JP2004144492A - 波形記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】測定対象の動作に関連する音声信号も波形信号の記録再生と同期して記録再生できる波形記録装置を実現すること。
【解決手段】測定対象から出力される波形信号をデジタル信号に変換してメモリに記録し、このメモリに記録されたデジタル信号を必要に応じて読み出して表示器上に再生表示する波形信号系統と、
測定対象の動作に関連する音声信号を波形信号系統と同期してデジタル信号に変換してメモリに記録し、波形信号の再生と同期して再生する音声信号系統、
とを備えたことを特徴とするもの。
【選択図】 図1
【解決手段】測定対象から出力される波形信号をデジタル信号に変換してメモリに記録し、このメモリに記録されたデジタル信号を必要に応じて読み出して表示器上に再生表示する波形信号系統と、
測定対象の動作に関連する音声信号を波形信号系統と同期してデジタル信号に変換してメモリに記録し、波形信号の再生と同期して再生する音声信号系統、
とを備えたことを特徴とするもの。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、波形記録装置に関し、詳しくは、ペーパーレス型の波形記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、波形記録装置は、ペーパーレス化の方向へも進んでいる。すなわち、従来の波形信号を紙に記録するチャート式記録装置の形態から、波形信号をA/D変換器でサンプリングした測定データを半導体メモリやディスクメモリなどのメモリ媒体に記録し、必要に応じてそれら測定データをメモリ媒体から読み出して測定波形を表示器上に再生表示する形態の製品が多くなりつつある。
【0003】
ところで、従来のチャート式記録装置では、例えば測定中の測定対象に異常が発生した場合、測定終了後の測定データの検証作業などを効率よく行うために、測定者が手書きであるいはイベント発生に連動して記録ペンを自動駆動させることにより、測定対象に発生した異常に関連した内容のメモをチャート紙上に書き残すことが行われていた。
これにより、測定者や検証作業者は、チャート紙上に記録されたメモに基づいてそのイベント発生時の波形信号を迅速的確に目視検索して確認できた。
【0004】
これに対し、ペーパーレス型の記録装置は測定データをメモリに記録する構成になっているので、イベントが発生した場合には、イベント発生時の測定データの検索再生を効率よく実行するために、そのイベントに関連した測定データを検索するためのデータもメモリに記録しておくことが望ましい。
【0005】
このような観点から、本願発明の出願人は、特開2002−250745(特願2001−48111)により、イベントが発生した場合に測定データとともにイベントに関連した音声データのファイル格納場所を示すアドレスデータをメモリに同時に書き込み、そのアドレスデータを測定データ再生時のトリガ情報として利用する波形記録装置を出願している(特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−250745(6頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載された発明は、イベントが発生した場合に、イベントに関連した短時間のコメント録音などの音声データのファイル格納場所を示すアドレスデータを発生したイベントと関連付けて測定データとともにメモリに書き込むようにしたものである。
これにより、測定データを格納するメモリにはイベントに関連した音声データファイルを格納しているファイル格納場所のアドレスデータだけを格納すればよく、メモリに格納するデータ量を削減できる。
【0008】
ここで、測定データを再生解析するのにあたっては、測定対象の動作に伴って例えば音声信号が発生する場合には、イベントに関連した短時間のコメント録音などの音声データだけではなく、測定対象の動作に伴って発生する音声信号も測定データの記録再生と同期して記録再生できることが望ましい。
しかし、特許文献1に記載された発明では、音声信号を波形信号の記録再生と同期して記録再生することは意図していない。
【0009】
本発明は、このような点に着目したものであり、その目的は、測定対象の動作に関連する音声信号も波形信号の記録再生と同期して記録再生できる波形記録装置を実現することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような課題を達成する請求項1記載の発明は、
測定対象から出力される波形信号をデジタル信号に変換してメモリに記録し、このメモリに記録されたデジタル信号を必要に応じて読み出して表示器上に再生表示する波形信号系統と、
測定対象の動作に関連する音声信号を波形信号系統と同期してデジタル信号に変換してメモリに記録し、波形信号の再生と同期して再生する音声信号系統、
とを備えたことを特徴とする波形記録装置である。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の波形記録装置において、
