JP2004359158A - 車両用シート格納構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】あらゆる方向からのシートの格納作業性を向上する。
【解決手段】操作レバー50を後方へ回転させると、連結ロッド46を介してラッチ38が回転しシートクッション12のストライカー42との係合が解除し、トーションバー32の付勢力により、シートクッション12が車体前方へ移動するようになっている。また、操作レバー50を前方へ回転すると、フック62が回転し、フック62とストライカ60との係合が解除するようになっている。このため、シートバック14をシートクッション12上に前倒しできると共にシートバック14の重さによって、シートクッション12を格納凹部24の底部24Aに当接する格納位置まで移動できるようになっている。
【選択図】 図1
【解決手段】操作レバー50を後方へ回転させると、連結ロッド46を介してラッチ38が回転しシートクッション12のストライカー42との係合が解除し、トーションバー32の付勢力により、シートクッション12が車体前方へ移動するようになっている。また、操作レバー50を前方へ回転すると、フック62が回転し、フック62とストライカ60との係合が解除するようになっている。このため、シートバック14をシートクッション12上に前倒しできると共にシートバック14の重さによって、シートクッション12を格納凹部24の底部24Aに当接する格納位置まで移動できるようになっている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両用シート格納構造に関し、特に、自動車等の車両のシートに使用される車両用シート格納構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両用シート格納構造においては、シートのシートバック(バックレストともいう)の上部に装着されるヘッドレストを、シートバックの内部に設けた回転機構にて支持された構造とすることにより、シートバックが通常使用位置から前倒し位置へ回動できるようにし、この回転機構とシートバックのロック機構とをワイヤにより連結し、ヘッドレストの通常使用位置から前倒し位置への回動操作に連動してシートバックのロック機構のロックが解除されるようした構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−129317号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この車両用シート格納構造においては、シートバックを前方へ回転させる際の回転力を利用して、シートバックのヒンジプレートに連結部材で連結されたシートクッションを車体前方に形成した格納凹部内へ移動するようになっている。この結果、シートバックを前方へ回転させる際の操作力が大きくなり、シートの格納作業性が良くない。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、あらゆる方向からのシートの格納作業性を向上できる車両用シート格納構造を提供することが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明の車両用シート格納構造は、車体フロアに形成されシートクッションが格納可能な格納凹部と、
前記シートクッションの上に前倒し可能とされたシートバックと、
付勢力によって前記シートクッションを前記格納凹部の上方へ移動すると共に、前記シートバックが前記シートクッションの上に前倒しされた場合に、前記シートクッションを前記格納凹部内に移動するシートクッション移動手段と、
前記シートクッション移動手段の付勢力に抗して前記シートクッションを使用位置に保持するロック手段と、
前記シートバックの上部に配設された操作部を有し、該操作部を操作することで前記ロック手段を解除すると共に、前記シートバックを前記シートクッションの上に前倒し可能とするロック解除手段と、
を有することを特徴とする。
【0007】
従って、シートを格納する際には、シートバックの上部に配設されたロック解除手段の操作部を操作することで、シートクッション移動手段の付勢力に抗してシートクッションを使用位置に保持しているロック手段を解除することができる。この結果、シートクッション移動手段の付勢力によって、シートクッションは自動的に格納凹部の上方へ移動する。この状態で、シートバックをシートクッションの上に前倒しすると、シートクッション移動手段によってシートクッションは格納凹部内に移動する。このように、シートクッションがシートクッション移動手段の付勢力によって自動的に格納凹部の上方へ移動するので、シートバックをシートクッションの上に前倒しするだけで低く広い荷室を簡単につくれ、シートの格納作業性を向上できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明に係る車両用シート格納構造の一実施形態を図1〜図7に従って説明する。
