JPH11502163A - 金属表面被覆 - Google Patents

金属表面被覆

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JPH11502163A
JPH11502163A JP9524900A JP52490097A JPH11502163A JP H11502163 A JPH11502163 A JP H11502163A JP 9524900 A JP9524900 A JP 9524900A JP 52490097 A JP52490097 A JP 52490097A JP H11502163 A JPH11502163 A JP H11502163A
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プランシュノル,ジェラル
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Abstract

(57)【要約】 熱可塑性ポリマーで被覆された金属表面であって、金属表面と熱可塑性ポリマーとの間に少なくとも一種の接着剤の層を有し、この接着剤が金属表面に適用可能な加熱温度以下のビカー軟化点を有することを特徴とする金属表面。金属と接着剤との間にエポキシ樹脂を加えることができる。55〜70℃以上に加熱できない管の外側表面の被覆で特に有用。接着剤はエチレン/アルキル(メタ)アクリレート/無水マレイン酸共重合体が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】 金属表面被覆 本発明は金属表面の被覆、特に外側表面が熱可塑性ポリマーで被覆された管に 関するものである。本発明方法は例えば地中または水中に敷設されたパイプライ ンを腐食から保護するために用いられる。 従来法では、管を130〜200℃に加熱した後、ポリエチレン粉末を吹き付け、そ れを溶融して連続したポリエチレン被膜にしている。加熱表面をグラフト化ポリ オレフィンから成る第1層で被覆した後に、ポリエチレン外側層を被覆すること もできる。 国際特許第WO92/03234号には、管を少なくとも200℃に加熱し、その上に厚 さ200μmのエポキシ樹脂を付け、架橋終了前に無水マレイン酸をグラフトした エチレン共重合体から成る厚さ500μmの層を付け、最後に少なくとも300μmの ポリエチレンを被覆方法が記載されている。 本発明は、金属の片面が既にポリエチレン等で被覆されていたり、表面金属が 加熱不可能(例えば鋳鉄)であったり、金属と反対側の被膜が加熱不可能である 等の理由で、加熱することのできない金属表面を被覆する方法に関するものであ る。 例えば、内側がペイントまたはポリエチレンで被覆された鋼管、鋳鉄管や内側 がセメントで被覆された鋳鉄、鋼管等の管の表面は大抵の場合、60℃以上に加熱 することができない。 本出願人は、金属表面に適用可能な加熱温度以下、最大でもこの温度と同じビ カー軟化点を有する接着剤を使用することによって、23℃における剥離強度が30 0または400N/5cmに達する被膜が得られることを見い出した。ビカー軟化点が上 記温度を越えると剥離強度が著しく不十分になり、被膜を使うことが不可能にな る。 本発明は、金属表面と熱可塑性ポリマーとの間に少なくとも一種類の接着剤を 含む熱可塑性ポリマーで被覆された金属表面に関するもので、上記接着剤のビカ ー 軟化点は金属表面に適用可能な加熱温度よりも低いかあるいは最大でもこの温度 とほぼ同じである。 本発明はさらに、上記表面の被覆方法に関するものである。 本発明は、従来法で鋼表面に通常適用される温度すなわち100℃以上、200℃以 下の温度まで加熱できない表面、例えば鋳鉄または片面が高温に加熱できない製 品、例えばポリエチレンまたはセメントで被覆された鋳鉄に適用できる。すなわ ち、本発明は片面が既に被覆されている場合や、片面のみに被覆したい場合等に 、金属表面の片面または両面を被覆する方法に関するものである。 本発明は例えば外径が最大0.8〜1.5mで厚さが2〜25mmの管の外側表面の被覆 に特に有用である。 本発明での加熱温度とは約50〜100℃、一般には55〜70℃を意味する。 熱可塑性ポリマーの例としてはポリオレフィン、ポリアミドおよびポリアミド /ポリオレフィン混合物を挙げることができ、これらポリマーにはガラス繊維が 充填されていてもよい。 