測定データに対してトリガがかかったとき、そのトリガ点を含む前後の所定区間の音声信号を記録再生することを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の波形記録装置において、
音声信号に基づき波形信号を検索することを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の波形記録装置において、
音声信号は、発生したイベントに関するコメントであることを特徴とする。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の波形記録装置において、
音声信号は、測定対象の動作に伴って発生するものであることを特徴とする。
【0015】
請求項6記載の発明は、請求項1記載の波形記録装置において、
音声信号を波形信号の記録再生と同期して連続的に記録再生することを特徴とする。
【0016】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の波形記録装置において、
音声信号をメモリに記録するのにあたり、2系統のバッファメモリを用い、一方のバッファメモリに音声信号を書き込みながら他方のバッファメモリに書き込まれている音声信号をメモリに転送することを特徴とする。
【0017】
これらにより、測定対象の動作に関連する音声信号も波形信号の記録再生と同期して記録再生でき、実験結果の保存や解析を効率よく行える。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施態様を、図面を用いて説明する。
図1は本発明の一実施例を示すブロック図であり、実線は測定信号の流れを示し、破線は制御信号の流れを示している。CPU1は装置全体の動作を統括制御する。ROM2には、CPU1を動作させるためのプログラムや測定条件を設定するための固定パラメータなどが格納されている。RAM3には、測定条件データや測定データなどの各種データが一時的に格納される。操作制御部4には、装置を操作するためのパネルキー類が設けられているが、図示しない。
【0019】
A/D変換器5は、図示しない測定対象から出力される波形信号をデジタル信号に変換して測定データとして波形メモリ6に格納する。波形メモリ6に格納された測定データは、CPU1に読み出されて必要な演算処理が施された後、表示器7に表示される。これらCPU1〜表示器7により、波形信号系統を構成している。
【0020】
音声入力部8は、測定対象の動作に関連する音声信号を電機信号に変換して音声制御部9に入力するものであり、例えばマイクロフォンを用いる。音声制御部9は、CPU1の指示に基づいて、例えばPCM技術による音声信号の録音再生を制御する。音声出力部10は、音声制御部9から出力される電気信号を再び音声信号に変換して出力するものであり、イヤホンやスピーカーを用いる。音声保存部11は、音声制御部9で変換された音声信号に対応するデジタル信号を記録するためのメモリであり、例えばRAMを用いる。これら音声入力部8〜音声保存部11により、音声信号系統を構成している。
【0021】
図1の動作を、図2のフローチャートおよび図3の説明図を用いて説明する。波形信号の測定開始とともに波形の記録が始まり(SP1)、イベント待ち状態になる(SP2)。波形記録状態でキーや外部端子からイベントが入力されると、時間軸上にイベントの位置および番号が記録されるとともに(SP3)、イベントに同期して、所定時間の音声記録が開始される(SP4)。音声記録の内容としては、測定作業者によるイベントに関連したコメントや、測定対象の動作に伴って発生する音声信号を対象とする。これら所定時間の音声記録が終了すると、再びイベント待ち状態になる(SP2)。一連の動作を、測定記録時間が満了するまでの間、繰り返して実行する(SP5,6)。なお、図3において、Mは測定波形、Eはイベントマーク波形、Sは音声データを表している。
【0022】
ここで、イベント番号と音声データの組み合わせ管理は、CPU1のソフトウェアにより行われる。これにより、測定終了後、イベント番号を指定して音声データの再生を起動すると、測定時に録音された音声が再生出力される。
【0023】
このように、イベントに同期して音声データを記録再生することにより、測定時の状況を的確に保存再生することができ、測定後の測定データの解析を効率よく行うことができる。
【0024】
また、付加する音声情報により、複数のイベントが存在する場合に、これらイベントの識別が容易になる。
【0025】
さらに、イベント番号と音声データをソフトウェアで管理することで、音声データからの測定データの検索が容易になる。
【0026】
図4および図5は、音声コメントを測定終了後に追加する機能についての説明図である。例えば図4に示すように測定中に3つのコメントCt1〜Ct3を記録したが、測定後にPの位置にコメントを追加する必要が生じたとする。このような場合には専用カーソルCCを使用して位置を指定し、そこに新たな音声コメントCtを記録する。これにより、その後は図5に示すように、後で追加したイベントも挿入されて4つのコメントCt1〜Ct4よりなる順序テーブルとして更新され、追加コメントを測定中に記録したコメントと同様に取り扱うことができる。
