び可動コア22を通して吸引部34へ受け渡すことにより可動コア22が吸引部34に吸引駆動され、軸受54が外周側の収容部32に摺動支持されることにより、当該収容部32と可動コア22との間に磁気ギャップ60が形成され、可動体20の移動範囲の全域において、リングコア50の内周側には、磁束MFが通過可能に磁気ギャップ60が確保される。
【選択図】図3

Description

本発明は、電磁駆動装置及びそれを備えた電磁弁に関する。
従来、軸方向に往復移動する可動体において、コイルへの通電による発生磁束が可動コアを通って固定コアの吸引部に受け渡されることにより、可動コアが吸引部に吸引駆動される電磁駆動装置が、知られている。このような電磁駆動装置は、例えば可動コアを有する可動体の往復移動に応じて、流体の流通するポートが開閉される電磁弁等において、好適に利用されている。
さて、電磁駆動装置の一種として特許文献1に開示される装置の固定コアには、可動コアを同軸上に往復移動自在に収容する筒状の収容部が、当該可動コアを往方向へ吸引する吸引部と共に、設けられている。ここで、往方向の吸引部と接続される収容部の外周側には、コイルが設けられると共に、同収容部の内周面には、可動コアが摺動して軸方向に案内されるようになっている。また、収容部の外周側では、コイルの復方向にリングコアが設けられ、コイルへの通電により発生した磁束が、当該リングコアから収容部を経由して可動コアへ受け渡されている。こうした構成により特許文献1の開示装置では、可動コアへ受け渡されている磁束が、吸引部に受け渡されることで、軸方向に安定した可動体の移動が可能となるのである。
特許第4569371号公報
さて、特許文献1に開示の電磁駆動装置では、可動コアが収容部の内周部に直接摺動するため、当該可動コアの外周部に摺動磨耗を招くおそれがある。ここで可動コアは、コイルの発生磁束を吸引部へ通過させる役目を果たす部材であるため、摺動磨耗が発生すると、当該通過磁束の密度を変化させてしまう。その結果、可動コアから吸引部へと磁束が受け渡されることで発生する吸引力も変化するので、当該可動コアを有する可動体の駆動応答性を低下させるおそれがあった。
そこで、可動コアの耐久性を向上させるため、可動コアのうち収容部と摺動する外周部に非磁性のめっきを施すことが、考えられる。しかし、めっきを厚膜状に形成して耐久性の向上を優先させようとすると、収容部からめっきを介して可動コアへと受け渡される磁束の密度が小さくなり、可動体の駆動応答性の低下に繋がってしまう。尚、めっきと収容部との摺動抵抗を低減して可動体の駆動応答性を向上させるには、めっきに研磨処理を施す等、煩雑な処理が必要となってしまうため、望ましくない。
本発明は、以上説明した問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、可動体の駆動応答性を向上可能な電磁駆動装置及びそれを備えた電磁弁を、提供することにある。
請求項1に記載の発明の電磁駆動装置によると、可動コアを有し、当該可動コアの軸方向両側となる往方向と復方向とに移動する可動体と、可動コアを同軸上に移動自在に収容する筒状の収容部と、可動コアを往方向へ吸引する吸引部とを有する固定コアと、収容部の外周側に設けられ、通電により磁束を発生するコイルと、可動コアの外周部に設けられる非磁性の軸受と、収容部の外周側においてコイルよりも復方向に設けられるリングコアとを備え、リングコアがコイルの発生磁束を収容部及び可動コアを通して吸引部へ受け渡すことにより可動コアが吸引部に吸引駆動され、軸受が外周側の収容部に摺動支持されることにより、当該収容部と可動コアとの間に磁気ギャップが形成され、可動体の移動範囲の全域において、リングコアの内周側には、収容部を通って可動コアへ向かう磁束が通過可能に磁気ギャップが確保される。
この発明において収容部は、可動コアの外周部に設けられた軸受を外周側から摺動支持することで、当該可動コアとの間に磁気ギャップを形成することになる。この磁気ギャップの存在により可動コアでは、外周部自体は収容部と直接摺動しないので、摺動摩耗が発生し難く、それ故に、吸引部へと通過させる磁束の密度が安定し得る。これによれば、可動コアから吸引部へと磁束が受け渡されることによって発生する吸引力を安定させて、当該可動コアを有する可動体の駆動応答性を向上させることが、可能となる。
