JP2004154358A - 車両用シート構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シートクッション12下部に荷物を収容する収容部50を備えた車両用シート構造であって、シートクッション12の前端とシートフレーム13との間に介装され、シートクッション12前端を回動可能に支持するヒンジ機構4と、シートクッション12を引き起こした開放位置で保持するロック機構4と、シートクッション12と収容部50との間に介装され、収容部50を開閉する中蓋部材19を有するように構成する。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用シート構造に関し、詳しくは、シートクッション下方の空間を活用できる車両用シート構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、限られた車内スペースを活用すべく、乗員席のシートクッション下方の空間を利用できるようにした技術が知られている(例えば、特許文献1および2の技術)。このような技術について、以下、図8を用いて説明する。
従来のシート101は、シートバック103とシートクッション106とから主に構成されており、また、このシートクッション106が、クッションフレーム108の前端に設けられたヒンジ機構102によって回動支持されている。また、シートクッション106の後端にはラッチ機構105が設けられ、通常はシートクッション106上に乗員が着座できる位置でシートクッション106の後端がシートクッションフレーム108に対してロックされる。
【0003】
さらに、シートクッション106の下部には車両床面との間に空間107が設けられ、空間107には収容容器104が着脱可能に収容されるようになっている。この収容容器104内へ物を出し入れしたり、収容容器104を着脱したりする場合には、ラッチ機構105によるシートクッション106のロックを解除し、シートクッション106の後端を前上方へ引き上げ、シートクッション106をヒンジ機構102を回動中心として跳ね上げることによって、収容容器104内へアクセス出来るようになっている。
【0004】
【特許文献1】
特許第3070810号公報
【特許文献2】
特許第3070811号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1もしくは特許文献2の技術においては、シートクッション106を跳ね上げた状態(開放状態)としても、図8に示すシート101におけるヒンジ機構102はシートクッション106を単に回動支持しているだけに過ぎず、シートクッション106を開放状態のまま保持することは出来なかった。このため、収容容器104の容積よりも小さい荷物しかシートクッション106下に収容することが出来ないため、利便性が低い。
【0006】
つまり、特許文献1または特許文献2の技術では、収容容器104の容積よりも大きな荷物を収容容器104を利用して保持するような場合に、操作者はシートクッション106を手で押さえて開放状態を維持したまま、収容容器104に荷物を収容し、その後、シートクッション106から手を離すことになるが、シートクッション106は開放状態を維持できないので、収容容器104からはみ出した荷物にシートクッション106が寄りかかったり覆いかぶさったりしてしまい、荷物に対してシートクッション106の自重を加えることになり、好ましくない。
【0007】
したがって、上述のように、図8に示すような技術文献1および技術文献2の技術によるシート101においては、シートクッション106を開放状態としたままで、この空間107を活用し、長尺の荷物や外形寸法の大きい荷物を確実に保持・収容することは出来ない。
本発明はこのような課題に鑑み創案されたもので、簡素な構造で、シートクッション下の空間を、荷物を収容できるスペースとして有効に活用することが出来る、車両用シート構造を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる請求項1記載の車両用シート構造は、シートクッション下部に荷物を収容する収容部を備えた車両用シート構造であって、該シートクッションの前端とシートフレームとの間に介装され、該シートクッション前端を回動可能に支持するヒンジ機構と、該シートクッションを引き起こした開放位置で保持するロック機構と、該シートクッションと該収容部との間に介装され、該収容部を開閉する中蓋部材を有することを特徴としている。
【0009】
