JP2004130669A - 複層被覆金属曲管の製造方法 - Google Patents

複層被覆金属曲管の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金属曲管の外周面に、エポキシ樹脂、熱融接着剤の薄膜層及びポリオレフィンの厚膜層を有する複層被覆を施した複層樹脂被覆金属曲管を製造する。
【解決手段】金属曲管1の外周面に、まず反応硬化性エポキシ樹脂の不完全硬化定着層2を形成し、その上に、熱融接着剤の薄膜層3及びポリオレフィンの厚膜層4を密着状態に配置した仮組み複層被覆5を形成し、その後、この被覆の下の金属曲管1を誘導コイル25で誘導加熱することにより、金属曲管からの伝熱で不完全硬化定着層2の完全硬化と熱融接着剤の溶融による層間接合とを同時進行させて、仮組み複層被覆5を一体化複層被覆に完成させ、複層樹脂被覆金属曲管を製造する。
【選択図】 図12

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外周面にポリオレフィン樹脂被覆を形成した金属曲管の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開昭59−62373号公報
【非特許文献1】雑誌「防錆管理」 ’83−10号 第20〜27行
「ポリエチレン被覆重防食鋼管杭」
従来より、海域で使用する鋼構造物に用いる鋼管、あるいは、寒冷地などの過酷な環境下に敷設するパイプラインに用いる鋼管として、外周面にポリエチレン樹脂などのポリオレフィン樹脂を被覆した樹脂被覆鋼管が使用されている。これらのポリオレフィン樹脂被覆鋼管には、ポリオレフィン樹脂の単層被覆を施したものと、鋼管表面にエポキシ樹脂などのプライマーを塗布し、その上に変性ポリオレフィン等の熱融接着剤を介して防食用の非極性ポリオレフィンを接着した3層構造の被覆を施したものがあり、後者が被覆の傷口起点剥離耐久性に優れているので、推奨されている。この傷口起点剥離の代表的なものとして陰極剥離現象がある。これは、敷設管には被覆傷入リスク対策として傷部の管体腐食を防ぐための電気防食(陰極防食)が適用されるが、これによって生じる卑電位が、露呈している被覆・管体界面(被覆端面)に作用して、傷口を起点とする接着の喪失が進行して行くという現象である。この陰極剥離に対する耐久性は、電気防食の適用されていないケースでの傷口起点剥離耐久性の指標ともなる。
【0003】
上記の非特許文献1には、鋼管に対して3層構造の樹脂被覆を施す方法が記載されている。この非特許文献1に記載の方法は、鋼管を予熱し、その鋼管にプライマーを塗布した後、その鋼管を長手方向に移動させながら、微粉末状態の接着剤を静電塗装法によって塗布し、その後、その上に押出機から丸ダイ或いはTダイを介して溶融ポリオレフィン樹脂を押し出して被覆し、冷却するというものである。また、上記の特許文献1にも、鋼管或いは鋼板等の金属表面へ3層被覆を施す方法が記載されている。すなわち、この特許文献1には、金属表面にプライマーを塗布した後、その上に、変性ポリオレフィンと未変性ポリオレフィンの共押出シートを押出ラミネートする方法、金属表面にプライマーを塗布した後、その上に、変性ポリオレフィンと未変性ポリオレフィンの積層シートを乗せ、加熱ロールまたは加熱プレスを用いて圧着させる方法、金属表面にプライマーを塗布した後、その上に、変性ポリオレフィンを粉末塗装し、更にその上に未変性ポリオレフィンを粉末塗装する方法などが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、パイプラインには曲げ部分があり、その部分には鋼製の金属曲管が使用されている。従って、この金属曲管にも外周面に3層のポリオレフィン樹脂被覆を施すことが望まれる。しかしながら、金属曲管の外周面は、直管や平板に比べて形状が複雑であるため、上記したような、ポリオレフィン樹脂を押出ラミネートする方法、或いは、ポリオレフィンシートを加熱ロールまたは加熱プレスを用いて圧着させる方法等を採用することができず、現在のところ、適切な被覆方法が開発されていない。なお、粉末塗装を用いて3層被覆を施すことは理論的には可能であるが、実際には実用化がきわめて困難である。すなわち、ポリオレフィン樹脂の粉末塗装には、金属曲管を300°C前後に加熱することが望ましいが、エポキシ樹脂プライマーの耐熱性はせいぜい200°C程度であるため、金属曲管に予めエポキシプライマーを塗布し、その金属曲管をポリオレフィン樹脂の粉末塗装に必要な温度(300°C前後)に炉加熱することはできない。そのため、金属曲管を200°C程度に加熱しておき、その後、エポキシプライマーを塗布し、それに続いて、接着剤の粉末塗装及びポリオレフィン樹脂の粉末塗装を行うという工程を採らざるを得ないが、この方法では、エポキシプライマーを敏速に塗布しないと、硬化が進んでしまって変性ポリオレフィン等の接着剤に対する被接着性を十分に確保できず、また、金属曲管の加熱温度が200°C程度と低いので、ポリオレフィン樹脂の塗布膜厚を十分に確保できないといった問題があり、実用化が容易でない。そこで、従来は、ポリオレフィン樹脂のみを粉末塗装し、単層の樹脂被覆を施しているが、単層のポリオレフィン樹脂被覆では、3層被覆に比べて傷口起点剥離耐久性が低い。また、直管に適用している押出しライニングでは高密度ポリエチレンを使用できるが、粉末塗装では低密度又は中密度ポリエチレンしか使用できず、このため硬さに劣るといった問題もあった。
【0005】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、金属曲管の外周面に、少なくともエポキシ樹脂のプライマー層と熱融接着剤の薄膜層とポリオレフィンの厚膜層とを備えた複層被覆を施した構成の複層樹脂被覆金属曲管を製造する方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本願における第一の解決手段は、金属曲管の外周面に、少なくともエポキシ樹脂プライマー層、熱融接着剤の薄膜層及びポリオレフィンの厚膜層の3層を備えた複層被覆を施すために、金属曲管の外周面に、まず、反応硬化性エポキシ樹脂の不完全硬化定着層を形成し、次いで、この定着層の上に、熱融接着剤の薄膜層及びポリオレフィンの厚膜層を接触した状態に配置した仮組み複層被覆を形成し、その後、この被覆の下の金属曲管を誘導加熱することにより、該金属曲管からの伝熱で前記不完全硬化定着層の完全硬化と前記熱融接着剤の溶融による層間接合とを同時進行させて、前記仮組み複層被覆を、一体化複層被覆に完成させるという構成としたものである。