金属表面を加熱できないので、本発明の被覆表面の使用温度は約50〜100℃と 低いので、ポリアミドを使用する必要はなき、ポリオレフィンを使用するのが有 利である。ポリオレフィンの例として以下のものを挙げることができる: 1)ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンまたはポリエチレンと少なくとも 一種のαオレフィンとの共重合体(特にLDPE,LLDPE,VLDPEおよ びHDPEを挙げることができる) 2)不飽和カルボン酸エステル、亜鉛やリチウム等の金属またはアルカリ剤によ って全部または一部を中和したカルボン酸または飽和カルボン酸ビニルエステル の中から選択される少なくとも一種のモノマーとエチレンとの共重合体。 ポリエチレンまたはポリプロピレンを使用するのが有利である。 熱可塑性ポリマーにはガラス繊維、タルク、粘土、アルミナまたはシリカを充 填することができ、さらに抗酸化剤等を含むことができる。 接着剤は熱可塑性プラスチックを金属表面へ結合でき且つビカー軟化点が金属 表面での使用最高加熱温度よりも低いか、最大でもこの温度とほぼ同等である任 意の化合物にすることができる。従って、接着剤のビカー軟化点は最高で50ま たは100℃であり、通常は55〜70℃である。 例えば60℃以上に加熱することができない鋳鉄管の場合、接着剤のビカー軟化 点は60または65℃以下、好ましくは55℃以下、さらに好ましくは20〜50℃である 。 本発明の一つの実施態様では、接着剤は(i)不飽和カルボン酸、(ii)不飽和ジ カルボン酸無水物、(iii)これらの酸または無水物の誘導体、例えば塩、アミド 、イミドまたはエステルまたは(iv)不飽和エポキシドから選択されるモノマーを グラフトまたは共重合して官能基を付与したポリマーにすることができる。 本発明の別の実施態様では、接着剤はホットメルト型配合物のポリマーにする ことができる。ホットメルトまたは熱溶融接着剤はベースポリマー(ホットメル トのコアを構成する)に粘着付与樹脂、ワックス、安定化剤および必要に応じて 添加される充填剤を混合したものであり、その中から適切なビカー軟化点を有す るものを選択すればよい。この接着剤のメルトフローインデックス(MFI)は 0.5〜1,000(g/10分,190℃,2.16kg)にすることができる。 出願人はさらに、MFIが10以上、好ましくは15〜100であれば、接着剤層は 均質かつ容易に塗布でき、優れた剥離強度が確実に得られるということを見い出 した。逆に、MFIが過度に低い場合、例えば0.5〜10の場合には、接着剤が表 面全体に行き渡るように注意しなければならない。 接着剤は下記1)〜3)の共重合体にするのが有利である: 1)エチレン、 2)必要に応じて下記(a)〜(c)から選択される一種または複数のモノマー: (a)不飽和カルボン酸エステル (b)飽和カルボン酸ビニルエステル (c)α-オレフィン 3)グラフト化または共重合された官能基を有するモノマー。 官能基を有するモノマーは不飽和カルボン酸、無水物またはそれら酸および無 水物の誘導体にすることができる。カルボン酸の例としてはメタクリル酸、マレ イン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、イタコン酸無水物、ナド酸無水物 、マレイン酸無水物および置換基を有するマレイン酸無水物、例えばジメチルマ レ イン酸無水物などを挙げることができる。 誘導体の例として塩、アミド、イミドおよびエステル類、例えばモノマレイン 酸およびナトリウムジマレート、アクリルアミド、マレイミドおよびジメチルフ マレートを挙げることができる。 メタクリル酸の塩としては亜鉛またはリチウム塩(異性体)を挙げることがで きる。 官能基を有するモノマーは不飽和エポキシド、例えばグリシジル(メタ)アク リレート、アリルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、グリシジル イタコネートまたはグリシジルマレエート等にすることができる。 