【0027】
図6は波形再生位置トレース機能の説明図である。図6において、音声データSを再生すると、同期してズーム波形Zが自動的にスクロールしたり、波形上のマークMKが移動したりする。
この機能により、再生された音声情報Sと波形M,Zの位置との関連が明確になり、波形データのみの場合と比較して、測定時の状況をより正確に把握することが可能になる。
【0028】
図7は検索ズーム機能の説明図である。これは音声コメントが記録されているイベントの位置に相当する波形Mの位置を検索して、その部分をズーム表示するものである。図7は、音声コメントCt3を指定して検索を実行し、該当する波形部分をズーム波形Zとしてズーム表示させる例である。
【0029】
図8はトリガ点前後の音声情報を記録する機能の説明図である。例えば測定対象の出力波形について無人監視測定を行う場合、トリガがかかった測定データを測定後に確認するのにあたり、トリガ点の前後において測定対象が発生する音声データも再生出力されることは、トリガ要因を聴覚面からも認識できることになり、有用である。
【0030】
そこで、図1の音声保存部11を例えば図8に示すように5つのブロックに分割し、トリガ待機中は5つのブロックを循環するように順次音声データの記録を繰り返す。そして、トリガがかかった場合には、そのブロックと続く次のブロックの2つに記録して音声データの記録を停止する。
【0031】
これにより、音声保存部11には、トリガがかかったブロックとこのブロックに先行する2ブロックとこのブロックに続く2ブロックの連続する5ブロック分の音声データが記録されることになる。
【0032】
音声データは、測定データやイベント位置情報とともにハードディスクなどの外部メモリメディアに転送格納できる。この場合、例えば図9に示すように、図1の音声保存部11を2個のバッファメモリBM1,BM2として分割し音声制御部9の音声データRAMとハードディスクHDの間に並列接続する。そして、まず一方のバッファメモリ例えばBM1に音声データRAMから音声データをコピーする。バッファメモリBM1の記録容量が100%に達したら他方のバッファメモリBM2に切り換えて音声データRAMからの音声データコピーを連続的に行うとともに、バッファメモリBM1からハードディスクHDへの音声データコピーを開始する。以降、2個のバッファメモリBM1,BM2と音声データRAMおよびハードディスクHDとの接続を相補的に切り換えながら音声データコピーを行う。
【0033】
これにより、音声保存部11の記録容量の制限を受けることなく長時間の音声データをハードディスクHDなどの外部メモリメディアに連続的に記録できる。これら外部メモリメディアに保存した測定データやイベント位置情報は、測定器本体において測定時と同様の条件で再生が可能である。
【0034】
また必要に応じてパソコンへのデータ転送も可能であり、パソコンにインストールした解析ソフトウェア上で音声データを再生させることもできる。
【0035】
画面イメージや測定データを記録メディアに保存する際に、保存ファイルにコメントを付ける場合がある。本発明では、このコメントを付ける手段として、文字列と同様に音声ファイルを使用することができる。例えば画面イメージをセーブする際に、「これは**現象の波形です」というメッセージを録音し、音声データを同時に保存する。この画面イメージの再生時に、録音したメッセージも自動的に再生される。
【0036】
図10は本発明に基づく表示画面例であり、毎秒200サンプルで取り込んだ測定チャンネルCH1の測定波形Mの50秒間における1万点の測定データを5秒/divで表示する例を示している。画面の上部には、ズームインジケータZIが設けられている。このズームインジケータZIは、図6や図7のようなズーム表示を行う場合に、全1万点の測定データにおけるどの部分をズーム表示しているかを示すためのものである。ズームインジケータZIの下部にはトリガ点を示すトリガマークTが表示されている。波形表示領域の上部には、イベント波形Eが表示されている。この例では2値化波形になっていて、音声データの記録期間表示も兼ねている。波形表示領域の右側には、各測定チャンネルCH1,CH2の測定値の大きさに応じて移動するポインタPTR1,PTR2が表示されているが、測定チャンネルCH1が測定状態でポインタPTR1のみが移動する状態を示している。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、波形記録装置のみならず表示画面を印刷するプリンタを備えたデジタルオシロスコープ等の波形測定器においても、
a.イベントマーキングに同期して音声コメントを録音する機能
b.音声データの内容から対応する位置を波形内でサーチする機能
c.測定後に波形の任意の位置に音声コメントを付加する機能
d.音声データの再生位置を示すマークが波形上を移動する機能
e.測定データとともに音声データも外部メディアに保存する機能
f.外部メディアにデータを保存する際の補助情報として音声データを使用する機能