これにより、シートクッションを引き起こして開放位置とした状態で保持できるので、シートクッション下の収容部を最大限に活用して荷物の収容を行うことが可能となるとともに、中蓋部材によって収容部を上下に仕切ることが出来るので、荷物の形状や外形寸法に合わせて的確に、且つ良好なスペース効率で、荷物を収納部内に収容することが可能となるが可能となる。
【0010】
また、請求項2記載の車両用シート構造は、上記請求項1記載の構成において、該シートクッションの後端側裏面に設けられたシートフック部材と、該中蓋部材に設けられ、該中蓋部材の開閉操作に用いられると共に、開放位置で保持された該シートクッションの該シートフック部材に該中蓋部材を係止する中蓋ストラップ部材とを有することを特徴としている。
【0011】
これにより、中蓋部材を開放状態で保持することが可能となり、良好なスペース効率で、荷物を収納部内に収容することが可能となる。
また、請求項3記載の車両用シート構造は、上記請求項1または2記載の構成において、該収容部の開口縁の壁部が、該収容部を閉塞するときの該中蓋部材よりも高くなるように形成されていることを特徴としている。
【0012】
これにより、中蓋部材上に置かれた荷物が、収容部からこぼれ落ちることを防止することが可能となる。
また、請求項4記載の車両用シート構造は、上記請求項3記載の構成において、該収容部の開口縁に、ネット部材を係止可能な複数のネットフック部材が設けられていることを特徴としている。
【0013】
これにより、収容部内に収容された荷物を、ネットフック部材に係止されたネット部材によって確実に固定することが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態にかかる車両用シート構造について図1〜7を用いて説明すると、図1はその全体構成を示す模式的な斜視図、図2はその模式的な側面図であってシートクッションが開放位置にある場合を示す図、図3はそのロック機構を模式的に示す側面図であってシートクッションが開放位置にある場合を示す図、図4はその模式的な正面断面図であって図2のX−X矢視断面を示す図、図5はそのロック機構を模式的に示す側面図であってシートクッションが開放位置と通常位置との中間位置にある場合を示す図、図6はそのロック機構を示す模式的な側面図であってシートクッションが通常位置にある場合を示す図、そして図7(A),(B),(C)のそれぞれは、その活用例を模式的に示す側面図である。
【0015】
図1に示すように、シート1は、背もたれ(シートバック)11と座面(シートクッション)12と、シートボトム13と、シートボトム13内であってシートクッション12下に形成された収容部50と、収容部50を上下方向に仕切って開閉できる中蓋(中蓋部材)19とから主に構成されている。
このシートクッション12は、シートクッション12前端とシートボトム13の一部を成すシートフレーム13bとの間に介装されたヒンジ機構(図1中では図示略)によって回動可能に支持され、シートクッション12の後端に設けられたストラップ39によりシートクッション12が上方前方へ引き上げられると図中矢印Aで示す方向にシートクッション12が跳ね上がり、シートクッション12下のシートボトム13内に形成された収容部50へアクセス出来るようになっている。また、収容部50内の中蓋19の下方に形成された荷物収容スペースである下方収容部51には、比較的小さな荷物である小物が収容できるようになっており、一方、中蓋19の上方に形成された収容部50内の荷物収容スペースである上方収容部52には中蓋19の上面に外形寸法の大きな荷物などを載置できるようになっている。
【0016】
次に、上述のシート1を構成する各要素について、詳しく説明する。なお、以下では、図2中矢印A方向へほぼ倒立するまで跳ね上げられたシートクッション12の位置を、「開放位置」といい、一方、図2中、鎖線引出し線の符号12で示され、乗員が着座可能な状態であるシートクッション12の位置を「通常位置」という。
【0017】
図2および図3に示すように、シートクッション12は、ロック機構30によって開放位置もしくは通常位置で保持(ロック)されるようになっている。このロック機構30は、シートクッション12前端近傍とシートボトム13の一部を成すシートフレーム13bとの間に介装されたヒンジ機構4に設けられており、図3に示すように、固定カム31,ロックプレート(ロック部材)37,ロック解除プレート(ロック解除部材)36,ワイヤ33,図2に示すストラップ(ロック解放ストラップ)39によって主に構成されている。
【0018】