接着剤の例としては下記を挙げることができる: 1)無水マレイン酸またはグリシジルメタクリレートがグラフトされたポリエチ レン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/ブテン共重 合体 2)無水マレイン酸はグラフト化または共重合されたエチレン、アルキル(メタ )アクリレート/無水マレイン酸共重合体 3)無水マレイン酸はグラフト化または共重合されたエチレン/酢酸ビニル/無 水マレイン酸共重合体 4)上記無水マレイン酸をグリシジルメタクリレートで置換した共重合体 5)エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体と必要に応じて用いられるその塩。 アルキル(メタ)アクリレートは例えばメチルアクリレート、エチルアクリレ ート、n- ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、2-エチルヘキシルア クリレート、シクロヘキシルアクリレート、メチルメタクリレートまたはエチル メタクリレートにすることができる。 接着剤はエチレン/アルキル(メタ)アクリレート/無水マレイン酸共重合体 にするのが好ましい。本発明の特殊実施態様では、アルキル(メタ)アクリレー トの量は共重合体に対して45重量%以下、一般には5〜40重量%にすることがで きる。無水マレイン酸は10重量%以下、一般には0.2〜5重量%の量で存在するこ とができる。 アルキル(メタ)アクリレートはメチル、エチルまたはn-ブチルアクリレート であるのが好ましい。 接着剤はタルクやCaCO3等の無機充填剤を含むことができる。無機充填剤の 量は接着剤の量に対して10%以下にすることができる。 本発明の別の実施態様では、本発明によって被覆された金属表面は金属表面と 接着剤との間にさらに少なくとも一種のエポキシ樹脂を含む。この特殊実施態様 では、被覆された表面金属表面は少なくとも一層のエポキシ樹脂層、少なくとも 一層の接着剤層および少なくとも一層の熱可塑性ポリマー層をこの順番で有する 。 エポキシ樹脂は例えばカーク-オスマーの化学工学辞典(Kirk-Othmer Ency clopedia of Chemical Technology,第3版、Vol.9,p267-289)に記載され ている。この樹脂は通常ポリフェノールのポリグリシジルエーテルである。 例えば下記1)〜8)を使用することができる: 1)ビスフェノールAとエピクロロヒドリンとの縮合生成物 2)エポキ-シクレゾールノボラック(ECN)樹脂 3)エポキシ-フェノールノボラック 4)ビスフェノールF由来の樹脂 5)多核フェノールとグリシジルエーテルの誘導体 6)環状脂肪族樹脂 7)下記(a)〜(c)に示す芳香族アミン由来の樹脂: (a)テトラグリシジルメチレンジアニリン誘導体 (b)トリグリシジル-p-アミノフェノール誘導体 (c)トリグリシジルイソシアヌレート等のトリアジン誘導体 8)ヒダントイン由来の樹脂。 本発明で使用する樹脂は室温で架橋可能な二成分系であるのが好ましい。架橋 反応は例えばジメチルエタノールアミンおよびメチレンジアニリンなどのアミン またはジシアンジアミドなどのアミドやフェノール樹脂を用いて行うことができ る。 これらの樹脂は添加剤、例えばシリコン、顔料、例えば二酸化チタン、酸化鉄 、カーボンブラック、充填剤、例えば炭酸カルシウム、タルク、雲母などを含む ことができる。 ゲル化時間は20〜30分であるのが有利である。このゲル化時間はAFNOR規 格NFA49-706で定義され、これは所定温度で粘度が急速に上昇するのに要する 時間である。 液体状のエポキシ樹脂を使用するのが有利であり、これに触媒(架橋用)を添 加する。 必要に応じて用いられるエポキシ樹脂層の厚さは20〜400μm、好ましくは50 〜150μmにすることができる。 接着剤層の厚さは100〜500μm、好ましくは200〜350μmにすることができる 。 熱可塑性ポリマー層の厚さは0.5〜5mm、好ましくは1.5〜3mmにすることができ る。 本発明はさらに、これら被覆表面の製造方法に関するものである。 先ず最初に、金属表面を脱脂および/またはショットブラスティングあるいは サンドブラスティングで処理する。必要に応じて液体状のエポキシ樹脂を金属表 面に塗布する。約20〜30分後すなわちゲル化時間終了後、管を加熱し、成膜形成 法または積層法によって接着剤層を形成する。次いで、同様の方法で熱可塑性ポ リマー層を形成する。 