ここで形成する仮組み複層被覆は、前記した定着層、薄膜層及び厚膜層が、金属曲管からの伝熱によって必要な温度に加熱されるよう、互いに接触した状態に維持されたものであればよく、定着層と薄膜層の間、及び/又は、薄膜層と厚膜層の間は、非融着状態であってもよい。このように本発明では、金属曲管の外周面に反応硬化性エポキシ樹脂の不完全硬化定着層を形成し、次いで、この定着層の上に、熱融接着剤の薄膜層及びポリオレフィンの厚膜層を接触した状態に配置した仮組み複層被覆を形成する方法を採用したことで、困難な作業を要することなく、仮組み複層被覆を形成することができ、しかも、ポリオレフィン厚膜層を所望厚さにすることができると共に高密度ポリエチレン等の所望材料も使用することができる。そして、その後、複層被覆の下の金属曲管を誘導加熱して、該金属曲管からの伝熱で前記不完全硬化定着層の完全硬化と前記熱融接着剤の溶融による層間接合とを同時進行させて、前記仮組み複層被覆を一体化複層被覆に完成させる構成としたことで、ポリオレフィン厚膜層を金属曲管の外周面に強固に接合することができ、耐久性に優れた複層樹脂被覆金属曲管を製造できる。
【0007】
本願における第二の解決手段は、金属曲管の外周面に複層被覆を施すために、金属曲管の外周面に、まず、反応硬化性エポキシ樹脂の不完全硬化定着層を形成し、次いで、この定着層の上に、熱融接着剤の薄膜層及び熱収縮性のポリオレフィンの厚膜層を配置した仮組み複層被覆を形成し、その後、外面側からポリオレフィンの厚膜層を加熱して収縮させ、且つこの被覆の下の金属曲管を誘導加熱することにより、該金属曲管からの伝熱で前記不完全硬化定着層の完全硬化と前記熱融接着剤の溶融による層間接合とを同時進行させて、前記仮組み複層被覆を一体化複層被覆に完成させるという構成としたものである。このように、この解決手段では仮組み複層被覆に熱収縮性のポリオレフィンの厚膜層を用いたことで、ポリオレフィンの厚膜層を最初からその下の層に接触した状態に配置する必要がなくなり、仮組み複層被覆の形成が一層容易となる。そして、仮組み複層被覆を形成した後、外面側からポリオレフィンの厚膜層を加熱して収縮させ、且つこの被覆の下の金属曲管を誘導加熱する構成としたことで、ポリオレフィンの厚膜層を収縮させてその下の熱融接着剤の薄膜層に接触させることができると共に金属曲管からの伝熱で前記不完全硬化定着層の完全硬化と前記熱融接着剤の溶融による層間接合とを同時進行させて、前記仮組み複層被覆を一体化複層被覆に完成させることができ、耐久性に優れた複層樹脂被覆金属曲管を製造できる。
【0008】
本願における第三の解決手段は、金属曲管の外周面に複層被覆を施すために、金属曲管の外周面に、まず、反応硬化性エポキシ樹脂の不完全硬化定着層を形成し、次いで、この定着層の上に、熱融接着剤の薄膜層及びポリオレフィンの多孔質構造の厚膜層を配置した仮組み複層被覆を形成し、その後、この被覆の下の金属曲管を誘導加熱することにより、該金属曲管からの伝熱で前記不完全硬化定着層の完全硬化と前記熱融接着剤の溶融による層間接合と前記厚膜層の溶融緻密化を同時進行させて、前記仮組み複層被覆を一体化複層被覆に完成させるという構成としたものである。このように、この解決手段では仮組み複層被覆にポリオレフィンの多孔質構造の厚膜層を用いたことで、その厚膜層の形成が容易となる。すなわち、その厚膜層の形成には、ポリオレフィンの多孔質構造のシートを用いることができ、そのシートは適度な柔軟性を備えているため、金属曲管の外周面に押し当てて配置することで、容易に金属曲管の外周面にフィットさせることができ、厚膜層を容易に形成できる。そして、仮組み複層被覆を形成した後、この被覆の下の金属曲管を誘導加熱することで、該金属曲管からの伝熱で前記不完全硬化定着層の完全硬化と前記熱融接着剤の溶融による層間接合と前記厚膜層の溶融緻密化を同時進行させて、前記仮組み複層被覆を一体化複層被覆に完成させることができ、耐久性に優れた複層樹脂被覆金属曲管を製造できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に使用する被覆対象の金属曲管は、限定されるものではないが、多くの場合、パイプラインやプラント配管に使用する鋼管である。金属曲管の形状は湾曲した部分を備えたものであれば任意であり、代表例として、図1(a)に示すように、全体が一定半径Rの金属曲管1、及び図1(b)に示すように、一定半径Rの曲管部1aの両端に直管部1b,1bを備えた金属曲管1Aを挙げることができる。金属曲管の直径D、曲げ半径R、曲げ角度θ、直管部長さL等も限定されるものではないが、代表例として、直径Dが400〜1200mm、曲げ半径Rが3D〜8D、曲げ角度θが10〜90°、直管部長さLが1D〜3Dを挙げることができる。
【0010】
以下、金属曲管1を例にとって、本発明を適用して複層樹脂被覆を施す方法を説明する。図2(a)〜(d)は金属曲管1の表面に対する被覆の手順の一例を示す概略断面図である。まず、金属曲管1の外周面に前処理を施し、被覆に適した状態に調整する。例えば、金属曲管1の表面の水分を除去し、ショットブラストによりスケールや錆びを除去する。また、必要に応じ、クロメート処理等の表面処理を施してもよい。
【0011】
次に、金属曲管1の外周面に、反応硬化性エポキシ樹脂(プライマー)を一様に塗布し、半硬化させて反応硬化性エポキシ樹脂の不完全硬化定着層2を形成する。不完全硬化定着層2の厚さは、50〜500μm程度が好ましく、更には、100〜300μmが一層好ましい。ここで使用する反応硬化性エポキシ樹脂は、金属面の防食のために従来より用いられているものを適宜使用できる。その反応硬化性エポキシ樹脂の形態は、1液型あるいは2液型の液状樹脂でもよいし、粉末形態としたものでもよいが、塗布の容易さからは2液型の液状樹脂を用いることが好ましい。反応硬化性エポキシ樹脂の塗布方法は、液状樹脂を用いる場合には、スプレー、刷毛を用いる方法とすることができ、また、粉末形態のものを用いる場合には、静電塗装が好ましい。塗布した反応硬化性エポキシ樹脂を半硬化させるには、塗布前に金属曲管1をエポキシ樹脂の半硬化に適した温度に加熱しておく方法、塗布後に加熱する方法のいずれを採用してもよいが、塗布前に金属曲管1を加熱しておく方法を採用することが、反応硬化性エポキシ樹脂の半硬化作業を敏速に行うことができるので好ましい。
【0012】