固定カム31は、シートボトム13に設けられたカムプレートであって、シートクッション12の動きや位置には影響されず、シートボトム13に固定されている。この固定カム31には、シートクッション12が通常位置である場合にロックプレート37のロック爪37c(後述する)が係合する第1係合部31aと、シートクッション12が開放位置である場合にロック爪37cが係合する第2係合部31cと、シートクッション12が通常位置から開放位置へ(もしくは開放位置から通常位置へ)変移する間にロック爪37cが摺接する摺動辺31bとが形成されている。
【0019】
ロックプレート37は、その一端が回転軸37aを回動中心としてシートクッション12に枢着されると共に、ロックプレート37の他端近傍には前述の固定カム31の第1係合部31aや第2係合部31cに係合するロック爪37cが固定カム31方向へ突出して形成されている。また、このロックプレート37は、バネ38によって固定カム31方向に付勢されるようになっており、さらに、このロックプレート37の上面には、突起部37bが形成されており、ロック解除部材36の切り欠き部36b(後述する)と当接するようになっている。
【0020】
ロック解除部材36は、その一端が回転軸36aを回動中心としてシートクッション12に枢着されると共に、ロック解除部材36の他端近傍にはワイヤ33の終端部33bが回動可能に取り付けられている。また、このロック解除部材36の中心近傍には、前述のロックプレート37の突起部37bが当接する孔である切り欠き部36bが形成されている。
【0021】
ワイヤ33は、図2で示すように、その一端33aがシートクッション12の内部からシートクッション12後端上面に向けて突出して設けられたロック解放ストラップ39に接続され、一方、ワイヤ33の他端33bは、図3で示すように、ロック解除部材36に接続されている。また、ワイヤ33はワイヤ被覆34によってカバーされるとともに、このワイヤ被覆34の両端にはワイヤ支持部材33c,33dが配設され、ワイヤ33をシートクッション12内に固定するようになっている。
【0022】
つまり、図2中矢印Bで示すように、操作者によってロック解除ストラップ39が引き上げられると、図3中矢印Cで示すようにワイヤ33が引き上げられて、ワイヤ33の終端部33bと接続されたロック解除部材36が矢印Dで示す方向へ回動し、ロック解除部材36の切り欠き部36bと当接したロックプレート37の突起部37bが矢印E方向へ変位する。これにより、ロックプレート37のロック爪37cが固定プレート32の第2係合部31cから引き抜かれ、ロック機構30によるシートクッション12の位置保持(ロック)が解除され、シートクッション12は図2中矢印Fで示す方向に回動することが可能となる。
【0023】
シートボトム13は、図2に示すように、シートバック11およびシートクッション12を保持すると共に、スライドレール14を介してブラケット15,16により車両床面2に固定されており、車両床面2の前後方向に摺動できるようになっている。また、図4に示すように、このシートボトム13の内部には荷物を収容するための収容部50が形成され、この収容部50内に車両床面2と平行に設けられた中蓋19が、収容部50を上下に仕切れるようになっている。また、中蓋19によって仕切られた収容部50における中蓋19の下方には下方収容部51が形成され、一方、中蓋19の上方に上方収容部52が形成されるようになっている。なお、このように、収容部50を仕切って下方収容部51の開口を覆って閉鎖(閉塞)している中蓋19の位置を(図2の実線参照)、以後、「閉鎖位置」といい、一方、下方収容部51の開口を覆わずに開放している中蓋19の位置を「開放位置」という。
【0024】
また、図4に示すように、中蓋19によって閉鎖された収容部50内の開口(下方収容部51上縁の開口)を取り囲むようにして周縁壁(壁部)13aが形成されており、この周縁壁13aの開口縁部の高さが、閉鎖位置にある中蓋19よりも高くなるように形成されている。そして、シートボトム13の周縁壁13aと中蓋19とによって囲まれた空間が上方収容部52となる。このように上方収容部52を形成することによって、この上方収容部52の中蓋19の上に小さな荷物(例えば、ボールペンなど)を載せて車両を走行させたとしても、周縁壁13aが中蓋19よりも高く形成されているので、上方収容部52から荷物が飛び出してしまうことを防止することが出来るようになっている。そして、シートクッション12を開放位置とした場合に、この上方収容部52内の空間をフリースペースとすることが出来、大きな荷物を収容できるようになっている。