さらに、請求項1に記載の発明において収容部と直接摺動することとなる軸受は、実質的に磁束を通過させない非磁性であるので、仮に摺動摩耗が生じたとしても、リングコアから収容部を通って可動コアへと向かう磁束の密度に当該摩耗が影響するのを、抑制し得る。しかも、可動体の移動範囲の全域においてリングコアの内周側には、収容部を通って可動コアへと向かう磁束の通過可能な磁気ギャップが確保されるので、当該通過磁束の密度に非磁性軸受の存在自体が影響するのを、可動体の任意の移動位置にて抑制し得る。これら抑制作用によれば、リングコアから可動コアへと通過した磁束が吸引部へ受け渡されることによって発生する吸引力を増大させて、当該可動コアを有する可動体の駆動応答性を向上させることも、可能となるのである。
請求項2に記載の発明によると、軸受が可動コアの復方向の後端部に設けられてなる可動体は、可動コアの往方向の前端部を挟んで後端部とは反対側において吸引部により支持され、可動体の移動範囲の全域において、軸受の往方向の前端面は、リングコアの往方向の前端面よりも復方向に位置する。
この発明の可動体は、可動コアのうち復方向の後端部に設けられた軸受を介して、収容部により支持される一方、同可動コアのうち往方向の前端部を挟んで後端部とは反対側にて、吸引部によっても支持される。このように軸方向において二点支持される可動体については、可動コアに対して径方向に荷重の掛かった場合でも傾きが抑えられて、当該可動コアと収容部との間に確実に磁気ギャップが確保され得る。これによれば、収容部から磁気ギャップを通って可動コアへ受け渡される磁束は、その密度の安定し得たものとなるので、当該磁束が収容部から可動コアを通って吸引部へ受け渡されて発生する吸引力も、安定し得る。故に、可動体の駆動応答性の向上に、貢献できるのである。
さらに、請求項1の発明において可動体の移動範囲全域では、軸受の往方向の前端面がリングコアの往方向の前端面よりも復方向に位置するため、それら前端面間には、リングコアと軸受とが軸方向に沿っては重ならない箇所が存在することになる。これによりリングコアの内周側には、リングコアから収容部を通って可動コアへと向かう磁束を通過可能にする磁気ギャップが、軸受の存在に拘らず確実に確保され得るので、当該通過磁束の密度に非磁性軸受の存在が影響するのを、可動体の任意の移動位置にて抑制し得る。この抑制作用によれば、リングコアから可動コアへと通過した磁束が吸引部へ受け渡されることによって発生する吸引力を増大させて、当該可動コアを有する可動体の駆動応答性を向上させることも、可能となるのである。
請求項3に記載の発明によると、固定コアは、収容部と吸引部とを同軸筒状に一体に有する。
この発明の可動体は、可動コアに設けられた軸受を介して収容部に支持されると共に、当該収容部と一体且つ同軸筒状の吸引部に支持されることになるので、それら二箇所の支持点にて偏芯し難くなる。これによれば、収容部の内周側に収容される可動コアの偏芯を見込んで形成すべき磁気ギャップの大きさを可及的に小さくして、リングコアから収容部を通って可動コアへ向かう磁束の密度が磁気ギャップの存在により低下するのを、抑制することができる。この抑制作用によれば、リングコアから可動コアへと通過した磁束が吸引部へ受け渡されることによって発生する吸引力を増大させて、当該可動コアを有する可動体の駆動応答性を向上させることが、可能となるのである。
請求項4に記載の発明によれば、電磁駆動装置と、流体が流通するポートを可動体の移動に応じて開閉する弁部とを備える。
この発明としての電磁弁において電磁駆動装置は、可動体の移動に応じて弁部のポートを開閉することで、当該ポートにおける流体流通を制御し得る。ここで電磁駆動装置では、可動コアと、その外周部の軸受を摺動支持する収容部との間の磁気ギャップにより、可動コアの摺動磨耗を発生し難くして、可動コアから吸引部への通過磁束の密度を安定させ得る。さらに、電磁駆動装置において非磁性の軸受は、リングコアから収容部を通って可動コアへと向かう磁束の密度に、自身の摺動磨耗が影響するのを抑制し得る。またさらに電磁駆動装置では、収容部を通って可動コアへと向かう磁束の通過可能な磁気ギャップが、可動体の移動範囲の全域にてリングコアの内周側に確保されるので、当該通過磁束の密度に非磁性軸受の存在自体が影響するのを抑制し得る。このように、吸引部への通過磁束密度の安定作用と、非磁性軸受の摺動摩耗や存在自体が当該通過磁束密度に与える影響の抑制作用が発揮される電磁駆動装置によれば、吸引力を安定させるのみならず増大させて、可動体の駆動応答性を向上させることも、可能である。したがって、こうした電磁駆動装置により実現される流体流通制御では、高い制御応答性を安定して長きに亘って発揮可能となる。