形成した不完全硬化定着層2におけるエポキシ樹脂の硬化の程度は、少なくとも、形成した不完全硬化定着層の上に、熱融接着剤の薄膜層及びポリオレフィンの厚膜層を形成する作業を支障なく行うことができるように(例えば、作業時に、定着層が剥がれたり、流れ落ちたりすることがないように)、適度に乾燥し且つ金属曲管の外周面に完全ではない接着力を以て付着した状態を確保できるように定めるものであり、具体的には、反応硬化性エポキシ樹脂の組成にもよるが、おおよその目安としては、ゲル化率が30%程度以上とするのが好ましい。また、あまり硬化が進んでしまうと、後工程で、その上に熱融接着剤の薄膜層及びポリオレフィンの厚膜層を密着配置し、加熱溶融して接合した際に十分な接合強度を確保できなくなるので、あまり硬化が進まない状態とする。具体的には、反応硬化性エポキシ樹脂の組成にもよるが、おおよその目安としては、ゲル化率90%程度以下とするのが好ましい。なお、塗布した反応硬化性エポキシ樹脂を半硬化させ、エポキシ樹脂の不完全硬化定着層2を形成した後は、金属曲管を強制冷却してエポキシ樹脂の硬化の進行を止めてもよいし、金属曲管を強制冷却せず、単に放冷しておき、エポキシ樹脂の硬化がゆるやかに進行するままとしておいてもよい。後者の場合には、後工程で、不完全硬化定着層2の上に熱融接着剤の薄膜層及びポリオレフィンの厚膜層を密着配置し、加熱溶融を開始する時点においても、定着層2のエポキシ樹脂が、例えば、ゲル化率が90%程度以下の不完全硬化の状態に保持されるようにしておけばよい。
【0013】
次に、反応硬化性エポキシ樹脂の不完全硬化定着層2の上に、熱融接着剤の薄膜層3及びポリオレフィンの厚膜層4を接触した状態に配置した仮組み複層被覆5を形成する。この仮組み複層被覆5は、定着層2、薄膜層3及び厚膜層4が、金属曲管1からの伝熱によって必要な温度に加熱されるよう、互いに接触した状態に維持されたものであればよく、定着層2と薄膜層3の間、及び/又は、薄膜層3と厚膜層4の間は、単に接触させただけの非融着状態であってもよいし、適度に融着した状態でもよい。なお、定着層2、薄膜層3及び厚膜層4の各層間の接触状態は、伝熱効率を高め且つ各層間の融着の際の気泡の抱き込みを少なくするため、なるべく密とする(各層間の接触圧力を大きくする)ことが好ましい。仮組み複層被覆5に用いる熱融接着剤は、エポキシ樹脂の定着層とポリオレフィンの厚膜層のいずれにも良好に接合可能な特性のものであり、主として、マレイン酸変性などの各種の変性ポリオレフィンが使用されるが、これに限らず、他の材料、例えば、EVA,EAA,EMAA等を使用してもよい。熱融接着剤の薄膜層3の厚さは100〜300μm程度でよい。ポリオレフィンの厚膜層4は、耐食性、耐候性、耐衝撃性などの所望の保護特性を備えたものであり、具体的には、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリプロピレンとポリエチレンの共重合体、ポリブテン等を用いることができる。また、その厚さも所望の保護特性に応じて定めるものであり、具体的には2〜5mm程度に選定される。
【0014】
この仮組み複層被覆5を形成するには、図2に示すように、まず、熱融接着剤の薄膜層3を形成し、その上にポリオレフィンの厚膜層4を形成する方法、熱融接着剤の薄膜層3とポリオレフィンの厚膜層4を同時に形成する方法のいずれを採用してもよい。また、熱融接着剤の薄膜層3の形成、ポリオレフィンの厚膜層4を形成には、種々の方法を採り得る。以下、その代表的なものを説明する。
【0015】
熱融接着剤の薄膜層3を金属曲管外周面のエポキシ樹脂不完全硬化定着層2の上に形成する一つの方法は、薄膜の熱融接着剤のテープを金属曲管に包帯巻きする方法である。すなわち、図3に示すように、金属曲管1の外周面に薄膜の熱融接着剤のテープ7を、その側縁が重なるように巻き付けてゆくことで、熱融接着剤の薄膜層3を形成することができる。この際、テープ7は金属曲管1の外周面(厳密には定着層2の上)に密に接するように巻き付けることが、後工程で加熱、融着させる際の気泡の抱き込みを小さくする上から好ましく、このため、テープ7に適度な張力を付与した状態で巻き付けることが好ましい。また、テープ7を溶融温度を越えない範囲で適当に加熱して膨張させ、その状態で金属曲管に巻付け、その後の放冷、或いは強制的な冷却によって収縮させ、金属曲管に密着させる方法を採っても良い。使用するテープ7の厚さは、1重に巻き付けることで所望厚さの薄膜層3を形成できるように、薄膜層3の厚さに等しいものとしてもよいし、2重,3重に重ね巻きすることで所望厚さの薄膜層3を形成できるように、薄いものとしてもよい。
【0016】
熱融接着剤の薄膜層3を金属曲管外周面のエポキシ樹脂不完全硬化定着層2の上に形成する他の方法は、熱融接着剤の溶射によるものである。この方法では、溶射によって熱融接着剤をエポキシ樹脂不完全硬化定着層の上に不完全な形態ではあるが融着し、熱融接着剤の薄膜層3を形成できる。
【0017】
ポリオレフィンの厚膜層4を金属曲管外周面の熱融接着剤の薄膜層3の上に形成する一つの方法は、厚膜のポリオレフィンのテープを、前記金属曲管に包帯巻きする方法である。すなわち、図4に示すように、金属曲管1外周面の薄膜層3(なお、図面ではテープ7を包帯巻きして形成したものを示している)の上に厚膜のポリオレフィンのテープ9を、その側縁が重なるように巻き付けてゆくことで、ポリオレフィンの厚膜層4を形成することができる。この際にも、テープ9は金属曲管1の外周面(厳密には薄肉層3上)に密に接触するように巻き付けることが、後工程で加熱、融着させる際の気泡の抱き込みを小さくする上から好ましく、このため、テープ9に適度な張力を付与した状態で巻き付けることが好ましい。テープ9に付与する張力としては、テープ9に1〜5%の弾性伸び歪が生じる張力とすることが好ましい。また、テープ9の巻付けの際に、そのテープ9を溶融温度を越えない範囲で加熱し、柔らかくして巻き付けることが、巻付け作業を容易とできるので好ましい。テープ9を加熱して巻き付ける際には、テープ9に付与する張力は小さくて良い。すなわち、テープ9を加熱して巻き付けた場合には、その後の放冷、或いは強制的な冷却によってテープ9が収縮し、金属曲管に密着するので、巻付け時のテープ9の張力は小さくてよい。使用するテープ9の厚さは、1重に巻き付けることで所望厚さの厚膜層4を形成できるように、厚膜層4の厚さに等しいものとする。
【0018】