g.トリガ点前後の音声データを記録保存再生する機能
などの少なくともいずれかの機能を付加することができ、実験結果の保存や解析に好適な波形記録装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すブロック図である。
【図2】図1の動作を示すフローチャートである。
【図3】図1の動作説明図である。
【図4】音声コメントを測定終了後に追加する機能の説明図である。
【図5】音声コメントを測定終了後に追加する機能の他の説明図である。
【図6】波形再生位置トレース機能の説明図である。
【図7】検索ズーム機能の説明図である。
【図8】トリガ点前後の音声情報を記録する機能の説明図である。
【図9】音声データを外部メモリメディアに転送格納する機能の説明図である。
【図10】本発明に基づく表示画面例図である。
【符号の説明】
1 CPU
2 ROM
3 RAM
4 操作制御部
5 A/D変換器
6 波形メモリ
7 表示器
8 音声入力部
9 音声制御部
10 音声出力部
11 音声保存部
【発明の属する技術分野】
本発明は、波形記録装置に関し、詳しくは、ペーパーレス型の波形記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、波形記録装置は、ペーパーレス化の方向へも進んでいる。すなわち、従来の波形信号を紙に記録するチャート式記録装置の形態から、波形信号をA/D変換器でサンプリングした測定データを半導体メモリやディスクメモリなどのメモリ媒体に記録し、必要に応じてそれら測定データをメモリ媒体から読み出して測定波形を表示器上に再生表示する形態の製品が多くなりつつある。
【0003】
ところで、従来のチャート式記録装置では、例えば測定中の測定対象に異常が発生した場合、測定終了後の測定データの検証作業などを効率よく行うために、測定者が手書きであるいはイベント発生に連動して記録ペンを自動駆動させることにより、測定対象に発生した異常に関連した内容のメモをチャート紙上に書き残すことが行われていた。
これにより、測定者や検証作業者は、チャート紙上に記録されたメモに基づいてそのイベント発生時の波形信号を迅速的確に目視検索して確認できた。
【0004】
これに対し、ペーパーレス型の記録装置は測定データをメモリに記録する構成になっているので、イベントが発生した場合には、イベント発生時の測定データの検索再生を効率よく実行するために、そのイベントに関連した測定データを検索するためのデータもメモリに記録しておくことが望ましい。
【0005】
このような観点から、本願発明の出願人は、特開2002−250745(特願2001−48111)により、イベントが発生した場合に測定データとともにイベントに関連した音声データのファイル格納場所を示すアドレスデータをメモリに同時に書き込み、そのアドレスデータを測定データ再生時のトリガ情報として利用する波形記録装置を出願している(特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−250745(6頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載された発明は、イベントが発生した場合に、イベントに関連した短時間のコメント録音などの音声データのファイル格納場所を示すアドレスデータを発生したイベントと関連付けて測定データとともにメモリに書き込むようにしたものである。
これにより、測定データを格納するメモリにはイベントに関連した音声データファイルを格納しているファイル格納場所のアドレスデータだけを格納すればよく、メモリに格納するデータ量を削減できる。
【0008】
ここで、測定データを再生解析するのにあたっては、測定対象の動作に伴って例えば音声信号が発生する場合には、イベントに関連した短時間のコメント録音などの音声データだけではなく、測定対象の動作に伴って発生する音声信号も測定データの記録再生と同期して記録再生できることが望ましい。
しかし、特許文献1に記載された発明では、音声信号を波形信号の記録再生と同期して記録再生することは意図していない。
【0009】
本発明は、このような点に着目したものであり、その目的は、測定対象の動作に関連する音声信号も波形信号の記録再生と同期して記録再生できる波形記録装置を実現することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような課題を達成する請求項1記載の発明は、
測定対象から出力される波形信号をデジタル信号に変換してメモリに記録し、このメモリに記録されたデジタル信号を必要に応じて読み出して表示器上に再生表示する波形信号系統と、
測定対象の動作に関連する音声信号を波形信号系統と同期してデジタル信号に変換してメモリに記録し、波形信号の再生と同期して再生する音声信号系統、
とを備えたことを特徴とする波形記録装置である。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の波形記録装置において、