本発明の第一実施形態による電磁弁を示す断面図である。 図1とは異なる作動状態を示す断面図である。 図1の要部を拡大して示す断面図である。 図2の要部を拡大して示す断面図である。 図3の要部をさらに拡大して示し、図4に対応する作動状態を二点鎖線にて示す断面図である。 本発明の第二実施形態による電磁弁を示す断面図である。 図6とは異なる作動状態を示す断面図である。 図6の要部をさらに拡大して示し、図7に対応する作動状態を二点鎖線にて示す断面図である。 図1の変形例を示す断面図である。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合せることができる。
(第一実施形態)
図1は、本発明の第一実施形態による電磁弁1を示している。電磁弁1は、例えば車両用自動変速機の油圧制御装置等を構成する流体制御弁として利用される。電磁駆動装置10と弁部100とを組み合わせてなる電磁弁1は、当該弁部100のポート121,122,123,124,125を開閉することで、それら各ポート121,122,123,124,125における流体流通を制御する。
図1,2に示すように、電磁弁1において弁部100は、スリーブ120、スプール110及びリターンスプリング130等を備えている。
スリーブ120は、金属により円筒状に形成され、スプール110を外周側から摺動支持している。スリーブ120には、入力ポート121、出力ポート122、フィードバックポート123及び排出ポート124,125が径方向に貫通形成されている。入力ポート121には、図示しないオイル供給源側からの作動油が入力される。出力ポート122は、その出力対象に対して作動油を出力する。フィードバックポート123は、出力ポート122と電磁弁1の外部で連通しており、当該出力ポート122から出力される作動油の一部が入力される。排出ポート124,125は、それぞれ軸方向において隣合うポート122,123からスリーブ120及びスプール110間を通じて漏出する作動油を、図示しないオイルパンへ排出する。
スプール110は、金属により円柱状に形成されてスリーブ120の内周側に同軸上に収容され、軸方向に往復移動自在となっている。スプール110の後端面は、電磁駆動装置10の構成要素のうち後述する可動体20のシャフト24の前端面に、当接している。故に、可動体20の駆動によりスプール110に働く力は、スプール110を電磁駆動装置10とは反対側(ここでは、図1,2の左方向)に押圧する軸力となる。また、スプール110においてスリーブ120により支持されるランド150,152,154のうちランド150,152には、フィードバックポート123から入力される作動油の油圧が働く。ここで、ランド150,152が油圧を受ける受圧面積は相異なっている。故に、フィードバックポート123からの油圧によりスプール110に働く力も、スプール110を電磁駆動装置10とは反対側に押圧する軸力となる。
リターンスプリング130は、金属製の圧縮コイルスプリングからなり、スプール110を挟んで電磁駆動装置10とは反対側に配置されている。リターンスプリング130の一端部は、スリーブ120に固定のリテーナ140により係止されている。リターンスプリング130の弾性変形によりスプール110に働く復元力は、スプール110を電磁駆動装置10側(ここでは、図1,2の右方向)に押圧する軸力となる。
以上の構成からスプール110は、電磁駆動装置10の可動体20の駆動による軸力と、フィードバックポート123からの油圧による軸力と、リターンスプリング130の復元力による軸力とが釣り合う位置に、図1,2の如く往復移動する。こうしたスプール110の往復移動によって、入力ポート121から出力ポート122へ流通する作動油量が減少または増加するため、出力ポート122から出力される作動油の油圧が上昇または下降することになる。
図1,2に示すように、電磁弁1において電磁駆動装置10は、可動体20、固定コア30、ヨーク40、リングコア50及びコイル70等を備えている。
可動体20は、可動コア22と、当該可動コア22に同軸上に接続されるシャフト24とを有している。可動コア22は、鉄等の磁性材により円筒状に形成されて固定コア30の内周側に収容され、軸方向へ往復移動自在となっている。そこで本実施形態では、可動コア22の軸方向のうち、図1,2の矢印Dgが示す方向を「往方向Dg」と定義し、図1,2の矢印Drが示す方向を「復方向Dr」と定義する。