【0025】
なお、収容部50の上方収容部52内には、通常位置のシートクッション12が収容されるようになっているので、シートクッション12を着座位置にした場合は、収容部50内で荷物を収容出来るのは下方収容部51のみとなる。
また、シートボトム13の下方収容部51縁には、図1に示すように4箇所にネットフック21が設けられており、図7の(A)および(B)に示すように、収容部50内に収容した荷物71,72を覆って固定するネット(ネット部材)61をシートボトム13に係止出来るようになっている。
【0026】
ところで、中蓋19は、図2に示すように、中蓋19の前端にそなえられた中蓋前端回転軸19bを中心にシートボトム13に対し回動可能に固定されており、さらに、中蓋19の中間には中蓋中間回転軸19cがそなえられ、中蓋19が中程で図2中矢印H方向へ折れ曲がることが出来るようになっている。また、中蓋19の先端近傍には中蓋ストラップ(中蓋ストラップ部材)19aが設けられ、開放位置において、シートクッション12の裏面に設けられたシートフック(シートフック部材)20に対して係止できるようになっている。これにより、中蓋19を開け放して固定することが出来、上述の下方収容部51と上方収容部52とを連通させて、長尺の荷物や外形寸法の大きな荷物を収容できるスペースを確保できるようになっている。
【0027】
また、中蓋19をシートボトム13から引き抜いて取り外すことも可能となっている。これにより、上述のように中蓋ストラップ19aをシートフック20に係止して、下方収容部51と上方収容部52とを連通させたとしても、依然として荷物を収容するスペースが足りない場合において、さらに広い収容スペースを確保することが出来るようになっている(図7(A)参照)。
【0028】
また、この中蓋19の裏面の先端近傍には中蓋爪19dが設けられており、中蓋19が閉鎖位置にある場合(図2において鎖線の引出し線で示す符号19参照)には、下方収容部51の内部縁に中蓋爪19dが係合して、車両が振動した場合などであっても、確実に中蓋19を閉鎖位置とすることが出来るようになっている。
【0029】
そして、中蓋19が閉鎖位置にある場合には、図7(B)に示すように、下方収容部51内に小物73を収容し、さらに、中蓋19上の上方収容部52に荷物72を収容することが可能となる。つまり、荷物72の自重は中蓋19によって支持されるので、中蓋19より下方に形成された下方収容部51内の小物73が荷物72の自重によって潰されるような事態を避けることが出来るようになっている。
【0030】
また、シートクッション12を開放位置とし、且つ中蓋19を閉鎖位置にした場合には、図7(C)に示すように、前述のシートフック20は、買い物袋74を引っ掛けて保持することも可能である。つまり、このシートフック20は、中蓋19を開放位置に保持する場合に中蓋19の中蓋ストラップ19を係止するためにも用いられるが、さらに、買い物袋などの荷物を引っ掛けて保持する荷物用フックとしても用いられることが出来るようになっている。
【0031】
本発明の一実施形態としての車両用シート構造は上述のように構成されるので、以下のような作用・効果が得られる。
まず、シートクッション12下のシートボトム13内部に設けられた収容部50に荷物を入れる(もしくは、収容部50内に収容されている荷物を取り出す)場合に、操作者は、図2内の鎖線で示す通常位置のシートクッション12の後端から、鎖線で示すロック開放ストラップ39を図中矢印G方向へ引き上げる。このとき、ロック機構30は、図6に示すように、ワイヤ33が矢印C方向へ引っ張られ、ワイヤ終端33bと接続されたロック解除部材36が矢印D方向へ回動する。そして、ロック解除部材36の切り欠き部36bも矢印D方向へ回動するので、切り欠き部36bと当接している突出部37bが、ロックプレート37の回転軸37aを中心にバネ38のバネ力に抗してロックプレート37を矢印E方向へ回動させ、ロック爪37cが固定カム31の第1係合部31aから離脱する。これにより、ロック機構30によるシートクッション12のロックが解除される。
【0032】
そして、操作者が引き続きロック解放ストラップ39を引き起こし続けてシートクッション12を引き起こすと、図5に示すように、ロック機構30のロックプレート37のロック爪37cは、固定カム31の摺動辺31cと当接しながら滑らかに摺動する。このため、操作者によるシートクッション12の引き上げ動作の妨げとなることはない。
【0033】