測定データに対してトリガがかかったとき、そのトリガ点を含む前後の所定区間の音声信号を記録再生することを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の波形記録装置において、
音声信号に基づき波形信号を検索することを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の波形記録装置において、
音声信号は、発生したイベントに関するコメントであることを特徴とする。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の波形記録装置において、
音声信号は、測定対象の動作に伴って発生するものであることを特徴とする。
【0015】
請求項6記載の発明は、請求項1記載の波形記録装置において、
音声信号を波形信号の記録再生と同期して連続的に記録再生することを特徴とする。
【0016】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の波形記録装置において、
音声信号をメモリに記録するのにあたり、2系統のバッファメモリを用い、一方のバッファメモリに音声信号を書き込みながら他方のバッファメモリに書き込まれている音声信号をメモリに転送することを特徴とする。
【0017】
これらにより、測定対象の動作に関連する音声信号も波形信号の記録再生と同期して記録再生でき、実験結果の保存や解析を効率よく行える。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施態様を、図面を用いて説明する。
図1は本発明の一実施例を示すブロック図であり、実線は測定信号の流れを示し、破線は制御信号の流れを示している。CPU1は装置全体の動作を統括制御する。ROM2には、CPU1を動作させるためのプログラムや測定条件を設定するための固定パラメータなどが格納されている。RAM3には、測定条件データや測定データなどの各種データが一時的に格納される。操作制御部4には、装置を操作するためのパネルキー類が設けられているが、図示しない。
【0019】
A/D変換器5は、図示しない測定対象から出力される波形信号をデジタル信号に変換して測定データとして波形メモリ6に格納する。波形メモリ6に格納された測定データは、CPU1に読み出されて必要な演算処理が施された後、表示器7に表示される。これらCPU1〜表示器7により、波形信号系統を構成している。
【0020】
音声入力部8は、測定対象の動作に関連する音声信号を電機信号に変換して音声制御部9に入力するものであり、例えばマイクロフォンを用いる。音声制御部9は、CPU1の指示に基づいて、例えばPCM技術による音声信号の録音再生を制御する。音声出力部10は、音声制御部9から出力される電気信号を再び音声信号に変換して出力するものであり、イヤホンやスピーカーを用いる。音声保存部11は、音声制御部9で変換された音声信号に対応するデジタル信号を記録するためのメモリであり、例えばRAMを用いる。これら音声入力部8〜音声保存部11により、音声信号系統を構成している。
【0021】
図1の動作を、図2のフローチャートおよび図3の説明図を用いて説明する。波形信号の測定開始とともに波形の記録が始まり(SP1)、イベント待ち状態になる(SP2)。波形記録状態でキーや外部端子からイベントが入力されると、時間軸上にイベントの位置および番号が記録されるとともに(SP3)、イベントに同期して、所定時間の音声記録が開始される(SP4)。音声記録の内容としては、測定作業者によるイベントに関連したコメントや、測定対象の動作に伴って発生する音声信号を対象とする。これら所定時間の音声記録が終了すると、再びイベント待ち状態になる(SP2)。一連の動作を、測定記録時間が満了するまでの間、繰り返して実行する(SP5,6)。なお、図3において、Mは測定波形、Eはイベントマーク波形、Sは音声データを表している。
【0022】
ここで、イベント番号と音声データの組み合わせ管理は、CPU1のソフトウェアにより行われる。これにより、測定終了後、イベント番号を指定して音声データの再生を起動すると、測定時に録音された音声が再生出力される。
【0023】
このように、イベントに同期して音声データを記録再生することにより、測定時の状況を的確に保存再生することができ、測定後の測定データの解析を効率よく行うことができる。
【0024】
また、付加する音声情報により、複数のイベントが存在する場合に、これらイベントの識別が容易になる。
【0025】
さらに、イベント番号と音声データをソフトウェアで管理することで、音声データからの測定データの検索が容易になる。
【0026】
図4および図5は、音声コメントを測定終了後に追加する機能についての説明図である。例えば図4に示すように測定中に3つのコメントCt1〜Ct3を記録したが、測定後にPの位置にコメントを追加する必要が生じたとする。このような場合には専用カーソルCCを使用して位置を指定し、そこに新たな音声コメントCtを記録する。これにより、その後は図5に示すように、後で追加したイベントも挿入されて4つのコメントCt1〜Ct4よりなる順序テーブルとして更新され、追加コメントを測定中に記録したコメントと同様に取り扱うことができる。