図5(a)に拡大して示すように、テープ9を包帯巻きすると、テープ9とテープ9の側縁が重なった状態となる。この重なった部分の接触面10は、非接着の状態でもよいが、必要に応じ、テープ9の外面側から遠赤外線ヒータ、バーナー、ローラー鏝等で加熱して融着しておいてもよい。厚膜層4の形成に用いるテープ9は、全幅に亘って一定厚さのものとするが、場合によっては、図5に示すテープ9Aのように、側縁部分の厚さを、側縁に向かうにつれて徐々に薄くなるようにしたものを用いても良い。このテープ9Aを用いると、テープ9Aの重なり部分の厚さが小さくなり、接触面10Aを、外側から加熱して融着させる際、あるいは、金属曲管表面からの伝熱によって融着させる際の加熱時間を短縮できる利点が得られる。
【0019】
ポリオレフィンの厚膜層4を金属曲管外周面の熱融接着剤の薄膜層3の上に形成する他の方法は、ポリオレフィンの溶射によるものである。この方法では、溶射によってポリオレフィンが熱融接着剤の薄膜層3の上に不完全な形態ではあるが融着し、密着したポリオレフィンの厚膜層4を形成できる。
【0020】
前記ポリオレフィンの厚膜層を金属曲管外周面の熱融接着剤の薄膜層の上に形成する更に他の方法は、予め、金属曲管の外周面上に定着層2及び熱融接着剤の薄膜層3を介して密に嵌合可能な形状のポリオレフィン製の複数の短管を用いる方法である。すなわち、あらかじめ図6に示す短管12を複数個作成しておき、これらを金属曲管1に次々と嵌合していって厚膜層4を形成する方法である。ここで使用する短管12は、金属曲管1の外周面上に定着層及び熱融接着剤の薄膜層3を介して密に嵌合可能なよう、その内径dを、金属曲管1の外周面上に配置している熱融接着剤の薄膜層3の外径D2 (テープ7を包帯巻きして薄膜層3を形成した場合には、テープ7の重なりの無い部分の外径)よりも若干小さく、例えば、1〜5%程度小さくなるように、定めている。また、短管12の肉厚は、形成すべき厚膜層4に要求される肉厚に等しく選定されている。短管12の形状は、金属曲管1の湾曲に適合するよう湾曲した形状としてもよいし、単に直管状としてもよい。直管状の短管12を用いる場合には、短管12の長さを短く選定することにより、湾曲した金属曲管1に支障無く嵌合させて取り付けることができ、また、図1(b)に示す直管部付の金属曲管1Aに対しても支障なく嵌合させて取り付けることができる。直管状の短管12は、図7に示すポリオレフィン製の直管13を、交互に傾斜した切断線14に沿って切断することで製造でき、低コストで製造できる。なお、湾曲した短管を用いる場合には、短管を長くしても、全体が一定の半径で湾曲している金属曲管1に対しては支障なく取り付けることができるが、一方、製造コストは高くなる。そこで、短管の取付作業性や製造コスト等を考慮して短管長さを選定すればよい。また、湾曲した短管を、直管部付の金属曲管1Aに対して用いる場合には、あまり長くすると、直管部を通り抜けることが困難となるので、短めに設定することが望ましい。
【0021】
図6において、短管12を金属曲管1に嵌合させるには、短管12を一時的に拡径させた状態で遊嵌し、その後、元の径へ復元させる操作を行う。ここで、短管12の一時的な拡径は、該短管12を溶融温度未満の温度に加熱することにより、容易に行うことができ、また、遊嵌後、冷却することで元の径へ復元させることができる。なお、短管12の一時的な拡径は、加熱に限らず、機械的手段によって行っても良い。短管12を金属曲管1に次々と嵌合させてゆくが、その際、先に嵌合した短管12と後続の短管12とは図8(a)に示すように、単に突き合わせ状態とし、その突き合わせ部分を樹脂15によって溶接接合する。以上のようにして複数の短管12を金属曲管1に次々と嵌合し、且つ隣接した短管同志の接合部を溶接接合することで、金属曲管1の外周面に、一体化したポリオレフィンの厚膜層4を形成できる。なお、短管12を加熱して金属曲管1に嵌合する場合において、短管同志の溶接接合は短管12が冷却される前に行っても良いし、冷却した後に行っても良い。
【0022】
上記の実施形態では、隣接した短管同志を溶接接合しているが、この構造に限らず、図8(b)に示すように、短管12の後端と次の短管12の先端とを嵌合させる構成としても良い。この場合、嵌合した短管12、12の接触面16は、非接着の状態でもよいが、必要に応じ、短管12の外面側から遠赤外線ヒータ、バーナー、ローラー鏝等で加熱して融着しておいてもよい。また、短管同志を嵌合させる場合、図8(c)に示す短管12Aのように、嵌合させる領域の厚さを、端面に向かうにつれて徐々に薄くなるようにしたものを用いても良い。この短管12Aを用いると、短管同志の重なり部分の厚さが小さくなり、接触面16Aを、外側から加熱して融着させる際、あるいは、金属曲管表面からの伝熱によって融着させる際の加熱時間を短縮できる利点が得られる。
【0023】
ポリオレフィンの厚膜層4を金属曲管外周面の熱融接着剤の薄膜層3の上に形成する更に他の方法は、予め、金属曲管の外周面上に定着層2及び熱融接着剤の薄膜層3を介して密に嵌合可能な形状のポリオレフィン製の曲管状成形体を用いる方法である。すなわち、予め、図9に示すポリオレフィン製の曲管状成形体18を作成しておき、これを金属曲管1に嵌合する方法である。この曲管状成形体18は、金属曲管1の外周面上に定着層及び熱融接着剤の薄膜層3を介して密に嵌合可能なよう、その内径dを、金属曲管1の外周面上に配置している熱融接着剤の薄膜層3の外径D2 (テープ7を包帯巻きして薄膜層3を形成した場合には、テープ7の重なりの無い部分の外径)よりも若干小さく、例えば、1〜5%程度小さくなるように、定めている。また、曲管状成形体10の肉厚は、形成すべき厚膜層4に要求される肉厚に等しく選定されている。この曲管状成形体18を金属曲管1に嵌合させるには、曲管状成形体18を一時的に拡径させた状態で遊嵌し、その後、元の径へ復元させる操作を行う。ここで、曲管状成形体18の一時的な拡径は、該曲管状成形体を溶融温度未満の温度に加熱することにより、容易に行うことができ、遊嵌後、冷却することで元の径へ復元させることができる。なお、曲管状成形体18の一時的な拡径は、加熱に限らず、機械的手段によって行っても良い。以上のように、曲管状成形体18を金属曲管1に嵌合させることで、金属曲管1の外周面にポリオレフィンの厚膜層を形成できる。
【0024】
上記の実施形態では、曲管状成形体18として、全長に亘って筒状に成形したものを用いている。しかしこの構造では、例えば、図1(b)に示すように、直管部1bを有する金属曲管1Aに対しては嵌合作業が困難となる場合がある。そこで、そのような場合には、嵌合作業を容易にするため、曲管状成形体の管周の内径側に、管周方向に延びる複数のスリットを形成するとか、曲管状成形体に、長手方向に延びるスリットを形成しておいてもよい。このようなスリットを形成しておくと、曲管状成形体を、加熱等によって一時的に拡径させ、その状態で金属曲管1Aに遊嵌する際に、そのスリットを利用して曲管状成形体を変形させることができ、遊嵌作業を容易とすることができる。なお、曲管状成形体を金属曲管の所定位置に遊嵌した後は、スリットを溶接接合して一体化しておけばよい。