シャフト24は、金属により円柱状に形成され、可動コア22に嵌入固定されている。シャフト24は、往方向Dgの前端面をスプール110の後端面に当接させることで、後に詳述するように可動コア22に生じる往方向Dgの駆動力を、スプール110へ伝達する。
固定コア30は、鉄等の磁性材により形成され、収容部32、吸引部34及び磁気遮断部36を同軸円筒状に一体に有している。収容部32は、軸方向に実質一定寸法の内径をもって円筒孔状の支持孔32aを形成することにより、当該可動コア22を軸方向へ往復移動自在に収容している。
吸引部34は、収容部32よりも往方向Dgに設けられている。吸引部34は、軸方向に実質一定寸法の内径をもって円筒孔状の吸引孔34bを形成することにより、当該吸引孔34bに対して可動コア22が同軸上に進入可能となっている。吸引部34は、吸引孔34bに略垂直に吸引面34aを形成しており、可動コア22に対して当該吸引面34aを往方向Dgにて対向させている。これらの構成により、コイル70の発生する磁束MF(図3の矢印参照)が可動コア22から吸引部34に受け渡されることで、吸引孔34b及び吸引面34aの少なくとも一方との間に吸引力が発生する当該可動コア22は、往方向Dgに吸引されることになる。
磁気遮断部36は、軸方向において吸引部34と収容部32との間に設けられ、それら吸引部34及び収容部32よりも薄い径方向厚さを有している。かかる構成により磁気遮断部36は、吸引部34と収容部32との間で直接磁束MFが流れるのを阻止する。磁気遮断部36は、軸方向に実質一定寸法の内径をもって円筒孔状の遮断部内孔36aを形成することにより、当該内孔36aに対して可動コア22が同軸上に進入可能となっている。
ヨーク40は、鉄等の磁性材により有底円筒状に形成され、可動コア22、固定コア30、リングコア50及びコイル70等を収容している。ヨーク40の開口部には、固定コア30のうち吸引部34がかしめ固定され、それによって、吸引部34とヨーク40とが磁気的に接続されている。
リングコア50は、鉄等の磁性材により円環板状に形成され、収容部32の外周側においてコイル70よりも復方向Drに配置されている。リングコア50は、収容部32の外周側において、コイル70を覆う樹脂絶縁材72との間に弾性部材52を挟持している。リングコア50は、この弾性部材52の復元力を復方向Drへ受けることにより、ヨーク40の底部に押し付けられている。これによりリングコア50は、固定コア30のうち収容部32に対する外周側での軸ずれを低減されているとともに、収容部32とヨーク40との間を磁気的に接続している。このようなリングコア50を通じてコイル70の発生磁束MFが収容部32及び可動コア22を通って吸引部34へ受け渡されることにより可動コア22が吸引部34に吸引駆動されることになる。
コイル70は、エナメル線等の導線が樹脂絶縁材72に巻装されてなり、固定コア30のうち収容部32の外周側に同軸上に配置されている。コイル70は、樹脂絶縁材72に埋設されたターミナル74を通じて通電されることにより、ヨーク40、リングコア50、固定コア30の収容部32、可動コア22及び固定コア30の吸引部34を、図3の矢印の如く順次通過する磁束MFを発生する。その結果、吸引部34と可動コア22との間に働く吸引力は、コイル70への通電電流と共に通過磁束MFの密度が増加することにより、増大する。このような吸引力を受ける可動コア22を一体に有した可動体20は、軸方向のうち収容部32側から吸引部34側へ向かう往方向Dgに、駆動される。なお、図2は、コイル70への通電により可動体20が往方向Dgの吸引部34に吸引駆動された移動端の状態を示し、図1は、当該通電の停止により、弁部100のリターンスプリング130から復元力を受ける可動体20が復方向Drへリターン駆動された移動端の状態を示している。
次に、第一実施形態の特徴部分について、図3〜5に基づき説明する。なお、図3は図1の部分拡大図として、可動体20が復方向Drへリターン駆動された移動端の状態を示し、図4は図2の部分拡大図として、可動体20が往方向Dgの吸引部34に吸引駆動された移動端の状態を示し、図5は、図3の要部をさらに拡大して示している。