【0027】
図6は波形再生位置トレース機能の説明図である。図6において、音声データSを再生すると、同期してズーム波形Zが自動的にスクロールしたり、波形上のマークMKが移動したりする。
この機能により、再生された音声情報Sと波形M,Zの位置との関連が明確になり、波形データのみの場合と比較して、測定時の状況をより正確に把握することが可能になる。
【0028】
図7は検索ズーム機能の説明図である。これは音声コメントが記録されているイベントの位置に相当する波形Mの位置を検索して、その部分をズーム表示するものである。図7は、音声コメントCt3を指定して検索を実行し、該当する波形部分をズーム波形Zとしてズーム表示させる例である。
【0029】
図8はトリガ点前後の音声情報を記録する機能の説明図である。例えば測定対象の出力波形について無人監視測定を行う場合、トリガがかかった測定データを測定後に確認するのにあたり、トリガ点の前後において測定対象が発生する音声データも再生出力されることは、トリガ要因を聴覚面からも認識できることになり、有用である。
【0030】
そこで、図1の音声保存部11を例えば図8に示すように5つのブロックに分割し、トリガ待機中は5つのブロックを循環するように順次音声データの記録を繰り返す。そして、トリガがかかった場合には、そのブロックと続く次のブロックの2つに記録して音声データの記録を停止する。
【0031】
これにより、音声保存部11には、トリガがかかったブロックとこのブロックに先行する2ブロックとこのブロックに続く2ブロックの連続する5ブロック分の音声データが記録されることになる。
【0032】
音声データは、測定データやイベント位置情報とともにハードディスクなどの外部メモリメディアに転送格納できる。この場合、例えば図9に示すように、図1の音声保存部11を2個のバッファメモリBM1,BM2として分割し音声制御部9の音声データRAMとハードディスクHDの間に並列接続する。そして、まず一方のバッファメモリ例えばBM1に音声データRAMから音声データをコピーする。バッファメモリBM1の記録容量が100%に達したら他方のバッファメモリBM2に切り換えて音声データRAMからの音声データコピーを連続的に行うとともに、バッファメモリBM1からハードディスクHDへの音声データコピーを開始する。以降、2個のバッファメモリBM1,BM2と音声データRAMおよびハードディスクHDとの接続を相補的に切り換えながら音声データコピーを行う。
【0033】
これにより、音声保存部11の記録容量の制限を受けることなく長時間の音声データをハードディスクHDなどの外部メモリメディアに連続的に記録できる。これら外部メモリメディアに保存した測定データやイベント位置情報は、測定器本体において測定時と同様の条件で再生が可能である。
【0034】
また必要に応じてパソコンへのデータ転送も可能であり、パソコンにインストールした解析ソフトウェア上で音声データを再生させることもできる。
【0035】
画面イメージや測定データを記録メディアに保存する際に、保存ファイルにコメントを付ける場合がある。本発明では、このコメントを付ける手段として、文字列と同様に音声ファイルを使用することができる。例えば画面イメージをセーブする際に、「これは**現象の波形です」というメッセージを録音し、音声データを同時に保存する。この画面イメージの再生時に、録音したメッセージも自動的に再生される。
【0036】
図10は本発明に基づく表示画面例であり、毎秒200サンプルで取り込んだ測定チャンネルCH1の測定波形Mの50秒間における1万点の測定データを5秒/divで表示する例を示している。画面の上部には、ズームインジケータZIが設けられている。このズームインジケータZIは、図6や図7のようなズーム表示を行う場合に、全1万点の測定データにおけるどの部分をズーム表示しているかを示すためのものである。ズームインジケータZIの下部にはトリガ点を示すトリガマークTが表示されている。波形表示領域の上部には、イベント波形Eが表示されている。この例では2値化波形になっていて、音声データの記録期間表示も兼ねている。波形表示領域の右側には、各測定チャンネルCH1,CH2の測定値の大きさに応じて移動するポインタPTR1,PTR2が表示されているが、測定チャンネルCH1が測定状態でポインタPTR1のみが移動する状態を示している。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、波形記録装置のみならず表示画面を印刷するプリンタを備えたデジタルオシロスコープ等の波形測定器においても、
a.イベントマーキングに同期して音声コメントを録音する機能
b.音声データの内容から対応する位置を波形内でサーチする機能
c.測定後に波形の任意の位置に音声コメントを付加する機能
d.音声データの再生位置を示すマークが波形上を移動する機能
e.測定データとともに音声データも外部メディアに保存する機能
f.外部メディアにデータを保存する際の補助情報として音声データを使用する機能
g.トリガ点前後の音声データを記録保存再生する機能