【0025】
図9に示す実施形態では、ポリオレフィンの厚膜層の形成のために全体が一体となった曲管状成形体18を用いたが、この構造に限らず、これを長手方向に切断して複数のセグメントに分割した形態の成形体を用いても良い。図10はその形態のポリオレフィン製の成形体18Aを示すものである。この成形体10Aは、図1(b)に示す金属曲管1Aの外周面上に定着層及び熱融接着剤の薄膜層を介して密に嵌合可能な形状のポリオレフィン製の曲管状成形体がその円周方向に2個の曲管状成形体セグメント18Aa,18Abに分割された形態のものである。この成形体18Aを金属曲管に取り付けるには、先ず、加熱等によって一時的に拡径させ、その状態で金属曲管にかぶせ、隣接したセグメント18Aa,18Abの端縁同志を突き合わせて溶接接合し、一体化する。その後、元の径への復元によって金属曲管外面に密に接触した状態となる。以上により、金属曲管の外周面にポリオレフィンの厚膜層を形成できる。
【0026】
以上の実施形態は、ポリオレフィンの厚膜層4を金属曲管外面上に密に接触するように配置するために、テープを張力を付与した状態で巻き付けるとか、密着嵌合可能なサイズの短管,成形体等を用いているが、これに代えて、熱収縮性のポリオレフィン樹脂を使用することも可能である。その場合には、熱収縮性のポリオレフィンのテープをゆるく巻き付けるとか、金属曲管よりもかなり大径の短管、成形体等を取り付けて厚膜層を形成し、その後、その厚膜層を外面側から加熱することで、金属曲管外周面に密に接触させて配置することができる。
【0027】
以上のようにして、図2(d)に示すように、金属曲管1の外周面上に、エポキシ樹脂不完全硬化定着層2、熱融接着剤の薄膜層3及びポリオレフィンの厚膜層4を有する仮組み複層被覆5を形成した後は、この被覆の下の金属曲管1を誘導加熱することにより、該金属曲管1からの伝熱で前記不完全硬化定着層2の完全硬化と前記熱融接着剤の溶融による層間接合とを同時進行させて、前記仮組み複層被覆5を、一体化複層被覆に完成させる。このように、金属曲管の誘導加熱を利用したことで、ポリオレフィン厚膜層の外側から加熱して不完全硬化定着層の完全硬化と前記熱融接着剤の溶融を行う場合に比べて、はるかに敏速に且つ厚膜層を熱で損傷させることなく、不完全硬化定着層及び熱融接着剤の薄膜層の加熱を行うことができる。なお、必要に応じ、金属曲管の誘導加熱に並行して、ポリオレフィンの厚膜層の外側から、遠赤外線ヒータ、バーナー等で加熱してもよい。また、ポリオレフィンの厚膜層4を、図4,図5に示すようにポリオレフィンのテープ9,9Aを部分的に重ね合わせて形成した場合、或いは図6,図8に示すようにポリオレフィンの短管12,12Aを部分的に重ね合わせて形成した場合であって、且つ接触面10,10A,16,16Aを十分には融着していない場合には、加熱時間を長くしてこの接触面10,10A,16,16Aの融着も行う。また、加熱中に、融着がスムーズに進行するように外側からローラー等を用いて機械的な圧縮力を加えても良い。
【0028】
金属曲管の誘導加熱は、金属曲管の全長に亘って同時に加熱する一発式で行っても良いし、金属曲管の長手方向の小区間を誘導加熱し、その加熱部位を長手方向に移動させてゆく連続的で行っても良い。金属曲管の誘導加熱を行うための誘導コイルは、金属曲管の外面側、内面側のいずれに配置してもよいが、作業性からは外面側に配置することが好ましい。図11、図12は移動式で金属曲管1を誘導加熱する1例を示すものである。外周面に仮組み複層被覆5を施した金属曲管1の外周側に誘導コイル25を配し、その誘導コイル25で、金属曲管1の対向した領域を誘導加熱しながら、誘導コイル25を金属曲管1に沿って相対的に移動させてゆく。これにより、金属曲管1の表層部分が誘導加熱されて昇温し、その昇温部分からの伝熱によって不完全硬化定着層2、熱融接着剤の薄膜層3及びポリオレフィンの厚膜層4が加熱され、不完全硬化定着層2の完全硬化と熱融接着剤の溶融が同時に進行し、ポリオレフィンの厚膜層4が金属曲管1の外周面に強固に接着される。そして、この加熱部位が金属曲管1に沿って移動することで、熱融接着剤が溶融してゆく部分も移動し、その際、層間にあった空気が押し出されて行くこととなり、気泡の抱き込みのきわめて少ない被覆層が形成される。金属曲管1を誘導加熱する際、必要ならば、ポリオレフィンの厚膜層の外側から、遠赤外線ヒータ、バーナー等で加熱してもよい。外側からの加熱を併用することで、加熱時間を短縮でき、また、ポリオレフィンの厚膜層がテープの包帯巻きによって形成されていた場合などには、重なり合ったテープ同志の接触面の接着を一層確実とできる。また、前述のようにローラー等を用いて圧縮力を加えても良いし、あらかじめ外側に熱収縮性のラッピングテープ等を巻いておけば、均一に圧縮力がかけられる。
【0029】
以上のようにして、金属曲管の外周面に、エポキシ樹脂、熱融接着剤の薄膜層及びポリオレフィンの厚膜層を一体化した複層被覆を形成し、複層樹脂被覆金属曲管を製造することができる。また、エポキシ樹脂の完全硬化と熱融接着剤の溶融とを同時に進行させているため、得られた複層樹脂被覆金属曲管では、ポリオレフィン厚膜層の金属曲管外周面に対する接合強度が大きくなっており、耐久性に優れた複層被覆を形成できる。
【0030】
なお、上記実施形態はいずれも、仮組み複層被覆5の形成に際して、熱融接着剤の薄膜層3の形成とポリオレフィンの厚膜層4の形成とを別工程で行っているが、本発明はこれに限らず、熱融接着剤の薄膜層の形成と、ポリオレフィンの厚膜層の形成とを同時に行うことも可能である。以下、その場合の実施形態を説明する。
【0031】
一つの実施形態では、図4に示す実施形態で用いたポリオレフィンテープ9の片面にあらかじめ、熱融接着剤の薄膜層を形成しておき、そのポリオレフィンテープを、前記薄膜層を内側にして、外周面にエポキシ樹脂不完全硬化定着層を形成した金属曲管に、図4に示す実施形態と同様にして、包帯巻きする。これにより、エポキシ樹脂不完全硬化定着層の上に熱融接着剤の薄膜層とポリオレフィンの厚膜層とを密に接触した状態に配置した構成の仮組み複層被覆を形成できる。なお、ポリオレフィンテープ9に予め熱融接着剤の薄膜層を形成しておくと、図5に示すようにポリオレフィンテープ9を重ね合わせた部分において接触面10に熱融接着剤の薄膜層が存在することとなり、重なったポリオレフィンテープ9,9同志を、ポリオレフィン同志を直接接合する場合に比べて低温で確実に接着できる利点が得られる。