図3,4に示すように可動体20は、可動コア22のうち往方向Dgの前端部22cを挟んで後端部22bとは反対側にて、シャフト24を吸引部34に支持されている。ここで本実施形態では、メタル軸受等で構成される支持ブッシュ56が吸引部34に固定され、当該ブッシュ56を介して可動体20が吸引部34により間接的に支持されている。
図3〜5に示すように可動コア22の外周部22aには、軸受54が設けられている。軸受54は、実質的に磁束MFを通過させず且つ耐摩耗性に優れた例えば樹脂等の非磁性材により形成され、可動コア22のうち復方向Drの後端部22bに同軸上に嵌合固定されている。ここで本実施形態の軸受54は、周方向の一箇所にて分断された部分円環板状のCリングからなり、可動コア22の後端部22bに形成された溝部32cにスナップフィットにより嵌合している。軸受54は、外周側の収容部32に摺動支持されることにより(図1,2も参照)、当該収容部32を含む固定コア30と可動コア22との間に磁気ギャップ60を形成している。尚、図3〜5では、説明の理解を容易とするために、磁気ギャップ60の径方向幅が実際よりも大きく描かれている。
ここで図3,4に示すように、固定コア30の内周部を形成する孔32a,34b,36aの内径と、可動コア22の外周部22aの外径とは、それぞれ軸方向及び周方向において実質一定寸法に設定されている。また、軸受54の径方向厚さと溝部32cの径方向深さとは、それぞれ軸方向及び周方向において実質一定寸法に設定されている。これらの寸法設定によって固定コア30と可動コア22との間の磁気ギャップ60は、軸方向にも周方向にも略均一となるストレートな円筒空間状に、形成されている。
さらに本実施形態において、リングコア50の往方向Dgの前端面50a及び復方向Drの後端面50bと、軸受54の往方向Dgの前端面54a及び復方向Drの後端面54bとはいずれも、可動コア22の軸方向に略垂直に形成されている。また、本実施形態において軸受54の端面54a,54b間の軸方向厚さは、リングコア50の端面50a,50b間の軸方向厚さよりも小さな寸法に、設定されている。そして特に軸受54の前端面54aについては、復方向Drの図3の移動端(図5の実線部分も参照)においても往方向Dgの図4の移動端(図5の二点鎖線部分も参照)においても、リングコア50の前端面50aよりも復方向Drに位置している。こうした端面形成並びに位置形態により可動体20の移動範囲の全域では、軸受54及びリングコア50の各前端面54a,50の間に、それら軸受54及びリングコア50が軸方向に沿っては重ならない箇所が、存在している。その結果として、可動体20の移動範囲全域にて軸受54及びリングコア50の重ならない箇所では、リングコア50の内周側に磁気ギャップ60が常に確保される形となっている。
以上の如き構成の電磁駆動装置10において固定コア30は、可動コア22の外周部22aに設けられた軸受54を外周側から収容部32により摺動支持することで、当該可動コア22との間に磁気ギャップ60を形成している。この磁気ギャップ60の存在により可動コア22では、外周部22a自体が固定コア30と直接摺動しなくなるので、摺動摩耗が発生し難く、それ故に、吸引部34へと通過させる磁束MFの密度が安定し得る。そのため、可動コア22から吸引部34へと磁束MFが受け渡されることによって発生する吸引力を安定させて、当該可動コア22を有する可動体20の駆動応答性を向上させることが、可能となる。
また、収容部32と直接摺動することとなる軸受54は、実質的に磁束MFを通過させない非磁性であるため、仮に摺動摩耗が生じたとしても、リングコア50から収容部32を通って可動コア22へ向かう磁束MFの密度に当該摩耗が影響するのを、抑制し得る。これによれば、リングコア50から可動コア22へと通過した磁束MFが吸引部34へ受け渡されることによって発生する吸引力を増大させて、当該可動コア22を有する可動体
20の駆動応答性を向上させることも、可能となる。
さらに可動体20は、可動コア22のうち復方向Drの後端部22bに設けられた軸受54を介して、収容部32に支持されている一方、同コア22のうち往方向Dgの前端部22cを挟んで後端部22bとは反対側にて、吸引部34によっても支持されている。このように軸方向の二箇所で二点支持されている可動体20については、可動コア22に対して径方向に荷重の掛かった場合でも傾きが抑えられて、当該コア22と固定コア30との間に確実に磁気ギャップ60が確保され得る。これによれば、収容部32から磁気ギャップ60を通って可動コア22へ受け渡される磁束MFの磁束は、その密度の安定し得たものとなるので、当該磁束MFが収容部32から可動コア22を通って吸引部34へ磁束MFが受け渡されて発生する吸引力も、安定し得る。故に、可動体20の駆動応答性の向上に、貢献できるのである。