【0009】
なお、図中矢印FRは車体前方方向を、矢印INは車幅内側方向を、矢印UPは車体上方方向を示す。
【0010】
図2に示される如く、本実施形態における車両用シート10は、自動車のリヤシートであり、シートクッション12の後方にシートバック14が前後方向へ回動自在に取付けられている。具体的には、シートバック14の下部には、シートバック14の回動中心となるリクライニング軸18が配設されており、リクライニング軸18は、フロア20に配設されたブラケット(図示省略)に回動可能に支持されている。
【0011】
シートクッション12の前端下部12Aには、シートクッション移動手段としてのリンク22の上端部22Aが回転可能に連結されており、リンク22の下端部22Bは、フロア20に形成した格納凹部24の底部24Aに回転可能に連結されている。なお、格納凹部24の底部24Aにはストッパ24Bが立設されており、リンク22が図2に示す使用位置より車体後方へ回転するのを阻止するようになっている。
【0012】
また、シートクッション12の後端下部12Bは、格納凹部24の後側となるフロア面20A上に車体前方(図2の矢印A方向)へ移動可能に載置されている。
【0013】
図1に示される如く、リンク22は左右一対あり、それぞれのリンク22が、格納凹部24の底部24Aに固定されたブラケット28に、軸30によって回転可能に軸支されている。また、少なくとも一方のリンク22(本実施形態では車幅方向外側のリンク22)には、シートクッション移動手段の付勢手段としてのトーションバー32が配設されている。このトーションバー32の上部32Aはリンク22に固定されており、下部32Bはブラケット28に固定されている。
【0014】
従って、トーションバー32は、リンク22を介して、シートクッション12を車体前方(図1の矢印A方向)へ付勢しており、トーションバー32の付勢力によって、リンク22が軸30を中心に前方(図4の矢印L方向)へ回転し、シートクッション12を後端下部12Bがフロア面20A上から外れる位置(図4に示す位置)まで移動するようになっている。
【0015】
図3に示される如く、シートバック14の側壁部を構成するシートバックフレーム36の下部36Aには、ロック手段としてのラッチ38が軸40によって回転可能に軸支されており、図3に実線で示すロック位置では、ラッチ38が、シートクッション12の後端部12Cに配設したロック手段としてのストライカー42に係合しており、シートクッション12が車体前方(矢印A方向)へ移動するのを阻止している。なお、ラッチ38が軸40を中心に図3の時計回転方向(矢印B方向)に回転し、図3に二点鎖線で示す解除位置へ移動すると、シートクッション12の後端部12Cに配設したストライカー42との係合が解除し、トーションバー32の付勢力により、シートクッション12が車体前方(矢印A方向)へ移動するようになっている。
【0016】
ラッチ38の後部38Aには、軸40を中心とする円弧状のスリット44が形成されており、このスリット44には、ロック解除手段としての連結ロッド46の下端部46Aが係合されている。
【0017】
図1に示される如く、シートバック14の上端部14Aには、ロック解除手段の操作部としての操作レバー50が車幅方向に延設された軸52に回転可能に軸支されており、操作レバー50は側面視において逆T字状となっている。操作レバー50の基部50Aは平板状となっており、後端部に形成したロッド連結部50Bには、連結ロッド46の上端部46Bが係合されている。
【0018】
また、シートバック14の上端部14Aにおける車幅方向外側の部位14Bには、ロック解除手段としてのフック62が配設されており、フック62の車幅方向外側端部に形成したフック部62Aが車体側部に設けられたストライカ60に係合可能となっている。フック62は、シートバック14に車体前後方向に沿った配設された軸64とともに上下方向(矢印C方向と矢印D方向)へ回転可能とされており、フック62の車幅方向内側端部62Bの上方には、操作レバー50における基部50Aの前端部50Cが配置されている。
【0019】
従って、操作レバー50が軸52を中心に前方(矢印E方向)へ回転すると、操作レバー50における基部50Aの前端部50Cが、フック62の車幅方向内側端部62Bを下方へ押圧し、フック62が軸64を中心に上方(矢印D方向)へ回転し、フック62とストライカ60との係合が解除するようになっている。また、操作レバー50が軸52を中心に後方(矢印H方向)へ回転すると、連結ロッド46が下方(図1の矢印U方向)へ移動し、ラッチ38が矢印B方向へ回転するようになっている。
【0020】
図3に示される如く、操作レバー50の縦壁部50Dに取付られた操作ノブ68は、スプリング70によって、操作レバー50に対して上下方向(矢印F方向と矢印G方向)へ移動可能になっている。
【0021】