【0032】
他の実施形態では、図6に示す実施形態で用いた短管12の内面にあらかじめ熱融接着剤の薄膜層を形成しておく。そして、その短管を外周面にエポキシ樹脂不完全硬化定着層を形成した金属曲管に、図6に示す実施形態と同様にして嵌合させてゆく。これにより、エポキシ樹脂不完全硬化定着層の上に熱融接着剤の薄膜層とポリオレフィンの厚膜層とを密に接触した状態に配置した構成の仮組み複層被覆を形成できる。
【0033】
更に他の実施形態では、図9,図10に示す実施形態で用いた成形体18,18Aの内面にあらかじめ熱融接着剤の薄膜層を形成しておく。そして、その成形体を、外周面にエポキシ樹脂不完全硬化定着層を形成した金属曲管に、図9,図10に示す実施形態と同様にして取り付ける。これにより、エポキシ樹脂不完全硬化定着層の上に熱融接着剤の薄膜層とポリオレフィンの厚膜層とを密に接触した状態に配置した構成の仮組み複層被覆を形成できる。
【0034】
更に他の実施形態では、ポリオレフィンの厚膜層を熱収縮性のポリオレフィンによって形成する構成とし、且つその際用いるポリオレフィンのテープ、短管、成形体等の内面にあらかじめ熱融接着剤の薄膜層を形成しておく。そして、そのテープ、短管、成形体等を、外周面にエポキシ樹脂不完全硬化定着層を形成した金属曲管に取り付け、その後、加熱して収縮させることにより、エポキシ樹脂不完全硬化定着層の上に熱融接着剤の薄膜層とポリオレフィンの厚膜層とを密に接触した状態に配置した構成の仮組み複層被覆を形成できる。
【0035】
なお、熱収縮性のポリオレフィンを用いる場合には、熱収縮性のポリオレフィンの厚膜層を形成した後、熱収縮させる操作と、不完全硬化定着層の完全硬化及び熱融接着剤の溶融のための金属曲管の誘導加熱とを同時に行っても良い。すなわち、金属曲管表面に形成した反応硬化性エポキシ樹脂の不完全硬化定着層の上に、熱融接着剤の薄膜層及び熱収縮性のポリオレフィンの厚膜層を配置した仮組み複層被覆を形成し、その後、外面側からポリオレフィンの厚膜層を加熱して収縮させ、且つこの被覆の下の金属曲管を誘導加熱することにより、該金属曲管からの伝熱で前記不完全硬化定着層の完全硬化と前記熱融接着剤の溶融による層間接合とを同時進行させて、前記仮組み複層被覆を一体化複層被覆に完成させることができる。
【0036】
以上に説明した実施形態はいずれも、ポリオレフィンの厚膜層を、中実形態のポリオレフィンのテープ、短管、成形体等を用いて形成しており、従って、ポリオレフィンの厚膜層が中実形態となっているが、これに代えて、多孔質構造を用いることも可能である。すなわち、金属曲管表面に形成した反応硬化性エポキシ樹脂の不完全硬化定着層の上に、熱融接着剤の薄膜層及びポリオレフィンの多孔質構造の厚膜層を接触した状態に配置した仮組み複層被覆を形成し、その後、この被覆の下の金属曲管を誘導加熱することにより、該金属曲管からの伝熱で前記不完全硬化定着層の完全硬化と前記熱融接着剤の溶融による層間接合と前記厚膜層の溶融緻密化を同時進行させて、前記仮組み複層被覆を一体化複層被覆に完成させることができ、この方法によっても、金属曲管の外周面上に3層構造の複層被覆を施すことができる。
【0037】
前記のポリオレフィンの多孔質構造の厚膜層を形成するには、上記した実施形態に用いているポリオレフィン製のテープ、短管、成形体等に代えて、多孔質構造のテープ、短管、成形体等を用いてもよいが、単に平坦な多孔質構造のシートを用いることが、製造コストが低く且つ取り扱いが容易であるので、推奨される。多孔質構造のテープ、短管、成形体、シート等としては、ポリオレフィンの粉体樹脂を、未溶融又は一部溶融した状態で所望の形状に成形したもの、例えば、特公平5−19894号公報に記載のものを用いることができる。
【0038】
多孔質構造のシートを用いて、金属曲管外周面に厚膜層を形成する具体的な方法としては、図13(a),(b)に示すように、金属曲管1の外周面に形成している熱融接着剤の薄膜層3の上に、適当なサイズのシート27を次々と一部が重なる状態で配置して行く方法を挙げることができる。この際、多孔質構造のシート27は或る程度の柔軟性を有しているので、容易に金属曲管1の外周面に倣った形状に変形させることができ、金属曲管1外周面の薄膜層3にフィットした状態に配置することができる。配置したシート27を薄膜層3に接触した状態に維持するには、シート27を適当な粘着剤を用いて貼り付ける方法、金属曲管1外周面上に配置したシート27の外側に、適当なラッピングテープ、好ましくは熱収縮性のラッピングテープを巻き付ける方法などを挙げることができる。このようにして多数のシート27を金属曲管1の外周面に配置して厚膜層4Aを形成した後は、上記したように、金属曲管1を誘導加熱することにより、金属曲管1からの伝熱で不完全硬化定着層2の完全硬化と熱融接着剤の溶融による層間接合と厚膜層4Aの溶融緻密化を同時進行させて、仮組み複層被覆を一体化複層被覆に完成させる。この際、多孔質構造のシート27を完全に溶融させて緻密化するので、シート27,27の重なり合った部分も確実に溶融させて緻密化できると共に一体化できる。かくして、金属曲管1の外周面を確実に覆った被覆層を形成できる。なお、この場合にも、金属曲管1を誘導加熱する際に、並行して外面側から、遠赤外線ヒータ、バーナー等で加熱してもよいし、ローラー等を用いて圧縮力を加えても良い。また、あらかじめ外側に熱収縮性のラッピングテープを巻いていた場合には、そのラッピングテープの収縮によって均一に圧縮力がかけられる。
【0039】
なお、上記した実施形態はいずれも、金属曲管外周面の樹脂被覆を施すべき領域全体を覆う仮組み複層被覆を形成した後、金属曲管を誘導加熱して仮組み複層被覆を一体化複層被覆に完成させているが、本発明はこの構成に限らず、金属曲管外周面の一部領域に仮組み複層被覆を形成し、その領域の金属曲管を誘導加熱して仮組み複層被覆を一体化複層被覆に完成させ、次いで、隣接した領域に仮組み複層被覆を形成し、その領域の金属曲管を誘導加熱して仮組み複層被覆を一体化複層被覆に完成させるというように、小領域ずつ逐次被覆を形成してゆく方法を採っても良い。
【0040】
【実施例】
[実施例1]
図1(a)に示す金属曲管1を用意した。この金属曲管1の仕様は、外径D=406.4mm(24インチ)、曲げ半径R=2032mm、曲げ角度θ=90°、材質=API 5LX65である。