などの少なくともいずれかの機能を付加することができ、実験結果の保存や解析に好適な波形記録装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すブロック図である。
【図2】図1の動作を示すフローチャートである。
【図3】図1の動作説明図である。
【図4】音声コメントを測定終了後に追加する機能の説明図である。
【図5】音声コメントを測定終了後に追加する機能の他の説明図である。
【図6】波形再生位置トレース機能の説明図である。
【図7】検索ズーム機能の説明図である。
【図8】トリガ点前後の音声情報を記録する機能の説明図である。
【図9】音声データを外部メモリメディアに転送格納する機能の説明図である。
【図10】本発明に基づく表示画面例図である。
【符号の説明】
1 CPU
2 ROM
3 RAM
4 操作制御部
5 A/D変換器
6 波形メモリ
7 表示器
8 音声入力部
9 音声制御部
10 音声出力部
11 音声保存部
Claims (7)
- 測定対象から出力される波形信号をデジタル信号に変換してメモリに記録し、このメモリに記録されたデジタル信号を必要に応じて読み出して表示器上に再生表示する波形信号系統と、
測定対象の動作に関連する音声信号を波形信号系統と同期してデジタル信号に変換してメモリに記録し、波形信号の再生と同期して再生する音声信号系統、
とを備えたことを特徴とする波形記録装置。 - 測定データに対してトリガがかかったとき、そのトリガ点を含む前後の所定区間の音声信号を記録再生することを特徴とする請求項1記載の波形記録装置。
- 音声信号に基づき波形信号を検索することを特徴とする請求項1または請求項2記載の波形記録装置。
- 音声信号は、発生したイベントに関するコメントであることを特徴とする請求項1記載の波形記録装置。
- 音声信号は、測定対象の動作に伴って発生するものであることを特徴とする請求項1記載の波形記録装置。
- 音声信号を波形信号の記録再生と同期して連続的に記録再生することを特徴とする請求項1記載の波形記録装置。
- 音声信号をメモリに記録するのにあたり、2系統のバッファメモリを用い、一方のバッファメモリに音声信号を書き込みながら他方のバッファメモリに書き込まれている音声信号をメモリに転送することを特徴とする請求項6記載の波形記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002306483A JP2004144492A (ja) | 2002-10-22 | 2002-10-22 | 波形記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002306483A JP2004144492A (ja) | 2002-10-22 | 2002-10-22 | 波形記録装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004144492A true JP2004144492A (ja) | 2004-05-20 |
Family
ID=32453210
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002306483A Withdrawn JP2004144492A (ja) | 2002-10-22 | 2002-10-22 | 波形記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004144492A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009080075A (ja) * | 2007-09-27 | 2009-04-16 | Yokogawa Electric Corp | 測定データ記録装置 |
JP2010203968A (ja) * | 2009-03-04 | 2010-09-16 | Yokogawa Electric Corp | 波形測定器 |
JP2014103617A (ja) * | 2012-11-22 | 2014-06-05 | Hioki Ee Corp | 測定装置 |
-
2002
- 2002-10-22 JP JP2002306483A patent/JP2004144492A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009080075A (ja) * | 2007-09-27 | 2009-04-16 | Yokogawa Electric Corp | 測定データ記録装置 |
JP2010203968A (ja) * | 2009-03-04 | 2010-09-16 | Yokogawa Electric Corp | 波形測定器 |
JP2014103617A (ja) * | 2012-11-22 | 2014-06-05 | Hioki Ee Corp | 測定装置 |
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