また、操作者がロック開放ストラップ39をさらに引き起こすと、図3に示すように、ロック爪37cが固定カム31の第2係合部31cに係合してロックプレート37と固定カム31とが係止されて、ロック機構30によってシートクッション12が開放位置にロックされる。
このように、通常位置にあるシートクッション12を開放位置にする場合は、ロック開放ストラップ39を引っ張る方向(図2中矢印G方向)と、シートクッション12を引き起こす方向(図2中矢印G方向および矢印A方向)が同じなので、操作者はロック解放ストラップ39を引っ張るという1つの動作でシートクッション12を引き起こすことが出来、素早く効率的にシートクッション12を開放位置に回動させることが可能となる。
【0034】
一方、ロック機構30のロックを解除して、開放位置にあるシートクッション12を図2中矢印Fで示す方向に回動させて通常位置に戻す場合には、シートクッション12を回動させる方向(矢印F方向)とは逆の方向(矢印B方向)にロック解除ストラップ39を引っ張ることになる。したがって、操作者は、ロック解除ストラップ39を引っ張るという動作と、シートクッション12を通常位置へ回動させるという2つの動作が必要となるようになっている。これにより、シートクッション12を一気に矢印F方向へ回動させることを防ぐことが出来るので、操作者は、特に意識することなく、確実にゆっくりとした動作でシートクッション12を通常位置へ戻すようにすることが可能となる。
【0035】
また、図3などの図を用いて前述したように、ロック機構30の固定カム31には、第1係合部31aと第2係合部31bとの2箇所にロックプレート37のロック爪37cが係合するようになっており、シートクッション12は、乗員がシートクッション12上に着座可能な位置である「通常位置」と、収容部50へのアクセスを可能とする位置である「開放位置」のいずれかの位置でのみ保持されるように構成されている。したがって、通常位置と開放位置との中間の位置に固定されたシートクッション12上に、乗員が着座するような事態を避けることが出来る。つまり、もし開放位置から僅かに開放位置方向へ引き上げた位置(半開位置)でシートクッション12を保持(ロック)できるようにしてしまうと、乗員は、そのシートクッション12が着座する場合の正規の位置である通常位置にあるかどうかの判断が困難となり、そのまま半開位置にあるシートクッション12に着座してしまうおそれがある。しかし、本実施形態におけるシート構造によれば、シートクッション12を開放位置とした場合には、シートクッション12が倒立するので、開放位置にあるシートクッション12上には着座できないことを即座に乗員に認識させることが可能であり、シートクッション12が開放位置にある場合には、着座しようとしている乗員に対して、シートクッション12を通常位置へ回動させる操作を促すことができる。
【0036】
また、シートクッション12を開放位置で保持した状態においては、図2に示すように、中蓋19の中蓋ストラップ19aをシートクッション12の裏面に突設されたシートフック20に係止させれば収容部50内の下方収容部51と上方収容部52とを連通させて大きなスペースを確保することが出来るので、外形寸法が大きな荷物であっても、確実に収容部50に収容・保持することが出来る。
【0037】
また、特に大きな荷物を収容部50に収容するような場合には、図7(A)に示すように、中蓋19をシートボトム13より取り外して収容部50のスペースを最大限に活用することができる。また、このときネット61で荷物71を覆い、ネット61端を図1に示すネットフック21に係止させれば、荷物71の収容時のガタツキを防ぐことが可能となる。
【0038】
また、前述のような大きな荷物ではなく、小さな荷物を収容部50に収容する場合には、図7(B)に示すように、収容部50を上下に仕切る中蓋19の下方に形成される下方収容部51に小さな荷物73を収容することができ、そして、収容後は中蓋19を閉鎖位置とすれば、中蓋19の上面の上方収容部52にさらなる荷物72を収容することが可能となる。また、上述と同様に、ネット61で荷物71を覆い、ネット61端をネットフック21に係止させれば、荷物71のガタツキを防ぐことが可能となる。
【0039】
また、中蓋19は、中蓋中間回転軸19cによって中蓋19の略半分だけを開閉できるようになっている。このため、中蓋19全体を開けなくても取り出せるような小さな荷物を下方収容部51内に出し入れする場合などは、図2中矢印Hで示すように、中蓋中間回転軸19cを中心にして中蓋19の一部のみを開閉すればよいので、素早い動作で効率的に下方収容部51に対する荷物の出し入れを行うことが出来る。
【0040】