この金属曲管1を、誘導加熱によって60°Cに予熱し、その外周面に2液型のエポキシ樹脂(商品名「エポサーム」、大日本色材工業株式会社製)を刷毛により塗布し、9分間放置することにより、ゲル化率50%程度に硬化した不完全硬化定着層が形成された。そこで、この上に、接着性ポリエチレンのテープ(厚さ100μm、幅200mm、商品名「アドマーNE090」、三井化学株式会社製)をほぼハーフラップで包帯巻きして、厚さ200μmの薄膜層を形成した。
【0041】
その後、その上に、高密度ポリエチレンのテープ(厚さ2.5mm、幅200mm、商品名「ハイゼックス5000H」、三井化学株式会社製)を、2%伸びを生じさせる張力を付与した状態で包帯巻きし、且つ外面側から遠赤外線加熱を行って、テープの重なり合った部分の融着及びテープの下地へのフィットを行った。
その後、図11に示すように、加熱幅50mmの誘導コイル25を金属曲管1の外周に配置し、金属曲管1の表層部分を誘導加熱しながら、移動速度50mm/分で連続的に移動させ、金属曲管1の全長を誘導加熱した。この時、誘導加熱された金属曲管1の表面温度は、約250°Cに昇温していた。金属曲管1を誘導加熱した後、約30分間放置し、金属曲管1からの伝熱により、不完全硬化定着層の完全硬化と熱融接着剤の溶融による層間接合とを同時進行させた。その後、外面側から冷却水を吹き付けて冷却し、溶融部分を硬化させた。以上により、完全に一体化した3層構造のポリエチレン被覆の金属曲管を得た。
【0042】
得られた被覆について、ASTMG14規格に示された陰極剥離試験を行ったところ、20°C×30日で剥離径は3.5mmであり、十分な傷口起点剥離耐久性を示していた。また、被覆の表面硬さは78HDD、接着力は20N/cmであり、十分な硬さ及び接着力を示していた。従って、傷口起点剥離耐久性などの長期耐久性に優れ、且つ耐衝撃性に優れたポリエチレン被覆が得られた。
【0043】
[実施例2]
実施例1と同一仕様の金属曲管1を用意し、実施例1と同様にして、不完全硬化定着層及び接着性ポリエチレンの薄膜層を形成した。
その上に、予め作成したポリエチレン製の短管12(図6参照)(内径403.0mm、肉厚3.0mm、中央部の長さ200mm)を約100°Cに加熱し、内径を約10mm拡径させた状態で次々と遊嵌し、突き合わせ端部を溶接接合した後、冷却水を吹き付けて冷却し、金属曲管に密に嵌合させた。
【0044】
その後、図11に示すように、加熱幅50mmの誘導コイル25を金属曲管1の外周に配置し、金属曲管1の表層部分を誘導加熱しながら、移動速度50mm/分で連続的に移動させ、金属曲管1の全長を誘導加熱した。この時、誘導加熱された金属曲管1の表面温度は、約250°Cに昇温していた。金属曲管1を誘導加熱した後、約30分間放置し、金属曲管1からの伝熱により、不完全硬化定着層の完全硬化と熱融接着剤の溶融による層間接合とを同時進行させた。その後、外面側から冷却水を吹き付けて冷却し、溶融部分を硬化させた。以上により、完全に一体化した3層構造のポリエチレン被覆の金属曲管を得た。
【0045】
得られた被覆について、実施例1と同様にして、陰極剥離試験を行ったところ、20°C×30日で剥離径は3.2mmであり、十分な傷口起点剥離耐久性を示していた。また、被覆の表面硬さは78HDD、接着力は19N/cmであり、十分な硬さ及び接着力を示していた。従って、傷口起点剥離耐久性などの長期耐久性に優れ、且つ耐衝撃性に優れたポリエチレン被覆が得られた。
【0046】
[実施例3]
実施例1と同一仕様の金属曲管1を用意し、実施例1と同様にして、不完全硬化定着層を形成した。
その上に、熱融接着剤付ポリエチレンシュリンクテープ(ポリエチレン厚さ1.5mm、接着剤厚さ1.5mm、幅200mm、商品名「WPC100M」、米国レイケム社製)を、ゆるくフィットする程度のテンションで包帯巻きし、その後、外面側から遠赤外線加熱を行って、テープの収縮及び重なり合った部分の融着を行った。
【0047】
その後、図11に示すように、加熱幅50mmの誘導コイル25を金属曲管1の外周に配置し、金属曲管1の表層部分を誘導加熱しながら、移動速度50mm/分で連続的に移動させ、金属曲管1の全長を誘導加熱した。この時、誘導加熱された金属曲管1の表面温度は、約250°Cに昇温していた。金属曲管1を誘導加熱した後、約30分間放置し、金属曲管1からの伝熱により、不完全硬化定着層の完全硬化と熱融接着剤の溶融による層間接合とを同時進行させた。その後、外面側から冷却水を吹き付けて冷却し、溶融部分を硬化させた。以上により、完全に一体化した3層構造のポリエチレン被覆の金属曲管を得た。
【0048】
得られた被覆について、実施例1と同様にして、陰極剥離試験を行ったところ、20°C×30日で剥離径は3.9mmであり、十分な傷口起点剥離耐久性を示していた。また、被覆の表面硬さは65HDD、接着力は15N/cmであり、十分な硬さ及び接着力を示していた。従って、傷口起点剥離耐久性などの長期耐久性に優れ、且つ耐衝撃性に優れたポリエチレン被覆が得られた。
【0049】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、金属曲管の外周面にポリオレフィン厚膜層を反応硬化性エポキシ樹脂及び熱融接着剤を介して強固に接合した複層樹脂被覆を備えた複層樹脂被覆金属曲管を製造することができ、得られた複層樹脂被覆金属曲管は優れた耐久性を備えており、土中や海域などの過酷な環境下に設置されるパイプラインに好適に使用できるといった効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b)はそれぞれ本発明に使用する金属曲管の例を示す概略平面図
【図2】(a),(b),(c),(d)は、金属曲管の外周面に仮組み複層被覆を形成する手順の1例を示す概略断面図
【図3】金属曲管外周面に熱融接着剤のテープを包帯巻きする状態を示す概略平面図
【図4】金属曲管外周面にポリオレフィンのテープを包帯巻きする状態を示す概略平面図
【図5】(a),(b)はそれぞれ、金属曲管外周面に巻いたポリオレフィンテープの重なり部分を拡大して示す概略断面図
【図6】金属曲管外周面にポリオレフィンの短管を嵌合する状態を示す概略平面図
【図7】図6の実施形態に用いる短管を製造する工程を説明する概略断面図
【図8】(a),(b),(c)はそれぞれ、金属曲管外周面に嵌合した短管の接合部分を拡大して示す概略断面図
【図9】外周面に熱融接着剤の薄膜層を形成した金属曲管とそれに嵌合する曲管状成形体を示す概略平面図及び断面図
【図10】(a)は成形体18Aのセグメント18Aaの概略平面図