図6に示される如く、シートバック14の上端部14Aには、操作レバー50が挿入された切欠72が形成されており、切欠72の後端角部には、ストッパ74が突出形成されている。従って、操作ノブ68をスプリング70の付勢力に抗して下方(矢印G方向)へ移動させた状態で、操作レバー50を車体後方(矢印H方向)へ回転させることで、操作ノブ68がストッパ74の下方に入る。従って、この状態(図6に実線で示す状態)では、スプリング70の付勢力によって操作ノブ68がストッパ74に押圧されるため、操作レバー50をこの位置にがたつくことなく保持できるようになっている。
【0022】
なお、操作レバー50を前方(矢印E方向)へ回転させると、操作ノブ68は切欠72の前方側へ移動するようになっている。
【0023】
なお、図2、図4、図5、図7の符号78は樹脂燃料タンクを示している。
【0024】
次に、本実施形態の作用に付いて説明する。
【0025】
本実施形態におけるシート10のシートクッション12とシートバック14は、通常使用位置で、図2に示す位置となっており、シートクッション12の後端下部12Bは、格納凹部24の後側となるフロア面20A上に載置されている。また、格納凹部24の底部24Aに立設したストッパ24Bがリンク22の車体後方側への回転を阻止している。この結果、シートクッション12は図2に示す使用位置に保持されている。
【0026】
一方、シート10を格納する場合には、シートバック14の車体前方となる客室80側またはシートバック14の車体後方となる荷室82側のどちらからでも、先ず、図6に示される如く、操作ノブ68を下方(矢印G方向)へ移動させた状態で、操作レバー50を後方(矢印H方向)へ回転させる。この結果、操作レバー50の回転により、連結ロッド46が下方(図1の矢印U方向)へ移動し、ラッチ38が軸40を中心に図3の時計回転方向(矢印B方向)に回転し、図3に二点鎖線で示す解除位置へ移動する。この結果、ラッチ38とシートクッション12の後端部12Cに配設したストライカー42との係合が解除し、トーションバー32の付勢力により、シートクッション12が車体前方(矢印A方向)へ移動し、図4に示すように格納凹部24の上方の位置になる。
【0027】
次に、操作レバー50を前方(図6の矢印E方向)へ回転すると、操作レバー50における基部50Aの前端部50Cが、フック62の車幅方向内側端部62Bを下方へ押圧し、フック62が軸64を中心に上方(矢印D方向)へ回転し、フック62とストライカ60との係合が解除する。この結果、シートバック14は、リクライニング軸18を中心に前方(図4の矢印K方向)へ回転可能となり、シートクッション12上に前倒しできる。
【0028】
この時、シートクッション12は、トーションバー32の付勢力によって図4に示される格納凹部24の上方の位置に保持されている。従って、シートバック14をシートクッション12上に前倒しすると、シートバック14の重さによって、トーションバー32の付勢力に抗してシートクッション12が下方へ移動し、図5に示される如く、シートクッション12は、格納凹部24の底部24Aに当接する格納位置まで移動し、低く広いフラットな荷室82を形成できる。
【0029】
このように、本実施形態では、シート格納時に、操作レバー50を操作することで、シートクッション12がリンク22に配設したトーションバー32の付勢力によって自動的に格納凹部24の上方へ移動する。この結果、シートバック14をシートクッション12の上に前倒しする際の操作力が小さくなる。
【0030】
更に、シートバック14をシートクッション12上に前倒しすると、シートバック14の重さによって、シートクッション12が、格納凹部24の底部24Aに当接する格納位置まで移動する。
【0031】
このため、本実施形態では、あらゆる方向からのシートの格納作業性を向上できる。
【0032】
また、本実施形態では、図6に示される如く、操作ノブ68を下方(矢印G方向)へ移動させた状態で、操作レバー50を車体後方(矢印H方向)へ回転させることで、操作ノブ68がストッパ74の下方に入る。この結果、この状態(図6に実線で示す状態)では、スプリング70の付勢力によって操作ノブ68がストッパ74に押圧されるため、操作レバー50をこの位置にがたつくことなく保持できる。
【0033】
また、この操作ノブ68がストッパ74に押圧された状態で、図7に示される如く、シートクッション12を前方(矢印M方向)へ跳ね上げ、ベルト86等によって、例えば、前方のシート88のシートバック88Aに保持することで、格納凹部24を有効に利用して例えば背丈の高い荷物を搭載することができる。また、ベルト86を外し、シートクッション12によって、格納凹部24に載置した小さい荷物を抑えることもできる。
【0034】