またさらに、可動体20の移動範囲全域においてリングコア50の内周側には、収容部32を通って可動コア22へ向かう磁束MFの通過可能な磁気ギャップ60が、確保されるようになっている。これによれば、可動コア22へ向かう磁束MFの密度に非磁性軸受54の存在自体が影響するのを、可動体20の任意の移動位置にて抑制し得る。ここで特に第一実施形態では、軸受54の前端面54aがリングコア50の前端面50aよりも復方向Drに位置していることより、それら前端面54a,50a間には、軸受54及びリングコア50が軸方向に沿って重ならない箇所が存在している。これによりリングコア50の内周側には、リングコア50から収容部32を通って可動コア22へと向かう磁束MFを通過可能とする磁気ギャップ60が、非磁性軸受54の存在に拘らず、確実に確保され得ている。これらのことから軸受54の存在による磁束密度への影響が抑制されることによっても、吸引力を増大させて可動体20の駆動応答性を向上させることが、可能となるのである。
加えて可動体20は、可動コア22に同軸上に設けられた軸受54を介して収容部32に支持されていると共に、当該収容部32と一体且つ同軸円筒状の吸引部34に支持されていることにより、それら二箇所の支持点にて偏芯し難くなる。そのため、固定コア20の内周側に収容される可動コア22の偏芯を見込んで形成すべき磁気ギャップ60の大きさを可及的に小さくして、リングコア50から収容部32を通って可動コア22へ向かう磁束MFの密度が磁気ギャップ60の存在により低下するのを、抑制し得る。このように磁気ギャップ60の存在による磁束密度への影響が抑制されることによっても、吸引力を増大させて可動体20の駆動応答性を向上させることが、可能となるのである。
ここまで説明したことから、電磁駆動装置10を備える電磁弁1によれば、駆動応答性の向上された同装置10により弁部100における流体流通が制御されるので、当該流体流通についての高い制御応答性を長きに亘って発揮可能となるのである。
以上に加えて、固定コア30と可動コア22とが互いに直接接触しない電磁駆動装置10では、可動コア22の外周部22aへのめっきの塗布や研磨処理等、煩雑な処理を行う手間を必要としないので、生産性を高めることも可能である。さらに、軸受54が可動コア22の復方向Drの後端部22bに設けられ、当該軸受54よりも往方向Dgにリングコア50の同方向Dgの前端面50aが位置して磁気ギャップ60が確保されていることにより、可動コア22の軸方向長の短縮も可能となっている。
(第二実施形態)
図6〜8に示すように、本発明の第二実施形態は第一実施形態の変形例である。第二実施形態において軸受2054は、可動コア22の外周部22aのうち後端部22bよりも往方向Dgの中間部2022dに形成された溝部32cに、嵌合されている。それと共に、軸受2054の端面54a,54b間の軸方向厚さは、リングコア50の端面50a,50b間の軸方向厚さに対して大きな寸法又は略同一寸法に、設定されている。さらに軸受2054は、復方向Drの図7の移動端(図8の実線部分も参照)においても往方向Dgの図7の移動端(図8の二点鎖線部分も参照)においても、後端面54bがリングコア50の後端面50bよりも往方向Dgに位置するように、設けられている。こうした構成により可動体20の移動範囲の全域では、軸受2054及びリングコア50の各後端面54b,50bの間に、それら軸受2054及びリングコア50が軸方向に沿っては重ならない箇所が、存在している。その結果として、可動体20の移動範囲全域にて軸受54及びリングコア50の重ならない箇所では、リングコア50の内周側に磁気ギャップ60が常に確保されるのである。
このような第二実施形態によると、リングコア50の内周側には、リングコア50から収容部32を通って可動コア22へ向かう磁束MFの通過可能な磁気ギャップ60が、非磁性軸受2054の存在に拘らず、確実に確保され得た形となっている。これによれば、第一実施形態と同様、軸受2054の存在による磁束密度への影響が抑制されることになるので、吸引力を増大させて可動体20の駆動応答性を向上させることが、可能となるのである。