(b)は成形体18Aの概略正面図
【図11】外周面に仮組み複層被覆を形成した金属曲管を誘導加熱する状態を示す概略平面図
【図12】外周面に仮組み複層被覆を形成した金属曲管を誘導加熱する状態を示す概略断面図
【図13】(a)金属曲管外周面にポリオレフィンの多孔質構造のシートを配置する状態を示す概略平面図
(b)金属曲管外周面に配置したシート同志の重なり部分を拡大して示す概略断面図
【符号の説明】
1,1A 金属曲管
2 エポキシ樹脂不完全硬化定着層
3 熱融接着剤の薄膜層
4 ポリオレフィンの厚膜層
5 仮組み複層被覆
7 熱融接着剤のテープ
9 ポリオレフィンのテープ
12 ポリオレフィンの短管
18 ポリオレフィンの曲管状成形体
18A ポリオレフィンの成形体
18Aa,18Ab 曲管状成形体セグメント
25 誘導コイル
27 ポリオレフィンの多孔質構造のシート

Claims (18)

  1. 金属曲管の外周面に、まず、反応硬化性エポキシ樹脂の不完全硬化定着層を形成し、次いで、この定着層の上に、熱融接着剤の薄膜層及びポリオレフィンの厚膜層を接触した状態に配置した仮組み複層被覆を形成し、その後、この被覆の下の金属曲管を誘導加熱することにより、該金属曲管からの伝熱で前記不完全硬化定着層の完全硬化と前記熱融接着剤の溶融による層間接合とを同時進行させて、前記仮組み複層被覆を一体化複層被覆に完成させることを特徴とする複層被覆金属曲管の製造方法。
  2. 前記仮組み複層被覆のポリオレフィンの厚膜層を、厚膜のポリオレフィンテープを前記金属曲管に包帯巻きする操作によって形成する、請求項1記載の複層被覆金属曲管の製造方法。
  3. 前記包帯巻きを、前記ポリオレフィンテープに1〜5%の弾性伸び歪が生じる張力を付与しながら行う、請求項2記載の複層被覆金属曲管の製造方法。
  4. 前記包帯巻きを、前記ポリオレフィンテープを溶融温度未満の温度に加熱した状態で行う、請求項2又は3記載の複層被覆金属曲管の製造方法。
  5. 前記仮組み複層被覆のポリオレフィンの厚膜層を、ポリオレフィンの溶射によって形成する、請求項1記載の複層被覆金属曲管の製造方法。
  6. 前記仮組み複層被覆のポリオレフィンの厚膜層を、前記金属曲管の外周面上に前記定着層及び熱融接着剤の薄膜層を介して密に嵌合可能な形状のポリオレフィン製の複数の短管を一時的に拡径させた状態で遊嵌し元の径への復元によって密に嵌合させる操作によって形成する、請求項1記載の複層被覆金属曲管の製造方法。
  7. 前記短管の一時的な拡径を、該短管を溶融温度未満の温度に加熱して行う、請求項6記載の複層被覆金属曲管の製造方法。
  8. 前記仮組み複層被覆のポリオレフィンの厚膜層を、前記金属曲管の外周面上に前記定着層及び熱融接着剤の薄膜層を介して密に嵌合可能な形状のポリオレフィン製の曲管状成形体を一時的に拡径させた状態で遊嵌し元の径への復元によって密に嵌合させる操作によって形成する、請求項1記載の複層被覆金属曲管の製造方法。
  9. 前記仮組み複層被覆のポリオレフィンの厚膜層を、前記金属曲管の外周面上に前記定着層及び熱融接着剤の薄膜層を介して密に嵌合可能な形状のポリオレフィン製の曲管状成形体がその円周方向に複数のセグメントに分割された形態のポリオレフィン製の曲管状成形体セグメントを前記金属曲管の外周面に配置し、隣接したセグメントの端部同志を溶接接合して一体化する操作によって形成する、請求項1記載の複層被覆金属曲管の製造方法。
  10. 前記仮組み複層被覆の熱融接着剤の薄膜層を、薄膜の熱融接着剤のテープを前記金属曲管に包帯巻きする操作によって形成する、請求項1から9のいずれか1項記載の複層被覆金属曲管の製造方法。
  11. 前記仮組み複層被覆の熱融接着剤の薄膜層を、熱融接着剤の溶射によって形成する、請求項1から9のいずれか1項記載の複層被覆金属曲管の製造方法。
  12. 前記ポリオレフィンテープの片面にあらかじめ熱融接着剤の薄膜層を形成しておき、そのポリオレフィンテープを、前記薄膜層を内側にして前記金属曲管に包帯巻きすることによって、前記仮組み複層被覆の熱融接着剤の薄膜層とポリオレフィンの厚膜層とを同時に形成する、請求項2、3又は4記載の複層被覆金属曲管の製造方法。
  13. 前記ポリオレフィン製の短管の内面にあらかじめ熱融接着剤の薄膜層を形成しておき、その短管を前記金属曲管に取り付けることによって、前記仮組み複層被覆の熱融接着剤の薄膜層とポリオレフィンの厚膜層とを同時に形成する、請求項6又は7記載の複層被覆金属曲管の製造方法。
  14. 前記ポリオレフィン製の曲管状成形体の内面にあらかじめ熱融接着剤の薄膜層を形成しておき、その曲管状成形体を前記金属曲管に取り付けることによって、前記仮組み複層被覆の熱融接着剤の薄膜層とポリオレフィンの厚膜層とを同時に形成する、請求項8記載の複層被覆金属曲管の製造方法。
  15. 前記ポリオレフィン製の曲管状成形体セグメントの内面にあらかじめ熱融接着剤の薄膜層を形成しておき、その曲管状成形体セグメントを前記金属曲管に取り付けることによって、前記仮組み複層被覆の熱融接着剤の薄膜層とポリオレフィンの厚膜層とを同時に形成する、請求項9記載の複層被覆金属曲管の製造方法。
  16. 金属曲管の外周面に、まず、反応硬化性エポキシ樹脂の不完全硬化定着層を形成し、次いで、この定着層の上に、熱融接着剤の薄膜層及び熱収縮性のポリオレフィンの厚膜層を配置した仮組み複層被覆を形成し、その後、外面側からポリオレフィンの厚膜層を加熱して収縮させ、且つこの被覆の下の金属曲管を誘導加熱することにより、該金属曲管からの伝熱で前記不完全硬化定着層の完全硬化と前記熱融接着剤の溶融による層間接合とを同時進行させて、前記仮組み複層被覆を一体化複層被覆に完成させることを特徴とする複層被覆金属曲管の製造方法。
  17. 金属曲管の外周面に、まず、反応硬化性エポキシ樹脂の不完全硬化定着層を形成し、次いで、この定着層の上に、熱融接着剤の薄膜層及びポリオレフィンの多孔質構造の厚膜層を接触した状態に配置した仮組み複層被覆を形成し、その後、この被覆の下の金属曲管を誘導加熱することにより、該金属曲管からの伝熱で前記不完全硬化定着層の完全硬化と前記熱融接着剤の溶融による層間接合と前記厚膜層の溶融一体化を同時進行させて、前記仮組み複層被覆を一体化複層被覆に完成させることを特徴とする複層被覆金属曲管の製造方法。
  18. 前記反応硬化性エポキシ樹脂は2液型の液状樹脂である、請求項1から17のいずれか1項記載の複層被覆金属曲管の製造方法。
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