以上に於いては、本発明を特定の実施例について詳細に説明したが、本発明はかかる実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施例が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、シートクッション移動手段の付勢手段としてトーションバー32を使用したが、トーションバー32に代えて、板ばね等の他の付勢手段を使用しても良い。
【0035】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明の車両用シート格納構造は、車体フロアに形成されシートクッションが格納可能な格納凹部と、シートクッションの上に前倒し可能とされたシートバックと、付勢力によってシートクッションを格納凹部の上方へ移動すると共に、シートバックがシートクッションの上に前倒しされた場合に、シートクッションを格納凹部内に移動するシートクッション移動手段と、シートクッション移動手段の付勢力に抗してシートクッションを使用位置に保持するロック手段と、シートバックの上部に配設された操作部を有し、操作部を操作することでロック手段を解除すると共に、シートバックをシートクッションの上に前倒し可能とするロック解除手段と、を有するため、あらゆる方向からのシートの格納作業性を向上できるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における車両用シート格納構造を示す車体斜め後方外側から見た斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態における車両用シート格納構造を示す概略側断面図である。
【図3】本発明の一実施形態における車両用シート格納構造の要部を示す側断面図である。
【図4】本発明の一実施形態における車両用シート格納構造を示す作用説明図である。
【図5】本発明の一実施形態における車両用シート格納構造を示す作用説明図である。
【図6】本発明の一実施形態における車両用シート格納構造の操作部を示す車体斜め後方外側から見た斜視図である。
【図7】本発明の一実施形態における車両用シート格納構造を示す作用説明図である。
【符号の説明】
10 シート
12 シートクッション
14 シートバック
18 リクライニング軸
20 フロア
22 リンク(シートクッション移動手段)
24 格納凹部
32 トーションバー(シートクッション移動手段)
38 ラッチ(ロック手段)
42 ストライカー(ロック手段)
46 連結ロッド(ロック解除手段)
50 操作レバー(ロック解除手段、操作部)
60 ストライカ
62 フック(ロック解除手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は車両用シート格納構造に関し、特に、自動車等の車両のシートに使用される車両用シート格納構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両用シート格納構造においては、シートのシートバック(バックレストともいう)の上部に装着されるヘッドレストを、シートバックの内部に設けた回転機構にて支持された構造とすることにより、シートバックが通常使用位置から前倒し位置へ回動できるようにし、この回転機構とシートバックのロック機構とをワイヤにより連結し、ヘッドレストの通常使用位置から前倒し位置への回動操作に連動してシートバックのロック機構のロックが解除されるようした構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−129317号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この車両用シート格納構造においては、シートバックを前方へ回転させる際の回転力を利用して、シートバックのヒンジプレートに連結部材で連結されたシートクッションを車体前方に形成した格納凹部内へ移動するようになっている。この結果、シートバックを前方へ回転させる際の操作力が大きくなり、シートの格納作業性が良くない。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、あらゆる方向からのシートの格納作業性を向上できる車両用シート格納構造を提供することが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明の車両用シート格納構造は、車体フロアに形成されシートクッションが格納可能な格納凹部と、
前記シートクッションの上に前倒し可能とされたシートバックと、
付勢力によって前記シートクッションを前記格納凹部の上方へ移動すると共に、前記シートバックが前記シートクッションの上に前倒しされた場合に、前記シートクッションを前記格納凹部内に移動するシートクッション移動手段と、
前記シートクッション移動手段の付勢力に抗して前記シートクッションを使用位置に保持するロック手段と、
前記シートバックの上部に配設された操作部を有し、該操作部を操作することで前記ロック手段を解除すると共に、前記シートバックを前記シートクッションの上に前倒し可能とするロック解除手段と、