また、収容部50に収容する荷物が袋状(例えば、コンビニエンスストアの買い物袋)であるような場合には、図7(C)に示すように、シートクッション12の裏面に突設されたシートフック20に買い物袋74の取手を引っ掛けて収容することが出来るので、簡単にそして確実に保持することができる。
なお、本発明は上述した実施態様に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができる。
【0041】
例えば、本実施形態においては、ワイヤによってロック機構を操作する場合を示したが、歯車やその他のリンク機構によってストラップによる操作をロック機構に伝達できるようにしても良い。
【0042】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の車両用シート構造によれば、簡素な構造で、シートクッション下の空間を有効活用することが出来る。
つまり、シートクッションを引き起こして開放位置とした状態で保持できるので、シートクッション下の収容部を最大限に活用して荷物の収容を行うことが可能となるとともに、中蓋部材によって収容部を上下に仕切ることが出来るので、荷物の形状や外形寸法に合わせて的確に、且つ良好なスペース効率で、荷物を収納部内に収容することが可能となる(請求項1)。
【0043】
また、中蓋部材を開放状態で保持することが可能となり、良好なスペース効率で、荷物を収納部内に収容することが可能となる(請求項2)。
また、中蓋部材上に置かれた荷物が、収容部からこぼれ落ちることを防止することが可能となる(請求項3)。
また、収容部内に収容された荷物を、ネットフック部材に係止されたネット部材によって確実に固定することが可能となる(請求項4)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両用シート構造の全体構成を示す模式的な斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る車両用シート構造の模式的な側面図であってシートクッションが開放位置にある場合を示す図。
【図3】本発明の一実施形態に係る車両用シート構造のロック機構を模式的に示す側面図であって、シートクッションが開放位置にある場合を示す図。
【図4】本発明の一実施形態に係る車両用シート構造の模式的な正面断面図であって図2のX−X矢視断面を示す図。
【図5】本発明の一実施形態に係る車両用シート構造のロック機構を模式的に示す側面図であってシートクッションが開放位置と通常位置との中間位置にある場合を示す図。
【図6】本発明の一実施形態に係る車両用シート構造のロック機構を示す模式的な側面図であって、シートクッションが通常位置にある場合を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る車両用シート構造を示す模式的な側面図であって、(A),(B),(C)のいずれも、その活用例を示す図。
【図8】従来のシートを示す模式的な斜視図である。
【符号の説明】
1 シート(シート構造)
4 ヒンジ機構
12 シートクッション
13 シートボトム
13b シートフレーム
30 ロック機構
39 ロック解除ストラップ(ストラップ)
50 収容部
51 上部収容部(収容部)
52 下部収容部(収容部)
Claims (4)
- シートクッション下部に荷物を収容する収容部を備えた車両用シート構造であって、
該シートクッションの前端とシートフレームとの間に介装され、該シートクッション前端を回動可能に支持するヒンジ機構と、
該シートクッションを引き起こした開放位置で保持するロック機構と、
該シートクッションと該収容部との間に介装され、該収容部を開閉する中蓋部材を有する
ことを特徴とする、車両用シート構造。 - 該シートクッションの後端側裏面に設けられたシートフック部材と、
該中蓋部材に設けられ、該中蓋部材の開閉操作に用いられると共に、開放位置で保持された該シートクッションの該シートフック部材に該中蓋部材を係止する中蓋ストラップ部材とを有する、
ことを特徴とする請求項1記載の車両用シート構造。 - 該収容部の開口縁の壁部が、該収容部を閉塞するときの該中蓋部材よりも高くなるように形成されている
ことを特徴とする請求項1または2記載の車両用シート構造。 - 該収容部の開口縁に、ネット部材を係止可能な複数のネットフック部材が設けられている
ことを特徴とする請求項3記載の車両用シート構造。
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