金属管の外側表面にも同様の方法で必要に応じてエポキシ樹脂層を形成した後 、管の周囲に環状ダイを用いて接着剤を同軸に押し出す。フラットダイを用いて 接着剤の連続リボンを作り、例えば管を回転させることによって管の周囲にリボ ンを巻き付けてもよい。熱可塑性プラスチック層も同様の方法で形成できる。実施例1〜3 これらの実施例は外径118mm、厚さ8mmの鋳鉄管に下記被覆を形成する: LDPE1はMFIが0.2である低密度ポリエチレンにカーボンブラックを充填 したもの(エルフアトケム社製の1 002CJ black)である。 この接着剤は下記特性を有する: Orevac 1は6%のGMAを含むE/VA/GMA共重合体である(VAは酢酸ビ ニルを表し、GMAはグリシジルメタクリレートを表す)。 Lotader 1は17重量%のアクリレートと3重量%のMAHとを含むエチレン/ エチルアクリレート/無水マレイン酸共重合体である。 Lotader 2は9重量%のアクリレートと3重量%のMAHとを含むエチレン/エ チルアクリレート/無水マレイン酸共重合体である。 ショットブラスティングされていない管を60℃に加熱する。 230℃(融点)で押出して接着剤層を管上に形成し、その上に220℃(融点)で LDPE 1を押出被覆する。その後、管を水で3分間冷却する。 結果を表1に示す。 実施例4 鋳鉄管を下記のように被覆する: 塗布条件 管をショットブラスティング(粗さRz=70μm)エポキシ樹脂 液体エポキシRaychcm S1301(成分A)と触媒(成分B)とを混合:成分A/成 分B。Aは4-グリシジロキシ-N,N-ジグリシジルアニリンとビスフェノールA トの混合物、Bは環状脂肪族アミン。 ブラシを用いて混合物を管に塗布した。架橋:23℃で30分間。 その後は上記実施例と同様に操作した。 (a) 管を60℃に加熱 (b) 接着剤次いでLDPEを押し出す: 接着剤 :融点=230℃ LDPE:融点=220℃ 被覆した管を3分間水冷。 接着性能の測定結果(幅50mmのストリップで測定): 23℃ 400N/5cm 50℃ 75N/5cm
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 プランシュノル,ジェラル フランス国 27470 スルキニー ル グ ラン シェスネー フォンタン ラベ (番地なし) (72)発明者 ジャクメ,レジ フランス国 27000 エヴリュー リュ ドゥ ベルヴュ 12

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.熱可塑性ポリマーで被覆された金属表面であって、金属表面と熱可塑性ポリ マーとの間に少なくとも一種の接着剤の層を有し、この接着剤が金属表面に適用 可能な加熱温度以下のビカー軟化点を有することを特徴とする金属表面を有する 物品。 2.熱可塑性ポリマーがポリエチレンまたはポリプロピレンである請求項1に記 載の物品。 3.接着剤が熱溶融性接着剤(ホットメルト接着剤)である請求項1または2に 記載の物品。 4.接着剤が、(i)不飽和カルボン酸、(ii)不飽和ジカルボン酸無水物、(iii)こ れらの酸または無水物の誘導体または(iv)不飽和エポキシドからなる群の中から 選択されるモノマーをグラフトまたは共重合して官能化したポリマーである請求 項1または2に記載の物品。 5.接着剤が下記1)〜3)の共重合体である請求項4に記載の物品: 1)エチレン、 2)必要に応じて下記(a)〜(c)から選択される一種または複数のモノマー: (a)不飽和カルボン酸エステル (b)飽和カルボン酸ビニルエステル (c)α-オレフィン および 3)グラフト化または共重合された官能基を有するモノマー。 6.金属表面と接着剤との間に少なくとも一つのエポキシ樹脂の層を有する請求 項1〜5のいずれか一項に記載の物品。 7.エポキシ樹脂のゲル化時間が室温で約20〜30分である請求項6に記載の物品 。 8.金属表面が管の外側表面である請求項1〜7のいずれか一項に記載の物品。
JP9524900A 1996-01-10 1996-12-30 金属表面被覆 Pending JPH11502163A (ja)

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