を有することを特徴とする。
【0007】
従って、シートを格納する際には、シートバックの上部に配設されたロック解除手段の操作部を操作することで、シートクッション移動手段の付勢力に抗してシートクッションを使用位置に保持しているロック手段を解除することができる。この結果、シートクッション移動手段の付勢力によって、シートクッションは自動的に格納凹部の上方へ移動する。この状態で、シートバックをシートクッションの上に前倒しすると、シートクッション移動手段によってシートクッションは格納凹部内に移動する。このように、シートクッションがシートクッション移動手段の付勢力によって自動的に格納凹部の上方へ移動するので、シートバックをシートクッションの上に前倒しするだけで低く広い荷室を簡単につくれ、シートの格納作業性を向上できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明に係る車両用シート格納構造の一実施形態を図1〜図7に従って説明する。
【0009】
なお、図中矢印FRは車体前方方向を、矢印INは車幅内側方向を、矢印UPは車体上方方向を示す。
【0010】
図2に示される如く、本実施形態における車両用シート10は、自動車のリヤシートであり、シートクッション12の後方にシートバック14が前後方向へ回動自在に取付けられている。具体的には、シートバック14の下部には、シートバック14の回動中心となるリクライニング軸18が配設されており、リクライニング軸18は、フロア20に配設されたブラケット(図示省略)に回動可能に支持されている。
【0011】
シートクッション12の前端下部12Aには、シートクッション移動手段としてのリンク22の上端部22Aが回転可能に連結されており、リンク22の下端部22Bは、フロア20に形成した格納凹部24の底部24Aに回転可能に連結されている。なお、格納凹部24の底部24Aにはストッパ24Bが立設されており、リンク22が図2に示す使用位置より車体後方へ回転するのを阻止するようになっている。
【0012】
また、シートクッション12の後端下部12Bは、格納凹部24の後側となるフロア面20A上に車体前方(図2の矢印A方向)へ移動可能に載置されている。
【0013】
図1に示される如く、リンク22は左右一対あり、それぞれのリンク22が、格納凹部24の底部24Aに固定されたブラケット28に、軸30によって回転可能に軸支されている。また、少なくとも一方のリンク22(本実施形態では車幅方向外側のリンク22)には、シートクッション移動手段の付勢手段としてのトーションバー32が配設されている。このトーションバー32の上部32Aはリンク22に固定されており、下部32Bはブラケット28に固定されている。
【0014】
従って、トーションバー32は、リンク22を介して、シートクッション12を車体前方(図1の矢印A方向)へ付勢しており、トーションバー32の付勢力によって、リンク22が軸30を中心に前方(図4の矢印L方向)へ回転し、シートクッション12を後端下部12Bがフロア面20A上から外れる位置(図4に示す位置)まで移動するようになっている。
【0015】
図3に示される如く、シートバック14の側壁部を構成するシートバックフレーム36の下部36Aには、ロック手段としてのラッチ38が軸40によって回転可能に軸支されており、図3に実線で示すロック位置では、ラッチ38が、シートクッション12の後端部12Cに配設したロック手段としてのストライカー42に係合しており、シートクッション12が車体前方(矢印A方向)へ移動するのを阻止している。なお、ラッチ38が軸40を中心に図3の時計回転方向(矢印B方向)に回転し、図3に二点鎖線で示す解除位置へ移動すると、シートクッション12の後端部12Cに配設したストライカー42との係合が解除し、トーションバー32の付勢力により、シートクッション12が車体前方(矢印A方向)へ移動するようになっている。
【0016】
ラッチ38の後部38Aには、軸40を中心とする円弧状のスリット44が形成されており、このスリット44には、ロック解除手段としての連結ロッド46の下端部46Aが係合されている。
【0017】
図1に示される如く、シートバック14の上端部14Aには、ロック解除手段の操作部としての操作レバー50が車幅方向に延設された軸52に回転可能に軸支されており、操作レバー50は側面視において逆T字状となっている。操作レバー50の基部50Aは平板状となっており、後端部に形成したロッド連結部50Bには、連結ロッド46の上端部46Bが係合されている。
【0018】
また、シートバック14の上端部14Aにおける車幅方向外側の部位14Bには、ロック解除手段としてのフック62が配設されており、フック62の車幅方向外側端部に形成したフック部62Aが車体側部に設けられたストライカ60に係合可能となっている。フック62は、シートバック14に車体前後方向に沿った配設された軸64とともに上下方向(矢印C方向と矢印D方向)へ回転可能とされており、フック62の車幅方向内側端部62Bの上方には、操作レバー50における基部50Aの前端部50Cが配置されている。