(他の実施形態)
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は、それら実施形態に限定して解釈されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
具体的に、第一及び第二実施形態の可動体20については、吸引部34により直接的に支持されていてもよいし、シャフト24と一体に接続されたスプール110が、吸引部34に固定されたスリーブ120の内周部に摺動することで、それら要素120,34により間接的に支持されていてもよい。また、第一及び第二実施形態では、図9に変形例(同図は、第一実施形態の変形例)を示すように、可動コア22のうち後端部22bに小径部3022eが設けられて、周方向に連続する円環板状の軸受3054が当該小径部3022eの外周部22aに嵌合固定されていてもよい。さらに、第一及び第二実施形態の固定コア30において、収容部32と吸引部34とが磁性材により別体に形成されて、それら収容部32及び吸引部34の間が例えば非磁性の磁気遮断部36により接続されていてもよい。
またさらに、第一実施形態において軸受54の端面54a,54b間の軸方向厚さについては、第二実施形態と同様に、リングコア50の端面50a,50b間の軸方向厚さに対して大きな寸法又は略同一寸法に、設定されていてもよい。逆に、第二実施形態において軸受2054の端面54a,54b間の軸方向厚さについては、第一実施形態と同様に、リングコア50の端面50a,50b間の軸方向厚さに対して小さな寸法に、設定されていてもよい。
1 電磁弁、10 電磁駆動装置、20 可動体、22 可動コア、22a 可動コアの外周部、22b 後端部、22c 前端部、24 シャフト、30 固定コア、32 収容部、32c 溝部、34 吸引部、34a 吸引面、34b 吸引孔、36 磁気遮断部、36 遮断部内孔、40 ヨーク、50 リングコア、50a リングコアの前端面、50b リングコアの後端面、54,2054,3054 軸受、54a 軸受の前端面、54b 軸受の後端面、56 支持ブッシュ、60 磁気ギャップ、70 コイル、100 弁部、110 スプール、120 スリーブ、121 入力ポート、122 出力ポート、123 フィードバックポート、124,125 排出ポート、2022d 中間部、3022e 小径部

Claims (4)

  1. 可動コアを有し、当該可動コアの軸方向両側となる往方向と復方向とに移動する可動体と、
    前記可動コアを同軸上に移動自在に収容する筒状の収容部と、前記可動コアを前記往方向へ吸引する吸引部とを有する固定コアと、
    前記収容部の外周側に設けられ、通電により磁束を発生するコイルと、
    前記可動コアの外周部に設けられる非磁性の軸受と、
    前記収容部の外周側において前記コイルよりも前記復方向に設けられるリングコアとを備え、
    前記リングコアが前記コイルの発生磁束を前記収容部及び前記可動コアを通して前記吸引部へ受け渡すことにより、前記可動コアが前記吸引部に吸引駆動され、
    前記軸受が外周側の前記収容部に摺動支持されることにより、当該収容部と前記可動コアとの間に磁気ギャップが形成され、
    前記可動体の移動範囲の全域において、前記リングコアの内周側には、前記収容部を通って可動コアへ向かう磁束が通過可能に前記磁気ギャップが確保されることを特徴とする電磁駆動装置。
  2. 前記軸受が前記可動コアの前記復方向の後端部に設けられてなる前記可動体は、前記可動コアの前記往方向の前端部を挟んで前記後端部とは反対側において前記吸引部により支持され、
    前記可動体の移動範囲の全域において、前記軸受の前記往方向の前端面は、前記リングコアの前記往方向の前端面よりも前記復方向に位置することを特徴とする請求項1に記載の電磁駆動装置。
  3. 前記固定コアは、前記収容部と前記吸引部とを同軸筒状に一体に有することを特徴とする請求項2に記載の電磁駆動装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の電磁駆動装置と、
    流体が流通するポートを前記可動体の移動に応じて開閉する弁部とを備えることを特徴とする電磁弁。
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