【0019】
従って、操作レバー50が軸52を中心に前方(矢印E方向)へ回転すると、操作レバー50における基部50Aの前端部50Cが、フック62の車幅方向内側端部62Bを下方へ押圧し、フック62が軸64を中心に上方(矢印D方向)へ回転し、フック62とストライカ60との係合が解除するようになっている。また、操作レバー50が軸52を中心に後方(矢印H方向)へ回転すると、連結ロッド46が下方(図1の矢印U方向)へ移動し、ラッチ38が矢印B方向へ回転するようになっている。
【0020】
図3に示される如く、操作レバー50の縦壁部50Dに取付られた操作ノブ68は、スプリング70によって、操作レバー50に対して上下方向(矢印F方向と矢印G方向)へ移動可能になっている。
【0021】
図6に示される如く、シートバック14の上端部14Aには、操作レバー50が挿入された切欠72が形成されており、切欠72の後端角部には、ストッパ74が突出形成されている。従って、操作ノブ68をスプリング70の付勢力に抗して下方(矢印G方向)へ移動させた状態で、操作レバー50を車体後方(矢印H方向)へ回転させることで、操作ノブ68がストッパ74の下方に入る。従って、この状態(図6に実線で示す状態)では、スプリング70の付勢力によって操作ノブ68がストッパ74に押圧されるため、操作レバー50をこの位置にがたつくことなく保持できるようになっている。
【0022】
なお、操作レバー50を前方(矢印E方向)へ回転させると、操作ノブ68は切欠72の前方側へ移動するようになっている。
【0023】
なお、図2、図4、図5、図7の符号78は樹脂燃料タンクを示している。
【0024】
次に、本実施形態の作用に付いて説明する。
【0025】
本実施形態におけるシート10のシートクッション12とシートバック14は、通常使用位置で、図2に示す位置となっており、シートクッション12の後端下部12Bは、格納凹部24の後側となるフロア面20A上に載置されている。また、格納凹部24の底部24Aに立設したストッパ24Bがリンク22の車体後方側への回転を阻止している。この結果、シートクッション12は図2に示す使用位置に保持されている。
【0026】
一方、シート10を格納する場合には、シートバック14の車体前方となる客室80側またはシートバック14の車体後方となる荷室82側のどちらからでも、先ず、図6に示される如く、操作ノブ68を下方(矢印G方向)へ移動させた状態で、操作レバー50を後方(矢印H方向)へ回転させる。この結果、操作レバー50の回転により、連結ロッド46が下方(図1の矢印U方向)へ移動し、ラッチ38が軸40を中心に図3の時計回転方向(矢印B方向)に回転し、図3に二点鎖線で示す解除位置へ移動する。この結果、ラッチ38とシートクッション12の後端部12Cに配設したストライカー42との係合が解除し、トーションバー32の付勢力により、シートクッション12が車体前方(矢印A方向)へ移動し、図4に示すように格納凹部24の上方の位置になる。
【0027】
次に、操作レバー50を前方(図6の矢印E方向)へ回転すると、操作レバー50における基部50Aの前端部50Cが、フック62の車幅方向内側端部62Bを下方へ押圧し、フック62が軸64を中心に上方(矢印D方向)へ回転し、フック62とストライカ60との係合が解除する。この結果、シートバック14は、リクライニング軸18を中心に前方(図4の矢印K方向)へ回転可能となり、シートクッション12上に前倒しできる。
【0028】
この時、シートクッション12は、トーションバー32の付勢力によって図4に示される格納凹部24の上方の位置に保持されている。従って、シートバック14をシートクッション12上に前倒しすると、シートバック14の重さによって、トーションバー32の付勢力に抗してシートクッション12が下方へ移動し、図5に示される如く、シートクッション12は、格納凹部24の底部24Aに当接する格納位置まで移動し、低く広いフラットな荷室82を形成できる。
【0029】
このように、本実施形態では、シート格納時に、操作レバー50を操作することで、シートクッション12がリンク22に配設したトーションバー32の付勢力によって自動的に格納凹部24の上方へ移動する。この結果、シートバック14をシートクッション12の上に前倒しする際の操作力が小さくなる。
【0030】
更に、シートバック14をシートクッション12上に前倒しすると、シートバック14の重さによって、シートクッション12が、格納凹部24の底部24Aに当接する格納位置まで移動する。
【0031】
このため、本実施形態では、あらゆる方向からのシートの格納作業性を向上できる。
【0032】
また、本実施形態では、図6に示される如く、操作ノブ68を下方(矢印G方向)へ移動させた状態で、操作レバー50を車体後方(矢印H方向)へ回転させることで、操作ノブ68がストッパ74の下方に入る。この結果、この状態(図6に実線で示す状態)では、スプリング70の付勢力によって操作ノブ68がストッパ74に押圧されるため、操作レバー50をこの位置にがたつくことなく保持できる。
【0033】
また、この操作ノブ68がストッパ74に押圧された状態で、図7に示される如く、シートクッション12を前方(矢印M方向)へ跳ね上げ、ベルト86等によって、例えば、前方のシート88のシートバック88Aに保持することで、格納凹部24を有効に利用して例えば背丈の高い荷物を搭載することができる。また、ベルト86を外し、シートクッション12によって、格納凹部24に載置した小さい荷物を抑えることもできる。
【0034】
以上に於いては、本発明を特定の実施例について詳細に説明したが、本発明はかかる実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施例が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、シートクッション移動手段の付勢手段としてトーションバー32を使用したが、トーションバー32に代えて、板ばね等の他の付勢手段を使用しても良い。
【0035】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明の車両用シート格納構造は、車体フロアに形成されシートクッションが格納可能な格納凹部と、シートクッションの上に前倒し可能とされたシートバックと、付勢力によってシートクッションを格納凹部の上方へ移動すると共に、シートバックがシートクッションの上に前倒しされた場合に、シートクッションを格納凹部内に移動するシートクッション移動手段と、シートクッション移動手段の付勢力に抗してシートクッションを使用位置に保持するロック手段と、シートバックの上部に配設された操作部を有し、操作部を操作することでロック手段を解除すると共に、シートバックをシートクッションの上に前倒し可能とするロック解除手段と、を有するため、あらゆる方向からのシートの格納作業性を向上できるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における車両用シート格納構造を示す車体斜め後方外側から見た斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態における車両用シート格納構造を示す概略側断面図である。
【図3】本発明の一実施形態における車両用シート格納構造の要部を示す側断面図である。
【図4】本発明の一実施形態における車両用シート格納構造を示す作用説明図である。
【図5】本発明の一実施形態における車両用シート格納構造を示す作用説明図である。
【図6】本発明の一実施形態における車両用シート格納構造の操作部を示す車体斜め後方外側から見た斜視図である。
【図7】本発明の一実施形態における車両用シート格納構造を示す作用説明図である。
【符号の説明】
10 シート
12 シートクッション
14 シートバック
18 リクライニング軸
20 フロア
22 リンク(シートクッション移動手段)
24 格納凹部
32 トーションバー(シートクッション移動手段)
38 ラッチ(ロック手段)
42 ストライカー(ロック手段)
46 連結ロッド(ロック解除手段)
50 操作レバー(ロック解除手段、操作部)
60 ストライカ
62 フック(ロック解除手段)
Claims (1)
- 車体フロアに形成されシートクッションが格納可能な格納凹部と、
前記シートクッションの上に前倒し可能とされたシートバックと、
付勢力によって前記シートクッションを前記格納凹部の上方へ移動すると共に、前記シートバックが前記シートクッションの上に前倒しされた場合に、前記シートクッションを前記格納凹部内に移動するシートクッション移動手段と、
前記シートクッション移動手段の付勢力に抗して前記シートクッションを使用位置に保持するロック手段と、
前記シートバックの上部に配設された操作部を有し、該操作部を操作することで前記ロック手段を解除すると共に、前記シートバックを前記シートクッションの上に前倒し可能とするロック解除手段と、
を有することを特徴とする車両用シート格納構造。
Priority Applications (1)
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Publications (1)
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Family Applications (1)
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2003
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